JP2006012521A - サーモプロテクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】中間部分において曲げ剛性が他の部分よりも低くされた弾性体2の一端部を躯体面1に固定し、該弾性体2を長手方向に圧縮して凸曲線状に変形させた状態でその他端部を躯体面1に固定し、これら両固定の少なくとも一方の固定を可溶材3による面接合で行ない、前記凸曲線状弾性体2の中間部分に電極4を接触させ、前記可溶材3の溶融乃至は軟化による弾性体の歪エネルギーの解放に伴う前記電極4からの弾性体2の脱離で動作させる。
【選択図】図1
Description
例えば図8の(イ)に示すように弾性金属片2'を強制的に曲げ、この曲げ弾性金属片1'の両端を曲げ反力に抗して一対の固定端子41',42'に所定融点の可溶合金(はんだ)3'で接合し、周囲温度が可溶合金2'の融点まで昇温して可溶合金が溶融されると、図8の(ロ)に示すように弾性金属片2'の曲げ応力を解除させて弾性金属片2'の一端を一方の固定端子42'から脱離させて通電を遮断するものが知られている(特許文献1参照)。
また、図9の(イ)に示すように一端にリード端子13'を取付けた金属ケース14'内に一端側から所定融点のペレット2'、座板15'、圧縮スプリング1'、座板16'を順次に収容し、更に外周が金属ケース内面に摺動接触されたコンタクト42'を金属ケース内に収容し、リードピン貫通ブッシング17'を金属ケース14'の他端側に固定し、このブッシング17'とコンタクト42'との間に引外しスプリング18'を組み込んでリード端子13'→金属ケース14'→コンタクト42'→リードピン41'を経る導通路を構成し、周囲温度がペレット2'の融点まで昇温されてペレット2'が溶融されると、図9の(ロ)に示すように圧縮スプリング1'の圧縮応力を解放させて引外しスプリング18'の圧縮応力でリードピン41'の先端からコンタクト42'を離隔させて前記導通路を遮断するものも知られており、いわゆる、ペレットタイプ温度ヒューズと称されている(非特許文献1参照)。
また、図9に示すペレットタイプでは、座板による均圧化のためにペレットを一様に圧縮できても構造が複雑であり、小型化やコスト面での不利を免れ得ない。
請求項2に係るサーモプロテクタは、請求項1のサーモプロテクタにおいて、弾性体の中間部分に孔を有することを特徴とする。
請求項3に係るサーモプロテクタは、請求項1または2のサーモプロテクタにおいて、弾性体の中間部分が薄くされていることを特徴とする。
請求項4に係るサーモプロテクタは、請求項1〜3何れかのサーモプロテクタにおいて、弾性体の中間部分の巾が欠切されていることを特徴とする。
請求項5に係るサーモプロテクタは、請求項1〜4何れかのサーモプロテクタにおいて、弾性体が金属または合成樹脂或いは金属と合成樹脂との複合体であることを特徴とする。
請求項6に係るサーモプロテクタは、請求項5のサーモプロテクタにおいて、可溶材が低融点金属または合成樹脂の軟化点よりも低い所定軟化点の熱可塑性樹脂であることを特徴とする。
従って、弾性体他端部と躯体面との間の可溶材による接合を面で行ない、弾性体に加えた弾性歪エネルギーをこの接合面で支えたことによる接合界面の一様な剪断応力分布を前記曲げ反力の影響を充分に排除してよく保持でき、可溶材における応力集中やクリープをよく防止できる。更に、可溶材を常時導通路から除外できる。従って、サーモプロテクタの長期安定性を保証できる。
図1において、1は躯体である。2は板状、箔状等の弾性体であり、中間部分の曲げ剛性を他の部分の曲げ剛性よりも低くしてある。3は可溶材、4は電極である。
図1において、弾性体2の一端部21を躯体面に平行接触で固定し、弾性体他端部22を躯体面に平行に接触させた状態で当該弾性体他端部22に長手方向圧縮荷重fを作用させて弾性体2を凸曲線状に変形させ、この変形に基づく弾性曲げ歪エネルギーを弾性体に加えたままで弾性体他端部22を躯体面に可溶材3により面接合し、更に凸曲線状弾性体2の中間部に電極4を接触させてある。
而して、外部温度が上昇されて可溶材3が溶融若しくは軟化されると、接合界面32が破断され、弾性曲げ歪エネルギーが解放されて弾性体2が元の直線形状に復帰されると共に電極4から弾性体2が脱離される。
