JP2006005533A - 動画像の再生時における画像の動きの速度調整 - Google Patents

動画像の再生時における画像の動きの速度調整 Download PDF

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Abstract

【課題】 動画像に含まれる複数枚のフレーム画像のそれぞれの内容に応じて、画像の動きの視覚的な速度を調整することができる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】 動画像に含まれる複数枚のフレーム画像に対して、各フレーム画像が含む画像の動きの速度を算出し、さらに、時系列に沿った並び順からフレーム画像を間引く間引処理と、時系列に沿った並び順にフレーム画像を挿入する挿入処理と、の少なくとも一方を、各フレーム画像の速度に応じて選択的に行う編集処理を実行する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、動画像の再生時における画像の動きの速度を調整する技術に関するものである。
近年、ビデオカメラ等の動画像を撮影する動画像生成装置が広く普及している。動画像を再生する装置の中には、早送り機能やコマ送り機能などの、画像の動きの視覚的な速度を変えて再生する機能を有するものがある。また、動画像は静止画像(フレーム画像とも呼ぶ)を表すフレーム画像データを複数含んでいる。ここで、複数のフレーム画像の間に新たなフレーム画像を補間することによって、より滑らかに動画像を再生する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−233996号公報
ところが、従来は、各フレーム画像のそれぞれの内容に応じて、画像の動きの視覚的な速度を調整する点については工夫されていないのが実情であった。
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、各フレーム画像のそれぞれの内容に応じて、画像の動きの視覚的な速度を調整することができる技術を提供することを目的とする。
上記課題の少なくとも一部を解決するために、この発明による動画像処理装置は、複数枚のフレーム画像を含む動画像を編集する動画像処理装置であって、前記各フレーム画像に対して、各フレーム画像が含む画像の動きの速度を算出する速度算出部と、時系列に沿った並び順からフレーム画像を間引く間引処理と、時系列に沿った並び順にフレーム画像を挿入する挿入処理と、の少なくとも一方を、前記各フレーム画像の速度に応じて選択的に行う編集処理を実行するフレーム編集部と、を備える。
この動画像処理装置によれば、各フレーム画像が含む画像の動きの速度に応じて、間引処理と挿入処理との少なくとも一方が選択的に実行されるので、各フレーム画像のそれぞれの内容に応じて、画像の動きの視覚的な速度を調整することができる。
上記動画像処理装置において、前記フレーム編集部は、時系列に沿った前記フレーム画像の並び順において、(a)前記速度が特定の目標速度よりも速い高速フレーム画像が連続する範囲において前記挿入処理を実行し、(b)前記速度が特定の目標速度よりも遅い低速フレーム画像が連続する範囲において前記間引処理を実行してもよい。
この構成によれば、動画像を再生したときの画像の動きの視覚的な速度を、目標速度に近づけることができる。
上記動画像処理装置において、前記フレーム編集部は、前記目標速度を指定するユーザの指示を受け取るとともに、指定された目標速度に従って前記編集処理を実行してもよい。
この構成によれば、画像の動きの視覚的な速度を、ユーザの好みの速度に近づけることができる。
上記各動画像処理装置において、前記目標速度は、前記複数のフレーム画像のうちの少なくとも一部においてフレーム画像毎に異なった値が設定されていてもよい。
この構成によれば、画像の動きの視覚的な速度を、再生時の時間の経過とともに変化させることができる。
上記各動画像処理装置において、前記速度算出部は、並進移動と、ズーム移動と、回転移動と、のうちの2つ以上の動きを含む複数種類の動きのそれぞれに対する速度を算出することが可能であるとともに、前記フレーム画像を解析した結果に応じて、算出する速度の種類を決定してもよい。
この構成によれば、画像の動きの視覚的な速度の調整を、フレーム画像における画像の動きの種類に適したものとすることができる。
なお、本発明は種々の形態で実現することが可能であり、例えば、動画像処理方法および動画像処理装置、それらの方法または装置の機能を実現するためのコンピュータプログラム、そのコンピュータプログラムを記録した記録媒体等の形態で実現することができる。
次に、この発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.第4実施例:
E.第5実施例:
F.第6実施例:
G.第7実施例:
H.第8実施例:
I.第9実施例:
J.第10実施例:
K.変形例:
A.第1実施例:
図1は、本発明の一実施例としての画像処理システムの構成を示す説明図である。この画像処理システムは、デジタルカメラ100とコンピュータ200とを備えている。また、コンピュータ200には、ディスプレイ220とマウス230とキーボード240とが接続されている。ディスプレイ220は、動画像や後述する操作表示画面を表示するための出力装置として機能する。マウス230とキーボード240とは、ユーザからの入力を受け付けるための入力装置として機能する。
コンピュータ200は、データ処理部210を備えている。第1実施例では、データ処理部210は、デジタルカメラ100から動画像データ(「原動画像データ」とも呼ぶ)を受け取り、動画像の再生時における画像の動きの視覚的な速度を調整する編集処理を実行して編集済動画像データを生成する。なお、本実施例では、原動画像データは、ノンインターレース方式の静止画像を表すフレーム画像データの集合であることとしている。
図2は、第1実施例におけるデータ処理部210の内部構成を示すブロック図である。第1実施例のデータ処理部210は、速度算出部212と、フレーム編集部214と、を備えている。データ処理部210はCPUとメモリとを有しており、コンピュータプログラムを実行することによって各構成要素の機能を実現する。
データ処理部210が実行するコンピュータプログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録された形態で供給され得る。このような記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置等の、コンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。なお、データ処理部210の機能の一部、または、全部をハードウェアによって実現してもよい。
図3は、データ処理部210(図1、図2)が実行する画像処理の処理手順を示すフローチャートである。ステップS100では、データ処理部210は、ユーザの指示に従って原動画像データを読み込む。第1実施例では、データ処理部210は、デジタルカメラ100から原動画像データを受け取ることとしている。
次のステップS110では、速度算出部212(図2)が、原動画像に含まれる複数のフレーム画像のそれぞれに対して、各フレーム画像が含む画像の動きの速度(「画像速度」と呼ぶ)を算出する。図4は、画像速度を算出する様子を示す説明図である。図4(A)には、撮影時のデジタルカメラ100の動きが示されている。デジタルカメラ100は、左から右へ向きを変えながら山を撮影している。
図4(B)(C)は、速度算出部212が画像速度を算出する様子を示す説明図である。図4(B)には、n番フレーム画像F(n)と「n+1」番フレーム画像F(n+1)とが示されている。ここで、n番フレーム画像F(n)は、時系列に沿った順番(「フレーム番号」とも呼ぶ)がn番目であるフレーム画像を意味する。速度算出部212は、n番フレーム画像の画像速度を、n番目とn+1番目との2つのフレーム画像を用いて算出する。
