JP2006032705A - 固体撮像素子及びその製造方法、並びに位置検出センサー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 受光センサ部3上の絶縁層8中に導波路16が形成され、導波路16の外周に反射防止層17が形成されている固体撮像素子1を構成する。
【選択図】 図1
Description
導波路40は、絶縁層41の受光センサ部42に対応する位置に穴(開口)43が形成され、この穴43内に材料層44が埋め込まれた構成である。
材料層44は、入射した光の透過度を上げる等の理由から、均一の材料により形成されており、例えば、穴43の外周の絶縁層41よりも屈折率の高い材料層(高屈折率材料層)で形成されている。
すなわち、導波路40内に入射した光のうち、鉛直方向からの光Xは、受光センサ部42内にそのまま入射し、斜め方向からの光Yは、材料層(高屈折率材料層)44と絶縁層(低屈折率材料層)41との界面において反射した後、受光センサ部42内に入射する。
これにより、例えば、このような固体撮像素子を鉛直方向及びその近傍からの光を検出するセンサー等に用いた場合には、斜め方向からの光によるノイズの問題が生じることなく、正確な検出を行うことが可能になる。
このため、例えば、各固体撮像素子から得られる出力を比較する手段を設けて、対象物に正対している固体撮像素子から得られる出力と、これ以外の固体撮像素子から得られる出力とを比較させた場合には、斜め方向からの光が受光センサ部内に入射しない分、出力比に大きな差をつけることができる。これにより、出力比を元に対象物の位置検出を行った場合には、位置検出を精度良く行うことが可能になる。
したがって、このような固体撮像素子を、例えば、鉛直方向及びその近傍の光のみを検出するセンサー等の用途に用いた場合には、検出を正確に行うことが可能になり、高信頼性で、高い検出精度を有するセンサーを実現することができる。
このため、例えば、出力比を元に対象物の位置検出を行うようにした場合には、出力比の大きな変化から対象物の位置検出を精度良く行うことが可能になる。
したがって、高信頼性で、高い位置検出精度を有する位置検出センサーを実現することができる。
図1に示すCMOS型の固体撮像素子1では、半導体基体2内の所定の位置に受光センサ部3が形成され、半導体基体2上には、例えば、絶縁や表面保護或いは表面平坦化の機能を有するシリコン酸化膜(SiO膜)4と、表面保護や受光センサ部3に水素を供給する機能を有するシリコン窒化膜(SiN膜)5と、非添加珪酸ガラス膜(NSG膜)6とが、受光センサ部3側から順に形成されている。そして、非添加珪酸ガラス膜6上には、多層の配線層7が形成されている。
各配線71,72,73は、例えば絶縁膜8中の所定の位置に形成された溝9内に配線材料10が埋め込まれた構成である。
11は、配線材料(例えばCu)10が絶縁膜8中に拡散することを防ぐために、各配線71,72,73間に形成された所謂バリア膜(例えばSiN膜、SiC膜)である。また、図示しないが、例えば溝の周囲にも配線材料が絶縁膜中に拡散することを防ぐためのバリア膜が形成されている。
配線層7は3層の配線71,72,73から形成された場合を示したが、配線層7が例えばさらに多くの層で形成された場合には、所定の位置に形成された溝9内に配線材料10が埋め込まれた絶縁膜8が、例えば間にバリア膜11を介して、その数に応じて何層にも積層される。
すなわち、シリコン酸化膜の屈折率をn1とし、シリコン窒化膜の屈折率をn2と規定した場合は、両者の間では、n1<n2の関係が成り立っている。
すなわち、斜め方向からの光Yは、シリコン酸化膜16とシリコン窒化膜17との界面に到達した後、この界面で反射せずに屈折率の大きいシリコン窒化膜17内に入射する。また、鉛直方向及びその近傍の光Xは、シリコン酸化膜16内をそのまま進行して受光センサ部3内に入射する。
つまり、本実施の形態の固体撮像素子1では、導波路16内に入射した光のうち、斜め方向からの光Yは導波路16の外側に逃れ、鉛直方向及びその近傍の光Xのみが受光センサ部3内に入射する。
このような構成の導波路16の場合は、斜め方向からの光Yを、光の吸収性が高い材料から成る反射防止層17内に入射させて吸収することができるために、図2に示した場合と同じように、鉛直方向からの光Xやこの近傍の光のみが受光センサ部内に入射する。
そして、図3に示すように、既に、半導体基体2内に受光センサ部3が形成され、その上方に、シリコン酸化膜4、シリコン窒化膜5、NSG膜6が形成され、NSG膜6上に、3層の配線層7が形成され、受光センサ部3上に導波路16を形成するための穴18が形成された状態から説明する。
次に、反射防止層17上にレジスト膜(図示せず)を形成し、このレジスト膜を公知のリソグラフィ技術を用いてパターニングして、反射防止層形成用のパターンのレジストマスク19を形成する。
そして、このレジストマスク19をマスクとして用いて、反射防止層17をエッチング除去することにより、図4に示すように、穴18内の外周や絶縁膜8の表面に反射防止層17を残す。
