JP2006021978A - ガラス体の加熱装置及びこれを用いた光ファイバ母材の製造方法 - Google Patents

ガラス体の加熱装置及びこれを用いた光ファイバ母材の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 略円筒形の発熱体の内側でガラス体を加熱する際に、高効率の加熱を行ってガラス体の加熱時間を短くすることのできるガラス体の加熱装置及びこれを用いた光ファイバ母材の製造方法を提供する。
【解決手段】 本発明に係るガラス体の加熱装置は、内側に挿入した出発ガラスパイプGを加熱する円筒形の発熱体23と、発熱体23の中心軸方向に隣接して配置され、発熱体23とともに出発ガラスパイプGを囲む内表面24aの4μm〜12μmの波長領域における分光放射率が0.70以下である赤外線反射体24と、を備えている。また、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、ガラス体の加熱装置を用いて出発ガラスパイプGと加熱炉20とを出発ガラスパイプGの長手方向に沿って相対移動させながら出発ガラスパイプGを加熱して内付け工程を行う。
【選択図】 図2

Description

本発明は、略円筒形の発熱体の内側に挿入したガラス体を加熱するガラス体の加熱装置及びこれを用いた光ファイバ母材の製造方法に関する。
光ファイバ母材を製造する工程において、ガラスパイプの内側にガラス層を形成する内付け工程や、ガラスパイプを所望の径に縮径する工程が行われる。これらの工程では、ガラスパイプの外側に設けられた加熱源により、ガラスパイプをその長手方向に順次加熱していく。
例えば、内付けCVD法と呼ばれる内付け工程では、内付けの基板となる出発ガラスパイプの内側に、ガラス微粒子(SiO)を生成するためのガラス原料ガスを導入し、出発ガラスパイプの外側に設けた加熱源を出発ガラスパイプの長手方向に沿って相対移動させて出発ガラスパイプを加熱する。このように出発ガラスパイプを加熱することにより、出発ガラスパイプの内側に導入されたガラス原料ガスが酸化反応してガラス微粒子が生成される。そして、ガラス微粒子は、ガラス原料ガスの流れの下流側における出発ガラスパイプの内周面に付着して堆積していく。その後、堆積したガラス微粒子は、加熱源の相対移動によって加熱されて透明化し、順次ガラス層が形成される。
このような内付け工程を繰り返し行い、出発ガラスパイプの肉厚が所望の厚さとなるまでガラス層を複数層形成して、光ファイバ母材の中間体をなすガラスパイプを形成することができる。この内付け工程は、ガラス原料ガスに屈折率調整用の添加物を添加することで、堆積するガラス層の屈折率を適宜調整することができるため、様々な特性を有する光ファイバの製造に適している。
さらに、縮径工程では、例えばコラプス法またはロッドインコラプス法によりガラスパイプの中実化を行う前工程として、ガラスパイプをその長手方向に沿って加熱して軟化させ、コラプス法と同様の表面張力作用によってガラスパイプの径を小さくする。
また、このようなガラス体の加熱加工において使用される加熱源としては、一般に酸水素バーナが用いられている。酸水素バーナを用いる場合、その火炎は下から上に向かって上昇するため、通常は水平方向に配置した出発ガラスパイプをその軸回りに回転させつつ下側から火炎を当てて加熱を行う。その際、出発ガラスパイプの上側には直接火炎が当たらないため、出発ガラスパイプの円周方向にわたって均一な温度分布を得ることが難しく、出発ガラスパイプの粘性に円周方向の偏りが生じてしまう。そのため、加工後のガラスパイプの形状に歪みを生じさせやすく、火炎により発生する風圧により、軟化した出発ガラスパイプを局所的に収縮させてしまう虞もある。例えば、断面形状が非円化したガラスパイプをコラプス法により中実化してガラスロッドとし、光ファイバ母材のコア部分を形成した場合には、その母材から得られた光ファイバのコアも非円化してしまい、偏波分散を生じる等して伝送特性を低下させてしまう。
また、酸水素バーナでガラス体を加熱すると、酸水素火炎により発生した水酸基(OH基)がガラス体に混入しやすく、そのガラス体を光ファイバとしたときに水酸基による伝送損失の増加が大きくなってしまう。
