JP2006033487A - 歪検出回路、それを用いたフィードフォワード増幅器及びプリディストーション増幅器 - Google Patents

歪検出回路、それを用いたフィードフォワード増幅器及びプリディストーション増幅器 Download PDF

Info

Publication number
JP2006033487A
JP2006033487A JP2004210286A JP2004210286A JP2006033487A JP 2006033487 A JP2006033487 A JP 2006033487A JP 2004210286 A JP2004210286 A JP 2004210286A JP 2004210286 A JP2004210286 A JP 2004210286A JP 2006033487 A JP2006033487 A JP 2006033487A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
distortion
signal
amplifier
circuit
detection circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004210286A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidenori Takahashi
英紀 高橋
Kazuo Yamashita
和郎 山下
Kazunori Kashimura
和則 樫村
Masayuki Adachi
誠幸 足立
Juichiro Kimura
寿一郎 木村
Tamaki Yoda
環 誉田
Nobutaka Oguchi
信隆 大口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Japan Radio Co Ltd
Original Assignee
Japan Radio Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Japan Radio Co Ltd filed Critical Japan Radio Co Ltd
Priority to JP2004210286A priority Critical patent/JP2006033487A/ja
Publication of JP2006033487A publication Critical patent/JP2006033487A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Amplifiers (AREA)

Abstract

【課題】微少レベルの歪成分を精度よく検出する。
【解決手段】歪発生器65は、カプラ15により取り出された主信号を基に、主増幅器5にて発生する歪成分と同一周波数の歪成分を含む参照歪信号を発生させる。この参照歪信号は、方向性結合器18にて主信号と逆相結合されてから歪検出同期検波回路75に供給される。カプラ13により取り出された低歪出力信号は、方向性結合器17にて主信号と逆相結合されてから歪検出同期検波回路75に供給される。歪検出同期検波回路75は、参照歪信号を用いて低歪出力信号を同相及び直交位相で同期検波することで、低歪出力信号中に含まれる歪成分を示す直流電圧を発生させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、入力信号を増幅器にて増幅する際に発生し増幅後の出力信号中に含まれる歪成分を検出するための歪検出回路、それを用いたフィードフォワード増幅器及びプリディストーション増幅器に関する。
従来のフィードフォワード増幅器の一例が特許文献1に開示されている。特許文献1のフィードフォワード増幅器においては、主増幅器にて発生し出力信号中に残留している残留歪成分を抽出するための残留歪抽出ループが設けられている。この残留歪抽出ループは、歪成分を含む出力信号から歪成分を含まない入力信号を差し引くことで、出力信号中に含まれる残留歪成分を表す抽出残留歪信号を生成する。そして、この生成された抽出残留歪信号を歪抽出ループにより得られた参照歪信号を用いて同期検波することで、出力信号中に含まれる残留歪成分を検出し、この検出信号のレベルが低減するように歪除去ループの制御を行っている。これによって、歪除去ループの制御のために用いていたパイロット信号を廃止している。
その他の背景技術として、特許文献2〜4のプリディストーション増幅器が開示されている。また、特許文献5〜8の歪発生回路が開示されている。
特開2000−261253号公報 特開平3−276912号公報 特開2000−261252号公報 特開2003−142950号公報 特公昭57−18365号公報 特公昭60−25924号公報 特開昭48−21961号公報 実開昭62−19812号公報
特許文献1においては、抽出残留歪信号を歪抽出ループにより得られた参照歪信号を用いて同期検波することで、出力信号中に含まれる残留歪成分を検出している。ただし、抽出残留歪信号及び参照歪信号には、歪成分の他に実信号成分も存在するため、同期検波により得られる検出信号には、歪成分同士の乗算結果を示す成分の他に実信号成分同士の乗算結果を示す成分も存在する。この実信号成分同士の乗算結果を示す成分が出力信号中に含まれる残留歪成分の検出誤差となり、出力信号中に含まれる残留歪成分が小さくなるほどこの検出誤差が大きくなる。
特許文献1においては、残留歪抽出ループ及び歪抽出ループにより抽出残留歪信号中の実信号成分及び参照歪信号中の実信号成分をそれぞれ抑圧している。ただし、これらの信号中から実信号成分を完全に除去することは難しいため、残留歪成分の検出誤差が存在し、残留歪成分が小さくなるほどこの検出誤差が大きくなる。したがって、特許文献1においては、微少レベルの歪成分を精度よく検出することが困難であるという問題点がある。そのため、歪除去効果を十分に得ることが困難であるという問題点がある。
本発明は、微少レベルの歪成分を精度よく検出することができる歪検出回路を提供することを目的とする。また、本発明は、歪除去性能をさらに向上させることができるフィードフォワード増幅器及びプリディストーション増幅器を提供することを目的とする。
本発明に係る歪検出回路は、入力信号を増幅器にて増幅する際に発生し増幅後の出力信号中に含まれる歪成分を検出する歪検出回路であって、前記増幅器へ入力される入力信号を基に、該増幅器にて発生する歪成分と同一周波数の歪成分を含む参照歪信号を発生させる歪発生器を有する参照歪発生回路と、前記参照歪信号を用いて前記増幅後の出力信号を検波することで、該出力信号中に含まれる歪成分を示す歪検出信号を発生させる歪検出用検波器と、を備えることを要旨とする。
この本発明においては、増幅器にて発生する歪成分と同一周波数の歪成分を含む参照歪信号を出力する参照歪発生回路を増幅器と別個に設けることで、参照歪信号中に含まれる実信号成分を低減させ歪成分の割合を増大させることができる。そして、この参照歪発生回路から出力される参照歪信号を用いて増幅後の出力信号を検波することで、検波によって得られる歪検出信号中に含まれる実信号を示す成分を低減することができ、歪成分の検出誤差を低減することができる。したがって、この本発明によれば、微少レベルの歪成分を精度よく検出することができる。