図1において、凸曲線状弾性体の中間部が電極4に接触されて凸曲線状の高さがhより(h−Δh)に圧縮されている。すなわち、点線で示す弾性体の中間部の湾曲が電極4との接触により直線化されている。この弾性体の中間部の直線化に伴う曲げ歪みのために曲げ反力が作用しているが、弾性体中間部の曲げ剛性を低くしてあるから、その曲げ反力は充分に小にとどめられる。
この曲げ反力が弾性体他端部22と躯体面との接合界面32に伝達されるが、その曲げ反力を実質上無視でき、この接合界面32に作用する主な力は前記長手方向圧縮荷重fに基づく剪断力であり、接合界面の面積をSとすれば、接合界面の剪断応力τは、
で与えらる。
前記弾性体2には、金属、合成樹脂または金属と合成樹脂との複合体を用いることができる。複合体には、金属粉を混合した樹脂も含まれる。
前記可溶材3には、はんだ等の可溶合金、単体金属または熱可塑性樹脂、或いは導電性粉末を添加した導電性熱可塑性樹脂を用いることができる。
而して、可溶材がその融点乃至は軟化点近傍までに加熱された際でも弾性体の弾性歪エネルギーを保持させ得、可溶材がその融点乃至は軟化点にまで加熱されるとサーモプロテクタを確実に動作させ得る。
図2において、1はベース躯体であり、セラミックスや合成樹脂等の絶縁体から構成してある。41,42は扁平リード導体であり、リード導体42の先端部には折り曲げ電極部4を設けてある。2は中間部の曲げ剛性を他の部分よりも低くした弾性金属板であり、一端部21を一方のリード導体41と共に面接触でベース躯体1にリベット5や溶接等により固定し、この状態で弾性板2の他端部22に前記長手方向荷重fを作用させて弾性板2に曲げ歪エネルギーを加え、更に弾性板2の他端部22を一方のリード導体41の最先端部に面接触で可溶合金や熱可塑性樹脂等の可溶材3の溶融・凝固(可溶材の溶融温度は弾性板の焼き鈍し温度よりも充分に低くしてある)により接合固定し、前記弾性板2の凸曲線外面の中間部を前記他方のリード導体42の折り曲げ電極部4に接触させてある。
6はハウジングであり、セラミックスや合成樹脂等の絶縁体で構成してあり、融着例えば高周波溶着(ベース1及びハウジング6が共に合成樹脂の場合)や接着剤や嵌合方式等によりベース躯体に結着してある。
このサーモプロテクタの動作について説明すれば、外部温度の上昇により可溶材3がその融点乃至は軟化点にまで加熱されると、弾性板2の曲げ歪エネルギーにより弾性板他端部22と一方のリード導体41の最先端部411との間の可溶材3による面接合が解放され、図3に示すように弾性板2が元の平板状に復元されて弾性板の曲げ高さが0にされ、前記弾性板2と他方のリード導体42の電極部4との接触が脱離されて非復帰の通電オフが行なわれる。
図2の(ロ)における弾性板2の曲げ外面と電極部4との接触面での接触抵抗の低減を図るために、その接触面を前記した可溶材よりも低融点のはんだで接合することもできる。
この製作時、ハウジング6の結着により凸曲線状弾性体2の中間部がリード導体42の折り曲げ電極部4に押えられて弾性体2に曲げ反力が生じるが、弾性板2の中間部の曲げ剛性が小さいためにこの曲げ反力を充分に小さくでき、図4の(ニ)において、可溶材3による接合面にこの曲げ反力が伝達されるにもかかわらず、弾性板他端部と一方のリード導体電極部先端側との間の可溶材3による接合面での単純な剪断応力の一様分布をよく維持できる。
図5の(ハ)は同上実施例の動作後を示す図面である。
図5において、1はベース躯体であり、セラミックスや合成樹脂等の絶縁体から構成してある。41は一方のリード導体であり、弾性金属製とされ、先端部2を板状とし、この板状部の中間部の曲げ剛性を他の部分よりも低くしてある。この板状部2の先端から所定の距離を隔てた箇所を躯体面に面接触でリベットや溶接等5により固定し、この状態で当該リード導体41の先端に長手方向荷重fを加えて板状部2に曲げ歪エネルギーを与え、更に、最先端部411を躯体面に面接触で可溶合金や熱可塑性樹脂等の可溶材3の溶融・凝固(可溶材の溶融温度は弾性リード導体の焼き鈍し温度よりも充分に低くしてある)により接合固定してある。
前記躯体面への弾性リード導体41の面接触下での溶接固定5や板状部2の最先端部411の面接触下での可溶合金3による接合固定には、金属箔の貼付・エッチングや金属粉ペーストの印刷・焼き付けにより躯体面を金属化したうえで行なうことができる。
42は他方の扁平リード導体であり、先端部を折り曲げ電極部4に成形し、この電極部4に弾性リード導体41の先端板状部2の凸曲線状外面を接触させてある。
6はハウジングであり、セラミックスや合成樹脂等の絶縁体から構成してあり、融着例えば高周波溶着(ベース及びハウジングが共に合成樹脂の場合)や接着剤や嵌合方式等によりベース躯体に結着してある。
