JP2006020115A - 偏波共用アンテナ装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 表面に地導体面が形成された誘電体基板10と、地導体面に形成され、垂直偏波用スロット部21に水平偏波用スロット部22を交差させた構成を有する十字形給電スロット20と、垂直偏波用スロット部21に給電するために誘電体基板10の裏面に形成された垂直偏波給電線路30と、水平偏波用スロット部22に給電するために誘電体基板10の裏面に形成された水平偏波給電線路40と、十字形給電スロット20に対向するように誘電体基板の表面前方に配設された無給電素子50と、を備える。無給電素子50は、少なくとも水平偏波用スロット部22の長手軸線に沿うラインを中心として分割され、かつ、この分割によって形成された各分割体53相互を高周波結合する結合部52を備えている。
【選択図】 図1
Description
この偏波ダイバーシチ方式の基地局アンテナ装置として、加入者容量を上げるためにアンテナに指向性を持たせてセクタ化したものが提案されている。
このアンテナ装置は、誘電体基板上に構成されたスロットアンテナに無給電素子を付加した水平偏波アンテナと、水平偏波アンテナの両側に配置される2面合成したダイポールアンテナからなる垂直偏波アンテナと、を備え、これらを1枚の反射板上に配置した構成を有する。(例えば、特許文献1参照)。
このアンテナ装置によれば、水平面指向性における垂直偏波ビーム幅と水平偏波のビーム幅とを同一にすることが可能であるので、セクタ化した送受信エリアを垂直偏波と水平偏波とで等しく形成することができる。
本発明の目的は、このような状況に鑑み、構造を複雑化することなく垂直偏波および水平偏波の水平面におけるビーム幅を調整することができる偏波共用アンテナ装置を提供することにある。
図1は、垂直偏波および水平偏波を放射するように構成された本発明に係る偏波共用アンテナ装置の実施形態を示す斜視図である。
図1において、誘電体基板10の表面中央部には、十字形の給電スロット20が設けられ、また、誘電体基板10の裏面には、垂直偏波給電線路30および水平偏波給電線路40が設けられている。
垂直偏波用スロット部21と水平偏波用スロット部22は、それぞれその中心部から両端部に向かってテーパ状に拡がる形状、換言すれば、2つの等脚台形の短辺相互を同一面内で結合した形状を有する。そして、この垂直偏波用スロット部21と水平偏波用スロット部22は、例えばその長手方向長が使用周波数の波長λの約1/2に設定されるともに、その最大幅長(上記等脚台形の長辺の長さ)が上記波長λの約1/10に設定される。
上記給電線路30,40は、上記軸線L上で交差するので、その交差部位で相互が接触するのを回避する必要がある。そこで、この実施の形態では、図2に示すように、上記交差部位で一方の給電線路40を他方の給電線路30上に迂回させて、両者の接触を回避している。
無給電素子50の一辺の基準長さは、上記使用周波数の波長λの約1/2に設定され、また、無給電素子50から誘電体基板10に至る距離は、例えば上記波長λの約1/4に設定される。
この無給電素子50は、結合部52が上記水平偏波用スロット部22の長手軸線に沿って位置するように配設される。
上記金属箔11からなる地導体面が十分広い場合、一般的に水平面指向性における垂直偏波のビーム幅が水平偏波のビーム幅よりも広くなる傾向を示す。すなわち、たとえば、図3(a)に示すように垂直偏波のビーム幅が77°である場合、図3(b)に示すように水平偏波のビーム幅は例えば63°になる。
垂直偏波のビーム幅を狭くする第1の手段として、無給電素子の水平方向の幅(垂直偏波用スロット部21の長手方向に沿った幅)を広げる方法がある。しかし、この方法では、水平偏波の共振長が大きくなって水平偏波の共振周波数が低い方へずれるため、垂直偏波と水平偏波の共振周波数が異なってしまうという間題が発生する。
垂直偏波のビーム幅を狭くする第2の手段として、反射板60の立ち上げ部61の高さを増す方法がある。しかし、この方法では、水平偏波のビーム幅にも影響を与えるので、垂直偏波と水平偏波のビーム幅を等しくするように調整することが困難となる。
以下、水平面における垂直偏波のビーム幅77°と水平偏波のビーム幅63°を共に約60°に調整する例を説明する。
まず、垂直偏波のビーム幅を狭くするために、無給電素子50の水平方向の幅(垂直偏波用スロット部21の長手方向に沿った幅)を広げる。つまり、無給電素子50の両側端54,54をそれぞれ延長する。垂直偏波の放射に寄与する電流波源は、上記無給電素子50の両側端54,54に集中している。したがって、上記のように両側端54,54の間隔を広げることにより、垂直偏波のビーム幅を狭くすることができる。
