JP2006024862A - 有機トランジスタおよび有機トランジスタの製造方法 - Google Patents

有機トランジスタおよび有機トランジスタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 キャリアの移動度が高く、しきい値電圧と動作電圧が抑制された有機トランジスタを提供する。
【解決手段】 基板上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上に有機半導体膜を形成する工程と、前記有機半導体膜に接続される、第1の電極および第2の電極を形成する工程と、を有する有機トランジスタの製造方法であって、前記ゲート絶縁膜に前記有機半導体膜の配向性を制御するための表面処理を行う、表面処理工程を有することを特徴とする有機トランジスタの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機材料により形成された半導体膜を有する有機トランジスタ、および当該トランジスタの製造方法に関する。
近年、例えば携帯端末などの通信機器の普及に伴い、当該通信機器などに用いる表示装置を小型化、軽量化する要求が高まっている。この場合、表示装置に用いられる基板には、例えばプラスチックなどの有機材料を用いると表示装置の軽量化が可能であり、このような有機材料は柔軟性に優れる特徴をさらに有している。
例えば、このような表示装置の駆動素子に用いるためのトランジスタとして、可塑性に優れる、有機半導体材料を用いた有機トランジスタが着目されている。このような有機材料トランジスタの一例として、ペンタセンを半導体層に用いたトランジスタがある。(例えば非特許文献1参照)。このような有機トランジスタの電気特性は、電界効果トランジスタのモデルにより解析できる。(例えば非特許文献2参照。)
また、従来、トランジスタのゲート絶縁膜には、例えばSiOが用いられることが一般的であったが、さらにSiOよりも比誘電率の高い、チタン酸バリウムストロンチウムや、ジルコニウム酸チタン酸バリウムなどの高誘電率材料をゲート絶縁膜に用いることが試みられている。(例えば特許文献1、非特許文献3、参照。)
Y.Y.Lin et at., IEEE Electron Device Letters, Vol.18,606(1997) S.Sze,"Physics of Semiconductor Devices", Wiley, New York, 1981 C.D.Dimitrakopoulos,SCIENCE, vol.283,822(1999) 特開平10−270712号公報
しかし、SiOをゲート絶縁膜とした有機トランジスタでは、キャリアの移動度が低く、また、しきい値電圧と動作電圧が高くなってしまうことが問題となっていた。これらの問題を解決するため、ゲート絶縁膜を薄くした場合には、トンネル電流発生による特性劣化問題、あるいはSiOに欠陥が生じやすくなり、そのためにゲート絶縁膜の破壊電圧が低くなり、またリーク電流が増大する問題が生じていた。また、特にSiOをスパッタリング法で形成する場合には、成膜初期に欠陥が多い層が形成されやすいため、ゲート絶縁膜を薄くすることには限界があった。
また、チタン酸バリウムストロンチウムや、ジルコニウム酸チタン酸バリウムなどの高誘電率材料をゲート絶縁膜に用いることは、キャリアの移動度を高くし、しきい値電圧や動作電圧を抑制するのに有効であるが、これらの高誘電率膜はゾルゲル法で形成されるため、最大400℃で熱処理する必要がある。そのため、ガラス転移温度が200℃以下であるプラスチック基板上に形成することが困難であり、例えばプラスチック基板などを用いた、可塑性を有する表示装置などの制御素子に用いることが困難となってしまう問題があった。
そこで、本発明では上記の問題を解決した、新規で有用な有機トランジスタを提供することを目的としている。
本発明の具体的な課題は、キャリアの移動度が高く、しきい値電圧と動作電圧が抑制された有機トランジスタを提供することである。
本発明の第1の観点では、上記の課題を、基板上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上に有機半導体膜を形成する工程と、前記有機半導体膜に接続される、第1の電極および第2の電極を形成する工程と、を有する有機トランジスタの製造方法であって、前記ゲート絶縁膜に前記有機半導体膜の配向性を制御するための表面処理を行う、表面処理工程を有することを特徴とする有機トランジスタの製造方法により、解決する。
当該有機トランジスタの製造方法によれば、有機半導体膜の配向性が良好となるためにキャリアの移動度が向上し、しきい値電圧と動作電圧を抑制することが可能となる。
である。
また、前記表面処理工程は、光、電子ビーム、イオンビーム、およびプラズマのいずれかの照射物を前記ゲート絶縁膜に照射する工程であると、有機半導体膜の配向性が良好となるためにキャリアの移動度が向上し、しきい値電圧と動作電圧を抑制することが可能となる。
また、前記照射物の照射エネルギーが、前記ゲート絶縁膜を構成する材料の結合エネルギーより大きいと、表面処理工程において、前記ゲート絶縁膜の結合状態を制御する効果が大きくなり、好適である。
また、前記表面処理工程は、前記ゲート絶縁膜に前記照射物を照射する照射角度を変更する工程を含むと、有機半導体膜の配向性がより良好となる。
