JP2006029015A - 側溝の側壁切断装置 - Google Patents

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恵一 貴島
Akihiro Ota
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Abstract

【課題】 側溝の対向する側壁上部を低振動低騒音で除去すると共に残留する側溝の側壁のクラック及び欠損の発生を防止することが可能な側溝の側壁切断装置を提供する。
【解決手段】 施設された側溝11の対向する側壁12、13の上端部に沿ってそれぞれ移動する左右対となるつば付車輪14〜17を前後に備えた台車18と、台車18の移動方向に沿って台車18上に載置されたレール部材19と、レール部材19に沿って進退する子台車21と、子台車21に設けられた回転駆動源22によって回転駆動され、レール部材19の幅方向にもその位置を変更可能な垂直回転軸24と、垂直回転軸24に装着された回転刃25と、回転刃25を台車18に対して上下調整可能な高さ調整機構26とを有する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、施設された側溝の嵩上げ又は嵩下げの改修工事に伴う側溝の側壁上部の除去に使用する側溝の側壁切断装置に関する。
道路の側部に施設されたコンクリート製の側溝の嵩上げ又は嵩下げの改修工事を行なおうとする場合、側溝の対向する側壁に形成された側溝蓋収容部を含めた側壁上部分を除去する必要がある。このため、従来は側溝蓋を撤去して側壁の上部側の除去範囲を決める切断線の墨出し作業を行ない、切断線に沿って、例えば深さ5cm程度の案内用の切り込みを形成した後、ブレーカーにより案内用の切り込みに沿って除去部の破砕を行なっていた。ここで、案内用の切り込みは、例えば、特許文献1に記載されているようにエアーカッターを用いて行なうことができる。
特開平9−177077号公報
しかしながら、除去範囲に存在する側壁部分をブレーカーにより破砕するため騒音や振動が発生して作業環境が悪化すると共に、周囲にも騒音や振動が拡散し生活環境も悪影響を受けるという問題が生じる。更に、破砕しながら側壁の上部側を撤去していくので、案内用の切り込みを形成していても残留する側溝の側壁にクラックや欠損が発生し易く、発生したクラックや欠損の補修を行なう必要が生じ、改修工事の工期が長くなると共に改修工事コストも上昇するという問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、施設された側溝の対向する側壁上部を低振動低騒音で除去すると共に残留する側溝の側壁のクラック及び欠損の発生を防止することが可能な側溝の側壁切断装置を提供することを目的とする。
前記目的に沿う請求項1記載の側溝の側壁切断装置は、施設された側溝の対向する側壁の上端部に沿ってそれぞれ移動する左右対となるつば付車輪を前後に備えた台車と、
前記台車の移動方向に沿って該台車上に載置されたレール部材と、
前記レール部材に沿って進退する子台車と、
前記子台車に設けられた回転駆動源によって回転駆動され、前記レール部材の幅方向にもその位置を変更可能な垂直回転軸と、
前記垂直回転軸に装着された回転刃と、
前記回転刃を前記台車に対して上下調整可能な高さ調整機構とを有している。
請求項2記載の側溝の側壁切断装置は、請求項1記載の側溝の側壁切断装置において、前記子台車は、前記レール部材上にラックピニオン機構を介して取付けられ、前記垂直回転軸は前記回転駆動源を軸心として回動可能なアームの先部に設けられ、前記垂直回転軸には前記回転駆動源から回転力伝達機構を介してその回転力が伝達されている。
請求項3記載の側溝の側壁切断装置は、請求項1及び2記載の側溝の側壁切断装置において、前記左右対となるつば付車輪は前記台車の前後に設けられた車軸にそれぞれ設けられ、しかも、前記左右対となるつば付車輪はその幅を、前記側壁の幅に応じて変更可能となっている。
請求項4記載の側溝の側壁切断装置は、請求項3記載の側溝の側壁切断装置において、前記車軸は前記台車に対して幅方向に位置調整可能に設けられている。
