JP2006004307A - 事業評価支援方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
本発明は、事業および事業ポートフォリオの評価をする際に、評価目的に適合した評価指標を簡単に、且つ効率的に設定する方法および装置を提供することを課題とする。また、前記評価指標を計算するにあたって、計算の対象が事業ポートフォリオであった場合に、その投資配分を簡単かつ視覚的に確認・調整する方法および装置を提供することを課題とする。
【解決手段】
評価指標の計算式モデルと、前記評価指標と評価目的の対応関係を定義するテーブルをデータベース102で管理し、ユーザ指定の評価目的に合致した評価指標モデルを抽出・提供する。
事業ポートフォリオの評価をする場合は、円グラフによって事業投資配分を表示し、表示された円グラフの配分面積を調整することで投資配分情報を更新し、評価指標の計算を実行する。
【選択図】図1
本発明は、事業および事業ポートフォリオの評価をする際に、評価目的に適合した評価指標を簡単に、且つ効率的に設定する方法および装置を提供することを課題とする。また、前記評価指標を計算するにあたって、計算の対象が事業ポートフォリオであった場合に、その投資配分を簡単かつ視覚的に確認・調整する方法および装置を提供することを課題とする。
【解決手段】
評価指標の計算式モデルと、前記評価指標と評価目的の対応関係を定義するテーブルをデータベース102で管理し、ユーザ指定の評価目的に合致した評価指標モデルを抽出・提供する。
事業ポートフォリオの評価をする場合は、円グラフによって事業投資配分を表示し、表示された円グラフの配分面積を調整することで投資配分情報を更新し、評価指標の計算を実行する。
【選択図】図1
Description
本発明は、任意の事業および事業ポートフォリオの価値を、任意の評価指標を用いて定量的に算出する方法およびその方法を計算機に処理させるプログラムに関する。
近年、事業への投資を実施するにあたって、事業価値の定量的評価が注目されつつある中で、事業を定量的に評価する装置が数例開発されている。
しかしながら、どの公知例においても、事業を評価する背景や目的に応じた評価指標の設定を可能にする機能は見当たらず、フレキシブルに且つ適切に評価指標を設定・算出することにおいて課題を抱えている。例えば特許文献1 特開2003-36339号公報を前提とする実施形態では、特定(固定)の評価指標の提供、及びそれら指標のみの算出を実現する。評価に用いる評価指標とその計算式をユーザ自身で定義させる装置も存在するが、その場合、事業の評価目的と評価指標の関係および評価指標の計算式についてそれ相応の知識・理解がユーザ自身に必要となるため、経済・経営学的知識をほとんど持たないユーザにとっては、有識者の補助無しで操作することが困難である。
また、例えば特許文献1 特開2003-36339号公報の実施形態では、個別の事業の評価のみならず、事業ポートフォリオ全体の価値を評価する機能や、ポートフォリオ全体としての価値を高くするような事業の組合せを紹介する機能を持つが、上記公知例も含め、既定予算内での投資配分を視覚的に確認しながら検討する手段を具備する装置は見当たらない。
本発明は、困難で煩雑であった評価指標の設定操作を簡便化および効率化するものである。評価の背景・目的と評価指標の不一致を排除するという狙いもある。また、事業ポートフォリオの価値評価においては、投資配分を確認・検討する手段を視覚性・操作性の高い方法で提供するものでもある。これは、事業及び事業ポートフォリオの価値評価における一連の作業を簡単且つ効率的にすることを狙いとしている。
