JP2006024634A - プラズマプロセス装置 - Google Patents

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恒夫 中村
Naoko Okamoto
直子 岡本
Kazuki Oki
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Abstract

【課題】 高品質な薄膜デバイス等を高速に製造できるプラズマプロセス装置を提供する。
【解決手段】 プラズマプロセス装置は、被処理基板5が内部に配置される処理室1と、処理室1の内部にガスを導入するガス導入口7と、処理室1の内部に設けられ、被処理基板5にプラズマ処理を施すためのプラズマ源とを備え、プラズマ源は、カソード電極2(第1電極)と、カソード電極2の電極面の一部に配置された誘電体4と、誘電体4上に配置されたアノード電極3(第2電極)とを有し、アノード電極3がアノード電極3の長手方向に誘電体4に対して相対的に伸縮可能となるように設置されている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、プラズマプロセス装置に関し、特に、たとえば半導体や液晶などの製造に用いられるプラズマプロセス装置に関する。
半導体集積回路、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンス素子、薄膜太陽電池などの薄膜デバイスにおいては、種々の技術開発により、高集積化、高機能化、あるいは、大面積化などが進展し、これらの薄膜デバイスの製造は、ますます重要な基盤産業となってきている。
また、このような薄膜デバイスの製造には、プラズマCVD装置、スパッタリング装置などによる膜形成や、反応性イオンエッチング装置、プラズマエッチング装置(以下、総称としてドライエッチング装置と称する場合がある。)などによる膜加工など、プラズマプロセス装置が多用されており、これらのプラズマプロセス装置は、薄膜デバイス製造に欠かすことができないものとなっている。
たとえば、プラズマCVD装置は、高速成膜性、低温成膜性、段差被覆性および密着性に優れた成膜装置であり、アモルファスシリコンや多晶シリコン膜などのシリコン膜(以下、総称として単にSi膜と称する場合がある。)、窒化シリコン膜(SiN膜)、シリコン酸化膜(SiO2膜)などの膜形成などに用いられている。具体例には、該プラズマCVD装置は、たとえば、アクティブ駆動型の液晶ディスプレイのTFT(Thin Film Transistor)と呼ばれるスイッチング素子の製造工程におけるSi膜などの半導体膜やSiN膜などのゲート絶縁膜などの成膜工程に用いられており、素子性能を決定する重要な役割を果たしている。
図9は、従来のプラズマCVD装置の一例を示す断面図である。以下、図9を参照しながらプラズマCVD装置の構成、および、製造プロセスを説明する。
処理室101内にガス導入部を兼ねるカソード電極102と基板加熱ステージを兼ねるアノード電極103とが互いに対向して設けられる。このように1組の電極が対向して配置されているため、図9に示すような装置は、平行平板型のプラズマCVD装置と称される。各々の電極102,103は電気的に絶縁されている。カソード電極102には、整合器112を介して高周波電源111が接続されている。
処理室101内を真空状態にした後、カソード電極102に設けられた多数のガス導入孔107から材料ガスが導入され、処理室101内は所定の圧力(プロセス圧力)に保たれる。その後、高周波電源111からカソード電極102とアノード電極103との間に高周波電圧(たとえば13.56MHz程度)が印加され、電極102,103間にプラズマが発生する。これにより、処理室101内に導入された材料ガスが分解、解離される。このようにして活性化された材料ガスがアノード電極103に載置されたシリコンやガラスなどからなる被処理基板105の上に輸送され、基板上での表面反応を経て半導体膜や絶縁膜などが形成される。