前記一方のリード導体には、弾性丸線の先端部を薄く圧潰加工したものを使用することもできる。
このサーモプロテクタの動作について説明すれば、外部温度の上昇により可溶材3がその融点乃至は軟化点にまで加熱されると、一方の弾性リード導体の先端板状部2の曲げ歪エネルギーにより一方のリード導体最先端部411と躯体面との間の可溶材3による面接合が解放され、図5の(ロ)に示すように弾性リード導体先端部2が元の平板状に復帰されて当該先端部2の曲げ高さが0にされ、前記一方の弾性リード導体先端板状部2と他方のリード導体42の先端電極部4との接触面が脱離されて非復帰の通電オフが完結される。
図6において、1はベース躯体であり、セラミックスや合成樹脂等の絶縁体から構成してある。4200はベース躯体に固定した固定電極材、42は固定電極材4200に一体に形成したリード導体である。4は可動電極材、41は可動電極材4に一体に形成したリード導体である。2は中間部の曲げ剛性を他の部分よりも低くした弾性板であり、一端部21を躯体面に面接触でリベットや溶接等5により固定し、この状態で当該弾性板2の他端部22に前記と同様に長手方向荷重fを加えて弾性板2に曲げ歪エネルギーを与え、更に弾性板他端部22を躯体面に面接触で可溶合金や熱可塑性樹脂等の可溶材3の溶融・凝固(可溶材の溶融温度は弾性リード導体の焼き鈍し温度よりも充分に低くしてある)により接合固定してある。
前記躯体面への弾性板2の面接触下での溶接固定5や面接触下での可溶合金3による接合固定には、金属箔の貼付・エッチングや金属粉ペーストの印刷・焼き付けにより躯体面を金属化したうえで行なうことができる。
6はハウジングであり、セラミックスや合成樹脂等の絶縁体から構成してあり、融着例えば高周波溶着(ベース及びハウジングが共に合成樹脂の場合)や接着剤や嵌合方式等によりベース躯体1に結着してある。
このサーモプロテクタの動作について説明すれば、外部温度の上昇により可溶材3がその融点乃至は軟化点にまで加熱されると、弾性板2の曲げ歪エネルギーにより当該弾性板2と躯体面との間の可溶材3による面接合が解放され、図6の(ハ)に示すように同弾性板2が元の平板状に復帰されて当該弾性板2の曲げ高さが0にされ、可動電極材4がその弾性により弾性板2と共に移動され固定電極材4200より脱離されて非復帰の通電オフが完結される。
弾性体として、弾性金属板と合成樹脂層との複合体を使用する場合、図2、図5に示す実施例に対しては金属面が電極4に接触される。特に図2に示す実施例においては、その複合体の金属面とリード導体41との電気的接続が必要であり、リベット5をその電気的接続に使用することができる。
図7の(イ)〜(ホ)において、5’はリベット用孔を示している。
また、可溶合金にb.c.cやc.p.h等の結晶構造の金属を多く含ませることにより塑性変形を抑止しクリープ強度を向上させることができる。
上述した通り、リード導体の先端に電極部を設けることができ、また弾性金属リード導体の先端部を圧潰加工して弾性板状とすることもできる。
これらの場合、躯体及びハウジング外のリード導体の形状は任意の形状にできる。
2 弾性体
21 弾性体の一端部
22 弾性体の他端部
3 可溶材
32 接合面
4 電極
6 ハウジング
Claims (6)
- 中間部分における曲げ剛性を他の部分よりも低くした弾性体の一端部を躯体面に固定し、該弾性体を長手方向に圧縮して凸曲線状に変形させた状態で他端部を躯体面に固定し、これら両固定の少なくとも一方の固定を可溶材による面接合で行ない、前記凸曲線状弾性体の中間部分に電極を接触させ、前記可溶材の溶融乃至は軟化による弾性体の弾性歪エネルギーの解放に伴う前記電極からの弾性体の脱離で動作させることを特徴とするサーモプロテクタ。
- 弾性体の中間部分に孔を有する請求項1記載のサーモプロテクタ。
- 弾性体の中間部分が薄くされている請求項1または2記載のサーモプロテクタ。
- 弾性体の中間部分の巾が欠切されている請求項1〜3何れか記載のサーモプロテクタ。
- 弾性体が金属または合成樹脂或いは金属と合成樹脂との複合体である請求項1〜4何れか記載のサーモプロテクタ。
- 可溶材が低融点金属または合成樹脂の軟化点よりも低い所定軟化点の熱可塑性樹脂である請求項5記載のサーモプロテクタ。
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