請求項5記載の側溝の側壁切断装置は、請求項1〜4記載の側溝の側壁切断装置において、前記つば付車輪の全部又は一部には、ブレーキ手段が設けられている。
請求項6記載の側溝の側壁切断装置は、請求項1〜5記載の側溝の側壁切断装置において、前記回転刃は、高さ調整部材を介して前記垂直回転軸に取付けられている。
請求項1〜6記載の側溝の側壁切断装置においては、側溝の側壁上部を回転刃による切断で除去するので、低振動低騒音の作業が可能になると共に、残留する側溝の側壁にクラック及び欠損が発生するのを防止することが可能になる。また、つば付車輪のつばの側部を側壁の上端部の側面に当接させながら回転してつば付車輪が側壁の上端部を移動するので、対となるつば付車輪の位置が側壁の上端部により規制され側溝内に脱輪するのが防止でき、台車を側壁の上端部に沿って確実に移動させることが可能になる。また、回転刃は台車上に載置されたレール部材に沿って進退する子台車に設けられた回転駆動源によって回転駆動される垂直回転軸に装着されているので、回転刃を切断場所まで容易に移動することが可能になる。そして、垂直回転軸はレール部材の幅方向にもその位置を変更できるので、任意に選択された一方の側壁に向けて回転刃を移動させ切断を行なうことが可能になる。更に、回転刃は高さ調整機構により台車に対して上下調整可能になっているので、切断場所まで移動した回転刃の位置を側壁の切断位置に合わせて調整することが可能になる。
特に、請求項2記載の側溝の側壁切断装置においては、子台車は、レール部材上にラックピニオン機構を介して取付けられているので、子台車の進退力を一定に保持しながらレール部材に沿って進退することが可能になる。また、垂直回転軸は回転駆動源を軸心として回動可能なアームの先部に設けられ、垂直回転軸には回転駆動源から回転力伝達機構を介してその回転力が伝達されているので、一方の側壁の切断作業が終了するとアームを回動させて他方の側壁の切断を開始することが可能になる。その結果、側壁の切断作業効率を向上させ工期の短縮が可能になる。
請求項3記載の側溝の側壁切断装置においては、左右対となるつば付車輪は台車の前後に設けられた車軸にそれぞれ設けられ、しかも、左右対となるつば付車輪はその幅を、側壁の幅に応じて変更可能となっているので、台車を種々の幅を有する側溝の側壁の上端部に沿って移動させることが可能になり、任意の幅を有する側溝の側壁の切断を行なうことが可能になる。
請求項4記載の側溝の側壁切断装置においては、車軸は台車に対して幅方向に位置調整可能に設けられているので、側溝の周辺に障害物が存在しても障害物から台車を遠ざけることができ、常に台車を側壁の上端部に沿って移動させることが可能になる。その結果、側溝の周辺に障害物が存在しても側壁の切断を実施することが可能になる。
請求項5記載の側溝の側壁切断装置においては、つば付車輪の全部又は一部には、ブレーキ手段が設けられているので、回転刃で側壁を切断中に回転刃に加わる反力により台車が移動するのを防止でき、寸法精度の高い切断を行なうことが可能になる。その結果、切断面の後処理(例えば、コンクリートの打ち継ぎ目荒らし作業)の負担が軽減され、工期を短縮することが可能になる。
請求項6記載の側溝の側壁切断装置においては、回転刃は、高さ調整部材を介して垂直回転軸に取付けられているので、高さ調整機構と組み合わせることにより側壁の切断位置を更に広い範囲に設定することが可能になる。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここで、図1は本発明の一実施の形態に係る側溝の側壁切断装置の平面図、図2は同側溝の側壁切断装置の一部省略正断面図、図3(A)、(B)はそれぞれ同側溝の側壁切断装置において回転刃を垂直回転軸に固定する高さ調整部材の側断面図及び平面図、図4は同側溝の側壁切断装置で側壁を切断する際の説明図である。
