JP2023548062A - 自己精製された核酸コードライブラリー - Google Patents

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Abstract

本発明は、核酸コード化合物及び核酸コード化合物のライブラリーを生成する方法に関する。リンカーによって固体支持体に接続された足場を含む新生化合物は、1つ以上の化学ビルディングブロックに共有結合して、足場に結合した化学部分を形成する。1つ以上の化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドを新生化合物に共有結合させて、足場に結合したコーディング核酸部分を形成する。開裂基を化合物の化学部分、核酸部分、または足場に結合する。リンカーが開裂され、化合物が固体支持体から遊離されるように、次いで、リンカーを開裂基と反応させる。核酸コード化合物及びライブラリーならびにそれらの製造方法が提供される。

Description

本発明は、核酸コード化学ライブラリー、特に自己精製された核酸コード化学ライブラリー、ならびにその製造方法及び適用に関する。
DNAコード化学ライブラリー(DEL)は、薬物開発のための強力なツールである。DNAにコードされた化学ライブラリーの生成について提案された最初の方法では、分割サイクル及びプールサイクルで、共通のリンカー(例えば、ビーズ)上でポリマー(例えば、ペプチド)とオリゴヌクレオチド配列(コード配列として機能)を交互に段階的に合成する(Brenner,S.and Lerner,R.A.PNAS USA 89(1992),5381-5383;米国特許第5,573,905号;WO93/20242)。標的タンパク質に対するアフィニティーキャプチャーの後、選択されたライブラリーメンバーの識別子オリゴヌクレオチドの集団がPCRによって増幅される。化学物質の構造は、PCR産物の配列決定によって解読される。コード手順は、化学合成、DNA重合、またはDNA断片のライゲーションを含むさまざまな方法によって実行でされ得ると仮定されていた(Brenner,S.and Lerner,R.A.PNAS USA 89(1992),5381-5383;米国特許第5,573,905号;WO93/20242)。その後、DNAにコードされた化学ライブラリーを生成する様々な方法が当該技術分野で記載されている(例えば、Mannocci,L.et al.PNAS USA 105(46):17670-17675;Brenner,S.and Lerner,R.A.supra;Nielsen,J.,et al.,J.Am.Chem.Soc.115(1993);Needels et al.,M.C.,PNAS USA 90(1993),10700-10704;Gartner,Z.J.,et al.,Science 305(2004),1601-1605;Melkko,S.,et al.,Nat.Biotechnol.22 568-574(2004);Sprinz,K.I.,et al.,Bioorg.Med.Chem.Lett.15(2005),pp.3908-3911;Leimbacher et al Chemistry.2012 Jun 18;18(25):7729-37;Clark et al Nat Chem Biol.2009 Sep;5(9):647-54;WO2009/077173;WO2003/076943;欧州特許第3284851号;欧州特許第3184674号を参照のこと)。
DEL技術の確立された使用により、特定の核酸タグによって個別にコードされる多数の化合物(通常は100万から1億のオーダー)のスクリーニングが可能になり、及び目的のタンパク質に対するDEL全体の親和性に基づくスクリーニングが1回の実験で実行可能である。DEL技術は現在、製薬業界で広く使用されている。
これまで、DELの構築における個々の合成ステップの可変収量により、連続する合成ステップの数と、組み込むことができるビルディングブロックの性質が制限されてきた。増大したサイズ及び/または純度のDELの構築を可能にする方法が有用であろう。
本発明者らは、固体支持体からの選択的開裂により中間体からインタクトまたは完全なライブラリーメンバーを自己精製する、核酸コードライブラリーを生成する方法を開発した。これは、例えば、個々のメンバーが複雑な構造及び/または多数のビルディングブロックを有する、大きな及び/または純粋な核酸コードライブラリー及び/または核酸コードライブラリーの産生を促進し得る。これらの方法によって生成されたライブラリーは、例えば、改善されたスクリーニング性能を示す場合があり、及び/または標的タンパク質の大きな表面に結合できるメンバーを含む場合がある。
本発明の第1の態様は、核酸コード化合物の製造方法であって、以下のステップ:
リンカーによって固体支持体に接続された足場を含む新生化合物を提供することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックを新生化合物に共有結合させて、足場に結合した化学部分を形成することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドを新生化合物に共有結合させて、足場に結合したコーディング核酸部分を形成することと、
開裂基を化合物の化学部分、核酸部分、または足場に結合することと、
リンカーが開裂され、化合物が固体支持体から遊離されるように、リンカーと開裂基とを反応させることと、を含む方法を提供する。
本発明の第2の態様は、各ライブラリーメンバーについて、核酸コード化学ライブラリーを生成するための方法であって、以下:
リンカーによって固体支持体に接続された足場を含む新生メンバーを提供することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックを新生メンバーに共有結合させて、足場に結合した化学部分を形成することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドを新生メンバーに共有結合させて、足場に結合したコーディング核酸部分を形成することと、
開裂基を化学部分、核酸部分、または足場に結合することと、
リンカーが開裂され、メンバーが固体支持体から遊離されるように、リンカーと開裂基とを反応させることと、を含む方法を提供する。
第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、開裂基を化学部分に結合させ得る(図1A)。固体支持体からの選択的遊離は、完全な化学部分、または化学部分の完全なセグメントの存在によって開始され得る。
第1及び第2の態様の他の実施形態では、開裂基をコーディング核酸部分に結合させてもよい(図1B)。固体支持体からの選択的遊離は、完全な核酸部分、または核酸部分の完全なセグメントの存在によって開始され得る。
第1及び第2の態様の他の実施形態では、開裂基を足場に結合させてもよい(図1C)。固体支持体からの選択的遊離は、完全な足場の存在によって開始され得る。
第1及び第2の態様のいくつかの実施形態では、新生化合物またはメンバーの足場は、足場が第1のリンカー及び第2のリンカーによって固体支持体に接続されるように、第2のリンカーによって固体支持体にさらに接続され得る。本方法は、
第1のリンカー及び第2のリンカーによって固体支持体に連結された足場を含む新生化合物またはメンバーを提供することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックを新生化合物またはメンバーに共有結合させて、足場に結合した化学部分を形成することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドを新生化合物またはメンバーに共有結合させて、足場に結合したコーディング核酸部分を形成することと、
コーディング核酸部分の化学的部分または足場の1つに第1の開裂基を結合させることと、
第2の開裂基を別のコーディング核酸部分、化学部分または足場に結合させることと、
第1のリンカーが開裂されるように、第1のリンカーと第1の開裂基とを反応させることと、
第2のリンカーが開裂され、化合物またはメンバーが固体支持体から遊離されるように、第2のリンカーと第2の開裂基とを反応させることと、を含み得る。
第1及び第2のリンカーは、任意の順序で順次または同時に開裂されてもよい。
化合物またはメンバーは、もし固体支持体が、(i)完全な化学部分またはその化学部分の完全なセグメントと、完全な核酸部分またはその核酸部分の完全なセグメントとの両方を含む場合、(ii)完全な化学部分またはその化学部分の完全なセグメント及び完全な足場を含む場合、または(iii)完全なコーディング核酸部分、またはそのコーディング核酸部分の完全なセグメント及び完全な足場の両方を含む場合、固体支持体から遊離される。
いくつかの実施形態では、開裂基または第1の開裂基は、化学部分または足場に共有結合され得る。好ましくは、開裂基は、化学部分の末端化学ビルディングブロックに共有結合される。
他の実施形態では、開裂基は、化学的部分または足場に非共有結合される場合もある。例えば、アンカーオリゴヌクレオチドを化学部分または足場、好ましくは化学部分の末端化学ビルディングブロックに結合させること、及び前記アンカーオリゴヌクレオチドを、開裂基に連結された補助オリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることによる。例えば、核酸コード化合物または化学ライブラリーを生成する方法は、以下のステップ;
アンカーオリゴヌクレオチドを化学部分または足場に結合させることと、
開裂基に結合した補助オリゴヌクレオチドを提供することと、
結合オリゴヌクレオチドを補助オリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることと、
リンカーが開裂されるように、リンカーと開裂基とを反応させることと、を含んでもよい。
いくつかの実施形態において、開裂基は、核酸部分に共有結合され得る。好ましくは、開裂基は核酸部分の末端に共有結合される。
他の実施形態では、開裂基は、例えば、開裂基に連結された補助オリゴヌクレオチドと前記コーディング核酸部分とをハイブリダイズすることによって、核酸部分に非共有結合で結合され得る。好ましくは、補助オリゴヌクレオチドはコーディング核酸部分の末端にハイブリダイズされる。例えば、核酸コード化合物または化学ライブラリーを生成する方法は、以下のステップ;
開裂基に共有結合した補助オリゴヌクレオチドを提供することと、
補助オリゴヌクレオチドをコーディング核酸部分にハイブリダイズさせることと、
リンカーが開裂されるように、リンカーと開裂基とを反応させることと、を含み得る。
リンカーは、化学部分、足場、またはコーディング核酸部分への結合後で、かつ開裂基との反応前に、変換されてもまたは活性化されてもよい。
いくつかの実施形態では、開裂基は、化学部分、足場、またはコーディング核酸部分への結合の後で、かつリンカーとの反応の前に、さらなる変換を必要としない場合もある。他の実施形態では、開裂基は、化学部分、足場、またはコーディング核酸部分への結合後で、かつ開裂基との反応前に、活性化され得る。
いくつかの好ましい実施形態では、キャッピングステップは、各化学ビルディングブロックの添加後、及び任意選択で各コーディングオリゴヌクレオチドの添加後に実施され得る。これにより、開裂基が不完全な核酸またはペプチド核酸コード化合物に結合するのを防ぐ。
本明細書に記載の態様では、リンカーを開裂し、化合物またはメンバーを遊離することに加えて、開裂基は、化学部分の末端を足場に連結して大員環を生成する共有結合を形成し得る。例えば、リンカーと開裂基との反応は、メンバーによって提示される化学物質が大環状であるように、化学ビルディングブロックの鎖を足場に共有結合する環化要素または開裂部分を生成し得る。
本発明の第3の態様は、以下のステップを含む核酸コード化合物の製造方法であって:
第1リンカーによって固体支持体に接続された足場を含む新生化合物を提供することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックを新生化合物に共有結合させて、足場に結合した化学部分を形成することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドを新生化合物に共有結合させて、足場に結合したコーディング核酸部分を形成することと、
化合物の化学部分を第2のリンカーで固体支持体に接続することと、
第1のリンカーを開裂することと、
化合物が固体支持体から遊離されるように、第2のリンカーを開裂することと、を含む方法を提供する。
第3の態様による第1及び第2のリンカーは、直交開裂可能であり得る。
第3の態様の方法において、完全な化学部分を有する化合物は、第2のリンカーによって固体支持体に共有結合される。不完全な化学部分を有する化合物は、第2のリンカーによって固体支持体に共有結合されない。したがって、不完全な化学部分を有する化合物は、第1のリンカーの開裂によって固体支持体から選択的に遊離される。完全な化学部分を有する化合物は、第2のリンカーによって固体支持体に結合したままである。第2のリンカーの開裂は、これらの化合物を固体支持体から選択的に遊離する。
好ましくは、キャッピングステップは、各化学ビルディングブロックの添加後に実施される。不完全な化学部分を有する化合物は、第2のリンカーへの接続を防ぐためにキャップされたままであってもよい。
本明細書に記載の第1から第3の態様のすべてにおいて、化学ビルディングブロックは、新生メンバーまたは化合物に順次付加されて、末端が新生メンバーに結合された線状化学部分(すなわち、化学ビルディングブロックの鎖)及び遊離端を形成し得る。各化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドは、新生メンバーに順次付加されて、直鎖状コーディング核酸部分を形成し得る。本発明の方法は、化学ビルディングブロックを新生化合物またはメンバーに共有結合させること、及び化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドを新生メンバーに共有結合させることを含み得る。これを1回以上繰り返して、化学部分及びコーディング核酸部分を生成し得る。化学ビルディングブロックの結合に続いて、結合された化学ビルディングブロックを欠く未反応種は、次の化学ビルディングブロックの添加前にキャッピングされてもよい。
第4の態様は、第1から第3の態様の方法によって生成された核酸コードライブラリーを提供する。
本発明のこれら及び他の態様及び実施形態は、以下でより詳細に説明される。
可能な固体支持体化合物の概略図を示している。(A)、(B)、及び(C)の固体支持体化合物はそれぞれ、リンカーによって足場に結合した固体支持体を含む。(A)、(B)、及び(C)のそれぞれにおいて、化学的部分ならびに核酸部分が足場に結合している。(A)では、開裂基が化学部分に結合されている。(B)では、開裂基は核酸部分に結合しており、(C)では、開裂基は足場に結合している。略語:開裂基(CG)。 核酸またはペプチド核酸コード化合物または化学ライブラリーメンバーの自己精製の模式図を示す。示された実施形態では、開裂基は、化学部分に結合している。開裂基と化学部分との反応により、固体支持体から自己精製された化合物が遊離される。示されるこの実施形態において、開裂基とリンカーとの反応は、化学部分を足場に接続する生成物(CG/リンカー生成物;または開裂部分)をもたらす。開裂されたリンカーの一部は、固体支持体化合物に結合したままであってもよい。略語:開裂基(CG)。 核酸またはペプチド核酸コード化合物または化学ライブラリーメンバーの自己精製の模式図を示す。示された実施形態では、開裂基は化学部分に結合している。開裂基と化学部分との反応により、固体支持体から自己精製された化合物が遊離される。示されるこの実施形態において、開裂基とリンカーとの反応は、化学部分に結合される開裂基生成物(CG生成物)をもたらす。開裂されたリンカーの一部は、固体支持体化合物に結合したままであってもよい。略語:開裂基(CG)。 核酸またはペプチド核酸コード化合物または化学ライブラリーメンバーの自己精製の模式図を示しており、別個の化学部分及びコーディング核酸部分の精製のために2つの直交リンカーが使用される。2つの直交開裂基が使用され、開裂基1(CG1)は、化学部分に結合し、開裂基2(CG2)は核酸部分に結合する。示される実施形態では、開裂基1(CG1)はリンカー1と反応してリンカー1を開裂し、化学部分を足場に接続する生成物(CG1/リンカー1生成物)をもたらす。示される実施形態において、開裂基2(CG2)はリンカー2と反応してリンカー2を開裂し、核酸部分に結合する開裂基生成物(CG2生成物)をもたらす。両方のリンカーが開裂されると、自己精製された化合物が固体支持体から遊離される。それぞれの開裂されたリンカーの一部は、固体支持体化合物に結合したままであり得る。略語:開裂基(CG)、開裂基1(CG1)、開裂基2(CG2)。 固体支持化合物中の化学ビルディングブロックの2つの可能な配置の概略図を示している。(A)では、化学ビルディングブロックの線形配置が示されている。(A)では、ビルディングブロック1(化学ビルディングブロック1)が足場に取り付けられている。(A)では、ビルディングブロック2(化学ビルディングブロック2)がビルディングブロック1(化学ビルディングブロック1)に結合されている。(A)において、ビルディングブロックは、末端ビルディングブロック(化学的ビルディングブロックn)で終わるビルディングブロックの直鎖を形成するように配置されており、これは次に示される実施形態において開裂基(CG)に結合される。(B)では、化学部分の架橋構造が示されており、これは、最初に 3つのビルディングブロックを結合して直鎖を形成すること、次にビルディングブロック4(化学ビルディングブロック4)と、ビルディングブロック3(化学ビルディングブロック3)及びビルディングブロック1(化学ビルディングブロック1)の両方とを結合することによって形成される。(B)に示される実施形態では、さらなるビルディングブロックがビルディングブロック3(化学ビルディングブロック3)に結合され得、末端ビルディングブロック(化学ビルディングブロックn)で終わり、これが次いで開裂基(CG)に結合される。略語:開裂基(CG)、ビルディングブロック(化学ビルディングブロック)、ビルディングブロック1(化学ビルディングブロック1)、ビルディングブロック2(化学ビルディングブロック2)、ビルディングブロック3(化学ビルディングブロック3)、ビルディングブロック4(化学ビルディングブロック4)、末端ビルディングブロック(化学ビルディングブロックn)。 自己精製された化合物の2つの可能な構造の概略図を示している。自己精製された化合物はそれぞれ、核酸部分に結合した足場、及び化学部分を含む。実施形態(A)では、線状構造の自己精製化合物が示されている。(A)では、ビルディングブロックが直線的に配置されており、自己精製反応により、末端のビルディングブロック(化学ビルディングブロックn)に結合した開裂基生成物(CG生成物)が生じる。(A)では、足場、ビルディングブロック、及び開裂基生成物(CG生成物)が直線的に配置されている。実施形態(B)では、環状構造の自己精製化合物が示されている。(A)では、ビルディングブロックが直線状に並んでおり、自己精製反応により末端ビルディングブロック(化学ビルディングブロックn)と足場を連結する生成物(CG/リンカー生成物)が生じる。(B)では、足場、ビルディングブロック、及び開裂基/リンカー生成物(CG/リンカー生成物)が環状に配置されている。 自己精製された化合物の2つの可能な構造の概略図を示している。自己精製された化合物はそれぞれ、核酸部分に結合した足場、及び化学部分を含む。実施形態(A)では、分岐構造の自己精製化合物が示されている。(A)では、ビルディングブロック1(化学ビルディングブロック1)、ビルディングブロック2(化学ビルディングブロック2)、ビルディングブロック4(化学ビルディングブロック4)、及び末端ビルディングブロック(化学ビルディングブロックn)が直線構造で配置されている。(A)では、ビルディングブロック3(化学ビルディングブロック3)が、付属物として、ビルディングブロック2(化学ビルディングブロック2)に結合されている。(A)では、ビルディングブロックが分岐して配置されており、自己精製反応により、末端のビルディングブロック(化学ビルディングブロックn)に結合した開裂基生成物(CG生成物)が生じる。(A)では、足場、ビルディングブロック、及び開裂基生成物(CG生成物)が分岐して配置されている。実施形態(B)では、環状構造の自己精製化合物が示されている。(B)ではビルディングブロック1から末端ビルディングブロックまでが直線状に配置され、さらにビルディングブロック2(化学ビルディングブロック2)とビルディングブロック4(化学ビルディングブロック4)とが架橋されている。(B)では、自己精製反応により、ターミナルビルディングブロック(化学ビルディングブロックn)を足場に接続する生成物(CG/リンカー生成物)が生成される。(B)では、足場、ビルディングブロック、及び開裂基/リンカー生成物(CG/リンカー生成物)が二環式で配置されている。略語:開裂基(CG)、ビルディングブロック(化学ビルディングブロック)、ビルディングブロック1(化学ビルディングブロック1)、ビルディングブロック2(化学ビルディングブロック2)、ビルディングブロック3(化学ビルディングブロック3)、ビルディングブロック4(化学ビルディングブロック4))、ターミナルビルディングブロック(化学ビルディングブロックn)。 固体支持体からの純粋な核酸またはペプチド核酸コード化合物または化学ライブラリーメンバーの選択的開裂の模式図を示す。リンカーと開裂基(CG)との間に完全に合成された構造を含む固体支持体化合物は、固体支持体から遊離される(上のパネル)。切断された生成物は、合成でキャップされ、開裂基(CG)を含まないため、固体支持体から開裂されない(下のパネル)。略語:開裂基(CG)。 連続核酸コードの選択的ライゲーションの模式図を示す。核酸部分内で、コード1はコード2にのみ結合でき、コード3には結合できない。コード2に連結された完全なコード1を含む化合物は、コード3に結合され得る(上部パネル)。対照的に、コード2のコード1への結合が失敗したせいで切断される化合物は、その後のライゲーションでコード3に連結されない場合がある(下のパネル)。 完全に合成された固体支持体化合物に対するリンカー2の選択的導入の概略図を示している。完全な固体支持体化合物については、化学部分は、固体支持体、または固体支持体とリンカー1との間の分岐領域に、リンカー2を介して連結され得る(上部パネル)。対照的に、リンカー2は、キャップされた化合物(下のパネル)などの不完全な化学部分を有する化合物には正常にインストールされない場合がある。 固体支持体からの不完全な化学部分を有する核酸またはペプチド核酸コード化合物または化学ライブラリーメンバーの選択的遊離の概略図を示す。リンカー1の開裂により、第2のリンカー(リンカー2)を持たない化合物が固体支持体から遊離される。切断された化学部分を有する核酸コード化合物は、リンカー1の開裂によって固体支持体から遊離される(下のパネル)。リンカー1及びリンカー2の両方を含む核酸コード化合物またはライブラリーメンバーは、リンカー1の開裂後も固体支持体に結合したままである(上のパネル)。化学部分が切断またはキャップされた化合物の選択的遊離により、自己精製効果が得られる。 第2のリンカー(リンカー2)の開裂による固体支持体からの核酸またはペプチド核酸コード化合物または完全な化学部分を有する化学ライブラリーメンバーの遊離の模式図を示す。リンカー2は、リンカー1の開裂と固体支持体の洗浄に続き、望ましくない不純物化合物を除去する。 5’アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例1)の調製についての分析LCMSデータを示す。(A)では、260nmの吸光度を測定するクロマトグラムが、出発物質のオリゴヌクレオチド(配列1)について示されている。デコンボリューションされた(decon.)質量スペクトルは、出発物質のオリゴヌクレオチド(配列1)について(C)に示されている。(B)では、260nmの吸光度を測定するクロマトグラムが、生成物である5’-アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチドについて示されている。(D)は、生成物ピークのデコンボリューションされた質量スペクトルを示している。 新生ライブラリーメンバーの開裂に関する分析LCMSデータを示す(実施例2)。(A)、及び(B)は、260nmの吸光度を測定したクロマトグラムを示している。(C)、及び(D)は、それぞれ3.84分での生成物ピークの質量スペクトル、及びデコンボリューションされた質量スペクトルを示している。 核酸コードライブラリーメンバーにおけるMeDbzリンカーの活性化を詳述する化学構造を示す(実施例4、実施例5)。変換(A)は、MeDbzとp-ニトロフェニルクロロホルメートの反応を示している。反応(B)は、リンカー活性化の最終ステップを示している。これは、自己精製のためのリンカー活性化ステップの例である。 リポ酸開裂基におけるジスルフィド結合の還元についての化学構造を示す(実施例4、実施例5)。これは、自己精製のための開裂基脱保護ステップの例である。 核酸コードライブラリーメンバーの自己溶出を示す(実施例4、実施例5)。示されている化学構造は、チオールを含む開裂基と活性化されたMeNbzリンカーとの反応を示している。これにより、自己溶出したライブラリーメンバーが固体支持体から遊離される。このステップにより、チオエステルを有する環状化合物が得られる。2つの可能な環状化合物が得られ、一方はリンカーと反応した開裂基のいずれかのチオールを有する。 チオエステル結合による環状自己精製ライブラリーメンバーの加水分解の化学構造を示す(実施例4)。チオエステルの加水分解後に得られる生成物は、この場合、線状である。 TCEP還元後のさらなるインキュベーションステップの上清の沈殿後に観察された、自己溶出モデル核酸コードライブラリーメンバーの化学構造及び分析LCMSスペクトルを示す(実施例4)。