本発明は、主に、評価指標定義プログラム104、投下資本定義プログラム105、投資配分調整プログラム106の三つの処理部で構成される。評価指標定義プログラム104では、事業の評価目的に適合する評価指標を設定し、設定した評価指標を計算可能な状態に再定義する。投下資本定義プログラム105では、事業投資配分の計算に必要な、投下資本のモデルを定義し、投資配分調整プログラム106に渡す。投資配分調整プログラム106では、投下資本定義プログラム105によって定義された投下資本モデルを利用して、事業投資配分を表示・調整する。
本発明では、あらかじめ、任意の評価指標の計算式モデル(以下、評価指標モデルと呼ぶ。) と、それらの評価指標と評価目的との対応関係を定義したテーブル (以下、「評価指標・評価目的対応テーブル」と呼ぶ。) を用意しておき、これをデータベース102によって管理する。データベース102は、ネットワークで結ばれた記憶装置101に記憶されており、ネットワークを介して評価指標モデルを抽出する。但し、データベース102を記憶する記憶装置101は、処理部103と共通の端末の内部にあってもよい。
まず、評価指標定義プログラム104が「評価指標・目的対応テーブル」に登録されている評価目的を、評価目的の選択肢として提示し、ユーザに選択させる。ユーザに選択された評価目的をキー情報に、「評価指標・目的対応テーブル」を検索し、選択された評価目的と対応している評価指標名を抽出する。抽出された評価指標名をさらにキー情報として、評価指標モデルをデータベース102から抽出し、評価指標定義プログラム104に返す。評価指標定義プログラム104では、受け取った評価指標モデルを構成する全てのデータ項目について、数値データとの紐付け処理を行う。すなわち、どの数値データを参照するかを定義する。(基本的には、各事業で定義されたデータ項目、あるいは事業ポートフォリオ単位で定義されたデータ項目と対応する数値データを参照する。)評価指標モデルを構成している全てのデータ項目について、どの数値データを参照するか定義が完了した場合、次の処理(評価指標の計算等)に移行する。
評価の対象が事業ポートフォリオであった場合、ポートフォリオを構成する全ての事業について、評価指標モデルを構成する各データ項目と任意の数値データとの紐付け処理を行う。但し、状況に応じて、紐付けをしない事業があってもよいことにする。
事業ポートフォリオについての評価にあたっては、評価指標の計算に先立って、予算内での投資配分を表示・調整する処理を実行する。この処理を実行するのは、投下資本定義プログラム105および投資配分調整プログラム106である。
まず、事業ポートフォリオ全体への投資予算額をユーザに入力させる。次に、各事業に属する任意のデータ項目を用いて、事業別の投下資本の計算式モデル(以下、事業別投下資本モデルと呼ぶ。) を定義する。
事業別投下資本モデルによって算出される各事業の投下資本が、投資予算額に対してどのくらいの比率を占めるのかを配分面積として、事業ポートフォリオの構成事業について、その配分を円グラフで表示する(以下、投資配分円グラフと呼ぶ)。投資配分円グラフは、境界軸をドラッグするかまたは円グラフのパイごとドラッグすることで各事業の配分面積を変更することができる。また、配分面積を変更することで、事業別投下資本モデルを構成するデータ項目の数値データが更新される。更新された数値データは、各事業の配分面積変更後 (すなわち、事業投資配分変更後)の事業ポートフォリオについて、評価指標を算出する際に計算へのインプットとして用いられる。
各事業の事業別投下資本は、投下資本定義プログラム105により、以下の要領で調整される。
まず、事業別投下資本モデルを構成する各データ項目について、各事業の配分面積を調整する際の、事業別投下資本に対する寄与度をあらかじめ定義しておく。具体的には、事業別投下資本を構成するデータ項目の寄与度を円グラフで表示し、境界軸をドラッグするかまたは円グラフのパイごとドラッグすることで各データ項目の寄与度に対応する配分面積を変更し、変更後の配分面積に従って寄与度を算出する。(以下、この円グラフを寄与度円グラフと呼ぶ。)寄与度円グラフの配分面積がゼロである項目については、固定費扱いとする。