また、前記照射物は、光からなり、当該光は、偏光されていると、有機半導体膜の配向性がより良好となる。
また、前記ゲート絶縁膜を加熱する工程をさらに有すると、当該ゲート絶縁膜の膜質が良好となる。
また、前記ゲート絶縁膜を構成する材料は、可溶性ポリイミド、シクロブタン型ポリイミド、ベンゾフェノン型ポリイミド、BPDA/DPEポリイミド、アゾベンゼンを側鎖に含むポリイミド、長鎖アルキル基を含むポリイミド、含フッ素ポリイミド、および液晶性ポリイミドよりなる群より選ばれると好適である。
また、本発明の第2の観点では、上記の課題を、基板上にゲート電極を形成する工程と、前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程と、前記ゲート絶縁膜上に有機半導体膜を形成する工程と、前記有機半導体膜に接続される、第1の電極および第2の電極を形成する工程と、を有する有機トランジスタの製造方法であって、前記ゲート絶縁膜は、前記有機半導体膜の配向性を制御するための表面処理がされていることを特徴とする有機トランジスタにより、解決する。
当該有機トランジスタでは、有機半導体膜の配向性が良好であるためにキャリアの移動度が向上し、しきい値電圧と動作電圧が抑制される。
また、前記ゲート絶縁膜を構成する材料は、可溶性ポリイミド、シクロブタン型ポリイミド、ベンゾフェノン型ポリイミド、BPDA/DPEポリイミド、アゾベンゼンを側鎖に含むポリイミド、長鎖アルキル基を含むポリイミド、含フッ素ポリイミド、および液晶性ポリイミドよりなる群より選ばれると、好適である。
本発明によれば、キャリアの移動度が高く、しきい値電圧と動作電圧が抑制された有機トランジスタを提供することが可能となる。
次に、本発明の実施の形態に関して図面に基づき、以下に説明する。
図1は、本発明の実施例1による有機トランジスタを模式的に示す断面図である。
図1を参照するに、本実施例によるトランジスタ10は、有機材料である樹脂材料、例えばポリカーボネートからなる基板11上に形成されている。前記基板11は、樹脂材料などの有機材料を用いて形成すると、基板を軽量化できる上に基板の柔軟性が良好となり、好適である。
前記基板11上には、例えばタンタルなどの金属からなり、パターニングされたゲート電極12が形成されている。さらに、前記ゲート電極12上には、当該ゲート電極12を覆うように、例えば、ポリイミドからなるゲート絶縁膜13が形成されている。
前記ゲート絶縁膜13上には、例えばペンタセンからなる有機半導体膜14が形成され、当該有機半導体膜14に接するように、例えば、金(Au)からなる、ソース電極15およびドレイン電極16が形成されている。
本実施例による有機トランジスタ10では、前記ゲート絶縁膜13に対して、当該ゲート絶縁膜13上に形成される前記有機半導体膜14の配向性を制御するための表面処理が行われている。
このため、前記有機半導体膜の配向性が良好となり、キャリアの移動度を向上させて、しきい値電圧と動作電圧を抑制することが可能となるが、この理由の詳細について、以下に説明する。
例えば、ゲート絶縁膜上に形成される有機半導体膜の配向性を良好とするためには、当該ゲート絶縁膜を構成する材料の結合状態が、当該有機半導体膜の配向性を良好とするために好ましい状態であることが好ましく、例えばゲート絶縁膜表面の結合状態が揃い、結合状態が配向性を良好とするための異方性を有する状態となることが好ましい。
このため、本実施例では、このようにゲート絶縁膜14の結合状態を変化させるために、当該ゲート絶縁膜の表面処理を行っている。
次に、本実施例による有機トランジスタの製造方法の概略を、図2(A)〜(D)に基づき、手順を追って説明する。
まず、図2(A)に示す工程で、有機材料である樹脂材料、例えばポリカーボネートからなる基板11上に、例えばタンタルなどの金属膜を、例えばRFスパッタイリング法で膜厚が100nm〜1000nmとなるように形成し、パターニングすることで、ゲート電極12を形成する。また、この場合、前記基板11は、樹脂材料などの有機材料を用いて形成すると、基板を軽量化できる上に基板の柔軟性が良好となり、好適である。
次に、図2(B)に示す工程において、前記基板11と、前記ゲート電極12上に、当該ゲート電極12を覆うように、例えばポリイミド樹脂からなるゲート絶縁膜13を、例えばスピンコート法により、形成する。
次に、図2(C)に示す工程において、前記ゲート絶縁膜13の表面処理を行う。例えば、光などの照射物Lを、前記絶縁膜13の表面に照射し、次の工程で当該ゲート絶縁膜13上に形成される有機半導体膜の配向性を制御するために、当該ゲート絶縁膜13を構成するポリイミド樹脂の結合状態を変化させる。
このような表面処理は、例えば、光、電子ビーム、イオンビーム、およびプラズマのいずれかの照射物を前記ゲート絶縁膜に照射することで行うことが可能である。
また、ゲート絶縁膜の結合状態を変化させるためには、前記照射物Lの照射エネルギーが、当該ゲート絶縁膜13を構成する材料の結合エネルギーより大きいことが好ましく、この場合に結合状態を効率よく変化させることが可能となる。また、結合状態の変化、すなわち結合状態への異方性の付与は、所定の方向の結合を切断する場合と、所定方向の結合を強くすることによって行われる場合があり、これは材料によって使い分けることができる。
