JP2006026452A - 化学反応用カートリッジ駆動機構 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 少なくとも一部が弾性体で形成された容器から構成され、
前記容器内には、流路で連結または連結可能に配置された複数の室が形成され、
前記容器外から前記弾性体に外力を加えることにより前記流路または前記室あるいは両者にある流体状物質を移動させて化学的反応を行う化学反応用カートリッジ駆動機構であって、
前記化学反応用カートリッジを押圧する複数の押圧部と、
これら押圧部を有するベース部と、
から構成されることを特徴とする化学反応用カートリッジ駆動機構。
【選択図】 図23
Description
あるいは、混合した物質をろ過あるいは遠心分離などして、目的の物質を分離抽出することもある。
他方、バイオアナライザなどでは、可撓性の材料で偏平な袋状に形成されたバイオチップと呼ばれるバッグが使用される。(例えば、特許文献1参照)。
また、採血バッグの場合には、弾性がないため溶液の移動が容易でないという問題があった。
前記容器内には、流路で連結または連結可能に配置された複数の室が形成され、
前記容器外から前記弾性体に外力を加えることにより前記流路または前記室あるいは両者にある流体状物質を移動させて化学的反応を行う化学反応用カートリッジ駆動機構であって、
前記化学反応用カートリッジを押圧する複数の押圧部と、
これら押圧部を有するベース部と、
から構成されることを特徴とする化学反応用カートリッジ駆動機構。
前記化学反応用カートリッジを押圧する複数のローラと、
これらローラをそれぞれ支持する複数のローラ支持部と、
から構成されることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれかに記載の化学反応用カートリッジ駆動機構。
図2は、本発明に係る液送および排気を説明する説明図である。
図2において、ウェルB1,B2は流路107aで連結されており、ウェルB1,B2の出口付近の流路107a,107bの開口面積は、排気路108a,108bよりも狭くして絞りを形成している(例えば、1/3〜1/5程度の開口面積)。これにより、空気の排出に対しては、流路107a,107aへの排出抵抗が増加するため、排気路108a,108bへ流出していくこととなる。具体的には次の通りである。
以上により、押し出された溶液や空気の背圧で戻ることが無く、溶液に空気が混合することの無いカートリッジが実現できる。
図3(a)は、カートリッジの平面図であり、カートリッジ111は、図3(b)に示すように、前出の実施例と同様、気密状で弾力性のある弾性体117と、平板上の基板118より形成されている。これらは、例えばPDMS(PolyDiMethylSiloxane)により作製することができる。弾性体117の裏面には、溶液の溜まる穴であるウェルC1と、このウェルC1に溶液を流入させるための流路112,113が設けられている。
図3(a)に示すようにローラ116でカートリッジ111表面(流路112,113およびウェルC1)が押しつぶされる程度に上から押し付ける。矢印の示す方向にローラ116を回転移動させて右方向に移動させると、ウェルC1に溜まっていた溶液も移動し、流路114をとおってウェルC2へ流入する。このとき容積がゼロであった流路114およびウェルC2は、図3(c)に示すように溶液の流入により、流路114およびウェルC2の基板118に面していた部分の弾性体117が押し上げられ、溶液の通り道(流路114)や溜まり(ウェルC2)ができる。溶液の通過後は、弾性体117の復元力により再び容積がゼロになる。
図4はカートリッジの作製方法の第1の実施例を説明する説明図である。図4を用いて以下にカートリッジの作製方法の工程を記載する。
これにより、マスク119以外の部分(斜線部)がプラズマ処理され、その部分のみ接着可能となる(図4(c))。
なお、マスク119の替わりにプラズマで活性化しない物質をプラズマ処理前に基板120の非接着部121に塗布しておいてもよい。
また、PDMSに係るプラズマ処理は、周知技術(例えば、プラズマ材料科学ハンドブック、オーム社、1992)であるため説明は省略する。
なお、基板122に切り欠きを設けたのは、接着剤124の非接着部への流出を防ぐためであり、非接着部125に非接着性物質を接着前に塗布しておけば、基板122に切り欠きを設けなくともよい。
