JP2006032634A - 有機電界発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発光効率及び輝度が共に高く、かつ駆動耐久性の高い有機電界発光素子の提供する。
【解決手段】 一対の電極間に、少なくとも一層の発光層を含む有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、該有機化合物層のうち少なくとも一層が、下記一般式(I)で表される化合物を含み、かつ、該一般式(I)で表される化合物を含む層中に、少なくとも一種の正孔輸送性化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。一般式(I)中のR1〜R4、X1及びX2は、明細書中に規定される通りである。
【化1】
Figure 2006032634

【選択図】 なし

Description

本発明は、電気エネルギーを光に変換して発光する有機電界発光素子に関する。
今日、種々の表示素子に関する研究開発が活発であり、中でも有機電界発光素子(以下、適宜、「有機EL素子」と称する。)は、低電圧で高輝度の発光を得ることができるため、有望な表示素子として注目されている。
しかしながら、有機EL素子は無機LED素子や蛍光管に比べ、非常に発光効率が低く大きな問題となっている。
現在提案されている有機EL素子の殆どは、有機化合物発光材料の一重項励起子から得られる蛍光発光を利用したものである。単純な量子化学のメカニズムにおいては励起子状態において、蛍光発光が得られる一重項励起子と燐光発光が得られる三重項励起子の比は1対3であり、蛍光発光を利用している限りは励起子の25%しか有効活用できず発光効率の低いものとなる。それに対して三重項励起子から得られる燐光を利用できるようになれば、発光効率を向上できることになる。そのような考えのもとで、近年イリジウムのフェニルピリジン錯体を用いた燐光発光素子が種々報告されている(例えば、非特許文献1参照。)。これらの報告によれば、イリジウムのフェニルピリジン錯体を用いた燐光発光素子は、従来の蛍光利用有機発光素子に対して2〜3倍の発光効率となることが開示されている。しかしながら、省エネルギ−や駆動耐久性向上の点を考慮すると、これでもまだまだ低く、さらに一層の発光効率向上及び輝度向上が強く求められている。
また、有機EL素子に用いる発光材料以外の有機化合物、例えば、電子輸送材料や正孔輸送材料等、輝度向上や駆動耐久性向上等のため検討が行われている。このような有機化合物の中でも、シラシクロペンタジエン化合物は、発光材料、電子輸送材料、正孔阻止材料等に用いうることに開示されている(例えば、特許文献1〜3、非特許文献1〜4参照。)。シラシクロペンタジエン化合物は、特に電子輸送能が高いことが知られており、これを用いた有機EL素子は、発光効率向上の点で期待されているが、その反面、駆動耐久性については未だ不充分であり向上が望まれている。
特許第2918150号公報 特開2000−186094号公報 特開2001−172284号公報 "Applied Physics Letters", 1999, 75, p.4 "Chemical Physics Letters", 2001, 339, pp.161−166 "Chemical Materials" 2001, 13, pp.2680−2683 "Applied Physics Letters", 2002, 80, pp.189−191
本発明の目的は、発光効率及び輝度が共に高く、かつ駆動耐久性の高い有機電界発光素子を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の有機電界発光素子により達成された。
<1> 一対の電極間に、少なくとも一層の発光層を含む有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、該有機化合物層のうち少なくとも一層が、下記一般式(I)で表される化合物を含み、かつ、該一般式(I)で表される化合物を含む層中に、少なくとも一種の正孔輸送性化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
Figure 2006032634
一般式(I)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。X1及びX2は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。
<2> 一般式(I)で表される化合物及び少なくとも一種の正孔輸送性化合物を含む有機化合物層を、発光層と陰極との間に有する前記<1>に記載の有機電界発光素子。
<3> 一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(II)で表される化合物である前記<1>又は<2>に記載の有機電界発光素子。
Figure 2006032634
一般式(II)中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。
本発明によれば、発光効率及び輝度が共に高く、かつ駆動耐久性の高い有機電界発光素子を提供することができる。
以下、本発明の有機電界発光(EL)素子について詳細に説明する。
本発明の有機EL素子は、一対の電極間に、少なくとも一層の発光層を含む有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、該有機化合物層のうち少なくとも一層が、下記一般式(I)で表される化合物を含み、かつ、該一般式(I)で表される化合物を含む層中に、少なくとも一種の正孔輸送性化合物を含むことを特徴とする。
本発明に有機EL素子おいて、一般式(I)で表される化合物及び少なくとも一種の正孔輸送性化合物を含む有機化合物層としては、発光層と陰極との間に設けられる有機化合物層であることが好ましく、電子輸送層又は電子注入層であることがより好ましく、電子輸送層であることが特に好ましい。
本発明の有機EL素子における作用機構は未だ明確ではないが以下のように推測される。即ち、本発明の有機EL素子は、電子輸送性能には優れるが正孔に対する耐久性が低い一般式(I)で表される化合物と、正孔輸送性化合物と、を同一の有機化合物層(特に好ましくは電子輸送層)中に含むことにより、正孔輸送性化合物が正孔捕獲剤として機能して一般式(I)で表される化合物の正孔に対する低耐久性を補完することができ、これにより、一般式(I)で表される化合物が有する電子輸送性能が充分に発揮され、本発明の効果である発光効率及び駆動耐久性が著しく向上したものと考えられる。
以下では、先ず、本発明における特徴的な成分である、一般式(I)で表される化合物(及び、その好適な態様である一般式(II)で表される化合物)、並びに正孔輸送性化合物について説明する。
<一般式(I)で表される化合物>
一般式(I)で表される化合物について詳細に説明する。
Figure 2006032634
一般式(I)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。R1〜R4に、置換基が導入可能な場合には、さらに置換基を有していてもよい。
1及びX2は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。X1及びX2に、置換基を導入可能な場合には、さらに置換基を有していてもよい。
前記R1〜R4で表されるハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
前記R1〜R4で表されるアルキル基としては、好ましくは炭素数1〜12、より好ましくは炭素数1〜8、特に好ましくは炭素数1〜4のアルキル基である。R1〜R4で表されるアルキル基として好ましくは、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基が挙げられる。