速度算出部212は、まず、n番フレーム画像F(n)を複数のブロックに分割する。図4(B)の例では、12のブロック(縦方向に3分割、横方向に4分割)に分割している。これらのブロックは、全てのフレーム画像に共通するものである。次に、速度算出部212は、各ブロック毎に動きベクトルを算出する。ここで、動きベクトルは、ブロックを、そのブロックが表す画像がほぼぴったり重なるように次のフレーム画像上に重ね合わせた場合の、ブロックの相対位置(位置のずれ)を意味している。例えば、左上のブロックBul(n)では、画像(山)が右から左へ移動している。その結果、速度算出部212は、左を向いたベクトルを動きベクトルvとして算出する(図4(C))。速度算出部212は、このような動きベクトルを、画像のパターンマッチングや特徴点追跡、勾配法等の種々の周知の方法を用いて決定することができる。なお、ブロックの数は12に限らず、より少ない数を採用してもよく、より多い数を採用してもよい。
各ブロックの動きベクトルを算出したら、速度算出部212は、n番フレーム画像F(n)の画像速度Srを算出する。第1実施例では、速度算出部212は、各ブロックの動きベクトルを平均して得られる平均ベクトルの長さ(移動距離)を画像速度として採用する。その結果、第1実施例では、フレーム画像全体の一定方向へ向かう動き(並進移動)の速度が、画像速度として算出される。なお、画像速度Srを算出する方法としては、他の任意の方法を採用することができる。例えば、所定の代表ブロック(例えば、最も右上に位置するブロック)の動きベクトルの長さを画像速度Srとして採用してもよく、複数の所定の代表ブロック(例えば、フレーム画像の4角に位置する4つのブロック)のベクトルの長さの平均値をSrとして採用してもよい。
各フレーム画像の画像速度Srが決まると、次のステップS120(図3)で、フレーム編集部214(図2)は、画像速度の目標値(「目標速度」とも呼ぶ)を決定する。第1実施例では、フレーム編集部214は、各フレーム画像の画像速度Srの平均値を目標速度として採用する。図5は、画像速度Srと、目標速度Stと、の一例を示すグラフである。縦軸は画像速度(pixel/frame)を示している。ここで、画像速度の単位は、フレーム番号が1だけ変化した場合の相対位置のずれ(移動距離)をピクセル単位で表したものである。また、横軸はフレーム番号を示している。動画像を撮影する場合には、通常は、一定のフレームレート(単位時間当たりの画像数。例えば、30frame/sec)でフレーム画像が生成される。また、再生時も同じフレームレートでフレーム画像が表示される。従って、フレーム番号は、録画時間(再生時間)を表していると考えることもできる。
図5に示す例では、目標速度Stは、全フレーム番号に共通の一定値である。また、画像速度Srは、フレーム番号の変化にともなって波のように変化している。これは、撮影時にデジタルカメラ100の向きを変える速度が波のように変化したことを示している。例えば、デジタルカメラ100の向きをユーザが手動で変えた場合には、向きの変化速度を正確に一定値とすることが難しいので、図5のような、画像速度が時間の経過とともに変化する動画像が生成されやすい。
目標速度Stが決まると、次のステップS130(図3)で、フレーム編集部214は、画像の動きの視覚的な速度が目標速度Stに近づくように、動画像を編集する。フレーム編集部214は、時系列に沿った順番において、画像速度Srが目標速度Stよりも速い範囲にフレーム画像を挿入(追加)する。一方、画像速度Srが目標速度Stよりも遅い範囲からフレーム画像を間引く。
図6は、ステップS130で実行される編集処理の手順を示すフローチャートである。最初のステップS200では、フレーム編集部214は、注目フレーム番号を「1」に設定する。次のステップS210では、注目フレーム番号のフレーム画像(「注目フレーム画像」と呼ぶ)の画像速度Srと、目標速度Stと、が等しいか否かの判定を行う。図7は、各フレーム画像の画像速度Srの一例を示す表である。図7の例では、目標速度Stが3.21に決定されたこととしている。また、1番フレーム画像の画像速度Srは、3.00である。従って、フレーム編集部214は、ステップS210で「否」と判定し、ステップS220に移行する。なお、画像速度Srと目標速度Stとが等しい場合には、ステップS290に移行する。
ステップS220では、フレーム編集部214は、以下の(1)式に従って、速度調整率Dを算出する。
速度調整率D = St/(Sr−St) ...(1)
速度調整率Dの意味については後述する。図7の表には、各フレーム番号の速度調整率Dが示されている。ここで、フレーム編集部214は、速度調整率Dを、四捨五入することによって整数として算出することとしている。
速度調整率Dを算出したら、次のステップS230で、フレーム編集部214は、速度調整率Dの大きさに関する判定を行う。図6の例では、以下の2つの条件(c1)(c2)のいずれかが満たされているか否かが判定される。
|D|≧th ...(c1)
D = 0 ...(c2)
ここで、しきい値thは、予め設定された値(例えば、10)である。条件c1は、以下のように説明することができる。速度調整率Dの絶対値は、画像速度Srの値が目標速度Stに近いほど、大きくなる。換言すれば、速度調整率Dの絶対値が大きいことは、画像速度Srが目標速度Stに近いこと、すなわち、動画像を再生した場合の画像の動きの視覚的な速度が目標速度Stに近いこと、を意味している。そこで、速度調整率Dの絶対値の大きさがしきい値th以上の場合には、フレーム編集部214は、フレーム画像の挿入と間引きとを実行せずに、ステップS290に移行する。速度調整率Dがゼロである場合も、同様に、ステップS290に移行する。図7の例では、第1フレーム画像の速度調整率Dの絶対値(=15)がしきい値(=10)よりも大きいので、ステップS290に移行する。
フレーム編集部214は、ステップS290で、注目フレーム画像を出力の対象として選択し、次のステップS295で、注目フレーム番号に「1」を追加し、次のステップS280で、注目フレーム番号が、最終のフレーム番号を超えたか否かを判断する。超えている場合には、フレーム編集部214は、編集処理を終了し、図3のステップS140に移行する。超えていない場合には、再び、ステップS210に移行する。
図7の例では、フレーム番号1〜7までは、いずれのフレーム画像の速度調整率Dの絶対値も、しきい値th(=10)以上である。従って、フレーム編集部214は、フレーム番号1〜7までに対しては、ステップS290、S295を繰り返し実行することとなる。
一方、8番フレーム画像に関しては、速度調整率Dの絶対値(=9)が、しきい値th(=10)よりも小さく、かつ、ゼロでない(図7(B))。このような場合には(ステップS230:No)、フレーム編集部214は、フレーム画像の挿入と間引きとの一方を実行する。
まず、フレーム編集部214は、ステップS240で、速度調整率Dが正値であるか否かを判断する。図7の例では、第8フレームの速度調整率D(=9)は正値である。速度調整率Dが正値であることは、画像速度Srが目標速度Stよりも速いことを意味している。そこで、フレーム編集部214は、次のステップS250で、フレーム画像を挿入する処理を実行する。
図7(B)の表には、フレーム画像を追加する追加対象フレーム画像対Fadが示されている。ここで、フレーム画像対とは、時系列に沿った並び順の中の連続する2つのフレーム画像を意味する。フレーム編集部214は、フレーム画像を追加するフレーム画像対を、速度調整率Dに基づいて決定する。第1実施例では、注目フレーム番号に速度調整率Dを追加して得られる処理対象番号と、その手前と、からなるフレーム画像対の間にフレーム画像が追加される。図7(B)に示す8番フレーム画像に対しては、処理対象番号として、注目フレーム番号(=8)に速度調整率D(=9)を追加した「17番」が得られる。この理由は後述する。フレーム編集部214は、16番と17番との間にフレーム画像を1つだけ挿入する。第1実施例では、フレーム編集部214は、フレーム画像対の前側のフレーム画像(16−17番フレーム画像対であれば、16番フレーム画像)と同じフレーム画像を挿入する。