また、前記ゲート絶縁膜13を形成した後に、表面処理の前、または後の工程において、当該ゲート絶縁膜13を加熱処理して、例えば硬度を増大させるなどの処理を行ってもよい。
次に、図2(D)に示す工程で、表面処理がされた前記ゲート絶縁膜13上に、例えばペンタセンからなる有機半導体膜14を、例えば真空蒸着法により形成し、当該有機半導体膜14に接するように、例えば、金(Au)からなる、ソース電極15およびドレイン電極16を、例えば真空蒸着法により形成し、有機トランジスタ10を形成する。
本実施例による有機トランジスタ10では、前記ゲート絶縁膜13上に形成される前記有機半導体膜14の配向性が良好となるため、キャリアの移動度が向上し、しきい値電圧と動作電圧が抑制される効果を奏する。
また、前記ゲート絶縁膜13の表面処理を行う照射物を照射する場合の具体的な方法の例を、例えば以下の図3(A)、(B)、図4(A)、(B)、および図5に模式的に示す。
図3(A)、(B)は、前記ゲート絶縁膜13に、照射物を照射する方法を模式的に示した図である。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
まず、図3(A)を参照するに、照射物Lをゲート絶縁膜13に照射する場合、ゲート絶縁膜に対する法線より測定した照射物の入射する角度を照射角度θとすると、例えば当該照射角度θを45°として照射する方法がある。また、照射角度は45°に限定されず、例えば図3(B)に示すように、0°としてもよい。
このように、照射角度θを変更することで、ゲート絶縁膜を構成する材料の、所定の方向の結合を切断する、または強化して、ゲート絶縁膜の結合状態に構造的な異方性を付与することが可能となり、当該ゲート絶縁膜上の有機半導体膜の配向性を良好とするために好適である。この場合、照射角度は、45°または0°に限定されず、例えば、30°、45°、90°など、様々な角度を用いることができる。また、必要に応じて、照射物をゲート絶縁膜に照射する工程において、当該照射角度を変更するようにすると、必要とする複数の角度の結合を切断する、または強化することが可能となり、さらに好適である。
また、照射物に光を用いる場合には、当該光を偏光して、所定の偏光方向を有するようにして用いてもよい。この場合、偏光方向に応じて、ゲート絶縁膜を構成する材料の、所定の方向の結合を切断する、または強化することが可能となり、好適である。この場合、光の偏光方向は、例えば、直線偏光、円偏光、ランダム変更および楕円偏光のいずれかを用いることができる。また、必要に応じて、照射物をゲート絶縁膜に照射する工程において、偏光方向を変更するようにすると、必要とする複数の角度の結合を切断する、または強化することが可能となり、さらに好適である。また、このように、光を偏光させて用いることと、図3(A)、(B)に示したように、前記照射角度を変更する方法を組み合わせて用いることが可能である。
図4(A)、(B)は、照射物として、偏光された光を用いた場合に、前記ゲート絶縁膜13に、照射物を照射する方法を模式的に示した図である。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。図4(A)は、光偏光手段Pを用いて、変更された光Lpを形成し、前記照射角度を45°として、当該光Lpを前記ゲート絶縁13に照射する状態を示す図である。この場合も、図4(B)に示すように、照射角度は45°に限定されず、例えば図3(B)に示すように、0°としてもよく、例えば、30°、45°、90°など、様々な角度を用いることができる。
また、必要に応じて、照射物をゲート絶縁膜に照射する工程において、当該照射角度を変更するようにすると、必要とする複数の角度の結合を切断する、または強化することが可能となり、さらに偏光方向と組み合わせることで効果が大きくなり、さらに好適となる。
また、照射物の光の偏光方向に関しては、様々な方向を、ゲート絶縁膜の材料に合わせて任意に用いることが可能であるが、例えば、次に、図5に示すように、キャリアの移動方向に対して、平行または垂直方向を用いることができる。
図5は、照射物として用いる光の偏光方向の一例を、模擬的に示した図である。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図5を参照するに、例えば光の偏光方向は、キャリアの移動方向に平行な方向、すなわち前記ソース電極15からドレイン電極16へ向かう方向、またはドレイン電極16からソース電極15へ向かう方向である、方向Hか、または当該方向Hに垂直な方向Vとすると、好ましい。これは、このような偏光方向を有する光によってゲート絶縁膜の表面処理がされると、前記有機半導体膜14が、キャリアの移動に対して好適な配向性を有するためである。
また、本実施例に用いるゲート絶縁膜は、例えば、スピンコート法の他、例えば、ディップコート法、キャスティング法、および印刷法などにより、形成することが可能な材料を用いることができる。このため、例えばプラスチックなどの樹脂材料のガラス転移温度である、200℃以下の低温でゲート絶縁膜を形成することが可能であり、本実施例による有機トランジスタは、有機材料など、比較的耐熱温度の低い材料と組み合わせて用いることが可能である。このため、例えば、樹脂材料からなる基板上に形成された、可塑性が要求される装置、例えば可塑性を有する表示装置である液晶表示装置などの制御素子として用いることが可能となる。
