JP2006020801A - 超音波診断装置 - Google Patents

超音波診断装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2006020801A
JP2006020801A JP2004201055A JP2004201055A JP2006020801A JP 2006020801 A JP2006020801 A JP 2006020801A JP 2004201055 A JP2004201055 A JP 2004201055A JP 2004201055 A JP2004201055 A JP 2004201055A JP 2006020801 A JP2006020801 A JP 2006020801A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tracking
elastic modulus
region
blood vessel
tomographic image
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2004201055A
Other languages
English (en)
Inventor
Takao Seki
孝夫 関
Makoto Kato
真 加藤
Takashi Hagiwara
尚 萩原
Yoshinao Sorinaka
由直 反中
Yoshinobu Watanabe
良信 渡辺
Takao Suzuki
隆夫 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP2004201055A priority Critical patent/JP2006020801A/ja
Publication of JP2006020801A publication Critical patent/JP2006020801A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】 被検体組織の特性値測定が可能な超音波診断装置において、特性値の演算に要する演算量を少なくすることで、高速処理を可能とする。
【解決手段】 被検体組織に超音波を送受信する探触子101と、前記探触子101で得られた受信信号に基づいて、前記被検体組織の構造を表す断層画像を作成する断層画像処理部110と、前記被検体組織の前記断層画像として表される領域内に含まれる複数の部分領域を、追跡領域として設定する追跡領域設定部113と、前記探触子101で得られた受信信号に基づいて、前記複数の追跡領域における前記被検体組織の動きを追跡する追跡演算部105と、前記追跡演算部105で得られた追跡結果に基づいて、前記複数の追跡領域の少なくとも1つにおいて、前記被検体組織の弾性率を演算する弾性率演算部108と、前記断層画像と前記弾性率演算部108で得られた演算結果とを表示するモニタ112とを備えることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、被検体組織の特性を画像化する超音波診断装置に関するものである。
従来の超音波診断装置は、超音波を被検体に照射し、その反射エコー信号の強度を対応する画素の輝度に変換することで、被検体の構造を断層画像として得るものであった。近年、反射エコー信号の位相を解析することで、被検体の動きを精密に測定し、そこから被検体の弾性率を求めるという試みがある。
特許文献1には、反射エコー信号の検波出力信号の振幅と位相の両者を用いて、被検体の瞬間的な位置を決定することによって、高精度に組織の追跡を行ない、拍動による大振幅変位運動上の微小振動を捕らえる方法が記載されている。また、特許文献2には、特許文献1記載の方法を更に発展させ、心拍による血管壁の内面および外面の各大振幅変位運動を精密に追跡し、大振幅変位運動に重畳されている微小振動の運動速度を求め、その差から血管壁の局所弾性率を求める方法および弾性率の空間分布を断層画像に重畳表示する装置が記載されている。
特開平10−5226号 特開2000−229078号
しかしながら、従来の超音波診断装置においては、被検体組織の動きの追跡および弾性率の演算のための演算範囲は、断層画像全体であるため、演算量が大量となり、高速処理が困難であるという問題があった。このことは、リアルタイムで弾性率の空間分布を表示する場合に、特に問題となる。演算量を減らす方法としては、断層画像として表わされる領域(関心領域)を小さく設定することによって演算範囲を小さくする方法が考えられる。しかしながら、関心領域を小さくすると、被検体組織の複数の箇所について、動きの追跡や特性値演算が必要である場合、それら複数の箇所が関心領域内に収まらなくなるという問題があった。例えば、診断対象が血管である場合、血管の前壁と後壁が関心領域内に収まらなくなり、血管径が求められないという課題がある。更に血管径は、血管の弾性率、特に血管の円周方向の弾性率の演算に必要なファクターであるため、この血管径が求められないと、血管の精密な弾性率が求められない。
