JP2006036053A - 自動車のシートベルトリトラクタの取付構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 補強構造を必要としないでシート近傍にシートベルトリトラクタを取り付けることのできる自動車のシートベルトリトラクタの取付構造を提供する。
【解決手段】 シートベルトリトラクタ12の実質的なアンカボルトを構成するリトラクタブラケット28の下端のボルトB2の位置が、キックアップパネル15の下端部と、後側シートブラケット21の後端接合フランジ21cと、車体強度部材のサブフレーム25の前端フランジ22bとが三枚重ねの状態の部位に設定されている。リトラクタブラケット28の上端水平部28bの2本のボルトB1の位置が、車体強度部材のリアフレーム18の前端の一部を構成するクロスメンバ16の下端接合フランジ16cとキックアップパネル15との接合部分に設定されている。シートベルトリトラクタ12はカバー部材20によって覆われている。
【選択図】 図6

Description

本発明は、自動車のシートベルトリトラクタの取付構造に関するものである。
シートベルトは車両の衝突事故から乗員を保護する重要な役割を担っている。近時のシートベルトは、未使用時にリトラクタによって巻き取られるようになっているが、シートベルリトラクタの機能として、シートベルトを巻き取る本来的な機能の他に、車両衝突時や衝突を予知したときに、シートベルトを巻き取るプリテンショナ機構が実用化されていることから、リトラクタは大型化の傾向にある。
シートベルトリトラクタは、乗用車などの一般的な車両では、シートの側方つまり車体側部(例えばピラー)に取り付けられている。しかし、特殊な車両、例えば2シータ/オープントップ型自動車にあっては、衝突時に大きな引っ張り荷重が作用するシートベルトリトラクタを支持するに足りる適当な剛性部材をシートの近傍に見出すことが難しい。
特許文献1は、シートベルトリトラクタをロールバー(ガードバー)に取り付けることを提案している。これによれば、ロールバーは車両転倒時に乗員を保護する部材であることから、衝突時に大きな引っ張り力が作用するシートベルトリトラクタを支持する能力を備えている。
2シータ/オープントップ型自動車は、ボディ構造として、車室の床面を構成するフロントフロア部の後端からシートの背面近傍で後斜め上方に延びるキックアップ部を有し、このキックアップ部の上端には、車幅方向に延びるクロスメンバによって閉断面が形成されている。特許文献2は、クロスメンバ内にレインフォースメントを設け、このレインフォースメントにシートベルトリトラクタを取り付けることを提案している。
特開平5−58240号公報 特開平4−342672号公報
しかしながら、特許文献1のように、ロールバーにシートベルトリトラクタを取り付けた場合、これをトリムで覆ったとしても、シートベルトリトラクタが大型化の傾向にあることから、トリムのデザインに大きな影響を及ぼす要因になり、見栄えの点で大きな制約を受けることになる。言うまでもないことであるが、ロールバーを具備しない車両には、特許文献1に開示の技術を適用することができない。
また、特許文献2のように、キックアップ部の上端の閉断面にレインフォースメントを設けて、このレインフォースメントにシートベルトリトラクタを取り付ける場合には、シートベルトリトラクタが比較的小型の場合には問題が無いが、シートベルトリトラクタの大型化に対して設計上の余裕度が小さい。すなわち、大型のシートベルトリトラクタを取り付ける場合には、レインフォースメントも大型化せざるを得ず、ひいては、このクロスメンバも大型化せざるを得ない。
本発明は、叙上の実情を勘案して案出されたものであり、その目的は、2シータ/オープントップ型自動車のようなシートベルトリトラクタを取り付けることのできる適当な剛性部材をシート近傍に見出すことが難しい車両であっても、補強構造を必要としないでシート近傍にシートベルトリトラクタを取り付けることのできる自動車のシートベルトリトラクタの取付構造を提供することにある。
本発明の更なる目的は、自動車ボディの基本設計を大幅に変更することなく、シートベルトリトラクタの大型化に対応可能な自動車のシートベルトリトラクタの取付構造を提供することにある。
かかる技術的課題は、本発明によれば、