次に、投下資本モデルを構成する各データ項目に対応する数値データに基づき、各データ項目の最小調整幅を決定する。
投資配分円グラフの配分面積に変更があった場合、投資配分調整プログラム106により、以下の要領で投資配分の更新が実行される。(以降、拡大事業とは投資配分円グラフの配分面積が拡大された事業を、縮小事業とは投資配分円グラフの配分面積が縮小された事業を指すものとする。)
拡大事業については、投下資本への寄与度と各データ項目の最小調整幅から事業別投下資本の調整幅を決定する。この調整幅にしたがって、投資配分円グラフにおける拡大事業の配分面積が調整される。調整操作後、拡大事業の事業別投下資本の増加額が算出される。
拡大事業については、投下資本への寄与度と各データ項目の最小調整幅から事業別投下資本の調整幅を決定する。この調整幅にしたがって、投資配分円グラフにおける拡大事業の配分面積が調整される。調整操作後、拡大事業の事業別投下資本の増加額が算出される。
算出された拡大事業の投下資本増加額と同額あるいはその前後の金額の分だけ、縮小事業が縮小される。事業別投下資本モデルを構成するデータ項目の中で、どの項目の値をどれだけ減少させるかは、投下資本への寄与度と各データ項目の最小調整幅から決定する。
拡大事業、縮小事業の双方で、投下資本モデルを構成するデータ項目の数値データが更新され、更新された値が評価指標計算のためのインプットとして利用される。
本発明による評価指標の提供機能によれば、事業を評価するにあたって、必ずしも経済学・経営学の専門的知識を有する必要が無くなる。また、評価指標の選別にあたって属人性を排除することができ、評価の目的に適合した評価指標を迅速にかつ確実に得ることが可能となる。
一方、本発明による「評価指標の計算対象の内容の編集機能」(事業への投資配分を表示・調整する機能を指す。) によれば、事業ポートフォリオの評価にあたって、ポートフォリオの内容をビジュアルに把握・編集 (調整) することが可能となる。
どちらも、事業評価における人的作業を簡単且つ効率的にする狙いがある。
以下では、本発明の主な実施例を、処理の手順に従って説明する。
まず、評価指標・目的対応テーブルで管理している評価目的の一覧をディスプレイに表示する。ユーザに、一覧の中から少なくとも一つの目的を選択させ、選択した評価目的をキー情報に、対応する評価指標モデルをデータベース102から抽出し、評価指標定義プログラム104に返す。
以降の処理は、評価の対象が個別事業であるか、事業ポートフォリオであるかによって分岐する。
評価の対象が個別事業である場合、評価指標定義プログラム104によって、プロジェクトファイルで管理されているデータ項目(以下、事業構成項目と呼ぶ。) の中に、受け取った評価指標モデルを構成するデータ項目 (以下、評価指標ツリー構成項目と呼ぶ。) と同名の項目が無いか検索する。ここで言うプロジェクトファイルとは、各事業のデータ項目や数値データ等、事業に関するあらゆる情報を管理するファイルの事を指す。同名のデータ項目が検出された場合、評価指標を計算する際に当該の評価指標ツリー構成項が参照する数値データとして、同名の事業構成項目に対応の数値データを設定する。
同名のデータ項目が検出されなかった場合、その他の事業構成項目に対応の数値データから、評価指標の計算時に参照する数値データをユーザに指定させる。但し、場合に応じて、プロジェクトファイル以外の領域で管理されているデータを指定させても良い。
例えば、評価指標モデルが「税引後当期利益」と「資本」という2つのデータ項目によって構成されている場合を考える。一方、評価対象となっている事業のプロジェクトファイルには「税引後利益」と「資本」というデータ項目のみ管理されていたと仮定する。「資本」は評価指標モデルとプロジェクトファイルの両者に存在するデータ項目なので、評価指標を計算する際には、プロジェクトファイルの「資本」の数値データを評価指標モデルの「資本」の数値データとして計算に用いる。「税引後当期利益」と同名のデータ項目はプロジェクトファイルに存在しないので、ユーザに数値データの参照先を指定させる。この時、参照先として、「税引後利益」などプロジェクトファイルに管理されたほかのデータ項目を指定しても良いし、それ以外の数値データを参照先に指定しても良い。