どのフレーム画像対にフレーム画像を挿入(追加)するかについては、以下のように説明することができる。速度調整率Dは、目標速度Stと、画像速度Srから目標速度Stを引いた差分と、の比率を示している。従って、注目フレーム画像の後ろに続くD枚のフレーム画像の中に1枚だけフレーム画像を追加して「D+1」枚のフレーム画像を再生することとすれば、画像の移動距離が、目標速度Stを有するフレーム画像を「D+1」枚だけ再生する場合と同程度となる。例えば、注目フレーム画像の画像速度Srが「10pixel/frame」であり、目標速度Stが「9pixel/frame」である場合を考える。このとき、速度調整率Dは「9」となる。ここで、注目フレーム画像の後ろに続くフレーム画像の画像速度Srが、注目フレーム画像の画像速度Sr(=10pixel/frame)と同じとする。すると、注目フレーム画像に引き続き、9枚(速度調整率Dと同数)のフレーム画像を再生すれば、画像は90pixel(10pixel×9frame)だけ移動する。ここで、9枚目のフレーム画像の前に1枚のフレーム画像を追加する。すると、引き続き10枚のフレーム画像を再生したときの画像の移動距離は、9枚のときと同じ90pixelとなる。一方、目標速度St(=9pixel/frame)を有するフレーム画像を、引き続き10枚だけ再生すると、画像の移動距離は90pixel(9pixel×10frame)となる。このように、速度調整率Dと同じ枚数のフレーム画像の中に1枚だけフレーム画像を追加すれば、「D+1」枚のフレーム画像を引き続き再生したときの画像速度Srの平均値を目標速度Stに近づけることができる。
なお、フレーム画像を追加するフレーム画像対としては、D枚目と「D−1」枚目とからなるフレーム画像対に限らず、D枚のフレーム画像の中の任意のフレーム画像対を採用することができる。例えば、D枚のフレーム画像の中の画像速度Srが最も速いフレーム画像を含むフレーム画像対を採用することとしてもよい。なお、動画像では、連続する2つのフレーム画像の間で画像速度Srが急激に変化することが少ない。従って、連続するD枚のフレーム画像の中のフレーム画像対の間にフレーム画像を追加すれば、画像速度Srが目標速度Stよりも速いフレーム画像が連続する範囲(例えば、図5の第1範囲R1と第3範囲R3)にフレーム画像を追加することができる。
また、追加するフレーム画像としては、フレーム画像対の前側のフレーム画像に限らず、後側のフレーム画像を採用してもよい。また、フレーム画像対の2枚のフレーム画像を補間して得られる画像を追加してもよい。2つのフレーム画像を補間して新たなフレーム画像を生成する方法としては、周知の種々の方法を用いることができる。例えば、新たなフレーム画像の各画素の画素値として、2枚のフレーム画像の同じ画素位置の画素値の平均値を採用する方法を用いてもよい。
以上のようにフレーム画像を追加したら、次のステップS270(図6)では、フレーム編集部214は、注目フレーム番号から処理対象番号(注目フレーム番号+D)の手前までのフレーム画像(追加したフレーム画像を含む)を、出力の対象として選択するとともに、注目フレーム番号に「D」を追加してステップS280に移行する。例えば、図7(B)の例では、注目フレーム番号が8番であった場合には、次の注目フレーム番号が17番となる。ここで、17番フレーム画像の速度調整率D(=4)も、正値であるとともに、その絶対値(=4)がしきい値th(=10)よりも小さく、かつ、ゼロではない。従って、フレーム編集部214は、17番フレーム画像に対しても、ステップS250、S270を繰り返し実行することとなる。
以上、速度調整率Dが正値である場合について説明したが、速度調整率Dが負値となる場合もある。速度調整率Dが負値であることは、画像速度Srが目標速度Stよりも遅いことを意味している。そこで、フレーム編集部214は、速度調整率Dが負値である場合には(ステップS240:No)、次のステップS260で、フレーム画像の間引き処理を実行する。
図7(C)の表には、間引かれるフレーム画像Fskが示されている。フレーム編集部214は、間引くフレーム画像を速度調整率Dに基づいて決定する。第1実施例では、注目フレーム番号に速度調整率Dの絶対値(「絶対速度調整率AD」と呼ぶ)を追加して得られる処理対象番号の手前に位置するフレーム画像が間引かれる。例えば、図7(C)に示す50番フレーム画像に対しては、処理対象番号として「53番」が得られる。そこで、フレーム編集部214は、52番フレーム画像を間引く。
どのフレーム画像を間引くかについては、以下のように説明することができる。速度調整率Dは、目標速度Stと、画像速度Srから目標速度Stを引いた差分と、の比率を示している。従って、注目フレーム画像を先頭とする絶対速度調整率ADと同数のフレーム画像の中から1枚だけフレーム画像を間引いた後で「AD」枚のフレーム画像を再生することとすれば、画像の移動距離が、目標速度Stを有するフレーム画像を「AD」枚だけ再生する場合と同程度となる。例えば、注目フレーム画像の画像速度Srが「9pixel/frame」であり、目標速度Stが「10pixel/frame」である場合を考える。このとき、絶対速度調整率ADは「10」となる。ここで、注目フレーム画像の後ろに続くフレーム画像の画像速度Srが、注目フレーム画像の画像速度Sr(=9pixel/frame)と同じとする。すると、注目フレーム画像を含む10枚(絶対速度調整率ADと同数)のフレーム画像を再生すれば、画像は81pixel(9pixel×9frame)だけ移動する。ここで、10枚目のフレーム画像を間引く。すると、注目フレーム画像を含むとともに、間引かれたフレーム画像を除く新たな10枚のフレーム画像を再生したときの画像の移動距離は、90pixel(9pixel×10frame)となる。一方、目標速度St(=10pixel/frame)を有するフレーム画像を、10枚だけ再生すると、画像の移動距離は90pixel(10pixel×9frame)となる。このように、絶対速度調整率ADと同じ枚数のフレーム画像の中から1枚だけフレーム画像を間引くと、AD枚のフレーム画像を再生したときの画像速度Srの平均値を目標速度Stに近づけることができる。
なお、間引くフレーム画像としては、AD枚目のフレーム画像に限らず、AD枚のフレーム画像の中の任意のフレーム画像を採用することができる。例えば、AD枚のフレーム画像の中の画像速度Srが最も遅いフレーム画像を間引くこととしてもよい。なお、動画像では、連続する2つのフレーム画像の間で画像速度Srが急激に変化することが少ない。従って、連続するAD枚のフレーム画像の中からフレーム画像を間引けば、画像速度Srが目標速度Stよりも遅いフレーム画像が連続する範囲(例えば、図5の第2範囲R2)からフレーム画像を間引くことができる。
以上のようにフレーム画像を間引いたら、次のステップS270(図6)では、フレーム編集部214は、注目フレーム番号から処理対象番号(注目フレーム番号+AD)の手前までのフレーム画像(間引いたフレーム画像を除く)を、出力の対象として選択するとともに、注目フレーム番号に「AD」を追加してステップS280に移行する。例えば、図7(C)の例では、注目フレーム番号が50番であった場合には、次の注目フレーム番号が53番となる。ここで、53番フレーム画像の速度調整率D(=-3)も、負値であるとともに、その絶対値(=3)がしきい値th(=10)よりも小さく、かつ、ゼロではない。従って、フレーム編集部214は、53番フレーム画像に対しても、ステップS260、S270を繰り返し実行することとなる。
以上のように、フレーム編集部214は、動画像に含まれる全てのフレーム画像に対して、図6に示す編集処理を実行する。その結果、時系列に沿った順番において、画像速度Srが目標速度Stよりも速い範囲(例えば、図5の第1範囲R1と第3範囲R3)には、フレーム画像が挿入(追加)され、画像速度Srが目標速度Stよりも遅い範囲(例えば、図5の第2範囲R2)からは、フレーム画像が間引かれることとなる。このように、動画像に含まれる全てのフレーム画像に対する処理が終了したら、フレーム編集部214は編集処理を終了し、図3のステップS140に移行する。
図3のステップS140では、フレーム編集部214は、編集処理の結果に従って、編集済動画像データを生成する。具体的には、フレーム編集部214は、図6の編集処理で出力対象として選択された複数のフレーム画像を、時系列に沿った順番に並べることによって、編集済動画像データを生成する。編集済動画像データは、コンピュータ200の図示しないメモリ(例えば、HDDやRAM)に保存される。
図8は、動画像を再生したときの画像の視覚的な速さを示すグラフである。横軸はフレーム番号を示し、縦軸は画像速度(pixel/frame)を示している。図8のグラフには、編集前後のそれぞれの動画像を再生したときの、20フレーム毎の平均の画像速度(以下「20平均画像速度」と呼ぶ)が示されている。編集前の動画像(原動画像)を再生した場合には、20平均動画像速度は、各フレーム画像の画像速度Srに従って、波のように変化する。一方、編集後の動画像(編集済動画像)を再生した場合には、20平均画像速度と目標速度Stとの差が、編集前と比べて小さくなっている。
