JP2006036737A - 光学活性ニトロアルコール化合物の製造方法 - Google Patents

光学活性ニトロアルコール化合物の製造方法 Download PDF

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JP2006036737A JP2004223436A JP2004223436A JP2006036737A JP 2006036737 A JP2006036737 A JP 2006036737A JP 2004223436 A JP2004223436 A JP 2004223436A JP 2004223436 A JP2004223436 A JP 2004223436A JP 2006036737 A JP2006036737 A JP 2006036737A
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Mikio Sasaki
幹雄 佐々木
Tatsuro Yokoyama
達郎 横山
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Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Sumitomo Pharmaceuticals Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Abstract

【課題】式(4)
Figure 2006036737

式中、RおよびRはそれぞれ水素原子等を表わす。*は光学活性な炭素原子であることを意味する。)
で示される光学活性ニトロアルコール化合物の製造方法を提供すること。
【解決手段】式(1)
Figure 2006036737

(式中、RおよびRは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物とニトロメタンとを、銅化合物と式(2)
Figure 2006036737

(式中、Rはアルキル基等を表わす。R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子等を表わす。*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性ビスオキサゾリン化合物もしくは式(3)
Figure 2006036737

(式中、Arはアリール基等を、Rはアルキル基等を表わす。*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性ジアミン化合物とを接触せしめてなる銅触媒の存在下に、反応させることを特徴とする式(4)で示される光学活性ニトロアルコール化合物の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、光学活性ニトロアルコール化合物の製造方法に関する。
式(5)
Figure 2006036737
(式中、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わす。*は光学活性な炭素原子であることを意味する。)
で示される光学活性アミノアルコール化合物は、アミノアルコール骨格を有しており、例えば医薬品の中間体等として有用である(例えば特許文献1参照。)。光学活性アミノアルコール化合物の合成前駆体の一つとして、対応する光学活性ニトロアルコール化合物が一般的である(例えば特許文献2参照。)が、これまで前記式(5)で示される光学活性アミノアルコール化合物に対応する光学活性ニトロアルコール化合物である式(4)
Figure 2006036737
(式中、R、Rおよび*は上記と同一の意味を表わす。)
で示される光学活性ニトロアルコール化合物の製造方法についての報告例はない。
特公平6−53737号公報 国際公開第98/24753号パンフレット
このような状況のもと、本発明者らは、前記式(4)で示される光学活性ニトロアルコール化合物の製造方法について、検討したところ、式(1)
Figure 2006036737
(式中、RおよびRは上記と同一の意味を表わす。)
で示される化合物とニトロメタンとを、銅化合物と式(2)
Figure 2006036737
(式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わす。R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基をあらわす。ここで、RとRが結合して、それぞれの結合炭素原子を含む環を形成してもよく、また、二個のRが結合してその結合炭素原子を含む環を形成してもよい。*は光学活性な炭素原子であることを意味する。)
で示される光学活性ビスオキサゾリン化合物もしくは式(3)
Figure 2006036737
(式中、Arは置換されていてもよいアリール基を表わす。Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わす。ここで、二個のRが結合してそれぞれの結合炭素原子を含む環を形成してもよい。*は光学活性な炭素原子であることを意味する。)
で示される光学活性ジアミン化合物とを接触せしめてなる銅触媒の存在下に、反応させることにより、ニトロアルドール反応が進行し、式(4)で示される光学活性ニトロアルコール化合物が得られることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、式(1)
Figure 2006036737
(式中、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わす。)
で示される化合物とニトロメタンとを、銅化合物と式(2)
Figure 2006036737
(式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わす。R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わす。ここで、RとRが結合して、それぞれの結合炭素原子を含む環を形成してもよく、また、二個のRが結合してその結合炭素原子を含む環を形成してもよい。*は光学活性な炭素原子であることを意味する。)
で示される光学活性ビスオキサゾリン化合物もしくは式(3)
Figure 2006036737
(式中、Arは置換されていてもよいアリール基を表わす。Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わす。ここで、二個のRが結合してそれぞれの結合炭素原子を含む環を形成してもよい。*は光学活性な炭素原子であることを意味する。)
で示される光学活性ジアミン化合物とを接触せしめてなる銅触媒の存在下に、反応させることを特徴とする式(4)
Figure 2006036737
(式中、RおよびRは上記と同一の意味を表わし、*は光学活性な炭素原子であることを意味する。)
で示される光学活性ニトロアルコール化合物の製造方法を提供するものである。
本発明によれば、医薬品の中間体等として有用な式(4)で示される光学活性ニトロアルコール化合物をニトロアルドール反応により、製造することができる。
式(1)
Figure 2006036737
で示される化合物(以下、化合物(1)と略記する。)の式中、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わす。
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。置換されていてもよいアルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数1〜8の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の無置換アルキル基およびこれら無置換アルキル基を構成する水素原子が、例えば前記ハロゲン原子、例えばメトキシ基、エトキシ基等の炭素数1〜4の低級アルコキシ基、例えばフェニル基、ナフチル基等のアリール基等の置換基で置換された、例えばトリフルオロメチル基、エトキシエトキシ基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−メチルベンジル基、2,4,6−トリメチルベンジル基等の置換アルキル基が挙げられる。置換されていてもよいアルコキシ基としては、前記置換されていてもよいアルキル基と酸素原子とから構成される基が挙げられ、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、シクロヘキシルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ベンジルオキシ基等が挙げられる。
置換されていてもよいアルケニル基としては、例えばビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、2−メチル−1−プロペニル基、2−シクロヘキセニル基等の炭素数1〜8の直鎖状、分枝鎖状もしくは環状の無置換アルケニル基およびこれら無置換アルケニル基を構成する水素原子が、例えば前記ハロゲン原子、前記低級アルコキシ基、前記アリール基等の置換基で置換されたもの、例えば2−フェニルビニル基等が挙げられる。置換されていてもよいアリール基としては、例えばフェニル基、ナフチル基等の無置換アリール基およびこれら無置換アリール基を構成する水素原子が、前記ハロゲン原子、前記置換されていてもよいアルキル基、前記低級アルキル基等で置換されたもの、例えば2−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、3−クロロフェニル基、4−フルオロフェニル基、3−メトキシフェニル基等が挙げられる。
