JP2006025997A - 精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート並びに同シートを用いて精密電子部品及び同部品処理装置に付着した異物を除去する方法 - Google Patents

精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート並びに同シートを用いて精密電子部品及び同部品処理装置に付着した異物を除去する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】
使用用途により粘着力を選択することができる異物除去粘着シート1であって、精密電子部品10の損傷や腐食や汚染を起こすことなく、かつ精密電子部品処理装置内の搬送を妨げることなく、これらに付着する異物6を簡便かつ確実に除去できる異物除去粘着シート1と同シートを用いた異物除去方法を提供する。
【解決手段】
有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bとが配合されている粘着剤で形成する粘着剤層3であって、クッション指数が1.50以上、ダイスノズル径1.0mm、温度100℃、荷重20kgの吐出条件下での塑性変形流量が10×10−2ミリリットル/秒未満の性状をもつ粘着剤層3を支持フィルム2の片面もしくは両面に設けてなる異物除去粘着シートを用いる。
【選択図】 図3

Description

本発明は精密電子部品および同部品処理装置用の異物除去粘着シート並びに同シートを用いて前記電子部品及び同部品処理装置に付着した異物を除去する方法に関する。本発明は主として半導体基板、フラットパネルディスプレイ基板、プリント基板、ガラス基板、コンパクトディスク基板、MRヘッド基板などの精密電子部品および同部品処理装置の洗浄のために供される。
近年、精密電子部品の製造プロセス(製造工程、洗浄工程、検査工程、搬送工程等)では精密電子部品並びに同部品処理装置への異物の付着が部品の高精密化に伴い、より大きな問題となってきている。例えば、代表的精密電子部品である半導体基板、特に半導体ウエハなどでは回路パターン形成面(表面)の異物は回路形成時における回路の断線やショートの原因となる。また、裏面の異物は回路形成時の露光工程での焦点を狂わせる原因となったり、隣接するウエハ表面への移行によって隣接ウエハの回路の断線やショートの原因となっている。
一方、精密電子部品処理装置(例えば基板処理装置)の一つである各処理装置部をつなぐ搬送装置は、ベルト、ローラー、アーム等の搬送装置で連結されており、基板はこれらの搬送装置と直に接触して搬送される。このため、基板に異物が付着していると、その異物がベルトやローラーやアーム等の搬送装置に転着され、そのままにしておくと次第に異物が溜まって発塵の原因となる。またこれらの異物は後続の基板に再付着することがあり、結果として次工程の部品処理装置をも汚染する。そしてこのような繰り返しは高い清浄度を必要とする基板などにおいては、その歩留まりを悪くしたり、性能に致命的欠陥を生じさせたりするなど、好ましくない結果を引き起こすこととなる。
これらの悪影響を避けるために、上述の精密電子部品および同部品処置装置に付着する異物を除去するための種々の提案がなされてきている。例えば、特許文献1〜5には精密電子部品である半導体ウエハに付着した異物の除去用粘着テープと除去方法が開示されている。
すなわち、特許文献1〜3には、粘着テープを用い、半導体ウエハの表面に付着した異物を上記テープの粘着剤層面に吸着させて除去するドライ洗浄方法が提案されている。そしてこの方法においては、超純水、薬液などによるウエット洗浄における異物の再付着の問題や乾燥工程での汚染の問題を回避することができ、しかもUVオゾン、酸素、プラズマなどの他の洗浄方法に比べ、異物の除去能力をより高められるものと期待されていた。しかしながら、上記提案の方法は、粘着テープとして、塑性変形し易い高粘着力のものを用いているにもかかわらず、異物除去効果が十分に上がらず、逆に剥離操作に際し、糊残りによるウエハ表面の汚染やウエハ破損の問題を生じやすく、さらに粘着剤中に含まれる不純物によるアルミ配線などの腐食問題なども指摘されるに至った。
これらの欠点を解消すべく、特許文献4、5には使用される粘着剤を特定すると共に、その粘着力に上限を設け、さらには粘着剤ポリマーのゲル分率に下限を設けてこれを特定した粘着テープが開示されている。そしてこの提案によれば、糊残りによるウエハ表面の汚染やウエハ破損の問題、さらには不純物によるアルミ配線などの腐食の問題をきたすことなく、半導体ウエハに付着した異物を高い除去率で除去することが期待されていた。しかしながら、上記提案の方法では、粘着剤ポリマーのゲル分率を高く設定すると塑性変形が失われ、異物を取りこむ吸着効果が著しく低下する結果、異物除去率において極端な低下傾向を示した。また逆に粘着剤ポリマーのゲル分率を特定された下限値近くに設定すると、異物除去率は高まるものの糊残りによるウエハ表面の汚染が発生しやすくなった。さらに粘着剤ポリマーのゲル分率を中程度に設定した場合にも異物の除去率は期待したほどには上がらず、ウエハ表面の汚染も十分には防げないなどの問題点が見出された。
他方、特許文献6、7には粘着性物質を用いて電子部品処理装置に付着した異物を除去する方法が、また特許文献8、9には多孔質性の実質的に非粘着のクリーニングシートにより異物を除去する方法が提案されている。すなわち、特許文献6においては粘着性の物質を表面に設けた基板を基板処理装置内に搬送することにより、同処理装置内に付着した異物をクリーニング除去する方法が提案されている。
この方法は、粘着性の物質を表面に設けた基板を処理装置内に搬送することにより、装置内に付着した異物をクリーニング除去する方法として確かに有効な方法である。しかし特許文献6のこの方法では、減圧吸着機構が使用されている基板処理装置などにおいては粘着性物質と装置接触部とが強く接着しすぎるきらいがあり、この結果、接触部と粘着性物質とが剥がれなくなり、基板を確実に搬送できなくなるおそれがある。
