JP2005534303A - 初代肝細胞の潅流法およびプレーティング法、ならびにこれに使用する培地 - Google Patents

初代肝細胞の潅流法およびプレーティング法、ならびにこれに使用する培地 Download PDF

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Abstract

本発明は、抗酸化剤、ならびに反応性酸素および反応性窒素の分子種を生成する酵素の機能性阻害剤である薬剤の存在下で肝細胞をプレーティングすることで、長期機能および生存能が改善された初代肝細胞を培養する方法を提供する。1つの好ましい態様は、2-オキソ-チアゾリジンとコハク酸トコフェロールの組み合わせを提供する。別の好ましい態様は、NG-メチルアルギニンとマンニトールの組み合わせを提供する。

Description

本発明は、部分的に米国衛生研究所の教育助成金による支援を受けており、米国政府は、本発明に一定の権利を有する。
発明の分野
本出願は、初代肝細胞の長期機能を改善する方法に関する。
発明の背景
肝細胞は肝臓を構成する主成分であり、代謝および解毒における肝臓の中心的な機能を担う。したがって培養肝細胞は、肝臓に含まれる化合物の薬学研究および毒物学研究に不可欠である。成人の正常肝細胞の初代培養物は、例えば血漿タンパク質の放出、薬剤および生体異物の酸化的代謝、ならびに前発癌物質の活性化を含む、哺乳類、好ましくはヒトにおける肝臓の生理学の多くの局面を調べるためのインビトロモデルとなる。また、このような培養物は、サイトカイン、成長因子、および肝臓に関与する(hepatotrophic)ウイルスなどの生理病理学的刺激が、倫理上の理由から動物を対象として実施できないとされる条件下で、肝臓特異的な機能に及ぼす影響を調べるための独特の手段となる。
培養肝細胞はまた、急性または劇症の肝不全の患者の治療法として提案されている体外肝臓補助装置(LAD)の構築にも検討されている。LADは、肝臓移植まで、または患者自身の肝臓が再生するまでの間、肝機能を提供するように設計された一時的な補助装置として機能する。LADは、肝不全患者の循環血漿中の物質を解毒すると予想される、単離された肝細胞を含むバイオリアクターを備えている。
しかしながら、このような応用のいずれかの実現を目的とした、単離された肝細胞の使用に際した問題の1つに、このような特殊化した機能の多くが一過性であり、培養状態で数時間から数日間しかもたないことが挙げられる。例えば、従来の細胞培養法で成長させた初代肝細胞は通常3〜7日間しか生存せず、特殊化した機能を2〜4日間示す(Nishibe, Y.およびHirata, M. Induction of cytochrome P-450 isozymes in cultured monkey hepatocytes. Int J Biochem Cell Bio. 27:3:279-285、1995. Jauregui, H O、Ng, SF、Gann, K LおよびWaxman, D J. Xenobiotic induction of P-450 PB-4(IIB1)and P-450c(IA1)and associated monooxygenase activities in primary cultures of adult rat hepatocytes. Xeno、21(9):1091-106、1991. Niak, S、Trenkler, D、Santangini, H、Pan, J、およびJauregui, H O. Isolation and culture of porcine hepatocyte for artificial liver support. Cell Trans 5:107-115、1996)。この問題のため、初代肝細胞の有用性は限られている。