なお、埋め込み材128も例えばPDMSで作製することができる。
図7は、化学反応用カートリッジおよび駆動機構に係る第1の実施例を示す説明図である。
図7(a)において、ローラ130aは、カートリッジに押し付けられ、ウェルD1の溶液の入路である流路131aを遮蔽する。ローラ130bは出路である流路131bを遮蔽する。このように、複数のローラでウェルのすべての入出路を同時に遮蔽することにより、送液時に溶液が次のウェルだけでなく、その先の流路やウェルまで流れていってしまうのを防ぐことができる。
図8(a),図8(b),図8(c)は、ローラ132a,132b,132cの矢印方向への移動により、状態が移り変わっていく様子を示している。また、斜線部は溶液の存在を示している。なお、本実施例では、ウェルの構造をゼロ容積構造としているが、排気路を設けた構造であってもよい。
また、本実施例ではウェルの構造をゼロ容積構造としているが、排気路を設けた構造であってもよい。また、加圧手段としてローラを用いているが、ピストン型のアクチュエータでもよい。
ウェルF6では、混合液が加温され、反応させる工程が加えられる。加温には、例えばペルチェ素子が用いられる。
なお、ダミーウェルは、最初に溶液等が保持されていたウェルと同等の容積にしておくようにする。
ウェルF9では、DNAトラップ剤にDNAがトラップされ、トラップ剤である磁性粒子自身も磁場の印加でウェルF9にトラップされる。
なお、DNAのトラップには、ビーズ、フィルタまたはカラムなどを用いる。また、ビーズは、シリカ、磁性ビーズ、金属ビーズまたは樹脂ビーズなどである。
ここで述べた送液の仕組みは、デジタル回路のシフトレジスタの動きに類似するものであり、このような送液構造は、クロック形送液構造といえる。電気系と異なるのは、溶解液と洗浄液とのコンタミネーション(混合)を防ぐ必要があるため、流路を独立してあることである。
図10は、カートリッジ135における溶液の導入口部分を示している。図10(a)において、導入口137は、カートリッジ135の外部からカートリッジ内部を通過して、再び容器の外部に通じるU形の通路のようになっている。このU形の導入口137は、カートリッジ135内部の処理用の流路138と連結している。導入口137は、溶液の有無に関わらず所定の容積を持っており、流路138は前出のゼロ容積構造の流路である。
次に、図10(b)に示すように、図の上面からローラ139aと139bをカートリッジ135へ押し付けることで、ローラ139aで注入部140a,140bを同時に塞ぎ、ローラ139bで流路138を遮蔽しておく。この2つのローラが破線矢印方向に回転移動して、導入口137の溶液を実線矢印で示すように流路138へ押し出す。
さらに、導入口137のカートリッジ表面の形状は、図10(c)に示すように、入口に向かって先細になったテーパ加工を施すことにより、ローラ139aにより塞ぎやすくなり、空気の混入を防ぐことができる。
図11は、カートリッジにおける導入口部分を示している。図11(a)において、導入口141は流路144aを介してドーム型のウェルG1に連結され、ウェルG1にはさらにカートリッジ内部へ溶液を送る流路144bが連結されている。
なお、導入口には、前出のU形の導入口と併用しても良い。また、導入口のカートリッジ表面の構造も前出のU形同様テーパ状であっても良い。
本実施例では、DNA、RNA、タンパク、糖鎖などの生体高分子の抽出を例にとって説明する。
図12において、ウェルH1は、血液などのサンプルと溶解液の溶液を入れたウェルである。ウェルH2は、シリカ、アミノ磁性粒子(表面修飾済みの磁性粒子)などのDNAのトラップ剤を入れたウェルである。ウェルH3は、廃液止めのウェルである。ウェルH4は、抽出用溶媒をいれたウェルである。ウェルH5は、DNA抽出液が入るウェルである。
ウェルH1に含まれるDNAは、マイナスに荷電している。ウェルH2に設置してあるシリカやアミノ磁性粒子はプラスに荷電している。このため、ウェルH1からウェルH3に送液すると、DNAはウェルH2でトラップ(キャプチャ)される。残りの液は、ウェルH3に廃液として送られる。
トラップ過程の後、ウェルH4の抽出用溶媒をウェルH2に送り、pHや温度を調整すると、DNAはトラップ剤から離脱する。これをウェルH5に送り、DNA抽出液を得る。