本発明に係る歪検出回路において、前記参照歪発生回路は、前記参照歪信号に前記増幅器へ入力される入力信号の一部を結合することで、該結合後の参照歪信号中に含まれる入力信号成分を低減させる参照歪抽出回路をさらに有し、前記歪検出用検波器は、前記参照歪抽出回路による結合後の参照歪信号を用いて前記増幅後の出力信号を検波するものとすることもできる。こうすれば、増幅後の出力信号の検波に用いられる参照歪信号中に含まれる実信号成分をさらに低減させることができるので、微少レベルの歪成分をさらに精度よく検出することができる。
この態様の本発明に係る歪検出回路において、前記参照歪抽出回路による結合後の参照歪信号中に含まれる入力信号成分が低減するように、該参照歪抽出回路にて結合される信号の振幅及び位相の相互関係を制御する参照歪制御手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、増幅後の出力信号の検波に用いられる参照歪信号中に含まれる実信号成分を安定して低減させることができる。
この態様の本発明に係る歪検出回路において、前記参照歪制御手段は、前記増幅器へ入力される入力信号を用いて前記参照歪抽出回路による結合後の参照歪信号を検波することで、該結合後の参照歪信号中に含まれる入力信号成分を示す信号を発生させる参照歪検波器を有し、該参照歪検波器にて発生させた信号を基に該参照歪抽出回路にて結合される信号の振幅及び位相の相互関係を制御するものとすることもできる。こうすれば、増幅後の出力信号の検波に用いられる参照歪信号中に含まれる実信号成分を低減させる制御を簡単な回路構成で行うことができる。
本発明に係る歪検出回路において、前記増幅後の出力信号の一部に前記増幅器へ入力される入力信号の一部を結合することで、該結合後の出力信号中に含まれる入力信号成分を低減させる残留歪抽出回路を備え、前記歪検出用検波器は、前記参照歪信号を用いて前記残留歪抽出回路による結合後の出力信号を検波するものとすることもできる。こうすれば、検波される増幅後の出力信号中に含まれる実信号成分を低減させることができるので、微少レベルの歪成分をさらに精度よく検出することができる。
この態様の本発明に係る歪検出回路において、前記残留歪抽出回路による結合後の出力信号中に含まれる入力信号成分が低減するように、該残留歪抽出回路にて結合される信号の振幅及び位相の相互関係を制御する残留歪制御手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、検波される増幅後の出力信号中に含まれる実信号成分を安定して低減させることができる。
この態様の本発明に係る歪検出回路において、前記残留歪制御手段は、前記増幅器へ入力される入力信号を用いて前記残留歪抽出回路による結合後の出力信号を検波することで、該結合後の出力信号中に含まれる入力信号成分を示す信号を発生させる残留歪検波器を有し、該残留歪検波器にて発生させた信号を基に該残留歪抽出回路にて結合される信号の振幅及び位相の相互関係を制御するものとすることもできる。こうすれば、検波される増幅後の出力信号中に含まれる実信号成分を低減させる制御を簡単な回路構成で行うことができる。
本発明に係る歪検出回路において、前記増幅後の出力信号の一部を包絡線検波する残留歪包絡線検波器をさらに備え、前記参照歪発生回路は、前記参照歪信号を包絡線検波する参照歪包絡線検波器をさらに有し、前記歪検出用検波器は、前記参照歪包絡線検波器による包絡線検波後の参照歪信号を用いて前記残留歪包絡線検波器による包絡線検波後の出力信号を検波するものとすることもできる。こうすれば、参照歪信号を用いた増幅後の出力信号の検波を低コストな低周波回路で行うことができる。
この態様の本発明に係る歪検出回路において、前記参照歪発生回路は、前記増幅器へ入力される入力信号の一部を包絡線検波する入力信号包絡線検波器と、前記参照歪包絡線検波器による包絡線検波後の参照歪信号に前記入力信号包絡線検波器による包絡線検波後の入力信号を結合することで、該結合後の参照歪信号中に含まれる入力信号成分を低減させる参照歪抽出回路と、をさらに有し、前記歪検出用検波器は、前記参照歪抽出回路による結合後の参照歪信号を用いて前記増幅後の出力信号を検波するものとすることもできる。こうすれば、増幅後の出力信号の検波に用いられる参照歪信号中に含まれる実信号成分をさらに低減させることができるので、微少レベルの歪成分をさらに精度よく検出することができる。
この態様の本発明に係る歪検出回路において、前記参照歪抽出回路による結合後の参照歪信号中に含まれる入力信号成分が低減するように、該参照歪抽出回路にて結合される信号の振幅の相互関係を制御する参照歪制御手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、増幅後の出力信号の検波に用いられる参照歪信号中に含まれる実信号成分を安定して低減させることができる。
本発明に係る歪検出回路において、前記増幅器へ入力される入力信号の一部を包絡線検波する入力信号包絡線検波器と、前記残留歪包絡線検波器による包絡線検波後の出力信号に前記入力信号包絡線検波器による包絡線検波後の入力信号を結合することで、該結合後の出力信号中に含まれる入力信号成分を低減させる残留歪抽出回路と、をさらに備え、前記歪検出用検波器は、前記参照歪信号を用いて前記残留歪抽出回路による結合後の出力信号を検波するものとすることもできる。こうすれば、検波される増幅後の出力信号中に含まれる実信号成分を低減させることができるので、微少レベルの歪成分をさらに精度よく検出することができる。
この態様の本発明に係る歪検出回路において、前記残留歪抽出回路による結合後の出力信号中に含まれる入力信号成分が低減するように、該残留歪抽出回路にて結合される信号の振幅の相互関係を制御する残留歪制御手段を備えるものとすることもできる。こうすれば、検波される増幅後の出力信号中に含まれる実信号成分を安定して低減させることができる。
また、本発明に係るフィードフォワード増幅器は、入力信号を増幅する増幅器を含み、該増幅器へ入力される入力信号の一部と該増幅器から出力される信号の一部とを振幅及び位相の相互関係を調整して結合することで、該増幅器にて発生した歪成分を含むフィードフォワード信号を生成する歪抽出ループと、前記フィードフォワード信号と前記増幅器から出力される信号とを振幅及び位相の相互関係を調整して結合することで、前記歪成分が低減された出力信号を生成する歪除去ループと、前記出力信号中における前記歪成分が低減するように、前記歪除去ループにて結合される信号の振幅及び位相の相互関係を制御する歪除去制御手段と、を備えるフィードフォワード増幅器であって、前記歪除去制御手段は、本発明に係る歪検出回路を含み、前記歪検出用検波器が発生させる歪検出信号を基に前記歪除去ループにて結合される信号の振幅及び位相の相互関係を制御することを要旨とする。
この本発明においては、微少レベルの歪成分を精度よく検出することができるので、検出した歪成分が低減するように歪除去ループの制御を行うことで、歪除去性能をさらに向上させることができる。
また、本発明に係るプリディストーション増幅器は、入力信号を増幅する増幅器と、該増幅器へ入力される入力信号の振幅及び位相の調整が可能な調整手段と、前記増幅器からの出力信号中に含まれる歪成分が低減するように、該増幅器へ入力される入力信号の振幅及び位相を制御する歪除去制御手段と、を備えるプリディストーション増幅器であって、前記歪除去制御手段は、本発明に係る歪検出回路を含み、前記歪検出用検波器が発生させる歪検出信号を基に前記増幅器へ入力される入力信号の振幅及び位相を制御することを要旨とする。
