JP2006001847A - 2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 抗ウイルス剤の有用な合成中間体である2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンを、簡便かつ収率よく、工業的に有利に製造することができる方法を提供すること。
【解決手段】 N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミドを、アンモニアまたはアンモニウム塩の存在下、酸中で反応させることを特徴とする、2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンまたはその塩の製造方法。
【選択図】 なし
Description
本発明は、抗ウイルス剤の合成中間体として有用な、2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンの製造方法に関する。
式:
で表される化合物に代表される一連のプリンヌクレオシド誘導体は、抗ウイルス剤として有用であることが知られている(非特許文献1参照)。これらプリンヌクレオシド誘導体の有用な合成中間体として、下式:
で表される2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンが知られている(特許文献1参照)。
2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンの合成例が、例えば、特許文献1、特許文献2および非特許文献1に記載されている。これらの方法は後処理において抽出操作を行っているが、抽出溶媒を基質に対して約10〜150容積/重量使用する必要があるために容積効率が悪く、また、特許文献1および非特許文献1においてはさらに取り出した結晶を再結晶していることから、再結晶しなければ高品質の2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンは得られないと考えられる。さらにいずれの方法も満足できる収率とはいえず、これらの方法は工業的に必ずしも有利な製造方法であるとはいえなかった。
本発明の目的は、2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンを、簡便かつ収率よく、工業的に有利に合成する方法を提供することである。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行った結果、N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミドを酸中で反応させる際、アンモニアまたはアンモニウム塩を添加することにより、反応後に濾過するだけで再結晶等により精製しなくても高品質の2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンを収率よく製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミドを、アンモニアまたはアンモニウム塩の存在下、酸中で反応させることを特徴とする、2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンまたはその塩の製造方法、
(2) アンモニアまたはアンモニウム塩が、アンモニアである、上記(1)記載の製造方法等に関する。
(1) N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミドを、アンモニアまたはアンモニウム塩の存在下、酸中で反応させることを特徴とする、2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンまたはその塩の製造方法、
(2) アンモニアまたはアンモニウム塩が、アンモニアである、上記(1)記載の製造方法等に関する。
本発明の方法により、高品質の2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンを、簡便に収率よく工業的に有利に製造することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミドを、アンモニアまたはアンモニウム塩の存在下、酸中で反応させる。
本発明の製造方法の原料であるN−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミドは、公知の方法、例えば、上記特許文献1、非特許文献1および特開平7-300466号公報等に記載の方法に従って製造することができる。
N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミドを、アンモニアまたはアンモニウム塩の存在下、酸中で反応させる。
本発明の製造方法の原料であるN−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミドは、公知の方法、例えば、上記特許文献1、非特許文献1および特開平7-300466号公報等に記載の方法に従って製造することができる。
本発明の方法には、塩基としてアンモニアまたはアンモニウム塩を添加する。
アンモニウム塩としては、ハロゲン化アンモニウム(例えば、フッ化アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム等)、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化アンモニウム等が挙げられ、ハロゲン化アンモニウム、特に塩化アンモニウムが好ましい。アンモニアまたはアンモニウム塩(以下、アンモニア等という場合もある)としては、アンモニアおよび塩化アンモニウムが好ましい。
アンモニア等を添加して反応させることにより、N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミドの2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンへの転化率が向上し、その結果として収率が向上する。
アンモニウム塩としては、ハロゲン化アンモニウム(例えば、フッ化アンモニウム、塩化アンモニウム、臭化アンモニウム等)、炭酸アンモニウム、炭酸水素アンモニウム、水酸化アンモニウム等が挙げられ、ハロゲン化アンモニウム、特に塩化アンモニウムが好ましい。アンモニアまたはアンモニウム塩(以下、アンモニア等という場合もある)としては、アンモニアおよび塩化アンモニウムが好ましい。
