JP2006029061A - 建材およびタイルユニットの固定方法 - Google Patents

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博司 重藤
Shunroku Senoo
俊六 妹尾
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毅 藪木
Kimio Sasaki
公夫 佐々木
Masahiro Yamamoto
政宏 山本
Munehisa Takai
宗久 高井
Kazumasa Okita
和正 沖田
Makoto Hayakawa
信 早川
Mitsumasa Sugano
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Abstract

【課題】 複数のタイルを配列固定され、連結用樹脂によって連結されたタイルユニットを、接着剤層を介して基材に固定する際に、目地部の連結用樹脂を目立たせずに良好な外観を得る。
【解決手段】 複数枚のタイルが所定の目地間隔で配列され、連結用樹脂によって連結されたタイルユニットを、接着剤層を介して基材に固定した建材であって、前記接着剤層には、複数の突起状の不規則な凸部からなる模様が形成されていることを特徴とする。このような凸部は、接着剤をローラーにて塗布する際に形成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、複数のタイルを連結用樹脂にて配列固定したタイルユニットを、接着剤層を介して基材に貼着した建材に関する。また、本発明は、複数のタイルを連結用樹脂にて配列固定したタイルユニットを、接着剤層を介して基材に貼着する方法に関する。
従来、接着剤層を介してタイルを所定の目地間隔で配列固定する方法が提案されている。 このような方法によれば、建築基材に接着剤を櫛目鏝で塗布、平鏝で平滑にならして均一な厚みの接着剤層を形成後、タイルを1枚1枚押圧して貼着していくものである。(例えば、特許文献1参照。)
タイルを1枚1枚貼着していく方法は、工数も多く、タイルの目地間隔を一定に保つためには職人の技量に負うところが大きいという問題があるため、複数タイルを所定の目地間隔で連結用樹脂を使用して配列固定したタイルユニットを作製し、このタイルユニットを建築基材上へ接着剤を用いて固定する方法も提案されている。(例えば、特許文献2参照。)
特開平10-159304号公報 特開2002-106148号公報
タイルを基材に塗布した接着剤層に貼着する場合、接着剤層の厚みは数mm程度であるため、タイル裏面が接着剤層にほとんど埋設されない。タイル目地部においては、タイルユニット貼着後も連結用樹脂が接着剤層の上に露出して外観上好ましくないという問題があり、樹脂モルタル等を目地部に塗り込む工程を要する場合があった。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、複数のタイルを連結用樹脂によって配列固定されたタイルユニットを接着剤層を介して基材に固定する際に、目地部の連結用樹脂を目立たせずに良好な外観を得ることである。
上記目的を達成するために、本発明は、複数枚のタイルが所定の目地間隔で配列され、連結用樹脂によって連結されたタイルユニットを、接着剤層を介して基材に固定した建材であって、前記接着剤層には、複数の突起状の凸部からなる模様が形成されていることを特徴とする建材を提供する。
また本発明では、建築基材上に複数のタイルからなるタイルユニットを固定する方法であって、前記基材上に接着剤を塗布し、接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層上に、複数枚のタイルが、所定の目地間隔で配列され、連結用樹脂によって連結されたタイルユニットを貼着させる工程とを備え、前記接着剤層には、複数の突起状の凸部からなる模様が形成されるように前記塗布を行うにしたことを特徴とする、建築基材上へのタイルユニットの固定方法を提供する。
