JP2006028592A - 焼鈍後強度に優れるアルミニウム箔及び該アルミニウム箔の製造方法 - Google Patents
焼鈍後強度に優れるアルミニウム箔及び該アルミニウム箔の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 質量%で、Fe:0.7%超、2%以下、Si:0.01%以上、0.7%以下、Cu:0.001%以上、0.1%以下、Zr:0.01%以上、0.1%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物とからなる組成を有するアルミニウム箔。該組成を有し、厚さが5〜200μmのアルミニウム箔を180℃以上400℃以下に8時間以上140時間以下保持する条件で焼鈍を施す。焼鈍によって残圧延油が確実に蒸散、除去されるとともに、焼鈍後の強度が高いアルミニウム箔が得られる。
【選択図】 なし
Description
ところで、箔圧延工程で使用され、箔表面に付着する圧延油は紙やフイルムとの接着を阻害したり、包装内容物を汚染するおそれがあるため、通常、これを蒸散除去する目的で箔圧延後に最終焼鈍が施される。そして圧延油の蒸散に必要な温度は通常200℃以上とされている。
い強度を確保する方法を検討した結果、最終焼鈍時の再結晶を抑制すれば軟化を防ぐことができるとの結論を得た。さらに検討を進めた結果、所定量のFe、Si、Cuを含有し、さらに適量のZrを添加したアルミニウム箔は、箔圧延性を阻害することなく焼鈍時の軟化を抑制する効果があることを見出し本発明を完成するに至ったものである。
Feは、Al素地中に金属間化合物として分散して焼鈍後の強度を向上させる。所定量以下では所望の効果が得られず、所定量を超えると粗大晶出物が形成されてピンホールが増加するので、Fe含有量を0.7%超〜2%に限定する。
なお、同様の理由で、下限を0.8%、上限を1.6%とするのが望ましい。
Siは、Al素地中に金属間化合物として分散して焼鈍後の強度を向上させる。所定量未満では所望の効果が得られず、所定量を超えると粗大晶出物が形成されてピンホールが増加するので、Si含有量を0.01〜0.7%に限定する。
なお、同様の理由で、下限を0.02%、上限を0.3%とするのが望ましい。
Cuは、Al素地中に固溶して焼鈍後の強度を向上させるとともに、最終焼鈍時の再結晶を抑制する。所定量未満では所望の効果が得られず、所定量を超えると箔圧延性が著しく低下するので、Cu含有量を0.001〜0.1%に限定する。なお、同様の理由で、下限を0.005%、上限を0.05%とするのが望ましい。
Zrは、Al素地中に金属間化合物として分散して焼鈍後の強度を高めるとともに、最終焼鈍時の再結晶を著しく抑制して焼鈍後の強度を高くする。所定量未満では所望の効果が得られず、所定量を超えても一層の効果は期待できず、また箔圧延性が著しく低下するので、Zr含有量は0.01〜0.1%に限定する。なお、同様の理由で、下限を0.02%、上限を0.05%とするのが望ましい。
上記組成を有するアルミニウム合金箔を焼鈍する際に、所定温度未満では圧延油が十分に蒸散せず箔表面に残留し、貼り合わせを阻害したり包装内容物を汚染するなどの問題が生じる。一方、所定温度を超えると再結晶が進み焼鈍後の強度が低下する。これらの観点から、本願発明の製造方法では、冷間圧延後の最終焼鈍温度を180〜400℃に限定する。なお、同様の理由で下限を190℃、上限を300℃とするのが望ましい。
上記最終焼鈍における焼鈍時間は、所定時間未満では圧延油が十分に蒸散せず箔表面に残留し、貼り合わせを阻害したり包装内容物を汚染するなどの問題が生じる。一方、所定時間を超えても一層の効果は望めず、かえってコストアップとなる。これらの観点から、本願発明の製造方法では、冷間圧延後の最終焼鈍時間を8〜140時間に限定する。なお、同様の理由で、下限を20時間、上限を120時間とするのが望ましい。
本発明では、前記した組成、すなわち、質量%で、Fe:0.7%超、2%以下、Si:0.01%以上、0.7%以下、Cu:0.001%以上、0.1%以下、Zr:0.01%以上、0.1%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物とからなるアルミニウム合金が用いられる。
該合金は常法により溶製することができ、例えば成分を調整してDC鋳造や連続鋳造によって製造することができる。DC鋳塊は熱間圧延され、連続鋳造では、連続して熱間圧延がなされる。熱間圧延後には箔圧延を含む冷間圧延がなされ、所定の厚さとアルミニウム箔とされる。なお、冷間圧延に際しては、適宜の中間焼鈍を行うことができ、また、中間焼鈍を省略することもできる。
上記溶製から箔圧延に至る工程は、本発明としては特定の条件に限定されるものではなく、常法等の条件によって行うことができる。アルミニウム箔の厚さは、通常の箔厚さである5〜200μmとされる。
得られたアルミニウム箔は、そのまま用いることができ、また、紙、フィルムなどと貼り合わせて用いることができる。 本願発明の焼鈍後強度に優れるアルミニウム箔は、特に紙、フィルム等と接着剤を介して貼り合わされ、食品包装用、薬品包装用およびその他の包装用等に使用されるアルミニウム箔、または家庭用アルミニウム箔(いわゆるアルミホイル)に好適なものである。
表1に示す組成(残部がAlと不可避不純物)のアルミニウム合金を溶製し、半連続鋳造によりスラブとした。該スラブに対し均質化処理、面削、熱間圧延、冷間圧延を施し、厚さ7μmのアルミニウム箔とした。なお冷間圧延の途中、厚さ600μmで360℃で4時間保持の条件で中間焼鈍を施した。
得られたアルミニウム箔を大気中で表1に示す条件で最終焼鈍を施し、供試材とした。
各供試材の引張強さと濡れ性を測定し、その結果を表1に示した。なお、濡れ性は、マイクロシリンジ法により測定したものであり、残圧延油量によって濡れ性が異なることから、残圧延油量を評価する指標として用いた。
Claims (2)
- 質量%で、Fe:0.7%超、2%以下、Si:0.01%以上、0.7%以下、Cu:0.001%以上、0.1%以下、Zr:0.01%以上、0.1%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物とからなる組成を有することを特徴とする焼鈍後強度に優れるアルミニウム箔。
- 質量%で、Fe:0.7%超、2%以下、Si:0.01%以上、0.7%以下、Cu:0.001%以上、0.1%以下、Zr:0.01%以上、0.1%以下を含有し、残部がAlと不可避不純物とからなる組成を有し、厚さが5〜200μmのアルミニウム箔を、180℃以上400℃以下に8時間以上140時間以下保持する条件で焼鈍を施すことを特徴とする焼鈍後強度に優れるアルミニウム箔の製造方法。
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JP2017160509A (ja) * | 2016-03-11 | 2017-09-14 | 株式会社神戸製鋼所 | アルミニウム合金軟質箔 |
CN113637878A (zh) * | 2021-08-10 | 2021-11-12 | 江苏鼎胜新能源材料股份有限公司 | 一种高延伸换热器用铝箔及其制备方法 |
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- 2004-07-16 JP JP2004209847A patent/JP4447980B2/ja not_active Expired - Fee Related
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