JP2006030938A - パターン形成材料、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法 - Google Patents

パターン形成材料、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 プリント配線板の製造に有効で、薄層化により高解像度化が可能であり、破れにくいテント膜を形成できるパターン形成材料と、スルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板を効率的に製造することができるパターン形成装置及びパターン形成方法とを提供。
【解決手段】 支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤とを含む感光性樹脂層で形成される第一感光層と、バインダー、重合成化合物、及び光重合開始剤とを含む感光性樹脂層で形成され、前記第一感光層の光感度よりも高い光感度を有する第二感光層を有してなり、感光層が、光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させた後、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズアレイを通した光で露光されることを特徴とするパターン形成材料である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、プリント配線板製造用として有用なパターン形成材料、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法に関する。
支持体と、感光層とを有するパターン形成材料は、プリント配線板、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、及び隔壁などのディスプレイ用部材、並びに印刷版、ホログラム、マイクロマシン、及びプルーフなどの各種の画像形成材料などの製造のための画像用パターン形成材料として、広く利用されている。
前記プリント配線板の製造分野では、配線パターンを、透明支持体(例えばポリエチレンテレフタレート)と、前記透明支持体の上に形成された前記感光層とを有するパターン形成材料(ドライフィルムレジストとも言う)を用いたフォトリソ技術によって形成している。例えば、スルーホールを有するプリント配線板の製造では、プリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)に、前記スルーホールを形成し、前記スルーホールの内側壁部に金属めっき層を形成した後、前記基板表面に前記パターン形成材料の感光層を重ね合わせて密着させ、配線パターン形成領域と、前記スルーホールの開口部とを含有する領域に、それぞれ光を所定のパターン状に照射して、前記感光層を硬化させる。次に、前記パターン形成材料の前記支持体を剥がし取り、前記配線パターン形成領域上の硬化領域と、前記スルーホールの開口部領域上の硬化領域(テント膜と呼ばれている)以外の未硬化領域とを、現像液を用いて溶解除去した後、露出した金属層部分にエッチング処理をし、前記硬化領域を除去することにより、前記基板表面に前記配線パターンを形成させている。
前記テント膜を用いて、前記スルーホールの金属めっき層を保護する方法は、一般にテンティング法と呼ばれている。また、多層構成の前記プリント配線板では、ビアホールと呼ばれる層間接続用のホールを設ける場合があり、この場合も同様にして、配線パターン形成時に、前記テント膜により前記ビアホール部を保護することが必要である。
近年、前記プリント配線板の高密度化の要求が高くなっており、より高解像度な前記フォトレジストフィルムが求められている。前記フォトレジストフィルムの解像度を高くするためには、前記感光層の膜厚を薄くすることが有効である。しかし、前述のように、前記感光層が硬化した硬化層は、プリント配線板に形成された前記スルーホール又は前記ビアホールを保護する役割もあり、単純に前記感光層の厚みを薄くしてしまうと、感光性樹脂組成物の未硬化領域を溶解除去する工程と、露出した金属層部分をエッチング処理する工程で、前記テント膜が、破れてしまうという問題が発生する。
これまでにも、高解像度のパターン形成が、可能であって、破れにくい前記テント膜を形成できる、前記パターン形成材料及びパターン形成方法の開発が盛んに行われている。
例えば、カルボキシル基を有するバインダー成分、特定のビニルウレタン化合物と、特定のアクリレート化合物とを含むモノマー成分、及び光重合開始剤からなる感光層を有するパターン形成材料が知られている(特許文献1参照)。また、前記支持体の上に、アルカリ可溶性で、加熱による流動性が小さく、活性エネルギー線に感応する第一感光層を設け、さらにその上にアルカリ可溶性で、加熱による流動性が大きく、活性エネルギー線に感応する第二感光層を設けてなる二層の感光層を有するパターン形成材料が知られている(特許文献2参照)。また、前記支持体の上に、前記第一感光層と、前記第二感光層とを有する感光性樹脂積層体であって、これらの二層が互いに異なるビニル共重合体と、かつ両層に特定の単官能モノマーとを含むものが知られている(特許文献3参照)。更に、前記支持体の上に、非粘着性感光層と、粘着性感光層とを有するフォトレジスト、及びこれを用いるプリント配線板の形成方法が知られており(特許文献4参照)、基材上に、光重合速度が互いに異なる少なくとも二層の光重合性層(厚みは25μm〜2.5mm)を有し、基材に近い側の重合速度が速い印刷レリーフ製造用の感光板で、印刷面の基部が頂部よりも広くなるようなレリーフ像の形成方法が知られている(特許文献5参照)。
しかしながら、高解像度及び前記テント性を両立させ、かつエッチング性、露光速度の向上を図ろうとすると、前記テント性及び前記解像度のどちらか一方が低下してしまい、合理的な生産に問題が生じていた。前記画像形成材料の画像用パターンを形成する工程では、正確なエッチングと、高速かつ正確な露光手段が存在しなければ、高解像度を維持したまま、前記画像形成材料を大量生産することは困難であり、高解像度かつ前記テント性を両立させ、かつ前記エッチング性、前記露光速度の向上のうかがえるパターン形成材料、並びにパターン形成装置及びパターン形成方法の開発は切に望まれていた。
特開平10−142789号公報 特開平8−54732号公報 特開平10−111573号公報 特開平3−17650号公報 特公昭37−1306号公報
本発明は、画像内に厚みが異なる所望のパターンを容易に形成することできるパターン形成材料、及び画像内に厚みが異なる所望のパターンを効率的に形成することができる方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、プリント配線板の製造に有効で、薄層化により高解像度化が可能であり、破れにくいテント膜を形成できるパターン形成材料と、スルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板を効率的に製造することができる、パターン形成装置及びパターン形成方法とを提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂層で形成される第一感光層と、バインダー、重合成化合物、及び光重合開始剤を含む感光性樹脂層で形成され、前記第一感光層の光感度よりも高い光感度を有する第二感光層を有してなり、感光層が、光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させた後、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通した光で露光されることを特徴とするパターン形成材料である。
<2> 第一感光層が、第二感光層上に設けられた前記<1>に記載のパターン形成材料である。
<3> 第二感光層が、第一感光層上に設けられた前記<1>に記載のパターン形成材料である。
<4> 第一感光層と第二感光層の間にバリアー層が設けられた前記<1>から<3>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<5> バリアー層が、水又は炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して親和性を示す樹脂を主成分として含む前記<4>に記載のパターン形成材料である。
<6> バリアー層が、水又は炭素原子数1〜4の低級アルコールに対して可溶性の樹脂を主成分として含む前記<4>から<5>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<7> バリアー層の厚みが、0.1〜5μmである前記<4>から<6>いずれかに記載のパターン形成材料である。
<8> 第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度が2〜200である前記<1>から<7>のうちのいずれかに記載のパターン形成材料である。
<9> 第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量BとのA/Bで表される比が、0.005〜0.5である前記<1>から<8>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<10> 第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量CとのC/Aで表される比が、1〜10の範囲になる前記<1>から<9>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<11> 第一感光層と第二感光層のそれぞれが増感剤を含む前記<1>から<10>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<12> 第二感光層に含有されている増感剤の量が第一感光層に含有されている増感剤の量よりも多い前記<11>に記載のパターン形成材料である。
<13> 第二感光層に含有されている光重合開始剤の量が第一感光層に含有されている光重合開始剤の量よりも多い前記<1>から<12>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<14> 第二感光層に含有されている重合性化合物の量が第一感光層に含有されている重合性化合物の量よりも多い前記<1>から<13>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<15> 第一感光層の厚みが、1〜100μmであり、かつ第二感光層の厚みよりも超える前記<1>から<14>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<16> 第二感光層の厚みが、0.1〜15μmである前記<1>から<15>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<17> 支持体が合成樹脂製で、かつ透明である前記<1>から<16>のうちのいずれかに記載のパターン形成材料である。
<18> 支持体が長尺支持体である前記<1>から<17>のうちのいずれかに記載のパターン形成材料である。
<19> 第二感光層の上に保護フィルムが配置されている前記<1>から<18>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<20> 長尺体であって、ロール状に巻かれている前記<1>から<19>のいずれかに記載のパターン形成材料である。
<21> プリント配線板製造用である前記<1>から<20>のうちのいずれかに記載のパターン形成材料である。
<22> 前記<1>から<21>のいずれかに記載のパターン形成材料を備えており、光を照射可能な光照射手段と、該光照射手段からの光を変調し、前記パターン形成材料における感光層に対して露光を行う光変調手段とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成装置である。該<22>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が、前記光変調手段に向けて光を照射する。前記光変調手段が、前記光照射手段から受けた光を変調する。前記光変調手段により変調した光が前記感光層に対して露光させる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、高精細なパターンが形成される。
<23> 光変調手段が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を更に有してなり、光照射手段から照射される光を該パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて変調させる前記<22>に記載のパターン形成装置である。該<23>に記載のパターン形成装置においては、前記光変調手段が前記パターン信号生成手段を有することにより、前記光照射手段から照射される光が該パターン信号生成手段により生成した制御信号に応じて変調される。
<24> 光変調手段が、n個の描素部を有してなり、該n個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部を、形成するパターン情報に応じて制御可能である前記<22>から<23>のいずれかに記載のパターン形成装置である。該<24>に記載のパターン形成装置においては、前記光変調手段におけるn個の描素部の中から連続的に配置された任意のn個未満の描素部をパターン情報に応じて制御することにより、前記光照射手段からの光が高速で変調される。
<25> 光変調手段が、空間光変調素子である前記<22>から<24>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
<26> 空間光変調素子が、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)である前記<25>に記載のパターン形成装置である。
<27> 描素部が、マイクロミラーである前記<24>から<26>のいずれかに記載のパターン形成装置である。
<28> 光照射手段が、2以上の光を合成して照射可能である前記<22>から<27>のいずれかに記載のパターン形成装置である。該<28>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が2以上の光を合成して照射可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光によって行われる。この結果、前記パターン形成材料への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<29> 光照射手段が、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する前記<22>から<28>のいずれかに記載のパターン形成装置である。該<29>に記載のパターン形成装置においては、前記光照射手段が、前記複数のレーザからそれぞれ照射されたレーザビームが前記集合光学系により集光され、前記マルチモード光ファーバに結合可能であることにより、露光が焦点深度の深い露光光で行われる。この結果、前記パターン形成材料への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<30> 前記<1>から<21>のいずれかに記載のパターン形成材料における感光層に対し、露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とするパターン形成方法である。該<30>に記載のパターン形成方法においては、露光が前記パターン形成材料に対して行われる。例えば、その後、前記第一感光層及び前記第二感光層を現像すると、高精細なパターンが形成される。
<31> 基体上にパターン形成材料を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層し、露光する前記<30>に記載のパターン形成方法である。
<32> 露光が、形成するパターン情報に基づいて像様に行われる前記<30>から<31>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<33> 露光が、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成し、該制御信号に応じて変調させた光を用いて行われる前記<30>から<32>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<33>に記載のパターン形成方法においては、形成するパターン形成情報に基づいて制御信号が生成され、該制御信号に応じて光が変調される。
<34> 露光が、光を照射する光照射手段と、形成するパターン情報に基づいて前記光照射手段から照射される光を変調させる光変調手段とを用いて行われる前記<30>から<33>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<35> 露光が、光変調手段により光を変調させた後、前記光変調手段における描素部の出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる前記<34>に記載のパターン形成方法である。該<35>に記載のパターン形成方法においては、前記光変調手段により変調した光が、前記マイクロレンズアレイにおける前記非球面を通ることにより、前記描素部における出射面の歪みによる収差が補正される。この結果、パターン形成材料上に結像させる像の歪みが抑制され、該パターン形成材料への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<36> 非球面が、トーリック面である前記<35>に記載のパターン形成方法である。該<36>に記載のパターン形成方法においては、前記非球面がトーリック面であることにより、前記描素部における放射面の歪みによる収差が効率よく補正され、パターン形成材料上に結像させる像の歪みが効率よく抑制される。この結果、前記パターン形成材料への露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<37> 露光が、アパーチャアレイを通して行われる前記<30>から<35>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<37>に記載のパターン形成方法においては、露光が前記アパーチャアレイを通して行われることにより、消光比が向上する。この結果、露光が極めて高精細に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、極めて高精細なパターンが形成される。
<38> 露光が、露光光と感光層とを相対的に移動させながら行われる前記<30>から<37>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<38>に記載のパターン形成方法においては、前記変調させた光と前記感光層とを相対的に移動させながら露光することにより、露光が高速に行われる。例えば、その後、前記感光層を現像すると、高精細なパターンが形成される。
<39> 露光が、感光層の一部の領域に対して行われる前記<30>から<38>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<40> 露光が行われた後、感光層の現像を行う前記<30>から<39>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<40>に記載のパターン形成方法においては、前記露光が行われた後、前記感光層を現像することにより、高精細なパターンが形成される。
<41> 現像が行われた後、永久パターンの形成を行う前記<30>から<40>のいずれかに記載のパターン形成方法である。
<42> 永久パターンが、配線パターンであり、該永久パターンの形成がエッチング処理及びメッキ処理の少なくともいずれかにより行われる前記<41>に記載のパターン形成方法である。
<43> 基体がホール部を有し、該ホール部及びその周辺部上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量と、該ホール部及びその周辺部を除く領域の上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量とが異なる前記<31>から<39>のいずれかに記載のパターン形成方法である。該<43>に記載のパターン形成方法においては、前記ホール部及びその周辺部上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量が、前記ホール部及びその周辺部を除く領域の上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギーと異なるため、露光後に現像することにより、前記ホール部及びその周辺部上には、前記ホール部及びその周辺部を除く領域の上と異なる厚み等の硬化膜が形成される。
<44> 基体がホール部を有し、該ホール部及びその周辺部上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量をB、該ホール部及びその周辺部を除く領域の上に位置する感光層に対して照射される光のエネルギー量をAとしたとき、B>Aである前記<43>に記載のパターン形成方法である。該<44>に記載のパターン形成方法においては、特にスルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板基板の場合、該ホール部及びその周辺部の上に位置する感光層に対して照射する光のエネルギー量を、該ホール部及びその周辺部を除く領域の上に位置する感光層(配線部の感光層)のそれより大きくすることによって、前記ホール部及びその周辺部上に形成されるテント膜の厚みを大きくすることができ、現像後の処理における該テント膜の耐久性を向上させることができる。
本発明によると、画像内に厚みが異なる所望のパターンを容易に形成することできるパターン形成材料、及び画像内に厚みが異なる所望のパターンを効率的に形成することができる方法を提供することができる。また、本発明によると、プリント配線板の製造に有効で、薄層化により高解像度化が可能であり、破れにくいテント膜を形成できるパターン形成材料と、スルーホールやビアホールなどのホール部を有するプリント配線板を効率的に製造することができるパターン形成装置及びパターン形成方法とを提供することができる。
(パターン形成材料)
本発明のパターン形成材料としては、支持体上に、第一感光層と、バリアー層と、第二感光層とを有してなり、適宜選択したクッション層等の、その他の層とを含む。
(感光層)
前記感光層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、バインダーと、重合性化合物と、光重合開始剤とを含み、適宜選択したその他の成分とを含むものが好ましい。
前記感光層を二層有する本発明の前記パターン形成材料の一例を図1〜4に示す。
図1では、パターン形成材料510が、支持体511と、第一感光層512と、第二感光層514との順で積層されている。前記第一感光層512及び前記第二感光層514は、前記バインダーと、前記重合性化合物と、前記光重合開始剤とを含む、感光性樹脂組成物からなり、光の照射により硬化する。本発明のパターン形成材料は、前記第二感光層514が、前記第一感光層512よりも相対的に光感度で高い点に特徴がある。ここで、前記光感度とは、それぞれの感光層が硬化するのに必要な光エネルギー量に相当し、前記光感度が高いとは、前記第二感光層514の硬化が、前記第一感光層512よりも少ない光の照射量で開始すること、または、前記第二感光層514の硬化が、前記第一感光層512よりも少ない光の照射量で完了することを意味する。
本発明のパターン形成材料は、前記第一感光層と、前記第二感光層との間にバリアー層を配置することが好ましい。図2は、前記第一感光層512と、前記第二感光層514との間に、前記バリアー層513を有するパターン形成材料を表す。
図3及び図4は、図1及び図2の前記パターン形成材料に、保護フィルム515が積層されたパターン形成材料である。
前記第一感光層、前記バリアー層、及び前記第二感光層の厚みはそれぞれ、目的に応じて選択することができ、例えば、1〜100μmが好ましく、5〜80μmがより好ましく、10〜50μmが特に好ましい。
前記第一感光層の厚みが、1μm未満であると、膜強度を強くするには好ましくない場合があり、100μmを超えると、現像残渣が残りやすくなるなどの問題が発生することがある。前記第一感光層の厚みは、前記第二感光層の厚みよりも大きいほうが好ましい。
前記バリアー層の厚みは、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜5μmが好ましく、0.5〜4μmより好ましく、1〜3μmが特に好ましい。
前記バリアー層の厚みが、0.1μm未満であると、充分なバリアー性が得られない場合があり、5μmを超えると、現像に長時間を要するようになる。
前記第二感光層の厚みは、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜15μmが好ましく、1〜12μmがより好ましく、3〜10μmが特に好ましい。
前記第二感光層の厚みが、0.1μm未満であると、塗布の際の厚みのムラがでやすくなり、15μmを超えると、解像性が低下するなどの問題が発生する。
本発明のパターン形成材料の層構成は、図1〜図4で図示した層構成に限定されるものではなく、図1〜図4で示したもの以外の層を有してもよい。例えば、支持体511と、第一感光層512との間と、保護フィルム515と、第二感光層514との間とに、前記支持体又は基板との剥離性や密着力を調整する層、ハレーション防止層、及び前記バリアー層などを設けてもよい。この場合のバリアー層は、前記感光層、前記支持体、及び前記保護フィルムに含まれる物質の移行防止や移行の抑制、酸素や湿度などの外的影響を防止したり、抑制したりする役割等を有する。
次に、本発明のパターン形成材料及び感光性積層体における、前記光の照射量と前記感光層の硬化量との関係を、図5を参照しながら説明する。
図5は、前記感光層に光を照射したときの前記光の照射量(露光)と、現像処理により生成する前記硬化層の厚みとの関係を示すグラフ(感度曲線)である。
具体的には、図1に示したパターン形成材料、又は図3に示した前記パターン形成材料から前記保護フィルムを剥離した前記パターン形成材料を、前記基板上に転写して、積層体を形成させる。次に、前記基板とは反対の側から、前記支持体を有している場合には、前記支持体を通して、又は必要に応じて前記支持体を剥離して、前記感光層に光を照射したときの前記光の照射量(露光)と、前記現像処理により生成する前記硬化層の厚みとの関係を示すグラフ(感度曲線)である。
図5では、横軸は、光の照射量を表し、縦軸は、光の照射により硬化させ、現像処理を行った後に得られた前記硬化層の厚みを表す。前記縦軸のDは、前記第二感光層から形成される硬化層の厚みを、Eは、前記第一感光層から形成される前記硬化層の厚みと、前記第二感光層から形成される前記硬化層の厚みとを合計した厚みを表す。
図5に示すように、前記支持体側から照射した光は、前記支持体を有する場合は、前記支持体と、前記第一感光層と、前記第二感光層との順に進み、前記第二感光層の硬化は、前記第一感光層よりも先に、少ない光エネルギー量で始まる。前記第二感光層の全体が硬化した後、前記光エネルギー量を増加すると、前記第一感光層の硬化が始まり、さらに前記光エネルギー量を多くすると、前記第一感光層の全体が硬化する。
前記第一感光層の感度と、第二感光層の感度との関係については、前記第一感光層の光感度を1とした場合において、前記第二感光層の光感度が、2〜200が好ましく、2.5〜100がより好ましく、3〜50が特に好ましい。
前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは、前記第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと同量であってもよいが、前記光エネルギー量Aよりも大きい方が好ましい。
図2及び図4に示すパターン形成材料のように、前記第一感光層と、前記第二感光層との間に前記バリアー層を有する場合でも、図5と同様の光の照射量と硬化層の厚みの関係が得られる。この場合の前記Eは、前記第一感光層から形成された硬化層の厚みと、前記第二感光層から形成された硬化層の厚みと、前記バリアー層の厚みとの合計を表す。
本発明のパターン形成材料は、二層以上の感光層を有してもよい。前記感光層が、三層の場合の断面図を図6に示す。また、各感光層の間に前記バリアー層553を有する場合を図7に、図6の感光層の上に保護フィルム556を有する場合を図8に、図7の感光層の上に前記保護フィルム556を有する場合を図9に示す。
図6〜図9に示すパターン形成材料550において、前記支持体は551で表わされ、前記支持体551の上に、前記第一感光層552と、前記第二感光層554と、前記第三感光層55とが、順次積層されている。図7に示すパターン形成材料550では、前記第一感光層552と、前記第二感光層554との間と、前記第二感光層554と、前記第三感光層555との間に、前記バリアー層553が設けられている。図8は、図6に示す前記パターン形成材料に前記保護フィルム556が設けられており、図9は、図7に示すパターン形成材料に前記保護層556が設けられている。
前述の三層の感光層を有する場合では、各感光層は、前記支持体に近い側の感光層の感度に比べて、前記支持体から離れた側の感光層の感度が相対的に高くなる。すなわち、前記感光層の感度は、前記第三感光層が最も高く、次いで前記第二感光層が高く、前記第一感光層の感度が最も低い。
図6〜9に示した構成のパターン形成材料を用い、前記パターン形成に用いる光エネルギー量を必要な領域に応じて、前記第三感光層のみを硬化させる光エネルギー量Xと、前記第三感光層と、前記第二感光層とを硬化させる光エネルギー量Yと、前記第三感光層と、前記第二感光層と、前記第一感光層とを硬化させる光エネルギー量Zと、前記光照射量とを変化させる。図10に示したように、基板557の上に、前記第三感光層555のみを、硬化させた厚みを有する領域と、前記第三感光層555と、前記第二感光層554とを硬化させた厚みを有する領域と、前記第三感光層555と、前記第二感光層554と、前記第一感光層552とを硬化させた厚みを有する領域とを含む三段階の異なる厚みを有するパターンを、一種類のパターン形成材料で形成することが可能になる。
前記感光層が、N層(感光層の数がN)で、前記支持体に近い側の感光層の感度に比べて、前記支持体から離れた側の感光層の感度が、相対的に高いパターン形成材料を用いれば、N段階の異なる厚みを有する硬化層パターンを、一種類のパターン形成材料で形成することが可能になる。
本発明のパターン形成材料は、前記露光量に応じて、前記露光及び現像処理により得られる硬化層の厚みを、所望の厚みとすることが可能であり、前記露光量のパターンを必要に応じて変更することにより、前記基板に最も近い感光層のみを硬化させる領域から、順次、厚みを変えて全ての感光層を硬化させる領域まで、作り分けることが可能である。すなわち、画像の内部で厚みが異なる三次元造形をする、所望の領域の膜の強度を高くする、所望の領域のみの画像濃度を高める等の特性を付与した硬化樹脂画像を作製するなどを、一種類のパターン形成材料で形成することが可能となる。
本発明のパターン形成材料を、プリント配線板の製造、特に、前記スルーホール又は前記ビアホール(以下、これらをホール部と称することがある。)を有するプリント配線板の製造などに用いると、前記配線パターン形成領域には相対的に厚みが薄く、高解像の硬化層を形成し、前記スルーホール又は前記ビアホールには相対的に厚みの高い、高強度の硬化層を形成することができる。すなわち、本発明のパターン形成材料を用いることにより、前記テンティング法として、充分な前記テント膜強度を有し、かつ高解像度の硬化樹脂パターンを容易に形成することができる。