ところで、人の視覚には、画像の動きの変化を認識することが可能な速度に限界(例えば、1/10sec〜1/2sec程度。以下「限界時間」と呼ぶ)がある。従って、1枚のフレーム画像を表示する時間が限界時間と比べて短い場合(例えば、1/30sec)には、人の視覚は、複数のフレーム画像(例えば、20のフレーム画像)を再生した場合の平均的な動きの変化を認識する傾向がある。その結果、図8の例において編集前の動画像を再生する場合には、人の視覚は画像の動きの速度が波のように変化していると認識する。一方、編集後の動画像(編集済動画像)を再生する場合には、人の視覚は、画像の動きの速度が編集前と比べて目標速度Stに近い、すなわち、画像の動きの速度の変化が編集前と比べて小さいと認識することができる。その結果、撮影時におけるデジタルカメラ100の動きの速度(向きの変化速度)の変化(動きのぶれ)が大きい場合であっても、再生時における画像の動きの視覚的な速度の変化をより小さくし、動画像の観察者が感じる違和感を小さくすることができる。なお、速度調整率Dの大きさを比較するしきい値thは、しきい値thと同数のフレーム画像の再生時間が限界時間と比べて過剰に長くならないように設定することが好ましい。
このように、第1実施例では、各フレーム画像の画像速度Srに従って、フレーム画像の挿入処理と、フレーム画像の間引き処理と、が実行されるので、動画像を再生したときの画像の動きの視覚的な速度を、各フレーム画像のそれぞれの内容に応じて調整することができる。
また、第1実施例では、画像速度Srが目標速度Stよりも速いフレーム画像が連続する範囲(例えば、図5の第1範囲R1と第3範囲R3)にフレーム画像が挿入される。さらに、画像速度Srが目標速度Stよりも遅いフレーム画像が連続する範囲(例えば、図5の第2範囲R2)からフレーム画像が間引かれる。その結果、動画像を再生したときの画像の動きの視覚的な速度を、目標速度Stに近づけることができる。
B.第2実施例:
図9は、第2実施例における編集結果データを示す説明図である。第1実施例との差異は、フレーム編集部214は、図3のステップS140で、編集済動画像データの代わりに、編集結果を表す編集結果データを生成する点だけである。
図9に示す編集結果データには、原動画像データを格納するファイル名と、編集後の全フレーム画像数と、原動画像データにおけるフレーム番号と編集後フレーム番号との対応関係と、が格納されている。図9の編集結果データは、16番と17番とのフレーム画像対の間に16番フレーム画像が挿入されたことを示している。その結果、編集後フレーム番号17が、編集後フレーム番号16と同じ「16」に設定され、さらに、18番以降の編集後フレーム番号の値が1つずつ繰り下がっている。
フレーム編集部214は、このような編集結果データを原動画像データとは独立に生成し、コンピュータ200の図示しないメモリ(例えば、HDDやRAM)に保存する。動画像を再生するアプリケーション(図示せず)は、原動画像データと、編集結果データと、を利用することによって、編集後の動画像を再生することができる。なお、速度算出部212とフレーム編集部214との機能は、動画像を再生するアプリケーションに組み込まれていてもよい。
このように、第2実施例では、編集結果データを生成するので、編集済動画像データを生成する場合と比べて、データを保存するためのメモリを節約することができる。なお、編集結果データを、原動画像データを格納するファイル内に格納することとしてもよい。また、編集結果データが含む項目としては、図9に示す項目に限らず、他の種類の項目を採用してもよい。例えば、各フレーム画像のそれぞれの画像速度Srを含む編集結果データを生成することとしてもよい。こうすれば、目標速度Stが異なる複数種類の編集処理を、編集結果データを用いて、容易に、実行することができる。
C.第3実施例:
図10は、目標速度Stを決定するための操作表示画面300を示す説明図である。上述した第1実施例との差異は、フレーム編集部214が、図3のステップS120において目標速度Stを指定するユーザの指示を受け取り、ステップS130では、指定された目標速度Stに従って編集処理を実行する点だけである。フレーム編集部214は、ステップS120で、この操作表示画面300をディスプレイ220(図1)に表示する。ユーザは、マウス230とキーボード240とを用いることによって、この操作表示画面300を操作することができる。
この操作表示画面300は、6つの候補目標速度表示エリアP1〜P6と、OKボタン310と、を有している。各候補目標速度表示エリアP1〜P6には、フレーム番号と目標速度の候補との対応関係を示すグラフが示されている。各グラフでは、横軸はフレーム番号を示し、縦軸は画像速度を示している。また、グラフ中では、原動画像の各フレーム画像の画像速度Srが実線で示され、候補目標速度が破線で示されている。
各候補目標速度表示エリアP1〜P6には、それぞれ、互いに異なる候補目標速度が示されている。フレーム編集部214は、これらの候補目標速度を各フレーム画像の画像速度Srに応じて、以下のように決定する。
(1)第1候補目標速度表示エリアP1の第1候補目標速度は、画像速度Srの移動平均を目標速度として用いたものである。
(2)第2候補目標速度表示エリアP2の第2候補目標速度は、一定値を目標速度として用いたものである。例えば、図5の実施例と同様に画像速度Srの平均値を採用することができる。
(3)第3候補目標速度表示エリアP3の第3候補目標速度は、台形を画像速度Srに合わせて修正した形を有している。このような第3候補目標速度を決定する方法としては、画像速度Srと目標速度との差分の2乗の合計値(以下「残差2乗和」と呼ぶ)が最小となるように台形の形を決定する方法等の種々の方法を用いることができる。
(4)第4候補目標速度表示エリアP4の第4候補目標速度は、第3候補目標速度を、傾きの変化が滑らかになるように2次曲線を用いて修正した形を有している。
(5)第5候補目標速度表示エリアP5の第5候補目標速度は、三角関数を画像速度Srに合わせて修正した形を有している。このような第5候補目標速度を決定する方法としては、残差2乗和が最小となるように三角関数の形を決定する方法等の種々の方法を用いることができる。
(6)第6候補目標速度表示エリアP6の第6候補目標速度は、フレーム番号の増加に伴って直線的に増加するように設定されている。ここで、傾きとしては、残差2乗和が最小となる値や、予め設定された値等の種々の値を用いることができる。
ユーザは、操作表示画面300を操作することによって、これらの候補目標速度の中から1つを選択することができる。図10の例では、第1候補目標速度(第1候補目標速度表示エリアP1)が選択されている。
ユーザが、操作表示画面300のOKボタン310を操作すると、フレーム編集部214は、操作表示画面300に対して設定されたユーザの指示を受け取り、ユーザの指示で指定された目標速度Stに従って、編集処理を実行する(図3:ステップS130)。以後、フレーム編集部214は、ステップS140の処理を実行する。この際、編集済動画像データを生成してもよく、この代わりに、編集結果データを生成してもよい。
このように、第3実施例では、複数種類の候補目標速度の中から、ユーザが目標速度を選択することができるので、動画像を再生したときの画像の動きの視覚的な速度を、ユーザの好みの目標速度Stに近づけることができる。ここで、目標速度Stを、フレーム番号の変化に伴って変化する可変値、すなわち、再生時間の進行とともに変化する可変値に設定すれば、画像の動きの視覚的な速度を再生時間の経過とともに変化させることができる。なお、候補目標速度としては、図10に示した例に限らず、他の任意のものを採用することができる。また、操作表示画面300に表示する候補目標速度の数としては、6つに限らず任意の数を採用することができる。ただし、複数であることが好ましい。また、ユーザが操作表示画面300を操作することによって、候補目標速度を修正することができることとしてもよい。
D.第4実施例:
図11は、候補目標速度の別の例を示すグラフである。図11(A)(B)の各グラフでは、横軸はフレーム番号を示し、縦軸は画像速度を示している。また、画像速度Srが実線で示され、目標速度Stが破線で示されている。
図11(A)の例は、停車駅から停車駅へと移動する特急列車の車窓から風景を撮影した動画像を用いる場合を示している。特急列車は、停車駅を出発してから徐々に速度を上げ、一定速度で移動した後、徐々に速度を下げて次の停車駅で停車する。その結果、画像速度Srは凸形状を有している。一方、目標速度Stは、凸形状が3回繰り返される形状を有している。このような目標速度Stを用いて編集処理を実行すれば、停車駅から停車駅へ移動する途中の2つの凹部RT1、RT2で、画像の視覚的な動きを遅くすることができる。その結果、停車駅から次の停車駅までの1区間の撮影で得られた動画像を、途中で2回停車した列車から撮影した動画像のように、再生することができる。
図11(B)の例は、図11(A)の例と同様に、車窓から風景を撮影した動画像を用いる場合を示している。図11(A)との差異は、1区間ではなく3区間の撮影で得られた動画像を用いている点である。従って、画像速度Srは、凸形状が3回繰り返される形状を有している。一方、目標速度Stは、1つの凸形状をなしている。このような目標速度Stを用いて編集処理を実行すれば、動画像の途中の2つの凹部RT3、RT4での画像の視覚的な動きを速くすることができる。その結果、3区間の撮影で得られた動画像を、1区間の撮影で得られた動画像のように、再生することができる。
以上のように、画像速度Srの形状とは異なる形状を有する目標速度Stを用いれば、カメラワーク(デジタルカメラ100の動き)の速度を目標速度Stとなるように変化させたかのような効果を得ることができる。これは、上述した他の目標速度についても同様である。
E.第5実施例:
図12は、第5実施例における目標速度Stを決定するための操作表示画面300aを示す説明図である。図10に示す操作表示画面300との差異は、目標速度表示エリアPaに加えて、フレーム画像を表示する画像表示エリアIaを有している点である。この画像表示エリアIaには、時系列に沿った順の全体から均等な間隔で選択された7つのフレーム画像が時系列の順に並べて表示されている。一方、目標速度表示エリアPaには、フレーム番号と目標速度の候補との関係を示すグラフが示されている。このグラフでは、横軸がフレーム番号を示し、縦軸が画像速度を示している。また、グラフ中では、原動画像の各フレーム画像の画像速度Srが実線で示され、目標速度Stが破線で示されている。
図12の例は、走り幅跳びの選手を、助走開始から着地まで、選手と並行に移動しながら横から撮影した動画像を用いる場合を示している。選手の移動速度は、助走開始から徐々に速くなり、踏み切った後に徐々に遅くなって、着地とともにゼロとなる。一方、フレーム画像内の背景の移動速度も、選手の移動速度と同様に変化する。ここで、速度算出部212(図2)は、フレーム画像の各ブロック(図4(B))の中の背景を表すブロック(「背景ブロック」と呼ぶ)に対して、向きと長さとがそれぞれほぼ同じ動きベクトルを算出する。一方、選手を表すブロック(「選手ブロック」と呼ぶ)に対しては複雑に変化する動きベクトルが算出される。ここで、図12の例では、選手ブロックの数が背景ブロックの数と比べて少ないこととしている。従って、平均ベクトルから算出される画像速度Srは、背景の動く速度、すなわち、選手の移動速度とほぼ同じとなっている。
一方、目標速度Stは、助走開始から踏み切りまでは画像速度Srよりも大きな値に設定され、踏み切ってから着地前までは画像速度Srよりも小さな値に設定され、着地前から着地までは、さらに小さい値に設定されている。このような目標速度Stを用いて編集処理を実行すれば、動画像を再生する際に、助走中の画像の動きを速く見せ、さらに、踏み切った後の画像の動きをゆっくり見せることができる。
ユーザは、マウス230(図1)とキーボード240とを用いて目標速度表示エリアPaを操作することによって、目標速度Stを調整することができる。この際、ユーザは、フレーム画像の内容を確認しつつ目標速度Stを調整することができるので、シーンに応じた好みの目標速度Stを容易に設定することができる。ここで、ユーザがOKボタン310aを操作すると、フレーム編集部214は、操作表示画面300aに対して設定されたユーザの指示を受け取り、ユーザの指示で指定された目標速度Stに従って、編集処理を実行する(図3:ステップS130)。
なお、画像表示エリアIaには、ユーザが指定したフレーム番号のフレーム画像を表示することとしてもよい。こうすれば、ユーザは、フレーム画像の内容の変化をより細かく確認しながら、目標速度Stを決めることができる。例えば、図12の原動画像において、選手が踏み切った瞬間に目標速度Stをより小さな値に変化させることができる。また、操作表示画面300aに表示するフレーム画像の数は7枚に限らず、より少ない数を採用してもよく、より多い数を採用してもよい。
F.第6実施例:
図13は、第6実施例における、速度算出部212が画像速度Srを算出する様子を示す説明図である。図4に示す第1実施例との差異は、ズーム撮影における画像の動きの速度を画像速度Srとして算出する点である。
図13には、ズームアウト撮影を行って得られるフレーム画像における動きベクトルの一例が示されている。ズームアウト撮影を行うと、より広い範囲の被写体がフレーム画像内に現れる。また、フレーム画像の各ブロックが表す画像は、縮小されつつフレーム画像の中心に向かって移動する。その結果、全てのブロックの動きベクトルは、ほぼ中心Cを向くこととなる(なお、各動きベクトルの始点は各ブロックの重心位置にあることとしている)。この際、動きベクトルの長さは、ズームの変化に応じて変化する。換言すれば、動きベクトルの長さは、レンズ焦点距離の変化に応じて変化する。また、動きベクトルの長さは、画角の変化に応じて変化すると言うこともできる。また、動きベクトルの長さは、ブロックと中心Cとの距離が遠いほど長くなる。
速度算出部212は、動きベクトルの長さが長い程速い画像速度Srを算出する。その結果、画像速度Srは、ズームによる画像の動きの速度を表すこととなる。ここで、画像速度Srを決定する方法としては種々の方法を採用することができる。例えば、所定の代表ブロックの動きベクトルの長さを画像速度Srとして採用してもよく、複数(例えば、全て)のブロックの動きベクトルの長さの平均値を画像速度Srとして採用してもよい。また、複数のブロックを、フレーム画像の端部側の外ブロック(図13では、ハッチングが付されている)と、フレーム画像の中央部側の内ブロックと、に区分し、外ブロックの動きベクトルの長さの平均値を画像速度Srとして採用してもよい。こうすれば、ズームによる画像の動きの変化に対する画像速度Srの変化をより大きくすることができる。以後、フレーム編集部214は、画像速度Srを用いて、上述の各実施例と同様に編集処理を実行する。
このように、第6実施例では、画像速度Srが、ズーム撮影における画像の動きの速度を表すので、ズームの変化(例えば、レンズ焦点距離の変化や、画角の変化)による画像の動きの視覚的な速度を、各フレーム画像のそれぞれの内容に応じて調整することができる。なお、図13では、ズームアウト撮影を行った場合の動きベクトルの例を示したが、ズームイン撮影を行った場合にも、同様に画像速度Srを算出することができる。ただし、この場合には、全てのブロックの動きベクトルの向きが、中心Cとはほぼ逆の方向を向くこととなる。また、ズームインとズームアウトとに限らず、デジタルカメラ100自体を前進させながら撮影を行った動画像や、後退させながら撮影を行った動画像においても、画像の動きは、フレーム画像の中心へ向かう動き、または、中心から外へ向かう動きとなる。従って、ズームイン撮影とズームアウト撮影と同様に、画像速度Srを算出することができる。以下、このような画像の動きを「ズーム移動」と呼ぶ。
G.第7実施例:
図14は、第7実施例における、速度算出部212が画像速度Srを算出する様子を示す説明図である。図4に示す第1実施例との差異は、画像の回転の速度を画像速度Srとして算出する点である。