この欠点を改善すべく特許文献7にはクリーニング層として活性エネルギー源により粘着力を20g/cm(略0.2N/cm)以下とした粘着剤層を設けたクリーニングシートが開示されている。この方法によれば、基板処理装置接触部と粘着剤層とが着きすぎるという問題は解決でき、基板をスムーズに搬送できるが、一方において活性エネルギー源を別に設けてクリーニングシートを照射せねばならないなどの煩雑な操作が必要である。
一方、この欠点を改善する別の方法として、特許文献8には多孔質を有し、実質的に粘着力を有しないシートをクリーニング層として使用する方法が提案されている。この方法はシートに鏡面並の平滑性と多孔質構造を与え、異物との緊密な接触により異物をその孔部に取りこむことで異物をシートに捕集する方法であり、該クリーニングシートは粘着性を有しないためスムーズに処理装置内に搬送できる。しかし、粘着性を有しないため異物の取り残しなどの問題がどうしても避けられない。
また、特許文献9には特許文献8をさらに一歩進めて150度以上で熱処理をする装置に対応できる処理装置の異物除去用クリーニングシートとして多孔質を有する熱硬化性樹脂からなるクリーニングシートが紹介されている。この方法によれば確かにクリーニングシートの耐熱性は確保できるものの特許文献8と同様、肝心の異物の捕集率が十分とは言えない。
特開昭48−35771号公報 特開昭53−92665号公報 特開平1−135574号公報 特開平8−88205号公報 特開平8−88206号公報 特開平10−154686号公報 特開2000−312862号公報 特開2002−329699号公報 特開2003−115521号公報
以上述べたとおり、従来の技術においては精密電子部品や同部品処理装置の付着異物の除去に関し、粘着力を高めて除去率をアップしようとすれば糊残りなどによる精密電子部品表面の損傷や腐食や汚染あるいは処理装置接触部との粘着過多による搬送不良が起こる。これを改善しようとして粘着力を低くした場合には精密電子部品の表面の損傷や腐食や汚染あるいは処理装置内の搬送不良は改善できるものの肝心の異物除去が十分でないなどの問題が生じる。
本発明はこのような二律背反の課題を有機マイクロバルーンと補強添加剤を配合した粘着剤により粘着剤層を形成した異物除去シートを用いて解決しようとするものであって、粘着剤を低塑性変形粘着剤とすることにより従来の異物除去シートの欠点である耐熱性不良や、粘着過多や不純成分の浸出あるいは糊のベトツキやフローによって引き起こされる糊移行、糊残りなどによる精密電子部品表面の損傷や腐食や汚染、処理装置接触部内の搬送不良などを解決する。また粘着剤層の厚みを厚く設計すると共に、粘着剤をクッション性能を有する粘着剤とすることにより、押圧時における粘着剤層にクッション効果を持たせ、従来の低粘着力(もしくは非粘着)を有する異物除去シートの欠点である不満足な異物除去性を改善する。このように、本発明は精密電子部品に対して同部品の損傷や腐食や汚染を引き起こすことなく、また精密電子部品処理装置内に対して同装置内における搬送を妨げることなく、これらに付着する異物を簡便かつ確実に除去できる精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート並びに同シートを用いた異物除去方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、下記の精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート並びに同シートを用いて精密電子部品及び同部品処理装置に付着した異物を除去する方法を使用することにより、前記の二律背反の問題を解決し精密電子部品ならびに同部品処理装置に付着する異物を簡便かつ確実に剥離除去できることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
本発明は、有機マイクロバルーンと補強添加剤とが配合されている粘着剤で形成する粘着剤層であって、クッション指数が1.50以上、ダイスノズル径1.0mm、温度100℃、荷重20kgの吐出条件下での塑性変形流量が10×10−2ミリリットル/秒未満の性状を有する粘着剤層を、支持フィルムの片面もしくは両面に設けてなることを特徴とする精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シートである。
本発明の異物除去粘着シートの好ましい態様では、粘着剤が粘着剤の固形分100gに対し、3〜30gの有機マイクロバルーンと9〜69gの補強添加剤とを配合してなり、粘着剤が、有機マイクロバルーンと補強充填剤があらかじめ1:0.3〜1:23の重量割合で混合された両者の均一混合分散物からなる高分散性マイクロバルーンを、粘着剤の固形分100gに対し、有機マイクロバルーンの量が3〜30g、補強充填剤の量が9〜69gの範囲となるように12〜99g配合してなり、粘着剤が(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル粘着剤であり、有機マイクロバルーンが粒径20〜100μm、密度0.1〜0.3g/cmの有機質軽量中空微小球または粒径20〜100μm、密度0.01〜0.05g/cm
の有機質発泡微粉末もしくはそれらを混合したものであり、有機マイクロバルーンの構成物質である有機高分子物質がポリアクリロニトリル・メタアクリロニトリル共重合体および/またはポリアクリロニトリル・メタアクリロニトリル・メチルメタアクリレート共重合体を主成分とし、補強添加剤が珪酸、珪酸塩類、炭酸塩類、有機金属塩類、無機金属塩類、金属水酸化物、金属酸化物のいずれかに属する添加用フィラーの1種もしくは2種以上を混合したものであり、180度引き剥がしSUS粘着力が0.50〜0.025N/cmまたは0.025N/cm未満0.000N/cm超で除塵率が80%以上の粘着性能を有する。
