JP2006030380A - ホログラム装置及びホログラム記録方法 - Google Patents

ホログラム装置及びホログラム記録方法 Download PDF

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Abstract


【課題】記録エリアのトラック方向に必要なシフト選択性を確保しつつ、クロストラック方向のトレランスを増やして記録することにより、再生時のトラッキングサーボを容易且つ安定に行うこと。
【解決手段】ホログラム記録材料12の記録エリアのトラック方向に長い形状の拡散板16を用意し、この拡散板16に参照光200を通して、これをホログラム記録材料12に照射する。これにより、前記記録エリアのトラック方向よりもクロストラック方向に大きな粒状形状を有するスペックルパターンを持った参照光が生成され、これをホログラム記録材料12の記録エリアに照射することにより、トラック方向の必要なシフト選択性を確保しつつ、クロストラック方向のトレランスを増やして記録することができ、それ故、再生時のトラッキングサーボを容易且つ安定に行うことができる。
【選択図】図5

Description

本発明は、ホログラムをホログラム記録材料に体積記録するホログラム装置に係り、特に再生時のトラッキングサーボを容易に行うためのホログラム記録方法に関する。
近年、ホログラム技術を利用して大容量データの記録再生を行うホログラフィックストレージシステムが提案されている。このホログラフィックストレージシステムは、例えば液晶素子等の空間光変調手段によって生成される記録データを含む信号光と、この信号光に対応して設定される参照光とを所定の角度でホログラム記録材料(以降単に記録材料と称することもある)に照射することにより、信号光と参照光によって生じる干渉縞を記録材料に記録する記録系と、このホログラム記録材料に再生照明光を照射することによって記録された干渉縞に対応する回折光(再生信号光)を生成し、これをCCDイメージセンサ等の受光素子によって受光してその解析を行って、データを再生する再生系とを有する構成となっている。なお、このようにして記録された空間光変調手段1つあたりのホログラムをページと呼ぶ。
また、ホログラフィックストレージシステムにおいては、記録密度向上のために多重記録と言う手法を用いる。これは、従来の光ディスクにおける記録と異なり、1箇所に多数の独立なページを記録するというものである。このような多重記録方式の代表的なものとしては、角度多重記録、シフト多重記録、位相コード多重記録方式などが公知で、その他多くの多重方式が知られている。
角度多重方式は、参照光の角度を変えることで1箇所に多数の独立なページを記録、再生するものである。シフト多重は記録位置を少しづつずらすことで、多重記録を行うものである。位相コード多重はひとつのページを記録する際に、色々な方向から参照光を同時に当てて記録する。しかし、その際に、各方向からの参照光に位相の変化を与えておく。この位相の変化を色々と組み合わせることで、1箇所に多数枚の独立なページを記録再生するものである。
また、上記の3種類以外にも多くの多重方式が考えられる。例えば、本稿と関係のあるものとして、スペックル多重(若しくはコリレーション多重)と呼ばれているものがあるが、これについて次に詳しく説明する。
スペックル多重とは、参照光の光路中に例えば拡散体を入れ、それにより拡散された参照光と信号光を記録材料内で干渉させる方法である。一般に、ランダムな拡散を受けたレーザ光は、ランダムな干渉を起こした結果、スペックルパターンと呼ばれるランダムな強度分布を持つようになる。すなわち、スペックル多重方式ではスペックルパターンと信号光が干渉することになる。このようにして記録されたホログラムはスペックルサイズと同等な距離だけ変位すると像が再生されなくなるという特徴がある。この特徴を利用した多重方法がスペックル多重(もしくはコリレーション多重)であり、球面波を使ったシフト多重よりも密に記録できる(すなわち、シフト選択性が良い)長所がある。
スペックル多重方式ホログラムを利用し、例えば図12のようなシフト記録を行ったとする。話を分かり易くするために、記録は光ディスクのように回転するディスク型記録材料に行われたとし、シフト方向はディスクの回転方向と一致しているとする。読み出しも回転しながら行われる。この図で、一つの円はホログラム1ページの記録エリアを表している。しかし実際は円形とは限らず、楕円であったり、矩形であったりする。このようにして記録されたホログラムを再生する場合を考える。なお、図12では直交方向(クロストラック方向)にはホログラム同士が重なっていないが、実際は重なっていても良い。