この本発明においては、微少レベルの歪成分を精度よく検出することができるので、検出した歪成分が低減するように増幅器へ入力される入力信号の振幅及び位相を制御することで、歪除去性能をさらに向上させることができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
「実施形態1」
図1は、本発明の実施形態1に係る歪検出回路を含むフィードフォワード増幅器の構成の概略を示す図である。本実施形態に係るフィードフォワード増幅器は、主増幅器5にて発生した歪成分を含むフィードフォワード信号を生成する歪抽出ループ21と、この歪成分が除去または抑圧された低歪出力信号を生成する歪除去ループ22と、を備えている。そして、歪抽出ループ21は、分配回路3、振幅調整回路2、位相調整回路4、主増幅器5、遅延回路6、及び方向性結合器7を備えている。一方、歪除去ループ22は、振幅調整回路8、位相調整回路9、補助増幅器10、方向性結合器11、及び遅延回路12を備えている。
分配回路3は、入力端子1からの広帯域信号である入力信号を振幅調整回路2及び遅延回路6に分配する。振幅調整回路2は、分配された入力信号の振幅を調整して位相調整回路4へ出力する。位相調整回路4は、振幅調整回路2からの信号の位相を調整して主増幅器5へ出力する。主増幅器5は、位相調整回路4からの信号を増幅して方向性結合器7へ出力する。遅延回路6は、分配された入力信号を遅延させ、方向性結合器7へ出力する。方向性結合器7は、主増幅器5から出力された信号を遅延回路12を介し方向性結合器11に供給する一方で、主増幅器5から出力された信号の一部を分岐して遅延回路6からの信号と結合させ、その結果得られたフィードフォワード信号を振幅調整回路8に供給する。
振幅調整回路8は、方向性結合器7からのフィードフォワード信号の振幅を調整して位相調整回路9へ出力する。位相調整回路9は、振幅調整回路8からの信号の位相を調整して補助増幅器10へ出力する。補助増幅器10は、位相調整回路9からの信号を増幅して方向性結合器11へ出力する。方向性結合器11は、遅延回路12により遅延された信号と補助増幅器10にて増幅された信号を結合し、その結果得られた低歪出力信号を出力端子16を介し図示しない後段の回路へ出力する。
ここで、分配回路3により分配され、方向性結合器7にて結合の対象となる2種類の信号のうち、主増幅器5を通り方向性結合器7に供給される信号には、入力信号成分(以下主信号成分とする)の他に主増幅器5にて発生する歪成分が含まれている。一方、遅延回路6を通り方向性結合器7に供給される信号については、主信号成分のみで歪成分は含まれていない。これら2種類の信号が方向性結合器7内の信号結合点にて結合されることで、歪成分を含むフィードフォワード信号が生成される。その際に、これら2種類の信号に含まれる主信号成分同士を、方向性結合器7内の信号結合点にて同振幅かつ逆位相の状態で結合することにより、フィードフォワード信号から主信号成分を除去することができる。すなわち、主増幅器5にて発生する歪成分を検出することができる。したがって、このような関係が成立するように、方向性結合器7にて結合の対象となる2種類の信号における振幅及び位相の相互関係が振幅調整回路2及び位相調整回路4により調整される。
一方、方向性結合器11にて結合の対象となる2種類の信号のうち、遅延回路12を通り方向性結合器11に供給される信号には、主信号成分の他に主増幅器5にて発生した歪成分が含まれている。そして、補助増幅器10を通り方向性結合器11に供給されるフィードフォワード信号には、主として歪成分が含まれている。したがって、方向性結合器11にて結合の対象となる2種類の信号に含まれる歪成分同士を、方向性結合器11内の信号結合点にて同振幅かつ逆位相の状態で結合することにより、方向性結合器11から出力端子16を介し出力される低歪出力信号から歪成分を除去することができる。したがって、このような関係が成立するように、方向性結合器11にて結合の対象となる2種類の信号における振幅及び位相の相互関係が振幅調整回路8及び位相調整回路9により調整される。
次に、振幅調整回路2,8における振幅調整量(利得)、及び位相調整回路4,9における位相調整量(移相量)を制御するための制御回路の構成について説明する。制御回路は、フィードフォワード信号中における主信号成分の電力をほぼ最小レベルへ収束させるための歪抽出制御電圧を生成する歪抽出制御回路43と、出力端子16における低歪出力信号中の歪成分の電力をほぼ最小レベルへ収束させるための歪除去制御電圧を生成する歪除去制御回路41と、を備えている。
まず歪抽出制御回路43に関して説明する。歪抽出制御回路43は、歪抽出同期検波回路56及び比較誤差増幅器57,58を備えている。
フィードフォワード信号中の主信号成分レベルを検出するために、方向性結合器7と振幅調整回路8との間に設けられたカプラ14によりフィードフォワード信号が分岐されて取り出される。カプラ14により取り出されたフィードフォワード信号は、このフィードフォワード信号中の主信号成分レベルを検出するための誤差信号として、歪抽出同期検波回路56に入力される。
一方、遅延回路6と方向性結合器7との間には、入力端子1からの入力信号(主信号)を取り出すためにカプラ15が設けられている。カプラ15にて分岐された信号経路には、分配器44が設けられており、カプラ15により取り出された入力信号(主信号)がこの分配器44により分配される。分配器44により分配された主信号の一方は、遅延回路68により遅延されてから分配器47へ供給されることでさらに分配される。分配器44により分配された主信号の他方は、フィードフォワード信号中の主信号成分レベルを検出するための参照信号として、歪抽出同期検波回路56に入力される。
歪抽出同期検波回路56は、分配器44により分配された主信号の他方を参照信号として用いて、カプラ14により取り出されたフィードフォワード信号を同相及び直交位相で同期検波する。同相で同期検波することで発生した直流電圧は、比較誤差増幅器57に入力される。一方、直交位相で同期検波することで発生した直流電圧は、比較誤差増幅器58に入力される。
ここで、歪抽出同期検波回路56にて同相で同期検波することで発生した直流電圧は、方向性結合器7にて結合の対象となる2種類の信号に含まれる主信号成分同士の信号結合点における振幅誤差(同振幅で誤差なし)とみなすことができる。そこで、比較誤差増幅器57は、この直流電圧を0または0に近い微少な値に一致させるための振幅調整用の歪抽出制御電圧V1Aを振幅調整回路2へ出力する。
そして、歪抽出同期検波回路56にて直交位相で同期検波することで発生した直流電圧は、方向性結合器7にて結合の対象となる2種類の信号に含まれる主信号成分同士の信号結合点における位相誤差(逆位相で誤差なし)とみなすことができる。そこで、比較誤差増幅器58は、この直流電圧を0または0に近い微少な値に一致させるための位相調整用の歪抽出制御電圧V1Pを位相調整回路4へ出力する。
