JP2006000054A - 培養容器および生体試料観察システム - Google Patents

培養容器および生体試料観察システム Download PDF

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Abstract

【課題】 生体試料から発せられる蛍光などを正確に、かつリアルタイムに観察できるとともに、生体試料に与えるダメージを低減することができる培養容器およびそれを用いた生体試料観察システムを提供する。
【解決手段】 生体試料を内部に収納して培養する培養容器100であって、培養容器100内に、水を貯える水槽121と、水槽121に貯えられた水Wを蒸発させる蒸発促進手段125と、が備えられている培養容器を提供する。
【選択図】 図4

Description

本発明は、生体試料を培養すると同時にその生体試料を観察するのに用いる培養容器および生体試料観察システムに関する。
近年の遺伝子解析技術の進歩に伴って、人を含む多くの生物における遺伝子配列が明らかになると共に解析されたタンパク質等の遺伝子産物と疾病との因果関係も少しずつ解明され始めている。また、今後さらに、各種タンパク質や遺伝子等を網羅的且つ統計的に解析するため、生体試料、特に細胞を用いた様々な検査方法や装置が考えられ始めている。
通常、細胞は、プラスチック製又はガラス製のディッシュやフラスコ等に播種され、インキュベータ内で培養されている。このインキュンベータは、内部が例えば、二酸化炭素濃度5%、温度37℃、湿度100%に設定され、細胞の育成に適した環境に保たれている。
更に、インキュベータは、細胞に養分を与えると共に培養に適したpHを保つために2〜3日毎に培養液の交換がなされている。
このような培養中の細胞を観察する方法は、いくつかの方法が知られているが、その一つとして、インキュベータから上述したディッシュやフラスコ等を取り出し、位相差顕微鏡等の倒立型顕微鏡を用いて観察を行う方法が知られている。
上記の方法では、可能な限り速やかに細胞の観察を行い、観察終了後、細胞をインキュベータ内に戻す必要がある。これは、細胞が通常環境(培養に適した環境とは異なる環境)下に長く置かれることにより、細胞の活性が損なわれるのを防止するためである。
即ち、細胞の活性が不安定であると、正確な評価を行うことが困難になるためである。また、細胞をインキュベータから取り出す際は、コンタミネーション等が起こらないように十分注意して行われている。
また、別の細胞観察方法として、各種の細胞の培養条件を設定可能な顕微鏡観察用透明恒温培養容器を使用する方法も知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開平10−28576号公報
上述の特許文献1においては、温度調節器により所定温度に制御可能な一対の透明発熱プレートと、二酸化炭素濃度を調整するための二酸化炭素供給口及び排出口を有する密閉容器と、密閉された容器内に湿度を保つための蒸発皿と、を有している顕微鏡観察用透明恒温培養容器が開示されている。
この顕微鏡観察用透明恒温培養容器を用いることで、容器内部の温度、二酸化炭素濃度及び湿度の制御が可能となり、細胞培養しながら観察を行うことが可能となっていた。つまり、例えば、透明発熱プレートの下方から対物レンズで観察することにより、細胞の培養状態の経時変化を連続的に、かつ簡単に観察・記録することが可能であった。
しかしながら、上述のように蒸発皿により培養容器内の湿度を制御する方法では、蒸発皿からの水分の蒸発速度が遅く、湿度の上昇・安定に時間がかかるという問題があった。例えば、培養容器内の湿度が安定するのに数時間から1日という時間を要していた(培養容器の大きさにも影響される)。
さらに、培養容器を保温する熱を利用して蒸発皿の水を蒸発させる方法では、培養容器内の湿度は最大でも略80%までしか上昇せず、細胞の培養に理想的とされる湿度約100%の環境を作ることは困難であった。
また、上述のように、発熱プレートにより直接加熱する方法では、細胞に急激な温度変化を与えることになる。細胞はその種類によっては、温度の急激な変化や温度分布の不均一により死滅したり、活性が低下したりする種類もあり、細胞の観察が困難になるという問題があった。さらには、温度変化により変性する細胞では、正確な観察が困難になるという問題があった。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、生体試料から発せられる蛍光などを正確に、かつリアルタイムに観察できるとともに、生体試料に与えるダメージを低減することができる培養容器およびそれを用いた生体試料観察システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
請求項1に係る発明は、生体試料を内部に収納して培養する培養容器であって、前記培養容器内に、水を貯える水槽と、該水槽に貯えられた水を蒸発させる蒸発促進手段と、が備えられている培養容器を提供する。
本発明によれば、蒸発促進手段により水を蒸発させるため、培養容器を保温する熱を利用して蒸発皿の水を蒸発させる方法と比較して、培養容器内を所定のより高い湿度にすることができるとともに、より短い時間で所定の湿度にすることができる。
そのため、培養容器内を生体試料の培養に適した湿度に維持しやすくなり、生体試料に与えるダメージを低減することができる。生体試料が受けるダメージが少ないため、
観察を行うことにより生体試料に負荷をかけても、生体試料の死滅や活性の低下、変性などの発生率を低下させることができるとともに、生体試料からダメージの影響を受けていない正確な観察結果を得ることができる。
また、蒸発促進手段は、水槽に貯えられた水を蒸発させるだけなので、培養容器内の生体試料に対して温度分布の不均一や温度の急激な変化などのダメージを与えることがない。そのため、生体試料の死滅や活性の低下、変性などを防止することができ、生体試料からダメージを受けていない正確な観察結果を得ることができる。
また、上記発明においては、前記蒸発促進手段が前記水を加熱する加熱部を有し、該加熱部が前記水槽に配置されていることが望ましい。
本発明によれば、加熱部が水を加熱して蒸発させるため水を蒸発させやすく、培養容器内を生体試料の培養に適した湿度により維持しやすくなる。
また、加熱部は水槽に配置されているため、水槽内の水を加熱させやすく水を蒸発させ易くすることができる。さらに、水を介して加熱されるため、生体試料に対して温度分布の不均一や温度の急激な変化などのダメージを与え難くすることができる。
さらに、上記発明においては、前記蒸発促進手段が、前記水と前記培養容器内の気体との接触面積を広げる面積拡大部を有することが望ましい。
本発明によれば、水と培養容器内の気体との接触面積が広くなるため、水が蒸発する面積がより広くなって培養容器内を生体試料の培養に適した湿度により維持しやすくなる。
さらに、上記発明においては、前記面積拡大部が、キャピラリ効果を用いて水を吸い上げることにより、前記水と前記培養容器内の気体との接触面積を広げることが望ましい。
本発明によれば、キャピラリ効果(毛細管現象)を用いて水と培養容器内の気体との接触面積を広げているため、生体試料に対して温度分布の不均一や温度の急激な変化などのダメージを与えることがない。
上記発明においては、前記面積拡大部が、前記水槽に対して着脱自在に配置されていることが望ましい。
本発明によれば、面積拡大部を水槽から取り外すことができるため、清掃などのメンテナンスを容易に行うことができる。そのため、面積拡大部を有する蒸発促進手段の水蒸発能力を維持させやすく、培養容器内を生体試料の培養に適した湿度により維持しやすくなる。
上記発明においては、前記面積拡大部が、前記水槽と一体に形成されていることが望ましい。
本発明によれば、面積拡大部が水槽に対して着脱自在な場合と比較して、培養容器の構成要素が少なくなるため、生体試料の観察準備にかかる手間を少なくすることができる。
上記発明においては、前記面積拡大部が、前記水槽から供給される前記水を蒸発させる蒸発皿と、前記水槽から前記蒸発皿へ水の供給量を調節する水量調節手段とを有し、前記蒸発皿に貯えられる水の量が、前記水槽に貯えられる水の量よりも少ないことが望ましい。
本発明によれば、蒸発皿に供給された水の熱容量が低下するため、蒸発皿の水を容易に蒸発させることができる。つまり、蒸発皿の水は、水槽の水よりも水量が少ないため、少ない熱量で水温を上昇させることができ、容易に蒸発させることができる。そのため、培養容器内を生体試料の培養に適した湿度により維持しやすくなる。
上記発明においては、前記蒸発皿に供給された前記水の水深方向長さが、水面方向長さよりも短いことが望ましい。
本発明によれば、蒸発皿に供給された水と培養容器内の気体との接触面積を拡大させることにより、水が蒸発する面積を拡大して蒸発させ易くすることができる。
