JP2006027383A - 4輪駆動ハイブリッド車両 - Google Patents

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和宏 竹田
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忍 釜田
Hiroshi Oba
大羽  拓
Hiroshi Iwano
岩野  浩
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Abstract

【課題】発進加速時以外においても4輪駆動を実現し、車両の走行安定性を向上させる。
【解決手段】 ハイブリッド車両は、エンジン1と後輪11の間に介装される第1変速機7と、エンジン1と前輪39の間に介装される第2変速機35と、第1変速機7とエンジン1との間に介装される第1クラッチ3と、第2変速機35とエンジン1との間に介装される第2クラッチ31と、第2変速機35と第2クラッチ31の間に介装されるモータジェネレータ41とを備える。そして、第1クラッチ3及び第2クラッチ31を締結してエンジン1の駆動力を前輪39及び後輪11に伝達する第1の駆動モードと、第1クラッ3チを締結してエンジン1の駆動力を後輪11に伝達するとともに第2クラッチ31を解放してモータジェネレータ41の駆動力を前輪39に伝達する第2の駆動モードとを切り換えられるように構成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、駆動力源としてエンジンとモータとを備えたハイブリッド車両に関し、特に、前輪、後輪の両方を駆動することができる4輪駆動のハイブリッド車両に関する。
車両のパワートレインの方式として、エンジンを車両前部に配置し、変速機を車両後部に配置するトランスアクスル方式が知られている。このトランスアクスル方式では、後軸荷重が増すので、駆動輪である後輪のスリップ限界が上昇し、路面に伝達可能な駆動力が増大するという利点がある。
ところで、動力性能を重視した車両では、エンジン等の駆動力源からの駆動力が大きくなるため、駆動力伝達に有利なトランスアクスル方式であっても、2輪駆動では駆動輪がスリップしやすくなる。そのため、車両の性能を最大限に引き出すためには、4輪全てに駆動力を配分することが望ましい。しかしながら、トランスアクスル方式では変速機が車両後部に配置されているので、変速機から前輪に駆動力を伝達するためには、車両後部から車両前部へと延びる長いプロペラシャフトが必要となり、車両重量の増加、製造コストの増加、レイアウト性の悪化の原因となる。
この点に関し、特開平6−107005号公報(特許文献1)では、トルクコンバータの出力端から前輪に駆動力を伝達させるギヤを設け、発進加速時のみ4輪駆動を実現する方式を提案している。
特開平6−107005号
上記特許文献1に開示されている方式によれば、発進加速時はエンジンから前輪及び後輪に駆動力を伝達し、4輪駆動を実現することができるので、路面に伝達する駆動力が大きくなる発進加速時において駆動輪のスリップを効果的に抑えることが可能である。
しかしながら、この方式では、4輪駆動を実現可能なのは発進加速時のみであり、車両の走行安定性を向上させるために4輪駆動が要求される中高速走行時、低μ路走行時において4輪駆動を実現することができないという問題がある。
本発明は、かかる技術的課題を鑑みてなされたもので、発進加速時以外においても4輪駆動を実現し、車両の走行安定性を向上させることを目的とする。
本発明に係るハイブリッド車両は、エンジンと第1駆動輪の間に介装される第1変速機と、エンジンと第2駆動輪の間に介装される第2変速機と、第1変速機とエンジンとの間に介装される第1クラッチと、第2変速機とエンジンとの間に介装される第2クラッチと、第2変速機と第2クラッチの間に介装されるモータジェネレータとを備える。そして、第1クラッチ及び第2クラッチを締結してエンジンの駆動力を第1及び第2駆動輪に伝達する第1の駆動モードと、第1クラッチを締結してエンジンの駆動力を第1駆動輪に伝達するとともに第2クラッチを解放して前記モータジェネレータの駆動力を第2駆動輪に伝達する第2の駆動モードとを切り換えられるように構成する。
本発明によれば、第1の駆動モードを選択すればエンジンの駆動力を前輪及び後輪に伝達する4輪駆動を実現でき、第2の駆動モードを選択すればモータジェネレータの駆動力を利用して発進加速時以外の幅広い運転領域において4輪駆動を実現することができるので、中高速走行時、低μ路走行時における車両の走行安定性を向上させることができる。
添付図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明に係る4輪駆動ハイブリッド車両の概略構成を示したものであり、車両は、駆動力源として、エンジン1とモータジェネレータ41とを備える。エンジン1は内燃機関であり、モータジェネレータ41は三相交流式の電動機である。エンジン1には、スタータモータと発電機の機能を有するスタータジェネレータ2が接続されており、エンジン1はスタータジェネレータ2を力行させることで始動される。
車両のパワートレインを後輪側と前輪側に分けて説明すると、まず、後輪側については、エンジン1に第1クラッチ3を介して第1の入力軸5、第1変速機7、第1のデファレンシャルギヤ9、後輪11(第1駆動輪)が接続されている。第1クラッチ3が締結されているときは、これらの要素を介してエンジン1の駆動力が後輪11へと伝達される。第1変速機7を後軸近傍に配置するいわゆるトランスアクスル方式を採用しているため、エンジン、変速機を前軸近傍に配置する一般的な後輪駆動方式に比べて後軸荷重が増え、路面に伝達可能な駆動力が増すという利点がある。また、前後重量配分が改善されることから、運動性能を向上させることもできる。
