JP2006009787A - 蒸気タービンの冷却方法 - Google Patents

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Shin Yoshino
伸 吉野
Akinori Ito
昭則 伊藤
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Abstract

【課題】 蒸気タービンのターニング中に高圧タービンと中圧タービンとを並行して冷却できる蒸気タービンの冷却方法を提供することである。
【解決手段】 蒸気タービンがトリップしてターニングを開始したとき、高圧タービン入口の主蒸気リード管ドレン弁及び主蒸気止め弁ドレン弁を開くとともにタービンをリセットした後に中圧タービン入口のインターセプト弁を閉じ、高圧タービン用プレウォーミング弁を開いて補助蒸気系統からの補助蒸気を冷却用蒸気として高圧タービンに導き、中圧タービン用プレウォーミング弁を開いて補助蒸気系統からの補助蒸気を冷却用蒸気として中圧タービンに導き、高圧タービンへの冷却用蒸気の供給を停止するときは高圧タービン用プレウォーミング弁を閉じ、中圧タービンへの冷却用蒸気の供給を停止するときは中圧タービン用プレウォーミング弁を閉じる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、火力発電所における蒸気タービンがトリップした際に蒸気タービンを早期に冷却する蒸気タービンの冷却方法に関する。
火力発電所で定期検査や緊急工事を行う場合には、タービンを停止しタービンが一定温度以下になるまで冷却してから定期検査や緊急工事をするようにしている。タービン内部の温度が低下するのを自然冷却に任せると、タービントリップからターニング停止まで約6〜7日を要するので、強制的にタービンを冷却することが行われている。すなわち、タービントリップからターニング停止までの時間を短くすることによって、早期に工事に取りかかり、全体の工事短縮を図っている。
例えば、タービンを停止した後に空気をタービン内に送り込んで冷却するタービン冷却装置がある。このタービン冷却装置は、空気を強制的にタービン内に送り込むための空気供給設備を有し、空気によりタービン内を冷却するものである。また、タービンの停止後においても復水器を真空に保ってグランド蒸気の供給を継続し、グランド蒸気がグランドからタービン内に流入することによって、タービンを冷却するようにしたものもある。
さらに、低圧低温蒸気源からの補助蒸気によってタービンをウォーミングするためのウォーミング装置を用いて、タービン停止時にタービンを冷却するようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。これは、ウォーミング装置の操作条件及び監視項目の条件をウォーミング時とは相違させ、これらの操作条件及び監視項目の条件に応じてベンチレータ弁、及び補助蒸気のタービンへの送給を調整するウォーミング弁兼強制冷却弁の開閉を行うようにしたものである。
特開昭53−118605号公報(第1図、第3図)
しかし、特許文献1のものでは、タービンのターニング状態において高圧タービンと中圧タービンとの双方を並行して冷却することができない。すなわち、ウォーミング装置からの補助蒸気は、ウォーミング弁兼強制冷却弁で調整されて、高圧タービンと中圧タービンに分岐して供給され、高圧タービンには補助蒸気が直接的に供給されるが、中圧タービンにはボイラ再熱器及び複合再熱蒸気止め弁を介して供給されることになるので、高圧タービン及び中圧タービンにバランスよく補助蒸気を供給することが困難である。
そのために、ほとんどの蒸気は流路が広い中圧タービン側へ流れ、中圧タービンは冷却蒸気によって回転する。中圧タービンの回転数は特許文献1によると約1000r.p.mに達する。その際に、中圧タービンに供給する補助蒸気はボイラ再熱器を通って供給されることになるので、中圧タービンに供給される補助蒸気は冷却蒸気としての品質が落ちることになる。