振幅調整用の歪抽出制御電圧V1Aにより振幅調整回路2における利得が制御され、位相調整用の歪抽出制御電圧V1Pにより位相調整回路4における移相量が制御される。これによって、方向性結合器7にて結合の対象となる2種類の信号における振幅及び位相の相互関係が制御される。
次に、歪除去制御回路41に関して説明する。歪除去制御回路41は、参照歪発生回路70、参照歪制御回路72、残留歪抽出回路73、残留歪制御回路74、歪検出同期検波回路75、及び比較誤差増幅器50,51を備えている。ここで、参照歪発生回路70、参照歪制御回路72、残留歪抽出回路73、残留歪制御回路74、及び歪検出同期検波回路75により、本実施形態に係る歪検出回路を構成することができる。
まず残留歪抽出回路73及び残留歪制御回路74に関して説明する。残留歪抽出回路73は、振幅調整回路63、位相調整回路64、及び方向性結合器17を備えており、残留歪制御回路74は、残留歪同期検波回路67及び比較誤差増幅器52,53を備えている。
出力端子16での低歪出力信号中の歪成分レベルを検出するために、方向性結合器11と出力端子16との間に設けられたカプラ13により低歪出力信号が分岐されて取り出される。カプラ13にて分岐された信号経路には、方向性結合器17が設けられており、カプラ13により取り出された低歪出力信号は、方向性結合器17内の信号結合点にて後述する主信号と結合される。この主信号と結合された後の低歪出力信号は、分配器46へ供給されることで分配される。分配器46により分配された低歪出力信号の一方は、方向性結合器17による結合後の低歪出力信号中の主信号成分レベルを検出するための誤差信号として、残留歪同期検波回路67に入力される。
また、分配器47により分配された主信号の一方は、分配器48へ供給されることでさらに分配される。そして、分配器47により分配された主信号の他方は、方向性結合器17による結合後の低歪出力信号中の主信号成分レベルを検出するための参照信号として、残留歪同期検波回路67に入力される。
また、分配器48により分配された主信号の一方は、分配器49へ供給されることでさらに分配される。そして、分配器48により分配された主信号の他方は、振幅調整回路63及び位相調整回路64により振幅及び位相がそれぞれ調整されてから方向性結合器17へ供給されることで、カプラ13により取り出された低歪出力信号と結合される。
ここで、方向性結合器17にて結合の対象となる2種類の信号に含まれる主信号成分同士を、方向性結合器17内の信号結合点にて同振幅かつ逆位相の状態で結合することにより、方向性結合器17から分配器46へ供給される低歪出力信号から主信号成分を除去することができ、低歪出力信号中に残留している歪成分を抽出することができる。そこで、このような関係が成立するように、方向性結合器17にて結合の対象となる2種類の信号における振幅及び位相の相互関係が振幅調整回路63及び位相調整回路64により調整される。
残留歪同期検波回路67は、分配器47により分配された主信号の他方を参照信号として用いて、分配器46により分配された低歪出力信号の一方を同相及び直交位相で同期検波する。同相で同期検波することで発生した直流電圧は、比較誤差増幅器52に入力される。一方、直交位相で同期検波することで発生した直流電圧は、比較誤差増幅器53に入力される。
ここで、残留歪同期検波回路67にて同相で同期検波することで発生した直流電圧は、方向性結合器17にて結合の対象となる2種類の信号に含まれる主信号成分同士の信号結合点における振幅誤差(同振幅で誤差なし)とみなすことができる。そこで、比較誤差増幅器52は、この直流電圧を0または0に近い微少な値に一致させるための振幅調整用の残留歪制御電圧V2Aを振幅調整回路63へ出力する。
そして、残留歪同期検波回路67にて直交位相で同期検波することで発生した直流電圧は、方向性結合器17にて結合の対象となる2種類の信号に含まれる主信号成分同士の信号結合点における位相誤差(逆位相で誤差なし)とみなすことができる。そこで、比較誤差増幅器53は、この直流電圧を0または0に近い微少な値に一致させるための位相調整用の残留歪制御電圧V2Pを位相調整回路64へ出力する。
振幅調整用の残留歪制御電圧V2Aにより振幅調整回路63における利得が制御され、位相調整用の残留歪制御電圧V2Pにより位相調整回路64における移相量が制御される。これによって、方向性結合器17にて結合の対象となる2種類の信号における振幅及び位相の相互関係が制御される。
次に、参照歪発生回路70及び参照歪制御回路72に関して説明する。参照歪発生回路70は、歪発生器65及び参照歪抽出回路71を備えており、参照歪制御回路72は、参照歪同期検波回路66及び比較誤差増幅器54,55を備えている。そして、参照歪抽出回路71は、振幅調整回路61、位相調整回路62、及び方向性結合器18を備えている。
分配器49により分配された主信号の一方は、分配器59へ供給されることでさらに分配される。分配器59により分配された主信号の一方は、歪発生器65へ供給される。歪発生器65は、分配器59からの主信号を基に、主増幅器5にて発生する歪成分と同一周波数の歪成分を含む参照歪信号を発生させる。歪発生器65からの参照歪信号は、方向性結合器18へ供給される。
ここでの歪発生器65は、例えば分配器59からの主信号が入力される増幅器により構成することができる。その場合は、増幅器65のバックオフ(増幅器の飽和出力からどの位低いレベルで増幅器を動作させるかを決定するパラメータ)を主増幅器5のバックオフより十分小さく設定する。このバックオフの設定により、増幅器65からの参照歪信号中に含まれる歪成分の割合を増大させることができる。
あるいは、図2(A)、(B)に示す逆並列接続されたダイオード65a,65bを用いた歪発生器により、本実施形態の歪発生器65を構成することもできる。さらに、特許文献5〜8に開示されている歪発生回路のいずれかにより、本実施形態の歪発生器65を構成することもできる。
また、分配器59により分配された主信号の他方は、振幅調整回路61及び位相調整回路62により振幅及び位相がそれぞれ調整されてから方向性結合器18へ供給されることで、歪発生器65からの参照歪信号と結合される。この主信号と結合された後の参照歪信号は、分配器60へ供給されることで分配される。
ここで、方向性結合器18にて結合の対象となる2種類の信号に含まれる主信号成分同士を、方向性結合器18内の信号結合点にて同振幅かつ逆位相の状態で結合することにより、方向性結合器18から分配器60へ供給される参照歪信号から主信号成分を除去することができる。そこで、このような関係が成立するように、方向性結合器18にて結合の対象となる2種類の信号における振幅及び位相の相互関係が振幅調整回路61及び位相調整回路62により調整される。
分配器60により分配された参照歪信号の一方は、方向性結合器18による結合後の参照歪信号中の主信号成分レベルを検出するための誤差信号として、参照歪同期検波回路66に入力される。また、分配器49により分配された主信号の他方は、方向性結合器18による結合後の参照歪信号中の主信号成分レベルを検出するための参照信号として、参照歪同期検波回路66に入力される。
参照歪同期検波回路66は、分配器49により分配された主信号の他方を参照信号として用いて、分配器60により分配された参照歪信号の一方を同相及び直交位相で同期検波する。同相で同期検波することで発生した直流電圧は、比較誤差増幅器54に入力される。一方、直交位相で同期検波することで発生した直流電圧は、比較誤差増幅器55に入力される。