前記R1〜R4で表されるアリール基としては、単環又は2環以上の環が縮環した縮合環のアリール基であり、好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12のアリール基である。R1〜R4で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられ、これらのうち好ましくはフェニル基、トリフェニレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基であり、より好ましくはフェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基であり、さらに好ましくはフェニル基である。
前記R1〜R4で表されるヘテロアリール基は、単環又は2環以上の環が縮合した縮合環のヘテロアリール基であり、好ましくは炭素数1〜20、より好ましくは2〜12さらに好ましくは2〜10のヘテロアリール基である。R1〜R4で表されるヘテロアリール基の具体例としては、例えば、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、プテリジニル基、ピラジニル基、キノキサリニル基、ピリミジニル基、キナゾリル基、ピリダジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、トリアジニル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾピリジニル基、カルバゾリル基等が挙げられ、好ましくはピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、トリアジニル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、フリル基、チエニル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾピリジニル基、カルバゾリル基であり、より好ましくはピリジル基、トリアジニル基、イミダゾピリジニル基、カルバゾリル基であり、さらに好ましくはピリジル基である。
前記R1〜R4で表されるアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、置換基としては以下の置換基群Aから選ぶことが可能である。
(置換基群A)
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えば、メチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えば、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えば、アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えば、メトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロアリールオキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、ピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、
アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えば、フェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えば、アセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えば、アセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えば、メトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えば、フェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、
アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えば、フェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロアリールチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、ピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、メシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えば、ウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子、具体的には、例えば、イミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えば、トリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)。
前記R1〜R4で表されるアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基が有してもよい置換基としては、アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10)、アリール基、又はヘテロアリール基が好ましく、アリール基、又はヘテロアリール基がより好ましく、フェニル基、ビフェニル基、ターフェニル基、又はピリジル基がさらに好ましく、ピリジル基が最も好ましい。
前記X1及びX2で表されるアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
前記X1及びX2で表されるアリール基は、単環又は2環以上の環が縮環した縮合環のアリール基であり、好ましくは炭素数6〜30のアリール基である。X1及びX2で表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、ピレニル基、トリフェニレニル基、ビフェニル基、ターフェニル基等が挙げられ
前記X1及びX2で表されるヘテロアリール基は、単環又は2環以上の環が縮合した縮合環のヘテロアリール基であり、炭素数1〜20のヘテロアリール基であることが好ましい。X1及びX2で表されるヘテロアリール基の具体例としては、例えば、ピリジル基、キノリル基、イソキノリル基、アクリジニル基、フェナントリジニル基、プテリジニル基、ピラジニル基、キノキサリニル基、ピリミジニル基、キナゾリル基、ピリダジニル基、シンノリニル基、フタラジニル基、トリアジニル基、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、ベンゾチアゾリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、インダゾリル基、イソオキサゾリル基、ベンゾイソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、ベンゾイソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、フリル基、ベンゾフリル基、チエニル基、ベンゾチエニル基、ピロリル基、インドリル基、イミダゾピリジニル基、カルバゾリル基等が挙げられる。
前記X1及びX2で表されるアルキル基、アリール基、ヘテロアリール基は、更に置換基を有していてもよく、置換基としては上述した置換基群Aから選ぶことが可能である。
<一般式(II)で表される化合物>
本発明における一般式(I)で表される化合物としては、下記一般式(II)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2006032634
一般式(II)中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。R1〜R8に置換基を導入可能な場合には、さらに置換基を有していてもよい。