図1、図2に示すように、本発明の一実施の形態に係る側溝の側壁切断装置(以下、単に側壁切断装置という)10は、施設された側溝11の対向する側壁12、13の上端部に沿ってそれぞれ移動する左右対となるつば付車輪14〜17を前後に備えた台車18と、台車18の移動方向に沿って台車18上に載置されたレール部材19を有している。また、側壁切断装置10は、レール部材19上にラックピニオン機構20を介して取付けられレール部材19に沿って進退する子台車21と、子台車21に設けられた回転駆動源22から回転力伝達機構の一例であるベルト23を介してその回転力が伝達され、レール部材19の幅方向にその位置を変更可能な垂直回転軸24を有している。更に、側壁切断装置10は、垂直回転軸24に装着された回転刃25と、回転刃25の高さ位置を台車18に対して上下調整可能な高さ調整機構26を有している。以下これらについて、詳細に説明する。
台車18は、側溝11の長手方向に沿って平行に隙間を設けて配置された第1の梁部材27、28と側溝11の幅方向に沿って平行に隙間を設けて配置された第2の梁部材29、30から構成される枠体31を有している。また、第2の梁部材29の両側部には前方に向けて平行に突出する対となる側板32、33が設けられ、第2の梁部材30の両側部には後方に向けて平行に突出する対となる側板34、35が設けられている。そして、側板32、33には車軸36が挿通され、側板32、33の両側に配置された抜け止め防止部材37により側板32、33に取付けられている。また、側板34、35には車軸38が挿通され、側板34、35の両側に配置された抜け止め防止部材37により側板34、35に取付けられている。これによって、車軸36、38を台車18に対して幅方向に位置調整可能に設けることができる。ここで、各車軸36、38の長さは台車18の幅より大きく形成されていることが好ましい。これによって、側溝の幅(対向する側壁間の距離)が台車18の幅より大きくなっても、台車18を側溝の側壁の上端部に配置することができる。
台車18の前側に設けた車軸36の両側にはつば付車輪14、15が、台車18の後側に設けた車軸38の両側にはつば付車輪16、17がそれぞれ軸受を介して挿通され、各つば付車輪14〜17は両側から車軸36、38に固定部材(例えば、止めねじ付きのリング状金物)39を用いて車軸36、38の軸方向にずれないようにそれぞれ固定されている。これによって、左右対となるつば付車輪14、15(16、17)間の距離を任意に変更することができると共に、その距離を一定に保つことができる。
ここで、各つば付車輪14〜17は、側壁12、13の上端面に当接して回転する外輪40と、外輪40の内側面に密接し外径が外輪40より大きく外周部の外側面(外輪40側)を側壁12、13の上端部の側面73に当接しながら回転するつばとなる内輪41を有している。これによって、側壁12、13の上端部をつば付車輪14〜17が移動する際、つば付車輪14〜17が側溝11内に脱輪するのを防止できると共に、つば付車輪14〜17を側壁12、13の上端部に沿って移動させることができる。
更に、つば付車輪14、15には、つば付車輪14、15の回転を防止するブレーキ手段42が設けられている。ここで、ブレーキ手段42は、例えば、内輪41の外周部に当接するゴム製のパッド43と、パッド43を内輪41に対して進退させる支持部材44と、支持部材44の進退を停止させて台車18に取付け台45を介して固定するクランプ46を有している。これによって、台車18を側溝11の任意の位置で移動不能にすることができる。
レール部材19には複数のレールブロック47(本実施の形態では2個)の一端側が固定され、レールブロック47の他端側が高さ調整機構26を介して第1の梁部材28に載置されている。これによって、レール部材19を台車18の移動方向に沿って台車18上に載置することができる。
ここで、高さ調整機構26は、図4に示すように、レールブロック47の他端側に取付けられ中央部に雌ねじが形成された昇降部48と、昇降部48の雌ねじに螺合し基部が第1の梁部材28に回転可能に取付けられた雄ねじ部49を有している。そして、雄ねじ部49の先部にはハンドル50が設けられている。このような構成とすることにより、雄ねじ部49のハンドル50を同期して回転させることにより、昇降部48を雄ねじ部49に対して同期して進退させてレールブロック47を上下動させることができ、レール部材19の高さ位置を台車18に対して調整することができる。