ここで、参照歪同期検波回路66にて同相で同期検波することで発生した直流電圧は、方向性結合器18にて結合の対象となる2種類の信号に含まれる主信号成分同士の信号結合点における振幅誤差(同振幅で誤差なし)とみなすことができる。そこで、比較誤差増幅器54は、この直流電圧を0または0に近い微少な値に一致させるための振幅調整用の参照歪制御電圧V3Aを振幅調整回路61へ出力する。
そして、参照歪同期検波回路66にて直交位相で同期検波することで発生した直流電圧は、方向性結合器18にて結合の対象となる2種類の信号に含まれる主信号成分同士の信号結合点における位相誤差(逆位相で誤差なし)とみなすことができる。そこで、比較誤差増幅器55は、この直流電圧を0または0に近い微少な値に一致させるための位相調整用の参照歪制御電圧V3Pを位相調整回路62へ出力する。
振幅調整用の参照歪制御電圧V3Aにより振幅調整回路61における利得が制御され、位相調整用の参照歪制御電圧V3Pにより位相調整回路62における移相量が制御される。これによって、方向性結合器18にて結合の対象となる2種類の信号における振幅及び位相の相互関係が制御される。
次に、歪検出同期検波回路75に関して説明する。
分配器46により分配された低歪出力信号の他方は、方向性結合器17による結合後の低歪出力信号中の歪成分レベルを検出するための誤差信号として、歪検出同期検波回路75に入力される。また、分配器60により分配された参照歪信号の他方は、方向性結合器17による結合後の低歪出力信号中の歪成分レベルを検出するための参照信号として、歪検出同期検波回路75に入力される。
歪検出同期検波回路75は、分配器60により分配された参照歪信号の他方を参照信号として用いて、分配器46により分配された低歪出力信号の他方を同相及び直交位相で同期検波する。同相で同期検波することで発生した低歪出力信号中の歪成分を示す歪検出電圧(同相成分)は、比較誤差増幅器50に入力される。一方、直交位相で同期検波することで発生した低歪出力信号中の歪成分を示す歪検出電圧(直交成分)は、比較誤差増幅器51に入力される。
ここで、歪検出同期検波回路75にて同相で同期検波することで発生した歪検出電圧(同相成分)は、方向性結合器11にて結合の対象となる2種類の信号に含まれる歪成分同士の信号結合点における振幅誤差(同振幅で誤差なし)とみなすことができる。そこで、比較誤差増幅器50は、この歪検出電圧(同相成分)を0または0に近い微少な値に一致させるための振幅調整用の歪除去制御電圧V4Aを振幅調整回路8へ出力する。
そして、歪検出同期検波回路75にて直交位相で同期検波することで発生した歪検出電圧(直交成分)は、方向性結合器11にて結合の対象となる2種類の信号に含まれる歪成分同士の信号結合点における位相誤差(逆位相で誤差なし)とみなすことができる。そこで、比較誤差増幅器51は、この歪検出電圧(直交成分)を0または0に近い微少な値に一致させるための位相調整用の歪除去制御電圧V4Pを位相調整回路9へ出力する。
振幅調整用の歪除去制御電圧V4Aにより振幅調整回路8における利得が制御され、位相調整用の歪除去制御電圧V4Pにより位相調整回路9における移相量が制御される。これによって、方向性結合器11にて結合の対象となる2種類の信号における振幅及び位相の相互関係が制御される。
以上説明したように、本実施形態においては、主増幅器5にて発生する歪成分と同一周波数の歪成分を主として含む参照歪信号を出力する参照歪発生回路70を主増幅器5と別個に設けることで、この参照歪信号中に含まれる主信号成分を低減させ歪成分の割合を増大させることができる。そして、この参照歪信号を用いて低歪出力信号を同期検波することで、同期検波によって得られる歪検出電圧中に含まれる主信号を示す成分を低減することができ、同期検波による歪成分の検出誤差を低減することができる。したがって、本実施形態によれば、微少レベルの歪成分を精度よく検出することができる。
そして、微少レベルの歪成分を精度よく検出することができるので、検出した歪成分が低減するように歪除去ループ22の制御を行うことで、歪除去性能をさらに向上させることができる。さらに、歪抽出ループ21の制御及び歪除去ループ22の制御の両方をパイロット信号を用いることなく行うことができる。
そして、本実施形態においては、歪発生器65からの参照歪信号に主信号を方向性結合器18にて逆相結合することで、参照歪信号中に含まれる主信号成分をさらに低減させることができる。したがって、参照歪信号を用いた低歪出力信号の同期検波による歪成分の検出誤差をさらに低減することができる。さらに、参照歪信号と方向性結合器18にて結合される主信号の振幅及び位相を制御することで、参照歪信号中に含まれる主信号成分を安定して低減させることができる。
また、本実施形態においては、低歪出力信号に主信号を方向性結合器17にて逆相結合することで、低歪出力信号中に含まれる主信号成分を低減させることができる。したがって、低歪出力信号の同期検波による歪成分の検出誤差をさらに低減することができる。さらに、低歪出力信号と方向性結合器17にて結合される主信号の振幅及び位相を制御することで、低歪出力信号中に含まれる主信号成分を安定して低減させることができる。
「実施形態2」
図3は、本発明の実施形態2に係る歪検出回路を含むフィードフォワード増幅器の構成の概略を示す図である。本実施形態における歪除去制御回路41は、参照歪発生回路70、参照歪制御回路72、残留歪抽出回路73、残留歪制御回路74、残留歪包絡線検波回路81、歪検出同期検波回路75、及び比較誤差増幅器50,51を備えている。そして、参照歪発生回路70は、歪発生器65、参照歪抽出回路71、入力信号包絡線検波回路82、及び参照歪包絡線検波回路83を備えており、参照歪抽出回路71は、振幅調整回路61及び合成器85を備えている。ここで、参照歪発生回路70、参照歪制御回路72、残留歪抽出回路73、残留歪制御回路74、残留歪包絡線検波回路81、及び歪検出同期検波回路75により、本実施形態に係る歪検出回路を構成することができる。
まず残留歪抽出回路73及び残留歪制御回路74に関して説明する。残留歪抽出回路73は、振幅調整回路63及び合成器84を備えている。
カプラ13にて分岐された信号経路には、残留歪包絡線検波回路81が設けられている。カプラ13により取り出された低歪出力信号は、残留歪包絡線検波回路81にて包絡線検波されることで包絡線信号が抽出される。残留歪包絡線検波回路81による包絡線検波後の低歪出力信号は、合成器84にて後述する包絡線検波後の主信号と減算合成される。合成器84による減算合成後の低歪出力信号は、残留歪制御回路74に入力される。
また、分配器44により分配された主信号の一方は、遅延回路68により遅延されてから分配器59へ供給されることでさらに分配される。分配器59により分配された主信号の一方は、入力信号包絡線検波回路82にて包絡線検波されることで包絡線信号が抽出される。入力信号包絡線検波回路82による包絡線検波後の主信号は、振幅調整回路63により振幅が調整されてから合成器84へ供給される。
ここで、合成器84にて減算合成の対象となる2種類の信号に含まれる主信号成分同士を同振幅の状態で減算合成することにより、合成器84から出力される低歪出力信号から主信号成分を除去することができ、低歪出力信号中に残留している歪成分を抽出することができる。そこで、このような関係が成立するように、合成器84にて減算合成の対象となる2種類の信号における振幅の相互関係が振幅調整回路63により調整される。
