JP2005535567A - 天然物精製のための高分子担持試薬 - Google Patents
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Abstract
【課題】天然物精製のための高分子担持試薬
【解決手段】一以上の不溶性高分子に担持された試薬を用いた、化学的に修飾された後の生物分子を精製するための方法を提供する。特に、本発明は、不溶性高分子担持消光試薬を用いた、標識された生物分子の高速精製のための方法を提供する。また、式(I):Rs-Sp-Re、ここで、Rsは不溶性高分子、Reは一以上の試薬残基、及びSpはRsとReを連結する一以上の化学的に強固なスペーサーである;の新規の高分子担持試薬、及びそれらの調製方法を提供する。
【解決手段】一以上の不溶性高分子に担持された試薬を用いた、化学的に修飾された後の生物分子を精製するための方法を提供する。特に、本発明は、不溶性高分子担持消光試薬を用いた、標識された生物分子の高速精製のための方法を提供する。また、式(I):Rs-Sp-Re、ここで、Rsは不溶性高分子、Reは一以上の試薬残基、及びSpはRsとReを連結する一以上の化学的に強固なスペーサーである;の新規の高分子担持試薬、及びそれらの調製方法を提供する。
Description
一連の標識、例えばビオチン化及び/又は蛍光標識による生物分子の標識化は、生化学的及び生物物理学的な研究室において頻繁に用いられる方法である。これらの化合物は、例えばアッセイや結合調査のような異なる応用に有用である。
所望の産物の純度が、品質と後の応用の確実性のために重要であるため、一連の精製工程、例えばゲルろ過、イオン交換クロマトグラフィー、又は逆相RP−HPLCは、生物分子の標識化後に行わねばならない。それにも関わらず、これらの工程の間に高回収率を有する精製産物はあまり達成されていない。
コンビナトリアル・ケミストリーの分野では、高分子に担持されたスカベンジャーの導入によって、未反応試薬及び/又は副産物からの所望の産物の精製を促進する簡単で効率的な方法の可能性が開かれた。一度固体担体と反応すれば、例えば濾過または抽出などにより、それを反応混合物から取り除くことができる。固体担体上に結合したスカベンジャーの一連の応用、そして有機合成の実行におけるそれらの応用、組合せの合成及び自動化された有機合成が開発されている。固体担体の例は、ポリスチレン樹脂、メリフィールド樹脂、ポリアミン樹脂、共重合体に接合されたポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)/ポリ(エチレングリコール)である。これらの樹脂は有機溶媒及び温度及び圧力に対して著しい安定性を示す。幾つかの例が、WO-A-9742230及び以下の参考文献に記載されている:Thompson L. A. Curr. Opin. Chemical Biol., 2000; 4: 324-337; Wentworth Jr., P. Trends Biotechnol., 1999, 17: 448-452。
共有結合性クロマトグラフィーによるタンパク質の精製も知られている;所望の産物は、高分子担体との選択的反応によって粗製反応混合物から抽出され、続いてろ過及びすすぎされる。第二の工程において、該タンパク質は樹脂から切断されることによって回収され得る。共有結合的クロマトグラフィーでは高分子担体は、他の(望ましくない)化合物の存在下で反応混合物中の所望の産物と反応する必要があり、また、結合した産物は該高分子から切断可能で回収可能であることが必要である。
本発明は、一以上の不溶性高分子に担持された試薬を用いた、化学的に修飾された後の生物分子を精製するための方法を提供する。前記高分子担持試薬は、過剰の試薬及び/又は望ましくない副産物と共有結合的に反応させるために、所望の化学的修飾された生物分子を含有する前記混合物と接触させられる。生物分子は生物によって生じた物質である。それらは、生物起源のタンパク質、ペプチド、DNA、RNA、脂質または小分子であってよい。高分子担持試薬は、副産物又は反応物と反応し、所望の精製産物を溶液中に残す。