上記発明においては、前記蒸発促進手段が、前記水を振動させる振動部を有することが望ましい。
本発明によれば、振動部により水の水面を波立たせることができ、水面を波立たせることで水の蒸発を促進することができる。そのため、培養容器内を生体試料の培養に適した湿度により維持しやすくなる。
また、振動部は熱を用いることなく水を蒸発させるため、生体試料に対して温度分布の不均一や温度の急激な変化などのダメージを与えることがない。
上記発明においては、前記振動部が前記水槽の底面に配置されていることが望ましい。
本発明によれば、振動部が水槽の底面以外の面に配置されている場合と比較して、振動部の振動を水面に伝えやすく、水面を波立たせやすいため、水の蒸発をより促進することができる。
上記発明においては、前記水槽の底面の形状が、前記振動部から前記水に伝えられた振動を水面に向けて収束させる形状であることが望ましい。
本発明によれば、水面の振動が収束された領域において、より大きな波を形成することができるため、水の蒸発をより促進することができる。
さらには、水面を激しく振動させることにより、水を霧化することができ、霧を作ることにより水の蒸発を促進することができる。
上記発明においては、前記振動部の振動を用いて前記水を霧化する霧化部を有することが望ましい。
本発明によれば、霧化部により水を霧化することができるため、水面を振動させて霧を作る方法と比較して、効率よく霧を作ることができ、水の蒸発をより促進することができる。
請求項11に係る発明は、被観察体となる生体試料の情報を取得する生体試料観察システムにおいて、前記生体試料を内部に収納して培養する培養容器と、前記生体試料を観察して情報を取得する観察手段と、を有し、前記培養容器に、水を貯える水槽と、該水槽に貯えられた水を蒸発させる蒸発促進手段と、が備えられている生体試料観察システムを提供する。
本発明によれば、培養容器内を生体試料の培養に適した湿度に維持しやすくなり、生体試料に与えるダメージを低減することができる。生体試料が受けるダメージが少ないため、生体試料を培養しながらリアルタイムに観察することができるとともに、生体試料のダメージを受けていない正確な観察結果を得ることができる。
また、蒸発促進手段は、水槽に貯えられた水を蒸発させるだけなので、培養容器内の生体試料に対して温度分布の不均一や温度の急激な変化などのダメージを与えることがない。そのため、生体試料の死滅や活性の低下、変性などを防止することができ、生体試料を培養しながらリアルタイムに観察することができるとともに、生体試料のダメージを受けていない正確な観察結果を得ることができる。
本発明の培養容器および生体試料観察システムによれば、培養容器内を生体試料の培養に適した湿度に維持しやすくすることにより、生体試料に与えるダメージを低減することができるという効果を奏する。
生体試料が受けるダメージを少なくすることができるため、生体試料を培養しながらリアルタイムに観察することができるとともに、生体試料のダメージを受けていない正確な観察結果を得ることができるという効果を奏する。
また、蒸発促進手段は、生体試料に対して温度分布の不均一や温度の急激な変化などのダメージを与えることなく水を蒸発させるため、生体試料の死滅や活性の低下、変性などを防止することができ、生体試料を培養しながらリアルタイムに観察することができるとともに、生体試料のダメージを受けていない正確な観察結果を得ることができるという効果を奏する。
〔第1の実施の形態〕
以下、本発明の第1の実施の形態である生体試料観察システムについて図1から図9を参照して説明する。
図1は、本実施の形態に係る生体試料観察システムの概略を示す斜視図である。図2は、同じく生体試料観察システムのシステム構成を示す概略図である。
生体試料観察システム10は、図1および図2に示すように、検出ユニット20と培養ユニット70とから概略構成されている。これら検出ユニット20および培養ユニット70は、接近して配置されることが望ましく、より好ましくは両ユニット20、70が接して配置されることが望ましい。
検出ユニット20は、図1および図2に示すように、生体試料を内部に収納する保温箱21と、細胞(生体試料)CEを測定する検出部(観察手段)40とから概略構成されている。
保温箱21には、保温箱21内を所定の温度に保温するヒータ21Hと、後述するインキュベータボックス(培養容器)100を保持するステージ22と、細胞CEに光を照射する透過光源23と、保温箱21内の温度を均一にするファン24と、保温箱21内を殺菌するUVランプ25と、後述する培養液循環配管77や培養ガス供給配管97などを保護するキャリア26と、インキュベータボックス100などを保温箱21から出し入れする際に用いる開閉扉27と、検出ユニット20の主電源をON・OFFする主電源スイッチ28が備えられている。
ステージ22は、互いに直交方向に相対移動するX軸動作ステージ22Xと、Y軸動作ステージ22Yと、を有し、ステージ走査部29により走査制御されている。
ステージ走査部29は、X軸動作ステージ22XのX軸座標値を検出するX軸座標検出部30と、X軸動作ステージ22Xの動作(走査)を制御するX軸走査制御部31と、Y軸動作ステージ22YのY軸座標値を検出するY軸座標検出部32と、Y軸動作ステージ22Yの動作(走査)を制御するY軸走査制御部33と、から構成されている。
X軸座標検出部30およびY軸座標検出部32は、それぞれ検出したX軸動作ステージ22XのX座標と、Y軸動作ステージ22YのY座標と、をコンピュータPCに出力するように配置されている。X軸走査制御部31およびY軸走査制御部33は、それぞれコンピュータPCからの指示に基づきX軸動作ステージ22Xの走査と、Y軸動作ステージ22Yの走査とを制御するように配置されている。
なお、X軸動作ステージ22XおよびY軸動作ステージ22Yを駆動する機構としては、例えばモータおよびボールネジの組み合わせを挙げることができる。
コンピュータPCは、上述のように、X軸動作ステージ22X、Y軸動作ステージ22Yの走査と、を制御するとともに、後述するように、細胞CEの検出系の制御、撮像した細胞CEの画像の解析なども行い、X軸動作ステージ22X、Y軸動作ステージ22Yと検出系と解析系とを連動して制御している。
透過光源23とインキュベータボックス100との間に、透過光源23から射出された光を細胞CEに集光するコンデンサレンズ34が配置されている。
なお、コンデンサレンズ34とインキュベータボックス100との間には、シャッタ35を設けなくても良いし、シャッタ35を設けても良い。
ファン24は保温箱21の壁面に配置されている。このファン24を動作させることにより、保温箱21内の空気を対流させ、保温箱21内の温度を均一かつ一定に保ちやすくすることができる。
UVランプ25は、検出ユニット20の壁面に配置されたUVランプスイッチ36と接続され、UVランプ25とUVランプスイッチ36との間には、UVランプ25の動作を時間的に制御するタイマ37が配置されている。さらに、UVランプ25の点灯を表示する滅菌中表示ランプ(図示せず)が配置されている。
例えば、細胞CEの非測定時にUVランプスイッチ36が押されると、タイマ37のカウントが開始されるとともに、UVランプ25に電力が供給され、UV光(紫外線光)が保温箱21内に照射される。これと同時に滅菌中表示ランプも点灯する。そして、所定の時間(例えば30分)が経過して、タイマ37のカウントが終了すると、タイマ37はUVランプ25への電力供給を停止し、UV光の照射が終了される。また、滅菌中表示ランプも消灯される。
なお、UVランプ25は、主電源スイッチ28とは別個に制御されており、主電源がOFFされていても動作することができる。
なお、UVランプ25の点灯時間は、上述した30分でも良いし、保温箱21内の雑菌類などを死滅させることができる時間であれば、30分未満でも良いし、30分よりも長くても良い。
開閉扉27はアルマイト処理を施されたアルミなどの金属、または遮光性の高い半透明の樹脂により構成されている。開閉扉の構造としては、中空の二重構造としたものや、さらには、内側が上記金属とされ外側が樹脂とされるものが考えられる。開閉扉27の外側に樹脂を用いることにより、開閉扉27から保温箱21内の熱が外部に逃げることを防止することができる。また、開閉扉27の内側をアルマイト処理された金属とすることにより、UVランプ25により開閉扉27の寿命が損なわれることを防止することができる。
なお、開閉扉27が金属または金属と樹脂との二重構造とされたときには、完全に遮光されるため、インキュベータボックス100を覗く位置に覗き窓を設けることが望ましい。覗き窓には透明樹脂またはガラスがはめ込まれ、外側には、開閉可能なカバーが配置されていることが望ましい。