残留歪制御回路74は、比較誤差増幅器により構成することができる。残留歪制御回路74に入力される低歪出力信号の直流成分は、合成器84にて減算合成の対象となる2種類の信号に含まれる主信号成分同士の振幅誤差(同振幅で誤差なし)とみなすことができる。そこで、残留歪制御回路74は、この直流成分を0または0に近い微少な値に一致させるための振幅調整用の残留歪制御電圧V2Aを振幅調整回路63へ出力することで、振幅調整回路63における利得を制御する。これによって、合成器84にて減算合成の対象となる2種類の信号における振幅の相互関係が制御される。
次に、参照歪発生回路70及び参照歪制御回路72に関して説明する。
分配器59により分配された主信号の他方は、歪発生器65へ供給される。歪発生器65は、分配器59からの主信号を基に、主増幅器5にて発生する歪成分と同一周波数の歪成分を含む参照歪信号を発生させる。歪発生器65からの参照歪信号は、参照歪包絡線検波回路83にて包絡線検波されることで包絡線信号が抽出される。参照歪包絡線検波回路83による包絡線検波後の参照歪信号は、合成器85へ供給される。さらに、入力信号包絡線検波回路82による包絡線検波後の主信号が、振幅調整回路61により振幅が調整されてから合成器85へ供給されることで、参照歪包絡線検波回路83による包絡線検波後の参照歪信号と減算合成される。合成器85による減算合成後の参照歪信号は、参照歪制御回路72に入力される。
ここで、合成器85にて減算合成の対象となる2種類の信号に含まれる主信号成分同士を同振幅の状態で減算合成することにより、合成器85から出力される参照歪信号から主信号成分を除去することができる。そこで、このような関係が成立するように、合成器85にて減算合成の対象となる2種類の信号における振幅の相互関係が振幅調整回路61により調整される。
参照歪制御回路72は、比較誤差増幅器により構成することができる。参照歪制御回路72に入力される参照歪信号の直流成分は、合成器85にて減算合成の対象となる2種類の信号に含まれる主信号成分同士の振幅誤差(同振幅で誤差なし)とみなすことができる。そこで、参照歪制御回路72は、この直流成分を0または0に近い微少な値に一致させるための振幅調整用の参照歪制御電圧V3Aを振幅調整回路61へ出力することで、振幅調整回路61における利得を制御する。これによって、合成器85にて減算合成の対象となる2種類の信号における振幅の相互関係が制御される。
次に、歪検出同期検波回路75に関して説明する。
合成器84による減算合成後の低歪出力信号が、この低歪出力信号中の歪成分レベルを検出するための誤差信号として、歪検出同期検波回路75に入力される。そして、合成器85による減算合成後の参照歪信号が、合成器84による減算合成後の低歪出力信号中の歪成分レベルを検出するための参照信号として、歪検出同期検波回路75に入力される。
歪検出同期検波回路75は、合成器85による減算合成後の参照歪信号を参照信号として用いて、合成器84による減算合成後の低歪出力信号を同相及び直交位相で同期検波する。同相で同期検波することで発生した低歪出力信号中の歪成分を示す歪検出電圧(同相成分)は、方向性結合器11にて結合の対象となる2種類の信号に含まれる歪成分同士の信号結合点における振幅誤差(同振幅で誤差なし)とみなすことができる。そこで、比較誤差増幅器50は、この歪検出電圧(同相成分)を0または0に近い微少な値に一致させるための振幅調整用の歪除去制御電圧V4Aを振幅調整回路8へ出力する。一方、直交位相で同期検波することで発生した低歪出力信号中の歪成分を示す歪検出電圧(直交成分)は、方向性結合器11にて結合の対象となる2種類の信号に含まれる歪成分同士の信号結合点における位相誤差(逆位相で誤差なし)とみなすことができる。そこで、比較誤差増幅器51は、この歪検出電圧(直交成分)を0または0に近い微少な値に一致させるための位相調整用の歪除去制御電圧V4Pを位相調整回路9へ出力する。
振幅調整用の歪除去制御電圧V4Aにより振幅調整回路8における利得が制御され、位相調整用の歪除去制御電圧V4Pにより位相調整回路9における移相量が制御される。これによって、方向性結合器11にて結合の対象となる2種類の信号における振幅及び位相の相互関係が制御される。
なお、他の構成については実施形態1と同様であるため説明を省略する。
本実施形態においても、実施形態1と同様に、参照歪発生回路70からの参照歪信号中に含まれる主信号成分を低減させ歪成分の割合を増大させることができるので、参照歪信号を用いた低歪出力信号の同期検波によって、微少レベルの歪成分を精度よく検出することができる。
さらに、本実施形態においては、参照歪発生回路70からの参照歪信号及び低歪出力信号を包絡線検波した後に、参照歪信号を用いた低歪出力信号の同期検波を歪検出同期検波回路75にて行っている。これによって、参照歪信号を用いた低歪出力信号の同期検波をベースバンド帯域にて行うことができるので、歪検出同期検波回路75の構成の簡略化、及び低周波回路を使用することによる低コスト化を実現することができる。
そして、本実施形態においては、包絡線検波後の主信号を包絡線検波後の参照歪信号と合成器85にて減算合成することで、参照歪信号中に含まれる主信号成分をさらに低減させることができる。したがって、同期検波による歪成分の検出誤差をさらに低減することができる。さらに、合成器85による減算合成後の参照歪信号中の主信号成分レベルを低減させるための参照歪制御回路72の構成を簡略化することができる。
また、本実施形態においては、包絡線検波後の主信号を包絡線検波後の低歪出力信号と合成器84にて減算合成することで、低歪出力信号中に含まれる主信号成分を低減させることができる。したがって、同期検波による歪成分の検出誤差をさらに低減することができる。さらに、合成器84による減算合成後の低歪出力信号中の主信号成分レベルを低減させるための残留歪制御回路74の構成を簡略化することができる。
「実施形態3」
図4は、本発明の実施形態3に係る歪検出回路を含むプリディストーション増幅器の構成の概略を示す図である。本実施形態に係るプリディストーション増幅器は、遅延回路106、前置補償部103、増幅器105、及び歪除去制御回路41を備えている。
前置補償部103は、遅延回路106と非線形特性を有する増幅器105との間に設けられており、振幅調整回路102及び位相調整回路104を備えている。振幅調整回路102は、増幅器105のAM−AM特性の逆特性を生成する。位相調整回路104は、増幅器105のAM−PM特性の逆特性を生成する。増幅器105は、前置補償部103からの信号を増幅し、その結果得られる低歪出力信号を出力端子16を介し図示しない後段の回路へ出力する。
歪除去制御回路41は、出力端子16における低歪出力信号中の歪成分の電力をほぼ最小レベルへ収束させるための歪除去制御電圧を生成する。そして、歪除去制御回路41は、参照歪発生回路70、参照歪制御回路72、残留歪抽出回路73、残留歪制御回路74、残留歪包絡線検波回路81、歪検出同期検波回路75、及び制御信号生成回路77を備えている。
出力端子16での低歪出力信号中の歪成分レベルを検出するために、増幅器105と出力端子16との間に設けられたカプラ13により低歪出力信号が分岐されて取り出される。カプラ13により取り出された低歪出力信号は、残留歪包絡線検波回路81にて包絡線検波されることで包絡線信号が抽出される。