子台車21は、ラックピニオン機構20を介してレール部材19に取付けられレール部材19上を進退する移動部51を有している。また、ラックピニオン機構20は、レール部材19上に設けられたラック52と、移動部51に設けられラック52と噛み合う図示しない歯車及び歯車を回動する図示しない歯車機構を備えた油圧モータを有している。また、子台車21は移動部51に取付けられた回転駆動源22を有し、回転駆動源22には油圧モータ53と、油圧モータ53の回転駆動軸54を軸心として回動可能なアーム55が設けられている。そして、アーム55の先部には軸受56を介して垂直回転軸24が取付けられ、垂直回転軸24には回転駆動軸54からベルト23を介してその回転力が伝達されている。
このような構成とすることにより、油圧源66(図4参照)から供給される加圧された油を給油口67を介してラックピニオン機構20の油圧モータ及び回転駆動源22の油圧モータ53にそれぞれ分配することにより、移動部51をレール部材19上で進退させたり、油圧モータ53を駆動させたり、移動部51をレール部材19上で進退させながら油圧モータ53の回転駆動軸54を回転させることができる。また、アーム55を回転駆動軸54の周りに回動させることにより、垂直回転軸24を回転駆動軸54の周りの任意の角度位置に移動させることができる。
回転刃25は、円板状の鉄板57と、鉄板57の外周部に、例えば、銅系合金を結合材としてダイヤモンド砥粒を分散させたダイヤモンド層58を有しており、鉄板57の中央部側には同一半径の円周上に複数の取付け孔が形成されている。なお、回転刃25の外径は側壁12、13の内面間の距離より小さくすることが好ましい。これによって、側壁12、13の間に回転刃25を容易に装入することができる。また、垂直回転軸24の先部には外周側に複数のねじ穴が形成されたフランジ59が取付けられ、回転刃25はフランジ59に、図3に示すような高さ調整部材60を介して取付けられる。ここで、高さ調整部材60は、円板状の基部61及び基部61の一方の面に連接し縮径した円柱状の先部62を備えている。そして、基部61の外周側にはフランジ59に形成した各ねじ穴に連通するように貫通孔63が形成され、先部62の端面の外周側には回転刃25に設けた各取付け孔に連通するようにねじ穴64が形成されている。
これによって、高さ調整部材60の先部62の端面上にねじ穴64に取付け孔が連通するように回転刃25を載置し、外周側に各ねじ穴64に連通するように挿通孔を形成したブレード押え65を被せて、挿通孔及び取付け孔を介して止めねじをねじ穴64にねじ込むことにより、高さ調整部材60の先部62の端面上に回転刃25を取付けることができる。このように、高さ調整部材60を介して回転刃25を垂直回転軸24に取付けるようにすると、先部62の長さHに相当する長さだけ回転刃25を垂直回転軸24の先端から離して取付けることができ、例えば、側壁12、13の上端面からより下方の位置の切断を行なうことができる。更に、高さ調整機構26と組み合わせることにより側壁12、13の切断位置を広い範囲に設定することが可能になる。なお、図3の高さ調整部材60は上下逆方向に記載されている。
以上のような構成とすることにより、アーム55を回転駆動軸54の周りで任意の角度回動させ固定することでアーム55の位置決めを行なうことができ、油圧モータ53を駆動することで、位置決めしたアーム55の先部で垂直回転軸24を回転させて回転刃25を回転することができる。このため、アーム55を回動させて垂直回転軸24に取付けらた回転刃25を側壁12、13から選択された一方の側壁13に当接させて切り込むことができる。
次いで、切り込んだ回転刃25をレール部材19に沿って一端側から他端側に向かって移動することにより、側壁13の上側をレール部材19に沿って連続して切断することができる。そして、側壁13の上側の切断が完了すると回転刃25を側壁13から引き出しレール部材19の一端側に戻してから、アーム55を逆方向に回動させて垂直回転軸24に取付けらた回転刃25を他方の側壁12に当接させて切り込み、レール部材19に沿って一端側から他端側に向かって移動させて側壁12の上側をレール部材19に沿って連続して切断することができる。