一方、タービン内に空気を送り込んで冷却するタービン冷却装置では、強制的にタービン内に空気を送り込むための空気供給設備が必要となり初期投資が必要であり高価となる。また、タービンの停止後に復水器を真空に保ってグランド蒸気をタービン内に供給継続するものでは、新たな機器の設置がなく安価な方法であるが、タービン内を流れる蒸気の量が少ないために冷却効果の程度はさほど大きくない。
本発明の目的は、蒸気タービンのターニング中に高圧タービンと中圧タービンとを並行して冷却できる蒸気タービンの冷却方法を提供することである。
請求項1の発明に係わる蒸気タービンの冷却方法は、蒸気タービンを停止する際に主蒸気止め弁、蒸気加減弁及びインターセプト弁を閉じて蒸気タービンをトリップ状態にし、前記蒸気タービンがトリップしてターニングを開始したとき前記蒸気タービンの高圧タービン入口の主蒸気リード管ドレン弁及び主蒸気止め弁ドレン弁を開くとともにタービンをリセットした後に中圧タービン入口のインターセプト弁を閉じ、前記蒸気タービンの高圧タービン用プレウォーミング弁を開いて補助蒸気系統からの補助蒸気を冷却用蒸気として高圧タービンに導き前記主蒸気リード管ドレン弁と主蒸気止め弁ドレン弁を介して復水器に排出し、前記蒸気タービンの中圧タービン用プレウォーミング主弁及び中圧タービン用プレウォーミング弁を開いて前記補助蒸気系統からの補助蒸気を冷却用蒸気として中圧タービンに導き低圧タービンを介して復水器に排出し、前記高圧タービンへの冷却用蒸気の供給を停止するときは高圧タービン用プレウォーミング弁を閉じて高圧タービンへの冷却用蒸気の供給を遮断し、前記中圧タービンへの冷却用蒸気の供給を停止するときは前記中圧タービン用プレウォーミング主弁及び中圧タービン用プレウォーミング弁を閉じて中圧タービンへの冷却用蒸気の供給を遮断することを特徴とする。
請求項2の発明に係わる蒸気タービンの冷却方法は、蒸気タービンを停止する際に主蒸気止め弁、蒸気加減弁及びインターセプト弁を閉じて蒸気タービンをトリップ状態にし、前記蒸気タービンがトリップしてターニングを開始したとき前記蒸気タービンの高圧タービン入口の主蒸気リード管ドレン弁及び主蒸気止め弁ドレン弁を開くとともにタービンをリセットした後に中圧タービン入口のインターセプト弁を閉じ、前記蒸気タービンの高圧タービン用プレウォーミング弁を開いて補助蒸気系統からの補助蒸気を冷却用蒸気として高圧タービンに導き前記主蒸気リード管ドレン弁と主蒸気止め弁ドレン弁を介して復水器に排出し、前記蒸気タービンの中圧タービン用プレウォーミング主弁及び中圧タービン用プレウォーミング弁を開いて前記補助蒸気系統からの補助蒸気を冷却用蒸気として中圧タービンに導き低圧タービンを介して復水器に排出し、前記高圧タービンのメタル温度の温度低下率が所定値になったとき高圧タービン用プレウォーミング弁を閉じて高圧タービンへの冷却用蒸気の供給を遮断し、前記中圧タービンのメタル温度の温度低下率が所定値になったとき中圧タービン用プレウォーミング主弁及び中圧タービン用プレウォーミング弁を閉じて中圧タービンへの冷却用蒸気の供給を遮断することを特徴とする。
請求項3の発明に係わる蒸気タービンの冷却方法は、請求項1または2の発明において、前記補助蒸気系統からの補助蒸気を減温して冷却用蒸気として高圧タービンまたは中圧タービンに導くことを特徴とする。
請求項4の発明に係わる蒸気タービンの冷却方法は、請求項1、2または3の発明において、前記蒸気タービンの高圧タービン用プレウォーミング弁と、前記蒸気タービンの中圧タービン用プレウォーミング主弁及び中圧タービン用プレウォーミング弁とを同時期に開き、高圧タービンと中圧タービンとの冷却を並行して行うことを特徴とする。
