JP2006010540A - 長尺材の連続重量測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】棒鋼などの多数の長尺材を、連続して正確に且つ効率良く重量測定できる長尺材の連続重量測定装置を提供する。
【解決手段】棒鋼である複数の長尺材Wを複数の凹部13で個別に支持する一対の固定ラック12と、係る固定ラック12と平行に位置し、上記凹部13と相似形で且つ上記長尺材Wを支持する複数の凹部16を有する昇降および横行可能な一対の移動ラック15と、上記一対の固定ラック12の中間14に位置し、上記凹部13と相似形の受け面11を有し且つ上記移動ラック15が下降した際に、これよりも高くなる一対の受け部10と、係る受け部10を個別に支持する一対の風袋部2と、係る風袋部2ごとの底部に配置された複数のロードセル18と、を含む、連続重量測定装置1。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば棒鋼などの細長い形状からなる複数本の長尺材を順次連続して正確に重量測定できる長尺材の連続重量測定装置に関する。
重量の大きな鋼材の重量測定装置としては、冷延鋼帯のコイルを下側から支持する一対の計重機ユニットと、係る一対の計重機ユニットの下側にそれぞれ設けた2つの第1荷重検出器(ロードセル)と、これらを床面上で支持する一対の固定部と、各固定部に設けた第2荷重検出器(ロードセル)と、を含む分割型計重機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
実開平6−25732号公報(第1〜3頁、図1〜5)
前記分割型計重機は、重い冷延鋼帯のコイルを個別に支持する一対の計重機ユニットによって支持しつつ重量測定することで、重力方向の分力を解消し、正確な計重が行えると共に、当該装置自体をコンパクトにできる利点を有している。
しかしながら、上記分割型計重機では、計重すべき前記コイルを1つずつクレーンなどによって、一対の計重機ユニットにおける荷重受け部に載置する移送作業が必須である。このため、圧延により細長く成形された棒鋼などの多数の長尺材を、幅方向に沿って搬送しながら、連続して正確に且つ効率良く重量測定することには、不向きであった。しかも、熱間圧延された直後の棒鋼などの長尺材を重量測定する際に生じる測定誤差については、対応することが困難であった。
本発明は、前述した背景技術における問題点を解決し、棒鋼などの多数の細長い長尺材を、連続して正確に且つ効率良く重量測定できる長尺材の連続重量測定装置を提供する、ことを課題とする。
課題を解決するための手段および発明の効果
本発明は、前記課題を解決するため、発明者の鋭意研究の結果、軸方向に沿って細長い複数の長尺材を、それらの幅方向に沿って順次搬送しつつ、係る搬送工程中で各長尺材を精度良く重量測定する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明における第1の連続重量測定装置(請求項1)は、棒鋼などの複数の長尺材を複数の凹部で個別に支持する複数の固定ラックと、係る固定ラックと平行に位置し、上記凹部と相似形で且つ上記長尺材を支持する複数の凹部を有する昇降および横行可能な複数の移動ラックと、上記複数の固定ラックの中間に位置し、上記凹部と相似形の受け面を有し且つ上記移動ラックが下降した際に、これよりも高くなる複数の受け部と、上記各受け部を個別に支持する風袋部と、係る風袋部ごとの底部に配置された複数のロードセルと、を含む、ことを特徴とする。
また、本発明における第2の連続重量測定装置(請求項2)は、棒鋼などの複数の長尺材を複数の凹部で個別に支持する昇降可能な複数の固定ラックと、係る固定ラックと平行に位置し、上記凹部と相似形で且つ上記長尺材を支持する複数の凹部を有する昇降および横行可能な複数の移動ラックと、上記複数の固定ラックと移動ラックとの長手方向の中間に隣接し、上記凹部と相似形の受け面を有し且つ上記固定ラックと移動ラックとが下降した際に、これらよりも高くなる複数の受け部と、係る各受け部を個別に支持する複数の風袋部と、係る風袋部ごとの底部に配置された複数のロードセルと、を含む、ことを特徴とする。
