JP2006000405A - 外科用処置具及びこれを適用する外科用処置システム - Google Patents

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Abstract

【課題】凝固処置や鈍的剥離処置を効率よく実行でき、的確な送水や吸引や送気をおこなう機能を備えた高機能な外科用処置具及びこれを適用する外科用処置システムを提供する。
【解決手段】細長のシャフト部18と、シャフト部の先端に設けられ加熱による生体組織の処置をおこなう処置部15と、処置部を構成する発熱素子と、シャフト部の内部に挿通され発熱素子に接続されるケーブル部材と、処置部の先端側に開口する貫通孔を有する開口部と、シャフト部の内部に配設され開口部に接続される管路部材と、シャフト部の基端側に配設される把持部(17)と、把持部に配設されケーブル部材と接続される第1のコネクタ部16と、把持部に配設され管路部材と接続される第2のコネクタ部45とを具備してなる。
【選択図】図1

Description

この発明は、外科用処置具及びこれを適用する外科用処置システム、詳しくは体腔内の生体組織に対して焼灼をおこなって凝固処置や剥離処置等をおこなう外科用処置具及びこれを適用する外科用処置システムに関するものである。
従来より、生体の体腔内に挿入して呼吸器や消化器等の体腔内臓器または鼻内の粘膜等を焼灼して治療する医療用の外科用処置具や、出血部を加熱して止血する処置具や、焼灼及び止血をおこなうと共に送水や吸引を行ない得る医療用の外科用処置具及びこれを適用する外科用処置システムについては広く知られており、また種々の提案がなされている。
例えば、特開2002−000615号公報によって開示されている外科用処置具は、不活性ガスを供給すると共に高周波によって患部を凝固焼灼し、吸引手段によってガスと煙を体腔外へと排出するように構成される鼻腔粘膜凝固焼灼装置についての開示がなされている。
同公報に記載の外科用処置具では、媒体の供給をおこなう凝固焼灼プローブと、吸引をおこなう吸引管を別個独立に設けて構成している。そして、1つのプローブに媒体の供給をおこなう管路と吸引をおこなう管路とを共に設けて構成する点についての記載がある。
また、特開2002−248112号公報によって開示されている外科用処置具は、挿入部の先端部に設けられる発熱素子の熱を利用して体腔内の組織を凝固切開すると共に、処置部の外周側に設けられるノズルから処置の対象とする組織に向けて送水動作をおこなうことができるように構成した医療用の処置具である。
特開2002−000615号公報 特開2002−248112号公報
ところが、上記特開2002−000615号公報によって開示されている手段によれば、媒体の供給又は吸引のための管路が別途必要となることから、実質的に挿入部の径寸法が大きくなってしまうという問題点がある。
また、同公報の手段では、1本のプローブに媒体供給の管路と吸引の管路を二本設けて構成する場合には、管路抵抗を考慮すると管路の径寸法を小さくすることができない。したがって、プローブ全体が太径化してしまう傾向があるという問題点がある。その一方で、二本の管路を共通化して構成する場合には、処置と吸引または処置と送気を同時におこなうことができないという問題点がある。また、処置を施した後に速やかに送水をおこなうことも困難であるという問題点がある。
一方、上記特開2002−248112号で公報によって開示されている手段によれば、送水用のノズルを処置部の外周側に設けて構成していることから、同ノズルを利用して吸引をおこなうことを考慮すると、吸引時の操作性向上に改善の余地がある。
また、ノズルが側方に向いていることから、同ノズルを側方に向けて送水または吸引する処置をおこなう場合には良好な操作性を得ることができる。その反面、処置手段が前方を向いている場合において、側方に向いたノズルを用いて送水または吸引する処置をおこなう際には、その操作性に改善の余地がある。
本発明は、上述した点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、シャフト部の先端部に設けられる発熱素子によって生じる熱を熱伝導部材に対して効率良く伝達することで、凝固処置や鈍的剥離処置を効率よく実行することのできると共に、的確な送水や吸引や送気をおこなう機能を加えることによって、より高機能な外科用処置具及びこれを適用する外科用処置システムを提供することである。
上記目的を達成するために、本発明による外科用処置具は、細長のシャフト部と、前記シャフト部の先端に設けられ加熱による生体組織の処置をおこなう処置部と、前記処置部を構成する発熱素子と、前記シャフト部の内部に挿通され前記発熱素子に接続されるケーブル部材と、前記処置部の先端側に開口する貫通孔を有する開口部と、前記シャフト部の内部に配設され前記開口部に接続される管路部材と、前記シャフト部の基端側に配設される把持部と、前記把持部に配設され前記ケーブル部材と接続される第1のコネクタ部と、前記把持部に配設され前記管路部材と接続される第2のコネクタ部とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、シャフト部の先端部に設けられる発熱素子によって生じる熱を熱伝導部材からなる処置部に対して効率良く伝達することで、凝固処置や鈍的剥離処置を効率よく実行することのできると共に、的確な送水や吸引や送気をおこなう機能を加えることによって、より高機能な外科用処置具及びこれを適用する外科用処置システムを提供することができる。
以下、図示の実施の形態によって本発明を説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態の外科用処置具を含む外科用処置システムの概略的な全体構成図である。図2は、本実施形態の外科用処置具の先端部分の内部構成を示す側断面図である。図3は、図2のIII−III線に沿う縦断面図である。図4は、本実施形態の外科用処置具の操作部の内部構成を概略的に示す上半部の側断面図である。
本実施形態の外科用処置具11は、外科用処置システム1の一部として利用されるものである。本実施形態の外科用処置具11が適用される外科用処置システム1は、図1に示すように本実施形態の外科用処置具11と、この外科用処置具11に対して接続ケーブル12及び送水管路25を介して接続され外科用処置システム1全体の電力源であると共に内部に送水ポンプ(図示せず)を備えた電源装置13と、この電源装置13にケーブル14cを介して接続され使用者が足で踏む等によって外科用処置具11の操作をおこなうための制御信号を発生させるフットスイッチ14と、電源装置13に対して着脱自在に配設され同電源装置13の内部に設けられる送水ポンプとの間で管路26aを介して接続されかつ内部に所定の液体などが蓄蔵され得るように形成される送水タンク26とによって主に構成されている。