図2は第1変速機7の構成を示した図である。第1変速機7は、平行な2軸上に配置されたギヤ列13、1速用から5速用のギヤ列14ないし18及び後進用ギヤ列19と、第1変速機7の入力軸7iと出力軸7oを直結状態とするか否かを切り換えるためのドグクラッチ20と、複数のギヤ列14から19のうちどのギヤ列を介して駆動力を伝達するかを切り換えるためのドグクラッチ21から23と、ドグクラッチ21から23の締結状態を切り換えるためのシフトアクチュエータ25から28とで構成される。シフトアクチュエータ25から28は、後述するコントローラ60からの信号を受けて駆動される。ドグクラッチ20から23の締結状態を切り換えることにより、第1変速機7の変速段として1速から6速、後進を切り換えることができる。
例えば、シフトアクチュエータ26によりドグクラッチ21を図中左側に変位させ、他のドグクラッチ20、22、23を中立状態に保てば、入力軸7iからギヤ列13、14を介して出力軸7oへと駆動力が伝達されるようになり、第1変速機7の変速段を変速比最大の1速とすることができる。また、この状態からドグクラッチ21を図中右側に変位させれば、今度は駆動力がギヤ列13、15を介して伝達されるようになり、第1変速機7の変速段を変速比が1速よりも小さい2速にすることができる。
同様にして、ドグクラッチ22、23を変位させれば、第1変速機7の変速段を3速、4速、5速あるいは後進に切り換えることができ、ドグクラッチ21から23を中立状態にするとともにドグクラッチ20を締結して入力軸7iと出力軸7oを直結状態とすれば第1変速機7の変速段を6速とすることができる。6速状態での変速比は1よりも小さくなり、第1変速機7は入力軸回転速度よりも出力軸回転速度が高くなる増速機構として機能する。
一方、前輪側に関しては、図1に示すように、エンジン1に第2クラッチ31を介して第2の入力軸33、第2変速機35、第2のデファレンシャルギヤ37、前輪39(第2駆動輪)が接続されており、第2クラッチ31が締結されているときはこれらの要素を介してエンジン1の駆動力が前輪39へと伝達される。これにより、第1クラッチ3、第2クラッチ31の両方が締結されているときは、エンジン1の駆動力を後輪11だけでなく前輪39にも伝達し、機械的な4輪駆動を実現することができる(第1の駆動モード)。さらに、この状態でモータジェネレータ41を力行させれば、モータジェネレータ41の駆動力を前輪39及び後輪11に伝達することも可能である。
第2の入力軸33には、さらに、第2クラッチ31と第2変速機35の間においてモータジェネレータ41が接続され、モータジェネレータ41にはインバータ43を介してバッテリ45が接続されている。バッテリ45からモータジェネレータ41に電力を供給し、モータジェネレータ41を力行させれば、第2の入力軸33を駆動することができ、逆に、制動時にモータジェネレータ41を発電機として機能させれば、制動エネルギを回収して、バッテリ45を充電することができる。また、第2クラッチ31を解放し、エンジン1で後輪11を駆動し、モータジェネレータ41で前輪39を駆動すれば、エンジン1、モータジェネレータ41の両方の駆動力を利用した電気的な4輪駆動を実現することができる(第2の駆動モード)。
第2変速機35は、第1のギヤ列51及び第2のギヤ列53と、第1及第2のギヤ列のうちいずれを第2の入力軸33に接続し駆動力の伝達に用いるかを切り換えるためのドグクラッチ55とで構成される。ドグクラッチ55を図中左側に変位させれば第1のギヤ列51が第2の入力軸33に接続され、第1のギヤ列51を介して駆動力が伝達されるようになる。逆に、ドグクラッチ55を図中右側に変位させれば第2のギヤ列53が第2の入力軸33に接続され、第2のギヤ列53を介して駆動力が伝達される。
第1のギヤ列51のギヤ比は、第1のギヤ列51を介して駆動力が伝達されるときの第2変速機35の変速比が、第1変速機7の変速段が1速のときの変速比に等しくなるように設定される。つまり、第1変速機7と第2変速機35の最大変速比は等しくなるように設定される。また、第2のギヤ列52のギヤ比は、第1のギヤ列51のギヤ比よりも小さな値に設定され、さらに、図3に示すように、実走行での回生頻度の高い領域(加減速の頻度が高い領域)においてモータジェネレータ41の回転速度がモータジェネレータ41を高効率で運転させることができる所定範囲に収まるように設定され、第2の変速機35の変速段を1段変更したときの変速比の変化量は第1の変速機7よりも大きくなる。
図4は、モータジェネレータ41の特性を示したものである。モータジェネレータ41は、高回転速度領域における出力の低下を許容したことにより、低出力ではあるが高回転速度での運転を実現し、低速回転速度領域における高トルクと、幅広い運転領域を実現することができる特性となっている。このような特性とするのは、第2変速機35のギヤの段数を減らすことで機構を簡略化し、第2変速機35を小型化、軽量化して、燃費と車両の重量バランスを向上させるためである。
車両には、車両制御用としてコントローラ60が設けられている。コントローラ60には、前輪39の回転速度を検出するセンサ61、後輪11の回転速度(∝車速)を検出するセンサ62、アクセルペダルの操作量を検出するアクセル操作量センサ63等からの信号が入力され、コントローラ60は、アクセル操作量から運転者の要求駆動力を判断し、要求駆動力が実現されるようにエンジン1、モータジェネレータ41を制御し、また、第1変速機7、第2変速機35に変速指令を出す。