前記感度曲線を有するパターン形成材料は、各感光層の感度を、前記支持体に近い側から前記支持体から離れた側に向かうに従って、順次相対的に高くすることで実現できる。前記感光層を二層以上とし、前記感光層の感度を、順次相対的に高くする方法としては、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、高感度の開始剤を用いる、増感剤を用いる、光重合開始剤及又は増感剤の含有量を増量する、前記感光層中の前記重合性化合物の含有率を多くする、重合抑制剤又は重合禁止剤の割合を少なくするなどの手法によって得ることができる。
特に、前記感光層が二層の場合であれば、前記高感度の開始剤を用いる、前記第二感光層に前記増感剤を添加する、前記第二感光層中の前記光重合開始剤又は前記増感剤の含有量を、前記第一感光層より多くする、前記第二感光層中の重合性化合物の含有率を前記第一感光層より多くするなどの手法により得ることができる。
前記支持体上に、前記バインダー、前記重合性化合物、前記光重合開始剤を含む感光性樹脂組成物からなる前記第一感光層と、前記バインダー、前記重合性化合物、及び前記光重合開始剤を含む前記感光性樹脂組成物で形成され、前記第一感光層の光感度よりも高い光感度を示す第二感光層とが、この順に積層されてなるパターン形成材料、又は前記第一感光層と、前記第二感光層との間に前記バリアー層が配置されているパターン形成材料を用いて、画像パターン(硬化樹脂パターン)を形成する場合において、前記第二感光層の硬化が始まる光エネルギー量Sとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.05〜10mJ/cmが好ましく、0.1〜5mJ/cm2がより好ましく、0.15〜2.5mJ/cm2が特に好ましい。
また、第二感光層を硬化させるために必要な、前記光エネルギー量Aとしては、0.1〜20mJ/cm2が好ましく、0.2〜15mJ/cm2より好ましく、0.4〜10mJ/cm2が特に好ましい。
前記第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aと、第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bとの比(A/B)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.005〜0.5が好ましく、0.01〜0.4がより好ましく、0.02〜0.35が特に好ましい。
前記第二感光層を硬化させるために必要な、前記光エネルギー量Aと、前記第一感光層の硬化が始まるまで必要な、前記光エネルギー量Cとの比(C/A)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することでき、例えば、1〜10が好ましく、さらに1.1〜9が好ましく、特に1.3〜8が好ましい。
前記光エネルギー量Cとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、0.1〜200mJ/cm2が好ましく、1〜100mJ/cm2がより好ましく、2〜50mJ/cm2が特に好ましい。
(バインダー)
前記バインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ性液に対して膨潤性であることが好ましく、アルカリ性液に対して可溶性であることがより好ましい。
アルカリ性液に対して膨潤性又は溶解性を示すバインダーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸性基を有するものが好適に挙げられる。
前記酸性基としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などが挙げられ、これらの中でもカルボキシル基が好ましい。
前記カルボキシル基を有するバインダーとしては、例えば、カルボキシル基を有するビニル共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリアミド酸樹脂、変性エポキシ樹脂などが挙げられ、これらの中でも、塗布溶媒への溶解性、アルカリ現像液への溶解性、合成適性、膜物性の調整の容易さ等の観点からカルボキシル基を有するビニル共重合体が好ましい。
前記カルボキシル基を有するビニル共重合体は、少なくとも(1)カルボキシル基を有するビニルモノマー、及び(2)これらと共重合可能なモノマーとの共重合により得ることができる。
前記カルボキシル基を有するビニルモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、アクリル酸ダイマー、水酸基を有する単量体(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)と環状無水物(例えば、無水マレイン酸や無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物)との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、共重合性やコスト、溶解性などの観点から(メタ)アクリル酸が特に好ましい。
また、カルボキシル基の前駆体として無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の無水物を有するモノマーを用いてもよい。
前記その他の共重合可能なモノマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリル、ビニル基が置換した複素環式基(例えば、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルカルバゾール等)、N−ビニルホルムアミド、N−ビニルアセトアミド、N−ビニルイミダゾール、ビニルカプロラクトン、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、リン酸モノ(2―アクリロイルオキシエチルエステル)、リン酸モノ(1−メチル−2―アクリロイルオキシエチルエステル)、官能基(例えば、ウレタン基、ウレア基、スルホンアミド基、フェノール基、イミド基)を有するビニルモノマーなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−オクチル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、β−フェノキシエトキシエチルアクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリフロロエチル(メタ)アクリレート、オクタフロロペンチル(メタ)アクリレート、パーフロロオクチルエチル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニル(メタ)アクリレート、トリブロモフェニルオキシエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記クロトン酸エステル類としては、例えば、クロトン酸ブチル、クロトン酸ヘキシルなどが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、安息香酸ビニルなどが挙げられる。
前記マレイン酸ジエステル類としては、例えば、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記フマル酸ジエステル類としては、例えば、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジブチルなどが挙げられる。
前記イタコン酸ジエステル類としては、例えば、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリルアミド類としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
前記スチレン類としては、例えば、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えば、t-Boc等)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、α−メチルスチレンなどが挙げられる。
前記ビニルエーテル類としては、例えば、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
前記官能基としてウレタン基又はウレア基を有するビニルモノマーの合成方法としては、例えば、イソシアナート基と水酸基又はアミノ基の付加反応が挙げられ、具体的には、イソシアナート基を有するモノマーと、水酸基を1個含有する化合物又は1級若しくは2級アミノ基を1個有する化合物との付加反応、水酸基を有するモノマー又は1級若しくは2級アミノ基を有するモノマーと、モノイソシアネートとの付加反応が挙げられる。
前記イソシアナート基を有するモノマーとしては、例えば、下記構造式(1)〜(3)で表される化合物が挙げられる。
但し、前記構造式(1)〜(3)中、Rは水素原子又はメチル基を表す。
前記モノイソシアネートとしては、例えば、シクロヘキシルイソシアネート、n−ブチルイソシアネート、トルイルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、フェニルイソシアネート等が挙げられる。
前記水酸基を有するモノマーとしては、例えば、下記構造式(4)〜(12)で表される化合物が挙げられる。
但し、前記構造式(4)〜(12)中、Rは水素原子又はメチル基を表し、n、n1及びn2は1以上の整数を表す。
前記水酸基を1個含有する化合物としては、例えば、アルコール類(例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、i―プロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、t−ブタノール、n−ヘキサノール、2−エチルヘキサノール、n−デカノール、n−ドデカノール、n−オクタデカノール、シクロペンタノール、シクロへキサノール、ベンジルアルコール、フェニルエチルアルコール等)、フェノール類(例えば、フェノール、クレゾール、ナフトール等)、更に置換基を含むものとして、フロロエタノール、トリフロロエタノール、メトキシエタノール、フェノキシエタノール、クロロフェノール、ジクロロフェノール、メトキシフェノール、アセトキシフェノール等が挙げられる。
前記1級又は2級アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、ビニルベンジルアミンなどが挙げられる。
前記1級又は2級アミノ基を1個含有する化合物としては、例えば、アルキルアミン(メチルアミン、エチルアミン、n−プロピルアミン、i―プロピルアミン、n−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、t−ブチルアミン、ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、デシルアミン、ドデシルアミン、オクタデシルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ジオクチルアミン)、環状アルキルアミン(シクロペンチルアミン、シクロへキシルアミン等)、アラルキルアミン(ベンジルアミン、フェネチルアミン等)、アリールアミン(アニリン、トルイルアミン、キシリルアミン、ナフチルアミン等)、更にこれらの組合せ(N−メチル−N−ベンジルアミン等)、更に置換基を含むアミン(トリフロロエチルアミン、ヘキサフロロイソプロピルアミン、メトキシアニリン、メトキシプロピルアミン等)などが挙げられる。
また、上記以外の前記その他の共重合可能なモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、スチレン、クロルスチレン、ブロモスチレン、ヒドロキシスチレンなどが好適に挙げられる。
前記その他の共重合可能なモノマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル共重合体は、それぞれ相当するモノマーを公知の方法により常法に従って共重合させることで調製することができる。例えば、前記モノマーを適当な溶媒中に溶解し、ここにラジカル重合開始剤を添加して溶液中で重合させる方法(溶液重合法)を利用することにより調製することができる。また、水性媒体中に前記モノマーを分散させた状態でいわゆる乳化重合等で重合を利用することにより調製することができる。
前記溶液重合法で用いられる適当な溶媒としては、特に制限はなく、使用するモノマー、及び生成する共重合体の溶解性等に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロピルアセテート、乳酸エチル、酢酸エチル、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、クロロホルム、トルエンなどが挙げられる。これらの溶媒は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ラジカル重合開始剤としては、特に制限はなく、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキシド等の過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩などが挙げられる。
前記ビニル共重合体におけるカルボキシル基を有する重合性化合物の含有率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜50モル%が好ましく、10〜40モル%がより好ましく、15〜35モル%が特に好ましい。
前記含有率が、5モル%未満であると、アルカリ水への現像性が不足することがあり、50モル%を超えると、硬化部(画像部)の現像液耐性が不足することがある。
前記カルボキシル基を有するバインダーの分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、質量平均分子量として、2,000〜300,000が好ましく、4,000〜150,000がより好ましい。
前記質量平均分子量が、2,000未満であると、膜の強度が不足しやすく、また安定な製造が困難になることがあり、300,000を超えると、現像性が低下することがある。
前記カルボキシル基を有するバインダーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記バインダーを2種以上併用する場合としては、例えば、異なる共重合成分からなる2種以上のバインダー、異なる質量平均分子量の2種以上のバインダー、異なる分散度の2種以上のバインダー、などの組合せが挙げられる。
前記カルボキシル基を有するバインダーは、そのカルボキシル基の一部又は全部が塩基性物質で中和されていてもよい。また、前記バインダーは、さらにポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール、ゼラチン等の構造の異なる樹脂を併用してもよい。
また、前記バインダーとしては、特許2873889号等に記載のアルカリ性液に可溶な樹脂などを用いることができる。
前記感光層における前記バインダーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、10〜90質量%が好ましく、20〜80質量%がより好ましく、40〜80質量%が特に好ましい。
前記含有量が10質量%未満であると、アルカリ現像性やプリント配線板形成用基板(例えば、銅張積層板)との密着性が低下することがあり、90質量%を超えると、現像時間に対する安定性や、硬化膜(テント膜)の強度が低下することがある。なお、前記含有量は、前記バインダーと必要に応じて併用される高分子結合剤との合計の含有量であってもよい。
前記バインダーの酸価としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、70〜250(mgKOH/g)が好ましく、90〜200(mgKOH/g)がより好ましく、100〜180(mgKOH/g)が特に好ましい。
前記酸価が、70(mgKOH/g)未満であると、現像性が不足したり、解像性が劣り、配線パターン等の永久パターンを高精細に得ることができないことがあり、250(mgKOH/g)を超えると、パターンの耐現像液性及び密着性の少なくともいずれかが悪化し、配線パターン等の永久パターンを高精細に得ることができないことがある。
−重合性化合物−
前記重合性化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ウレタン基及びアリール基の少なくともいずれかを有するモノマー又はオリゴマーが好適に挙げられる。また、これらは、重合性基を2種以上有することが好ましい。
前記重合性基としては、例えば、エチレン性不飽和結合(例えば、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、スチリル基、ビニルエステルやビニルエーテル等のビニル基、アリルエーテルやアリルエステル等のアリル基など)、重合可能な環状エーテル基(例えば、エポキシ基、オキセタン基等)などが挙げられ、これらの中でもエチレン性不飽和結合が好ましい。
−−ウレタン基を有するモノマー−−
前記ウレタン基を有するモノマーとしては、ウレタン基を有する限り、特に制限は無く、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、特公昭48−41708、特開昭51−37193、特公平5−50737、特公平7−7208、特開2001−154346、特開2001−356476号公報等に記載されている化合物などが挙げられ、例えば、分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と分子中に水酸基を有するビニルモノマーとの付加物などが挙げられる。
前記分子中に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート、ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’ジメチル−4,4’−ジフェニルジイソシアネート等のジイソシアネート;該ジイソシアネートを更に2官能アルコールとの重付加物(この場合も両末端はイソシアネート基);該ジイソシアネートのビュレット体やイソシアヌレート等の3量体;該ジイソシアネート若しくはジイソシアネート類と、トリメチロールプロパン、ペンタエリスルトール、グリセリン等の多官能アルコール、又はこれらのエチレンオキシド付加物等の得られる他官能アルコールとの付加体などが挙げられる。
前記分子中に水酸基を有するビニルモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、オクタブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。また、エチレンオキシドとプロピレンオキシドの共重合体(ランダム、ブロック等)などの異なるアルキレンオキシド部を有するジオール体の片末端(メタ)アクリレート体などが挙げられる。
また、前記ウレタン基を有するモノマーとしては、トリ((メタ)アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ジ(メタ)アクリル化イソシアヌレート、エチレンオキシド変性イソシアヌル酸のトリ(メタ)アクリレート等のイソシアヌレート環を有する化合物が挙げられる。これらの中でも、下記構造式(13)、又は構造式(14)で表される化合物が好ましく、テント性の観点から、前記構造式(14)で示される化合物を少なくとも含むことが特に好ましい。また、これらの化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記構造式(13)及び(14)中、R〜Rは、それぞれ水素原子又はメチル基を表す。X〜Xは、アルキレンオキサイドを表し、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。
前期アルキレンオキサイド基としては、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基、これらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)などが好適に挙げられ、これらの中でも、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、又はこれらを組み合わせた基が好ましく、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基がより好ましい。
前記構造式(13)及び(14)中、m1〜m3は、1〜60の整数を表し、2〜30が好ましく、4〜15がより好ましい。
前記構造式(13)及び(14)中、Y及びYは、炭素原子数2〜30の2価の有機基を表し、例えば、アルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基(−CO−)、酸素原子(−O−)、硫黄原子(−S−)、イミノ基(−NH−)、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、スルホニル基(−SO−)又はこれらを組み合わせた基などが好適に挙げられ、これらの中でも、アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基が好ましい。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基、ブチレン基、イソブチレン基、ペンチレン基、ネオペンチレン基、ヘキシレン基、トリメチルヘキシレン基、シクロへキシレン基、ヘプチレン基、オクチレン基、2−エチルヘキシレン基、ノニレン基、デシレン基、ドデシレン基、オクタデシレン基、又は下記に示すいずれかの基などが好適に挙げられる。
前記アリーレン基としては、炭化水素基で置換されていてもよく、例えば、フェニレン基、トリレン基、ジフェニレン基、ナフチレン基、又は下記に示す基などが好適に挙げられる。
前記これらを組み合わせた基としては、例えば、キシリレン基などが挙げられる。
前記アルキレン基、アリーレン基、又はこれらを組み合わせた基としては、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記構造式(13)及び(14)中、nは3〜6の整数を表し、重合性モノマーを合成するための原料供給性などの観点から、3、4又は6が好ましい。
前記構造式(13)及び(14)中、Zはn価(3価〜6価)の連結基を表し、例えば、下記に示すいずれかの基などが挙げられる。
但し、Xはアルキレンオキサイドを表す。m4は、1〜20の整数を表す。nは、3〜6の整数を表す。Aは、n価(3価〜6価)の有機基を表す。
前記Aとしては、例えば、n価の脂肪族基、n価の芳香族基、又はこれらとアルキレン基、アリーレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、カルボニル基、酸素原子、硫黄原子、イミノ基、イミノ基の水素原子が1価の炭化水素基で置換された置換イミノ基、又はスルホニル基とを組み合わせた基が好ましく、n価の脂肪族基、n価の芳香族基、又はこれらとアルキレン基、アリーレン基、酸素原子とを組み合わせた基がより好ましく、n価の脂肪族基、n価の脂肪族基とアルキレン基、酸素原子とを組み合わせた基が特に好ましい。
前記Aの炭素原子数としては、例えば、1〜100の整数が好ましく、1〜50の整数がより好ましく、3〜30の整数が特に好ましい。
前記n価の脂肪族基としては、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記脂肪族基の炭素原子数としては、例えば、1〜30の整数が好ましく、1〜20の整数がより好ましく、3〜10の整数が特に好ましい。
前記芳香族基の炭素原子数としては、6〜100の整数が好ましく、6〜50の整数がより好ましく、6〜30の整数が特に好ましい。
前記n価の脂肪族基、又は芳香族基は、更に置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、ヒドロキシル基、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、アリール基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、2−エトキシエトキシ基)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基)、アシル基(例えば、アセチル基、プロピオニル基)、アシルオキシ基(例えば、アセトキシ基、ブチリルオキシ基)、アルコキシカルボニル基(例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェノキシカルボニル基)などが挙げられる。
前記アルキレン基は、分岐構造又は環状構造を有していてもよい。
前記アルキレン基の炭素原子数としては、例えば、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
前記アリーレン基は、炭化水素基で更に置換されていてもよい。
前記アリーレン基の炭素原子数としては、6〜18の整数が好ましく、6〜10の整数がより好ましい。
前記置換イミノ基の1価の炭化水素基の炭素原子数としては、1〜18の整数が好ましく、1〜10の整数がより好ましい。
前記Aの好ましい例は以下の通りである。
前記構造式(13)及び(14)で表される化合物としては、例えば下記構造式(15)〜(37)で表される化合物などが挙げられる。
但し、前記構造式(15)〜(37)中、n、n1、n2及びmは、1〜60を意味し、lは、1〜20を意味し、Rは、水素原子又はメチル基を表す。
−−アリール基を有するモノマー−−
前記アリール基を有するモノマーとしては、アリール基を有する限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アリール基を有する多価アルコール化合物、多価アミン化合物及び多価アミノアルコール化合物の少なくともいずれかと不飽和カルボン酸とのエステル又はアミドなどが挙げられる。
前記アリール基を有する多価アルコール化合物、多価アミン化合物又は多価アミノアルコール化合物としては、例えば、ポリスチレンオキサイド、キシリレンジオール、ジ−(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,5−ジヒドロキシ−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン、2、2−ジフェニル−1,3−プロパンジオール、ヒドロキシベンジルアルコール、ヒドロキシエチルレゾルシノール、1−フェニル−1,2−エタンジオール、2,3,5,6−テトラメチル−p−キシレン−α,α’−ジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ブタンジオール、1,1,4,4−テトラフェニル−2−ブチン−1,4−ジオール、1,1’−ビ−2−ナフトール、ジヒドロキシナフタレン、1,1’−メチレン−ジ−2−ナフトール、1,2,4−ベンゼントリオール、ビフェノール、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、カテコール、4−クロルレゾルシノール、ハイドロキノン、ヒドロキシベンジルアルコール、メチルハイドロキノン、メチレン−2,4,6−トリヒドロキシベンゾエート、フロログリシノール、ピロガロール、レゾルシノール、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、α−(1−アミノエチル)−p−ヒドロキシベンジルアルコール、3−アミノ−4−ヒドロキシフェニルスルホンなどが挙げられる。また、この他、キシリレンビス(メタ)アクリルアミド、ノボラック型エポキシ樹脂やビスフェノールAジグリシジルエーテル等のグリシジル化合物にα、β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、フタル酸やトリメリット酸などと分子中に水酸基を含有するビニルモノマーから得られるエステル化物、フタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ベンゼンジスルホン酸ジアリル、重合性モノマーとしてカチオン重合性のジビニルエーテル類(例えば、ビスフェノールAジビニルエーテル)、エポキシ化合物(例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAジグリシジルエーテル等)、ビニルエステル類(例えば、ジビニルフタレート、ジビニルテレフタレート、ジビニルベンゼン−1,3−ジスルホネート等)、スチレン化合物(例えば、ジビニルベンゼン、p−アリルスチレン、p−イソプロペンスチレン等)が挙げられる。これらの中でも下記構造式(38)で表される化合物が好ましい。
前記構造式(38)中、R4、Rは、水素原子又はアルキル基を表す。
前記構造式(38)中、X及びXは、アルキレンオキサイド基を表し、1種単独でもよく、2種以上を併用してもよい。該アルキレンオキサイド基としては、例えば、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、ペンチレンオキサイド基、ヘキシレンオキサイド基、これらを組み合わせた基(ランダム、ブロックのいずれに組み合わされてもよい)、などが好適に挙げられ、これらの中でも、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基、ブチレンオキサイド基、又はこれらを組み合わせた基が好ましく、エチレンオキサイド基、プロピレンオキサイド基がより好ましい。
前記構造式(38)中、m5、m6は、1〜60の整数が好ましく、2〜30の整数がより好ましく、4〜15の整数が特に好ましい。
前記構造式(38)中、Tは、2価の連結基を表し、例えば、メチレン、エチレン、MeCMe、CFCCF、CO、SOなどが挙げられる。
前記構造式(38)中、Ar、Arは、置換基を有していてもよいアリール基を表し、例えば、フェニレン、ナフチレンなどが挙げられる。前記置換基としては、例えば、アルキル基、アリール基、アラルキル基、ハロゲン基、アルコキシ基、又はこれらの組合せなどが挙げられる。
前記アリール基を有するモノマーの具体例としては、2,2−ビス〔4−(3−(メタ)アクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシエトキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換させたエトキシ基の数が2から20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリエトキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカエトキシ)フェニル)プロパン等)、2,2−ビス〔4−((メタ)アクリルオキシプロポキシ)フェニル〕プロパン、フェノール性のOH基1個に置換させたエトキシ基の数が2から20である2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシポリプロポキシ)フェニル)プロパン(例えば、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシジプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシテトラプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシデカプロポキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−((メタ)アクリロイルオキシペンタデカプロポキシ)フェニル)プロパン等)、又はこれらの化合物のポリエーテル部位として同一分子中にポリエチレンオキシド骨格とポリプロピレンオキシド骨格の両方を含む化合物(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物等、又は、市販品として、新中村化学工業社製、BPE−200、BPE−500、BPE−1000)、ビスフェノール骨格とウレタン基とを有する重合性化合物などが挙げられる。なお、これらは、ビスフェノールA骨格に由来する部分をビスフェノールF又はビスフェノールS等に変更した化合物であってもよい。