そして、穴18内以外の、絶縁膜8の表面に形成された反射防止層17及び導波路16の材料を、例えばCMP法を用いて除去することにより、図5に示すように、受光センサ部3上に対応する位置に、導波路16の外周に反射防止層17が形成された構造を形成することができる。
これにより、このような構成の固体撮像素子1を、鉛直方向及びその近傍の光Xのみを検出するセンサー等に用いた場合には、斜め方向からの光Yによるノイズの問題が生じることなく、検出を正確に行うことができる。
図6に示す位置検出センサー30は、例えば、基板38の中央に設けられた固体撮像素子1Aと、基板38の各角部に設けられた4つの固体撮像素子1B,1C,1D,1Eとの、計5つの固体撮像素子と、図示しない領域に形成された、各固体撮像素子1A,1B,1C,1D,1Eから得られる出力を比較する手段(出力比較手段)等から構成されている。
そして、このような構成の位置検出センサー30では、出力比較手段により各固体撮像素子1A,1B,1C,1D,1Eから得られる出力を比較し、この出力比を元に、対象物の位置検出を行うことができる。
例えば、光源31と中央の固体撮像素子1Aとが正対している状態においては、固体撮像素子1Aでは、光源31からの光路22が鉛直方向からとなる。このため、光源31からの光がほとんど受光センサ部内に入射するので、出力比較手段から得られる出力32は非常に大きくなる。
これに対し、角部の固体撮像素子1D,1Eでは、光源31からの光路23,24が鉛直方向に対して斜めからになる。しかし、上述したように、斜め方向の光は受光センサ部内に入射しないので、固体撮像素子1D,1Eでは僅かな周辺光のみが受光センサ部内に入射する。このため、出力比較手段から得られる出力33,34は、固体撮像素子1Aから得られる出力32に比べて小さくなる。
このように、光源31に対して正対している状態とずれている状態とでは、各固体撮像素子1A,1D,1Eから得られる出力は大きく変化している。
例えば、光源31が、固体撮像素子1Aと固体撮像素子1Eとの真ん中にある状態においては、光源31から略同等の距離にある固体撮像素子1A,1Eでは、光源31からの光路25,26が鉛直方向から少し斜めに傾いた方向となる。このため、光源31からの光が一部除去されて受光センサ部内に入射するので、出力比較手段から得られる出力35,36は略同じ大きさで、図7に示した、固体撮像素子1Aから得られる出力32に比べて小さくなる。
これに対し、固体撮像素子1Dでは、光源31からの光路27が、鉛直方向に対して斜め方向からになるが、上述したように、斜め方向の光は受光センサ部内に入射しないので、僅かな周辺光のみが受光センサ部内に入射する。また、この固体撮像素子1Dは、固体撮像素子1A,1Eよりも、光源31からさらに離れた距離にある。このため、出力比較手段から得られる出力37は、固体撮像素子1A,1eから得られる出力35,36に比べて、非常に小さくなる。
例えば、予め、対象物の出力データを演算手段に入力しておき、演算手段において、この出力データと、出力比を用いて位置検出された実際の対象物の出力データとを比較させ、この結果から、対象物の位置ずれを補正するような場合である。
この場合においても、上述したCMOS型の固体撮像素子1の場合と同様に、鉛直方向の光や鉛直方向の近傍の光のみが受光センサ部内に入射する構成が得られる。したがって、このようなCCD型の固体撮像素子を使用して位置検出センサーを構成した場合においても、各固体撮像素子からの出力比に大きな差をつけることができ、位置検出を精度良く行うことが可能になる。
Claims (5)
- 受光センサ部上の絶縁層中に導波路が形成され、
前記導波路の外周に反射防止層が形成されている
ことを特徴とする固体撮像素子。 - 前記反射防止層が、前記導波路の内部の材料に対して、屈折率が大きい材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
- 前記反射防止層が、前記導波路の内部の材料に対して、光の吸収性が高い材料から成ることを特徴とする請求項1に記載の固体撮像素子。
- 受光センサ部上の絶縁層中に導波路が形成された固体撮像素子を製造する方法であって、
前記受光センサ部上の前記絶縁層に穴を形成する工程と、
前記穴内に反射防止層の材料を形成する工程と、
前記反射防止層の材料の一部を除去して、前記穴の外周及び前記絶縁層の表面に、前記反射防止層の材料を残す工程と、
前記穴内を含んで、前記導波路の材料を形成する工程と、
前記穴内以外の前記反射防止層の材料及び前記導波路の材料を除去する工程とを有する
ことを特徴とする固体撮像素子の製造方法。 - 受光センサ部上の絶縁層中に導波路が形成され、前記導波路の外周に反射防止層が形成されている固体撮像素子が同一面上に複数配置されている
ことを特徴とする位置検出センサー。
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