従来の細胞培養法で成長させた培養肝細胞は、開窓(fenestration)、毛細胆管(bile canniculi)、および二核性(binucleation)などの特定の構造を失う。また培養肝細胞は、本来の肝臓には見られない特徴および構造を示す。つまり、培養肝細胞は拡張し、延長し、また張力繊維(stress fiber)を伸長する。プレーティング後まもなくの肝細胞では、肝臓特異的な遺伝子の転写の誘導にかかわる一部の転写因子の発現が低下する。この例にはHNF-4、HNF-3、C-EBPα、およびC-EBPβなどがある。
完全に分化した肝細胞の別の特徴はアルブミンの分泌である。しかし初代培養肝細胞では、アルブミンの分泌は3日目までに大きく低下し、ELISA法では5日目までに、ほとんど検出不能となる。
従来の培地で培養された肝細胞は、生体異物代謝能をプレーティング後まもなく失う。シトクロムP450遺伝子の発現は、3日目までに培養物中で大きく低下する。薬剤代謝酵素の発現に加えて、薬剤代謝酵素の発現誘導能も、培養中に経時的に大きく低下する。
初代肝細胞の標準的な単離法には、2段階コラーゲン潅流法が用いられている。しかし、この手順中には、測定可能な反応性酸素および反応性窒素の分子種(ROS/RNS)が生成する。ROS/RNSは、単離された肝細胞について病理学的な意味をもち、またそれ自身が、脂質の過酸化、タンパク質の修飾、およびDNAの損傷が亢進した状態を意味する。
反応性酸素種および反応性窒素種は細胞内で重要な役割を果たす可能性がある。例えば、さまざまな炎症性刺激に反応して、肺内皮、肺胞、および気道上皮細胞、ならびに活性化肺胞マクロファージは、一酸化窒素のラジカル(NO)と超酸化物陰イオンのラジカル(O2 ・-)をともに生成する。NOは、肺血管および気道の張力を調節し、また多様な細菌に対する肺の宿主防御に重要な役割を果たす。しかしNOはミトコンドリアアコニターゼやリボヌクレオチド還元酵素などの重要な酵素を阻害することにより、チオール基のS-ニトロソ化により、またはその鉄-硫黄中心との結合により細胞毒性を示す場合がある。またNOは、ほぼ拡散限界に近い速度でO2 ・-と反応して、表面活性タンパク質Aなどのさまざまな肺タンパク質中の重要なアミノ酸を窒素化および酸素化する強固なオキシダントであるパーオキシナイトライト(ONOO-)を形成して、その機能を阻害する。
一酸化窒素は、細胞内情報伝達(脳、心血管系)を目的として、または免疫系もしくは炎症反応系(マクロファージ、内皮細胞)の一部として、体内の多くの種類の細胞で形成される。酸素を多く含む生物系におけるNOの化学的性質は、化学分子種の数と、平行反応および連続反応の数の両方に関して非常に複雑である。
DNAの損傷は、O2も存在する際にはN2O3に起因する場合がある。この場合、パーオキシナイトライトが速やかに形成され、プロトン化に続いて、均一開裂(homolytic scission)によってヒドロキシルラジカルとNO2が生じる。
肝細胞は、発癌物質に対する暴露の作用を定量するための有用な系となりうる。環境中の一部の化学物質は、ヒトの健康に対するリスクとなる。こうしたリスクを正確に評価するためには、ヒトへの暴露に関する量的データが必要である。このようなデータは現在、大気、水、または食物中の化学物質の測定値から推定されている。ヒトの血液、尿、または組織を対象とした直接的な測定は一般に試みられていない。なぜなら、対象化合物の寿命が通常短く、また低濃度で存在するためである。肝細胞は、発癌物質、変異原物質、および他の反応性化合物を含む、ヒトのタンパク質に対する反応産物のモニタリングによる、毒物学的に重要な化合物の定量に有用である。肝細胞はまた、ヒトが受けるリスクの、より正確な評価に、また例えば発癌物質への暴露とヒトの癌との関連の、より正確な疫学的調査にも有用である。
生きた状態か、または機能性の状態で長期間残る培養肝細胞があれば、肝臓研究者、毒物学者、および薬学研究者に有用であると考えられる。培養肝細胞の半減期は短いので、多くの現象を適切に調べることができない。しかしながら、ヒトを含む動物は環境中で多くの毒性物質に遭遇する。こうした毒性物質に対する最初の、そして最も強固な防御は、ヒトが取り込む全物質の80%以上を代謝する肝臓である。