前記ビスフェノール骨格とウレタン基とを有する重合性化合物としては、例えば、ビスフェノールとエチレンオキシド又はプロピレンオキシド等の付加物、重付加物として得られる末端に水酸基を有する化合物にイソシアネート基と重合性基とを有する化合物(例えば、2−イソシアネートエチル(メタ)アクリレート、α、α−ジメチル−ビニルベンジルイソシアネート等)などが挙げられる。
−−その他の重合性モノマー−−
本発明のパターン形成方法には、前記ウレタン基を含有するモノマー、アリール基を有するモノマー以外の重合性モノマーを用いてもよい。
前記ウレタン基を含有するモノマー、芳香環を含有するモノマー以外の重合性モノマーとしては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と多価アミン化合物とのアミドなどが挙げられる。
前記不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルのモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン基の数が2〜18であるポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ノナエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラデカエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレン基の数が2から18であるポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート(例えば、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ドデカプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等)、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ((メタ)アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,5−ベンタンジオール(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ソルビトールトリ(メタ)アクリレート、ソルビトールテトラ(メタ)アクリレート、ソルビトールペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジメチロールジシクロペンタンジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコール変性トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート(例えば、WO01/98832号公報に記載の化合物等)、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドの少なくともいずれかを付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、キシレノールジ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
前記(メタ)アクリル酸エステル類の中でも、その入手の容易さ等の観点から、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレングリコール鎖/プロピレングリコール鎖を少なくとも各々一つずつ有するアルキレングリコール鎖のジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、ジグリセリンジ(メタ)アクリレート、1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート、1,2,4−ブタントリオールトリ(メタ)アクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,5−ペンタンジオール(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドを付加したトリメチロールプロパンのトリ(メタ)アクリル酸エステルなどが好ましい。
前記イタコン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イタコン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4ーブタンジオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、及びソルビトールテトライタコネートなどが挙げられる。
前記クロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(クロトン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネートなどが挙げられる。
前記イソクロトン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(イソクロトン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネートなどが挙げられる。
前記マレイン酸と前記脂肪族多価アルコール化合物とのエステル(マレイン酸エステル)としては、例えば、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレートなどが挙げられる。
前記多価アミン化合物と前記不飽和カルボン酸類から誘導されるアミドとしては、例えば、メチレンビス(メタ)アクリルアミド、エチレンビス(メタ)アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス(メタ)アクリルアミド、オクタメチレンビス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミントリス(メタ)アクリルアミド、ジエチレントリアミンビス(メタ)アクリルアミド、などが挙げられる。
また、上記以外にも、前記重合性モノマーとして、例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等のグリシジル基含有化合物にα,β−不飽和カルボン酸を付加して得られる化合物、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレートやポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー類、エポキシ化合物(例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテルなど)と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレート、日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に記載の光硬化性モノマー及びオリゴマー、アリルエステル(例えば、フタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、マロン酸ジアリル、ジアリルアミド(例えば、ジアリルアセトアミド等)、カチオン重合性のジビニルエーテル類(例えば、ブタンジオール−1,4−ジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル、ペンタエリスリトールテトラビニルエーテル、グリセリントリビニルエーテル等)、エポキシ化合物(例えば、ブタンジオール−1,4−ジグリシジルエーテル、シクロヘキサンジメタノールグリシジルエーテル、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ジプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル等)、オキセタン類(例えば、1,4−ビス〔(3−エチルー3−オキセタニルメトキシ)メチル〕ベンゼン等)、エポキシ化合物、オキセタン類(例えば、WO01/22165号公報に記載の化合物)、N−β−ヒドロキシエチル−β−(メタクリルアミド)エチルアクリレート、N,N−ビス(β−メタクリロキシエチル)アクリルアミド、アリルメタクリレート等の異なったエチレン性不飽和二重結合を2個以上有する化合物などが挙げられる。
前記ビニルエステル類としては、例えば、ジビニルサクシネート、ジビニルアジペートなどが挙げられる。
これらの多官能モノマー又はオリゴマーは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記重合性モノマーは、必要に応じて、分子内に重合性基を1個含有する重合性化合物(単官能モノマー)を併用してもよい。
前記単官能モノマーとしては、例えば、前記バインダーの原料として例示した化合物、特開平6−236031号公報に記載されている2塩基のモノ((メタ)アクリロイルオキシアルキルエステル)モノ(ハロヒドロキシアルキルエステル)等の単官能モノマー(例えば、γ−クロロ−β−ヒドロキシプロピル−β′−メタクリロイルオキシエチル−o−フタレート等)、特許2744643号公報、WO00/52529号公報、特許2548016号公報等に記載の化合物が挙げられる。
前記感光層における重合性化合物の含有量としては、例えば、5〜90質量%が好ましく、15〜60質量%がより好ましく、20〜50質量%が特に好ましい。
前記含有量が、5質量%未満となると、テント膜の強度が低下することがあり、90質量%を超えると、保存時のエッジフュージョン(ロール端部からのしみだし故障)が悪化することがある。
また、重合性化合物中に前記重合性基を2個以上有する多官能モノマーの含有量としては、5〜100質量%が好ましく、20〜100質量%がより好ましく、40〜100質量%が特に好ましい。
−光重合開始剤−
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができるが、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、約300〜800nm(より好ましくは330〜500nm)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの等)、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、メタロセン類などが挙げられる。これらの中でも、感光層の感度、保存性、及び感光層とプリント配線板形成用基板との密着性等の観点から、トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素、オキシム誘導体、ケトン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール系化合物が好ましい。
前記ヘキサアリールビイミダゾールとしては、例えば、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(o−フロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ブロモフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(3−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(2−クロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラ(4−メトキシフェニル)ビイミダゾール、2,2′−ビス(4−メトキシフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジクロロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−ニトロフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−メチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、2,2′−ビス(2−トリフルオロメチルフェニル)−4,4′,5,5′−テトラフェニルビイミダゾール、WO00/52529号公報に記載の化合物などが挙げられる。
前記ビイミダゾール類は、例えば、Bull.Chem.Soc.Japan,33,565(1960)、及びJ.Org.Chem,36(16)2262(1971)に開示されている方法により容易に合成することができる。
トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載の化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物等が挙げられる。
前記若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物としては、例えば、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−クロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−トリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,4−ジクロルフェニル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−メチル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−n−ノニル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(α,α,β−トリクロルエチル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記英国特許1388492号明細書記載の化合物としては、例えば、2−スチリル−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メチルスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−メトキシスチリル)−4−アミノ−6−トリクロルメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭53−133428号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−メトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−エトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−〔4−(2−エトキシエチル)−ナフト−1−イル〕−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4,7−ジメトキシ−ナフト−1−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(アセナフト−5−イル)−4,6−ビス(トリクロルメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記独国特許3337024号明細書記載の化合物としては、例えば、2−(4−スチリルフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシスチリル)フェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(1−ナフチルビニレンフェニル)−4、6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−クロロスチリルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−チオフェン−3−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−フラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−(4−ベンゾフラン−2−ビニレンフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記F.C.Schaefer等によるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物としては、例えば、2−メチル−4,6−ビス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(トリブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2,4,6−トリス(ジブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、2−アミノ−4−メチル−6−トリ(ブロモメチル)−1,3,5−トリアジン、及び2−メトキシ−4−メチル−6−トリクロロメチル−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開昭62−58241号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−フェニルエチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−ナフチル−1−エチニルフェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−トリルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−メトキシフェニル)エチニルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−イソプロピルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(4−(4−エチルフェニルエチニル)フェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−281728号公報記載の化合物としては、例えば、2−(4−トリフルオロメチルフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジクロロフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジン、2−(2,6−ジブロモフェニル)−4,6−ビス(トリクロロメチル)−1,3,5−トリアジンなどが挙げられる。
前記特開平5−34920号公報記載の化合物としては、例えば、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−[4−(N,N−ジエトキシカルボニルメチルアミノ)−3−ブロモフェニル]−1,3,5−トリアジン、米国特許第4239850号明細書に記載されているトリハロメチル−s−トリアジン化合物、更に2,4,6−トリス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−(4−クロロフェニル)−4,6−ビス(トリブロモメチル)−s−トリアジンなどが挙げられる。
前記米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物としては、例えば、オキサジアゾール骨格を有する化合物(例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロメメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール等)などが挙げられる。
本発明で好適に用いられるオキシム誘導体としては、例えば、下記構造式(39)〜(72)で表される化合物が挙げられる。
前記ケトン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドンなどが挙げられる。
前記メタロセン類としては、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェート(1−)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第3615455号明細書に記載された化合物などが挙げられる。
また、上記以外の光重合開始剤として、アクリジン誘導体(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9、9’−アクリジニル)ヘプタン等)、N−フェニルグリシン等、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、また、特開平5-19475号、特開平7-271028号、特開2002-363206号、特開2002-363207号、特開2002-363208号、特開2002-363209号公報等に記載のクマリン化合物など)、アミン類(例えば、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸n−ブチル、4−ジメチルアミノ安息香酸フェネチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−フタルイミドエチル、4−ジメチルアミノ安息香酸2−メタクリロイルオキシエチル、ペンタメチレンビス(4−ジメチルアミノベンゾエート)、3−ジメチルアミノ安息香酸のフェネチル、ペンタメチレンエステル、4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、2−クロル−4−ジメチルアミノベンズアルデヒド、4−ジメチルアミノベンジルアルコール、エチル(4−ジメチルアミノベンゾイル)アセテート、4−ピペリジノアセトフェノン、4−ジメチルアミノベンゾイン、N,N−ジメチル−4−トルイジン、N,N−ジエチル−3−フェネチジン、トリベンジルアミン、ジベンジルフェニルアミン、N−メチル−N−フェニルベンジルアミン、4−ブロム−N,N−ジメチルアニリン、トリドデシルアミン、アミノフルオラン類(ODB,ODBII等)、クリスタルバイオレットラクトン、ロイコクリスタルバイオレット等)、アシルホスフィンオキシド類(例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキシド、LucirinTPOなど)などが挙げられる。
更に、米国特許第2367660号明細書に記載されているビシナルポリケタルドニル化合物、米国特許第2448828号明細書に記載されているアシロインエーテル化合物、米国特許第2722512号明細書に記載されているのα−炭化水素で置換された芳香族アシロイン化合物、米国特許第3046127号明細書及び同第2951758号明細書に記載の多核キノン化合物、特開2002−229194号公報に記載の有機ホウ素化合物、ラジカル発生剤、トリアリールスルホニウム塩(例えば、ヘキサフロロアンチモンやヘキサフロロホスフェートとの塩)、ホスホニウム塩化合物(例えば、(フェニルチオフェニル)ジフェニルスルホニウム塩等)(カチオン重合開始剤として有効)、WO01/71428号公報記載のオニウム塩化合物などが挙げられる。
前記光重合開始剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。2種以上の組合せとしては、例えば、米国特許第3549367号明細書に記載のヘキサアリールビイミダゾールと4−アミノケトン類との組合せ、特公昭51−48516号公報に記載のベンゾチアゾール化合物とトリハロメチル−s−トリアジン化合物の組合せ、また、芳香族ケトン化合物(例えば、チオキサントン等)と水素供与体(例えば、ジアルキルアミノ含有化合物、フェノール化合物等)の組合せ、ヘキサアリールビイミダゾールとチタノセンとの組合せ、クマリン類とチタノセンとフェニルグリシン類との組合せなどが挙げられる。
前記光重合開始剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、各感光層ともに感光層の全成分に対して、0.1〜30質量%が好ましく、0.5〜20質量%がより好ましく、0.5〜15質量%が特に好ましい。
各感光層の感度差を前記光重合開始剤の含有量で調整する場合には、前記第二感光層に含有されている前記光重合開始剤の量を、前記第一感光層に含有されている前記光重合性開始剤の量よりも多くすればよい。前記第二感光層の光重合開始剤の含有量としては、前記第一感光層の光重合開始剤の含有量に対して、1.5〜100倍が好ましく、1.8倍〜50倍がさらに好ましく、2〜20倍が特に好ましい。
−−増感剤−−
前記増感剤は、後述する光照射手段として可視光線や紫外光・可視光レーザなどにより適宜選択することができる。
前記増感剤は、活性エネルギー線により励起状態となり、他の物質(例えば、ラジカル発生剤、酸発生剤等)と相互作用(例えば、エネルギー移動、電子移動等)することにより、ラジカルや酸等の有用基を発生することが可能である。
前記増感剤としては、特に制限はなく、公知の増感剤の中から適宜選択することができるが、例えば、公知の多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、インドカルボシアニン、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、アクリドン類(例えば、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン等)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン等があげられ、他に特開平5-19475号、特開平7-271028号、特開2002-363206号、特開2002-363207号、特開2002-363208号、特開2002-363209号等の各公報に記載のクマリン化合物など)が挙げられる。
前記光重合開始剤と前記増感剤との組合せとしては、例えば、特開2001−305734号公報に記載の電子移動型開始系[(1)電子供与型開始剤及び増感色素、(2)電子受容型開始剤及び増感色素、(3)電子供与型開始剤、増感色素及び電子受容型開始剤(三元開始系)]などの組合せが挙げられる。
前記増感剤の含有量としては、感光性樹脂組成物の全成分に対し、0.05〜30質量%が好ましく、0.1〜20質量%がより好ましく、0.2〜10質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.05質量%未満となると、活性エネルギー線への感度が低下し、露光プロセスに時間がかかり、生産性が低下することがあり、30質量%を超えると、前記感光層から保存時に析出することがある。
−−熱重合禁止剤−−
前記熱重合禁止剤は、前記感光層における前記重合性化合物の熱的な重合又は経時的な重合を防止するために添加してもよい。
前記熱重合禁止剤としては、例えば、4−メトキシフェノール、ハイドロキノン、アルキルまたはアリール置換ハイドロキノン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2−ヒドロキシベンゾフェノン、4−メトキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、塩化第一銅、フェノチアジン、クロラニル、ナフチルアミン、β−ナフトール、2,6−ジ−t−ブチル−4−クレゾール、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、ピリジン、ニトロベンゼン、ジニトロベンゼン、ピクリン酸、4−トルイジン、メチレンブルー、銅と有機キレート剤反応物、サリチル酸メチル、及びフェノチアジン、ニトロソ化合物、ニトロソ化合物とAlとのキレート等が挙げられる。
前記熱重合禁止剤の含有量としては、前記感光層の前記重合性化合物に対して0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜2質量%がより好ましく、0.01〜1質量%が特に好ましい。
前記含有量が、0.001質量%未満であると、保存時の安定性が低下することがあり、5質量%を超えると、活性エネルギー線に対する感度が低下することがある。
−−可塑剤−−
前記可塑剤は、前記感光層の膜物性(可撓性)をコントロールするために添加してもよい。
前記可塑剤としては、例えば、ジメチルフタレート、ジブチルフタレート、ジイソブチルフタレート、ジヘプチルフタレート、ジオクチルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジトリデシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジフェニルフタレート、ジアリルフタレート、オクチルカプリールフタレート等のフタル酸エステル類;トリエチレングリコールジアセテート、テトラエチレングリコールジアセテート、ジメチルグリコースフタレート、エチルフタリールエチルグリコレート、メチルフタリールエチルグリコレート、ブチルフタリールブチルグリコレート、トリエチレングリコールジカブリル酸エステル等のグリコールエステル類;トリクレジルホスフェート、トリフェニルホスフェート等のリン酸エステル類;4−トルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルベンゼンスルホンアミド、N−n−ブチルアセトアミド等のアミド類;ジイソブチルアジペート、ジオクチルアジペート、ジメチルセバケート、ジブチルセパケート、ジオクチルセパケート、ジオクチルアゼレート、ジブチルマレート等の脂肪族二塩基酸エステル類;クエン酸トリエチル、クエン酸トリブチル、グリセリントリアセチルエステル、ラウリン酸ブチル、4,5−ジエポキシシクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸ジオクチル等、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のグリコール類が挙げられる。
前記可塑剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.1〜50質量%が好ましく、0.5〜40質量%がより好ましく、1〜30質量%が特に好ましい。
−−発色剤−−
前記発色剤は、露光後の前記感光層に可視像を与える(焼きだし機能)ために添加してもよい。