これに対して、略円筒形の発熱体を有する加熱炉を熱源として、ガラス体を加熱する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この方法では、抵抗加熱式または誘導加熱式の何れかにより発熱体を昇温させ、この発熱体の内側にガラス体を挿入して加熱を行うため、ガラスパイプやガラスロッドの周方向に均一な加熱温度を得ることができる。これにより、加熱によるガラス体の非円化や、水酸基の混入を防ぐことができる。
特開平5−201740号公報
ところで、酸水素バーナの場合には酸水素火炎をガラス体に直接当てて、直接的な熱伝導作用により加熱を行うが、ガラス体を囲んだ発熱体により加熱する加熱炉の場合では、主に発熱体から放射される赤外線のエネルギーによりガラス体の熱エネルギーを上昇させて加熱を行う。この放射作用による加熱は、被加熱体の赤外線放射率(吸収率)が高いほどその加熱効率が良いが、例えば石英ガラスが被加熱体である場合には、石英ガラスの低い放射率に起因して発熱体からの熱吸収率が低い。そのため、上記のような加熱炉では、ガラス体を所望の温度まで加熱するために要する時間が、酸水素バーナに比べて長くなりやすい傾向にあった。
例えば、内付けCVD法を行う場合には、出発ガラスパイプの内表面の温度を1400℃以上の高温にする必要があるが、抵抗加熱炉や誘導加熱炉を用いた場合にはその温度まで加熱するのに酸水素バーナより長い時間を要するため、出発ガラスパイプと加熱炉との相対移動速度を遅くしなければならなかった。移動速度を遅くすると、一度の相対移動により堆積されるガラス層の1層の厚さが増すこととなり、高精度の屈折率分布調整を行うことが困難になる。さらに、形成されたガラスパイプ中に気泡を発生させたり、ガラスパイプの構造の不整合を生じてファイバ化した際の伝送損失の増加を誘発したりする虞がある。
本発明は、略円筒形の発熱体の内側でガラス体を加熱する際に、高効率の加熱を行ってガラス体の加熱時間を短くすることのできるガラス体の加熱装置及びこれを用いた光ファイバ母材の製造方法を提供することを目的としている。
上記目的を達成することのできる本発明に係るガラス体の加熱装置は、内側に挿入したガラス体を加熱する略円筒形の発熱体と、前記発熱体の中心軸方向に隣接して配置され、前記発熱体とともに前記ガラス体を囲む内表面の4μm〜12μmの波長領域における分光放射率が0.70以下である赤外線反射体と、を備えていることを特徴としている。
なお、発熱体は、抵抗加熱炉におけるヒーターを指し、誘導加熱炉におけるサセプターを指す。
また、本発明に係るガラス体の加熱装置において、前記赤外線反射体の内表面は、前記発熱体の内側に焦点が位置する放物面をなしていることが好ましい。
また、本発明に係るガラス体の加熱装置において、前記発熱体は、前記ガラス体を囲む内表面の4μm〜12μmの波長領域の30%以上における分光放射率が0.80以上であることが好ましい。
また、本発明に係るガラス体の加熱装置において、前記発熱体は、前記ガラス体を囲む内表面の4μm〜12μmの波長領域の30%以上における分光放射率が0.90以上であることが好ましい。
また、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法は、上記本発明に係るガラス体の加熱装置を用いてガラス体を加熱する加熱工程を有する。
なお、ガラス体としては、石英ガラスで形成された長尺状のガラスパイプやガラスロッドを好適に使用することができる。また、光ファイバ母材とは、そのまま線引きして光ファイバ化できるガラス体の他、径方向にクラッド層を付加した後に線引きして光ファイバ化できるガラス体、コアとなる部分を含むガラスロッドを内側に挿入して一体化した後に線引きして光ファイバ化できるガラスパイプ、等の母材の中間体も含まれる。
また、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法において、前記加熱工程は、前記ガラス体と前記発熱体とを前記ガラス体の長手方向に沿って相対移動させながら前記ガラス体を加熱する工程であることが好ましい。
本発明によれば、略円筒形の発熱体に挿入したガラス体を加熱する際に、発熱体から放射された赤外線のうち、特にガラス体の放射率の高い波長領域における赤外線を赤外線反射体によりガラス体に向かって反射させることができ、効率良く加熱を行うことができる。これにより、抵抗加熱炉や誘導加熱炉を用いて、ガラス体の非円化や水酸基の混入を防ぎつつ、短い加熱時間でガラス体の加熱加工を行うことができる。