次に、本発明の一実施の形態に係る側溝の側壁切断装置10の使用方法について説明する。
図1、図2、及び図4に示すように、例えば、道路68に施設されている側溝11の側溝蓋を撤去する。これによって、側溝11の上部に側壁12、13の上端部を縁部とする開口部70が形成され、開口部70の両側には側溝蓋を収容していた受け入れ部71が現れる。そして、側壁12、13の上部側の除去範囲を決める切断線72を側壁12、13に記入する作業(墨出し作業)を行なう。
次いで、側溝11の周囲に障害物が存在しているか確認し、障害物が存在する場合は側溝11の側壁12、13からの距離を測定して、台車18が側壁12、13の上端部に沿って移動する際に障害物と接触しないように、側壁12、13に対する車軸36、38及び台車18の位置をそれぞれ決定する。そして、側壁12、13に対する車軸36、38及び台車18の位置関係に基づいて、抜け止め防止部材37を用いて車軸36、37を台車18に固定する。
続いて、側壁12、13に設けられた受け入れ部71の側面73間の距離を測定して、左右対となるつば付車輪14、15(16、17)の内輪41の外周部の外側面が対向する側壁12、13の受け入れ部71の側面73に当接し、外輪40が側壁12、13の上端部に当接するようにつば付車輪14、15(16、17)間の距離を求める。そして、求めたつば付車輪14、15(16、17)間の距離が確保されるように、車軸36に対してつば付車輪14、15を固定部材39を用いて固定し、車軸38に対してつば付車輪16、17を固定部材39を用いて固定する。その後、台車18を吊り上げて側溝11の開口部70の一部に被さるように配置し、徐々に下降させて側壁12、13の上端部に外輪40を当接させる。これによって、側溝11の側壁12、13の上端部への台車18の配置が完了する。
側壁12、13の上端部への台車18の配置が完了すると、アーム55を回転駆動軸54の周りに回動させて垂直回転軸24が側溝11の中央部に配置されるようにして、粗切り用の回転刃25を高さ調整部材60を介して垂直回転軸24に取付ける。更に、図4に示すように、油圧源66と給油口67を油圧ホース74で接続し、油圧源66と可搬式発電機75を電源ケーブル76で接続する。なお、側壁12、13に記入した切断線72の高さ位置と、高さ調整機構26により可能な垂直回転軸24の先部の高さ位置調整範囲を比較して、最適な先部62の長さHを有する高さ調整部材60を選択する。
次いで、レール部材19の一端側に回転刃25が配置されるように子台車21をレール部材19に沿って移動すると共に、台車18を側壁12、13の切断開始位置まで移動する。そして、高さ調整機構26のハンドル50を操作して垂直回転軸24の先部の高さ位置を変化させて、回転刃25のダイヤモンド層58の高さ位置を、例えば、側壁13に記入した切断線72の高さ位置に調整して固定する。更に、支持部材44を移動させてパッド43を内輪41の外周部に当接させ、クランプ46を用いて固定することによりブレーキ手段42を作動状態にし台車18の移動を防止する。
可搬式発電機75を運転して油圧源66を駆動させ、油圧ホース74を介して給油口67に油を供給して、ラックピニオン機構20の油圧モータ及び油圧モータ53を駆動させる。そして、図示しない給水装置から水を回転刃25に吹き付けながら回転させ、アーム55を回転駆動軸54の周りに回動させることにより側壁13に記入した切断線72の位置に沿って回転刃25を切り込ませる。回転刃25の切り込み深さが予め設定した深さに到達した時点でアーム55の回動を停止し、回転刃25の切り込みを停止する。
次いで、ラックピニオン機構20を駆動させ移動部51を介して子台車21をレール部材19の一端側から他端側に向けて移動させることにより垂直回転軸24に取付けた回転刃25を切断線72に沿って移動させる。これにより、側壁13に記入した切断線72に沿って連続的に粗切り溝77を形成することができる。