シートが取り付けられるフロントフロア部と、
該フロントフロア部の後端から前記シートの背面に沿って後斜め上方に延びるキックアップ部と、
該キックアップ部の上端から後方に延びるリアフロア部と、
前記フロントフロア部、キックアップ部、リアフロア部の下面の両側部に設けられ、車体前後方向に延びるフレームとを備えた自動車のシートベルトリトラクタの取付構造において、
前記シートベルトリトラクタのリトラクタブラケットが、締結手段によりキックアップ部と前記フレームとに共締めされていることを特徴とする自動車のシートベルトリトラクタの取付構造を提供することにより達成される。
すなわち、本発明によれば、全体として見れば剛性が低いキックアップ部のうち、車体強度部材のフレームが位置している部分に対してリトラクタブラケットを、例えばボルトなどの締結手段により共締めすることで、フレームの剛性を利用してシートベルトリトラクタを支持することができる。したがって、別途、補強部材を用意するまでもなく、衝突時に作用する引っ張り力に抗してシートベルトリトラクタを支持することができる。
本発明の好ましい実施の形態では、キックアップ部に開口部が設けられ、この開口部を通じてシートベルトリトラクタがキックアップ部の背面側に配設される。これによれば、シートベルトリトラクタが車室外に配設されることになることから、シートベルトリトラクタが大型化しても充分に対応することができる。リトラクタブラケットが締結手段により共締めされるフレームは、フロントフロア部からキックアップ部に沿って延びるフロントフレームであってもよいし、キックアップ部から後方に延びるリアフレームであってもよい。
本発明の好ましい実施の形態では、リアフレームが、下方にアーチ状に延びるサブフレームを有し、このサブフレームの前端がキックアップ部に接合され、この接合部位にリトラクタブラケットが締結手段により共締めされる。シートベルトリトラクタがキックアップ部の開口部を通じてキックアップ部の背面側に配設される場合には、シートベルトリトラクタの下方領域にサブフレームが位置することから、下方からの石跳ねに対してサブフレームによってシートベルトリトラクタを保護することができる。好ましい実施の形態では、サブフレームの両側の側壁パネルによって閉じられた空間にシートベルトリトラクタが配設され、このシートベルトリトラクタはカバー部材によって覆われる。これにより、シートベルトリトラクタは、本来であればデッドスペースとなる空間を利用でき、また、この空間は広がりを有することからシートベルトリトラクタの大型化にも容易に対応することができる。加えて、キックアップ部の開口部を通じて外部から埃や走行音が侵入するのを、側壁パネル及びカバー部材の二重のバリアによって低減することができる。
シートを取り付けるためのシートブラケットの後端に、キックアップ部に接合される後端接合フランジを備えている場合、この後端接合フランジを含めて、リトラクタブラケットの下端部を締結手段により共締めするのがよい。シートブラケットは一般的に三次元立体形状を有することから、このシートブラケットを利用して、シートベルトリトラクタの支持剛性を向上することができる。
本発明は、最も好適には、格納可能なルーフを備えたオープントップ型自動車に適用される。本発明によれば、従来のようにロールバーにシートベルトリトラクタを取り付けるのではなく、ルーフの格納に影響を及ぼさない部位であるキックアップ部にシートベルトリトラクタを配設するものであることから、ルーフの格納性及びシートとロールバーの近接配置に影響を及ぼすことがないという利点がある。
以下に、添付の図面に基づいて本発明の好ましい実施例を説明する。
図1〜図3は、2シータ/オープントップ型自動車の車室後部を部分的に示す図である。2シータ/オープントップ型自動車1は、各シート2のシートバック3の背面近傍にロールバー4が配設されている。ロールバー4は、シートバック3のヘッドレスト部3aの輪郭形状に沿った逆U字の形状を有し、ロールバー4の下端部はサイドフレーム5を介してリアフロア部(図3では図示せず)に連結されている。図3の参照符号6はトリムを示し、このトリム6によってロールバー4が覆われている。なお、図3では、トリム6の上部、つまりロールバー4の上部を覆う部分の図示を省いてある。