本発明は、従来の課題に鑑みてなされたものであり、被検体組織の動きの追跡と特性値の演算とを高速処理することが可能な超音波診断装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の超音波診断装置は、
被検体組織に超音波を送受信する超音波送受信手段と、
前記超音波送受信手段で得られた受信信号に基づいて前記被検体組織の構造を表す断層画像を作成する断層画像処理手段と、
前記被検体組織の前記断層画像として表される領域内に含まれる複数の部分領域を追跡領域として設定する追跡領域設定手段と、
前記超音波送受信手段で得られた受信信号に基づいて前記複数の追跡領域における前記被検体組織の動きを追跡する追跡演算手段と、
前記追跡演算手段で得られた追跡結果とに基づいて前記複数の追跡領域の少なくとの1つにおいて前記被検体組織の特性値を演算する特性演算手段と、
前記断層画像と前記特性演算手段で得られた演算結果とを表示する表示手段とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、被検体組織の断層画像として表される領域内に含まれる複数の部分領域を追跡領域として設定することで、被検体組織の動きの追跡処理と、特性値の演算処理とを、設定された追跡領域内という限られた領域内で行なうことができる。そのため、被検体組織の動きの追跡および特性値の演算に必要な演算量を減らし、演算処理の高速化を図ることができる。更に、本発明によれば、追跡領域を複数設定するため、前述のように演算範囲を小さくして高速処理を実現しながら、尚且つ、被検体組織の複数の箇所の動きの追跡や、特性演算が可能となる。
前述したように、本発明の超音波診断装置は、被検体組織の断層画像として表される領域内に含まれる複数の部分領域を追跡領域として設定し、設定された追跡領域内で、被検体組織の動きの追跡処理と、特性値の演算処理とを行なうものである。
前記超音波診断装置においては、前記追跡演算手段で得られた追跡結果に基づいて、前記複数の追跡領域のうちの1つの追跡領域内の部位と別の追跡領域内の部位との間の距離を演算する距離演算手段を備え、前記特性演算手段が前記追跡演算手段で得られた追跡結果と、前記距離演算手段で得られた演算結果とに基づいて、前記被検体組織の特性値を演算する構成とすることができる。
前記距離演算手段としては、例えば、血管径を演算する手段が挙げられる。このような例においては、血管壁を診断する場合に、一方の追跡領域を血管の前壁を含む領域に、他方の追跡領域を血管の後壁を含む領域にそれぞれ設定することにより、距離演算手段において、血管の前壁と後壁との間の距離、すなわち血管径を求めることができる。その結果、血管径が必要となる特性値の演算、例えば血管の円周方向の弾性率の演算が可能となる。
また、前記超音波診断装置においては、前記追跡領域設定手段によって設定される複数の追跡領域が、互いに異なる面積を有するものであってもよい。このような構成によれば、被検体組織の関心部位の大きさなどに応じて、追跡領域の面積を設定することが可能である。例えば、追跡領域面積の最適化によって、より効率的な演算処理を実現することが可能となる。
また、前記超音波診断装置においては、前記追跡領域設定手段が、複数の追跡領域を面積の和が一定となるように、設定することが好ましい。この好ましい例によれば、前記追跡手段の演算量および前記特性演算手段の演算量を、それぞれ、一定に維持することができる。よって、追跡領域の面積の和を、演算量が最適となるよう設定することによって、より効率的な演算処理を実現することが可能となる。
また、前記超音波診断装置においては、前記特性演算手段が、前記被検体組織の少なくとも1つの追跡領域における特性値を演算して少なくとも別の1つの追跡領域における特性値は演算しないことが好ましい。この好ましい例によれば、前記特性演算手段の演算量を更に減らすことができるため、演算処理の高速化が更に容易となる。
また、前記超音波診断装置においては、前記表示手段は、前記特性演算手段で得られた演算結果が、画像として、前記断層画像に重畳表示されることが好ましい。この好ましい例によれば、被検体組織の特性値の空間分布を、被検体組織に構造と対応させて把握することができる。
また、前記超音波診断装置において、前記特性演算手段が、前記被検体組織の特性値として弾性率を演算するような構成とすることができる。すなわち、特性演算手段を、弾性率演算手段とすることができる。
以下、本発明の実施の形態に係る超音波診断装置の一例について、図面を用いて説明する。