例えば、本実施例に用いる前記ゲート絶縁膜の材料としては、可溶性ポリイミド、シクロブタン型ポリイミド、ベンゾフェノン型ポリイミド、BPDA/DPEポリイミド、アゾベンゼンを側鎖に含むポリイミド、長鎖アルキル基を含むポリイミド、含フッ素ポリイミド、および液晶性ポリイミドよりなる群より選ばれる材料を用いることが可能であり、このような、特にポリイミド系の膜は、電気的絶縁性、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱性に優れており、また、光、イオンビーム、電子ビーム、あるいはプラズマ照射による表面処理に対して、分子レベルでの膜表面の結合状態を制御できるため、他の材料に比べて特に好適である。
また、前記ゲート絶縁膜に用いる材料としては、上記のポリイミド系の膜に限定されず、例えば、シンナモイル基、クマリン基、カルコン基、アゾ基のいずれか1つ以上の官能基を有する高分子材料、フィニルマレイミド−スチレン骨格を有する高分子材料、ポリメタクリレート主鎖を有する高分子材料、ポリビニルルシナメート樹脂、ポリパラキシレン樹脂、ポリメチルメタクリート樹脂、フッ素を含有する高分子材料、セルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルフェノール、ポリアミド、エポキシアクリレート、ポリアクリロニトリル、ジフェニルエーテルフェノール樹脂、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンソイミダゾールおよびポリビニルシロキサンよりなる群より選択されるいずれかの材料、あるいはこれらの混合物を用いることができる。
また、前記ゲート絶縁膜に用いる材料としては、上記のポリイイミド系の膜、あるいは有機系の膜に限定されず、例えば、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜、SiN、a―Si:H、SiC、SiO、Al、CeO、SnO、ZnTiO、Ta、TiO、BaxZr1−xTiO、ZrO、およびHfOよりなる群より選択されるいずれかの材料、あるいはこれらの混合物を用いることができる。
また、例えば、前記基板11を形成する材料としては、ポリカーボネート樹脂以外でも例えばポリエステル樹脂、ポリアクリレート樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、エポキシ樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、アモルファスポリオレフィン樹脂、アクリル系UV硬化材料などを用いることが可能である。また、例えば、液晶表示装置などにおいて、対向する2枚の基板をともに樹脂材料などの有機材料で形成した場合、表示装置を折り曲げるなどフレキシブルな特性を持たせることが可能になる。また、前記基板11を、石英、ガラス、シリコンなどの無機材料で形成することも可能である。
また、前記有機半導体膜14に用いる材料としては、例えば、ナフタレン、アントラセン、テトラセン、ペンタセン、フェナントレン、ピレン、クリセン、ペリレン、コロネン、オリゴフェニレン(n-phenyl:n=2-12)、オリゴチオフェン(n-thiophenyl:n=2-12)、銅フタロシアニン、ポリチオフェン、ポリアセチレン、ポリ(2,5−チェニレンビニレン)、ポリ(3−アルキルチオフェン)、ポリ(3−ヘキシルチオフェン)、フルオレン−チオフェンコポリマー、およびこれらのフッ素化物、ならびにこれらの誘導体を真空蒸着法により形成した材料、よりなる群より選択されるいずれか1つの材料、またはこれらの混合物を用いることが可能である。
また、例えば、前記ソース電極15およびドレイン電極16は、金、白金、クロム、タングステン、タンタル、ニッケル、銅、アルミニウム、銀、マグネシウム、カルシウムなどの金属、あるいはそれらの合金、およびポリシリコン、アモルファスシリコン、グラファイト、錫添加酸化インジウム、酸化亜鉛、導電性高分子のいずれかの材料からなる膜を、真空蒸着法、電子ビーム蒸着法、RFスパッタ法、または印刷法により作成し、電極パターンを形成することにより、形成することができる。
次に、図1に示した有機トランジスタを、図2(A)〜(D)に示した製造方法によって形成して、動作確認を行った具体的な例を以下に示す。
まず、図1(A)の工程に示した工程において、ガラスからなる前記基板11上に、前記ゲート電極12として、膜厚100nm〜1000nmのアルミニウム膜を、RFスパッタリング法で作成した。また、ゲート電極の材料はアルミニウムに限定されず、例えば、チタン、タンタル、またはジルコニウムのいずれかを用いてもよい。また、ゲート電極の形成方法はRFスパッタリング法に限定されず、例えば、電子ビーム蒸着法、または真空蒸着法により形成してもよい。
次に、図2(B)に示した工程において、ポリイミド(JSR製、JALS−2026)からなるゲート絶縁層13を、スピンコート法で、均一に形成した。また、形成方法はスピンコート法に限定されず、例えばディップコート法、キャスティング法、印刷法のいずれかの方法を用いてもよい。形成された膜は、180℃で1時間ベーキングしてポリイミド化した。