さらに、磁性粒子には、ビーズ、フィルタまたはカラムなどを用いる。また、ビーズは、シリカ、磁性ビーズ、金属ビーズまたは樹脂ビーズなどである。
以上により、例えば、サンプルからシリカや磁性粒子などを用いた核酸の抽出や、PCR(Polymerase Chain Reaction)増幅後の精製(未反応物質と生成物との分離等)の構造(クロス構造)を実現することができる。
本実施例も前出のトラップ過程とリリース過程を実現するものである。
図13において、ウェルI1は、血液などのサンプルと溶解液の溶液を入れたウェルである。ウェルI2は、シリカ、アミノ磁性粒子(表面修飾済みの磁性粒子)などのDNAのトラップ剤を入れたウェルである。ウェルI3は、廃液止めのウェルである。ウェルI4は、抽出用溶媒をいれたウェルである。ウェルI5は、DNA抽出液が入るウェルである。ウェルI1,I3,I4,I5は、流路を介してウェルI2に連結されていて、外力を与えるローラが、特定のウェルまたは流路の送液を行うと同時に、送液を行わない流路を封止するように配置されている。このようなウェルは、少なくとも2つの排出用流路を持つ共通ウェルへ、少なくとも2種類以上の異なる溶液がそれぞれ異なる流路から流入する交差配置である。
なお、本実施例ではウェルの構造をゼロ容積構造としているが、排気路を設けた構造であってもよい。また、加圧手段としてローラを用いているが、ピストン型のアクチュエータでもよい。
本実施例も前出の生体高分子のトラップ過程とリリース過程を実現するものである。
図14において、ウェルJ1は、血液などのサンプルと溶解液の溶液を入れたウェルである。ウェルJ2は、シリカ、アミノ磁性粒子(表面修飾済みの磁性粒子)などのDNAのトラップ剤を入れたウェルである。ウェルJ3は、廃液止めのウェルである。ウェルJ4は、抽出用溶媒をいれたウェルである。ウェルJ5は、DNA抽出液が入るウェルである。ウェルJ1,J3,J4,J5は、流路を介してウェルJ2に連結されていて、外力を与えるローラの1つが、特定のウェルまたは流路の送液を行うと同時に、他のローラが送液を行わない流路を封止するように配置されている。このようなウェルは、少なくとも2つの排出用流路を持つ共通ウェルへ、少なくとも2種類以上の異なる溶液がそれぞれ異なる流路から流入する交差配置である。
なお、凸部は、カートリッジ、ローラのどちらにあっても良く、2つのウェルをローラで押さえる場合に、流路を跨いで封止いない構造であれば良い。
なお、本実施例ではウェルの構造をゼロ容積構造としているが、排気路を設けた構造であってもよい。また、加圧手段としてローラを用いているが、ピストン型のアクチュエータでもよい。
以上により、例えば、サンプルからシリカや磁性粒子などを用いた核酸の抽出や、PCR増幅後の精製(未反応物質と生成物との分離等)の構造(クロス構造)を実現することができる。
本実施例も前出の生体高分子のトラップ過程とリリース過程を実現するものである。
図15において、ウェルK1は、血液などのサンプルと溶解液の溶液を入れたウェルである。ウェルK2は、シリカ、アミノ磁性粒子(表面修飾済みの磁性粒子)などのDNAのトラップ剤を入れたウェルである。ウェルK3は、廃液止めのウェルである。ウェルK4は、抽出用溶媒をいれたウェルである。ウェルK5は、DNA抽出液が入るウェルである。
ウェルK1,K3,K4,K5は、流路を介してウェルK2に連結されていて、少なくとも2つの排出用流路を持つ共通ウェルへ、少なくとも2種類以上の異なる溶液がそれぞれ異なる流路から流入する交差配置であり、共通ウェルを通過する流路以外の流路の共通ウェルへの入力側と出力側を同時に同一のローラで封止する配置である。
以上により、例えば、サンプルからシリカや磁性粒子などを用いた核酸の抽出や、PCR増幅後の精製(未反応物質と生成物との分離等)の構造(クロス構造)を実現することができる。
本実施例もまた前出の生体高分子のトラップ過程とリリース過程を実現するものである。
図16において、ウェルL1は、血液などのサンプルと溶解液の溶液を入れたウェルである。ウェルL2は、シリカ、アミノ磁性粒子(表面修飾済みの磁性粒子)などのDNAのトラップ剤を入れたウェルである。ウェルL3は、廃液止めのウェルである。ウェルL4は、抽出用溶媒をいれたウェルである。ウェルL5は、DNA抽出液が入るウェルである。
