JP2006019483A - 半導体評価方法および装置 - Google Patents

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Yoshiyuki Sato
芳之 佐藤
Akio Takano
明雄 高野
Toru Ishizaki
亨 石崎
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Abstract

【課題】半導体表面から10nm程度の極浅い領域にドーピングされた不純物の深さ方向分布を測定する事は、既存のどの方法においても、主として深さ方向分解能の不足によって、不可能であった。しかし、これを実現させることが最新半導体デバイス開発において必要であるため、これを可能にする技術の実現が切望されていた。
【解決手段】本発明では、半導体表面から10nm程度の極浅い領域について、その最表面の1nm以下の薄い領域を、不純物分布を乱すことなく酸化し、その酸化膜中を薬液により溶解させる。そして、薬液中にとりこまれる不純物量と半導体構成元素量を既存の方法で定量する。これを繰り返すことによって、今まで実質的に不可能だった10nm程度の極浅領域の不純物深さ方向濃度分布測定を可能にさせる。
【選択図】図2

Description

本発明は半導体の表面近傍にドーピングした不純物の深さ方向濃度分布を評価するための方法および装置に関するものである。
従来、半導体の表面近傍にドーピングした不純物の深さ方向濃度分布を測定する方法としては、2次イオン質量分析法、広がり抵抗法、CV測定法、繰り返しシート抵抗測定法などがあった。
しかし、いずれの方法も不純物分布の深さが30nm程度の深いものまでの測定は高精度に行うことができるが、それ以下の深さのものは実質的に不可能であった。しかし、今後のLSIなどの半導体部品では、ドーピング不純物の深さが10nm程度のものが数多く用いられて行くことが予想される。ところが、このようなものの不純物深さ方向濃度分布を測定する手段がないのが、現状である。
本発明は、従来、実質的に不可能だった半導体表面から深さ10nm程度の浅いドーピング不純物の深さ方向濃度分布測定を行う手段と装置を実現するものである。
上記の目的を達成するために、本発明では、半導体表面の極薄領域を酸化し、その酸化膜を薬品に溶解させて回収し、回収した薬品に含まれるドーピング不純物量および主成分量を測定することにより、浅いドーピング不純物の深さ方向濃度濃度測定を可能にした。以下、図を用いて具体的に説明する。
以下に述べる(1)(2)(3)(4)からなる本発明の工程により、従来不可能だった10nm程度の浅い不純物の深さ方向濃度分布が測定できる。また以下に述べる(1)(2)(3)の工程を自動的に行なう本発明の装置によって、半導体表面からの深さに対応するドーパントを含む溶液を多数個自動収集できる。なお、自動回収した溶液は連続的にまとめて、ICP−MS分析装置等の分析装置に投入し、ドーピング不純物量を計測する事により、半導体中ドーピング不純物量の深さ方向分布が測定可能である。
本発明の工程は、(1)半導体の酸化、(2)酸化膜の薬品によるエッチング、(3)エッチングに用いた薬品の回収、および、(4)回収した薬品中のドーピング不純物量測定、からなる。(1)では、1nm程度の厚さの酸化膜を制御性と再現性に優れた方法により作製する事、および、半導体中の不純物が拡散せずに酸化膜中にとりこまれるような温度(400℃以下程度)で行うことが、キーとなる。これは、半導体ウェハを酸化剤である硫酸・過酸化水素水混合液に浸漬し表面に極薄の酸化膜を形成する方法、半導体ウェハを低温酸素雰囲気に晒す方法、酸素プラズマ雰囲気に晒す方法、気体オゾン雰囲気に晒す方法、あるいは、オゾン含有純水に浸す方法によって実現可能である。(2)は、たとえばシリコンの場合、微量の弗化水素酸水溶液あるいはその蒸気を半導体に接触させるという従来の方法で、これが可能である。(3)では、半導体酸化膜が除去され半導体が露出することにより表面が水溶液をはじくようになる性質を利用し、半導体表面ではじかれて球形となった薬液を、スポイト状の治具による全量を回収する事ができる。