外科用処置具11は、使用者によって把持される部位(以下、把持部という)の基端側に設けられ接続ケーブル12が接続される第1のコネクタ部であるコネクタ部16及び同把持部の側部に設けられる送水管路25が接続される第2のコネクタ部である送水コネクタ45とを備え把持部を含む操作部17と、先端側に設けられ加熱による生体組織の処置をおこなう処置部15と、この処置部15と前記操作部17との間を連結するシャフト部18とによって主に構成されている。
シャフト部18は、図2に示すように後述するリード線23(ケーブル部材)を保護する外套管である管腔部材19と、この管腔部材19(外套管)と前記処置部15との間に配設され両者を連結する接続部材20とによって構成されている。そして、管腔部材19の内部には絶縁材料によって形成される中空管状のチューブ27が接続部材20の後端部から操作部17まで挿通されている。さらに、このチューブ27の内部(シャフト部18の内部)には、処置部15内の発熱素子22(詳細は後述する)の基端寄りの部位から延出するケーブル部材であるリード線23が挿通されている。このリード線23の一端は操作部17のコネクタ部16の接続端子16a(図4参照)に接続されている。
電源装置13は、外科用処置具11の処置部15の内部に設けられる発熱素子22(図2参照)の発熱作用を制御するために設けられるものである。そのために、この電源装置13の前面パネルには、図1に示すように処置部15の温度を選択的に設定する操作部材である温度設定ボタン13aと、この温度設定ボタン13aによって設定された温度値等が表示される表示部13bとが配設されている。これにより使用者は、温度設定ボタン13aを任意に操作して所望の設定温度値を設定し得るようになっている。すると、電源装置13は、これを受けて設定された温度値に応じて処置部15の温度が維持されるように制御を実行するようになっている。
また、電源装置13の前面パネルには、接続ケーブル12の一端が接続される電気端子部13cと、送水管路25の一端が接続される送水コネクタ13dと、フットスイッチ14から延出するケーブル14cの一端が接続されるスイッチ端子13eが設けられている。
なお、送水コネクタ13dは、電源装置13の内部に配設される送水ポンプとの間で内部管路(図示せず)によって接続されている。
上述したように、シャフト部18の最先端部には処置部15が配設されている。この処置部15は、図2に示すように外面を覆う先端キャップ21と、この先端キャップ21の内部に配設され温度により抵抗値が変化する発熱素子22等によって構成されている。
フットスイッチ14は、電源装置13に対して電力供給のオンオフ制御の信号を発生させ処置部15の加熱操作をおこなうための第1ペダル14aと、電源装置13の内部に設けられる送水ポンプに対して送水動作のオンオフ制御の信号を発生させる第2ペダル14bとを具備して構成されている。
先端キャップ21は、熱伝導率の高い材質、例えば銅やモリブデンや白金等によって形成されている。また、先端キャップ21の外表面には、体腔内における使用時に組織の貼り付きを抑止し得る表面処理、例えばテフロンコーティング(登録商標)等の表面処理が施されている。
この先端キャップ21は、先端側の断面が半球形状からなる半球状部21aと、この半球状部21aの平面側の略中央部において後端に向けて突設される突出部21bとによって形成されている。そして、半球状部21aと突出部21bとには、先端キャップ21の軸中心を貫通する貫通孔21dが穿設されている。
また、先端キャップ21の突出部21bには、軸方向に所定の深さを有する複数の溝24が径方向に略円周状に複数個が並べて形成されている。これらの各溝24のそれぞれには、複数の発熱素子22が例えば半田付けやろう付け等の手段を用いてそれぞれ固設されている。これにより、発熱素子22は先端キャップ21に対して熱的に結合されている。この発熱素子22もまた、処置部15の径方向に略円周状に複数個配置されている。
先端キャップ21は、突出部21bの外周部分が接続部材20の第1係合部20aに対して係合している。また、接続部材20は、その中程の外周面上に形成される第2係合部20bと管腔部材19の先端側の内周面に対して係合している。これにより、先端キャップ21と管腔部材19、すなわちシャフト部18とは接続部材20を介して連結されている。この場合において、先端キャップ21と接続部材20との間の接続部位には、防水性部材により形成されるOリング32が設けられる。また、接続部材20と管腔部材19との間の接続部位には、防水性部材により形成されるOリング33が設けられる。これにより、各接続部位においては水密的に連結されるようになっている。
接続部材20は、熱伝導率が低く電気絶縁性を有する材質によって形成される中空の軸状部材である。この接続部材20は、上述したように先端側の内側面に形成され先端キャップ21の所定の部位(突出部21bの外周側)と係合する第1係合部20aと、中程の外周面上に形成され管腔部材19の所定の部位(先端内側)と係合する第2係合部20bと、さらに後端側の外周面に形成されチューブ27が連結されるチューブジョイント部20cとを有している。
これにより、接続部材20の後端側のチューブジョイント部20cには、前記チューブ27の一端が連結されている。このチューブ27は、シャフト部18の管腔部材19の内腔を挿通し、その他端部が操作部17の内部に至り、当該操作部17の内部における所定の部位に固設されている。
一方、接続部材20の内腔は、先端側に太径部20dが、後端側に細径部20eがそれぞれ形成されている。太径部20dの管腔部分には発熱素子22の一部が配置される。この太径部20dの管腔部分に連通する細径部20eの管腔部分には、前記発熱素子22から延出されるリード線23が挿通している。そして、このリード線23は、さらに前記チューブ27の内腔を挿通し、操作部17のコネクタ部16の接続端子16a(図4参照)に接続されているのは上述した通りである。
そして、前記コネクタ部16には、図1に示すように接続ケーブル12が接続される。したがって、これにより発熱素子22と電源装置13との間の電気的な接続が確保されるようになっている。換言すると、発熱素子22は、リード線23及びコネクタ部16及び接続ケーブル12を介することで電源装置13との間の電気的な接続が確保され得るようになっている。
なお、発熱素子22は、図3に示すように先端キャップ21の突出部21bにおいて略同心円となる円周上において複数個(本実施形態では三個)が略等間隔となるように均等に配置されている。これにより、先端キャップ21全体の均等な加熱をおこない得るようになっている。また、この場合において、発熱素子22の配置個数は先端キャップ21の熱容量によって調整することができる。本実施形態の場合には、図3に示すように三個の発熱素子22を配置している。