また、入力端子1と振幅調整回路102との間には、入力端子1からの入力信号(主信号)を取り出すためにカプラ19が設けられている。カプラ19により取り出された入力信号(主信号)は、分配器59へ供給されることでさらに分配される。
制御信号生成回路77は、歪検出同期検波回路75からの歪検出電圧(同相及び直交成分)、及び入力信号包絡線検波回路82からの信号を基に、振幅調整用の歪除去制御電圧V4A及び位相調整用の歪除去制御電圧V4Pを生成して、振幅調整回路102及び位相調整回路104へそれぞれ出力する。振幅調整用の歪除去制御電圧V4Aにより振幅調整回路102における振幅調整量(利得)が制御され、位相調整用の歪除去制御電圧V4Pにより位相調整回路104における位相調整量(移相量)が制御されることで、出力端子16での低歪出力信号中の歪成分レベルを低減させる歪除去制御が行われる。
なお、歪除去制御回路41の他の構成については、実施形態2と同様であるため説明を省略する。また、プリディストーション増幅器の動作の詳細については、例えば特許文献4を参照されたい。
本実施形態においても、実施形態1,2と同様に、参照歪発生回路70からの参照歪信号中に含まれる主信号成分を低減させ歪成分の割合を増大させることができるので、微少レベルの歪成分を精度よく検出することができる。さらに、実施形態2と同様に、歪検出同期検波回路75、参照歪制御回路72、及び残留歪制御回路74の構成を簡略化することができる。
そして、本実施形態においては、微少レベルの歪成分を精度よく検出することができるので、検出した歪成分が低減するように増幅器105へ入力される入力信号の振幅及び位相の制御を行うことで、歪除去性能をさらに向上させることができる。
以上の実施形態3に係るプリディストーション増幅器の説明においては、実施形態2の歪検出回路を用いた場合について説明した。ただし、実施形態3に係るプリディストーション増幅器においては、実施形態1の歪検出回路を用いることもできる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明の実施形態1に係る歪検出回路を含むフィードフォワード増幅器の構成の概略を示す図である。 歪発生器の構成例を示す図である。 本発明の実施形態2に係る歪検出回路を含むフィードフォワード増幅器の構成の概略を示す図である。 本発明の実施形態3に係る歪検出回路を含むプリディストーション増幅器の構成の概略を示す図である。
符号の説明
2,8,61,63,102 振幅調整回路、4,9,62,64,104 位相調整回路、5 主増幅器、7,11,17,18 方向性結合器、10 補助増幅器、13,14,15,19 カプラ、21 歪抽出ループ、22 歪除去ループ、41 歪除去制御回路、43 歪抽出制御回路、44,46,47,48,49,59,60 分配器、50,51,52,53,54,55,57,58 比較誤差増幅器、56 歪抽出同期検波回路、65 歪発生器、66 参照歪同期検波回路、67 残留歪同期検波回路、70 参照歪発生回路、71 参照歪抽出回路、72 参照歪制御回路、73 残留歪抽出回路、74 残留歪制御回路、75 歪検出同期検波回路、77 制御信号生成回路、81 残留歪包絡線検波回路、82 入力信号包絡線検波回路、83 参照歪包絡線検波回路、84,85 合成器、103 前置補償部、105 増幅器。

Claims (14)

  1. 入力信号を増幅器にて増幅する際に発生し増幅後の出力信号中に含まれる歪成分を検出する歪検出回路であって、
    前記増幅器へ入力される入力信号を基に、該増幅器にて発生する歪成分と同一周波数の歪成分を含む参照歪信号を発生させる歪発生器を有する参照歪発生回路と、
    前記参照歪信号を用いて前記増幅後の出力信号を検波することで、該出力信号中に含まれる歪成分を示す歪検出信号を発生させる歪検出用検波器と、
    を備えることを特徴とする歪検出回路。
  2. 請求項1に記載の歪検出回路であって、
    前記参照歪発生回路は、前記参照歪信号に前記増幅器へ入力される入力信号の一部を結合することで、該結合後の参照歪信号中に含まれる入力信号成分を低減させる参照歪抽出回路をさらに有し、
    前記歪検出用検波器は、前記参照歪抽出回路による結合後の参照歪信号を用いて前記増幅後の出力信号を検波することを特徴とする歪検出回路。
  3. 請求項2に記載の歪検出回路であって、
    前記参照歪抽出回路による結合後の参照歪信号中に含まれる入力信号成分が低減するように、該参照歪抽出回路にて結合される信号の振幅及び位相の相互関係を制御する参照歪制御手段を備えることを特徴とする歪検出回路。
  4. 請求項3に記載の歪検出回路であって、
    前記参照歪制御手段は、前記増幅器へ入力される入力信号を用いて前記参照歪抽出回路による結合後の参照歪信号を検波することで、該結合後の参照歪信号中に含まれる入力信号成分を示す信号を発生させる参照歪検波器を有し、該参照歪検波器にて発生させた信号を基に該参照歪抽出回路にて結合される信号の振幅及び位相の相互関係を制御することを特徴とする歪検出回路。
  5. 請求項1〜4のいずれか1に記載の歪検出回路であって、
    前記増幅後の出力信号の一部に前記増幅器へ入力される入力信号の一部を結合することで、該結合後の出力信号中に含まれる入力信号成分を低減させる残留歪抽出回路を備え、
    前記歪検出用検波器は、前記参照歪信号を用いて前記残留歪抽出回路による結合後の出力信号を検波することを特徴とする歪検出回路。
  6. 請求項5に記載の歪検出回路であって、
    前記残留歪抽出回路による結合後の出力信号中に含まれる入力信号成分が低減するように、該残留歪抽出回路にて結合される信号の振幅及び位相の相互関係を制御する残留歪制御手段を備えることを特徴とする歪検出回路。
  7. 請求項6に記載の歪検出回路であって、
    前記残留歪制御手段は、前記増幅器へ入力される入力信号を用いて前記残留歪抽出回路による結合後の出力信号を検波することで、該結合後の出力信号中に含まれる入力信号成分を示す信号を発生させる残留歪検波器を有し、該残留歪検波器にて発生させた信号を基に該残留歪抽出回路にて結合される信号の振幅及び位相の相互関係を制御することを特徴とする歪検出回路。
  8. 請求項1に記載の歪検出回路であって、
    前記増幅後の出力信号の一部を包絡線検波する残留歪包絡線検波器をさらに備え、
    前記参照歪発生回路は、前記参照歪信号を包絡線検波する参照歪包絡線検波器をさらに有し、
    前記歪検出用検波器は、前記参照歪包絡線検波器による包絡線検波後の参照歪信号を用いて前記残留歪包絡線検波器による包絡線検波後の出力信号を検波することを特徴とする歪検出回路。
  9. 請求項8に記載の歪検出回路であって、
    前記参照歪発生回路は、
    前記増幅器へ入力される入力信号の一部を包絡線検波する入力信号包絡線検波器と、
    前記参照歪包絡線検波器による包絡線検波後の参照歪信号に前記入力信号包絡線検波器による包絡線検波後の入力信号を結合することで、該結合後の参照歪信号中に含まれる入力信号成分を低減させる参照歪抽出回路と、
    をさらに有し、
