JP2006015195A - 低温酸化触媒 - Google Patents
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Abstract
【課題】室温のような低温で一酸化炭素を効率よく長期間に亘って酸化・除去できるようにする。
【解決手段】酸化チタンの表面に、ニッケルと鉄から選ばれた遷移金属の酸化物と、金微粒子とを共沈物として担持させる。酸化チタンは、X線粒子径が7〜20nmで、比表面積が50〜350m2/gのものを用いる。金微粒子の粒子径は0.1〜10nmである。この金微粒子の担持量を、酸化チタンの重量に対し0.1〜3重量%に設定する。また遷移金属の担持量を、金微粒子の担持量に対し0.25〜5重量比に設定する。
【選択図】 なし
【解決手段】酸化チタンの表面に、ニッケルと鉄から選ばれた遷移金属の酸化物と、金微粒子とを共沈物として担持させる。酸化チタンは、X線粒子径が7〜20nmで、比表面積が50〜350m2/gのものを用いる。金微粒子の粒子径は0.1〜10nmである。この金微粒子の担持量を、酸化チタンの重量に対し0.1〜3重量%に設定する。また遷移金属の担持量を、金微粒子の担持量に対し0.25〜5重量比に設定する。
【選択図】 なし
Description
本発明は低温酸化触媒に関し、さらに詳しくは、室温のような低温で一酸化炭素を効率よく長期間に亘って酸化・除去できる低温酸化触媒に関する。
近年は健康に対する意識の向上と快適な居住環境が志向されており、たばこの喫煙時や暖房器具などから発生する一酸化炭素の除去が要望されている。ここで、一酸化炭素を除去する方法としては、触媒を用いて一酸化炭素を二酸化炭素に変換させる方法がある。
例えば、自動車の排気ガス中に含まれる一酸化炭素を除去する触媒として、白金やパラジウム等の貴金属触媒が知られている。しかしこれらの触媒は、200〜500℃の高温に加熱された条件下では高い触媒作用を発揮することができるが、外部から加熱しない室温などの低温下では触媒作用が低い。このため、これらの触媒を居住環境において用いても、一酸化炭素を十分に除去することができない。
従来、この室温などの低温で一酸化炭素を除去できる触媒として、酸化チタンや酸化ニッケルなどの金属酸化物の表面に、金などの貴金属微粒子を担持させたものが提案されている(特許文献1参照)。特に、金微粒子は低温でも一酸化炭素を二酸化炭素に変換する優れた触媒作用を備えていることが知られており、この金微粒子の触媒は、これを担持する担体との相互作用により触媒作用が顕著に変化することも知られている(非特許文献1参照)。
しかしながら、上記の酸化チタンや酸化ニッケルなどの金属酸化物の表面に金微粒子を担持させた従来の触媒について性能を測定したところ、室温などの低温での触媒作用が実用に耐えるほど十分には高くなく、居住環境において一酸化炭素を効率よく除去することができなかった。
本発明の技術的課題は、上記の問題点を解消し、室温のような低温で一酸化炭素を効率よく長期間に亘って酸化・除去できる低温酸化触媒を提供することにある。
本発明者等は上記の課題を解決するために、金微粒子を担持する種々の金属酸化物について鋭意検討した結果、金属酸化物の中でも酸化チタンを担体とし、この酸化チタンに酸化鉄や酸化ニッケルと金微粒子とを共沈物として担持させると、外部から加熱しない低温でも十分に高い触媒作用を発揮して一酸化炭素を除去できることを見出し、本発明を完成した。
即ち本発明は低温酸化触媒に関し、酸化チタンの表面に、ニッケルと鉄から選ばれた遷移金属の酸化物と、金微粒子とが共沈物として担持されていることを特徴とする。
即ち本発明は低温酸化触媒に関し、酸化チタンの表面に、ニッケルと鉄から選ばれた遷移金属の酸化物と、金微粒子とが共沈物として担持されていることを特徴とする。
本発明の低温酸化触媒は、酸化チタンと、これに共沈物として担持させた鉄やニッケルなどの遷移金属酸化物と、金微粒子との三者の相乗的作用により、室温のような外部からの加熱のない低温状態で、長期間に亘って一酸化炭素を二酸化炭素へ効率よく酸化し除去することができる。
本発明の低温酸化触媒は、酸化チタンの表面に、ニッケルと鉄から選ばれた遷移金属の酸化物と、金微粒子とが、共沈物として担持される。
上記の酸化チタンは中実の粒状体であり、遷移金属酸化物や金微粒子を効率よく担持させるため、粒子径を小さくして比表面積を大きくすると好ましい。具体的には、X線粒子径が7〜20nmで、比表面積が50〜350m2/gのものが用いられる。
上記の酸化チタンは中実の粒状体であり、遷移金属酸化物や金微粒子を効率よく担持させるため、粒子径を小さくして比表面積を大きくすると好ましい。具体的には、X線粒子径が7〜20nmで、比表面積が50〜350m2/gのものが用いられる。
上記の金微粒子の粒子径は触媒作用が有効に発揮される範囲であればよく、例えば、金原子のサイズから50nm程度の範囲に設定されるが、粒子径が小さいほうが好ましく、30nm以下、好ましくは20nm以下、より好ましくは10nm以下に設定される。この金微粒子の担持量は、少なすぎると触媒作用が十分に発揮されず、また担持量を多くし過ぎてもこれに対応した触媒作用の向上が見られないため、経済的でない。このため、金微粒子の担持量は酸化チタンに対し0.1〜3重量%とするのが好ましく、0.5〜2重量%とするのがさらに好ましい。
上記の遷移金属酸化物は、酸化ニッケルと酸化鉄を単独で用いてもよく、両者を併用しても良い。これらの遷移金属の担持量は特に限定されないが、金微粒子の担持量と同等程度に設定すると、酸化チタンを含む三者が相乗的に作用して良好な触媒作用を発揮できて好ましい。具体的には、この遷移金属の担持量は、上記の金微粒子の担持量に対し0.25〜5重量比に設定され、より好ましくは0.5〜3重量比に設定される。酸化ニッケルと酸化鉄とを併用する場合は、鉄に対するニッケルの配合量が1/3〜3重量比に設定され、より好ましくは、0.5〜2重量比に設定される。
次に、上記の遷移金属酸化物と金微粒子の共沈物を酸化チタンの表面に担持させる方法について説明する。