以下、本発明に係るガラス体の加熱装置及びこれを用いた光ファイバ母材の製造方法の実施の形態の例を、図面を参照して説明する。
図1に、本発明に係る光ファイバ母材の製造方法を実施することのできるガラス体の加熱装置を示す。
図1に示すガラス体の加熱装置1は、所謂内付け法(内付けCVD法)により、ガラス体としての出発ガラスパイプの内側でガラス微粒子を生成し、それを出発ガラスパイプの内側に堆積させてガラス層を形成するものである。
ガラス体の加熱装置1は、両端付近に支持部11が立設された基台12を有している。支持部11は、それぞれ回動可能なチャック13を有しており、これらチャック13は、出発ガラスパイプGの端部をそれぞれ把持し、出発ガラスパイプGを水平に支持する。
2つの支持部11の間には、出発ガラスパイプGを加熱するための加熱炉20が設けられている。この加熱炉20には、出発ガラスパイプGを円環状に囲む発熱体を備えた加熱炉を用いることができ、例えば、誘導加熱炉や抵抗加熱炉を用いることができる。本実施形態では、誘導加熱炉を用いた場合について説明する。
加熱炉20は、基台12上の支持部11の間に設けられた支持レール14に対して取り付けられており、支持レール14の長手方向に沿って移動することができる。支持レール14は、チャック13に把持された出発ガラスパイプGの中心軸と平行に配置されており、加熱炉20は出発ガラスパイプGの中心軸と平行に移動する。
また、支持部11には、一方側(図中左側)に、ガス供給管15が接続され、他方側(図中右側)にバッファタンク16及びガス排気管17が接続されている。これらのガス供給管15とバッファタンク16及びガス排気管17は、出発ガラスパイプGの内部の空間と連続したガスの流路を形成している。
また、ガス供給管15には、出発ガラスパイプGの内部の空間へガスを導入するためのガス導入手段(図示せず)が接続されている。ガス導入手段は、四塩化ケイ素(SiCl)、酸素(O)、ヘリウム(He)や四塩化ゲルマニウム(GeCl)等を、単一種類のガスもしくは適宜混合したガスとして導入することができるように構成されている。
図1に示した加熱炉20について説明する。
図2に示すように、本実施形態の加熱炉20は、高周波誘電加熱方式の炉であり、誘導コイル21に交流電流を流すことでサセプターとして機能する発熱体23が発熱する。発熱体23は、出発ガラスパイプGの周囲を円環状に囲む円筒形状をなしており、その材質はグラファイト(C)、窒化ボロン(BN)、ジルコニア(ZrO)等を使用できる。この発熱体23がガラスの軟化点以上の温度に発熱することによって、出発ガラスパイプGを加熱して軟化させる。なお、出発ガラスパイプGの材質が、VAD法等により作成された純度の高い石英ガラスの場合、軟化点は1700℃程度である。
誘導コイル21は、発熱体23の中心軸方向の中央部分を加熱するように配置されており、適宜その巻き数が設定されている。
また、発熱体23と誘導コイル21との間には、絶縁体22が設けられている。
また、加熱炉20は、発熱体23の中心軸方向(図中横方向)の両側に赤外線反射体24がそれぞれ設けられている。赤外線反射体24は、発熱体23と同径の円筒形状をなしており、発熱体23の両側で出発ガラスパイプGの周囲を円環状に囲むように配置されている。これらの赤外線反射体24は、出発ガラスパイプGに対向する内表面24aの4μm〜12μmの波長領域における分光放射率が0.70以下となるように構成されている。この様な分光放射率を有する内表面24aとするためには、例えば内表面24aの材質をタンタル(Ta)やタングステン(W)とすれば良い。タンタルやタングステンは、4μm〜12μmの波長領域における分光放射率が0.5〜0.6程度である。また、赤外線反射体24の全体をタンタルやタングステンで構成しても良いが、内表面24aのみにタンタルやタングステンの層を形成しておき、赤外線反射体24の内部はその他の材質としても良い。赤外線反射体24の内部を構成する材質は、加熱炉20の炉内温度が1000℃以上となることを考慮すると1000℃以上の耐熱性を有するものが好ましく、例えば、グラファイト、窒化ボロン、ジルコニア等を用いることができる。また一般に、表面粗さが小さいほど放射率は小さくなるため、内表面24aにグラファイトが露呈していても、4μm〜12μmの分光放射率が0.70以下となるようにその表面粗さを小さく設定してやれば良い。