アンモニア等を添加して反応させることにより、N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミドの2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンへの転化率が向上し、その結果として収率が向上する。
アンモニア等の使用量は、N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド1モルに対して、通常0.05〜15モルであり、好ましくは1.0〜3.0モルである。アンモニア等の使用量がこの範囲より少ないと反応の進行が遅くなるために好ましくなく、この範囲を超えて使用してもアンモニウム塩が多量に析出するので好ましくない。
酸としては、例えば、鉱酸類(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等)、有機酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸等)等が挙げられるが、鉱酸が好ましく、特に塩酸が好ましい。酸は水溶液として使用してもよい。
酸の使用量は、N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド1モルに対して、通常2〜120モルであり、好ましくは12〜35モルである。酸の使用量がこの範囲より少ないと反応が進行しないために好ましくなく、この範囲を超えて使用しても不純物が増加し、収率が低下するために好ましくない。
酸の使用量は、N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド1モルに対して、通常2〜120モルであり、好ましくは12〜35モルである。酸の使用量がこの範囲より少ないと反応が進行しないために好ましくなく、この範囲を超えて使用しても不純物が増加し、収率が低下するために好ましくない。
試薬の添加の順序に特に限定はなく、例えば、N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミドと酸との混合液にアンモニアまたはアンモニウム塩を添加する;酸とアンモニアまたはアンモニウム塩とのを混合液にN−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミドを添加する等により行ってもよい。
反応は、冷却または室温下、好ましくは室温(20〜25℃)で行われ、反応時間は、通常1〜18時間、好ましくは1〜3時間である。
目的物である2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンは、塩の形態であってもよい。2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンの塩としては、例えば、鉱酸類(例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等)、有機酸類(例えば、酢酸、プロピオン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、テレフタル酸、リンゴ酸、マレイン酸、フマル酸等)等との塩が挙げられる。好ましくは、塩酸との塩が挙げられる。
反応後、反応液を濾過するだけで高品質の2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンを単離することができるので、後処理および精製の手間を省くことができる。しかし、単離後、例えば、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、再結晶等により精製してもよい。
2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンは、例えば、上記非特許文献1記載の方法に従って、抗ウイルス剤として有用なプリンヌクレオシド誘導体に誘導することができる。
以下、本発明について、実施例および比較例を挙げてさらに詳細に説明する。本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
HPLC分析条件は、以下の通りである。
カラム :Nucleosil C18(250mm×4.6mm,5μm)
流速 :1ml/min
カラム温度:60℃
検出器 :240nm
移動相 :7.5%CH3CN−0.05Mリン酸ナトリウムバッファー(pH2.6)− 0.25%CH3(CH2)6SO3Na
分析時間 :20min(品質を決定する場合)
HPLC分析条件は、以下の通りである。
カラム :Nucleosil C18(250mm×4.6mm,5μm)
流速 :1ml/min
カラム温度:60℃
検出器 :240nm
移動相 :7.5%CH3CN−0.05Mリン酸ナトリウムバッファー(pH2.6)− 0.25%CH3(CH2)6SO3Na
分析時間 :20min(品質を決定する場合)
〔実施例1〕
N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド(1.0g、4.8mmol)を35%塩酸(5ml、56.6mmol)へ加えた。この溶液を3時間、20〜25℃にて攪拌した。その後、氷冷し、28%アンモニア水(0.8g、12.9mmol)を滴下した。滴下後、20〜25℃へ昇温、1時間攪拌した。溶液中の結晶を濾過し、淡黄色の粉末状固体として2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジン1塩酸塩を得た(0.86g、4.0mmol、収率82.6%、品質(HPLC面積百分率)99.7%)。
計算値:C,22.3 H,2.3 N,26.0 Cl,49.4
実測値:C,22.4 H,2.3 N,26.4 Cl,49.0
13C−NMR(DMSO−d6)δ:123.5(C−5)、147.6(C−4,C−6)、155.6(C−2)
以下に、28%アンモニア水添加前後の原料(N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド)および生成物(2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジン1塩酸塩)のHPLC面積百分率を示す。