毒性物質を除去するように機能するシトクロムP450酵素の誘導は、候補化合物が薬剤開発過程を先に進む場合にもそうでない場合においても主な因子である。P450誘導の、より正確な推定は、薬剤製造過程を先に進めることになると言える。肝臓毒物学の領域では、暴露と毒性発現との間にかなりのラグがある場合がある。例えば、カビが産生する毒性代謝物アフラトキシンは、その作用をヒトで発現するまでには数日を要するので、長期間かけて生体異物を代謝する肝細胞に対する長期作用を調べることは有用であると考えられる。対象候補化合物の毒性の決定に関心を寄せる企業は、肝毒性の試験を実施する義務がある。単離肝細胞を用いることで、短期の問題を明らかにすることだけはできる。例えば仮に毒性が、暴露から3日よりも後に現れた場合、従来の培養肝細胞では毒性を検出できないであろう。
薬学的試験を行うために、肝細胞を培養状態で長期間維持する方法を改善することは望ましいと考えられる。肝臓治療を用的とする任意の薬剤は、改善された肝細胞培養モデルで良好に検討することができるであろう。力価および効力は、短寿命の肝細胞モデルと比較して、長寿命の肝細胞モデルで適切にモデル化できると考えられる。
発明の概要
本発明は、初代肝細胞の長期培養、および機能および/または生存能の3日間を上回る維持を可能とする方法を提供する。この方法は、抗酸化剤(群)および二次薬剤の存在下で肝細胞をプレーティングする段階を含む。二次薬剤は、(1)反応性酸素種および反応性窒素種を生じる酵素の機能性阻害剤か、または(2)反応性分子種を直接阻害する薬剤、または(3)細胞内グルタチオンを増加させる薬剤である。
好ましい態様では、抗酸化剤はコハク酸トコフェロールか、またはヒドロキシルラジカルのスカベンジャーである。好ましくは、ヒドロキシルラジカルのスカベンジャーはマンニトールである。
別の好ましい態様では、二次薬剤はグルタチオン前駆体、または一酸化窒素の阻害剤である。好ましくはグルタチオン前駆体は2-オキソ-チアゾリジンである。好ましくは一酸化窒素阻害物質はNG-メチルアルギニンである。
特に好ましい組み合わせは、2-オキソ-チアゾリジンとコハク酸トコフェロールである。
別の特に好ましい組み合わせは、NG-メチルアルギニンとマンニトールである。
別の好ましい態様は、抗酸化剤の性質と、反応性酸素種および反応性窒素種を生じる酵素の機能性阻害剤が融合した融合分子を提供する。
1つの好ましい態様では、本発明の方法を、完全な肝臓の単離および培養に用いる。別の好ましい態様では、本発明の方法を、初代肝細胞の単離および培養に用いる。別の好ましい態様では本発明の方法で、肝切片培養物を単離および培養する。
本発明はまた、長期機能が改善された肝細胞を用いて、薬剤開発時に化合物の長期毒性に関するスクリーニングを行う方法も提供する。このような長期機能は、3日を超えて、より好ましくは5日を超えて維持されるものであり、さらにより好ましくは少なくとも1週間、さらにより好ましくは少なくとも2週間、またさらにより好ましくは少なくとも1か月間維持されるものである。
本発明はまた、長期機能が改善された肝細胞を用いて、肝臓治療を標的とする候補薬剤のスクリーニングを行う方法も提供する。
本発明はまた、長期機能が改善された肝細胞を、人工肝臓装置(bioartificial liver device)に用いる方法も提供する。
本発明はまた、TNF-αや肝細胞増殖因子(HGF)などの、肝細胞で内因的に発現される諸因子を含むタンパク質の産生に、長期機能が改善された肝細胞を用いる方法も提供する。
本発明はまた、長期機能が改善された肝細胞を、B型肝炎およびC型肝炎の培養細胞モデルの開発に用いる方法も提供する。
本発明はまた、長期機能が改善された肝細胞を、肝細胞の凍結保存に用いる方法も提供する。
発明の詳細な説明