また、本発明は、精密電子部品の表面、裏面、側面の少なくとも一面に上記粘着シートを貼着し、シート貼着部品面の異物を前記粘着シートの粘着剤層面に吸着させた後、剥離操作して同部品面から除去することを特徴とする精密電子部品に付着した異物を除去する方法である。
さらに、本発明は、表面、裏面、側面の少なくとも一面に上記粘着シートを該シートの粘着剤層の少なくとも一面が最外層になるように装着した精密部品また洗浄用部品を用いて、洗浄しようとする精密電子部品処置装置内を搬送させるか、洗浄しようとする精密電子部品処理装置に直接密着させ、同装置に付着する異物を前記粘着シートの粘着剤層面に吸着させて除去することを特徴とする精密電子部品処理装置に付着した異物の除去方法である。
以下、本発明を図面により詳述する。即ち図1は本発明の精密電子部品および同部品処理装置用の異物除去粘着シートの形態を示す斜視図であって、(A)はロール状に捲回された本発明精密電子部品および同部品処理装置用の異物除去粘着シート1の一例を示す斜視図、(B)は所望の寸法、形状の平板状に裁断された本発明精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート1の一例を示す斜視図である。図2は本発明精密電子部品および同部品処理装置用の異物除去粘着シート1の形状を示す断面図であって、(A)は粘着剤層3を支持フィルム2の片面に設けた場合の本発明精密電子部品および同部品処理装置用の異物除去粘着シート1の一例を示す断面図、(B)は粘着剤層3を支持フィルム2の両面に設けた場合の本発明精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート1の一例を示す断面図、(C)は粘着剤層3上にセパレーター5を設けた場合の本発明精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート1の一例を示す断面図である。図3は精密電子部品10に付着した異物6を除去する方法の一例を示す断面図である。図4は精密電子部品処理装置の一部である各処理装置部をつなぐ搬送装置に付着した異物6を除去する方法の一例を示す斜視図であって、(A)はベルト式搬送装置、(B)はローラー式搬送装置、(C)はアーム式搬送装置を示す。
本発明の精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート1は図1の(A)、(B)及び図2の(A)、(B)、(C)に例示されるように有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bとが高分散性マイクロバルーンとして配合された粘着剤(層)3を、好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル粘着剤(層)3を支持フィルム2の片面(図1(A)、図2(A)、(C))もしくは両面(図1(B)、図2(B))に設けてなる粘着シートである。
ここにおいて、図1(A)、(B)、(C)に用いられる支持フィルム2としてはPVC、PP、PET、EVA、ポリウレタン、ポリカーボネート、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などの熱可塑性フィルムもしくはポリイミドなどの熱硬化性フィルムが用途により適宜選択されて用いられる。またこれらのフィルム厚はその用途に応じて10〜100μmのものが選択される。また必要により、上記フィルムのうちから選択されたフィルムに手切れ性を付与し、これを支持フィルム2として用いることもできる。
そして、このようなフィルム2のうち、図2(A)に示すような片面にのみ粘着剤3を設けて、異物除去シート1を構成するような場合、例えば図1(A)に示すようにロール状に芯管4に捲回して用いるような場合には必要により支持フィルム2の残る一面(背面)にレリーズ層2aを設ける場合が多い(図2(A))。この場合のレリーズ層2aを構成するレリーズとしてはシリコーン系ポリマー、有機長鎖アルキル系ポリマーの溶剤タイプ、無溶剤タイプ、エマルジョンタイプが適宜選択されるが、粘着剤層3上に移行し、さらに被着体へ移行して、被着体汚染の原因となるようなレリーズ2aは好ましくない。なお、有機長鎖アルキル基を有する有機長鎖アルキル系ポリマーのレリーズとしては、長鎖アルキルアクリレート共重合体、長鎖アルキルビニルエステル共重合体、長鎖アルキルアリルエステル共重合体、長鎖アルキルカルバメート重合体、長鎖アルキル化合物等が挙げられる。
一方、図2(B)に例示するとおり、支持フィルム2の両面に粘着剤層3を設けたような場合、および図2(C)に示すような断面を持ち、図1(B)に示すような平板状で用いるような場合には粘着剤層3を保護するために粘着剤層3上にセパレーター5を用いる。
このようなセパレーターとしては、少なくとも粘着剤3と接する面側に前述のようなレリーズ5aがコートもしくは焼きつけられたPP、PE、PET、EVA、ポリウレタンなどの熱可塑性フィルムまたは紙粉等の発生を防止したオーバーラミ紙が用いられる。
次に、図1(A)、(B)、図2(A)、(B)、(C)に示す本発明異物除去粘着シート1に用いられている粘着剤3について述べれば、当該粘着剤3は、溶剤タイプ、エマルジョンタイプ、オリゴマータイプ、固形タイプ、ホットメルトタイプのゴム、熱可塑性ゴム、液状ゴム、アクリル、ウレタン、シリコーン等の粘着剤を適宜用いることができるが、好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル粘着剤を用いる。この(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしてはアルキル基の炭素数が1〜18の(メタ)アクリル酸アルキルエステルであって、例えばアクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸2エチルヘキシル、アクリル酸イソオクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸イソデシル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ステアリルなどのうちの一つまたは2つ以上の組み合わせが挙げられる。