従来の光ディスクでは、シフト方向をトラック方向とも呼び、シフト方向に直交する方向はクロストラック方向と呼んでいるが、回転するにしたがって、トラック方向の位置の横ずれに対するサーボ(すなわちトラッキングサーボ)は、再生において重要な役割をもっていた。ちなみに、従来の光ディスクではこのズレ量は数十〜数百ミクロンが許容されていた。
(例えば非特許文献:Holographic Data Storage;H.J.Coufal,D.Psaltis,G.T.Sincerbox ED;Springer; p.185 Photopolymer System)
このトラック方向の位置の横ずれに関してはホログラフィックストレージにおいても同じような状況があり、トラッキングサーボのようなものが必要である。しかしながら、スペックル多重方式においては記録容量を稼ぐためにシフト選択性を数ミクロン〜数十ミクロンとするのが一般的である。この高い選択性はシフト方向に対しては必要なものであるが、クロストラック方向についてはトラッキングサーボを掛けるのが難しい数値である。すなわち、クロストラック方向のシフト選択性を低くしないと、言い換えるとクロストラック方向のトレランスを増やさないと、再生時にトラッキングサーボを掛けることが難しくなるという問題がある。
本発明は前記事情に鑑み案出されたものであって、本発明の目的は、ホログラム記録材料の記録エリアのトラック方向に必要なシフト選択性を確保しつつ、クロストラック方向のトレランスを増やして記録することにより、再生時のトラッキングサーボを容易且つ安定に行うことができるホログラム装置及びホログラム記録方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するため、信号光とスペックルパターンを有する参照光との干渉縞をホログラム記録材料の記録エリアに記録するホログラム装置であって、前記記録エリアのトラック方向とクロストラック方向とで前記参照光のスペックルパターンの形態が異なるようにするスペックルパターン生成手段を具備することを特徴とする。
このように本発明では、例えばホログラム記録材料の記録エリアのトラック方向に長い形状の拡散板に参照光を通して、これをホログラム記録材料に照射することにより、前記記録エリアのトラック方向よりもクロストラック方向に大きな粒状形状を有するスペックルパターンを持った参照光を生成し、これをホログラム記録材料の記録エリアに照射して記録するため、トラック方向に必要なシフト選択性を確保しつつ、クロストラック方向のトレランスを増やして記録することができ、それ故、再生時のトラッキングサーボを容易且つ安定に行うことができる。
本発明によれば、ホログラム記録材料の記録エリアのトラック方向とクロストラック方向とで前記スペックルパターンの形態が異なる参照光を用いることによって、トラック方向に必要なシフト選択性を確保しつつ、クロストラック方向のトレランスを増やして記録することができ、それ故、再生時のトラッキングサーボを容易且つ安定に行うことができる。
また、上記効果により、トラッキングサーボの限界にとらわれることなく、ホログラム記録材料の記録エリアのトラック方向の記録密度を詰めることができるため、記録材料のダイナミックレンジ一杯まで記録密度を上げることができる。
ホログラム記録材料の記録エリアのトラック方向に必要なシフト選択性を確保しつつ、クロストラック方向のトレランスを増やして記録することが可能で、それ故、再生時のトラッキングサーボを容易且つ安定に行うことを可能とする目的を、ホログラム記録材料の記録エリアのトラック方向とクロストラック方向とで前記スペックルパターンの形態が異なる参照光を用いることによって実現した。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の構成を示した概略図である。ホログラム記録再生装置は、レーザ光源2、シャッター3、ビームスプリッター4、ミラー6、空間光変調器8、レンズ10、ディスク状のホログラム記録材料(フォトポリマ材等)12、ミラー14、参照光200を拡散して波面をスペックル状にする拡散板16、レンズ18、レンズ20、ディテクター22、スピンドルモータ7を有している。