高分子担持試薬(またはスカベンジャー樹脂と命名される)の使用は、化学的に修飾された生物分子の純度を高める迅速で簡単な方法を提供する。この精製は、前記高分子担持試薬を、所望の生物分子及び望ましくない副産物及び遊離体(educts)を含有する混合物とインキュベーションすること、及び、前記固体担体を除去することによって実行される。インキュベーション後の固体担体は、溶液から濾過され、または吸引によって溶液から分離される。
これらのスカベンジャー樹脂は、カラム又はバッチシステム中に充填して用いることができる。インキュベーション及び反応混合物の不溶性高分子担体からの分離は、一回以上繰り返されてよい。
好ましくは、本発明の精製方法は、非変性条件下で行われる。生物分子は、スカベンジャー樹脂による処理の間、その3次元構造を維持する。それ故、第二の工程において復元される必要がない。本発明の方法は、イオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー、及びゲルろ過のような他の精製工程の代替として、あるいはそれらと組み合わせて適用することができる。従って、本発明はまた、イオン交換樹脂;ゲルろ過樹脂;NH2反応樹脂、(例えばアクチゲルB、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル活性化カラム、CNBr活性化カラム、エポキシ-活性化カラム、カルボニルジイミダゾール活性化カラム。但しこれらの樹脂に限定されない);SH-反応樹脂(例えばヨードアセチル、ブロモアセチル、マレイミド、ピリジルジスルフィドカラム。但しこれらに限定されない)キレート樹脂、脱塩カラム、逆相吸着剤のような他の精製物質との組合せをも包含する。本発明は、引き続く一以上の工程において、一以上の他の精製物質と組み合わせて、またはそれら無しで、反応混合物をスカベンジャー樹脂と共にインキュベーションすることを含む。
本発明のさらなる態様は、前記方法の自動的な実施を含み、また平行な精製アレイのための装置(setup)を含む。好ましくは、必要な高分子の添加量が少量であるように、固体担体上に反応基が高度に集結している。
特に、本発明は、不溶性高分子に担持された消光試薬を用いた、標識化された生物分子の迅速な精製方法に関する。生物分子の標識化は、例えばビオチン化されることができ、或いは蛍光標識を導入されることができる。
従って、好ましい態様において、本発明は、何れも細胞発現によって或いはタンパク質からの化学的又は酵素的切断によって得られる、例えばタンパク質、タンパク質混合物及び/又はペプチドのような標識化生物分子を含む反応混合物から、ビオチン化及び/又は蛍光薬剤を除去する方法を提供する。
上記したように、本発明は、望ましくない副産物及び/又は未反応開始物質を補足することによって、修飾された生物分子の精製の改良に取り組む。生物分子は、タンパク質、タンパク質の酵素的及び/又は化学的切断によって得られた及び/又は細胞系によって生成されたペプチドであってよい。これらのタンパク質及びペプチドは、翻訳後の修飾、例えば、リン酸化、グリコシル化、ミリストイル化、及びパルミトイル化を含んでよい。また生物分子は、生物由来のDNA、RNA、オリゴヌクレオチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、リン脂質、糖、小分子(例えばNAD、NADH、ATP、ADP、AMP、GFP、GDP、GMPなど。但し、これらに限定されない。)であってよい。
これらの生物分子の化学的修飾は、ビオチン化又は蛍光薬剤による標識であってよい。ビオチン化及び蛍光薬剤は3つの部分を含んでいる:ビオチン及び/又は蛍光標識;ゼロ、一またはそれ以上のリンカー及び生物分子に結合することを可能とする化学基である。リンカーは、結合及び消光工程が行われる条件で化学的に強固であることが期待される。これは通常、CH2-CH2 ; CH2-CH ; CH-CH2 ; CH-CH ; CH=CH ; CH-N ; CH2-N ; CH-O ; CH2-O ; CH-S ; CH2-S ; CD2-CD2 ; CD2-CD ; CD-CD2 ; CD-CD ; CD=CD ; CD-N ; CD2-N ; CD-O ; CD2-O ; CD-S ; CD2-S C(=O)-N ; N-C(=O) ; C(=O)-O ; O-C(=O) ; O-C(=O)-N ; N-C(=O)-O ; N-C(=O)-N ; O-C(=O)-O及びそれらの組合せ(Dは重水素に相当する)から構成される。