最初に、塩化金酸と遷移金属硝酸塩の水溶液を、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム等でpH6〜9に調整して水酸化物を生成させる。次いで、この水酸化物の水溶液に酸化チタンの微粒子を加え、50〜80℃で所定時間処理したのち、固液分離する。そして得られた固形分を水洗し、乾燥したのち、空気中で300℃以上に加熱して焼成することにより、酸化チタンに遷移金属酸化物と金微粒子との共沈物が担持された低温酸化触媒が得られる。なお、上記の塩化金酸と遷移金属硝酸塩の水溶液は、酸化チタンの粒子を加えたのちpH調整しても良い。
最初に、塩化金酸と遷移金属硝酸塩の水溶液を、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム等でpH6〜9に調整して水酸化物を生成させる。次いで、この水酸化物の水溶液に酸化チタンの微粒子を加え、50〜80℃で所定時間処理したのち、固液分離する。そして得られた固形分を水洗し、乾燥したのち、空気中で300℃以上に加熱して焼成することにより、酸化チタンに遷移金属酸化物と金微粒子との共沈物が担持された低温酸化触媒が得られる。なお、上記の塩化金酸と遷移金属硝酸塩の水溶液は、酸化チタンの粒子を加えたのちpH調整しても良い。
また、上記の方法に代えて、次の方法で低温酸化触媒を得ることができる。
最初に、酸化チタンを水に懸濁分散させて十分水に馴染ませる。この酸化チタンの懸濁分散液に、酸化金酸と遷移金属硝酸塩の水溶液を加え、酸化チタンに金属成分を吸着させたのち、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム等でpH6〜9に調整し、50〜80℃で所定時間処理したのち、固液分離する。そして得られた固形分を水洗し、乾燥したのち、空気中で300℃以上に加熱して焼成することにより、酸化チタンに遷移金属酸化物と金微粒子との共沈物が担持された低温酸化触媒が得られる。
最初に、酸化チタンを水に懸濁分散させて十分水に馴染ませる。この酸化チタンの懸濁分散液に、酸化金酸と遷移金属硝酸塩の水溶液を加え、酸化チタンに金属成分を吸着させたのち、水酸化ナトリウムや炭酸ナトリウム等でpH6〜9に調整し、50〜80℃で所定時間処理したのち、固液分離する。そして得られた固形分を水洗し、乾燥したのち、空気中で300℃以上に加熱して焼成することにより、酸化チタンに遷移金属酸化物と金微粒子との共沈物が担持された低温酸化触媒が得られる。
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
塩化金酸(HAuCl4・4H2O)0.113g(0.274mmol)/100ml水溶液10mlと、硝酸ニッケル(Ni(NO3)2・6H2O)1.407g(4.84mmol)/100ml水溶液5mlとを混合し、60℃に昇温して0.1Nの水酸化ナトリウム(NaOH)4.3mlを加え、60℃で5分間撹拌すると、黒褐色の沈殿が生成した。この溶液に酸化チタン(TiO2)0.5049gを加えた。なお、ここで説明する各実施例や比較例で使用した酸化チタンは、いずれも粒子径が7nm、比表面積が500m2/gであった。60〜62℃で1時間処理すると、薄い緑色を帯びたグレーの固形分が得られた。溶液のpHは6.8であった。これを10分間放置したのち水洗処理を3回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて2時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。
上記の処理により得られた低温酸化触媒の成分は、金/ニッケル/酸化チタンの重量比率が1/2.6/93.5であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.070重量%、金に対するニッケルの担持量が2.6重量比であった。
塩化金酸(HAuCl4・4H2O)0.113g(0.274mmol)/100ml水溶液10mlと、硝酸ニッケル(Ni(NO3)2・6H2O)1.407g(4.84mmol)/100ml水溶液5mlとを混合し、60℃に昇温して0.1Nの水酸化ナトリウム(NaOH)4.3mlを加え、60℃で5分間撹拌すると、黒褐色の沈殿が生成した。この溶液に酸化チタン(TiO2)0.5049gを加えた。なお、ここで説明する各実施例や比較例で使用した酸化チタンは、いずれも粒子径が7nm、比表面積が500m2/gであった。60〜62℃で1時間処理すると、薄い緑色を帯びたグレーの固形分が得られた。溶液のpHは6.8であった。これを10分間放置したのち水洗処理を3回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて2時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。
上記の処理により得られた低温酸化触媒の成分は、金/ニッケル/酸化チタンの重量比率が1/2.6/93.5であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.070重量%、金に対するニッケルの担持量が2.6重量比であった。
(実施例2)
脱イオン水11mlに酸化チタン0.5033gを加えて60℃に昇温し、10分間馴染ませたのち、この酸化チタンの懸濁分散液に、塩化金酸0.113g/100ml水溶液10mlと、硝酸ニッケル1.407g/100ml水溶液1.25mlを添加した。この溶液を60℃で5分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム1.8mlを加え、60℃で1時間処理すると白色に近いグレーの固形分が得られた。溶液のpHは6.3であった。これを10分間放置したのち水洗処理を3回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて2時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。