なお、以下の実施の形態においては、被検体組織として血管を観測し、追跡領域として、血管前壁および後壁をそれぞれ対象とする2つの追跡領域が設定される構成を例示する。また、特性値としては、血管の弾性率を測定するものとする。
しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、血管以外の組織を被検体組織としたり、3以上の追跡領域を設定することも可能である。このような形態としては、例えば、被検体組織として心臓を観測し、断層画像が心臓の左室長軸断層像を示している時、追跡領域として、それぞれ、右室前壁、心室中隔および左室後壁を対象とする3つの追跡領域を設定するという形態が挙げられる。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る超音波診断装置の一例を示すブロック図である。この超音波診断装置は、被検体組織である血管の構造を示す断層画像を得るとともに血管の弾性率の分布を示す弾性率画像とを表示する、ものである。
図1に示すように、この超音波診断装置1は、制御部100、探触子101、送信部102、受信部103、断層画像処理部110、弾性率画像処理部109、画像合成部111およびモニタ112を備えている。更に、外部測定装置として、血圧測定部114、心電または心音測定部115が接続されている。
制御部100は、超音波診断装置1全体を制御するものである。この制御には、信号処理のための各種パラメータの設定、探触子101に対する信号送受信のタイミング制御、モード制御、画面表示の制御など、あらゆる制御が含まれる。また、制御部100は、ユーザインターフェースを備えており、ユーザが、このユーザインターフェースを操作して、追跡領域の設定、各種情報および指示の入力などを実施できるように構成されている。
更に、制御部100は、弾性率画像処理部109での演算対象となる2つの追跡領域(以下、「第1追跡領域」および「第2追跡領域」とする。)を設定するための、追跡領域設定部113を備えている。追跡領域設定部113は、第1および第2の追跡領域を同時に設定する構成であっても、それぞれ個別に設定する構成であってもよい。後者は、例えば、ユーザによって第1追跡領域設定モードが選択された場合は、第1追跡領域の設定が可能となり、第2追跡領域設定モードが選択された場合は、第2追跡領域の設定が可能となるような構成である。この場合、ユーザによる追跡領域設定モードの切り換えは、ユーザインターフェースによって実施できるように構成される。
送信部102は、制御部100の指示を受けて、探触子101に対して駆動信号を送信する。探触子101は、送信部102からの駆動信号を超音波に変換して、被検体に照射する。更に、探触子101は、被検体で反射した超音波エコーを、電気的なエコー信号に変換し、これを受信部103に送信する。受信部103は、探触子101からのエコー信号を増幅するとともに、定められた位置/方向からの超音波のみを検出する。断層画像処理部110は、バンドパスフィルタ、対数増幅器、検波器などからなり、エコー信号を包絡線検波することで、被検体の内部構造を画像化する。
弾性率画像処理部109は、直交検波器104、追跡演算部105、血管径演算部107、弾性率演算部106および弾性率画像作成部108を含み、第1および第2追跡領域における弾性率分布を画像化する。直交検波部104は、エコー信号を直交検波する。追跡演算部105は、エコー信号を解析して追跡演算を行い、被検体組織の動きを追跡する。血管径演算部107は、追跡演算部105で得られた追跡結果から、第1追跡領域内の部位(血管前壁)と、第2追跡領域内の部位(血管後壁)との間の距離、すなわち血管径を求める。弾性率演算部106は、被検体組織の動きの追跡結果と、血圧測定部111で測定された血圧差とから、第1および第2追跡領域における組織の局所弾性率を計算する。弾性率画像作成部108は、弾性率演算部106で得られた結果に基づいて、第1および第2追跡領域における弾性率分布を画像化する。
画像合成部111は、断層画像処理部110で得られた断層画像と、弾性率画像処理部109で得られた弾性率画像を合成し、モニタ112に表示する。更に、画像合成部111は、心電または心音測定部115で得られた心電波形、心音波形または血管径波形を加えて合成し、モニタ112に表示してもよい。
図2は、被検体組織として血管を観測した場合の、モニタ112に出力される出力画像の一例を示す模式図である。この例においては、断層画像200は、血管の血管前壁209、血液211、粥腫212を含む血管後壁210を示している。断層画像200は、画面上に示された断層画像用反射強度スケール202に従って描画されている。弾性率画像は、血管前壁を含む第1追跡領域205と、血管後壁を含む第2追跡領域206において、表示されている。この弾性率画像は、画面上に示された弾性率画像用弾性率スケール203に従って描画されている。また、画面上には、診断中の被検者の心電、心音または血管径波形204が描画されてもよい。
