JP2006031857A - 光記録媒体 - Google Patents

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英博 佐々木
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Abstract

【課題】 プッシュプル法によらずランドプリピット(LPP)が検出され、良好なPIエラー特性を示す光記録媒体を提供すること。
【解決手段】 基板21上に色素含有記録層を有する光記録媒体であって、グルーブトラック32Gに隣接する両側のランドトラック31L,32Lに、それぞれ側壁が開口して形成され、グルーブトラック32Gを挟んで所定の重なり長さを有するようにトラック方向に互いにずらして配置した2個の開口部(ランドプリピット)32P,32Pを一組とするランドプリピット部32Pを有し、グルーブトラック32Gのグルーブ幅(a)と、開口部(ランドプリピット)32P,32Pの最大グルーブ幅(b)との比(b/a)を1.7以下とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は光記録媒体に関し、より詳しくは、良好なPIエラー特性を示す光記録媒体に関する。
近年、短波長レーザ開発の進展により、高密度な記録再生を可能とする光記録媒体が実用化され、現在では、書き込みが可能な追記型光記録媒体であるDVD−Rが実用化されている。追記型や書き換え可能型光記録媒体には、トラッキングを行うための案内溝が設けられており、ランド/グルーブ構造が形成されている。更に、このランドにプリピットと呼ばれるピット(以下、ランドプリピット(LPP))を予め形成し、アドレス情報を記録している。
このようなランドプリピット(LPP)が形成された光記録媒体としては、例えば、スパイラル状または同心円状にグルーブが形成されると共に、隣接するグルーブ間に存在するランドに、隣接するグルーブの一方のグルーブ側にのみ開口し、一方のグルーブの情報を記録したピットが予め形成された光記録媒体が報告され、ジッタ等の記録再生特性を損なうことがないとされている(特許文献1参照)。
特開2002−304772号公報
ところで、一般に、追記型光記録媒体等は、プッシュプル法(プッシュプル信号)でトラッキングサーボを行い、ランドプリピット(LPP)を検出している。ここで、プッシュプル法はトラックの接線方向に分割された反射光ビームの内周側と外周側の光量差を求めこれをトラッキング信号とする方法である。
しかし、追記型光記録媒体等に高速記録を行った場合、プッシュプル信号によるランドプリピットの検出が困難になるという問題が起きている。このようなランドプリピット(LPP)の検出が困難になる原因としては、高速記録において記録マークの歪みが大きくなることにより、ランドプリピット(LPP)信号強度のばらつきが増大し、その結果、ランドプリピット(LPP)信号の検出が困難になることが考えられる。
本発明は、このような追記型光記録媒体等に高速記録を行う場合の問題を解決すべくなされたものである。
即ち、本発明の目的は、プッシュプル法によらずランドプリピット(LPP)が検出され、良好なPIエラー特性を示す光記録媒体を提供することにある。
このような課題を解決すべく、本発明においては、グルーブの両側壁を湾曲させてランドプリピット(LPP)を形成する。
即ち、本発明によれば、同心円状又はスパイラル状にグルーブトラックとランドトラックとを交互に有する基板上に色素含有記録層が積層された光記録媒体であって、グルーブトラックに隣接するランドトラックに形成された第1のランドプリピットと、第1のランドプリピットが形成されたランドトラックとグルーブトラックを挟んで対向する他のランドトラックに形成された第2のランドプリピットと、を備え、第1のランドプリピットと第2のランドプリピットとが、グルーブトラックを挟んで所定の重なり長さを有するようにトラック方向に互いにずれて配置され、グルーブトラックのグルーブ幅(a)とランドプリピットの最大グルーブ幅(b)との比(b/a)が1.7以下である光記録媒体が提供される。このような構成を採用することにより、良好なPIエラー特性を示す。