このように、三個の発熱素子22を図3に示すように配置した場合には、これらの発熱素子22によって囲われる中央部分にデッドスペースが生じる。そこで、本実施形態では、このデッドスペース部分に貫通孔21dを形成している。これによって、シャフト部18を大径化することなく、処置部15からシャフト部18を経て操作部17に至る管腔構造を実現している。
さらに、先端キャップ21の貫通孔21dの後端側には、管路部材である細径チューブ37の一端部が嵌合接続されている。この細径チューブ37は、接続部材20の内腔20d,20e及びチューブ27の中空部27aの内部、すなわちシャフト部18を挿通して、最終的には操作部17の把持部材28(後述する。図4参照)の側部の所定の部位に設けた送水コネクタ45の内腔管路45aに他端部が嵌合接続されている。なお、この細径チューブ37の内部には例えば液体等が水密的に通過し得るような構造となっている。
このように細径チューブ37を水密構造とすることによって、同細径チューブ37が挿通されるチューブ27の内部に同時に挿通されるリード線23や発熱素子22が、細径チューブ37の内部の液体等に接触しないようになっている。
次に、操作部17は、図3に示すように使用者が把持する把持部材28と、この把持部材28の基端側に設けられる押さえ部材29と、押さえ部材29に係合することでコネクタ部16を固定するコネクタ固定部材36とによって主に構成されている。
把持部材28の内部は中空構造となっている。この中空部28aの先端寄りの部位には、管腔部材19の基端側の一部が挿通し、この管腔部材19が所定の部位において固設されている。この場合において、把持部材28と管腔部材19との接続部位は、係止手段34及び接着充填材35によって固設されている。なお、前記接着充填材35としては、防水性を備えた接着手段が用いられる。
また、管腔部材19の内部には、上述したようにチューブ27が挿通されている。このチューブ27の他端部は、前記管腔部材19の基端部からさらに延出した部位、すなわち把持部材28の中空部28aの略中程の部位にまで挿通されている。このチューブ27の内腔にはリード線23及び細径チューブ37が挿通している。
そして、リード線23は、把持部材28の中空部28aの内部においてコネクタ部16の接続端子16aに接続されている。これにより、リード線23は外部から充分に保護される形態となっている。
また、細径チューブ37は、チューブ27からさらに延出し、その他端部が送水コネクタ45の内腔管路45aに対して把持部材28の中空部28aの内部において嵌合接続されている。
押さえ部材29は、把持部材28の基端寄りの外周側に配設されている。この押さえ部材29の基端寄りの内周側には係合部29aが形成されている。この係合部29aに対しては、コネクタ部16を固定するためのコネクタ固定部材36が係合されている。この場合において、コネクタ固定部材36は、押さえ部材29の係合部29aと把持部材28の基端寄りの外周面との間に配置されることになる。ここで、把持部材28とコネクタ固定部材36との間には、防水性部材により形成されるOリング37が設けられる。さらに、コネクタ固定部材36とコネクタ部16との間には防水性を備えたシール部材38が設けられる。
一方、押さえ部材29の外周側には係合部29bが形成されている。この係合部29bに対しては、コネクタ部16を保護する保護蓋(図示せず)が係合されるようになっている。つまり、必要に応じて、この保護蓋を押さえ部材29の係合部29bを用いて取り付けることによって、例えば外科用処置具11を薬液等に浸漬することができるようになっている。
さらに、把持部材28の側部の中程の部位においては、外周側に向けて突設される中空軸状の送水コネクタ45が把持部材28と一体に形成されている。この送水コネクタ45には、電源装置13の送水コネクタ13dに一端が接続される送水管路25の他端が接続されるようになっている。そのために、送水コネクタ45の外形部分は、チューブジョイント形状に形成されている。
なお、本実施形態においては、上述したように送水タンク26と、電源装置13の内部に設けられる送水ポンプと、この送水ポンプと送水タンク26との間を接続する管路26aと、外科用処置具11の操作部17の送水コネクタ45と、この送水コネクタ45と送水ポンプ(電源装置13)とを接続する送水管路25と、外科用処置具11の内部を挿通する細径チューブ37等によって構成される送水手段を備えて構成されている。
このように構成される本実施形態の外科用処置具11を含む外科用処置システムの作用を以下に説明する。
まず、使用者は、電源装置13に対して外科用処置具11とフットスイッチ14とを接続する。その後、電源装置13の電源状態をオン状態する等の使用開始準備をおこなう。
本外科用処置システムの使用し得る状態にした後、使用者は、電源装置13の温度設定ボタン13aについての所定の操作をおこなって、処置部15の温度を、これからおこなう処置に最適な温度となるように、必要に応じて所望の温度設定操作をおこなう。このときの設定結果、すなわち設定温度や設定レベル等の設定値は表示部13bによって表示される。
次に、使用者は、外科用処置具11の操作部17を保持する。次いで、外科用処置具11の処置部15を組織に接触させる。そして、フットスイッチ14の第1ペダル14aを踏む。これによって、電源装置13から発熱素子22に対して電力が供給される。したがって、発熱素子22は発熱する。
ここで、発熱素子22は上述したように温度によって抵抗値が変化する特性を持っている。したがって、電源装置13は発熱素子22の抵抗値を監視することによって、使用者によって予め設定した設定温度値を維持する制御をおこなって、同発熱素子22の温度を管理する。
発熱素子22からの発熱は先端キャップ21に伝達される。これにより処置部15が加熱される。ここで、発熱素子22は、上述したように先端キャップ21に直接結合されている。このために発熱素子22から先端キャップ21に対して熱が伝達される際の熱損失はない。したがって、処置部15の温度は、発熱素子22の温度制御によって設定温度値とほぼ同じとなる。
一方、発熱素子22は先端キャップ21の内部において、円周状に略均等間隔で配置されている。そして、先端キャップ21の熱容量に応じて、発熱素子22を配置する個数や配置を変更することができる。さらに、先端キャップ21は熱伝導率の高い材質によって形成されている。これに加えて、処置部15に連結される接続部材20は熱伝導率が低い材質によって形成している。以上のことから処置部15の熱は断熱されるので、同処置部15の外表面の温度はほぼ均一な温度に維持される。したがって、処置部15の外表面上のいずれの部分を体腔内の組織に対して接触させたとしても、同じ効果を接触させた組織に対して与えることができることになる。