次に、上記超音波診断装置の動作の一例について説明する。
まず、探触子101が、被検者の体表に配置される。そして、制御部100の指示により、送信部102から駆動信号を探触子101に送信される。駆動信号は、探触子101において超音波に変換されて、被検体に送波される。この超音波は被検体組織(例えば、血管壁)で反射され、その反射波の一部が探触子101で受波されて、電気信号(受信信号)に変換され、受信部103に送信される。受信信号は、受信部103から断層画像処理部110に出力される。断層画像処理部110では、受信信号に基づいて被検体組織の構造を示す断層画像が作成されて、これが画像合成部111に出力され、モニタ112に表示される。
ユーザは、モニタ112に表示された断層画像を参照しながら、制御部100のユーザインターフェースを用いて、被検体組織の動きを追跡する第1追跡領域および第2追跡領域を設定する。本実施形態においては、第1追跡領域を血管前壁に、第2追跡領域を血管後壁に、それぞれ設定する(以下、本実施形態において、第1追跡領域を「前壁用追跡領域」とし、第2追跡領域を「後壁用追跡領域」とする。)。
まず、ユーザによって、追跡領域設定モードとして、第1追跡領域設定モードが選択されると、超音波診断装置1は、モニタ112に表示されている断層画像200上に、前壁用追跡領域205を重ねて表示する。ユーザは、断層画像200を見ながら、血管前壁209が含まれるように、表示された前壁用追跡領域205の位置とサイズとを、制御部100のユーザインターフェースに設けられたトラックボールなどを操作して、設定する。この設定は、制御部100の追跡領域設定部113によって監視される。例えば、前壁用追跡領域205のサイズに関しては、弾性率画像処理部109で演算可能な大きさである場合にのみ設定できるように、追跡領域設定部113がサイズ変更を監視する。
次に、ユーザは第2追跡領域設定モードを選択する。第2追跡領域設定モードが選択されると、超音波診断装置1は、モニタ112の断層画像200上に、後壁用追跡領域206を表示する。このとき、後壁用追跡領域206は、先に設定した前壁用追跡領域205から音線方向に下へ平行移動した位置に表示されることが好ましい。また、表示される後壁用追跡領域206は、前壁用追跡領域205と同じ幅(血管軸方向の寸法)を持つことが好ましい。ユーザは、断層画像200を見ながら、血管後壁210が含まれるように、表示された後壁用追跡領域206の位置およびサイズを、制御部100のユーザインターフェースに設けられたトラックボールなどを操作して、設定する。この設定は、制御部100の追跡領域設定部113によって監視される。例えば、後壁用追跡領域206のサイズに関しては、前壁用追跡領域205と同様に、弾性率画像処理部109で演算可能な大きさの場合にのみ設定できるように、追跡領域設定部113がサイズ変更を監視する。
追跡領域のサイズに関しては、2つの追跡領域の面積の和が一定となるように、追跡領域設定部113が追跡領域のサイズ変更を監視することが好ましい。追跡領域の面積の和を、弾性率画像処理部109における追跡演算および弾性率演算が可能な最大の面積に設定することにより、弾性率画像処理部109のパフォーマンスを常に最大限生かした追跡領域設定が可能となる。
なお、上記説明においては、前壁用追跡領域205を設定した後に、後壁用追跡領域206を設定したが、逆順で設定してもよい。
また、2つの追跡領域の設定モードをそれぞれ別個に設けることなく、両追跡領域を断層画像上に同時に表示し、同画面上で、両追跡領域を設定するような構成とすることも可能である。
追跡領域設定後、制御部100は、断層像作成のための超音波送受信に加えて、設定した追跡領域内の被検体組織を追跡するように、超音波送受信の制御を行なう。直交検波部104では、被検体組織を追跡するためのエコー信号を直交検波し、検波信号を得る。追跡演算部105は、前壁用追跡領域205内と後壁用追跡領域206内の被検体組織についてのみ、検波信号を使用して、動き追跡を行う。前記追跡演算部105における被検体組織の追跡演算には、例えば、特許文献2に記載されている位相情報を用いるトラッキング法などを用いることができる。
血管径演算部107は、追跡演算部105で得られた追跡結果から、前壁用追跡領域205内の血管前壁209と、後壁用追跡領域206内の血管後壁210の内壁位置を検出し、両内壁間の距離、すなわち血管径を求める。なお、ここでは血管径を血管の内径としたが、血管中膜の内径、血管外膜の内径、血管外膜の外径を使用してもよい。
2つの追跡領域が、同一の幅を有し、かつ、血管軸の同一周上に位置している場合は、2つの追跡領域内において、血管軸方向の全ての部位において血管径を算出することができる。しかしながら、本発明はこのような形態に限定されず、2つの追跡領域の幅が異なっていたり、血管軸の同一周上に位置していなくてもよい。