本発明が適用される光記録媒体において、グルーブトラックに隣接する両側のランドトラックにそれぞれ形成された第1のランドプリピットと第2のランドプリピットとは、重なり長さが0.1μm以上1μm以下の範囲で、グルーブトラックを挟んでトラック方向に互いにずらして配置することが好ましい。
更に、本発明が適用される光記録媒体における第1のランドプリピットまたは第2のランドプリピットのトラック方向の半値幅が0.1μm以上1.5μm以下であることが好ましく、また、第1のランドプリピットまたは第2のランドプリピットのトラック中心からの最大ずれ量が0.15μm以上0.5μm以下であることが好ましい。
また、第1のランドプリピットと第2のランドプリピットとが、グルーブトラックの側壁をランドトラック側に湾曲させて形成されることが好ましい。
かくして本発明によれば、良好なPIエラー特性を示す光記録媒体が得られる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、発明の実施の形態)について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することが出来る。
図1は、本実施の形態が適用される光記録媒体の層構成を説明する図である。
図1に示される光記録媒体10は、光透過性材料からなる基板1と、基板1上に積層された有機色素を含有する色素含有記録層2と、色素含有記録層2上に積層された反射層3及び保護層4とが順番に積層されている。光記録媒体10は、基板1側から照射されるレーザ光により、情報の記録・再生が行われる。
なお、説明の便宜上、光記録媒体10において、保護層4が存在する側を上方、基板1が存在する側を下方とし、これらの方向に対応する各層の各面を、それぞれ各層の上面及び下面とする。
(基板)
基板1の表面には、螺旋状または同心円状にトラッキング用の溝が形成され、所定のトラックピッチでランド/グルーブ構造が構成されている。グルーブの幅は、通常、0.2μm以上、好ましくは、0.25μm以上である。但し、通常、0.5μm以下、好ましくは、0.46μm以下である。グルーブの幅が過度に小さい場合または過度に大きい場合は、記録マークのジッタ−の低下、記録特性の低下等が発生しやすい傾向となる。グルーブの深さは、通常、100nm以上、好ましくは、120nm以上である。但し、通常、200nm以下、好ましくは、190nm以下である。グルーブの深さが過度に小さい場合、または、過度に大きい場合は、記録マークのジッタ−の低下、記録特性の低下等が発生しやすい傾向となる。
基板1は、基本的に記録光及び再生光の波長において透明な材料であれば、様々な材料を使用することができる。このような材料としては、例えば、ポリカーボネート樹脂、塩化ビニル系樹脂、ポリメタクリル産メチル等のアクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、エポキシ系樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂、ポリイミド系樹脂、非晶質ポリオレフィン等の高分子材料;ガラス等の無機材料等が挙げられる。これらの中でも、高生産性、コスト、耐吸湿性等の点からポリカーボネート樹脂が好ましい。基板1は、これらの基板材料を用いて射出成形法等により円盤状に成形される。基板1の厚さは、通常0.3mm以上とする。一方、基板1の厚さは、通常3mm以下、好ましくは1.5mm以下とする。この範囲とすれば、光記録媒体10に十分な剛性を持たせることができる。
図2は、本実施の形態におけるランドプリピット(LPP)を説明する図である。図2に示すように、基板21の表面には、グルーブトラックとランドトラックとが、所定のトラックピッチで交互に配置されている。図2に示すように、基板21上には、グルーブトラック31Gと、グルーブトラック31Gの外周側に配置されたランドトラック31Lと、ランドトラック31Lの外周側に配置されたグルーブトラック32Gと、グルーブトラック32Gの外周側に配置されたランドトラック32Lと、が交互に形成されている。