本発明によれば、蒸気タービンのターニング中に、高圧タービン用プレウォーミング弁を開いて補助蒸気系統からの補助蒸気を冷却用蒸気として高圧タービンに導き、また、それと並行して中圧タービン用プレウォーミング主弁及び中圧タービン用プレウォーミング弁を開いて補助蒸気系統からの補助蒸気を冷却用蒸気として中圧タービンに導き、高圧タービン及び中圧タービンを補助蒸気で冷却するので、蒸気タービンのトリップからターニング停止までの時間を短縮できる。また、必要に応じて補助蒸気系統からの補助蒸気を減温することにより、冷却用蒸気の温度が下がるので、蒸気タービンの冷却をさらに早くすることができる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係わる蒸気タービンの冷却方法を実現するためのタービン系統の構成図である。図1では、蒸気タービンとしてクロスコンパウンド型の蒸気タービンを示している。プライマリ発電機11pは、主軸12pにより高圧タービン13と低圧タービン14pとに連結されており、セカンダリ発電機11sは主軸12sにより中圧タービン15と低圧タービン14sとに連結されている。
高圧タービン13にはボイラから主蒸気止め弁16及び蒸気加減弁17を介して蒸気が供給されるようになっており、高圧タービン13で仕事を終えた蒸気はボイラの再熱器18で過熱されてインターセプト弁19を介して中圧タービン15に導かれる。中圧タービンで仕事を終えた蒸気は、低圧タービン14p、14sに導かれ、低圧タービン14p、14sで仕事を終えた蒸気は復水器に導かれる。
このような蒸気タービンには、蒸気タービンの起動時に高圧タービン13や中圧タービン15をプレウォーミングするためのプレウォーミング系統が設けられている。プレウォーミング系統は、補助蒸気系統20からの低圧低温の補助蒸気をウォーミング蒸気として高圧タービン13や中圧タービン15に供給する系統である。
例えば、高圧タービン13のプレウォーミング系統は、高圧タービン用プレウォーミング弁21と主蒸気リード管ドレン弁22と主蒸気止め弁ドレン弁27とを備えている。高圧タービン13をプレウォーミングする際には、主蒸気リード管ドレン弁22、主蒸気止め弁ドレン弁27を開くとともにタービンをリセットする。タービンのリセットにより蒸気加減弁17及びインターセプト弁19が開くので、中圧タービン入口のインターセプト弁19を、例えばジャッキングデバイス等で閉じる。そして、高圧タービン用プレウォーミング弁21を開く。これにより、補助蒸気系統20からの補助蒸気がウォーミング蒸気として高圧タービン13に導かれる。そして、ウォーミング蒸気は高圧タービン13をウォーミングした後に、高圧タービン13の入口に設けられた主蒸気リード管ドレン弁22を介して復水器に排出されるとともに、蒸気加減弁17及び主蒸気止め弁ドレン弁27を介して復水器に排出される。
一方、中圧タービン15のプレウォーミング系統は、減圧器23と中圧タービン用プレウォーミング主弁24と中圧タービン用プレウォーミング弁25とを備えている。中圧タービン15をプレウォーミングする際には、中圧タービン用プレウォーミング主弁24及び中圧タービン用プレウォーミング弁25とを開く。これにより、補助蒸気系統20からの補助蒸気は減圧器23で減圧されて補助蒸気より低圧のウォーミング蒸気となり、中圧タービン用プレウォーミング弁25を介して中圧タービン15に導き、中圧タービン15をウォーミングした後に、低圧タービン14p、14sに導かれ復水器に排出する。
ここで、減圧器23で減圧するのは、中圧タービン15のプレウォーミング系統は、主軸12p、12sの軸封部にグランド蒸気を供給するグランド蒸気系統を兼ねているからである。なお、蒸気タービンの運転中においては、この補助蒸気系統からではなく、タービン抽気から減圧器23を通って主軸12p、12sの軸封部にグランド蒸気が供給される。
本発明は、蒸気タービンをプレウォーミングするときのプレウォーミング系統を逆にタービンを冷却するための冷却系統に使用するものである。図2は本発明の第1の実施の形態に係わる蒸気タービンの冷却方法の工程図である。まず、蒸気タービンを停止する際に、主蒸気止め弁16、蒸気加減弁17及びインターセプト弁19を閉じて蒸気タービンをトリップ状態にする(S1)。これにより、蒸気タービンに供給される蒸気が遮断されるので、蒸気タービンの回転数は減速し、また、蒸気タービンのメタル温度も自然冷却により下降し始める。このときのメタル温度の低下率は大きい。なお、この場合、復水器内は真空を保持しておく。