前記発色剤としては、例えば、トリス(4−ジメチルアミノフェニル)メタン(ロイコクリスタルバイオレット)、トリス(4−ジエチルアミノフェニル)メタン、トリス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、トリス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフェニル)メタン、ビス(4−ジブチルアミノフェニル)−〔4−(2−シアノエチル)メチルアミノフェニル〕メタン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)−2−キノリルメタン、トリス(4−ジプロピルアミノフェニル)メタン等のアミノトリアリールメタン類;3,6−ビス(ジメチルアミノ)−9−フェニルキサンチン、3−アミノ−6−ジメチルアミノ−2−メチル−9−(2−クロロフェニル)キサンチン等のアミノキサンチン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9−(2−エトキシカルボニルフェニル)チオキサンテン、3,6−ビス(ジメチルアミノ)チオキサンテン等のアミノチオキサンテン類;3,6−ビス(ジエチルアミノ)−9,10−ジヒドロ−9−フェニルアクリジン、3,6−ビス(ベンジルアミノ)−9,10−ジビドロ−9−メチルアクリジン等のアミノ−9,10−ジヒドロアクリジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)フェノキサジン等のアミノフェノキサジン類;3,7−ビス(エチルアミノ)フェノチアゾン等のアミノフェノチアジン類;3,7−ビス(ジエチルアミノ)−5−ヘキシル−5,10−ジヒドロフェナジン等のアミノジヒドロフェナジン類;ビス(4−ジメチルアミノフェニル)アニリノメタン等のアミノフェニルメタン類;4−アミノ−4’−ジメチルアミノジフェニルアミン、4−アミノ−α、β−ジシアノヒドロケイ皮酸メチルエステル等のアミノヒドロケイ皮酸類;1−(2−ナフチル)−2−フェニルヒドラジン等のヒドラジン類;1,4−ビス(エチルアミノ)−2,3−ジヒドロアントラキノン類のアミノ−2,3−ジヒドロアントラキノン類;N,N−ジエチル−4−フェネチルアニリン等のフェネチルアニリン類;10−アセチル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)フェノチアジン等の塩基性NHを含むロイコ色素のアシル誘導体;トリス(4−ジエチルアミノ−2−トリル)エトキシカルボニルメンタン等の酸化しうる水素をもつていないが、発色化合物に酸化しうるロイコ様化合物;ロイコインジゴイド色素;米国特許3,042,515号及び同第3,042,517号に記載されているような発色形に酸化しうるような有機アミン類(例、4,4’−エチレンジアミン、ジフェニルアミン、N,N−ジメチルアニリン、4,4’−メチレンジアミントリフェニルアミン、N−ビニルカルバゾール)が挙げられ、これらの中でも、ロイコクリスタルバイオレット等のトリアリールメタン系化合物が好ましい。
更に、前記発色剤は、前記ロイコ体を発色させるためなどの目的で、ハロゲン化合物と組み合わせることが一般に知られている。
前記ハロゲン化合物としては、例えば、ハロゲン化炭化水素(例えば、四臭化炭素、ヨードホルム、臭化エチレン、臭化メチレン、臭化アミル、臭化イソアミル、ヨウ化アミル、臭化イソブチレン、ヨウ化ブチル、臭化ジフェニルメチル、ヘキサクロロエタン、1,2−ジブロモエタン、1,1,2,2−テトラブロモエタン、1,2−ジブロモ−1,1,2−トリクロロエタン、1,2,3トリブロモプロバン、1−ブロモ−4−クロロブタン、1,2,3,4−テトラブロモブタン、テトラクロロシクロプロペン、ヘキサクロロシクロペンタジエン、ジブロモシキロヘキサン、1,1,1−トリクロロ−2,2−ビス(4−クロロフェニル)エタンなど);ハロゲン化アルコール化合物(例えば、2,2,2−トリクロロエタノール、トリブロモエタノール、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、1,1,1−トリクロロ−2−プロパノール、ジ(ヨードヘキサメチレン)アミノイソプロパノール、トリブロモ−t−ブチルアルコール、2,2,3−トリクロロブタン−1,4−ジオールなど);ハロゲン化カルボニル化合物(例えば1,1−ジクロロアセトン、1,3−ジクロロアセトン、ヘキサクロロアセトン、ヘキサブロモアセトン、1,1,3,3−テトラクロロアセトン、1,1,1−トリクロロアセトン、3,4−ジブロモ−2−ブタノン、1,4−ジクロロ−2−ブタノン−ジブロモシクロヘキサノン等);ハロゲン化エーテル化合物(例えば2−ブロモエチルメチルエーテル、2−ブロモエチルエチルエーテル、ジ(2−ブロモエチル)エーテル、1,2−ジクロロエチルエチルエーテル等);ハロゲン化エステル化合物(例えば、酢酸ブロモエチル、トリクロロ酢酸エチル、トリクロロ酢酸トリクロロエチル、2,3−ジブロモプロピルアクリレートのホモポリマー及び共重合体、ジブロモプロピオン酸トリクロロエチル、α,β−ジグロロアクリル酸エチル等);ハロゲン化アミド化合物(例えば、クロロアセトアミド、ブロモアセトアミド、ジクロロアセトアミド、トリクロロアセトアミド、トリブロモアセトアミド、トリクロロエチルトリクロロアセトアミド、2−ブロモイソプロピオンアミド、2,2,2−トリクロロプロピオンアミド、N−クロロスクシンイミド、N−ブロモスクシンイミドなど);硫黄やリンを有する化合物(例えば、トリブロモメチルフェニルスルホン、4−ニトロフェニルトリブロモメチルスルホン、4−クロルフェニルトリブロモメチルスルホン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)ホスフェート等)、2,4−ビス(トリクロロメチル)6−フェニルトリアゾールなどが挙げられる。有機ハロゲン化合物では、同一炭素原子に結合した2個以上のハロゲン原子を持つハロゲン化合物が好ましく、1個の炭素原子に3個のハロゲン原子を持つハロゲン化合物がより好ましい。前記有機ハロゲン化合物は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トリブロモメチルフェニルスルホン、2,4−ビス(トリクロロメチル)−6−フェニルトリアゾールが好ましい。
前記発色剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.01〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%がより好ましく、0.1〜5質量%が特に好ましい。また、前記ハロゲン化合物の含有量としては、前記感光層の全成分に対し0.001〜5質量%が好ましく、0.005〜1質量%がより好ましい。
−−着色剤−−
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、赤色、緑色、青色、黄色、紫色、マゼンタ色、シアン色、黒色等の公知の顔料又は染料が挙げられ、具体的には、ビクトリア・ピュアーブルーBO(C.I.42595)、オーラミン(C.I.41000)、ファット・ブラックHB(C.I.26150)、モノライト・エローGT(C.I.ピグメントエロー12)、パーマネント・エローGR(C.I.ピグメント・エロー17)、パーマネント・エローHR(C.I.ピグメント・エロー83)、パーマネント・カーミンFBB(C.I.ピグメント・レッド146)、ホスターバームレッドESB(C.I.ピグメント・バイオレット19)、パーマネント・ルビーFBH(C.I.ピグメント・レッド11)、ファステル・ピンクBスプラ(C.I.ピグメント・レッド81)、モナストラル・ファースト・ブルー(C.I.ピグメント・ブルー15)、モノライト・ファースト・ブラックB(C.I.ピグメント・ブラック1)、カーボンブラックが挙げられる。
また、カラーフィルタの作製に好適な前記着色剤として、例えば、C.I.ピグメント・レッド97、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド168、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド180、C.I.ピグメント・レッド192、C.I.ピグメント・レッド215、C.I.ピグメント・グリーン7、C.I.ピグメント・グリーン36、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー15:6、C.I.ピグメント・ブルー22、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・ブルー64、C.I.ピグメントイエロー139、C.I.ピグメントイエロー83、C.I.ピグメントバイオレット23、特開2002−162752号公報の段落番号0138〜0141に記載のもの等が挙げられる。前記着色剤の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5μm以下が好ましく、1μm以下がより好ましい。また、カラーフィルタを作製する場合は、前記平均粒子径として、0.5μm以下が好ましい。
−−染料−−
前記感光層には、取り扱い性の向上のために感光性樹脂組成物を着色し、又は保存安定性を付与する目的に、染料を用いることができる。
前記染料としては、ブリリアントグリーン(例えば、その硫酸塩)、エオシン、エチルバイオレット、エリスロシンB、メチルグリーン、クリスタルバイオレット、ベイシックフクシン、フェノールフタレイン、1,3−ジフェニルトリアジン、アリザリンレッドS、チモールフタレイン、メチルバイオレット2B、キナルジンレッド、ローズベンガル、メタニル−イエロー、チモールスルホフタレイン、キシレノールブルー、メチルオレンジ、オレンジIV、ジフェニルチロカルバゾン、2,7−ジクロロフルオレセイン、パラメチルレッド、コンゴーレッド、ベンゾプルプリン4B、α−ナフチル−レッド、ナイルブルーA、フェナセタリン、メチルバイオレット、マラカイトグリーン、パラフクシン、オイルブルー#603(オリエント化学工業社製)、ローダミンB、ロータミン6G、ビクトリアピュアブルーBOHなどを挙げることができ、これらの中でもカチオン染料(例えば、マラカイトグリーンシュウ酸塩、マラカイトグリーン硫酸塩等)が好ましい。該カチオン染料の対アニオンとしては、有機酸又は無機酸の残基であればよく、例えば、臭素酸、ヨウ素酸、硫酸、リン酸、シュウ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の残基(アニオン)などが挙げられる。
前記染料の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.001〜10質量%が好ましく、0.01〜5質量%がより好ましく、0.1〜2質量%が特に好ましい。
−−密着促進剤−−
各層間の密着性、又はパターン形成材料と基体との密着性を向上させるために、各層に公知のいわゆる密着促進剤を用いることができる。
前記密着促進剤としては、例えば、特開平5−11439号公報、特開平5−341532号公報、及び特開平6−43638号公報等に記載の密着促進剤が好適挙げられる。具体的には、ベンズイミダゾール、ベンズオキサゾール、ベンズチアゾール、2−メルカプトベンズイミダゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、2−メルカプトベンズチアゾール、3−モルホリノメチル−1−フェニル−トリアゾール−2−チオン、3−モルホリノメチル−5−フェニル−オキサジアゾール−2−チオン、5−アミノ−3−モルホリノメチル−チアジアゾール−2−チオン、及び2−メルカプト−5−メチルチオ−チアジアゾール、トリアゾール、テトラゾール、ベンゾトリアゾール、カルボキシベンゾトリアゾール、アミノ基含有ベンゾトリアゾール、シランカップリング剤などが挙げられる。
前記密着促進剤の含有量としては、前記感光層の全成分に対して0.001質量%〜20質量%が好ましく、0.01〜10質量%がより好ましく、0.1質量%〜5質量%が特に好ましい。
前記感光層は、例えば、J.コーサー著「ライトセンシテイブシステムズ」第5章に記載されているような有機硫黄化合物、過酸化物、レドックス系化合物、アゾ又はジアゾ化合物、光還元性色素、有機ハロゲン化合物などを含んでいてもよい。
前記有機硫黄化合物としては、例えば、ジ−n−ブチルジサルファイド、ジベンジルジサルファイド、2−メルカプロベンズチアゾール、2−メルカプトベンズオキサゾール、チオフェノール、エチルトリクロロメタンスルフェネート、2−メルカプトベンズイミダゾールなどが挙げられる。
前記過酸化物としては、例えば、ジ−t−ブチルパーオキサイド、過酸化ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイドを挙げることができる。
前記レドックス化合物は、過酸化物と還元剤の組合せからなるものであり、第一鉄イオンと過硫酸イオン、第二鉄イオンと過酸化物などを挙げることができる。
前記アゾ及びジアゾ化合物としては、例えば、α,α’−アゾビスイリブチロニトリル、2−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、4−アミノジフェニルアミンのジアゾニウム類が挙げられる。
前記光還元性色素としては、例えば、ローズベンガル、エリスロシン、エオシン、アクリフラビン、リポフラビン、チオニンが挙げられる。
−−界面活性剤−−
本発明の前記パターン形成材料を製造する際に発生する面状ムラを改善させるために、公知の界面活性剤を添加することができる。
前記界面活性剤としては、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、両性界面活性剤、フッ素含有界面活性剤などから適宜選択できる。
前記界面活性剤の含有量としては、感光性樹脂組成物の固形分に対し、0.001〜10質量%が好ましい。
前記含有量が、0.001質量%未満になると、面状改良の効果が得られなくことがあり、10質量%を超えると、密着性が低下することがある。
前記界面活性剤としては、上述の界面活性剤の他、フッ素系の界面活性剤として、炭素鎖3〜20でフッ素原子を40質量%以上含み、かつ、非結合末端から数えて少なくとも3個の炭素原子に結合した水素原子がフッ素置換されているフルオロ脂肪族基を有するアクリレート又はメタクリレートを共重合成分として有する高分子界面活性剤も好適に挙げられる。
前記感光層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜10μmが好ましい。
(バリアー層)
本発明のパターン形成材料としては、前記第一感光層と、前記第二感光層との間にバリアー層を配置していることが好ましい。前記バリアー層は、前記感光層と、前記支持体と、前記保護フィルムとに含まれる物質の移行防止又は移行の抑制と、酸素、湿度などの外的影響を防止又は抑制する役割等とを有する。例えば、前記バリアー層の設置は、各感光層の成分が、他の層に移行して、感度や膜物性が変化させてしまうのを防ぐなどの効果がある。
前記バリアー層は、物質の移動を抑制可能である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、水溶性乃至水分散性であってもよく、アルカリ性液に対して可溶性であってもよく、不溶性であってもよい。なお、前記物質の移動を抑制可能とは、前記バリアー層を有しない場合と比較して、前記バリアー層と隣接する層における目的物質の含有量の増加又は減少が、抑制されていることを意味する。
前記物質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、酸素、水、前記感光層及びクッション層の少なくともいずれかに含まれる物質が挙げられる。
前記バリアー層が、水溶性乃至水分散性である場合には、水溶性乃至水分散性の樹脂を含むことが好ましく、アルカリ性液に対して可溶性である場合には、アルカリ性液に対して可溶性の樹脂を含むことが好ましい。なお、前記水溶性の程度としては、例えば、25℃の水に対し、0.1質量%以上溶解するものが好ましく、1質量%以上溶解するものがより好ましい。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各種のアルコール可溶性樹脂、水溶性樹脂、アルコール分散性樹脂、水分散性樹脂、乳化性樹脂、アルカリ性液に対して可溶性の樹脂などが挙げられ、具体的には、ビニル重合体(例えば、ポリビニルアルコール(変性ポリビニルアルコール類も含む)、ポリビニルピロリドン等)、上述のビニル共重合体、水溶性ポリアミド、ゼラチン、セルロース、これらの誘導体などが挙げられる。また、特許2794242号に記載の熱可塑性樹脂や中間層に使用されている化合物、前記バインダーなどを使用することもできる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記バリアー層が、アルカリ性液に対して不溶性である場合には、アルカリ性液に対して不溶性の樹脂を含むことが好ましい。
前記アルカリ性液に対して不溶性の樹脂としては、例えば、主成分がエチレンを必須の共重合成分とする共重合体が挙げられる。
前記エチレンを必須の共重合成分とする共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などが挙げられる。
前記バリアー層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、10μm未満が好ましく、0.1〜6μmがより好ましく、1〜5μmが特に好ましい。
前記厚みが、10μm以上となると、露光の際、前記バリアー層で光散乱が生じ、解像度及び密着性の少なくともいずれかが悪化することがある。
(パターン形成材料の製造方法)
本発明のパターン形成材料の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前述の各種材料を、水または溶剤に溶解、乳化または分散させて、前記第一感光層形成用の前記第一感光性樹脂組成物溶液と、前記第二感光層形成用の第二感光性樹脂組成物溶液をそれぞれ調製する。またバリアー層を有する場合にはバリアー層形成用の溶液を調製する。
前記第一感光性樹脂組成物溶液、及び前記第二感光性樹脂組成物溶液の溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−ブタノール、n−ヘキサノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸−n−アミル、硫酸メチル、プロピオン酸エチル、フタル酸ジメチル、安息香酸エチル、及びメトキシプロピルアセテートなどのエステル類;トルエン、キシレン、ベンゼン、エチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;四塩化炭素、トリクロロエチレン、クロロホルム、1,1,1−トリクロロエタン、塩化メチレン、モノクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノールなどのエーテル類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホオキサイド、スルホランなどを挙げることができ、これらは混合して用いてもよい。前記第一感光性樹脂組成物溶液、及び前記第二感光性樹脂組成物溶液には、公知の界面活性剤を添加してもよい。
前記バリアー層形成用のポリマー溶液の溶剤には、感光層と同様の塗布溶媒を用いてもよく、水、あるいは水と溶剤との混合溶剤を用いることができる。溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール等のアルコール類などの前記親水性溶媒などを用いることができる。溶剤の使用は、固形分10%〜90%の塗布液になるように用いるのが好ましい。
次に、前記第一感光性樹脂組成物の溶液を前記支持体の上に塗布し、乾燥することにより前記第一感光層を形成する。前記バリアー層を有する場合には、前記バリアー層形成用の塗布液を、前記第一感光層の上に塗布、乾燥する。その上に前記第二感光性樹脂組成物の溶液を塗布し、乾燥することにより、前記第二感光層を形成する。重層する際の塗布は、前述のように逐次塗布してもよいし、同時に重層で塗布してもよい。感光性樹脂組成物溶液の塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法、スリットコート法、エクストルージョンコート法、カーテンコート法、ダイコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、及びナイフコート法等が挙げられる。乾燥の条件としては、各成分、溶媒の種類、使用割合等によっても異なるが、通常60〜110℃の温度で30秒間〜15分間程度である。
前記感光層が二層よりも多い場合でも、同様の操作を繰り返すことによって、所望のパターン形成材料を製造することができる。感光層を二層以上とすることで、感光層の厚みの総和を10μm〜1mmの範囲にすることも可能である。
<支持体及び保護フィルム>
前記支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記感光層を剥離可能であり、かつ光の透過性が良好であるものが好ましく、更に表面の平滑性が良好であることがより好ましい。
前記支持体は、合成樹脂製で、かつ透明であるものが好ましく、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、三酢酸セルロース、二酢酸セルロース、ポリ(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ポリ(メタ)アクリル酸エステル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリスチレン、セロファン、ポリ塩化ビニリデン共重合体、ポリアミド、ポリイミド、塩化ビニル・酢酸ビニル共重合体、ポリテトラフロロエチレン、ポリトリフロロエチレン、セルロース系フィルム、ナイロンフィルム等の各種のプラスチックフィルムが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前記支持体の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2〜150μmが好ましく、5〜100μmがより好ましく、8〜50μmが特に好ましい。
前記支持体の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、長尺状が好ましい。前記長尺状の支持体の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10m〜20000mの長さのものが挙げられる。
前記パターン形成材料は、前記感光層上に保護フィルムを形成してもよい。
前記保護フィルムとしては、例えば、前記支持体に使用されるもの、紙、ポリエチレン、ポリプロピレンがラミネートされた紙、などが挙げられ、これらの中でも、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルムが好ましい。
前記保護フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜100μmが好ましく、8〜50μmがより好ましく、10〜30μmが特に好ましい。
前記保護フィルムを用いる場合、該保護フィルムと前記感光層との層間接着力(以下、「層間接着力D」が、前記層間接着力Aよりも小さくなることが好ましい。
前記支持体と保護フィルムとの組合せ(支持体/保護フィルム)としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリ塩化ビニル/セロフアン、ポリイミド/ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンテレフタレートなどが挙げられる。また、支持体及び保護フィルムの少なくともいずれかを表面処理することにより、上述のような接着力の関係を満たすことができる。前記支持体の表面処理は、前記感光層との接着力を高めるために施されてもよく、例えば、下塗層の塗設、コロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処理、高周波照射処理、グロー放電照射処理、活性プラズマ照射処理、レーザ光線照射処理などを挙げることができる。
また、前記支持体と前記保護フィルムとの静摩擦係数としては、0.3〜1.4が好ましく、0.5〜1.2がより好ましい。
前記静摩擦係数が、0.3未満であると、滑り過ぎるため、ロール状にした場合に巻ズレが発生することがあり、1.4を超えると、良好なロール状に巻くことが困難となることがある。
前記パターン形成材料は、例えば、円筒状の巻芯に巻き取って、長尺状でロール状に巻かれて保管されることが好ましい。前記長尺状のパターン形成材料の長さとしては、特に制限はなく、例えば、10m〜20,000mの範囲から適宜選択することができる。また、ユーザーが使いやすいようにスリット加工し、100m〜1,000mの範囲の長尺体をロール状にしてもよい。
なお、この場合には、前記支持体が一番外側になるように巻き取られることが好ましい。また、前記ロール状のパターン形成材料をシート状にスリットしてもよい。保管の際、端面の保護、エッジフュージョンを防止する観点から、端面にはセパレーター(特に防湿性のもの、乾燥剤入りのもの)を設置することが好ましく、また梱包も透湿性の低い素材を用いる事が好ましい。
前記保護フィルムは表面処理してもよく、表面処理としては、保護フィルムと感光層との接着性を調整するためならば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、保護フィルムの表面に、ポリオルガノシロキサン、弗素化ポリオレフィン、ポリフルオロエチレン、及びポリビニルアルコール等のポリマーからなる下塗層を設ける。下塗層の形成は、上記ポリマーの塗布液を保護フィルムの表面に塗布した後、30〜150℃(特に50〜120℃)で1〜30分間乾燥することにより一般に行われる。また、感光層、バリアー層、支持体、保護フィルムの他にクッション層、剥離層、接着層、光吸収層、表面保護層などの層を有してもよい。
−−クッション層−−
前記クッション層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、熱可塑性樹脂を含むものが好ましい。
また、前記クッション層は、アルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性であってもよく、不溶性であってもよい。
前記クッション層がアルカリ性液に対して膨潤性乃至可溶性である場合には、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、エチレンとアクリル酸エステル共重合体のケン化物、スチレンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ビニルトルエンと(メタ)アクリル酸エステル共重合体のケン化物、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸ブチルと酢酸ビニル等の(メタ)アクリル酸エステル共重合体等のケン化物、(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体、スチレンと(メタ)アクリル酸エステルと(メタ)アクリル酸との共重合体などが挙げられる。
この場合の熱可塑性樹脂の軟化点(Vicat)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、80℃以下が好ましい。
前記軟化点が80℃以下の熱可塑性樹脂としては、上述した熱可塑性樹脂の他、「プラスチック性能便覧」(日本プラスチック工業連盟、全日本プラスチック成形工業連合会編著、工業調査会発行、1968年10月25日発行)による軟化点が約80℃以下の有機高分子の内、アルカリ性液に可溶なものが挙げられる。また、軟化点が80℃以上の有機高分子物質においても、該有機高分子物質中に該有機高分子物質と相溶性のある各種の可塑剤を添加して実質的な軟化点を80℃以下に下げることも可能である。
前記クッション層がアルカリ性液に対して不溶性である場合には、前記熱可塑性樹脂としては、例えば、主成分がエチレンを必須の共重合成分とする共重合体が挙げられる。
前記エチレンを必須の共重合成分とする共重合体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体(EEA)などが挙げられる。
前記クッション層の厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、5〜50μmが好ましく、10〜50μmがより好ましく、15〜40μmが特に好ましい。
前記厚みが、5μm未満になると、基体の表面における凹凸や、気泡等への凹凸追従性が低下し、高精細な永久パターンを形成できないことがあり、50μmを超えると、製造上の乾燥負荷増大等の不具合が生じることがある。
(基体)
本発明のパターン形成材料を転写する基体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、板状の基体、いわゆる基板が好ましく、公知のプリント配線板製造用の基板、ガラス板(ソーダガラス板など)、合成樹脂性のフィルム、紙、金属板などが挙げられる。
前記基体上に、前記バインダー、前記重合性化合物、及び前記光重合開始剤を含む前記感光性樹脂組成物を含む前記第二感光層と、前記バインダー、前記重合性化合物、及び前記光重合開始剤を含む前記感光性樹脂組成物からなり、前記第二感光層の光感度よりも低い光感度を有する前記第一感光層とが、この順に積層されてなる感光性積層体を形成し、さらに、前記第一感光層と、前記第二感光層との間に前記バリアー層が配置されている感光性積層体を形成することが好ましい。
本発明のパターン形成材料としては、前記プリント配線板、前記カラーフィルタ、前記柱材、前記リブ材、前記スペーサー、前記隔壁などの前記ディスプレイ用部材、前記印刷版、前記ホログラム、前記マイクロマシン、前記プルーフなどの各種の画像形成材料、前記パターン形成材料などとして広く利用することが可能である。このなかでも、前記プリント配線板、前記ディスプレイ部材への応用が好ましく、前記プリント配線板への応用が特に好ましい。
(パターン形成方法及びパターン形成装置)
本発明のパターン形成方法は、本発明のパターン形成材料を用いて、(1)基板上に、前記第二感光層が、前記基板側となる前記積層体を作製する工程と、(2)前記積層体の前記第一感光層の側から、所定の画像パターンの光照射を行い、前記光照射を受けた領域の、第一感光層と、第二感光層とを共に硬化させる工程と、(3)積層体から支持体を除去する工程と、(4)積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程とを含み、基板上に、第一感光層と、第二感光層とを共に硬化することにより形成された硬化樹脂が存在する領域と、硬化樹脂が存在しない領域とを有する画像パターンを形成する方法により、所望のパターンを形成することが可能である。
また、本発明のパターン形成方法は、本発明のパターン形成材料を用いて、(1)前記基板上に、前記第二感光層が、前記基板側となる前記積層体を作製する工程と、(2)前記積層体の前記第一感光層の側から、互いに相違する、少なくとも二つのレベル以上の光照射エネルギー量の光を照射する領域を規定する、画像パターンで光照射し、前記光照射エネルギー量が、相対的に大きい光照射を受けた領域の前記第一感光層と、前記第二感光層とを共に硬化させ、前記光照射エネルギー量が相対的に小さい光照射を受けた領域の、前記第二感光層を硬化させる工程と、(3)前記積層体から前記支持体を除去する工程と、(4)前記積層体を現像して、積層体中の未硬化部分を除去する工程とを含み、前記基板上に、前記第一感光層と、前記第二感光層とが共に硬化することにより形成された樹脂が存在する領域と、前記第二感光層が、硬化することにより形成された樹脂が存在する領域と、硬化樹脂が存在しない領域とからなる画像パターンを形成する方法により、所望のパターンを形成することも可能である。
ただし、上記の方法において、前記(3)の工程を、前記(2)の工程と、前記(4)の工程との間で行う代わりに、前記(1)の工程と、前記(2)の工程との間で行ってもよい。
前記(2)の工程における光照射の光源としては、前記支持体を介して光照射を行う場合おいて、前記支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始剤や増感剤を活性化する電磁波の波長としては、特に制限はなく、目的において適宜選択することができ、300〜1500nmが好ましく、320〜800nmがより好ましく、330nm〜650nmが特に好ましい。