上記のようなプラズマCVD装置においては、被処理基板105の表面における反応を促進して膜特性を向上させる、または、堆積される膜と被処理基板105との密着性を向上させるなど観点から、被処理基板105が、たとえば100℃以上400℃以下程度に加熱される場合がある。多結晶シリコン成膜プロセスなどにおいては、被処理基板105が700〜800℃以上に加熱される高温プロセスもある。さらに、プラズマCVD装置による成膜工程においては、被処理基板105以外にもカソード電極102や処理室101の側壁上などにも膜が形成される場合がある。この膜が剥がれてパーティクルになるなどして歩留まりを低下させることがある。なお、カソード電極102や処理室101の側壁上などに形成される上記膜には、基板上に形成される堆積膜と同等の膜や、中間反応生成物および粉状の膜などが含まれる。
これに対し、従来から、カソード電極102を加熱して、該カソード電極102付着する膜の剥がれを抑制する対策が取られている。
なお、薄膜デバイス製造に用いられるプラズマプロセス装置としては、上記のプラズマCVD装置以外にも、材料ガスをエッチングガスに変更して膜のエッチングを行なうドライエッチング装置やレジストの除去を行なうアッシング装置などが用いられる。これらの装置は、プラズマCVD装置と若干の装置構成が異なる部分を有するが、高周波電源に接続されたカソード電極と該カソード電極と組をなすアノード電極との間にプラズマが発生し、該プラズマにより材料ガスなどが活性化され、被処理基板上に処理が施されるという基本原理に関しては、上述したプラズマCVD装置と同様である。
特開平11−144892号公報 特開平1−279761号公報
しかしながら、上記のようなプラズマプロセス装置においては、以下のような問題があった。
上記のような平行平板型のプラズマCVD装置においては、被処理基板の被処理面がアノード電極とカソード電極との間の電界中に配置されるため、該被処理面が成膜中にプラズマダメージをうけ、堆積膜の特性が良好でなくなる場合がある。また、電極と基板との間の距離が、アノード電極とカソード電極との間の距離により決定されるので、放電最適条件におけるアノード電極とカソード電極との間の距離と、成膜最適条件における電極と基板との間の距離とが異なる場合には、これらの距離を互いに独立して制御できないことから放電最適条件と成膜最適条件との双方が満足される条件が得られない場合がある。
ところで、特開平11−144892号公報(従来例1)においては、ガラス基板に対向する放電電極が複数の電極から構成され、それぞれの電極に互いに極性の異なる高周波電圧が印加され、基板面に水平な方向の電界によりプラズマ放電が生じるプラズマプロセス装置が開示されている。
ここで、材料ガスは上記複数の電極間から放出される。放出された材料ガスは、水平方向(横方向)の電界によりプラズマとなり、ガラス基板に向けて(縦方向に)拡散し、ガラス基板上において成膜される。この方法により、ガラス基板上に与えるプラズマダメージが低減される。しかしながら、このような構成においては、材料ガスの解離効率が低く、成膜速度の向上が制限される。
また、特開平1−279761号公報(従来例2)には、材料ガスの解離を促進する技術が開示されている。従来例2に開示されたプラズマプロセス装置において、カソード電極に凹状の空間が設けられており、ホローカソード効果によりプラズマ密度が高められる。これにより、材料ガスの解離が促進され、通常の平行平板型の装置と比較して成膜速度を速くすることができる。
しかしながら、従来例2に係るプラズマプロセス装置においては、通常の平行平板型の装置と同様に、被処理基板の被処理面面がアノード電極とカソード電極間の電界中に配置される。したがって、該プラズマプロセス装置においては、成膜中に該被処理面がプラズマダメージをうける場合があり、所定の膜特性が得られないなど、通常の平行平板型のプラズマCVD装置と同様の課題があった。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、カソード電極や処理室壁面から剥離する膜によるパーティクルの発生などを抑制し、プラズマにより被処理面がうけるダメージを低減し、また、ガスの分解や解離を促進させることにより、高品質な薄膜デバイス等を高速に製造できるプラズマプロセス装置を提供することにある。