また、本発明に用いる粘着剤3には有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bとが、好ましくはそれらの均一分散混合物である高分散性マイクロバルーンが配合される。
ここにおいて、上述の有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bとが配合された、好ましくは両者の均一分散混合物である高分散性マイクロバルーンが配合された粘着剤3は、添加される有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bの効果として粘着剤3の塑性変形を抑えることができるので、貼着−剥離時の糊の糸引きや糊残りによって引き起こされる精密電子部品表面や同部品処理装置表面の汚染や損傷を防ぐことができる。またこれらは粘着剤3中に含まれる不純物を吸着するので粘着剤によるアルミ配線の腐食などの問題も解決できる。さらに熱雰囲気中のタレ(塑性変形流動)を抑えることができる。また、粘着剤3の凝集力が高く、糸引きや糊残りの心配がないので、粘着剤3の厚みを厚く設計することができ、異物の捕集をより容易にする。
一方、これらの成分を配合した粘着剤3を支持フィルム(基材)2に塗工すると、クッション効果(バルーン効果)を有する粘着剤層3が得られる。このクッション効果(バルーン効果)は粘着剤3の低塑性変形化に伴う異物捕集量の低下を補うものであって、例えば有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bが配合された粘着剤層3を有する粘着シート1を精密電子部品や同部品処理装置に一定の押圧で貼着した場合、粘着剤3に内在するこれらの成分特にマイクロバルーンがもつクッション性のために同シートの粘着剤層3は精密電子部品や同部品処理装置に付着する異物と極めて密に接触し、異物の全部もしくはその一部が完全に粘着剤3中に入り込み、この結果、粘着剤3が確実に異物を捕集するという驚くべき効果を付与する。
さらに、このような知見に基づき、進められた研究の結果では、有機マイクロバルーン3aとしてはその粒径が20〜100μm、密度0.1〜0.3g/cmの有機質軽量中空微小球および/または粒径20〜100μm、密度0.01〜0.05g/cmの有機質発泡微粉末が好適に用いられる。そしてこれらの有機マイクロバルーンの構成物質である有機高分子物質としてはアクリロニトリル系樹脂、塩化ビニリデン樹脂、スチレン系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、さらにはこれらの樹脂の表面にホワイトカーボン、クレー、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、酸化チタンなどの添加用フィラーをコーティングしたフィラーコーティング有機高分子物質などを挙げることができるが、粘着剤3にアクリル粘着剤を用いる場合などでは、アクリロニトリル系樹脂が好ましい樹脂として選択される。さらにアクリル系樹脂としては、ポリアクリロニトリル・メタアクリロニトリル共重合体、および/またはポリアクリロニトリル・メタアクリロニトリル・メチルメタアクリレート共重合体があげられる。また用いられる有機マイクロバルーン3aにはシリカバルーン、シラスバルーン、ガラスバルーン、フライアッシュバルーンなどの無機質マイクロバルーンの1種もしくは2種以上を前記の有機質軽量中空微小球および/または有機発泡微粉末に等量以下混合した無機質バルーン混合有機マイクロバルーンが含まれる。
なお、付言しておけば、アクリル粘着剤にアクリル系樹脂からなる有機マイクロバルーン3aが好適に用いられる理由は、これらが同じアクリル系共重合体物質であるため、その相溶性が極めて高く、この結果、有機マイクロバルーンを仲立ちとした補強添加剤3bの粘着剤への均一な分散が容易に実現できるので、これらの効果を一層顕著なものにするという利点を有するからである。
さらに、有機マイクロバルーン3aの粒径について述べておけば、100μm超の粒径では、密度も小さく粘着剤に付与するクッション効果は大きいが、粒径が大きくなりすぎて粘着剤がざらつき、粘着剤表面の平滑性を損なう結果となり好ましくなく、20μm未満では、粘着剤のざらつきはないものの、粘着剤に付与する肝心のバルーン効果(クッション効果)が小さく、異物捕集の点から好ましくなかった。なお実験によれば、有機マイクロバルーン3aの粒径は前述のごとく20〜100μmのものが好適に使用されたが、粘着剤の糊厚や粘着剤への投入量との関係もあり、必ずしもこれに限定されるものではない。
一方、粘着剤3に加えられるもう一つの配合成分である補強添加剤3bはホワイトカーボンに代表される珪酸、クレー等の含水珪酸アルミニウム、タルクなどの珪酸マグネシウムに代表される珪酸塩類、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等に代表される炭酸塩類、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛などに代表される有機金属塩類(金属石鹸類)、硫酸バリウム、ホウ酸亜鉛などに代表される無機金属塩類、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等に代表される金属水酸化物、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、亜鉛華、酸化チタン、弁柄等に代表される金属酸化物、のいずれかに属する添加用フィラーのうちの1種または2種以上が選択されるが、好適にはホワイトカーボン、クレー、タルク、酸化チタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等が粘着剤の凝集力をアップさせると同時に塑性変形を少なくし、結果として粘着剤の糸引きや糊残りの防止効果を大きくする点、および有機マイクロバルーン3aとの良好な混合性を示す点から選択される。