図5はこの車両の駆動力マップを示したものである。車両重量に対してパワートレインの駆動力が大きいので、第1変速機7の変速段が1速のときは、エンジン1のみで後輪11を駆動するとき、エンジン1とモータジェネレータ41の両方で後輪11を駆動するとき、いずれの場合も最大駆動力が後輪11だけで伝達可能な駆動力(2輪の駆動力限界)を超える場合がある。このため、この場合は、第1クラッチ3及び第2クラッチ31を締結して第1の駆動モードとし、4輪駆動を実現する必要がある。
そこで、コントローラ60は、車両が発進加速時かそうでないか、要求駆動力が2輪の駆動力限界を超えていないかを、車速、アクセル操作量に基づき判断し、発進加速時で路面に伝達する駆動力が2輪の駆動力限界を超えて大きくなるときは第1クラッチ3及び第2クラッチ31を締結し、エンジン1の駆動力を前輪39、後輪11の両方に伝達する第1の駆動モードとして駆動輪のスリップを防止する。
さらに、コントローラ60は、発進加速時以外では、第1クラッチ3を締結してエンジン1の駆動力を後輪11に伝達するとともに第2クラッチ31を解放してモータジェネレータ41の駆動力を前輪に伝達する第2の駆動モードとし、特に、中高速走行時、低μ路走行時における走行安定性を向上させる。
図7はコントローラ60が行う駆動モード切換え制御の内容を示したフローチャートであり、コントローラ60において所定時間毎(例えば、10msec毎)に繰り返し実行される。
これによると、ステップS1では車速に基づき発進加速時かどうかを判断する。車速が所定車速(例えば30km/h)以下であり、アクセル操作量が所定量(例えば、1/8以上)であるときは発進加速時であると判断し、ステップS2に進む。
ステップS2では、アクセル操作量から求まる要求駆動力が、後輪で伝達可能な駆動力を超えているかどうかを判断し、超えている場合はステップS3に進む。
ステップS3では、第1クラッチ3、第2クラッチ31を締結し、第1の駆動モードで車両を走行させる。
一方、ステップS1で発進加速時でないと判断されたとき、あるいは、ステップS2で要求駆動力が後輪11で伝達可能な駆動力を超えていないと判断されたときはステップS4に進み、第1クラッチ3を締結するとともに第2クラッチ31を解放し、第2の駆動モードで車両を走行させる。
図7は発進加速時の駆動力伝達経路(第1の駆動モード)を示し、図中波線が駆動力の伝達経路を示している。発進加速時は2輪の駆動力限界を超える駆動力が要求されるので、第1クラッチ3及び第2クラッチ31を締結し、エンジン1とモータジェネレータ41の駆動力を4輪に分配する。4輪全てを使って駆動力を路面に伝えるので、パワートレインの最大駆動力を伝達してもスリップが発生することはない。また、このとき、第1変速機7の変速段は1速とされ、第2変速機35においては第1のギヤ列51が選択されるので、両変速機の変速比は等しくなり、エンジン1、モータジェネレータ41の駆動力を効率よく4輪に均等に伝達することができる。
一方、図8は、中高速走行時の駆動力伝達経路(第2の駆動モード)を示したものである。このとき、第2クラッチ31は解放され、エンジン1の駆動力は後輪11のみに、モータジェネレータ41の駆動力は前輪39のみに伝達される。この伝達経路においても4輪駆動が実現され、中高速走行時の走行安定性を高めることができる。図4に示したようにモータジェネレータ41の運転領域は幅広く設定されており、加えて、第2変速機35の変速比を切り換えることができるので、幅広い運転領域においてモータジェネレータ41を利用した4輪駆動走行を行うことが可能である。さらに、この構成によれば、制動時は前軸荷重が増すためモータジェネレータ41の回生効率を高めることもできる。
また、第2変速機35において第2のギヤ列52が選択され、第1変速機の変速比よりも第2変速機の変速比が小さくなっており、エンジン1の回転速度よりも第2の入力軸33の回転速度が低い場合は、第2クラッチ31の滑り状態(半クラッチ状態)を制御することによってエンジン1の駆動力を前輪39に伝達することも可能である。これにより、モータジェネレータ41の駆動力のみで前輪39を駆動する場合に比べてモータジェネレータ41の出力を小さくすることができるので、モータジェネレータ41を小型化、軽量化することができ、単に、前輪をモータ駆動、後輪をエンジン駆動とすることで4輪駆動を実現するものに比べてレイアウト性、前後重量配分において有利である。
図9は、コントローラ60が行う変速制御のうち、特に、アップシフト制御の内容を示したフローチャートである。車速、アクセル操作量に基づき、図示しない変速マップを参照して変速が必要であると判断されたときに実行される。
これによると、まず、ステップS11では、コントローラ60から第1変速機7に変速指令が発せられ、変速制御が開始される。
ステップS12では、エンジン1の駆動力を低下させる。このとき、エンジン1の目標トルクtTeは、変速後のトルクをTe@Rn+1、変速期間のイナーシャトルクをJe×ΔNeとすると、次式(1):
tTe=rTe+Je×ΔNe<Te@Rn+1 ・・・(1)
を満たすトルクに設定される。これにより、変速中のイナーシャトルクの発生を抑えることができる。
ステップS13では、低下したエンジン1のトルクを補うようにモータジェネレータ41のトルクを上昇させる。
ステップS14では、第1クラッチ3の締結力を減少させるにつれ第2クラッチ31の締結力を増大させる掛け換え制御を行う。
ステップS15では、第1クラッチ3の解放後、第1変速機7のドグクラッチを掛け換える。切り換えるドグクラッチはどの変速段からどの変速段に変速するかによってドグクラッチ20から23の中から適宜選択される。ドグクラッチは入力トルクがゼロのときに解放できる。このとき第1クラッチ3が解放されている状態なので、ドグクラッチは容易に解放できる。また、ドグクラッチ締結時には第1の入力軸5のイナーシャに起因するトルクが発生するが、ドグクラッチの同期期間を長くするか、モータジェネレータ41のトルクを減少させるかのいずれかの対策をとることにより、運転者にショックを感じさせない程度まで駆動力の変動を抑えることが可能である。