光源としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、半導体レーザが挙げられる。電子線あるいはX線などを用いてもよい。また、前記支持体を剥離してから前記光照射を行う場合でも、同様の光源を用いることができる。このなかでも、光照射がレーザ光の照射に行われることが好ましく、レーザの波長としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、200〜1500nmが好ましく、300〜800nmがより好ましく、370nm〜650nmが特に好ましく、400nm〜450nmが一番好ましい。
(プリント配線板の製造方法)
本発明のパターン形成材料は、プリント配線板の製造、特にスルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造に好適に用いることができる。
本発明のパターン形成方法は、本発明のパターン形成材料を用いて、(1)前記基板上に、前記第二感光層が、前記基板側となる前記積層体を作製する工程と、(2)前記積層体の第一感光層の側から、所定の配線パターンの前記光照射を行い、前記光照射を受けた領域の前記第一感光層と、前記第二感光層とを共に硬化させる工程と、(3)積層体から支持体を除去する工程と、(4)前記積層体を現像して、前記積層体中の未硬化部分を除去する工程とを含み、前記プリント配線板形成用基板上に、前記第一感光層と、前記第二感光層とが共に硬化することにより形成された硬化樹脂で被覆されている領域と、基板表面が露出している領域とからなる配線パターンを形成する方法により、所望のパターンを形成することが可能である。
また、本発明のパターン形成方法は、本発明のパターン形成材料を用いて、(1)前記基板上に、前記第二感光層が、前記基板側となる前記積層体を作製する工程と、(2)前記積層体の前記第一感光層の側から、ホール部には、光照射エネルギー量が相対的に大きい光照射を与えて、前記第一感光層と、前記第二感光層とを共に硬化させ、配線形成領域には、光照射エネルギー量が、相対的に小さい前記光照射を与えて、前記第二感光層を硬化させるような画像パターンの光照射を行う工程と、(3)積層体から支持体を除去する工程と、(4)前記積層体を現像して、前記積層体中の未硬化部分を除去する工程とを含み、前記ホール部を有する前記プリント配線板形成用基板上に、前記第一感光層と、前記第二感光層が共に硬化することにより形成された硬化樹脂で被覆されている前記ホール部と、前記第二感光層が、硬化することにより形成された硬化樹脂で被覆されている領域と、そして基板表面が露出している領域とからなる配線パターンを形成する方法により、所望のパターンを形成することも可能である。
上記の方法において、前記(3)の工程を、前記(2)の工程と、前記(4)との間で行う代わりに、前記(1)工程と、前記(2)工程との間で行ってもよい。
前記(2)の工程における光照射の光源としては、前記支持体を介して光照射を行う場合では、前記支持体を透過し、かつ前記と同様な光源が用いられる。前記光源としては、前記レーザ光の照射により行うことが好ましい。
次に、プリント配線板の処理としては、前記配線パターンが形成された前記プリント配線板形成用基板を、エッチングもしくはめっきする工程を行う方法、例えば、公知のサブトラクティブ法またはアディティブ法(セミアディティブ法、フルアディティブ法)で処理すればよい。本発明の、工業的に有利なテンティングでプリント配線板を形成する目的のためにはエッチングによるサブトラクティブ法を用いるのが好ましい。上記処理後プリント配線板形成用基板に残存する硬化樹脂は剥離すればよく、また、セミアディティブ法の場合は、剥離後さらに銅薄膜部をエッチングすればよく、所望のプリント配線板を形成できる。また、多層プリント配線板も、前記プリント配線板の製造法と同様に製造が可能である。
次に、本発明のパターン形成材料を用いた前記スルーホールを有するプリント配線板の製造方法について、添付図面の図11を参照しながら説明する。なお、図11は、図2に示した前記パターン形成材料、あるいは図4に示したパターン形成材料を用いる場合を想定しているが、図1又は図3に示したパターン形成材料を用いる場合において、前記バリアー層513を含まないこと以外は同様である。
まず、図11(A)に示すように、スルーホール522を有し、表面が金属めっき層523で覆われたプリント配線板製造用基板521を用意する。前記プリント配線板製造用基板521としては、銅張積層基板及びガラス−エポキシなどの絶縁基材に銅めっき層を形成した基板、又はこれらの基板に層間絶縁膜を積層し、銅めっき層を形成した基板(積層基板)を用いることができる。
次に、図11(B)に示すように、パターン形成材料510が、前記保護フィルムを有する場合には、前記保護フィルムを剥離して、第二感光層514が、前記プリント配線板形成用基板521の表面に接する様にして、加圧ローラ531を用いて圧着する(積層工程)。これにより、前記プリント配線板形成用基板521と、前記第二感光層514と、バリアー層513と、第一感光層512と、支持体511とをこの順で積層した積層体が得られる。前記パターン形成材料の積層としては、室温(15〜30℃)あるいは加熱下(30〜180℃)が好ましく、60〜140℃が特に好ましい。圧着ロールのロール圧としては、1〜10kg/cm2が好ましい。圧着速度としては、1〜3m/分が好ましい。また、前記プリント配線板形成用基板521を予備加熱しておいてもよく、減圧下で積層してもよい。
前記パターン形成材料を用いる代わりに、パターン形成材料製造用の前記第二感光性樹脂組成物溶液と、バリアー層溶液と、第一感光性樹脂組成物溶液とをこの順にプリント配線板形成用基板の表面に直接塗布し、乾燥することによって、前記プリント配線板形成用基板と、前記第二感光層と、前記バリアー層と、前記第一感光層とをこの順で積層した前記積層体を得ることもできる。
次に、前記図11(C)に示すように、前記支持体511側の面から光を照射して、前記感光層を硬化させる。なお、この際、必要に応じて(例えば支持体の光透過性が不十分な場合など)支持体を剥離してから前記光照射を行ってもよい。前記プリント配線板形成用基板521の配線パターン形成領域に、前記第二感光層514を硬化させるために必要な光エネルギー量の光を所定のパターン状に照射して、配線パターン形成用の硬化層516の領域を形成する(配線部露光工程)。前記プリント配線板形成用基板の前記スルーホール522の開口部及びその周囲には、前記第一感光層512と、前記第二感光層514とをそれぞれ硬化させるために必要な光エネルギー量の光を照射して、スルーホールの金属層保護用硬化層517の領域を形成する(ホール部露光工程)。
前記配線部露光工程と、前記ホール部露光工程とは、それぞれ別に行ってもよいし、同時に行ってもよい。前記露光は、フォトマスクを介して光を照射することにより行うか、レーザ露光装置を用いてレーザー光を照射することにより行う。後者のレーザ露光装置を用いる方法は、高価なマスクを使用せずにパターン形成が可能なので、前記マスクに起因する工程上の問題が無くなることから、少量多品種の製品の製造などに好ましい。
前記フォトマスクを介して光を照射する場合には、配線パターン形成用の硬化層516の領域形成用のフォトマスクを介して、第二感光層のみを硬化させる光エネルギー量を照射し、前記スルーホールの金属層保護用の硬化層517の領域形成用のフォトマスクを介して前記第二感光層と、前記第一感光層の両層を硬化させる光エネルギー量を照射する様に露光を2回行う方法も利用できる。また、前記配線パターン形成用の硬化層516の領域部に対応する光透過率が低く、前記スルーホールの金属層保護用の硬化層517の領域部に対応する光透過率が高くなるように作製されたフォトマスクを用いて、一括露光を行うこともできる。一方、レーザ露光装置を用いてレーザ光を照射する場合としては、それぞれの必要な領域で光照射量を変更しながら走査露光を行うことが好ましい。
支持体を未だ剥離していない場合には、図11(D)に示すように、前記積層体から、前記支持体511を剥がす(支持体剥離工程)。
次に、図11(E)に示すように、前記プリント配線板形成用基板521上の前記第一感光層512と、前記バリアー層513及び前記第二感光層514の未硬化領域とを、適当な現像液にて溶解除去して、前記配線パターン形成用の硬化層516と、前記スルーホールの金属層保護用硬化層517のパターンとを形成し、基板表面の金属層523を露出させる(現像工程)。現像液としては、アルカリ水溶液、水系現像液、有機溶剤など感光性樹脂組成物に対応したものが挙げられる。
前記現像液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、弱アルカリ水溶液が好ましく、前記弱アルカリ水溶液の塩基成分としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸カリウム、硼砂などが挙げられる。
また、現像に用いる前記弱アルカリ水溶液のpHとしては、約8〜12が好ましく、約9〜11が特に好ましい。
具体的には、0.1〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液などが挙げられる。また、前記現像液の温度は、前記感光層の現像性に合わせて調整することでき、約25℃〜40℃が好ましい。
前記現像液には。界面活性剤、消泡剤、有機塩基(例えばエチレンジアミン、エタノールアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ジエチレントリアミン、トリエチレンペンタミン、モルホリン、トリエタノールアミン等)や現像を促進させるため有機溶剤(アルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類、アミド類、ラクトン類など)を併用してもよい。前記現像液は、水又はアルカリ水溶液と有機溶剤を混合した水系現像液を用いてもよく、有機溶剤単独で用いてもよい。
また、現像後に必要に応じて後加熱処理や後露光処理によって、硬化部の硬化反応を更に促進させる処理を行ってもよい。現像は上記のようなウエット現像法でもよいし、ドライ現像法で行ってもよい。
次いで、図11(F)に示すように、基板表面の露出した金属層523をエッチング液で溶解除去する(エッチング工程)。前記スルーホール522の開口部は、前記硬化樹脂組成物(テント膜)517で覆われているので、前記エッチング液が、前記スルーホール内に入り込んで、前記スルーホール内の金属めっきを腐食することなく、前記スルーホールの金属めっきは所定の形状で残ることになる。また、前記配線パターン形成領域は、前記配線パターン形成用の硬化層516で覆われているので、前記エッチング液が、前記配線パターン形成領域の金属めっきを腐食することがない。これにより、前記プリント配線板形成用基板521に配線パターン524が形成される。
前記金属層523が銅で形成されている場合において、前記エッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも特に塩化第二鉄溶液がエッチングファクターの点から好ましい。
次に、図11(G)に示すように、強アルカリ水溶液等にて、前記硬化層516、517を剥離片518として、前記プリント配線板形成用基板から除去する(硬化物除去工程)。
前記強アルカリ水溶液の塩基成分としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。また、用いる強アルカリ水溶液のpHは約12〜14、特に約13〜14とすることが好ましい。具体的には、1〜10質量%の水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液などを用いることができる。
また、前記プリント配線板は多層構成のプリント配線板でもよい。また本発明のパターン形成材料は、前記エッチングプロセスのみでなく、めっきプロセスに使用してもよい。前記めっき法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、硫酸銅めっき、ピロリン酸銅めっきなどの銅めっき、ハイスローはんだめっきなどのはんだめっき、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)めっき、スルファミン酸ニッケルなどのニッケルめっき、ハード金めっき、ソフト金めっきなどの金めっきなどが挙げられる。
また、本発明のパターン形成方法は、下記の露光工程を少なくとも含む。
[露光工程]
本発明のパターン形成方法は、下記の露光工程を少なくとも含む。前記露光工程は、本発明のパターン形成材料における感光層に対し、露光を行う工程である。本発明の前記パターン形成材料については上述の通りである。
前記露光の対象としては、前記パターン形成材料における感光層である限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、基体上に前記パターン形成材料を形成してなる積層体に対して行われることが好ましい。
前記積層体の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記基体上に前記パターン形成材料を加熱及び加圧の少なくともいずれかを行いながら積層することが好ましい。
前記加熱温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、15〜180℃が好ましく、60〜140℃がより好ましい。
前記加圧の圧力としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1〜1.0MPaが好ましく、0.2〜0.8MPaがより好ましい。
前記加熱及び加圧の少なくともいずれかを行う装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ラミネーター(例えば、大成ラミネータ社製、VP−II)、真空ラミネーターなどが好適に挙げられる。
前記積層体への露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記支持体、前記クッション層及び前記バリアー層を介して前記感光層を露光してもよく、前記支持体、前記クッション層及び前記バリアー層を剥離した後、前記感光層を露光してもよい。
前記露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、デジタル露光、アナログ露光等が挙げられるが、これらの中でもデジタル露光が好ましい。
前記デジタル露光としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、形成するパターン形成情報に基づいて制御信号を生成し、該制御信号に応じて変調させた光を用いて行うことが好ましい。
前記デジタル露光の手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、光を照射する光照射手段、形成するパターン情報に基づいて該光照射手段から照射される光を変調させる光変調手段などが挙げられる。
<光変調手段>
前記光変調手段としては、光を変調することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、n個の描素部を有することが好ましい。
前記n個の描素部を有する光変調手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、空間光変調素子が好ましい。
前記空間光変調素子としては、例えば、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)、MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)タイプの空間光変調素子(SLM;Special Light Modulator)、電気光学効果により透過光を変調する光学素子(PLZT素子)、液晶光シャッタ(FLC)などが挙げられ、これらの中でもDMDが好適に挙げられる。
また、前記光変調手段は、形成するパターン情報に基づいて制御信号を生成するパターン信号生成手段を有することが好ましい。この場合、前記光変調手段は、前記パターン信号生成手段が生成した制御信号に応じて光を変調させる。
前記制御信号としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、デジタル信号が好適に挙げられる。
以下、前記光変調手段の一例について図面を参照しながら説明する。 DMD50は図12に示すように、SRAMセル(メモリセル)60上に、各々描素(ピクセル)を構成する多数(例えば、1024個×768個)の微小ミラー(マイクロミラー)62が格子状に配列されてなるミラーデバイスである。各ピクセルにおいて、最上部には支柱に支えられたマイクロミラー62が設けられており、マイクロミラー62の表面にはアルミニウム等の反射率の高い材料が蒸着されている。なお、マイクロミラー62の反射率は90%以上であり、その配列ピッチは縦方向、横方向とも一例として13.7μmである。また、マイクロミラー62の直下には、ヒンジおよびヨークを含む支柱を介して通常の半導体メモリの製造ラインで製造されるシリコンゲートのCMOSのSRAMセル60が配置されており、全体はモノリシックに構成されている。
DMD50のSRAMセル60にデジタル信号が書き込まれると、支柱に支えられたマイクロミラー62が、対角線を中心としてDMD50が配置された基板側に対して±α度(例えば±12度)の範囲で傾けられる。図13(A)は、マイクロミラー62がオン状態である+α度に傾いた状態を示し、図13(B)は、マイクロミラー62がオフ状態である−α度に傾いた状態を示す。したがって、パターン情報に応じて、DMD50の各ピクセルにおけるマイクロミラー62の傾きを、図13に示すように制御することによって、DMD50に入射したレーザ光Bはそれぞれのマイクロミラー62の傾き方向へ反射される。
なお、図12には、DMD50の一部を拡大し、マイクロミラー62が+α度又は−α度に制御されている状態の一例を示す。それぞれのマイクロミラー62のオンオフ制御は、DMD50に接続された前記コントローラ302によって行われる。また、オフ状態のマイクロミラー62で反射したレーザ光Bが進行する方向には、光吸収体(図示せず)が配置されている。
また、DMD50は、その短辺が副走査方向と所定角度θ(例えば、0.1°〜5°)を成すように僅かに傾斜させて配置するのが好ましい。図14(A)はDMD50を傾斜させない場合の各マイクロミラーによる反射光像(露光ビーム)53の走査軌跡を示し、図14(B)はDMD50を傾斜させた場合の露光ビーム53の走査軌跡を示している。
DMD50には、長手方向にマイクロミラーが多数個(例えば、1024個)配列されたマイクロミラー列が、短手方向に多数組(例えば、756組)配列されているが、図14(B)に示すように、DMD50を傾斜させることにより、各マイクロミラーによる露光ビーム53の走査軌跡(走査線)のピッチPが、DMD50を傾斜させない場合の走査線のピッチPより狭くなり、解像度を大幅に向上させることができる。一方、DMD50の傾斜角は微小であるので、DMD50を傾斜させた場合の走査幅Wと、DMD50を傾斜させない場合の走査幅Wとは略同一である。
次に、前記光変調手段における変調速度を速くさせる方法(以下「高速変調」と称する)について説明する。
前記光変調手段は、前記n個の描素の中から連続的に配置された任意のn個未満の前記描素部をパターン情報に応じて制御可能であることが好ましい。前記光変調手段のデータ処理速度には限界があり、使用する描素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、連続的に配列された任意のn個未満の描素部だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。
以下、前記高速変調について図面を参照しながら更に説明する。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光Bが照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58によりパターン形成材料150上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が描素毎にオンオフされて、パターン形成材料150がDMD50の使用描素数と略同数の描素単位(露光エリア168)で露光される。また、パターン形成材料150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、パターン形成材料150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
なお本例では、図15(A)及び(B)に示すように、DMD50には、主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が副走査方向に768組配列されているが、本例では、コントローラ302により一部のマイクロミラー列(例えば、1024個×256列)だけが駆動するように制御がなされる。
この場合、図15(A)に示すようにDMD50の中央部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよく、図15(B)に示すように、DMD50の端部に配置されたマイクロミラー列を使用してもよい。また、一部のマイクロミラーに欠陥が発生した場合は、欠陥が発生していないマイクロミラー列を使用するなど、状況に応じて使用するマイクロミラー列を適宜変更してもよい。
DMD50のデータ処理速度には限界があり、使用する描素数に比例して1ライン当りの変調速度が決定されるので、一部のマイクロミラー列だけを使用することで1ライン当りの変調速度が速くなる。一方、連続的に露光ヘッドを露光面に対して相対移動させる露光方式の場合には、副走査方向の描素を全部使用する必要はない。
スキャナ162によるパターン形成材料150の副走査が終了し、センサ164でパターン形成材料150の後端が検出されると、ステージ152は、ステージ駆動装置304により、ガイド158に沿ってゲート160の最上流側にある原点に復帰し、再度、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。
例えば、768組のマイクロミラー列の内、384組だけ使用する場合には、768組全部使用する場合と比較すると1ライン当り2倍速く変調することができる。また、768組のマイクロミラー列の内、256組だけ使用する場合には、768組全部使用する場合と比較すると1ライン当り3倍速く変調することができる。
以上説明した通り、本発明のパターン形成方法によれば、主走査方向にマイクロミラーが1,024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列されたDMDを備えているが、コントローラにより一部のマイクロミラー列だけが駆動されるように制御することにより、全部のマイクロミラー列を駆動する場合に比べて、1ライン当りの変調速度が速くなる。
また、DMDのマイクロミラーを部分的に駆動する例について説明したが、所定方向に対応する方向の長さが前記所定方向と交差する方向の長さより長い基板上に、各々制御信号に応じて反射面の角度が変更可能な多数のマイクロミラーが2次元状に配列された細長いDMDを用いても、反射面の角度を制御するマイクロミラーの個数が少なくなるので、同様に変調速度を速くすることができる。
また、前記露光の方法として、露光光と前記感光層とを相対的に移動しながら行うことが好ましく、この場合、前記高速変調と併用することが好ましい。これにより、短時間で高速の露光を行うことができる。
その他、図16に示すように、スキャナ162によるX方向への1回の走査でパターン形成材料150の全面を露光してもよく、図17(A)及び(B)に示すように、スキャナ162によりパターン形成材料150をX方向へ走査した後、スキャナ162をY方向に1ステップ移動し、X方向へ走査を行うというように、走査と移動を繰り返して、複数回の走査でパターン形成材料150の全面を露光するようにしてもよい。なお、この例では、スキャナ162は18個の露光ヘッド166を備えている。なお、露光ヘッドは、前記光照射手段と前記光変調手段とを少なくとも有する。
前記露光は、前記感光層の一部の領域に対してされることにより該一部の領域が硬化され、後述の現像工程において、前記硬化させた一部の領域以外の未硬化領域が除去され、パターンが形成される。
次に、前記光変調手段を含むパターン形成装置の一例について図面を参照しながら説明する。
前記光変調手段を含むパターン形成装置は、図18示すように、シート状のパターン形成材料150を表面に吸着して保持する平板状のステージ152を備えている。
4本の脚部154に支持された厚い板状の設置台156の上面には、ステージ移動方向に沿って延びた2本のガイド158が設置されている。ステージ152は、その長手方向がステージ移動方向を向くように配置されると共に、ガイド158によって往復移動可能に支持されている。なお、前記パターン形成装置には、ステージ152をガイド158に沿って駆動するための図示しない駆動装置を有している。
設置台156の中央部には、ステージ152の移動経路を跨ぐようにコ字状のゲート160が設けられている。コ字状のゲート160の端部の各々は、設置台156の両側面に固定されている。このゲート160を挟んで一方の側にはスキャナ162が設けられ、他方の側にはパターン形成材料150の先端及び後端を検知する複数(例えば、2個)の検知センサ164が設けられている。スキャナ162及び検知センサ164は、ゲート160に各々取り付けられて、ステージ152の移動経路の上方に固定配置されている。なお、スキャナ162及び検知センサ164は、これらを制御する図示しないコントローラに接続されている。
スキャナ162は、図19及び図20(B)に示すように、m行n列(例えば、3行5列)の略マトリックス状に配列された複数(例えば、14個)の露光ヘッド166を備えている。この例では、パターン形成材料150の幅との関係で、3行目には4個の露光ヘッド166を配置した。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドを示す場合は、露光ヘッド166mnと表記する。
露光ヘッド166による露光エリア168は、副走査方向を短辺とする矩形状である。従って、ステージ152の移動に伴い、パターン形成材料150には露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。なお、m行目のn列目に配列された個々の露光ヘッドによる露光エリアを示す場合は、露光エリア168mnと表記する。
また、図20(A)及び(B)に示すように、帯状の露光済み領域170が副走査方向と直交する方向に隙間無く並ぶように、ライン状に配列された各行の露光ヘッドの各々は、配列方向に所定間隔(露光エリアの長辺の自然数倍、本例では2倍)ずらして配置されている。このため、1行目の露光エリア16811と露光エリア16812との間の露光できない部分は、2行目の露光エリア16821と3行目の露光エリア16831とにより露光することができる。
露光ヘッド16611〜166mn各々は、図21及び図22に示すように、入射された光ビームをパターン情報に応じて前記光変調手段(各描素毎に変調する空間光変調素子)として、米国テキサス・インスツルメンツ社製のデジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)50を備えている。DMD50は、データ処理部とミラー駆動制御部とを備えた後述のコントローラ302(図23参照)に接続されている。このコントローラ302のデータ処理部では、入力されたパターン情報に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成する。なお、制御すべき領域については後述する。また、ミラー駆動制御部では、パターン情報処理部で生成した制御信号に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御する。なお、反射面の角度の制御に付いては後述する。
DMD50の光入射側には、光ファイバの出射端部(発光点)が露光エリア168の長辺方向と対応する方向に沿って一列に配列されたレーザ出射部を備えたファイバアレイ光源66、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光を補正してDMD上に集光させるレンズ系67、レンズ系67を透過したレーザ光をDMD50に向けて反射するミラー69がこの順に配置されている。なお、図21では、レンズ系67を概略的に示してある。
レンズ系67は、図22に詳しく示すように、ファイバアレイ光源66から出射した照明光としてのレーザ光Bを集光する集光レンズ71、集光レンズ71を通過した光の光路に挿入されたロッド状オプティカルインテグレータ(以下、ロッドインテグレータという)72、及びロッドインテグレータ72の前方つまりミラー69側に配置された結像レンズ74から構成されている。集光レンズ71、ロッドインテグレータ72及び結像レンズ74は、ファイバアレイ光源66から出射したレーザ光を、平行光に近くかつビーム断面内強度が均一化された光束としてDMD50に入射させる。このロッドインテグレータ72の形状や作用については、後に詳しく説明する。
レンズ系67から出射したレーザ光Bはミラー69で反射し、TIR(全反射)プリズム70を介してDMD50に照射される。なお、図21では、このTIRプリズム70は省略してある。
また、DMD50の光反射側には、DMD50で反射されたレーザ光Bを、パターン形成材料150上に結像する結像光学系51が配置されている。この結像光学系51は、図21では概略的に示してあるが、図22が詳細を示すように、レンズ系52,54からなる第1結像光学系と、レンズ系57,58からなる第2結像光学系と、これらの結像光学系の間に挿入されたマイクロレンズアレイ55と、アパーチャアレイ59とから構成されている。
マイクロレンズアレイ55は、DMD50の各描素に対応する多数のマイクロレンズ55aが2次元状に配列されてなるものである。本例では、後述するようにDMD50の1024個×768列のマイクロミラーのうち1024個×256列だけが駆動されるので、それに対応させてマイクロレンズ55aは1024個×256列配置されている。またマイクロレンズ55aの配置ピッチは縦方向、横方向とも41μmである。このマイクロレンズ55aは、一例として焦点距離が0.19mm、NA(開口数)が0.11で、光学ガラスBK7から形成されている。なおマイクロレンズ55aの形状については、後に詳しく説明する。そして、各マイクロレンズ55aの位置におけるレーザ光Bのビーム径は、41μmである。
また、アパーチャアレイ59は、マイクロレンズアレイ55の各マイクロレンズ55aに対応する多数のアパーチャ(開口)59aが形成されてなるものである。アパーチャ59aの径は、例えば、10μmである。
前記第1結像光学系は、DMD50による像を3倍に拡大してマイクロレンズアレイ55上に結像する。そして、前記第2結像光学系は、マイクロレンズアレイ55を経た像を1.6倍に拡大してパターン形成材料150上に結像、投影する。したがって全体では、DMD50による像が4.8倍に拡大してパターン形成材料150上に結像、投影されることになる。
なお、前記第2結像光学系とパターン形成材料150との間にプリズムペア73が配設され、このプリズムペア73を図22中で上下方向に移動させることにより、パターン形成材料150上における像のピントを調節可能となっている。なお同図中において、パターン形成材料150は矢印F方向に副走査送りされる。
前記描素部としては、前記光照射手段からの光を受光し出射することができる限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、本発明のパターン形成方法により形成されるパターンが画像パターンである場合には、画素であり、前記光変調手段がDMDを含む場合にはマイクロミラーである。
前記光変調素子が有する描素部の数(前記n)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記光変調素子における描素部の配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、2次元状に配列していることが好ましく、格子状に配列していることがより好ましい。