かかる化合物(1)としては、例えば2−ピリジンカルボアルデヒド、3−ピリジンカルボアルデヒド、4−ピリジンカルボアルデヒド、6−メチル−3−ピリジンカルボアルデヒド、6−クロロ−3−ピリジンカルボアルデヒド、5−ブロモ−2−ピリジンカルボアルデヒド、6−トリフルオロメチル−3−ピリジンカルボアルデヒド、6−メトキシ−3−ピリジンカルボアルデヒド、6−ベンジルオキシ−3−ピリジンカルボアルデヒド、2−シアノ−3−ピリジンカルボアルデヒド、6−フェニル−3−ピリジンカルボアルデヒド等が挙げられる。かかる化合物(1)は、市販されているものを用いてもよいし、公知の方法に準じて製造したものを用いてもよい。
ニトロメタンは、通常市販されているものが用いられ、その使用量は、化合物(1)に対して、通常1モル倍以上であり、その上限は特になく、例えば溶媒を兼ねて大過剰量用いてもよい。
銅化合物としては、例えば酢酸銅(II)、塩化銅(II)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(II)等の二価の銅化合物、例えばヨウ化銅(I)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)・トルエン錯体等の一価の銅化合物等が挙げられ、二価の銅化合物が好ましく、なかでも酢酸銅(II)が好ましい。かかる銅化合物としては、通常市販されているものが用いられる。
銅化合物の使用量は、化合物(1)に対して、銅金属換算で、通常0.001〜1モル倍、好ましくは0.005〜0.5モル倍、より好ましくは0.01〜0.3モル倍である。
式(2)
Figure 2006036737
で示される光学活性ビスオキサゾリン化合物(以下、光学活性ビスオキサゾリン化合物(2)と略記する。)の式中、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わす。R、RおよびRはそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わし、*は光学活性な炭素原子であることを意味する。置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基および置換されていてもよいアリール基としては、前記したものと同様のものが挙げられる。また、上記式(2)の式中、RとRが結合して、それぞれの結合炭素原子を含む環を形成してもよく、かかる環構造としては、例えばシクロペンタン環、シクロヘキサン環、インダン環等が挙げられる。また、二個のRが結合してその結合炭素原子を含む環を形成してもよく、かかる環構造としては、例えばシクロプロパン環、シクロペンタン環、シクロヘプタン環等が挙げられる。
かかる光学活性ビスオキサゾリン化合物の中でも、Rが置換されていてもよいアリール基である光学活性ビスオキサゾリン化合物、または、Rが置換されていてもよいアリール基であって、且つ、RとRが結合して、それぞれの結合炭素原子を含む環を形成した光学活性ビスオキサゾリン化合物が好ましい。
かかる光学活性ビスオキサゾリジン化合物(2)としては、例えば2,2’−メチレンビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−(1−エチルプロピリデン)ビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−(1−エチルプロピリデン)ビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−(1−フェニルベンジリデン)ビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−(1−フェニルベンジリデン)ビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−シクロプロピリデンビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−シクロプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピリデン)ビス[(4S)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−(2,2,3,3−テトラメチルシクロプロピリデン)ビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4,5−ジフェニル−2−オキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4S)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2’−(1−エチルプロピリデン)ビス[(4S)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2’−(1−エチルプロピリデン)ビス[(4R)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2’−(1−フェニルベンジリデン)ビス[(4S)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2’−(1−フェニルベンジリデン)ビス[(4R)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2’−シクロプロピリデンビス[(4S)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、2,2’−シクロプロピリデンビス[(4R)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]、
2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−(4−イソプロピルフェニル)−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−(4−イソプロピルフェニル)−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−(3,5−ジメトキシフェニル)−2−オキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4S)−4−フェニル−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−フェニル−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4S)−4−(1−ナフチル)−2−オキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−(1−ナフチル)−2−オキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4S)−4−(2−ナフチル)−2−オキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−(2−ナフチル)−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−(1−ナフチル)−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−(1−ナフチル)−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−(2−ナフチル)−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−(2−ナフチル)−2−オキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4S)−4−(1−ナフチル)−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−(1−ナフチル)−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4S)−4−(2−ナフチル)−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン]、2,2’−メチレンビス[(4R)−4−(2−ナフチル)−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−(1−ナフチル)−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−(1−ナフチル)−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−(2−ナフチル)−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン]、2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−(2−ナフチル)−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン]、
下記式
Figure 2006036737