次に有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bの粘着剤3への添加量の検討を行った結果、これらの粘着剤への添加量は粘着剤3の固形分100gに対して有機マイクロバルーン3aが3〜30g、補強添加剤3bが9〜69g、さらに好ましくは有機マイクロバルーン3aが3〜25g、補強添加剤3bが9〜60gの範囲の量が好適であった。
言い換えればこれらの最適添加量は粘着剤3に対し、1つには好適な塑性変形流量とクッション効果を与える量であり、1つには所望の粘着力、即ち強粘着から微粘着までを与える量である。
すなわち、有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bの粘着剤3への添加量をこれらの量の範囲に限定する理由について、まず補強添加剤3bを粘着剤3の固形分100gに対して9〜69gに限定する理由は、補強添加剤3bの量が粘着剤3の固形分100gに対して上記範囲未満の場合は、高い粘着力が保持できるものの、糸引きや糊残りなどの現象を引き起こす粘着剤層3の塑性変形を防ぐ効果が得られにくくなるからであり、上記範囲を超える添加の場合は180度引き剥がしSUS粘着力が極めて小さく、実質的な粘着効果が得られにくくなる他、併用する有機マイクロバルーン3aの粘着剤層3に付与するクッション効果(バルーン効果)をも阻害し、その結果として粘着剤層3による異物の取り残しが生じるなど異物捕集効果を十分に発揮し得ないおそれがあるからである。
また、上記の補強添加剤3bの添加量の範囲において、有機マイクロバルーン3aを粘着剤3のポリマー固形分100gに対し3〜30gに限定する理由は、上記の補強添加剤3bの添加量下において有機マイクロバルーン3aが上記範囲未満である場合は有機マイクロバルーン3aの粘着剤層3に対して与えるクッション効果が弱く、より効果的な異物捕集力が得られにくいからであり、有機マイクロバルーン3aが上記範囲を超える場合は、加えられるもう一つの配合剤である補強添加剤の量も相対的に増加していくこともあって、それ以下の量と比較してもより大きなクッション効果を粘着剤3に与えることができないので添加の意味がなく、単なるコストアップの要因となるだけにすぎないからである。
尚、本発明においては上記で見出された量の有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bを粘着剤3に添加するにあたって、当該有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bを別々に添加すると、粘着剤3中で有機マイクロバルーン3a同士がくっつきあって塊状になったり、補強添加剤3bがダマ(継粉)になるなど加工の問題を引き起こしたりするので、あらかじめ有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bが上記で見出された量の範囲となる高分散性マイクロバルーンを使用するが、攪拌時間を延ばすなど、結果的に高分散性マイクロバルーン即ち有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bの均一混合分散物の添加と同等の効果を奏する添加方法により得られた粘着剤についてはこれを除外するものではない。
さらに付言しておけば、有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bを高分散性マイクロバルーンとして粘着剤3に配合する場合の有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bとの混合比率は1:0.3〜1:23(有機マイクロバルーン1に対して補強添加剤が0.3〜23倍)の重量割合が好適であった。これは補強添加剤3bが有機マイクロバルーン3aの23倍の量を超えて混合された場合には補強添加剤3bの量が相対的に多すぎて得られる微粉末に均一な分散が得られにくく、一方、補強添加剤3b添加量が有機マイクロバルーン3aの0.3倍未満である場合は加えられる補強添加剤3bの量が少なすぎて、これまた両者の混合が不均一になるなど、いずれも有機マイクロバルーン3aと補強添加剤とのブレンドにおいて期待する分散性・混合性が得られなかったからである。
次に本発明者らは塗工される粘着剤量(坪量)と塗工厚みの関係に注目し、これを追求した結果、本配合の場合、配合される有機マイクロバルーンの量の増加により(共に加える補強添加剤量にもよるが)密度が減少していく傾向にあること、即ち、厚みを厚くしても坪量(g/m)があまり変わらないことを見出し、これを指数化したところ、この指数値(クッション指数)の増加に伴って、異物の捕集率すなわち除塵率が向上することを見出した。そしてこの現象についてさらに検討が加えられた結果、この異物の捕集率のアップが粘着剤のクッション(沈み)効果に基づくものであり、クッション指数が大きいほどクッション効果が大きい傾向にあることが確認された。
即ち、本発明の異物除去シート1は粘着剤層3に必要程度の厚みを与えてクッション指数1.50以上の値をとる時において望ましい異物捕集率(除塵率80%以上)を得ることができ、1.50未満の値では望ましい異物捕集率(除塵率80%以上)を得ることができないことが見出されたのである。