上記の処理により得られた低温酸化触媒の成分は、金/ニッケル/酸化チタンの重量比率が1/0.65/93.2であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.073重量%、金に対するニッケルの担持量が0.65重量比であった。
脱イオン水11mlに酸化チタン0.5033gを加えて60℃に昇温し、10分間馴染ませたのち、この酸化チタンの懸濁分散液に、塩化金酸0.113g/100ml水溶液10mlと、硝酸ニッケル1.407g/100ml水溶液1.25mlを添加した。この溶液を60℃で5分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム1.8mlを加え、60℃で1時間処理すると白色に近いグレーの固形分が得られた。溶液のpHは6.3であった。これを10分間放置したのち水洗処理を3回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて2時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。
上記の処理により得られた低温酸化触媒の成分は、金/ニッケル/酸化チタンの重量比率が1/0.65/93.2であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.073重量%、金に対するニッケルの担持量が0.65重量比であった。
(実施例3)
脱イオン水11mlに酸化チタン0.4996gを加えて60℃に昇温し、10分間馴染ませたのち、この酸化チタンの懸濁分散液に、塩化金酸0.113g/100ml水溶液5mlと、硝酸ニッケル1.407g/100ml水溶液1.25mlを添加した。この溶液を60℃で5分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム1.4mlを加え、61〜62℃で1時間処理すると白色に近いグレーの固形分が得られた。溶液のpHは6.2であった。これを10分間放置したのち水洗処理を3回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて2時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。
上記の処理により得られた低温酸化触媒の成分は、金/ニッケル/酸化チタンの重量比率が1/1.3/185であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が0.541重量%、金に対するニッケルの担持量が1.3重量比であった。
脱イオン水11mlに酸化チタン0.4996gを加えて60℃に昇温し、10分間馴染ませたのち、この酸化チタンの懸濁分散液に、塩化金酸0.113g/100ml水溶液5mlと、硝酸ニッケル1.407g/100ml水溶液1.25mlを添加した。この溶液を60℃で5分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム1.4mlを加え、61〜62℃で1時間処理すると白色に近いグレーの固形分が得られた。溶液のpHは6.2であった。これを10分間放置したのち水洗処理を3回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて2時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。
上記の処理により得られた低温酸化触媒の成分は、金/ニッケル/酸化チタンの重量比率が1/1.3/185であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が0.541重量%、金に対するニッケルの担持量が1.3重量比であった。
(実施例4)
塩化金酸0.113g/100ml水溶液10mlと硝酸鉄(Fe(NO3)3・9H2O)1.9710g(4.84mmol)/100ml水溶液5mlとを混合し、60℃に昇温した。これに酸化チタン0.4993gを加え、60℃で10分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム8.8mlを加え、60〜62℃で1時間処理すると、黄色の固形分が得られた。溶液のpHは7.0であった。これを10分間放置したのち水洗処理を3回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて1日間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。得られた低温酸化触媒は紫−ピンク色であった。
上記の処理により得られた低温酸化触媒の成分は、金/鉄/酸化チタンの重量比率が1/2.5/92.5であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.081重量%、金に対する鉄の担持量が2.5重量比であった。
塩化金酸0.113g/100ml水溶液10mlと硝酸鉄(Fe(NO3)3・9H2O)1.9710g(4.84mmol)/100ml水溶液5mlとを混合し、60℃に昇温した。これに酸化チタン0.4993gを加え、60℃で10分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム8.8mlを加え、60〜62℃で1時間処理すると、黄色の固形分が得られた。溶液のpHは7.0であった。これを10分間放置したのち水洗処理を3回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて1日間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。得られた低温酸化触媒は紫−ピンク色であった。