検出部40には、図1および図2に示すように、検出部40内を所定の温度に保温するヒータ40Hと、検出部40側から細胞CEを照射する落射光源41A、41Bと、落射光源41A、41Bからの光路を切り替える光路切替部42と、照射光の光量を調節する光量調整機構43と、照射光を細胞CEに向けて集光するレンズ系44と、照射光の波長および検出光の波長を制御するフィルタユニット45と、細胞CEに対して合焦動作を行うオートフォーカス(AF)ユニット46と、複数の倍率や性質の異なる対物レンズ48を備えたレボルバ47と、細胞CEからの検出光を検出する検出器49と、検出光の光量を測定する光量モニタ50と、検出部40内の温度を均一にするファン51と、検出部40内を冷却する冷却ファン52と、が備えられている。
落射光源41A、41Bは、例えば水銀ランプなどからなり、検出部40の外部に配置されており、それぞれ電力を供給する電源53に接続されている。
また、通常は1つの落射光源、例えば落射光源41Aを用いるが、落射光源41Aの光量が所定の規定値以下に減少した場合には、落射光源41Bから照明光が照射され、落射光源41Aの電源はOFFされる。
光路切替部42は、落射光源41Aまたは落射光源41Bどちらか一方の照明光を光量調整機構43に導くように形成されている。また、光路切替部42には、後述のコンピュータPCに接続され、コンピュータPCの指示に基づき光路切替部42を制御する光路制御部54が配置されている。
光路切替部42の照明光射出側にはシャッタ42Sが配置され、照明光の透過・遮断制御を行っている。
シャッタ42Sの照明光射出側には光量調整機構43が配置され、シャッタ42Sを透過した照明光の光量を調整している。その機構としては、例えば公知の絞り機構などを用いても良いし、その他の光量を調節できる公知の機構、技術を用いても良い。
また、光量調整機構43には、後述のコンピュータPCに接続され、コンピュータPCの指示に基づき光量調整機構43を制御する光量制御部55が配置されている。
光量調整機構43の照明光射出側にはレンズ系44が配置されている。レンズ系44は、一対のレンズ44A、44Bと、レンズ44Aおよびレンズ44Bの間に配置された絞り44Cと、から構成されている。
フィルタユニット45は、励起フィルタ56と、ダイクロイックミラー57と、吸収フィルタ58とから構成されている。励起フィルタ56は、照明光の中から細胞CEの蛍光発光に寄与する波長(励起光)を透過するフィルタであり、レンズ系44から射出された照明光が励起フィルタ56に入射するように配置されている。ダイクロイックミラー57は、励起光と蛍光とを分離する光学素子であり、励起フィルタ56を透過した励起光を、細胞CEに向けて反射するとともに、細胞CEからの蛍光を透過するように配置されている。吸収フィルタ58は、細胞CEからの蛍光とその他の不要な散乱光とを分離する光学素子であり、ダイクロイックミラー57を透過した光が入射するように配置されている。
フィルタユニット45には、後述するコンピュータPCの指示に基づき、フィルタユニット45から射出される励起光や検出光(蛍光)の波長を制御するフィルタ制御部46Cが配置されている。
なお、励起フィルタ56、ダイクロイックミラー57、吸収フィルタ58は1枚ずつ用いられてもよいし、複数枚用いられてもよい。
AFユニット46はフィルタユニット45の励起光射出側に配置されていて、後述するコンピュータPCの指示に基づき、励起光を、対物レンズ48を介して細胞CEに集光させるように配置されている。
レボルバ47は、AFユニット46の励起光射出光側に配置されていて、倍率の異なる複数の対物レンズ48が配置されている。レボルバ47には、後述するコンピュータPCの指示に基づき、励起光が入射される対物レンズ48を選択・制御する対物レンズ制御部59が配置されている。
なお、対物レンズ48は、検出部40からX軸動作ステージ22X、Y軸動作ステージ22Yにそれぞれ設けられた孔を通して保温箱21内のインキュベータボックス内部が観察可能な構造になっている。
X軸動作ステージ22X、Y軸動作ステージ22Yには、ステージが動作する範囲を見込んで孔の大きさは多少余裕を見込んである。
そのため、保温箱21内において雰囲気を細胞の培養に適した湿度に保っていても、前記孔を通じて雰囲気が検出部40に対して抜けてしまい、細胞の培養に適した温度を維持できなくなり、細胞の活性低下を引き起こす可能性がある。
そこで、このような細胞培養に適した温度の雰囲気が保温箱21と検出部40との間で導通することを抑制する抑制手段99を設けてもよい。
その抑制手段99は、レボルバ47や対物レンズ48の動きを妨害しないように空気の流れを抑制できればよく、例えばフィルムや透明シートなど柔軟な材料からなるシートを保温箱21と検出部40との境目に設けられた孔の周囲に貼り付け、レボルバの周囲に垂らした状態で取り付ける幕状のものが考えられる。
フィルタユニット45の検出光射出側には、検出光を検出器49および光量モニタ50に集光する集光レンズ60が配置されている。
集光レンズ60の検出光射出側には、検出光の一部を検出器49に向けて反射し、残りの検出光を光量モニタ50に向けて透過するハーフミラー61が配置されている。
検出器(撮像手段)49は、ハーフミラー61から反射された検出光が入射される位置に配置されている。また、検出器49には、検出器49からの検出信号を演算して後述するコンピュータPCに出力する検出器演算部62が接続されている。
なお、検出器49はラインセンサを用いても良いし、エリアセンサを用いても良いし、ラインセンサとエリアセンサとを共用してもよく、特に限定するものではない。
光量モニタ50は、ハーフミラー61を透過した検出光を測定し、測定した値をコンピュータPCに出力するように配置されている。
なお、上述のように、光量モニタ50を用いて検出光の光量を測定しても良いし、照度計やパワーメータなどを用いて検出光の光量を測定しても良い。
ヒータ40Hは、検出部40内を例えば30℃から37℃となるように保温制御している。ファン51は、検出部40内の空気を対流させ、検出部40内の温度を均一化するように配置されている。そのため、検出部40内の温度が保温箱21と近い温度に維持され、保温箱21の温度をより安定化させやすくなる。
冷却ファン52は、検出部40内に配置された温度センサ(図示せず)の出力に基づき、検出部40内の温度を下げるように駆動される。そのため、例えばモータなどの発熱による異常な検出部40内の温度上昇を防止することができる。
図3は、本実施の形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図であり、図4は、インキュベータボックスの水槽近傍領域の断面図である。
インキュベータボックス(培養容器)100は、図3および図4に示すように、細胞(生体試料)CEを保持するマイクロプレート120を格納する筐体101と、筐体101とともに密閉空間を形成するカバー102とから概略構成されている。
筐体101は、底板103と側壁104とから形成されていて、底板103の測定エリアに対応する領域は、ガラスのような透光性を有する材料で形成されている。底板103の他の領域および側壁104は、例えば、アルマイト処理されたアルミニウムやSUS316のようなステンレススチールなど防食性の高い遮光性の材料で制作するのが好ましく、より好ましくは、保温性の観点から熱伝導率の低い材料を選択するとよい。筐体101には、マイクロプレート120を全周にわたって囲む水槽121と、水槽121の内側に配置された内部ファン122と、培養ガスを供給するコネクタ123と、培養ガス中の二酸化炭素ガス濃度を検出する培養ガス濃度センサ124とが配置されている。
水槽121は、図4に示すように、底板103と側壁104とに接触するように配置されているとともに、水槽121の中には殺菌された純水(水)Wが貯えられている。また、水槽側壁121Wの高さは、筐体101の側壁104よりも低く形成され、側壁104の水槽側壁121Wよりも高い部分にコネクタ123が配置されている。
さらに、水槽側壁121Wには、帯状に形成された蒸発用ヒータ(蒸発促進手段、加熱部)125が配置され、蒸発用ヒータ125により純水Wに熱が与えられている。なお、水槽121は蒸発用ヒータ125の熱を効率よく純水Wに伝えるために、熱伝導率の高い材料から形成されていることが望ましい。
内部ファン122は、その送風方向にマイクロプレート120が配置されないよう、水槽側壁121Wに沿って送風するように配置されている。
なお、培養ガス濃度センサ124は、水槽側壁121W内面に配置されていても良いし、インキュベータボックス100から配管を外部へ配置し、吸引ポンプによりインキュベータボックス100内の培養ガスを吸引して培養ガス濃度センサ124でその濃度を検出しても良い。