本発明は、肝細胞を抗酸化剤(群)ならびに二次薬剤の存在下でプレーティングすることで初代肝細胞を可能とする方法を提供する(二次薬剤は、(1)反応性酸素種および反応性窒素種を生成する酵素の機能性阻害剤、または(2)反応性分子種を直接阻害する薬剤、または(3)細胞内グルタチオンを増加させる薬剤である)。このような培養状態の肝細胞は、機能を4日を超える期間示し、および/または1週間を上回る生存能を示す。1つの好ましい態様は、2-オキソ-チアゾリジンとコハク酸トコフェロールの組み合わせを提供する。別の好ましい態様は、NG-メチルアルギニンとマンニトールの組み合わせを提供する。
本発明の方法で培養された肝細胞は長期機能を示す。このような長期機能は、シトクロムP450遺伝子の発現(場合によってはEROD活性)生体異物代謝などの少なくとも1つの野生型の特殊化した機能を示すこと、および/または開窓(fenestration)、毛細胆管(bile canniculi)、二核性(binucleation)などのような構造を少なくとも3日間示すことと定義される。好ましくは、肝細胞はEROD活性を示す。より好ましくは、複数の機能と構造を示す。好ましくは、これらの機能(群)は、少なくとも5日間、より好ましくは少なくとも1週間、さらにより好ましくは少なくとも2週間、さらにより好ましくは少なくとも16日間、さらにより好ましくは少なくとも3週間、またさらにより好ましくは少なくとも1か月間現れる。さらにより好ましくは、少なくとも50日間、さらにより好ましくは、少なくとも2か月間現れる。視認性は好ましくは少なくとも1週間、より好ましくは少なくとも2週間、またさらにより好ましくは少なくとも3週間、またさらにより好ましくは少なくとも1か月間、さらにより好ましくは少なくとも2か月間維持される。
本発明はまた、抗酸化剤と二次薬剤が1つの分子中に存在する融合分子も提供する。
酸化的ストレスは、さまざまな疾患の発症に寄与すること、または発症を引き起こすことが知られている。酸化的ストレスが関与する疾患および疾患状態の総説としては、Drugs of the Future、vol.13(10)、p.973(1988)、およびMolecular and Cellular Biochemistry、vol.84、p.199(1988)を参照されたい。
反応性酸素種および反応性窒素種は当技術分野で周知である。例えば反応性酸素種は、超酸化物(O2)、ヒドロキシル(OH)基、ペルオキシル(RO2)基、アルコキシル(RO)基、およびヒドロペルオキシル(HO2)基を含むがこれらに限定されない。反応性窒素種は、一酸化窒素(NO)および二酸化窒素(NO2)を含むがこれらに限定されない。
抗酸化剤はフリーラジカルを除去するように機能するので、細胞に対する酸化的損傷を防ぐ。酸化還元制御に機能する処理は当技術分野で周知であり、コハク酸トコフェロール、マンニトール(ヒドロキシラジカルを除去する)、エブセレン(ebselen)(パーオキシナイトライトおよび超酸化物陰イオンを除去する)、NOHA(一酸化窒素を生成する)、1400W(誘導型NO合成酵素を阻害する)、n-アセチルシステイン(細胞内グルタチオン濃度を高める)、PDTC(ヒドロキシルラジカルおよび超酸化物陰イオンを除去する)、ならびにグルコサミンを含むがこれらに限定されない。好ましい抗酸化剤は、コハク酸トコフェロールおよびマンニトールである。
抗酸化剤に加えて本発明は、反応性酸素種および反応性窒素種を生成する酵素の機能性阻害剤となりうる薬剤、または反応性分子種を直接阻害する薬剤、または細胞内グルタチオンを増加させる薬剤である二次薬剤を提供する。
