JP2006035603A - 集成木材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 短時間で簡便に撥水処理を施すことができ、どのように機械加工しても優れた撥水性を発揮できる集成木材の製造方法を提供する。
【解決手段】 撥水性を有する木材単板からなる集成木材の製造方法であって、少なくとも、木材単板を脱脂処理し、この脱脂処理した木材単板の片側表面から粘度30cSt以下の撥水剤を塗布浸透させて撥水処理単板とし、この撥水処理単板を積層圧締接着させる。
【選択図】なし
【解決手段】 撥水性を有する木材単板からなる集成木材の製造方法であって、少なくとも、木材単板を脱脂処理し、この脱脂処理した木材単板の片側表面から粘度30cSt以下の撥水剤を塗布浸透させて撥水処理単板とし、この撥水処理単板を積層圧締接着させる。
【選択図】なし
Description
本願発明は、集成木材の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、撥水性を有する木材単板からなる集成木材の製造方法に関するものである。
従来より、木材への水の浸入防止のために木材に塗装や撥水処理を施す方法が知られている。しかし、塗装による方法では、塗膜を通過して浸入した水や、製品の端部、継ぎ目から浸入した水で木材の劣化が進むという問題があった。また、撥水処理による方法では、製品の端部、継ぎ目からの浸入水には有効であるが、長時間多湿な条件下で置かれると撥水処理のされていない木材内部に水分がたまり、結果として木材の劣化が始まってしまうとういう問題があった。さらに、撥水剤をより木材の内部まで浸透させるために減圧加圧処理を行う方法もあるが、その浸透深さには限度があり、いまだ十分な撥水性を有していないというのが現状である。
そこで、上記の問題を解決するために、複数の薄板にシリコンオイルまたはパラフィン系のオイルを含浸させ、その後薄板を接着剤により積層接着するとともに加圧して接着強化する積層強化材の製造方法(例えば、特許文献1参照)や乾性油とポリアルキルグリコールまたはそのグリシジルエーテルとの混合液からなる処理液を木質材に注入含浸させたのち、処理液中の乾性油を酸化重合させて乾燥させ、処理液を木質材に固定させた改質木質材の製造方法(例えば、特許文献2参照)が提案されている。
しかしながら、上記の積層強化材の製造方法によれば薄板内部全体にオイルがゆきわたるまでに時間がかかり、上記の改質木質材の製造方法によれば木質材の乾燥工程に時間がかかるなど、十分な撥水性を有する木材を製造するためにある程度長い時間が必要であった。このため、短時間で簡便に撥水処理を施す方法が望まれているのが実情である。さらに、どのように機械加工しても優れた撥水性を発揮できる集成木材の製造方法についても望まれているが、より最良のものへのアプローチは依然として未踏のものであった。
特公平6−2321号公報
特開平8−118318号公報
本願発明は、以上の通りの背景から、短時間で簡便に撥水処理を施すことができ、どのように機械加工しても優れた撥水性を発揮できる集成木材の製造方法を提供することを課題としている。
本願発明は、第1には、撥水性を有する木材単板からなる集成木材の製造方法であって、少なくとも、木材単板を脱脂処理し、この脱脂処理した木材単板の片側表面から粘度30cSt以下の撥水剤を塗布浸透させて撥水処理単板とし、この撥水処理単板を積層圧締接着させることを特徴とする。
そして、第2には、木材単板の厚さが0.8mm〜2mmの範囲にあることを特徴とする。
前記のとおりのこの出願の第1の発明によれば、木材単板を脱脂処理し、この脱脂処理した木材単板の片側表面から粘度30cSt以下の撥水剤を塗布浸透させて撥水処理単板とし、この撥水処理単板を積層圧締接着させることで、短時間で簡便に撥水処理を施すことができるとともに、どのように機械加工しても優れた撥水性を発揮できる集成木材とすることができる。
この出願の第2の発明によれば、木材単板の厚さを0.8mm〜2mmの範囲とすることで、より短時間で効果的に撥水処理単板とすることができ、上記の第1の発明の効果をさらに向上させることができる。
本願発明は前記のとおりの特徴をもつものであるが、以下に発明を実施するための最良の形態を説明する。
本願発明の集成木材の製造方法は、撥水性を有する木材単板からなる集成木材の製造方法であって、少なくとも、木材単板を脱脂処理する工程、この脱脂処理した木材単板の片側表面から粘度30cSt以下の撥水剤を塗布浸透させて撥水処理単板とする工程、この撥水処理単板を積層圧締接着させて集成木材とする工程を含むものである。
本願発明で用いる木材単板としては、特に限定されることはなく、通常の木質建材として用いられるものを対象としている。そして、この木材単板を脱脂処理する工程としては、木材単板中の脂分を除去するために弱アルカリ性水溶液、例えば過酸化水素、苛性ソーダ、ケイ酸ソーダ、リン酸ソーダ等の水溶液中に、50℃〜80℃の温度で1〜5時間程度浸漬させるものである。この木材単板の脱脂処理によって、木材単板内部までムラなく均一に短時間で撥水剤を浸透させやすくすることができるものである。脱脂処理を行わない場合には、撥水剤を木材単板内部までムラなく均一に短時間で浸透させることができず、木材単板は十分な撥水性を発揮することができない。したがって、このような木材単板を用いた集成木材は、吸放水によるひずみで割れ・変形が生じてしまう。
