JP2006031994A - プラズマディスプレイパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】プラズマディスプレイパネルの放電空間に存在する不純物ガスの悪影響を抑制することで、高画質、長寿命のプラズマディスプレイパネルを実現する。
【解決手段】走査電極4と維持電極5とからなる表示電極6を複数形成し、その表示電極6を覆って誘電体層7を形成した前面板1と、データ電極10を表示電極6に対して直交するように複数形成した背面板2とを、内部に放電空間が形成されるように対向配置して表示電極6とデータ電極10との交差部に放電セルを形成したプラズマディスプレイパネルであって、誘電体層7に放電空間内の不純物ガスを吸着または結合させる材料を含む突出部17を設けている。
【選択図】図1
【解決手段】走査電極4と維持電極5とからなる表示電極6を複数形成し、その表示電極6を覆って誘電体層7を形成した前面板1と、データ電極10を表示電極6に対して直交するように複数形成した背面板2とを、内部に放電空間が形成されるように対向配置して表示電極6とデータ電極10との交差部に放電セルを形成したプラズマディスプレイパネルであって、誘電体層7に放電空間内の不純物ガスを吸着または結合させる材料を含む突出部17を設けている。
【選択図】図1
Description
本発明は表示デバイスとして知られているプラズマディスプレイパネルに関し、特に高画質、長寿命を実現するプラズマディスプレイパネルに関するものである。
近年、双方向情報端末として大画面、壁掛けテレビへの期待が高まっており、そのための表示デバイスとして、液晶表示パネル、フィールドエミッションディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイなどの数多くのものがある。これらの表示デバイスの中でもプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと呼ぶ)は、自発光型で美しい画像表示ができ、大画面化が容易であるなどの理由から、視認性に優れた薄型表示デバイスとして注目されており、高精細化および大画面化に向けた開発が進められている。
PDPには、大別して、駆動的にはAC型とDC型があり、放電形式では面放電型と対向放電型の2種類があるが、高精細化、大画面化および製造の簡便性から、現状では、AC型で面放電型のPDPが主流を占めるようになってきている。
PDPは、透明基板上に表示電極、誘電体層、MgOによる保護層などの構成物より形成した前面板と、基板上にデータ電極、誘電体層、隔壁、蛍光体層などの構成物より形成した背面板とを、内部に微小な空間(内部空間)を形成するように対向配置して周囲を封着部材により封止している。そして内部空間にネオンおよびキセノンなどを混合してなる放電ガスを、例えば66500Pa(約500Torr)程度の圧力で封入することにより構成したものである(例えば、非特許文献1参照)。
内池平樹、御子柴茂生共著、「プラズマディスプレイのすべて」(株)工業調査会、1997年5月1日、p79−p80
内池平樹、御子柴茂生共著、「プラズマディスプレイのすべて」(株)工業調査会、1997年5月1日、p79−p80
PDPはそれらの構成物をその前駆体となる材料をペースト化したものを塗布し、それを焼成することで形成している。ここで、この焼成過程においてはさまざまなガスが発生し、この発生したガスの一部がPDPの構成物の表面に不純物として吸着または結合した状態で存在する。この不純物はPDP内において不純物ガスの発生源となり、放電に影響を与えるとともに、画質や寿命を劣化させる原因となっていた。また、不純物ガスの対策として不純物ガスを吸着または結合させる物質をPDPの構成物質に形成する手法が知られている。しかし、上述の構造では吸着または結合した不純物ガスが放電に曝されるため、放電のエネルギーにより吸着または結合した不純物ガスを脱離してしまう問題が生じた。
本発明はこのような状況に鑑みてなされたもので、高画質、長寿命のPDPを実現することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明のPDPは、走査電極と維持電極とからなる表示電極を複数形成し、その表示電極を覆って誘電体層を形成した前面板と、データ電極を表示電極に対して直交するように複数形成した背面板とを、内部に放電空間が形成されるように対向配置して表示電極とデータ電極との交差部に放電セルを形成したPDPであって、誘電体層に放電空間内の不純物ガスを吸着または結合させる材料を含む突出部を設けている。
このような構成によれば、放電を突出部の内部に局在化させることができ、突出部の頂部まで放電が広がらないように制御し、突出部を不純物ガスを吸着または結合させる材料によって不純物ガスを除去し、さらに放電によって再脱離することを抑制でき、高画質、長寿命のPDPを実現できる。