ステップS15と並行して、ステップS16では、前輪16に駆動力を伝達させるとともに、エンジン1の回転速度を変速後の回転速度となるように制御する。このとき、第2クラッチ31の締結トルクtTc2とモータジェネレータ41のトルクTmgを協調制御することによって、運転者に違和感の少ない変速を実現することができる。
変速中の駆動力Tvは第2クラッチ31の締結トルクtTc2とモータジェネレータ41のトルクTmgによって決まり、次式(2):
Tv=Tc2×Rem+Tmg×Rmg ・・・(2)
で表される。Remは、第2クラッチ31から前輪39までのギヤ比、Rmgはモータジェネレータ41から前輪39までのギヤ比である。
このとき、第2クラッチ31では、エンジン1の実回転速度rNeを変速後の目標回転速度tNeに一致させるようにフィードバック制御を行い、次式(3):
tTc2=KPI×(tNe−rNe) ・・・(3)
で表される締結トルクの指令値tTc2を与える。ここでKPIはフィードバックゲインである。
さらに、モータジェネレータ41では、コントローラ60から指示される要求駆動力tTvと第2クラッチ31の締結トルク指令値を用いて、次式(4):
tTmg=(tTv−tTc2×Rem)/Rmg ・・・(4)
で表されるトルク指令値tTmgを与える。これにより、第2クラッチ31の締結トルクに応じてモータジェネレータ41のトルクを決める協調制御が成立する。なお、ここでは、基本的な制御のみ述べているが、実際には必要に応じてさまざまな過渡補正が施されるものとする。
ステップS17では、エンジン1の実回転速度と目標回転速度とを比較する。エンジン1の実回転速度と目標回転速度の差が所定値以下の場合はステップS18に進む、所定値は、第1クラッチ3を締結しても0.1G未満の加速度変動しか生じず、運転者にショックを感じさせない程度の回転速度差に設定される。
ステップS18では、第2クラッチ31の締結力を減少させるとともに第1クラッチ3の締結力を増大させる掛け換え制御を行う。このときには、エンジン1の回転速度が第1クラッチ3の出力側回転速度とほぼ一致しているので、イナーシャトルクも発生しにくく、掛け換えに要する時間はステップS14よりも短くてすむ。
ステップS19では、エンジン1のトルクを増大させる、このとき、エンジン1の目標トルクは、次式(5):
tTe=(tTv−tTmg×Rmg) ・・・(5)
に設定される。
ステップS20では、モータジェネレータ41のトルクを低下させる。そして、モータジェネレータ41のトルクがゼロになったとき、エンジン1のみで車両を駆動する状態となり、ステップS21で変速制御を終了する。
図10は上記アップシフト制御により第1変速機7のギヤ位置をn速状態からn+1速状態に変更したときのタイムチャートである。
変速制御開始後、まず、エンジン1のトルクを低下させ、モータジェネレータ41のトルクを上昇させる。そして、第1クラッチ3と第2クラッチ31の掛け換え制御を行う。このとき、モータジェネレータ41のトルクを制御し、駆動力が急変するのを抑えることができるので、優れた変速品質を実現することができる。
さらに、第2クラッチ31のみでエンジン1の駆動力を伝達する状態になると、式(3)、(4)で示した第2クラッチ31とモータジェネレータ41の協調制御が行われる。そのため、エンジン1の回転速度は徐々に目標回転速度へと低下していく。このとき、エンジン1のイナーシャトルクは駆動力として有効に利用される。その間、第1クラッチ3は解放されているので、第1変速機7のドグクラッチは容易に切り換えることができる。
エンジン1の回転速度が目標回転速度程度になると、第2クラッチ31と第1クラッチ3の掛け換え制御を行う。このときには第1クラッチ3の出力側回転速度とエンジン1の回転速度が略一致しているので、掛け換え時間は短くて済み、ショックが生じることもない。その後、第1クラッチ3の締結力の上昇とともにエンジン1のトルクも上昇させ、第1クラッチ3が完全に締結されたら、エンジン1のみで走行する。
このように、本発明に係る車両においては、一連の変速動作でも、車両の前後輪の総駆動力が略一定となり、スムーズな変速動作を実現することができる。
以上説明したように、本発明に係るハイブリッド車両においては、エンジン1、モータジェネレータ41、第1クラッチ3、第2クラッチ31、第1変速機7を協調制御することにより、変速動作中であっても駆動力を連続的に変化させることができる。第1変速機7を複数のギヤ列を切り換えて変速を行う変速機としたにもかかわらず、従来の遊星歯車機構とトルクコンバータを組み合わせた自動変速機並みの変速品質を実現することができ、コストと変速品質の両立が可能である。また、複数のギヤ列を切り換えて変速を行う変速機は伝達効率が高く、低慣性であるため、他の変速機に比べて燃費や動力性能を向上させることができる。
なお、上記実施形態では、第1変速機7を複数のギヤ列を切り換えて行う変速機として説明したが、従来の遊星歯車機構とトルクコンバータを組み合わせた既存の自動変速機としても構わない。ただし、既存の自動変速機を用いた場合、変速時にエンジン回転速度の変化を受けて、イナーシャに起因するショックが発生する。そこで、第1変速機7として既存の自動変速機を用いる場合は、第2変速機35の変速比を変速後の第1変速機7の変速比よりも小さくし、変速時に第2クラッチ31を介して前輪39にエンジン駆動力を伝達しながらエンジン1の回転速度を変速後の回転速度に制御した後、第1クラッチ3、第2クラッチ31の掛け換え制御を行い、後輪11にエンジン1の駆動力を伝達するようにする。この制御を行うことにより、変速時のエンジンイナーシャに起因するショックを回避することができる。