図14には、デジタルカメラ100を回転させながら撮影して得られるフレーム画像における動きベクトルの一例が示されている。フレーム画像の各ブロックが表す画像は、時間の経過とともに、画像の中心Cを中心とする回転方向(図14の例では反時計回り)へ移動する。その結果、全てのブロックの動きベクトルは、中心Cへ向かう方向とほぼ垂直な、同じ回転方向を向くこととなる(各動きベクトルの始点は各ブロックの重心位置にあることとしている)。この際、動きベクトルの長さは、回転の速度(角速度)に応じて決まる。また、動きベクトルの長さは、ブロックの重心位置と中心Cとの距離に比例して長くなる。
速度算出部212は、動きベクトルの長さから回転の角速度を求め、得られた角速度を用いて画像速度Srを算出する。角速度は、例えば、動きベクトルの始点と中心Cと動きベクトルの終点とがなす角度ωを用いて算出すればよい。ここで、画像速度Srを決定する方法としては種々の方法を採用することができる。例えば、所定の代表ブロックの動きベクトルから得られる角速度を画像速度Srとして採用してもよく、複数(例えば、全て)のブロックの動きベクトルから得られる角速度の平均値を画像速度Srとして採用してもよい。いずれの場合も、画像速度Srは、角速度を表す単位(例えば、degree/frame)で表されることとなる。以後、フレーム編集部214は、画像速度Srを用いて、上述の各実施例と同様に編集処理を実行する。
このように、第7実施例では、画像速度Srが、回転撮影における画像の動きの速度を表すので、回転の視覚的な速度を、各フレーム画像のそれぞれの内容に応じて調整することができる。
H.第8実施例:
上述の各実施例において、速度算出部212(図2)が、フレーム画像における画像の動きの種類(以下「動き種類」と呼ぶ)を識別し、さらに、動きの種類に応じて複数種類の画像速度Srの算出方法を使い分けることとしてもよい。図15は、速度算出部212が動き種類を識別する手順を示すフローチャートである。第8実施例では、速度算出部212は、「並進移動(図4)」と「ズーム移動(図13)」と「回転移動(図14)」との3種類の画像速度Srを算出することが可能である。そこで、速度算出部212は、図3のステップS110において、各フレーム画像毎に画像の動きの種類を識別し、動き種類に適した画像速度Srを算出する。
ステップS300では、速度算出部212は、画像が並進移動しているか否かを判断する。図16は、並進移動であるか否かを判断する様子を示す説明図である。図16(A)には、画像が並進移動しているフレーム画像(「並進フレーム画像」と呼ぶ)における動きベクトルの一例が示されている。速度算出部212は、以下の条件(cp)が満たされる場合に、画像が並進移動していると判定する。
SQRT(σx**2 + σy**2) ≦ Pth ...(cp)
ここで、「SQRT」は平方根を意味し、「**」はべき乗を意味する(「σx**2」はσxの2乗を意味する)。また、σxは、動きベクトルのX成分の分散を示し、σyは、動きベクトルのY成分の分散を示している。ここで、動きベクトルは、X軸方向の成分(X成分)と、それと直交するY軸方向の成分(Y成分)と、で表されていることとしている。さらに、Pthはしきい値である。このように、分散σxと分散σyとが小さければ、ほぼ全ての動きベクトルの向きと長さとがほぼ同じとなるので、画像が並進移動していると判定することができる。なお、しきい値Pthは、予め実験的に決定しておいてもよく、ユーザが指定することとしてもよい。また、並進移動の判定条件としては、一般に、「動きベクトルの向きと長さとのバラツキの大きさを表すベクトル指標値がしきい値以下である」を含む任意の条件を採用することができる。
並進移動ではない場合には、次のステップS310(図15)で、速度算出部212は、画像がズーム移動をしているか否かを判断する。図17は、ズーム移動であるか否かを判断する様子を示す説明図である。図17(A)には、画像がズーム移動しているフレーム画像(「ズームフレーム画像」と呼ぶ)における動きベクトルの一例が示されている(一部省略)。ここで、速度算出部212は、以下の条件(cz)が満たされる場合に、画像がズーム移動していると判定する。
Σθc≦Zth or Σ(180度−θc)≦Zth ...(cz)
ここで、「Σ」は、全ての動きベクトルについて和を取ることを意味する。また、角度θcは、動きベクトルの向きと、中心Cへ向かう向きとのなす角度である。さらに、Zthはしきい値である。このように、ほぼ全ての動きベクトルの角度θcが0度に近い、または、ほぼ全ての動きベクトルの角度θcが180度に近ければ、ズーム移動であると判定することができる。なお、しきい値Zthは、予め実験的に決定しておいてもよく、ユーザが指定することとしてもよい。
なお、ズーム移動の判定条件としては、一般に、「動きベクトルの向きの中心方向からのバラツキの大きさを表す中心方向指標値がしきい値以下である、または、動きベクトルの向きの中心方向とは逆の方向からのバラツキの大きさを表す反中心方向指標値がしきい値以下である」を含む任意の条件を採用することができる。ここで、フレーム画像内における中心位置をユーザが指定することとしてもよい。
ズーム移動ではない場合には、次のステップS320(図15)で、速度算出部212は、画像が回転移動をしているか否かを判断する。図18は、回転移動であるか否かを判断する様子を示す説明図である。図18(A)には、画像が回転移動しているフレーム画像(「回転フレーム画像」と呼ぶ)における動きベクトルの一例が示されている(一部省略)。ここで、速度算出部212は、以下の2つの条件(cr1)(cr2)が満たされる場合に、画像が回転移動していると判定する。
Σθr≦Rth1 or Σ(180度−θr)≦Rth1 ...(cr1)
σ(V/D) ≦ Rth2 ...(cr2)
ここで、「Σ」は、全ての動きベクトルについて和を取ることを意味する。また、角度θrは、動きベクトルの向きと、中心Cへ向かう方向と垂直な反時計回りの方向rdと、のなす角度である。さらにRth1はしきい値である。従って、条件(cr1)が満たされることは、ほぼ全ての動きベクトルが時計回りの方向を向いている、または、ほぼ全ての動きベクトルが反時計回りの方向を向いていることを意味している。なお、しきい値Rth1は、予め実験的に決定しておいてもよく、ユーザが指定することとしてもよい。
一方、条件(cr2)において、Vは動きベクトルの長さであり、Dはブロックの重心位置と中心Cとの距離である。また、σ(V/D)は、「V/D」の分散であり、Rth2はしきい値である。回転フレーム画像においては、各動きベクトルから算出される角速度は一定値となるので、「V/D」は、ブロックの位置に拘わらずにほぼ一定値となる。従って、「V/D」の分散σ(V/D)が小さいことは、動きベクトルから算出される角速度のバラツキが小さいことを意味するので、回転移動の判定条件として用いることができる。なお、しきい値Rth2は、予め実験的に決定しておいてもよく、ユーザが指定することとしてもよい。
なお、回転移動の判定条件としては、一般に、「動きベクトルの向きの時計回りの方向からのバラツキの大きさを表す右回転方向指標値がしきい値以下である、または、動きベクトルの向きの反時計回りの方向からのバラツキの大きさを表す左回転方向指標値がしきい値以下である」を含む任意の条件を採用することができる。さらに、「動きベクトルから算出される角速度のバラツキの大きさを表す角速度指標値がしきい値以下である」を含む条件を採用すれば、より精度の高い判定を行うことができる。
「並進移動」と「ズーム移動」と「回転移動」とのいずれの条件も満たされない場合には、速度算出部212は、動き種類が直前のフレーム画像と同じであることとして、画像速度Srを算出する。
以上、第8実施例では、速度算出部212は、フレーム画像における画像の動きの種類を識別するとともに、動きの種類に応じた算出方法に従って画像速度Srを算出する。従って、フレーム編集部214は、種々の画像の動きに応じた適切な編集処理を実行することができる。
なお、画像速度Srを算出するための画像の動きとしては、任意の種類の動きを採用することができる。ただし、上述した3種類(「並進移動」と「ズーム移動」と「回転移動」)の動きのうちの少なくとも2つを含む複数種類の動きを採用することが好ましい。また、画像の動きの速度を算出する方法としては、本実施例の方法とは異なる他の方法を採用してもよい。例えば、特開平10−112864号公報に記載の方法を採用してもよい。