化学構造(A)及び(B)を、(C)及び(D)のLCMSスペクトルで観察した。(B)は、環状チオエステル中間体の加水分解によって形成された直鎖状の自己溶出生成物である。(A)は、エタノールによる環状チオエステル中間体の開環によって形成された直鎖状の自己溶出生成物であり、沈殿ステップで追加される。(C)は、260nmの吸光度のクロマトグラムであり、(D)は、280nmの吸光度のクロマトグラムである。 自己溶出モデル核酸コードライブラリーメンバーのLCMS分析から得られた質量スペクトルを示す(実施例4)。(A)及び(B)は、図19Aに示す自己溶出ライブラリーメンバー化合物の質量スペクトル及びデコンボリューションされた質量スペクトルをそれぞれ示す。(C)及び(D)は、図19Bに示す自己溶出ライブラリーメンバー化合物の質量スペクトル及びデコンボリューションされた質量スペクトルをそれぞれ示す。 実施例5で調製された自己溶出核酸ライブラリーメンバーの化学構造及びLCMSスペクトルを示す。(A)2つの可能な環状自己溶出核酸コードライブラリーメンバーの構造を示す。(B)は260nmでのクロマトグラムを示し、(C)は、全イオン電流(TIC)である。環状自己溶出ライブラリーメンバーに対応する質量のピークが5.88分に観察される。 実施例5で調製された自己溶出核酸ライブラリーメンバーの化学構造及びLCMSスペクトルを示す。(A)2つの可能な環状自己溶出核酸コードライブラリーメンバーの構造を示す。(B)、及び(C)は、それぞれ、自己溶出核酸ライブラリーメンバーのピークの質量スペクトル、及び対応するデコンボリューションされた質量スペクトルである。所望の環状自己溶出核酸コードライブラリーメンバーの質量を観察した。 新生ライブラリーメンバーの合成におけるステップの反応スキームを示す(実施例6、実施例7)。最初に、アミン官能化固体支持体をFmoc-Lys(Mtt)-OH(A)に結合させた。次に、Fmoc脱保護及びHMBAへのカップリングが続く(B)。その後、Fmoc-Pra-OHへのアミドカップリングが示されている(C)。 核酸コードライブラリーメンバーの合成におけるステップの反応スキームを示す(実施例6)。最初に、図23の生成物のFmoc脱保護に続いて、1-(1,1-ジメチルエチル)ブタンジオエートビルディングブロック(A)にカップリングした。次に、ビルディングブロックの遠位基をtBuで脱保護し、リジン側鎖をジクロロメタン中のTFAを用いてMttで脱保護した(B)。 核酸コードライブラリーメンバーの合成におけるステップの反応スキームを示す(実施例6)。銅触媒アジド-アルキン環化付加(CuAAC)によるオリゴヌクレオチド結合を(A)に示す。(B)DNAの存在下で固体支持体上で行われたアミドカップリング反応を示す。(B)は、第2のリンカーのインストールの第1のステップである。 核酸コードライブラリーメンバーの合成におけるステップの反応スキームを示す(実施例6)。図25に示される生成物は、アミドカップリングによってアルキンを有するDbzリンカー誘導体と反応した(A)。次に、環状固体支持体化合物(B)を得るために、CuAAC反応を行った。環化化合物は、第1のリンカーであるHMBAリンカー、及び第2のリンカーであるDbzリンカーを含む。 核酸コードライブラリーメンバーの自己精製における第1ステップの反応スキームを示す(実施例6)。図26の生成物の第1のリンカーは、塩基性条件で開裂された。このステップでは、非環化化合物が固体支持体から遊離された。このステップでは、望ましくない副生成物を固体支持体から洗い流してもよい。 核酸コードライブラリーメンバーの自己精製のための第2のリンカーの開裂のための反応スキームを示す(実施例6)。まず、亜硝酸イソペンチルを使用して、第2のリンカーであるDbzを活性化した(A)。(B)では、次いで、活性化されたリンカーが、水及びDMSO中の塩基性条件下で開裂された。これにより、自己精製核酸コードライブラリーメンバーが固体支持体から遊離された。 実施例6で調製されたサンプルのLCMSスペクトルを示す。(A)は、固体支持体からの核酸コードライブラリーメンバーの合成における中間体を開裂することによって得られたLCMSスペクトルを示す。分析された中間体は、Dbzリンカー誘導体へのカップリング後であってかつ、CuAACの前である。HMBAリンカーの開裂により、クロマトグラム(A)の4.01分に示されているように、所望の中間体が得られる。所望の中間体の化学構造を(A)に示す。さらに、分析されたサンプルは、望ましくない中間生成物を含んでいる。これらは、例えば、合成において前のアミドカップリングステップを受けなかった化合物であり得る。(B)は、核酸コードライブラリーメンバーの合成における最後のCuAACステップの後に、第1のリンカーであるHMBAリンカーを開裂することによって得られたクロマトグラムを示す(実施例6)。これは、核酸コードライブラリーメンバーの自己精製における第1のステップである。このステップでは、環化されていない望ましくない生成物が固体支持体から遊離される。クロマトグラム(B)をクロマトグラム(A)と比較すると、(A)の所望の中間体を除いて、すべての化合物が(B)で固体支持体から開裂されていることが示されている。これは、この化合物がアルキンを含み、(B)での開裂の前にCuAACを受けたからである。これによって、CuAAC反応が成功し、このステップで望ましくない生成物のみが固体支持体から遊離されることが示される。(C)は、第2のリンカーDbzを開裂した後に得られたサンプルのクロマトグラムを示している。クロマトグラムは、自己精製された核酸コードライブラリーメンバーを示している。所望の自己精製核酸コードライブラリーメンバーの構造を(C)に示す。 実施例6で調製された自己精製核酸コードライブラリーメンバーのLCMSスペクトルを示す。(A)は、260nm吸光度のクロマトグラムを示す。(B)280nm吸光度のクロマトグラムを示す。(C)3.94分での生成物ピークの質量スペクトルを示す。(D)3.94分での生成物ピークのデコンボリューションされた質量スペクトルを示す。所望の自己精製核酸コードライブラリーメンバーに対応する質量が観察される。 モデル核酸コードライブラリーメンバーの合成におけるステップの反応スキームを示す(実施例7)。(A)Fmoc脱保護とそれに続くFmoc-Dbz-OHへのアミドカップリングを示す。(B)は、固体支持体化合物中のリジン側鎖のMtt 脱保護を示している。 モデル核酸コードライブラリーメンバーの合成におけるステップの反応スキームを示す(実施例7)。銅触媒アジド-アルキン環化付加(CuAAC)によるオリゴヌクレオチド結合を(A)に示す。(B)DNAの存在下で固体支持体上で行われたアミドカップリング反応を示す。(B)は、第2のリンカーのインストールの第1のステップである。 モデル核酸コードライブラリーメンバーの合成におけるステップの反応スキームを示す(実施例7)。図32に示される生成物のFmoc脱保護に続いて、ヘキシン酸へのアミドカップリングが行われた(A)。次に、環状固体担体化合物(B)を得るために、CuAAC反応を行った。環化化合物は、第1のリンカーであるHMBAリンカー、及び第2のリンカーであるDbzリンカーを含む。 核酸コードライブラリーメンバーの自己精製における第1ステップの反応スキームを示す(実施例7)。図33の生成物の第1のリンカーは、塩基性条件で開裂された。このステップでは、非環化化合物が固体支持体から遊離された。このステップでは、望ましくない副生成物を固体支持体から洗い流してもよい。 核酸コードライブラリーメンバーの自己精製のための第2のリンカーの開裂のための反応スキームを示す(実施例7)。まず、亜硝酸イソペンチルを使用して、第2のリンカーであるDbzを活性化した(A)。(B)では、次いで、活性化されたリンカーを、水及びDMSO中の塩基性条件下で開裂した。これにより、自己精製核酸コードライブラリーメンバーが固体支持体から遊離された。 実施例7で調製された自己精製核酸コードライブラリーメンバーのLCMSスペクトルを示す。(A)は、260nm吸光度のクロマトグラムを示す。(B)280nm吸光度のクロマトグラムを示す。(C)3.97分での生成物ピークの質量スペクトルを示す。(D)3.97分での生成物ピークのデコンボリューションされた質量スペクトルを示す。これらのデータは、所望の自己精製核酸コードライブラリーメンバーが得られたことを示している。これらのデータはさらに、Dbzリンカーが活性化されていることを示している。 図37(A)は、固体支持体上でのDNAライゲーションの模式図を示す(実施例8)。コードは、アダプターオリゴヌクレオチド及びT4 DNAリガーゼを使用して、固体支持体に結合したオリゴヌクレオチドに連結される。260nmの吸光度のLCMS クロマトグラム(B)は、ライゲーション条件の後にエステルリンカーを開裂することによって得られた。ライゲーション産物は4.47分で観察された。残りのアダプター、コード、及びライゲーションされていない出発物質をさらに観察した。(C)は、ライゲーション生成物ピークのデコンボリューションされた質量スペクトルを示している。所望のライゲーション生成物の質量が観察された。 (A)アダプターオリゴヌクレオチド、(B)コード、及び(C)図37Bに示されるLCMSクロマトグラムの出発物質ピークのデコンボリューションされた質量スペクトルを示す。 実施例9で行われた変換の反応スキームを示している。 実施例9で調製したサンプルのLCMSスペクトルを示す。図40Aは、ステップ9.6で調製したサンプルの260nmでのクロマトグラム、及び出発物質の化学構造を示す。図40Aで観察された主要なピークは、所望の出発物質に対応する。クロマトグラム(図40A)の主要ピークの保持時間におけるデコンボリューションされた質量スペクトルを図40Cに示す。所望の出発物質に対応する質量が観察される。図40Bは、ステップ9.8で調製したサンプルの260nmでのクロマトグラムと、所望の生成物の化学構造を示している。図40Bで観察された主要なピークは、所望の生成物に対応する。クロマトグラム(図40B)の主要な生成物の保持時間でデコンボリューションされた質量スペクトルを、図40Dに示す。所望の生成物に対応する質量が観察される。この実施例は、高い変換率でDNA上の固体支持体上で化学変換を実行できることを示している。
いくつかの態様では、核酸コードライブラリーは、各ライブラリーメンバーについて、リンカーを介して固体支持体に結合した足場、この足場に結合した化学部分、核酸、この足場に結合した核部分を含む固体支持体、ならびに化学部分、足場、または核酸部分に結合した開裂基を調製することを含む方法によって、本明細書で記載されるように生成され得る。この方法は、開裂基をリンカーと反応させて固体支持体から化合物を遊離させてライブラリーメンバーを形成することをさらに含む。
開裂基によるリンカーの開裂により、大環状分子が生成され得る。大環状分子は、化学部分及び足場を含み得る。化学部分の末端は、開裂基と活性化リンカーとの反応によって生成される環化要素によって、大環状分子の足場に共有結合され得る。
完全な化学部分、足場、またはコーディング核酸部分の開裂基を有するメンバー(すなわち、意図される化学的ビルディングブロック、コーディングオリゴヌクレオチド、または他の要素のすべてが存在する種)は、開裂基によってリンカーの開裂を介して固体支持体から選択的に遊離される。例えば、完全な化学部分は、連結された化学ビルディングブロックの鎖(すなわち、意図された化学ビルディングブロックのすべてが化学部分に存在する種)であってもよい。開裂基は、不完全または部分的な化学部分、足場、またはコーディング核酸部分の開裂基(例えば、キャップされた未反応または部分的に反応した中間体)を有する化合物またはメンバーには結合しないため、これらの化合物またはメンバーは固体支持体から遊離されない。例えば、意図した化学ビルディングブロックのすべてを含まない不完全または部分的な化学部分を有するメンバーは、固体支持体から遊離されない。これにより、完全な化合物またはライブラリーメンバーが自己精製され、例えばHPLCなどのクロマトグラフィー技術を使用して、さらに精製する必要がなくなる場合がある。本明細書に記載の自己精製は、非常に純粋なメンバーの生産を可能にし、多くの合成ステップを伴う複雑なライブラリーメンバーの生産を容易にする。本明細書に記載の方法は、既存のDEL生産技術と比較して迅速であり得る。それらは自動化に適している可能性があり、非常に多様な高品質のDELの作成が可能になる。
固体支持体から開裂されていない不完全に合成された化合物から完全なメンバーまたは化合物を分離するプロセスは、本明細書では自己精製と呼んでもよい。リンカー(複数可)の開裂後に固体支持体から遊離され、足場、化学部分、及び核酸部分を含み、ならびに開裂反応で一緒に反応したリンカーの部分及び開裂基の部分を含み得る化合物またはメンバーは、自己精製された化合物またはメンバーと呼ばれてもよい。
他の態様では、核酸コードライブラリーは、各ライブラリーメンバーについて、第1のリンカーを介して固体支持体に結合した足場、この足場に結合した化学部分、この足場に結合した核酸部分、及び化学部分を固体支持体に接続する第2のリンカーを含む固体支持体化合物を調製することを含む方法によって、本明細書に記載のとおり生成され得る。この方法はさらに、第1のリンカーを開裂すること、任意選択で洗浄すること、次いで第2のリンカーを開裂して固体支持体から化合物を遊離してライブラリーメンバーを形成することを含む。
第2のリンカーは、不完全または部分的な化学部分を有する化合物またはメンバー(例えば、キャップされた未反応または部分的に反応した中間体)に結合しない。これらの化合物またはメンバーは、第1リンカーのみによって固体支持体に結合され、第1リンカーの開裂によって固体支持体から遊離される。例えば、意図した化学ビルディングブロックのすべてを含まない不完全または部分的な化学部分を有するメンバーは、第1のリンカーの開裂によって固体支持体から遊離され、除去され得る。完全な化学部分を有するメンバー(すなわち、意図された化学ビルディングブロックのすべてが存在する種)は、第1及び第2リンカーの両方によって固体支持体に結合される。例えば、完全な化学部分は、連結された化学ビルディングブロックの鎖であってもよい(すなわち、意図された化学ビルディングブロックのすべてが化学部分に存在する種)。これらのメンバーは、第2のリンカーの開裂によって固体支持体から選択的に遊離される。これにより、完全な化合物またはライブラリーメンバーが自己精製され、例えば、HPLCなどのクロマトグラフィー技術を使用して、さらに精製する必要がなくなる場合がある。本明細書に記載の自己精製は、非常に純粋なメンバーの生産を可能にし、多くの合成ステップを伴う複雑なライブラリーメンバーの生産を容易にする。本明細書に記載の方法は、既存のDEL生産技術と比較して迅速であり得る。それらは自動化に適している可能性があり、非常に多様な高品質のDELの作成が可能になる。
第1のリンカーの開裂によって固体支持体から遊離される、不完全に合成された化合物から完全な化合物を分離するプロセスは、本明細書では自己精製と呼んでもよい。第2のリンカーの開裂後に固体支持体から遊離され、足場、完全化学部分、及び核酸部分を含み、ならびに開裂反応で後に保持されたリンカーの部分を含み得る化合物またはメンバーは、自己精製された化合物またはメンバーと呼ばれてもよい。
第1及び第2のリンカーは、直交開裂可能であり得る。例えば、第1のリンカーを開裂するのに必要な反応条件は、第2のリンカーを開裂するのに必要な反応条件とは異なり得る。したがって、第1及び第2のリンカーは、反応条件を変更することによって独立して開裂可能である。第1のリンカー1は、固体支持化合物の合成中に安定でなければならない。第2のリンカーは、第1のリンカーの開裂条件に対して安定でなければならない(すなわち、第2のリンカーは、第1のリンカーの開裂を引き起こす条件下で開裂されてはならない)。第1及び第2のリンカーの開裂条件は、核酸部分の分解または破壊を引き起こしてはならない。
いくつかの実施形態では、第1及び/または第2のリンカーは、開裂前に活性化され得る。
適切な第1及び/または第2のリンカーは、エステルリンカー、光開裂可能、アミノ(メチル)アニリン(MeDbz)、アミノアニリン(Dbz)、マスクされたチオエステル、スルホンアミド、酸化的開裂可能、還元的開裂可能及び酵素的開裂可能リンカーなどの塩基開裂可能リンカーを含み得る。
適切な第1及び/または第2のリンカーは、求核剤によって開裂され得るリンカーを含み得る。求核剤によって開裂され得るリンカーの例としては、チオエステル、スルホンアミド、ベンゾイミダゾロン(例えば、MeNbz)、及びベンゾトリアゾール(例えば、亜硝酸イソペンチルによって活性化されるDbzリンカー)が含まれ得る。
エステルリンカーなどの適切な塩基開裂可能なリンカーは、高pHで開裂され得る。塩基ベースのリンカーの例としては、エステル、ベンジルエステル、及び4-(ヒドロキシメチル)安息香酸(HMBA)(Usanov,D.L.et al Nat.Chem.10,704-714(2018);Soural,M.et al Linkers for Solid-Phase Peptide Synthesis.in Amino Acids,Peptides and Proteins in Organic Chemistry vol.3 273-312(Wiley-VCH,2011))が挙げられる。
光開裂可能なリンカーは、光照射によって開裂され得る。光開裂可能なリンカーの例としては、オルト-ニトロベンジルオキシ及びオルト-ニトロベンジルアミノ、オルト-ニトロベタリル、フェナシル、ピバロイル、ベンゾインリンカー、及び他の光不安定性リンカーが挙げられる(Mikkelsen,R.J.T.et al Photolabile Linkers for Solid-Phase Synthesis.(2018)doi:10.1021/acscombsci.8b00028.)。
酸化的に開裂可能なリンカーとしては、L-酒石酸、セラモックス、及びイソセラモックスリンカーに基づくリンカーなどのジェミナルジオールが挙げられる(Usanov,D.L.et al Nat.Chem.10,704-714(2018);Pomplun et al Angew.Chemie-Int.Ed.59,11566-11572(2020)これらは、例えば、過ヨウ素酸ナトリウムなどによって開裂され得る。
他の適切な第1及び/または第2のリンカーは、当該技術分野で入手可能であり、スルホンアミドリンカー(Mende,F et al.J.Am.Chem.Soc.132,11110-11118(2010))及び開裂可能なリンカー(Scott,P.J.H.Linker Strategies in Solid-Phase Organic Synthesis(2009);Hermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques:Third Edition(2013);Leriche,G.,Chisholm,L.& Wagner,A.,Cleavable linkers in chemical biology(2012))が挙げられる。いくつかの実施形態では、第1及び第2のリンカーは、単一の化学物質に組み込まれてもよい。例えば、単一の第1及び第2のリンカーは、イミノ二酢酸に基づく場合がある。第1のリンカーは、脱保護媒介環化において開裂されて、ジケトピペラジンの第2のリンカーを生成し得、これは次に高pHで開裂される。(Pa Tek,M.& Lebl,M.Safety-Catch and Multiply Cleavable Linkers in Solid-Phase Synthesis.Biopoly vol.47(1998);Kocis,P.,Krchnak,V.& Lebl,Tetrahedron Lett.34,7251-7252(1993))。
他の適切な第1及び/または第2のリンカーは、固体支持体及び足場及び/または化学部分及び/または核酸部分への結合前に2つ以上の結合基を含んでもよい。例えば、リンカーは、第1の結合基を介して固体支持体に結合してもよく、第2の結合基を介して足場及び/または化学部分及び/または核酸部分に結合してもよい。リンカーの結合基は、官能基であってもよい。適切な第1及び/または第2のリンカーは、それらの結合基に関して、ホモ二官能性であっても、またはヘテロ二官能性であってもよい。適切なヘテロ二官能性リンカーとしては、3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-4-(メチルアミノ)安息香酸(Fmoc-MeDbz-OH)が含まれてもよく、ここで、カルボン酸基は、例えばFmoc脱保護後、固体支持体及びアミン基に結合してもよく、例えば、足場に結合してもよい。他の適切なヘテロ二官能性リンカーとしては、4-アミノ-3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]安息香酸(Fmoc-Dbz-OH)及び 4-(ヒドロキシメチル)安息香酸(HMBA)が挙げられ得る。
DNAコード化学ライブラリー(DEL)は、化学的に多様なライブラリーメンバーのコレクションであり、それぞれ(i)化学的に結合した化学ビルディングブロックのセットから形成される化学部分、及び(ii)この化学部分を形成する化学ビルディングブロックのセットをコードする核酸を含む。ライブラリー内の異なるメンバーの数は、ライブラリーの複雑さを表し、各化学部分を形成するビルディングブロックの数によって、及び各ビルディングブロックの異なるバリアントの数によって定義される。
化学部分は、ライブラリーメンバーによって表示される化学物質または分子構造であり、1つ、2つ、またはそれ以上の化学ビルディングブロックを含む。化学部分は、足場に共有結合され、かつ1つ以上の化学ビルディングブロックの連続的な共有結合によって生成されて、足場に結合した末端及び遊離端を有する直鎖または主鎖を形成する。開裂基は、化学部分に結合されてもよい。DELライブラリーのメンバーによって表示されるさまざまな化学部分は、さまざまな化学ビルディングブロックの組み合わせから形成される。DELによって表示される化学部分は、さまざまなサイズの線状、大環状、二環式、多環式、または分枝化合物(例えば、リピンスキー様の小さな化合物及び大きな化合物)であり得る。いくつかの実施形態では、化学部分は、任意の小分子(すなわち、約1,000ダルトン未満の分子量を有する分子)であり得る。他の実施形態では、化学部分は、任意の中間サイズの分子(すなわち、約5,000ダルトン未満の分子量を有する分子)であり得る。小分子は、有機または無機、単離されたもの(例えば、化合物ライブラリーまたは天然源由来)であってもよく、または既知の化合物の誘導体化によって得られたものであってもよい。化学部分は、1つ以上の所望の特性、例えば、生物学的標的に結合する能力、溶解度、水素結合供与体及び受容体の利用可能性、結合の回転自由度、正電荷、負電荷、インビボ安定性、細胞透過性、及び/または経口利用可能性を有するように設計されても構築されてもよい。
核酸コード化学ライブラリーに表示される化学部分は、核酸の一本鎖(「単一ファーマコフォアライブラリー」)またはハイブリダイズした核酸の2つの異なる鎖に結合し得、1つ以上のビルディングブロックが各鎖に結合される(「二重ファーマコフォアライブラリー」)。
コーディング核酸部分は、化学部分中の化学ビルディングブロックを識別する核酸タグまたはペプチド核酸タグである。コーディング核酸部分は、化合物またはメンバーに接続された末端及び遊離端を含む線状核酸分子であり得る。好ましくは、コーディング核酸部分は足場に結合している。以前またはその後に導入された化学ビルディングブロックを記録するために、コーディング核酸部分は、コーディングオリゴヌクレオチドを遊離端に共有結合的に付加することによって伸長され得る。コーディング核酸部分は、増幅及び核酸配列決定後に自己精製化合物の同定に使用してもよい。いくつかの実施形態では、開裂基は、例えば遊離端で、核酸部分に結合され得る。
本明細書に記載の方法では、核酸コード化学ライブラリーのメンバーは、新生メンバーへの化学ビルディングブロック及びコーディングオリゴヌクレオチドの付加により固体支持体上に構築され得る。
固体支持体に結合した場合、新生メンバーは固体支持体化合物と呼んでもよい。固体支持体化合物とは、リンカーを介して足場、化学部分、核酸部分、開裂基、及び新生メンバーの他の要素に接続される固体支持体を含む化合物である。
いくつかの実施形態による固体支持体化合物の例を図1に示す。例えば、核酸コード化学ライブラリーは、本明細書に記載のように、以下のステップ;
リンカーによって固体支持体に接続された足場をそれぞれが含む新生メンバーのセットを提供することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックをセット内の新生メンバーに共有結合させて、足場に結合した化学部分を形成し、異なる化学部分をセット内の異なる新生メンバーに結合させることと、
セット内の新生メンバーの足場に結合したコーディング核酸部分を形成するために、新生メンバーに結合した1つ以上の化学ビルディングブロックをコードするオリゴヌクレオチドをコードする各新生メンバーに共有結合することと、
新生メンバーの化学的部分、核酸部分、または足場に開裂基を結合させることと、
リンカーが開裂され、ライブラリーのメンバーがそれぞれの固体支持体から遊離されるように、リンカーと各メンバーの開裂基とを反応させることと、を含む方法によって、生成され得る。
自己精製反応(すなわち、開裂基とリンカーとの反応)の例は、図2及び図3に例示されている。図2及び図3では、自己精製は、化学部分に結合された開裂基内の固体支持体化合物を用いて例証される。
開裂基とリンカーとの反応は、リンカーと開裂基(すなわち、開裂基/リンカー生成物、図2を参照)との反応によって形成される開裂部分(環化要素とも呼ばれる)を含む固体支持体からの化合物またはメンバーの遊離をもたらし得る。リンカーの一部(すなわち、開裂されたリンカー)は、固体支持体に結合したままであってもよい。