上記の処理により得られた低温酸化触媒の成分は、金/鉄/酸化チタンの重量比率が1/2.5/92.5であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.081重量%、金に対する鉄の担持量が2.5重量比であった。
(実施例5)
塩化金酸0.113g/100ml水溶液10mlと硝酸鉄1.9710g/100ml水溶液2.5mlとを混合し、60℃で10分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム5mlを加え(pH7.4)、さらに60℃で10分間撹拌した。この溶液に酸化チタン0.5001gを加え、61〜62℃で1時間処理すると、土色の固形分が得られた。溶液のpHは6.7であった。これを10分間放置したのち水洗処理を3回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて2時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。得られた低温酸化触媒は紫−ピンク色であった。
上記の処理により得られた低温酸化触媒の成分は、金/鉄/酸化チタンの重量比率が1/1.3/92.6であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.080重量%、金に対する鉄の担持量が1.3重量比であった。
塩化金酸0.113g/100ml水溶液10mlと硝酸鉄1.9710g/100ml水溶液2.5mlとを混合し、60℃で10分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム5mlを加え(pH7.4)、さらに60℃で10分間撹拌した。この溶液に酸化チタン0.5001gを加え、61〜62℃で1時間処理すると、土色の固形分が得られた。溶液のpHは6.7であった。これを10分間放置したのち水洗処理を3回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて2時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。得られた低温酸化触媒は紫−ピンク色であった。
上記の処理により得られた低温酸化触媒の成分は、金/鉄/酸化チタンの重量比率が1/1.3/92.6であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.080重量%、金に対する鉄の担持量が1.3重量比であった。
(実施例6)
脱イオン水10mlに酸化チタン0.5012gを加えて60℃に昇温し、10分間馴染ませたのち、この酸化チタンの懸濁分散液に、塩化金酸0.1151g/100ml水溶液10mlと、硝酸ニッケル1.407g/100ml水溶液2.5mlと、硝酸鉄1.9710g/100ml水溶液2.5mlとを添加した。この溶液を60℃で5分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム6.5mlを加え、60〜61℃で1時間処理すると、黄土色の固形分が得られた。溶液のpHは6.4であった。これを10分間放置したのち水洗処理を3回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて1日間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。
上記の処理により得られた低温酸化触媒の成分は、金/ニッケル/鉄/酸化チタンの重量比率が1/1.3/1.2/91.1であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.098重量%、金に対するニッケルと鉄の担持量合計が2.5重量比であった。
脱イオン水10mlに酸化チタン0.5012gを加えて60℃に昇温し、10分間馴染ませたのち、この酸化チタンの懸濁分散液に、塩化金酸0.1151g/100ml水溶液10mlと、硝酸ニッケル1.407g/100ml水溶液2.5mlと、硝酸鉄1.9710g/100ml水溶液2.5mlとを添加した。この溶液を60℃で5分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム6.5mlを加え、60〜61℃で1時間処理すると、黄土色の固形分が得られた。溶液のpHは6.4であった。これを10分間放置したのち水洗処理を3回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて1日間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。
上記の処理により得られた低温酸化触媒の成分は、金/ニッケル/鉄/酸化チタンの重量比率が1/1.3/1.2/91.1であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.098重量%、金に対するニッケルと鉄の担持量合計が2.5重量比であった。
(比較例1)
脱イオン水11mlに酸化チタン0.5052gを加えて60℃に昇温し、10分間撹拌して馴染ませたのち、この酸化チタンの懸濁分散液に、塩化金酸0.113g/100ml水溶液10mlを添加した。この溶液を60℃で5分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム1.0mlを加え(pH6.7)、61〜62℃で1時間処理すると、固形分は薄いグレーに着色した。これを10分間放置したのち脱イオン水300mlを加えて1日間放置したのち、水洗処理を3回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて軽く撹拌し、1時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。
上記の処理により得られた焼成物の成分は、金/酸化チタンの重量比率が1/93.6であり、従って、酸化チタンに対する金の担持量が1.068重量%であった。