次に本実施の形態の動作について説明する。図1にて、ホログラム記録材料12にデータを記録する場合、シャッタ−3が閉まった状態で、記録するデータページが空間光変調器(透過性の液晶表示装置)8に表示されると共に、スピンドルモータ7を回転させてホログラム記録材料12の記録場所(記録エリア)を決めた後、シャッタ−3を開ける。
これにより、レーザ光源2から出射された干渉性を持つレーザ光はシャッタ−3を通してビームスプリッター4に入射し、信号光100と参照光200に分岐される。信号光100はミラ−6を介して空間光変調器8に入射され、信号光100はデータページが表示された空間光変調器8を通ることで、空間光変調(強度変調)される。変調された信号光はレンズ10によりホログラム記録材料12の上記記録エリアに集光される。
一方、参照光200はミラー14を介して拡散板16に入射されることにより波面がスペックル状の参照光となり、その後レンズ18によりホログラム記録材料12の信号光100と同−の集光点に集光される。その結果、ホログラム記録材料12内において、この信号光100と参照光200の集光点で両光線が重ね合わされて、その結果形成される干渉縞がホログラム記録材料12に微細な疎密パターンとして記録される。
その後、空間光変調器8に次に記録するデータページが表示されると共に、スピンドルモータ7を僅かに回転させて、ホログラム記録材料12をδだけシフトすると、信号光100と参照光200が集光される部分が相対的にδ動くことになる。この状態で、シャッター3が開かれると、次に記録するデータページがホログラム記録材料12の信号光100と参照光200の集光領域(記録エリア)にスペックル多重記録される。
図2は上記のようにスペックル多重記録した場合のディスク状のホログラム記録材料12の記録エリアの形態を模式的に示した図である。図2(A)に示すように、ディスク状のホログラム記録材料12のトラック方向(円周方向)にスペックル多重記録され、図2(B)に示したひとつの円が記録エリアで、この記録エリアがトラック方向(矢印P方向)にσ間隔で生成されており、記録エリアが重なって多重記録されている。この図2(B)の矢印Q方向がクロストラック方向である。
上記のような参照光光学系を用いてスペックル多重ホログラムを記録した場合のシフト選択性については、すでに知られた関係がある。すなわち、スペックル多重方式のシフト選択性は、参照光のスペックルサイズで決まり、また、図3において、参照光のスペックルサイズは、ホログラム記録材料から見た参照光波の開口数で決まる。具体的には、ホログラム記録材料の面内平均スペックルサイズδはδ=1.22λL/dで与えられる。但し、λは参照光200の波長であり、L,dは、図3中に示すものである。
したがって、このような参照光を用いたスペックル多重光学系では、シフト選択性はδのオーダーになる。しかしながら、従来は基本的には等方的な拡散板を用い、拡散板の形状も、記録材料のシフト方向を考慮して決められたことはなかった。このため、シフト選択性も基本的には等方的であり、その結果、トラック方向とクロストラック方向では同じシフト選択性を持つことになっていた。シフト選択性は、別の見方をすればシステムのトレランスと同じであり、必要以上にシフト選択性が高いと、トレランスが少なくなり、サーボや周辺精度に不要な負担をかけることになる。
そこで、本実施の形態では、図4に示すようにトラック方向とクロストラック方向に異なる大きさを持つスペックルパターンを持つ参照光200を発生する拡散板16を用いている。このような参照光200は図4に示すように、クロストラック方向はスペックルパターンが疎で、クロストラック方向では密な形態、例えばトラック方向よりもクロストラック方向に大きな粒状形態を有することになる。
このようなスペックルパターンを発生させるためには、ホログラム記録材料から見た参照光波の開口数がシフト方向とクロストラック方向で異なり、クロストラック方向のほうがシフト方向よりも小さい開口数を持つ必要がある。それには、図5(A)に示すように、拡散板16に照射される照明光の範囲がトラック方向に長く、図5(B)に示すように、拡散板16に照射される照明光の範囲がクロストラック方向に短くなるようにすれば良く、すなわち、図5の配置の場合、din>dcrossとすることでクロストラック方向に長いスペックルパターンを作ることが出来る。
本実施の形態によれば、細長い形状をした拡散板16によりシフト方向とクロストラック方向で異なる形態を有するスペックルパターンを持った参照光200を生成し、この参照光200と信号光100の干渉縞を記録することにより、トラック方向に必要なシフト選択性を確保しつつ、クロストラック方向のトレランスを増やして記録することができ、それ故、再生時のトラッキングサーボを容易且つ安定に行うことができる。