2シータ/オープントップ型自動車1は、図1に示すように、ルーフ部材7を有し、ルーフ部材7は、鋼鉄製のルーフ部7a、鋼鉄製のピラー部7b、リアガラス部7cとに三分割された構造を有し、ロールバー4の側方に配設された手動又は電動のリンク機構8により、車室を覆う展開状態(図の実線で示す状態)と、ロールバー4の後方に設けられた格納部9に収容される折り畳み状態とを選択的に取り得るようになっている。なお、本発明は、ルーフ部材7の材質として鋼鉄製に限定されるものではなく、フレキシブルな幌式であってもよい。
ロールバー4の側方つまりシートバック3のショルダ部3bの近傍にはシートベルトアンカ10(図2)が設けられ、このシートベルトアンカ10を通じてシートベルト11が外部に延出される。
シートベルト11を巻き取るためのシートベルトリトラクタ12の配置に関し、その概要を図3を参照して説明すると、自動車1は、フロントフロア部14の後端から後斜め上方に延びるキックアップ部15と、このキックアップ部15の上端から後方に延びるリアフロア部(図示せず)を有し、キックアップ部15の上端部には、車幅方向に延びるクロスメンバ16によって閉断面17が形成されている。
自動車1は、また、車体後部の左右両側部にリアフレーム18を有し、このリアフレーム18の前端はクロスメンバ16を介してキックアップ部15に連結されている。換言すれば、クロスメンバ16の車幅方向両端部分はリアフレーム18の一部を構成している。このようなシートバック3の背面近傍の車体構造に対して、前述したシートベルトリトラクタ12はキックアップ部15の背面(後面)側に設けられ(図3)、そして、シートベルトリトラクタ12は合成樹脂製のカバー部材20によって覆われている。
図4以降の図面は、シートベルトリトラクタ12の取付構造に関連した技術的事項の詳細を説明するための図面である。図4は、キックアップ部15の側部を車体前方から見た図であり、トリム6を取り外した状態で図示してある。図5は、キックアップ部15を斜め後方から見た図である。図6は図4のVI−VI線に沿った断面図である。図7は、フロントフロア部14とキックアップ部15との境界部分を車体内方から斜め後方に向けて見た図である。図8はフロントフロア部14とキックアップ部15とを車体後方から斜め上方に向けて見た、つまりフロントフロア部14の下面及びキックアップ部15の背面(後面)の構造を示す図である。
シート2近傍の車体構造を説明する前に、前述した車室の床面を構成するフロントフロア部14はフロントフロアパネルによって構成され、キックアップ部15は、キックアップパネルによって構成されている。したがって、以下の説明では、フロントフロアパネルに参照符号14を付し、キックアップパネルに参照符号15を付して説明する。
キックアップパネル15は、図6から最も良く分かるように、その下端に、前方に向けて屈曲させることにより形成された下端フランジ15aを有し、下端フランジ15aをフロントフロアパネル14の後端に重ね合わせた状態で溶接により接合されている。キックアップパネル15は、また、両側部に、略矩形の窓つまり開口部15bを有し(図7)、この開口部15bにシートベルトリトラクタ12が配設される(図4)。
図7を参照して、フロントフロアパネル14の上面には、後端部分に、車幅方向に延びる後側シートブラケット21がスポット溶接により固設されている。また、フロントフロアパネル14の上面には、後側シートブラケット21の前方に間隔を隔てて前側シートブラケット22がスポット溶接により固設されており、これら前後のシートブラケット21、22は、共に、フロントフロアパネル14の車幅方向中間部分に設けられた車体前後方向に延びるトンネル部14a(図8)と、車体側縁のサイドシル部14bとの間に亘って延びている。前後のシートブラケット21、22には、車体前後方向に延びるレール部材23の前端及び後端が、締結手段としてのボルトで締結され、このレール部材23を介してシート2がフロントフロアパネル14に搭載される。
後側シートブラケット21は、図7からも分かるように、車体前後方向の中央部分21aが上方に隆起し、その周縁部分に接合フランジ21bを備えた三次元立体形状を備えている。特に、後側シートブラケット21の後端縁を構成する後端接合フランジ21cは、キックアップパネル15の下端部の前面に沿って上方に延びる形状を有し、この後端接合フランジ21cはキックアップパネル15の下端部と重なり合った状態でスポット溶接されている。