次に、図2(C)に示した工程において、前記第1のゲート絶縁層13aに、表面処理のために、Deep UVランプによる紫外線を、図3(A)に示したように、前記照射角度を45°として照射した。この場合の照射エネルギーは1J/cmとした。また、紫外線は、Hg/Xeランプ、またはHgランプにより形成することも可能である。この場合の偏光はランダム偏光を用いた。
次に、図2(D)に示した工程において、表面処理がされた前記ゲート絶縁膜13上に、真空蒸着法によりペンタセンからなる前記有機半導体膜14を形成した。さらに、当該有機半導体膜上に、金を真空蒸着法により形成することで、前記ソース電極15およびドレイン電極16を形成し、構成例1による有機トランジスタを形成した。
当該構成例1による有機トランジスタの移動度を測定したところ、移動度は1.5cm2/Vsと、従来の有機トランジスタに比べて高い値が得られた。また、当該構成例1によるトランジスタにおいて、前記ゲート絶縁膜13の表面処理をおこなわずに、他の工程は構成例1によるトランジスタと同様にして、構成例2による有機トランジスタを形成した。当該構成例2によるトランジスタの移動度を測定したところ、移動度は、0.01cm/Vsであった。このため、構成例1と構成例2によるトランジスタの移動度の比較より、前記絶縁膜14の表面処理により、トランジスタの移動度が向上する効果が確認された。
次に、前記構成例1による有機トランジスタを形成する場合において、前記ゲート絶縁膜13を構成する材料と当該ゲート絶縁膜13の表面処理の方法を変更した、構成例3による有機トランジスタを形成した。この場合、当該ゲート絶縁膜13と、当該ゲート絶縁膜13の表面処理以外は前記構成例1を形成する場合と同様とした。当該構成例3によるトランジスタでは、第1のゲート絶縁膜13として、ポリイミド膜CBDA/BAPPを形成した。また、当該構成例3では、前記ゲート絶縁膜13の表面処理を行う場合に、前記照射角度を0°とし、偏光方向を直線偏光とした。これ以外の表面処理の条件は、前記構成例1の場合と同様とした。当該構成例3による有機トランジスタの移動度を測定したところ、移動度は、0.8cm/Vsであった。また、CBDA/BAPPの化学式を、以下に示す。
Figure 2006024862
また、当該構成例3によるトランジスタにおいて、前記ゲート絶縁膜13の表面処理をおこなわずに、他の工程は構成例3によるトランジスタと同様にして、構成例4による有機トランジスタを形成した。当該構成例4によるトランジスタの移動度を測定したところ、移動度は、0.02cm/Vsであった。このため、構成例3と構成例4によるトランジスタの移動度の比較より、前記絶縁膜14の表面処理により、トランジスタの移動度が向上する効果が確認された。
この場合、前記構成例3と構成例4の移動度の差は、ゲート絶縁膜上に形成される有機半導体膜の配向性の相違に起因すると考えられる。そこで、ポリイミド膜CBDA/BAPP上に有機半導体膜(ペンタセン)を形成する場合に、表面処理が有機半導体膜の配向性に与える影響について調べた結果を図6に示す。
図6は、ガラス基板上に、膜厚が80nmとなるように、スピンコート法により形成した、ポリイミド膜CBDA/BAPP上の、ペンタセンからなる有機半導体膜(80nm)の配向性を、XRD(X線回折装置)により、調べた結果である。なお、結果は、比較のため、ガラス基板のみ(ポリイミド膜なし)の場合、ポリイミド膜の表面処理なし(表面処理の光照射エネルギー0J/cm2)の場合、ポリイミド膜の表面処理の光照射エネルギーを1J/cmとした場合、さらに、表面処理の光照射エネルギーを、10J/cmとした場合について、それぞれ示している。なお、この場合、ポリイミド膜のベーキング処理は、180℃で1時間とし、直線偏光した紫外線を照射して表面処理を行っている。
図6を参照するに、ポリイミド膜の表面処理の光照射エネルギーが増大するにつれて、ペンタセン膜の配向性が良好となっている。これは、紫外線の偏光方向に対し、平行なポリイミド分子鎖が分解されることで、構造的な異方性が付与されるためと考えられる。
次に、前記構成例3による有機トランジスタを形成する場合において、当該ゲート絶縁膜13の表面処理の方法をさらに別に変更した、構成例5による有機トランジスタを形成した。この場合、当該ゲート絶縁膜13の表面処理以外は前記構成例3を形成する場合と同様とした。当該構成例5によるトランジスタでは、前記ゲート絶縁膜13の表面処理を行う場合に、前記直線偏光の方向を、図5に示した、前記V方向、または前記H方向とした。これ以外の表面処理の条件は、前記構成例3の場合と同様とした。当該構成例5による有機トランジスタの移動度を測定したところ、移動度は、1.2cm/Vsであり、前記構成例3の場合に比べてさらに向上した。このため、構成例3と構成例5によるトランジスタの移動度の比較より、表面処理の直線偏光の方向を、前記V方向または前記H方向にしたことにより、トランジスタの移動度が向上する効果が確認された。