蒸気タービンの回転数が低下し、蒸気タービンが低速でターニングを開始したことを確認すると(S2)、蒸気タービンの高圧タービン入口の主蒸気リード管ドレン弁22及び主蒸気止め弁ドレン弁27を開くとともにタービンをリセットし、中圧タービン入口のインターセプト弁19を、例えばジャッキングデバイス等で閉じる(S3)。主蒸気リード管ドレン弁22及び主蒸気止め弁ドレン弁27を開くのは、高圧タービン13の冷却系統を形成するためであり、インターセプト弁19を閉じるのは高圧タービン13への冷却用蒸気が再熱器18へ流れるのを防ぐためである。また、タービントリップ直後は温度低下率が大きく、このときに冷却を開始すると、温度差による熱応力によりローターやケーシングに低サイクル疲労損傷が増大するので、ターニングが開始してから暫くしてから冷却を行うこととした。
次に、蒸気タービンの高圧タービン用プレウォーミング弁21を開くとともに(S4)、蒸気タービンの中圧タービン用プレウォーミング主弁24及び中圧タービン用プレウォーミング弁25を開く(S5)。高圧タービン用プレウォーミング弁21が開かれ、復水器は真空を保持していることから、補助蒸気系統20からの補助蒸気が冷却用蒸気として高圧タービン13に導かれ、高圧タービン13を冷却した後に主蒸気リード管ドレン弁22と主蒸気止め弁ドレン弁27を介して復水器に排出される。一方、中圧タービン用プレウォーミング主弁24及び中圧タービン用プレウォーミング弁25が開かれ、復水器は真空を保持していることから、補助蒸気系統からの補助蒸気が冷却用蒸気として中圧タービン15に導かれ、低圧タービン14p、14sを介して復水器に排出する。
このように、タービントリップ後に、蒸気タービンの高圧タービン用プレウォーミング弁21、中圧タービン用プレウォーミング主弁24及び中圧タービン用プレウォーミング弁25を開にすることにより、高圧タービン13及び中圧タービン15内に蒸気を流入させて、蒸気の流れによりタービン内を冷却する。その間、タービン内から復水器へ蒸気を流すために復水器内は真空に保持される。
そして、高圧タービン13のメタル温度の温度低下率が所定値になったとき、高圧タービン用プレウォーミング弁21を閉じて高圧タービン13への冷却用蒸気の供給を遮断する(S6)。同様に、中圧タービン15のメタル温度の温度低下率が所定値になったとき、中圧タービン用プレウォーミング主弁24及び中圧タービン用プレウォーミング弁25を閉じて中圧タービン15への冷却用蒸気の供給を遮断する(S7)。それ以降は自然冷却とする。
これは、補助蒸気系統20から供給される冷却用蒸気の温度は、通常、230℃〜300℃であるので、冷却蒸気温度以下には冷却することができないからである。すなわち、冷却用蒸気で冷却を開始してから時間が経過すると、冷却用蒸気の温度に向けて、メタル温度は低下していくが、その温度低下率は小さくなり、やがて自然冷却による温度低下率の方が大きくなる。そこで、蒸気タービンのメタル温度の温度低下率が自然冷却での温度低下率と等しくなったときに、冷却用蒸気による冷却を中止し、それ以降は自然冷却による冷却に切り替える。
ここで、蒸気タービンの高圧タービン用プレウォーミング弁21を開く工程S4と、蒸気タービンの中圧タービン用プレウォーミング主弁24及び中圧タービン用プレウォーミング弁25を開く工程S5とは、同時または時間をずらして行うようにしてもよい。補助蒸気系統20からの冷却用蒸気は、高圧タービン13と中圧タービン15とに独立して供給でき、それぞれを独立して冷却できるようになっているので、冷却時期をずらすことも可能である。実用的には、同時期に冷却を開始し並列的に冷却を行うことで、全体としてのターニング時間を短縮できる。
図3は、高圧タービン13の冷却特性の一例を示す説明図である。図3では、ターニング開始後に410℃まで自然冷却し、410℃で蒸気温度が250℃の冷却用蒸気で冷却した場合の高圧タービン13の第1段後壁メタル温度の特性曲線を示している。