図6(a)は、図4のIV−IV線に沿った断面図であり、図6(b)は図6(a)の一点鎖線で囲んだ部分を抽出した部分拡大図である。これら図6の(a)、(b)を参照して、キックアップパネル15の上端には、後方に屈曲させることにより形成された上端フランジ15cが形成されている。このキックアップパネル15の上端部には、その背面(後面)側に、車幅方向に延びるクロスメンバ16が設けられている。前述したように、自動車1の後部の両側部には、キックアップパネル15の後方にリアフレーム18が設けられている。この点について、図6を参照して詳しく説明すると、リアフレーム18は車体後部において前後方向に延在し、その前端が、クロスメンバ16を介してキックアップパネル15に連結されている。より詳しく説明すると、クロスメンバ16は、キックアップパネル15とほぼ並行に上下方向に延びる形状を有し、その上端を後方に屈曲させることにより上端接合フランジ16aが形成されている。クロスメンバ16の下端は前方に向けて延びる水平部分16bを有し、その前端を下方に屈曲させることにより下端接合フランジ16cが形成されている。
リアフレーム18は、その上端が、キックアップパネル15の上端フランジ15cに重ね合わせた状態で溶接されている。クロスメンバ16の上端接合フランジ16aは、リアフレーム18の上壁の下面に接合されている。リアフレーム18の下壁は、クロスメンバ16の水平部分16bに接合され、そして、クロスメンバ16の下端接合フランジ16cがキックアップパネル15の背面に接合されている。このクロスメンバ16の下端接合フランジ16cの溶接位置について詳しく説明すると、下端接合フランジ16cの下端縁の位置は、キックアップパネル15の開口部15bの上端縁にほぼ一致している。
リアフレーム18は、サスペンション(図示せず)を組み付けるためのサブフレーム(ブラケット)25を有している。このサブフレーム25は、図5、図6から分かるように、リアフレーム18の後端から下方にアーチ状に前方に延びる形状を有し、その横断面形状は、上方に向けて開放した略コ字状である。サブフレーム25の途中部分には、サスペンション取付部25aが設けられている。サブフレーム25の前端には、下方に屈曲させることにより形成された前端フランジ25bを有し、この前端フランジ25bは、キックアップパネル15の下端部に接合いる。前述したように、キックアップパネル15の下端部には、後側シートブラケット21の後端接合フランジ21cが接合されており、したがって、この接合部位は、サブフレーム25の前端フランジ25bとで三枚重ねの状態にある(図6)。
図5を参照して、キックアップパネル15とリアフレーム18とサブフレーム25と形成される側面視略三角形の空間S(図6)は、サブフレーム25の両側部からリアフレーム18の両側部に亘って延びる左右一対の側壁パネル26によって閉塞される。なお、図5では、左側のサブフレーム25については側壁パネル26を装着する前の状態を図示しており、他方、右側のサブフレーム25については側壁パネル26を取り付けた状態で図示してある。
2シータ/オープントップ型自動車1は、また、フロントフロアパネル14の左右両側部にフロントフレーム27を備えている(図8)。フロントフレーム27は、フロントフロアパネル14の下面に溶接されて車体前後方向に延び、その後端部分27aは、キックアップパネル15の背面に沿って上方に延び、その上端がクロスメンバ16に接合されている。
図8から分かるように、フロントフレーム27はリアフレーム18よりも車幅方向内方側にオフセットした位置に配設されているが、フロントフレーム27の車幅方向位置をリアフレーム18と一致させて、フロントフレーム27の後端をリアフレーム18に合流させるようにしてもよい。
図4〜図6を参照して、シートベルトリトラクタ12を覆う合成樹脂製のカバー部材20について説明すると、カバー部材20は、中央部分を後方に窪ませた矩形のリトラクタ収容ボックス部20a(図5)と、このリトラクタ収容ボックス部20aの外周縁で屈曲して外方に広がる周囲フランジ20b(図4)とを有し、リトラクタ収容ボックス部20aの外径輪郭は、キックアップパネル15の開口部15bの輪郭と実質的に同じである。カバー部材20の周囲フランジ20bには、その上部に車幅方向に離間して一対の係止部つまりフック20c、20cが形成されている(図4)。