以上説明したように、本発明に係るハイブリッド車両は、エンジン1と後輪11の間に介装され、複数の変速段を有する第1変速機7と、エンジン1と前輪39の間に介装され、複数の変速段を有する第2変速機35と、第1変速機7とエンジン1との間に介装される第1クラッチ3と、第2変速機35とエンジン1との間に介装される第2クラッチ31と、第2変速機35と第2クラッチ31の間に介装されるモータジェネレータ41とを備える。そして、第1クラッチ3及び第2クラッチ31を締結してエンジン1の駆動力を前輪39及び後輪11に伝達する第1の駆動モードと、第1クラッチ3を締結してエンジン1の駆動力を後輪11に伝達するとともに第2クラッチ31を解放してモータジェネレータ41の駆動力を前輪39に伝達する第2の駆動モードとを切り換えるように構成される。
この構成によれば、第1の駆動モードを選択すればエンジン1の駆動力を前輪39及び後輪11に伝達する機械的な4輪駆動を実現できることに加え、第2の駆動モードを選択すればモータジェネレータ41の駆動力を利用して発進加速時以外の幅広い運転領域において電気的な4輪駆動を実現することができ、中高速走行時、低μ路走行時においても車両の走行安定性を向上させることができる。一般に、モータジェネレータの出力はエンジンよりも小さいが、中高速走行時は、エンジンで駆動される主駆動側に比べてモータジェネレータで駆動される側の方が要求される駆動力が小さいので、4輪駆動機能を十分に発揮することができる。
このとき、第2変速機35の最大変速比を第1変速機7の最大変速比と等しくなるように設定し、発進加速時に第1の駆動モードで走行するようにすれば、エンジン1の駆動力が前輪39、後輪11に等しく伝達され、発進加速時に路面に伝達可能な駆動力を増大して、駆動輪のスリップを抑え、発進加速性能を向上させることができる。
また、一般に、モータジェネレータ41の方がエンジン1よりも高効率で運転できる領域が広いことから、第1変速機7の変速段の数を第2変速機35の変速段の数よりも多くして第2変速機35を小型化、簡略化すれば、燃費、製造コスト、車両への搭載性の面で有利となり、また、前軸荷重が減少するので運動性能を向上させることもできる。なお、上記実施形態では第1変速機7の変速段を前進6段後進1段、第2変速機35の変速段を2段としたが、変速段の数、組み合わせはこの限りではない。
また、変速段を1段変更したときの変速比の変化量が第1変速機7よりも第2変速機35のほうが大きくなるようにすれば、第2変速機35の変速段を高回転型のモータジェネレータ41に適したものとすることができ、これによって、第2の駆動モードでモータジェネレータ41を高回転領域まで運転させて、幅広い運転領域で4輪駆動を実現することが可能となる。
また、第1変速機7の変速比よりも第2変速機35の変速比が小さくなるように第1変速機7、第2変速機35の変速段が選択されるようにしたので、第1クラッチ3の締結力を減少させるとともに第2クラッチ31の締結力を増大させればエンジン1の駆動力が前輪39へと伝達されるようになる。これにより、変速時に第1クラッチ7を解放しても路面に伝達される駆動力がゼロにはならないので、駆動力が急減して生じてショックが生じるのを抑えることができる。また、エンジン1の回転速度が低められる方向にあり、アップシフト時はエンジン1の回転速度を早く低下させることができるので、変速時間を短縮して変速品質を向上させることができる。さらに、第2クラッチ31締結時にエンジン1のイナーシャに起因するトルクも駆動力として有効利用することができるので、車両の効率を高めることができ、変速終了後、第1クラッチ7を締結するときのイナーシャショックも軽減することができる。
また、第1変速機7の変速段を変更する場合には、第2クラッチ31の締結力を上昇させるとともに第1クラッチ7の締結力を低下させた後に第1変速機7の変速段を変更する。これにより、変速時には第1変速機7の入力トルクがゼロになるので、スムーズな変速動作が実現可能である。加えて、エンジンイナーシャによるショックや駆動力抜けも防止することができ、高い変速品質を実現することができる。さらに、第1変速機7の変速段を変更する間、モータジェネレータ41のトルクを調整して車両の駆動力連続的に変化させるようにすれば、変速中であっても駆動力が急変することがなく、駆動力の段差を無くして変速品質をさらに高めることができる。上記変速動作中の利点は、第1変速機7を、ギヤ比の異なる複数のギヤ列を有し、駆動力伝達に用いるギヤ列を切り換えることで変速段を切り換える変速機としたとときに特に有効である。
また、上記構成では、第1変速機7を車両後方に配置するトランスアクスル方式を採用したので、後軸荷重を増やして後輪の駆動力限界を高め、発進性能をより一層高めることができる。第2クラッチ31を締結すればエンジン1から前輪39に駆動力を伝達することができるので、従来のトランスアクスル方式で4輪駆動を実現するときに必要であった長いプロペラシャフトが不要となり、車両重量の増加、製造コストの増加、レイアウト性の悪化を抑えることができる。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図11は本発明の第2の実施形態に係る4輪駆動ハイブリッド車両の概略構成を示したものであり、第2クラッチ31と第2の入力軸33の間に第3変速機70が介装されている点が第1の実施形態の構成と相違する。第3変速機70は変速比の異なる少なくとも2種類の変速段を切り換えることができ、変速段を変更することによって、第2クラッチ31の入力側と出力側の回転速度差を小さくし、エンジン1から前輪39に駆動力伝達可能な領域を拡大することができる。