さらに、前記構成例5による有機トランジスタを形成する場合において、当該ゲート絶縁膜13の表面処理の方法をさらに別に変更した、構成例6による有機トランジスタを形成した。この場合、当該ゲート絶縁膜13の表面処理以外は前記構成例5を形成する場合と同様とした。当該構成例6によるトランジスタでは、前記ゲート絶縁膜13の表面処理を行う場合に、まず、図4(B)に示したように、前記照射角度を0°として1次の表面処理を行い、さらに図4(A)に示したように、前記照射角度を45°として、2次の表面処理を行った。これ以外の表面処理の条件は、前記構成例5の場合と同様とした。当該構成例6による有機トランジスタの移動度を測定したところ、移動度は、1.5cm/Vsであり、前記構成例5の場合に比べてさらに向上した。このため、構成例5と構成例6によるトランジスタの移動度の比較より、表面処理において、照射物の照射角度を変更する工程を設けると、トランジスタの移動度が向上する効果が確認された。
さらに、前記構成例6による有機トランジスタを形成する場合において、当該ゲート絶縁膜13の表面処理の方法をさらに別に変更した、構成例7による有機トランジスタを形成した。この場合、当該ゲート絶縁膜13の表面処理以外は前記構成例6を形成する場合と同様とした。当該構成例7によるトランジスタでは、前記ゲート絶縁膜13の表面処理を行う場合に、前記1次の表面処理と、前記2次の表面処理において、直線偏光の方向を90°変えて表面処理を行った。これ以外の表面処理の条件は、前記構成例6の場合と同様とした。当該構成例7による有機トランジスタの移動度を測定したところ、移動度は、2.0cm/Vsであり、前記構成例6の場合に比べてさらに向上した。このため、構成例6と構成例7によるトランジスタの移動度の比較より、表面処理において、照射する光の偏光方向を変更する工程を設けると、トランジスタの移動度が向上する効果が確認された。
次に、前記構成例1による有機トランジスタを形成する場合において、前記ゲート絶縁膜13を形成する方法と、当該ゲート絶縁膜13の表面処理の方法を変更した、構成例8による有機トランジスタを形成した。この場合、当該ゲート絶縁膜13と、当該ゲート絶縁膜13の表面処理以外は前記構成例1を形成する場合と同様とした。当該構成例8によるトランジスタでは、ゲート絶縁膜13として、フッ素を有する高分子材料であるハイドロフルオロエーテルを、印刷法を用いて形成した。また、この材料はベーキングが不用であり、室温で形成した。また、当該材料は印刷法の他にも、例えばスピンコート法、ディップコート法、など様々な方法で形成することができる。また、当該構成例8では、前記ゲート絶縁膜13の表面処理を行う場合に、エキシマレーザーを照射した。この場合、レーザーに用いるガスを3種類用いることで、波長を3種類とし、それぞれの場合について有機トランジスタを形成した。また、波長が異なるため、照射されるレーザーの持つエネルギー(光子エネルギー)も異なっている。これ以外の表面処理の条件は、前記構成例1の場合と同様とした。
第1のレーザーから第3のレーザーまで、使用したガス、波長およびレーザーの有する光子エネルギーは、それぞれ以下に示す3種類とした。第1のレーザーは、Fガスを用い、波長が157nmであって、エネルギーは180.1kcal/mol(7.9eV)である。第2のレーザーは、ArFガスを用い、波長が193nmであって、エネルギーは147.2kcal/mol(6.4eV)である。第3のレーザーは、KrFガスを用い、波長が249nmであって、エネルギーは114.1kcal/mol(5.0eV)である。
前記第1のレーザー、第2のレーザー、および第3のレーザーを用いて表面処理を行って形成した、それぞれの有機トランジスタの場合において、移動度は、それぞれ、2.0cm/Vs、1.5cm/Vs、および1.0cm/Vsとなった。
この結果より、照射するレーザーのエネルギーが大きい場合に移動度が高くなっており、有機半導体膜の配向性が良好となっていると考えられる。また、ゲート絶縁膜の構成要素であるC−F結合の結合エネルギーは、116kCal/molであるが、当該結合エネルギーより、照射されるレーザーの有するエネルギーが高い場合に、従来に比べて特に移動度が良好となっていることが確認された。
また、前記構成例3による有機トランジスタを形成する場合において、前記基板11をポリイミド樹脂と、ポリカーボネート樹脂に変更して、構成例9による有機トランジスタを形成した。この場合、基板の耐熱性を考慮して、ポリイミド膜からなる前記ゲート絶縁膜13のベーキング処理は、150℃にて行った。基板11を構成する材料と、ゲート絶縁膜のベーキング処理の条件以外は、前記構成例3を形成する場合と同様とした。当該構成例9による有機トランジスタは、前記構成例3の場合と移動度は同程度となり、高移動度を有することが確認された。
また、当該構成例9による有機トランジスタは可塑性を有し、丸めたり、巻き取ったりすることが可能であり、このようにトランジスタを丸めてから再び広げた後に移動度を測定した場合でも、同様に高い値であることが確認された。
次に、前記構成例1による有機トランジスタを形成する場合において、前記ゲート絶縁膜13を形成する方法と、当該ゲート絶縁膜13の表面処理の方法を変更した、構成例10による有機トランジスタを形成した。この場合、当該ゲート絶縁膜13と、当該ゲート絶縁膜13の表面処理以外は前記構成例1による有機トランジスタを形成する場合と同様とした。
当該構成例10による有機トランジスタでは、ゲート絶縁膜として、ポリイミド膜(SE−1211、日産化学工業(株)製)を、スピンコート法を用いて形成した。また、当該構成例10による有機トランジスタでは、前記ゲート絶縁膜13の表面処理を行う場合に、アルゴンイオンビームを照射した。また、イオンビーム種としてアルゴンの他にも、例えば酸素、ネオンなど様々なイオンを用いて表面処理を行うことができる。