<光照射手段>
前記光照射手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(超)高圧水銀灯、キセノン灯、カーボンアーク灯、ハロゲンランプ、複写機用などの蛍光管、LED、半導体レーザ等の公知光源、又は2以上の光を合成して照射可能な手段が挙げられ、これらの中でも2以上の光を合成して照射可能な手段が好ましい。
前記光照射手段から照射される光としては、例えば、支持体を介して光照射を行う場合には、該支持体を透過し、かつ用いられる光重合開始剤や増感剤を活性化する電磁波、紫外から可視光線、電子線、X線、レーザ光などが挙げられ、これらの中でもレーザ光が好ましく、2以上の光を合成したレーザ(以下、「合波レーザ」と称することがある)がより好ましい。また支持体を剥離してから光照射を行う場合でも、同様の光を用いることができる。
前記紫外から可視光線の波長としては、例えば、300nm〜1500nmが好ましく、320nm〜800nmがより好ましく、330nm〜650nmが特に好ましい。
前記レーザ光の波長としては、例えば、200nm〜1500nmが好ましく、300nm〜800nmがより好ましく、330nm〜500nmが更に好ましく、400nm〜450nmが特に好ましい。
前記合波レーザを照射可能な手段としては、例えば、複数のレーザと、マルチモード光ファイバと、該複数のレーザからそれぞれ照射したレーザビームを集光して前記マルチモード光ファイバに結合させる集合光学系とを有する手段が好ましい。
以下、前記合波レーザを照射可能な手段(ファイバアレイ光源)について図を参照しながら説明する。
ファイバアレイ光源66は図38aに示すように、複数(例えば、14個)のレーザモジュール64を備えており、各レーザモジュール64には、マルチモード光ファイバ30の一端が結合されている。マルチモード光ファイバ30の他端には、コア径がマルチモード光ファイバ30と同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバ30より小さい光ファイバ31が結合されている。図38bに詳しく示すように、マルチモード光ファイバ31の光ファイバ30と反対側の端部は副走査方向と直交する主走査方向に沿って7個並べられ、それが2列に配列されてレーザ出射部68が構成されている。
マルチモード光ファイバ31の端部で構成されるレーザ出射部68は、図38bに示すように、表面が平坦な2枚の支持板65に挟み込まれて固定されている。また、マルチモード光ファイバ31の光出射端面には、その保護のために、ガラス等の透明な保護板が配置されるのが望ましい。マルチモード光ファイバ31の光出射端面は、光密度が高いため集塵し易く劣化し易いが、上述のような保護板を配置することにより、端面への塵埃の付着を防止し、また劣化を遅らせることができる。
この例では、クラッド径が小さい光ファイバ31の出射端を隙間無く1列に配列するために、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30の間にマルチモード光ファイバ30を積み重ね、積み重ねられたマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の出射端が、クラッド径が大きい部分で隣接する2本のマルチモード光ファイバ30に結合された光ファイバ31の2つの出射端の間に挟まれるように配列されている。
このような光ファイバは、例えば、図39に示すように、クラッド径が大きいマルチモード光ファイバ30のレーザ光出射側の先端部分に、長さ1〜30cmのクラッド径が小さい光ファイバ31を同軸的に結合することにより得ることができる。2本の光ファイバは、光ファイバ31の入射端面が、マルチモード光ファイバ30の出射端面に、両光ファイバの中心軸が一致するように融着されて結合されている。上述した通り、光ファイバ31のコア31aの径は、マルチモード光ファイバ30のコア30aの径と同じ大きさである。
また、長さが短くクラッド径が大きい光ファイバにクラッド径が小さい光ファイバを融着させた短尺光ファイバを、フェルールや光コネクタ等を介してマルチモード光ファイバ30の出射端に結合してもよい。コネクタ等を用いて着脱可能に結合することで、クラッド径が小さい光ファイバが破損した場合等に先端部分の交換が容易になり、露光ヘッドのメンテナンスに要するコストを低減できる。なお、以下では、光ファイバ31を、マルチモード光ファイバ30の出射端部と称する場合がある。
マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31としては、ステップインデックス型光ファイバ、グレーテッドインデックス型光ファイバ、及び複合型光ファイバの何れでもよい。例えば、三菱電線工業株式会社製のステップインデックス型光ファイバを用いることができる。本実施の形態では、マルチモード光ファイバ30及び光ファイバ31は、ステップインデックス型光ファイバであり、マルチモード光ファイバ30は、クラッド径=125μm、コア径=50μm、NA=0.2、入射端面コートの透過率=99.5%以上であり、光ファイバ31は、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2である。
一般に、赤外領域のレーザ光では、光ファイバのクラッド径を小さくすると伝搬損失が増加する。このため、レーザ光の波長帯域に応じて好適なクラッド径が決定されている。しかしながら、波長が短いほど伝搬損失は少なくなり、GaN系半導体レーザから出射された波長405nmのレーザ光では、クラッドの厚み{(クラッド径−コア径)/2}を800nmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の1/2程度、通信用の1.5μmの波長帯域の赤外光を伝搬させる場合の約1/4にしても、伝搬損失は殆ど増加しない。従って、クラッド径を60μmと小さくすることができる。
但し、光ファイバ31のクラッド径は60μmには限定されない。従来のファイバアレイ光源に使用されている光ファイバのクラッド径は125μmであるが、クラッド径が小さくなるほど焦点深度がより深くなるので、マルチモード光ファイバのクラッド径は80μm以下が好ましく、60μm以下がより好ましく、40μm以下が更に好ましい。一方、コア径は少なくとも3〜4μm必要であることから、光ファイバ31のクラッド径は10μm以上が好ましい。
レーザモジュール64は、図40に示す合波レーザ光源(ファイバアレイ光源)によって構成されている。この合波レーザ光源は、ヒートブロック10上に配列固定された複数(例えば、7個)のチップ状の横マルチモード又はシングルモードのGaN系半導体レーザLD1,LD2,LD3,LD4,LD5,LD6,及びLD7と、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々に対応して設けられたコリメータレンズ11,12,13,14,15,16,及び17と、1つの集光レンズ20と、1本のマルチモード光ファイバ30と、から構成されている。なお、半導体レーザの個数は7個には限定されない。例えば、クラッド径=60μm、コア径=50μm、NA=0.2のマルチモード光ファイバには、20個もの半導体レーザ光を入射することが可能であり、露光ヘッドの必要光量を実現して、且つ光ファイバ本数をより減らすことができる。
GaN系半導体レーザLD1〜LD7は、発振波長が総て共通(例えば、405nm)であり、最大出力も総て共通(例えば、マルチモードレーザでは100mW、シングルモードレーザでは30mW)である。なお、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、350nm〜450nmの波長範囲で、上記の405nm以外の発振波長を備えるレーザを用いてもよい。
前記合波レーザ光源は、図41及び図42に示すように、他の光学要素と共に、上方が開口した箱状のパッケージ40内に収納されている。パッケージ40は、その開口を閉じるように作製されたパッケージ蓋41を備えており、脱気処理後に封止ガスを導入し、パッケージ40の開口をパッケージ蓋41で閉じることにより、パッケージ40とパッケージ蓋41とにより形成される閉空間(封止空間)内に上記合波レーザ光源が気密封止されている。
パッケージ40の底面にはベース板42が固定されており、このベース板42の上面には、前記ヒートブロック10と、集光レンズ20を保持する集光レンズホルダー45と、マルチモード光ファイバ30の入射端部を保持するファイバホルダー46とが取り付けられている。マルチモード光ファイバ30の出射端部は、パッケージ40の壁面に形成された開口からパッケージ外に引き出されている。
また、ヒートブロック10の側面にはコリメータレンズホルダー44が取り付けられており、コリメータレンズ11〜17が保持されている。パッケージ40の横壁面には開口が形成され、この開口を通してGaN系半導体レーザLD1〜LD7に駆動電流を供給する配線47がパッケージ外に引き出されている。
なお、図42においては、図の煩雑化を避けるために、複数のGaN系半導体レーザのうちGaN系半導体レーザLD7にのみ番号を付し、複数のコリメータレンズのうちコリメータレンズ17にのみ番号を付している。
図43は、前記コリメータレンズ11〜17の取り付け部分の正面形状を示すものである。コリメータレンズ11〜17の各々は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取った形状に形成されている。この細長形状のコリメータレンズは、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することによって形成することができる。コリメータレンズ11〜17は、長さ方向がGaN系半導体レーザLD1〜LD7の発光点の配列方向(図32の左右方向)と直交するように、上記発光点の配列方向に密接配置されている。
一方、GaN系半導体レーザLD1〜LD7としては、発光幅が2μmの活性層を備え、活性層と平行な方向、直角な方向の拡がり角が各々例えば10°、30°の状態で各々レーザビームB1〜B7を発するレーザが用いられている。これらGaN系半導体レーザLD1〜LD7は、活性層と平行な方向に発光点が1列に並ぶように配設されている。
したがって、各発光点から発せられたレーザビームB1〜B7は、上述のように細長形状の各コリメータレンズ11〜17に対して、拡がり角度が大きい方向が長さ方向と一致し、拡がり角度が小さい方向が幅方向(長さ方向と直交する方向)と一致する状態で入射することになる。つまり、各コリメータレンズ11〜17の幅が1.1mm、長さが4.6mmであり、それらに入射するレーザビームB1〜B7の水平方向、垂直方向のビーム径は各々0.9mm、2.6mmである。また、コリメータレンズ11〜17の各々は、焦点距離f1=3mm、NA=0.6、レンズ配置ピッチ=1.25mmである。
集光レンズ20は、非球面を備えた円形レンズの光軸を含む領域を平行な平面で細長く切り取って、コリメータレンズ11〜17の配列方向、つまり水平方向に長く、それと直角な方向に短い形状に形成されている。この集光レンズ20は、焦点距離f=23mm、NA=0.2である。この集光レンズ20も、例えば、樹脂又は光学ガラスをモールド成形することにより形成される。
また、DMDを照明する光照射手段に、合波レーザ光源の光ファイバの出射端部をアレイ状に配列した高輝度のファイバアレイ光源を用いているので、高出力で且つ深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。更に、各ファイバアレイ光源の出力が大きくなることで、所望の出力を得るために必要なファイバアレイ光源数が少なくなり、パターン形成装置の低コスト化が図られる。
また、光ファイバの出射端のクラッド径を入射端のクラッド径よりも小さくしているので、発光部径がより小さくなり、ファイバアレイ光源の高輝度化が図られる。これにより、より深い焦点深度を備えたパターン形成装置を実現することができる。例えば、ビーム径1μm以下、解像度0.1μm以下の超高解像度露光の場合にも、深い焦点深度を得ることができ、高速且つ高精細な露光が可能となる。したがって、高解像度が必要とされる薄膜トランジスタ(TFT)の露光工程に好適である。
また、前記光照射手段としては、前記合波レーザ光源を複数備えたファイバアレイ光源に限定されず、例えば、1個の発光点を有する単一の半導体レーザから入射されたレーザ光を出射する1本の光ファイバを備えたファイバ光源をアレイ化したファイバアレイ光源を用いることができる。
また、複数の発光点を備えた光照射手段としては、例えば、図44に示すように、ヒートブロック100上に、複数(例えば、7個)のチップ状の半導体レーザLD1〜LD7を配列したレーザアレイを用いることができる。また、図45(A)に示す、複数(例えば、5個)の発光点110aが所定方向に配列されたチップ状のマルチキャビティレーザ110が知られている。マルチキャビティレーザ110は、チップ状の半導体レーザを配列する場合と比べ、発光点を位置精度良く配列できるので、各発光点から出射されるレーザビームを合波し易い。但し、発光点が多くなるとレーザ製造時にマルチキャビティレーザ110に撓みが発生し易くなるため、発光点110aの個数は5個以下とするのが好ましい。
前記光照射手段としては、このマルチキャビティレーザ110や、図45(B)に示すように、ヒートブロック100上に、複数のマルチキャビティレーザ110が各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に配列されたマルチキャビティレーザアレイを、レーザ光源として用いることができる。
また、合波レーザ光源は、複数のチップ状の半導体レーザから出射されたレーザ光を合波するものには限定されない。例えば、図32に示すように、複数(例えば、3個)の発光点110aを有するチップ状のマルチキャビティレーザ110を備えた合波レーザ光源を用いることができる。この合波レーザ光源は、マルチキャビティレーザ110と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。マルチキャビティレーザ110は、例えば、発振波長が405nmのGaN系レーザダイオードで構成することができる。
前記構成では、マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザビームBの各々は、集光レンズ120によって集光され、マルチモード光ファイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
マルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aを、上記マルチモード光ファイバ130のコア径と略等しい幅内に並設すると共に、集光レンズ120として、マルチモード光ファイバ130のコア径と略等しい焦点距離の凸レンズや、マルチキャビティレーザ110からの出射ビームをその活性層に垂直な面内のみでコリメートするロッドレンズを用いることにより、レーザビームBのマルチモード光ファイバ130への結合効率を上げることができる。
また、図46に示すように、複数(例えば、3個)の発光点を備えたマルチキャビティレーザ110を用い、ヒートブロック111上に複数(例えば、9個)のマルチキャビティレーザ110が互いに等間隔で配列されたレーザアレイ140を備えた合波レーザ光源を用いることができる。複数のマルチキャビティレーザ110は、各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に配列されて固定されている。
この合波レーザ光源は、レーザアレイ140と、各マルチキャビティレーザ110に対応させて配置した複数のレンズアレイ114と、レーザアレイ140と複数のレンズアレイ114との間に配置された1本のロッドレンズ113と、1本のマルチモード光ファイバ130と、集光レンズ120と、を備えて構成されている。レンズアレイ114は、マルチキャビティレーザ110の発光点に対応した複数のマイクロレンズを備えている。
上記の構成では、複数のマルチキャビティレーザ110の複数の発光点110aの各々から出射したレーザビームBの各々は、ロッドレンズ113により所定方向に集光された後、レンズアレイ114の各マイクロレンズにより平行光化される。平行光化されたレーザビームLは、集光レンズ120によって集光され、マルチモード光ファイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
更に他の合波レーザ光源の例を示す。この合波レーザ光源は、図47(A)及び(B)に示すように、略矩形状のヒートブロック180上に光軸方向の断面がL字状のヒートブロック182が搭載され、2つのヒートブロック間に収納空間が形成されている。L字状のヒートブロック182の上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、各チップの発光点110aの配列方向と同じ方向に等間隔で配列されて固定されている。
略矩形状のヒートブロック180には凹部が形成されており、ヒートブロック180の空間側上面には、複数の発光点(例えば、5個)がアレイ状に配列された複数(例えば、2個)のマルチキャビティレーザ110が、その発光点がヒートブロック182の上面に配置されたレーザチップの発光点と同じ鉛直面上に位置するように配置されている。
マルチキャビティレーザ110のレーザ光出射側には、各チップの発光点110aに対応してコリメートレンズが配列されたコリメートレンズアレイ184が配置されている。コリメートレンズアレイ184は、各コリメートレンズの長さ方向とレーザビームの拡がり角が大きい方向(速軸方向)とが一致し、各コリメートレンズの幅方向が拡がり角が小さい方向(遅軸方向)と一致するように配置されている。このように、コリメートレンズをアレイ化して一体化することで、レーザ光の空間利用効率が向上し合波レーザ光源の高出力化が図られると共に、部品点数が減少し低コスト化することができる。
また、コリメートレンズアレイ184のレーザ光出射側には、1本のマルチモード光ファイバ130と、このマルチモード光ファイバ130の入射端にレーザビームを集光して結合する集光レンズ120と、が配置されている。
前記構成では、レーザブロック180、182上に配置された複数のマルチキャビティレーザ110の複数の発光点10aの各々から出射したレーザビームBの各々は、コリメートレンズアレイ184により平行光化され、集光レンズ120によって集光されて、マルチモード光ファイバ130のコア130aに入射する。コア130aに入射したレーザ光は、光ファイバ内を伝搬し、1本に合波されて出射する。
前記合波レーザ光源は、上記の通り、マルチキャビティレーザの多段配置とコリメートレンズのアレイ化とにより、特に高出力化を図ることができる。この合波レーザ光源を用いることにより、より高輝度なファイバアレイ光源やバンドルファイバ光源を構成することができるので、本発明のパターン形成装置のレーザ光源を構成するファイバ光源として特に好適である。
なお、前記各合波レーザ光源をケーシング内に収納し、マルチモード光ファイバ130の出射端部をそのケーシングから引き出したレーザモジュールを構成することができる。
また、合波レーザ光源のマルチモード光ファイバの出射端に、コア径がマルチモード光ファイバと同一で且つクラッド径がマルチモード光ファイバより小さい他の光ファイバを結合してファイバアレイ光源の高輝度化を図る例について説明したが、例えば、クラッド径が125μm、80μm、60μm等のマルチモード光ファイバを、出射端に他の光ファイバを結合せずに使用してもよい。
ここで、本発明の前記パターン形成方法について更に説明する。
スキャナ162の各露光ヘッド166において、ファイバアレイ光源66の合波レーザ光源を構成するGaN系半導体レーザLD1〜LD7の各々から発散光状態で出射したレーザビームB1,B2,B3,B4,B5,B6,及びB7の各々は、対応するコリメータレンズ11〜17によって平行光化される。平行光化されたレーザビームB1〜B7は、集光レンズ20によって集光され、マルチモード光ファイバ30のコア30aの入射端面に収束する。
本例では、コリメータレンズ11〜17及び集光レンズ20によって集光光学系が構成され、その集光光学系とマルチモード光ファイバ30とによって合波光学系が構成されている。即ち、集光レンズ20によって上述のように集光されたレーザビームB1〜B7が、このマルチモード光ファイバ30のコア30aに入射して光ファイバ内を伝搬し、1本のレーザビームBに合波されてマルチモード光ファイバ30の出射端部に結合された光ファイバ31から出射する。
各レーザモジュールにおいて、レーザビームB1〜B7のマルチモード光ファイバ30への結合効率が0.85で、GaN系半導体レーザLD1〜LD7の各出力が30mWの場合には、アレイ状に配列された光ファイバ31の各々について、出力180mW(=30mW×0.85×7)の合波レーザビームBを得ることができる。従って、6本の光ファイバ31がアレイ状に配列されたレーザ出射部68での出力は約1W(=180mW×6)である。
ファイバアレイ光源66のレーザ出射部68には、この通り高輝度の発光点が主走査方向に沿って一列に配列されている。単一の半導体レーザからのレーザ光を1本の光ファイバに結合させる従来のファイバ光源は低出力であるため、多数列配列しなければ所望の出力を得ることができなかったが、前記合波レーザ光源は高出力であるため、少数列、例えば1列でも所望の出力を得ることができる。
例えば、半導体レーザと光ファイバを1対1で結合させた従来のファイバ光源では、通常、半導体レーザとしては出力30mW(ミリワット)程度のレーザが使用され、光ファイバとしてはコア径50μm、クラッド径125μm、NA(開口数)0.2のマルチモード光ファイバが使用されているので、約1W(ワット)の出力を得ようとすれば、マルチモード光ファイバを48本(8×6)束ねなければならず、発光領域の面積は0.62mm(0.675mm×0.925mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は1.6×10(W/m)、光ファイバ1本当りの輝度は3.2×10(W/m)である。
これに対し、前記光照射手段が合波レーザを照射可能な手段である場合には、マルチモード光ファイバ6本で約1Wの出力を得ることができ、レーザ出射部68での発光領域の面積は0.0081mm(0.325mm×0.025mm)であるから、レーザ出射部68での輝度は123×10(W/m)となり、従来に比べ約80倍の高輝度化を図ることができる。また、光ファイバ1本当りの輝度は90×10(W/m)であり、従来に比べ約28倍の高輝度化を図ることができる。
ここで、図48(A)及び(B)を参照して、従来の露光ヘッドと本実施の形態の露光ヘッドとの焦点深度の違いについて説明する。従来の露光ヘッドのバンドル状ファイバ光源の発光領域の副走査方向の径は0.675mmであり、露光ヘッドのファイバアレイ光源の発光領域の副走査方向の径は0.025mmである。図48(A)に示すように、従来の露光ヘッドでは、光照射手段(バンドル状ファイバ光源)1の発光領域が大きいので、DMD3へ入射する光束の角度が大きくなり、結果として走査面5へ入射する光束の角度が大きくなる。このため、集光方向(ピント方向のずれ)に対してビーム径が太りやすい。
一方、図48(B)に示すように、本発明のパターン形成装置における露光ヘッドでは、ファイバアレイ光源66の発光領域の副走査方向の径が小さいので、レンズ系67を通過してDMD50へ入射する光束の角度が小さくなり、結果として走査面56へ入射する光束の角度が小さくなる。即ち、焦点深度が深くなる。この例では、発光領域の副走査方向の径は従来の約30倍になっており、略回折限界に相当する焦点深度を得ることができる。従って、微小スポットの露光に好適である。この焦点深度への効果は、露光ヘッドの必要光量が大きいほど顕著であり、有効である。この例では、露光面に投影された1描素サイズは10μm×10μmである。なお、DMDは反射型の空間光変調素子であるが、図48(A)及び(B)は、光学的な関係を説明するために展開図とした。
露光パターンに応じたパターン情報が、DMD50に接続された図示しないコントローラに入力され、コントローラ内のフレームメモリに一旦記憶される。このパターン情報は、画像を構成する各描素の濃度を2値(ドットの記録の有無)で表したデータである。
パターン形成材料150を表面に吸着したステージ152は、図示しない駆動装置により、ガイド158に沿ってゲート160の上流側から下流側に一定速度で移動される。ステージ152がゲート160下を通過する際に、ゲート160に取り付けられた検知センサ164によりパターン形成材料150の先端が検出されると、フレームメモリに記憶されたパターン情報が複数ライン分ずつ順次読み出され、データ処理部で読み出されたパターン情報に基づいて各露光ヘッド166毎に制御信号が生成される。そして、ミラー駆動制御部により、生成された制御信号に基づいて露光ヘッド166毎にDMD50のマイクロミラーの各々がオンオフ制御される。
ファイバアレイ光源66からDMD50にレーザ光が照射されると、DMD50のマイクロミラーがオン状態のときに反射されたレーザ光は、レンズ系54、58によりパターン形成材料150の被露光面56上に結像される。このようにして、ファイバアレイ光源66から出射されたレーザ光が描素毎にオンオフされて、パターン形成材料150がDMD50の使用描素数と略同数の描素単位(露光エリア168)で露光される。また、パターン形成材料150がステージ152と共に一定速度で移動されることにより、パターン形成材料150がスキャナ162によりステージ移動方向と反対の方向に副走査され、露光ヘッド166毎に帯状の露光済み領域170が形成される。
<マイクロレンズアレイ>
前記露光は、前記変調させた光を、マイクロレンズアレイを通して行うことが好ましく、更にアパーチャアレイ、結像光学系等などを通して行ってもよい。
前記マイクロレンズアレイとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したものが好適に挙げられる。
前記非球面としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、トーリック面が好ましい。
以下、前記マイクロレンズアレイ、前記アパーチャアレイ、及び前記結像光学系等について図面を参照しながら説明する。
図24(A)は、DMD50、DMD50にレーザ光を照射する光照射手段144、DMD50で反射されたレーザ光を拡大して結像するレンズ系(結像光学系)454、458、DMD50の各描素部に対応して多数のマイクロレンズ474が配置されたマイクロレンズアレイ472、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズに対応して多数のアパーチャ478が設けられたアパーチャアレイ476、アパーチャを通過したレーザ光を被露光面56に結像するレンズ系(結像光学系)480、482で構成される露光ヘッドを表す。
ここで図25に、DMD50を構成するマイクロミラー62の反射面の平面度を測定した結果を示す。同図においては、反射面の同じ高さ位置を等高線で結んで示してあり、等高線のピッチは5nmである。なお同図に示すx方向及びy方向は、マイクロミラー62の2つ対角線方向であり、マイクロミラー62はy方向に延びる回転軸を中心として前述のように回転する。また、図26の(A)及び(B)にはそれぞれ、上記x方向、y方向に沿ったマイクロミラー62の反射面の高さ位置変位を示す。
図25及び図26に示した通り、マイクロミラー62の反射面には歪みが存在し、そして特にミラー中央部に注目してみると、1つの対角線方向(y方向)の歪みが、別の対角線方向(x方向)の歪みよりも大きくなっている。このため、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aで集光されたレーザ光Bの集光位置における形状が歪むという問題が発生し得る。
本発明のパターン形成方法においては前記問題を防止するために、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aが、従来とは異なる特殊な形状とされている。以下、その点について詳しく説明する。
図27の(A)及び(B)はそれぞれ、マイクロレンズアレイ55全体の正面形状及び側面形状を詳しく示すものである。これらの図にはマイクロレンズアレイ55の各部の寸法も記入してあり、それらの単位はmmである。本発明のパターン形成方法では、先に図15を参照して説明したようにDMD50の1024個×256列のマイクロミラー62が駆動されるものであり、それに対応させてマイクロレンズアレイ55は、横方向に1024個並んだマイクロレンズ55aの列を縦方向に256列並設して構成されている。なお、同図(A)では、マイクロレンズアレイ55の並び順を横方向についてはjで、縦方向についてはkで示している。
また、図28の(A)及び(B)はそれぞれ、マイクロレンズアレイ55における1つのマイクロレンズ55aの正面形状及び側面形状を示すものである。なお同図(A)には、マイクロレンズ55aの等高線を併せて示してある。各マイクロレンズ55aの光出射側の端面は、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされている。より具体的には、マイクロレンズ55aはトーリックレンズとされており、上記x方向に光学的に対応する方向の曲率半径Rx=−0.125mm、上記y方向に対応する方向の曲率半径Ry=−0.1mmである。
したがって、上記x方向及びy方向に平行な断面内におけるレーザ光Bの集光状態は、概略、それぞれ図29の(A)及び(B)に示す通りとなる。つまり、x方向に平行な断面内とy方向に平行な断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ55aの曲率半径がより小であって、焦点距離がより短くなっている。
マイクロレンズ55aを前記形状とした場合の、該マイクロレンズ55aの集光位置(焦点位置)近傍におけるビーム径を計算機によってシミュレーションした結果を図30a、b、c、及びdに示す。また比較のために、マイクロレンズ55aが曲率半径Rx=Ry=−0.1mmの球面形状である場合について、同様のシミュレーションを行った結果を図31a、b、c及びdに示す。なお、各図におけるzの値は、マイクロレンズ55aのピント方向の評価位置を、マイクロレンズ55aのビーム出射面からの距離で示している。
また、前記シミュレーションに用いたマイクロレンズ55aの面形状は、下記計算式で計算される。
但し、前記計算式において、Cxは、x方向の曲率(=1/Rx)を意味し、Cyは、y方向の曲率(=1/Ry)を意味し、Xは、x方向に関するレンズ光軸Oからの距離を意味し、Yは、y方向に関するレンズ光軸Oからの距離を意味する。
図30a〜dと図31a〜dとを比較すると明らかなように、本発明のパターン形成方法ではマイクロレンズ55aを、y方向に平行な断面内の焦点距離がx方向に平行な断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズとしたことにより、その集光位置近傍におけるビーム形状の歪みが抑制される。そうであれば、歪みの無い、より高精細な画像をパターン形成材料150に露光可能となる。また、図30a〜dに示す本実施形態の方が、ビーム径の小さい領域がより広い、すなわち焦点深度がより大であることが分かる。
なお、マイクロミラー62のx方向及びy方向に関する中央部の歪の大小関係が、上記と逆になっている場合は、x方向に平行な断面内の焦点距離がy方向に平行な断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズからマイクロレンズを構成すれば、同様に、歪みの無い、より高精細な画像をパターン形成材料150に露光可能となる。