Figure 2006036737
で示される光学活性ビスオキサゾリジン化合物等が挙げられる。
かかる光学活性ビスオキサゾリン化合物は、市販されているものを用いてもよいし、例えば特開平9−255668号公報等に記載の公知の方法に従い製造したものを用いてもよい。
式(3)
Figure 2006036737
で示される光学活性ジアミン化合物(以下、光学活性ジアミン化合物(3)と略記する。)の式中、Arは置換されていてもよいアリール基を表わし、Rは置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わし、*は光学活性な炭素原子であることを意味する。
置換されていてもよいアリール基、置換されていてもよいアルキル基および置換されていてもよいアルケニル基としては、上記したものと同様のものが挙げられる。
上記式(3)の式中、二個のRが結合してそれぞれの結合炭素原子を含む環を形成してもよく、かかる環構造としては、例えばシクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロオクタン環等が挙げられる。
かかる光学活性ジアミン化合物(3)としては、例えば(1R,2R)−1,2−ジフェニル−N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、(1S,2S)−1,2−ジフェニル−N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、(1R,2R)−1,2−ジフェニル−N,N’−ビス(2−メチルベンジル)エチレンジアミン、(1S,2S)−1,2−ジフェニル−N,N’−ビス(2−メチルベンジル)エチレンジアミン、(1R,2R)−1,2−ジフェニル−N,N’−ビス(2,6−ジメチルベンジル)エチレンジアミン、(1S,2S)−1,2−ジフェニル−N,N’−ビス(2,6−ジメチルベンジル)エチレンジアミン、(1R,2R)−1,2−ジフェニル−N,N’−ビス(2,4,6−トリメチルベンジル)エチレンジアミン、(1S,2S)−1,2−ジフェニル−N,N’−ビス(2,4,6−トリメチルベンジル)エチレンジアミン、(1R,2R)−N,N’−ジベンジル−1,2−シクロヘキサンジアミン、(1S,2S)−N,N’−ジベンジル−1,2−シクロヘキサンジアミン、(1R,2R)−N,N’−ビス(2−メチルベンジル)−1,2−シクロヘキサンジアミン、(1S,2S)−N,N’−ビス(2−メチルベンジル)−1,2−シクロヘキサンジアミン、(1R,2R)−N,N’−ビス(2,6−ジメチルベンジル)−1,2−シクロヘキサンジアミン、(1S,2S)−N,N’−ビス(2,6−ジメチルベンジル)−1,2−シクロヘキサンジアミン、(1R,2R)−N,N’−ビス(2,4,6−トリメチルベンジル)−1,2−シクロヘキサンジアミン、(1S,2S)−N,N’−ビス(2,4,6−トリメチルベンジル)−1,2−シクロヘキサンジアミン等が挙げられる。
かかる光学活性ジアミン化合物(3)は市販されているものを用いてもよいし、例えば特開平6−73066号公報、特開平9−77723号公報等に記載の公知の方法に従い製造したものを用いてもよい。
かかる光学活性ビスオキサゾリン化合物(2)もしくは光学活性ジアミン化合物(3)の使用量は、銅化合物に対して、通常0.8〜2モル倍、好ましくは1〜1.5モル倍である。
本発明に用いられる銅触媒は、通常銅化合物と光学活性ビスオキサゾリン化合物(2)もしくは光学活性ジアミン化合物(3)とを、溶媒中で接触させることにより製造され、得られる銅触媒を含む溶液から、銅触媒を取り出してニトロアルドール反応に用いてもよいし、銅触媒を前記溶液から取り出すことなく、銅触媒を含む溶液をそのままニトロアルドール反応に用いてもよい。溶媒としては、銅触媒が形成可能な溶媒であって、ニトロアルドール反応に不活性な溶媒であれば特に制限されず、例えばメタノール、エタノール等のアルコール系溶媒、例えばテトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、例えばジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、例えばトルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒等の単独もしくは混合溶媒が挙げられる。その使用量は、特に制限されない。
化合物(1)とニトロメタンとの反応は、通常無溶媒もしくは溶媒中で、化合物(1)、ニトロメタンおよび銅触媒を接触、混合することにより実施され、その混合順序は特に制限されない。
溶媒としては、前記したものと同様のものが挙げられ、その使用量は、化合物(1)に対して、通常1〜100重量倍、好ましくは1〜50重量倍である。
反応温度は、通常−20℃〜反応液の還流温度の範囲であり、好ましくは−5〜40℃である。
反応終了後、例えば反応液をそのままもしくは濃縮処理した後、抽出処理し、得られる有機層を濃縮処理することにより、式(4)
Figure 2006036737
(式中、RおよびRは上記と同一の意味を表わし、*は光学活性な炭素原子であることを意味する。)
で示される光学活性ニトロアルコール化合物(以下、光学活性ニトロアルコール化合物(4)と略記する。)を取り出すことができる。また、例えば反応液を濃縮処理した後、カラムクロマトグラフィ処理することにより、光学活性ニトロアルコール化合物(4)を取り出すこともできる。