具体的には、図16(a)に示すように、ローラ149a,149bは、矢印方向に回転移動しウェルL1の溶液を押し出し、ウェルL2に送る。斜線で示した部分が溶液の送られるパスを示している。このとき、ローラ149cは、ウェルL2とウェルL4とを連結する流路を封止し、ローラ149dは、ウェルL2とウェルL5とを連結する流路を封止している。従って、ウェルL2に送られたサンプル溶液は、ウェルL2で、サンプル中の生体高分子がトラップされた後、ウェルL3に廃液として送られる。
また、図16(c)に示すように、ローラ149e,149fでウェルL6からウェルL4,L7へ送った溶液をローラ149c,149dでウェルL4からウェルL2へ送るような多段で構成してもよい。
加えて、本実施例において、ローラ同士がぶつかる場合は、図16(e)に示すように片方を反対側(カートリッジの裏面)に設ける構造にしてもよい。
図16(e)において、カートリッジ150は、気密状で弾力性のあるゴムなどの弾性体151a,151bと、硬質材料で形成された平板上の基板152より形成されている。基板152は、弾性体151a,151bに挟まれて接着されていて、双方の弾性体と基板間には、流路156a,156bが設けられている。これらの流路は、前述の共通ウェルを通過する流路である。
ローラ149mは、カートリッジ150の表面154側に設けられ、流路156aの送液を行う。ローラ149nは、カートリッジ150の裏面155側に設けられ、流路156bの送液を行う。従って、ローラ149m,149nがぶつかることがない。
また、基板152の材質としては、ガラス、金属、硬質樹脂あるいは弾性体を用いることができる。弾性体151a,151bと基板152の接合は、接着の他、吸着(PDMSとガラスの場合など)、あるいは超音波または加熱またはプラズマ処理あるいは振動などによる溶着であってもよい。
本実施例も、生体高分子のトラップ過程とリリース過程を実現するものである。なお、本実施例では、DNAの抽出を例にとり説明する。
具体的には、図17(a)から図17(g)へと状態が移り変わる。図17(a)に示すように、ローラ157aは、ウェルM1の入口を封止し、ローラ157bは、ウェルM1とウェルM2とを連結する流路を封止し、ローラ157cはウェルM3の出口を封止している。
本実施例も、生体高分子のトラップ過程とリリース過程を実現するものである。なお、本実施例では、第11の実施例同様、DNA抽出を例にとり説明する。
また、図示しないが、ウェルN1には試料を注入する流路が設けられ、ウェルN3には抽出産物の出口となる流路が設けられている。
図19において、カートリッジに設けられたウェルO1からO23は、上段P1にウェルO1からO14が設けられ、ウェルO10を共通ウェルとし、このウェルO10にウェルO7からO9が連結され、ウェルO10の左縦1列に配置している。また、ウェルO7を共通ウェルとして、これにウェルO1,O2が連結され、左縦1列に配置されている。これと同じ縦の並びにウェルO3,O6が配置され、ウェルO3はウェルO8に、ウェルO6はウェルO9に連結されている。ウェルO6にはウェルO5,ウェルO4がカスケードに連結され、その左1列に位置している。
これらのウェルは横方向(ローラの進行方向)には等間隔で配置され、斜線で示した複数のローラは、ウェル横方向の間隔に一致する間隔で配置される。
下段P2にウェルO15からO23は上段のウェルと縦位置が一致するように横一列に等間隔で配置されていて、ウェルO10にはウェルO19とウェルO20は連結され、ウェルO19は、ウェルO7からO9の縦の並びにあって、ウェルO20はウェルO11の縦の並びにあって、ウェルO10の下を空けて左にウェルO19からO15がカスケードに連結されて配置され、右にウェルO20からO23がカスケードに連結されて配置される。
また、本実施例ではウェルの構造をゼロ容積構造としているが、排気路を設けた構造であってもよい。また、加圧手段としてローラを用いているが、ピストン型のアクチュエータでもよい。
図19(a)上段P1の各ローラは、実線矢印の方向に回転移動する。この動作によるウェル内の各内容物の動きは、前出の図9で説明したものと同様であるため以下に簡単に説明する。だだし、洗浄液は、ウェルO4,O5に入っているのでウェルO10の洗浄が2回行われる。
ウェルO7では、混合液が加温され、反応させる工程が加えられる。加温には、例えばペルチェ素子が用いられる。