換言すれば、接続部材20は、発熱素子22を有する処置部15と管腔部材19(外套管)との間に配設され両者を連結する役目をすると共に、両者間の熱伝達を抑止する断熱手段としての役目をしている。
他方、先端キャップ21の外表面には、上述したようにテフロンコーティング(登録商標)等の表面処理が施されている。その反面、接続部材20は熱伝導率が低い材質で形成しているので、接続部材20は処置部15ほど温度が上昇することはない。したがって、先端キャップ21や接続部材20の外表面に対して体腔内の組織が接触したとしても、その部分においては組織の貼り付きを抑止される。
さらにまた、処置部15と接続部材20とシャフト部18と操作部17とは、剛性を有する棒状となるように一体的に連結された形態で構成しているので、使用者が操作部17を保持して移動させると、処置部15もその動きに従動して移動することになる。したがって、使用者は操作部17を操作することによって、処置部15を容易に移動させることができ、よって組織の鈍的剥離をおこなうことができる。
そして、上述したような操作をおこないながら、使用者は任意にフットスイッチ14を踏むことによって、処置部15による組織の凝固処置をおこないつつ鈍的剥離をおこなう。
また、使用者は必要に応じてフットスイッチ14の第2ペダル14bを踏むと、電源装置13の内部に設けられる送水ポンプが駆動する。これによって、送水タンク26の内部に蓄えられている液体が同送水タンク26から管路26aを通過して前記送水ポンプに運ばれる。その後、送水ポンプから送水管路25を経て操作部17及びシャフト部18を挿通する細径チューブ37の内部を通過して処置部15の先端キャップ21の貫通孔21dを経て、その先端開口部から外部に向けて放出される。この放出される液体によって、組織が洗浄される。これによって、出血点の確認や組織焼灼後の冷却がおこなわれる。
以上説明したように上記第1の実施形態によれば、安全かつ確実に凝固処置及び鈍的剥離処置を容易な操作で実行することができると同時に、機器を変更することなく処置後の送水操作をもおこなうことができる。したがって、各種装置の操作の煩雑さを解消し、手術時間の短縮に寄与することができる。
また、発熱素子22を備えた処置部15と送水手段とを独立させて配設した構成としたので、処置と送水とを同時におこなうことができる。
処置部15及びシャフト部18の軸方向と同方向に貫通孔21dを形成し、その開口も同方向を向くように構成しているので、例えば処置の実行中や処置の合間において、処置の対象としている組織やその周辺に対する送水をおこなうことが容易である。したがって、操作性の向上に寄与することができる。
さらに、開口部を処置部15に設けたことによって、例えば処置部15の外表面に組織等が付着することで開口部が塞がれたとしても、送水操作をおこなうことによって、付着物を容易に取り除くことができる。このことによっても操作性の向上に寄与することができる。
そして、処置部15のデッドスペース部分を有効に利用して貫通孔21dを形成し、これにより管腔構造を形成したのでシャフト部18の小径化に寄与することができる。
なお、上述の第1の実施形態においては、シャフト部18の管腔部材19については、剛性を有するものとして例示しているが、これに限ることはなく、例えば管腔部材が湾曲または屈曲し得るような材質のものを用いてシャフト部18を構成するようにしてもよい。
また、上述の第1の実施形態においては、先端キャップ21の突出部21bに形成した溝24に対して発熱素子22を、例えば半田付けやろう付け等の手段を用いて直接固設するようにしている。これにより、発熱素子22と先端キャップ21とが熱的に結合されている。しかし、発熱素子22の固定方法は、このような形態に限らず、例えば先端キャップ21に対して熱伝導性の良好な部材を介して発熱素子22を設けることで、先端キャップ21の加温をおこなうような構成としてもよい。
そして、上述の第1の実施形態において説明した外科用処置システム1においては、送水ポンプを電源装置13の内部に具備して構成するようにしている。しかしながら、このような構成に限ることはなく、例えば電源装置13とは独立して形成し、これに対して着脱自在に構成してもよい。
次に、本発明の第2の実施形態の外科用処置システムについて以下に説明する。
図5は、本発明の第2の実施形態の外科用処置システムの概略的な全体構成図である。
本実施形態の基本的な構成は、上述の第1の実施形態と略同様の構成からなるものである。本実施形態においては、上述の第1の実施形態における送水手段に代えて吸引手段を設けて構成している点が異なるのみである。したがって、本実施形態の以下の説明では、上述の第1の実施形態と同様の構成部材については同じ符号を附してその説明を省略し異なる部位についてのみ説明する。
本実施形態における外科用処置具11は、上述の第1の実施形態と全く同様に内部に細径チューブ(37;図5では図示せず)が挿通された形態となっている。そして、この外科用処置具11の操作部17には、上述の第1の実施形態における送水コネクタ45(図1)に代えて同形状からなる吸引コネクタ45A(第2のコネクタ部)が配設されている。
一方、電源装置13Aの内部には、上述の第1の実施形態における送水ポンプに代えて吸引ポンプ(特に図示せず)が配設されている。また、上述の第1の実施形態における送水タンク26(図1)に代えて略同形状からなる吸引ビン26Aが電源装置13Aとは別体に配設されている。
そして、前記操作部17の吸引コネクタ45Aと吸引ビン26Aとの間は第1吸引管路25aによって接続されている。また、同吸引ビン26Aと電源装置13Aとの間は第2吸引管路25bによって接続されている。そのために、電源装置13Aには第2吸引管路25bの一端が接続される吸引コネクタ部13Adが、その前面パネルに設けられている。この吸引コネクタ部13Adは、電源装置13Aの内部において吸引ポンプに接続されている。
なお、本実施形態におけるフットスイッチ14は、上述の第1の実施形態と同様に二つのペダル14a,14bによって構成されている。その一方の第1ペダル14aは、上述の第1の実施形態と同様に処置部15の加熱操作をおこなうためのものである。他方の第2ペダル14bは、上述の第1の実施形態とは異なり、電源装置13Aの内部に設けられる吸引ポンプに対して吸引動作のオンオフ制御の信号を発生させるためのものである。
このように、本実施形態においては上述したように吸引ビン26Aと、電源装置13Aの内部に設けられる吸引ポンプと、この吸引ポンプと吸引ビン26Aとの間を接続する第2吸引管路25bと、外科用処置具11の操作部17の吸引コネクタ45Aと、この吸引コネクタ45Aと吸引ポンプ(電源装置13A)とを接続する吸引管路25aと、外科用処置具11の内部を挿通する細径チューブ37等によって構成される吸引手段を備えて構成されている。