かかる光学活性ニトロアルコール化合物(4)としては、例えば(2R)−1−(2−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2S)−1−(2−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2R)−1−(3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2S)−1−(3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2R)−1−(4−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2S)−1−(4−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2R)−1−(6−メチル−3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2S)−1−(6−メチル−3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2R)−1−(6−クロロ−3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2S)−1−(6−クロロ−3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2R)−1−(5−ブロモ−2−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2S)−1−(5−ブロモ−2−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2R)−1−(6−トリフルオロメチル−3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2S)−1−(6−トリフルオロメチル−3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2R)−1−(6−メトキシ−3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2S)−1−(6−メトキシ−3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2R)−1−(6−ベンジルオキシ−3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2S)−1−(6−ベンジルオキシ−3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2R)−1−(2−シアノ−3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2S)−1−(2−シアノ−3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2R)−1−(6−フェニル−3−ピリジル)−2−ニトロエタノール、(2S)−1−(6−フェニル−3−ピリジル)−2−ニトロエタノール等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。なお、分析は、キラル高速液体クロマトグラフィ(LC)法により実施した。
実施例1
酢酸銅(II)・一水和物10mg、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−(1−ナフチル)−2−オキサゾリン]24mgおよびエタノール1.5mLを混合した後、攪拌しながら、ピリジン−3−カルボアルデヒド107mgおよびニトロメタン610mgを加えた。室温で一晩攪拌、反応させ、光学活性2−ニトロ−1−(3−ピリジル)エタノールを含む反応液を得た。光学活性2−ニトロ−1−(3−ピリジル)エタノールの光学純度は35%e.e.、二つの光学異性体を合わせたLC面積百分率値は91%であった。
実施例2
実施例1において、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−(1−ナフチル)−2−オキサゾリン]24mgに代えて、等モルの2,2’−イソプロピリデンビス[(4R)−4−フェニル−2−オキサゾリン]を用いた以外は実施例1と同様に実施して、光学活性2−ニトロ−1−(3−ピリジル)エタノールを含む反応液を得た。光学活性2−ニトロ−1−(3−ピリジル)エタノールの光学純度は27%e.e.、二つの光学異性体を合わせたLC面積百分率値は94%であった。
実施例3
実施例1において、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−(1−ナフチル)−2−オキサゾリン]24mgに代えて、等モルの(1R,2R)−1,2−ジフェニル−N,N’−ビス(2,4,6−トリメチルベンジル)エチレンジアミンを用いた以外は実施例1と同様に実施して、光学活性2−ニトロ−1−(3−ピリジル)エタノールを含む反応液を得た。光学活性2−ニトロ−1−(3−ピリジル)エタノールの光学純度は24%e.e.、二つの光学異性体を合わせたLC面積百分率値は90%であった。
実施例4
実施例1において、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−(1−ナフチル)−2−オキサゾリン]24mgに代えて、等モルの下記式
Figure 2006036737
で示される光学活性ビスオキサゾリン化合物を用いた以外は実施例1と同様に実施して、光学活性2−ニトロ−1−(3−ピリジル)エタノールを含む反応液を得た。光学活性2−ニトロ−1−(3−ピリジル)エタノールの光学純度は73%e.e.、二つの光学異性体を合わせたLC面積百分率値は89%であった。
実施例5
実施例1において、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−(1−ナフチル)−2−オキサゾリン]24mgに代えて、等モルの2,2’−シクロプロピリデン[(4S)−4−tert−ブチル−2−オキサゾリン]を用いた以外は実施例1と同様に実施して、光学活性2−ニトロ−1−(3−ピリジル)エタノールを含む反応液を得た。光学活性2−ニトロ−1−(3−ピリジル)エタノールの光学純度は19%e.e.、二つの光学異性体を合わせたLC面積百分率値は92%であった。
実施例6
実施例1において、2,2’−イソプロピリデンビス[(4S)−4−(1−ナフチル)−2−オキサゾリン]24mgに代えて、等モルの2,2’−イソプロピリデン[(4S)−4−(2−ナフチル)−5,5−ジメチル−2−オキサゾリン]を用いた以外は実施例1と同様に実施して、光学活性2−ニトロ−1−(3−ピリジル)エタノールを含む反応液を得た。光学活性2−ニトロ−1−(3−ピリジル)エタノールの光学純度は16%e.e.、二つの光学異性体を合わせたLC面積百分率値は90%であった。