本発明に係るプラズマプロセス装置は、1つの局面では、被処理基板が内部に配置される処理室と、処理室の内部にガスを導入するガス導入口と、処理室の内部に設けられ、被処理基板にプラズマ処理を施すためのプラズマ源とを備え、プラズマ源は、第1電極と、該第1電極の電極面の一部に配置された誘電体と、該誘電体上に配置された第2電極とを有し、第2電極が該第2電極の長手方向に誘電体に対して相対的に伸縮可能となるように設置されている。
これにより、誘電体と第2電極との熱膨張係数が異なる場合にも、熱膨張により誘電体と第2電極とが離間するのを抑制することができる。この結果、安定したプラズマを発生させることができ、高品質な薄膜デバイスが提供される。
ここで、誘電体および第2電極の一方は、誘電体および第2電極の軸方向に延在し誘電体および第2電極の他方に向けて突出する突出部を有し、誘電体および第2電極の他方は突出部を受け入れる凹部を有することが好ましい。
これにより、誘電体と第2電極とを、それらの長手方向においてのみ相対的に伸縮させることができる。結果として、安定したプラズマを発生させることができる。
本発明に係るプラズマプロセス装置は、他の局面では、被処理基板が内部に配置される処理室と、処理室の内部にガスを導入するガス導入口と、処理室の内部に設けられ、被処理基板にプラズマ処理を施すためのプラズマ源とを備え、プラズマ源は、第1電極と、該第1電極の電極面の一部に配置された誘電体と、該誘電体上に配置された第2電極と、誘電体と第2電極とが離間するのを抑制する保持機構とを有する。
これにより、プラズマを発生させる第1と第2電極間の距離が変動するのを抑制することができる。したがって、安定したプラズマを発生させることができ、高品質の薄膜デバイスが提供される。
保持機構は、1つの局面では、第1電極上から第2電極上に形成され、第2電極が延在する第1方向と交差する第2方向に延在する保持部材を含む。
保持機構は、他の局面では、誘電体および第2電極の一方に設けられた溝部と、誘電体および第2電極の他方に設けられ、溝部内に嵌入され、誘電体と第2電極とが重なる方向に誘電体と第2電極の一方と係合する係合部とを含む。
上記いずれの局面においても、保持機構により第1と第2電極間の距離が変動するのを抑制することができる。
本発明によれば、高品質な薄膜デバイス等を高速に製造できるプラズマプロセス装置を提供することができる。
以下に、本発明に基づくプラズマプロセス装置の実施の形態について、図1から図8を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るプラズマCVD装置(プラズマプロセス装置)におけるプラズマ発生部(プラズマ源)を示した平面図である。また、図2,図3は、それぞれ図1におけるII−II,III−III断面図である。なお、図4は、上記プラズマCVD装置を示した断面図である。
本実施の形態に係るプラズマCVD装置は、図4に示すように、被処理基板5が内部に配置される処理室1と、処理室1の内部にガスを導入するガス導入口7と、処理室1の内部に設けられ、被処理基板5にプラズマ処理を施すためのプラズマ発生部(プラズマ源)とを備える。プラズマ発生部は、カソード電極2(第1電極)と、カソード電極の電極面(被処理基板5と対向する主表面)の一部に配置された誘電体4と、誘電体4上に配置されたアノード電極3(第2電極)とを有する。ここで、被処理基板5は、基板ステージ6上に載置されている。また、カソード電極2には、整合器12を介して高周波電源11が接続されている。
上記構成によりプラズマ処理を行なう際に、プラズマ発生部に付着した膜の剥離を抑制するために、プラズマ発生部が加熱される場合がある。ここで、一般にアノード電極3と誘電体4との線膨張係数が異なる(典型的には、アノード電極3の方が誘電体4に対して大きく膨張する)ことから、誘電体4上に載置されたアノード電極3が撓むことにより誘電体4から剥離し、結果としてカソード電極2およびアノード電極3間の距離が変動することが懸念される。上記距離の変動は、安定したプラズマの発生を阻害することになる。