グルタチオンは、細胞系を酸化的損傷から保護する際に重要な役割を果たす。グルタチオンは、身体が生体異物(外来の化学物質または化合物)に抱合することで、生体異物をより親水性にすることで身体からの排出を促進する解毒性ペプチドである。グルタチオンの合成は2段階の反応で進む。第1段階は、ガンマ-グルタミルシステイン合成酵素による触媒である。グルタチオン合成酵素が第2の反応を触媒する。したがって本明細書で用いる、「細胞内グルタチオンを増加させる」という表現、または「細胞内グルタチオン濃度の上昇」という表現は、グルタチオンのトリペプチドそのもの、ならびにその合成に関与する酵素、および生体異物との抱合を意味する。システインは重要なアミノ酸の1つであり、またグルタチオン合成における律速段階の基質である。しかしながら、直接投与されるとシステインは毒性を示す恐れがある。システインプロドラッグは、さまざまな状態のストレスから細胞系を防御する際に有効であることが報告されている。このような薬剤が効果を発揮するためには、プロドラッグが酵素的手段または非酵素的手段によって切断されることが必要である。システインが放出されると、グルタチオンに変換されて治療効果を示すに違いない。
システインプロドラッグとして機能する1つのクラスの化合物はチアゾリジン-4-カルボン酸塩である(Cancer, Chemotherapy and Pharmacology、Vol.28、p.166、1991、およびArch. Gerontology and Geriatrics、vol.1、p.299、1982)。例えば、哺乳類で白内障発症を遅らせるための、薬物中のシステインプロドラッグとしての、ある種の2-置換-チアゾリジン-4-カルボン酸の使用が報告されている。しかし、この文献に規定されたいずれの置換基も、2-置換-チアゾリジン-4-カルボン酸化合物に対して、抗オキシダントまたはフリーラジカルの除去性を与えない。同様に米国特許第4,868,114号では、グルタチオンの生合成を、有効量のある種のL-システインプロドラッグを細胞に接触させることで哺乳類細胞で促進する方法が開示されている。また米国特許第4,952,596号では、虚血性疾患の治療における、またオキシダントラジカルの過剰生成に起因する病的状態における作用に加えて、解熱作用、抗炎症作用、粘液溶解作用、および鎮痛作用を有するチアゾリジン-4-カルボン酸化合物のN-アシル誘導体について開示されている。米国特許第5,846,988号では、細胞保護剤して使用するために、抗酸化剤のフェノール部分がチアゾリジン-4-カルボン酸部分と融合された融合化合物について開示されている。
好ましい二次薬剤は、一酸化窒素を阻害するNG-メチルアルギニンである。
別の好ましい二次薬剤は、グルタチオン前駆体として機能するシステイン-プロドラッグである2-オキソ-チアゾリジンである。したがって本発明は、グルタチオン前駆体を含む、細胞内グルタチオンを増加させるように機能する好ましい二次薬剤も提供する。
肝臓は、多様な毒薬を除去する能力が際だっている。
肝機能に重要な存在は、化学的性質を利用して毒性物質のクリアランスを修飾および触媒するシトクロムP450酵素である。肝臓は、有害物質との遭遇後に、このような酵素の発現を誘導することで同酵素を調節している。これらの酵素は人間の生存に必要であるが、これらは、さまざまな病気の治療に用いる医薬品のある種の組み合わせに関して疾患状態に負に関与することもある。シトクロムP450酵素が不用意に誘導されると、病理学的な副作用の原因となる恐れがある。その一例が、アルコールと大量のアセトアミノフェンを同時に摂取したときのP450酵素の誘導であり、この場合、急性肝不全となる恐れがある。
発明者らの培養法により、候補薬剤の長期作用をモニタリングすることができると考えられる。現在、年間140,000種類を超える候補薬剤がインビトロ試験の対象となっているが、上市に至るものは極めて少ない。リード化合物が失敗に終わる理由は主に、予測不能な毒性の出現と、長期間にわたる効力の不在である。インビボ条件と同様に挙動する細胞培養モデルがあれば、パイプライン薬剤の候補の試験を大きく促進し、また合理化すると考えられる。