弾性率演算部106は、追跡演算部105で得られた追跡結果、血管径演算部107で得られた血管径、および、血圧測定部114で得られた血圧値から、被検体組織の弾性率を演算する。ここで、動脈血管壁の弾性率の演算方法の一例を、図3を用いて説明する。まず、追跡領域内にあらかじめ設定された追跡点における追跡波形と、この追跡点と上下方向に隣接する追跡点における追跡波形との差分から、厚み波形を求める。この厚みの最大値をhmax、最小値をhminとし、血圧測定部で得られた最高血圧をPh、最低血圧をPlとし、血管径演算部で得られた血管径をRとしたとき、血管の円周方向の弾性率Eθは、(数1)で求めらる。
Figure 2006020801
なお、2つの追跡領域の幅が異なっていたり、血管軸の同一周上に位置していない場合は、追跡領域内の演算可能な部位で求められた1つまたは複数の血管径を代表値として、追跡領域内の全ての部位において、この代表値を用いて弾性率を求めればよい。
弾性率画像作成部108においては、弾性率演算部106で得られた弾性率に基づき、弾性率の分布を、弾性率画像用スケール203に従って表した弾性率画像を作成する。弾性率の演算は、被検体組織の動きの追跡結果を使用して求めるので、弾性率を表示する領域は、ほぼ、動きを追跡する領域に一致する。しかしながら、厳密には、弾性率を求めるには厚み波形が必要であるが、隣あう追跡点が存在しない上下端では、厚み波形が求められないため、追跡領域の上下の辺より僅か内側の領域が、弾性率を表示する領域となる。
弾性率画像は、画像合成部111に出力される。画像合成部111では、弾性率画像と、断像画像処理部110で作成された断層画像と、心電、心音または血管径波形とが合成され、出力画像として出力される。この出力画像は、モニタ112に表示される。
断層画像および弾性率画像の表示方法については、特に限定するものではなく、例えば、図2に示すように、両者を重畳表示することができる。その他の例としては、断層画像の一部を弾性率画像で置換する方法、断層画像上には追跡領域の位置およびサイズのみを表示し、前記追跡領域に対応する弾性率画像を別の領域に表示する方法などが挙げられる。
本発明の第1の実施の形態の超音波診断装置によれば、観測したい血管の前壁と後壁に設定された2つの追跡領域内においてのみ、組織の追跡を行い、得られた追跡結果から血管径と弾性率とを求め表示するため、追跡処理と弾性率演算に必要な演算量が比較的少ない。そのため、処理速度の高速化、ハードウェア規模の縮小などを図ることができる。
また、第1追跡領域と第2追跡領域を、領域のサイズが互いに異なるように設定可能であるため、血管の前壁または後壁のうち、注目したい(例えば、粥腫が存在するなど)どちらか一方のみを大きな追跡領域で観測できるなど、診断時の利便性が高いという利点がある。
(第2の実施の形態)
第1の実施の形態においては、第1追跡領域および第2追跡領域の両方について、弾性率の演算を行い、弾性率画像を作成・表示したが、本発明は、これに限定されるものではなく、複数の追跡領域のうちの少なくとも1つにおいて、弾性率の演算、弾性率画像の作成・表示が実施されればよい。
本実施の形態においては、このような形態の一例として、弾性率の演算、弾性率画像の作成・表示を、第1追跡領域についてのみ実施し、第2追跡領域については実施しない形態について説明する。
この超音波診断装置は、弾性率演算部での弾性率の演算、および、弾性率画像作成部での弾性率画像の作成を、第1追跡領域については実施するが、第2追跡領域については実施しないこと以外は、前記第1の実施形態と実質的に同様の構成を有しているため、ここでは、構成についての詳細な説明は省略する。
図4は、本実施形態に係る超音波診断装置の出力画像の一例を示す。なお、図4においては、図2と同一部分に同一の符号を付している。この例においては、図2と同様に、断層画像200は、血管の血管前壁209、血液211、粥腫212を含む血管後壁210を示している。断層画像200は、画面上に示された断層画像用反射強度スケール202に従って描画されている。弾性率画像は、血管後壁および粥腫を含む第1追跡領域208において表示されている。この弾性率画像は、画面上に示された弾性率画像用弾性率スケール203に従って描画されている。一方、血管後壁を含む第2追跡領域207においては、この追跡領域の位置およびサイズを示す表示のみが示されている。また、画面上には、診断中の被検者の心電、心音または血管径波形204が描画されてもよい。
次に、上記超音波診断装置の動作の一例について説明する。
まず、第1の実施の形態と同様に、制御部100の指示により、被検体に対して超音波の送受信が実施され、被検体組織の構造を示す断層画像が作成され、モニタ112に表示される。