脱イオン水11mlに酸化チタン0.5052gを加えて60℃に昇温し、10分間撹拌して馴染ませたのち、この酸化チタンの懸濁分散液に、塩化金酸0.113g/100ml水溶液10mlを添加した。この溶液を60℃で5分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム1.0mlを加え(pH6.7)、61〜62℃で1時間処理すると、固形分は薄いグレーに着色した。これを10分間放置したのち脱イオン水300mlを加えて1日間放置したのち、水洗処理を3回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて軽く撹拌し、1時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。
上記の処理により得られた焼成物の成分は、金/酸化チタンの重量比率が1/93.6であり、従って、酸化チタンに対する金の担持量が1.068重量%であった。
(比較例2)
脱イオン水10mlに酸化チタン0.5014gを加えて60℃に昇温し、10分間馴染ませたのち、この酸化チタンの懸濁分散液に、塩化金酸0.113g/100ml水溶液10mlと、塩化銅(CuCl2・2H2O)0.8250g(4.84mmol)/100ml水溶液5mlとを添加した。この溶液を60℃で3分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム6.3mlを加え、60〜61℃で1時間処理すると、青色を帯びたグレーの固形分が得られた。溶液のpHは7.4であった。これを10分間放置したのち、水洗処理を2回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて2時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。得られた焼成物は藤色に変化していた。
上記の処理により得られた焼成物の成分は、金/銅/酸化チタンの重量比率が1/2.9/92.9であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.076重量%、金に対する銅の担持量が2.9重量比であった。
脱イオン水10mlに酸化チタン0.5014gを加えて60℃に昇温し、10分間馴染ませたのち、この酸化チタンの懸濁分散液に、塩化金酸0.113g/100ml水溶液10mlと、塩化銅(CuCl2・2H2O)0.8250g(4.84mmol)/100ml水溶液5mlとを添加した。この溶液を60℃で3分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム6.3mlを加え、60〜61℃で1時間処理すると、青色を帯びたグレーの固形分が得られた。溶液のpHは7.4であった。これを10分間放置したのち、水洗処理を2回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて2時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。得られた焼成物は藤色に変化していた。
上記の処理により得られた焼成物の成分は、金/銅/酸化チタンの重量比率が1/2.9/92.9であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.076重量%、金に対する銅の担持量が2.9重量比であった。
(比較例3)
塩化金酸0.113g/100ml水溶液10mlと硝酸マンガン(Mn(NO3)2・6H2O)1.390g(4.84mmol)/100ml水溶液10mlとを混合し、60℃に加温したのち0.1Nの水酸化ナトリウム5.5mlを加えて5分間撹拌した。この溶液に酸化チタン0.5002gを加え、62〜64℃で1時間激しく撹拌すると、固形分はグレーに着色した。溶液のpHは6.3であった。これを10分間放置したのち水洗処理を2回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて1日間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。得られた焼成物は緑色を呈した。
上記の処理により得られた焼成物の成分は、金/マンガン/酸化チタンの重量比率が1/4.9/92.6であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.080重量%、金に対するマンガンの担持量が4.9重量比であった。
塩化金酸0.113g/100ml水溶液10mlと硝酸マンガン(Mn(NO3)2・6H2O)1.390g(4.84mmol)/100ml水溶液10mlとを混合し、60℃に加温したのち0.1Nの水酸化ナトリウム5.5mlを加えて5分間撹拌した。この溶液に酸化チタン0.5002gを加え、62〜64℃で1時間激しく撹拌すると、固形分はグレーに着色した。溶液のpHは6.3であった。これを10分間放置したのち水洗処理を2回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて1日間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。得られた焼成物は緑色を呈した。
上記の処理により得られた焼成物の成分は、金/マンガン/酸化チタンの重量比率が1/4.9/92.6であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.080重量%、金に対するマンガンの担持量が4.9重量比であった。
(比較例4)