生物分子と反応する基は、ヨードアルキル、ブロモアルキル、マレイミド、ジチオピリジン、ジスルフィド、イソチオシアネート、スクシンイミジルエステル、スルホスクシンイミジルエステル、アルデヒド、ケトン、ジクロロトリアジン、ジアゾールカルボン酸、塩化スルフォニル、アシルアジド、アシルニトリル、酸塩化物、アミノ基、ヒドラジン、ヒドラジド、ヒドロキシルアミン、アルコール、カルボジイミド、及びそれらの組合せとすることができる。
蛍光標識は、光又は熱によって励起されて光子を放出可能である全ての分子を含む。例えばフルオレセイン、エオシン、ジニトロフェニル、ナフタレン及び置換ナフタレン(例えばダンシル)、クマリン、[Ru(bipy)3]2+、BODIPY(登録商標)フルオロフォア、ローダミン、テキサスレッドTM、インドカルボシアニン(Indocarbocyanine)(Cy3)又はインドジカルボシアニン(Indodicarbocyanine)(Cy5)、アレクサフルオロ(Alexa Fluor)(登録商標)、ナイルレッド、アロフィコシアニン(Allophycocyanine)、オレゴングリーン(登録商標)、インドトリカルボシアニン(Indotricarbocyanine)(Cy7)、ユーロピウムトリスビピリジンクリプテート(Europium trisbipyridine cryptate)、N-[7-ニトロベンズ-2-オキサ-1,3-ジアゾール-4-イル]である。
本発明の方法は、二つの特徴のために特にナノテクノロジー的アプローチにとって魅力的である。それは簡単な一工程のアプローチであり、所望の産物を固体担体に結合または相互作用させる必要がない。第二に、固体担体上に消光基が高度に集結することで、消光高分子の添加量を少量にすることができる。
本精製方法において用いられる不溶性高分子担持試薬は、少なくとも一つの試薬残基を有している高分子から成る。好ましくは、該試薬残基は、チオール(-SH)、ヒドロキシル(-OH)、カルボキシル、ホルミル、ケト(COOH,CH=O,C=O)グアニジノ、アミノ基及びそれらの誘導体(NR1R2、ここで、R1及びR2は独立して水素原子、C1-C12アルキル又はアリール基、NR1R2、OHを表す。)、アズラクトンから成る群から選択される。好ましくは、少なくとも0.01mmol、より好ましくは0.05mmolの試薬残基が、1グラムの樹脂上に共有的に結合するかまたは固定化される。通常、高分子担体上に、消光官能基を望ましい高度に装填(loading)するには二つの合成方法がある。第一の方法において、高分子1グラム当たり0.01mmolより多い官能基が存在する高分子は、化学的に修飾されて、高分子1グラム当たり0.01mmolより多い消光官能基を有する新規の高分子担持消光試薬を与える。第二の方法において、連結官能基、及び二つ以上の消光官能基を有している多機能性のまたは樹状の分子を、高分子1グラム当たり2mmolより少ない結合サイトで高分子に結合させる。この方法において、消光サイトの数は、結合サイトの数と比較して増幅される。本発明に従って用いられるために必要な高分子の一つの特徴は、不溶性である。不溶性という用語は、該高分子が溶媒に溶解しないということを意味し、ここで精製反応は、例えば水、或いは水/有機溶媒混合物、及び有機溶媒などで実行される。例えば、高分子担体は架橋結合ポリスチレン、ポリアクリルアミド、及びポリアクリレート、ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン)、ポリ(スチレン-ジビニルベンゼン/ポリ-(エチレングリコール)共重合体(テンタゲル(Tentagel)(登録商標)樹脂としても知られる)から形成される。言うまでもなく、当該分野で既知の他の高分子担体、例えばポリアミド、ポリアミド/ポリエチレングリコール共重合体、ポリスルホン、ラテックス、ポリエステル、紙、ポリプロピレン、ポリエチレン、ニトロセルロースも本発明において都合よく用いることができる。テンタゲルは、ラップポリマーGmbHの商標である。テンタゲル樹脂は、ポリエチレングリコール(PEG又はPOE)が接合された、低級架橋結合ポリスチレンマトリックスから成る接合された共重合体である。