これらによれば、互いに平行に位置する各固定ラックの各凹部に両端付近を支持された多数の長尺材は、各移動ラックの凹部に支持されつつ当該長尺材の幅方向に沿って順次搬送される。係る搬送工程において、前記第1の連続重量測定装置では、移動ラックにより搬送され、且つ固定ラックの中間に位置する受け部の受け面に両端付近を安定姿勢で支持された長尺材が、その下方に位置する風袋部を介して複数のロードセルにより精度良く重量測定される。また、前記第2の連続重量測定装置では、移動ラックにより搬送され、固定ラックにも隣接し且つ係る固定ラックが下降した際に、受け部の受け面に両端付近を安定姿勢で支持された長尺材が、その下方に位置する風袋部を介して複数のロードセルにより精度良く重量測定される。しかも、受け部で重量測定された長尺材は、再度移動ラックにより幅方向に沿って、固定ラックの隣接する各凹部に支持されつつ順次搬送されていく。従って、多数の長尺材を幅方向に沿って搬送しつつ、係る搬送工程の途中で各長尺材を、それぞれ正確に且つ効率良く重量測定することができる。
尚、長尺材の断面は、ほぼ正方形、長方形、または円形のものも含まれ、且つ固定ラックおよび移動ラックの凹部や受け部の受け面は、側面視でほぼV字形やほぼ半円形を呈する。また、前記移動ラックは、全体の姿勢を一定に保ちつつ、各凹部が昇降および横行動作を順次または同時に行う(回転運動する)ことにより、各凹部が側面視で四角形、円形、または楕円形などの移動軌跡を描くものであれば良い。更に、複数の移動ラック、複数の固定ラック、および複数の風袋部は、それぞれ少なくとも一対(複数)、またはこれ以上であれば良い。加えて、前記袋部は、重量測定すべき長尺材および受け部を除いた計重部分であり、例えば、複数の鋼材を立方体または直方体に組立てたものが含まれる。
また、本発明には、前記風袋部の重量は、前記長尺材の重量よりも大である、連続重量測定装置(請求項3)も含まれる。
これによれば、受け部に長尺材が支持されても、風袋自体の振動が極少となるため、各ロードセルに加わる荷重に長尺材による振動の影響が含まれなくなり、一層正確な重量測定が安定して行える。尚、風袋部の重量は、長尺材の重量の少なくとも2倍であれば、上記振動をなくすか極く僅かに抑制することができる。
更に、本発明には、前記受け部の少なくとも受け面は、前記長尺材の硬度よりも低い硬度の鋳物からなる、連続重量測定装置(請求項4)も含まれる。
これによれば、各種の鋼材からなる棒鋼の長尺材を傷付けず且つ振動させることなく支持しつつ重量測定を安定して行うことができる。
また、本発明には、前記複数の固定ラック、複数の移動ラック、複数の受け部、風袋部、および複数のロードセルからなる組を、前記長尺材の搬送方向と直交した位置に複数組並列に配置している、連続重量測定装置(請求項5)も含まれる。
これによれば、長尺材がその軸方向に沿って例えば10メートル以上の著しく細長い場合、2組またはそれ以上の複数の固定ラック、移動ラック、受け部、風袋部、および係る風袋に配置される複数のロードセルからなる組を併用して用いることで、当該長尺材の重量を分割して支持しつつ正確に測定することができる。
加えて、本発明には、前記ロードセルの付近に温度センサを配置し、係るロードセルから出力電圧を温度補正する制御手段を有する、連続重量測定装置(請求項6)も含まれる。これによれば、例えば約800℃付近で熱間圧延された棒鋼の長尺材を、移動ラックでその幅方向に沿って固定ラックの各凹部上を順送り搬送した際に、当該長尺材の熱(例えば、約100〜300℃)を各ロードセルが受けても、係る熱による影響をなくすか極少に低減する、いわゆる温度補償が可能となる。
以下において、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明における第1の連続重量測定装置1の要部を示す側面図、図2は、その受け部10を付近を部分的に示す斜視図、図3は、当該連続重量測定装置1の一対の受け部10付近における正面図である。
図1,3に示すように、第1の連続重量測定装置1は、左右一対(複数)の固定ラック12と、左右一対(複数)の移動ラック15と、左右一対(複数)の受け部10と、係る一対の受け部10を個別に支持する一対(複数)の風袋部2a,2bと、係る風袋部2a,2bごとの底部に配置された複数のロードセル18と、を含んでいる。
左右一対の固定ラック12は、断面がほぼ正方形の棒鋼(ビレット)である複数の長尺材Wと長手方向が直交する鋼部材からなり、各長尺材Wの両端付近を上向きに開いた複数の凹部13で個別に支持する。係る凹部13は、図1,2に示すように、側面視でほぼV字形を呈し、且つ各固定ラック12の上辺に沿って、搬送方向である図1の右側に向けて僅かずつ高くなるように形成されている。