また、底板103には、マイクロプレート120の温度を測定する温度センサ106が配置されている。
温度センサ106の出力は、インキュベータ温度検知部106Sを介してコンピュータPCに入力されるとともに、検出ユニット20の壁面に配置された温度表示部107にも入力されている。コンピュータPCは、図2に示すインキュベータ温度制御部106Cを介してヒータ21Hなどを制御して、インキュベータボックス100内の温度が一定に保たれるように制御するようになっている。
培養ガス濃度センサ124は、コンピュータPCおよび培養ガス濃度表示部124Dに二酸化炭素ガス濃度を出力している。
カバー102は、照明光を透過するガラス板117と、ガラス板117を支持する支持部117Aと、から構成されている。ガラス板117には、測定エリアに対応する領域に反射防止膜が両面に形成されていても良い。反射防止膜を両面に形成することにより、透過観察・落射観察におけるガラス板117による反射を防止するようになっている。
なお、ガラス板117の面積は、インキュベータボックス100の底板103と略同じ面積であっても良いし、測定を問題なく行うために必要最小限の面積であっても良い。
培養ユニット70は、図1および図2に示すように、培養ガスを生成する混合部90から概略構成されている。
混合部90には、図1および図2に示すように、培養ユニット70の主電源をON・OFFする主電源スイッチ76と、混合部90内を所定の温度に保温するヒータ(図示せず)と、インキュベータボックス100に供給する培養ガス中の二酸化炭素ガス濃度を調節する培養ガス混合槽91と、培養ガス混合槽91に培養ユニット70の外部に配置されたCO2タンク92から二酸化炭素ガスを供給するCO2ポンプ93とが配置されている。
培養ガス混合槽91には、内部の二酸化炭素ガス濃度を検出するCO2濃度検出部94が配置され、CO2濃度検出部94の出力がコンピュータPCに入力されるように配置されている。CO2ポンプ93には、コンピュータPCの指示に基づいて、培養ガス混合槽91に供給する二酸化炭素ガス量を制御するCO2濃度制御部95が配置されている。また、培養ユニット70の壁面には、CO2濃度検出部94により検出された培養ガス混合槽91内の二酸化炭素ガス濃度を表示するCO2濃度表示部96が配置されている。
CO2濃度検出部94からコンピュータPCに入力された二酸化炭素ガス濃度は、メモリにデータとして蓄積されるとともに、コンピュータPCにおいてデータ処理が可能とされている。
次に、上記の構成からなる生体試料観察システム10における観察方法について各フローチャートを用いて説明する。
まず、マイクロプレート120を用いて培養・測定する場合の手順を、図5を参照しながら説明する。
図5は、マイクロプレート120を用いて培養・測定する手順を説明するフローチャートである。
まず、インキュベータボックス100の水槽121に滅菌水を供給する(STEP111)。
次に、コンピュータPCを起動(STEP112)してから、検出ユニット20および培養ユニット70の主電源をONにする(STEP113)。
その後、インキュベータボックス100内の内部ファン122を駆動(STEP114)して、インキュベータボックス100内の空気を循環させる。そして、CO2濃度制御部95を起動(STEP115)して、インキュベータボックス100に供給される培養ガスの二酸化炭素ガス濃度を5%に制御する。その後、各温度制御部を起動(STEP116)して、培養液温度、培養ガス温度、保温箱21内の温度などを略37℃に制御する。
その後、検出ユニット20の開閉扉27を開けて(STEP117)、インキュベータボックス100をステージ22にセット(STEP118)し、開閉扉27を閉じる(STEP119)。
次に、透過光源23をONにして(STEP120)、細胞CEに透過光を照射し、測定条件を設定する(STEP121)
そして、測定開始ボタンをONにする(STEP122)ことで、細胞CEの測定が開始される。
まず、所定の細胞CEへ事前に走査を行ってオートフォーカス(STEP123)が行われ、各部の焦点位置が決定されたところで、シャッタ35がOpenされる(STEP124)。
次に、細胞CEの画像の取り込み・出力が行われる(STEP125)。ここでは、取り込まれた画像データがコンピュータPCのメモリ部へ出力される。
そして、必要な画像の取得が完了していなければ、再びオートフォーカス(STEP123)から画像の取り込みおよび出力(STEP125)までの動作が、必要な画像の取得が完了するまで繰り返される(STEP126)。ここで、必要な画像とは、例えば、選択された波長により撮影された画像や、選択された倍率により撮影された画像などのことである。
必要な画像の取得が完了すると、X軸動作ステージ22XまたはY軸動作ステージ22Yが1ステップ駆動される(STEP127)。そして、X軸動作ステージ22XまたはY軸動作ステージ22Yが移動した位置が測定対象範囲内であれば、再びオートフォーカス(STEP123)から1ステップステージ駆動(STEP127)までの動作が繰り返される。この繰り返し作業は、ステージ22の移動した位置が測定対象範囲外になるまで繰り返される(STEP128)。
X軸動作ステージ22XまたはY軸動作ステージ22Yの移動先が測定対象範囲外となると、シャッタ35がCloseされ(STEP129)、X軸動作ステージ22XおよびY軸動作ステージ22Yがホームポジションに移動される(STEP130)。
その後、所定の測定時間間隔になると、再びオートフォーカス(STEP123)からホームポジションへステージを移動させる(STEP130)までの動作が、測定時間が終了するまで繰り返される(STEP131)。
測定時間が終了(STEP132)すると、開閉扉27を開けて(STEP133)、マイクロプレート120をインキュベータボックス100aから取り外す(STEP134)。そして、水槽121から滅菌水を取り除き(STEP135)、開閉扉27を閉じる(STEP136)。
その後、保温箱21内のUVランプ25を点灯させ(STEP137)、保温箱21内の滅菌を行い、測定を終了する。
なお、上述のように、保温箱21内の滅菌を測定手順の最後に入れてもよいし、測定手順の最初に入れて、測定前に保温箱21の滅菌を行っても良い。
なお、上述のように、細胞CEの測定ごとにオートフォーカスを行っても良いし、測定ごとに行わなくても良い。
細胞CEの撮像が終了すると、次には撮像された画像の処理が行われる。そこで、撮像された画像の処理方法について、図6を参照しながら説明する。
図6は、画像の処理方法を説明するフローチャートである。
まず、コンピュータPCの画像処理部は、メモリ部に蓄積された撮像画像から、背景画像を抽出する(STEP71)と共に、撮像画像から背景画像(バックグラウンド)を除去する(STEP72)。
次に、強調できる画像の最大輝度範囲を読み込み(STEP73)、最大輝度範囲に応じて、例えば所定係数を掛けて画像を強調する(STEP74)。これらの処理により、バックグラウンドを除去した画像から1つ1つの細胞CEを粒状に認識し易いように画像が強調される。
そして、強調された画像から、例えば所定の閾値以上の輝度を有する部分を抽出することで、細胞CEの1つ1つの輝度を明確な粒状として認識する(STEP75)。
次に、細胞CEの重心位置や面積等の幾何学的特徴量や、化学的特徴量や、蛍光輝度等の光学的特徴量をより正確に認識するとともに、細胞CEの位置情報とも関連付けて抽出する(STEP76)。これら特徴量を抽出することにより、1つ1つの細胞CEを識別することができる。
細胞CEの特徴量を抽出した後、細胞CEを認識するために行った強調作業(STEP74)の補正を行う(STEP77)。この補正により、画像の強調のために用いられた所定係数の影響が除去される。
次に、補正後の特徴量を、例えばファイルに出力するとともにそのファイルに蓄積する(STEP78)。
そのため、コンピュータPCの画像処理部は、スライドガラス、マイクロプレートなどの全面の各位置における細胞CEの蛍光量分布等を画像化することができる。また、画像処理部は、1つ1つの細胞CEを正確に追跡可能であるので、例えば、所定の数の細胞CEだけに注目し、培養を行いながら細胞CE内部の蛍光分布を局所的に長時間測定することも可能である。更に、細胞CEを培養しながら、例えば、一定時間毎にマイクロプレートなどの全面を測定し、時間経過に対する細胞CEの蛍光量を自動測定することも可能である。
次に、撮像画像から細胞CEの特徴量などのデータが抽出された後に行われるデータ処理について、図7を参照しながら説明する。
図7は、データ処理の流れを説明するフローチャートである。
ここでは、コンピュータPCのデータ処理部によって、ファイル内に蓄積された細胞CEのデータ(特徴量)の処理が行われる。