前記R1〜R8で表されるハロゲン原子としては、前記一般式(I)においてR1〜R4で表されるハロゲン原子と同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記R1〜R8で表されるアルキル基としては、前記一般式(I)においてR1〜R4で表されるアルキル基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記R1〜R8で表されるアリール基としては、前記一般式(I)においてR1〜R4で表されるアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記R1〜R8で表されるヘテロアリール基としては、前記一般式(I)においてR1〜R4で表されるヘテロアリール基と同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記R1〜R8で表されるアルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基は、置換基を有していてもよく、置換基としては上述した置換基群Aから選ぶことが可能である。
一般式(I)又は一般式(II)で表される化合物は、R1又はR2を介してビス型構造を有していてもよい。
<一般式(I)及び一般式(II)で表される化合物の合成方法>
一般式(I)及び一般式(II)で表される化合物は、例えば、特許2918150号公報に記載の方法(以下に記載の方法)に準じて合成することができる。
即ち、先ず、一般式(A)で表されるアセチレン誘導体にアルカリ金属錯体を反応させる。
Figure 2006032634
一般式(A)中、X及びYは、それぞれ独立に、炭素数1〜6までの飽和若しくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環を示すか、或いはXとYが結合して飽和又は不飽和の環を形成しており、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アゾ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルコキシカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、スルフィニル基、スルフォニル基、スルファニル基、シリル基、カルバモイル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基、ホルミルオキシ基、イソシアノ基、シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、又はシアノ基を示すか、置換若しくは無置換の環が縮合してもよい。
続いて、下記一般式(B)で表されるシラン誘導体を反応させる。
Figure 2006032634
一般式(B)中、X、Y及びZは、それぞれ独立に、ターシャリ−ブチル基若しくはアリール基を示す。
さらに続いて、塩化亜鉛又は塩化亜鉛錯体を反応させることによって、下記一般式(C)で表される反応性シラシクロペンタジエン誘導体が得られる。
Figure 2006032634
一般式(C)中、Aは、ハロゲン化亜鉛又はハロゲン化亜鉛錯体を示し、X及びYは、それぞれ独立に、炭素数1〜6の飽和若しくは不飽和の炭化水素基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アルキニルオキシ基、置換若しくは無置換のアリール基、置換若しくは無置換のヘテロ環を示すか、XとYが結合して飽和又は不飽和の環を形成しており、R1及びR2は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換若しくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、アルコキシ基、アリールオキシ基、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、アミノ基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、アゾ基、アルキルカルボニルオキシ基、アリールカルボニルオキシ基、アルコキジカルボニルオキシ基、アリールオキシカルボニルオキシ基、スルフィニル基、スルフォニル基、スルファニル基、シリル基、カルバモイル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、ニトロ基、ホルミル基、ニトロソ基、ホルミルオキシ基、イソシアノ基、シアネート基、イソシアネート基、チオシアネート基、イソチオシアネート基、又はシアノ基を示すか、置換若しくは無置換の環が縮合してもよい。
ここで用いられるアセチレン誘導体に付く置換基としては、アルカリ金属錯体とアセチレンとの反応を阻害しにくいものがよく、特に好ましくはアルカリ金属錯体に対して不活性なものが好ましい。用いられるアルカリ金属錯体としては、例えば、リチウムナフタレニド、ナトリウムナフタレニド、カリウムナフタレニド、リチウム4,4'−ジターシャリ−ブチル−2,2'−ビフェニリドあるいはリチウム(N、N−ジメチルアミノ)ナフタレニドなどがあげられる。用いられる溶媒としては、アルカリ金属あるいはアルカリ金属錯体に不活性なものなら特に制限はなく、通常、エーテルあるいはテトラヒドロフランのようなエーテル系の溶媒が用いられる。続いて使用されるシラン誘導体の置換基としては、嵩高いものが好ましく、具体的にはターシャリ−ブチルジフェニルクロロシランあるいはジターシャリ−ブチルフェニルクロロシランなどが挙げられる。さらに続いて用いられる塩化亜鉛又は塩化亜鉛の錯体としては、塩化亜鉛の固体を直接用いるか、塩化亜鉛のエーテル溶液を使用するか、あるいは塩化亜鉛のテトラメチルエチレンジアミン錯体などが挙げられる。これらの塩化亜鉛類は、充分に乾燥していることが好ましく、水分が多いと目的物が得られ難くなる。この一連の反応は、不活性気流中で行うことが好ましく、アルゴンガスが使われる。このようにして得られた反応性シラシクロペンタジエン誘導体に触媒の存在下、一般式(D)で表されるハロゲン化物を反応させることによって、シラシクロペンタジエン誘導体を得ることができる。
Figure 2006032634
一般式(D)中、Xは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子表し、Rは、ハロゲン、置換若しくは無置換の炭素数1〜6のアルキル基、パーフルオロアルキル基、アルキルカルボニル基、アリールカルボニル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、スルフィニル基、スルフォニル基、スルファニル基、シリル基、アリール基、ヘテロ環基、アルケニル基、又はアルキニル基を示す。
ここで用いられる触媒としては、テトラキストリフェニルフォスフィンパラジウムあるいはジクロロビストリフェニルフォスフィンパラジウムなどのパラジウム触媒が挙げられる。一速の反応の各段階において、反応温度に特に制限はないが、アルカリ金属錯体、シラン誘導体及び塩化亜鉛等を加え攪拌する際には、室温以下が好ましく、通常0℃以下で行われる。ハロゲン化物を加えた後の反応温度は、室温以上が好ましく、通常、溶媒にテトラヒドロフランを用いた場合には還流下で行われる。反応時間においても特に制限はなく、アルカリ金属錯体、シラン誘導体及び塩化亜鉛等を加え攪拌する際には、数分から数時間の間が望ましい。ハロゲン化物を加えた後の反応は、NMRあるいはクロマトグラフィー等の一般的な分析手段により反応を追跡し、反応の終点を決定すればよい。
以下に、本発明における一般式(I)で表される化合物、及び一般式(II)で表される化合物の具体例〔例示化合物(S−1)〜(S−12)を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006032634
Figure 2006032634
本発明において、一般式(I)で表される化合物(又は一般式(II)で表される化合物)の含有量としては、有機化合物層1層当たり、5〜95質量%であることが好ましく、10〜90質量%であることがより好ましく、20〜80質量%であることがさらに好ましい。
また、一般式(I)で表される化合物(又は一般式(II)で表される化合物)は、一種単独で用いてもよいし、2以上を併用してもよい。