ここで、「複数の突起状の凸部からなる模様」とは、櫛目鏝で形成されるような複数の凸条が平行に形成された模様を除く、複数の峰を備えた表面の形状であれば良い。複数の凸部の配列には規則性を有しても不規則であっても良い。不規則な凸部とは、ある特定の凸部とその近傍の凸部の配列に規則性を有さない模様であって、例えば、塗布時に接着剤がローラーから引き離される際に形成される、突起状、小波状、などの形状である。また、「形状が消失しない」とは、重力以外の外力を加えない状態で、上記模様が維持されることであり、凸部形状の経時的な変形は「維持される」の範疇に含まれるものとする。
接着剤層の表面形状を上記模様に形成することによって、タイルユニット貼着後も、目地部に存在する連結用樹脂は、接着剤層の凸部と凸部との間の谷部に、下面を埋設して存在するので、あるいは、目地部に存在する連結用樹脂の一部は接着剤層の凸部に埋没するので、外観上連結用樹脂が目立つことがなくなる。したがってタイルユニットに貼着後に樹脂モルタル等を目地部に塗り込む必要がなく、また、連結用樹脂が目立たなくなるように目地間隔を狭めることなく、広い目地間隔のタイルユニットを提供することが可能となる。
本発明によれば、タイルユニットを貼着後も目地部の連結用樹脂が外観上目立たないという効果をもたらす。
以下に、本発明の具体的な実施形態について、図に基づき説明する。
図1は本発明に係る建材の構成の概略を示す図である。図2は図1に係る建材の目地部に沿った断面の一部を示した図である。
連結用樹脂1によって複数のタイル2が所定の目地間隔で配列固定されたタイルユニットを、接着剤4を介して基材5に固定されている。接着剤4は、基材5とタイル2の裏面との間に乾燥、硬化物換算で0.5mm以上3mm以下の厚さで存在している。接着剤の層の厚みは、乾燥または硬化に伴う、体積変化率、基材への付着量、塗布面積等から計算によって平均値を求めるものとする。接着剤4の層表面には、突起状、小波状等の形状の凸部が多数形成されており、凸部の高さは0.5mm以上10mm以下である。また、相互に隣接する凸部と凸部との間隔は1mm以上30mm以下である。
本発明に適用可能な建材としては、既設の塀や内外壁の他に、サイディング材や壁パネル等の壁材が挙げられ、その材質は窯業系基材、塗装鋼板などの金属基材、木質系基材等、特に限定されない。
ここで、タイルユニットは、隣接しあうタイル同士をタイル裏面および/またはタイル側面にて部分的に連結用樹脂によって接合してなるものであって、公知のものが適用できる。例えば、連結用樹脂はタイル目地部において樹脂幅が3mm以上10mm以下であり、タイル一辺において1箇以上の連結部を備えてなる。
このようなタイルユニットは、離型性を備えた平板またはタイルを固定する枠の所定の部位に樹脂を注入し、その上にタイルを圧着させることによって得ることができる。タイルユニットの他の製法としては、タイルを固定する枠に複数のタイルを載置した後、目地部の所定箇所に樹脂を注入、硬化させる方法が例示できる。
連結用樹脂の材質は、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリオレフィン、シリコーン樹脂等が好適に利用でき、熱硬化型、ホットメルト型、光硬化型、ラジカル重合性基を有し、反応開始剤を使用時に混合するもの等、その特性に応じて適宜利用可能である。また、上記樹脂を複数混合したり、他の樹脂、充填材、可塑剤を添加することも可能である。
タイルは、陶磁器製、ガラス製のセラミックスからなり、施釉タイルでも無釉タイルでも利用できる。例えば、造粒粉を作成後に金型中で乾式プレス成形し、その上に必要に応じて釉薬を塗布し焼成することで得られる。また、素地にフライアッシュバルーン、シラスバルーン、ガラスバルーンなどの軽量骨材や、炭化珪素などの発泡材を添加した軽量タイルも好適に利用できる。
タイル裏面は裏足が無いか、裏足高さが1mm未満の形状とすることが望ましい。そうすることで、タイルの裏面の略全体に亘って接着剤が密着することが可能となり、充分な接着強度が確保される。
さらに、タイル表面には光触媒層を設けても良い。そうすることで、タイル表面にセルフクリーニング性や抗菌性を付与することができる。また、親水性や抗菌性などの機能性を有する物質をタイル表面に担持あるいは被覆することができる。
タイル間の目地間隔は、1〜20mmが好ましい。目地間隔が広いほど連結用樹脂が目立ちにくく、広いほど建材におけるタイル使用量が減少するので、軽量化とコスト削減が図れる。連結用樹脂を目立ちにくくするためには、目地間隔を1〜5mmとするのが特に好ましく、軽量化やコスト削減のためには5〜20mmが特に好ましい。