まず、データ処理部は、ファイル内に蓄積された細胞CEの生データ(特徴量)を読み込む(STEP81)とともに、細胞CEごとに時系列に並ぶようにデータの並べ替えが行われる(STEP82)。データが並べ替えられると、データ処理部は、細胞CEごとに輝度、すなわち発現量の経時的変化をグラフ化する(STEP83)。
グラフ化が完了すると、データ処理部は、グラフをプレビュー表示し(STEP84)、グラフ化データをファイルに出力する(STEP85)。
この処理を行うことにより、細胞CEを長期間培養した場合における1つの細胞の経時的変化を容易に観察することができる。従って、培養中の時間経過に伴う細胞CEの発現量の変化等を正確、かつ容易に測定することができる。
次に、細胞CEの測定時に行われる照射光量の調整について、図8を参照しながら説明する。
図8は、光量の調整の流れを説明するフローチャートである。
まず、細胞CEに照射される照射光量が測定される(STEP91)。照射光量は、光量モニタ50の出力から算出されてもよいし、照度計を設けて測定しても良いし、パワーメータを設けてパワーメータの出力から算出してもよい。
測定された照射光量が許容範囲内であれば、再び照射光量の測定(STEP91)に戻り、照射光量が許容範囲外になるまで繰り返される(STEP92)。
照射光量が許容範囲外になると、光量調整機構43に含まれるNDフィルタ(図示せず)が交換され(STEP93)、照射光量が許容範囲内になるように調節される。その後、再び照射光量の測定(STEP91)に戻り、照射光量の調節が繰り返される。
上述したような測定手順により、図9に示すような、1つ1つの細胞の経時変化を表した細胞追跡画像を取得できる。
上記の構成によれば、蒸発用ヒータ125により純水Wを蒸発させるため、インキュベータボックス100を保温する熱を利用して純水Wを蒸発させる方法と比較して、インキュベータボックス100内をより高い湿度(略100%の湿度)にすることができるとともに、より短い時間で所定の湿度に制御することができる。
そのため、インキュベータボックス100内を細胞CEの培養に適した略100%の湿度に維持しやすくなり、細胞CEに与えるダメージを低減することができる。そのため、細胞CEを培養しながら更に負荷のかかる観察を行うことができるとともに、細胞CEからダメージの影響を受けていない正確な蛍光を放出させることができる。
また、蒸発用ヒータ125は水槽121に配置されているため、水槽121内の純水Wを蒸発させ易くすることができる。さらに、水を介して保温を行うため、細胞CEに対して温度分布の不均一や温度の急激な変化などのダメージを与え難くすることができる。そのため、細胞CEの死滅や活性の低下、変性などを防止することができ、細胞CEからダメージを受けていない正確な蛍光を放出させることができる。
なお、インキュベータボックス100内に、湿度を検出する湿度センサを配置して、湿度センサの出力に基づいてコンピュータPCが蒸発用ヒータ125に供給する電力を制御することで、自動的に湿度を制御してもよい。
この場合、自動的にインキュベータボックス100内の湿度が制御されるため、細胞CEの観察に要する手間を削減することができる。
〔第2の実施の形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図10および図11を参照して説明する。
本実施の形態の生体試料観察システムの基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、インキュベータボックスの構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図10および図11を用いてインキュベータボックス周辺のみを説明し、培養ユニット等の説明を省略する。
図10は、本実施の形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。図11は、本実施の形態に係るインキュベータボックスにおける水槽近傍領域の断面図である。
なお、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
インキュベータボックス200は、図10および図11に示すように、第1の実施の形態と同様に、細胞CEを保持するマイクロプレート120を格納する筐体101と、筐体101とともに密閉空間を形成するカバー102とから概略構成されている。
筐体101には、マイクロプレート120を全周にわたって囲む水槽221が配置され、水槽221は、底板103と側壁104とに接触するように配置されているとともに、水槽221の中には殺菌された純水Wが貯えられている。また、水槽側壁221Wの高さは、筐体101の側壁104よりも低く形成され、側壁104の水槽側壁221Wよりも高い部分にコネクタ123が配置されている。
水槽221内には、吸水性の高い材料(例えばスポンジなどの多孔質材料)から形成された吸水芯230(蒸発促進手段、面積拡大部)が配置されている。吸水芯230は、図11に示すように、その高さ(図中の上下方向の長さ)が純水Wの水深よりも高くなるように形成されている。また、吸水芯230は、水槽221と同様にマイクロプレート120を囲むように全周にわたって形成されていてもよいし、ブロック状に形成された複数の吸水芯230がマイクロプレート120に対して対称に配置されていてもよい。
上記の構成によれば、純水Wは吸水芯230に吸い上げられ、水面よりも上の部分まで吸い上げられる。そのため、純水Wとインキュベータボックス200内の空気との接触面積がより広くなり、純水Wを蒸発させやすくなる。その結果、インキュベータボックス200内を細胞CEの培養に適した略100%の湿度に維持しやすくなる。
〔第3の実施の形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図12および図13を参照して説明する。
本実施の形態の生体試料観察システムの基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、インキュベータボックスの構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図12および図13を用いてインキュベータボックス周辺のみを説明し、培養ユニット等の説明を省略する。
図12は、本実施の形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。図13は、本実施の形態に係るインキュベータボックスにおける水槽近傍領域の断面図である。
なお、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
インキュベータボックス300は、図12および図13に示すように、第1の実施の形態と同様に、細胞CEを保持するマイクロプレート120を格納する筐体101と、筐体101とともに密閉空間を形成するカバー102とから概略構成されている。
筐体101には、マイクロプレート120を全周にわたって囲む水槽321が配置され、水槽321は、底板103と側壁104とに接触するように配置されているとともに、水槽321の中には殺菌された純水Wが貯えられている。また、水槽側壁321Wの高さは、筐体101の側壁104よりも低く形成され、側壁104の水槽側壁321Wよりも高い部分にコネクタ123が配置されている。
水槽321の内側には、図13に示すように、水槽321と一体に形成された蒸発皿325が隣接して配置され、蒸発皿325と水槽321との間に位置する水槽側壁321Wには、水槽321から蒸発皿325に水を供給する給水部(水量調節手段)326が配置されている。
給水部326は、純水Wを少量ずつ水槽321から蒸発皿325に供給できる材料、例えば非常に目の細かい多孔質材料など、から形成されている。
蒸発皿325は、横方向(図中の左右方向)の長さに対して深さ方向(図中の上下方向)の長さが短く形成されているとともに、蒸発皿325に貯えられる純水Wの量が、水槽321の水量よりも少なくなるように形成されている。
なお、蒸発皿325は水槽321と同様にマイクロプレート120を囲むように全周にわたって形成されていてもよいし、それぞれ独立した複数の蒸発皿325がマイクロプレート120に対して対称に配置されていてもよい。
上記の構成によれば、給水部326により、水槽321から蒸発皿325に純水Wが少量ずつ供給されるため、蒸発皿325には、水槽321よりも少量の純水Wが貯えられている。そのため、蒸発皿325における純水Wの熱容量が低下し、蒸発皿321の純水Wをより少ない熱量で容易に蒸発させることができる。その結果、インキュベータボックス300内を細胞CEの培養に適した略100%の湿度に維持しやすくなる。