図2に示すように、グルーブトラック32Gに隣接する両側のランドトラック31Lとランドトラック32Lとに、それぞれグルーブトラック32G側に開口し、グルーブトラック32Gの側壁が湾曲するように2個の開口部(開口部(ランドプリピット)32P及び開口部(ランドプリピット)32P)が設けられ、グルーブトラック32Gのグルーブ幅が拡張されている。グル―ブトラック32Gを挟んだランドトラック31Lとランドトラック32Lとにそれぞれ1個ずつ設けられた2個の開口部(開口部32P及び開口部32P)は、それぞれがランドプリピット(LPP)となる。そして、これらが一組となってランドプリピット部32Pを構成し、例えば、グルーブトラック32Gのアドレス情報の一部が記録されている。
また、図2に示すように、ランドトラック32Lの、開口部(ランドプリピット)32Pと対向する部分には、グルーブトラック32Gに張り出すように形成された突出部32Bが設けられていてもよい。同様に、ランドトラック31Lの、開口部(ランドプリピット)32Pと対向する部分には、グルーブトラック32Gに張り出すように形成された突出部32Bが設けられていてもよい。
図3は、ランドプリピット部32Pの各部分の長さを説明する図である。図3に示すように、ランドプリピット部32Pを構成する2個の開口部(開口部(ランドプリピット)32P及び開口部(ランドプリピット)32P)は、グルーブトラック32Gを挟み、所定の重なり長さ(d)を有するように、トラック方向に互いにずれて配置されている。
図3に示すように、通常のグルーブトラックのグルーブ幅をa、開口部(ランドプリピット)32Pが形成されている部分の最大グルーブ幅をb、開口部(ランドプリピット)32Pが形成されている最大グルーブ幅をbとすると、グルーブ幅aに対する最大グルーブ幅bの比(b/a)またはグルーブ幅aに対する最大グルーブ幅bの比(b/a)は、1.7以下、好ましくは、1.65以下、より好ましくは、1.6以下である。但し、通常、0.5以上である。尚、2個の開口部(開口部(ランドプリピット)32P及び開口部(ランドプリピット)32P)がそれぞれ形成されている部分の、最大グルーブ幅bと最大グルーブ幅bとは、同一であっても、異なっても良い。
図3に示すように、開口部(ランドプリピット)32Pの最大グルーブ幅をbは、開口部(ランドプリピット)32Pと対向するランドトラック32Lに突出部32Bを設けることにより、グルーブ幅aに対する最大グルーブ幅bの比(b/a)を調整することができる。同様に、開口部(ランドプリピット)32Pの最大グルーブ幅をbは、開口部(ランドプリピット)32Pと対向するランドトラック31Lに設けられた突出部32Bにより、グルーブ幅aに対する最大グルーブ幅b比(b/a)を調整することができる。
また、開口部(ランドプリピット)32P及び開口部(ランドプリピット)32Pの、トラック方向のそれぞれの半値幅cと半値幅cとは、通常、0.1μm以上、好ましくは、0.3μm以上、但し、通常、1.5μm以下、好ましくは、1.3μm以下である。
更に、図3に示すように、ランドプリピット部32Pを構成する2個の開口部(開口部(ランドプリピット)32P及び開口部(ランドプリピット)32P)が、グルーブトラック32Gを挟み、トラック方向に互いにずれて配置されている場合の所定の重なり長さ(d)は、通常、1μm以下、好ましくは、0.9μm以下であり、但し、通常、0.1μm以上である。重なり長さ(d)が過度に短いと、DPD信号の検出が困難となる傾向がある。
また、開口部(ランドプリピット)32Pのグルーブ中心からの最大ずれ量e及び開口部(ランドプリピット)32Pのグルーブ中心からの最大ずれ量fは、通常、0.15μm以上、好ましくは、0.2μm以上であり、但し、通常、0.5μm以下である。最大ずれ量eと最大ずれ量fとは、同一であっても、異なっても良い。
本実施の形態が適用される光記録媒体10は、開口部(ランドプリピット)32Pに対して、トラック方向の前方(または後方)に、開口部(ランドプリピット)32Pが形成されたランドトラック31Lとグルーブトラック32Gを挟んで対向するランドトラック32Lに形成される開口部(ランドプリピット)32Pが、グルーブトラック32Gを挟んで所定の重なり長さ(d)を有するようにトラック方向にずらして配置されている。