評価指標ツリー構成項目についての、数値データの参照先の定義が完了したら、評価指標の計算、確率シミュレーション等の処理へと遷移する。
図5の評価する対象の選択分岐A1において、評価の対象が事業ポートフォリオであった場合、事業ポートフォリオを構成する全ての事業について、評価指標ツリー構成項目の数値データ参照先の定義を行う。すなわち、事業毎に評価指標ツリー構成項目と同名の項目を検索し、同名の項目が検出されればその項目を数値データの参照先として設定し、検出されなければ、当該事業のその他の事業構成項目と対応する数値データから、評価指標を計算する時の数値データ参照先をユーザに定義させる。但し、場合に応じてプロジェクトファイル以外の領域で管理しているデータを定義させても良い。
次に、投下資本定義プログラム105によって当該事業ポートフォリオへの投下資本の内容を定義する。投下資本定義プログラム105では、初めに事業への投資予算額を入力する画面を表示し、ユーザに入力させる。
ユーザによる投資予算額の入力が完了したら、以下の手順で事業別に投下資本を定義する。
任意のデータ項目に対して、感応度分析を行う。(以下、感応度分析の分析対象に指定された任意の項目を分析対象項目と呼ぶ。) ここで言う感応度とは、事業を構成する末端項目 (事業構成項目のうち、これ以上細分化できない項目) の数値データが1%増加した場合の、分析対象項目の数値データの集計値の増加率を指す。感応度が負値になった末端項目を当該事業におけるコスト項目とみなし、抽出・表示する。
ユーザにツリー状の事業別投下資本モデル(以下、事業別投下資本ツリーと呼ぶ。) を定義させる。この時、抽出したコスト項目だけを用いて事業別投下資本ツリーを定義させる。事業別投下資本ツリーの定義に用いられたコスト項目を、以下では投下資本ツリー構成項目と呼ぶ。
次に、投下資本ツリー構成項目について、各項目の最小調整幅を定義する。各末端項目について、数値データのグリッド毎の差異を算出し、算出された差異の最小値を任意の領域に待避しておく。例えば、計算間隔が年であった場合は、初年度以外の各年度について、数値データの前年度比差異を算出し、その最小値を待避する。一方、データベース102またはファイル等任意の記憶領域に、「最小値・調整幅対応テーブル」をあらかじめ用意しておく。この「最小値・調整幅対応テーブル」は、任意の調整幅と、対応する差異最小値の範囲を定義するテーブルである。例えば、差異の最小値が10〜100の範囲であれば最小調整幅の値は10、といったことを定義している。任意の領域に待避しておいた、各項目の差異最小値を「最小値・調整幅対応テーブル」と照合し、対応する調整幅を当該項目の最小調整幅として設定する。
次に、投下資本ツリー構成項目の、事業別投下資本に対する寄与度を決定する。投下資本ツリー構成項目について、各項目の分析対象項目に対する寄与度を算出し、算出された寄与度を配分面積とする円グラフを表示する。これを(事業別投下資本への)寄与度円グラフとする。寄与度円グラフの配分面積は、分析対象項目に対する寄与度以外の指数を用いて決定・表示しても良い。
寄与度円グラフは、境界軸をドラッグするか、またはパイごとドラッグすることで配分面積を変更できるようにする。変更が無かった場合は、寄与度円グラフの初期表示に示されている寄与度を、事業別投下資本への寄与度として設定する。変更があった場合、変更後の配分面積に従って、事業別投下資本に対する各項目の寄与度を更新する。
図8のステップC802〜C806の処理で決定した最小調整幅を有効にするために、寄与度円グラフで表現される寄与度は整数とす必要性も考えられる。この場合、寄与度の算出結果が小数の時は、ステップC809〜C823の手順に従って整数に変換してから円グラフを表示する。