塩化金酸0.113g/100ml水溶液10mlと硝酸コバルト(Co(NO3)2・6H2O)1.304g(4.84mmol)/100ml水溶液10mlとを混合し、60℃に加温した。この溶液に酸化チタン0.4997gを加え60℃で10分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム5.5mlを加え、60〜62℃で1時間処理すると、土色の固形分が得られた。溶液のpHは6.0であった。これを10分間放置したのち水洗処理を2回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて2時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。得られた焼成物は緑色を帯びた土色に変化していた。
上記の処理により得られた焼成物の成分は、金/コバルト/酸化チタンの重量比率が1/4.9/92.6であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.080重量%、金に対するコバルトの担持量が4.9重量比であった。
塩化金酸0.113g/100ml水溶液10mlと硝酸コバルト(Co(NO3)2・6H2O)1.304g(4.84mmol)/100ml水溶液10mlとを混合し、60℃に加温した。この溶液に酸化チタン0.4997gを加え60℃で10分間撹拌したのち、0.1Nの水酸化ナトリウム5.5mlを加え、60〜62℃で1時間処理すると、土色の固形分が得られた。溶液のpHは6.0であった。これを10分間放置したのち水洗処理を2回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて2時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を105℃で1時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。得られた焼成物は緑色を帯びた土色に変化していた。
上記の処理により得られた焼成物の成分は、金/コバルト/酸化チタンの重量比率が1/4.9/92.6であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が1.080重量%、金に対するコバルトの担持量が4.9重量比であった。
(比較例5)
脱イオン水50mlに微細粒子状の酸化ニッケル(NiO)(試薬1級)2.4958gを加えて60℃に昇温し、20分間馴染ませた。一方、塩化金酸1.151g(2.79mmol)/100ml水溶液5mlと0.1Nの水酸化ナトリウム7.5mlとを60℃で10分間反応させた溶液(pH10.3)をあらかじめ調製しておき、この溶液を上記の酸化ニッケルの懸濁分散液に添加し、60〜61℃で1時間処理すると、緑色の固形分が得られた。これを10分間放置したのち、水洗処理を2回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち500mlの脱イオン水を加えて1日間放置した。その後、濾過して得られた固形分を110℃で1.5時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。
上記の処理により得られた焼成物の成分は、金/酸化ニッケルの重量比率が1/90.7であり、従って、酸化ニッケルに対する金の担持量が1.103重量%であった。
脱イオン水50mlに微細粒子状の酸化ニッケル(NiO)(試薬1級)2.4958gを加えて60℃に昇温し、20分間馴染ませた。一方、塩化金酸1.151g(2.79mmol)/100ml水溶液5mlと0.1Nの水酸化ナトリウム7.5mlとを60℃で10分間反応させた溶液(pH10.3)をあらかじめ調製しておき、この溶液を上記の酸化ニッケルの懸濁分散液に添加し、60〜61℃で1時間処理すると、緑色の固形分が得られた。これを10分間放置したのち、水洗処理を2回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち500mlの脱イオン水を加えて1日間放置した。その後、濾過して得られた固形分を110℃で1.5時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。
上記の処理により得られた焼成物の成分は、金/酸化ニッケルの重量比率が1/90.7であり、従って、酸化ニッケルに対する金の担持量が1.103重量%であった。
(比較例6)
脱イオン水50mlに微細粒子状の酸化銅(CuO)(試薬1級)2.5019gを加えて60℃に昇温し、15分間馴染ませた。一方、塩化金酸1.151g/100ml水溶液5mlに脱イオン水20mlを加えたものと0.1Nの水酸化ナトリウム7.0mlとを60℃で10分間反応させた溶液(pH10.1)をあらかじめ調製しておき、この溶液を上記の酸化銅の懸濁分散液に添加し、59〜60℃で1時間処理した。これを10分間放置したのち、水洗処理を2回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち500mlの脱イオン水を加えて1日間放置した。その後、濾過して得られた固形分を110℃で1.5時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。
上記の処理により得られた焼成物の成分は、金/酸化銅の重量比率が1/91.0であり、従って、酸化銅に対する金の担持量が1.099重量%であった。
脱イオン水50mlに微細粒子状の酸化銅(CuO)(試薬1級)2.5019gを加えて60℃に昇温し、15分間馴染ませた。一方、塩化金酸1.151g/100ml水溶液5mlに脱イオン水20mlを加えたものと0.1Nの水酸化ナトリウム7.0mlとを60℃で10分間反応させた溶液(pH10.1)をあらかじめ調製しておき、この溶液を上記の酸化銅の懸濁分散液に添加し、59〜60℃で1時間処理した。これを10分間放置したのち、水洗処理を2回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち500mlの脱イオン水を加えて1日間放置した。その後、濾過して得られた固形分を110℃で1.5時間乾燥したのち、400℃で4時間焼成した。