第3変速機70は図12に示すように、遊星歯車機構71を中心に構成され、遊星歯車機構71は、サンギヤ72、サンギヤ72に噛み合う複数のプラネタリーギヤ73、複数のプラネタリーギヤ73をそれらの相対位置関係を保持したままそれぞれ回転自在に支持するキャリア74と、複数のプラネタリーギヤ73に噛み合うリングギヤ75とで構成される。サンギヤ72は第2の入力軸33に接続されており、キャリア74は第2クラッチ31に接続されている。
さらに、リングギヤ75にはドグクラッチ77が設けられており、ドグクラッチ77を図中左側に変位させるとリングギヤ75が第2クラッチ31に接続されて、第1変速機70の変速比は1となり、エンジン1の回転速度はそのまま第2の入力軸33に伝達される。逆に、ドグクラッチ77を図中右側に変位させると、リングギヤ71は第3変速機70のハウジング79に固定されて第3変速機70の変速比が1よりも小さくなり、エンジン1の回転速度は増幅されて第2の入力軸33に伝達される。
図13は、この車両で使用される、第1変速機7の変速段と、第2変速機35のドグクラッチ55の締結状態と、第3変速機70のドグクラッチ77の締結状態の組み合わせを示した表である。エンジン1から前輪39までの変速比は、ドグクラッチ55、77の締結状態を切り換え、第2変速機35、第3変速機70の変速比を調節することで、第1変速機7の1速相当、4速相当、6速相当の変速比を実現することができる。
図14は、第1変速機7においてアップシフト動作を行うときの駆動力変化を示したものである。この車両においては、変速動作中は第1変速機7の変速段、第2変速機35の変速段をあわせて制御することで、それまで後輪11に伝達されていたエンジン1の駆動力を前輪39に伝達するようにし、さらに、モータジェネレータ41のアシストを加えることで駆動力が変速前後で連続的に変化するようにし、滑らかな変速動作を実現している。
さらに、第1変速機7が2速から3速さらには4速へと変速する際には、第2変速機35では第2のギヤ列53が選択され、エンジン1から前輪39までの変速比は第1変速機7における4速相当となる。また、第1変速機7が4速から5速さらには6速へと変速する際には、第2変速機35では第2のギヤ列53を選択するとともに、第3変速機70のドグクラッチ77をハウジング79に接続して第3変速機70の変速比を1よりも小さくし、エンジン1から前輪39までの変速比を第1変速機7の6速相当まで小さくする。つまり、エンジン1から前輪39までの変速比は常に第1変速機7の変速比以下になるように設定される。これにより、アップシフト時にエンジン1の駆動力を第2の入力軸33に入力するときには、エンジン1の回転速度は常に低められる方向となり、エンジン1のイナーシャも駆動力として活用できる。さらに、エンジン1の回転速度の落ち込みを速くできるので、変速時間の短縮も可能となる。
図15は、1速から2速への変速時の動作概要を示したものである。なお、図15に示すパワートレインの構成は変速動作が分かりやすいように簡略化して描かれているため、実際の構成とは相違する。後に示す図16、図17も同様である。
1速では、第1クラッチ3及び第2クラッチ31を締結して、4輪に駆動力を分配して走行している。車速が上がり、2速への変速要求が発せられると、第1クラッチ3の締結力を低下させる。第1クラッチ3の締結力が低下すると、エンジン1の駆動力は自ずと第2クラッチ31のほうへ伝達される。このとき、車両の駆動力は前輪2輪で伝達可能な駆動量力である。
第1クラッチ3解放後、第1変速機7のドグクラッチ21の接続するギヤ列を1速用ギヤ列14から2速用ギヤ列15へと切り換える。第1クラッチ3が解放され、第1変速機7への入力トルクがゼロであるので、ドグクラッチ21の切り換えは容易に行える。
また、1速から2速へ切り換えるときに、第1の入力軸5は回転速度を低められる方向であるので、第1の入力軸5のイナーシャに起因する正トルクが後輪11に発生する。そこで、ドグクラッチ21を2速用ギヤ列15に締結する際には、モータジェネレータ41のアシストトルクを減らすようにすれば、駆動力がさらに連続的に変化するようになり、より滑らかな変速品質を実現する。
ドグクラッチ21切り換え後、第2クラッチ31と第1クラッチ3の掛け換えを行う。このとき、エンジン1の回転速度は低められ、エンジン1のイナーシャに起因する正トルクが発生するので、モータジェネレータ41もしくはエンジン1の出力調整と、第1クラッチ3と第2クラッチ31の締結力制御を行うことで、違和感のない変速動作が実現できるようにする。
また、図16は、3速から4速への変速時の動作概要を示したものである。3速では、エンジン1の駆動力を、第1変速機7の3速用ギヤ列16を介して後輪11へ伝達して走行している。車速が上がり、4速への変速要求が出されると、第1クラッチ3の締結力を低下させると同時に、第2クラッチ31の締結力を増大させる。
第2変速機35では、第2のギヤ列53が選択されており、エンジン1から前輪39への変速比は第1変速機7の4速相当である。そのため、エンジン1の駆動力は、4速相当の変速比で前輪39へと伝えられ、車両を駆動する。このとき、エンジン1のイナーシャに起因する正トルクが発生するので、モータジェネレータ41もしくはエンジン1の出力調整と、第2クラッチ31の締結力制御で、違和感のない変速動作が実現されるようにする。
第1クラッチ3解放後、第1変速機7のドグクラッチ22が接続するギヤ列を、3速用ギヤ列16から4速用ギヤ列17に切り換える。第1クラッチ3が解放され、第1クラッチ7への入力トルクがゼロであるので、ドグクラッチ22の切り換えは容易に行える。
