JP2006029367A - 油空圧アクチュエータ摺動部のシール構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 駆動体2によって油室6と空気室7とに分離された油空圧アクチュエータ1の油室側にアクチュエータ摺動面3aと圧接する弾性環状の第1パッキン4を設け、第1パッキン4の油室側に面した第1楔面4aと空気室側に面した第2楔面4bとを形成する。第1パッキン4と直列あるいは並列にアクチュエータ摺動面3aと圧接する弾性環状の第2パッキン5を設け、第2パッキン5の油室側に面した第3楔面5aと空気室側に面した第4楔面5bとを形成する。駆動体2が、空気室側から油室側に高速で移動するとき、第1楔面4aによって油室6の油が堰き止められつつ、第1楔面4aの空気室側に最小厚さの油膜が形成される。
【選択図】 図2
Description
図13に示す従来の油空圧アクチュエータ回路100において、作動流体のうちの油はエアハイドロコンバータ108から油供給経路111を通って油空圧アクチュエータ101のハウジング103に到達し、油室側経路106aからハウジング103内の油室106に供給される。ハウジング103は、駆動体102によって油室106と空気室107とに分離されており、駆動体102が油室106から空気室107に向かって移動するときは、空気室107内の空気は空気室側経路107aからハウジング103の外部へ排出され、空気経路113を通って切換弁109に送られる。切換弁109からは圧縮空気が空気経路112を通ってエアハイドロコンバータ108に供給される。
駆動体102が、図14(a)に示すように、空気室107から油室106に向かって高速で移動するとき、油室側パッキン104のリップ部104aの先端部近傍に高圧の楔部117が形成される。なお、以下の説明においては、駆動体102の空気室107から油室106への移動方向を、図14(a)に示すように、矢印Lで表す。
図1は、本発明に係る油空圧アクチュエータの回路を示す図である。
図1に示す油空圧アクチュエータの回路10は、油空圧アクチュエータ1、エアハイドロコンバータ8、切換弁9などから構成されている。作動流体のうちの油は、エアハイドロコンバータ8から油供給経路11を通って油空圧アクチュエータ1のハウジング3に到達し、油室側経路6aからハウジング3の油室6に供給される。ハウジング3は、後述のように駆動体2によって油室6と空気室7とに分離されている。作動流体のうちの空気は、空気室7内に充填され、駆動体2が油室6から空気室7に向かって移動するときは、空気室側経路7aからハウジング3の外部へ排出される。ハウジング3の外部へ排出された空気は、空気経路13を通って切換弁9に送られる。切換弁9からは圧縮空気が空気経路12を通ってエアハイドロコンバータ8に供給される。
第1パッキン4は、油空圧アクチュエータ1の摺動面3aに圧接する弾性環状パッキンであり、図2に示すように、油室側に面した第1楔面4aと空気室側に面した第2楔面4bとを有する。
図3は、第1パッキン4の第1楔面4aにおける油淀み部生成角θ1を示す断面図である。油淀み部生成角θ1は、以下に述べるような角度である。即ち、図3(b)に示すように、駆動体2が空気室7から油室6に向かって高速で移動するとき、第1楔面4aの油室側に高圧が発生せず油淀み部29が形成され、第1楔面4aの空気室側には最小厚さの油膜31が生成される角度である。油淀み部29は、駆動体2が空気室7から油室6に向かって高速で移動するとき、第1楔面4aの油室側で反時計回り方向に渦を作ろうとする油の淀み部分である。なお、以下の説明においては、駆動体2の空気室7から油室6への移動方向を、図3に示すように、矢印Lで表す。