    前記歪検出用検波器は、前記参照歪抽出回路による結合後の参照歪信号を用いて前記増幅後の出力信号を検波することを特徴とする歪検出回路。
  10. 請求項9に記載の歪検出回路であって、
    前記参照歪抽出回路による結合後の参照歪信号中に含まれる入力信号成分が低減するように、該参照歪抽出回路にて結合される信号の振幅の相互関係を制御する参照歪制御手段を備えることを特徴とする歪検出回路。
  11. 請求項8に記載の歪検出回路であって、
    前記増幅器へ入力される入力信号の一部を包絡線検波する入力信号包絡線検波器と、
    前記残留歪包絡線検波器による包絡線検波後の出力信号に前記入力信号包絡線検波器による包絡線検波後の入力信号を結合することで、該結合後の出力信号中に含まれる入力信号成分を低減させる残留歪抽出回路と、
    をさらに備え、
    前記歪検出用検波器は、前記参照歪信号を用いて前記残留歪抽出回路による結合後の出力信号を検波することを特徴とする歪検出回路。
  12. 請求項11に記載の歪検出回路であって、
    前記残留歪抽出回路による結合後の出力信号中に含まれる入力信号成分が低減するように、該残留歪抽出回路にて結合される信号の振幅の相互関係を制御する残留歪制御手段を備えることを特徴とする歪検出回路。
  13. 入力信号を増幅する増幅器を含み、該増幅器へ入力される入力信号の一部と該増幅器から出力される信号の一部とを振幅及び位相の相互関係を調整して結合することで、該増幅器にて発生した歪成分を含むフィードフォワード信号を生成する歪抽出ループと、
    前記フィードフォワード信号と前記増幅器から出力される信号とを振幅及び位相の相互関係を調整して結合することで、前記歪成分が低減された出力信号を生成する歪除去ループと、
    前記出力信号中における前記歪成分が低減するように、前記歪除去ループにて結合される信号の振幅及び位相の相互関係を制御する歪除去制御手段と、
    を備えるフィードフォワード増幅器であって、
    前記歪除去制御手段は、請求項1〜12のいずれか1に記載の歪検出回路を含み、前記歪検出用検波器が発生させる歪検出信号を基に前記歪除去ループにて結合される信号の振幅及び位相の相互関係を制御することを特徴とするフィードフォワード増幅器。
  14. 入力信号を増幅する増幅器と、
    該増幅器へ入力される入力信号の振幅及び位相の調整が可能な調整手段と、
    前記増幅器からの出力信号中に含まれる歪成分が低減するように、該増幅器へ入力される入力信号の振幅及び位相を制御する歪除去制御手段と、
    を備えるプリディストーション増幅器であって、
    前記歪除去制御手段は、請求項1〜12のいずれか1に記載の歪検出回路を含み、前記歪検出用検波器が発生させる歪検出信号を基に前記増幅器へ入力される入力信号の振幅及び位相を制御することを特徴とするプリディストーション増幅器。
JP2004210286A 2004-07-16 2004-07-16 歪検出回路、それを用いたフィードフォワード増幅器及びプリディストーション増幅器 Pending JP2006033487A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004210286A JP2006033487A (ja) 2004-07-16 2004-07-16 歪検出回路、それを用いたフィードフォワード増幅器及びプリディストーション増幅器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004210286A JP2006033487A (ja) 2004-07-16 2004-07-16 歪検出回路、それを用いたフィードフォワード増幅器及びプリディストーション増幅器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006033487A true JP2006033487A (ja) 2006-02-02

Family

ID=35899290

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004210286A Pending JP2006033487A (ja) 2004-07-16 2004-07-16 歪検出回路、それを用いたフィードフォワード増幅器及びプリディストーション増幅器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006033487A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012015860A (ja) * 2010-07-01 2012-01-19 Univ Of Electro-Communications 歪補償回路

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012015860A (ja) * 2010-07-01 2012-01-19 Univ Of Electro-Communications 歪補償回路

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR970018994A (ko) 입력 신호를 증폭하는 증폭기 회로 및 입력 신호 증폭 방법(low distortion amplifier circuit with improved output power)
JP2007129492A (ja) プリディストーション型歪補償増幅器
JP2006339888A (ja) 高周波増幅回路
KR101102109B1 (ko) Rf 전력 증폭기의 피드포워드 선형화
KR20000013314A (ko) 자동 이득 조절 회로를 구비한 전치 보상기 및 이를 이용한 전치 보상 방법
JP2001077636A (ja) フィードフォワード増幅器
EP1092274B1 (en) A predistorter
JP2006333167A (ja) 高周波増幅回路
JP2000114884A (ja) パイロットレス・フィ―ド・フォワ―ド歪み低減システム
JP2006033487A (ja) 歪検出回路、それを用いたフィードフォワード増幅器及びプリディストーション増幅器
JP6817567B2 (ja) デジタルアンプ
JP2006270882A (ja) 高周波増幅回路
JP2008028746A (ja) 歪み補償装置
JP2010050609A (ja) 歪補償増幅回路
JP3367745B2 (ja) 歪補償器
JP2006352521A (ja) 非線形波形歪み補償増幅器
JP2007214871A (ja) Eerシステムを用いた変調増幅器
KR200396906Y1 (ko) 전력 증폭 장치
KR100763488B1 (ko) 폐쇄형 루프 전치왜곡 방식을 이용한 고주파 선형 전력증폭기
JP2009284416A (ja) フィードフォワード歪補償回路
JP2000013455A (ja) 直交変調器の歪み補償回路
JPH11239044A (ja) デューティ制御回路
KR20000033110A (ko) 피드백을 이용한 선형 고출력 증폭기
JP2006033485A (ja) フィードフォワード増幅器
JP2002043861A (ja) 歪補償方法及び歪補償増幅回路