ドグクラッチ22切り換え後、第2クラッチ31と第1クラッチ3の掛け換えを行う。このとき、エンジン1の回転速度は既に4速相当であるので、掛け換え動作によるイナーシャトルクは発生しない。
また、図17は、5速から6速への変速時の動作概要を示したものである。5速状態では、エンジン1の駆動力を、第1変速機7の5速用ギヤ列18を介して後輪11へ伝達して走行している。車速が上がり、6速への変速要求が出されると、第1クラッチ3の締結力を低下させると同時に、第2クラッチ31の締結力を増大させる。
第2変速機35では第2のギヤ列53が選択され、第3変速機70も増速機構として機能しているので、エンジン1から前輪39への変速比は第1変速機7の6速相当である。そのため、エンジン1の駆動力は6速相当の変速比で前輪39へ伝えられ、車両を駆動する。このとき、エンジン1のイナーシャに起因する正トルクが発生するので、モータジェネレータ41もしくはエンジン1の出力調整と、第2クラッチ31の締結力制御を行うことで、違和感のない変速動作を実現する。
第1クラッチ3解放後、第1変速機7のドグクラッチ23を中立状態にするとともに、ドグクラッチ20によって第1変速機7の入力軸7iと出力軸7oを直結状態とする。第1クラッチ3が解放され、第1変速機7への入力トルクがゼロであるので、ドグクラッチ20、23の切り換えは容易に行える。
ドグクラッチ20、23の切り換え後、第2クラッチ31と第1クラッチ3の賭け換えを行う。このとき、エンジン1の回転速度は既に6速相当であるので、掛け換え動作によるイナーシャトルクは発生しない。
この第2の実施形態では第1の実施形態の作用効果に加え、以下のような作用効果がある。
第2変速機35と第2クラッチ31の間に介装され、複数の変速段を有する第3変速機70を備えたことにより、エンジン1から前輪39までの変速の自由度を増やすことができる。
また、第1変速機7の変速比よりもエンジン1から前輪39までの変速比が小さくなるように第1、第2及び第3変速機の変速段が選択されるようにすれば、第1クラッチ7の締結力を減少させるとともに第2クラッチ31の締結力を増大させればエンジン1の駆動力が前輪39へと伝達されるようになる。これにより、変速時に第1クラッチ7を解放しても路面に伝達される駆動力がゼロにはならないので、駆動力が急減してショックが生じるのを抑えることができる。また、エンジン1の回転速度が低められる方向にあり、アップシフト時はエンジン回転速度を早く低下させることができるので、変速時間を短縮して変速品質を向上させることができる。さらに、第2クラッチ31締結時にエンジン1のイナーシャに起因するトルクも駆動力として有効利用することができるので、車両の効率を高めることができ、変速終了後、第1クラッチ7を締結するときのイナーシャショックも軽減することができる。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第1の入力軸5と第2の入力軸33の間に第3クラッチ80が介装されており、第3クラッチ80を締結すれば、第1の入力軸5と第2の入力軸33とを接続することができる点が第2の実施形態と相違する。
この第3の実施形態では第2の実施形態の作用効果に加え、回生時に第1クラッチ3及び第2クラッチ31を解放し、第3クラッチ80を締結することにより、モータジェネレータ41で前輪39及び後輪11の制動力を回収可能であるという作用効果がある。このとき、第1変速機7の変速段にあわせて、第2変速機35、第3変速機70の変速段を切り換え制御することにより、第1の入力軸5と第2の入力軸33の回転速度差を小さくし、第3クラッチ80を締結しやすいように制御することができる。
なお、ここでは、第2の実施形態の構成に対して第3クラッチを追加しているが、第1の実施形態の構成に対して第3クラッチを追加しても構わない。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第1の入力軸5と第1変速機7の間に第2のモータジェネレータ90が介装されており、後輪11の制動エネルギを第2のモータジェネレータ90で回生できる点が第2の実施形態と相違する。第2のモータジェネレータ90は、第2のインバータ91で駆動され、インバータ91に接続されるバッテリ45は第1のモータジェネレータ41と共通のものである。
この第4の実施形態では第2の実施形態の作用効果に加え、前輪39の制動力をモータジェネレータ41で回生し、後輪11の制動力を第2のモータジェネレータ90で回生することができ、第2のモータジェネレータ90を利用した後輪アシストも可能であるという作用効果がある。さらに、第1クラッチ3を締結すれば、第2のモータジェネレータ90を利用してエンジン1を始動することもできるので、スタータジェネレータ2が不要になる。
なお、ここでは、第2の実施形態の構成に対して第2のモータジェネレータ90を追加しているが、第1あるいは第3の実施携帯の構成に対して第2のモータジェネレータ60を追加しても構わない。また、第2モータジェネレータ90は、後輪11に駆動力を伝達可能な位置であれば第1の変速機7と後輪11の間等、他の位置に設けても構わない。
本発明は、2種類の駆動力源を有するハイブリッド車両であって4輪駆動を行う車両に適用され、4輪駆動で走行可能な運転領域を拡大し、車両の走行性能、走行安定性を向上させるのに有用である。