次に本発明においては、本発明異物除去シート1に設けられる粘着剤層3のダイスノズル径1.0mm、温度100℃、荷重20kgの吐出条件下での塑性変形流量を10×10−2ミリリットル/秒未満に限定する。この理由は塑性変形流量の大きい粘着剤層を有する粘着シートを被着体である精密電子部品10、例えばウエハの表面等に貼着し、摂氏70度以上の高温で30分以上放置した場合、などでは貼着圧により粘着剤の塑性変形流動が起こり、このような塑性変形流動を起こした粘着シートをウエハ表面より引き剥がした場合には、ウエハ表面に糊残りが生じてウエハ汚染の原因となったからである。このような知見に基づき本発明異物除去シート1を構成する粘着剤3について鋭意検討の結果、粘着剤層3の塑性変形流量がダイスノズル径1.0mm、温度100℃、荷重20kgの吐出条件下で10×10−2ミリリットル/秒未満であるような粘着剤層3を持つ粘着シート1についてはウエハに貼付後70度以上の高温で1日以上放置してもウエハ表面についての糊残り現象は認められず、逆に10×10−2ミリリットル/秒以上の流量を有する粘着剤3を持つ異物除去粘着シート1については糊残り現象が認められることが多いという結果に到達し、本発明に至ったのである。
また、このようにして得られた本発明異物除去粘着シート1は有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3b(または高分散性マイクロバルーン)の添加量を変化させることにより、その粘着性能として強粘着、高粘着、中粘着、弱粘着、微粘着など異なる粘着性能を付与することができる。一例を挙げれば180度引き剥がしSUS粘着力(2kg荷重)が0.50〜0.30N/cmの強粘着力を有する異物除去粘着シート1では高分散性マイクロバルーン(有機マイクロバルーン30/補強添加剤70)を粘着剤の固形分100gに対して略12〜30g、粘着力0.30未満〜0.15N/cmの高粘着を有するシートでは略30〜45g、粘着力が0.15未満〜0.05N/cmの中粘着シートでは略45〜60g、粘着力が0.05未満〜0.25N/cmの弱粘着シートでは略60〜75g、粘着力が0.025N/cm未満0.000N/cm超の微粘着シートでは75〜99g添加することにより得られる。
即ち、粘着シート1にこれらの種々の粘着性能を付与する理由は、使用用途ごとに粘着シート1の粘着力を選択することができれば、種々の電子部品や同部品処理装置の異物除去が極めて容易になるからであり、本発明の粘着シート1では前述したごとく粘着シート1の貼着による弊害(例えば粘着剤3の塑性変形増大による粘着シート剥離時の被着体10への糊残りなどが発生し、かえって被着体10を汚染してしまうなど)のおそれが全くないため、これが可能となるからである。
次に図3、図4に示す精密電子部品10または精密電子部品処理装置21に付着する異物6を本発明異物除去シート1を用いて除去する方法について述べれば、図3は精密電子部品、例えばウエハ10の表面10aおよび/または裏面10bの異物6を除去する方法の一例を示す断面図であって、PVC、PP、PET、EVA、ポリウレタン、ポリカーボネート、エチレン−エチルアクリレート共重合体、エチレン−プロピレン共重合体などから選択された支持フィルム2の片面に有機マイクロバルーン3a好ましくは構成物質である有機高分子物質がポリアクリロニトリル・メタアクリロニトリル共重合体またはポリアクリロニトリル・メタアクリロニトリル・メチルメタアクリリレート共重合体を主成分とするアクリロニトリル系樹脂からなる有機マイクロバルーン3aと、珪酸、珪酸塩類、炭酸塩類、有機金属塩類、無機金属塩類、金属水酸化物、金属酸化物のいずれかに属する1種もしくは2種以上の混合物からなる補強添加剤3bとが、好ましくは両者の均一分散混合物である高分散性マイクロバルーンが配合された粘着剤、好ましくは(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル粘着剤からなる粘着剤層3が設けられている本発明異物除去粘着シート1を前記の粘着剤層3が内側になるようにウエハ10の表面10aおよび/または裏面10bの全面に例えばハンドローラー等で押圧して貼りつける。
ここにおいて本発明異物除去粘着シート1の粘着剤層3は前述のごとき有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bとが配合されかつ必要程度に厚みを厚く設計した粘着剤層3であるため、上記のハンドローラー等での押圧によって粘着剤層3が適度にクッション変形しウエハ10上の異物6を粘着剤3中に沈みこませることができる。
このようにして貼りつけた後、図3に示すごとく本発明の異物除去粘着シート1をその端部より引き剥がす剥離操作を施すとウエハ10上の付着異物6は粘着剤層3に吸着されてウエハ10より除去される。
この場合、本発明の異物除去粘着シート1の粘着性能が180度引き剥がしSUS粘着力で0.50〜0.025N/cmまたは0.025N/cm未満0.000N/cm超に設計されていることに示されるように、0.5N/cm以下のいずれの粘着力を有する粘着シート1においても粘着剤層3に含まれる有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bの添加効果(特に補強添加剤による添加効果)によって粘着剤3の過剰な塑性変形が抑えられているため、貼着または引き剥がし操作による粘着剤の糸引きやウエハ10面上への糊残りによるウエハ汚染が全くなく、しかも粘着剤層3に含まれる有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bが与える粘着剤層3クッション効果(特に有機マイクロバルーン3aによる添加効果)によって貼着1回でウエハ10面上の異物6を80%以上除去できる。
また、精密電子部品処理装置21に付着した異物6を除去する方法について、図4に示す精密電子部品処理装置21の一つである各処理装置部をつなぐ搬送装置での異物除去方法を例にとり説明すれば、図4はベルト式搬送装置(A)、ローラー式搬送装置(B)、アーム式搬送装置(C)において付着する異物6を除去する方法の一例を示す斜視図であって、前述したような支持フィルム2の片面もしくは両面に前述した粘着剤層3が接触できるように精密電子部品もしくはダミー洗浄用部品13の表面または裏面もしくは側面に、両面に粘着剤層3が設けられている場合はその一面を使って、また片面にのみ粘着剤層3が設けられている場合は、別に用意した両面テープなどの貼着品を用いて、本発明異物除去粘着シート1を貼着する。