実施例を図1に示す。用いたサンプルは、表面領域にボロンが1E19/cm3の濃度でドーピングされたシリコンウェハ(直径6インチ、結晶面(100))である。(1)の酸化には、サンプルを酸化剤である硫酸・過酸化水素水混合液に5分間浸漬させ、つづいて10分間の純水流水洗浄を行なう工程にて行なった。これにより、表面に極薄の酸化膜を均一に形成した。(2)では、0.1ccの希フッ酸(1%)をスポイトを用いてウェハ表面に滴下し、その液滴をウェハ表面全体に走査させることで、上記の酸化膜をエッチングした。エッチングが完了するとウェハ表面が疎水性になり液滴をはじくため、ウェハ全面のエッチングの完了は視覚的に一目瞭然である。また、滴下した液滴は、最終的にウェハ上で、あたかもハスの葉の上の水滴のような形にすることができた。これにより、液滴回収(3)は、スポイトを用い、容易に行なうことができた。この液の中に含まれるボロン濃度を測定するために、(4)の工程として、ICP−MS分析(誘導結合プラズマ質量分析装置)を用いた。分析において、液滴に含まれるボロン量とシリコン量を検出した結果、それぞれ、0.6775ppb、2118ppbとなった。本測定結果とシリコン原子数(5E22/cm3)からボロンドーピング濃度を求めると、1.6E19/cm3となった。すなわち、シリコンウェハのボロンドーピング濃度を正確に測定する事ができた。なお、このとき測定するシリコン量は、酸化・エッチングの工程でシリコンウェハから脱離し液滴中にとりこまれるシリコン(主成分)の量をボロンの量との比較のために用いるだけでなく、削られたシリコンの正確な厚さに関する情報としても利用する。
この実験結果を基づき、上記の液滴回収までの工程を繰り返し連続的に行なう装置を試作した。装置のブロック図を図2に示す。図にもとづいて、装置の動作について説明する。まず、1シリコンウェハを2ウェハローディングステーションにセットする。次に、3ウェハハンドリングアームを用いて1シリコンウェハを4酸化室に運ぶ。4酸化室では、上記(1)の酸化処理がなされる。処理後、1シリコンウェハは3ウェハハンドリングアームによって4酸化室から5ウェハ処理ステーションに運ばれる。つづいて、6スポイトが、7スポイトハンドリングアームによって8処理前希フッ酸容器に移動し、容器内の希フッ酸を吸い上げた後、1シリコンウェハ上に移動する。次に、7スポイトによって希フッ酸が1シリコンウェハ上に注がれるとともに、7スポイトの先端を1シリコンウェハの1mm程度上空でウェハ全面を走査させ、ウェハ全面の酸化膜をエッチングし、かつスポイト先端に表面張力でくっつくようにする。これにて、上記(2)の酸化膜の薬品によるエッチングが完了する。つづいて、7スポイトにより、エッチング処理後の希フッ酸を吸い取り、7スポイトハンドリングアームで9処理後希フッ酸容器まで運び、容器内に注入する。これにて、上記(3)のエッチングに用いた薬品の回収が完了する。以上の動作を、何回か繰り返し、繰り返し毎に、処理後の希フッ酸容器を別々のものにすることにより、繰り返しの数に相当する深さ方向の複数点における、不純物と主成分(シリコン)を含む希フッ酸を回収する事ができる。回収した希フッ酸は、先に示した方法等により、(4)回収した薬品中のドーピング不純物量測定を行なうとともに、主成分であるシリコンの量の測定を行ない、酸化・エッチング量(厚さ)を決定する。ちなみに(4)の工程は、本発明の装置では行なわないが、先に述べたようなICP−MS分析では、断続的に回収した希フッ酸を注入することが可能であるため、能率的な不純物深さ方向濃度分布が測定できる。
本発明の実施例の工程 本発明の装置の概念図
符号の説明
1 シリコンウェハ
2 ウェハローディングステーション
3 ウェハハンドリングアーム
4 酸化室
5 ウェハ処理ステーション
6 スポイト
7 スポイトハンドリングアーム
8 処理前希フッ酸容器
9 処理後希フッ酸容器

Claims (2)

  1. 半導体ウェハを酸化する工程と酸化膜を薬品で除去する工程と、薬品を回収する工程と、薬品中の不純物濃度を測定する工程を行うことを特徴とする半導体評価方法。
  2. 半導体ウェハを酸化する機能と酸化膜を薬品で除去する機能と、薬品を回収する機能を備えることを特徴とする半導体評価装置。
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