いくつかの実施形態では、開裂部分は、開裂基が化学部分に接続された場合に化学部分に接続されてもよく、リンカーが足場に接続された場合に足場に接続されてもよい。開裂基とリンカーとの反応は、コーディング核酸部分に結合した環状化合物を生成する環化反応をもたらし得る(図2)。環状化合物は、化学部分、足場、及び開裂部分を含み得る。
他の実施形態では、開裂部分は、開裂基が化学部分に接続された場合、化学部分に接続され得る。開裂基とリンカーとの反応は、開裂部分が足場に接続されないように、自己精製中に環化をもたらさない場合がある(図3を参照)。いくつかの実施形態では、リンカーの全部または一部(すなわち、開裂されたリンカー)が足場に結合したままであってもよい。
他の実施形態による固体支持体化合物の例を図10に示す。例えば、核酸コード化学ライブラリーは、本明細書に記載のように、以下のステップ;
第1のリンカーによって固体支持体に接続された足場をそれぞれが含む新生メンバーのセットを提供することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックをセット内の新生メンバーに共有結合させて、足場に結合した化学部分を形成し、異なる化学部分をこのセット内の異なる新生メンバーに結合させることと、
このセット内の新生メンバーの足場に結合したコーディング核酸部分を形成するために、新生メンバーに結合した1つ以上の化学ビルディングブロックをコードするオリゴヌクレオチドをコードする各新生メンバーに共有結合することと、
新生メンバーの化学部分を第2のリンカーで固体支持体に接続し、第1のリンカーを開裂することと、
ライブラリーのメンバーがそれぞれの固体支持体から遊離されるように、第2のリンカーを開裂することと、
を含む方法によって、生成され得る。
上述のように、第1及び第2のリンカーは、直交的に開裂可能であり得る。
自己精製反応(すなわち、開裂基とリンカーとの反応)の例を図10~12に例示する。図10~12では、化学部分に結合した第2のリンカーを有する固体支持体化合物を使用した自己精製が例示されている。
第1のリンカーの開裂は、不完全または部分的な化学部分を有する化合物またはメンバーの固体支持体からの遊離をもたらし得る。これらの化合物またはメンバーは、例えば洗浄によって除去され得る。第2のリンカーの開裂は、完全な化学部分を有する化合物またはメンバーの固体支持体からの遊離をもたらし得る。遊離された化合物またはメンバーは、それぞれ第1及び/または第2のリンカーの開裂によって形成される第1及び/または第2の開裂部分(環化エレメントとも呼ばれる)を含み得る。第1及び/または第2のリンカー(すなわち、開裂されたリンカー)の全部または一部は、固体支持体に結合したままであり得る。
いくつかの好ましい実施形態において、核酸コード化学ライブラリーは、連続する分割及びプールステップによって合成され得、各ステップは、コーディングオリゴヌクレオチドの組み込みに先立って、続いて、またはそれと同時に、化学的ビルディングブロックの化学部分への組み込みを含む。
個々の核酸コード化合物またはライブラリーメンバーは、最初に固体支持化合物を調製することを含む方法によって合成され得る。
いくつかの実施形態では、固体支持体化合物は、リンカーを介して足場を固体支持体に結合させ、コーディング核酸部分を足場に結合させ、化学部分を足場に結合させ、開裂基を化学部分、足場、または核酸部分に結合させることによって調製される。固体支持体化合物の調製に続いて、リンカーが開裂され、核酸コード化合物またはライブラリーメンバーが固体支持体から遊離されるように、開裂基をリンカーと反応させる。例えば、核酸コード化合物またはライブラリーメンバーは、本明細書に記載のように、以下のステップ;
リンカーによって固体支持体に接続された足場を含む新生化合物を提供することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックを新生化合物に共有結合させて、足場に結合した化学部分を形成することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドを新生化合物に共有結合させて、コーディング核酸部分を形成することと、
開裂基を、化学部分、核酸部分、または足場に結合することと、
リンカーが開裂され、自己精製化合物またはライブラリーメンバーが固体支持体から遊離されるように、リンカーと開裂基とを反応させることと、を含む方法によって、生成され得る。
他の実施形態では、固体支持体化合物は、第1のリンカーを介して足場を固体支持体に結合させ、コーディング核酸部分を足場に結合させ、化学部分を足場に結合させ、第2のリンカーを化学部分に結合させて化学部分を固体支持体に接続することによって調製される。固体支持体化合物の調製に続いて、第1リンカーが開裂され、次いで第2リンカーが開裂され、核酸コード化合物またはライブラリーメンバーが固体支持体から遊離される。例えば、核酸コード化合物またはライブラリーメンバーは、本明細書に記載のように、以下のステップ;
第1のリンカーによって固体支持体に接続された足場を含む新生化合物を提供することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックを新生化合物に共有結合させて、足場に結合した化学部分を形成することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドを新生化合物に共有結合させて、コーディング核酸部分を形成することと、
化学部分を第2のリンカーで固体支持体に接続することと、
第1のリンカーを開裂することと、
第2のリンカーが開裂され、自己精製された化合物またはライブラリーメンバーが固体支持体から遊離されるように、第2のリンカーを開裂することと、
を含む方法によって生成され得る。
第1の化学ビルディングブロックは、足場への第1のコーディングオリゴヌクレオチドの結合の前、後、または結合と同時に、足場に結合され得る。
固体支持体化合物は、例えば、最初にリンカーを固体支持体に結合させ、続いて足場を固体支持体上のリンカーに結合させることによって;または、最初に足場をリンカーに結合させて、リンカー-足場コンジュゲートを形成し、続いてリンカー-足場コンジュゲートを固体支持体に結合させることによって、調製され得る。
コーディング核酸部分またはコーディング核酸部分の断片は、固体支持体への足場の結合の前、後、または結合と同時に、足場に結合され得る。
化学ビルディングブロックなどの化学部分または化学部分の断片は、固体支持体への足場の結合の前、後、または結合と同時に、足場に結合され得る。
足場は、化学部分を形成する化学ビルディングブロックが結合する化学部分である。いくつかの実施形態では、好ましくは、同じ化学部分がライブラリーのすべてのメンバーの足場を形成する。足場は、固体支持体、核酸部分、及び化学部分を接続する少なくとも三官能性の化学部分であり得る。
足場は、捕捉基を含み得る。捕捉基は、化学ビルディングブロックと反応して、化学ビルディングブロックを足場に連結する共有結合を形成し得る反応性化学基である。これにより、化学部分を形成する化学ビルディングブロックを足場に結合することが可能になる。
開裂基は、事前の開裂基活性化の有無にかかわらず、リンカーを開裂し得る化学試薬または酵素である。自己精製された化合物またはメンバーを提供するために、いくつかの実施形態では、開裂基は、化学部分、核酸部分、または足場に共有結合または非共有結合のいずれかで連結され得る。開裂基は、組み込み後に活性化する必要がある場合がある。化合物またはメンバーは、開裂基によるリンカーの開裂による固体支持体からの選択的遊離によって精製され得る。
いくつかの実施形態では、開裂基は足場に結合され得る。完全な足場及び開裂基を有する化合物またはライブラリーメンバーは、開裂基によるリンカーの開裂を介して固体支持体から選択的に遊離され得る。
他の実施形態では、開裂基は、化学部分に結合されてもよい。完全な足場、化学部分、及び開裂基を有する化合物またはライブラリーメンバーは、開裂基によるリンカーの開裂を介して固体支持体から選択的に遊離され得る。
他の実施形態において、開裂基は、核酸部分、好ましくは核酸部分の末端に結合され得る。完全な足場、核酸部分及び開裂基を有する化合物またはライブラリーメンバーは、開裂基によるリンカーの開裂を介して固体支持体から選択的に遊離され得る。
他の実施形態では、足場は、2つの異なるリンカー(第1及び第2のリンカー)によって固体支持体に接続され得、2つの異なる開裂基(第1のリンカーを開裂する第1の開裂基及び第2のリンカーを開裂する第2の開裂基)が固体支持体化合物中に存在し得る。開裂基の一方を化学部分または足場に結合させ、他方の開裂基を核酸部分に結合させてもよい。例えば、本方法は、さらに;
第1の開裂基を化学部分または足場に結合することと、
第2の開裂基を核酸部分に結合することと、
第1のリンカーが開裂されるように、第1のリンカーと第1の開裂基とを反応させることと、
第2のリンカーが開裂され、化合物またはメンバーが固体支持体から遊離されるように、第2のリンカーと第2の開裂基とを反応させることと、を含んでもよい。例えば、第1のリンカーは、置換キノキサリン基を含むかまたはそれからなってもよく、第1の開裂基は、オルトジチオフェノールを含むかまたはそれからなってもよい;第2のリンカーは、アミノ(メチル)アニリン(MeDbz)基を含むか、またはそれからなってもよく、第2の開裂基は、チオール開裂基を含むか、またはそれからなってもよい。
固体支持体からの選択的遊離は、完全な化学部分及び完全な足場の両方、完全なコーディング核酸部分及び完全な足場の両方、またはより好ましくは完全な化学部分及び完全な核酸部分の両方の存在によって開始され得る。
2つの異なるリンカーと2つの異なる開裂基を使用して調製された化合物またはメンバーの選択的遊離の例を図4に示す。図4では、第1の開裂基(CG1)は、化学部分に結合され、第2の開裂基(CG2)は核酸部分に結合されている。2つの異なるリンカーが足場を固体支持体に接続する。CG1は、リンカー1とのみ反応し得るが、一方で、CG2はリンカー2とのみ反応し得る。CG1とリンカー1との反応は、CG2とリンカー2との反応前、反応中、または反応後に起こり得る。両方のリンカーが開裂された場合にのみ、化合物が固体支持体から遊離される。図4に示す例では、CG1とリンカー1との反応は環化反応であり、その結果、化学部分及び足場に接続される第1の開裂部分(すなわち、CG1/リンカー1反応生成物)が形成される。CG2は、リンカー2と反応して、核酸部分に結合した第2の開裂部分(すなわち、CG2反応生成物)を生成する。
いくつかの実施形態では、化合物またはメンバーは、化学部分の化学ビルディングブロックの完全な鎖と、化学部分のすべての化学ビルディングブロックのコーディングオリゴヌクレオチドを含む完全な核酸分子との両方を含む場合にのみ、固体支持体から遊離され得る。
いくつかの実施形態では、開裂基は、化学的部分または足場に非共有結合され得る。好ましくは、開裂基は、化学部分中の末端化学ビルディングブロックに共有結合され得る(すなわち、化学部分を形成する化学ビルディングブロックの鎖の遊離端において)。これにより、化学部分全体を構成するメンバーまたは化合物の自己精製が可能になる。
他の実施形態では、開裂基は、2つのオリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによって、化学部分または足場に非共有結合され得る。アンカーオリゴヌクレオチドは、化学部分または足場、好ましくは化学部分の末端化学ビルディングブロックに共有結合され得る。次いで、開裂基に共有結合している補助オリゴヌクレオチドを、アンカーオリゴヌクレオチドにハイブリダイズさせてもよい。これにより、開裂基が化学部分または足場に非共有結合する。次いで、開裂基はリンカーと反応してリンカーを開裂し、固体支持体からメンバーまたは化合物を遊離し得る。例えば、開裂基は、化学部分または足場に対して、以下;
アンカーオリゴヌクレオチドを化学部分または足場に結合させることと、
開裂基に共有結合した補助オリゴヌクレオチドを提供することと、
補助オリゴヌクレオチドをアンカーオリゴヌクレオチドとハイブリダイズさせることと、
リンカーが開裂されるように、リンカーと開裂基を反応させることと、を含む方法によって、結合され得る。
いくつかの実施形態では、化学部分または足場に結合されたアンカーオリゴヌクレオチドは、それぞれ化学部分または足場上で連続的に合成され得る。アンカーオリゴヌクレオチドは、ペプチド核酸などの核酸類似体であってもよい。ペプチド核酸は、例えば、足場または化学部分で連続的に合成され得る。
好ましくは、アンカーオリゴヌクレオチドは、化学部分の末端化学ビルディングブロックに共有結合され得る。
開裂基に共有結合した補助オリゴヌクレオチドは、アンカーオリゴヌクレオチドに特異的にハイブリダイゼーションし得る一本鎖ポリヌクレオチドであってもよい。好ましくは、開裂基に共有結合した補助オリゴヌクレオチドは、10以上の塩基対を含む。
いくつかの実施形態では、開裂基は、核酸部分、例えば核酸部分の遊離端に共有結合され得る。
いくつかの好ましい実施形態において、開裂基は、固体支持体化合物中のコーディング核酸部分への開裂基に共有結合した補助オリゴヌクレオチドのハイブリダイゼーションによって、コーディング核酸部分に連結され得る。例えば、開裂基は、コーディング核酸部分に対して、以下:
開裂基に共有結合した補助オリゴヌクレオチドを提供することと、
開裂基に共有結合したオリゴヌクレオチドをコーディング核酸部分にハイブリダイズさせることと、
リンカーが開裂されるように、リンカーと開裂基とを反応させることと、を含む方法によって結合され得る。
好ましくは、補助オリゴヌクレオチドは、コード核酸の末端部分(すなわち、足場から最も離れた、または遠位にある核酸の領域、セグメントまたは部分)にハイブリダイズする。これにより、核酸部分全体を含むメンバーまたは化合物の自己精製が可能になる。
補助オリゴヌクレオチドは、コーディング核酸部分に特異的にハイブリダイゼーションできる一本鎖ポリヌクレオチドであってもよい。好ましくは、開裂基に共有結合した補助オリゴヌクレオチドは、10以上の塩基対を含む。好ましくは、開裂基に共有結合した補助オリゴヌクレオチドは、コーディング核酸部分の末端領域、例えばコーディング核酸部分の遊離端の10塩基、20塩基または30塩基以内にハイブリダイズする。
本明細書に記載のコーディング、結合、アンカー及び補助オリゴヌクレオチド、ならびにコーディング核酸部分は、独立して、DNAまたはRNAなどの天然核酸、または核酸類似体、例えば、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(PMO)、ホスホロチオエートオリゴマー(PTO)、ロックド核酸(LNA)、グリコール核酸(GNA)またはトレオース核酸(TNA)であってもよい。補助オリゴヌクレオチドは、任意の便利な化学によって開裂基に結合され得る。
他の実施形態では、足場は、第1のリンカーによって固体支持体に接続され得、化学部分は、第2のリンカーによって固体支持体に接続され得る。第1及び第2のリンカーは直交的に開裂可能である、すなわち、第1のリンカーは第1の反応条件下で開裂され、第2のリンカーは第2の反応条件下で開裂される。例えば、本方法は、さらに;
第1のリンカーが開裂されるように、固体支持体化合物を第1の反応条件に曝露または供することと、
第2のリンカーが開裂され、化合物またはメンバーが固体支持体から遊離されるように、固体支持体化合物を第2の反応条件に曝露または供することと、を含んでもよい。
適切な第1及び第2のリンカーは、本明細書の別の場所に記載されている。
捕捉基、結合基、及び開裂基などの反応基は、その反応基が反応する必要のない1つ以上のステップの間に保護され得る。反応基は、保護基に共有結合することによって好都合に保護され得る。反応基の反応が必要なステップの前に保護基を除去することにより、反応基を脱保護してもよい。
保護基とは、捕捉基、結合基、開裂基、または他の反応基の反応が必要ではない、1つ以上のステップ中の望ましくない反応に対して、捕捉基、結合基、開裂基、または本明細書に記載の他の反応基を可逆的に保護する化学基である。一般的に使用されている保護基は、Greeneの「Protective Groups in Organic Synthesis」,4th Edition(John Wiley & Sons,New York,2007)で開示されている。適切な保護基の例としては、エステル基(例えば、(メトキシエチル)エステル、イソバレリルエステル、及び-レブリニルエステル)、トリチル基(例えば、ジメトキシトリチル及びモノメトキシトリチル)、キサンテニル基(例えば、9-20フェニルキサンテン-9-イル及び9-(p-メトキシフェニル)キサンテン-9-イル)、アシル基(例えば、フェノキシアセチル、及びアセチル)、シリル基(例えば、t-ブチルジメチルシリル)、2-ニトロベンジル、アリルオキシカルボニル-アミノメチル、Allocam oNv、tert-ブチル基、tert-ブチルスルフェニル(StBu)基、スルホネート基9-フルオレニルメチル基、9-フルオレニルメトキシカルボニル基、または分子内ジスルフィドが挙げられる。
例えば、足場の捕捉基は、例えば、保護基への共有結合によって保護され得る。捕捉基は、例えば保護基を除去することにより、第1の化学ビルディングブロックとの反応前に脱保護され得る。
保護基は、任意の便利な方法で追加及び削除され得る。適切な技術は、当該技術分野で十分に確立されている。いくつかの実施形態では、保護基は、核酸に適合する化学反応、またはより一般的には、コードシステムに適合する反応によって付加及び除去され得る。他の実施形態において、保護基は、酵素変換によって付加または除去され得る。例えば、酵素触媒反応を使用して、新生メンバーの結合基を保護しても、または脱保護してもよい。
好ましくは、化学部分は、化学ビルディングブロックを新生メンバーに連続的に加えて、足場に近位端で結合する化学ビルディングブロックの直線配列(すなわち、鎖)を生成することによって生成される。鎖中の化学ビルディングブロックは、それが結合しているメンバーによって表示される化学部分を形成し得る。例えば、第1の化学ビルディングブロックは、足場の捕捉基に共有結合され得る。第2の化学ビルディングブロックを第1の化学ビルディングブロックに結合させて、2つの化学ビルディングブロックからなる直鎖配列または鎖を形成してもよい。化学ビルディングブロックの鎖は、足場に結合した近位端及び遊離している遠位端を有してもよい。第1の化学ビルディングブロックは近位端位置にあってもよく、第2の化学ビルディングブロックは遠位端位置にあってもよい(すなわち、第2の化学ビルディングブロックは鎖の末端または末端の化学ビルディングブロックである)。鎖は、例えば、末端位置での化学ビルディングブロックとの反応により、さらなる化学ビルディングブロックを鎖の遠位端に連続的に結合させることによって延長され得る。化学ビルディングブロックの鎖の完成に続いて、開裂基は、例えば遠位端での化学ビルディングブロック(末端化学ビルディングブロック)との反応によって、完全な鎖の遠位端に結合され得る。
化学ビルディングブロックとは、ライブラリーメンバーによって表示される化学部分の構造単位を形成する化学基である。化学ビルディングブロックは、1つ、2つ、またはそれ以上の結合基を含む任意の化学基であり得る。化学ビルディングブロックが化学ビルディングブロックの鎖に組み込まれる場合、この化学ビルディングブロックは、2つ以上の結合基を含む任意の化学基であり得る。
好ましくは、化学ビルディングブロックは、足場または他の化学ビルディングブロックへの共有結合を可能にする2つ以上の結合基を含み得る。2つ以上の結合基は、異なるまたは直交する反応性を示し得る。例えば、化学ビルディングブロックは、近位結合基及び遠位結合基(例えば、二官能性ビルディングブロック)を含み得る。例えば、化学ビルディングブロックは、近位結合基を介して新生メンバーに共有結合され得る。化学ビルディングブロックの遠位結合基は、保護されるか、及び/またはさらなる化学ビルディングブロックを新生メンバーに結合するために使用され得る。各結合基は、別の化学ビルディングブロックからの結合基と反応し得る反応性官能基であり得る。2つの異なるビルディングブロックの近位結合基と遠位結合基;またはビルディングブロック上の結合基と足場の捕捉基は相補的であるべきであり、すなわち、互いに反応して共有結合を形成し得るべきである。コードシステム、固体支持体、及びリンカーの完全性に適合する任意の反応を使用し得る。いくつかの実施形態では、任意の適切なDNA適合化学、例えば、アミド化、薗頭カップリング、鈴木カップリング、または銅(I)触媒アジドアルキン付加環化(CuAAC)または他のクリック反応を使用してもよい。例えば、第1及び第2の結合基の一方がカルボキシル基であり、他方がアミン基であってもよい。
適切な結合基には、カルボン酸、アルキン、ハロゲン化アリール、ハロゲン化アルキル、アルデヒド、ケトン、ニトリル、ハロゲン化スルホニル、チオール、アルコール、アセチレン、第1級アミン、第2級アミン、アジド、アミジン、ジアミン、エポキシド、イソシアネート、スルホンアミド、及びボロン酸が挙げられる。2つ以上の結合基を含む適切な化学ビルディングブロックとしては、非天然アミノ酸、D-アミノ酸、N-アルキル化アミノ酸、及び酸アルキンが挙げられる。
いくつかの実施形態では、化学ビルディングブロックは、化学ビルディングブロックの鎖内の異なる化学ビルディングブロック間の架橋を可能にする追加の結合基を含み、例えば、大環状、二環式または多環状化学物質を生成し得る。例えば、三官能性ビルディングブロックは、アルキン、アジド、アミン、カルボン酸、チオール、アルコール、またはハロゲン化アルキルなどの官能基を有する側鎖を有するアミノ酸であり得る。いくつかの実施形態では、化学ビルディングブロックは、CuAAC反応または他のクリック反応を使用して、例えば、アルキン結合基を含む化学ビルディングブロックとアジド結合基を含む化学ビルディングブロックとの間で架橋され得る。
いくつかの好ましい実施形態では、化学ビルディングブロックは、複数回の試薬添加及び洗浄を使用する反応において、新生メンバーまたは化合物に共有結合され得る。例えば、反応混合物を除去するために固体支持体を洗浄してもよく、例えば新鮮な溶媒及び試薬を含む新しい反応混合物を加えてもよい。これは、例えば、化学ビルディングブロックと新生メンバーの反応を完了に向けて推進すること、化学ビルディングブロックの取り込みを増やすこと、ならびに未反応の化学ビルディングブロック及び新生メンバーの割合を減らすことに有用であり得る。複数回の反応により、N-メチル化アミノ酸など、通常は反応収率が低い化学ビルディングブロックの組み込みが可能になり得る。
化学ビルディングブロックは、その近位結合基を介して新生メンバーに共有結合され得る。化学ビルディングブロックの遠位結合基を使用して、後続のステップでさらなる化学ビルディングブロックまたは開裂基を鎖の末端に結合してもよい。化学ビルディングブロックの近位結合基と新生メンバーとの反応の間、化学ビルディングブロックの遠位結合基は、例えば保護基への共有結合によって保護され得る。例えば、化学ビルディングブロック鎖における次の化学ビルディングブロックの順次付加の前に、例えば保護基を除去することにより、遠位結合基を脱保護してもよい。
各化学ビルディングブロック組み込みステップの後、化学ビルディングブロックの組み込みに失敗した新生メンバーの分子種( すなわち、未反応メンバー)をキャッピングしてもよい。例えば、開裂基が未反応の捕捉基または遠位結合基に結合するのを防止するために、キャッピング基は、第1の化学ビルディングブロックの組み込み後に未反応の捕捉基に、及びさらなる化学ビルディングブロックの組み込み後に未反応の遠位結合基に共有結合され得る。
キャッピング基とは、本明細書に記載の捕捉基または遠位結合基などの反応基を不可逆的にキャッピングし、それがさらなる化学反応に関与するのを防止する化学基である。キャッピング基は、本明細書に記載の方法の1つのステップからの未反応種が、本方法の後続のステップで反応するのを止めるために、本明細書に記載の方法で使用される。特に、キャッピング基は、開裂基が中間種に結合するのを防ぐ。例えば、化学ビルディングブロックの鎖において、完全な鎖の末端にある化学ビルディングブロックの遠位結合基は、キャップされていないままであり、開裂基と反応するのに利用可能である。これにより、開裂基を化学ビルディングブロックの完全な鎖の末端に選択的に結合させることが可能になる。
適切なキャッピング試薬には、アミンをキャッピングするための、無水酢酸などの単官能性カルボン酸誘導体反応性基;アルキン反応性基をキャッピングするためのアジド;及びカルボン酸反応性基をキャッピングするための単官能性アミン、が含まれ得る。
いくつかの実施形態では、キャッピングは必要ない場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、化学ビルディングブロック(例えば、ビルディングブロック1)の遠位結合基は、官能基の性質に起因して、後続のビルディングブロック(例えば、ビルディングブロック2)と反応するためにのみ使用され得る。その後のビルディングブロック(例えば、ビルディングブロック3、ビルディングブロック4など)は、最後から2番目のビルディングブロック(例えば、ビルディングブロック1)への結合に適合する官能基を含まなくてもよい。したがって、中間ビルディングブロック(例えば、ビルディングブロック2)を組み込むことができなかった化合物は、さらなるビルディングブロックを組み込むことができない。これにより、キャッピングと同様の効果が達成され得る。
本明細書に記載の方法は、異なる化学部分を示す多様なメンバーを含むライブラリーを生成するために、化学ビルディングブロックの異なる組み合わせを使用して1回以上繰り返され得る。例えば、化学ビルディングブロックの数、同一性及び/または順序は、ライブラリーの異なるメンバーの化学部分において異なってもよい。
化学ビルディングブロック及びコーディングオリゴヌクレオチドは、本明細書に記載のように、分割及びプール手順によって新生ライブラリーメンバーに便利に追加され得る。あるいは、各ライブラリーメンバーの並列合成はまた、十分に小さいライブラリーに対しても可能である。
核酸コード化学ライブラリー合成のための分割及びプール手順は、以下のステップ;