即ち、図4(A)については、粘着剤層3が異物6の付着するベルト11に接触するように、また図4(B)については異物6の付着するローラーに接触するように精密電子部品もしくはダミーの洗浄用部品13の裏面に本発明異物除去シート1が貼着され、図4(A)においてはベルト11上を、図4(B)においてはローラー15上を搬送される。
この搬送走行によってベルト11やローラー15と本発明異物除去粘着シート1の粘着剤層3との間には粘着剤3の持つ粘着力により接触抵抗が生じ、その結果ベルト11やローラー15表面は粘着剤層3によってこすられ、ベルト11やローラー15表面に付着する異物6は粘着剤層3が有するクッション効果により粘着剤層中に吸着され除去される。
この場合、本発明異物除去シート1の粘着性能が前述したように180度引き剥がしSUS粘着力で0.5〜0.025N/cmまたは0.025N/cm未満0.000N/cm超に設計されていることに示されるとおり、0.5N/cm以下のいずれの粘着力を有する粘着シート1においてもその粘着剤層3に含まれる有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bの添加効果によって粘着剤層3の過剰な塑性変形が抑えられているためベルト11やローラー15表面を粘着剤3が強くこすっても、そのために生じる糊残りや過剰なくっつきが全くなく、装置を止めることなくスムーズに洗浄できる。
一方、図4(C)のアーム式搬送装置においては、スライドボックス19に取り付けられた搬送アーム16に精密電子部品(例えばウエハ)10を装着して搬送する。それ故、この装置では搬送アーム16と搬送される電子精密部品10の接触面17に異物6がたまりやすい。この洗浄については精密電子部品もしくは洗浄用部品13の側面に本発明粘着シート1をその粘着剤層3がアームの異物付着面17と密着するように少なくとも一面の粘着剤層3を外側にして貼着する。その後粘着シート1を貼着した精密電子部品もしくは洗浄用部品13を通常の精密電子部品10と同様に搬送アーム16に装着する。
このようにして装着された精密電子部品もしくは洗浄用部品13はバキューム孔18により吸引固定され、スライドステージ20に沿って搬送される。一方、精密電子部品とアームの接触面17に多く存在する異物6はこの間、精密電子部品もしくは洗浄用部品13に貼着した粘着シート1の粘着剤層3に向かって押圧され、この押圧により、必要厚みをもつ粘着剤層3のクッション効果で当該粘着剤層3が適度にクッション変形して接触面上の異物6を粘着剤層3中に沈み込ませ、吸着除去する。
この場合、本発明の異物除去粘着シート1の粘着性能が180度引き剥がしSUS粘着力で0.5〜0.025N/cmまたは0.025N/cm未満0.000N/cm超に設計されていることに示されるとおり、0.5N/cm以下のいずれの粘着力を有する粘着シート1においてもその粘着剤層3に含まれる有機マイクロバルーン3aと補強添加剤3bの添加効果によって粘着剤層3の過剰な塑性変形が抑えられているため、搬送アーム16に対し、押圧による糊残り等の汚染といったことが全くなく、取り外しも容易で、しかも押圧による粘着剤層3のクッション変形効果によって前記接触面17の異物6を高い除去率で除去できる。
実施例
表2上段の粘着剤配合成分欄の粘着剤を用いて表2中段の粘着シートの構成欄の粘着シートを作成し、その性能を測定したところ、表2下段の粘着シート性能欄に記載の粘着性能を得た。さらにこれらの粘着シートを用いてウエハへの貼着テスト及び搬送用ローラーの洗浄テストを実施したところ、それぞれ表3および表4の結果を得た。
なお、上記の粘着シートの性能テスト、ウエハへの貼着テスト、搬送用ローラーの洗浄テストに用いた測定評価方法は表1に示すとおりである。
Figure 2006025997
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本発明のNO.1〜NO.5の異物除去粘着シート1の粘着剤層は、表2中段の粘着シートの構成の粘着剤の欄に示されるように、クッション指数が1.50以上で、ノズル径1.0mm、温度100℃、荷重20kgの吐出条件下での塑性変形流量が10×10−2ミリリットル/秒未満の性能を有する粘着剤で構成されていた。また、その結果として、NO.1〜NO.5の異物除去粘着シート1は表2下段の粘着シートの性能評価に認められるように、精密電子部品及び精密電子部品処理装置用異物除去粘着シートとしての良好な粘着性能とその結果として好適に用いられる範囲(0.5〜0.025N/cmまたは0.025N/cm未満0.000N/cm超)の粘着性能と除塵率80%以上の優れた除塵能力を有していた。また、表3、表4に認められるように、本発明の異物除去粘着シートを用いた異物除去方法によれば精密電子部品及び同部品処理装置に付着した異物を何らの支障なく効率よく除去することができた。
発明の効果
本発明は上述のように構成されているので、以下のような効果を奏することができる:
(i)粘着剤層にクッション性があり、精密電子部品や同部品処理装置に付着する異物と密に接触させることができ、精密電子部品や同部品処理装置に付着する異物を確実に除去する。
(ii)粘着剤の過剰な塑性変形を抑えることができ、粘着シートの貼着時や剥離時の糊の糸引きや糊残りによって引き起こされる精密電子部品表面や同部品処理装置表面の汚染や損傷を防ぐことができる。
(iii)所望の粘着力を選択でき、粘着力過多による電子部品処理装置接触部内の搬送不良等の問題を解決できる。
(iv)粘着剤層が高い凝集力を有しており、異物除去粘着シートに良好な耐熱性を付与することができる。
(v)粘着剤中に含まれる不純物を加えられる補強添加剤により吸着するので、粘着剤によるアルミ配線の腐食などの問題を解決できる。