まず、全ての投下資本ツリー構成項目の間で事業別投下資本への寄与度の大小を比較し、最大の項目を検出する。検出された項目の寄与度の小数第一位を四捨五入し、整数に変換する。整数に変換された寄与度を100%から減算した値を任意の領域に待避しておく。(仮に、変数kに待避することとする。) 次に、二番目に寄与度が大きい項目を検出する。検出された項目の寄与度が、整数に未変換の項目の寄与度の総和に占める割合を算出する。これを、任意の領域(変数k)に待避しておいた値に乗じて算出される値の小数点第一位を四捨五入し、整数に変換する。整数に変換された寄与度を任意の領域(変数k)に待避されていた値から減算し、算出された値によって任意の領域(変数k)を更新する。上記、整数変換処理を、事業別投下資本への寄与度が大きい順に、全ての投下資本ツリー構成項目に対して実行する。
投下資本ツリー構成項目についての、整数変換処理が完了した場合、変換後寄与度を公約数で除算する。除算によって算出された値を、各投下資本ツリー構成項目の最小調整幅に乗じる係数に設定する。
各事業に固有の情報(事業構成項目、事業別投下資本ツリー、数値データ、最小調整幅、係数など)を、事業ポートフォリオ全体の情報を管理する記憶領域(例えば、事業ポートフォリオ管理ファイルなど)に保存しておく。
ここで、一旦全ての事業別投下資本を算出し、その総和が投資予算額以内であるかをチェックする。予算額を超えていた場合は予算超過警告画面を表示し、操作のやり直しを促す。(例えば、事業ポートフォリオの形成から操作し直すように、処理を戻す。) 予算額の範囲内であれば、事業投資配分調整処理に遷移する。事業投資配分調整処理は、投資配分調整プログラム106により、ステップC916〜C1103の手順で実行される。
事業ポートフォリオを構成する全ての事業について投資配分を算出し、算出された投資配分を表す円グラフ1201(投資配分円グラフ) を表示する。この投資配分は、事業別投下資本の総和で各事業の事業別投下資本を除算することにより求める。この時同時に、各事業の投下資本ツリー構成項目の数値データをインプットとして、評価指標の計算や確率シミュレーション等の処理を実行し、事業投資配分調整前の計算結果を算出する。
投資配分円グラフ1201は、境界軸1203をドラッグするか、またはパイ1202ごとドラッグすることで配分面積を変更できる。配分面積に変更が無い場合は、事業投資配分調整前の計算結果を、事業ポートフォリオの評価結果として設定・表示する。
ステップ919において、投資配分円グラフ1201の配分面積に変更があった場合は、まず拡大事業の投下資本を調整する。拡大事業について、各投下資本ツリー構成項目の最小調整幅と、寄与度から算出された係数を乗じる。乗算によって算出した値を、当該事業における各項目の調整幅として設定する。拡大事業の投下資本は、事業別投下資本ツリーの構成項目ごとに設定された調整幅ずつ数値データを増加させていくことで調整される。増加後の投下資本ツリー構成項目の数値データをインプットに、拡大事業の投下資本の増加額を算出し、拡大事業の投下資本を更新する。同時に、投下資本ツリー構成項目の数値データも更新する。
一方で、縮小事業の投下資本の減少額については、拡大事業の投下資本増加額と同額あるいは近似額でなければならない。投下資本ツリー構成項目のうち、どの項目をどれだけ減少させるかは、ステップC1001〜C1016の手順に従って決定する。