脱脂処理工程の後、アルカリ分を除去するために70〜95℃の温水中で30分〜2時間程度洗浄してもよい。
次いで、この脱脂処理した木材単板の片側表面に撥水剤が塗布される。本願発明の撥水剤としては、その粘度が30cSt以下であることが必要である。このような撥水剤を木材単板の片側表面に塗布するという簡便な方法によって、木材単板に撥水剤を短時間で十分に浸透させて、撥水処理単板を得ることができる。粘度が30cStよりも大きい場合には、木材単板に撥水剤を塗布しても短時間で十分に浸透させることができない。このため、木材単板は十分な撥水性を発揮することができなくなり、この木材単板を用いた集成木材は、吸放水によるひずみで割れ・変形が生じてしまう。
撥水剤としては、通常の木質建材に用いられる撥水剤であれば特に限定されることはないが、特に脂肪酸金属塩系撥水剤を例示することができる。また、木材単板への撥水剤の塗布方法としては、特に限定されることはないが、例えば刷毛、スプレー、ロール等による各種の方法が挙げられる。
木材単板の厚さとしては、特に制限されることはないが0.8mm〜2mmの範囲にあることが好ましい。この場合には、木材単板の脱脂処理を効率良く行うことができるとともに撥水剤をより短時間で浸透させることができるため、より短時間で効果的に撥水処理単板とすることができる。木材単板の厚さが0.8mm未満の場合には、加工コストがかかるため集成木材とする経済的な意味がなくなってしまう。2mmを超える場合には、木材単板の脱脂処理を効率良く行うことができず、撥水剤を十分に浸透させることができなくなる場合がある。
撥水剤の塗布量は、木材単板の厚さによって異なり木材単板に十分に浸透するような量に設定されることが考慮される。例えば、木材単板の厚さが0.8mm〜2.5mmの場合には、40〜60g/m2が考慮される。この条件で塗布された場合の乾燥条件としては、風乾で10〜20時間であることが考慮される。
この撥水処理単板の表面に接着剤を塗布し、複数枚重ね合わせて圧締することで集成木材とすることができる。接着剤としては、例えばフェノール系、ユリア系、メラミン系、ウレタン系、水性高分子−イソシアネート系等の各種の接着剤を挙げることができ、ロールコーター、刷毛、スプレー等による方法によって塗布される。
本願発明の製造方法によれば、圧締する際に用いる圧締型に曲率を持たせることで、木材らしい木目を表現することができる。また、染料、顔料による着色、異種の樹種を用いることで、風合いを上げたりすることもできる。
このようにして製造された集成木材は、どのように機械加工されても優れた撥水性を発揮することができるものであり、木質建材一般に使用可能で、特に水まわり商品(トイレ、バス等)に使用される木材に適している。さらに、木質らしい風合いを重んじ伝統的に塗装をしない和風内装や、外装、エクステリア等に使用される木材への適用も可能である。
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しく説明する。もちろん以下の例によって発明が限定されることはない。
<実施例1〜3>
木材単板:素材 アガチスロータリー単板 0.8mm厚、2mm厚、2.5mm厚
(脱脂処理工程)
過酸化水素 4.0wt%
苛性ソーダ 0.2wt%
3号珪酸ソーダ 0.2wt%
の配合水溶液を60℃に保ち、木材単板を3時間浸漬処理した。その後90℃の温水中で1時間洗浄した。
(撥水剤塗布工程)
撥水剤:脂肪酸金属塩系撥水剤(ケミストップWD−C) 三井石化資材(株)製
粘度 4〜24cSt
木材単板の片側表面に塗布量40g/m2(固形分)として刷毛塗りで塗布し、1枚毎に棚置きで12時間風乾した。
(積層圧締接着工程)
接着剤:湿気硬化型ウレタン接着剤
塗布量:80g/m2 ロールコーター塗布
圧締接着:圧力3kg/cm2 圧締時間:2時間
型形状:柾目表現用曲率型
機械加工:上記材料で幅80mm×高さ70mm×長さ1800mmの集成木材を製作した。これを削りだして直径58mm×長さ1800mmの丸棒(バス用手すり)に加工した。
(評価方法)
撥水剤の浸透性評価:木材単板の片側表面に刷毛塗りで塗布、乾燥させた後、裏面側までの浸透の度合いを目視観察し、裏面側まで完全に浸透している場合には○、裏面側まで部分的に浸透していない場合には△、裏面側まで浸透していない場合には×とした。
撥水性評価(1):上記で作製した丸棒を24時間水中で浸漬させ、60℃で24時間乾燥させた。その後、この丸棒の外観を目視で観察し、○、△、×の三段階で評価した。
撥水性評価(2):上記で作製した丸棒を温度40℃湿度90%の条件で8週間載置し、60℃で48時間乾燥させた。その後、この丸棒の外観を目視で観察し、○、△、×の三段階で評価した。
木材単板:素材 アガチスロータリー単板 0.8mm厚、2mm厚、2.5mm厚
(脱脂処理工程)
過酸化水素 4.0wt%
苛性ソーダ 0.2wt%
3号珪酸ソーダ 0.2wt%
の配合水溶液を60℃に保ち、木材単板を3時間浸漬処理した。その後90℃の温水中で1時間洗浄した。
(撥水剤塗布工程)
撥水剤:脂肪酸金属塩系撥水剤(ケミストップWD−C) 三井石化資材(株)製
粘度 4〜24cSt
木材単板の片側表面に塗布量40g/m2(固形分)として刷毛塗りで塗布し、1枚毎に棚置きで12時間風乾した。