シートベルトリトラクタ12は、上下に延びるリトラクタブラケット28(図4)を介してキックアップパネル15の開口部15bに取り付けられる。リトラクタブラケット28は、下端から真っ直ぐに上方に延びる本体28aと、本体28aの上端から車幅方向に延びる水平部28bとを備えた正面視T字状の形状を有し、本体28aの下端、水平部28bの両端の三カ所に、ボルト挿通孔が形成されている。この三カ所のボルト挿通孔は図面に現れていないが、このボルト挿通孔に対して車室側から、締結手段としてのボルトBが挿入され、溶接ナットN(図5、図8)によって締結される。
リトラクタブラケット28の下端のボルト挿入孔は、図6から最も良く分かるように、キックアップパネル15の下端部と、後側シートブラケット21の後端接合フランジ21cと、サブフレーム25の前端フランジ25bとが三枚重ねの状態の部位に設定されている。他方、リトラクタブラケット28の上端水平部28bの左右のボルト挿入孔は、キックアップパネル15の開口部15bの上端縁部、つまりリアフレーム18の前端を構成するクロスメンバ16の下端接合フランジ16cが接合される部位に設定されている。
リトラクタブラケット28の取り付け、つまりシートベルトリトラクタ12の取り付け作業について説明すると、先ずキックアップパネル15の開口部15bに車室側からカバー部材20を挿入し、カバー部材20の周囲フランジ20bをキックアップパネル15の前面に当接させる。カバー部材20の周囲フランジ20bには、その上端縁に隣接した位置に左右に離間した一対のボルト挿通孔(図示せず)が形成されている。この一対のボルト挿通孔は、リトラクタブラケット28の上端水平部28bのボルト挿通孔に対応している。
次いで、リトラクタブラケット28の上端水平部28bをカバー部材20の左右一対のフック20cに係止した状態でリトラクタブラケット28の位置決めを行い、3本のボルトBでリトラクタブラケット28を固定する。
これにより、カバー部材20の上端は、リトラクタブラケット28の上端水平部28bの2本のボルトB1によって固定され、カバー部材20の下端部は、リトラクタブラケット28の上下方向に延びる本体28aとキックアップパネル15とで挟持された状態となる。
叙上のリトラクタ取付構造によれば、シートベルトリトラクタ12の実質的なアンカボルトを構成するリトラクタブラケット28の下端のボルトB2の位置が、キックアップパネル15の下端部と、後側シートブラケット21の後端接合フランジ21cと、車体強度部材のサブフレーム25の前端フランジ22bとが三枚重ねの状態の部位に設定され、そして、これらと共締めされることから、別途、補強部材を設けるまでもなく、既存の部材、特に車体フレームの強度を利用して、衝突時に作用する引っ張り力(シートベルトリトラクタ12を上方に持ち上げる力)に抗してシートベルトリトラクタ12を支持することができる。
また、リトラクタブラケット28の上端水平部28bの2本のボルトB1の位置が、車体強度部材のリアフレーム18の前端の一部を構成するクロスメンバ16の下端接合フランジ16cとキックアップパネル15との接合部分に設定されて、これらと共締めされることから、別途、補強部材を設けるまでもなく、シートベルトリトラクタ12を支持することができる。また、シートベルトリトラクタ12及びカバー部材20の取り付けを全て車室側から行うことができるため、取り付け作業性が良い。
シートベルトリトラクタ12を車体に取り付けた後は、シートベルトリトラクタ12は、車室側に突出することなく、キックアップパネル15の背面(後面)側に位置し、また、このシートベルトリトラクタ12が位置する部位は、本来であればデッドスペースであるキックアップパネル15とリアフレーム18とサブフレーム25と形成される略三角形の空間Sであることから、当該空間Sを有効活用することができ、シートベルトリトラクタ12の大型化に容易に対応することができる。なお、略三角形の空間Sは前述したように両側壁パネル26によって閉じた空間となることから、キックアップパネル15の開口部15bを通じて外部から車室内への埃及び通過音の侵入に対して、カバー部材20及び両側壁パネル26の2重のバリアによって低減することができる。特に、略三角形の空間Sの下端が、サブフレーム25によって閉じられているため、石跳ねによってカバー部材20が破損するのを確実に防止することができる。