また、前記イオンビームの表面処理条件は、照射角度5°、イオンビーム加速電圧100V、イオン電流密度100μA/cmとした。このようにして形成した、前記構成例10による有機トランジスタの移動度を測定したところ、1cm/Vsと高い値が得られた。また、当該構成例10によるトランジスタを形成する場合に、前記ゲート絶縁膜13の表面処理を行わずにトランジスタを形成し、同様に移動度を測定したところ、移動度は0.03cm/Vsであった。
これらの結果より、光およびレーザー以外である、例えばイオンビームによる表面処理を用いた場合にも、移動度が向上することが確認され、有機半導体膜の配向性が良好となっていると考えられる。特に、イオンビームの表面処理として、照射角度0−30°、イオンビーム加速電圧50−750V、およびイオン電流密度20−500μA/cmの条件では、移動度が0.3cm/Vs以上の高い値となり、好適である。
さらに、前記構成例10による有機トランジスタを形成する場合において、当該ゲート絶縁膜13を形成する方法をさらに別に変更した、構成例11による有機トランジスタを形成した。この場合、当該ゲート絶縁膜13の形成方法以外は、前記構成例10による有機トランジスタを形成する場合と同様とした。
当該構成例11による有機トランジスタでは、前記ゲート絶縁膜13を形成する場合に、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)膜を用いた。
前記DLC膜の形成方法として、C、HeおよびHからなる混合ガス雰囲気中でのプラズマCVD法を用いた。このとき、成膜ではガス圧1×10−3Torr、RFパワー1kW、基板温度108℃、蒸着速度7.5nm/minの条件で、膜厚10nmを形成した。
当該構成例11による有機トランジスタの移動度を測定したところ、移動度は、1.5cm/Vsと高い値が得られた。また、当該構成例11によるトランジスタを形成する場合に、前記ゲート絶縁膜13の表面処理を行わずにトランジスタを形成し、同様に移動度を測定したところ、移動度は0.04cm/Vsであった。
これらの結果より、有機膜以外である無機膜に対してでも、イオンビームの表面処理を用いることで、移動度が向上することが確認され、有機半導体膜の配向性が良好となっていると考えられる。
また、ゲート絶縁膜に用いる材料は、上記の場合に限定されず、必要に応じて様々な材料を用いることが可能であり、また様々な表面処理、熱処理などの必要な処理を行って、所望の特性として用いることが可能である。
また、図1に示した有機トランジスタの構造は、本発明の一例であり、図1に示した場合に限定されず、例えば以下に示すように、様々に変形・変更して用いることが可能であり、本実施例中に記載した場合と同様の効果を奏する。
図7(A)、(B)は、図1に示した有機トランジスタ10の変形例を示す断面図である。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
まず、図7(A)を参照するに、本図に示す有機トランジスタ10Aは、前記基板11上に、当該基板11の表面を覆うバリア層17が形成されている。当該バリア層17は、例えば、RFスパッタリング法で形成された、厚さが80nm〜100nm程度のシリコン酸化膜からなり、基板から有機トランジスタの方へ水やガスが透過してくることを防止する効果を奏する。また、当該バリア層17を構成する材料は酸化シリコン膜に限定されず、例えば、窒化シリコン、酸窒化シリコン、酸化アルミニウム、ITOなどの無機材料を用いることが好ましいが、ポリイミド樹脂、ポリビニルフェノール樹脂、ポリパラキシレン樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂などの高分子材料を用いてもよく、これらの積層構造としてもよい。
また、さらに、図7(B)に示すように、前記基板11の裏面、すなわちトランジスタが形成される面と反対側の面に、さらにバリア層18を設けてもよい。この場合、前記バリア層18には、前記パリア層17に用いた材料と同様の材料を用いることが可能であり、さらに、基板から有機トランジスタの方へ水やガスが透過してくることを防止する効果が大きくなる。
また、図1に示す有機トランジスタ10は、図8に示すように構成することも可能である。図8は、図1に示した有機トランジスタ10の別の変形例であるトランジスタ10Bの断面を模式的に示した図である。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図8を参照するに、本実施例による有機トランジスタ10Bは、前記基板11、前記ゲート電極12、および、前記第1のゲート絶縁膜13aと前記第2のゲート絶縁膜13bからなる前記ゲート絶縁膜13の構造は、図1に示した有機トランジスタ10の場合と同様である。
本実施例の場合、ゲート電極15およびドレイン電極16が、前記第2のゲート絶縁膜13b上に形成され、さらに、当該ゲート電極16およびドレイン電極16と、前記第2のゲート絶縁膜13bを覆うようにして、有機半導体膜14Aが形成されている。また、この場合、当該有機半導体膜14Aは、図1に示した前記有機半導体膜14と同様の材料を用いて、同様の製法にて形成することが可能である。本実施例の場合にも、図1に示した有機トランジスタの場合と同様の効果を奏する。