(積層圧締接着工程)
接着剤:湿気硬化型ウレタン接着剤
塗布量:80g/m2 ロールコーター塗布
圧締接着:圧力3kg/cm2 圧締時間:2時間
型形状:柾目表現用曲率型
機械加工:上記材料で幅80mm×高さ70mm×長さ1800mmの集成木材を製作した。これを削りだして直径58mm×長さ1800mmの丸棒(バス用手すり)に加工した。
(評価方法)
撥水剤の浸透性評価:木材単板の片側表面に刷毛塗りで塗布、乾燥させた後、裏面側までの浸透の度合いを目視観察し、裏面側まで完全に浸透している場合には○、裏面側まで部分的に浸透していない場合には△、裏面側まで浸透していない場合には×とした。
撥水性評価(1):上記で作製した丸棒を24時間水中で浸漬させ、60℃で24時間乾燥させた。その後、この丸棒の外観を目視で観察し、○、△、×の三段階で評価した。
撥水性評価(2):上記で作製した丸棒を温度40℃湿度90%の条件で8週間載置し、60℃で48時間乾燥させた。その後、この丸棒の外観を目視で観察し、○、△、×の三段階で評価した。
この結果をそれぞれ表1に示す。
表1の結果より、特に木材単板が0.8mm厚、2mm厚である場合には、撥水剤が裏面まで浸透し、機械加工しても優れた撥水性を発揮し、割れ、変形することなく耐水性が良好であることが確認できた。
<比較例1>
木材単板に脱脂処理工程を実施していない以外は、実施例2と同様の条件で評価した。この結果を表1に示す。
<比較例1>
木材単板に脱脂処理工程を実施していない以外は、実施例2と同様の条件で評価した。この結果を表1に示す。
この結果より、脱脂処理工程を実施しなかったことで、撥水剤が木材単板に十分に浸透せず、撥水性評価(1)(2)では丸棒に割れや変形が生じた。
<比較例2>
撥水剤ケミストップWD−Cの代わりに、粘度が40cStのケミストップCM−SL(三井石化資材(株)製)を用いた以外は、実施例2と同様の条件で評価した。この結果を表1に示す。
<比較例2>
撥水剤ケミストップWD−Cの代わりに、粘度が40cStのケミストップCM−SL(三井石化資材(株)製)を用いた以外は、実施例2と同様の条件で評価した。この結果を表1に示す。
この結果より、30cStよりも大きい粘度の撥水剤を用いたことで、撥水剤が木材単板に十分に浸透せず、撥水性評価(1)では丸棒にやや割れが生じ、撥水性評価(2)では割れが発生した。
Claims (2)
- 撥水性を有する木材単板からなる集成木材の製造方法であって、少なくとも、木材単板を脱脂処理し、この脱脂処理した木材単板の片側表面から粘度30cSt以下の撥水剤を塗布浸透させて撥水処理単板とし、この撥水処理単板を積層圧締接着させることを特徴とする集成木材の製造方法。
- 木材単板の厚さが0.8mm〜2mmの範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の集成木材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004217837A JP2006035603A (ja) | 2004-07-26 | 2004-07-26 | 集成木材の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2004217837A JP2006035603A (ja) | 2004-07-26 | 2004-07-26 | 集成木材の製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006035603A true JP2006035603A (ja) | 2006-02-09 |
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ID=35901104
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JP2004217837A Pending JP2006035603A (ja) | 2004-07-26 | 2004-07-26 | 集成木材の製造方法 |
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JP (1) | JP2006035603A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106042131A (zh) * | 2016-06-03 | 2016-10-26 | 福建农林大学 | 一种仿岩柏木瘤花餐桌面板的加工方法 |
-
2004
- 2004-07-26 JP JP2004217837A patent/JP2006035603A/ja active Pending
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CN106042131A (zh) * | 2016-06-03 | 2016-10-26 | 福建农林大学 | 一种仿岩柏木瘤花餐桌面板的加工方法 |
CN106042131B (zh) * | 2016-06-03 | 2018-01-12 | 福建农林大学 | 一种仿岩柏木瘤花餐桌面板的加工方法 |
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