特性曲線S0は冷却用蒸気で冷却しない自然冷却の場合の高圧タービン13の第1段後壁メタル温度の特性曲線、特性曲線S1は高圧タービン13の内圧が1.01325MPa(1気圧)で冷却用蒸気で冷却したときの高圧タービン13の第1段後壁メタル温度の特性曲線、特性曲線S3は高圧タービン13の内圧が3.03975MPa(3気圧)で冷却用蒸気で冷却したときの高圧タービン13の第1段後壁メタル温度の特性曲線、特性曲線S5は高圧タービン13の内圧が5.06625MPa(5気圧)で冷却用蒸気で冷却したときの高圧タービン13の第1段後壁メタル温度の特性曲線である。
特性曲線S1’は、高圧タービン13の内圧が1.01325MPa(1気圧)のときの冷却用蒸気による冷却後に自然冷却に切り替えたときの特性曲線、特性曲線S3’は、高圧タービン13の内圧が3.03975MPa(3気圧)のときの冷却用蒸気による冷却後に自然冷却に切り替えたときの特性曲線、特性曲線S5’は、高圧タービン13の内圧が5.06625MPa(5気圧)のときの冷却用蒸気による冷却後に自然冷却に切り替えたときの特性曲線である。
すなわち、高圧タービン13の内圧が1.01325MPa(1気圧)のときは、高圧タービン13の第1段後壁メタル温度が自然冷却での温度低下率と等しくなったときの温度T1℃で冷却用蒸気による冷却を中止し、それ以降は自然冷却による冷却とする。高圧タービン13の内圧が3.03975MPa(3気圧)のときは、高圧タービン13の第1段後壁メタル温度が自然冷却での温度低下率と等しくなったときの温度T3℃で冷却用蒸気による冷却を中止し、それ以降は自然冷却による冷却とする。高圧タービン13の内圧が5.06625MPa(5気圧)のときは、高圧タービン13の第1段後壁メタル温度が自然冷却での温度低下率と等しくなったときの温度T5℃で冷却用蒸気による冷却を中止し、それ以降は自然冷却による冷却とする。
図3から分かるように、自然冷却のときはターニング時間は約2.8日であるのに対し、ターニング開始とともに高圧タービン13の内圧が1.01325MPa(1気圧)のときに蒸気温度が250℃の冷却用蒸気で冷却した場合には、ターニング時間は約2.5日であり、ターニング時間を約0.3日だけ短縮できる。また、高圧タービン13の内圧が3.03975MPa(3気圧)のときはターニング時間は約2.1日であり、約0.7日、高圧タービン13の内圧が5.06625MPa(5気圧)のときはターニング時間は約1.9日であり、0.9日だけ短縮できる。
このように、高圧タービン13の内圧が高いほどターニング時間を短縮できる。なお、高圧タービン13の内圧を高くした場合には、第1段後壁メタル温度の温度低下率が大きくなり、その温度差による熱応力によりローターやケーシングに低サイクル疲労損傷が増大するので、実用的には、高圧タービン13の内圧は8.106MPa(8気圧)以下程度に保持することになる。
図4はある高圧タービン13に対して冷却試験を行った場合の冷却特性の特性図である。図4では、高圧タービンのトリップ後にターニング開始まで待ち、その後にメタル温度410℃まで自然冷却し、メタル温度410℃で蒸気温度が約250℃、蒸気圧力が約6.4848MPa(6.4気圧)の冷却用蒸気で7時間(約0.29日)冷却した場合の高圧タービン13の第1段後壁メタル温度の特性曲線を示している。
図4中の特性曲線Saは冷却用蒸気で冷却しない自然冷却の場合の高圧タービン13の第1段後壁メタル温度の特性曲線(実測値)、特性曲線S6は高圧タービン13の内圧が6.0795MPa(6気圧)で冷却用蒸気で冷却したときの高圧タービン13の第1段後壁メタル温度の特性曲線(理論特性曲線)、特性曲線S’は、高圧タービン13の内圧が6.4848MPa(6.4気圧)のときの冷却用蒸気による冷却開始から7時間(約0.29日)後に試験を終了し自然冷却に切り替えたときの特性曲線(実測値)である。