不純物ガスが、H2O、CO2、NOx、SOxまたはハイドロカーボンのうちの少なくとも1つのガスであることが望ましく、PDPの放電空間に存在してPDP放電特性に悪影響を与える不純物ガスを効果的に低減することができる。
さらに、不純物ガスを吸着または結合させる材料が放電空間に露出していることが望ましく、放電空間からの不純物ガスの除去を効果的に行うことができる。
さらに、不純物ガスを吸着または結合させる材料が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の中から選ばれる少なくとも1つであることが望ましく、アルカリ金属またはアルカリ土類金属は、不純物ガスである、H2O、CO2、NOx、SOxまたはハイドロカーボンを効果的に吸着または結合させることができる。
さらに、不純物ガスを吸着または結合させる材料が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、またはハロゲン化物の中から選ばれる少なくとも1つであることが望ましく、H2O、CO2、NOx、SOxまたはハイドロカーボンをさらに効果的に吸着または結合させることができる。
さらに、不純物ガスを吸着または結合させる材料が、Al、Ti、Zr、Siの単体またはその酸化物から選ばれる少なくとも1つであることが望ましく、不純物ガスである、H2O、CO2、NOx、SOxまたはハイドロカーボンをさらに効果的に吸着または結合させることができる。
また、突出部が表示電極に平行または直交して設けられていてもよく、このような構成によれば、放電を突出部の内部に局在化させることができ、突出部および突出部の上部まで放電が広がらないように制御できる。
さらに、突出部が表示電極に平行および直交した井桁形状であってもよく、このような構成によれば、放電を突出部の内部に局在化させることができ、突出部および突出部の上部まで放電が広がらないように制御できるとともに、突出部の面積を増大することができ、不純物ガスの吸着または結合の効果を増大することができる。
さらに、隣接する放電セルの間に設けられた突出部が凹部を有していることが望ましく、このような構成によれば、非放電領域内に凹形状の突出部が形成され、放電が広がらない領域での突出部の面積をさらに増大することができ、不純物ガスの吸着または結合の効果の増大と、不純物ガスの脱離をより低減することができる。
また、突出部はその誘電率が誘電体層の誘電率よりも低い物質で形成されていることが望ましく、このような構成によれば、突出部の高さを実効的により高くした効果があり、放電を突出部の内部に局在化させる効果を増大させることができる。
また、突出部が着色されていることが望ましく、このような構成によれば、非放電領域の突出部が黒または灰色などに着色されていることにより、表示画面のコントラストを向上させることができる。
本発明のPDPによれば、PDPの放電空間に存在する不純物ガスを低減することができ、よって高画質、長寿命のPDPを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態によるPDPについて、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるPDPの概略構成を示す斜視図である。図1に示すように、PDPは、前面板1と背面板2とから構成されている。
図1は、本発明の第1の実施の形態におけるPDPの概略構成を示す斜視図である。図1に示すように、PDPは、前面板1と背面板2とから構成されている。
前面板1は、ガラス基板などの透明な前面基板3上に設けられたPDPの構成物としての走査電極4と維持電極5とで対をなすストライプ状の表示電極6と、その表示電極6群を覆う誘電体層7と、さらにその誘電体層7上のMgOからなるMgO保護層8とを有する。さらに、誘電体層7は突出部17を有し、かつ突出部17にはPDPの放電空間内に存在する不純物ガスを吸着または再結合させる材料が放電空間に露出した状態で備えられている。
なお、走査電極4および維持電極5は、それぞれ透明電極4a、5a、およびこの透明電極4a、5aに電気的に接続されたCr/Cu/CrまたはAgなどからなるバス電極4b、5bとから構成されている。
また、背面板2は、前面基板3に対向配置される背面基板9上に、PDPの構成物として、表示電極6と直交する方向に形成したデータ電極10と、そのデータ電極10を覆う下地層である誘電体層11と、この誘電体層11上の、例えばストライプ状の隔壁12と、この隔壁12間の側面および誘電体層11の表面に形成した蛍光体層13とを有する。蛍光体層13はカラー表示のために、赤色、緑色、青色の3色が順に配置されている。
なお、図1では、隔壁12の形状はストライプ状を示したが、ストライプ状に限定するものではなく、他の形状でも本実施の形態に示す効果を発揮できる。
そして、以上の前面板1と背面板2とを、表示電極6とデータ電極10とが直交し、内部に微小な放電空間を形成するように隔壁12を挟んで対向配置し、周囲を封着部材により封止している。そして内部空間にネオンおよびキセノンなどを混合してなる放電ガスを66500Pa(約500Torr)程度の圧力で封入することによりPDPを構成している。なお、図1では内部の構成が判りやすいように、前面板1と背面板2とは間を離して描いているが、実際には、前面板1と背面板2とは、隔壁12を挟んだ状態で対向配置している。