改善された肝細胞培養法は、このような肝細胞を人工肝臓(BAL)装置に使用する際にも有用である。肝疾患は米国における健康上の大きな問題であり、10大死因の1つに数えられる。急性または末期の肝疾患の患者に対する現在の標準的な治療法は肝臓移植の実施である。移植にまつわる状況を悪化させているのは、ドナー肝臓を必要とする患者の数がドナー数より約4倍多いことである。こうした状況のため、全体の半数を超える患者が、必要とする肝臓を得ていない。ワクチンまたは有効な治療法が現在ないC型肝炎の感染者数は増えてゆくことが予測されるため、必要な肝疾患治療は2010年までに3倍に増加すると予想されている。BAL装置は、腎不全患者に使用される透析のように、肝機能が損なわれている患者に使用可能である。効率的な人工肝臓装置の市場は、今後十年間に大きく拡大することが予想されている。これは主に肝炎ウイルスの感染の世界的な増加によるところが大きい。
肝細胞はまた、TNFαや肝細胞増殖因子(HGF)などの肝細胞関連タンパク質の産生を含む、治療および研究用のタンパク質の産生に使用することもできる。
肝細胞は、B型肝炎またはC型肝炎の培養モデル(現在は存在しない)に使用することができる。そして実際に、このような初代培養肝細胞があれば、ウイルス性肝炎の感染および複製を調べることもできるはずである。企業および学術機関の研究者たちは、数年にわたってウイルス性肝炎のインビトロモデルの開発に取組んできた。こうした肝炎のインビトロモデルがあれば、抗ウイルス剤の効率的なスクリーニング、ならびに宿主の防御機構を調べるための宿主細胞の遺伝子工学的手法が促進されると考えられる。
このような培養肝細胞は、肝細胞の凍結保存にも使用できる。ヒト肝細胞の利用可能性は現在、予測不能である。したがって、効率的な凍結保存法があれば、研究者および医師はともに助かる。現在、肝細胞は、プラスチック状にプレーティングされた状態か、または凍結保存された状態で出荷されており、またバイアル内に凍結状態で運ばれているが、現時点では極めて不本意な結果が得られている。本発明の培養肝細胞であれば、短期間の機能および生存能に関する問題が避けられると考えられる。
肝細胞機能のアッセイ法
肝細胞の機能の特徴を決定する任意のアッセイ法で、初代肝細胞の長期機能を決定することができる。肝細胞機能のアッセイ法は当技術分野で周知であり、肝細胞で発現されるタンパク質および化合物を測定する段階、ならびに肝細胞で発現される遺伝子の発現レベルを測定する段階を含む、肝細胞酵素の活性のアッセイ法を含むがこれらに限定されない。
肝細胞酵素のアッセイ法は当技術分野で周知である。肝細胞の酵素には、CYP1A1、アコニターゼ、および他のシトクロムなどの薬剤代謝酵素などがある。好ましい肝細胞酵素は、基礎活性ならびに誘導型活性をともに有するCYP1A1である。CYP1A1のアッセイ法は例えば、Pierceら、1996に記載されている。本明細書で用いるERODは重要な薬剤代謝酵素であり、かつ初代肝細胞における一般薬剤代謝活性のマーカーであるp450 CYP1A1としても知られるエトキシレゾルフィン(ethoxyresorufin) Oデエチラーゼ活性である。シトクロムは、シトクロムC(Clementiら、1996)、およびP-450 PB-4(IIB1)やシトクロムP-450c(IA1)などのシトクロムP-450イソ酵素を含む。
肝細胞で発現されるタンパク質および化合物は、尿素、アルブミンの分泌、およびCYP1A1を含むがこれらに限定されない。例えばアルブミンの分泌は、分化を完了した肝細胞の特徴である。アルブミンの分泌は、例えばDunnら、1991に記載されている周知の標準的なELISAアッセイ法で測定できる。尿素の合成は、Fawcettら、1960に記載されている手順で、尿素のインドフェノールへの変換を検出することで測定できる。肝細胞で発現される他のタンパク質には、TNF-αや肝細胞増殖因子(HGF)などがある。
肝細胞で発現される遺伝子には、肝臓特異的な遺伝子の転写の誘導にかかわる転写因子などがある。この例にはHNF-4、HNF-3、C-EBPα、およびC-EBPβなどがある。これらの遺伝子の発現レベルは、mRNA量を測定するノーザンブロッティング、定量rtPCR、およびタンパク質量を測定するウェスタンブロッティングを含む、当技術分野で周知のアッセイ法で検出可能である。