即ち、本実施の形態が適用される光記録媒体10は、所定の重なり長さ(d)をもってグルーブトラック32Gの両壁にそれぞれ開口する2個の開口部(開口部(ランドプリピット)32P及び開口部(ランドプリピット)32P)を、それぞれランドプリピットとしている。そして、この2つのランドプリピットが一組となって、グルーブトラック32Gの両側に隣接するランドトラック31L及びランドトラック32Lにランドプリピット部32Pが形成されていることにより、例えば、位相差(Differential Phase Detection:DPD)法によりランドプリピット部32Pの検出を行うことができる。
また、本実施の形態が適用される光記録媒体10が有するランドプリピット部32Pは、例えば、ランドトラック31Lとグルーブトラック32Gを挟んだ反対側のランドトラック32Lに、開口部(ランドプリピット)32Pに対応する部分にグルーブ幅aを減少させる突出部32Bを設け、グルーブトラック32Gの両側壁を湾曲させることにより、最大グルーブ幅bと通常のグルーブ幅aとの差を小さくすることができる。また、同様に、開口部(ランドプリピット)32Pに対向する部分に突出部32Bを設けることにより、最大グルーブ幅bと通常のグルーブ幅aとの差を小さくすることができる。そして、最大グルーブ幅b(または、最大グルーブ幅b)と通常のグルーブ幅aとの差を小さくすることにより、グルーブトラック32Gの記録状態とランドプリピット部32Pの記録状態とを近い状態とすることが可能となり、グルーブトラック32Gとランドプリピット部32Pとにおいてそれぞれ形成される記録マーク形状の差が減少し、その結果、PIエラーを少なくすることができる。
図4は、本実施の形態におけるランドプリピット(LPP)の他の実施形態を説明する図である。図3と同様な長さについては同じ符号を使用した。
図4に示すように、ランドプリピット部42Pを構成する2個の開口部(開口部(ランドプリピット)42P、開口部(ランドプリピット)42P)は、グルーブトラック42Gを挟み、所定の重なり長さ(d)を有するように、トラック方向に互いにずれて配置されている。図4に示すように、グルーブトラック42Gに隣接する両側のランドトラック41Lとランドトラック42Lとに形成された、それぞれグルーブトラック42G側に開口した2個の開口部(開口部(ランドプリピット)42P、開口部(ランドプリピット)42P)の形状は、グルーブトラック42Gのグルーブ幅aが、トラック方向に対して直角方向に拡張するように矩形状に形成されている。
また、図4に示すように、開口部(ランドプリピット)42Pの開口部と対向するランドトラック42Lの部分には、グルーブトラック42Gに張り出すように形成された矩形状の突出部42Bが設けられていてもよい。同様に、開口部(ランドプリピット)42Pの開口部と対向するランドトラック41Lの部分には、グルーブトラック42Gに張り出すように形成された矩形状の突出部42Bが設けられていてもよい。
グルーブトラック42Gを挟んだランドトラック41Lとランドトラック42Lとにそれぞれ1個ずつ設けられた2個の開口部(開口部(ランドプリピット)42P、開口部(ランドプリピット)42P)が、それぞれランドプリピットとなっている。そして、これらが一組となってランドプリピット部42Pを構成し、例えば、グルーブトラック42Gのアドレス情報の一部が記録される。尚、図4に示した各部分の長さと関係は、図3において説明したのと同様な関係を有している。
次に、本実施の形態が適用される光記録媒体10の他の構成について説明する。
(色素含有記録層)
色素含有記録層2は、基板1上に直接または必要に応じ下引き層等を設けた上に、形成される。色素含有記録層2の膜厚は、特に限定されないが、通常、10nm以上であり、但し、5000nm以下である。色素含有記録層2の形成方法としては、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピナー法(スピンコート法と同義である。)、浸漬法等、一般に行われている薄膜形成法が挙げられる。中でも、量産性、コスト面からスピナー法が好ましい。スピナー法により色素含有記録層2を形成する場合、回転数は100rpm〜10000rpmが好ましく、スピンコートの後、必要に応じて、加熱または溶媒蒸気処理等を行っても良い。