上記の処理により得られた焼成物の成分は、金/酸化銅の重量比率が1/91.0であり、従って、酸化銅に対する金の担持量が1.099重量%であった。
(比較例7)
塩化金酸1.130g(2.73mmol)/100ml水溶液10mlに、0.1Nの水酸化ナトリウム17.3mlと0.1Mのブドウ糖0.14mlとを28〜30℃で2分間混合し、これに酸化チタン0.4947gを加え、同温度で3分間撹拌した。次いで、0.1Mのホルムアルデヒド(CH2O)水溶液6.9mlを10分間かけて滴下し、30〜33℃で2.5時間撹拌して還元した。ホルムアルデヒドを加えると、酸化チタンの表面に金の微細粒子が析出し、表面は濃い赤紫色に変化した。その後、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水で3回洗浄し、濾過して得られた固形分を105℃で1.5時間乾燥したのち、400℃で3時間焼成した。
上記の処理により得られた焼成物の成分は、金/酸化チタンの重量比率が1/9.2であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が10.870重量%であった。
塩化金酸1.130g(2.73mmol)/100ml水溶液10mlに、0.1Nの水酸化ナトリウム17.3mlと0.1Mのブドウ糖0.14mlとを28〜30℃で2分間混合し、これに酸化チタン0.4947gを加え、同温度で3分間撹拌した。次いで、0.1Mのホルムアルデヒド(CH2O)水溶液6.9mlを10分間かけて滴下し、30〜33℃で2.5時間撹拌して還元した。ホルムアルデヒドを加えると、酸化チタンの表面に金の微細粒子が析出し、表面は濃い赤紫色に変化した。その後、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水で3回洗浄し、濾過して得られた固形分を105℃で1.5時間乾燥したのち、400℃で3時間焼成した。
上記の処理により得られた焼成物の成分は、金/酸化チタンの重量比率が1/9.2であった。すなわち、酸化チタンに対する金の担持量が10.870重量%であった。
(比較例8)
脱イオン水50mlに酸化チタン2.5044gを加えて60℃に昇温し、10分間馴染ませたのち、この酸化チタンの懸濁分散液に、硝酸ニッケル1.407g/100ml水溶液50mlを添加して60℃で20分間処理した。次いで、0.1Nの水酸化ナトリウム33.5mlを加えて61〜62℃で1時間撹拌すると、緑色の固形分が生成した。溶液のpHは6.8であった。これを10分間放置したのち、水洗処理を2回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち500mlの脱イオン水を加えて1時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を室温で4日間放置したのち、400℃で4時間焼成した。未反応の硝酸ニッケルを定量した結果、上記の処理により得られた酸化チタンには、添加した硝酸ニッケルの67%に相当するニッケルが担持されていた。
次に、塩化金酸0.1151g(0.279mmol)/100ml水溶液10mlに脱イオン水10mlを加え、0.1Nの水酸化ナトリウム3.0mlを添加して溶液のpHを11.0に調整し、32℃で10分間撹拌した。これに、30℃の脱イオン水10mlに上記の酸化ニッケル担持酸化チタン(NiO-TiO2)0.500gを予め20分間馴染ませた懸濁分散液を加え、32℃で20分間処理した。次いで、0.1Mのホルムアルデヒド1.0mlを5分間かけて滴下し、30〜32℃で1時間撹拌し還元して、金を酸化ニッケル担持酸化チタンの表面に析出させた。反応終了後、水洗処理を2回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて2時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を110℃で1.5時間乾燥した。
上記の処理により得られた固形分の成分は、金/酸化ニッケル担持酸化チタンの重量比率が1/92.6であり、従って、酸化ニッケル担持酸化チタンに対する金の担持量が1.080重量%であった。
脱イオン水50mlに酸化チタン2.5044gを加えて60℃に昇温し、10分間馴染ませたのち、この酸化チタンの懸濁分散液に、硝酸ニッケル1.407g/100ml水溶液50mlを添加して60℃で20分間処理した。次いで、0.1Nの水酸化ナトリウム33.5mlを加えて61〜62℃で1時間撹拌すると、緑色の固形分が生成した。溶液のpHは6.8であった。これを10分間放置したのち、水洗処理を2回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち500mlの脱イオン水を加えて1時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を室温で4日間放置したのち、400℃で4時間焼成した。未反応の硝酸ニッケルを定量した結果、上記の処理により得られた酸化チタンには、添加した硝酸ニッケルの67%に相当するニッケルが担持されていた。
次に、塩化金酸0.1151g(0.279mmol)/100ml水溶液10mlに脱イオン水10mlを加え、0.1Nの水酸化ナトリウム3.0mlを添加して溶液のpHを11.0に調整し、32℃で10分間撹拌した。これに、30℃の脱イオン水10mlに上記の酸化ニッケル担持酸化チタン(NiO-TiO2)0.500gを予め20分間馴染ませた懸濁分散液を加え、32℃で20分間処理した。次いで、0.1Mのホルムアルデヒド1.0mlを5分間かけて滴下し、30〜32℃で1時間撹拌し還元して、金を酸化ニッケル担持酸化チタンの表面に析出させた。反応終了後、水洗処理を2回行った。各水洗処理は、上澄み液を除去したのち300mlの脱イオン水を加えて2時間放置した。その後、濾過して得られた固形分を110℃で1.5時間乾燥した。