次に、壁等の建築基材へのタイルユニットの固定方法について説明する。
基材には、清掃、割れやへこみのパテ埋め、シーラー塗布等の下地調整を適宜施した後、タイルユニットと基材とを接着固定するための接着剤を塗布する。接着剤は、硬化時の平均厚さが0.5mm以上3mm以下となるように塗布する。
接着剤の塗布は、櫛目鏝を利用したこて塗り、コーキングガンのような連続押し出し装置を使用する方法、ローラーによるロール塗布、スプレー塗布等により、所定量の接着剤を塗りつける接着剤塗布工程を行った後、表面に凸部を形成する工程を行う。特に、ローラーを用いたロール塗布は、接着剤塗布および不規則な凸部形成を同時に行うことができ、容易に接着剤を薄く均一に塗布することが可能となるので好ましい。
図3は、壁基材にローラーを用いたロール塗布法にて接着剤を塗布する工程の概略を示した図である。図示した例では、接着剤を予めローラーに付着させ、基材表面に転写するものである。転写の際に接着剤の一部がその粘性によってローラー側に引き上げられることによって、上述した凸部が形成される。このような形成方法においては、塗装に用いるときに使用される市販のローラーを使用できる。より具体的には、後述する接着剤の適用の際には、スポンジローラー、鎖骨ローラーが好適に利用できる。なお、ここに挙げた例では、接着剤塗布と凸部形成を同時に行ったが、上述した各種の方法で所定量の接着剤を基材に付着させた後に、ローラーで凸部を形成しても良い。
凸部を形成するための他の例としては、こて塗り等でほぼ平滑に製膜された接着剤層が硬化する前に、スタンプやローラーによって型押しして凸部を形成する方法を挙げることができる。この方法で使用されるスタンプやローラーの接着剤と接触する面には、凸部の形状に合わせた窪みが形成されている。
図3に示したロール塗布法の場合、接着剤の粘性を、使用環境下(0〜40℃)において、B型粘度計No.7ローター、回転数10rpmで1000Pa・s以下、好ましい上限値は500Pa・s以下、より好ましくは300Pa・s以下とし、かつ、B型粘度計No.7ローター、回転数1rpmで100Pa・s以上、好ましくは200Pa・s以上の範囲とする。さらに好ましい接着剤の粘性は、BH型粘度計No.7ローター、回転数20rpmで20〜200Pa・sの範囲である。また、好ましいTI値は4以上20未満であり、5以上20未満がより好ましい。TI値とはチクソ指数のことであって、[1rpmでの粘度]/[10rpmでの粘度]にて求める。ローラーで塗布するためには低粘度化することが望ましいが、低粘度化することによって、タイルのズレ抵抗性が問題になるため、上記の範囲とすることで、ロール塗布法で接着剤を塗布することと、鉛直面に接着剤を塗布直後にタイルを接着してもタイルがずれ落ちたり剥離せずに保持することが可能となる。さらに、上記の範囲とすることで、ロール塗布にて容易に凸部を形成することが可能となる。
ロール塗布法において使用される接着剤は、降伏値を200Pa以上とすることにより、塗布直後のタイル保持性、すなわちタイルの剥落やズレに対する抵抗性が特に優れた接着剤を得ることが可能である。降伏値は、23℃におけるコーン・プレート型粘度計により求めた粘度特性から、CASSON式によって算出される。
CASSON式:√S=a√D+b
S:せん断応力 D:せん断速度 a,b:定数
ここで、D=0とすると、
√S=b となり、b二乗が降伏値(S0)となる。
降伏値は非常に低いせん断領域での現象を把握でき、値が高いほど静摩擦が大きいとみなすことができる。
接着剤には、有機系接着剤が好適に利用できる。有機系接着剤には、樹脂成分として、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アクリルシリコーン、エポキシシリコーン、その他のシリコーン樹脂を単独あるいは複数組み合わせたものを利用でき、必要に応じて炭酸カルシウム、シリカ、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、ガラスバルーン、珪藻土、ムライト、カオリン、タルク、クレー、マイカ、ベントナイト、フライアッシュ、ケイ酸アルミニウム、酸化亜鉛等の無機充填剤やチタニア、カーボン等の無機顔料を添加したものを好適に利用できる。これらの材料は特に限定されず、所望の粘性、TI値に応じて公知の材料を適宜選択する。