色素含有記録層2を、ドクターブレード法、キャスト法、スピナー法、浸漬法等の塗布方法により形成する場合に使用する塗布溶媒としては、基板1を侵さない溶媒であればよく、特に限定されない。例えば、1−プロパノール、2−ブタノール、2−ペンタノール等のアルコール系溶媒;ジアセトンアルコール、3−ヒドロキシ−3−メチル−2−ブタノン等のケトンアルコール系溶媒;乳酸メチル、乳酸エチル、イソ酪酸メチル等のヒドロキシカルボン酸エステル系溶媒;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ系溶媒;n−ヘキサン、n−オクタン等の鎖状炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、エチルシクロヘキサン、ジメチルシクロヘキサン、n−ブチルシクロヘキサン、t−ブチルシクロヘキサン、シクロオクタン等の環状炭化水素系溶媒;テトラフルオロプロパノール、オクタフルオロペンタノール、ヘキサフルオロブタノール等のパーフルオロアルキルアルコール系溶媒等が挙げられる。これらの中でも、引火点等の安全性及び環境性の観点から、アルコール系または置換アルコール系溶媒が好ましく、価格面、入手の容易さから単純なアルコールが特に好ましい。
色素含有記録層2を形成する有機色素としては、通常、光記録媒体分野において使用されている色素であればいずれの有機色素を用いても構わない。このような色素としては、例えば、フタロシアニン色素、ナフタロシアニン色素、ポルフィリン色素等の大環状アザアヌレン系色素;シアニン色素、メロシアニン色素、スクワリリウム色素等のポリメチン系色素;更に、ピロメテン系色素、アントラキノン系色素、アズレニウム系色素、含金属アゾ系色素、含金属インドアニリン系色素等が挙げられる。
このような各種有機色素の中でも含金属アゾ系色素は、記録感度に優れ、かつ、耐久性、耐光性に優れるため好ましい。含金属アゾ系色素の中でも、特に、下記一般式(I)または(II)で表される有機色素化合物が好ましい。
Figure 2006031857
(式(I)または(II)中、環A1及び環A2は、各々独立に置換基を有していてもよい含窒素芳香族複素環であり、環B1及び環B2は、各々独立に置換基を有していてもよい芳香族環である。Xは、少なくとも2個のフッ素原子で置換されている炭素数1〜炭素数6のアルキル基である。)
(反射層)
反射層3は、色素含有記録層2の上に形成される。反射層3の厚さは、通常、50nm以上であり、但し、300nm以下である。反射層3を形成する材料としては、再生光の波長に対して反射率の十分高いものが挙げられる。このような材料としては、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta及びPdの金属を、単独または合金にして用いることが可能である。これらの中でも、Au、Al、Agは反射率が高く反射層の材料として適している。特に、Ag及びAg合金が、高反射率、高熱伝導度に優れるので好ましい。
反射層3の材料としては、これらの金属原子以外に下記の金属を含んでいてもよい。例えば、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Cu、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi等の金属及び半金属を挙げることができる。これらの中でも、Agを主成分としているものは、コストが安く、アゾ金属キレート色素と組み合せると反射率が向上する傾向があり、更に、後述する印刷受容層を設ける場合には地色が白く美しいものが得られるので特に好ましい。ここで主成分とは含有率が50%以上のものをいう。金属以外の材料で低屈折率薄膜と高屈折率薄膜を交互に積み重ねて多層膜を形成し、反射層3として用いることも可能である。
反射層3を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。又、基板1の上または反射層3の下に、反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために、公知の無機系または有機系の中間層、接着層を設けることもできる。