以上説明した一般式(I)で表される化合物が、後述する正孔輸送性化合物と共に、有機EL素子を構成する有機化合物層の少なくとも一層(特に好ましくは電子輸送層)に含まれることで、優れた発光効率及び駆動耐久性を有する有機EL素子を得ることができる。
<正孔輸送性化合物>
正孔輸送性化合物について詳細に説明する。
本発明における正孔輸送性化合物は、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。具体的には、トリベンゾアゼピン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ポリアリールベンゼン誘導体、アリールアミン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、スチルベン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体及びポルフィリン系化合物等が挙げられる。
これらの中でも、正孔輸送性化合物としては、アリールアミン誘導体であることが好ましい。アリールアミン誘導体としては、例えば、「シーエムシー出版 「有機電子デバイス研究者のための有機薄膜仕事関数データ集」安達千波矢,小山田崇人,中島嘉之 著 」36ページから42ページ、「シーエムシー出版「有機EL材料とディスプレイ」城戸淳二 監修」136ページから137ページに記載のトリフェニルアミン誘導体を好ましく用いることができる。
本発明において、前記一般式(I)で表される化合物と共に、有機化合物層に含まれる正孔輸送性化合物の含有量としては、有機化合物層1層当たり、5〜95質量%であることが好ましく、10〜90質量%であることがより好ましく、20〜80質量%であることがさらに好ましい。正孔輸送性化合物は、一種単独で用いてもよいし、2以上を併用してもよい。
また、正孔輸送性化合物と、一般式(I)で表される化合物と、の有機化合物層一層当たりの含有比としては、質量比で、1:20〜20:1が好ましく、1:10〜10:1がより好ましく、1:5〜5:1がさらに好ましい。
−有機EL素子の構成−
次に、本発明の有機EL素子の構成に関して説明する。
本発明の有機EL素子は、基板上に設けられた、陽極、陰極の一対の電極間に、少なくとも一層の発光層を含む有機化合物層を有して構成される。発光層以外の他の有機化合物層としては、正孔輸送層、正孔注入層、電子注入層、電子輸送層、保護層などが挙げられる。
また、これらの各層はそれぞれ他の機能を備えたものであってもよく、同層が積層されいてもよい。各層の形成には、それぞれ種々の材料を用いることができる。
<陽極>
陽極は、正孔注入層、正孔輸送層、発光層などに正孔を供給するものであり、金属、合金、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物などを用いることができ、好ましくは仕事関数が4eV以上の材料である。
具体例としては、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウムスズ(ITO)等の導電性金属酸化物、あるいは金、銀、クロム、ニッケル等の金属、さらにこれらの金属と導電性金属酸化物との混合物又は積層物、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリピロールなどの有機導電性材料、及びこれらとITOとの積層物などが挙げられ、好ましくは、導電性金属酸化物であり、特に、生産性、高導電性、透明性等の点からITOが好ましい。
陽極の膜厚は、材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜500nmである。
陽極は通常、上述した、ソーダライムガラス、無アルカリガラス、透明樹脂基板などの上に層形成したものが用いられる。ガラスを用いる場合、その材質については、ガラスからの溶出イオンを少なくするため、無アルカリガラスを用いることが好ましい。また、ソーダライムガラスを用いる場合、シリカなどのバリアコートを施したものを使用することが好ましい。透明樹脂基板としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステルや、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、アリルジグリコールカーボネート、ポリイミド、ポリシクロオレフィン、ノルボルネン樹脂、ポリ(クロロトリフルオロエチレン)、テフロン(登録商標)、ポリテトラフルオロエチレン−ポリエチレン共重合体等の高分子材料が挙げられる。
基板の厚みは、機械的強度を保つのに十分であれば特に制限はないが、ガラスを用いる場合には、通常0.2mm以上、好ましくは0.7mm以上のものを用いる。
陽極の作製には、材料によって種々の方法が用いられるが、例えば、ITOの場合、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、化学反応法(ゾルーゲル法など)、酸化インジウムスズの分散物の塗布などの方法で膜形成される。
陽極は、洗浄その他の処理により、素子の駆動電圧を下げたり、発光効率を高めることも可能である。例えばITOの場合、UV−オゾン処理、プラズマ処理などが効果的である。
<陰極>
陰極は、電子注入層、電子輸送層、発光層などに電子を供給するものであり、電子注入層、電子輸送層、発光層などの負極と隣接する層との密着性やイオン化ポテンシャル、安定性等を考慮して選ばれる。
陰極の材料としては、金属、合金、金属ハロゲン化物、金属酸化物、電気伝導性化合物、又はこれらの混合物を用いることができ、具体例としてはアルカリ金属(例えば、Li、Na、K等)及びそのフッ化物又は酸化物、アルカリ土類金属(例えば、Mg、Ca等)及びそのフッ化物又は酸化物、金、銀、鉛、アルミニウム、ナトリウム−カリウム合金又はそれらの混合金属、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属、インジウム、イッテリビウム等の希土類金属等が挙げられ、好ましくは仕事関数が4eV以下の材料であり、より好ましくはアルミニウム、リチウム−アルミニウム合金又はそれらの混合金属、マグネシウム−銀合金又はそれらの混合金属等である。
陰極は、上記化合物及びそれらの混合物の単層構造だけでなく、上記化合物及びそれらの混合物を含む積層構造を採ることもできる。例えば、アルミニウム/フッ化リチウム、アルミニウム/酸化リチウムの積層構造が好ましい。
陰極の膜厚は、材料により適宜選択可能であるが、通常10nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは50nm〜1μmであり、更に好ましくは100nm〜1μmである。
陰極の作製には、電子ビーム法、スパッタリング法、抵抗加熱蒸着法、コーティング法、転写法などの方法が用いられ、金属を単体で蒸着することも、二成分以上を同時に蒸着することもできる。さらに、複数の金属を同時に蒸着して合金電極を形成することも可能であり、またあらかじめ調整した合金を蒸着させてもよい。
陽極及び陰極のシート抵抗は、低い方が好ましく、数百Ω/□以下が好ましい。
<有機化合物層>
本発明における有機化合物層について説明する。
本発明の有機EL素子は、発光層を含む複数の有機化合物層を有してなり、発光層以外の他の有機化合物層としては、正孔輸送層、電子輸送層、電荷ブロック層、正孔注入層、電子注入層等の各層が挙げられる。
有機化合物層を構成する各層は、蒸着法やスパッタ法等の乾式製膜法、ディッピング、スピンコート法、ディップコート法、キャスト法、ダイコート法、ロールコート法、バーコート法、グラビアコート法等の湿式製膜法、転写法、印刷法等いずれによっても好適に成膜することができる。
(発光層)
発光層は、電界印加時に、陽極、又は正孔注入層、正孔輸送層から正孔を受け取り、陰極、又は電子注入層、電子輸送層から電子を受取り、正孔と電子の再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。
本発明における発光層としては、電荷輸送機能と発光機能を分離してより優れた性能を得るため、あるいは高濃度の発光材料中で凝集が起こり励起状態が無輻射失活する現象(濃度消光)を防ぐために、発光材料をドーパントとして電荷輸送材料(ホスト材料)中にドープする態様が好ましい。