これに対し、本実施の形態に係るCVD装置においては、アノード電極3が該アノード電極3の長手方向において誘電体4に対して相対的に伸縮可能となるように設置されている。これにより、上述した線膨張係数の違いによるアノード電極3の誘電体4からの剥離が抑制され、カソード電極2およびアノード電極3間の距離の変動が抑制され、結果として安定したプラズマが生成される。
次に、プラズマ発生部の構造について、さらに詳細に説明する。
プラズマ発生源は、図1に示すように、アノード電極3を保持し、誘電体4とアノード電極3とが離間するのを抑制する保持機構として、カソード電極2上からアノード電極3上に形成され、アノード電極3が延在する第1方向(図1中の上下方向)と交差する第2方向(図1中の左右方向)に延在する保持部材8を有する。図1の例では、アノード電極3と保持部材8とが直交しているが、この交差角度は適宜変更が可能である。
カソード電極2には、誘電体9を介して、カソード電極2と電気的に絶縁されたアノード電極受け部材10(導電体)が取付けられる。アノード電極3は、カソード電極2上から受け部材10上にまで達する。受け部材10上には押さえ部材10Aが取り付けられ、受け部材10と押さえ部材10Aとでアノード電極3が挟持される。ここで、保持部材8、受け部材10および押さえ部材10Aは、アノード電極3の軸方向(長手方向)における伸縮を阻害しない。これにより、アノード電極3が該アノード電極3の長手方向において誘電体4に対して相対的に伸縮可能となる構造が実現される。
カソード電極2は、図1,図2に示すように、複数のガス導入口7を有する第1部分2Aと、第1部分2Aの上面(被処理基板5側の面)上において誘電体4を挟持し、略直角三角形形状を有する第2部分2Bとから構成される。図2の例では、第2部分2Bの傾斜面の傾斜角度が60度程度であるが、この傾斜角度については適宜変更が可能である。
誘電体4上に設けられるアノード電極3は、その上部に面取り部30を有している。保持部材8は、カソード電極2上からアノード電極3における面取り部30上を覆うように設けられる。これにより、誘電体4上のアノード電極3が保持される。なお、上記面取り部30は、プラズマ発生時の電界集中を抑制する機能も有する。
保持部材8は凹部80Aを有し、凹部80Aの開口部における該凹部80Aの幅は、凹部80Aの底部における該凹部80Aの幅よりも大きい。また、凹部80Aは、該凹部80Aの開口部に向けてその幅が大きくなるテーパ部80Bを有している。このように、凹部80Aおよびテーパ部80Bが設けられることで、発生したプラズマの広がりが保持部材8により阻害されるのを抑制することができる。
カソード電極2における第1部分2Aなどの寸法は、被処理基板5の大きさにより決定され、適宜変更が可能である。ここでは、一例として、被処理基板5が360×465(mm)サイズのガラス基板である場合について説明する。カソード電極2における第1部分2Aは、アルミニウム、アルミニウム合金、SUSなどの金属により構成される。第1部分2Aとしてアルミニウム、アルミニウム合金を用いる場合には、反応性ガスによる腐食抑制およびプラズマ耐性などの観点から、アルマイト処理を施すことが好ましい。第1部分2Aの大きさは、典型的には、基板サイズと同等以上(たとえば360〜380×465〜485(mm)以上)である。
ガス導入口7の径としては、一般の平行平板型のプラズマCVD装置と同様に、0.5〜1φ(mm)程度の値が適用可能である。ガス導入口7は、プロセス分布を考慮しながら、カソード電極2における第2部分2B、誘電体4および保持部材8が配置されない第1部分2A上に配置される。本実施の形態においては、ガス導入口7は、0.5φ(mm)の径を有し、隣り合うアノード電極3の中間位置に10mmピッチに配置されている。