図4から分かるように、理論特性曲線である特性曲線S6と実測値である特性曲線S’とは特性曲線がよく一致している。また、7時間程度の蒸気冷却でも蒸気冷却停止時(メタル温度約320℃)には、自然冷却の場合には第1段後壁メタル温度が約320℃になるには、約1.3日かかることから約1日以上の冷却時間短縮効果がある。
なお、この冷却試験のように高圧タービン13のメタル温度の温度低下率が所定値になる前に冷却を停止した場合には、冷却停止直後には温度低下率が下がり冷却が弱まる。これによりメタル温度全体の均一化が始まり、タービン温度降下率が大幅に低下することになる。そこで、それを考慮に入れて、第1段後壁メタル温度250℃近辺で自然冷却と蒸気冷却とを比較すると、それでも約0.5日(12時間)程度の冷却時間短縮効果が得られる。このように、高圧タービン13のメタル温度の温度低下率が所定値になる前に冷却を停止しても充分な冷却効果は得られる。
以上の説明では、高圧タービン13の冷却について説明したが、中圧タービン15の冷却の場合も同様に、ターニングの開始から、中圧タービンの第1段後壁メタル温度の温度低下率が自然冷却の場合の温度低下率になるまで冷却蒸気を供給して中圧タービンの冷却を行う。
第1の実施の形態によれば、蒸気タービンのターニング中に、プレウォーミング系統の高圧タービン用プレウォーミング弁を開いて補助蒸気系統からの補助蒸気を冷却用蒸気として高圧タービンに導き、また、それと並行して中圧タービン用プレウォーミング主弁及び中圧タービン用プレウォーミング弁を開いて補助蒸気系統からの補助蒸気を冷却用蒸気として中圧タービンに導き、高圧タービン及び中圧タービンを補助蒸気で冷却するので、蒸気タービンのトリップからターニング停止までの時間を短縮できる。また、プレウォーミング系統を使用して冷却を行うので、冷却のための新たな機器を設置する必要がなく設備コストを必要としない。
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。図5は本発明の第2の実施の形態に係わる蒸気タービンの冷却方法を実現するためのタービン系統の構成図である。この第2の実施の形態は、図1に示した第1の実施の形態に対し、補助蒸気系統20からの補助蒸気を減温して冷却用蒸気として高圧タービン13導く減温器26aと、補助蒸気系統20からの補助蒸気を減温して冷却用蒸気として中圧タービン15に導く減温器26bとを追加して設けたものである。図1と同一要素には、同一符号を付し重複する説明は省略する。
図5において、補助蒸気系統20からの補助蒸気を高圧タービンに導く高圧タービン用プレウォーミング弁21の高圧タービン13側に減温器26aが設けられ、同様に、中圧タービン用プレウォーミング主弁24の中圧タービン側に減温器26bが設けられている。補助蒸気系統20からの補助蒸気の温度は、通常230℃〜300℃であるので、高圧タービン13や中圧タービン15の冷却の際には、この補助蒸気を減温して冷却用蒸気として高圧タービン13または中圧タービン15に導く。これにより、冷却の効果を高める。
例えば、図示省略の復水ポンプ出口から40℃程度の復水を取り出し、2つの減温器26a、26bに対してスプレーすることで補助蒸気温度を下げる。補助蒸気温度は自動制御とし、クーリング初期は蒸気温度を高めに設定し、徐々に設定を下げることで高圧タービン13や中圧タービン15内の熱負荷を低減させることができる。この減温器26a、26bを設置した場合には、減温器26a、26bの設備費用が発生するが、空気供給設備に比較すると圧倒的に少ない金額で設置可能である。
第2の実施の形態によれば、高圧タービン13や中圧タービン15の冷却の際には、補助蒸気系統20からの補助蒸気を減温器26a、26bで減温するので、冷却用蒸気の温度が下がり、高圧タービン13や中圧タービン15の冷却をさらに早くすることができる。従って、ターニング時間を短縮でき早期の蒸気タービンの点検や工事が可能となる。