(保護層)
保護層4は、反射層3の上に形成され、反射層3を外力から保護するものであれば、特に材料は限定されない。このような材料としては、例えば、有機物質としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂、UV硬化性樹脂等を挙げることができる。また、無機物質としては、SiO、SiN、MgF、SnO等が挙げられる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等は適当な溶剤に溶解して塗布液を塗布し、乾燥することによって形成することができる。UV硬化性樹脂は、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、UV光を照射して硬化させることによって形成することができる。UV硬化性樹脂としては、例えば、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート等のアクリレート系樹脂を用いることができる。これらの材料は単独あるいは混合して用いてもよいし、1層だけでなく多層膜にして用いてもよい。
保護層4の形成の方法としては、色素含有記録層2と同様に、スピンコート法またはキャスト法等の塗布法、スパッタ法、化学蒸着法等の方法が用いられる。この中でもスピンコート法が好ましい。保護層4の膜厚は、通常、0.1μm以上、好ましくは、3μm以上、より好ましくは5μm以上である。但し、通常、100μm以下、好ましくは、30μm以下、より好ましくは20μm以下である。
(その他)
以上、光記録媒体10の層構造として、基板1、色素含有記録層2、反射層3、保護層4をこの順に積層して成る構造例を説明したが、層構造はこれに限定されず、この他の層構造を採用しても構わない。例えば、保護層4の上面に、または、保護層4を省略して反射層3の上面に、更に別の基板を貼り合わせてもよい。このような構成とすることにより、DVD−R型の光学記録媒体を形成することが出来る。この場合の基板は、何ら層を設けていない基板そのものであってもよく、貼り合わせ面またはその反対面に反射層等任意の層を有するものでも良い。
更に、光記録媒体10の層構造を、例えば、基板1、反射層3、色素含有記録層2をこの順とし、記録再生用のレーザー光を色素含有記録層2側から入射させる、膜面入射型の層構造としてもよい。同様に、上述した層構造を有する光記録媒体10や、上例の層構造から保護層4を省略した光学記録媒体を、それぞれの保護層4及び/または反射層3の上面を相互に対向させて2枚貼り合わせてもよい。更に、反射層3上に設けた保護層4の上、または反射層3面に貼りあわせた基板の上等に、更に印刷受容層を形成することもできる。
このようにして得られた他の態様の光記録媒体に記録する場合は、基板の両面または片面に設けた色素含有記録層にレーザ光を照射することにより行われる。色素含有記録層のレーザ光が照射された部分には、レーザ光エネルギーの吸収による分解、発熱、溶融等の熱的変形が起こる。記録された情報の再生は、レーザ光により熱的変形が起きている部分と起きてない部分の反射率の差を読みとることにより行う。
なお、光記録媒体10の記録・再生に使用するレーザ光は特に限定されないが、例えば、可視領域の広範囲で波長選択のできる色素レーザ;N、He−Cd、Ar、He−Ne、ルビー;半導体レーザ等が挙げられる。これらの中でも、軽量性、取り扱いの容易さ、コンパクト性、コスト等の点では半導体レーザが好適である。
このように、本実施の形態においては、ランドトラックに形成された第1のランドプリピットと、このランドトラックとグルーブトラックを挟んで対向する他のランドトラックに形成された第2のランドプリピットとが、グルーブトラックを挟んで所定の重なり長さを有するようにトラック方向にずれて配置されている。更に、グループトラックのグルーブ幅(a)と、ランドプリピットが位置する開口部における最大グルーブ幅(b)との比(b/a)が、1.7以下にされている。このような構成により、位相差(Differential Phase Detection:DPD)法によりランドプリピットの検出を行うことができる。ここで、DPD法は、光ディスクからの反射光ビームを、光ディスクの半径方向と接線方向とに4つの素子を有するフォトディテクタにて受光し、これらフォトディテクタの中、対角に位置するものの出力の和信号をそれぞれ求め、更にそれら和信号の差信号を検出するものである。