ユーザは、モニ112タに表示された断層画像を参照しながら、制御部100のユーザインターフェースを用いて、被検体組織の動きを追跡する第1追跡領域および第2追跡領域を設定する。本実施形態においては、第1追跡領域を、弾性率を測定したい関心部位を追跡できるように、第2追跡領域を、血管径測定のための血管壁を追跡できるように、それぞれ、設定される(以下、本実施形態において、第1追跡領域を「弾性率測定用追跡領域」とし、第2追跡領域を「血管径測定用追跡領域」とする。)。
まず、ユーザによって、追跡領域設定モードとして、第1追跡領域設定モードが選択されると、超音波診断装置1においては、モニタ112に表示されている断層画像200上に、弾性率測定用追跡領域208が重ねて表示される。ユーザは、第1の実施形態と同様の操作により、断層画像200を見ながら、弾性率を測定したい関心部位(図4の例では、血管後壁の粥腫を含む部位)が含まれるように、表示された弾性率測定用追跡領域208の位置とサイズとを設定する。この設定は、制御部100の追跡領域設定部113によって監視され、例えば、弾性率測定用追跡領域205のサイズに関しては、弾性率画像処理部109で演算可能な大きさである場合にのみ設定できるように、サイズ変更が監視される。また、本実施形態においては、弾性率測定用追跡領域208のサイズは、演算可能な最大の面積に固定してもよい。
次に、ユーザは第2追跡領域設定モードを選択する。第2追跡領域設定モードが選択されると、超音波診断装置1においては、モニタ112の断層画像200上に、血管径測定用追跡領域207が表示される。このとき、血管径測定用追跡領域207は、先に設定した弾性率測定用追跡領域208から音線方向に平行移動した位置に表示されることが好ましい。また、表示される血管径測定用追跡領域207は、弾性率測定用追跡領域208と同じ幅(血管軸方向の寸法)を持つことが好ましい。また、その高さ(血管径方向の寸法)は、血管壁を検出・追跡可能な最小の寸法であることが好ましい。ユーザは、断層画像200を見ながら、もう一方の血管壁(図4の例では、血管前壁)が含まれるように、表示された血管径測定用追跡領域207の位置を、制御部100のユーザインターフェースに設けられたトラックボールなどを操作して、設定する。この設定は、制御部100の追跡領域設定部113によって監視される。
なお、2つの追跡領域は、設定モードをそれぞれ別個に設けることなく、両追跡領域を断層画像上に同時に表示し、同画面上で、両追跡領域を設定するような構成とすることも可能である。
追跡領域設定後、制御部100は、断層像作成のための超音波送受信に加えて、設定した追跡領域内の被検体組織を追跡するように、超音波送受信の制御を行なう。そして、第1の実施の形態と同様にして、弾性率測定用追跡領域208内と血管径測定用追跡領域207内の被検体組織についてのみ動き追跡を行う。また、第1の実施の形態と同様に、血管径演算部107は、追跡演算部105で得られた追跡結果から、血管径を求める。
弾性率演算部106は、追跡演算部105で得られた追跡結果、血管径演算部107で得られた血管径、および、血圧測定部114で得られた血圧値から、被検体組織の弾性率を演算する。そして、弾性率画像作成部108において弾性率画像を作成し、弾性率画像と、断像画像処理部110で作成された断層画像とを画像合成部111で合成して、出力画像を作成し、これをモニタ112に表示する。なお、これらの動作については、第1の実施の形態と同様である。
本発明の第2の実施の形態の超音波診断装置によれば、第1の実施の形態によって達成される効果に加えて、更に、弾性率画像処理部が、注目しているどちらか一方の血管壁に置かれた弾性率測定用追跡領域内の弾性率のみを求めるため、弾性率画像処理部が行なう演算量を減らすことができる。
以上のように、本発明に係る超音波診断装置は、複数の追跡領域を設定しこの追跡領域内という限られた範囲内で組織の追跡演算と特性値演算とを行なうため、演算量を比較的小さくすることができ、高速処理およびハードウェア規模の縮小が可能である。また、複数の追跡領域を設定するため、演算量を小さくしながらも、複数の箇所の特性を求めることができる。よって、本発明の超音波診断装置は、血管などの被検体組織の特性を測定するための超音波診断装置として、各種医療分野での活用に好適である。
本発明の第1の実施の形態に係る超音波診断装置の一例を示すブロック図である。 上記超音波診断装置の出力画像の一例を示す図である。 被検体組織の追跡結果から厚み波形を求める過程を説明する図である。 本発明の第2の実施の形態に係る超音波診断装置の出力画像の一例を示す図である。
符号の説明
100 制御部
101 探触子
102 送信部
103 受信部
104 直交検波部
105 追跡演算部
106 弾性率演算部
107 距離演算部
108 弾性率画像作成部
109 弾性率画像処理部
110 断層画像処理部
111 画像合成部
112 モニタ
113 追跡領域設定部
114 血圧測定部