さらに各ローラが回転移動して、1ウェル分、矢印方向に移動すると、ウェルO7の混合液とウェルO8のDNAトラップ剤が、ウェルO10で混合される。また、ウェルO5,O6の洗浄液がウェルO6,O9へ移動する。
さらに各ローラが回転移動して、1ウェル分、実線矢印方向に移動すると、ウェルO10のDNAトラップ後の廃液がウェルO11に移動する。また、ウェルO9の洗浄液がウェルO10に移動し、ウェルO6の洗浄液はウェルO9に移動する。ウェルO10では、磁性粒子の洗浄液による1度目の洗浄が行われる。
上述の動作と平行して、下段P2の各ローラは、上段P1のローラと同期して実線矢印方向に進み、抽出用バッファ液165が破線矢印で示したようにウェルO19まで進む。 なお、ウェルO16からO18は、もともとは空のウェルであり、抽出用バッファ液165のウェルO10への送液タイミングを調整するダミーウェルである。このダミーウェルがあるために、ローラの1軸方向の動きのみで送液のタイミングを任意に調整することができる。
次に、上段P1のローラ群はロックされ、下段のローラ群のみが移動することにより、
下段P2のウェルO19の抽出用バッファ液が破線矢印に示すようにウェルO10に送られ、ウェルO10でDNAのリリースが行われる(図19(b))。
ここで述べた送液の仕組みは、デジタル回路のシフトレジスタなど動作に類似するものである。従って、ローラ群の動きはクロック形と言える。
図20において、ウェルO1にはサンプル溶液、ウェルO2には溶解液、ウェルO3にはDNAトラップ剤(表面修飾済みの磁性粒子)、ウェルO4,O5には洗浄液、ウェルO15には、抽出用バッファ液が予め入っている。他のウェルは容積ゼロの状態である。
各段のローラが実線矢印方向に5ウェル分移動することにより、ウェルO10に、サンプル溶液と溶解液の混合液と、DNAトラップ剤が送られDNAが磁性粒子にトラップされ、洗浄液167a,167bが送られ洗浄後の洗浄液167a,167bがウェルO11,O12に送られる。この結果、ウェルO10には、DNAトラップ済み磁性粒子166が存在している。
次に、上段P1のローラ群は停止したままで、中段P3,下段P2のローラ群が実線矢印方向に1ウェル分移動し、ウェルO19の抽出用バッファ液165はウェルO10に送られて、DNAをトラップ剤からリリースする。そして、再び中段P3,下段P2のローラ群が1ウェル分移動して、ウェルO10からウェルO20へDNA抽出液(成果物)が送られる。
図21(a)において縦線で示したウェルは縦と横に並べて配置され、縦横に隣り合うウェルは流路で連結されている。このような配置において、斜線で示したローラは、ウェルの行や列ごとにウェルを挟むように独立して配置される。縦(X軸)と横(Y軸)のローラ群をそれぞれ順次動かすことで、任意の位置のウェルに液を移動することができる。
ローラ群の構成は、行全体や列全体が一体で動いたり、行や列の中の数本ずつが一体で動くようにする。
なお、流路は、図21のように縦横の網目状に限らず、ウェル間流路のない領域があってもよいし、図21(b)のように斜めに設けられていてもよい。また、ウェルの大きさや深さはそれぞれ異なっていても良い。
例えば、図21(b)のようにローラ群を3段にして、上段R1のローラ群と中段R2のローラ群と、下段R3のローラ群を同期させて移動させると、ウェルQ1の液体は、ウェルQ2,Q3へ移動し、上段R1のローラ群と中段のローラ群を同期させて移動させると、ウェルQ3の溶液は、ウェルQ4,Q5,Q6に移動する。さらに、中段R2のローラ群と下段R3のローラ群を移動させると液体は、ウェルQ7に移動する。
これまでの実施例において加圧手段として、ローラまたはピストン型のアクチュエータを例示したが、図22のように、加圧手段173はウェル175などの容器との接触面に曲率を持つ2次元状の板あるいはキャタピラ(登録商標)を用いて、カートリッジ174に押し当て矢印方向に移動させるものであっても良い。これによれば、流路やウェルを、面で押すので背圧による溶液や空気の戻りを防止することができる。
アクチュエータ206aは、例えば金属できた棒状のものでカートリッジ205に加圧、振動、加熱、冷却などを与えてカートリッジ205内の化学反応を促進させる。加圧や振動は例えばピエゾ素子で、加熱や冷却は例えばペルチェ素子を用いる。
このような構成によれば、ローラを支持するために側面に余分なスペースを必要とせず、2列以上にローラ群を隣接させて、カートリッジ上に設置することができる。