高分子担体のもう一つの分類は、セファロース、アガロース(非架橋結合及び架橋結合)、セルロース、アクリルアミドと共重合したポリサッカリド(例えば、N,N’-メチレン-ビス(アクリルアミド)、N−アクリロイル-2-アミノ-2-ヒドロキシメチル-1,3プロパンジオール、但し、これら二つの化合物に限定されない。)のようなポリサッカリド樹脂である。たとえ、これら最後の化合物が上記したもののような高い安定性を示さなくても、それらはタンパク質の精製手順において最も用いられる樹脂である。
この試薬残基は、スペーサーによって高分子担体に結合し得る。該スペーサーは、精製工程又は消光工程が行われる条件に化学的に耐性であり、通常、式-CH2-CH2- ; -CH2-CH- ; -CH-CH2- ; -CH-CH- ; -CH=CH- ; =CH-N= ; -CH2-N ; -CH-O- ; -CH2-O- ; -CH-S- ; -CH2-S- ; -C(=O)-N- ; -N-C(=O)- ; -C(=O)-O- ; -O-C(=O)- ; -O-C(=O)-N- ; -N-C(=O)-O- ; -N-C(=O)-N- ; -O-C(=O)-O又はそれらの組合せその他である。スペーサーは、一以上の試薬残基と結合でき、また、同一の式かまたは異なる式の他のスペーサーと結合することもできる。本発明の方法で用いられる不溶性高分子担持試薬は、高分子の開始物質を、各合成工程の後に一以上の溶媒ですすぐ、1〜4の合成工程で高分子担持試薬に転換することによって調製されることができ、例えばWO-A-9742230に開示されている。高分子担持試薬の調製は、既知の高分子から開始する。高分子担持試薬は、容易に入手可能な開始物質、例えば、都合の良いリンカー官能基を含む不溶性ポリマー又はそれらの誘導体、及び、両立性の連結官能基を有している一以上の多機能性試薬、及び精製又は消光反応工程において使用される一以上の官能基等から、1〜4の合成工程で製造される。
好ましい高分子の開始物質は、固相ペプチド又は固相有機合成の分野の技術者に周知である。
また、本発明は、式Iの高分子担持試薬であって:
Rs-Sp-Re I
ここで、Rsはポリサッカリド樹脂、セルロース、アクリルアミドと共重合したポリサッカリドから選択される不溶性高分子であり;Reは、望ましくない副産物、又は過剰の試薬と選択的に共有結合性反応が可能である一以上の試薬残基であり;Spは、RsとReを連結する一以上の化学的に強固なスペーサーである、高分子担持試薬を提供する。好ましくは、該試薬残基Reはチオール、ヒドロキシ、カルボキシル、ホルミル、ケト、グアニジノ、アミノ基及び上記定義のようなそれらの誘導体、アズラクトンから成る群から選択され、前記スペーサーSpは上記定義の通りである。上記定義の式Iの化合物を調製する方法も、本発明のさらなる目的であり、該方法は、上記定義の高分子開始物質Rsを、各工程の後に一以上の溶媒で徹底的にすすぐ1〜4の合成工程において式Iの化合物に転換することを含む。
Rs-Sp-Re I
ここで、Rsはポリサッカリド樹脂、セルロース、アクリルアミドと共重合したポリサッカリドから選択される不溶性高分子であり;Reは、望ましくない副産物、又は過剰の試薬と選択的に共有結合性反応が可能である一以上の試薬残基であり;Spは、RsとReを連結する一以上の化学的に強固なスペーサーである、高分子担持試薬を提供する。好ましくは、該試薬残基Reはチオール、ヒドロキシ、カルボキシル、ホルミル、ケト、グアニジノ、アミノ基及び上記定義のようなそれらの誘導体、アズラクトンから成る群から選択され、前記スペーサーSpは上記定義の通りである。上記定義の式Iの化合物を調製する方法も、本発明のさらなる目的であり、該方法は、上記定義の高分子開始物質Rsを、各工程の後に一以上の溶媒で徹底的にすすぐ1〜4の合成工程において式Iの化合物に転換することを含む。
開始物質は、生物分子の精製の分野の技術者に周知である。それらは商業的に入手可能であるか、または科学的な文献において知られている。