このように、赤外線反射体24の内表面24aは、4μm〜12μmの波長領域における分光放射率が0.70以下であり、波長4μm〜12μmの赤外線が高い割合で反射する。そのため、発熱体23から放射されたこの波長領域の赤外線を加熱炉20の内側に閉じ込めて、発熱体23の中心軸方向の外側に逃げてしまう熱エネルギーの損失を防ぐことができる。4μm〜12μmの波長領域は石英ガラスの加熱に寄与する割合の高い赤外線吸収帯であり、この波長領域の赤外線を加熱炉20の内側に閉じ込めることで効率良く出発ガラスパイプGを加熱することができ、出発ガラスパイプGの昇温速度を向上させることができる。また、出発ガラスパイプGから波長4μm〜12μmの赤外線が加熱炉20の外側に逃げることを防いで、放射冷却も抑制される。
また、4μm〜12μmの波長領域のうち短波長側の赤外線が特に石英ガラスの加熱に寄与しやすいことから、好ましくは4μm〜8μmの波長領域において、さらに好ましくは4μm〜6μmの波長領域において、赤外線反射体24の内表面24aの分光放射率が0.70よりさらに小さい値となっていると良い。
また、発熱体23の内表面23aは、4μm〜12μmの波長領域の30%以上における分光放射率が0.80以上となるように構成されている。上記のように、発熱体23の材質はグラファイト、窒化ボロン、ジルコニア等が用いられるが、例えば内表面23aにグラファイトが露呈されていると、内表面23aにおける4μm〜12μmの分光放射率は0.80以上となる。また、抵抗加熱または誘導加熱される発熱体23は導電体で構成する必要があるため、内表面23aに高放射率の物質の層を形成しておくことが好ましい。内表面23aに使用可能な1000℃以上の耐熱性を有する高放射率の物質としては、グラファイトの一種、窒化ボロン、炭化シリコン(SiC)、酸化セリウム(CeO)、テルビウム(Tb)を例示できる。
このように、発熱体23の内表面23aは、4μm〜12μmの波長領域の30%以上における分光放射率が0.80以上であり、波長4μm〜12μmの赤外線を高い割合で放射する。石英ガラスの吸収率の高い4μm〜12μmの波長領域において、高効率の熱エネルギーの受け渡しが可能となり、出発ガラスパイプGの昇温速度を向上させることができる。放射率が高いほど加熱効率を高くすることができるため、好ましくは、内表面23aは4μm〜12μmの波長領域の30%以上における分光放射率が0.90以上であると良い。例えば、窒化ボロンは4μm〜12μmの波長領域の30%以上における分光放射率が0.95程度である。
なお、分光放射率が高い波長領域が4μm〜12μmの波長領域の30%以上としたのは、必ずしも4μm〜12μmの全波長領域において高い分光放射率となっていなくても、高エネルギーの放射が可能となるためである。
また、上述したように、4μm〜12μmの波長領域のうち短波長側の赤外線が特に石英ガラスの加熱に寄与しやすいことから、好ましくは4μm〜8μmの波長領域において、さらに好ましくは4μm〜6μmの波長領域において、発熱体23の内表面23aの分光放射率が0.80よりさらに大きい値となっていると良い。
なお、発熱体23の内表面23a及び赤外線反射体24の内表面24aは、出発ガラスパイプGを加熱する環境下において、耐食性を有することが好ましい。また、仮に内表面23aまたは内表面24aの物質が粉塵となって出発ガラスパイプGに混入した場合を想定すると、例えば出発ガラスパイプGを後に光ファイバ化したときにその伝送特性を低下させないように、光ファイバの伝送光の波長領域(例えば1260nm〜1700nm)において光吸収特性を持たない材質を選定して内表面23a及び内表面24aに用いると良い。
また、図2に示した加熱炉20について、赤外線反射体を別の構成とした例を図3及び図4に示す。
図3に示す加熱炉20aでは、円筒状の発熱体25の中心軸方向の両側に、発熱体25内の空間を外部から遮蔽するように形成された円環板状の赤外線反射体26が設けられている。この赤外線反射体26は、発熱体25の内表面25aとともに出発ガラスパイプGを囲む内表面26aが、図2に示した加熱炉20の内表面24aと同様に、4μm〜12μmの波長領域における分光放射率が0.70以下となるように構成されている。この図3に示した形態では、発熱体25の中心軸方向の外側に逃げる赤外線を内側に閉じ込めておく作用が強く働いて熱エネルギーの損失を防ぎ、出発ガラスパイプGの昇温速度を向上させることができる。