115 心電または心音測定部
200 断層画像
202 断層画像用反射強度スケール
203 弾性率画像用弾性率スケール
204 心電または心音または血管径波形
205 第1追跡領域(前壁用追跡領域)
206 第2追跡領域(後壁用追跡領域)
207 第1追跡領域(血管径測定用追跡領域)
208 第2追跡領域(弾性率測定用追跡領域)
209 血管前壁
210 血管後壁
211 血液
212 粥腫

Claims (7)

  1. 被検体組織に超音波を送受信する超音波送受信手段と、
    前記超音波送受信手段で得られた受信信号に基づいて前記被検体組織の構造を表す断層画像を作成する断層画像処理手段と、
    前記被検体組織の前記断層画像として表される領域内に含まれる複数の部分領域を追跡領域として設定する追跡領域設定手段と、
    前記超音波送受信手段で得られた受信信号に基づいて前記複数の追跡領域における前記被検体組織の動きを追跡する追跡演算手段と、
    前記追跡演算手段で得られた追跡結果に基づいて前記複数の追跡領域の少なくとも1つにおいて前記被検体組織の特性値を演算する特性演算手段と、
    前記断層画像と前記特性演算手段で得られた演算結果とを表示する表示手段とを備えることを特徴とする超音波診断装置。
  2. 前記追跡演算手段で得られた追跡結果に基づいて前記複数の追跡領域のうちの1つの追跡領域内の部位と別の追跡領域内の部位との間の距離を演算する距離演算手段を備え、
    前記特性演算手段が前記追跡演算手段で得られた追跡結果と前記距離演算手段で得られた演算結果とに基づいて前記被検体組織の特性値を演算する請求項1に記載の超音波診断装置。
  3. 前記追跡領域設定手段によって設定される複数の追跡領域が互いに異なる面積を有する請求項1または2に記載の超音波診断装置。
  4. 前記追跡領域設定手段が複数の追跡領域を面積の和が一定となるように設定する請求項1〜3のいずれかに記載の超音波診断装置。
  5. 前記特性演算手段が前記被検体組織の少なくとも1つの追跡領域における特性値を演算して少なくとも別の1つの追跡領域における特性値は演算しない請求項1〜4のいずれかに記載の超音波診断装置。
  6. 前記表示手段において、前記特性演算手段で得られた演算結果が画像として前記断層画像に重畳表示される請求項1〜5のいずれかに記載の超音波診断装置。
  7. 前記特性演算手段において演算される前記被検体組織の特性値が弾性率である請求項1〜6のいずれかに記載の超音波診断装置。
JP2004201055A 2004-07-07 2004-07-07 超音波診断装置 Withdrawn JP2006020801A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004201055A JP2006020801A (ja) 2004-07-07 2004-07-07 超音波診断装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004201055A JP2006020801A (ja) 2004-07-07 2004-07-07 超音波診断装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2006020801A true JP2006020801A (ja) 2006-01-26

Family

ID=35794492

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004201055A Withdrawn JP2006020801A (ja) 2004-07-07 2004-07-07 超音波診断装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2006020801A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009060732A1 (ja) * 2007-11-06 2009-05-14 Hitachi Medical Corporation 超音波診断装置
WO2009154133A1 (ja) * 2008-06-16 2009-12-23 株式会社 日立メディコ 超音波診断装置、超音波画像表示方法及び超音波診断プログラム
US7766832B2 (en) 2005-10-17 2010-08-03 Kabushiki Kaisha Toshiba Ultrasonic diagnostic device and image processing device
JP2012100850A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Fujifilm Corp 超音波診断装置および超音波診断方法