アノード電極3は、本実施の形態においては、アルマイト処理されたアルミニウム、アルミニウム合金などで構成され、25mmピッチで配置されている。アノード電極3の配置ピッチは、プラズマ源と被処理基板との間の距離、ガス圧などのプロセス条件、使用する高周波電源周波数および電極部材の加工性などの要因により決定され、たとえば10〜50mm程度、好ましくは、20〜40mm程度の範囲で適宜変更が可能である。アノード電極3の断面寸法は、図2の例では、5mm(W)×5mm(H)程度であり、面取り部30の寸法は、0.5〜1mm程度である。アノード電極3の幅は、その配置ピッチと同様に、プラズマ源と被処理基板との間の距離、ガス圧などのプロセス条件、使用する高周波電源周波数および電極部材の加工性などの要因により決定され、3〜10mm程度の範囲で適宜変更が可能である。各々のアノード電極3は、その長手方向の両端部において受け部材10と電気的に接続され、受け部材10を介して処理室1の部材と接続され、接地されている。なお、アノード電極3の接地方法としては、上記の以外にも、長手方向の適当な位置に、長手方向に対して垂直方向に適当な数の接地用電極を配置する方法なども適用可能であり、上記の方法に限定されるものではない。
誘電体4は、カソード電極2とアノード電極3とを電気的に絶縁するために設けたもので、アルミナなどのセラミックスで構成される。誘電体4の幅は、アノード電極3の幅とほぼ同一である。誘電体4の高さは、カソード電極2における第2部分2Bの高さと、アノード電極3と第2部分2Bの頂点との間の設定距離(以下、電極間距離と称する場合がある。)とに依存して決定されるが、5〜30mm程度の範囲で適宜変更可能である。本実施の形態においては、第2部分の高さが8mm、電極間距離が5mmであるので、誘電体4の高さは13mm(8mm+5mm)に設定される。
なお、図3に示すように、誘電体4の一部に孔40が設けられてもよい。これにより、発生したプラズマが誘電体4を超えて広がりやすくなる。
カソード電極2における第2部分2Bは、プラズマ発生面(傾斜面)が、アルマイト処理されたアルミニウム、アルミニウム合金などで形成される。カソード電極2における第2部分2Bの第1部分2Aに対する傾斜角度は、30〜80度程度、好ましくは、45〜70度程度の範囲で適宜変更が可能である。
保持部材8は、上述したとおり、アノード電極3と誘電体4との熱膨張による伸縮量の差などに起因するアノード電極3の撓みを抑制し、アノード電極3と誘電体4との間の隙間が広がらないようにアノード電極3を保持する。保持部材8は、アルミナなどの絶縁体で構成される。保持部材8は、カソード電極2における第1部分2Aの裏面側からボルト(図示せず)で固定される。保持部材8の厚みは、2〜10mm程度の範囲で適宜変更が可能である。この厚みは、保持部材8の強度、ボルト固定などの固定方法により決定されるが、保持部材8が配置される箇所ではプラズマが発生しないので、該厚みはできるだけ小さいことが好ましい。また、保持部材8は、50〜300mm程度のピッチで配置される。
また、処理室1の外部には、プラズマの材料ガスを処理室1内に供給するガス供給部(図示せず)と、処理室1内のガスを排出するガス排出部(図示せず)とが設けられる。さらに、プラズマCVD装置には、カソード電極2における第1部分2Aを加熱することによりプラズマ源全体を加熱する機構(たとえば50〜80℃程度の温水循環機構)が設けられる。なお、たとえば循環する媒体がオイルであれば、その温度を80℃以上程度に設定することも可能である。
図5は、誘電体と該誘電体上に設けられるアノード電極との界面の構造の変形例を示した断面斜視図である。
図5(a),(b)を参照して、誘電体4およびアノード電極3の一方(図5(a)においては誘電体4、図5(b)においてはアノード電極3)は、誘電体4およびアノード電極3の軸方向に延在し誘電体4およびアノード電極3の他方(図5(a)においてはアノード電極3、図5(b)においては誘電体4)に向けて突出する突出部4A,3Aを有し、誘電体4およびアノード電極3の他方(図5(a)においてはアノード電極3、図5(b)においては誘電体4)は、それぞれ突出部4A,3Aを受け入れる凹部3B,4Bを有する構造としてもよい。