まず、縮小事業の投下資本ツリー構成項目のうち、投下資本への寄与度がゼロでない項目のみを比較対象として最小調整幅、各事業の事業別投下資本を、寄与度の大小比較をし、寄与度が最大の項目を検出する。拡大事業の投下資本増加額を、縮小事業の投下資本の予定減少額とみなし、これに寄与度最大の項目を乗じた値を、当該項目に影響をうけて減少されるべき投下資本の減少額α1とする。しかし、各項目には最小調整幅が指定されているので、最小調整幅に矛盾しないように数値データを減少させなければならない。当該事業における各投下資本ツリー構成項目の減少分は、最小調整幅に任意の自然数nを乗じることで求められるため、この任意の自然数を具体的な自然数として設定する必要がある。乗算に用いる自然数を0から1ずつ増やしていき、投下資本ツリー構成項目の数値データの減少分を計算する一方で同時に投下資本の減少額を計算する。自然数のカウントアップに連動して算出される投下資本の減少額が、初めてα1以上になった時の、投下資本ツリー構成項目の減少分を実際に減少させる値として設定する。この時実際に減少する投下資本の額を、投下資本(全体)の予定減少額から減算した値を、任意の領域(変数h)に待避しておく。
次に、二番目に投下資本への寄与度が大きい項目を検出する。検出された項目の寄与度が、減少分が未算出の項目の寄与度の総和に占める割合を算出する。この割合に任意の領域(変数h)に待避しておいた値を乗じて、当該項目に影響をうけて減少されるべき投下資本の減少額α2を算出する。一方、検出された項目の最小調整幅との乗算に用いる自然数を0から1ずつカウントアップして、投下資本ツリー構成項目の数値データの減少分および投下資本の減少額を算出する。この投下資本の減少額が初めてα2となる時の、投下資本ツリー構成項目の減少分を実際に減少させる値として設定する。この時実際に減少する投下資本の額を、任意の領域(変数h)に待避しておいた値から減算し、算出された値によって任意の領域(変数h)を更新する。
ステップC1007およびC1011の処理において、実際に減少させる値として、自然数のカウントアップに連動して算出される投下資本の減少額が初めてα1およびα2以上になった時の投下資本ツリー構成項目の減少分を設定しているが、自然数のカウントアップに連動して算出される投下資本の減少額がα1およびα2を超える直前の、投下資本ツリー構成項目の減少分を設定しても良い。この場合、投下資本の実際の減少額は、α1およびα2以下となる。
ステップ1006〜1009の処理を、事業別投下資本への寄与度が大きい順に、全ての投下資本ツリー構成項目に対して実行する。但し、寄与度が同じ項目があった場合は、寄与度の同じ項目全てにおいて減少分を算出してから、任意の領域(変数h)の値を更新する。
C920〜C1101の手順により、拡大事業および縮小事業における投下資本ツリー構成項目の調整後の数値データが算出される。調整後の数値データをインプットとして、評価指標の計算や確率シミュレーション等の処理を実行する。
事業別投下資本の総和を再度算出し、投資予算総額に余り(残高)があるかチェックする。(すなわち、事業別投下資本の総和が投資予算総額未満であるかをチェックする。)このとき、事業別投下資本が予算総額と一致すれば処理を終了させる。残高があれば、その他の事業をポートフォリオに追加することを可能とする。事業ポートフォリオに組み入れられていない事業の一覧を表示し、ユーザにポートフォリオに追加する事業を選択させる。追加事業についても、感応度分析によるコスト項目抽出、投下資本ツリーの定義、投下資本ツリー構成項目の最小調整幅の決定、投下資本への寄与度調整等、一連の処理を実行し、事業ポートフォリオ全体の再評価および投資配分の再調整を行う。
ステップ704〜C1111の処理を繰り返し実行し、最適な投資配分を検討する。
事業評価における評価指標を、専門知識を身に付ける必要なく、コンピュータを用いて自動的に設定することが可能になる。また、事業投資配分を視覚的に検討し、その検討結果の計算をコンピュータに実行させることが可能となる。