また、マイクロレンズアレイ55の集光位置近傍に配置されたアパーチャアレイ59は、その各アパーチャ59aに、それと対応するマイクロレンズ55aを経た光のみが入射するように配置されたものである。すなわち、このアパーチャアレイ59が設けられていることにより、各アパーチャ59aに、それと対応しない隣接のマイクロレンズ55aからの光が入射することが防止され、消光比が高められる。
本来、上記目的で設置されるアパーチャアレイ59のアパーチャ59aの径をある程度小さくすれば、マイクロレンズ55aの集光位置におけるビーム形状の歪みを抑制する効果も得られる。しかしそのようにした場合は、アパーチャアレイ59で遮断される光量がより多くなり、光利用効率が低下することになる。それに対してマイクロレンズ55aを非球面形状とする場合は、光を遮断することがないので、光利用効率も高く保たれる。
また、本発明のパターン形成方法において、マイクロレンズ55aは、2次の非球面形状であってもよく、より高次(4次、6次・・・)の非球面形状であってもよい。前記高次の非球面形状を採用することにより、ビーム形状をさらに高精細にすることができる。
また、以上説明した実施形態では、マイクロレンズ55aの光出射側の端面が非球面(トーリック面)とされているが、2つの光通過端面の一方を球面とし、他方をシリンドリカル面としたマイクロレンズからマイクロレンズアレイを構成して、上記実施形態と同様の効果を得ることもできる。
さらに、以上説明した実施形態においては、マイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aが、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされているが、このような非球面形状を採用する代わりに、マイクロレンズアレイを構成する各マイクロレンズに、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する屈折率分布を持たせても、同様の効果を得ることができる。
そのようなマイクロレンズ155aの一例を図33に示す。同図の(A)及び(B)はそれぞれ、このマイクロレンズ155aの正面形状及び側面形状を示すものであり、図示の通りこのマイクロレンズ155aの外形形状は平行平板状である。なお、同図におけるx、y方向は、既述した通りである。
また、図34の(A)及び(B)は、このマイクロレンズ155aによる上記x方向及びy方向に平行な断面内におけるレーザ光Bの集光状態を概略的に示している。このマイクロレンズ155aは、光軸Oから外方に向かって次第に増大する屈折率分布を有するものであり、同図においてマイクロレンズ155a内に示す破線は、その屈折率が光軸Oから所定の等ピッチで変化した位置を示している。図示の通り、x方向に平行な断面内とy方向に平行な断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ155aの屈折率変化の割合がより大であって、焦点距離がより短くなっている。このような屈折率分布型レンズから構成されるマイクロレンズアレイを用いても、前記マイクロレンズアレイ55を用いる場合と同様の効果を得ることが可能である。
なお、先に図28及び図29に示したマイクロレンズ55aのように面形状を非球面としたマイクロレンズにおいて、併せて上述のような屈折率分布を与え、面形状と屈折率分布の双方によって、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正するようにしてもよい。
また、上記の実施形態では、DMD50を構成するマイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正しているが、DMD以外の空間光変調素子を用いる本発明のパターン形成方法においても、その空間光変調素子の描素部の面に歪みが存在する場合は、本発明を適用してその歪みによる収差を補正し、ビーム形状に歪みが生じることを防止可能である。
次に、前記結像光学系について更に説明する。
前記露光ヘッドでは、光照射手段144からレーザ光が照射されると、DMD50によりオン方向に反射される光束線の断面積が、レンズ系454、458により数倍(例えば、2倍)に拡大される。拡大されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズによりDMD50の各描素部に対応して集光され、アパーチャアレイ476の対応するアパーチャを通過する。アパーチャを通過したレーザ光は、レンズ系480、482により被露光面56上に結像される。
この結像光学系では、DMD50により反射されたレーザ光は、拡大レンズ454、458により数倍に拡大されて被露光面56に投影されるので、全体の画像領域が広くなる。このとき、マイクロレンズアレイ472及びアパーチャアレイ476が配置されていなければ、図24(B)に示すように、被露光面56に投影される各ビームスポットBSの1描素サイズ(スポットサイズ)が露光エリア468のサイズに応じて大きなものとなり、露光エリア468の鮮鋭度を表すMTF(Modulation Transfer Function)特性が低下する。
一方、マイクロレンズアレイ472及びアパーチャアレイ476を配置した場合には、DMD50により反射されたレーザ光は、マイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズによりDMD50の各描素部に対応して集光される。これにより、図24(C)に示すように、露光エリアが拡大された場合でも、各ビームスポットBSのスポットサイズを所望の大きさ(例えば、10μm×10μm)に縮小することができ、MTF特性の低下を防止して高精細な露光を行うことができる。なお、露光エリア468が傾いているのは、描素間の隙間を無くす為にDMD50を傾けて配置しているからである。
また、マイクロレンズの収差によるビームの太りがあっても、アパーチャアレイによって被露光面56上でのスポットサイズが一定の大きさになるようにビームを整形することができると共に、各描素に対応して設けられたアパーチャアレイを通過させることにより、隣接する描素間でのクロストークを防止することができる。
更に、光照射手段144に後述する高輝度光源を使用することにより、レンズ458からマイクロレンズアレイ472の各マイクロレンズに入射する光束の角度が小さくなるので、隣接する描素の光束の一部が入射するのを防止することができる。即ち、高消光比を実現することができる。
<その他の光学系>
本発明のパターン形成方法では、公知の光学系の中から適宜選択したその他の光学系と併用してもよく、例えば、1対の組合せレンズからなる光量分布補正光学系などが挙げられる。
前記光量分布補正光学系は、光軸に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比が入射側に比べて出射側の方が小さくなるように各出射位置における光束幅を変化させて、光照射手段からの平行光束をDMDに照射するときに、被照射面での光量分布が略均一になるように補正する。以下、前記光量分布補正光学系について図面を参照しながら説明する。
まず、図35(A)に示したように、入射光束と出射光束とで、その全体の光束幅(全光束幅)H0、H1が同じである場合について説明する。なお、図35(A)において、符号51、52で示した部分は、前記光量分布補正光学系における入射面及び出射面を仮想的に示したものである。
前記光量分布補正光学系において、光軸Z1に近い中心部に入射した光束と、周辺部に入射した光束とのそれぞれの光束幅h0、h1が、同一であるものとする(h0=hl)。前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0,h1であった光に対し、中心部の入射光束については、その光束幅h0を拡大し、逆に、周辺部の入射光束に対してはその光束幅h1を縮小するような作用を施す。すなわち、中心部の出射光束の幅h10と、周辺部の出射光束の幅h11とについて、h11<h10となるようにする。光束幅の比率で表すと、出射側における中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなっている((h11/h10)<1)。
このように光束幅を変化させることにより、通常では光量分布が大きくなっている中央部の光束を、光量の不足している周辺部へと生かすことができ、全体として光の利用効率を落とさずに、被照射面での光量分布が略均一化される。均一化の度合いは、例えば、有効領域内における光量ムラが30%以内、好ましくは20%以内となるようにする。
前記光量分布補正光学系による作用、効果は、入射側と出射側とで、全体の光束幅を変える場合(図35(B),(C))においても同様である。
図35(B)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅H2に“縮小”して出射する場合(H0>H2)を示している。このような場合においても、前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0、h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さくなるようにする。光束の縮小率で考えると、中心部の入射光束に対する縮小率を周辺部に比べて小さくし、周辺部の入射光束に対する縮小率を中心部に比べて大きくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「H11/H10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
図35(C)は、入射側の全体の光束幅H0を、幅Η3に“拡大”して出射する場合(H0<H3)を示している。このような場合においても、前記光量分布補正光学系は、入射側において同一の光束幅h0、h1であった光を、出射側において、中央部の光束幅h10が周辺部に比べて大きくなり、逆に、周辺部の光束幅h11が中心部に比べて小さくなるようにする。光束の拡大率で考えると、中心部の入射光束に対する拡大率を周辺部に比べて大きくし、周辺部の入射光束に対する拡大率を中心部に比べて小さくするような作用を施している。この場合にも、中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比「h11/h10」が、入射側における比(h1/h0=1)に比べて小さくなる((h11/h10)<1)。
このように、前記光量分布補正光学系は、各出射位置における光束幅を変化させ、光軸Z1に近い中心部の光束幅に対する周辺部の光束幅の比を入射側に比べて出射側の方が小さくなるようにしたので、入射側において同一の光束幅であった光が、出射側においては、中央部の光束幅が周辺部に比べて大きくなり、周辺部の光束幅は中心部に比べて小さくなる。これにより、中央部の光束を周辺部へと生かすことができ、光学系全体としての光の利用効率を落とさずに、光量分布の略均一化された光束断面を形成することができる。
次に、前記光量分布補正光学系として使用する1対の組合せレンズの具体的なレンズデータの1例を示す。この例では、前記光照射手段がレーザアレイ光源である場合のように、出射光束の断面での光量分布がガウス分布である場合のレンズデータを示す。なお、シングルモード光ファイバの入射端に1個の半導体レーザを接続した場合には、光ファイバからの射出光束の光量分布がガウス分布になる。本発明のパターン形成方法では、このような場合の適用も可能である。また、マルチモード光ファイバのコア径を小さくしてシングルモード光ファイバの構成に近付ける等により光軸に近い中心部の光量が周辺部の光量よりも大きい場合にも適用可能である。
下記表1に基本レンズデータを示す。
表1から分かるように、1対の組合せレンズは、回転対称の2つの非球面レンズから構成されている。光入射側に配置された第1のレンズの光入射側の面を第1面、光出射側の面を第2面とすると、第1面は非球面形状である。また、光出射側に配置された第2のレンズの光入射側の面を第3面、光出射側の面を第4面とすると、第4面が非球面形状である。
表1において、面番号Siはi番目(i=1〜4)の面の番号を示し、曲率半径riはi番目の面の曲率半径を示し、面間隔diはi番目の面とi+1番目の面との光軸上の面間隔を示す。面間隔di値の単位はミリメートル(mm)である。屈折率Niはi番目の面を備えた光学要素の波長405nmに対する屈折率の値を示す。
下記表2に、第1面及び第4面の非球面データを示す。
上記の非球面データは、非球面形状を表す下記式(A)における係数で表される。
上記式(A)において各係数を以下の通り定義する。
Z:光軸から高さρの位置にある非球面上の点から、非球面の頂点の接平面(光軸に垂直な平面)に下ろした垂線の長さ(mm)
ρ:光軸からの距離(mm)
K:円錐係数
C:近軸曲率(1/r、r:近軸曲率半径)
ai:第i次(i=3〜10)の非球面係数
表2に示した数値において、記号“E”は、その次に続く数値が10を底とした“べき指数″であることを示し、その10を底とした指数関数で表される数値が“E”の前の数値に乗算されることを示す。例えば、「1.0E−02」であれば、「1.0×10−2」であることを示す。
図37は、前記表1及び表2に示す1対の組合せレンズによって得られる照明光の光量分布を示している。横軸は光軸からの座標を示し、縦軸は光量比(%)を示す。なお、比較のために、図36に、補正を行わなかった場合の照明光の光量分布(ガウス分布)を示す。図36及び図37から分かるように、光量分布補正光学系で補正を行うことにより、補正を行わなかった場合と比べて、略均一化された光量分布が得られている。これにより、光の利用効率を落とさずに、均一なレーザ光でムラなく露光を行うことができる。
〔プリント配線板及びカラーフィルタの製造方法〕
本発明の前記パターン形成方法は、プリント配線板の製造、特にスルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造、及び、カラーフィルタの製造に好適に使用することができる。以下、本発明のパターン形成方法を利用したプリント配線板の製造方法及びカラーフィルタの製造方法の一例について説明する。
−プリント配線板の製造方法−
特に、スルーホール又はビアホールなどのホール部を有するプリント配線板の製造方法としては、(1)前記基体としてホール部を有するプリント配線板形成用基板上に、前記パターン形成材料を、その感光層が前記基体側となる位置関係にて積層して積層体を形成し、(2)前記積層体の前記基体とは反対の側から、所望の領域に光照射行い感光層を硬化させ、(3)前記積層体から前記パターン形成材料における支持体、クッション層及びバリアー層を除去し、(4)前記積層体における感光層を現像して、該積層体中の未硬化部分を除去することによりパターンを形成することができる。
なお、前記(3)における前記支持体の除去は、前記(2)と前記(4)との間で行う代わりに、前記(1)と前記(2)との間で行ってもよい。
その後、プリント配線板を得るには、前記形成したパターンを用いて、前記プリント配線板形成用基板をエッチング処理又はメッキ処理する方法(例えば、公知のサブトラクティブ法又はアディティブ法(例えば、セミアディティブ法、フルアディティブ法))により処理すればよい。これらの中でも、工業的に有利なテンティングでプリント配線板を形成するためには、前記サブトラクティブ法が好ましい。前記処理後プリント配線板形成用基板に残存する硬化樹脂は剥離させ、また、前記セミアディティブ法の場合は、剥離後さらに銅薄膜部をエッチングすることにより、所望のプリント配線板を製造することができる。また、多層プリント配線板も、前記プリント配線板の製造法と同様に製造が可能である。
次に、前記パターン形成材料を用いたスルーホールを有するプリント配線板の製造方法について、更に説明する。
まずスルーホールを有し、表面が金属メッキ層で覆われたプリント配線板形成用基板を用意する。前記プリント配線板形成用基板としては、例えば、銅張積層基板及びガラス−エポキシなどの絶縁基材に銅メッキ層を形成した基板、又はこれらの基板に層間絶縁膜を積層し、銅メッキ層を形成した基板(積層基板)を用いることができる。
次に、前記パターン形成材料上に保護フィルムを有する場合には、該保護フィルムを剥離して、前記パターン形成材料における感光層が前記プリント配線板形成用基板の表面に接するようにして加圧ローラを用いて圧着する(積層工程)。これにより、前記プリント配線板形成用基板と前記積層体とをこの順に有する積層体が得られる。
前記パターン形成材料の積層温度としては、特に制限はなく、例えば、室温(15〜30℃)、又は加熱下(30〜180℃)が挙げられ、これらの中でも、加温下(60〜140℃)が好ましい。
前記圧着ロールのロール圧としては、特に制限はなく、例えば、1〜10kg/cm2が好ましい。
前記圧着の速度としては、特に制限はなく、1〜3m/分が好ましい。
また、前記プリント配線板形成用基板を予備加熱しておいてもよく、また、減圧下で積層してもよい。
前記積層体の形成は、前記プリント配線板形成用基板上に前記パターン形成材料を積層してもよく、また、前記パターン形成材料製造用の感光性樹脂組成物溶液などを前記プリント配線板形成用基板の表面に直接塗布し、乾燥させることにより前記プリント配線板形成用基板上に感光層、バリアー層、クッション層及び支持体を積層してもよい。
次に、前記積層体の基体とは反対側の面から、光を照射して感光層を硬化させる。なおこの際、必要に応じて(例えば、支持体の光透過性が不十分な場合など)前記支持体、クッション層及びバリアー層を剥離してから露光を行ってもよい。
この時点で、前記支持体、クッション層及びバリアー層を未だ剥離していない場合には、前記積層体から前記支持体、クッション層及びバリアー層を剥離する(剥離工程)。
次に、前記プリント配線板形成用基板上の感光層の未硬化領域を、適当な現像液にて溶解除去して、配線パターン形成用の硬化層とスルーホールの金属層保護用硬化層のパターンを形成し、前記プリント配線板形成用基板の表面に金属層を露出させる(現像工程)。
また、現像後に必要に応じて後加熱処理や後露光処理によって、硬化部の硬化反応を更に促進させる処理を行ってもよい。現像は上記のようなウエット現像法であってもよく、ドライ現像法であってもよい。
次いで、前記プリント配線板形成用基板の表面に露出した金属層をエッチング液で溶解除去する(エッチング工程)。スルーホールの開口部は、硬化樹脂組成物(テント膜)で覆われているので、エッチング液がスルーホール内に入り込んでスルーホール内の金属メッキを腐食することなく、スルーホールの金属メッキは所定の形状で残ることになる。これより、前記プリント配線板形成用基板に配線パターンが形成される。
前記エッチング液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、前記金属層が銅で形成されている場合には、塩化第二銅溶液、塩化第二鉄溶液、アルカリエッチング溶液、過酸化水素系エッチング液などが挙げられ、これらの中でも、エッチングファクターの点から塩化第二鉄溶液が好ましい。
次に、強アルカリ水溶液などにて前記硬化層を剥離片として、前記プリント配線板形成用基板から除去する(硬化物除去工程)。
前記強アルカリ水溶液における塩基成分としては、特に制限はなく、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記強アルカリ水溶液のpHとしては、例えば、約12〜14が好ましく、約13〜14がより好ましい。
前記強アルカリ水溶液としては、特に制限はなく、例えば、1〜10質量%の水酸化ナトリウム水溶液又は水酸化カリウム水溶液などが挙げられる。
また、プリント配線板は、多層構成のプリント配線板であってもよい。
なお、前記パターン形成材料は上記のエッチングプロセスのみでなく、メッキプロセスに使用してもよい。前記メッキ法としては、例えば、硫酸銅メッキ、ピロリン酸銅メッキ等の銅メッキ、ハイスローはんだメッキ等のはんだメッキ、ワット浴(硫酸ニッケル−塩化ニッケル)メッキ、スルファミン酸ニッケル等のニッケルメッキ、ハード金メッキ、ソフト金メッキ等の金メッキなどが挙げられる。
−カラーフィルタの製造方法−
ガラス基板等の基体上に、本発明の前記パターン形成材料における感光層を貼り合わせ、該パターン形成材料から支持体、クッション層及びバリアー層を剥離する場合に、帯電した前記支持体(フィルム)と人体とが不快な電気ショックを受けることがあり、あるいは帯電した前記支持体に塵埃が付着する等の問題がある。このため、前記支持体上に導電層を設けたり、前記支持体自体に導電性を付与する処理を施すことが好ましい。また、前記導電層をクッション層とは反対側の前記支持体上に設けた場合は、耐傷性を向上させるために疎水性重合体層を設けることが好ましい。
次に、前記感光層を赤、緑、青、黒のそれぞれに着色した赤色感光層を有するパターン形成材料と、緑色感光層を有するパターン形成材料と、青色感光層を有するパターン形成材料と、黒色感光層を有するパターン形成材料を調製する。赤画素用の前記赤色感光層を有するパターン形成材料を用いて、赤色感光層を前記基体表面に積層して積層体を形成した後、像様に露光、現像して赤の画素を形成する。赤の画素を形成した後、前記積層体を加熱して未硬化部分を硬化させる。これを緑、青、黒の画素のついても同様にして行い、各画素を形成する。
前記積層体の形成は、前記ガラス基板上に前記パターン形成材料を積層してもよく、また、前記パターン形成材料製造用の感光性樹脂組成物溶液などを前記ガラス基板の表面に直接塗布し、乾燥させることにより前記ガラス基板上に感光層、バリアー層、クッション層及び支持体を積層してもよい。また、赤、緑、青の三種の画素を配置する場合は、モザイク型、トライアングル型、4画素配置型等どのような配置であってもよい。
前記画素を形成した面上に前記黒色感光層を有するパターン形成材料を積層し、画素を形成していない側から背面露光し、現像してブラックマトリックスを形成する。該ブラックマトリックスを形成した積層体を加熱することにより、未硬化部分を硬化させ、カラーフィルタを製造することができる。
本発明のパターン形成方法は、前記感光層と前記バリアー層との界面で剥離して現像することができるので、現像後の現像液の汚れが抑制され、現像液を繰り返し使用することができる点で有利である。また、現像時において、前記バリアー層や前記クッション層を除去する必要がないため、現像時間が短い点で有利である。
本発明の前記パターン形成方法は、本発明の前記パターン形成材料を用いるため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等のディスプレイ用部材の製造、印刷版、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの各種の画像形成材料などの製造に好適に使用することができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に使用することができる。本発明のパターン形成装置は、本発明の前記パターン形成材料を備えているため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等のディスプレイ用部材の製造、印刷版、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの各種の画像形成材料などの製造に好適に使用することができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
−パターン形成材料の製造−
厚みが20μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(前記支持体)に、下記組成を有する第一感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、厚みが25μmの感光層(前記第一感光層)を形成した。
[第一感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量:90000、Tg:70℃) 15質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.04質量部
・ベンゾフェノン 1.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
次に、前記第一感光層の上に、下記組成を有する第二感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、厚みが5μmの感光層(前記第二感光層)を形成した。
[第二感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量:90000、Tg:70℃) 15質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.4質量部
・ベンゾフェノン 3.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 10質量部
・1−メトキシ−2−プロパノール 20質量部
前記第二感光層の上に、厚みが20μmの前記ポリエチレンフィルムを積層してパターン形成材料を得た。いずれの層も厚みムラが±5%以内であった。こうして得たパターン形成材料の感度を後述の方法により測定したところ、最短現像時間は25秒、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、4mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは3.5、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.1)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は10であった。
前記製造した前記積層体について、解像度、露光速度、エッチング性の評価を行った。結果を表3に示した。
(実施例2)
実施例1において、前記第二感光性樹脂組成物溶液の4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.4質量部、ベンゾフェノン3.0質量部をN−メチルアクリドン0.16質量部、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール1.04質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も厚みムラが±5%以内であった。こうして得たパターン形成材料の感度を後述の方法により測定したところ、前記最短現像時間は25秒、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは7、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は20であった。
製造したパターン形成材料を用いて解像度、露光速度、エッチング性の評価を行った。結果を表3に示した。
(実施例3)
実施例1において、前記第二感光性樹脂組成物溶液のメチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体15質量部を13質量部に、ドデカプロピレングリコールジアクリレート6.5質量部を8.1質量部に、テトラエチレングリコールジメタクリレート1.5質量部を1.9質量部に変更した以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も厚みムラが±5%以内であった。こうして得たパターン形成材料の感度を後述の方法により測定したところ、前記最短現像時間は25秒、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは7、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は20であった。
製造したパターン形成材料を用いて解像度、露光速度、エッチング性の評価を行った。結果を表3に示した。
(実施例4)
厚みが20μmの前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(前記支持体)に、下記の組成からなる第一感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、厚み25μmの感光層(本発明における第一感光層)を形成した。
[第一感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量:90000、Tg:70℃) 15質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.04質量部
・ベンゾフェノン 1.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 30質量部
次に、前記第一感光層の上に、下記の組成からなる水溶性ポリマー溶液を塗布し、乾燥して、厚みが1.6μmのバリアー層を形成した。
[水溶性ポリマー溶液の組成]
・ポリビニルアルコール(PVA205 クラレ(株)製) 13質量部
・ポリビニルピロリドン 6質量部
・水 200質量部
・メタノール 180質量部
次に、前記バリアー層の上に、下記の組成からなる第二感光性樹脂組成物溶液を塗布し、乾燥して、5μm厚の感光層(第二感光層)を形成した。
[第二感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量:90000、Tg:70℃) 15質量部
・ドデカプロピレングリコールジアクリレート 6.5質量部
・テトラエチレングリコールジメタクリレート 1.5質量部
・4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン 0.4質量部
・ベンゾフェノン 3.0質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.5質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.02質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.01質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.2質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.1質量部
・メチルエチルケトン 10質量部
・1−メトキシー2−プロパノール 20質量部
前記第二感光層の上に、厚みが12μmのポリプロピレンフィルム(前記支持体)を積層してパターン形成材料を得た。次に巻き芯に上記パターン形成材料を幅550mm、長さ200mで支持体側を外側になるように巻き取りロール状物を得た。こうして得たパターン形成材料の感度を後述の方法により測定したところ、前記最短現像時間は30秒、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、4mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは3.5、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.1)であった。また、第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は10であった。
製造したパターン形成材料を用いて解像度、露光速度、エッチング性の評価を行った。結果を表3に示した。
(実施例5)
実施例4において、前記第二感光性樹脂組成物溶液の4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.4質量部、ベンゾフェノン3.0質量部をN−メチルアクリドン0.16質量部、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール1.04質量部にした以外は、実施例4と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も層厚ムラが±5%以内であった。こうして得たパターン形成材料の感度を後述の方法により測定したところ、前記最短現像時間は30秒、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは7、前記光エネルギー量Aと前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度は20であった。