(vi)粘着剤の糸引き(70℃)や糊残りの心配がないので、粘着剤層の厚みを厚く設計でき、異物の捕集率を高めることができる。
(vii)配合される有機マイクロバルーンと補強添加剤と粘着剤との相溶性が極めて高く、これらの粘着剤への均一分散が容易である結果、ムラのない粘着性能を有する異物除去シートを得ることができる。
など数々の利点を有する。
図1Aはロール状に捲回された本発明異物除去粘着シートの形態の一例を示す斜視図であり、図1Bは平板状に裁断された本発明異物除去粘着シートの形態の一例を示す斜視図である。 図2Aは片面に粘着剤層を設けた本発明異物除去粘着シートの形態の一例を示す斜視図であり、図2Bは両面に粘着剤層を設けた本発明異物除去粘着シートの形態の一例を示す斜視図であり、図2Cは粘着剤層にセパレーターを設けた本発明異物除去粘着シートの形態の一例を示す斜視図である。 精密電子部品に付着した異物を除去する方法の一例を示す断面図である。 図4Aは精密電子部品処理装置間をつなぐベルト式搬送装置に付着した異物を除去する方法の一例を示す斜視図であり、図4Bは精密電子部品処理装置間をつなぐローラー式搬送装置に付着した異物を除去する方法の一例を示す斜視図であり、図4Cは精密電子部品処理装置間をつなぐアーム式搬送装置に付着した異物を除去する方法の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1 本発明異物除去粘着シート
2 支持フィルム(基材)
2a 支持フィルムのレリーズ層
3 粘着剤(層)
3a 有機マイクロバルーン
3b 補強添加剤
4 芯管
5 セパレーター
5a セパレーターのレリーズ層
6 異物
10 精密電子部品(ウエハ)
10a表面
10b裏面
11 ベルト
12 プーリー
13 洗浄用部品(または精密電子部品)
14 モーター
15 ローラー
16 搬送アーム
17 アームの異物付着面(精密電子部品とアームの接触面)
18 バキューム孔
19 スライドボックス
20 スライドステージ
21 精密電子部品処理装置(搬送装置)

Claims (10)

  1. 有機マイクロバルーンと補強添加剤とが配合されている粘着剤で形成する粘着剤層であって、クッション指数が1.50以上、ダイスノズル径1.0mm、温度100℃、荷重20kgの吐出条件下での塑性変形流量が10×10−2ミリリットル/秒未満の性状を有する粘着剤層を、支持フィルムの片面もしくは両面に設けてなることを特徴とする精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート。
  2. 粘着剤が粘着剤の固形分100gに対し、3〜30gの有機マイクロバルーンと9〜69gの補強添加剤とを配合してなることを特徴とする請求項1に記載の精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート。
  3. 粘着剤が、有機マイクロバルーンと補強充填剤があらかじめ1:0.3〜1:23の重量割合で混合された両者の均一混合分散物からなる高分散性マイクロバルーンを、粘着剤の固形分100gに対し、有機マイクロバルーンの量が3〜30g、補強充填剤の量が9〜69gの範囲となるように12〜99g配合してなることを特徴とする請求項1または2に記載の精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート。
  4. 粘着剤が(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするアクリル粘着剤であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート。
  5. 有機マイクロバルーンが粒径20〜100μm、密度0.1〜0.3g/cmの有機質軽量中空微小球または粒径20〜100μm、密度0.01〜0.05g/cmの有機質発泡微粉末もしくはそれらを混合したものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート。
  6. 有機マイクロバルーンの構成物質である有機高分子物質がポリアクリロニトリル・メタアクリロニトリル共重合体および/またはポリアクリロニトリル・メタアクリロニトリル・メチルメタアクリレート共重合体を主成分とすることを特徴とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート。
  7. 補強添加剤が珪酸、珪酸塩類、炭酸塩類、有機金属塩類、無機金属塩類、金属水酸化物、金属酸化物のいずれかに属する添加用フィラーの1種もしくは2種以上を混合したものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート。
  8. 180度引き剥がしSUS粘着力が0.50〜0.025N/cmまたは0.025N/cm未満0.000N/cm超で除塵率が80%以上の粘着性能を有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の精密電子部品及び同部品処理装置用の異物除去粘着シート。
  9. 精密電子部品の表面、裏面、側面の少なくとも一面に請求項1〜8のいずれかに記載の粘着シートを貼着し、シート貼着部品面の異物を前記粘着シートの粘着剤層面に吸着させた後、剥離操作して同部品面から除去することを特徴とする精密電子部品に付着した異物を除去する方法。
  10. 表面、裏面、側面の少なくとも一面に請求項1〜8のいずれかに記載の粘着シートを該シートの粘着剤層の少なくとも一面が最外層になるように装着した精密部品また洗浄用部品を用いて、洗浄しようとする精密電子部品処置装置内を搬送させるか、洗浄しようとする精密電子部品処理装置に直接密着させ、同装置に付着する異物を前記粘着シートの粘着剤層面に吸着させて除去することを特徴とする精密電子部品処理装置に付着した異物の除去方法。
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