また、2シータ/オープントップ型自動車1に上述のシートベルトリトラクタ12の取付構造を採用して、キックアップパネル15の部分にシートベルトリトラクタ12を配設したことから、鋼板製又は幌製のルーフの展開及び格納に全く影響を及ぼすことが無い。特に、大きな格納スペースが必要となる鋼板製のルーフを採用する場合には効果的である。
上述の実施例では、リトラクタブラケット28の下端を、キックアップパネル15の下端部と、車体強度部材のサブフレーム25の前端フランジ25bの他に、三次元立体形状の後側シートブラケット21の後端接合フランジ21cが重ね合った部位にボルト締結するようにしてあるため、前述したように、シートベルトリトラクタ12を強固に支持することができる。変形例として、後側シートブラケット21の後端接合フランジ21cを省いて、キックアップパネル15の下端部とサブフレーム25の前端フランジ25bとの二枚重ねの接合部位にリトラクタブラケット28の下端をボルト締結するようにしてもよい。
また、上述の実施例では、リトラクタブラケット28の上端水平部28bの2本のボルトB1の位置が、クロスメンバ16の下端接合フランジ16cとキックアップパネル15との接合部分に設定してあるが、リアフレーム18の前端を前方に延長して、この延長端に接合フランジを設け、当該接合フランジをキックアップパネル15と接合して、この接合部位に、リトラクタブラケット28の上端水平部28bの2本のボルトB1の締結部位を設定するようにしてもよい。また、変形例として、リアフレーム18の前方に延長した端の接合フランジとクロスメンバ16の下端接合フランジ16cとキックアップパネル15とを三枚重ねにして、この三枚重ねの部位をボルトB1の締結部位として設定してもよい。
また、シートベルトリトラクタ12の取り付け部位、特に、ボルトBの締結部位に関し、例えば、キックアップパネル15に沿って上下に延びるフロントフレーム27の後端部分27a(図8)に設定してもよい。
この場合、図9に例示するように、フロントフレーム27の隆起部27bの一部を押し潰して、キックアップパネル15と当接する偏平部27cを形成し、この偏平部27cとキックアップパネル15とが当接する部位に、リトラクタブラケット28の下端及び/又は上端をボルトBでキックアップパネル15とフロントフレーム27とに共締めするようにしてもよい。(図9の例では、リトラクタブラケット28の下端を偏平部27cにボルトB2で締結した例を図示してある。)また、フロントフレーム27の隆起部27bとキックアップパネル15との間にスペーサ29を介在させて、リトラクタブラケット28をボルトBでキックアップパネル15及びフロントフレーム27の隆起部27bに共締めするようにしてもよい。(図9の例では、リトラクタブラケット28の上端をスペーサ29を介してボルトB1で締結した例を図示してある。)勿論、例えば、リトラクタブラケット28の上端水平部28bの双方のボルトB1又は何れか一方のボルトB1の締結位置をフロントフレーム27の隆起部27bの周囲のフランジ27dの部分に設定してもよい。勿論のことであるが、キックアップパネル15の下端部に後側シートブラケット21の後端接合フランジ21cを接合する場合には、当該部位とフロントフレーム27とを共締めできる部位を、リトラクタブラケット28の上端部のボルトB2による締結部位として設定してもよい。
実施例の2シータ/オープントップ型自動車のシート後方部分の構造を説明するための図である。 実施例の2シータ/オープントップ型自動車のシートのシートバック及びその回りの構造を示す正面図である。 実施例の2シータ/オープントップ型自動車のシートの後部の構造を説明するための図である。 キックアップ部の側部を車体前方から見た図である。 キックアップ部の側部を斜め後方から見た図である。 (a)は、図4のVI−VI線に沿った断面図であり、シートバックの背面に隣接して後斜め上方に延びるキックアップ部に関連した車体構造及びシートベルトリトラクタの取付構造の概要を説明するための図であり、一点鎖線で囲んだ部分を拡大した部分断面を(b)に示してある。 フロントフロア部とキックアップ部との角隅部分の斜視図である。 フロントフロア部とキックアップ部との境界部分を下方から見た図である。 変形例を説明するための断面図である。