−電荷輸送材料(ホスト材料)−
発光層に適用されるホスト材料としては、例えば、カルバゾール誘導体(例えば「アプライド フィジックス レターズ(Applied Physics Letters)」、1999、第74巻、第3号、p.442に記載のもの)、トリベンゾアゼピン誘導体(特開平10−59943号、同10−219241号、同10−316875号、同10−324680号、同10−330365号、特開2001−97953号)、トリアゾール誘導体(米国特許第3112197号)、オキサゾール誘導体(米国特許第3257203号)、イミダゾール誘導体(特公昭37−16096号)、ポリアリールアルカン誘導体(米国特許第3615402号、同3820989号、同3542544号、特公昭45−555号、同51−10983号、特開昭51−93224号、同55−17105号、同56−4148号、同55−108667号、同55−156953号、同56−36656号)、ポリアリールベンゼノイド誘導体(特開平10−255985号、特開2002−260861号)、アリールアミン誘導体(米国特許第3567450号、同3180703号、同3240597号、同3658520号、同4232103号、同4175961号、同4012376号、特公昭49−35702号、同39−27577号、特開昭55−144250号、同56−119132号、同56−22437号、西独特許第1110518号)、スチリルアントラセン誘導体(特開昭56−46234号)、スチルベン誘導体(特開昭61−210363号、同61−228451号、同61−14642号、同61−72255号、同62−47646号、同62−36674号、同62−10652号、同62−30255号、同60−93445号、同60−94462号、同60−174749号、同60−175052号)、芳香族第三アミン化合物及びスチリルアミン化合物(特開昭63−295695号、同53−27033号、同54−58445号、同54−149634号、同54−64299号、同55−79450号、同55−144250号、同56−119132号、同61−295558号、同61−98353号、特開平8−239655号、米国特許第4127412号)、芳香族ジメチリデン系化合物(特開平6−330034号)、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体(米国特許第3180729号、同4278746号、特開昭55−88064号、同55−88065号、同49−105537号、同55−51086号、同56−80051号、同56−88141号、同57−45545号、同54−112637号、同55−74546号)、フェニレンジアミン誘導体(米国特許第3615404号、特公昭51−10105号、同46−3712号、同47−25336号、特開昭54−53435号、同54−110536号、同54−119925号)、アミノ置換カルコン誘導体(米国特許第3526501号)、フルオレノン誘導体(特開昭54−110837号)、ヒドラゾン誘導体(米国特許第3717462号、特開昭54−59143号、同55−52063号、同55−52064号、同55−46760号、同55−85495号、同57−11350号、同57−148749号)、シラザン誘導体(米国特許第4950950号)、ポルフィリン系化合物(特開昭63−295695号)、アントラキノジメタン誘導体及びアントロン誘導体(特開昭57−149259号、同58−55450号、同63−104061号、特開昭61−225151号、同61−233750号)、ジフェノキノン誘導体やチオピランジオキシド誘導体及びカルボジイミド誘導体(「ポリマー プレプリンツ、ジャパン(Polymer Preprints,Japan)」、1988、第37巻、第3号、p.681)、フルオレニリデンメタン誘導体(特開昭60−69657号、同61−143764号、同61−148159号))、ジスチリルピラジン誘導体(「ケミストリー レターズ(Chemistry Letters)」、1990、p.189、特開平2−252793号、特開平5−178842号)、複素環テトラカルボン酸無水物誘導体(「ジャパニーズ ジャーナル オブ アプライド フィジックス(Japanese Journal of Applied Physics)」、1988、27巻、L269)、ポルフィリンやフタロシアニン誘導体(特開昭63−2956965号)、8−キノリノール誘導体の金属錯体(「電子情報通信学会論文誌」、1990、C−2、p.661)、ベンゾオキサゾールを配位子とする金属錯体、及びベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体の群から選ばれるホスト材料を少なくとも1種含有することが正孔や電子の輸送性の点で好ましく、中でも、カルバゾール誘導体であることがより好ましい。
また、ホスト材料の三重項励起状態から発光材料へのエネルギー授受が効率的に行われるためには、ホスト材料の最低三重項励起状態のエネルギーレベル(T1レベル)は発光材料のT1レベルよりも高いことが好ましい。発光材料のT1レベルはその発光波長が短いほど高くなるので、短波な発光素子用の発光層では高T1のホスト材料が必要であるが、一方でT1はホスト材料の最高占有軌道(HOMO)と最低非占有軌道(LUMO)に関連し、これらは電荷の注入や輸送の能力に関わる(一般にHOMOとLUMOのエネルギー差が大きいほど電荷が注入されにくく、電気的に絶縁性が高くなる)ため、最適なT1レベルのホスト材料を選択することが重要である。
特に、発光極大波長が500nm以下の青色発光素子用の発光層ホスト材料のT1レベルとしては、62kcal/mol以上(259kJ/mol以上)、85kcal/mol以下(355kJ/mol以下)であることが好ましく、65kcal/mol以上(272kJ/mol以上)、80kcal/mol以下(334kJ/mol以下)であることがより好ましい。
上記物性値を満たすホスト材料としては、特開2002−100476号公報、特開2002−338579号公報に記載のホスト材料が好ましく、特開2002−100476号公報に記載のホスト材料がより好ましい。特開2002−100476号公報に記載のホスト材料の好ましい範囲は、同公報に記載のとおりである。
本発明における発光層は、蒸着法により形成されることが好ましい。
蒸着法とは、通常高真空下(10-2Pa以下)において物質を加熱蒸発させ、気体状となった物質をターゲット上に付着成膜する真空蒸着法のことであり、蒸発源から物質を蒸発させる加熱方法には抵抗加熱法、高周波加熱法、電子ビーム加熱法、レーザー加熱法などがあるが、抵抗加熱法が最も一般的である。また加熱以外の方法で材料を蒸発させる方法としてスパッタリング法、イオンプレーティング法、分子線エピタキシ法などがあり、目的により使い分けることができる。さらに広い意味での蒸着法として、ターゲット表面上での化学反応により膜を形成するCVD法もあり、本明細書でいう蒸着法は、これらの蒸着技術すべてを含むものとする。蒸着法の詳細についてはオーム社刊、「新判・真空ハンドブック」(株式会社アルバック編)の第8章に記載されている。
2種以上の物質の混合物で膜形成する場合には、1つの蒸発源に複数の物質の混合物を入れて蒸発させてもよいが、この方法では蒸発気体中の物質組成を一定に保つのが難しく、別々の蒸発源から同時に分子を飛ばす方法が一般的である。また加熱した基盤上に複数の物質を順次積層成膜し、熱による拡散を利用して均一な膜とする方法(特許第3362504号)も知られている。
蒸着法で作成した発光層は、スピンコート法やインクジェット法に代表される湿式成膜法で作成した場合に比べて、溶媒やバインダ等に由来する不純物や酸素、水分を含まないため発光輝度や駆動耐久性の点で優れ、また既設の下層を溶媒により溶解する心配もなく、所望の膜厚の均一な発光層薄膜を容易に得ることができる。
さらに、蒸着時にマスキングを施すことにより、画素毎に異なる発光材料、ホスト材料を用いて異なる発光特性を持たせることができ、精細高画質のフルカラーディスプレイを作製するのに適している。