製造したパターン形成材料を用いて解像度、露光速度、エッチング性の評価を行った。結果を表3に示した。
(実施例6)
実施例4において、前記第二感光性樹脂組成物溶液のメチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体15質量部を13質量部に、ドデカプロピレングリコールジアクリレート6.5質量部を8.1質量部に、テトラエチレングリコールジメタクリレート1.5質量部を1.9質量部にした以外は、実施例4と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も厚みムラが±5%以内であった。こうして得たパターン形成材料の感度を後述の方法により測定したところ、前記最短現像時間は30秒、前記第二感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Aは、2mJ/cm2であり、前記第一感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2(前記光エネルギー量Cと、前記光エネルギー量Aとの比C/Aは7、前記光エネルギー量Aと、前記光エネルギー量Bとの比A/Bは0.05)であった。また、前記第一感光層の光感度を1とした場合、前記第二感光層の光感度は20であった。
製造したパターン形成材料を用いて解像度、露光速度、エッチング性の評価を行った。結果を表3に示した。
(実施例7)
実施例6において、前記第二感光性樹脂組成物溶液の4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン0.4質量部、ベンゾフェノン3.0質量部をN−メチルアクリドン0.16質量部、2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール1.04質量部にし、第一感光性樹脂組成物溶液を下記にした以外は、実施例4と同様にして、パターン形成材料を得た。いずれの層も層厚ムラが±5%以内であった。こうして得たパターン形成材料の感度を後述の方法により測定したところ、最短現像時間は30秒、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Aは、1mJ/cm2であり、第一感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bは10mJ/cm2であり、第一感光層の硬化が始まるまでに必要な光エネルギー量Cは3mJ/cm2(光エネルギー量Cと光エネルギー量Aとの比C/Aは3、光エネルギー量Aと光エネルギー量Bとの比A/Bは0.1)であった。また、第一感光層の光感度を1とした場合、第二感光層の光感度は10であった。
[第一感光性樹脂組成物溶液の組成]
・メチルメタクリレート/2−エチルへキシルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体(共重合体組成(モル比):55/11.7/4.5/28.8、質量平均分子量:90000、Tg:70℃) 24質量部
・ヘキサメチレンジイソシアネートとオクタエチレンオキシドモノ(メタ)アクリレートの1/2モル比付加物 12質量部
・N−メチルアクリドン 0.2質量部
・2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニルビイミダゾール 0.8質量部
・2−メルカプトベンズイミダゾール 0.2質量部
・4−トルエンスルホンアミド 0.8質量部
・マラカイトグリーンシュウ酸塩 0.03質量部
・1,2,4−トリアゾール 0.03質量部
・ロイコクリスタルバイオレット 0.32質量部
・トリブロモメチルフェニルスルホン 0.25質量部
・メチルエチルケトン 55質量部
・1−メトキシー2−プロパノール 8質量部
製造したパターン形成材料を用いて解像度、露光速度、エッチング性の評価を行った。結果を表3に示した。
(感度の測定方法)
(1)最短現像時間の測定方法
表面を研磨、水洗、乾燥した銅張積層板(スルーホールなし)の表面に、前記パターン形成材料の前記保護フィルムを剥がしながら、前記パターン形成材料の前記第二感光層が基板に接するようにパターン形成材料をラミネーター(MODEL8B−720−PH、大成ラミネーター(株)製)を用いて圧着して、銅張積層板、前記第二感光層、(実施例4〜7では、更に前記バリアー層)、前記第一感光層、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムがこの順で積層された積層体を作製した。圧着条件は圧着ロール温度105℃、圧着ロール圧力3kg/cm2、そして圧着速度1m/分とした。積層体から前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取り、前記銅張積層板上の前記感光層の全面に30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を0.15MPaの圧力にてスプレーした。炭酸ナトリウム水溶液のスプレー開始から、前記銅張積層板上の前記感光層が溶解除去されるまでに要した時間を測定し、これを前記最短現像時間とした。
(2)感度の測定
前記最短現像時間の測定と同様にして、基板上にパターン形成材料を積層した。パターン形成材料の感光層に、ポリエチレンテレフタレートフィルム側から405nmのレーザ光源を有する露光装置を用いて、0.1mJ/cm2から21/2倍間隔で100mJ/cm2まで光エネルギー量の異なる光を照射して、前記感光層を硬化させた。室温にて10分間静置した後、積層体から前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取った。銅張積層板上の樹脂組成物層の全面に、30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて上記(1)で求めた最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の樹脂組成物を溶解除去して、残った硬化層の厚みを測定した。次いで、光の照射量と、硬化層の厚みとの関係をプロットして感度曲線を得た。こうして得た感度曲線から硬化層の厚みが5μmとなった時の光エネルギー量(光エネルギー量A)、硬化層の厚みが30μm(実施例4〜7では31.6μm)となった時の光エネルギー量(光エネルギー量B)、及び硬化層の厚みが5μmを超えた時の光エネルギー量(光エネルギー量C)を読み取った。
<<パターン形成装置>>
前記光照射手段として図38〜43に示す合波レーザ光源と、前記光変調手段として図15に示す主走査方向にマイクロミラーが1024個配列されたマイクロミラー列が、副走査方向に768組配列された内、1024個×256列のみを駆動するように制御したDMD50と、図24に示した一方の面がトーリック面であるマイクロレンズ474をアレイ状に配列したマイクロレンズアレイ472及び該マイクロレンズアレイを通した光を前記パターン形成材料に結像する光学系480、482とを有するパターン形成装置を用いた。DMD50は、図23に示したデータ処理部とミラー駆動制御部とを備えたコントローラ302に接続した。コントローラ302のデータ処理部では、入力されたパターン情報に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の制御すべき領域内の各マイクロミラーを駆動制御する制御信号を生成することができ、また、前記ミラー駆動制御部では、パターン情報処理部で生成した制御信号に基づいて、露光ヘッド166毎にDMD50の各マイクロミラーの反射面の角度を制御することができる。
なお、前記パターン形成装置における露光は、露光光と前記パターン形成材料における感光層とを相対的に移動させながら行った。
また、前記マイクロレンズにおけるトーリック面は以下に説明するものを用いた。
まず、DMD50の前記描素部としてのマイクロレンズ474の出射面における歪みを補正するため、該出射面の歪みを測定した。結果を図25に示した。図25においては、反射面の同じ高さ位置を等高線で結んで示してあり、等高線のピッチは5nmである。なお同図に示すx方向及びy方向は、マイクロミラー62の2つ対角線方向であり、マイクロミラー62はy方向に延びる回転軸を中心として回転する。また、図26の(A)及び(B)にはそれぞれ、上記x方向、y方向に沿ったマイクロミラー62の反射面の高さ位置変位を示した。
前記図25及び図26に示した通り、マイクロミラー62の反射面には歪みが存在し、そして特にミラー中央部に注目してみると、1つの対角線方向(y方向)の歪みが、別の対角線方向(x方向)の歪みよりも大きくなっていることが判る。このため、このままではマイクロレンズアレイ55のマイクロレンズ55aで集光されたレーザ光Bの集光位置における形状が歪んでしまうことが判る。
図27の(A)及び(B)には、マイクロレンズアレイ55全体の正面形状及び側面形状をそれぞれ詳しく示した。これらの図には、マイクロレンズアレイ55の各部の寸法も記入してあり、それらの単位はmmである。先に図15を参照して説明したようにDMD50の1024個×256列のマイクロミラー62が駆動されるものであり、それに対応させてマイクロレンズアレイ55は、横方向に1024個並んだマイクロレンズ55aの列を縦方向に256列並設して構成されている。なお、同図(A)では、マイクロレンズアレイ55の並び順を横方向についてはjで、縦方向についてはkで示している。
また、図28(A)及び(B)には、マイクロレンズアレイ55における1つのマイクロレンズ55aの正面形状及び側面形状をそれぞれ示した。なお、同図(A)には、マイクロレンズ55aの等高線を併せて示してある。各マイクロレンズ55aの光出射側の端面は、マイクロミラー62の反射面の歪みによる収差を補正する非球面形状とされている。より具体的には、マイクロレンズ55aはトーリックレンズとされており、前記x方向に光学的に対応する方向の曲率半径Rx=−0.125mm、前記y方向に対応する方向の曲率半径Ry=−0.1mmである。
したがって、前記x方向及びy方向に平行な断面内におけるレーザ光Bの集光状態は、概略、それぞれ図29の(A)及び(B)に示す通りとなる。つまり、x方向に平行な断面内とy方向に平行な断面内とを比較すると、後者の断面内の方がマイクロレンズ55aの曲率半径がより小であって、焦点距離がより短くなっていることが判る。
なお、マイクロレンズ55aを前記形状とした場合の、該マイクロレンズ55aの集光位置(焦点位置)近傍におけるビーム径を計算機によってシミュレーションした結果を図30a、b、c、及びdに示す。また比較のために、マイクロレンズ55aが曲率半径Rx=Ry=−0.1mmの球面形状である場合について、同様のシミュレーションを行った結果を図31a、b、c及びdに示す。なお、各図におけるzの値は、マイクロレンズ55aのピント方向の評価位置を、マイクロレンズ55aのビーム出射面からの距離で示している。
また、前記シミュレーションに用いたマイクロレンズ55aの面形状は、下記計算式で計算される。
但し、前記計算式において、Cxは、x方向の曲率(=1/Rx)を意味し、Cyは、y方向の曲率(=1/Ry)を意味し、Xは、x方向に関するレンズ光軸Oからの距離を意味し、Yは、y方向に関するレンズ光軸Oからの距離を意味する。
図30a〜dと図31a〜dとを比較すると明らかなように、マイクロレンズ55aを、y方向に平行な断面内の焦点距離がx方向に平行な断面内の焦点距離よりも小さいトーリックレンズとしたことにより、その集光位置近傍におけるビーム形状の歪みが抑制される。この結果、歪みの無い、より高精細なパターンをパターン形成材料150に露光可能となる。また、図30a〜dに示す本実施形態の方が、ビーム径の小さい領域がより広い、すなわち焦点深度がより大であることが判る。
また、マイクロレンズアレイ55の集光位置近傍に配置されたアパーチャアレイ59は、その各アパーチャ59aに、それと対応するマイクロレンズ55aを経た光のみが入射するように配置されたものである。すなわち、このアパーチャアレイ59が設けられていることにより、各アパーチャ59aに、それと対応しない隣接のマイクロレンズ55aからの光が入射することが防止され、消光比が高められる。
(3)解像度の測定
上記(1)の最短現像時間の評価方法と同じ方法と条件で、前記積層体を作製して、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた積層体のポリエチレンテレフタレートフィルム(支持体)の上から、前記パターン形成装置を用いて、ライン/スペース=1/1でライン幅5μm〜20μmまで1μm刻みで各線幅の露光を行い、ライン幅20μm〜50μmまで5μm刻みで各線幅の露光を行った。この際の露光量は、各感光性転写シートの第二感光層が硬化する光エネルギー量である。室温にて10分間静置した後、積層体からポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取った。銅張積層板上の感光層の全面に、前記現像液として30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液をスプレー圧0.15MPaにて前記(1)で求めた前記最短現像時間の2倍の時間スプレーし、未硬化の樹脂領域を溶解除去する。この様にして得られた硬化樹脂パターン付き銅張積層板の表面を光学顕微鏡で観察し、硬化樹脂パターンのラインにツマリ、ヨレ等の異常のない最小のライン幅を測定し、これを解像度とした。該解像度は数値が小さいほど良好である。
<露光速度>
前記パターン形成装置を用いて、露光光と前記感光層とを相対的に移動させる速度を変更し、一般的な配線パターンが形成される速度を求めた。前記露光は、前記調製した積層体におけるパターン形成材料の感光層に対して、前記ポリエチレンテレフタレートフィルム(前記支持体)側から行った。なお、この設定速度が速い方が効率的なパターン形成が可能となる。
<エッチング性>
前記解像度の測定において形成したパターンを有する積層体を用いて、該積層体における露出した銅張積層板の表面に、塩化鉄エッチャント(塩化第二鉄含有エッチング溶液、40°ボーメ、液温40℃)を0.25MPaで、36秒スプレーして、硬化層で覆われていない露出した領域の銅層を溶解除去することによりエッチング処理を行った。次いで、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーすることにより前記形成したパターンを除去して、表面に前記永久パターンとしての銅層の配線パターンを備えたプリント配線板を調製した。前記プリント配線基板上の配線パターンを光学顕微鏡で観察し、前記配線パターンの最小のライン幅を測定した。この最小ライン幅が小さいほど高精細な配線パターンが得られ、エッチング性に優れていることを意味する。
(比較例1)
実施例1おいて、前記第一感光層の厚みを30μmに変更し、前記第二感光層を塗布しない以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料を作製した。こうして得たパターン形成材料の感度を後述の方法により測定したところ、前記最短現像時間は25秒、前記感光層を硬化させるために必要な前記光エネルギー量Bは40mJ/cm2であり、前記第一感光層の硬化が始まるまでに必要な前記光エネルギー量Cは14mJ/cm2であった。
製造したパターン形成材料を用いて解像度、露光速度、エッチング性の評価を行った。結果を表3に示した。
(比較例2)
実施例1において、前記第一感光層の厚みを5μmに変更し、前記第二感光層を塗布しない以外は、実施例1と同様にして、パターン形成材料を作製した。こうして得たパターン形成材料の感度を後述の方法により測定したところ、最短現像時間は10秒以下、第二感光層を硬化させるために必要な光エネルギー量Bは4mJ/cm2であった。
(比較例3)
実施例1において、上述の露光装置を用いず、405nmのレーザー光を有する露光装置を用いた以外は、実施例1と同様にして、解像度、露光速度、エッチング性の評価を行った。結果を表3に示した。
(プリント配線板の製造、並び評価)
内壁に銅めっき層が形成された、直径3mmの前記スルーホールを有し、表面が研磨、水洗、乾燥された前記銅張積層板の上に、前記保護フィルムを剥離した前記パターン形成材料の前記第二感光層を重ね、ラミネートし、前述と同様にして前記銅張積層板、前記第二感光層、(実施例4〜7では更に前記バリアー層)、前記第一感光層、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムがこの順で積層された積層体を作製して、室温(23℃、55%RH)にて10分間静置した。得られた前記積層体の前記ポリエチレンテレフタレートフィルムの上から、銅張積層板の配線パターン形成領域に、各パターン形成材料の前記第二感光層が硬化する光エネルギー量の光を所定のパターン状に照射し、一方、銅張積層板のスルーホールの開口部及びその周囲領域に、各パターン形成材料の前記第一感光層が、硬化する光エネルギー量の光を照射して、前記感光層を露光した。露光後、積層体から前記ポリエチレンテレフタレートフィルムを剥がし取り、次いで前述の評価法と同様に炭酸ナトリウム水溶液を感光層表面にスプレーして、前記第一感光層及び前記第二感光層の未硬化領域を溶解除去して、硬化層レリーフを得た。得られた硬化層パターンを顕微鏡で観察し、配線パターン形成領域上の硬化層、及びスルーホール開口部上の硬化層に剥がれやテント膜の破れ(前記テント性)などの欠陥の有無を観察した。
なお、この際の硬化層の厚さをレーザ顕微鏡(VK-9500、キーエンス(株)製)で測定したところ、配線パターン形成領域上の硬化層の厚みは5μmであり、スルーホール開口部上の硬化層の厚みは30μm(実施例4〜7では31.6μm)であった。
次いで、銅張積層板の表面に、塩化鉄エッチャント(塩化第二鉄含有エッチング溶液)をスプレーして、硬化層で覆われていない露出した領域の銅層を溶解除去する。次に、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液をスプレーして硬化物レリーフを除去して、前記スルーホールを有し、表面に配線パターン状の銅層を備えたプリント配線板を得た。得られたプリント配線板のスルーホール内壁の、銅めっき層の異常の有無を目視で観察した。
パターン形成材料について解像度、硬化層の剥がれ、テント破れ、スルーホール内銅めっきの異常の有無を評価した。結果を表3に示した。
表3の結果より、実施例1〜7と比較例1とでは、解像度及びエッチング性が異なる結果となり、実施例1〜7と比較例2とでは、テント破れが異なる結果となり、実施例1と比較例3とでは、解像度、エッチング性、及び露光速度が異なる結果となった。実施例1〜7は、描素部の出射面の歪による収差を補正可能な非球面を有するマイクロアレイを通した光を露光することで、露光速度が速く、効率的な配線パターン形成が可能となった。
本発明のパターン形成材料は、解像度、エッチング性、テント性、及び露光速度にすぐれ、感光層の感度低下を抑制可能であると共に、該感光層を短時間で現像でき、しかも現像後における現像液の汚れを抑制可能であるため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等のディスプレイ用部材の製造、印刷版、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの各種の画像形成材料の製造などに好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。本発明のパターン形成装置は、本発明の前記パターン形成材料を備えているため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等のディスプレイ用部材の製造、印刷版、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの各種の画像形成材料の製造などに好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に用いることができる。本発明のパターン形成方法は、本発明の前記パターン形成材料を用いるため、各種パターンの形成、配線パターン等の永久パターンの形成、カラーフィルタ、柱材、リブ材、スペーサー、隔壁等のディスプレイ用部材の製造、印刷版、ホログラム、マイクロマシン、プルーフなどの各種の画像形成材料の製造などに好適に用いることができ、特に高精細な配線パターンの形成に好適に使用することができる。
図1は、本発明に従う感光性転写シートの一例の模式断面図である。 図2は、本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 図3は、本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 図4は、本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 図5は、本発明の感光性転写シートに支持体側から光を照射したときの、光の照射量と硬化層の厚さとの関係を表す感度曲線を示すグラフである。 図6は、本発明に従う感光性転写シートの一例の模式断面図である。 図7は、本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 図8は、本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 図9は、本発明に従う感光性転写シートの他の例の模式断面図である。 図10は、本発明に従う感光層が三層である感光性転写シートを用いて形成が可能な画像例(硬化層パターン)を示す模式図である。 図11は、本発明に従うスルーホールを有するプリント配線板の製造工程を示す工程図である。 図12は、デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)の構成を示す部分拡大図の一例である。 図13(A)及び(B)は、DMDの動作を説明するための説明図の一例である。 図14(A)及び(B)は、DMDを傾斜配置しない場合と傾斜配置する場合とで、露光ビームの配置及び走査線を比較して示した平面図の一例である。 図15(A)及び(B)は、DMDの使用領域の例を示す図の一例である。 図16は、スキャナによる1回の走査でパターン形成材料を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 図17(A)及び(B)は、スキャナによる複数回の走査でパターン形成材料を露光する露光方式を説明するための平面図の一例である。 図18は、パターン形成装置の一例の外観を示す概略斜視図の一例である。 図19は、パターン形成装置のスキャナの構成を示す概略斜視図の一例である。 図20(A)は、パターン形成材料に形成される露光済み領域を示す平面図の一例であり、図20(B)は、各露光ヘッドによる露光エリアの配列を示す図の一例である。 図21は、光変調手段を含む露光ヘッドの概略構成を示す斜視図の一例である。 図22は、図21に示す露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った副走査方向の断面図の一例である。 図23は、パターン情報に基づいて、DMDの制御をするコントローラの一例である。 図24(A)は、結合光学系の異なる他の露光ヘッドの構成を示す光軸に沿った断面図の一例であり、図24(B)は、マイクロレンズアレイ等を使用しない場合に被露光面に投影される光像を示す平面図の一例であり、図24(C)は、マイクロレンズアレイ等を使用した場合に被露光面に投影される光像を示す平面図の一例である。 図25は、DMDを構成するマイクロミラーの反射面の歪みを等高線で示す図の一例である。 図26は、前記マイクロミラーの反射面の歪みを、該ミラーの2つの対角線方向について示すグラフの一例である。 図27は、パターン形成装置に用いられたマイクロレンズアレイの正面図(A)と側面図(B)の一例である。 図28は、マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図(A)と側面図(B)の一例である。 図29は、マイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)と別の断面内(B)について示す概略図の一例である。 図30aは、マイクロレンズの集光位置近傍におけるビーム径をシミュレーションした結果を示す図の一例である。 図30bは、図30aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図30cは、図30aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図30dは、図30aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図31aは、従来のパターン形成方法において、マイクロレンズの集光位置近傍におけるビーム径をシミュレーションした結果を示す図の一例である。 図31bは、図31aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図31cは、図31aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図31dは、図31aと同様のシミュレーション結果を、別の位置について示す図の一例である。 図32は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図33は、マイクロレンズアレイを構成するマイクロレンズの正面図(A)の一例と側面図(B)の一例である。 図34は、図33のマイクロレンズによる集光状態を1つの断面内(A)の一例と別の断面内(B)について示す概略図の一例である。 図35(A)、(B)及び(C)は、光量分布補正光学系による補正の概念についての説明図の一例である。 図36は、光照射手段がガウス分布で且つ光量分布の補正を行わない場合の光量分布を示すグラフの一例である。 図37は、光量分布補正光学系による補正後の光量分布を示すグラフの一例である。 図38a(A)は、ファイバアレイ光源の構成を示す斜視図であり、図38a(B)は、(A)の部分拡大図の一例であり、図38a(C)及び(D)は、レーザ出射部における発光点の配列を示す平面図の一例である。 図38bは、ファイバアレイ光源のレーザ出射部における発光点の配列を示す正面図の一例である。 図39は、マルチモード光ファイバの構成を示す図の一例である。 図40は、合波レーザ光源の構成を示す平面図の一例である。 図41は、レーザモジュールの構成を示す平面図の一例である。 図42は、図41に示すレーザモジュールの構成を示す側面図の一例である。 図43は、図41に示すレーザモジュールの構成を示す部分側面図である。 図44は、レーザアレイの構成を示す斜視図の一例である。 図45(A)は、マルチキャビティレーザの構成を示す斜視図の一例であり、図45(B)は、(A)に示すマルチキャビティレーザをアレイ状に配列したマルチキャビティレーザアレイの斜視図の一例である。 図46は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例である。 図47(A)は、合波レーザ光源の他の構成を示す平面図の一例であり、図47(B)は、(A)の光軸に沿った断面図の一例である。 図48(A)及び(B)は、従来の露光装置における焦点深度と本発明のパターン形成方法(パターン形成装置)による焦点深度との相違を示す光軸に沿った断面図の一例である。
符号の説明
LD1〜LD7 GaN系半導体レーザ
10 ヒートブロック
11〜17 コリメータレンズ
20 集光レンズ
30〜31 マルチモード光ファイバ
44 コリメータレンズホルダー
45 集光レンズホルダー
46 ファイバホルダー
50 デジタル・マイクロミラー・デバイス(DMD)
52 レンズ系
53 反射光像(露光ビーム)
54 第2結像光学系のレンズ
55 マイクロレンズアレイ
56 被露光面(走査面)
55a マイクロレンズ
57 第2結像光学系のレンズ
58 第2結像光学系のレンズ
59 アパーチャアレイ
64 レーザモジュール
66 ファイバアレイ光源
67 レンズ系
68 レーザ出射部
69 ミラー
70 プリズム
71 集光レンズ
72 ロッドインテグレータ
73 組合せレンズ
74 結像レンズ
100 ヒートブロック
110 マルチキャビティレーザ
111 ヒートブロック
113 ロッドレンズ
120 集光レンズ
130 マルチモード光ファイバ
130a コア
140 レーザアレイ
144 光照射手段
150 パターン形成材料
152 ステージ
155a マイクロレンズ
156 設置台
158 ガイド
160 ゲート
162 スキャナ
164 センサ
166 露光ヘッド
168 露光エリア
170 露光済み領域
180 ヒートブロック
184 コリメートレンズアレイ
302 コントローラ
304 ステージ駆動装置
454 レンズ系
468 露光エリア
472 マイクロレンズアレイ
474 マイクロレンズ
476 アパーチャアレイ
478 アパーチャ
480 レンズ系
510 パターン形成材料
511 支持体
512 第一感光層
513 バリアー層
514 第二感光層
515 保護フィルム
516 薄膜硬化層
517 厚膜硬化層
518 剥離片
521 プリント配線板形成用基板
522 スルーホール
523 金属めっき層
524 配線パターン
531 加圧ローラ
550 パターン形成材料
551 支持体
552 第一感光層
553 バリアー層
554 第二感光層

Claims (11)

  1. 支持体上に、バインダー、重合性化合物、及び光重合開始剤とを含む感光性樹脂層で形成される第一感光層と、バインダー、重合成化合物、及び光重合開始剤とを含む感光性樹脂層で形成され、前記第一感光層の光感度よりも高い光感度を有する第二感光層を有してなり、感光層が、光照射手段からの光を受光し出射する描素部をn個有する光変調手段により、前記光照射手段からの光を変調させた後、前記描素部における出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通した光で露光されることを特徴とするパターン形成材料。
  2. 第一感光層が、第二感光層上に設けられた請求項1に記載のパターン形成材料。
  3. 第二感光層が、第一感光層上に設けられた請求項1に記載のパターン形成材料。
  4. 第一感光層と第二感光層の間にバリアー層が設けられた請求項1から3のいずれかに記載のパターン形成材料。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載のパターン形成材料を備えており、
    光を照射可能な光照射手段と、前記光照射手段からの光を変調し、前記パターン形成材料における感光層に対して露光を行う光変調手段とを少なくとも有することを特徴とするパターン形成装置。
  6. 請求項1から4のいずれかに記載のパターン形成材料における感光層に対し、露光を行うことを少なくとも含むことを特徴とするパターン形成方法。
  7. 露光が、光変調手段により光を変調させた後、前記光変調手段における描素部の出射面の歪みによる収差を補正可能な非球面を有するマイクロレンズを配列したマイクロレンズアレイを通して行われる請求項6に記載のパターン形成方法。
  8. 非球面が、トーリック面である請求項7に記載のパターン形成方法。
  9. 露光が行われた後、感光層の現像を行う請求項6から8のいずれかに記載のパターン形成方法。
  10. 現像が行われた後、永久パターンの形成を行う請求項6から9のいずれかに記載のパタ
    ーン形成方法。
  11. 永久パターンが、配線パターンであり、該永久パターンの形成がエッチング処理及びメッキ処理の少なくともいずれかにより行われる請求項10に記載のパターン形成方法。
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