また、図9(A)、(B)は、図8に示す有機トランジスタ10Bに、バリア層を形成した例を示す断面図である。ただし図中、先に説明した部分には同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図9(A)に示す有機トランジスタ10Cは、図7(A)に示した前記有機トランジスタ10Aと同様に、前記基板11上に、当該基板11の表面を覆うバリア層17が形成されている。当該バリア層17は、当該有機トランジスタ10Aの場合と同様の構造を有し、基板から有機トランジスタの方へ水やガスが透過してくることを防止する効果を奏する。
また、図9(B)に示すように、前記基板11の裏面、すなわちトランジスタが形成される面と反対側の面に、さらにバリア層18を設けてもよい。この場合、前記バリア層18には、前記パリア層17に用いた材料と同様の材料を用いることが可能であり、さらに、基板から有機トランジスタの方へ水やガスが透過してくることを防止する効果が大きくなる。
また、有機トランジスタの構造は、図1、図7(A)、(B)、図8、および図9(A)、(B)に示した構造に限定されるものではなく、様々に変形・変更して本発明を適用することが可能である。
本発明によれば、キャリアの移動度が高く、しきい値電圧と動作電圧が抑制された有機トランジスタを提供することが可能となる。
本発明の実施例1による有機トランジスタを模式的に示した断面図である。 (A)〜(D)は、図1の有機トランジスタの製造方法を、手順を追って示した図である。 (A)、(B)は、ゲート絶縁膜の表面処理の方法の一例を模式的に示した図(その1)である。 (A)、(B)は、ゲート絶縁膜の表面処理の方法の一例を模式的に示した図(その2)である。 ゲート絶縁膜の表面処理の方法の一例を模式的に示した図(その3)である。 有機半導体膜の配向性を調べた結果を示す図である。 (A)、(B)は、図1の有機トランジスタの変形例を示す図(その1)である。 図1の有機トランジスタの変形例を示す図(その2)である。 (A)、(B)は、図8の有機トランジスタの変形例を示す図である。
符号の説明
10,10A,10B,10C 有機トランジスタ
11 基板
12 ゲート電極
13 ゲート絶縁膜
14 有機半導体膜
15 ソース電極
16 ドレイン電極
17,18 バリア層
P 偏光手段
H、V 偏光方向

Claims (9)

  1. 基板上にゲート電極を形成する工程と、
    前記ゲート電極上にゲート絶縁膜を形成する工程と、
    前記ゲート絶縁膜上に有機半導体膜を形成する工程と、
    前記有機半導体膜に接続される、第1の電極および第2の電極を形成する工程と、を有する有機トランジスタの製造方法であって、
    前記ゲート絶縁膜に前記有機半導体膜の配向性を制御するための表面処理を行う、表面処理工程を有することを特徴とする有機トランジスタの製造方法。
  2. 前記表面処理工程は、光、電子ビーム、イオンビーム、およびプラズマのいずれかの照射物を前記ゲート絶縁膜に照射する工程であることを特徴とする請求項1記載の有機トランジスタの製造方法。
  3. 前記照射物の照射エネルギーが、前記ゲート絶縁膜を構成する材料の結合エネルギーより大きいことを特徴とする請求項2記載の有機トランジスタの製造方法。
  4. 前記表面処理工程は、前記ゲート絶縁膜に前記照射物を照射する照射角度を変更する工程を含むことを特徴とする請求項2または3記載の有機トランジスタの製造方法。
  5. 前記照射物は、光からなり、当該光は、偏光されていることを特徴とする請求項2乃至4のうち、いずれか1項記載の有機トランジスタの製造方法。
  6. 前記ゲート絶縁膜を加熱する工程をさらに有することを特徴とする請求項1乃至5のうち、いずれか1項記載の有機トランジスタの製造方法。
  7. 前記ゲート絶縁膜を構成する材料は、可溶性ポリイミド、シクロブタン型ポリイミド、ベンゾフェノン型ポリイミド、BPDA/DPEポリイミド、アゾベンゼンを側鎖に含むポリイミド、長鎖アルキル基を含むポリイミド、含フッ素ポリイミド、および液晶性ポリイミドよりなる群より選ばれることを特徴とする請求項1乃至6のうち、いずれか1項記載の有機トランジスタの製造方法。
  8. 基板上に形成されたゲート電極と、
    前記ゲート電極上に形成されたゲート絶縁膜と、
    前記ゲート絶縁膜上に形成された有機半導体膜と、
    前記有機半導体膜に接続された、第1の電極および第2の電極を有する有機トランジスタであって、
    前記ゲート絶縁膜は、前記有機半導体膜の配向性を制御するための表面処理がされていることを特徴とする有機トランジスタ。
  9. 前記ゲート絶縁膜を構成する材料は、可溶性ポリイミド、シクロブタン型ポリイミド、ベンゾフェノン型ポリイミド、BPDA/DPEポリイミド、アゾベンゼンを側鎖に含むポリイミド、長鎖アルキル基を含むポリイミド、含フッ素ポリイミド、および液晶性ポリイミドよりなる群より選ばれることを特徴とする請求項8記載の有機トランジスタ。
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