その他の構成については上述の第1の実施形態と全く同様である。また、その作用は、上述の第1の実施形態と略同様であるが、第2ペダル14bを操作した時の作用が異なるのみである。
すなわち、本実施形態において、使用者が必要に応じてフットスイッチ14の第2ペダル14bを踏むと、電源装置13の内部に設けられる吸引ポンプが駆動する。これによって、細径チューブ37の内部に吸引圧力が負荷される。そして、処置部15の先端キャップ21の貫通孔21dの先端開口部から内部に向けての吸引がなされる。これにより、体腔内の組織近傍の液体または気体等の物質が吸引されることになる。ここで、吸引された物質は、細径チューブ37を介して吸引コネクタ45Aに接続される吸引管路25aを通過して吸引ビン26Aに集溜される。
以上説明したように上記第2の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と略同様に組織の凝固処置及び鈍的剥離処置を容易な操作で実行することができると同時に、機器を変更することなく処置後の吸引操作をもおこなうことができる。したがって、各種装置の操作の煩雑さを解消し、手術時間の短縮に寄与することができる。
なお、本実施形態においては、フットスイッチ14の第1ペダル14aを踏んだときに、発熱素子22への電力供給と共に、吸引ポンプを駆動するような制御をおこなうようにしてもよい。このような制御をおこなうことにより、使用者は処置を施すべき目的の部位に対して処置部15を近付けて所望の処置をおこないつつ、処置対象の組織周辺の血液や煙などを吸引することができ、処置対象近傍の視野を確保することができる。
次に、本発明の第3の実施形態の外科用処置システムについて以下に説明する。
図6は、本発明の第3の実施形態の外科用処置システムの概略的な全体構成図である。
本実施形態の基本的な構成は、上述の第1の実施形態と略同様の構成からなるものである。本実施形態においては、上述の第1の実施形態における送水手段に代えて送気手段を設けて構成している点が異なるのみである。したがって、本実施形態の以下の説明では、上述の第1の実施形態と同様の構成部材については同じ符号を附してその説明を省略し異なる部位についてのみ説明する。
本実施形態における外科用処置具11は、上述の第1の実施形態と全く同様に内部に細径チューブ(37;図6では図示せず)が挿通された形態となっている。そして、この外科用処置具11の操作部17には、上述の第1の実施形態における送水コネクタ45(図1)に代えて同形状からなる送気コネクタ45B(第2のコネクタ部)が配設されている。
一方、電源装置13Bには、上述の第1の実施形態における送水ポンプ(内蔵されている)及び送水タンク26(外部に着脱自在に設けられる)に代えて電源装置13Bとは別体に形成されるエアコンプレッサ26Bが外部に接続されている。このエアコンプレッサ26Bと電源装置13Bとの間は、エアコンプレッサ26Bに対して供給する電力や制御信号等を伝達する接続ケーブル25Bbによって電気的に接続されている。また、同エアコンプレッサ26Bと前記操作部17の送気コネクタ45Bとの間は送気管路25Baによって接続されている。そのために、電源装置13Bには接続ケーブル25Bbの一端が接続される接続コネクタ部13Bdが、その前面パネルに設けられている。
なお、本実施形態におけるフットスイッチ14は、上述の第1の実施形態と同様に二つのペダル14a,14bによって構成されている。その一方の第1ペダル14aは、上述の第1の実施形態と同様に処置部15の加熱操作をおこなうためのものである。他方の第2ペダル14bは、上述の第1の実施形態とは異なり、エアコンプレッサ26Bの動作をオンオフ制御するための信号を発生させるためのものである。
このように、本実施形態においては上述したようにエアコンプレッサ26Bと、このエアコンプレッサ26Bと外科用処置具11の操作部17の送気コネクタ45Bと、この送気コネクタ45Bとエアコンプレッサ26Bとを接続する送気管路25Baと、外科用処置具11の内部を挿通する細径チューブ37と、エアコンプレッサ26Bと電源装置13Bの接続コネクタ部13Bdとを電気的に接続する接続ケーブル25Bb等によって構成される吸引手段を備えて構成されている。
その他の構成については上述の第1の実施形態と全く同様である。また、その作用は、上述の第1の実施形態と略同様であるが、第2ペダル14bを操作した時の作用が異なるのみである。
すなわち、本実施形態において、使用者が必要に応じてフットスイッチ14の第2ペダル14bを踏むとエアコンプレッサ26Bが駆動する。これによって、細径チューブ37の内部に高圧の空気が流し込まれる。そして、その高圧の空気は、処置部15の先端キャップ21の貫通孔21dの先端開口部から外部に向けての放出される。これにより、体腔内において処置を施すべき組織(処置部15が配置されている近傍の組織)の近傍の液体または気体等の物質が除去される。これにより、良好な視野が確保される。
以上説明したように上記第3の実施形態によれば、上述の第1の実施形態と略同様に組織の凝固処置及び鈍的剥離処置を容易な操作で実行することができると同時に、機器を変更することなく処置後の送気操作をもおこなうことができる。したがって、各種装置の操作の煩雑さを解消し、手術時間の短縮に寄与することができる。
なお、上述の第2の実施形態においては、エアコンプレッサー26Bは電源装置13Bとは別体に構成しているが、このような構成に限ることはなく、例えばエアコンプレッサ26Bを電源装置13Bの内部に配設するように構成してもよい。
次に、本発明の第4の実施形態の外科用処置システムについて以下に説明する。
図7は、本発明の第4の実施形態の外科用処置システムの概略的な全体構成図である。図8は、本実施形態の外科用処置具の先端部分の内部構成を示す側断面図である。図9は、本実施形態の外科用処置具の操作部の内部構成を概略的に示す上半部の側断面図である。
本実施形態の基本的な構成は、上述の第1及び第2の実施形態と略同様の構成からなるものである。本実施形態においては、上述の第1の実施形態における送水手段と上述の第2の実施形態の吸引手段との両者を併せ持つように構成している点が異なる。したがって、本実施形態の以下の説明では、上述の第1及び第2の実施形態と同様の構成部材については同じ符号を附してその説明を省略し異なる部位についてのみ説明する。
本実施形態における電源装置13Cの内部には、上述の第1の実施形態と同様の送水ポンプと上述の第2の実施形態の吸引ポンプ(いずれも図示せず)が設けられている。