新規の高分子担持試薬を得る方法は、次のスキームに記載されており、ここで、Rs及びSpは、上記定義のものである:
Rs-Br + NH3又はH2N-Sp-NH2 -> Rs-NH2 又はRs-NH-Sp-NH2
Rs-Br + HS-Sp-SH -> Rs-S-Sp-SH
高分子担持消光試薬の選ばれた最も好ましい例を得るための特定の方法は、実施例1または2に記載される。
Rs-Br + NH3又はH2N-Sp-NH2 -> Rs-NH2 又はRs-NH-Sp-NH2
Rs-Br + HS-Sp-SH -> Rs-S-Sp-SH
高分子担持消光試薬の選ばれた最も好ましい例を得るための特定の方法は、実施例1または2に記載される。
[実施例1]
アクチゲルB-NH2樹脂の調製
マトリックス-O-スペーサー-O-CH2-CH(OH)-CHBr + H2N-CH2-CH2-NH2-->
マトリックス-O-スペーサー-O-CH2-CH(OH)-CH2-NH-CH2-CH2-NH2
アクチゲルB樹脂(1 ml, 150 mmol/l)を0.1 MのK2CO3で3回洗浄し、333μlのエチレンジアミン(300 mg, 5 mmol)と共に0.1 MのK2CO3 4.5 ml中、4℃で一晩インキュベートした。
アクチゲルB-NH2樹脂の調製
マトリックス-O-スペーサー-O-CH2-CH(OH)-CHBr + H2N-CH2-CH2-NH2-->
マトリックス-O-スペーサー-O-CH2-CH(OH)-CH2-NH-CH2-CH2-NH2
アクチゲルB樹脂(1 ml, 150 mmol/l)を0.1 MのK2CO3で3回洗浄し、333μlのエチレンジアミン(300 mg, 5 mmol)と共に0.1 MのK2CO3 4.5 ml中、4℃で一晩インキュベートした。
この樹脂を、0.1 MのK2CO3(3×5 ml)、PBS(リン酸緩衝食塩水、3×5 ml)、そして最後にPBS/20%エタノール(3×5 ml)で洗浄した。貯蔵のために、樹脂はPBS/エタノール(4:1, v:v)の溶液中に保存した。
[実施例2]
アクチゲルB-SH樹脂の調製
マトリックス-O-スペーサー-O-CH2-CH(OH)-CHBr + HS-CH2-CH2-CH2-SH-->
マトリックス-O-スペーサー-O-CH2-CH(OH)-CH2-S-CH2-CH2-CH2-SH
アクチゲルB樹脂(1 ml, 150 mmol/l)を0.1 MのK2CO3で3回洗浄し、500μlのプロパンジチオール(540 mg, 5 mmol)と共に0.1 MのK2CO3 4.5 ml中、4℃で一晩インキュベートした。
アクチゲルB-SH樹脂の調製
マトリックス-O-スペーサー-O-CH2-CH(OH)-CHBr + HS-CH2-CH2-CH2-SH-->
マトリックス-O-スペーサー-O-CH2-CH(OH)-CH2-S-CH2-CH2-CH2-SH
アクチゲルB樹脂(1 ml, 150 mmol/l)を0.1 MのK2CO3で3回洗浄し、500μlのプロパンジチオール(540 mg, 5 mmol)と共に0.1 MのK2CO3 4.5 ml中、4℃で一晩インキュベートした。
この樹脂を、0.1 MのK2CO3(3×5 ml)、PBS(3×5 ml)、及び貯蔵のためにPBS/20%エタノール(3×5 ml)で洗浄した。
[実施例3]
アクチゲルB-NH2樹脂の確認
60μgのフルオレセイン-5(6)-カルボキシアミド-カプロン酸-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(0.10 μmol)を6μlのDMFに溶解し、100μlのPBSで希釈し、2,10及び20μlのアクチゲルB-NH2樹脂と共に、4℃で90分〜一晩インキュベートした。最後に、固体担体を濾過し、PBSで洗浄する。非結合フルオレセインの量は、蛍光分光法によって証明できる。
アクチゲルB-NH2樹脂の確認
60μgのフルオレセイン-5(6)-カルボキシアミド-カプロン酸-N-ヒドロキシスクシンイミドエステル(0.10 μmol)を6μlのDMFに溶解し、100μlのPBSで希釈し、2,10及び20μlのアクチゲルB-NH2樹脂と共に、4℃で90分〜一晩インキュベートした。最後に、固体担体を濾過し、PBSで洗浄する。非結合フルオレセインの量は、蛍光分光法によって証明できる。