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7766832B2 (en) 2005-10-17 2010-08-03 Kabushiki Kaisha Toshiba Ultrasonic diagnostic device and image processing device
WO2009060732A1 (ja) * 2007-11-06 2009-05-14 Hitachi Medical Corporation 超音波診断装置
JP5322945B2 (ja) * 2007-11-06 2013-10-23 株式会社日立メディコ 超音波診断装置
WO2009154133A1 (ja) * 2008-06-16 2009-12-23 株式会社 日立メディコ 超音波診断装置、超音波画像表示方法及び超音波診断プログラム
JP5400773B2 (ja) * 2008-06-16 2014-01-29 株式会社日立メディコ 超音波診断装置、超音波画像表示方法及び超音波診断プログラム
JP2012100850A (ja) * 2010-11-10 2012-05-31 Fujifilm Corp 超音波診断装置および超音波診断方法
US8672847B2 (en) 2010-11-10 2014-03-18 Fujifilm Corporation Ultrasound diagnostic apparatus and method

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6884216B2 (en) Ultrasound diagnosis apparatus and ultrasound image display method and apparatus
CN107072635B (zh) 用于中间用户反馈的多跳超声心动图采集的质量度量
WO2014081006A1 (ja) 超音波診断装置、画像処理装置および画像処理方法
WO2011013346A1 (ja) 超音波診断装置
WO2007138751A1 (ja) 超音波診断装置、医用画像処理装置及び医用画像処理プログラム
US20080262348A1 (en) Ultrasonic diagnostic apparatus and control method thereof
EP2253275A1 (en) Ultrasonic diagnostic apparatus, ultrasonic image processing apparatus and ultrasonic image processing method
JP2009089736A (ja) 超音波診断装置
KR20120044266A (ko) 초음파 진단 장치 및 조직 움직임 추적 방법
US11883237B2 (en) Systems, methods, and apparatuses for confidence mapping of shear wave imaging
US11701091B2 (en) Ultrasound analysis apparatus and method for tissue elasticity and viscosity based on the hormonic signals
JP2004313291A (ja) 超音波診断装置、医用画像解析装置及び医用画像解析方法
JP4764209B2 (ja) 超音波信号解析装置、超音波信号解析方法、超音波解析プログラム、超音波診断装置、及び超音波診断装置の制御方法
US20120310089A1 (en) Ultrasound diagnostic apparatus
JP2008073423A (ja) 超音波診断装置、診断パラメータ計測装置及び診断パラメータ計測方法
JP5156750B2 (ja) 超音波診断装置
JP5588928B2 (ja) 超音波診断装置
JP5606025B2 (ja) 超音波診断装置、超音波画像処理装置及び超音波画像処理プログラム
WO2012090658A1 (ja) 超音波診断装置および画像処理方法
JP2006020801A (ja) 超音波診断装置
JP2005143733A (ja) 超音波診断装置、3次元画像データ表示装置及び3次元画像データ表示方法
JP2006523485A (ja) 心臓壁ひずみ画像法
JP6274489B2 (ja) 超音波診断装置、医用画像処理装置および医用画像処理プログラム
JP2005081081A (ja) 超音波ドプラ診断装置及び診断パラメータ計測方法
JP4679141B2 (ja) 超音波診断装置および超音波診断画像の表示方法

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071002