本発明の第1の実施の形態に係わる蒸気タービンの冷却方法を実現するためのタービン系統の構成図。 本発明の第1の実施の形態に係わる蒸気タービンの冷却方法の工程図。 本発明の第1の実施の形態における高圧タービンの冷却特性の一例の説明図。 本発明の第1の実施の形態において、ある高圧タービンに対して冷却試験を行った場合の冷却特性の特性図。 本発明の第2の実施の形態に係わる蒸気タービンの冷却方法を実現するためのタービン系統の構成図。
符号の説明
11…発電機、12…主軸、13…高圧タービン、14…低圧タービン、15…中圧タービン、16…主蒸気止め弁、17…蒸気加減弁、18…再熱器、19…インターセプト弁、20…補助蒸気系統、21…高圧タービン用プレウォーミング弁、22…主蒸気リード管ドレン弁、23…減圧器、24…中圧タービン用プレウォーミング主弁、25…中圧タービン用プレウォーミング弁、26…減温器、27…主蒸気止め弁ドレン弁

Claims (4)

  1. 蒸気タービンを停止する際に主蒸気止め弁、蒸気加減弁及びインターセプト弁を閉じて蒸気タービンをトリップ状態にし、前記蒸気タービンがトリップしてターニングを開始したとき前記蒸気タービンの高圧タービン入口の主蒸気リード管ドレン弁及び主蒸気止め弁ドレン弁を開くとともにタービンをリセットした後に中圧タービン入口のインターセプト弁を閉じ、前記蒸気タービンの高圧タービン用プレウォーミング弁を開いて補助蒸気系統からの補助蒸気を冷却用蒸気として高圧タービンに導き前記主蒸気リード管ドレン弁と主蒸気止め弁ドレン弁を介して復水器に排出し、前記蒸気タービンの中圧タービン用プレウォーミング主弁及び中圧タービン用プレウォーミング弁を開いて前記補助蒸気系統からの補助蒸気を冷却用蒸気として中圧タービンに導き低圧タービンを介して復水器に排出し、前記高圧タービンへの冷却用蒸気の供給を停止するときは高圧タービン用プレウォーミング弁を閉じて高圧タービンへの冷却用蒸気の供給を遮断し、前記中圧タービンへの冷却用蒸気の供給を停止するときは前記中圧タービン用プレウォーミング主弁及び中圧タービン用プレウォーミング弁を閉じて中圧タービンへの冷却用蒸気の供給を遮断することを特徴とする蒸気タービンの冷却方法。
  2. 蒸気タービンを停止する際に主蒸気止め弁、蒸気加減弁及びインターセプト弁を閉じて蒸気タービンをトリップ状態にし、前記蒸気タービンがトリップしてターニングを開始したとき前記蒸気タービンの高圧タービン入口の主蒸気リード管ドレン弁及び主蒸気止め弁ドレン弁を開くとともにタービンをリセットした後に中圧タービン入口のインターセプト弁を閉じ、前記蒸気タービンの高圧タービン用プレウォーミング弁を開いて補助蒸気系統からの補助蒸気を冷却用蒸気として高圧タービンに導き前記主蒸気リード管ドレン弁と主蒸気止め弁ドレン弁を介して復水器に排出し、前記蒸気タービンの中圧タービン用プレウォーミング主弁及び中圧タービン用プレウォーミング弁を開いて前記補助蒸気系統からの補助蒸気を冷却用蒸気として中圧タービンに導き低圧タービンを介して復水器に排出し、前記高圧タービンのメタル温度の温度低下率が所定値になったとき高圧タービン用プレウォーミング弁を閉じて高圧タービンへの冷却用蒸気の供給を遮断し、前記中圧タービンのメタル温度の温度低下率が所定値になったとき中圧タービン用プレウォーミング主弁及び中圧タービン用プレウォーミング弁を閉じて中圧タービンへの冷却用蒸気の供給を遮断することを特徴とする蒸気タービンの冷却方法。
  3. 前記補助蒸気系統からの補助蒸気を減温して冷却用蒸気として高圧タービンまたは中圧タービンに導くことを特徴とする請求項1または2記載の蒸気タービンの冷却方法。
  4. 前記蒸気タービンの高圧タービン用プレウォーミング弁と、前記蒸気タービンの中圧タービン用プレウォーミング主弁及び中圧タービン用プレウォーミング弁とを同時期に開き、高圧タービンと中圧タービンとの冷却を並行して行うことを特徴とする請求項1、2または3記載の蒸気タービンの冷却方法。
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