N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド(1.0g、4.8mmol)を35%塩酸(5ml、56.6mmol)へ加えた。この溶液を3時間、20〜25℃にて攪拌した。その後、氷冷し、28%アンモニア水(0.8g、12.9mmol)を滴下した。滴下後、20〜25℃へ昇温、1時間攪拌した。溶液中の結晶を濾過し、淡黄色の粉末状固体として2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジン1塩酸塩を得た(0.86g、4.0mmol、収率82.6%、品質(HPLC面積百分率)99.7%)。
計算値:C,22.3 H,2.3 N,26.0 Cl,49.4
実測値:C,22.4 H,2.3 N,26.4 Cl,49.0
13C−NMR(DMSO−d6)δ:123.5(C−5)、147.6(C−4,C−6)、155.6(C−2)
以下に、28%アンモニア水添加前後の原料(N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド)および生成物(2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジン1塩酸塩)のHPLC面積百分率を示す。
〔実施例2〕
35%塩酸(5ml、56.6mmol)を0〜5℃に冷却し、そこへ28%アンモニア水(0.8g、12.9mmol)を滴下した。その溶液を20〜25℃に昇温した後、N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド(1.0g、4.8mmol)を加えた。その後5時間、20〜25℃にて攪拌した。反応終了後、濾過し、淡黄色の粉末状固体として2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジン1塩酸塩を得た(0.83g、収率79.8%、品質(HPLC面積百分率)99.6%)。
35%塩酸(5ml、56.6mmol)を0〜5℃に冷却し、そこへ28%アンモニア水(0.8g、12.9mmol)を滴下した。その溶液を20〜25℃に昇温した後、N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド(1.0g、4.8mmol)を加えた。その後5時間、20〜25℃にて攪拌した。反応終了後、濾過し、淡黄色の粉末状固体として2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジン1塩酸塩を得た(0.83g、収率79.8%、品質(HPLC面積百分率)99.6%)。
〔実施例3〕
N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド(1.0g、4.8mmol)を35%塩酸(5ml、56.6mmol)へ加えた。この溶液を14時間、20〜25℃にて攪拌した。その後、塩化アンモニウム(0.26g、4.8mmol)を滴下した。滴下後、20〜25℃で1時間攪拌し、実施例2と同様の結果を得た。
N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド(1.0g、4.8mmol)を35%塩酸(5ml、56.6mmol)へ加えた。この溶液を14時間、20〜25℃にて攪拌した。その後、塩化アンモニウム(0.26g、4.8mmol)を滴下した。滴下後、20〜25℃で1時間攪拌し、実施例2と同様の結果を得た。
〔比較例1(上記特許文献1の製造方法)〕
N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド(500mg、2.42mmol)を還流下に0.1N塩酸(5ml)及びエタノール(7ml)の中に溶解した。この溶液を5時間還流させた。揮発性物質を真空除去した。残留物を希薄水酸化アンモニウムでpH8に調整した水(30ml)と酢酸エチル(75ml)との間に分配した。酢酸エチル層を乾燥(硫酸ナトリウム)した。酢酸エチルを蒸発させると、ピンク色固体状物が残った(0.4g)。この固体状物を95%エタノールから再結晶化させると、2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンが薄ピンク色針状結晶として得られた(280mg、収率65%)。
N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド(500mg、2.42mmol)を還流下に0.1N塩酸(5ml)及びエタノール(7ml)の中に溶解した。この溶液を5時間還流させた。揮発性物質を真空除去した。残留物を希薄水酸化アンモニウムでpH8に調整した水(30ml)と酢酸エチル(75ml)との間に分配した。酢酸エチル層を乾燥(硫酸ナトリウム)した。酢酸エチルを蒸発させると、ピンク色固体状物が残った(0.4g)。この固体状物を95%エタノールから再結晶化させると、2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンが薄ピンク色針状結晶として得られた(280mg、収率65%)。
〔比較例2(上記特許文献2の製造方法)〕
2,5−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン・ハイドロクロライド塩(0.14mol、25g)を乾燥した反応器の中に装入した。乾燥した1,2,3−トリクロロプロパン(51.96ml)をこれに添加し、全体を攪拌した。つづいて、テトラメチルアンモニウム・クロライド(0.29mol、31.25g)、およびオキシ塩化リン(0.54〜0.81mol、83.28〜124.9g、50.6〜75.9ml)を添加した。混合物を還流温度(約115℃)に24時間加熱した。その後、反応混合物を50℃以下に冷却し、氷水(24.44mol、440.44g)を添加して、全体を55℃以下に保った。それから、50%濃度の水酸化ナトリウム(3.12mol、124.92g、163.3ml)を用いて反応混合物のpHを6.5〜7.0に調整し、温度を55℃以下に保った。反応混合物を55〜60℃において、30分間攪拌した。次に、テトラヒドロフラン(3.7mol、267.0g、300ml)を添加した。反応混合物をセライト上で濾過し、酢酸エチル(20.5mol、1806.58g、2002.86ml)で洗浄した。有機層を3回水(5.57mol、100.32g、100.32ml)で洗浄し、炭酸水素ナトリウム上で乾燥し、濾過した。蒸留により酢酸エチルを除去し、残った有機物質にヘキサン(0.77mol、66.14g、100.36ml)を添加し、10℃以下に冷却後、濾過を行い、50℃において真空下に乾燥すると茶色みがかった固体として2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンが得られた(0.09mol、15.71g、収率65%)。