[実施例4]
アクチゲルB-SH樹脂の確認
70μgのフルオレセインマレイミド(0.16 μmol)を7μlのDMFに溶解し、100μlのPBS、pH=7.2に希釈し、5,20及び50μlのアクチゲルB-SH樹脂と共に、4℃で90分〜一晩インキュベートした。最後に、固体担体を濾過し、PBSで洗浄した。非結合フルオレセインの量は、蛍光分光法によって証明できる。
アクチゲルB-SH樹脂の確認
70μgのフルオレセインマレイミド(0.16 μmol)を7μlのDMFに溶解し、100μlのPBS、pH=7.2に希釈し、5,20及び50μlのアクチゲルB-SH樹脂と共に、4℃で90分〜一晩インキュベートした。最後に、固体担体を濾過し、PBSで洗浄した。非結合フルオレセインの量は、蛍光分光法によって証明できる。
[実施例5]
精製のための樹脂の使用
40μlのNH4HCO3 50 mM, pH=8に溶解したカゼインタンパク質の混合物40μgを、NH4HCO3 50 mM, pH=8中に20μgのEZ-結合PEOビオチン(Pierce)を含有する溶液20μlと共に、37℃で2時間インキュベートした。この後、この反応混合物に10μlのアクチゲルB-SHを添加し、さらに30〜60分間インキュベートした。ろ過または回転降下(spinning down)によって樹脂を取り除いた。樹脂を10μlのNH4HCO3 50 mM, pH=8で2回洗浄し、洗浄液にタンパク質溶液を加えた。このアプローチを確認するため、及び消光の効率を調べるために、上清溶液を、RP-C4カラム(Vydac 4.6×250 mm, 300Å管孔サイズ、7.5μ)を使用してHP 1090分離システムに注入した。効率は、波長220及び280 nmでの吸収跡を比較してモニターした。EZ結合PEO-ビオチンの90%の減少を観察することができたが、タンパク質の回復は>90%であった。
精製のための樹脂の使用
40μlのNH4HCO3 50 mM, pH=8に溶解したカゼインタンパク質の混合物40μgを、NH4HCO3 50 mM, pH=8中に20μgのEZ-結合PEOビオチン(Pierce)を含有する溶液20μlと共に、37℃で2時間インキュベートした。この後、この反応混合物に10μlのアクチゲルB-SHを添加し、さらに30〜60分間インキュベートした。ろ過または回転降下(spinning down)によって樹脂を取り除いた。樹脂を10μlのNH4HCO3 50 mM, pH=8で2回洗浄し、洗浄液にタンパク質溶液を加えた。このアプローチを確認するため、及び消光の効率を調べるために、上清溶液を、RP-C4カラム(Vydac 4.6×250 mm, 300Å管孔サイズ、7.5μ)を使用してHP 1090分離システムに注入した。効率は、波長220及び280 nmでの吸収跡を比較してモニターした。EZ結合PEO-ビオチンの90%の減少を観察することができたが、タンパク質の回復は>90%であった。
Claims (21)
- 一以上の不溶性高分子担持試薬を用いた、化学的修飾後の生物分子の精製方法。
- 不溶性高分子担持消光試薬を用いた、標識化生物分子を高速精製するための請求項1に記載の方法。
- 前記生物分子はビオチン化によって、または蛍光標識の導入によって標識されたものである、請求項2に記載の方法。
- 何れも細胞発現によって或いはタンパク質からの化学的又は酵素的切断によって得られる、タンパク質、タンパク質混合物及び/又はペプチドを含む反応混合物から、ビオチン化及び/又は蛍光薬剤を除去するための請求項3に記載の方法。
- 過剰の試薬及び/又は望ましくない副産物と共有結合的に反応させるために、前記高分子担持試薬を、所望の化学的修飾された生物分子を含有する前記混合物と接触させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 前記生物分子が、生物起源のタンパク質、ペプチド、DNA、RNA、脂質または小分子である、請求項1に記載の方法。
- 前記高分子担持試薬を、所望の生物分子及び望ましくない副産物及び遊離体を含有する混合物とインキュベーションすること、及び、前記固体担体をろ過又は吸引によって除去することによって実行される、請求項1に記載の方法。