発光層を蒸着法により形成する場合には、発光層を構成する材料として、分子量3000以下の材料のみを含有することが好ましい。特に、ポリマーやオリゴマーといった高分子材料は揮発性が低く蒸着が難しい上に、材料自体が分子量分布を有しており、再現性の良い発光が得にくいため好ましくない。
分子量3000超える高分子量化合物は高真空条件下においても加熱により蒸発させること自体が難しくなり真空蒸着による薄膜形成が困難の傾向となる。
特に、200以上2000以下の範囲外の物質を選択すると、分子量200以下の低分子量化合物は揮発性が高すぎて真空蒸着に際して薄層形成することが難しく、分子量2000超える高分子量化合物は高真空条件下においても加熱により蒸発させること自体が困難である傾向となるためである。
また、蒸着の容易性から、発光層を構成する材料はイオン性化合物ではなく、中性分子化合物であることが好ましい。
蒸着により形成された発光層薄膜は、薄利やピンホール等の欠陥が無い均一な非結晶性薄膜(アモルファス膜)であることが好ましく、経時や熱による再結晶化が起こると発光素子の性能変化や劣化に繋がるため、融点及びガラス転位温度(Tg)は、高いことが好ましい。発光層を構成する材料の融点としては、好ましくは150℃以上、より好ましくは200℃以上、さらに好ましくは250℃以上、Tgは好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは120℃以上である。
上記のような要求性能を満たすホスト材料としては、T1レベルが高く、結晶化が起こりにくく、励起状態の寿命が長く発光効率の高さが期待できるカルバゾール誘導体が最も好ましい。
以下に、本発明に好適に用いられるホスト材料の具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
Figure 2006032634
−発光材料−
発光材料としては、一重項励起子から発光する蛍光発光性化合物、又は、三重項励起子から発光する燐光発光性化合物のいずれであってもよい。
本発明に使用できる発光材料の例としては、ベンゾオキサゾール誘導体、ベンゾイミダゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体、スチリルベンゼン誘導体、ポリフェニル誘導体、ジフェニルブタジエン誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、ナフタルイミド誘導体、クマリン誘導体、縮合芳香族化合物、ペリノン誘導体、オキサジアゾール誘導体、オキサジン誘導体、アルダジン誘導体、ピラリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、ビススチリルアントラセン誘導体、キナクリドン誘導体、ピロロピリジン誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、スチリルアミン誘導体、ジケトピロロピロール誘導体、芳香族ジメチリディン化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体やピロメテン誘導体の金属錯体、希土類錯体、イリジウムトリスフェニルピリジン錯体及び白金ポルフィリン錯体等の遷移金属錯体に代表される各種金属錯体等、ポリチオフェン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン等のポリマー化合物、有機シラン誘導体などの化合物等が挙げられる。
発光層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、更に好ましくは10nm〜500nmである。
発光層は一つであっても複数であってもよく、それぞれの発光層が異なる発光色で発光して、全体として例えば白色を発光してもよいし、単一の発光層から白色を発光してもよい。発光層が複数の場合、それぞれの発光層は単一材料で形成されていてもよいし、複数の化合物で形成されていてもよい。例えば、ホスト材料と発光材料とを含む混合系の場合であれば、ホスト材料は単一であっても複数種の混合であってもよい。発光材料も単一であっても複数種の混合であってもよい。本発明における発光層が、電荷輸送材料と発光材料と混合系である場合の混合比としては、10000:1〜100:5が好ましく、10000:5〜100:2がより好ましい。
(正孔注入層、正孔輸送層)
正孔注入層、正孔輸送層に含まれる材料としては、陽極から正孔を注入する機能、正孔を輸送する機能、陰極から注入された電子を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。
正孔注入層、正孔輸送層を構成する材料としては、トリベンゾアゼピン誘導体、トリアゾール誘導体、オキサゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ポリアリールベンゼン誘導体、アリールアミン誘導体、スチリルアントラセン誘導体、スチルベン誘導体、芳香族第三アミン化合物、スチリルアミン化合物、芳香族ジメチリデン系化合物、8−キノリノール誘導体の金属錯体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、シラザン誘導体及びポルフィリン系化合物の群から選択される1種以上であることが好ましい。これらの化合物の好ましい例は前記ホスト材料の項で述べた対応する化合物の例と同様のものを挙げることができる。
さらに、正孔輸送層が、燐光発光性化合物を含む発光層に隣接する層である場合には、発光層で生じた三重項励起子が正孔輸送層へ移動しないように正孔輸送材料の最低三重項励起状態のエネルギーレベル(T1レベル)は発光材料や発光層に含まれるホスト材料のT1レベルよりも高いことが好ましい。特に発光極大波長が500nm以下の青色発光素子用の正孔輸送材料のT1レベルは62kcal/mol以上(259kJ/mol以上)、85kcal/mol以下(355kJ/mol以下)であることが好ましく、65kcal/mol以上(272kJ/mol以上)、80kcal/mol以下(334kJ/mol以下)であることがより好ましい。
上記物性値を満たす正孔輸送材料としては、特開2002−100476号公報に記載の正孔輸送材料が好ましく、特開2002−100476号公報に記載の正孔輸送材料の好ましい範囲は、同明細書に記載のとおりである。
前記の化合物群のうちトリベンゾアゼピン誘導体は高T1で高い発光効率が期待でき、アリールアミン誘導体は高い安定性により耐久性向上が期待できるため、この両者から正孔輸送材料を選択することがより好ましい。
その他として、必要に応じてカルバゾール、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、及びそれらの誘導体等を添加することができる。
正孔注入層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常0.2nm〜1μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは1nm〜0.2μmであり、さらに好ましくは2nm〜100nmである。
正孔輸送層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、さらに好ましくは10nm〜500nmである。
正孔注入層、正孔輸送層は上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
正孔注入層、正孔輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記正孔注入輸送材料を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法、インクジェット法、印刷法、転写法が用いられる。
コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキシド、ポリブタジエン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコン樹脂などが挙げられる。