そして、データ電極10、表示電極6に印加する周期的な電圧によって放電を発生させ、この放電による紫外線を蛍光体層13に照射して可視光に変換させることにより、画像表示を行う。
図2は、本発明の第1の実施の形態におけるPDPの画像表示部の構成を示す平面図でである。走査電極4と維持電極5は、図2に示すように、マトリクス表示の各ラインにおいて放電ギャップ14を挟んで隣接するように列方向に交互に配列されている。ここで、隔壁12によって区画され、走査電極4と維持電極5よりなる表示電極6とデータ電極10とが直交する部分が、図2の破線で示す単位放電空間である放電セル15として機能する。誘電体層7は図2に示すように、隣接する表示電極6の間に非放電領域16には突出部17が形成されている。また、この突出部17を、例えば黒色などに着色してコントラスト向上させてもよいし、さらにこの領域の前面基板3上に、コントラストを向上させる目的でブラックストライプ(不図示)を形成してもよい。
ここで、従来のPDPにおいては、不純物ガスが放電空間、特に放電セルに存在することによって、放電セル毎に放電開始電圧などの放電特性のばらつきが発生し、表示画像の画質が劣化してしまうという問題が生じる場合があった。また、不純物ガスの存在によるものと考えられる構成物の変質が発生し、PDPとしての寿命が低下してしまうという問題が発生する場合もあった。
通常、PDP製造工程の排気ベーキング工程において、PDPを加熱して内部に付着して存在する不純物を脱離、ガス化させ、その状態で真空排気することによりPDP外に排出し、その後に放電ガスの封入を行っている。しかしながら、そのような排気ベーキングを行ったにもかかわらず、PDPの画質および寿命に大幅な劣化が発生してしまうという場合があった。しかしながら、排気ベーキング後に封着をした後のPDPであっても、内部空間にはさらに、H2O、CO2、SOx、NOx、ハイドロカーボンなどの不純物ガスの存在が確認され、PDPの特性の劣化の一因がそれらの不純物ガスであることが判った。さらに、不純物ガスはPDP内部の隔壁、MgO、蛍光体層、誘電体層などの構成物質に吸着または結合を形成すると考えられ、吸着または結合を切って脱離させるためにはさらに高温に加熱することが必要となる。
しかしながら、従来の排気ベーキングの際の加熱温度は、PDPを構成する構成物の軟化点や融点などに制限されるため、十分に高温にすることができない。その結果、不純物ガスを脱離させることができず、PDP外に十分に排出することができないものと考えられる。
また、吸着または結合を形成しない不純物ガスであっても、排気ベーキングは、通常、背面基板9に設けた排気孔や排気管を通じて行われるが、PDPの内部空間が非常に微細であるため排気抵抗が非常に高く、これらの不純物ガスを十分に排出することが困難であると考えられる。さらに、これらの不純物ガスがより高い温度でないと脱離しない他の強い結合を作る吸着サイトに吸着または結合する場合も考えられる。
このように、排気ベーキングの加熱温度では脱離しない強い結合を作る不純物ガスが、放電の高いエネルギーに曝されることで脱離が発生することである。このため、映像において常に同じ位置において強い発光を必要とするパターンを表示させた場合に、その部分の電圧が変動するとともに、その周囲の非発光の放電セルにおいて電圧が上昇する問題が生じる。これらは前述した放電により結合が切れた不純物ガスが各放電セル間を移動して別の放電セルに吸着または結合したためと考えられる。
この不純物ガスの対策として不純物ガスを吸着または結合を形成する物質を放電空間内に形成する方法が知られている。しかし、この方法では吸着または結合した不純物ガスが放電に曝されるため、放電のエネルギーにより脱離してしまうおそれがある。前面板1の誘電体層7上に設けたMgO保護層8は不純物ガスの吸着性能が高いが、放電に曝されるため吸着した不純物ガスを再放出して不純物ガスによる悪影響を発生させる。
図3は図2におけるA−A断面図である。図3に示すように、誘電体層7に突出部17が形成され、さらに突出部17に不純物ガスを吸着または結合させる材料で構成した第2の突出部17aを設けている。表示電極6により形成された放電18は、この突出部17によって突出部17の内部のみに局在化させることができ、さらに突出部17の頂部領域にまで放電が広がらないように制御することができる。したがって、この放電18に曝されない突出部17の頂部領域に、不純物ガスを吸着または結合させる材料で構成した第2の突出部17aを設けることによって不純物ガスを吸着、結合させてその脱離を抑制することができる。すなわち、本発明の第1の実施の形態によれば、誘電体層7に突出部17を形成することで放電を突出部17で囲まれた領域に制限し、突出部17の放電に曝されない部分に不純物ガスを吸着または結合させる材料で構成した第2の突出部17aに不純物ガスを吸着、結合させてその脱離を抑制するものである。
