JP2006010491A - 体液分析方法及び分注良否判定装置 - Google Patents
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Abstract
本発明の課題は、マイクロプレート等の超微量検体の自動分注が確実に行われたかどうかを判定する手段を提供することである。
【課題を解決するための手段】
体液中に存在するたんぱく質の構成成分であるフェニルアラニンやトリプトファン等の芳香族アミノ酸に着目し、これの紫外部吸収を利用して検体の分注の良否が判定可能かどうかを検討した。体液中には、干渉物質等が存在し、その測定系への影響が危惧されたが、思いがけないことに、約280nmの吸収波長での吸光度測定によって、確実に分注の良否が判定可能なことを見出し本発明を完成した。
Description
「1.体液分析検査において、容器中に小分け分注された検体の分注良否判定のために約260〜約300nmの吸収波長で吸光度測定手段による測定を行う工程を含む体液分析方法。
2.体液分析検査において、検体を測定容器に分注する手段によって容器に小分け分注し、容器中に分注された検体の分注良否判定のために約260〜約300nmの吸収波長での吸光度測定手段によって吸光度測定を行い、測定によって得られた数値を記憶手段によって保存し、この数値をコントロールにおける測定数値との比較をする判定手段によって比較し、各小分けされた検体の分注良否の判定をおこなう工程を含む体液分析方法。
3.検体が血清である請求項1又は2の方法。
4.容器がマイクロプレートである請求項1〜3のいずれか一に記載の方法。
5.小分け分注量が、0〜100μlである請求項1〜4のいずれか一に記載の方法。
6.判定が吸光度の増加によっておこなわれる請求項1〜5のいずれか一に記載の方法。
7.体液分析検査において使用する装置であって、検体を測定容器に小分け分注する手段、容器中に分注された検体の分注良否判定のために約260〜約300nmの吸収波長での吸光度測定手段、測定によって得られた数値の記憶手段、この数値をコントロールにおける測定数値との比較をする判定手段を含む分注良否判定装置。」からなる。
本発明において、検体は、血清、血漿、尿、唾液、喀痰等自体或はその由来物が適用可能である。なお、唾液や喀痰を検体に使う場合は、粘度が高いので粘度を落とす手段が講じられていることが好ましい。
本発明において使用される容器は、微量測定用容器において最適な結果を得られるがこれに限定されるものではない。最適な容器としては、マイクロプレートが例示される。本発明において、容器への小分け分注は、好適には自動分注機を使い、採取された体液を予備調整し、自動吸引によって検体を定量吸引し、これを測定容器例えば透明性を有するプラスチック或はガラス容器に小分け吐出することによっておこなわれる。無論、この小分け操作は、手動でも良いが、マイクロプレートのような大量検体を同時に測定する場合にあっては自動化が好適である。
本発明における測定の基本的な手技は、約260〜約300nm、好ましくは約270〜約290nm、より好ましくは約280nmの吸収波長を利用し、その吸光度測定手段を適用することで行う。この測定に用いる機器は特に限定されるものではなく、紫外部における吸光度測定が可能な容器リーダー、プレートリーダーの手段で実施可能である。
材料及び方法
マイクロプレートにおける検体分注の自動チェックの可能性を検討した。検討に用いた分析機は、大日本製薬製マルチスキャン ヴィエントを用いた。本機は、200〜999nmという非常に広範囲における吸光度測定が可能なプレートリーダーであり、280nmでの吸光度測定が可能である。富士レビオ社96穴U底マイクロプレートに、血清を0〜35μl分注し、ミキサーで撹拌を行って血清がウェル全体に広がるようにしたのち、吸光度を測定した。なお、参考のために、580nm、585nm、590nm、595nmの各吸光度でも同様に測定した(図1〜4)。
280nmを採用した結果、吸光度は検体が分注されていないホールでは3.05以下なのに対し、分注が確認されているホールでは3.1以上の値を示した。従ってOD値3.10をCUT OFF値として設定して検体が分注されているかどうかを判定することが可能と判断された。図5。
「干渉チェック・Aプラス」(国際試薬製)と10μlの検体量について、分注の確認ができるかを検討した。その結果、遊離型及び抱合型ビリルビン、溶血、乳び、いずれの場合においても吸光度は上昇がみられた。しかし、本発明の方法では吸光度の増加をもって血清の有無を判定するため、干渉物質による分注を見落とすことにはならず、影響はみられなかった。図8。
Cut Off 値を3.10として、マイクロプレート(96穴)に80検体を分注し、実際に検体の有無を検出できるかを検討した。検体は5μlずつ分注し、これを50枚のプレートで確認したところ、判定は100%一致した。図9。
あらかじめ緩衝液20μl の入っているホールに、血清を5μl ずつ加える工程において、分注を自動確認できるか検討したところ、判定は100%一致していた。図7。
本発明の方法によって、検体のマイクロプレートへの分注が確実になされているかを、目視でなく自動的に検出できることが確認された。
Claims (7)
- 体液分析検査において、容器中に小分け分注された検体の分注良否判定のために約260〜約300nmの吸収波長で吸光度測定手段による測定を行う工程を含む体液分析方法。
- 体液分析検査において、検体を測定容器に分注する手段によって容器に小分け分注し、容器中に分注された検体の分注良否判定のために約260〜約300nmの吸収波長での吸光度測定手段によって吸光度測定を行い、測定によって得られた数値を記憶手段によって保存し、この数値をコントロールにおける測定数値との比較をする判定手段によって比較し、各小分けされた検体の分注良否の判定をおこなう工程を含む体液分析方法。
- 検体が血清である請求項1又は2の方法。
- 容器がマイクロプレートである請求項1〜3のいずれか一に記載の方法。
- 小分け分注量が、0〜100μlである請求項1〜4のいずれか一に記載の方法。
- 判定が吸光度の増加によっておこなわれる請求項1〜5のいずれか一に記載の方法。
- 体液分析検査において使用する装置であって、検体を測定容器に小分け分注する手段、容器中に分注された検体の分注良否判定のために約260〜約300nmの吸収波長での吸光度測定手段、測定によって得られた数値の記憶手段、この数値をコントロールにおける測定数値との比較をする判定手段を含む分注良否判定装置。
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