本発明に係るハイブリッド車両の概略構成図である。 第1変速機の概略構成図である。 第2変速機のギヤ列の変速比の設定方法を説明するための図である。 モータジェネレータの特性図である 駆動力マップである。 コントローラが行う駆動モード切換え制御の内容を示したフローチャートである。 発進加速時の駆動力伝達経路(第1の駆動モード)を示した図である。 中高速走行時の駆動力伝達経路(第2の駆動モード)を示した図である。 コントローラが行うアップシフト制御の内容を示したフローチャートである。 アップシフト制御を行ったときのタイムチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るハイブリッド車両の概略構成図である。 第3変速機の概略構成図である。 第1変速機の変速段と、第2及び第3変速機のドグクラッチの締結状態の組み合わせを示した表である。 第1変速機においてアップシフト動作を行うときの駆動力変化を示した図である。 変速段を1速から2速に変更するときの動作概要を示した図である。 変速段を3速から4速に変更するときの動作概要を示した図である。 変速段を5速から6速に変更するときの動作概要を示した図である。 本発明の第3の実施形態に係るハイブリッド車両の概略構成図である。 本発明の第4の実施形態に係るハイブリッド車両の概略構成図である。
符号の説明
1 エンジン
3 第1クラッチ
7 第1変速機
11 後輪
31 第2クラッチ
35 第2変速機
39 前輪
41 モータジェネレータ
43 インバータ
45 モータジェネレータ
51 第1のギヤ列
53 第2のギヤ列
55 ドグクラッチ
60 コントローラ
61 回転速度センサ
62 回転速度センサ(車速センサ)
63 アクセル操作量センサ
70 第3変速機
80 第3クラッチ
90 第2のモータジェネレータ

Claims (14)

  1. エンジンと、
    第1駆動輪と、
    前記第1駆動輪よりも車両の前側あるいは後側に配置される第2駆動輪と、
    前記エンジンと前記第1駆動輪の間に介装され、複数の変速段を有する第1変速機と、
    前記エンジンと前記第2駆動輪の間に介装され、複数の変速段を有する第2変速機と、
    前記第1変速機と前記エンジンとの間に介装される第1クラッチと、
    前記第2変速機と前記エンジンとの間に介装される第2クラッチと、
    前記第2変速機と前記第2クラッチの間に介装されるモータジェネレータと、
    前記第1クラッチ及び第2クラッチを締結して前記エンジンの駆動力を前記第1及び第2駆動輪に伝達する第1の駆動モードと、前記第1クラッチを締結して前記エンジンの駆動力を前記第1駆動輪に伝達するとともに前記第2クラッチを解放して前記モータジェネレータの駆動力を前記第2駆動輪に伝達する第2の駆動モードとを切り換える手段と、
    を備えたことを特徴とするハイブリッド車両。
  2. 前記第2変速機の最大変速比が前記第1変速機の最大変速比と等しく、発進加速時に前記第1の駆動モードで走行することを特徴とする請求項1に記載のハイブリッド車両。
  3. 前記第1変速機の変速段の数が前記第2変速機の変速段の数よりも多いことを特徴とする請求項1または2に記載のハイブリッド車両。
  4. 前記第1変速機よりも前記第2変速機のほうが、変速段を1段変更したときの変速比の変化量が大きいことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のハイブリッド車両。
  5. 前記第1変速機の変速比よりも前記第2変速機の変速比が小さくなるように前記第1及び第2変速機の変速段が選択されることを特徴とする請求項1から4のいずれか一つに記載のハイブリッド車両。
  6. 前記第2クラッチの締結力を上昇させるとともに前記第1クラッチの締結力を低下させた後に前記第1変速機の変速段を変更することを特徴とする請求項1から5のいずれか一つに記載のハイブリッド車両。
  7. 前記第1変速機の変速段を変更する間、前記モータジェネレータのトルクを調整して車両の駆動力を連続的に変化させることを特徴とする請求項6に記載のハイブリッド車両。
  8. 前記第1変速機は、ギヤ比の異なる複数のギヤ列を有し、駆動力伝達に用いるギヤ列を切り換えることで変速段を切り換える変速機であることを特徴とする請求項7に記載のハイブリッド車両。
  9. 前記第1駆動輪及び前記第1変速機は前記第2駆動輪よりも車両の後側に配置されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一つに記載のハイブリッド車両。
  10. 前記第2変速機と前記第2クラッチの間に介装され、複数の変速段を有する第3変速機を備えたことを特徴とする請求項1から9のいずれか一つに記載のハイブリッド車両。
  11. 第1変速機の変速比よりも前記エンジンから前記第2駆動輪までの変速比が小さくなるように前記第1、第2及び第3変速機の変速段が選択されることを特徴とする請求項10に記載のハイブリッド車両。
  12. 前記第1変速機の入力軸と前記第2変速機の入力軸との間を接続あるいは解放するためのクラッチをさらに備えたことを特徴とする請求項1から11のいずれか一つに記載のハイブリッド車両。
  13. 前記第1駆動輪に駆動力伝達可能に接続される第2モータジェネレータをさらに備えたことを特徴とする請求項1から12のいずれか一つに記載のハイブリッド車両。
  14. エンジンと、
    前記エンジンの駆動力を伝達する軸と、
    前記軸と後輪の間に介装される第1変速機と、
    前記エンジンと前輪の間に介装され、前記第1の変速機よりも車両の前側に配置される第2変速機と、
    前記第2変速機と前記エンジンとの間に介装されるクラッチと、
    前記第2変速機と前記クラッチの間に介装されるモータジェネレータと、
    を備えたことを特徴とするハイブリッド車両。
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