前記の層形成方法の中でも、正孔輸送層は蒸着法で設置されていることが好ましい。蒸着法で設置することにより、均一で一定の膜厚の薄膜が形成でき、耐久性も向上する傾向となる。
また正孔輸送層を蒸着法で設置する場合、正孔輸送層の材料も発光層材料と同様に分子量3000以下の低分子有機化合物及び/又は分子量3000以下の低分子有機金属化合物からなることが好ましい。
(電子注入層、電子輸送層)
電子注入層、電子輸送層に含まれる材料としては、陰極から電子を注入する機能、電子を輸送する機能、陽極から注入された正孔を障壁する機能のいずれか有しているものであればよい。
本発明の有機EL素子は、陰極と発光層との間にイオン化ポテンシャル5.9eV以上(より好ましくは6.0eV以上)の化合物を含有する層を有することが好ましく、イオン化ポテンシャル5.9eV以上の電子輸送層を有することがより好ましい。
前記一般式(I)で表される化合物、及び正孔輸送性化合物は、本発明の効果である発光特性及び駆動耐久性の向上の観点からは、電子輸送層又は電子注入層に含まれることが好ましく、電子輸送層に含まれることが最も好ましい。
一般式(I)で表される化合物が電子輸送層に含まれる場合、電子輸送層は、一般式(I)で表される化合物及び正孔輸送性化合物のみで構成されていてもよいし、以下に例示する材料(他の電子輸送性材料)を併用してもよい。
一般式(I)で表される化合物と他の電子輸送性材料とを併用する場合の含有比としては、任意に選択することができるが、1:10〜10:1が好ましく、1:5〜5:1 がより好ましい。
電子注入層、電子輸送層に用いうる材料の具体例としては、トリアゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、イミダゾール、フルオレノン、アントラキノジメタン、アントロン、ジフェニルキノン、チオピランジオキシド、カルボジイミド、フルオレニリデンメタン、ジスチリルピラジン、ナフタレン、ペリレン等の芳香環テトラカルボン酸無水物、フタロシアニン、8−キノリノールの金属錯体やメタルフタロシアニン、ベンゾオキサゾールやベンゾチアゾールを配位子とする金属錯体に代表される各種金属錯体、有機シラン、及び、それらの誘導体等が挙げられる。これらの化合物の好ましい例は、前記ホスト材料の説明で述べた対応する化合物の例と同様のものを挙げることができる。
また、本発明の有機EL素子は、陰極と発光層の間にイオン化ポテンシャル5.9eV以上(より好ましくは6.0eV以上)の化合物を含有する層を用いるのが好ましく、発光層に隣接してイオン化ポテンシャル5.9eV以上の電子輸送層を用いるのがより好ましい。このような化合物を含有する層(ブロック層)を設けることにより正孔が発光層を貫通して電子輸送層に流れ込むことによる発光効率低下や耐久性悪化を防止することができる。
さらに、電子輸送層が、燐光発光性化合物を含む発光層に隣接する層である場合には、発光層で生じた三重項励起子が電子輸送層へ移動しないように電子輸送材料の最低三重項励起状態のエネルギーレベル(T1レベル)は発光材料や発光層ホスト材料のT1レベルよりも高いことが好ましい。特に発光極大波長が500nm以下の青色発光素子用の正孔輸送材料のT1レベルは62kcal/mol以上(259kJ/mol以上)、85kcal/mol以下(355kJ/mol以下)であることが好ましく、65kcal/mol以上(272kJ/mol以上)、80kcal/mol以下(334kJ/mol以下)であることがより好ましい。
上記物性値を満たす他の電子輸送材料としては、特開2002−100476号に記載の電子輸送材料が挙げられる。特開2002−100476号に記載の電子輸送材料の好ましい範囲は、同明細書に記載の通りである。
その他として、必要に応じてカルバゾール、ポリシラン系化合物、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、アニリン系共重合体、チオフェンオリゴマー、ポリチオフェン等の導電性高分子オリゴマー、有機シラン、カーボン膜、及びそれらの誘導体等を添加することができる。
電子注入層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常0.2nm〜1μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは1nm〜0.2μmであり、さらに好ましくは2nm〜100nmである。
電子輸送層の膜厚は、特に限定されるものではないが、通常1nm〜5μmの範囲のものが好ましく、より好ましくは5nm〜1μmであり、さらに好ましくは10nm〜500nmである。
電子注入層、電子輸送層は、上述した材料の1種又は2種以上からなる単層構造であってもよいし、同一組成又は異種組成の複数層からなる多層構造であってもよい。
電子注入層、電子輸送層の形成方法としては、真空蒸着法やLB法、前記電子注入輸送材料を溶媒に溶解又は分散させてコーティングする方法、インクジェット法、印刷法、転写法などが用いられる。
コーティング法の場合、樹脂成分と共に溶解又は分散することができ、樹脂成分としては例えば、正孔注入輸送層の場合に例示したものが適用できる。
前記の層形成方法の中でも、電子輸送層は蒸着法で設置されていることが好ましい。蒸着法で設置することにより、均一で一定の膜厚の薄膜が形成でき、耐久性も向上する傾向となる。
また、電子輸送層を蒸着法で設置する場合、電子輸送層の材料も発光層材料と同様に分子量3000以下の低分子有機化合物及び/又は分子量3000以下の低分子有機金属化合物からなることが好ましい。
(保護層)
本発明の有機EL発光素子は、水分や酸素の進入を防止するために保護層を有してもよい。保護層に含まれる材料としては、水分や酸素等の素子劣化を促進するものが素子内に入ることを抑止する機能を有しているものであればよい。
その具体例としては、In、Sn、Pb、Au、Cu、Ag、Al、Ti、Ni等の金属、MgO、SiO、SiO2、Al23、GeO、NiO、CaO、BaO、Fe23、Y23、TiO2等の金属酸化物、MgF2、LiF、AlF3、CaF2等の金属フッ化物、SiNx、SiOxy などの窒化物、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイミド、ポリウレア、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリジクロロジフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンとジクロロジフルオロエチレンとの共重合体、テトラフルオロエチレンと少なくとも1種のコモノマーとを含むモノマー混合物を共重合させて得られる共重合体、共重合主鎖に環状構造を有する含フッ素共重合体、吸水率1%以上の吸水性物質、吸水率0.1%以下の防湿性物質等が挙げられる。
保護層の形成方法についても特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、MBE(分子線エピタキシ)法、クラスターイオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法(高周波励起イオンプレーティング法)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、ガスソースCVD法、コーティング法、印刷法、転写法を適用できる。
−有機EL素子の製造方法−
本発明の有機EL素子の製造方法として、好適に用いられる製造方法を以下に述べるが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、透明電極としてITO薄膜を有する基板を溶媒洗浄した後、UV−オゾン処理を行なう。さらに、この透明電極上に正孔注入層、正孔輸送層をこの順に蒸着法にて形成する。この上に、金属錯体及びホスト材料を真空において共蒸着することにより発光層を形成する。該金属錯体及びホスト材料は前記のものと同義であり、好ましい範囲も同様である。発光層に用いられる該ホスト材料及び該金属錯体は分子量3000以下であることが好ましく、発光層を構成する材料が分子量3000以下であることが好ましい。該分子量範囲を前記範囲とすることにより蒸着し易くなる。