ロール塗布によって接着剤層の表面に凸部を形成する際に、接着剤が過剰にローラー側に引き上げられて糸を引くようになる場合がある。このような性質(糸引き性)を抑制し、ローラー抵抗を軽くするためには、粒子径1μm以上1000μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下、より好ましくは100μm以上300μm以下の無機粒子を、接着剤の1重量%以上70重量%以下、好ましくは3重量%以上50重量%以下の範囲で添加する。このような無機粒子としては、炭酸カルシウム、ガラスバルーン、炭酸マグネシウム、酸化カルシウム、酸化マグネシウムを利用できる。
なお、粒子径は走査型電子顕微鏡で観察し、画像処理して平均粒子径を測定した値である。
接着剤を塗布し、凸部形成した後に、タイルユニットを押付け固定し、接着剤を硬化させることで、本発明の建材が完成する。目地部においては接着剤層の凸部が保持されつつ、連結用樹脂が接着剤層の凸部と凸部との間の谷部に、下面を埋設して存在するので、あるいは、目地部に存在する連結用樹脂の一部は接着剤層の凸部に埋没するので、連結用樹脂が外観上目立たなくなるのである。
また、接着剤を塗布し、凸部形成した後にタイルユニットを押付けることによって、得られる他の効果として、多少の不陸があるときにも凸部がタイル裏面と接着するため、基材とその上に固定するタイルとの接着強度を充分に確保することが可能となることを挙げることができる。このような効果を得るためには、タイルユニットの形態に限定はされず、上述した樹脂で連結されたユニットの他に、ネット上に複数のタイルを配列固定したネット式ユニット、タイル表面をクラフト紙等の連結シートで一体化したユニット等を利用した場合においても同じ効果を得ることができる。さらに、タイルを連結せずに一個一個バラで施工する場合においても同じ効果を得ることができる。
本発明の方法は、タイル貼り建材の工場生産、建物の壁などの外構物のリフォームや新設現場でのタイル貼り施工に好適に利用できる。
本発明に係る建材の全体構成の概略を示す斜視図である。 図1に係る建材の目地部断面の一部を示した図である。 ロール塗布法にて接着剤を塗布する工程の概略を示した斜視図である。
符号の説明
1…連結用樹脂、
2…タイル、
3…目地、
4…接着剤、
5…基材

Claims (5)

  1. 複数枚のタイルが所定の目地間隔で配列され、連結用樹脂によって連結されたタイルユニットを、接着剤層を介して基材に固定した建材であって、
    前記接着剤層には、複数の突起状の凸部からなる模様が形成されていることを特徴とする建材。
  2. 建築基材上に複数のタイルからなるタイルユニットを固定する方法であって、
    前記基材上に接着剤を塗布し、接着剤層を形成する工程と、前記接着剤層上に、複数枚のタイルが、所定の目地間隔で配列され、連結用樹脂によって連結されたタイルユニットを貼着させる工程とを備え、
    前記接着剤層には、複数の突起状の凸部からなる模様が形成されるように前記塗布を行うにしたことを特徴とする、建築基材上へのタイルユニットの固定方法。
  3. 前記塗布はローラーにより塗布する工程である、請求項2に記載の建築基材上へのタイルユニットの固定方法。
  4. 前記接着剤は、TI値が4以上20未満の有機系接着剤である、請求項2または3に記載の固定方法。
  5. 前記接着剤が硬化するまで前記凸部の形状が消失しないことを特徴とする、請求項2から4のいずれかに記載の固定方法。

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008308980A (ja) * 2007-05-11 2008-12-25 Sk Kaken Co Ltd 外断熱装飾仕上げ工法及び構造体
JP2009068327A (ja) * 2007-08-23 2009-04-02 Bekku Kk 板状装飾材の施工方法
JP2011149221A (ja) * 2010-01-22 2011-08-04 Nichiha Corp 水切り

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