101…評価指標管理データベースを保存している記憶装置、102…評価指標管理データベース、103…プログラムを実行する処理部、104…評価指標定義プログラム、105…投下資本定義プログラム、106…事業投資配分調整プログラム、107…ユーザの指示操作を入力する入力装置、108…処理結果を表示する表示装置、401…評価指標ツリーの表示、402…ツリーに関する情報の表示、1201…事業投資配分を表す円グラフ、1202…事業別投下資本が投資予算額に占める比率を表す配分、1203…事業と事業を区分する境界軸、1204…拡大事業の投下資本情報を表示する表示部分、1205…縮小事業の投下資本情報を表示する表示部分、1206…ユーザによる事業投資配分の変更指示操作を表すポインタ、1207…拡大事業の投下資本構成項目の(事業別投下資本に対する)寄与度を表す円グラフ、1208…拡大事業の投下資本ツリー、1209…縮小事業の投下資本構成項目の(事業別投下資本に対する)寄与度を表す円グラフ円グラフ、1210…縮小事業の投下資本ツリー
Claims (9)
- コンピュータを用いて、複数の事業項目からなる事業ポートフォリオの価値の評価を支援する事業評価支援方法であって、
前記複数の事業項目の評価目標に基づいて、当該評価目標に適合する評価指標モデルを抽出し、
抽出された評価指標モデルに基づいて、前記事業ポートフォリオを評価する指標を算出することを特徴とする事業評価支援方法。 - 請求項1に記載の事業評価支援方法において、
複数の事業項目それぞれについて、複数の項目からなる投資額を設定し、
設定されたそれぞれの投資額のうち、少なくとも1つの投資額についての変更を受け付け、
受け付けられた変更に対応して他の投資額に変更が必要な場合、変更が必要になった投資額の複数の項目の制約条件を満たした範囲で変更を実行することを特徴とする事業評価支援方法。 - 請求項2に記載の事業評価支援方法において、
前記制約条件には、投資額の各項目の最小変更幅が含まれることを特徴とする事業評価支援方法。 - 複数の事業項目からなる事業ポートフォリオの価値の評価を支援する事業評価支援装置であって、
事業の評価を行う複数の評価指標モデルを記憶する手段と、
前記複数の事業項目の評価目標に基づいて、当該評価目標に適合する評価指標モデルを抽出する手段と、
抽出された評価指標モデルに基づいて、前記事業ポートフォリオを評価する指標を算出する手段とを有することを特徴とする事業評価支援方装置。 - 請求項4に記載の事業評価支援装置において、
複数の事業項目それぞれについて、複数の項目からなる投資額を設定する手段と、
設定されたそれぞれの投資額のうち、少なくとも1つの投資額についての変更を受け付ける手段と、
受け付けられた変更に対応して他の投資額に変更が必要な場合、変更が必要になった投資額の複数の項目の制約条件を満たした範囲で変更を実行する手段とをさらに有することを特徴とする事業評価支援装置。 - 請求項5に記載の事業評価支援装置において、
前記制約条件には、投資額の各項目の最小変更幅が含まれることを特徴とする事業評価支援装置。 - コンピュータで読取り可能なプログラムであって、前記コンピュータに複数の事業項目からなる事業ポートフォリオの価値の評価を支援させるプログラムにおいて、前記コンピュータに以下の処理を実行させる、
前記複数の事業項目の評価目標に基づいて、当該評価目標に適合する評価指標モデルを抽出し、
抽出された評価指標モデルに基づいて、前記事業ポートフォリオを評価する指標を算出する。 - 請求項7に記載のプログラムにおいて、さらに前記コンピュータに以下の処理を実行させる、
複数の事業項目それぞれについて、複数の項目からなる投資額を設定し、
設定されたそれぞれの投資額のうち、少なくとも1つの投資額についての変更を受け付け、
受け付けられた変更に対応して他の投資額に変更が必要な場合、変更が必要になった投資額の複数の項目の制約条件を満たした範囲で変更を実行する。 - 請求項8に記載のプログラムにおいて、
前記制約条件には、投資額の各項目の最小変更幅が含まれる。
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