尚、スペックルの理論により、拡散板16の拡散角とスペックルサイズは通常は無関係である。図5から分かるように拡散板16の拡散角は、ホログラム記録エリアの必要な部分に参照光200が広がるように設定されていることが好ましい。このような拡散角の制御は拡散板の表面粗さによって制御できるし、拡散板の代わりに回折光学素子のようなものを用いても良い。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の要部の構成を示した平面図である。但し、第1の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して説明する。本実施の形態のホログラム記録再生装置の参照光光学系は、アパーチャ25を有し、拡散板を通った参照光をこのアパーチャ25を通してホログラム記録材料12に照射する。
図7(A)は図6を矢印A方向から見た側面図であり、図7(B)は図6を矢印B方向から見た側面図である。ホログラム記録再生装置の参照光光学系は拡散板16、レンズ24、アパーチャ25、レンズ26を有して構成され、レンズ24、レンズ26は、テレセントリック光学系の一種である4f光学系を成している。
次に本実施の形態の動作について説明する。参照光200は拡散板16によりその波面
がスペックル状になり、これがレンズ24によりアパーチャ25に集光される。参照光200はアパーチャ25を通過した後、レンズ26によりホログラム記録材料12に照射される。
本実施の形態のアパーチャ25はトラック方向に細長い形状をしている。これは、アパーチャ25の開口が大きいほうがホログラム記録材料12から見た参照光波の開口数が大きくなり、従ってスペックルパターンが小さくなる。レンズ24とレンズ26は4f光学系を成して拡散板16とホログラム記録材料12面は結像関係にあるため、ホログラム記録材料12上の参照光200の照射範囲はトラック方向のスペックルパターンが小さくなり、クロストラック方向のスペックルパターンは大きくなる。したがって、トラック方向に関しては必要なシフト選択性が得られるまでアパーチャ25の開口を大きくし、一方、クロストラック方向に関しては、アパーチャ25の開口を絞ることでトレランスを大きく取ることができる。それ故、トラッキングサーボや偏芯などの各種制約を緩やかにすることが可能である。
本実施の形態によれば、拡散板16によりスペックル状となった参照光200をトラック方向に細長い形状をしたアパーチャ25を通し且つ、4f光学系により拡散板16とホログラム記録材料12面は結像関係とすることによって、トラック方向に必要なシフト選択性を確保しつつ、クロストラック方向のトレランスを増やして記録することができ、それ故、再生時のトラッキングサーボを容易且つ安定に行うことができる。
尚、上記実施の形態では4f光学系の中にアパーチャを配置した例について説明したが、拡散板の拡散角度をトラック方向とクロストラック方向を変えることで、アパーチャ無しでも同じ作用効果を得ることができる。また、説明上、拡散板という表現を用いたが、実際は回折光学素子のようなものでも構わない。
図8は、本発明の第3の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の要部の構成を示した平面図である。但し、図6に示した第2の実施の形態と同様の部分には同一符号を付して説明する。本実施の形態のホログラム記録再生装置の参照光光学系は、アパーチャ25の開口部に装着された拡散板16を通った参照光200をホログラム記録材料12に照射する構造を有している。
図9(A)は図8を矢印A方向から見た側面図であり、図9(B)は図8を矢印B方向から見た側面図である。ホログラム記録再生装置の参照光光学系は拡散板16を開口部に装着したアパーチャ25、レンズ27を有して構成され、レンズ27は、フーリエ変換レンズとして働く。
次に本実施の形態の動作について説明する。参照光200はアパーチャ25を通過すると共に、拡散板16によりその波面がスペックル波状になり、さらにレンズ27によりホログラム記録材料12に照射される。このアパーチャ25の開口部もトラック方向に細長い形状をしており、この開口部に装着された拡散板16も同形状になり、トラック方向の長さdinがクロストラック方向の長さdcross に比べて長く、din>dcrossの関係がある。このdin>dcrossの関係があると、クロストラック方向に長いスペックルパターンを作ることができる。