(光記録媒体の製造方法)
次に、本実施の形態が適用される光記録媒体10の製造方法について説明する。
光記録媒体10の製造方法は、通常、以下のような工程により製造される。即ち、先ず、ディスク原盤露光装置に、例えば、フォトレジストを塗布したガラス板等の原盤を装着し、これを所定回転数で回転させる。次に、原盤の所定半径位置まで送られた書き込みヘッドを用いて、原盤表面にレーザ光等を絞り込みつつ、書き込みヘッドを原盤の半径方向に所定の送り速度で送り、らせん状にグルーブまたはピット等の潜像を形成する。
記録位置等を示すアドレス等の情報は、例えば、図3に示すLPP形状となるように、レーザ光を偏向させて形成する。また、同時に、最大グルーブ幅b(最大グルーブ幅b)と通常のグルーブ幅aとの比(b/aまたはb/a)が1.7以下となるように、レーザ光の照射強度を調整する。このとき、ランドプリピット(LPP)を構成する2個の開口部の半値幅c(またはc)は、0.1μmから1.5μmとするのが好ましく、また、2個の開口部の重なり長さ(d)は、1μm以下とするのが好ましい。
次に、潜像を形成した原盤を現像液に曝して凹凸パターンを顕在化させてディスク原盤を調製する。続いて、ディスク原盤表面を真空蒸着法等によって導体化し、更に、導体化したディスク原盤表面を陰極に配し、一方、ニッケルを陽極に配して電鋳を行い、ディスク原盤上にスタンパとなる金属ニッケルを析出させる。この金属ニッケルが所定の厚みに達したら電鋳を止め、スタンパをディスク原盤から剥離し、洗浄乾燥する。
そして、このように調製したスタンパを必要な形状に加工し、このスタンパを用いて基板1上に凹凸パターンを転写する。転写方法としてはインジェクション方式または2P方式等があるが、どの方法を用いても差し支えない。また、基板1の材料としてはポリカーボネート樹脂または2P樹脂等が挙げられるが、通常使用されている基板材料であればいずれでもよい。このようにして調製した凹凸パターンを有する基板1上に、色素含有記録層2、反射層3等を成膜し、保護層4等を設け、光記録媒体10を製造する。
以下、実施例に基づき本実施の形態を更に具体的に説明する。尚、本実施の形態は実施例に限定されない。
(光記録媒体の調製)
ディスク原盤露光装置にフォトレジストを塗布したガラス原盤を装着し、レーザ光を適切な波形にて偏向して潜像を形成し、次いで、現像液に曝して凹凸パターンを顕在化させ、通常のグルーブ幅a及び最大グルーブ幅bが、表1に示す通りの形状のランドプリピット(LPP)が形成された12種類のディスク原盤を調製した。尚、このときの凹凸パターンは、グルーブ深さ160nm、トラックピッチ0.745μmである。尚、凹凸パターンの各種サイズは、原子間力顕微鏡(AFM)にて測定した。
次に、このディスク原盤から所定の方法にてニッケルスタンパを作成し、続いて、このニッケルスタンパを用いて、射出成形によりポリカーボネート基板(厚さ0.6mm、外径120mm)を作成し、このポリカーボネート基板のグルーブ面上に、含金アゾ色素のオクタフロロペンタノール溶液(濃度1重量%〜2.5重量%)をスピンコート法にて塗布して色素含有記録層を形成した。色素含有記録層の厚さは約100nm程度である。
次に、アルゴン雰囲気中でのDCスパッタ法を用いて、色素含有記録層上に、Ag合金からなる厚さ100nm〜200nmの反射層を形成し、次いで、この反射層上にUV硬化樹脂を塗布し、別途用意したポリカーボネート製の保護基板(厚さ0.6mm)を、中心を一致させて重ね、ついで紫外線を照射してUV硬化樹脂を硬化させ、両者を貼りあわせ、DVD−R型の12種類の光記録媒体(サンプル1〜サンプル12)を調製した。
(実施例1〜実施例6、参考例1〜参考例6)