また、蒸発皿325に貯えられる純水Wの水面の面積に対して、水深が浅くされているため、純水Wとインキュベータボックス300内の空気との接触面積が広くなり、純水Wを蒸発させやすくすることができる。
〔第4の実施の形態〕
次に、本発明の第4の実施形態について図14から図16を参照して説明する。
本実施の形態の生体試料観察システムの基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、インキュベータボックスの構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図14から図16を用いてインキュベータボックス周辺のみを説明し、培養ユニット等の説明を省略する。
図14は、本実施の形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。図15は、本実施の形態に係るインキュベータボックスにおける水槽近傍領域の断面図である。
なお、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
インキュベータボックス400は、図14および図15に示すように、第1の実施の形態と同様に、細胞CEを保持するマイクロプレート120を格納する筐体101と、筐体101とともに密閉空間を形成するカバー102とから概略構成されている。
筐体101には、マイクロプレート120を全周にわたって囲む水槽421が配置され、水槽421は、底板103と側壁104とに接触するように配置されているとともに、水槽421の中には殺菌された純水Wが貯えられている。また、水槽側壁421Wの高さは、筐体101の側壁104よりも低く形成され、側壁104の水槽側壁421Wよりも高い部分にコネクタ123が配置されている。
図16は、本実施の形態に係るメッシュの図である。
水槽421内には、図15に示すように、シート状に形成されたメッシュ(面積拡大手段)425が配置され、純水Wに浮かべられている。メッシュ425は、図16に示すように、複数の開口部426が形成されていて、開口部426を形成することによりメッシュ425の凹凸が大きくなるように形成されている。
また、メッシュ425は、水槽421と同様にマイクロプレート120を囲むように全周にわたって形成されていてもよいし、矩形状に形成された複数のメッシュ425が純水Wに浮かべられていてもよい。この場合、複数のメッシュ425がマイクロプレート120に対して対称となるように配置されることが望ましい。
上記の構成によれば、純水Wの水面にメッシュ425を浮かべることにより、メッシュ425の開口部426に純水Wを保持することができ、純水Wとインキュベータボックス400内の空気との接触面積を拡大させることができる。その結果、純水Wが蒸発しやすくなり、インキュベータボックス400内を細胞CEの培養に適した略100%の湿度に維持しやすくなる。
〔第5の実施の形態〕
次に、本発明の第5の実施形態について図17および図18を参照して説明する。
本実施の形態の生体試料観察システムの基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、インキュベータボックスの構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図17および図18を用いてインキュベータボックス周辺のみを説明し、培養ユニット等の説明を省略する。
図17は、本実施の形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。図18は、本実施の形態に係るインキュベータボックスにおける水槽近傍領域の部分斜視図である。
なお、図18に示す微細溝525は、実際の大きさとは異なり、その幅および深さが視認可能な程度に拡大されて描かれている。また、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
インキュベータボックス500は、図17および図18に示すように、第1の実施の形態と同様に、細胞CEを保持するマイクロプレート120を格納する筐体101と、筐体101とともに密閉空間を形成するカバー102とから概略構成されている。
筐体101には、マイクロプレート120を全周にわたって囲む水槽521が配置され、水槽521は、底板103と側壁104とに接触するように配置されているとともに、水槽521の中には殺菌された純水Wが貯えられている。また、水槽側壁521Wの高さは、筐体101の側壁104よりも低く形成され、側壁104の水槽側壁521Wよりも高い部分にコネクタ123が配置されている。
水槽側壁521Wの内面には、上下方向に延びる微細溝(面積拡大部)525が全面に形成されている。微細溝525の幅および深さは、水槽側壁521Wの材質および水槽521内に貯えられる液体、本実施の形態では純水W、の種類などによって決定される。つまり、水槽521内の純水Wをキャピラリ効果(毛細管現象)によって、微細溝525内に吸い上げることができる幅および深さに決定される。
なお、微細溝525は、上述のように、水槽側壁521Wの内面全面に形成されてもよいし、複数の一部領域のみに形成されてもよい。この場合、微細溝525が形成される領域は、マイクロプレート120に対して対称となるように配置されることが望ましい。
上記の構成によれば、純水Wがキャピラリ効果により、微細溝525に吸い上げられるため、純水Wとインキュベータボックス500内の空気との接触面積を拡大することができ、純水Wを蒸発させやすくすることができる。その結果、インキュベータボックス500内を細胞CEの培養に適した略100%の湿度に維持しやすくなる。
また、微細溝525が水槽側壁521Wに直接形成されており、後述するように微細溝525などが水槽521Wに対して着脱自在に構成されている場合と比較して、インキュベータボックス500の構成要素が少なくなるため、細胞CEの観察準備にかかる手間を少なくすることができる。
〔第6の実施の形態〕
次に、本発明の第6の実施形態について図19および図20を参照して説明する。
本実施の形態の生体試料観察システムの基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、インキュベータボックスの構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図19および図20を用いてインキュベータボックス周辺のみを説明し、培養ユニット等の説明を省略する。
図19は、本実施の形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。図20は、本実施の形態に係るインキュベータボックスにおける水槽近傍領域の部分斜視図である。
なお、図20に示す微細溝525は、実際の大きさとは異なり、その幅および深さが視認可能な程度に拡大されて描かれている。また、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
インキュベータボックス600は、図19および図20に示すように、第1の実施の形態と同様に、細胞CEを保持するマイクロプレート120を格納する筐体101と、筐体101とともに密閉空間を形成するカバー102とから概略構成されている。
筐体101には、マイクロプレート120を全周にわたって囲む水槽621が配置され、水槽621は、底板103と側壁104とに接触するように配置されているとともに、水槽621の中には殺菌された純水Wが貯えられている。また、水槽側壁621Wの高さは、筐体101の側壁104よりも低く形成され、側壁104の水槽側壁621Wよりも高い部分にコネクタ123が配置されている。
水槽621の中には、上下方向に延びる微細溝525が形成された蒸発促進部(面積拡大部)625が配置されているとともに、蒸発促進部625は、水槽側壁621Wの内面に着脱可能に取り付けられている。微細溝525の幅および深さは、蒸発促進部625の材質および水槽621内に貯えられる液体、本実施の形態では純水W、の種類などによって決定される。つまり、水槽621内の純水Wをキャピラリ効果(毛細管現象)によって、微細溝525内に吸い上げることができる幅および深さに決定される。
なお、蒸発促進部625は親水性を示す材料から形成されることが望ましく、このような材料から形成されることにより、純水Wをより水面から高い位置にまで吸い上げることができる。その結果、純水Wの表面積を拡大させることができ、純水Wの蒸発を促進することができる。
なお、上述のように、微細溝525が上下方向に延びるように形成されていてもよいし、斜め方向に延びるように形成されていてもよい。この場合、純水Wが微細溝525に吸い上げられる高さは決まっているため、微細溝525の向きを斜めにすることで、純水Wの表面積をより大きくすることができ、純水Wの蒸発をより促進することができる。