Claims (3)

  1. 式(1)
    Figure 2006036737
    (式中、R1およびR2はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルコキシ基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わす。)
    で示される化合物とニトロメタンとを、銅化合物と式(2)
    Figure 2006036737
    (式中、R3は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わす。R4、R5およびR6はそれぞれ同一または相異なって、水素原子、置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わす。ここで、R3とR4が結合して、それぞれの結合炭素原子を含む環を形成してもよく、また、二個のR6が結合してその結合炭素原子を含む環を形成してもよい。*は光学活性な炭素原子であることを意味する。)
    で示される光学活性ビスオキサゾリン化合物もしくは式(3)
    Figure 2006036737
    (式中、Arは置換されていてもよいアリール基を表わす。R7は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わす。ここで、二個のR7が結合してそれぞれの結合炭素原子を含む環を形成してもよい。*は光学活性な炭素原子であることを意味する。)
    で示される光学活性ジアミン化合物とを接触せしめてなる銅触媒の存在下に、反応させることを特徴とする式(4)
    Figure 2006036737
    (式中、R1およびR2は上記と同一の意味を表わし、*は光学活性な炭素原子であることを意味する。)
    で示される光学活性ニトロアルコール化合物の製造方法。
  2. 式(2)で示される光学活性ビスオキサゾリン化合物が、R3が置換されていてもよいアリール基を表わす光学活性ビスオキサゾリン化合物、または、R3が置換されていてもよいアリール基を表わし、且つ、R3とR4が結合して、それぞれの結合炭素原子を含む環を形成した光学活性ビスオキサゾリン化合物である請求項1に記載の光学活性ニトロアルコール化合物の製造方法。
  3. 銅化合物と式(3)
    Figure 2006036737
    (式中、Arは置換されていてもよいアリール基を表わす。R7は置換されていてもよいアルキル基、置換されていてもよいアルケニル基または置換されていてもよいアリール基を表わす。ここで、二個のR7が結合してそれぞれの結合炭素原子を含む環を形成してもよい。*は光学活性な炭素原子であることを意味する。)
    で示される光学活性ジアミン化合物とを接触せしめてなる、ニトロアルドール反応用銅触媒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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