図4は、第1パッキン4の第2楔面4bにおける第1の高圧生成角θ2を示す断面図である。第1の高圧生成角θ2は、以下に述べるような角度である。即ち、図4(b)に示すように、駆動体2が油室6から空気室7に向かって高速で移動するとき、駆動体2の移動速度に起因して第2楔面4bの空気室側に形成された油膜36の第2楔面4bとの接触部35における圧力が油室6内の油の圧力よりも大きくなる角度である。この場合、接触部35における圧力が油室6内の油の圧力よりも大きいため、油が第1パッキン4を通過して油室6から空気室7へ漏出することがない。なお、以下の説明においては、駆動体2の油室6から空気室7への移動方向を、図4に示すように、矢印Rで表す。
図5は、第2パッキン5の第3楔面5aにおける第2の高圧生成角θ3を示す断面図である。第2の高圧生成角θ3は、以下に述べるような角度である。即ち、図5(b)に示すように、駆動体2が空気室7から油室6に向かって高速で移動するとき、駆動体2の移動速度に起因して第2パッキン5の第3楔面5aの油室側に形成された油膜の第3楔面5aとの接触部39における圧力が第3楔面5aの空気室側に形成された油膜42の圧力よりも大きくなる角度である。従って、空気室7から油室6への気泡の流入は発生しない。
図6は、第2パッキン5の第4楔面5bにおける第3の高圧生成角θ4を示す断面図である。第3の高圧生成角θ4は、以下に述べるような角度である。即ち、図6(b)に示すように、駆動体2が油室6から空気室7に向かって高速で移動するとき、駆動体2の移動速度に起因して第4楔面5bの空気室側に形成された油膜47の第4楔面5bとの接触部45における圧力が第4楔面5bの油室側の油膜46の圧力よりも大きくなる角度である。従って、油膜47は第4楔面5bの油室側で油膜46となり油膜46は油室6内に流入する。この場合も空気室7から油室6に気泡の流入は発生しない。
次に、油空圧アクチュエータ摺動部のシール構造の作動状態について図7を参照して説明する。
図8に示す油空圧アクチュエータ1bは、油淀み部生成角θ1を有する第1楔面と第1の高圧生成角θ2を有する第2楔面とを備えた第1パッキン61と、第2の高圧生成角θ3を有する第3楔面と第3の高圧生成角θ4を有する第4楔面とを備えた第2パッキン62とからなる。第1パッキン61及び第2パッキン62は、Y字型断面の弾性環状パッキンである。
図9(a)に示す油空圧アクチュエータ1cは、油淀み部生成角θ1を有する第1楔面と第1の高圧生成角θ2を有する第2楔面とを備えた第1パッキン65と、第2の高圧生成角θ3を有する第3楔面と第3の高圧生成角θ4を有する第4楔面とを備えた第2パッキン66とからなる。第1パッキン65は、アクチュエータの摺動面に圧接する弾性環状パッキンであり、第2パッキン66は、Oリングである。
図10に示す油空圧アクチュエータ1eは、ハウジング3bが駆動体2bによって油室6bと空気室7bとに分離されている。駆動体2bの断面積と空気室7bの断面積とは大きさが異なる。空気室7bから油室6bの方向へ延出した駆動体2bの摺動面に油淀み部生成角θ1を有する第1楔面と第1の高圧生成角θ2を有する第2楔面とを備えた環状の第1パッキン71と、第2の高圧生成角θ3を有する第3楔面と第3の高圧生成角θ4を有する第4楔面とを備えた環状の第2パッキン72とが嵌合されている。第1パッキン71は油室側に設けられ、第2パッキン72は空気室側に設けられている。第1パッキン71と第2パッキン72とは駆動体2bの摺動面に圧接している。
図11(a)に示す油空圧アクチュエータ1fは、油淀み部生成角θ1を有する第1楔面と第1の高圧生成角θ2を有する第2楔面とを備えた第1パッキン73と、第2の高圧生成角θ3を有する第3楔面と第3の高圧生成角θ4を有する第4楔面とを備えた第2パッキン74とからなる。第1パッキン73及び第2パッキン74は、Y字型断面の弾性環状パッキンである。
図12(a)に示す油空圧アクチュエータ1hは、第1パッキン77がアクチュエータの摺動面に圧接する弾性環状のパッキンで、油淀み部生成角θ1を有する第1楔面と第1の高圧生成角θ2を有する第2楔面とを備えている。そして、第1楔面と第2楔面との間に、第2の高圧生成角θ3を有する第3楔面と第3の高圧生成角θ4を有する第4楔面とを備えた第2パッキン78としてのOリングが挿入されている。