このような構造を採用することにより、アノード電極3と誘電体4とが平面状の界面を有する場合と比較して、若干のコスト高とはなるものの、アノード電極3が誘電体4の長手方向に沿って伸縮するようにガイドされ、結果としてカソード電極2とアノード電極3との間の距離がより安定するという効果が得られる。
上記のようなプラズマ源に高周波電源11により高周波電力が投入されると、カソード電極2とアノード電極3の間に電界が発生する。図1〜図5に示す構成では、カソード電極2における第2部分2Bの凸部の先端とアノード電極3との間隔は5mm程度であり、両電極間が高電界になりプラズマを生成するため、比較的低パワーの電力でも放電できる。この電極構成においては、カソード電極2とアノード電極3間の距離は固定であり、電極−基板間距離を変化させてもプラズマの状態はほとんど変化しないため、カソード電極2とアノード電極3間の距離などの放電条件と電極−基板間距離とをほぼ独立に変化させることができる。
また、本実施の形態においては、基板ステージ6はアノード電極と同電位の接地電位としているが、たとえば基板ステージ6に他の高周波電源や直流電源を接続してプラズマを制御し、成膜条件を制御することも可能である。
次に、上記プラズマCVD装置を用いた薄膜形成プロセスについて説明する。
まず、処理室1の基板ステージ6とカソード電極2における第1部分2Aとをそれぞれ所定の温度に保持しておく。たとえば、基板ステージ6を100〜400℃程度とし、第1部分2Aを50〜100℃程度とする。このような温度に設定することにより、基板表面での反応を促進させ良好な膜特性が得られる。また、カソード電極2、アノード電極3および誘電体4などから膜が剥離するのを抑制でき、パーティクル発生を減少させ、歩留まり低下を抑制することができる。
次に、処理室1内部の基板ステージ6に被処理基板5を載置する。本実施の形態においては、被処理基板5として厚みが0.7mm程度のガラス基板が用いられる。このガラス基板が、アノード電極3の基板側の表面からの距離が30mm程度となるように載置される。次に、処理室1内のガスを排気して処理室1内を真空とする。そして、ガス導入口7から処理室1内に、材料ガスが所定量導入される。本実施の形態においては、材料ガスとしてSiH、N,NH,Hなどが用いられる。その後、材料ガスを排気して処理室1内の圧力を所定の圧力(たとえば200Pa程度)にする。次に、アノード電極3とカソード電極2との間に高周波電源11から所定の電圧が印加される。これにより、プラズマ放電が発生し、被処理基板5上に成膜が施される。被処理基板5上の膜厚が当初設定された膜厚になるまで上記電圧が印加される。電圧の印加が停止された後、基板ステージ6から被処理基板5が取り外され、処理室1の外部へ取り出される。これにより、薄膜が形成された薄膜形成基板が得られる。
このように、本発明によるプラズマCVD装置においては、被処理基板5を保持する基板ステージ6と対向する位置にアノード電極3とカソード電極2とを含むプラズマ源が配置されている。本構成においては、主にプラズマ源の電極間に電界が生じ、該部分にプラズマが発生することにより、被処理基板5に成膜が行なわれる。したがって、被処理基板5の被処理面上におけるプラズマ密度は比較的低く、平行平板型のプラズマCVD装置と比較すると、形成される薄膜がプラズマによるダメージを受けにくい。また、カソード電極2とアノード電極3との配置が被処理基板5の主表面に対して水平な方向でなく、垂直な方向に配置されているため、材料ガス解離効率が比較的高くなり、結果として成膜速度が速くなる。
さらに、基板ステージ6からの輻射、カソード電極2の加熱、プラズマからの熱伝達などにより、アノード電極3の温度は、数十〜300℃程度にまで上昇していると考えられるが、保持部材8の設置により、アノード電極3の伸びによるたわみ発生が抑制され、安定なプラズマが生成される。
なお、本実施の形態においては、被処理基板5としてガラス基板を用いたが、被処理基板5としてはこれに限定されるものではなく、ガラス基板に代えて、シリコン(Si)基板、プラスチック、セラミックスなどが適用可能である。