また、図4に示す加熱炉20bのように、赤外線反射体27の内表面27aは、発熱体23の内側に焦点が位置する放物面をなしていると良い。好ましくは、発熱体23の内側の中心部に焦点が位置していると良い。このような赤外線反射体27により、発熱体23の内側の出発ガラスパイプGに対して波長4μm〜12μmの赤外線を集光させて、さらに効率の良い加熱を行うことが可能となる。
次に、図1及び図2に示したガラス体の加熱装置1を用いて出発ガラスパイプGを加熱し、内付けを行って光ファイバ母材を製造する方法について説明する。加熱炉の構成については、図3、図4に示したものも使用できる。なお、出発ガラスパイプGは、純石英ガラス(シリカガラス)により形成されたものや、シリカに屈折率調整用の添加物が添加されたガラスにより形成されたものが用いられる。
内付けを行う際には、まず、ガス導入手段により、ガス供給管15を介して四塩化ケイ素と酸素を含むガラス原料ガスを出発ガラスパイプGの内側に導入する。ガラス原料ガスには、ガラス原料ガス中の四塩化ケイ素の分圧を調整するためにヘリウムが含まれていても良い。また、酸素の量によっても四塩化ケイ素の分圧を調整することができる。
このように、出発ガラスパイプGの内側に適宜ガスを導入しつつ、出発ガラスパイプGをその中心軸回りに回転させる。回転速度は、例えば10rpm以上150rpm以下とする。回転速度を10rpm以上とすることで、出発ガラスパイプGの円周方向の温度差を小さくすることができる。また、回転速度を150rpm以下とすることで、遠心力が過大となることによる出発ガラスパイプの振れ回りの発生を抑制できる。
次に、出発ガラスパイプGの内側の表面温度が、例えば1400℃以上の所望の温度となるように、誘導コイル21に電流を流して発熱体23の温度を昇温させる。そして、加熱炉20を出発ガラスパイプGの一端側から他端側に向けて(すなわち、長手方向に沿って)移動させる。移動を開始する位置は、ガラス原料ガスが供給されるガス供給管15が設置された側とする。
図2に示すように、ガラス原料ガスが導入されている状態で加熱炉20が出発ガラスパイプGの長手方向に移動されると、加熱された領域における出発ガラスパイプGの内側では、四塩化ケイ素が酸化反応を起こして、シリカ(SiO)であるガラス微粒子(ススと呼ばれる)G1が生成される。そして、このガラス微粒子G1は、熱泳動効果によって、ガラス原料ガスの流れの下流側における出発ガラスパイプGの内側に付着して堆積(スス付けと呼ばれる)していく。そして、ガラス微粒子G1が堆積した部分には多孔質状のガラス微粒子堆積体G2が形成されるとともに、加熱炉20の移動によって加熱されて透明化し、順次ガラス層G3が形成される。
上述したように、加熱炉20は4μm〜12μmの波長領域における分光放射率が0.70以下である内表面24aを有する赤外線反射体24が設けられているため、出発ガラスパイプGを加熱して昇温させる速度が速い。そのため、加熱炉20を移動させる速度を速くすることができる。例えば、移動する速度を30mm/分以上に設定することができる。さらには、移動する速度を40mm/分より速く設定することもできる。このような移動速度とすることで、一度の移動により堆積されるガラス層の1層の厚さを薄くすることができ、高精度の屈折率分布調整を行うことが容易となる。また、出発ガラスパイプGの最高温度となる箇所から、例えば30℃温度が下がる箇所までの距離を長くすることができ、出発ガラスパイプGの長手方向における粘度の変化の割合を小さくすることができる。したがって、出発ガラスパイプGの長手方向における外径の変動を抑制することができる。さらに、形成されたガラスパイプ中の気泡の発生も防止できる。
ガラス層G3を堆積させ、加熱炉20を出発ガラスパイプGの他端側(ガス排気管17側)まで移動した後、加熱炉20の温度を、出発ガラスパイプGの内側でガラス微粒子G1が生成しない程度の温度(例えば、出発ガラスパイプGの外表面温度が500℃程度となる温度)まで下げる。そして、温度を下げた加熱炉20を、スス付けを開始したガス供給管15側まで移動して戻す。