なお、蒸発促進部625は、上述のように、水槽側壁621Wの内面全面に配置されてもよいし、一部領域のみに形成されてもよい。この場合、蒸発促進部625は、マイクロプレート120に対して対称となるように配置されることが望ましい。
上記の構成によれば、微細溝525が形成された蒸発促進部625が、水槽側壁621Wに対して着脱可能とされているため、微細溝525の清掃などのメンテナンスを容易に行うことができる。そのため、蒸発促進部625の水蒸発能力を維持させやすく、インキュベータボックス600内を略100%の湿度により維持しやすくなる。
〔第7の実施の形態〕
次に、本発明の第7の実施形態について図21および図22を参照して説明する。
本実施の形態の生体試料観察システムの基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、インキュベータボックスの構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図21および図22を用いてインキュベータボックス周辺のみを説明し、培養ユニット等の説明を省略する。
図21は、本実施の形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。図22は、本実施の形態に係るインキュベータボックスにおける水槽近傍領域の断面図である。
なお、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
インキュベータボックス700は、図21および図22に示すように、第1の実施の形態と同様に、細胞CEを保持するマイクロプレート120を格納する筐体101と、筐体101とともに密閉空間を形成するカバー102とから概略構成されている。
筐体101には、マイクロプレート120を全周にわたって囲む水槽721が配置され、水槽721は、底板103と側壁104とに接触するように配置されているとともに、水槽721の中には殺菌された純水Wが貯えられている。また、水槽側壁721Wの高さは、筐体101の側壁104よりも低く形成され、側壁104の水槽側壁721Wよりも高い部分にコネクタ123が配置されている。
水槽721の底面727には、超音波振動が可能な圧電素子(振動部)725が配置されているとともに、圧電素子725の振動が純水Wに伝えられるように配置されている。
なお、圧電素子725には、水槽側壁721W内を貫通して、あるいは壁面に沿って配置された配線(図示せず)により電力が供給されている。
また、筐体101とY軸動作ステージ22Yとの間には、ゴムなどの弾性を有する材料から形成された防振材726が配置されている。防振材726を配置することにより、圧電素子725の振動がY軸動作ステージ22Yや、X軸動作ステージ22Xなどに伝わることを防止することができ、振動に起因するステージの駆動機構の不具合発生を防止することができる。
上記の構成によれば、水槽721の底面727に配置された圧電素子725により純水Wの水面を波立たせることができ、水面を波立たせることで純水Wの蒸発を促進することができる。そのため、インキュベータボックス700内を略100%の湿度により維持しやすくなる。
また、圧電素子725は熱を用いることなく純水Wを蒸発させるため、細胞CEに対して温度分布の不均一や温度の急激な変化などのダメージを与えることなく、純水Wの蒸発を促進することができる。
なお、インキュベータボックス700内に、湿度を検出する湿度センサを配置して、湿度センサの出力に基づいてコンピュータPCが圧電素子725に供給する電力を制御することで、自動的に湿度を制御してもよい。
この場合、自動的にインキュベータボックス700内の湿度が制御されるため、細胞CEの観察に要する手間を削減することができる。
〔第8の実施の形態〕
次に、本発明の第8の実施形態について図23および図24を参照して説明する。
本実施の形態の生体試料観察システムの基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、インキュベータボックスの構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図23および図24を用いてインキュベータボックス周辺のみを説明し、培養ユニット等の説明を省略する。
図23は、本実施の形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。図24は、本実施の形態に係るインキュベータボックスにおける水槽近傍領域の断面図である。
なお、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
インキュベータボックス800は、図23および図24に示すように、第1の実施の形態と同様に、細胞CEを保持するマイクロプレート120を格納する筐体101と、筐体101とともに密閉空間を形成するカバー102とから概略構成されている。
筐体101には、マイクロプレート120を全周にわたって囲む水槽821が配置され、水槽821は、底板103と側壁104とに接触するように配置されているとともに、水槽821の中には殺菌された純水Wが貯えられている。また、水槽側壁821Wの高さは、筐体101の側壁104よりも低く形成され、側壁104の水槽側壁821Wよりも高い部分にコネクタ123が配置されている。
水槽821の底面825には、超音波振動が可能な圧電素子725が配置されているとともに、圧電素子725の振動が水槽821に貯えられている純水Wに伝えられるように配置されている。また、水槽821の底面825は、純水Wの水面近傍領域に焦点を有する放物曲面(パラボラ形状)に形成されている。
なお、水槽821の底面825の形状は、上述のように、放物曲面であってもよいし、純水Wに伝えられる振動を水面近傍領域に収束させる形状であればどのような形状であってもよい。
なお、圧電素子725には、水槽側壁821W内を貫通して、あるいは壁面に沿って配置された配線(図示せず)により電力が供給されている。
上記の構成によれば、水槽821の底面825の形状が、放物曲面状に形成されているため、純水Wの水面近傍に超音波振動を収束させることができる。そのため、超音波振動が収束された領域において、より大きな波を形成することができ、純水Wの蒸発をより促進することができる。
さらには、水面を激しく振動させることで純水Wを霧化することができ、霧を作ることにより純水Wの蒸発をさらに促進することができる。
〔第9の実施の形態〕
次に、本発明の第9の実施形態について図25から図27を参照して説明する。
本実施の形態の生体試料観察システムの基本構成は、第1の実施の形態と同様であるが、第1の実施の形態とは、インキュベータボックスの構成が異なっている。よって、本実施の形態においては、図25から図27を用いてインキュベータボックス周辺のみを説明し、培養ユニット等の説明を省略する。
図25は、本実施の形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。図26は、本実施の形態に係るインキュベータボックスにおける水槽近傍領域の断面図である。
なお、第1の実施の形態と同一の構成要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
インキュベータボックス900は、図25および図26に示すように、第1の実施の形態と同様に、細胞CEを保持するマイクロプレート120を格納する筐体101と、筐体101とともに密閉空間を形成するカバー102とから概略構成されている。
筐体101には、マイクロプレート120を全周にわたって囲む水槽921が配置され、水槽921は、底板103と側壁104とに接触するように配置されているとともに、水槽921の中には殺菌された純水Wが貯えられている。また、水槽側壁921Wの高さは、筐体101の側壁104よりも低く形成され、側壁104の水槽側壁921Wよりも高い部分にコネクタ123が配置されている。
水槽921の側壁921Wには、図25および図26に示すように、純水Wを霧にしてインキュベータボックス900内に散布する霧化装置(霧化部)950が配置されている。霧化装置950はマイクロプレート120に対して対称に配置され、インキュベータボックス900内に霧を均一に散布することにより、湿度の分布を均一化している。
図27は、霧化装置における要部の分解斜視図である。
霧化装置950は、図26および図27に示すように、霧化装置950の略全体を覆うカバー951と、超音波振動を発生する圧電素子(振動部)952と、超音波振動を増幅して純水Wに伝達するホーン953と、純水Wを霧化する部分に配置されたメッシュ960と、圧電素子952をホーン953に固定する止めネジ961と、超音波振動がカバーに伝わるのを防止する防振材962と、純水Wをホーン953に供給する供給配管963とから概略構成されている。