一方、MgO保護層8は非常に薄く比表面積が小さいが、本実施の形態のように不純物ガスを吸着または結合させる材料で第2の突出部17aを設けることで比表面積を拡大することができ、PDP内全体での吸着能力をMgO保護層8以上に高めることができることも非常に重要な点である。
次に、放電18が突出部17で囲まれた領域に制限される原理を説明する。誘電体層7に突出部17を形成することで、突出部17は実効的に誘電体の膜厚が厚くなったことに相当する。これに対して、放電開始電圧は誘電体の膜厚が薄いほど早くなるため、突出部17以外の部分が放電しやすくなる。また、突出部17は物理的にも障壁として働くため電荷の移動を抑制する。したがって、突出部17の頂部領域や、突出部17を越えて放電が広がることを防止でき、第2の突出部17aを構成する不純物ガスを吸着または結合する材料が放電に曝されることはなく、その材料に吸着または結合した不純物ガスが再脱離することを防止できる。
PDP内で放電に悪影響を与える不純物ガスとしては、H2O、CO2、NOx、SOxまたはハイドロカーボンなどが挙げられる。これらはMgO保護層8、蛍光体層13などに吸着または結合し放電特性を変化させPDP内の放電のばらつきを発生させたり、固定パターンの表示において焼きつきなどの原因になる。
これらの不純物ガスを吸着または結合させる材料としては、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の中から選ばれる少なくとも1つであることが好ましい。特にアルカリ金属またはアルカリ土類金属の酸化物または炭酸塩または硝酸塩またはハロゲン化物から選ばれる少なくとも1つであってもよい。例えば、マグネシウムの酸化物である酸化マグネシウムは室温から300℃付近においてH2OまたはCO2と結合し、水酸化マグネシウムまたは炭酸マグネシウムを形成することが知られている。PDPは封着、排気工程を過ぎると300℃以上になることはなく、放電に曝されることがなければ十分にH2O、CO2、SOx、NOxを吸着し、または結合をして安定した物質を形成することができる。同様の材料として、ナトリウム、カリウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。
また、Al、Ti、Zr、Siなどの単体でもよいが、さらにこれらの酸化物は比表面積が大きく、ガスを吸着または結合しやすいことが知られている。さらに、これらはハイドロカーボンも含めて吸着または結合することができる。
図4は、図2における他の実施例のA−A断面図であり、第2の突出部17bとして、不純物ガスを吸着または結合する材料と誘電体材料とを混合した材料とした場合を示している。この場合、誘電体材料の誘電率を調整して、放電の広がりをさらに抑制するようにすることが可能となる。
なお、本実施の形態では、MgO保護層8を形成後に、不純物ガスを吸着または結合する材料の層を形成する例を示しているが、誘電体層7の突出部17の頂部に不純物ガスを吸着または結合する材料の第2の突出部17a、17bを形成した後、MgO保護層8を形成しても同様の効果を得ることができる。MgO保護層8の膜厚は通常0.5μm程度であるが、不純物ガスを吸着または結合する材料の粒径は1μm〜3μm程度のものが多く、比表面積が増大して、不純物ガスを吸着または結合する能力が高められる。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明の第2の実施の形態におけるPDPの構成を示す断面図である。
図5は、本発明の第2の実施の形態におけるPDPの構成を示す断面図である。
図5に示すように、本実施の形態では、誘電体層7自身は均一な膜厚であり、その誘電体層7の上に、不純物ガスを吸着または結合させる材料と誘電体層7よりも誘電率の低い誘電体材料とを含む第2の突出部17cを設けた構造であり、他の構成は第1の実施の形態と同様である。このようにすると、誘電体層7や第2の突出部17cの形成が容易となる。第2の突出部17cの高さは5μm〜50μmであるが、望ましくは、10μm〜30μmである。
なお、本実施の形態では、MgO保護層8を形成後に、第2の突出部17cを形成する例を示しているが、誘電体層7の上に第2の突出部17cを形成後、MgO保護層8を形成しても同様の効果を得ることができる。
(第3の実施の形態)
図6、図7は、本発明の第3の実施の形態におけるPDPの画像表示部の構成を示す平面図である。前述の第1の実施の形態および第2の実施の形態においては、突出部17は表示電極6に平行なストライプ状であったが、図6に示すように表示電極6と直交する方向、すなわち背面板2の隔壁12と平行な方向の突出部18を設けてよい。また、図7に示すように、井桁形状の突出部19を設けてもよい。いずれの場合も、放電を突出部の内部に制御し、突出部が放電に曝されないようにすることによって不純物ガスを吸着または結合させて、PDP内に再脱離させないようにして放電に対する不純物ガスの影響を抑制することができる。特に、井桁形状の突出部19を設ける場合には、不純物ガスを吸着または結合させる材料が放電空間へ露出する面積を増やすことができるため、より効果的に不純物ガスの影響を抑制することができる。