新生メンバーまたは核酸コードライブラリー中間体を別々のコンパートメントに分割することと、
1つ以上の化学ビルディングブロックを結合することと、
化学ビルディングブロックをコードする1つ以上のコーディングオリゴヌクレオチドを結合することと、
部材または中間体を別々のコンパートメントから1つ以上のコンパートメントにプールすることと、を含み得る。
この手順は、1回以上繰り返してもよい。
好ましくは、新生メンバーに追加された化学ビルディングブロックは、近位端で足場に結合した化学ビルディングブロックの直鎖を形成する。化学ビルディングブロックの完全な鎖を含む化合物及びメンバーは、本明細書に記載の自己精製法によって精製され得る。化学ビルディングブロックの鎖は、化学部分の自己精製を最大限に行うのに最適である。化学ビルディングブロックが化学ビルディングブロックの鎖に組み込まれるためには、それらは少なくとも二官能性でなければならない(すなわち、少なくとも2つの結合基を含む)。化学ビルディングブロックの近位及び遠位の結合基は、異なる反応性または直交する反応性を示す場合がある。ビルディングブロックが直線状に配置された固体支持化合物の例を図5Aに示す。
他の実施形態では、新生メンバーに付加された化学ビルディングブロックは、足場に結合した分岐構造を形成し得る。足場は、少なくとも四官能性(すなわち、2つ以上の捕捉基を含み得る)であってもよく、または1つ以上の化学ビルディングブロックが少なくとも三官能性であってもよく、分岐構造を形成するための2つ以上の追加の化学ビルディングブロックの結合点が可能になる。
他の実施形態では、新生メンバーに追加された化学ビルディングブロックは、足場に結合した環状または大環状構造を形成し得る。これは、化学部分内の別の化学ビルディングブロックとの、または足場との化学ビルディングブロックの架橋を必要とする場合がある。この環状構造は大環状であってもよい。化学ビルディングブロックと他の化学ビルディングブロックまたは足場とのさらなる架橋は、足場に結合した化学ビルディングブロックによって形成された二環式、大環状または多環式構造を有する化学部分を生じ得る。追加のビルディングブロックである化学ビルディングブロック4を使用して、化学ビルディングブロック1と化学ビルディングブロック3を架橋することによって形成されるビルディングブロックの環状及び分岐配置を有する固体支持化合物の例を図5Bに示す。
キャッピングステップは、メンバーまたは固体支持体化合物の合成における合成ステップの後に行ってもよい。好ましくは、キャッピングステップは、各化学ビルディングブロック及び任意選択で各コーディングオリゴヌクレオチドの添加後に実施され得る。化学キャッピングステップは、単官能性部分との反応、またはオリゴヌクレオチドなどの非伸長性核酸分子とのライゲーションを含んでもよい。官能化された固体支持体、リンカー、足場、化学ビルディングブロック、化学部分、開裂基、及びコーディング核酸部分をキャップしてもよい。キャッピングステップは、結合基または捕捉基などの未反応の官能基をキャッピング試薬と反応させて、未反応のキャッピング基を形成することを含んでもよい。適切なキャッピング試薬には、活性化カルボン酸誘導体が含まれる。
固体支持体からの完全な化合物またはメンバーの選択的遊離の例を図8に示す。図8の下部のパネルには、化学部分でキャップされた化合物は、不完全に合成され、キャップされ、したがって開裂基を含まないので、固体支持体から放出されない。
コーディング核酸部分は、直前のコーディングオリゴヌクレオチドとのみ適合し、核酸部分に以前に付加された他のコーディングオリゴヌクレオチドにライゲーションできない末端を有するコーディングオリゴヌクレオチドの使用によってキャップされ得る。コーディング核酸部分の「キャッピング」の例を図9に示す。所望の核酸コード、コード1及びコード2のすべてを含む固体支持体化合物を、さらなるコード、コード3にライゲーションしてもよい。コード1は、コード2にのみライゲーションし得、コード2は、コード3にのみライゲーションし得る。コード1は、コード3とライゲーションし得ない。これは、これらのコードにはライゲーションに適した配列が含まれていない場合があるためである。したがって、この例ではコード1のみを含み、コード2を含まない、不完全に合成された固体支持体化合物は、さらなるコード、この例ではコード3にライゲーションされない場合がある。
本明細書に記載のメンバーまたは化合物の調製は、コードシステム及び固体支持体と適合する任意の反応、ならびにリンカーの完全性を含み得る。いくつかの実施形態では、可能な反応は、DNA適合性反応を含み得る。考えられる反応には、アミド結合形成、鈴木カップリング、薗頭カップリング、還元的アミノ化、及び銅触媒によるアルキン-アジド付加環化が含まれ得る。DNA適合性反応は、文献、例としては(Malone,M.L,Paegel,B.M.,ACS Comb.Sci.2016,18(4),182-187)に記載される。
いくつかの実施形態において、大環状化反応は、開裂基とリンカーとの反応、第2のリンカーの導入、固体支持体化合物中の他の化学物質の架橋、または固体支持体からの遊離後の溶液中でのさらなる変換中に使用され得る。例えば、いくつかの実施形態では、第2のリンカーを最初に固体支持体に結合させ、次いで大環状化反応において化学部分に接続させてもよい。大環状化反応は、好ましくは、例えば、銅触媒によるアジド-アルキン環化反応など、高収率を示す反応を含み得る。大環状化反応は当該技術分野で公知であり、(Wang,W.,Khojasteh,S.C.& Su,D.,Mol.(2021);Zhang,R.Y.,Thapa,P.,Espiritu,M.J.,Menon,V.& Bingham,J.P.,Bioorg.Med.Chem.(2018))に記載の反応を含み得る。
メンバーまたは化合物は、調製中及び調製後にさらに変換されてもよい。例えば、方法は以下を含んでもよい;
例えば、環状または多環状のメンバーまたは化合物を生成するために、2つ以上の化学ビルディングブロック、足場、または開裂基の間を架橋することと、
1つ以上のさらなる化学ビルディングブロックの組み込み、及び/または
1つ以上の化学ビルディングブロック、または足場、リンカー、または開裂基の修飾または変換。
メンバーまたは化合物は、新しい固体支持体上に再捕捉され得る。
いくつかの実施形態では、共有結合形成は、核酸鋳型反応によって媒介され得る。
いくつかの実施形態では、酵素などの変換を媒介し得る高分子を、自己精製化合物の調製中または調製後に使用してもよい。例えば、酵素は、核酸鋳型反応によって動員され得る。
核酸コードライブラリーのメンバーは、核酸部分を含む。
コーディング核酸部分は、一本鎖もしくは二本鎖核酸、または一本鎖及び二本鎖核酸の組み合わせからなり得る。いくつかの実施形態では、足場に連結され得るのは核酸鎖1つだけである。他の実施形態では、二本鎖コーディング核酸部分の両方の核酸鎖を足場に連結してもよい。
足場、化学部分、及び/または開裂基は、核酸部分の1つ以上の核酸鎖中のコード配列によってコードされ得る。コード配列を組み込むためのコーディング核酸部分の伸長は、コーディングオリゴヌクレオチドの酵素的ライゲーション;コーディングオリゴヌクレオチドの化学的ライゲーション;ポリメラーゼ酵素を使用したコーディングオリゴヌクレオチドテンプレート全体の伸長;またはこれら3つの方法のいずれかの組み合わせによって行ってもよい。
足場、化学部分、または開裂基を生成または変換する合成ステップの前または後に、核酸部分へのコーディングオリゴヌクレオチドの付加を行ってもよい。コード配列は、1つの核酸鎖のみに存在してもよいし、2つの核酸鎖に存在してもよい。1本の核酸鎖上のコード配列は、例えばPCRによって好都合に増幅され得る。コード配列は、1つまたは2つの核酸鎖上にあってもよく、PCR増幅可能な1つの核酸鎖上に転写されてもよい。コード配列は、足場、1つ以上のビルディングブロック、開裂基、1つ以上のリンカー、またはそれらの組み合わせをコードし得る。
足場、化学部分、または開裂基を生成、伸長または変換する合成ステップの前または後に、コーディング核酸部分へのコーディング配列の付加を行ってもよい。
いくつかの実施形態では、化学ビルディングブロックのみがコードされ得る。他の実施形態では、足場、リンカー、開裂基、または他の実体もコードされ得る。コードされる化学ビルディングブロックを以下に記載するが、下に記載する化学ビルディングブロックがコードされるのと同じ方法で、他の実体もまたコードされ得ることが理解されるべきである。
好ましくは、核酸コードライブラリーのメンバーは、メンバーに結合された化学部分中のすべての化学ビルディングブロックをコードするコーディング核酸部分を含む。メンバーに結合したコーディング核酸部分の配列決定により、メンバーによって表示される化学部分中の化学ビルディングブロックの同定が可能になる。
新生メンバーまたは化合物は、結合オリゴヌクレオチド(ヘッドピースとも呼ばれる)を含んでもよい。いくつかの好ましい実施形態では、結合オリゴヌクレオチドは、新生メンバーの足場に結合している。
結合オリゴヌクレオチドは、核酸部分を形成するために、化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドが結合される核酸である。結合オリゴヌクレオチドは、ライブラリーの異なるメンバーにおいて同じヌクレオチド配列を有してもよい(すなわち、定常ヌクレオチド配列)。コーディングオリゴヌクレオチドの組み合わせ、したがってコーディング核酸部分の配列は、ライブラリーの異なるメンバーで異なる場合がある。
結合オリゴヌクレオチドは、新生結合メンバーに結合する末端と、コーディングオリゴヌクレオチドが結合する遊離端とを有し得る。結合オリゴヌクレオチドの遊離端は、コーディングオリゴヌクレオチドの結合に適合し得る。例えば、遊離端は、ライゲーションを容易にするために、短い5’または3’オーバーハング(「粘着末端」)を含み得る。
結合オリゴヌクレオチドは、DNAもしくはRNAなどの天然の核酸であってもよく、または核酸類似体、例えば、ペプチド核酸(PNA)、ホスホロジアミデートモルホリノオリゴマー(PMO)、ホスホロチオエートオリゴマー(PTO)、ロックド核酸(LNA)、グリコール核酸(GNA)またはトレオース核酸(TNA)であってもよい。
第1の化学ビルディングブロックをコードする第1のコーディングオリゴヌクレオチドは、結合オリゴヌクレオチドに結合され得る。オリゴヌクレオチドの結合に適した技術は十分に確立されており、酵素的ライゲーションが含まれる。第2及びさらなる化学ビルディングブロックをコードする後続のコーディングオリゴヌクレオチドは、前のコーディングオリゴヌクレオチドに結合して、メンバーに結合した鎖中の化学ビルディングブロックのコーディングオリゴヌクレオチドを含むコーディング核酸を形成し得る。
いくつかの実施形態では、結合オリゴヌクレオチドは二本鎖であってもよい。
二本鎖結合オリゴヌクレオチドは、単一のヌクレオチド鎖(すなわちヘアピン)の分子内ハイブリダイゼーションから形成されてもよく、または2つの別個のヌクレオチド鎖の分子間ハイブリダイゼーションから形成されてもよい。二本鎖ヌクレオチド配列は、リンカーの開裂前に一本鎖核酸を生成するために変性され得る。第1の遊離されたメンバーの一本鎖核酸と第2の遊離されたメンバーの一本鎖核酸とのハイブリダイゼーションは、例えば、ESACライブラリーのメンバーを生成する際に有用であり得る。あるいは、2本のオリゴヌクレオチド鎖が共有結合している二本鎖結合オリゴヌクレオチドを使用してもよい。
二本鎖コーディングオリゴヌクレオチドは、標準的な技術に従って、T4 DNAリガーゼなどのリガーゼを使用するライゲーションによって、二本鎖結合オリゴヌクレオチドに結合され得る。
他の実施形態では、結合オリゴヌクレオチドは一本鎖であってもよい。一本鎖コーディングオリゴヌクレオチドは、標準的な技術に従って、アダプターオリゴヌクレオチドを使用するスプリントライゲーションによって結合オリゴヌクレオチドに結合され得る。
コーディングオリゴヌクレオチドは、化学ビルディングブロック及び任意選択で開裂基、足場及び/またはリンカーをコードするヌクレオチドコード配列を含む核酸分子である。コード配列(またはコード領域)は、特定の化学ビルディングブロックと独自に関連する核酸塩基の任意の配列であり得る。これにより、化学部分の同一性を、コード配列の配列決定またはそうでなければ「読み取り」によって決定することが可能になる。
コード配列には、それがコードしている化学ビルディングブロックを一意的に識別するのに十分なヌクレオチドが含まれている。例えば、化学部分に20のバリアントがある場合、コーディング配列には少なくとも3つのヌクレオチドが含まれている必要がある(4=16、4=64)。コード配列は、必要以上に長い場合がある。必要以上に長いコード配列を使用する利点は、単一のヌクレオチドの違い以上にコードを区別する機会が得られることであり、これにより解読プロセスの信頼性が高まる。例えば、20の異なる化学ビルディングブロック(20の化合物)の集団由来の第1の化学ビルディングブロックは、6ヌクレオチドによってコードされ得、200の異なる部分の集団からの第2の化学ビルディングブロックは、8ヌクレオチドによってコードされ得る。したがって、コード配列のサイズは、コードされる化学ビルディングブロックの数(すなわち、ライブラリー内の異なる化学ビルディングブロックの数)に依存する。ヌクレオチドの配列及び/またはその相補体をコード配列として使用して、化学ビルディングブロックをコードし得る。ライブラリー内の化学ビルディングブロックをコードするための適切な配列は、当該技術分野で周知である。
コーディングオリゴヌクレオチドのコード配列は、定常領域に隣接していてもよい。定常領域は、効率的なハイブリダイゼーション及びライゲーションを可能にするのに十分な長さ、例えば2~20塩基、好ましくは9~15塩基であってもよい。
コーディングオリゴヌクレオチドは、ビルディングブロックの組み込みと同時に、メンバーまたは化合物に連続的に付加され、メンバーまたは化合物に存在する、化学ビルディングブロックの組み合わせをコードする一連のコーディングオリゴヌクレオチドを含む核酸分子(すなわち、核酸部分)をもたらす。第1の化学ビルディングブロックをコードする第1のコーディングオリゴヌクレオチドは、結合オリゴヌクレオチドに連結され得、さらなるコーディングオリゴヌクレオチドはそれぞれ、一連の先行するコーディングオリゴヌクレオチドに連結されて、核酸分子(すなわち、核酸部分)を形成し得る。ライブラリーメンバーの核酸部分の配列は、ライブラリーメンバーの化学ビルディングブロックをコードする。したがって、コーディング核酸部分を配列決定することにより、メンバーの化学ビルディングブロックを同定することが可能になる。
第1の化学ビルディングブロック及びコーディングオリゴヌクレオチドは、新生メンバーまたは化合物に対して、以下;
第1の化学ビルディングブロックを新生メンバーまたは化合物の足場に共有結合させることと、
第1の化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドを新生メンバーの結合オリゴヌクレオチドに共有結合することと、を含む方法によって結合され得る。
反応後、未反応の種は、さらなる反応を防ぐために洗浄またはキャップによって除去され得る。例えば、この方法は、第1の化学ビルディングブロックに共有結合していない足場をキャッピングすることをさらに含んでもよい。キャッピングの適切な方法は上記に記載されている。
望ましくない反応を防止するために、第1の化学ビルディングブロックを保護してもよい。例えば、第1の化学ビルディングブロックの遠位結合基は、保護基に共有結合されてもよい。第1の化学ビルディングブロックは、その後、例えばコーディングオリゴヌクレオチドの結合後に脱保護され得る。方法は、足場に結合した第1の化学ビルディングブロックの遠位結合基から保護基を除去することを含み得る。これにより、第2の化学ビルディングブロックを付加することが可能になる。
いくつかの実施形態では、第1の化学ビルディングブロックは、新生化合物またはメンバーに対して、以下;
第1の化学ビルディングブロックを新生メンバーの足場に共有結合させることであって、第1の化学ビルディングブロックが、この足場の捕捉基と反応して共有結合及び保護された遠位結合基を形成する近位結合基を含むことと、
第1の化学ビルディングブロックに結合していない未反応の捕捉基をキャッピングすることと、
第1の化学ビルディングブロックをコードする第1のコーディングオリゴヌクレオチドを新生メンバーの結合オリゴヌクレオチドに共有結合してコーディング核酸を形成することと、
第1の化学ビルディングブロックの遠位結合基を脱保護することと、を含む方法によって結合され得る。
遠位結合基の脱保護に続いて、第2の化学ビルディングブロックは、新生メンバーに対して、以下;
第2の化学ビルディングブロックを新生メンバーの第1の化学ビルディングブロックに共有結合させることと、
第2の化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドを新生メンバーに共有結合させることと、を含む方法によって結合され得る。
反応後、未反応の種は、さらなる反応を防ぐために洗浄またはキャップによって除去され得る。例えば、この方法は、さらなる化学ビルディングブロックに共有結合していない任意の化学ビルディングブロックの遠位結合基をキャッピングすることをさらに含んでもよい。
望ましくない反応を防止するために、さらなる化学ビルディングブロックを保護してもよい。例えば、さらなる化学ビルディングブロックの遠位結合基は、保護基に共有結合されてもよい。さらなる化学ビルディングブロックは、その後、例えばコーディングオリゴヌクレオチドの結合後に脱保護され得る。方法は、足場に結合したさらなる化学ビルディングブロックの遠位結合基から保護基を除去することを含んでもよい。これにより、追加の化学ビルディングブロックまたは開裂基の結合が可能になる。
いくつかの実施形態では、さらなる化学ビルディングブロックは、新生メンバーに対して、以下;
さらなる化学ビルディングブロックを化学ビルディングブロックの鎖に共有結合させることであって、このさらなる化学ビルディングブロックが近位結合基及び遠位結合基を含み、さらなる化学ビルディングブロックの前記近位結合基が化学ビルディングブロックの遠位結合基と遠位端位置で反応して共有結合を形成して、さらなる化学ビルディングブロックが化学ビルディングブロックの鎖の遠位端に付加されることと、
さらなる化学ビルディングブロックを化学ビルディングブロックの鎖に共有結合させることであって、このさらなる化学ビルディングブロックが、保護された遠位結合基と、その鎖の遠位端で化学ビルディングブロックの遠位結合基と反応して共有結合を形成する近位結合基とを含むことと、
さらなる化学ビルディングブロックに結合していない遠位端で、化学ビルディングブロックの未反応の遠位基をキャッピングすることと、
さらなる化学ビルディングブロックをコードするさらなるコーディングオリゴヌクレオチドをコーディング核酸に共有結合させることと、
さらなる化学ビルディングブロックの遠位結合基を脱保護することと、を含む方法によって結合され得る。
さらなるコーディングオリゴヌクレオチドの共有結合は、遠位結合基の脱保護の前、後、または同時に行ってもよい。
このプロセスを1回以上繰り返して、複数のさらなる化学ビルディングブロックを組み込み、化学部分を生成してもよい。例えば、化学部分は、1、2、3、4、5またはそれ以上の化学ビルディングブロックの鎖を含んでもよい。いくつかの好ましい実施形態では、化学部分は、最大20個の化学ビルディングブロックを含んでもよい。他の好ましい実施形態では、化学部分は、最大10個の化学ビルディングブロックを含んでもよい。他の好ましい実施形態では、化学部分は、最大6個の化学ビルディングブロックを含んでもよい。
いくつかの実施形態では、化学ビルディングブロックの鎖の末端の化学ビルディングブロック(すなわち、末端化学ビルディングブロック)は、保護された遠位結合基、例えば、保護基に共有結合された遠位結合基を含んでもよい。方法は、開裂基の結合の前に、化学ビルディングブロックの鎖の末端で化学ビルディングブロックの遠位結合基から保護基を除去することを含み得る。
固体支持体とは、本明細書に記載されているように、産生中に新生メンバーまたは化合物を結合させ得る表面を示す不溶性物体である。適切な支持体の例としては、樹脂、ビーズ、ナノ粒子、及びポリマー類、例えば、ポリスチレン-ポリエチレングリコール(PEG)複合体、PEG及びポリ-ε-リジン(ε-PL)が挙げられる(例えば、Albericio F(2000)を参照のこと)。固相合成:実用ガイド。Boca Raton:CRC Press).好都合には、支持体は、ビーズなどの粒子の形態であり得る。いくつかの実施形態では、固体支持体は、ポリ(エチレングリコール)(PEG)でグラフトされたポリスチレンマトリックスからなるグラフトコポリマーのビーズであり得る。固体支持体は、標準的な技術を使用して生成してもよいし、市販の供給業者(例えば、Tentagel(登録商標)、Rapp Polymere GmbH、DE)から入手してもよい。溶液からの固体支持体上の化合物の分離は、濾過、磁気相互作用(磁気ビーズの場合)、遠心分離などの任意の便利な方法によって達成され得る。
その他の適切な固体支持体としては、ポリスチレンビーズ、架橋ポリスチレンビーズ、ポリマービーズ、ガラスビーズ、コーティングガラスビーズ、制御細孔ガラスビーズ、ビーズ制御細孔ガラスビーズ、シリカ微粒子、コーティングシリカ微粒子、酸化鉄粒子、コーティングされた酸化鉄粒子、PEGA(ポリエチレングリコール-アクリルアミド)樹脂、及び異なるサイズの他の市販もしくはカスタム合成された固体支持体、またはそれらの組み合わせが挙げられる。適切な固体支持体は磁性であってもよい。磁性固体支持体の例としては、Magnefy(商標)及びProMag1(登録商標)微小球(Bangs Laboratories,Inc.)が挙げられる。固体支持体の例としては、共重合体、例えば、アクリルアミド-PEG共重合体、常磁性または強磁性の材料をさらに含むポリマー粒子、コアシェル粒子、多孔性粒子、非多孔性粒子、または強磁性体の材料と組み合わせた他の有機化学物質が挙げられる。他の適切な固体支持体は、当該技術分野で公知である(例えば、Pon,R.T.Curr.Protoc.Nucleic Acid Chem.(2000);Chaudhuri,R.G.& Paria,S.,Chem.Rev.(2011);Wu,W.,He,Q.& Jiang,C.Nanoscale Res.Lett.(2008);Hermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques:Third Edition(2013)を参照のこと)。
いくつかの実施形態では、固体支持体上への捕捉のために結合実体を使用してもよい。例えば、固体支持体に結合した化合物を溶液から物理的に分離できるようにするために、小さな有機または無機実体を固体支持体への捕捉に使用してもよい。適切な小さい有機または無機結合実体としては、ビオチン及び磁気量子ドットなどの量子ドットが含まれ得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の核酸コード化合物またはライブラリーの合成における1つ以上のステップは、固体支持体上への捕捉の前または後に溶液中で実施され得る。
いくつかの実施形態において、固体支持体は、線状(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)スペーサー)またはデンドリマー構造(例えば、ポリアミドアミン(PAMAM)デンドリマー)によってさらに官能化され得る。デンドリマー及びスペーサーは、(Hermanson,G.T.,Bioconjugate Techniques:Third Edition(2013))を含む文献に記載されている。いくつかの実施形態において、固体支持体表面は、小分子によって改変されてもよい。いくつかの実施形態では、例えば、小分子は、固体支持体の一部を第1及び/または第2のリンカーと接続してもよい。
好ましくは、必要に応じて、固体担体粒子の集合を溶液に容易に懸濁して、分割及びプールを可能にし得る。いくつかの実施形態では、多数の別個のメンバーを有するライブラリーの容易な合成のために、小さな固体支持体粒子サイズが好ましい場合がある。例えば、マイクロ粒子またはナノ粒子を使用してもよい。
固体支持体によって、結合メンバーまたは化合物を、本明細書に記載の構築の1つ以上のステップ後に洗浄して、結合していない反応物を除去することが可能になる。自己遊離可能なのは、完全なメンバーのみである。これにより、完全に合成されていないライブラリーメンバーから純粋なライブラリーメンバーを分離することが可能になる場合があり、高純度のDELの生成が可能になる。いくつかの実施形態では、固体支持体に結合したままの種からの溶液中の遊離されたメンバーの分離によって、完全なメンバーの濃縮または精製が可能になり、高純度のDELの生成が可能になる。他の実施形態では、溶液中の遊離されたメンバーの分離の後に、固体支持体から不完全に合成された種を遊離するだけの場合もあり、または優先的に遊離する場合もあるステップが続く。その後、固体支持体に結合したままのメンバーを遊離すると、完全なメンバーの濃縮または精製が可能になり、高純度のDELの生成が可能になる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のメンバーまたは化合物は、開裂基とリンカーとの反応によって固体支持体から遊離される。求電子開裂基及び求核リンカー、またはより好ましくは求核開裂基及び求電子リンカーを使用してもよい。いくつかの実施形態では、リンカーと開裂基との間の反応は、固体支持体を開裂基で置換する置換反応であってもよい。置換反応は、求核置換反応、例えば求核芳香族置換反応であってもよい。リンカーと開裂基との間の他の適切な反応には、金属触媒反応またはメタセシス反応が含まれてもよい。