また、図1〜3に示すように、左右一対の移動ラック15は、前記固定ラック12と平行に位置する同様な鋼部材からなり、前記凹部13と相似形で且つ各長尺材Wを支持する複数の凹部16を上面に沿って有する。係る移動ラック15は、図2中の一点・二点鎖線の矢印で示すように、各凹部16が側面視でほぼ円形の移動軌跡を描く(回転運動する)ように、図示しないクランク機構などで、全体が図1の姿勢のまま、各凹部16が昇降および横行可能とされている。
更に、図1,2に示すように、左右一対の固定ラック12の中間には、それぞれ空間14が介在し、係る空間14内に受け部10が個別に位置している。即ち、各固定ラック12は、その長手方向の中間で分割され、その間の空間14内に受け部10が配置されている。
上記左右一対の受け部10は、図1〜3に示すように、前記凹部13や上記凹部16と相似形の受け面11を上向きに有すると共に、係る受け面11は、図1,2に示すように、前後に隣接する各固定ラック12の凹部13と連続した凹凸面を形成する。また、受け面11は、隣接する移動ラック15の凹部16とも側面視で重複可能である。後述するように、左右一対の受け部10は、隣接する移動ラック15が下降した際に、その受け面11が当該移動ラック15の凹部16よりも高くなる位置に設定されている。
尚、受け部10のうち、受け面11を含む少なくとも上部は、長尺材Wよりも硬度が低い鋳物(例えば、JIS:FC200)からなる。
図1,3に示すように、一対の受け部10は、垂直なH鋼9を介して、それぞれ風袋2a,2bに個別に支持されている。係る風袋2a,2bは、H鋼からなる四辺の桁材3、四辺の梁材4、および、これらの間の四隅に立設する柱材5をもって直方体に組み立てた枠体である。対向する梁材4,4の中間の上方には、一対のH鋼7,7が水平に架設され、係るH鋼7,7間の上方に直角にH鋼8が水平に架設されると共に、係るH鋼8の中央から垂直に立設するH鋼9の上端に受け部10が固定されている。
尚、梁材4,柱材5間の内隅には、補強用のガゼットステイ6が溶着されている。また、風袋2a,2bの各重量は、長尺材Wの重量の約3倍である。
図1,3に示すように、左右一対の風袋2ごとの底部の四隅には、4個のロードセル18がそれぞれ個別に配置され、各ロードセル18は、ベース17を介して床面FLに支持されている。
ここで、以上のような第1の連続重量測定装置1の作用について、説明する。
図1,2は、左右一対の移動ラック15の各凹部16が、各受け部10の受け面11とほぼ同じ高さの位置にある状態を示している。
図1,3に示すように、ハッチングを付した長さ約5メートルで且つ断面正方形の一辺が約15cmの長尺材Wは、一対の受け部10の各受け面11のみに、その両端付近の二側面を面接触させつつ安定した姿勢で支持される。係る長尺材Wの重量は、各受け部10および各風袋部2a,2bを介して分割され、各風袋部2a,2bの底部に位置する4個のロードセル18に荷重となって加わる。各ロードセル18で個別に検出された荷重は、図示しない和算機で合算され、表示計に表示される。
しかも、各風袋2a,2bの重量が長尺材Wの重量よりも大きいので、当該長尺材Wに生じ得る振動は、各ロードセル18に伝搬されないため、当該長尺材Wの重量を正確に測定することが可能となる。尚、個別の長尺材Wの重量は、測定した都度、本測定装置1に付随して設置されるコンピュータなどに記録される。
次いで、図4中の一点鎖線・破線の矢印で示すように、左右一対の移動ラック15の各凹部16は、上昇運動と横行運動とを同時に行いつつ、斜め上向きの円弧形の移動軌跡を描いて上昇する。この結果、各移動ラック15の凹部16には、固定ラック12の各凹部13または各受け部10の受け面11に支持されていた複数の長尺材Wが単独で支持される。
更に、各固定ラック12の上方に上昇した各移動ラック15は、図5中の一点鎖線・破線の矢印で示すように、各凹部16が隣接する各固定ラック12寄りに、斜め下向きの円弧形軌跡で下降し、図1に示すように、各凹部16は、各固定ラック12の各凹部13または受け部10の受け面11と同様の高さになる。更に、移動ラック15の凹部16は、図3に示すように、固定ラック12の凹部13や受け部10の受け面11よりも下側に下降する。