また、電源装置13Cには、上述の第1の実施形態と同様の送水タンク26が着脱自在に配設されている。そして、前記送水ポンプと送水タンク26との間は管路26aによって接続されているのも上述の第1の実施形態と同様である。
送水ポンプは、電源装置13Cの内部管路(図示せず)によって同電源装置13Cの前面パネルに設けられる送水コネクタ13fに接続されている。この送水コネクタ13fには、送水管路25の一端が接続されている。この送水管路25の他端は、外科用処置具11Cの送水コネクタ46(第3のコネクタ部)に接続されている。これにより、送水タンク26から管路26a,送水ポンプ及び内部管路(図示せず),送水管路25,送水コネクタ46を経て外科用処置具11Cの操作部17Cの内部までの間が連設されている。
一方、上述の第2の実施形態と同様に吸引ビン26Aが電源装置13Cとは別体に配設されている。この吸引ビン26Aと操作部17の吸引コネクタ45C(第2のコネクタ部)との間は第1吸引管路25aによって接続されている。また、同吸引ビン26Aと電源装置13Cとの間は第2吸引管路25bによって接続されている。そのために、電源装置13Cには第2吸引管路25bの一端が接続される吸引コネクタ部13Cdが、その前面パネルに設けられている。この吸引コネクタ部13Cdは、電源装置13Cの内部において吸引ポンプに接続されている。
他方、電源装置13Cのスイッチ端子13eには、ケーブル14cを介してフットスイッチ14Cが電気的に接続さている。このフットスイッチ14Cは、電源装置13Cに対して電力供給のオンオフ制御の信号を発生させ処置部15の加熱操作をおこなうための第1ペダル14aと、電源装置13Cの内部に設けられる送水ポンプに対する送水動作のオンオフ制御信号の発生操作または吸引ポンプに対する吸引動作のオンオフ制御信号の発生操作のいずれかをおこなうための第2ペダル14bと、この第2ペダル14bの機能を切り換える第3ペダル14cとを具備して構成されている。
また、図8に示すように本実施形態の外科用処置具11Cのシャフト部18の先端キャップ21は、上述の第1の実施形態と同様に貫通孔21dを有して形成されている。この貫通孔21dの後端側には、細径チューブ37の一端部が嵌合接続されている。この細径チューブ37は、接続部材20の内腔20d,20e及びチューブ27の中空部27aの内部(シャフト部18)を挿通し、最終的に操作部17Cの把持部材28(図9参照)の側部の所定の部位に設けた吸引コネクタ45Cの内腔管路45aに他端部が嵌合接続されている。これにより、細径チューブ37の中空部37aには吸引動作時において処置対象の組織周辺の血液や煙などの吸引物が、処置部15の先端から最終的に吸引ビン26Aに到達するようになっている。
接続部材20の後端側のチューブジョイント部20cには、チューブ27の一端が連結されている。このチューブ27は、シャフト部18の管腔部材19Cの内腔を挿通し、その他端部が操作部17Cの内部に至り、当該操作部17の内部における所定の部位に固設されている。なお、接続部材20及びチューブ27と管腔部材19Cとの間には隙間19Cbが形成されている。この隙間19Cbはシャフト部18を挿通し、操作部17Cの送水コネクタ45の中空部に形成される内腔管路46aに連通する管路となっている。この隙間19Cbにより形成される管路の終端は、操作部17C内において把持部材28の中空部28aに連通しないように、同中空部28aとの間には所定のシール部材44が設けられている。これによって隙間19bの内部は水密性が維持されている。
これに応じて管腔部材19Cには、接続部材20とチューブ27との接続部位近傍の所定の部位、先端部近傍に外部前方に向けて開口するノズル部19Caが形成されている。したがって、これにより送水タンク26から管路26a,送水ポンプ及び内部管路(図示せず),送水管路25,送水コネクタ46を経て外科用処置具11Cの操作部17Cの内部においてチューブ27と管腔部材19Cとの間の隙間19Cbを経てノズル部19Caにまで連設されている。これにより送水タンク26の液体は、ノズル部19Caから先端部近傍に向けて放出され得るようになっている
なお、チューブ27と接続部材20の後端側のチューブジョイント部20cとの間には、液体などの流入を抑止し得る部材、例えば所定のシール部材などが設けられ、両者を同部位において水密的に接続している。
そして、図9に示すように外科用処置具11Cの操作部17Cには、上述したようにその側部の外周面上において、後端寄りの部位に吸引コネクタ45Cが、前寄りの部位に送水コネクタ46が、それぞれ外部に向けて突設されている。そして、吸引コネクタ45Cには細径チューブ37が接続されている。また、送水コネクタ46はチューブ27と管腔部材19Cとの間の隙間19Cbに連通している。
その他の構成については上述の第1及び第2のの実施形態と略同様である。また、その作用は、上述の第1及び第2の実施形態と略同様である。なお、本実施形態おいては、例えばフットスイッチ14Cの第2ペダル14bと第3ペダル14cとを切り換えて使用することで、送水動作または吸引動作の操作をおこなう。
以上説明したように上記第4の実施形態によれば、上述の第1及び第2の実施形態と略同様に組織の凝固処置及び鈍的剥離処置を容易な操作で実行することができると同時に、機器を変更することなく処置後の送気操作または吸引操作をおこなうことができる。したがって、各種装置の操作の煩雑さを解消し、手術時間の短縮に寄与することができる。
なお、上述の第3の実施形態においては、フットスイッチ14Cの第3ペダル14cによる切換操作によって、第2ペダル14bの機能を切り換えるよう操作体系としているが、これに限ることはない。
例えば第2ペダル14bには、送水ポンプに対する送水動作のオンオフ制御信号の発生操作の機能を割り当て、第3ペダル14cには吸引ポンプに対する吸引動作のオンオフ制御信号の発生操作の機能を割り当てる(逆の割り当てとしてもよいのは当然である)などによって、各ペダルによる操作機能を固定するようにしてもよい。
また、本実施形態の外科用処置具11に対しては、例えば上述の第3の実施形態と同様のエアコンプレッサーを接続するような構成としてもよい。この場合には、電源装置13Cの内部回路には、同コンプレッサーを制御するための回路を備えればよい。
ところで、上述の各実施形態においては、処置部に配設する発熱素子を三個備えて構成した例を示している。しかし、発熱素子の個数はこれに限ることはなく、先端キャップの外表面温度を略均等な温度に維持し得るような工夫がなされている形態のものであればよい。次に示す本発明の第5の実施形態は、上述の第1の実施形態の例とは異なる配置で発熱素子を設けた場合の例示である。