いくつかの好ましい実施形態では、リンカー及び開裂基の一方はチオールまたはセレノチオール基であってもよく、他方はカルボニル基であってもよい。この反応により、チオエステル中間体が形成される場合がある。チオエステル中間体はその後、分子間または分子内で開裂される場合があり、ライブラリーメンバーの不可逆的な環化を引き起こす場合がある(図2)。
リンカーは、いくつかの実施形態では、足場を固体支持体に接続し得る開裂可能な化学部分である。リンカーは、足場を固体支持体に直接接続する場合もあるし、または例えばアンカーを介して間接的に接続する場合もある。リンカーは、特定の試薬(例えば、開裂基)または反応条件によって媒介される化学反応によって開裂され得る。
他の実施形態では、第1及び第2のリンカーが存在し得る。第1のリンカーは、足場を固体支持体に共有結合させる開裂可能な化学部分であり得る。第2のリンカーは、化学部分を固体支持体に共有結合させる開裂可能な化学部分であってもよい。第1及び第2のリンカーは直交的に開裂可能であり、すなわち、第1のリンカーは、第2のリンカーを開裂しない、特定の試薬(例えば開裂基)または反応条件によって開裂され得る。
いくつかの実施形態では、リンカーは、開裂基との反応前に固体支持体及び足場に結合した後、さらなる変換または活性化を必要としない場合がある。リンカーは、活性状態で新生メンバーに組み込まれ得る(すなわち、リンカーは、開裂基に反応する形態である)。適切なリンカーとしては、置換キノキサリンまたはその誘導体が含まれ、これらは、さらなる変換または活性化なしに、オルトジチオフェノール開裂基によって開裂され得る。
置換キノキサリンは、1つ以上の置換、例えば2位、3位及び5位または2位、3位及び6位での置換を有するキノキサリン基を含んでもよい。いくつかの実施形態では、置換キノキサリンの2位は、ハロゲン、例えば、F、Cl、BrまたはI、好ましくはCl、または電子求引基であってもよく;3位は、-SR、-OR、または-NRであってもよく、5または6位は-COOR、-CONR、またはアルキンであってもよい。他の実施形態では、置換キノキサリンの2位は、-SR、-ORまたは-NRであってもよく;3位は、ハロゲン、例えば、F、Cl、BrもしくはI、好ましくはCl、または電子求引基であってもよく、5位または6位は、-COORまたは-CONR、またはアルキンであってもよい。Rは、水素原子、またはC1-6アルキル基、C5-20 アリール、C1-6アルコキシ基、C1-6アシルオキシ基、またはC1-6 逆エステル基から独立して選択され得る;これらのいずれも、直鎖状または分枝状であってもよく、任意選択で置換されていてもよい。適切な置換キノキサリンの例としては、3-クロロ-2-((2-ヒドロキシエチル)チオ)キノキサリン-6-カルボン酸;3-クロロ-2-(4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ)キノキサリン-6-カルボン酸;及びN-(3-アミノプロピル)-3-クロロ-2-(4-(ヒドロキシメチル)フェノキシ)キノキサリン-6-カルボキサミドが挙げられ得る。
他の実施形態では、リンカーは、固体支持体及び足場への結合後、開裂基との反応前に活性化を必要とし得る、すなわちリンカーは活性化可能なリンカーであり得る。リンカーは、不活性状態で新生メンバーに組み込まれ得る(すなわち、リンカーは、開裂基に反応しない形態である)。リンカーを活性化すると、非活性化型から活性化型に変換される。リンカーの活性化型は、開裂基によって選択的に開裂されるが、リンカーの非活性化型は開裂基によって開裂されない。例えば、リンカーの不活性型は保護基を含んでもよく、リンカーは保護基の除去によって活性化されてもよい。本明細書に記載の方法は、活性化可能なリンカーを活性化することを含み得る。開裂基が活性化を必要とする実施形態では、リンカーは、開裂基の活性化の前、後、または同時に活性化され得る。
適切な活性化可能なリンカーには、N-アルキルシステインなどのマスクされたチオエステルが含まれる。マスクされたチオエステルは活性化されて、チオール開裂基によって開裂され得るチオエステルを生成し得る(天然化学ライゲーション)。マスキングされたチオエステル中のチオールは、例えば、tert-ブチル基、アリルオキシカルボニルアミノメチル基、2-ニトロベラトリル基、9-フルオレニルメチル基によって、またはS-スルホネートとして保護され得る。マスキングされたチオエステルの脱保護後、システイン誘導体は、チオールの脱保護時にNからSへの転位を受けて、チオエステルを得てもよい。
他の適切な活性化可能なリンカーには、ジアミノベンゾイル基またはメチルジアミノベンゾイル基などのその誘導体が挙げられる。例えば、活性化可能なリンカーは、アミノ(メチル)アニリン(MeDbz)であってもよい。MeDbzは、パラ-ニトロフェニルクロロホルメートとの反応によって活性化されて、チオール開裂基によって開裂され得るN-アシルN’-メチルベンズイミダゾリン(MeNbz)を生成し得る。適切な活性化可能なリンカーの他の例としては、亜硝酸イソペンチルで活性化してベンゾトリアゾール誘導体を生成し得る、3,4-ジアミノ安息香酸(Dbz)及びその誘導体が挙げられる(Selvaraj,A.et al,Chem.Sci.,2018,9,345-349)。
他の適切な活性化可能なリンカーとしては、酵素基質が挙げられる。例えば、活性化リンカーは、ヌクレアーゼ開裂基によって開裂されるオリゴヌクレオチドであっても、またはペプチダーゼによって開裂されるオリゴヌクレオチドであってもよい。
いくつかの実施形態では、リンカーは、開裂基によって開裂されて、固体支持化合物を遊離する。開裂基とは、リンカーと反応してリンカーを開裂し、新生メンバーを固体支持体から遊離し得る反応性化学基、試薬、または酵素である。自己精製化合物を提供するために、開裂基は、化学部分、核酸部分、または足場に共有結合されてもよいし、または可逆的に会合されてもよい。例えば、開裂基は、化学部分の完成後に、化学ビルディングブロックの鎖の遠位端に結合されてもよい。開裂基は、化学部分における化学ビルディングブロックの鎖の遠位末端位置で、化学ビルディングブロックの遠位結合基に結合され得る。他の実施形態では、開裂基は、化学部分の任意の位置、足場、または核酸部分に結合され得る。
いくつかの実施形態では、開裂基は、化学部分、足場、またはコーディング核酸部分への結合の後で、かつリンカーとの反応の前に、さらなる変換または活性化を必要としない。
他の実施形態では、開裂基は、化学部分、足場、またはコーディング核酸部分への結合後で、かつリンカーとの反応前に活性化を必要とし、すなわち、開裂基は、活性化可能な開裂基であってもよい。開裂基は、開裂基がメンバーまたは化合物に組み込まれると保護され、脱保護後にリンカーを開裂する官能基を含んでもよい。例えば、開裂基は保護基を含んでもよく、保護基を除去することによって活性化されてもよい。
いくつかの好ましい実施形態では、開裂基を保護してもよい。例えば、開裂基は、保護基に共有結合され得る。保護された開裂基は不活性であってもよく、脱保護によって活性化されてもよい。方法は、例えば保護基を除去することにより、開裂基を脱保護することをさらに含んでもよい。開裂基は、リンカーの潜在的な活性化の前、後、または同時に脱保護され得る。適切な保護基は上記に記載されている。
開裂基は、好ましくは、足場に結合した化学部分を形成する化学ビルディングブロックの鎖の末端(すなわち、化学部分の遠位端)であってもよい。あるいは、開裂基は、末端の化学ビルディングブロック以外の鎖内の化学ビルディングブロックに結合してもよいし、または鎖中の2つの化学ビルディングブロックの間に組み込まれてもよい。
いくつかの実施形態では、化合物またはメンバーは、複数の異なる開裂基を含んでもよい。例えば、2つの異なるまたは直交する開裂基が、化学部分の2つの異なる位置に結合され得る。
開裂基の選択は、活性化可能なリンカー次第である。
適切な開裂基は、チオールを含んでもよいし、またはそれからなってもよい。いくつかの実施形態では、チオール開裂基を使用して、チオエステルリンカー、例えば、マスクされたチオエステルまたはマスクされたN-アルキルシステインの活性化によって生成されるチオエステルリンカー;またはMeNbzリンカーなどのジアミノベンゾイルリンカー、例えば、MeDbzの活性化によって生成されるMeNbzリンカー、を開裂してもよい。チオールは、固体支持体化合物への取り込み中に保護され得る。
他の適切な開裂基は、固体支持体上のメンバーまたは化合物への組み込み中に保護され得るセレノチオールを含んでもよいし、またはそれらからなってもよい。セレノチオールは、チオールと比較してリンカーと同様の反応性を示し得る。セレノチオールは、固体支持体化合物への取り込みの間に保護され得る。例えば、開裂基は、システインもしくはその誘導体、またはセレノシステインもしくはその誘導体であり得る。チオールまたはセレノチオールに加えて開裂基中のアミンは、アミンによる開裂基とリンカーとの反応後に形成されるチオエステルまたはセレノエステルの分子内開裂をもたらし得る。
いくつかの実施形態では、開裂基は、複数のチオールまたはセレノチオール基を含んでもよい。
他の適切な開裂基は、オルトジチオフェノールを含んでもよいし、またはそれからなってもよい。オルトジチオフェノール開裂基を使用して、置換キノキサリンリンカーを開裂してもよい。置換キノキサリンリンカーは、上により詳細に記載されている。
他の適切な開裂基は、酵素を含んでもよいし、または酵素からなってもよい。酵素開裂基を使用して、酵素的に開裂可能な構造を含むリンカーを開裂してもよい。例えば、ヌクレアーゼ開裂基を使用してポリヌクレオチドリンカーを開裂してもよく、ペプチダーゼを使用してペプチドリンカーを開裂してもよい。
開裂基によるリンカーの開裂には、他の反応を使用してもよい。本明細書に記載の開裂基及びリンカーの選択的反応に適合する反応を使用してもよい。例えば、リンカーは、N-及びO-置換ヒドロキシルアミンであってもよく、開裂基はα-ケト酸基を含んでもよい。別の例では、リンカーは、芳香環上でさらに誘導体化されたカルボン酸オルトヒドロキシベンズアルデヒドエステルを含んでもよく、開裂基は、化学部分、足場、またはコーディング核酸部分に対して、そのカルボキシル基を介して連結されたセリンまたはその誘導体、またはトレオニンまたはその誘導体を含んでもよい。
自己精製された化合物またはメンバーの合成を不必要に妨害しない限り、同じまたは異なるタイプの保護基を足場、化学ビルディングブロック、及び開裂基に使用してもよい。
例えば、チオール開裂基は、S-スルホネートの形成、またはジスルフィド結合またはセレンスルフィド結合を介して、アリルオキシカルボニル-アミノメチル基、o-ニトロベンジル基、2-ニトロベラトリル(Nv)基、tert-ブチル(tBu)基、9-フルオレニルメチル基に対する共有結合によって、保護され得る。好ましくは、ジスルフィドまたはセレンスルフィド結合による保護は分子内であり得る。
セレノチオール開裂基は、セレンスルフィドまたはジセレニド結合を介して保護され得る。
オルトジチオフェノール開裂基は、各チオールの分子間ジスルフィド結合形成による共有結合によって保護され得る。例えば、オルト-ジチオフェノール開裂基中のチオール基はそれぞれ、S-tert-ブチル基によって保護され得る。いくつかの実施形態において、チオールは、上記の他の保護基によって保護され得る。
いくつかの実施形態では、開裂基中の官能基の保護基は、光不安定性であってもよく、光不安定性結合によって開裂基に結合されてもよい。保護基は、光を当てて光不安定結合を開裂し、開裂基を活性化することによって除去され得る。開裂基は、リンカーの潜在的な活性化の前に、後に、または同時に脱保護されてもよい。適切な光不安定性保護基としては、2-ニトロベラトリル基などの2-ニトロベンジル基が挙げられる。
他の実施形態では、固体支持体メンバーは、開裂基を必要とせずに、メンバーを適切な条件にさらすことによって独立して開裂可能な第1及び第2のリンカーを含み得る。第1のリンカーは、足場を固体支持体に接続し得る。第2のリンカーは、化学部分を固体支持体に接続し得る。第1のリンカーの開裂は、第2のリンカーによって接続もされていないメンバー(すなわち、不完全な化学部分を有するメンバー)を遊離し得る。
1つの酵素または異なる酵素が、本明細書に記載の自己精製化合物またはメンバーの生成に関与する1つの反応または複数の反応を媒介し得る。
選択的に遊離された自己精製ライブラリーメンバーは、化学部分及び任意選択で足場から形成された直鎖状、分岐状、環状、大環状、または多環状の構造、及びリンカーと開裂基の反応から生じる1つ以上の開裂部分、またはリンカーの開裂後に残る1つ以上の部分を含んでもよい。図6Aは、線形構造を有する自己精製化合物の例を示している。図6Bは、環状または大環状構造を有する自己精製化合物の例を示している。図7Aは、分岐構造を有する自己精製化合物の例を示している。図7Bは、二環構造を有する自己精製化合物の例を示している。
自己精製されたライブラリーメンバーが固体支持体から選択的に遊離された後、さらなる反応を行ってもよい。例えば、追加の変換を溶液中で行ってもよく、または自己精製化合物を固体支持体上に再捕捉して、変換とそれに続く自己精製反応を含む追加の変換を行ってもよい。さらなる変換としては、化学ビルディングブロックの組み込み反応、化学ビルディングブロックの架橋、足場への化学ビルディングブロックの架橋、開裂反応、開環反応、及び大環状化反応が挙げられる。例えば、二環構造は、CuAAC(銅触媒アジド-アルキン付加環化)の2つのビルディングブロックの架橋によって固体支持体から大環状自己精製ライブラリーメンバーが遊離された後に形成され得る。
いくつかの実施形態では、個々の固体支持体連結ライブラリーメンバーは、メンバーが固体支持体から遊離される前に区画化され得る。これにより、自己精製されたライブラリーメンバーの活性ベースのアッセイが可能になる。これによってまた、遊離されたメンバーが、コンパートメント内のコーディングオリゴヌクレオチドを含む核酸分子から物理的に分離されることが可能になる。核酸分子と遊離されたメンバーとが同じコンパートメントに存在することにより、遊離されたメンバーをコードする核酸分子を、同定及び配列決定して、メンバーの化学的部分を形成する化学ビルディングブロックを決定することが可能になる。これは、例えば、活動ベースのアッセイシステムで役立つ場合がある。
メンバーは、固体支持体の各粒子を別々のコンパートメントに分離することによってコンパートメント化され得る。隔離によって、異なる粒子の固体支持体に結合したメンバーが互いに相互作用するのが防がれ、コーディング核酸が、リンカーの開裂によって物理的に分離されている場合でも、遊離されたメンバーと関連付けられたままになることが可能になる。コンパートメントは、隔離された容積または液滴を含んでもよい。例えば、約0.5pLから約100nLの間の容積または液滴を使用してもよい。しかしながら、より小さなまたはより大きな容積も使用してもよい。コンパートメントは、固体支持体結合メンバーと、リンカーの開裂及び支持体からのメンバーの遊離を容易にする、適切な反応物、緩衝液、及び他の試薬とを含み得る。区画化されたライブラリーは、例えば、アレイ、マイクロ流体またはマイクロパターン化デバイス、またはマルチウェルディッシュなど、任意の適切な形式であってもよい。
いくつかの実施形態では、コーディングオリゴヌクレオチドを含むコーディング核酸部分は、リンカーが開裂され、メンバーが遊離されたときにアンカー及びコーディング核酸部分が固体支持体に連結したままであるように、リンカーと固体支持体との間に位置するアンカーに結合されてもよい。
アンカーとは、結合オリゴヌクレオチドが結合される化学部分である。好ましくは、同じ化学部分がライブラリーのすべてのメンバーのアンカーを形成する。
いくつかの実施形態では、DNAコードライブラリーを作製する方法は、メンバーごとに、以下のステップ;
足場及びアンカーを含む新生メンバーを提供することであって、この足場はアンカーによってリンカーに接続され;アンカーが結合オリゴヌクレオチドを含み、固体支持体に結合していることと、
1つ以上の化学ビルディングブロックを新生メンバーに共有結合させて、足場に結合した化学部分を形成することと、
1つ以上のコーディングオリゴヌクレオチドを結合オリゴヌクレオチドに共有結合させて、アンカーに結合した核酸部分を形成することと、
開裂基を化学部分または足場に結合することと、
新生メンバーをコンパートメントに分離することと、
リンカーが開裂され、足場に結合した化学部分がコンパートメント内の固体支持体から遊離されるように、リンカーと開裂基を反応させることと、を含み得る。
他の実施形態では、DNAコードライブラリーを作製する方法は、メンバーごとに、以下のステップ;
足場及びアンカーを含む新生メンバーを提供することであって、ここで足場はアンカーによって第1のリンカーに接続され、このアンカーは結合オリゴヌクレオチドを含み、固体支持体に結合されていることと、
1つ以上の化学ビルディングブロックを新生メンバーに共有結合させて、足場に結合した化学部分を形成することと、
1つ以上のコーディングオリゴヌクレオチドを結合オリゴヌクレオチドに共有結合させて、アンカーに結合した核酸部分を形成することと、
化学部分に第2のリンカーを結合して、化学部分を固体支持体に接続することと、
第1のリンカーを開裂することと、
新生メンバーをコンパートメントに分離することと、
第2のリンカーが開裂され、足場に結合した化学部分がコンパートメント内の固体支持体から遊離されるように、第2のリンカを開裂させることと、を含んでもよい。
化学部分は、核酸部分とコンパートメント的に関連したままであり、核酸部分の配列決定がコンパートメント的に関連した化学部分を同定することを可能にする。
他の実施形態では、コーディングオリゴヌクレオチドを含むコーディング核酸部分は、リンカーが開裂されて、メンバーが遊離されたときにコーディング核酸部分が固体支持体に結合したままであるように、固体支持体に結合され得る。例えば、DNAコードライブラリーを生成する方法は、メンバーごとに以下のステップ;
リンカーによって固体支持体に接続された足場を含む新生メンバーを提供することであって;この固体支持体は結合オリゴヌクレオチドを含むことと、
1つ以上の化学ビルディングブロックを新生メンバーに共有結合させて、足場に結合した化学部分を形成することと、
1つ以上のコーディングオリゴヌクレオチドを結合オリゴヌクレオチドに共有結合させて、固体支持体に結合したコーディング核酸部分を形成することと、
開裂基を化学部分または足場に結合することと、
新生メンバーをあるコンパートメントに分離することと、
リンカーが開裂され、足場に結合した化学部分がこのコンパートメント内の固体支持体から遊離されるように、リンカーと開裂基を反応させることと、を含み得る。
DNAコードライブラリーを生成する別の方法は、メンバーごとに以下のステップ;
第1のリンカーによって固体支持体に接続された足場を含む新生メンバーを提供することであって;この固体支持体は結合オリゴヌクレオチドを含むことと、
1つ以上の化学ビルディングブロックを新生メンバーに共有結合させて、足場に結合した化学部分を形成することと、
1つ以上のコーディングオリゴヌクレオチドを結合オリゴヌクレオチドに共有結合させて、固体支持体に結合したコーディング核酸部分を形成することと、
化学部分に第2のリンカーを取り付けて、化学部分を固体支持体に接続することと、
第1のリンカーを開裂し、新生メンバーをあるコンパートメントに分離することと、
第2のリンカーが開裂され、足場に結合した化学部分がコンパートメント内の固体支持体から遊離されるように、第2のリンカーを開裂させることと、
を含み得る。
本発明の上記態様のいくつかの好ましい実施形態では、リンカーの1~1015コピーが、粒子またはビーズなどの1つの固体支持体実体上に存在し得る。
支持体からの遊離に続いて、メンバーまたは化合物をさらに精製してもよい。例えば、自己精製後に追加のHPLC精製を行ってもよい。
本明細書に記載の方法によって作製されたライブラリーは、標的分子に結合するメンバーについてスクリーニングされ得る。標的分子に結合するライブラリーメンバーを同定し、核酸分子を配列決定して、同定されたライブラリーメンバーによって提示される化学物質を形成する化学ビルディングブロックを同定し得る。
同定されたライブラリーメンバーの結合は、コード核酸の非存在下で検証され得る。例えば、方法は以下;
(i)リンカーによって固体支持体に接続された標識された足場を含む新生メンバーを提供することと、
(ii)同定されたライブラリーメンバーの化学部分の化学ビルディングブロックを足場に共有結合させて、前記化学部分を含む標識された新生メンバーを生成することと、
(iii)開裂基を化学部分または足場に結合することと、
(iv)リンカーを開裂基と反応させ、それによってリンカーを開裂し、固体支持体からメンバーを遊離することと、
(vi)遊離された標識メンバーの標的分子への結合を決定することと、を含んでもよい。
遊離されたメンバーの標的分子への結合は、標識を使用して決定され得る。足場は、任意の便利な標識、例えば、蛍光標識で標識してもよい。
本発明の他の態様及び実施形態は、「含む」という用語を「からなる」という用語に置き換えた上記の態様及び実施形態、及び「本質的に~からなる」という用語に置き換えた「含む」という用語を含む上記の態様及び実施形態を提供する。
文脈上別段の要求がない限り、本出願は、上記の態様及び上記の実施形態のいずれかのお互いとのすべての組み合わせを開示することを理解されたい。同様に、本出願は、文脈上別段の要求がない限り、好ましい特徴及び/または任意選択の特徴のすべての組み合わせを単独で、または他の態様のいずれかと一緒に開示する。
上記の実施形態の改変、さらなる実施形態及びその改変は、本開示を読めば当業者には明らかであり、したがって、これらは本発明の範囲内である。
本明細書に言及される全ての文書及び配列データベース実体は、あらゆる目的のためにそれらの全体が参照により本明細書に援用される。
優先権は、欧州特許第20203475.7号から主張されており、その開示は、すべての目的のために参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
「及び/または」は、本明細書で使用される場合、お互いが有無である、2つの指定された特徴または構成要素のそれぞれの特定の開示とみなされるべきである。例えば、「A及び/またはB」とは、あたかもそれぞれが本明細書において個別に記載されているかのように、(i)A、(ii)B、及び(iii)A及びBのそれぞれの特定の開示とみなされるべきである。
実験
材料及び方法
樹脂膨潤
初めて使用する前または-20℃で保存した後、TentaGel(登録商標)ビーズ(Rapp Polymere GmbH)を適切な溶媒で10分間インキュベートした。
固形支持体の乾燥及び洗浄
TentaGel(登録商標)ビーズ(Rapp Polymere GmbH)をフリット付きの固相合成反応容器で使用した。TentaGel(登録商標)ビーズとインキュベートした溶媒または溶液を除去するために、真空ろ過を使用した。適切な溶媒を添加すること、続いて得られた溶媒または溶液を除去することによってビーズを洗浄した。磁性固体支持体は、磁石を使用して溶液から分離された。
固体支持体の量
各実験で使用される固体支持体の量は、それぞれの表面官能基(ロード量)のミリモル、質量(gまたはmg)、または容積(μL)として与えられ、ここで、ビーズの容積は、製造業者によって供給されるのと同じ濃度で使用されるビーズ懸濁液の容積を指す。
固体支持体保存
官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズ(Rapp Polymere GmbH)は、-20℃で乾燥して保存された。他の固体支持体タイプは、4℃で適切な溶媒または水溶液中の懸濁液として保存された。
オリゴヌクレオチド
購入したカスタムオリゴヌクレオチドは、エタノール沈殿によってさらに精製された。mQに再溶解したオリゴヌクレオチドを、LCMSで分析し、NanoDrop 2000c分光光度計を使用してそれらの濃度を測定した。
アミノ修飾一本鎖(ss)DNA(配列1):
5’dアミノC6-GGAGCTTCTGAATT3’
分子量=4473.02Da、ε260=133700M-1cm-1
アミノ修飾二本鎖(ds)DNA(配列2):
5’d Phos-GAGTCA-スペーサー9-アミノC7-スペーサー9-TGACTCCC 3’
分子量=4937.24Da、ε260=127872M-1cm-1
アダプター(配列3):
3’CCTCGAAGACTTAAGACACACGAC5’
コード(配列4):
5’d Phos-CTGTGTGCTGACAGCTCGAGTCCCATGGCGC3’
分子量=9584.16Da、ε260=280300M-1cm-1
オリゴヌクレオチドのエタノール沈殿
エタノール沈殿は、10%(v/v)5M NaClと3.5倍量のEtOHを加えることによって行った。サンプルを-20℃で少なくとも2時間保存した後、4℃で20800×gで1時間遠心分離した。遠心分離後、上清を廃棄した。沈殿物は、Christ Alpha RVC Speedvac回転式真空濃縮装置で完全に乾燥させ、mQ(Milli-Q(登録商標))水に溶解した。
オリゴヌクレオチド溶液の濃度評価
オリゴヌクレオチド溶液の濃度は、NanoDrop 2000c Spectrophotometer 機器を使用して、260nmでのUV 吸光度を測定することにより決定した。各測定に 2μLのオリゴヌクレオチド溶液を使用した。オリゴヌクレオチドの濃度は、DNA配列の既知の吸収係数と260nmで測定されたUV吸光度から計算された。
液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)
質量分析(LCMS)スペクトルは、Waters Acquity UPLC及びXevo G2-XS QTof Quadrupole Time of Flight Mass Spectrometer(四重極飛行時間型質量分析計)(Waters)を使用して記録した。オリゴヌクレオチドのLCMS分析には、XBridge(登録商標)Oligonucleotide BEH(商標)C18、130Å、2.5μm、2.1mm×50mmのカラムまたはXBridge(登録商標)Oligonucleotide BEH(商標)C18、130Å、1.7μm、2.1mM×50mMのカラムを使用した。低分子のLCMS分析には、Acquity UPLC(登録商標)CSH(商標)C18、1.7μm、2.1mM×50mMのカラムを使用した。