もしくは、加熱炉20の温度を下げずに、出発ガラスパイプGの内側でガラス微粒子G1が生成しないように速い移動速度(例えば500mm/分以上)で加熱炉20を戻しても良い。
さらに上記の移動による往復移動を複数回繰り返して、所望の厚さのガラス層G3を形成する。これにより、光ファイバ母材の中間体をなす所望のガラスパイプを形成することができる。なお、出発ガラスパイプG内に供給するガスに、四塩化ゲルマニウム等の屈折率調整用のガスを含ませることで、屈折率が調整されたガラス層G3を形成することができる。
また、本発明に係るガラス体の加熱装置を用いて、出発ガラスパイプの縮径を行うこともできる。
図5に示すように、出発ガラスパイプGの縮径を行う際には、上記のガラス体の加熱装置1(図1から図4参照)を用いて、加熱炉20と出発ガラスパイプGとの相対移動速度が速い状態で縮径を行って、長手方向の形状が安定したガラスパイプ(光ファイバ母材の中間体)を得ることができる。
また、縮径した後のガラスパイプに対して、上記の加熱炉を相対移動させながらさらに加熱を行って、さらなる縮径による中実化(いわゆるコラプス法)を行ったり、コアとなる部分を含むガラスロッドを内側に挿入して縮径による一体化(いわゆるロッドインコラプス法)を行うこともできる。このように中実化したガラス体(光ファイバ母材の中間体)は、そのまま線引きして光ファイバとすることも可能であるが、好ましくは径方向にクラッド層を付加した後に線引きして光ファイバ化すると良い。
また、上記のガラス体の加熱装置は、ガラスパイプの内側に六フッ化硫黄(SF)等のガスを流して内周面を化学エッチングする際にも使用することができる。また、上記のような赤外線反射体を有する加熱炉は、線引きの際の加熱源として使用することもできる。これらの加熱工程においても、被加熱体であるガラス体を効率良く加熱することができる。
本発明に係る光ファイバ母材の製造方法を実施することのできるガラス体の加熱装置の一実施形態を示す全体概略図である。 図1に示した加熱炉を示す模式図である。 図2に示した加熱炉の他の形態を示す模式図である。 図2に示した加熱炉の他の形態を示す模式図である。 本発明に係る光ファイバ母材の製造方法において縮径を行う際の模式図である。
符号の説明
1 ガラス体の加熱装置
11 支持部
12 基台
13 チャック
14 支持レール
15 ガス供給管
16 バッファタンク
17 ガス排気管
20 加熱炉
21 誘導コイル
22 絶縁体
23,25 発熱体
23a,25a 発熱体の内周面
24,26,27 赤外線反射体
24a,26a,27a 赤外線反射体の内周面
G 出発ガラスパイプ
G1 ガラス微粒子
G2 ガラス微粒子堆積体
G3 ガラス層

Claims (6)

  1. 内側に挿入したガラス体を加熱する略円筒形の発熱体と、
    前記発熱体の中心軸方向に隣接して配置され、前記発熱体とともに前記ガラス体を囲む内表面の4μm〜12μmの波長領域における分光放射率が0.70以下である赤外線反射体と、
    を備えていることを特徴とするガラス体の加熱装置。
  2. 請求項1に記載のガラス体の加熱装置であって、
    前記赤外線反射体の内表面は、前記発熱体の内側に焦点が位置する放物面をなしていることを特徴とするガラス体の加熱装置。
  3. 請求項1または2に記載のガラス体の加熱装置であって、
    前記発熱体は、前記ガラス体を囲む内表面の4μm〜12μmの波長領域の30%以上における分光放射率が0.80以上であることを特徴とするガラス体の加熱装置。
  4. 請求項3に記載のガラス体の加熱装置であって、
    前記発熱体は、前記ガラス体を囲む内表面の4μm〜12μmの波長領域の30%以上における分光放射率が0.90以上であることを特徴とするガラス体の加熱装置。
  5. 請求項1から4の何れか1項に記載のガラス体の加熱装置を用いてガラス体を加熱する加熱工程を有する光ファイバ母材の製造方法。
  6. 請求項5に記載の光ファイバ母材の製造方法であって、
    前記加熱工程は、前記ガラス体と前記発熱体とを前記ガラス体の長手方向に沿って相対移動させながら前記ガラス体を加熱する工程であることを特徴とする光ファイバ母材の製造方法。
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