なお、本発明の第5の実施形態の外科用処置具の基本的な構成は、上述の第1の実施形態の外科用処置具11と略同様の構成からなるものである。この場合において、発熱素子22の配置が異なるのみである。したがって、本実施形態において、上述の第1の実施形態と同様の構成部材については同じ符号を附してその説明を省略し異なる部位についてのみ説明する。
図10は、本発明の第5の実施形態の外科用処置具の先端部近傍の所定の部位(図2のIII−III線に沿う部位に相当する部位)の縦断面図である。
本実施形態の外科用処置具において、発熱素子22は二個設けられている。この二個の発熱素子22は、本処置具(11;図1参照)の軸中心を挟んで対向する部位に、かつ略同心円上に配置されている。この場合において、二個の発熱素子22は、先端キャップ21を均一に加熱するのに充分なだけの熱量を発生させることができる。
その他の構成については上述の第1の実施形態と全く同様である。
以上のように構成される上記第5の実施形態においては、上述の第1の実施形態と同様に安全かつ確実な凝固処置をおこなうことができる。さらに、本実施形態においては、発熱素子22を、より少ない二個で構成するようにしたので、部材点数の削減化による製造コストの低減化及び製造工程の効率化に寄与することが容易にできる。
また、上述の各実施形態においては、処置部(15)の先端キャップ(21)に形成される貫通孔(21d)及びこれに連通する管腔構造は、同先端キャップの略軸中心に貫通孔を配置するようにした例を挙げている。しかし、このような構成に限ることはないく、次に示す各実施形態のような構成としてもよい。
図11は、本発明の第6の実施形態の外科用処置具の先端部近傍の所定の部位(図2のIII−III線に沿う部位に相当する部位)の縦断面図である。図12は、本実施形態の外科用処置具の先端部分の内部構成を示す側断面図である。
本実施形態の外科用処置具の基本的な構成は、上述の第1の実施形態の外科用処置具11と略同様の構成からなるものである。本実施形態の場合においては、図11及び図12に示すように処置部15の先端キャップ21に形成される貫通孔21dの配置が異なるのみである。したがって、本実施形態において、上述の第1の実施形態と同様の構成部材については同じ符号を附してその説明を省略し異なる部位についてのみ説明する。
図11及び図12に示されるように、本実施形態の外科用処置具において、発熱素子22は上述の第1の実施形態と同様に三個設けられている。そして、この三個の発熱素子22の配置自体も上述の第1の実施形態と同様に、先端キャップ21において略同心円となる円周上において略等間隔となるように均等に配置されている。
そして、この先端キャップ21の中心軸から偏心した部位に貫通孔21dが配設されている。この場合において、貫通孔21dは三個の発熱素子22によって囲まれる空間内におさまる範囲内に配置されている。
その他の構成については上述の第1の実施形態と全く同様である。
以上のように構成される上記第6の実施形態においても、上述の第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。これと共に、先端キャップ21の貫通孔21dの開口部21ddを、同先端キャップ21の軸中心よりも偏心させて配置している。このことから、例えばこの外科用処置具を用いた処置の実行中において、先端キャップ21の最先端部分が図12に示すように組織100の表面に接触している場合にも、開口部21ddが塞がれることがない。したがって、このような状況下においても、送気や送水や吸引操作をおこなうことができるという利点がある。
また、上述の各実施形態において、シャフト部18の外径寸法と同シャフト部18の先端部近傍の内部に配設する各種の構成部材との関係において、内部空間的に許容し得る範囲内において、先端キャップ21に形成する貫通孔(21d)の配置を自由に設定することも考えられる。例えば、先端キャップ21に配設する複数の発熱素子22に囲まれた空間とは異なる部位に貫通孔を設けてもよい。
さらに、上述の各実施形態においては、貫通孔(21d)をシャフト部18の軸方向に沿う方向に形成しているが、例えば次に示す本発明の第7の実施形態のような形態で貫通孔(21d)を形成するようにしてもよい。
図13は、本発明の第7の実施形態の外科用処置具の先端部分の内部構成を示す側断面図である。
本実施形態の外科用処置具の基本的な構成は、上述の第1の実施形態の外科用処置具11と略同様の構成からなるものである。本実施形態の場合においては、図13に示すように処置部15の先端キャップ21に形成される貫通孔21dの形態が多少異なるのみである。したがって、本実施形態において、上述の第1の実施形態と同様の構成部材については同じ符号を附してその説明を省略し異なる部位についてのみ説明する。
図13に示すように、本実施形態の外科用処置具において、先端キャップ21に形成される貫通孔21dは、同先端キャップ21の突出部21bにおいては、シャフト部18の軸方向に沿う方向に形成さているが、同先端キャップ21の半球状部21aにおいては、シャフト部18の軸方向に対して傾斜角を持って、同軸方向から離間する方向への管路が形成されるように通路が形成されている。これにより、開口部21ddは、先端キャップ21の軸中心から偏心した部位に配置されることになる。
その他の構成については上述の第1の実施形態と全く同様である。
以上のように構成される上記第7の実施形態においては、上述の第6の実施形態(貫通孔を先端キャップの軸中心から偏心させて配置したもの)と同様の効果を得ることができる。
ところで、上述の各実施形態においては、先端キャップ(21)の先端形状を略半球形状としている。しかし、先端キャップの先端形状は、これに限ることはなく、次に示す本発明の第8及び第9の実施形態のような先端キャップの形状で構成することも考えられる。
なお、以下に示す第8及び第9の実施形態の外科用処置具の基本的な構成は、上述の第1の実施形態の外科用処置具11と略同様の構成からなるものである。本実施形態の場合においては、図14及び図15に示すように処置部の先端キャップにおける先端部分の形状が多少異なるのみである。したがって、第8及び第9の実施形態において、上述の第1の実施形態と同様の構成部材については同じ符号を附してその説明を省略し異なる部位についてのみ説明する。
図14は、本発明の第8の実施形態の外科用処置具の先端部分の内部構成を示す側断面図である。
本実施形態における先端キャップ21Aの最先端部21Aaの形状は、上述の第1の実施形態における先端キャップ21の半球状部21aに対して、その最先端部位に凹面形状部21Aaを形成している。そして、この凹面形状部21Aaの略中心部分に貫通孔21dの開口部21ddを配置している。
その他の構成については上述の第1の実施形態と全く同様である。