側壁13に記入した切断線72に沿った粗切り溝77の形成が終了すると、アーム55を逆方向に回動させて回転刃25を側壁13から引き出し、油圧モータ53及び給水装置を停止する。次いで、ラックピニオン機構20を逆駆動させて回転刃25をレール部材19の一端側に戻し、粗切り用の回転刃25を垂直回転軸24から取り外して仕上げ用の回転刃を高さ調整部材60を介して垂直回転軸24に取付ける。そして、油圧モータ53を駆動させて給水装置から水を仕上げ用の回転刃に吹き付けながら回転させ、アーム55を回転駆動軸54の周りに回動させて側壁13に形成した粗切り溝77に仕上げ用の回転刃を切り込ませ、側壁13の未切断部の切断を行なう。未切断部の切断が完了した時点でアーム55の回動を停止し、仕上げ用の回転刃の切り込みを停止する。
次いで、ラックピニオン機構20を駆動させ子台車21をレール部材19の一端側から他端側に向けて移動させることにより仕上げ用の回転刃を移動させ、側壁13に存在している残りの未切断部の切断を連続して行なう。これによって、側壁13側の切断が完了する。
側壁13側の切断が完了すると、アーム55を逆方向に回動させて、仕上げ用の回転刃を側壁13から引き出し油圧モータ53及び給水装置を停止する。次いで、ラックピニオン機構20を逆駆動させて仕上げ用の回転刃をレール部材19の一端側に戻し、仕上げ用の回転刃を垂直回転軸24から取り外して粗切り用の回転刃25を再度高さ調整部材60を介して垂直回転軸24に取付ける。そして、油圧モータ53を駆動させて給水装置から水を回転刃25に吹き付けながら回転させ、アーム55を回転駆動軸54の周りに回動させることにより側壁12に記入した切断線72の位置に回転刃25を切り込ませ、回転刃25を移動させて側壁12に記入した切断線72に沿って連続的に粗切り溝77を形成する。
なお、側壁12側の切断線72の高さ位置が側壁13側の切断線72の高さ位置と異なる場合は、高さ調整機構26のハンドル50を操作して垂直回転軸24の先部の高さ位置を変化させて、回転刃25のダイヤモンド層58の高さ位置が側壁12側の切断線72の高さ位置に実質的に一致するように位置調整を行なってから切り込みを行なうようにする。
粗切り溝77の形成が終了すると、粗切り用の回転刃25を垂直回転軸24から取り外して仕上げ用の回転刃を高さ調整部材60を介して垂直回転軸24に取付け、粗切り溝77に回転刃を切り込ませ側壁12に存在している未切断部の切断を連続して行なって側壁12側の切断を完了させる。
レール部材19の長さに相当した範囲における側壁12、13の切断が完了すると、クランプ46を操作し支持部材44を移動させてパッド43を内輪41の外周部から離脱させブレーキ手段42の作動を終了させる。次いで、台車18を側壁12、13の上端部に沿ってレール部材19の長さに相当する距離だけ移動させて、再度ブレーキ手段42を作動状態にして台車18の移動を停止させ、レール部材19に対向する範囲の側壁12、13に記入された切断線72に沿って切断を行なう。このように、台車18をレール部材19の長さに相当する距離だけ移動させながら側壁12、13の切断を行なうことを繰り返すことで、側溝11の側壁12、13の上部側の切断作業を行なうことができる。そして、切断線72を記入した範囲の側壁12、13の上部側の切断作業が終了すると、台車18を吊り上げて側溝11から退去させ、切り離した側壁部を撤去する。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲での変更は可能であり、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組み合わせて本発明の側溝の側壁切断装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
例えば、ラックピニオン機構及び回転駆動源に油圧モータを使用したが、電動モータを使用することもできる。また、ブレーキ手段を移動方向前側のつば付車輪にそれぞれ設けたが、前側の一方のつば付車輪にだけ設けても、後側のつば付車輪のいずれか一方又は双方に設けてもよい。更に、切断時に台車に加わる反作用力が大きな場合は、各つば付車輪と側壁の上端部との隙間にストッパーを設けても、全てのつば付車輪にブレーキ機構を設けるようにしてもよい。