本実施の形態によれば、トラック方向に細長い形状をした開口部を持つアパーチャ25に拡散板16を装着し、参照光200をこのアパーチャ25に通すことにより、トラック方向に必要なシフト選択性を確保しつつ、クロストラック方向のトレランスを増やして記録することができ、それ故、再生時のトラッキングサーボを容易且つ安定に行うことができる。
尚、スペックルの理論により、拡散板16の拡散角とスペックルサイズは通常は無関係であり、図8、図9から分かるように拡散板16の拡散角はホログラム記録エリアの必要な部分に参照光200が広がるように設定されていることが好ましい。このような拡散角の制御は拡散板16の表面粗さによって制御できるし、拡散板16の代わりに回折光学素子のようなものを用いても良い。
図10は、本発明の第4の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の要部の構成を示した平面図である。ホログラム記録再生装置は、信号光100と参照光200が同一方向からホログラム記録材料60に入射するインライン方式(もしくは、共軸方式またはコリニア方式)でスペックル多重記録を行うものであり、その光学系は、空間光変調器(SLM)31及びディフューザ(拡散板)32、レンズ33、ホログラム記録材料60、レンズ34、イメージセンサ35を有して構成され、空間光変調器31の上側にディフューザ32が配置されている。
図11は空間光変調器31及びディフューザ32を示した正面図である。空間光変調器31の上に細長いディフューザ32が配置され、空間光変調器31内の4隅には画像処理の原点を検出するためのアラインメントマークが表示され、その内側に記録すべきデータページが表示されている。ディフューザ32の形状は、ホログラム記録材料60のクロストラック方向に必要なトレランスの大きさにより決定される。
次に本実施の形態の動作について説明する。レーザ光90は空間光変調器31及びディフューザ32に入射する。レーザ光90は空間光変調器31に表示されているデータページにより空間光変調されて信号光100になり、同レーザ光90はディフューザ32により拡散されてその波面がスペックル状の参照光200になる。信号光100と参照光200はレンズ33によってホログラム記録材料60に集光され、両光の干渉縞がホログラム記録材料60に記録される。また、空間光変調器31を全黒表示して、レーザ光90を照射すると、ディフューザ32により拡散された参照光200のみがレンズ33によりホログラム記録材料60に照射され、これにより、再生信号光300が発生し、これがレンズ34によりイメージセンサ35に集光されて記録データページの再生が行われる。
ここで、ディフューザ32の形状は、ホログラム記録材料60のクロストラック方向に必要なトレランスの大きさにより決定され、図示のように横長の長方形の場合、上下方向に細長いスペックルパターンが生成される。このようなスペックルパターンでは、上下方向にトレランスが大きく、左右方向にシフト選択性が高いことになる。そこで、ホログラム記録材料60のトラック方向がディフューザ32の長手方向に一致するように空間光変調器31及びディフューザ32が配置される。
本実施の形態によれば、インライン方式のホログラム記録再生装置でも、空間光変調器31の片側に細長い形状のディフューザ32を配置することによって、参照光200のスペックルパターンをトラック方向とクロストラック方向で変えることにより、トラック方向に必要なシフト選択性を確保しつつ、クロストラック方向のトレランスを増やして記録することができ、それ故、再生時のトラッキングサーボを容易且つ安定に行うことができる。
尚、上記実施の形態では、空間光変調器31とディフューザ32は別々のものであったが、空間光変調器31にディフューザを兼ねる機能を持たせても良く、その場合は空間光変調器31の表示面の一部にランダムパターンを表示させてディフューザとし、その表示パターンによって同様のシフト選択性のコントロールを行うことが可能である。