また、高周波電源11の周波数としては、たとえば13.56MHzが採用されるが、高周波電源11の周波数はこれに限定されるものではなく、たとえば27.56MHz、54.24MHzなどの高周波数が適用可能である。また、たとえば300kHz、2MHzなどの低周波も適用可能である。
また、本実施の形態においては、プラズマプロセス装置の一例としてプラズマCVD装置について説明したが、本発明を適用可能なプラズマプロセス装置はプラズマCVD装置に限られるものではなく、プラズマエッチング装置やアッシング装置などにも同様の思想が適用可能である。
(実施の形態2)
図6は、実施の形態2に係るプラズマプロセス装置におけるカソード電極2およびアノード電極3ならびに保持部材8を示した断面図である。
本実施の形態に係るプラズマプロセス装置は、実施の形態1に係るプラズマプロセス装置の変形例である。図6を参照して、本実施の形態においては、保持部材8がカソード電極2上からアノード電極3の上面までを覆う。これにより、アノード電極3の上面全体が保持部材8で保持され、保持機構としての安定性が高くなる。また、保持部材8がアノード電極3上で分断されることなく連続して一体の部材で構成されるため、固定ボルトの数を減らすことができ、組立ておよびメンテナンスが容易になる。
一方で、実施の形態1と比較して、保持部材8が大きくなるため、プラズマの広がりが阻害されやすくなることが懸念されるが、プラズマ源と被処理基板5との間の距離の調整により、その影響を低減することは可能である。また、保持部材8に孔80を設けることにより、プラズマを広がりやすくすることもできる。なお、上述した実施の形態1においては、孔80について説明していないが、実施の形態1における保持部材8(図2参照)に孔80を設けることも当然に予定される。
本実施の形態においても、実施の形態1と同様に、アノード電極3の撓みによるアノード電極3と誘電体4との剥離を抑制し、安定したプラズマを得ることができる。
なお、本実施の形態において、上述した実施の形態1と同様の事項については、詳細な説明は繰り返されない。
(実施の形態3)
図7は、実施の形態3に係るプラズマプロセス装置における誘電体4と該誘電体4上に設けられるアノード電極3との界面の構造を示した断面斜視図である。
本実施の形態に係るプラズマプロセス装置は、実施の形態1,2に係るプラズマプロセス装置の変形例である。図7を参照して、本実施の形態においては、アノード電極3を保持し、誘電体4とアノード電極3とが離間するのを抑制する保持機構として、誘電体4およびアノード電極3の一方(図7(a)においてはアノード電極3、図7(b)においては誘電体4)に設けられた溝部3B,4Bと、誘電体4およびアノード電極3の他方(図7(a)においては誘電体4、図7(b)においてはアノード電極3)に設けられ、それぞれ溝部3B,4B内に嵌入され、誘電体4とアノード電極3とが重なる方向に誘電体4とアノード電極3の一方と係合する係合部4C,3Cとが設けられる。
上記構成により、保持部材8(実施の形態1,2)の設置を省略しながら、アノード電極3の撓みによるアノード電極3と誘電体4との剥離を抑制し、安定したプラズマを得ることができる。保持部材8が省略されることにより、アノード電極3の長手方向のガス流れが乱されることがなく、プラズマ源と被処理基板5との間の距離設定の自由度が増す、または、組立ておよびメンテナンスが容易になるなどの利点が得られる。
図8は、図7に示す構造の変形例を示した図である。図8に示す構造においても、図7に示す構造と同様の効果を奏する。
なお、本実施の形態において、上述した実施の形態1,2と同様の事項については、詳細な説明は繰り返されない。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、上述した各実施の形態の特徴部分を適宜組み合わせることは当初から予定されている。また、今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