図6、図7は、本発明の第3の実施の形態におけるPDPの画像表示部の構成を示す平面図である。前述の第1の実施の形態および第2の実施の形態においては、突出部17は表示電極6に平行なストライプ状であったが、図6に示すように表示電極6と直交する方向、すなわち背面板2の隔壁12と平行な方向の突出部18を設けてよい。また、図7に示すように、井桁形状の突出部19を設けてもよい。いずれの場合も、放電を突出部の内部に制御し、突出部が放電に曝されないようにすることによって不純物ガスを吸着または結合させて、PDP内に再脱離させないようにして放電に対する不純物ガスの影響を抑制することができる。特に、井桁形状の突出部19を設ける場合には、不純物ガスを吸着または結合させる材料が放電空間へ露出する面積を増やすことができるため、より効果的に不純物ガスの影響を抑制することができる。
なお、このような井桁形状の場合には、表示電極6に平行な突出部と直交する突出部の高さを異ならせることも可能である。
(第4の実施の形態)
図8は、本発明の第4の実施の形態におけるPDPの画像表示部の構成を示す平面図であり、図9は図8のA−A断面図である。
図8は、本発明の第4の実施の形態におけるPDPの画像表示部の構成を示す平面図であり、図9は図8のA−A断面図である。
図8および図9に示すように、本発明の第4の実施の形態では、図7に示す第3の実施の形態の井桁形状の突出部19のうち、表示電極6と平行な突出部を凹形状としている。すなわち、図8、図9において、突出部20は放電セル15を囲う井桁形状であり、表示電極6に平行な突出部21とそれに直交する突出部22とにより構成されている。隣接する表示電極6の間の非放電領域16に位置する表示電極6と平行な突出部21は、凹部23を有した構造となっている。したがって、非放電領域16に位置する突出部21は凹状のくぼみ、溝が形成されているため、不純物ガスを吸着または結合させる材料の露出する表面積を増加させることができる。また、非放電領域16が突出部21で囲まれることにより、さらに放電に曝されることを防止することができる。また、溝状に形成された場合は、不純物ガスの通り道となるため、不純物ガスとの接触確率が上昇し不純物ガスを吸着または結合させやすくなる。
なお、上述の例では表示電極6と平行な突出部21が凹状の溝を形成しているが、平行なあるいは直交するどちらか一方あるいは両方の突出部21、22が凹状の溝を形成する場合も同様の効果が得られる。
また、これらの突出部は放電に寄与しないため、コントラストの向上のために、灰色、黒色に着色していてもよい。
また、アルカリ金属またはアルカリ土類金属、およびその化合物の誘電率は、PDPの構成物である誘電体層よりも低い値を有する物質であるため、これらの物質で突出部を形成することによってさらに放電を突出物の内部に閉じ込めることが可能となる。
また、これら不純物ガスを吸着または結合させる材料を、PDPの突出部として形成する方法は、誘電体層上にスプレーなどで吹き付けてその皮膜を形成する方法や、これらの材料をペースト化してスクリーン印刷する方法などが考えられる。
以上述べてきたように本発明のPDPは、PDPの放電空間に存在する不純物ガスを低減することができるため高画質、長寿命のPDPを実現し、大画面の表示デバイスなどに有用である。
1 前面板
2 背面板
3 前面基板
4 走査電極
4a,5a 透明電極
4b,5b バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7,11 誘電体層
8 MgO保護層
9 背面基板
10 データ電極
12 隔壁
13 蛍光体層
14 放電ギャップ
15 放電セル
16 非放電領域
17,18,19,20,21,22 突出部
17a,17b,17c 第2の突出部
18 放電
23 凹部
2 背面板
3 前面基板
4 走査電極
4a,5a 透明電極
4b,5b バス電極
5 維持電極
6 表示電極
7,11 誘電体層
8 MgO保護層
9 背面基板
10 データ電極
12 隔壁
13 蛍光体層
14 放電ギャップ
15 放電セル
16 非放電領域
17,18,19,20,21,22 突出部
17a,17b,17c 第2の突出部
18 放電
23 凹部
Claims (11)
- 走査電極と維持電極とからなる表示電極を複数形成し、前記表示電極を覆って誘電体層を形成した前面板と、データ電極を前記表示電極に対して直交するように複数形成した背面板とを、内部に放電空間が形成されるように対向配置して前記表示電極と前記データ電極との交差部に放電セルを形成したプラズマディスプレイパネルであって、