更に、側溝の側壁における切断位置に応じてつば付車輪の外径を選択するようにしてもよい。これによって、高さ調整機構及び高さ調整部材と組み合わせることにより、側壁の切断位置を更に広い範囲に設定することが可能になる。
本発明の一実施の形態に係る側溝の側壁切断装置の平面図である。 同側溝の側壁切断装置の一部省略正断面図である。 (A)、(B)はそれぞれ同側溝の側壁切断装置において回転刃を垂直回転軸に固定する高さ調整部材の側断面図及び平面図である。 同側溝の側壁切断装置で側壁を切断する際の説明図である。
符号の説明
10:側溝の側壁切断装置、11:側溝、12、13:側壁、14〜17:つば付車輪、18:台車、19:レール部材、20:ラックピニオン機構、21:子台車、22:回転駆動源、23:ベルト、24:垂直回転軸、25:回転刃、26:高さ調整機構、27、28:第1の梁部材、29、30:第2の梁部材、31:枠体、32、33:側板、34、35:側板、36:車軸、37:抜け止め防止部材、38:車軸、39:固定部材、40:外輪、41:内輪、42:ブレーキ手段、43:パッド、44:支持部材、45:取付け台、46:クランプ、47:レールブロック、48:昇降部、49:雄ねじ部、50:ハンドル、51:移動部、52:ラック、53:油圧モータ、54:回転駆動軸、55:アーム、56:軸受、57:鉄板、58:ダイヤモンド層、59:フランジ、60:高さ調整部材、61:基部、62:先部、63:貫通孔、64:ねじ穴、65:ブレード押え、66:油圧源、67:給油口、68:道路、70:開口部、71:受け入れ部、72:切断線、73:側面、74:油圧ホース、75:可搬式発電機、76:電源ケーブル、77:粗切り溝

Claims (6)

  1. 施設された側溝の対向する側壁の上端部に沿ってそれぞれ移動する左右対となるつば付車輪を前後に備えた台車と、
    前記台車の移動方向に沿って該台車上に載置されたレール部材と、
    前記レール部材に沿って進退する子台車と、
    前記子台車に設けられた回転駆動源によって回転駆動され、前記レール部材の幅方向にもその位置を変更可能な垂直回転軸と、
    前記垂直回転軸に装着された回転刃と、
    前記回転刃を前記台車に対して上下調整可能な高さ調整機構とを有することを特徴とする側溝の側壁切断装置。
  2. 請求項1記載の側溝の側壁切断装置において、前記子台車は、前記レール部材上にラックピニオン機構を介して取付けられ、前記垂直回転軸は前記回転駆動源を軸心として回動可能なアームの先部に設けられ、前記垂直回転軸には前記回転駆動源から回転力伝達機構を介してその回転力が伝達されていることを特徴とする側溝の側壁切断装置。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の側溝の側壁切断装置において、前記左右対となるつば付車輪は前記台車の前後に設けられた車軸にそれぞれ設けられ、しかも、前記左右対となるつば付車輪はその幅を、前記側壁の幅に応じて変更可能となっていることを特徴とする側溝の側壁切断装置。
  4. 請求項3記載の側溝の側壁切断装置において、前記車軸は前記台車に対して幅方向に位置調整可能に設けられていることを特徴とする側溝の側壁切断装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の側溝の側壁切断装置において、前記つば付車輪の全部又は一部には、ブレーキ手段が設けられていることを特徴とする側溝の側壁切断装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の側溝の側壁切断装置において、前記回転刃は、高さ調整部材を介して前記垂直回転軸に取付けられていることを特徴とする側溝の側壁切断装置。
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