以上のように構成される上記第8の実施形態においては、例えばこの外科用処置具を用いた処置の実行中において、先端キャップ21の最先端部分(図14の符号W1で示す部位)が組織の表面に接触た場合にも、組織表面と開口部21ddとの間に隙間が生じ、同開口部21ddが塞がれてしまうことがない。したがって、処置の実行中にこのような状況となったとしても、上述の第6及び第7の実施形態と同様に送気や送水や吸引操作をおこなうことができるという利点がある。
また、図15は、本発明の第9の実施形態の外科用処置具の先端部分の内部構成を示す側断面図である。
本実施形態の先端キャップ21Bにおいては、その最先端部分の断面の先端面が所定の傾斜角を有するように傾斜状部21Baを形成している。そして、この傾斜状部21Baの略中心部分に貫通孔21dの開口部21ddを配置している。
その他の構成については上述の第1の実施形態と全く同様である。
以上のように構成される上記第9の実施形態においても、上述の第6〜第8の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明の第1の実施形態の外科用処置具を含む外科用処置システムの概略的な全体構成図。 図1の外科用処置具の先端部分の内部構成を示す側断面図。 図2のIII−III線に沿う縦断面図である。 図1の外科用処置具の操作部の内部構成を概略的に示す上半部の側断面図。 本発明の第2の実施形態の外科用処置システムの概略的な全体構成図。 本発明の第3の実施形態の外科用処置システムの概略的な全体構成図。 本発明の第4の実施形態の外科用処置システムの概略的な全体構成図。 図7の外科用処置具の先端部分の内部構成を示す側断面図。 図7の外科用処置具の操作部の内部構成を概略的に示す上半部の側断面図。 本発明の第5の実施形態の外科用処置具の先端部近傍の所定の部位の縦断面図。 本発明の第6の実施形態の外科用処置具の先端部近傍の所定の部位の縦断面図。 図11の外科用処置具の先端部分の内部構成を示す側断面図。 本発明の第7の実施形態の外科用処置具の先端部分の内部構成を示す側断面図。 本発明の第8の実施形態の外科用処置具の先端部分の内部構成を示す側断面図。 本発明の第9の実施形態の外科用処置具の先端部分の内部構成を示す側断面図。
符号の説明
1……外科用処置システム
11,11C……外科用処置具
12……接続ケーブル
13,13A,13B,13C……電源装置
14,14C……フットスイッチ
15……処置部
16……第1のコネクタ部
17,17C……操作部
18……シャフト部
19,19C……管腔部材
20……接続部材
21,21A,21B……先端キャップ
21a……半球状部
21b……突出部
21d……貫通孔
21dd……開口部
22……発熱素子
23……リード線
26……送水タンク
26A……吸引ビン
26B……エアコンプレッサ
27……チューブ
28……把持部材
37……細径チューブ
45,45A,45C……第2のコネクタ部
46……第3のコネクタ部
代理人弁理士伊藤進

Claims (9)

  1. 細長のシャフト部と、
    前記シャフト部の先端に備えられ加熱による生体組織の処置をおこなう処置部と、
    前記処置部を構成する発熱素子と、
    前記シャフト部の内部に挿通され前記発熱素子に接続されるケーブル部材と、
    前記処置部の先端側に開口する貫通孔を有する開口部と、
    前記シャフト部の内部に配設され前記開口部に接続される管路部材と、
    前記シャフト部の基端側に配設される把持部と、
    前記把持部に配設され前記ケーブル部材と接続される第1のコネクタ部と、
    前記把持部に配設され前記管路部材と接続される第2のコネクタ部と、
    を具備することを特徴とする外科用処置具。
  2. 前記発熱素子は複数設けられ、
    これら複数の前記発熱素子に囲まれる部位に前記貫通孔及び前記開口部が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の外科用処置具。
  3. 前記貫通孔を有する前記開口部は、前記シャフト部の軸中心近傍に形成され、
    前記管路部材は、前記シャフト部の軸中心近傍に配置されることを特徴とする請求項1に記載の外科用処置具。
  4. 前記シャフト部の内部に配設される第2の管路部材と、
    前記把持部に配設され前記第2の管路部材と接続される第3のコネクタ部を、さらに具備することを特徴とする請求項1に記載の外科用処置具。
  5. 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の外科用処置具と、
    この外科用処置具の前記第2のコネクタ部に接続される送水手段と、
    を具備してなることを特徴とする外科用処置システム。
  6. 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の外科用処置具と、
    この外科用処置具の前記第2のコネクタ部に接続される吸引手段と、
    を具備してなることを特徴とする外科用処置システム。
  7. 請求項1〜請求項3のいずれか一つに記載の外科用処置具と、
    この外科用処置具の前記第2のコネクタ部に接続される送気手段と、
    を具備してなることを特徴とする外科用処置システム。
  8. 請求項4に記載の外科用処置具と、
    前記外科用処置具の前記第2のコネクタ部に接続される吸引手段と、
    前記外科用処置具の前記第3のコネクタ部に接続される送水手段と、
    を具備してなることを特徴とする外科用処置システム。
  9. 請求項4に記載の外科用処置具と、
    前記外科用処置具の前記第2のコネクタ部に接続される吸引手段または送水手段または送気手段のいずれか一つと、
    前記外科用処置具の前記第3のコネクタ部に接続される送水手段または吸引手段または送気手段のいずれか一つと、
    を少なくとも具備して構成されることを特徴とする外科用処置システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100892264B1 (ko) * 2007-04-27 2009-04-09 (주) 그라비티 온라인 롤 플레잉 게임에 있어서 키워드 검색에 의한미니맵 위치 정보 제공 시스템 및 방법

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KR100892264B1 (ko) * 2007-04-27 2009-04-09 (주) 그라비티 온라인 롤 플레잉 게임에 있어서 키워드 검색에 의한미니맵 위치 정보 제공 시스템 및 방법

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