この際、複数の長尺材Wは、それぞれ移動ラック15の各凹部16から、固定ラック12の各凹部13で且つ前後方向に沿って1つずつ隣接する凹部13側に移行して支持される。同時に、移動ラック15の凹部16から、1本の新たな長尺材Wが、一対の受け部10の各受け面11に支持され、且つ前記同様にその重量を自動的に測定される。
以上のような移動ラック15の各凹部16の側面視で円形軌跡を描く回転運動に伴って、複数の長尺材Wは、固定ラック12の凹部13から隣接する凹部13に、両端付近を支持されつつ、それらの幅方向に沿って順次搬送される。しかも、各長尺材Wは、一対の受け部10の各受け面11に支持された際に、順次その重量を連続的に正確且つ効率良く測定される。更に、長尺材Wは、受け部10の鋳物からなる受け面11に支持されつつ、その重量を測定されるため、受け面11に接触する側面が傷付くおそれがない。
従って、以上のような第1の連続重量測定装置1を用いることにより、棒鋼のような長尺材Wを、連続して正確に且つ効率良く重量測定することができる。
図6は、本発明における第2の連続重量測定装置1aを示す前記図3と同様な正面図、図7は、係る連続重量測定装置1aの受け部10付近を部分的に示す斜視図である。
図6,7に示すように、第2の連続重量測定装置1aは、左右一対(複数)の昇降可能な固定ラック20と、これに隣接する前記同様の左右一対(複数)の移動ラック15と、これらの中間に隣接して位置する左右一対(複数)の受け部10と、係る一対の受け部10を個別に支持する一対(複数)の風袋部2a,2bと、係る風袋部2a,2bごとの底部に配置された複数のロードセル18と、を含む。
即ち、第2の連続重量測定装置1aは、前記第1の連続重量測定装置1と比較して、一対の固定ラック20が、一対の受け部10と別体であり、且つ図7中の垂直方向の矢印で示すように、独自の機構により昇降する点で相違している。
図7に示すように、固定ラック20の凹部21は、移動ラック15の凹部16や受け部10の受け面11と相似形である。また、各凹部21は、円弧形の移動軌跡を描く移動ラック15の各凹部16と、図7のように、固定ラック20の昇降の途中において側面視で重複する。また、固定ラック20における1つの凹部21は、その昇降動作の途中で、受け部10の受け面11と側面視で重複する。
即ち、移動ラック15の各凹部16の円形軌跡を描く運動に伴って、複数の長尺材Wは、各固定ラック20の凹部21から隣接する凹部21に、両端付近を支持されつつ、それらの幅方向に沿って順次搬送される。各長尺材Wは、移動ラック15が下方に移動し且つ固定ラック20が下降した際に、一対の受け部10の各受け面11に支持される。この際、各長尺材Wは、順次その重量を各ロードセル18により連続的に正確且つ効率良く測定される。しかも、長尺材Wは、受け部10の鋳物からなる受け面11に支持されつつ、その重量を測定されるため、各受け面11に接触する側面が傷付くおそれがない。
従って、第2の連続重量測定装置1aを用いることによっても、棒鋼のような長尺材Wを、連続して正確に且つ効率良く重量測定が可能となる。
図8は、長さが約13メートルと著しく長い長尺材Wを測定するため、前記第2の連続重量測定装置1aを2組(複数組)用いた応用形態を示す概略図である。
図8に示すように、左右の連続重量測定装置1a,1aにおける各移動ラック15の各凹部16の円形軌跡を描く運動に伴って、長尺材Wは、各固定ラック20の凹部21から隣接する凹部21に、両端付近を支持されつつ、それらの幅(図示の前後)方向に沿って順次搬送される。各長尺材Wは、各移動ラック15が下方に移動し且つ各固定ラック20が下降した際に、二対の受け部10の各受け面11に支持される。
この際、各長尺材Wの重量は、前記測定装置1a,1aの各受け部10および各風袋部2を介して分割され、各風袋部2ごとの底部に位置する合計16個のロードセル18に、分割された荷重となって加わる。各ロードセル18で個別に検出された荷重は、図示しない和算機で合算され、表示計に表示される。
従って、図8のように、2組の連続重量測定装置1a,1aを用いることで、10メートル以上の長大な長尺材Wの重量を、順次連続的に正確且つ効率良く測定できる。しかも、長尺材Wは、受け部10の鋳物からなる受け面11に支持されつつ測定されるため、各受け面11に接触する側面が傷付くおそれがない。