また、動画像によっては、時系列に沿った順番の途中で、動きの種類が切り替わる場合がある。このような場合には、フレーム編集部214は、時系列の沿った順番を、動き種類の変わり目で区切ることとしてもよい。ここで、動きの種類が同じである連続した複数のフレーム画像のグループ毎に、目標速度Stを決定して編集処理を実行すればよい。さらに、動き種類を識別できないフレーム画像(以下「不明フレーム画像」と呼ぶ)が原動画像に含まれている場合には、不明フレーム画像を編集処理の対象から除くこととしてもよい。例えば、時系列に沿った順番を、不明フレーム画像の位置で区切ることとしてもよい。この際、不明フレーム画像を出力の対象として選択してもよく、出力対象から除いてもよい。
また、全てのフレーム画像に対して動き種類を識別する代わりに、複数のフレーム画像の中の一部の代表フレーム画像のみに対して動き種類を識別することとしてもよい。動画像においては、画像の動きの種類が短時間で切り替わることが少ない。従って、速度算出部212は、時系列に沿った並び順において、代表フレームを含む一部の範囲内のフレーム画像に関しては、動き種類がその代表フレーム画像と同じであるものとして、画像速度Srを算出してもよい。例えば、20枚間隔毎に1枚ずつの代表フレーム画像を選択してもよい。ここで、速度算出部212は、1枚の代表フレーム画像の後ろに続く20枚のフレーム画像の動き種類が、その代表フレーム画像と同じであることとして、画像速度Srを算出すればよい。
I.第9実施例:
図19は、第9実施例における編集処理を示す説明図である。図6、図7に示す実施例との差異は、目標速度Stから画像速度Srを引いた差分の累積値(「累積誤差E」と呼ぶ)の大きさに応じてフレーム画像の挿入と間引きとを実行する点である。図19(A)(B)の表には、図7の例と同じ原動画像を用いた場合の画像速度Srと累積誤差Eとが示されている。また、目標速度Stは全フレーム番号に対して3.21に設定されていることとしている。
第9実施例では、フレーム編集部214は、時系列に沿った順番に累積誤差Eを算出する。さらに、フレーム編集部214は、累積誤差Eが負値で、かつ、累積誤差Eの絶対値(「絶対累積誤差AE」と呼ぶ)が目標速度St以上となるフレーム画像の後ろに、新たなフレーム画像を挿入する。図19(A)の例では、13番フレーム画像の累積誤差Eが-3.43であり、絶対累積誤差AE(=3.43)が目標速度St(=3.21)以上である。そこで、フレーム編集部214は、13番フレーム画像の後ろにフレーム画像を追加する。この際、累積誤差Eに1枚分の目標速度Stを追加し、得られた値(この例では-0.22)を新たな累積誤差Eとして用いる。
さらに、フレーム編集部214は、累積誤差Eが正値で、かつ、目標速度St以上となるフレーム画像を間引く。図19(B)の例では、51番フレーム画像の累積誤差Eが3.88であり、目標速度St(=3.21)以上である。そこで、フレーム編集部214は、51番フレーム画像を間引く。この際、累積誤差Eから1枚分の目標速度Stを差し引き、得られた値(この例では0.67)を新たな累積誤差Eとして用いる。
フレーム編集部214は、累積誤差Eを算出しつつ、累積誤差Eに応じてフレーム画像の挿入と間引きとを実行する処理を、時系列の順番に全てのフレーム画像に対して実行する。その結果、フレーム編集部214は、累積誤差Eが大きい範囲、すなわち、画像速度Srが目標速度Stよりも遅いフレーム画像が連続する範囲からフレーム画像を間引くこととなる。さらに、フレーム編集部214は、累積誤差Eが小さい範囲、すなわち、画像速度Srが目標速度Stよりも速いフレーム画像が連続する範囲にフレーム画像を挿入することとなる。その結果、動画像を再生したときの画像の動きの視覚的な速度を、目標速度Stに近づけることができる。
J.第10実施例:
図20は、第10実施例において、速度算出部212が画像速度を算出する様子を示す説明図である。図4に示す第1実施例との差異は、フレーム画像内の動く被写体(「動体」と呼ぶ)の移動量(「移動距離」とも呼ぶ)に応じて画像速度を算出する点である。なお、フレーム画像内の動体とは、フレーム画像全体の動きと比較したときに大きな距離で移動している被写体を意味する。
図20(A)には、n番フレーム画像F(n)と「n+1」番フレーム画像F(n+1)とが示されている。これらのフレーム画像には、図4の例と同様の山に加えて、飛行機が写っている。山は、図4の例と同様に、右から左へと移動している。一方、飛行機は、山とは逆方向の左から右へと移動している。
速度算出部212は、図4の例と同様に、各ブロックの動きベクトルを算出する。その結果、山を表すブロックに対しては、左向きの動きベクトルが得られる(図20(B))。一方、飛行機を表すブロック(B1(n)、B2(n))に対しては、右向きの動きベクトルが得られる。
次に、速度算出部212は、各ブロックに対して、動きベクトルから平均ベクトル(フレーム画像全体の動きベクトルに相当する)を差し引いた残差ベクトルを算出する。図20(C)には、残差ベクトルの一例が示されている。図20の例では、平均ベクトルは、山を表すブロックの動きベクトルとほぼ同じ向きと長さとを有する左向きのベクトルとなる。その結果、山を表すブロックに対しては、長さがほぼゼロの残差ベクトルが得られる(図示省略)。一方、飛行機を表すブロックに対しては、山に対する飛行機の相対的な動きを表すベクトルが残差ベクトルとして算出される。
次に、速度算出部212は、残差ベクトルの長さがしきい値以上であるブロックを選択する。その結果、速度算出部212は、動体を表すブロックを選択することとなる。図20の例では、飛行機を表す2つのブロックB1(n)、B2(n)が選択される。
次に、速度算出部212は、選択したブロックの動きベクトルの長さの平均値を画像速度Srとして算出する。その結果、画像速度Srは、動体の移動距離(移動速度)を表すこととなる。なお、画像速度Srを算出する方法としては、選択したブロックを用いる任意の方法を採用することができる。例えば、選択した各ブロックの動きベクトルを平均して得られる平均ベクトルの長さを画像速度Srとして用いてもよい。また、動きベクトルの代わりに残差ベクトルを用いて画像速度Srを算出してもよい。こうすれば、動体(図20の例では飛行機)の、他の被写体(図20の例では山)に対する動きの速度を画像速度Srとし用いることができる。
このように、第10実施例では、画像速度Srとして動体の移動速度を用いているので、動体の動きの視覚的な速度を、各フレーム画像のそれぞれの内容に応じて調整することができる。
なお、動体を表すブロックを選択する方法としては、残差ベクトルの長さを用いる方法に限らず、種々の方法を採用することができる。例えば、ユーザが動体を表すブロックを指定することとしてもよい。また、動体を表すブロックを除いた残りのブロックのみを用いて画像速度Srを算出することとしてもよい。同様に、速度算出部212が画像の動きの種類を識別する際(図15)にも、動体を表すブロックのみを用いてもよく、逆に、動体を表すブロック以外のブロックのみを用いてもよい。
K.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
変形例1:
上述の各実施例では、目標速度Stと画像速度Srとを用いた編集処理として、速度調整率Dを用いる処理(図6)と、累積誤差Eを用いる処理(図19)とについて説明したが、他の処理を採用してもよい。一般に、画像速度Srと目標速度Stとを用いる編集処理は、画像速度Srが目標速度Stよりも速いフレーム画像が連続する範囲に新たなフレーム画像を挿入し、さらに、画像速度Srが目標速度Stよりも遅いフレーム画像が連続する範囲からフレーム画像を間引く処理であればよい。
また、編集処理としては、上述した目標速度Stと画像速度Srとを用いる編集処理に限らず、間引処理と、挿入処理と、の少なくとも一方を、各フレーム画像の画像速度Srに応じて行う任意の処理を用いることができる。例えば、画像速度Srが所定のしきい値以下であるフレーム画像を間引くこととしてもよい。こうすれば、画像の動きが比較的小さなフレーム画像を再生することを抑制することができるので、画像の動きの速いシーンのみを再生することができる。また、画像速度Srが所定のしきい値以上であるフレーム画像に対して、そのフレーム画像の後ろに同じフレーム画像を挿入することとしてもよい。こうすれば、動画像の再生時に画像の動きが過剰に速くなることを防止することができるので、動画像を観察するユーザは、画像の動きを容易に認識することができる。
変形例2:
画像速度Srの算出方法としては、上述の各実施例で用いた方法(例えば、平均ベクトルの長さを用いる方法(図4))に限らず、フレーム画像が含む画像の動きの速度を算出する任意の方法を採用することができる。ここで「フレーム画像が含む画像の動きの速度」とは、フレーム画像に含まれる被写体の動きの速度であればよく、フレーム画像全体の相対的な動きの速度と、フレーム画像内に存在する被写体の一部(例えば、動体や背景)の相対的な動きの速度と、被写体の一部の、他の被写体に対する相対的な動きの速度と、を含む広い概念を意味している。
また、上述の各実施例では、速度算出部212(図2)は、n番フレーム画像の画像速度を、n番目とn+1番目との2つのフレーム画像を用いて算出しているが、この代わりに、n番目と、直前のn−1番目との2つのフレーム画像を用いて算出してもよい。こうすれば、データ処理部210が各フレーム画像を1枚ずつ時系列の順に読み込む場合でも、速度算出部212は、読み込んだ複数のフレーム画像の中の最新のフレーム画像の画像速度を、既に読み込んだフレーム画像のみ(最新のフレーム画像と直前のフレーム画像)を用いて算出することができる。なお、この場合も、速度算出部212(図2)は、上述した各実施例と同様に、n番フレーム画像を複数のブロックに分割するとともに各ブロック毎に動きベクトルを算出し、さらに、動きベクトルを用いてn番フレーム画像の画像速度を算出することができる。各ブロックの動きベクトルとしては、例えば、ブロックを、直前のフレーム画像(「n−1」番フレーム画像)上に、そのブロックが表す画像がほぼぴったり重なるように重ね合わせた場合の、ブロックの相対位置(位置のずれ)の算出結果を用いることができる。
変形例3:
上述の各実施例では、動画像データはノンインターレース方式のフレーム画像データで構成されていたが、本発明は、インターレース方式の動画像データにも適用することができる。この場合には、奇数番目の走査線の画像データから構成される奇数フィールドの静止画像データと、偶数番目の走査線の画像データから構成される偶数フィールドの静止画像データと、から生成される静止画像データ(1画面分の全走査線を含む画像を表す)をフレーム画像データとして用いることができる。
また、動画像としては、時系列に沿って並ぶ複数の静止画像からなる擬似的な動画像を用いても良い。例えば、デジタルスチルカメラで連写することによって生成した複数の静止画像からなる静止画像群を、動画像として用いてもよい。このような擬似的な動画像を処理の対象として用いる場合には、各静止画像をフレーム画像として用いればよい。このように、本明細書において、「デジタルカメラ」とは、動画を撮影するデジタルビデオカメラと、静止画を撮影するデジタルスチルカメラとの両方を含んでいる。
変形例4:
上述の各実施例では、データ処理部210が原動画像をデジタルカメラ100から受け取ることとしたが、他の種々の装置から受け取ることとしてもよい。例えば、DVD−ROM等の光ディスクメディアや、コンピュータ200に設けられたハードディスクや、携帯用メモリ等から受け取ることとしてもよい。
変形例5:
上述の各実施例において、画像生成装置(例えば、デジタルカメラ)、または、画像出力装置(例えば、モニタ)が、データ処理部210の機能の一部、または、全部を実行する構成としてもよい。
変形例6:
上記実施例において、ハードウェアによって実現されていた構成の一部をソフトウェアに置き換えるようにしてもよく、逆に、ソフトウェアによって実現されていた構成の一部をハードウェアに置き換えるようにしてもよい。
本発明の一実施例としての画像処理システムの構成を示す説明図である。 第1実施例におけるデータ処理部210の内部構成を示すブロック図である。 画像処理の処理手順を示すフローチャートである。 画像速度を算出する様子を示す説明図である。 画像速度Srと目標速度Stとの一例を示すグラフである。 ステップS130で実行される編集処理の手順を示すフローチャートである。 各フレーム画像の画像速度Srの一例を示す表である。 動画像を再生したときの画像の視覚的な速さを示すグラフである。 第2実施例における編集結果データを示す説明図である。 目標速度Stを決定するための操作表示画面300を示す説明図である。 候補目標速度の別の例を示すグラフである。 第5実施例における目標速度Stを決定するための操作表示画面300aを示す説明図である。 第6実施例における画像速度Srを算出する様子を示す説明図である。 第7実施例における画像速度Srを算出する様子を示す説明図である。 動きの種類を識別する手順を示すフローチャートである。 並進移動であるか否かを判断する様子を示す説明図である。 ズーム移動であるか否かを判断する様子を示す説明図である。 回転移動であるか否かを判断する様子を示す説明図である。 第9実施例における編集処理を示す説明図である。 第10実施例において画像速度を算出する様子を示す説明図である。
符号の説明
100...デジタルカメラ
200...コンピュータ
210...データ処理部
212...速度算出部
214...フレーム編集部
220...ディスプレイ
230...マウス
240...キーボード
300、300a...操作表示画面
310、310a...OKボタン
P1、P2、P3、P4、P5、P6...候補目標速度表示エリア
Pa...目標速度表示エリア
Ia...画像表示エリア

Claims (7)

  1. 複数枚のフレーム画像を含む動画像を編集する動画像処理装置であって、
    前記各フレーム画像に対して、各フレーム画像が含む画像の動きの速度を算出する速度算出部と、
    時系列に沿った並び順からフレーム画像を間引く間引処理と、時系列に沿った並び順にフレーム画像を挿入する挿入処理と、の少なくとも一方を、前記各フレーム画像の速度に応じて選択的に行う編集処理を実行するフレーム編集部と、
    を備える動画像処理装置。
  2. 請求項1に記載の動画像処理装置であって、
    前記フレーム編集部は、時系列に沿った前記フレーム画像の並び順において、
    (a)前記速度が特定の目標速度よりも速い高速フレーム画像が連続する範囲において前記挿入処理を実行し、
    (b)前記速度が特定の目標速度よりも遅い低速フレーム画像が連続する範囲において前記間引処理を実行する、
    動画像処理装置。
  3. 請求項2に記載の動画像処理装置であって、
    前記フレーム編集部は、前記目標速度を指定するユーザの指示を受け取るとともに、指定された目標速度に従って前記編集処理を実行する、動画像処理装置。
  4. 請求項2または請求項3に記載の動画像処理装置であって、
    前記目標速度は、前記複数のフレーム画像のうちの少なくとも一部においてフレーム画像毎に異なった値が設定される、動画像処理装置。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の動画像処理装置であって、
    前記速度算出部は、並進移動と、ズーム移動と、回転移動と、のうちの2つ以上の動きを含む複数種類の動きのそれぞれに対する速度を算出することが可能であるとともに、前記フレーム画像を解析した結果に応じて、算出する速度の種類を決定する、
    動画像処理装置。
  6. 複数枚のフレーム画像を含む動画像を編集する動画像処理方法であって、
    (a)前記各フレーム画像に対して、各フレーム画像が含む画像の動きの速度を算出する工程と、
    (b)時系列に沿った並び順からフレーム画像を間引く間引処理と、時系列に沿った並び順にフレーム画像を挿入する挿入処理と、の少なくとも一方を、前記各フレーム画像の速度に応じて選択的に行う編集処理を実行する工程と、
    を備える、動画像処理方法。
  7. 複数枚のフレーム画像を含む動画像を編集する動画像処理をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムであって、
    (a)前記各フレーム画像に対して、各フレーム画像が含む画像の動きの速度を算出する機能と、
    (b)時系列に沿った並び順からフレーム画像を間引く間引処理と、時系列に沿った並び順にフレーム画像を挿入する挿入処理と、の少なくとも一方を、前記各フレーム画像の速度に応じて選択的に行う編集処理を実行する機能と、
    をコンピュータに実現させるコンピュータプログラム。
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