本発明の実施の形態1に係るプラズマプロセス装置におけるプラズマ発生部を示した平面図である。 図1におけるII−II断面図である。 図1におけるIII−III断面図である。 本発明の実施の形態1に係るプラズマプロセス装置を示した断面図である。 本発明の実施の形態1に係るプラズマプロセス装置における誘電体と該誘電体上に設けられるアノード電極との界面の構造の変形例を示した断面斜視図である。 本発明の実施の形態2に係るプラズマプロセス装置におけるカソード電極およびアノード電極ならびに保持部材を示した断面図である。 本発明の実施の形態3に係るプラズマプロセス装置における誘電体と該誘電体上に設けられるアノード電極との界面の構造の一例を示した断面斜視図である。 本発明の実施の形態3に係るプラズマプロセス装置における誘電体と該誘電体上に設けられるアノード電極との界面の構造の他の例を示した断面斜視図である。 従来のプラズマプロセス装置の構成を示す断面図である。
符号の説明
1,101 処理室、2,102 カソード電極、2A 第1部分、2B 第2部分、3,103 アノード電極、3A,4A 突出部、3B,4B 凹部、3C,4C 係合部、4 誘電体、5,105 被処理基板、6 基板ステージ、7,107 ガス導入口、8 保持部材、9 誘電体、10 受け部材、10A 押さえ部材、11,111 高周波電源、12,112 整合器、30 面取り部、40,80 孔、80A 凹部、80B テーパ部。

Claims (5)

  1. 被処理基板が内部に配置される処理室と、
    前記処理室の内部にガスを導入するガス導入口と、
    前記処理室の内部に設けられ、前記被処理基板にプラズマ処理を施すためのプラズマ源とを備え、
    前記プラズマ源は、第1電極と、該第1電極の電極面の一部に配置された誘電体と、該誘電体上に配置された第2電極とを有し、
    前記第2電極を該第2電極の長手方向に前記誘電体に対して相対的に伸縮可能となるように設置したプラズマプロセス装置。
  2. 前記誘電体および前記第2電極の一方は、前記誘電体および前記第2電極の軸方向に延在し前記誘電体および前記第2電極の他方に向けて突出する突出部を有し、
    前記誘電体および前記第2電極の他方は前記突出部を受け入れる凹部を有する、請求項1に記載のプラズマプロセス装置。
  3. 被処理基板が内部に配置される処理室と、
    前記処理室の内部にガスを導入するガス導入口と、
    前記処理室の内部に設けられ、前記被処理基板にプラズマ処理を施すためのプラズマ源とを備え、
    前記プラズマ源は、第1電極と、該第1電極の電極面の一部に配置された誘電体と、該誘電体上に配置された第2電極と、前記誘電体と前記第2電極とが離間するのを抑制する保持機構とを有するプラズマプロセス装置。
  4. 前記保持機構は、前記第1電極上から前記第2電極上に形成され、前記第2電極が延在する第1方向と交差する第2方向に延在する保持部材を含む、請求項3に記載のプラズマプロセス装置。
  5. 前記保持機構は、前記誘電体および前記第2電極の一方に設けられた溝部と、
    前記誘電体および前記第2電極の他方に設けられ、前記溝部内に嵌入され、前記誘電体と前記第2電極とが重なる方向に前記誘電体と前記第2電極の一方と係合する係合部とを含む、請求項3に記載のプラズマプロセス装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011092778A1 (ja) * 2010-01-28 2011-08-04 シャープ株式会社 プラズマ成膜装置
JP2017112366A (ja) * 2011-06-03 2017-06-22 株式会社和廣武 Cvd装置、及び、cvd膜の製造方法
WO2023047960A1 (ja) * 2021-09-21 2023-03-30 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理を行う装置、及びプラズマ処理を行う方法

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