該蒸着としては、公知の蒸着法を用いることができる。さらにその上に、電子輸送層、電子注入層をこの順に設け、この上に、パタ−ニングしたマスクを設置し、背面電極(陰極)を蒸着して形成する。電子輸送層と発光層との間には、電子輸送材料を含むブロック層を設けることができる。前記陽極と陰極のそれぞれにリ−ド線を結線し、発光積層体を形成する。ここで得られた発光積層体を封止して有機EL素子を作製する。
得られた有機EL素は、直流電圧を印加し発光させて、初期輝度で駆動耐久性試験を実施し、輝度が半分になった時間を半減時間として、耐久性を実施評価することができる。
以下に、本発明の有機EL素子の実施例について説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
[実施例1]
ガラス基板上にインジウム・スズ酸化物(ITO)透明導電膜を150nm堆積したもの(ジオマテック社製;電子ビーム成膜品;シート抵抗15Ω)を通常のフォトリソグラフィ技術と塩酸エッチングを用いて2mm幅のストライプにパターニングして陽極を形成した。パターン形成したITO基板を、アセトンによる超音波洗浄、純水による水洗、イソプロピルアルコールによる超音波洗浄の順で洗浄後、窒素ブローで乾燥させ、最後に紫外線オゾン洗浄を行って、真空蒸着装置内に設置した。上記装置の粗排気を油回転ポンプにより行った後、装置内の真空度が2×10-6Torr(約2.7×10-4Pa)以下になるまでクライオポンプを用いて排気した。
次いで、上記装置内に配置されたモリブデンボートに入れた以下に示す銅フタロシアニン(CuPc、結晶形はβ型)をて加熱して、真空度1.4×10-6Torr(約1.9×10-4Pa)、蒸着速度0.1nm/秒で蒸着を行ない、膜厚10nmの正孔注入層を形成した。
Figure 2006032634
次に、上記装置内に配置されたセラミックルツボに入れた、下記に示す、4,4'−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)を、ルツボの周囲のタンタル線ヒーターで加熱して蒸着を行い正孔輸送層を形成した。蒸着時の真空度は9.0×10-7Torr(約1.2×10-4Pa)、蒸着速度は0.2nm/秒、正孔輸送層の膜厚は60nmであった。
Figure 2006032634
引続き、発光層の主成分(ホスト材料)として、下記に示す4,4′−N,N′−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)を、副成分(ドーパント)の燐光性有機金属錯体として下記に示すイリジウム錯体(Ir(ppy)3)を、セラミックルツボに設置し、2元同時蒸着法により成膜を行った。CBPの蒸着速度は0.1nm/秒に制御し、イリジウム錯体(Ir(ppy)3)はホストに対して5質量%含有されるよう、蒸着速度を制御し、膜厚30nmの発光層を正孔輸送層の上に積層した。蒸着時の真空度は1.3×10-6Torr(約1.7×10-4Pa)であった。
Figure 2006032634
Figure 2006032634
さらに、電子輸送層として、一般式(I)で表される化合物である例示化合物(S−2)と、正孔輸送性化合物であるα−NPDと、を2元同時蒸着法にて蒸着速度0.1nm/秒で10nmの膜厚で積層した。蒸着時の真空度は7.0×10-7Torr(約0.9×10-4Pa)であった。
なお、上記の正孔輸送層、発光層、及び電子輸送層を真空蒸着する時の基板温度は室温に保持した。
ここで、電子輸送層までの蒸着を行った素子を一旦前記真空蒸着装置内より大気中に取り出して、陰極蒸着用のマスクとして2mm幅のストライプ状シャドーマスクを、陽極のITOストライプとは直交するように素子に密着させて、別の真空蒸着装置内に設置して有機化合物層の形成時と同様にして装置内の真空度が2×10-6Torr(約2.7×10-4Pa)以下になるまで排気した。
その後、3層型陰極を以下のように形成した。
先ず、フッ化マグネシウム(MgF2)をモリブデンボートを用いて、蒸着速度0.1nm/秒、真空度7.0×10-6Torr(約9.3×10-4Pa)で、1.5nmの膜厚で電子輸送層の上に成膜した。次に、アルミニウムを同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.5nm/秒、真空度1×10-5Torr(約1.3×10-3Pa)で膜厚40nmのアルミニウム層を形成した。さらに、その上に、陰極の導電性を高めるために銀を、上記と同様にモリブデンボートにより加熱して、蒸着速度0.3nm/秒、真空度1×10-5Torr(約1.3×10-3Pa)で膜厚40nmの銀層を形成して陰極を完成させた。
以上の3層型陰極の蒸着時の基板温度は室温に保持した。
以上の様にして、2mm×2mmのサイズの発光面積部分を有する有機EL素子が得られた。得られた有機EL素子を用いて、以下の方法により評価した。
−評価−
東洋テクニカ製ソ−スメジャ−ユニット2400型を用いて、直流電圧を有機EL素子に印加し発光させて、初期の発光性能を測定した。
発光効率(%)は、100Cd/m2時の発光効率を外部量子効率(η100)(%)として、また、輝度/電流(Cd/A)は輝度−電流密度特性の傾きを、駆動電圧は100cd/m2での値を各々表1に示す。
また、初期輝度1000Cd/m2で駆動耐久性試験を実施し、輝度が半分になった時間を半減時間(T1/2)(Hr)として、試験結果を表1に示した。
この素子は緑色発光であり(発光スペクトルの極大波長は515nm)、発光はイリジウム錯体(Ir(ppy)3)由来のものと同定された。
[実施例2〜5、比較例1〜3]
実施例1の有機EL素子の作製において、電子輸送層中の電子輸送性化合物(一般式(I)で表される化合物)と正孔輸送性化合物とを、下記表1に記載のように変更した以外は、実施例1と同様にして、実施例2〜5、比較例1〜3の有機EL素子を作製した。
得られた各有機EL素子について、実施例1と同様の評価を行った。結果を表1に示す。
これらの素子の発光スペクトルの極大波長は515nmであり、発光はイリジウム錯体(Ir(ppy)3)由来のものと同定された。
Figure 2006032634
以下に、表1に挙げられた、比較化合物、TPD、及びPPDの構造を示す。
Figure 2006032634
Figure 2006032634
Figure 2006032634
本発明の有機EL素子は、表示素子、ディスプレイ、バックライト、電子写真、照明光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信等の分野に好適に使用できる。

Claims (3)

  1. 一対の電極間に、少なくとも一層の発光層を含む有機化合物層を有する有機電界発光素子であって、該有機化合物層のうち少なくとも一層が、下記一般式(I)で表される化合物を含み、かつ、該一般式(I)で表される化合物を含む層中に、少なくとも一種の正孔輸送性化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
    Figure 2006032634
    (一般式(I)中、R1〜R4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。X1及びX2は、それぞれ独立に、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。)
  2. 一般式(I)で表される化合物及び少なくとも一種の正孔輸送性化合物を含む有機化合物層を、発光層と陰極との間に有する請求項1に記載の有機電界発光素子。
  3. 一般式(I)で表される化合物が、下記一般式(II)で表される化合物である請求項1又は2に記載の有機電界発光素子。
    Figure 2006032634
    (一般式(II)中、R1〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、又はヘテロアリール基を表す。)
    てふろn
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