上記の処理により得られた固形分の成分は、金/酸化ニッケル担持酸化チタンの重量比率が1/92.6であり、従って、酸化ニッケル担持酸化チタンに対する金の担持量が1.080重量%であった。
次に、上記の各実施例と比較例で得られた触媒について、それぞれの触媒性能を測定した。測定に用いた触媒は、金の担持量または金と遷移金属酸化物との合計の担持量が0.1g相当の触媒量とした。
触媒性能の測定は、次の手順による。
最初に、10Lのマイラーバッグに所定の触媒量を挿入して、空気10Lでマイラーバッグを満たしておき、次いでこのマイラーバッグに、一酸化炭素(CO)濃度が200ppmとなるように、ガスシリンジを用いて98%の一酸化炭素ガスを注入し、マイラーバッグ内の一酸化炭素の初期濃度と24時間後の濃度を検知管により測定した。この24時間後の一酸化炭素濃度が検出限界以下になった場合は、新たにマイラーバッグ内の濃度が400ppmとなるように一酸化炭素ガスを注入し、この注入から24時間後の一酸化炭素濃度を再度検知管により測定した。
上記の触媒作用の測定結果を図1の対比表に示す。
最初に、10Lのマイラーバッグに所定の触媒量を挿入して、空気10Lでマイラーバッグを満たしておき、次いでこのマイラーバッグに、一酸化炭素(CO)濃度が200ppmとなるように、ガスシリンジを用いて98%の一酸化炭素ガスを注入し、マイラーバッグ内の一酸化炭素の初期濃度と24時間後の濃度を検知管により測定した。この24時間後の一酸化炭素濃度が検出限界以下になった場合は、新たにマイラーバッグ内の濃度が400ppmとなるように一酸化炭素ガスを注入し、この注入から24時間後の一酸化炭素濃度を再度検知管により測定した。
上記の触媒作用の測定結果を図1の対比表に示す。
上記の測定結果から以下のことが明らかとなった。
(1)酸化チタンに金微粒子のみを担持したものは、24時間で130ppm程度しか一酸化炭素を除去できなかった(比較例1参照)。
(2)酸化チタンに鉄やニッケル以外の酸化物と金微粒子とを担持させたものは、24時間で50〜100ppm程度しか一酸化炭素を除去できなかった(比較例2〜4参照)。
(3)酸化ニッケルに金微粒子を担持させたものは、一酸化炭素をほとんど除去することができず(比較例5参照)、酸化銅に金微粒子を担持させたものも、24時間で70ppm程度しか一酸化炭素を除去できなかった(比較例6参照)。
(4)酸化チタンに金微粒子を多量に析出させて担持させたものは、24時間で30ppm程度しか一酸化炭素を除去できなかった(比較例7参照)。
(5)酸化ニッケルを担持させた酸化チタンに、金微粒子を担持させたものは、24時間で20ppm程度しか一酸化炭素を除去できなかった(比較例8参照)。
(6)これに対し本発明の各実施例では、いずれも24時間で385ppm以上の一酸化炭素を除去することができた。
(1)酸化チタンに金微粒子のみを担持したものは、24時間で130ppm程度しか一酸化炭素を除去できなかった(比較例1参照)。
(2)酸化チタンに鉄やニッケル以外の酸化物と金微粒子とを担持させたものは、24時間で50〜100ppm程度しか一酸化炭素を除去できなかった(比較例2〜4参照)。
(3)酸化ニッケルに金微粒子を担持させたものは、一酸化炭素をほとんど除去することができず(比較例5参照)、酸化銅に金微粒子を担持させたものも、24時間で70ppm程度しか一酸化炭素を除去できなかった(比較例6参照)。
(4)酸化チタンに金微粒子を多量に析出させて担持させたものは、24時間で30ppm程度しか一酸化炭素を除去できなかった(比較例7参照)。
(5)酸化ニッケルを担持させた酸化チタンに、金微粒子を担持させたものは、24時間で20ppm程度しか一酸化炭素を除去できなかった(比較例8参照)。
(6)これに対し本発明の各実施例では、いずれも24時間で385ppm以上の一酸化炭素を除去することができた。
本発明の低温酸化触媒は、室温のように外部から加熱されない低温状態で一酸化炭素を効率よく長期間に亘って酸化・除去できるので、特に居住環境においてたばこの喫煙時や暖房器具などから発生する一酸化炭素の除去に好適に利用されるが、他の用途の低温酸化触媒としても好適に利用される。
Claims (4)
- 酸化チタンの表面に、ニッケルと鉄から選ばれた遷移金属の酸化物と、金微粒子とが共沈物として担持されていることを特徴とする、低温酸化触媒。
- 上記の酸化チタンは、X線粒子径が7〜20nmで、比表面積が50〜350m2/gである、請求項1に記載の低温酸化触媒。
- 上記の金微粒子の担持量が、酸化チタンの重量に対し0.1〜3重量%である、請求項1または請求項2に記載の低温酸化触媒。
- 上記の遷移金属の担持量が、上記の金微粒子の担持量に対し0.25〜5重量比である、請求項1から3のいずれか1項に記載の低温酸化触媒。
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Citations (3)
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JPH08295502A (ja) * | 1995-04-25 | 1996-11-12 | Agency Of Ind Science & Technol | 金触媒による水素含有ガス中の一酸化炭素除去方法 |
JP2002355558A (ja) * | 2001-06-01 | 2002-12-10 | National Institute Of Advanced Industrial & Technology | ホルムアルデヒドの酸化除去方法 |
JP2003071286A (ja) * | 2001-09-03 | 2003-03-11 | Toyota Central Res & Dev Lab Inc | 低温有害ガス浄化触媒 |
-
2004
- 2004-06-30 JP JP2004193465A patent/JP2006015195A/ja active Pending
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