また、本発明は上記実施の形態に限定されることなく、その要旨を逸脱しない範囲において、具体的な構成、機能、作用、効果において、他の種々の形態によっても実施することができる。例えば、上記実施の形態では、ホログラム記録材料はディスク型であったが、カード型のようなディスク形状のホログラム記録材料に対しても参照光200のスペックルパターンをトラック方向とクロストラック方向で変えることで、同様の効果を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の構成を示した概略図である。 図1に示した装置によりスペックル多重記録した場合の記録エリアの形態を示した図である。 図1に示した拡散板の作用を説明する図である。 図3の拡散板を通った参照光の形態を示した図である。 図1に示した拡散板のトラック方向とクロストラック方向の作用を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の要部の構成を示した平面図である。 図6を矢印A方向から見た側面図及び図6を矢印B方向から見た側面図である。 本発明の第3の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の要部の構成を示した平面図である。 図8を矢印A方向から見た側面図及び図8を矢印B方向から見た側面図である。 本発明の第4の実施の形態に係るホログラム記録再生装置の要部の構成を示した平面図である。 図10に示した空間光変調器及びディフューザを示した正面図である。 スペックル多重方式による記録形態を説明する図である。
符号の説明
2……レーザ光源、3……シャッター、4……ビームスプリッター、6、14……ミラー、7……スピンドルモータ、8、31……空間光変調器(SLM)、10、18、20、24、26、27、33、34……レンズ、12、60……ホログラム記録材料、16……拡散板、22……ディテクター、25……アパーチャ、32……ディフューザ、35……イメージセンサ。

Claims (10)

  1. 信号光とスペックルパターンを有する参照光との干渉縞をホログラム記録材料の記録エリアに記録するホログラム装置であって、
    前記記録エリアのトラック方向とクロストラック方向とで前記参照光のスペックルパターンの形態が異なるようにするスペックルパターン生成手段を具備する、
    ことを特徴とするホログラム装置。
  2. 前記スペックルパターンの形態は、前記記録エリアのトラック方向よりもクロストラック方向に大きな粒状形状を有することを特徴とする請求項1記載のホログラム装置。
  3. 前記参照光の前記ホログラム記録材料から見た開口数は、前記記録エリアのトラック方向とクロストラック方向とで異なり、トラック方向よりもクロストラック方向のほうが小さい開口数を持つことを特徴とする請求項1記載のホログラム装置。
  4. 前記スペックルパターン生成手段は、前記記録エリアのトラック方向の長さに比べてクロストラック方向の長さが短い形状をした拡散板或いは回折光学素子であることを特徴とする請求項1記載のホログラム装置。
  5. 前記スペックルパターン生成手段は、拡散板或いは回折光学素子と、前記拡散板或いは回折光学素子を通った参照光を前記ホログラム記録材料に照射するテレセントリック光学系と、前記テレセントリック光学系の中に配置されるアパーチャとを具備して成ることを特徴とする請求項1記載のホログラム装置。
  6. 前記スペックルパターン生成手段は、アパーチャと、このアパーチャの開口部に装着された拡散板或いは回折光学素子と、前記拡散板或いは回折光学素子を通った参照光を前記ホログラム記録材料に照射するレンズとを具備して成ることを特徴とする請求項1記載のホログラム装置。
  7. 前記アパーチャは、前記記録エリアのトラック方向に細長い形状をしていることを特徴とする請求項5又は6記載のホログラム装置。
  8. 前記スペックルパターン生成手段は、前記記録エリアのトラック方向とクロストラック方向とで拡散角度が異なる拡散板或いは回折光学素子と、前記拡散板或いは回折光学素子を通った参照光を前記ホログラム記録材料に照射するテレセントリックの光学系とを具備して成ることを特徴とする請求項1記載のホログラム装置。
  9. 前記ホログラム記録材料はディスク形状をしていることを特徴とする請求項1記載のホログラム装置。
  10. 信号光とスペックルパターンを有する参照光との干渉縞をホログラム記録材料の記録エリアに記録するホログラム記録方法であって、
    前記記録エリアのトラック方向とクロストラック方向とで前記スペックルパターンの形態が異なる参照光を用いることを特徴とするホログラム記録方法。
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