尚、第2の連続重量測定装置1aを3組以上併用したり、前記第1の連続重量測定装置1を2組またそれ以上の複数組で併用する形態としても良い。
図9は、前記第1の連続重量測定装置1および第2の連続重量測定装置1aに適用する温度補償用の制御手段22を示す概略図である。
前記長尺材Wが、約800℃で熱間圧延された直後である場合、当該長尺材Wは幅方向に沿って搬送されつつ徐々に冷却していく。しかし、係る冷却の途中で重量測定する場合、長尺材Wの温度は、約100〜300℃の温度域となる。この温度域では、長尺材Wから放射される熱により、測定装置1,1aの前記ロードセル18は、その出力電圧が真の値よりも高くなり易い。このため、上記温度域にある長尺材Wの重量を測定すると、係る温度による誤差を招くおそれがある。
そこで、図9に示すように、前記測定装置1,1aにおける各ロードセルごとに、その付近に温度センサ23を配置し、この温度センサ23の出力値をA/D変換器24に通しアナログからデジタルに変換した後、ロードセル18の重量値と共に、温度補正部25に送り、当該ロードセル18の重量値を温度補正する。
各制御手段22ごとの温度補正部25で温度補正された重量値を、図9に示すように、和算機26に入力して合算し、その出力をアンプ27で増幅した後、表示計28で測定した長尺材Wの重量値を表示する。
これにより、前記温度域にある複数の長尺材Wを、温度補正しつつ順次その重量を連続的して正確に且つ効率良く測定することが可能となる。従って、熱間圧延などされた長尺材Wの冷却を待ったり、冷却用ヤード(スペース)を設けることなく、冷却途中の長尺材Wを連続的に重量測定を正確に行える。
尚、個別の長尺材Wの重量値は、上記表示計28で表示するだけでなく、別途にコンピュータなどの記録部に記録される。
図10,11は、異なる形態の第2の連続重量測定装置1bの概略を示す。
連続重量測定装置1bは、図10,11に示すように、一対(複数)の昇降可能な固定ラック32と、これに隣接する一対(複数)の移動ラック34と、これらの中間に隣接して位置する一対(複数)の受け部30と、係る受け部10を個別に支持する一対(複数)の風袋部(図示せず)と、係る風袋部ごとの底部に配置された複数のロードセル(図示せず)と、を含んでいる。
固定ラック32と移動ラック34とは、上辺に沿ってほぼ半円形の凹部33,35を複数ずつそれぞれ連続して有する。また、移動ラック34は、前記同様に昇降および横行可能であるため、各凹部35は側面視で円形または四角形などの移動軌跡を描く。更に、受け部30の受け面31も、上記凹部33,35と相似形であり、且つ前記同様の鋳物からなる。尚、受け部30は、垂直材30aを介して風袋に支持されている。
予め、固定ラック32の各凹部33に両端付近を支持された断面円形の長尺材W′は、昇降および横行して円弧形に上昇する移動ラック34により、図10に示すように、各凹部35に移行して上昇した後、当該移動ラック34の下降により、図11に示すように、固定ラック32の各凹部33に支持される。
次いで、移動ラック34更に下降し且つ固定ラック32が独自に下降すると、何れか一対の凹部33に両端付近を支持され且つ図11中でハッチングを付けた長尺材W′は、一対の受け部30の各凹部31上に移行し、且つ該受け部30のみに支持される。係る状態で前記同様に長尺材W′の重量測定が行われる。係る測定が終わると固定ラック32が上昇して、測定済みの長尺材W′を支持する。
そして、複数の長尺材W′は、固定ラック32の各凹部33を搬送方向である図11の右側に隣接する凹部32に順送り搬送される。
従って、第2の連続重量測定装置1bを用いることによれば、棒鋼のような断面円形の長尺材W′を、連続して搬送しつつ、正確に且つ効率良く重量測定することができる。また、前記制御手段22を適用することで、数100℃の長尺材W′を、温度補償しつつ連続的に重量測定することもできる。
尚、前記第1の連続重量測定装置1における各凹部11,13,16をほほ半円形にすることで、上記長尺材W′を測定および搬送対象とすることができる。
本発明は、以上のような各形態に限定されない。
例えば、断面が長方形の細長い鋼材(ブルーム)を本発明の重量測定および搬送対象としても良い。また、細長い金属パイプや角形鋼管、あるいはコンクリート杭なども、本発明の重量測定および搬送対象としても良い。