すなわち、平行板で形成される前記結合部52の間隔と結合面積は、上記水平偏波の共振周波数に影響を与える。そこで、結合部52の間隔と結合面積のいずれか一方もしくは双方を調整することによって、共振周波数を適正な値へ戻すことができる。
このとき、水平偏波の水平面でのビーム幅はほとんど変化しない。すなわち、上記のように無給電素子50の形状を変化させても、実質上、水平偏波のビーム幅に影響を与えない。
水平偏波のビーム幅は、前記反射板60の立ち上げ部61の高さで調整することができる。したがって、この立ち上げ部61の高さもビーム幅の調整用要素として加えることにより、垂直偏波および水平偏波の水平面指向性におけるビーム幅の調整がさらに容易となる。
このように、この実施形態に係る偏波共用アンテナ装置によれば、簡易な構成にもかかわらず垂直偏波のビーム幅と水平偏波のビーム幅をほぼ等しくすることができる。
折り曲げ部92,92は、平行板からなる結合部93を構成し、この結合部93によって各分割体91,91が高周波的に結合される。
この無給電素子90によれば、分割ラインmに沿った結合部93の結合面積および/または結合間隔の変化によって水平偏波の共振周波数を調整することができ、また、分割ラインnに沿った結合部93の結合面積および/または結合間隔の変化によって垂直偏波の共振周波数を調整することができる。それゆえ、垂直偏波のビーム幅および水平偏波のビーム幅の調整の自由度が一層高められる。
このアレーアンテナ構造を有する偏波共用アンテナ装置は、特に移動体通信用の基地局アンテナとして好適である。
11 金属箔
20 給電スロット
21 垂直偏波用スロット部
22 水平偏波用スロット部
30 垂直偏波給電線路
40 水平偏波給電線路
50,80,90 無給電素子
53,81,91 分割体
52,72,83,93 結合部
60,600 反射板
61,610 立ち上げ部
Claims (9)
- 表面に地導体面が形成された誘電体基板と、
前記地導体面に形成され、垂直偏波用スロット部に水平偏波用スロット部を交差させた構成を有する十字形給電スロットと、
前記垂直偏波用スロット部に給電するために前記誘電体基板の裏面に形成された垂直偏波給電線路と、
前記水平偏波用スロット部に給電するために前記誘電体基板の裏面に形成された水平偏波給電線路と、
前記十字形給電スロットに対向するように前記誘電体基板の表面前方に配設された無給電素子と、を備え、
前記無給電素子は、少なくとも前記水平偏波用スロット部の長手軸線に沿うラインを中心として分割され、かつ、この分割によって形成された各分割体相互を高周波結合する結合部を備えることを特徴とする偏波共用アンテナ装置。 - 前記無給電素子は、前記水平偏波用スロット部の長手軸線に沿うラインを中心として2分割され、前記結合部は、前記各分割体の隣接する縁部をそれぞれ直角に折り曲げることによって形成された平行板で構成されることを特徴とする請求項1に記載の偏波共用アンテナ装置。
- 前記無給電素子は、前記水平偏波用スロット部の長手軸線に沿うラインを中心として2分割され、前記結合部は、前記各分割体の一部を重ね合わせることによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の偏波共用アンテナ装置。
- 前記無給電素子は、前記水平偏波用スロット部の長手軸線に沿うラインを中心として2分割され、前記結合部は、前記各分割体の隣接縁部に跨るように平板状の結合素子を重ね合わせることによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の偏波共用アンテナ装置。
- 前記無給電素子は、前記垂直偏波用スロット部の長手軸線に沿うラインおよび前記水平偏波用スロット部の長手軸線に沿うラインを中心として分割されていることを特徴とする請求項1に記載の偏波共用アンテナ装置。
- 前記結合部は、前記各分割体の隣接する縁部をそれぞれ直角に折り曲げることによって形成された平行板で構成されることを特徴とする請求項5に記載の偏波共用アンテナ装置。
- 前記垂直偏波用スロット部および水平偏波用スロット部は、それぞれ2つの等脚台形の短辺相互を同一面内で結合した形状を有することを特徴とする請求項1に記載の偏波共用アンテナ装置。
- 前記誘電体基板の裏面後方に反射板を配設したことを特徴とする請求項1に記載の偏波共用アンテナ装置。
- 前記十字形給電スロットを同一の誘電体基板上で水平方向または垂直方向に複数配列するとともに、これらの給電スロットに対して前記無給電素子を個別に対向配置して、アレーアンテナ構造を持たせたことを特徴とする講求項1に記載のアンテナ装置。
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