表1に示す形状のランドプリピット(LPP)が形成された12種類の光記録媒体(サンプル1〜サンプル12)に、それぞれ適当な信号を書き込み、所定の測定手段により平均PIエラー数の測定を行った。尚、ランドプリピット(LPP)の最大グルーブ幅bは、2個の開口部における最大グルーブ幅b(b及びb)をそれぞれ測定して得られた数値の平均値である。また、平均PIエラー数は、測定値が最大を示したサンプル10の平均PIエラー数を100とし、他のサンプルの平均PIエラー数を最大のPIエラー数で規格化して算出し、平均PIエラー(指数)として示した。結果を表1に示す。
Figure 2006031857
次に、表1に示した結果について説明する。
図5は、サンプル1〜サンプル12の、平均PIエラー(指数)と(b/a)との関係を説明する図である。図5には、表1に示した結果に基づき、サンプル1〜サンプル12の光記録媒体おいて、通常のグルーブ幅aと最大グルーブ幅bとの比(b/a)に対して、平均PIエラー(指数)をプロットしたグラフが示されている。
図5に示すように、通常のグルーブ幅aと最大グルーブ幅bとの比(b/a)が1.7以下である光記録媒体の場合(実施例1〜実施例6)は、平均PIエラー(指数)が90未満であり(グループI)、エラー発生個数が減少することが分かる。一方、(b/a)が1.7を超える光記録媒体の場合(参考例1〜参考例6)は、平均PIエラー(指数)が約90〜100であり(グループII)、PIエラーが大きいことが分かる。
本実施の形態が適用される光記録媒体の層構成を説明する図である。 本実施の形態におけるランドプリピット(LPP)を説明する図である。 本実施の形態におけるランドプリピット(LPP)の各部分の長さを説明する図である。 本実施の形態におけるランドプリピット(LPP)の他の実施形態を説明する図である。 サンプル1〜サンプル12の、平均PIエラー(指数)と(b/a)との関係を説明する図である。
符号の説明
1,21…基板、2…色素含有記録層、3…反射層、4…保護層、10…光記録媒体、31G,32G,42G…グルーブトラック、31L,32L,41L,42L…ランドトラック、32P,32P,42P,42P…開口部(ランドプリピット)、32B,32B,42B,42B…突出部、32P,42P…ランドプリピット部

Claims (5)

  1. 同心円状又はスパイラル状にグルーブトラックとランドトラックとを交互に有する基板上に色素含有記録層が積層された光記録媒体であって、
    前記グルーブトラックに隣接する前記ランドトラックに形成された第1のランドプリピットと、
    前記第1のランドプリピットが形成された前記ランドトラックと前記グルーブトラックを挟んで対向する他のランドトラックに形成された第2のランドプリピットと、を備え、
    前記第1のランドプリピットと前記第2のランドプリピットとが、前記グルーブトラックを挟んで所定の重なり長さを有するようにトラック方向に互いにずれて配置され、
    前記グルーブトラックのグルーブ幅(a)と前記ランドプリピットの最大グルーブ幅(b)との比(b/a)が1.7以下であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 前記重なり長さが、0.1μm以上1μm以下であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  3. 前記第1のランドプリピットまたは前記第2のランドプリピットのトラック方向の半値幅が0.1μm以上1.5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  4. 前記第1のランドプリピットまたは前記第2のランドプリピットの前記グルーブトラックのトラック中心からの最大ずれ量が0.15μm以上0.5μm以下であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
  5. 前記第1のランドプリピットと前記第2のランドプリピットとが、前記グルーブトラックの側壁を前記ランドトラック側に湾曲させて形成されることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
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