一般手順1:アミン官能化固体支持体へのカルボン酸のアミドカップリングの一般手順
官能化TentaGel(登録商標)ビーズを、DMF(10mL)で膨潤させた。アミン官能化 TentaGel(登録商標)ビーズ(1等量のアミン負荷量)を、66.7mMのそれぞれの酸(4等量)、133.3mMのN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(8等量)、及び66.7mMのN-[(ジメチルアミノ)-1H-1,2,3-トリアゾロ-[4,5-b]ピリジン-1-イルメチレン]-N-メチルメタナミニウムヘキサフルオロホスフェートN-オキシド(HATU)(4当量)を含有するジメチルホルムアミド(0.1mmolの負荷量あたり6mL)を用いて室温で、回転シェーカー上で2時間インキュベートした。官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズをジメチルホルムアミド(3×10mL)、ジクロロメタン(3×10mL)、次にジメチルホルムアミド(3×10mL)で洗浄した。
一般手順2:固体支持体でのFmoc脱保護の一般手順
官能化TentaGel(登録商標)ビーズをDMF(10mL)で膨潤させた。次に、乾燥した官能化TentaGel(登録商標)ビーズを20%(v/v)ピペリジンを含有するジメチルホルムアミド(0.1mmolの負荷量あたり6mL)を用いて室温で30分間、回転シェーカーでインキュベートした。官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズをジメチルホルムアミド(3×10mL)、ジクロロメタン(3×10mL)、次にジメチルホルムアミド(3×10mL)で洗浄した。
一般手順3:アミン官能化磁性固体支持体への酸のアミドカップリングの一般手順
アミン官能化固体支持体(50μL)を、ジメチルホルムアミド(200μL)で洗浄した。アミン官能化ビーズを、50mMのジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、50mMのエチルシアノ(ヒドロキシイミノ)アセテート(OxymaPure)、及び50mMのそれぞれの酸を含有するジメチルホルムアミド(150μL)の溶液と共に、室温で4時間、回転シェーカーでインキュベートした。官能化ビーズを、ジメチルホルムアミド(6×200μL)で洗浄した。
一般手順4:磁性固体支持体でのFmoc脱保護の一般手順
官能化ビーズ(50μL)を、ジメチルホルムアミド(200μL)で洗浄した。官能化されたビーズを、ジメチルホルムアミド中の20%(v/v)ピペリジン(200μL)とともに室温で、回転シェーカー上で1時間インキュベートした。官能化ビーズを、ジメチルホルムアミド(6×200μL)で洗浄した。
一般手順5:CuAAC法1による固体支持体への5’-アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチド(または5’-アジド修飾二本鎖オリゴヌクレオチド)の結合
この手順は、MacConnell et al 2015から適合された。アルキン官能化TentaGel(登録商標)ビーズ(20mg)を、0.034%(v/v)Tween 20を含むmQ水中の50%DMSO中の30mM酢酸トリエチルアンモニウム pH8.5で、室温で15分間、回転シェーカーで膨潤させた。乾燥した固体支持体を、2.6mMの1-(フェニルメチル)-N,N-ビス[[1-(フェニルメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]メチル]-1H-1,2,3-トリアゾール-4-メタンアミン(TBTA)、14.0mMアスコルビン酸ナトリウム、及び2.8mMの硫酸銅を含有する20mMの酢酸トリエチルアンモニウム(pH8.5)の溶液中の1~5nmolの5’-アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例1で合成)と、0.035%(v/v)Tween 20(195μL)を含むmQ水中の48%のDMSO中で、60℃で3時間、回転シェーカー上で反応させた。固体支持体を、1%(v/v)Tween20及び1%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、pH7.6(3×0.6mL)を含む10mMの2,2’-(1,3-プロパンジイルジイミノ)ビス[2-(ヒドロキシメチル)-1,3-プロパンジオール]、100mMの塩化ナトリウム、10mMのN,N’-1,2-エタンジイルビス[N-(カルボキシメチル)グリシン](EDTA)の溶液で洗浄した。
一般的な手順6:CuAAC法2による固体支持体への5’-アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチドの結合
過剰な負荷容量を有するアルキン官能化磁性固体支持体(25μL)を、mQ水(3×200μL)中の50%のDMSOで洗浄した。固体支持体を、1~5mmolの5’アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例1で合成)と、993μMの1-(フェニルメチル)-N,N-ビス[[1-(フェニルメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]メチル]-1H-1,2,3-トリアゾール-4-メタンアミン(TBTA)、945μM硫酸銅(CuSO)、及び5.672mMアスコルビン酸ナトリウム(NaAsc)、及び100mMの塩化リチウム(mQ水(90μL)に含まれる42%DMSO中)の混合物中で、室温で1時間回転シェーカーで反応させた。固体支持体をmQ水(3×200μL)中の50%のDMSOで洗浄した。
実施例1:5’-アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチドの調製
アミノ修飾ssDNA:5’dアミノC6-GGAGCTTCTGAATT3’(配列1)
酸アジド:3-[2-[2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸
3-[2-[2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸(300μL、DMSO中100mM)、1-ヒドロキシ-2,5-ジオキソ-3-ピロリジンスルホン酸(S-NHS)(145μL、DMSO中33%(v/v)mQ水に100mM)、及びN-(エチルカルボニミドイル)-N,N1-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(EDC)(145μL、DMSO中100mM)を1mLのジメチルスルホキシド(DMSO)を含むチューブに加え、37℃の回転シェーカーで30分間インキュベートした。その間、504μLのmQ水に含まれる250nmolのアミノ修飾ssDNAを、350μLの250mMホウ酸緩衝液pH9.5と共に回転シェーカー上で37℃で30分間インキュベートした。S-NHS、EDC、及び3-[2-[2-[2-(2-アジドエトキシ)エトキシ]エトキシ]エトキシ]プロパン酸を含む活性化溶液を、ホウ酸緩衝液中でDNAと混合し、回転シェーカーで、37℃で45分間反応させた。反応をLCMSによりモニターした。20%(v/v)の5M NaCl、続いて3.5容積の無水エタノールを添加することにより、DNAを沈殿させた。サンプルを-20℃で18時間保存した後、4℃、4000×gで遠心分離した。上澄みを廃棄し、沈殿物をSpeedvac回転真空濃縮装置で完全に乾燥させた。乾燥した沈殿物を1mLの100mM TEAA pH7.0に溶解した。粗生成物を、Waters XBridge(登録商標)BEH C18 OBD(商標)Prep Column(130Å、5μm、10mM×150mM)及び緩衝液1(100mM TEAA pH 7.0緩衝液)、及び緩衝液2(100mM TEAA pH7.0の80%アセトニトリルを含むmQ水)の勾配を使用するRP-HPLCによって精製した。収集した画分を合わせて濃縮し、20%(v/v)の5M NaCl、続いて3.5容積の無水エタノールを添加してオリゴヌクレオチドを沈殿させた。サンプルを-20℃で2時間保存した後、4℃、4000×gで遠心分離した。上澄みを廃棄し、沈殿物をSpeedvac回転真空濃縮装置で完全に乾燥させた。乾燥した沈殿物を500μLのmQ水に溶解した。NanoDrop 2000c分光光度計で260nmのUV吸光度を測定することによる濃度評価では、61%の収率が示された。生成物をLCMSによって分析した(図13)。(図13B)では、260nmの吸光度を測定するクロマトグラムが、生成物である5’-アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチドについて示されている。所望の生成物は主要な生成物である。(図13D)は、生成物ピークのデコンボリューション(decon.)質量スペクトルを示している。所望の生成物に対応する質量が観察される。比較のために、出発物質のLCMSスペクトルを(図13A)及び(図13C)に示す。(図13A)では、260nmの吸光度を測定するクロマトグラムが、出発物質のオリゴヌクレオチド(配列1)について示されている。デコンボリューションされた(decon.)質量スペクトルは、出発物質のオリゴヌクレオチド(配列1)について(図13C)に示されている。
実施例2:新生ライブラリーメンバーの調製(リンカー+開裂基アプローチ)
NH2官能化10μm TentaGel(登録商標)ビーズ(Rapp Polymere GmbH)(385mg、0.1mmolの負荷量)をフリット付きの固相合成反応容器に加えた。TentaGel(登録商標)ビーズを、ジメチルホルムアミド(6mL)で、室温で10分間、回転シェーカーで膨潤させた後、ジメチルホルムアミド(3×10mL)で洗浄した。
ステップ2.1 コハク酸モノ-tert-ブチルへのカップリング
官能化された TentaGel(登録商標)ビーズは、一般的な手順1に従って、コハク酸モノ-tert-ブチルにカップリングされた。
ステップ2.2キャッピング
官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズを、回転シェーカーで、室温で10分間、ジクロロメタン(6mL)で膨潤させ、次にジクロロメタン(3×10mL)で洗浄した。官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズを、ジクロロメタン(6mL)、無水酢酸(2mL)、及びN,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(2mL)の混合物とともに室温で1時間インキュベートした。官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズを、DCM(3×10mL)で洗浄した。
ステップ2.3tert-ブチル脱保護
官能化TentaGel(登録商標)ビーズに、ジクロロメタン(5mL)中の50%(v/v)トリフルオロ酢酸の混合物を添加した。回転振とう機で、室温で10分後、溶液を除去した。次に、ジクロロメタン(5mL)中の50%(v/v)トリフルオロ酢酸の新鮮な混合物を、室温で20分間、回転シェーカーでTentaGel(登録商標)ビーズとインキュベートした。樹脂をジクロロメタン(3×10mL)で洗浄し、次にジメチルホルムアミド(3×10mL)で洗浄した。
ステップ2.4 N-Boc-エチレンジアミンへのカップリング
官能化TentaGel(登録商標)ビーズを、DMF(10mL)で膨潤させた。次に、乾燥した官能化TentaGel(登録商標)ビーズを、N-Boc-エチレンジアミン(63μL、0.4mmol、4当量)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(136μL、0.8mmol、8当量)、及びN-[(ジメチルアミノ)-1H-1,2,3-トリアゾロ-[4,5-b]ピリジン-1-イルメチレン]-N-メチルメタナミニウムヘキサフルオロリン酸N-オキシド(HATU)(152mg,0.4mmol,4当量)含有ジメチルホルムアミド(6mL)と、室温で、回転シェーカー上で2時間インキュベートした。官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズをジメチルホルムアミド(3×10mL)、ジクロロメタン(3×10mL)、次にジメチルホルムアミド(3×10mL)で洗浄した。
ステップ2.5 Boc脱保護
官能化TentaGel(登録商標)ビーズに、ジクロロメタン(5mL)中の50%(v/v)トリフルオロ酢酸の混合物を添加した。回転振とう機で、室温で10分後、溶液を除去した。次に、ジクロロメタン(5mL)中の50%(v/v)トリフルオロ酢酸の新鮮な混合物を、室温で20分間、回転シェーカーでTentaGel(登録商標)ビーズとインキュベートした。樹脂をジクロロメタン(3×10mL)で洗浄し、次にジメチルホルムアミド(3×10mL)で洗浄した。
ステップ2.6 6-(Fmoc-アミノ)ヘキサン酸へのカップリング
官能化TentaGel(登録商標)ビーズを、DMF(10mL)で膨潤させた。次に、一般手順1に従って、官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズを6-(Fmoc-アミノ)ヘキサン酸にカップリングさせた。
ステップ2.7Fmoc脱保護
官能化された TentaGel(登録商標)ビーズを、一般手順2に従ってFmoc脱保護した。
ステップ2.8 3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-4-(メチルアミノ)安息香酸へのカップリング
官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズを、一般手順1に従って3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-4-(メチルアミノ)安息香酸(Fmoc-MeDbz-OH)と反応させた。
ステップ2.9Fmoc脱保護
官能化された TentaGel(登録商標)ビーズは、一般手順2に従ってFmoc脱保護された。
ステップ2.10 6-(Fmoc-アミノ)ヘキサン酸へのカップリング
官能化TentaGel(登録商標)ビーズを、一般的手順1に従って、6-(Fmoc-アミノ)ヘキサン酸と反応させた。
ステップ2.11Fmoc脱保護
官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズは、一般手順2に従ってFmoc脱保護された。
ステップ2.12(2S)-2-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-4-ペンチン酸へのカップリング
官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズを、一般手順1に従って(2S)-2-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-4-ペンチン酸(Fmoc-Pra-OH)にカップリングさせた。
ステップ2.13 Fmoc脱保護
官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズを、一般手順2に従ってFmoc脱保護された。
ステップ2.14 オリゴヌクレオチド結合
ステップ2.1~2.13で合成された化合物は、足場に接続するMeDbzリンカーを備えた固体支持体であり、アミン官能基でブロック結合を構築するための部位と、核酸結合のためのアルキンとを含む。5nmolの5’-アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例1で合成)を、一般的な手順5に従って、官能化されたTentaGel(ステップ2.1~2.13、20mg)に結合させた。
LCMS分析のための新生ライブラリーメンバーの開裂
ステップ2.15 MeDbzリンカーの活性化ステップ1-p-ニトロフェニルクロロホルメートとのインキュベーション
オリゴヌクレオチドが結合した官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズ(20mg)を、室温で30分間、回転シェーカーでジクロロメタン(600μL)中の100mMのp-ニトロフェニルクロロホルメートとインキュベートした。樹脂をジクロロメタン(3×600μL)で洗浄した。
ステップ2.16 MeDbzリンカーの活性化 ステップ2-N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)とのインキュベーション
オリゴヌクレオチドが結合した官能化TentaGel(登録商標)ビーズ(20mg)を、8.7%(v/v)N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を含むジクロロメタン(600μL)とともに、室温で30分間、回転シェーカーでインキュベートした。樹脂をジクロロメタン(2×600μL)で洗浄した。
ステップ2.17 システアミンによるMeDbz開裂
オリゴヌクレオチドが結合した官能化TentaGel(登録商標)ビーズ(20mg)を、0.01%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)(150μL)を含むmQ水で50%(v/v)DMSO中の過剰なシステアミンと、回転シェーカーで、60℃で1時間インキュベートした。得られた溶液を遠心分離によりビーズから分離し、回収した。回収した溶液をLCMSで分析した(図14)。図14は、新生ライブラリーメンバーの開裂に関する分析LCMSデータを示す。(図14A)、及び(図14B)は、260nmの吸光度を測定したクロマトグラムを示している。(図14C)、及び(図14D)は、それぞれ3.80分での生成物ピークの質量スペクトル、及びデコンボリューションされた質量スペクトルを示している。これらのLCMSスペクトルによって、所望の新生ライブラリーメンバーが得られたことが示されている。後の保持時間で観察された大きなピークは、その時点でその機械でのすべてのLCMS 測定で見られたLCMS不純物である。
実施例3:自己溶出モデル化合物off-DNAの合成
ステップ2.1~2.13で調製した官能化固体支持体は、自己溶出モデル化合物off-DNAの合成の出発物質として使用された。官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズを、ジメチルホルムアミド(6mL)で、室温で10分間、回転シェーカーで膨潤させた後、ジメチルホルムアミド(3×10mL)で洗浄した。
ステップ3.1 樹脂分割
ステップ2.1~2.13で調製した官能化TentaGel(登録商標)ビーズを、0.05mmolの2つの部分に分割した。2つの部分のうちの1つを用いて、合成を0.05ミリモル規模で続けた。
ステップ3.2 6-(Fmoc-アミノ)ヘキサン酸へのカップリング
官能化TentaGel(登録商標)ビーズを、一般的手順1に従って、6-(Fmoc-アミノ)ヘキサン酸と反応させた。
ステップ3.3 Fmoc脱保護
官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズは、一般手順2に従ってFmoc脱保護した。
ステップ3.4(2S)-2-([[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]カルボニル]アミノ)-3-(ナフタレン-1-イル)プロパン酸へのカップリング
官能化TentaGel(登録商標)ビーズを、一般的な手順1に従い、(2S)-2-([[(9H-フルオレン-9-イル)メトキシ]カルボニル]アミノ)-3-(ナフタレン-1-イル)プロパン酸(Fmoc-1-Nal-OH)と反応させた。
ステップ3.5 樹脂分割
官能化 TentaGel(登録商標)ビーズを、0.025mmolの2つの部分に分割した。2つの部分のうちの1つを用いて、合成を0.025ミリモル規模で続けた。
ステップ3.6 Fmoc脱保護
官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズは、一般手順2に従ってFmoc脱保護された。
ステップ3.7(RS)-リポ酸へのカップリング
官能化TentaGel(登録商標)ビーズを、一般的手順1に従って、(RS)-リポ酸と反応させた。
実施例4:モデル核酸コードライブラリーメンバーの自己溶出
ステップ4.1 オリゴヌクレオチド結合
一般手順5に従って、5nmolの5’-アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチドを、実施例3で合成した自己溶出モデル化合物(20mg)に結合させた。
ステップ4.2MeDbzリンカーの活性化ステップ1-p-ニトロフェニルクロロホルメートとのインキュベーション
オリゴヌクレオチドが結合した官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズ(20mg)を、室温で30分間、回転シェーカーでジクロロメタン(600μL)中の100mMのp-ニトロフェニルクロロホルメートとインキュベートした。樹脂をジクロロメタン(3×600μL)で洗浄した。
ステップ4.3 MeDbzリンカーの活性化ステップ2-N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)とのインキュベーション
官能化ビーズを、8.7%(v/v)N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を含むジクロロメタン(600μL)とともに、室温で30分間、回転シェーカーでインキュベートした。その樹脂をジクロロメタン(3×600μL)で洗浄した。
ステップ4.4 開裂基の脱保護
官能化ビーズを、100mMのTris(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)の6%(v/v)トリエチルアミン、53%ジメチルスルホキシド(DMSO)のmQ水中の溶液(0.01%(w/v)(ドデシル硫酸(SDS)ナトリウム含有)中で、pH8~9(150μL)を、回転シェーカーで、60℃で1時間インキュベートした。ビーズを遠心分離によって乾燥した。
ステップ4.5 モデル核酸コードライブラリーメンバーの自己溶出
官能化ビーズを、0.01%(w/v)ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)(150μL)を含むmQ水中、80%のアセトニトリル中の10%(v/v)N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)の溶液と60℃で1時間、回転シェーカーでインキュベートした。得られた溶液を遠心分離によりビーズから分離し、回収した。集めた溶液を、Speedvac回転真空濃縮装置を用いて濃縮した。
ステップ4.6 自己溶出モデル核酸コードライブラリーメンバーのエタノール沈殿
ステップ4.5の後に得られた残留物を、mQ水(150μL)中の50%(v/v)ジメチルスルホキシド(DMSO)に再懸濁した。サンプルをろ過し、サンプルの10μLをLCMS分析に使用した。125μLのサンプルを使用して、10%(v/v)の5M塩化ナトリウム(12.5μL)、10%(v/v)の2.5M酢酸ナトリウム緩衝液pH 4.79(12.5μL)、続いて3.5容積の無水エタノール(525μL)を添加することにより、自己溶出モデル核酸コードライブラリーメンバーをエタノール沈殿させた。サンプルを-20℃で18時間保存した後、4℃、20800×gで1時間、遠心分離した。上澄みを廃棄し、沈殿物をSpeedvac回転真空濃縮装置で完全に乾燥させた。乾燥した沈殿物を、mQ水(100μL)に溶解した。LCMS分析は、自己溶出モデル核酸コードライブラリーメンバーの質量を示した(図19、図20)。化学構造(図19A)及び(図19B)は、260nm(図19C)及び280nm(図19D)の吸光度のクロマトグラムで観察された。(図19B)は、環状チオエステル中間体の加水分解によって形成された直鎖状の自己溶出生成物である。(図19A)は、沈殿ステップのために追加された、エタノールによる環状チオエステル中間体の開環によって形成された直鎖状の自己溶出生成物である。観察された化合物は、分子内ジスルフィド結合を形成するチオール基の酸化によって形成され得る。(図20A)及び(図20B)は、図19Aに示される自己溶出ライブラリーメンバー化合物の質量スペクトル及びデコンボリューションされた質量スペクトルをそれぞれ示す。(図20C)及び(図20D)は、図19Bに示される自己溶出ライブラリーメンバー化合物の質量スペクトル及びデコンボリューションされた質量スペクトルをそれぞれ示す。これらのデータによって、自己溶出が達成されたことが示される。
実施例5:モデル核酸コードライブラリーメンバーの自己溶出
ステップ5.1 オリゴヌクレオチド結合
一般手順5に従って、5nmolの5’-アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチドを、実施例3で合成した自己溶出モデル化合物(20mg)に結合させた。
ステップ5.1 MeDbzリンカーの活性化ステップ1-p-ニトロフェニルクロロホルメートとのインキュベーション
オリゴヌクレオチドが結合した官能化されたTentaGel(登録商標)ビーズ(20mg)を、室温で30分間、回転シェーカーでジクロロメタン(600μL)中の100mMのp-ニトロフェニルクロロホルメートとインキュベートした。樹脂をジクロロメタン(3×600μL)で洗浄した。
ステップ5.2 MeDbzリンカーの活性化ステップ2-N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)とのインキュベーション