前記誘電体層に前記放電空間内の不純物ガスを吸着または結合させる材料を含む突出部を設けたことを特徴とするプラズマディスプレイパネル。 - 不純物ガスが、H2O、CO2、NOx、SOxまたはハイドロカーボンのうちの少なくとも1つのガスであることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 不純物ガスを吸着または結合させる材料が、放電空間に露出していることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 不純物ガスを吸着または結合させる材料が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の中から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または3に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 不純物ガスを吸着または結合させる材料が、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の、酸化物、炭酸塩、硝酸塩、またはハロゲン化物の中から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または3に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 不純物ガスを吸着または結合させる材料が、Al、Ti、Zr、Siの単体またはその酸化物から選ばれる少なくとも1つであることを特徴とする請求項1または3に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 突出部が、表示電極に平行または直交して設けられていることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 突出部が、表示電極に平行および直交した井桁形状であることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 隣接する放電セルの間に設けられた突出部が、凹部を有していることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル。
- 突出部は、その誘電率が誘電体層の誘電率よりも低い物質で形成されていることを特徴とする請求項1、7、8、9のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
- 突出部が、着色されていることを特徴とする請求項1、7、8、9、10のいずれかに記載のプラズマディスプレイパネル。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004205671A JP2006031994A (ja) | 2004-07-13 | 2004-07-13 | プラズマディスプレイパネル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004205671A JP2006031994A (ja) | 2004-07-13 | 2004-07-13 | プラズマディスプレイパネル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2006031994A true JP2006031994A (ja) | 2006-02-02 |
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---|---|
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007257981A (ja) * | 2006-03-23 | 2007-10-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | プラズマディスプレイパネル |
JP2010049817A (ja) * | 2008-08-19 | 2010-03-04 | Panasonic Corp | プラズマディスプレイパネル |
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2004
- 2004-07-13 JP JP2004205671A patent/JP2006031994A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007257981A (ja) * | 2006-03-23 | 2007-10-04 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | プラズマディスプレイパネル |
JP2010049817A (ja) * | 2008-08-19 | 2010-03-04 | Panasonic Corp | プラズマディスプレイパネル |
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