- 前記高分子担持試薬がカラム又はバッチシステム中に充填される、請求項1に記載の方法。
- 前記インキュベーション及び扶養請求項高分子担体からの前記反応混合物の分離を一回以上繰り返して行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
- 非変性条件下で行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
- 他の精製工程の代替として及び/又は他の精製工程と組み合わせて行うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記高分子担持試薬は、前記固体担体上に存在する反応基が高度に集結していることによって特徴付けられる、請求項1又は2に記載の方法。
- ナノテクノロジー的アプローチにおいて実行される、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記高分子担持試薬は、少なくとも一つの試薬残基を有している高分子から成り、前記試薬残基はチオール、ヒドロキシル、カルボキシル、ホルミル、ケト、グアニジド、アミノ基及びそれらの誘導体及びアズラクトンから成る群から選択され、少なくとも0.01 mmolの前記試薬残基が、1グラムの樹脂に共有結合されるかまたは固定化された、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記高分子担持試薬が、架橋結合したポリスチレン、ポリアクリルアミド及びポリアクリル酸塩、ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン)、ポリ(スチレン−ジビニルベンゼン/ポリ(エチレングリコール)共重合体、ポリサッカリド樹脂様セファロース、アガロース(非架橋結合性および架橋結合性)、セルロース、アクリルアミドと共重合したポリサッカリドによって形成されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記高分子担持試薬は、前記試薬残基と高分子担体とを結合するスペーサーによって特徴付けられ、前記スペーサーは、精製又は消光工程が行われる条件に化学的に耐性である、請求項1又は2に記載の方法。
- 前記スペーサーは、式-CH2-CH2- ; -CH2-CH- ; -CH-CH2- ; -CH-CH- ; -CH=CH- ; =CH-N= ; -CH2-N ; -CH-O- ; -CH2-O- ; -CH-S- ; -CH2-S- ; -C(=O)-N- ; -N-C(=O)- ; -C(=O)-O- ; -O-C(=O)- ; -O-C(=O)-N- ; -N-C(=O)-O- ; -N-C(=O)-N- ; -O-C(=O)-O又はそれらの組合せその他である、請求項16に記載の方法。
- 前記スペーサーは、一以上の試薬残基と結合し、及び/又は、同一の式又は異なる式の他のスペーサーと結合していることを特徴とする、請求項16又は17に記載の方法。
- 式Iの高分子担持試薬であって:
Rs-Sp-Re I
ここで、Rsはポリサッカリド樹脂、セルロース、アクリルアミドと共重合したポリサッカリドから選択される不溶性高分子であり;Reは、望ましくない副産物、又は過剰の試薬と選択性共有結合反応が可能である一以上の試薬残基であり;Spは、Rs及びReを連結する一以上の化学的に強固なスペーサーである。 - Reが、請求項14で定義されたように、チオール、ヒドロキシ、カルボキシル、ホルミル、ケト、グアニジノ、アミノ基及びそれらの誘導体及びアズラクトンから成る群から選択され、前記スペーサーが請求項17で定義されたものである、請求項19に記載の高分子担持試薬。
- 請求項19で定義された式Iの化合物を調製する方法であって、請求項19で定義された高分子開始物質Rsを、各合成工程の後に一以上の溶媒で徹底的にすすぐ1〜4の合成工程において式Iの化合物に転換することを含む方法。
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