2,5−ジアミノ−4,6−ジヒドロキシピリミジン・ハイドロクロライド塩(0.14mol、25g)を乾燥した反応器の中に装入した。乾燥した1,2,3−トリクロロプロパン(51.96ml)をこれに添加し、全体を攪拌した。つづいて、テトラメチルアンモニウム・クロライド(0.29mol、31.25g)、およびオキシ塩化リン(0.54〜0.81mol、83.28〜124.9g、50.6〜75.9ml)を添加した。混合物を還流温度(約115℃)に24時間加熱した。その後、反応混合物を50℃以下に冷却し、氷水(24.44mol、440.44g)を添加して、全体を55℃以下に保った。それから、50%濃度の水酸化ナトリウム(3.12mol、124.92g、163.3ml)を用いて反応混合物のpHを6.5〜7.0に調整し、温度を55℃以下に保った。反応混合物を55〜60℃において、30分間攪拌した。次に、テトラヒドロフラン(3.7mol、267.0g、300ml)を添加した。反応混合物をセライト上で濾過し、酢酸エチル(20.5mol、1806.58g、2002.86ml)で洗浄した。有機層を3回水(5.57mol、100.32g、100.32ml)で洗浄し、炭酸水素ナトリウム上で乾燥し、濾過した。蒸留により酢酸エチルを除去し、残った有機物質にヘキサン(0.77mol、66.14g、100.36ml)を添加し、10℃以下に冷却後、濾過を行い、50℃において真空下に乾燥すると茶色みがかった固体として2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンが得られた(0.09mol、15.71g、収率65%)。
〔比較例3(上記非特許文献1の製造方法)〕
N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド(7.50g、36.2mmol)と0.1N塩酸(75ml)をエタノール(75ml)へ加え、還流下、6時間反応させた。反応後、溶媒を濃縮した。残渣を炭酸水素ナトリウムでpH8に調整した水(300ml)と酢酸エチル(3×100ml)の間で分配した。合わせた酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ヘキサン(300ml)で希釈し、シリカゲルパッドで脱色した。溶媒を濃縮すると2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンが白色粉末として得られ(5.00g、粗収率77%)、これを95%エタノールから再結晶化させると白色針状結晶が得られた。
N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド(7.50g、36.2mmol)と0.1N塩酸(75ml)をエタノール(75ml)へ加え、還流下、6時間反応させた。反応後、溶媒を濃縮した。残渣を炭酸水素ナトリウムでpH8に調整した水(300ml)と酢酸エチル(3×100ml)の間で分配した。合わせた酢酸エチル層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ヘキサン(300ml)で希釈し、シリカゲルパッドで脱色した。溶媒を濃縮すると2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンが白色粉末として得られ(5.00g、粗収率77%)、これを95%エタノールから再結晶化させると白色針状結晶が得られた。
〔比較例4〕
N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド(1.0g、4.8mmol)を35%塩酸(15ml、169.7mmol)へ加えた。この溶液を2時間、20〜25℃にて攪拌した。その後、氷冷し、溶液中の結晶を濾過し、淡黄色の粉末状固体として2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジン1塩酸塩を得た(0.65g、収率62.8%、品質(HPLC面積百分率)99.8%)。
以下に、反応終了後の原料(N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド)および生成物(2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジン1塩酸塩)のHPLC面積百分率を示す。
N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド(1.0g、4.8mmol)を35%塩酸(15ml、169.7mmol)へ加えた。この溶液を2時間、20〜25℃にて攪拌した。その後、氷冷し、溶液中の結晶を濾過し、淡黄色の粉末状固体として2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジン1塩酸塩を得た(0.65g、収率62.8%、品質(HPLC面積百分率)99.8%)。
以下に、反応終了後の原料(N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミド)および生成物(2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジン1塩酸塩)のHPLC面積百分率を示す。
実施例1と比較例4とを比較すると、28%アンモニア水を加える実施例1では塩酸の量が比較例4の3分の1である。表1および表2から、28%アンモニア水を加える実施例1のほうが原料の生成物への転化率が高く、収率もよいことがわかる。
Claims (2)
- N−(2−アミノ−4,6−ジクロロ−5−ピリミジニル)ホルムアミドを、アンモニアまたはアンモニウム塩の存在下、酸中で反応させることを特徴とする、2,5−ジアミノ−4,6−ジクロロピリミジンまたはその塩の製造方法。
- アンモニアまたはアンモニウム塩が、アンモニアである、請求項1記載の製造方法。
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