官能化ビーズを、8.7%(v/v)N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)を含むジクロロメタン(600μL)とともに、室温で30~40分間、回転シェーカーでインキュベートした。その樹脂をジクロロメタン(3×600μL)で洗浄した。
ステップ5.3 開裂基の脱保護
官能化ビーズを、100mMのTris(2-カルボキシエチル)ホスフィン塩酸塩(TCEP)含有の6%(v/v)トリエチルアミン、53%ジメチルスルホキシド(DMSO)含有のmQ水(0.01%(w/v)(ドデシル硫酸(SDS)ナトリウム含有)の溶液中で(pH8~9)、回転シェーカーで、60℃で1時間インキュベートした。ビーズを遠心分離によって乾燥した。
ステップ5.4 モデル核酸コードライブラリーメンバーの自己溶出
官能化されたビーズを、10%(v/v)N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)のジクロロメタン溶液(150μL)とともに回転シェーカー上で、60℃で1時間インキュベートした。ついで、ビーズを遠心分離によって乾燥した。ビーズを0.01%のSDS、pH9を含むmQ水中の49%のDMSO中の1mM炭酸ナトリウム(NaCO)の溶液で洗浄し、遠心分離によって収集した得られた溶液をLCMSで分析した(図21、図22)。(図21A)は、2つの可能な環状自己溶出核酸コードライブラリーメンバーの構造を示す。(図21B)は、260nmでのクロマトグラムであり、(図21C)は、TICである。環状自己溶出ライブラリーメンバーに対応する質量のピークが5.88分に観察される。(図22B)、及び(図22C)は、それぞれ、自己溶出核酸ライブラリーメンバーのピークの質量スペクトル、及び対応するデコンボリューションされた質量スペクトルである。所望の環状自己溶出核酸コードライブラリーメンバーの質量が観察され、これは自己溶出が達成されたことを示している。
実施例6:モデル核酸コードライブラリーメンバーの自己精製
ステップ6.1 Dbzリンカー誘導体の合成
Figure 2023548062000002
4-アミノ-3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]安息香酸(Fmoc-Dbz-OH)(200mg、0.534mmol、1.0当量)を、丸底フラスコで、10mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。プロパルギルアミン(68.3μL、1.068mmol、2.0当量)、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(372μL、2.137mmol、4.0当量)、及びN-[(ジメチルアミノ)-1H-1,2,3-トリアゾロ-[4,5-b]ピリジン-1-イルメチレン]-N-メチルメタナミニウムヘキサフルオロホスフェートN-オキシド(HATU)( 407mg、1.068mmol、2.0当量)を加え、溶液を室温で2時間撹拌した。この反応混合物を水でクエンチした。水性の成分を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機成分を、減圧下で濃縮した。粗生成物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中70%(v/v)酢酸エチル)により精製して、白色固体を得た。
Figure 2023548062000003
上記生成物を、THF(10mL)中の20%(v/v)ジエチルアミン中で、室温で5時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮した。粗反応生成物を固体支持体への結合に使用した。
新生ライブラリーメンバーの調製
ステップ6.2 N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-[(4-メチルフェニル)ジフェニルメチル]-L-リジン(Fmoc-Lys(Mtt)-OH)へのカップリング
アミン官能化固体支持体(官能化ProMag(登録商標)1、Bangs Labarotories,Inc.)(50μL)を、一般的な手順3に従って、N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-[(4-メチルフェニル)ジフェニルメチル]-L-リジン(Fmoc-Lys(Mtt)-OH)に対してカップリングした。
ステップ6.3 Fmoc脱保護
官能化ビーズ(50μL)を、一般的な手順4に従ってFmoc脱保護した。
ステップ6.4 4-(ヒドロキシメチル)安息香酸(HMBA)へのカップリング
一般的な手順3に従って、アミン官能化固体支持体(50μL)を4-(ヒドロキシメチル)安息香酸(HMBA)にカップリングさせた。
ステップ6.5(2S)-2-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-4-ペンチン酸(Fmoc-Pra-OH)へのカップリング
アルコール官能化固体支持体(50μL)を、ジメチルホルムアミド(200μL)で洗浄した。官能化ビーズを、100mMのジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、5.76mM DMAP及び80mM(2S)-2-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-4-ペンチン酸(Fmoc-Pra-OH)含有ジメチルホルムアミド(150μL)の溶液と、回転シェーカーで、4℃で4時間インキュベートした。官能化ビーズを、ジメチルホルムアミド(6×200μL)で洗浄した。
ステップ6.6 Fmoc脱保護
官能化ビーズ(50μL)は、一般的な手順4に従ってFmoc脱保護された。
ステップ6.7 1-(1,1-ジメチルエチル)ブタンジオエートビルディングブロックへのカップリング
アミン官能化固体支持体(50μL)を、一般手順3に従って1-(1,1-ジメチルエチル)ブタンジオエートにカップリングさせた。
ステップ6.8 Mtt脱保護及びtBu脱保護
官能化ビーズ(50μL)を、50%(v/v)トリフルオロ酢酸を含むジクロロメタン(600μL)で、室温で、回転シェーカー上で3分間インキュベートした(ステップを3回繰り返した)。官能化ビーズを、ジメチルホルムアミド中の10%(v/v)N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(3×200μL)で洗浄し、次にジメチルホルムアミド(3×200μL)で洗浄した。
ステップ6.9 固体支持体へのオリゴヌクレオチドの結合
5nmol 5’-アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例1で合成)を、一般手順6に従って、述べた2倍の量を使用してアルキン官能化ビーズ(50μL)に結合させた。
ステップ 6.10 低分子アルキンクエンチング
DNA結合後の官能化ビーズ(50μL)を、アジ化ベンジルでCuAAC条件に供し、未反応のアルキン官能基をクエンチした。官能化固体支持体(50μL)を、ジメチルスルホキシド(DMSO)(3×200μL)で洗浄した。固体支持体は、50mMベンジルアジド、993μMの1-(フェニルメチル)-N,N-ビス[[1-(フェニルメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]メチル]-1H-1,2,3-トリアゾール-4-メタンアミン(TBTA)、945μMの硫酸銅(CuSO4)、及び5.672mMのアスコルビン酸ナトリウム(NaAsc)89% ジメチルスルホキシド(DMSO)含有のmQ水(360μL)の混合物中で、室温で1時間、回転シェーカーでインキュベートした。固体支持体をDMSO(3×200μL)で洗浄した。官能化された固体支持体の5μLを分析用に保管した。
リンカー2のインストール
ステップ6.11 5-アジドペンタン酸へのカップリング(固体支持体上の反応on-DNA)
-(エチルカルボンイミドイル)-N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(EDC)及び1-ヒドロキシ-2,5-ジオキソ-3-ピロリジンスルホン酸(S-NHS)の50mg/mLのストックを、100mMの2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)緩衝液(pH4.5)中で調製した。各ストックの40μLを、ジメチルホルムアミド(DMF)中の450mMの5-アジドペンタン酸120μLと混合して、最終容積を200μLにした。この溶液を、室温で15分間インキュベートした。次に、この溶液を官能化ビーズ(45μL)に加え、反応物を室温で2時間回転シェーカーに置いておいた。官能化されたビーズを、ジメチルホルムアミド(DMF)を用いて洗浄した(3×200μL)。
ステップ6.12 逆Dbzリンカー2へのカップリング(固体支持体上の反応on-DNA)
官能化された固体支持体の5μLを分析用に保管した。官能化された固体支持体の残り(40μL)を、ジメチルホルムアミド(DMF)(200μL)で洗浄した。官能化ビーズは、360mMのアミン(ステップ6.1で調製した逆Dbzリンカー)、360mMのHATU、及びジメチルホルムアミド(DMF)中の1.50MのDIPEA(100μL)の溶液と共に、室温で1時間、回転シェーカー上で、40℃でインキュベートした。官能化されたビーズを、ジメチルホルムアミド(DMF)を用いて洗浄した(3×200μL)。
ステップ6.13 LCMS分析のための固体支持体からの10μLビーズのオリゴヌクレオチド開裂
官能化された固体支持体(10μL)の一部を、mQ水(60μL)中の25%ジメチルスルホキシド(DMSO)中の100mMの水酸化リチウム(LiOH)とともに、回転シェーカーで、40℃で1時間インキュベートした。サンプルを濾過し、LCMSによって分析した(図29A)。LCMSスペクトルは、クロマトグラムの4.01分に示されるように、HMBAリンカーの開裂が所望の中間体を生成することを示している(図29A)。所望の中間体の化学構造を示す(図29A)。さらに、分析されたサンプルは、望ましくない中間生成物を含んでいる。これらは、例えば、合成において前のアミドカップリングステップを受けなかった化合物であり得る。
ステップ6.14 CuAACによる環化
残りの官能化固体支持体(30μL)を、ジメチルスルホキシド(DMSO)(3×200μL)で洗浄した。固体支持体は、993μMの1-(フェニルメチル)-N,N-ビス[[1-(フェニルメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]メチル]-1H-1,2,3-トリアゾール-4-メタンアミン(TBTA)、945μMの硫酸銅(CuSO)、及び5.672mMのアスコルビン酸ナトリウム(NaAsc)を含有するmQ水(270μL)中の89%のDMSOの混合物中で、室温で1時間、回転シェーカーでインキュベートした。固体支持体をDMSO(3×200μL)で洗浄した。
自己精製
ステップ6.15 リンカー1の開裂
官能化された固体支持体(30μL)の場合、HMBAリンカー1は、mQ水(60μL)中で、25%のDMSO中の100mMの水酸化リチウム(LiOH)によって、回転シェーカーで、40℃で1.5時間、開裂された。この溶液のLCMS分析は、このステップ中に固体支持体から開裂された望ましくない生成物を示した(図29B)。クロマトグラム(図29B)とクロマトグラム(図29A)との比較は、ステップ6.12で形成された所望の中間体を除いて、すべての化合物がステップ6.15で固体支持体から開裂されることを示している。なぜなら、この化合物は、アルキンを含み、ステップ6.15での開裂の前に、CuAAC反応を受けているからである。これは、CuAAC反応が成功し、このステップで望ましくない生成物のみが固体支持体から遊離されることを示している。
ステップ6.16リンカー2(末端リンカー)の開裂
官能化された固体支持体(30μL)上のDbzリンカー2は、回転シェーカーで、室温で1.5時間、mQ水(200μL)中の36mMの亜硝酸イソペンチルとのインキュベーションによって活性化された。固体支持体をmQ水(2×200μL)で洗浄した。活性化されたリンカーは、mQ水(60μL)中の25%DMSO中の100mM水酸化リチウム(LiOH)で開裂された。LCMS分析は、所望の自己精製された核酸コードライブラリーメンバーを示した(図29C、図30)。図29Cは、第2のリンカーDbzを開裂した後に得られたサンプルのクロマトグラムを示している。クロマトグラムは、自己精製された核酸コードライブラリーメンバーを示している。所望の自己精製核酸コードライブラリーメンバーの構造を示す(図29C)。図30Aは、260nmの吸光度のクロマトグラムを示している。図30Bは、280nmの吸光度のクロマトグラムを示している。図30Cは、3.94分での生成物ピークの質量スペクトルを示す。図30Dは、3.94分での生成物ピークのデコンボリューションされた質量スペクトルを示す。所望の自己精製核酸モデル核酸コードライブラリーメンバーに対応する質量が観察される。所望の自己精製モデル核酸コードライブラリーメンバーは、ステップ6.16で得られる主要な生成物である。
実施例7:モデル核酸コードライブラリーメンバーの自己精製
ステップ7.1 N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-[(4-メチルフェニル)ジフェニルメチル]-L-リジン(Fmoc-Lys(Mtt)-OH)へのカップリング
アミン官能化固体支持体(官能化 ProMag(登録商標)1、Bangs Labarotories,Inc.)(50μL)を、一般的な手順3に従って、N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-[(4-メチルフェニル)ジフェニルメチル]-L-リジン(Fmoc-Lys(Mtt)-OH)にカップリングした。
ステップ7.2 Fmoc脱保護
官能化ビーズ(50μL)は、一般的な手順4に従ってFmoc脱保護された。
ステップ7.3 4-(ヒドロキシメチル)安息香酸(HMBA)へのカップリング
一般的な手順3に従って、アミン官能化固体支持体(50μL)を、4-(ヒドロキシメチル)安息香酸(HMBA)にカップリングさせた。
ステップ7.4(2S)-2-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-4-ペンチン酸(Fmoc-Pra-OH)へのカップリング
アルコール官能化固体支持体(50μL)を、ジメチルホルムアミド(DMF)(200μL)で洗浄した。官能化ビーズを、100mMのジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、5.76mM のN,N-ジメチル-4-ピリジンアミン(DMAP)及び80mM(2S)-2-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-4-ペンチン酸(Fmoc-Pra-OH)含有ジメチルホルムアミド(150μL)の溶液と、回転シェーカーで、4℃で4時間インキュベートした。官能化されたビーズを、ジメチルホルムアミド(DMF)を用いて洗浄した(6×200μL)。
ステップ7.5 Fmoc脱保護
官能化ビーズ(50μL)は、一般的な手順4に従ってFmoc脱保護された。
ステップ7.6 Fmoc-Dbz-OHへのカップリング
アミン官能化固体支持体(50μL)を、一般手順3に従って4-アミノ-3-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]安息香酸(Fmoc-Dbz-OH)にカップリングさせた。
ステップ7.7 Mtt脱保護
官能化ビーズ(50μL)を、50%(v/v)トリフルオロ酢酸を含むジクロロメタン(600μL)で、室温で、回転シェーカー上で3分間インキュベートした(ステップを3回繰り返した)。官能化ビーズを、ジメチルホルムアミド中の10%(v/v)N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(3×200μL)で洗浄し、次にジメチルホルムアミド(3×200μL)で洗浄した。
ステップ7.8 固体支持体へのオリゴヌクレオチドの結合
5nmolの5’-アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例1で合成)を、一般手順6に従って、述べた2倍の量を使用して、アルキン官能化ビーズ(50μL)に結合させた。
ステップ7.9低分子アルキンクエンチング
DNA結合後の官能化ビーズ(50μL)を、アジ化ベンジルでCuAAC条件に供し、未反応のアルキン官能基をクエンチした。官能化固体支持体(50μL)を、DMSO(3×200μL)で洗浄した。固体支持体は、50mMベンジルアジド、993μMの1-(フェニルメチル)-N,N-ビス[[1-(フェニルメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]メチル]-1H-1,2,3-トリアゾール-4-メタンアミン(TBTA)、945μMの硫酸銅(CuSO4)、及び5.672mMのアスコルビン酸ナトリウム(NaAsc)89%のDMSO含有のmQ水(360μL)の混合物中で、室温で1時間、回転シェーカーでインキュベートした。固体支持体を、DMSO(3×200μL)で洗浄した。官能化された固体支持体の5μLを分析用に保管した。
ステップ7.10 5-アジドペンタン酸へのカップリング(固体支持体上の反応on-DNA)
-(エチルカルボンイミドイル)-N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(EDC)及び1-ヒドロキシ-2,5-ジオキソ-3-ピロリジンスルホン酸(S-NHS)の50mg/mLのストックを、100mMの2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)緩衝液(pH4.5)中で調製した。各ストックの40μLを、ジメチルホルムアミド中の450mMの5-アジドペンタン酸120μLと混合して、最終容積を200μLにした。その溶液を、室温で15分間インキュベートした。次に、この溶液を官能化ビーズ(45μL)に加え、その反応物を室温で2時間回転シェーカーに置いておいた。官能化ビーズをジメチルホルムアミド(3×200μL)で洗浄した。官能化された固体支持体の5μLを分析用に保管した。
ステップ7.11 Fmoc脱保護
官能化ビーズ(40μL)は、記載された容積の80%を使用して、一般手順4に従ってFmoc脱保護された。
ステップ7.12 5-ヘキシン酸へのカップリング
官能化固体支持体(40μL)を、DMSO(200μL)で洗浄した。固体支持体を、5mMの3-ヒドロキシ-3H-1,2,3-トリアゾロ[4,5-b]ピリジン(HOAt)、500mMの5-ヘキシン酸、及び50mMのN-(エチルカルボンイミドイル)-N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(EDC)のDMSO(500μL)中の溶液中で、回転シェーカーで、室温で2時間インキュベートした。固体支持体をDMSO(3×200μL)で洗浄して、官能化された固体支持体の10μLを分析用に保管した。
ステップ7.13 CuAACによる環化
アルキン及びアジド官能化固体支持体(30μL)を、DMSO(3×200μL)で洗浄した。
固体支持体は、993μMの1-(フェニルメチル)-N,N-ビス[[1-(フェニルメチル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]メチル]-1H-1,2,3-トリアゾール-4-メタンアミン(TBTA)、945μMの硫酸銅(CuSO)、及び5.672mMのアスコルビン酸ナトリウム(NaAsc)を含有するmQ水(360μL)中の89%のDMSOの混合物中で、室温で1時間、回転シェーカーでインキュベートした。固体支持体を、DMSO(3×200μL)で洗浄した。
自己精製
ステップ7.14リンカー1の開裂
官能化された固体支持体(30μL)の場合、HMBAリンカー1は、回転シェーカーで、40℃で1.5時間、mQ水(60μL)中の25%のDMSO中の100mMの水酸化リチウム(LiOH)によって開裂された。
ステップ7.15リンカー2(末端リンカー)の開裂
官能化された固体支持体(30μL)について、Dbzリンカー2は、回転シェーカーで、室温で2時間、mQ水(200μL)中の36mMの亜硝酸イソペンチルとのインキュベーションによって活性化された。固体支持体をmQ水(2×200μL)で洗浄した。活性化されたリンカーは、mQ水(60μL)中の25%DMSO中の100mMの水酸化リチウム(LiOH)で開裂された。開裂溶液をLCMSによって分析した(図36)。図36Aは、260nmの吸光度のクロマトグラムを示している。図36Bは、280nmの吸光度のクロマトグラムを示している。図36Cは、3.97分での生成物ピークの質量スペクトルを示す。図36Dは、3.97分での生成物ピークのデコンボリューションされた質量スペクトルを示す。所望の自己精製核酸モデル核酸コードライブラリーメンバーに対応する質量が観察される。この実施例はさらに、開裂前にDbzリンカーが活性化されていることを示している。
実施例8:固体支持体でのDNAライゲーション
アダプター(配列3):
3’-CCTCGAAGACTTAAGACACACGAC-5’
コード(配列4):
5’d Phos-CTGTGTGCTGACAGCTCGAGTCCCATGGCGC3’
分子量=9584.16Da、ε260=280300M-1cm-1
ステップ8.1 エチレンジアミンへのカップリング
カルボン酸官能化磁性固体支持体(ProMag(登録商標)1、Bangs Labarotories,Inc.)(25μL)を、DMSO(1×1mL)及びジメチルホルムアミド(DMF)(2×1mL)で洗浄した。官能化ビーズを、360mM HATU、360mM エチレンジアミン、及び1.1MのDIPEAのDMF溶液(25μL、2×30分)とインキュベートした。官能化されたビーズを、ジメチルホルムアミドを用いて洗浄した(3×200μL)。
ステップ8.2 4-(ヒドロキシメチル)安息香酸(HMBA)へのカップリング
アミン官能化固体支持体(25μL)を、一般手順3に従って、それぞれの記載された容積の半分を使用して、4-(ヒドロキシメチル)安息香酸(HMBA)にカップリングした。
ステップ8.3 N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-[(4-メチルフェニル)ジフェニルメチル]-L-リジン(Fmoc-Lys(Mtt)-OH)へのカップリング
アミン官能化固体支持体(25μL)を、N-[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]-N-[(4-メチルフェニル)ジフェニルメチル]-L-リジン(Fmoc-Lys(Mtt))-OH)に対して、それぞれ記載された容積の半分を使用して、一般手順3に従ってカップリングした。
ステップ8.4 Fmoc脱保護
官能化ビーズ(25μL)は、それぞれ記載された容積の半分を使用して、一般的な手順4に従ってFmoc脱保護された。
ステップ8.5 1-(9H-フルオレン-9-イルメチル)5,8,11,14-テトラオキサ-2-アザヘプタデカンジオエート(Fmoc-PEG-OH)へのカップリング
アミン官能化固体支持体(25μL)を、一般手順3に従って、それぞれ記載された容積の半分を使用して、1-(9H-フルオレン-9-イルメチル)5,8,11,14-テトラオキサ-2-アザヘプタデカンジオエート(Fmoc-PEG-OH)にカップリングさせた。
ステップ8.6 Fmoc脱保護
官能化ビーズ(25μL)は、それぞれ記載された容積の半分を使用して、一般的な手順4に従ってFmoc脱保護された。
ステップ8.7 5-ヘキシン酸へのカップリング
アミン官能化固体支持体(25μL)を、一般手順3に従って、それぞれの記載された容積の半分を使用して、5-ヘキシン酸にカップリングした。
ステップ8.8 Mtt脱保護
官能化ビーズ(25μL)を、50%(v/v)トリフルオロ酢酸を含むジクロロメタン(300μL)で、室温で、回転シェーカー上で3分間インキュベートした(ステップを3回繰り返した)。官能化ビーズを、ジメチルホルムアミド中の10%(v/v)N,N-ジイソプロピルエチルアミン(DIPEA)(3×200μL)で洗浄し、次にジメチルホルムアミド(3×200μL)で洗浄した。
ステップ8.9 固体支持体へのオリゴヌクレオチドの結合
1nmolの5’-アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例1で合成)を、一般手順6に従って官能基化固体支持体(25μL)に結合させたが、塩化リチウムは使用しなかった。
ステップ8.10 固体支持体上でのライゲーション
ライゲーションの手順は、Pengpumkiat et al 2016から適合された。官能化された固体支持体を、10mM Tris、1mM EDTA、2M NaCl、及び0.05%(v/v)Tween 20、pH7.4(1×200μL)の溶液で洗浄した。次に、官能化された固体支持体をmQ水(2×200μL)で洗浄した。官能化された固体支持体(25μL)に、1.9 nmol アダプター(配列3)を含む90μLのmQ水と、100mMのTris、500mMのNaCl、10mMのEDTA、pH7.4の溶液10μLを加えた。その混合物を95℃で10分間加熱した。サンプルを室温まで1時間放冷した。1.5nmolのコード(配列4)、17μLのmQ水、2μLの10×T4リガーゼ緩衝液(500mMのTris-HCl、100mMのmgCl、10mMのATP、100mMのDTT、pH 7.5、New England Biolabs)及び600 U(1μL)T4 DNAリガーゼ(New England Biolabs)を混合物に加え、ライゲーションを室温で18時間行った。官能化された固体支持体を、TE緩衝液(10mM Tris、1mM EDTA及び0.05%(v/v)Tween 20、pH7.4)で洗浄した。