符号の説明
1 2シータ/オープントップ型自動車
2 シート
7 ルーフ部材
8 リンク機構
12 シートベルトリトラクタ
14 フロントフロア部(フロントフロアパネル)
15 キックアップ部(キックアップパネル)
18 リアフレーム
20 合成樹脂製のカバー部材
21 後側シートブラケット
25 サブフレーム
25b サブフレームの前端フランジ
27 フロントフレーム
28 リトラクタブラケット

Claims (7)

  1. シートが取り付けられるフロントフロア部と、
    該フロントフロア部の後端から前記シートの背面に沿って後斜め上方に延びるキックアップ部と、
    該キックアップ部の上端から後方に延びるリアフロア部と、
    前記フロントフロア部、キックアップ部、リアフロア部の下面の両側部に設けられ、車体前後方向に延びるフレームとを備えた自動車のシートベルトリトラクタの取付構造において、
    前記シートベルトリトラクタのリトラクタブラケットが、締結手段によりキックアップ部と前記フレームとに共締めされていることを特徴とする自動車のシートベルトリトラクタの取付構造。
  2. 前記フレームが、車体後部の両側部に設けられるリアフレームであり、
    該リアフレームが前記キックアップ部に接合されるフランジを有し、
    前記リトラクタブラケットが、前記リアフレームのフランジと前記キックアップ部との接合部位に締結手段により共締めされていることを特徴とする請求項1に記載の自動車のシートベルトリトラクタの取付構造。
  3. 前記リアフレームが、下方にアーチ状に延びて前端に前記キックアップ部に接合されるフランジを備えたサブフレームを有し、
    該サブフレームのフランジと前記キックアップ部との接合部位に前記リトラクタブラケットが締結手段により共締めされ、
    前記シートベルトリトラクタが、前記キックアップ部の開口部を通じて該キックアップ部の背面側の空間に配設されていることを特徴とする請求項2に記載の自動車のシートベルトリトラクタの取付構造。
  4. 前記リトラクタブラケットが上下に延びる形状を有し、
    該リトラクタブラケットは、その上端部が、前記リアフレームのフランジと前記キックアップ部との接合部位に締結手段により共締めされ、前記リトラクタブラケットの下端部が、サブフレームのフランジと前記キックアップ部との接合部位に締結手段により共締めされていることを特徴とする請求項3に記載の自動車のシートベルトリトラクタの取付構造。
  5. 前記フレームが、前記フロントフロア部から前記キックアップ部に沿って延びる後端部を備えたフロントフレームであり、
    前記リトラクタブラケットが、前記フロントフレーム部の後端部と前記キックアップ部とに締結手段により共締めされていることを特徴とする請求項1に記載の自動車のシートベルトリトラクタの取付構造。
  6. 前記フロントフロアの後端に、該フロントフロア部に前記シートを取り付けるためのシートブラケットを有し、
    該シートブラケットが前記キックアップ部に接合される後端接合フランジを有し、
    前記リトラクタブラケットの下端部が、前記シートブラケットの後端接合フランジと、前記フレームと、前記キックアップ部とに締結手段により共締めされていることを特徴とする請求項1に記載の自動車のシートベルトリトラクタの取付構造。
  7. 前記自動車が、格納可能なルーフを備えたオープントップ型自動車であり、
    該オープントップ型自動車は、
    乗員を保護するために前記シートの後方に設けられたロールバーと、
    該ロールバーの後方に前記ルーフを格納するための格納部と、
    該ロールバーの側方に設けられ、前記ルーフを前記格納部に収容するためのリンク機構とを備えていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の自動車のシートベルトリトラクタの取付構造。
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