以上、本発明の実施形態について説明したが、請求項2に記載の不漏出機構は第1パッキンおよび第2パッキンの環状非摺動面と駆動体の環状非摺動面との間の接着、第1パッキン77の切欠き溝77aに設けられたOリング79、第1パッキン81の切欠き溝81aに設けられたOリング83、第1パッキンおよび第2パッキンのY字型断面の環状非摺動面側のリップ、第2パッキンとして使用されるOリング66、68の環状非摺動面側のOリング面が相当する。
2b、2c、2d・・・駆動体、 3・・・ハウジング、
3a・・・アクチュエータ摺動面、 3b、3c・・・ハウジング、
4、61、65、67、71、73、75、77、81・・・第1パッキン、
4a・・・第1楔面、 4b・・・第2楔面、
5、62、66、68、72、74、76、78、82・・・第2パッキン、
5a・・・第3楔面、 5b・・・第4楔面、
6・・・油室、 6a・・・油室側経路、
6b・・・油室、 7・・・空気室、
7a・・・空気室側経路、 7b・・・空気室、
8・・・エアハイドロコンバータ、 9・・・切換弁、
10・・・油空圧アクチュエータの回路、 11・・・油供給経路、
12、13・・・空気経路、 13a・・・油圧伝達経路
14・・・シールパッキン、
23、33、35、39、45・・・接触部、 26、45・・・高圧部、
27、31、36、42、44、46、47、48・・・油膜、
29・・・油淀み部、 38・・・気泡、
41、51・・・環状非摺動面、 43・・・油溜り、
77a、81a・・・切欠き溝、
79、83・・・Oリング、
100・・・油空圧アクチュエータ回路、 101・・・油空圧アクチュエータ、
102・・・駆動体、 103・・・ハウジング、
103a・・・アクチュエータ摺動面、 104・・・油室側パッキン、
104a・・・リップ部、 105・・・空気室側パッキン、
105a・・・リップ部、 106・・・油室、
106a・・・油室側経路、 107・・・空気室、
107a・・・空気室側経路、 108・・・エアハイドロコンバータ、
109・・・切換弁、 111・・・油供給経路、
112、113・・・空気経路、 114・・・シールパッキン、
117、118・・・楔部、 119、121、125・・・油膜、
126・・・油溜り、 128・・・残留油溜り
Claims (2)
- 油と空気とを作動流体とし、アクチュエータ内を摺動する駆動体により油室と空気室とに分離された油空圧アクチュエータ摺動部のシール構造において、
前記駆動体の油室側に設けられた第1パッキンと、前記第1パッキンと直列あるいは並列に設けられた第2パッキンとを備え、
前記第1パッキンは、前記アクチュエータあるいは前記駆動体の摺動面に圧接する弾性環状パッキンであって、前記油室側に面し油淀み部生成角をなす第1楔面と、前記空気室側に面し第1の高圧生成角をなす第2楔面とを有し、
前記第2パッキンは、前記アクチュエータあるいは前記駆動体の摺動面に圧接する弾性環状パッキンであって、前記油室側に面し第2の高圧生成角をなす第3楔面と、前記空気室側に面し第3の高圧生成角をなす第4楔面とを有し、
前記駆動体が前記空気室側から前記油室側に向かって移動するとき、前記第1パッキンは、前記油の前記油室から前記空気室への流出を堰き止めつつ、第2パッキン側への油の漏出を制限し、前記第2パッキンは、前記第2パッキンの前記空気室側に油膜を形成させ、
前記駆動体が前記油室側から前記空気室側に向かって移動するとき、前記第2パッキンは、前記空気室側の前記油膜を前記油室側に通過させ、前記第1パッキンは、前記第1パッキンの前記空気室側の前記油膜を前記油室内へ流入させることを特徴とする油空圧アクチュエータ摺動部のシール構造。 - 前記第1パッキンおよび前記第2パッキンの環状非摺動面と前記アクチュエータあるいは前記駆動体の環状非摺動面とに前記作動流体の不漏出機構が設けられたことを特徴とする、請求項1記載の油空圧アクチュエータ摺動部のシール構造。
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