ステップ8.11 LCMS分析のための固体支持体からのオリゴヌクレオチド開裂
官能化された固体支持体(25μL)を、mQ水(60μL)中の25%のDMSO中の100mMの水酸化リチウム(LiOH)とともに、回転シェーカーで、40℃で1時間インキュベートした。そのサンプルをろ過し、LCMSで分析した(図37、図38)。(図37A)は、固体支持体上でのDNAライゲーションの模式図を示す。コードは、アダプターオリゴヌクレオチド及びT4 DNAリガーゼを使用して、固体支持体に結合したオリゴヌクレオチドに連結される。260nmの吸光度のLCMSクロマトグラム(図37B)は、ライゲーション条件の後にエステルリンカーを開裂することによって得られた(ステップ8.11)。ライゲーション産物は4.47分で見られる。残りのアダプター、コード、及びライゲーションされていない出発物質をさらに観察した。図37Cは、ライゲーション生成物ピークのデコンボリューションされた質量スペクトルを示している。所望のライゲーション産物の質量が観察された。図38は、デコンボリューションされた質量スペクトルを、(図38A)アダプターオリゴヌクレオチド、(図38B)コードについて、及び(図38C)出発物質ピークを図37Bに示されるLCMSクロマトグラムについて示す。
実施例9:固体支持体上のon-DNA上の反応
カルボン酸官能化固体支持体(官能化ProMag(登録商標)1、Bangs Laboratories,Inc.)を使用した。
ステップ9.1 N-Boc-エタノールアミンへのカップリング
カルボン酸官能化磁気固体支持体(50μL)を、DMSO(1×1mL)及びジメチルホルムアミド(2×1mL)で洗浄した。官能化ビーズを、360mM HATU、360mMN-Boc-エタノールアミン及び1.1MのDIPEAを含有するDMF(25μL、2×30分)とインキュベートした。官能化されたビーズを、ジメチルホルムアミド(DMF)を用いて洗浄した(3×200μL)。
ステップ9.2 Boc脱保護
官能化ビーズ(50μL)を、ジクロロメタン(600μL)中の50%(v/v)のトリフルオロ酢酸とともに室温で、回転シェーカー上で5分間インキュベートした。次に、ビーズを、室温で回転振とう機上で15分間、ジクロロメタン中の50%(v/v)トリフルオロ酢酸の新鮮な溶液(600μL)と再度インキュベートした。官能化ビーズを、1×PBS pH7.4(3×600μL)で洗浄し、次にジメチルホルムアミド(3×600μL)で洗浄した。
ステップ9.3(2S)-2-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-4-ペンチン酸(Fmoc-Pra-OH)へのカップリング
アミン官能化固体支持体(50μL)を、一般手順3に従って(2S)-2-[[(9H-フルオレン-9-イルメトキシ)カルボニル]アミノ]-4-ペンチン酸(Fmoc-Pra-OH)にカップリングさせた。
ステップ9.4Fmoc脱保護
官能化ビーズ(50μL)は、一般的な手順4に従ってFmoc脱保護された。
ステップ9.5 固体支持体へのオリゴヌクレオチドの結合
2nmolの5’-アジド修飾一本鎖オリゴヌクレオチド(実施例1で合成)を、一般手順6に従って、それぞれ記載した容積の2倍を使用して、アルキン官能化ビーズ(50μL)に結合させた。
ステップ9.6 LCMS分析のための固体支持体からの25μLビーズのオリゴヌクレオチド開裂
官能化された固体支持体(25μL)の半分を、mQ水(60μL)中の25%のDMSO中の100mMの水酸化リチウム(LiOH)とともに、回転シェーカーで、40℃で1時間インキュベートした。サンプルをろ過して、LCMSで分析した。図40Aは、260nmでのクロマトグラム、及び出発物質の化学構造を示す。図40Aで観察された主要なピークは、所望の出発物質に対応する。クロマトグラム(図40A)の主要ピークの保持時間におけるデコンボリューションされた質量スペクトルを図40Cに示す。所望の出発物質に対応する質量が観察される。
ステップ9.7 5-アジドペンタン酸へのカップリング(固体支持体上の反応on-DNA)
ステップ9.5で調製した機能化固体支持体(25μL)の残りの半分を使用した。N-(エチルカルボンイミドイル)-N,N-ジメチル-1,3-プロパンジアミン(EDC)及び1-ヒドロキシ-2,5-ジオキソ-3-ピロリジンスルホン酸(S-NHS)の50mg/mLのストックを、100mMの2-(N-モルホリノ)エタンスルホン酸(MES)緩衝液(pH4.5)中で調製した。各ストックの20μLを、ジメチルホルムアミド(DMF)中の450mMの5-アジドペンタン酸60μLと混合して、最終容積を100μLにした。その溶液を、室温で15分間インキュベートした。次に、この溶液を官能化ビーズ(25μL)に加え、その反応物を室温で2時間回転シェーカーに置いておいた。官能化されたビーズを、ジメチルホルムアミド(DMF)を用いて洗浄した(3×200μL)。
ステップ9.8 LCMS分析のための固体支持体からのオリゴヌクレオチド開裂
ステップ9.7で調製された官能化された固体支持体(25μL)を、mQ水(60μL)中の25%ジメチルスルホキシド(DMSO)中の100mMの水酸化リチウム(LiOH)とともに、回転シェーカーで、40℃で1時間インキュベートした。サンプルをろ過し、LCMSで分析した。図40Bは、260nmでのクロマトグラム及び所望の生成物の化学構造を示している。図40Bで観察された主要なピークは、所望の生成物に対応する。クロマトグラム(図40B)の主要な生成物の保持時間でデコンボリューションされた質量スペクトルを図40Dに示す。所望の生成物に対応する質量が観察される。この実施例によって、高い変換率でDNA上の固体支持体上で化学変換が実行され得ることが示される。
参考文献
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Claims (53)

  1. 核酸コード化合物の製造方法であって、以下のステップ;
    リンカーによって固体支持体に接続された足場を含む新生化合物を提供することと、
    1つ以上の化学ビルディングブロックを前記新生化合物に共有結合させて、前記足場に結合した化学部分を形成することと、
    前記1つ以上の化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドを前記新生化合物に共有結合させて、前記足場に結合したコーディング核酸部分を形成することと、
    開裂基を前記化学部分、コーディング核酸部分、または足場に結合することと、
    前記リンカーが開裂され、前記化合物が前記固体支持体から遊離されるように、前記リンカーと前記開裂基を反応させることと、
    を含む前記方法。
  2. 核酸コード化学ライブラリーを生成するための方法であって、ライブラリーメンバーごとに、以下のステップ;
    リンカーによって固体支持体に接続された足場を含む新生メンバーを提供することと、
    1つ以上の化学ビルディングブロックを前記新生メンバーに共有結合させて、前記足場に結合した化学部分を形成することと、
    前記1つ以上の化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドを前記新生メンバーに共有結合させて、前記足場に結合したコーディング核酸部分を形成することと、
    開裂基を前記化学部分、コーディング核酸部分、または足場に結合することと、
    前記リンカーが開裂され、前記メンバーが前記固体支持体から遊離されるように、前記リンカーと前記開裂基とを反応させることと、
    を含む前記方法。
  3. 請求項1または2に記載の方法であって、前記新生メンバーの前記足場が、第1のリンカー及び第2のリンカーによって前記固体支持体に接続されており、さらに以下;
    第1の開裂基及び第2の開裂基を前記新生化合物の化学部分または足場に結合させることと、
    前記第1のリンカーが開裂されるように、前記第1のリンカーと前記第1の開裂基とを反応させることと、
    前記第2のリンカーが開裂され、前記化合物またはメンバーが前記固体支持体から遊離されるように、前記第2のリンカーと前記第2の開裂基とを反応させることと、
    を含む前記方法。
  4. 前記開裂基が前記化学部分または足場に結合している、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記開裂基が、前記化学部分の前記末端化学ビルディングブロックに共有結合している、請求項4に記載の方法。
  6. 請求項4に記載の方法であって、前記開裂基が、前記化学部分または足場に対して、以下;
    アンカーオリゴヌクレオチドを前記化学部分または足場に結合させることと、
    開裂基に共有結合した補助オリゴヌクレオチドを提供することと、
    前記補助オリゴヌクレオチドと前記アンカーオリゴヌクレオチドとをハイブリダイズさせることと、
    前記リンカーが開裂されるように、前記リンカーと前記開裂基とを反応させることと、を含む方法によって結合される、前記方法。
  7. 前記開裂基が前記コーディング核酸部分に結合している、請求項1~3のいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項7に記載の方法であって、前記開裂基が、前記コーディング核酸部分に対して、以下;
    開裂基に共有結合した補助オリゴヌクレオチドを提供することと、
    前記開裂基に対して共有結合された前記補助オリゴヌクレオチドを前記コーディング核酸部分にハイブリダイズさせることと、
    前記リンカーが開裂されるように、前記リンカーと前記開裂基とを反応させることと、を含む方法によって結合される、前記方法。
  9. 前記開裂基との反応前に前記リンカーが活性化される、請求項1~8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記リンカーとの反応前に前記開裂基が活性化される、請求項1~9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 核酸コード化合物の製造方法であって、
    第1のリンカーによって固体支持体に接続された足場を含む新生化合物を提供することと、
    1つ以上の化学ビルディングブロックを前記新生化合物に共有結合させて、前記足場に結合した化学部分を形成することと、
    前記1つ以上の化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドを前記新生化合物に共有結合させて、前記足場に結合したコーディング核酸部分を形成することと、
    前記化合物の前記化学部分を第2のリンカーで前記固体支持体に接続することと、
    前記第1のリンカーを開裂することと、
    前記化合物が前記固体支持体から遊離されるように、前記第2のリンカーを開裂することと、を含む前記方法。
  12. 核酸コード化学ライブラリーを生成するための方法であって、ライブラリーメンバーごとに、以下のステップ;
    第1のリンカーによって固体支持体に接続された足場を含む新生メンバーを提供することと、
    1つ以上の化学ビルディングブロックを前記新生メンバーに共有結合させて、前記足場に結合した化学部分を形成することと、
    前記1つ以上の化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドを前記新生メンバーに共有結合させて、前記足場に結合したコーディング核酸部分を形成することと、
    前記メンバーの前記化学部分を第2のリンカーで前記固体支持体に接続することと、
    前記第1のリンカーを開裂することと、
    前記メンバーが前記固体支持体から遊離されるように、前記第2のリンカーを開裂させることと、を含む、前記方法。
  13. 前記第2のリンカーが、前記固体支持体を前記足場または前記核酸部分と接続させる、請求項11及び請求項12に記載の方法。
  14. 請求項2~13のいずれか1項に記載の方法であって、前記核酸コード化学ライブラリーが、以下のステップ;
    新生メンバーまたは核酸コードライブラリー中間体を別々のコンパートメントに分割することと、
    1つ以上の化学ビルディングブロックを結合することと、
    前記化学ビルディングブロックをコードする1つ以上のコーディングオリゴヌクレオチドを結合することと、
    部材または中間体を別々のコンパートメントから1つ以上のコンパートメントにプールすることと、を含む、方法によって生成される、前記方法。
  15. 結合された、前記化学ビルディングブロック及びコーディングオリゴヌクレオチドが、異なるコンパートメント内のメンバーまたは中間体について異なる、請求項14に記載の方法。
  16. 請求項14または15に記載のステップを1回以上繰り返すことを含む方法。
  17. 前記第1及び第2のリンカーが直交的に開裂可能である、請求項11~16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記第1及び/または第2のリンカーが開裂前に活性化される、請求項11~17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記化学ビルディングブロックが前記新生メンバーに連続的に結合して前記化学部分を形成する、請求項1~18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 第1の化学ビルディングブロックを前記足場に共有結合させることを含む、請求項1~19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 請求項20に記載の方法であって、前記足場が捕捉基を含み、第1の化学ビルディングブロックを前記捕捉基と反応させて、前記第1の化学ビルディングブロックを前記足場に共有結合させることを含む、前記方法。
  22. 前記第1の化学ビルディングブロックが近位結合基基を含み、前記近位結合基を、前記足場の前記捕捉基と反応させて、前記第1の化学ビルディングブロックを前記足場に共有結合させることを含む、請求項21に記載の方法。
  23. 請求項21または請求項22に記載の方法であって、前記捕捉基が保護されており、前記化学部分の前記第1の化学ビルディングブロックの結合前に前記足場の前記捕捉基を脱保護することを含む、前記方法。
  24. 前記方法が、前記第1の化学ビルディングブロックに共有結合していない未反応の捕捉基をキャッピングすることを含む、請求項21~23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 第2の化学ビルディングブロックを前記第1の化学ビルディングブロックに共有結合させて、末端位置に前記第2の化学ビルディングブロックを有する化学部分を形成することを含む、請求項20~24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記第1の化学ビルディングブロックが遠位結合基を含み、前記第2の化学ビルディングブロックを前記第1の化学ビルディングブロックの前記遠位結合基と反応させて、前記第2の化学ビルディングブロックを前記第1の化学ビルディングブロックに共有結合させることを含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記第2の化学ビルディングブロックが近位結合基を含み、前記第2の化学ビルディングブロックの前記近位結合基を前記第1の化学ビルディングブロックの前記遠位結合基と反応させて、前記第2の化学ビルディングブロックを前記第1の化学ビルディングブロックに共有結合させることを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記第1の化学ビルディングブロックの前記遠位結合基が保護されており、前記第2の化学ビルディングブロックの結合前に前記第1の化学ビルディングブロックの前記遠位結合基を脱保護することを含む、請求項26または請求項27に記載の方法。
  29. 前記第2の化学ビルディングブロックに共有結合していない前記第1の化学ビルディングブロックの未反応遠位結合基をキャッピングすることを含む、請求項26~28のいずれか1項に記載の方法。
  30. さらなる化学ビルディングブロックを前記化学部分の前記末端位置で前記化学ビルディングブロックに結合させることを含む、請求項25~29のいずれか1項に記載の方法。
  31. 請求項30に記載の方法であって、前記末端位置の前記化学ビルディングブロックが遠位結合基を含み、前記さらなる化学ビルディングブロックを前記末端位置で前記化学ビルディングブロックの前記遠位結合基と反応させて、前記さらなる化学ビルディングブロックを共有結合させて、前記末端位置に前記さらなる化学ビルディングブロックを有する化学ビルディングブロックの鎖を形成することを含む、前記方法。
  32. 請求項31に記載の方法であって、前記さらなる化学ビルディングブロックが近位結合基を含み、前記末端位置で、前記さらなる化学ビルディングブロックの前記近位結合基を前記化学ビルディングブロックの前記遠位結合基と反応させて、前記さらなる化学ビルディングブロックを共有結合させることを含む、前記方法。
  33. 請求項31または請求項32に記載の方法であって、前記末端位置で前記化学ビルディングブロックの前記遠位結合基が保護されており、前記さらなる化学ビルディングブロックの結合前に、前記末端位置で前記化学ビルディングブロックの前記遠位結合基を脱保護することを含む、前記方法。
  34. 前記さらなる化学ビルディングブロックに共有結合していない、未反応の遠位結合基をキャッピングすることをさらに含む、請求項31~33のいずれか1項に記載の方法。
  35. 請求項30~34に記載のステップを1回以上繰り返すことを含む方法。
  36. 各化学ビルディングブロックをコードするコーディングオリゴヌクレオチドが前記新生メンバーに順次付加されて前記コーディング核酸部分を形成し、前記新生結合メンバーへの前記化学ビルディングブロックの付加前、後または付加と同時に、化学ビルディングブロックをコードする前記コーディングオリゴヌクレオチドが前記新生メンバーに付加される、請求項1~35のいずれか1項に記載の方法。
  37. 前記第1の化学ビルディングブロックをコードする第1のコーディングオリゴヌクレオチドを前記足場に共有結合させることを含む、請求項36に記載の方法。
  38. 前記足場が結合オリゴヌクレオチドを含み、前記第1のコーディングオリゴヌクレオチドを前記結合オリゴヌクレオチドに共有結合させて、前記足場に結合したコーディング核酸部分を形成することを含む、請求項37に記載の方法。
  39. 前記第2の化学ビルディングブロックをコードする第2のコーディングオリゴヌクレオチドを前記コーディング核酸部分に共有結合させることを含む、請求項37~38に記載の方法。
  40. さらなる化学ビルディングブロックをコードする1つ以上のさらなるコーディングオリゴヌクレオチドを前記コーディング核酸部分に結合させることを含む、請求項39に記載の方法。
  41. 前記化学部分中の2つ以上の化学ビルディングブロックを架橋することを含む、請求項1~40のいずれか1項に記載の方法。
  42. DNAコードライブラリーを生成する方法であって、それぞれのメンバーについて、以下のステップ;
    リンカーによってアンカーに接続された足場を含む新生メンバーを提供することであって、前記アンカーは固体支持体に接続される、前記提供することと、
    1つ以上の化学ビルディングブロックを前記新生メンバーに共有結合させて、前記足場に結合した化学部分を形成することと、
    1つ以上のコーディングオリゴヌクレオチドを前記新生メンバーに共有結合させて、前記アンカーに結合したコーディング核酸部分を形成することと、
    開裂基を前記化学部分に結合することと、
    前記新生メンバーをコンパートメントに分離することと、
    前記リンカーが開裂され、前記足場が前記コンパートメントの前記固体支持体から遊離されるように、前記リンカーと前記開裂基とを反応させることと、
    を含む前記方法。
  43. DNAコードライブラリーを生成する方法であって、それぞれのメンバーについて、以下のステップ;
    足場及びアンカーを含む新生メンバーを提供することであって、ここで前記足場が前記アンカーによって第1のリンカーに接続され、前記アンカーが結合オリゴヌクレオチドを含み、固体支持体に結合されている、前記提供することと、
    1つ以上の化学ビルディングブロックを前記新生メンバーに共有結合させて、前記足場に結合した化学部分を形成することと、
    1つ以上のコーディングオリゴヌクレオチドを前記結合オリゴヌクレオチドに共有結合させて、前記アンカーに結合した核酸部分を形成することと、
    前記化学部分に第2のリンカーを結合させて、前記化学部分を前記固体支持体に接続することと、
    前記第1のリンカーを開裂することと、
    前記新生メンバーをコンパートメントに分離することと、
    前記第2のリンカーが開裂され、前記足場に結合した前記化学部分が前記コンパートメント内の前記固体支持体から遊離されるように、前記第2のリンカーを開裂させることと、を含む、前記方法。
  44. 前記アンカーが結合オリゴヌクレオチドを含み、各化学ビルディングブロックをコードする前記コーディングオリゴヌクレオチドを前記結合オリゴヌクレオチドに順次付加して、前記アンカーに結合した前記コーディング核酸部分を形成する、請求項42または43に記載の方法。
  45. 核酸コードライブラリーを生成する方法であって、それぞれのメンバーについて、以下のステップ;
    リンカーによって固体支持体に接続された足場を含む新生メンバーを提供することと、
    1つ以上の化学ビルディングブロックを前記新生メンバーに共有結合させて、前記足場に結合した化学部分を形成することと、
    1つ以上のコーディングオリゴヌクレオチドを前記固体支持体に共有結合させて、前記固体支持体に結合したコーディング核酸部分を形成することと、
    開裂基を前記化学部分に結合することと、
    前記新生メンバーをコンパートメントに分離することと、
    前記リンカーが開裂され、前記足場が前記コンパートメントの前記固体支持体から遊離されるように、前記リンカーと前記開裂基とを反応させることと、
    を含む前記方法。
  46. 核酸コードライブラリーを生成する方法であって、それぞれのメンバーについて、以下のステップ;
    第1のリンカーによって固体支持体に接続された足場を含む新生メンバーを提供することであって、前記固体支持体が結合オリゴヌクレオチドを含む、前記提供することと、
    1つ以上の化学ビルディングブロックを前記新生メンバーに共有結合させて、前記足場に結合した化学部分を形成することと、
    1つ以上のコーディングオリゴヌクレオチドを前記結合オリゴヌクレオチドに共有結合させて、前記固体支持体に結合したコーディング核酸部分を形成することと、
    前記化学部分に第2のリンカーを結合させて、前記化学部分を前記固体支持体に接続することと、
    前記第1のリンカーを開裂することと、
    前記新生メンバーをコンパートメントに分離することと、
    前記第2のリンカーが開裂され、前記足場に結合した前記化学部分が前記コンパートメント内の前記固体支持体から遊離されるように、前記第2のリンカーを開裂させることと、
    を含む、前記方法。
  47. 前記固体支持体が結合オリゴヌクレオチドを含み、各化学ビルディングブロックをコードする前記コーディングオリゴヌクレオチドが、前記結合オリゴヌクレオチドに順次付加されて、前記コーディング核酸部分を形成する、請求項45または46に記載の方法。
  48. 前記コンパートメントが、アレイ上のアドレス指定可能な特徴に位置する微小容積である、請求項42~47のいずれか1項に記載の方法。
  49. 前記化合物もしくはメンバーまたは化合物もしくはメンバーのライブラリーをさらに精製することを含む、請求項1~48のいずれか1項に記載の方法。
  50. 化合物またはライブラリーメンバーの多様な集団を生成することと、標的分子への結合について前記多様な集団をスクリーニングすることと、前記標的分子に結合する前記集団中のライブラリーメンバーを同定することと、をさらに含む、請求項1~49のいずれか1項に記載の方法。
  51. 請求項50に記載の方法であって、
    リンカーによって固体支持体に接続された標識された足場を含む新生メンバーを提供することと、
    同定されたライブラリーメンバーの前記化学部分を前記足場に共有結合させて、前記化学部分を含む標識された新生メンバーを生成することと、
    開裂基を前記化学部分または足場に結合することと、
    前記リンカーを前記開裂基と反応させ、それによって前記リンカーを開裂し、前記固体支持体から前記メンバーを遊離することと、
    前記遊離された標識されたメンバー前記の標的分子への結合を決定することと、
    を含む、前記方法。
  52. 請求項50に記載の方法であって、
    第1のリンカーによって固体支持体に接続された標識された足場を含む新生メンバーを提供することと、
    同定されたライブラリーメンバーの前記化学部分を前記足場に共有結合させて、前記化学部分を含む標識された新生メンバーを生成することと、
    前記化学部分を第2のリンカーで前記固体支持体に接続することと、
    前記第1のリンカーを開裂することと、
    前記第2のリンカーを開裂し、前記固体支持体から前記メンバーを遊離することと、
    前記遊離された標識されたメンバーの前記標的分子への結合を決定することと、
    を含む、前記方法。
  53. 請求項1~52のいずれか1項に記載の方法によって作製された核酸コードライブラリー。
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