また、互いに平行な3列(複数)の固定ラック、互いに平行な3列(複数)の移動ラック、および、各固定ラックの中間にそれぞれ位置する3個(複数)の受け部を含む第1の連続重量測定装置としても良い。あるいは、互いに平行な3列の固定ラック、互いに平行な3列の移動ラック、および、これらの中間にそれぞれ隣接3個の受け部を含む第2の連続重量測定装置としても良い。
更に、固定ラックの凹部、移動ラックの凹部、および受け部の受け面の形状は、側面視でたとえば上向きに開いたコ字形や逆台形としても良く、これらにより、断面四角形の長尺材はもとより、断面六角形や八角形の長尺材も、本発明の重量測定および搬送対象とすることができる。
また、風袋部は、前記直方体の形態に限らず、三角柱体を呈するものとしても良く、この形態では、底辺での3箇所の出隅部に3個のロードセルを設ける。
尚、前記各連続重量測定装置は、制御室で多数の長尺材や移動ラックなどの全体の動きを、各部のモニタにより監視され、新たな長尺材の搬入や測定・搬送済みの長尺材の搬出を含め、全自動により運転される。
本発明における第1の連続重量測定装置の要部を示す側面図。 上記測定装置における受け部の付近を示す斜視図。 上記測定装置の受け部付近における正面図。 上記測定装置の使用状態を示す概略図。 図4に続く上記測定装置の使用状態を示す概略図。 第2の連続重量測定装置の受け部付近における正面図。 上記測定装置における受け部の付近を示す斜視図。 上記測定装置を用いた応用形態を示す概略図。 上記各測定装置に適用する温度補償用の制御手段を示す斜視図。 異なる形態の第2の連続重量測定装置の受け部付近を示す概略図。 上記装置の図10に続く使用状態を示す概略図。
符号の説明
1,1a,1b……………連続重量測定装置
2a,2b………………風袋部
10,30………………受け部
11,31………………受け面
12,20,32…………固定ラック
14………………………空間(中間)
15,34………………移動ラック
13,16,33,35…凹部
18………………………ロードセル
22………………………制御手段
23………………………温度センサ
W,W′…………………長尺材

Claims (6)

  1. 棒鋼などの複数の長尺材を複数の凹部で個別に支持する複数の固定ラックと、
    上記固定ラックと平行に位置し、上記凹部と相似形で且つ上記長尺材を支持する複数の凹部を有する昇降および横行可能な複数の移動ラックと、
    上記複数の固定ラックの中間に位置し、上記凹部と相似形の受け面を有し且つ上記移動ラックが下降した際に、これよりも高くなる複数の受け部と、
    上記各受け部を個別に支持する複数の風袋部と、
    上記風袋部ごとの底部に配置された複数のロードセルと、を含む、
    ことを特徴とする長尺材の連続重量測定装置。
  2. 棒鋼などの複数の長尺材を複数の凹部で個別に支持する昇降可能な複数の固定ラックと、
    上記固定ラックと平行に位置し、上記凹部と相似形で且つ上記長尺材を支持する複数の凹部を有する昇降および横行可能な複数の移動ラックと、
    上記複数の固定ラックと移動ラックとの長手方向の中間に隣接し、上記凹部と相似形の受け面を有し且つ上記固定ラックと移動ラックとが下降した際に、これらよりも高くなる複数の受け部と、
    上記各受け部を個別に支持する複数の風袋部と、
    上記風袋部ごとの底部に配置された複数のロードセルと、を含む、
    ことを特徴とする長尺材の連続重量測定装置。
  3. 前記風袋部の重量は、前記長尺材の重量よりも大である、
    請求項1または2に記載の長尺材の連続重量測定装置。
  4. 前記受け部の少なくとも受け面は、前記長尺材の硬度よりも低い硬度の鋳物からなる、請求項1乃至3の何れか一項に記載の長尺材の連続重量測定装置。
  5. 前記複数の固定ラック、複数の移動ラック、複数の受け部、風袋部、および複数のロードセルからなる組を、前記長尺材の搬送方向と直交した位置に複数組並列に配置している、
    請求項1乃至4の何れか一項に記載の長尺材の連続重量測定装置。
  6. 前記ロードセルの付近に温度センサを配置し、係るロードセルから出力電圧を温度補正する制御手段を有する、
    請求項1乃至5の何れか一項に記載の長尺材の連続重量測定装置。
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