ホーン953は、圧電素子952を内部に納める基台部954と、基台部954の上に形成された円筒部955と、円筒部955の上に形成された皿部956とから形成されている。
基台部954には、圧電素子952が収納される空間である収納部957と、圧電素子952を収納部957の上面に押し付ける止めネジ961と螺合する螺合部958が形成されている。さらに、基台部954の側面には、純水Wの霧化に寄与しない振動(例えば、基台部954における周方向の振動)を吸収するスリット959が形成されている。
円筒部955には、その下端に水槽921から純水Wを供給する供給配管963が接続され、円筒部955の内部空間に純水Wが供給されるように構成されている。
皿部956は、その略中央部に孔が形成され、円筒部955内の空間と連結するように配置されている。また、皿部956の上には、平面形状が皿部956と略同じであるメッシュ960が配置され、メッシュ960を介して純水Wが霧化するように構成されている。メッシュ960の粗さとしては、形成される霧の粒径が10μm以下になるような粗さが望ましく、このような粒径の霧を形成することにより、純水Wの蒸発をより促進することができる。
供給配管963は、カバー951および水槽側壁921Wを貫通して配置されているとともに、水槽921内で下方に折れ曲がり、水槽921の底面近傍領域から純水Wを供給できるように構成されている。このような構成にすることにより、水槽921内の純水Wが減少してもホーン953に純水Wを供給することができる。
防振材962は、カバー951と止めネジ961との間に配置され、止めネジ961を介して伝わる圧電素子952の振動がカバー951に伝わるのを防止している。
なお、圧電素子952には、カバー951および水槽側壁921W内を貫通して、あるいは壁面に沿って配置された配線(図示せず)により電力が供給されている。
上記の構成によれば、圧電素子952の超音波振動を、ホーン953を介して純水Wに伝え、皿部956に配置されたメッシュ960により粒径の小さな霧を発生させることができる。これにより、純水Wの蒸発を積極的に促進し、インキュベータボックス900内を略100%の湿度に維持することができる。
また、円筒部955の形状を調節することにより、超音波振動の共鳴を発生させ、純水Wをより効率的に霧化させることができる。
なお、インキュベータボックス900内に、湿度を検出する湿度センサを配置して、湿度センサの出力に基づいてコンピュータPCが圧電素子952に供給する電力を制御することで、自動的に湿度を制御してもよい。
この場合、自動的にインキュベータボックス900内の湿度が制御されるため、細胞CEの観察に要する手間を削減することができる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、上記の実施の形態においては、蛍光強度を検出する構成に適応して説明したが、この蛍光強度を検出する構成に限られることなく、細胞の形態変化等、その他各種の指標を検出する構成に適応することができるものである。
本発明によれば、細菌類、微生物、卵といった、細胞以外の生体試料に対しても用いることが可能である。
本発明のインキュベータボックスやチャンバは、専用の、または既存の一般の顕微鏡に対して取り付けて用いられてもよい。
本発明の第1の実施形態に係る生体試料観察システムを示す斜視図である。 同、生体試料観察システムのシステム構成を示す概略図である。 同、インキュベータボックスを示す斜視図である。 同、インキュベータボックスの水槽近傍領域の断面図である。 同、マイクロプレートを用いた培養・測定を示すフローチャートである。 同、画像の処理方法を説明するフローチャートである。 同、データ処理の流れを説明するフローチャートである。 同、光量の調整の流れを説明するフローチャートである。 細胞の経時変化を表した細胞追跡画像を示す図である。 本発明の第2の実施形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。 同、インキュベータボックスの水槽近傍領域の断面図である。 本発明の第3の実施形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。 同、インキュベータボックスの水槽近傍領域の断面図である。 本発明の第4の実施形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。 同、インキュベータボックスの水槽近傍領域の断面図である。 同、メッシュを示す図である。 本発明の第5の実施形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。 同、インキュベータボックスの水槽近傍領域の断面図である。 本発明の第6の実施形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。 同、インキュベータボックスの水槽近傍領域の断面図である。 本発明の第7の実施形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。 同、インキュベータボックスの水槽近傍領域の断面図である。 本発明の第8の実施形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。 同、インキュベータボックスの水槽近傍領域の断面図である。 本発明の第9の実施形態に係るインキュベータボックスを示す斜視図である。 同、インキュベータボックスの水槽近傍領域の断面図である。 同、霧化装置における要部の分解斜視図である。
符号の説明
10 生体試料観察システム
40 検出部(観察手段)
100、200、300、400、500、600、700、800、900 インキュベータボックス(培養容器)
121、221、321、421、521、621、721、821、921 水槽
125 蒸発用ヒータ(蒸発促進手段、加熱部)
230 吸水芯(蒸発促進手段、面積拡大部)
325 蒸発皿
326 給水部(水量調節手段)
425 メッシュ(面積拡大手段)
525 微細溝(面積拡大部)
625 蒸発促進部(面積拡大部)
725、952 圧電素子(振動部)
727、825 底面
950 霧化装置(霧化部)
CE 細胞(生体試料)
W 純水(水)

Claims (13)

  1. 生体試料を内部に収納して培養する培養容器であって、
    前記培養容器内に、水を貯える水槽と、該水槽に貯えられた水を蒸発させる蒸発促進手段と、が備えられている培養容器。
  2. 前記蒸発促進手段が前記水を加熱する加熱部を有し、該加熱部が前記水槽に配置されている請求項1記載の培養容器。
  3. 前記蒸発促進手段が、前記水と前記培養容器内の気体との接触面積を広げる面積拡大部を有する請求項1記載の培養容器。
  4. 前記面積拡大部が、キャピラリ効果を用いて水を吸い上げることにより、前記水と前記培養容器内の気体との接触面積を広げる請求項3記載の培養容器。
  5. 前記面積拡大部が、前記水槽に対して着脱自在に配置されている請求項3または4に記載の培養容器。
  6. 前記面積拡大部が、前記水槽と一体に形成されている請求項3または4に記載の培養容器。
  7. 前記面積拡大部が、前記水槽から供給される前記水を蒸発させる蒸発皿と、前記水槽から前記蒸発皿へ水の供給量を調節する水量調節手段とを有し、
    前記蒸発皿に貯えられる水の量が、前記水槽に貯えられる水の量よりも少ない請求項3記載の培養容器。
  8. 前記蒸発皿に供給された前記水の水深方向長さが、水面方向長さよりも短い請求項7記載の培養容器。
  9. 前記蒸発促進手段が、前記水を振動させる振動部を有する請求項1記載の培養容器。
  10. 前記振動部が前記水槽の底面に配置されている請求項9記載の培養容器。
  11. 前記水槽の底面の形状が、前記振動部から前記水に伝えられた振動を水面に向けて収束させる形状である請求項10記載の培養容器。
  12. 前記振動部の振動を用いて前記水を霧化する霧化部を有する請求項9記載の培養容器。
  13. 被観察体となる生体試料の情報を取得する生体試料観察システムにおいて、
    前記生体試料を内部に収納して培養する培養容器と、前記生体試料を観察して情報を取得する観察手段と、を有し、
    前記培養容器に、水を貯える水槽と、該水槽に貯えられた水を蒸発させる蒸発促進手段と、が備えられている生体試料観察システム。
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