肝細胞培養系
本発明は、当技術分野で周知の任意の培養肝細胞系を使用することができる。好ましい肝細胞培養系は、初代培養肝細胞、肝細胞の細胞系列、肝切片培養物、および肝臓全体の移植培養物を含む。
肝細胞の任意の供給源を使用することができる。初代培養の対象となる肝細胞は、哺乳類の肝臓を含む任意の細胞でよく、このような細胞は、当技術分野で周知の方法で動物の肝臓から単離することができる。肝細胞を得るための肝臓ドナーは好ましくは、哺乳類種または齧歯類種の動物個体またはトランスジェニック動物のドナー、より好ましくはウマ、イヌ、ブタ、ヒツジ、またはマウスの各種である。
人工肝臓装置などのある種の応用にはブタドナーが特に好ましい。小型動物および肝臓器官は扱いが容易なことから、約5 kg〜約20 kg、好ましくは約8 kgのブタを使用するが、任意の大きさのドナーを肝臓器官の供給源として使用することができる。ヒトを含む他の哺乳類供給源を使用することもできる。
本発明の別の態様では肝細胞を誘導する。肝細胞は、動物の肝臓から単離する前にインビボで誘導できるほか、肝細胞の単離後にインビトロで誘導することができる。
インビボにおける誘導は好ましくは、少なくとも1種類の誘導薬剤を動物ドナーに、血流への直接注入により、腹腔経由で、または筋肉経由で投与することで行う。しかし誘導薬剤は、経口、経皮、または吸入などの他の経路でドナーに投与することもできる。1つまたは複数の誘導薬剤を、単回投与量で一度に、または一定期間にさまざまな用量の異なる誘導薬剤を投与することができる。ドナーには、ある種の所望の解毒酵素の発現を高めて、カスタマイズされた酵素活性プロファイルを有する肝細胞培養物を得るために、2種類もしくはこれ以上の誘導薬剤を組み合わせて投与することができる。誘導薬剤の用量を1日、または数時間もしくは数日などの長期間にわたって投与した後に、ドナー肝臓から肝細胞を単離することができる。例えばフェノバルビタールなどの一部の誘導薬剤は、ドナーへの注入後に比較的不安定となる分子なので、同器官を入手するまで、複数の間隔をおいて投与すると有効である。用量中の誘導薬剤の量は、(1)誘導薬剤または使用薬剤、(2)ドナーの種、大きさ、および性別、(3)少なくとも1種類の誘導薬剤の投与様式、ならびに(4)投与頻度、に依存する。典型的には、誘導薬剤を複数回に分けて投与する場合には、誘導薬剤の用量を少なくすることができる。当業者であれば、本発明の方法で使用されるインビボで誘導した肝細胞培養物を得るために、このような用量関連パラメータの操作を適切に決めることができるであろう。
当技術分野で周知の任意の誘導薬剤を使用することができる。誘導薬剤は、肝細胞の機能、特に解毒に関与する酵素(特にシトクロムP450)の機能、または解毒に関与する抱合反応を促すことが可能な、または高めることが可能な薬剤を意味する。これは、仮に誘導薬剤が、アルブミンやトランスフェリンの産生などのアンモニアのクリアランスなどの代謝機能や合成機能を始めとする、他の肝細胞の機能を維持または改善する場合にも有用である。
誘導薬剤は、以下からなる群より選択されるがこれらに限定されない:ベータ-ナフトフラボン(BNF)、フェノバルビタール、3-メチルコランスレン(3MC)、エタノール、デキサメタゾン、arochlor 1254、2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ジオキシン、フェノチアジン、クロルプロマジン、isosafole、ガンマ-クロルデーン、allylisopropylacetamide(AIA)、トランス-スチルベンオキサイド、キーポン(kepone)、アセトン、イソニアジド、ピリジン、ピラゾール、4-メチルピラゾール、プレグネノロン(pregneolone)-16-アルファ-カルボニトリル(PCN)、トロレアンドマイシン(TAO)、クロトリマゾール、clofirate、clobuzarit、フタル酸ジ(2-エチルヘキシル)(DEHP)、またはフタル酸モノ-(20ethyhexyl)(MEHP)。特に好ましい誘導薬剤は、3-メチルコランスレン、ベータ-ナフトフラボン(BNF)、およびフェノバルビタールである。3-メチルコランスレンは最も好ましい誘導薬剤である。