図25において、カートリッジの上下から前述のローラ群で押圧した状態を示している。
ローラ212a,212bは、アーム213a,213bにそれぞれ支持されアーム213a,213b,は、平板状のベース部214に取り付けられている。
ローラ216a,216bは、メカステージ(図示ぜず)に取り付けられたベース部218の上下方向の移動により、カートリッジ210の下部から押圧する。ステージの制御によりベース部218が左右に移動することで、ローラがカートリッジを押圧したまま回転して移動し、カートリッジ210内の溶液を水平方向に移動させる。
ベース部220は、前述同様アクチュエータ用の開口部223a,223bと、ローラのないアーム221aから221cを有した構成であり、押圧部の他の形態である。アーム221aから221cの先端は、曲面222a,222b,222cを呈している。この曲面により、ローラの替わりにカートリッジ224に対する摩擦を押さえてカートリッジを押圧した状態であっても水平方向の移動を容易にし、ローラ無しでもカートリッジの送液を実現できる。
202a〜202c アーム
203 ベース部
204〜204f 開口部
205 カートリッジ
206a アクチュエータ
207a 溝
208a 抜け止め材
209a〜209l シャッタ
210 カートリッジ
211 基板
212a、212b ローラ
213a、213b アーム
214 ベース部
215 アクチュエータ
216a、216b ローラ
217a、217b アーム
218 ベース部
219 アクチュエータ
220 ベース部
221a〜221c アーム
222a〜222c 曲面
223a、223b 開口部
224 カートリッジ
225、226 ベース部
Claims (10)
- 少なくとも一部が弾性体で形成された容器から構成され、
前記容器内には、流路で連結または連結可能に配置された複数の室が形成され、
前記容器外から前記弾性体に外力を加えることにより前記流路または前記室あるいは両者にある流体状物質を移動させて化学的反応を行う化学反応用カートリッジ駆動機構であって、
前記化学反応用カートリッジを押圧する複数の押圧部と、
これら押圧部を有するベース部と、
から構成されることを特徴とする化学反応用カートリッジ駆動機構。 - 前記複数の室は等間隔に設置され、前記押圧部は、これら複数の室と同一間隔で設けられていることを特徴とする請求項1に記載の化学反応用カートリッジ駆動機構。
- 前記ベース部は、アクチュエータが挿入される開口部を有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の化学反応用カートリッジ駆動機構。
- 前記押圧部の進行方向と直角方向に移動する前記流体状物質を遮断するシャッタを設けたことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の化学反応用カートリッジ駆動機構。
- 前記押圧部は、
前記化学反応用カートリッジを押圧する複数のローラと、
これらローラをそれぞれ支持する複数のローラ支持部と、
から構成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の化学反応用カートリッジ駆動機構。 - 前記ローラ支持部は、前記ローラが挿入される溝を有し、この溝は前記ローラを180°を越えて包み込んで保持することを特徴とする請求項5に記載の化学反応用カートリッジ駆動機構。
- 前記ローラ支持部は、側面に前記ローラの抜け止め材を備えていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の化学反応用カートリッジ駆動機構。
- 前記押圧部は、前記化学反応用カートリッジを押圧する先端部が曲面であることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の化学反応用カートリッジ駆動機構。
- 前記曲面は、円形曲面または非円形曲面であることを特徴とする請求項8に記載の化学反応用カートリッジ駆動機構。
- 前記化学反応用カートリッジと前記押圧部の間には摩擦を軽減する部材を有することを特徴とする請求項8または請求項9に記載の化学反応用カートリッジ駆動機構。
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