1種類または複数の誘導薬剤を、肝細胞の酵素活性を高めるために、単離前にインビボで使用することができる。1種類の誘導薬剤を、単離前にドナーに1回もしくは複数回投与することができる。誘導薬剤は混合することができる。つまり標的酵素のプロファイルを高めるために投与する場合に、混合物またはカクテルとして同時に、または連続的に投与できるほか、異なる時間に別個に投与することができる。用量に含まれる誘導薬剤の量は、肝細胞を誘導して、その機能性の代謝活性を高めるために十分な量とすべきであるが、肝臓器官またはドナーに致死的に作用するほど多くはしない。誘導薬剤をドナーに提供する時間は、酵素的解毒活性を高めるように十分長くすべきである(単離の好ましくは少なくとも約24時間前)。
以上の誘導薬剤および補助薬剤の用量は、米国特許第6,394,812号に記載されている。
仮にレシピエント患者が、解毒酵素活性の発現が低いために肝臓支持療法を必要とするならば、解毒活性の最大の範囲を達成するために、また急性不全の治療用にテイラーメイドの培養物を提供するために、発現が促進されるいくつかの酵素活性を有する肝細胞のプロファイルを有する細胞単離物の混合物を用いて肝臓補助装置を構築するとよい。
初代肝細胞の単離に関しては、当技術分野で周知の任意の方法を使用できる。好ましい方法の1つは、2段階コラゲナーゼ潅流単離法である。
例えば誘導段階後に、Seglen P O.の文献(本明細書に組み入れられる「Preparation of isolated rat liver cells」、Methods in Cell Biology(D M Prescott編)、第13巻、Academic Press(NY、N.Y.)、1976)に記載されているSeglen肝細胞単離法を改変して肝細胞を単離することができる。対象動物を麻酔し、開腹し、露出させた肝臓にカニューレを挿入し、冷乳酸加リンゲル液でインサイチューで潅流後に摘出して、血液および過剰な誘導薬剤を肝組織から洗い流す。摘出した肝臓を、生物安全キャビネットに移し、残りの手順を無菌状態で行うとよい。次に肝臓の物理的構造を形成する細胞外マトリックスを、温めたEDTAを好ましくは37℃で器官を迅速に環流後に1 mg/mlのコラゲナーゼを37℃で潅流し、完全に消化させる(平均消化時間は約22分間)。次に、仔ウシ血清を添加した冷ハンクス平衡塩溶液(HBSS)を添加し、さらなる消化を止める。肝臓のマトリックスを消化することで、細胞および細胞集合体がマトリックス構造から放出され、細胞の懸濁物が得られる。消化されなかった組織および胆嚢を除去し、残存組織を200ミクロンおよび100ミクロンのステンレス鋼製のふるいに通して、細胞および細胞集合体を解放させる。この細胞懸濁物を遠心して2回洗浄し、洗浄用培地をデカントし、細胞沈殿物を好ましくは3回の洗浄後に培地中に再懸濁する。この時点で、細胞を培地で培養することができるか、または将来使用するまでの長期保存用に凍結保存用培地中で凍結保存することができる。
得られた細胞を細胞懸濁物として培養するか、動物の細胞もしくは組織の培養に適した、肝細胞の培養および維持を可能とする培養皿、フラスコ、または回転ボトルなどの表面にプレーティングする。細胞は、バイオリアクター内に懸濁状態で組み入れることができるほか、培養用のビーズもしくはファイバーなどの培養基質上に、または平面の表面もしくは膜上にプレーティングすることができる。表面で細胞を成長可能な適切な細胞成長用基質は、細胞が接着可能で、また細胞マトリックスコンストラクトが形成されるための足場を提供可能な、任意の生物学的に適合性のある材料とすることができる。ガラス;ステンレス鋼;ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリビニリデン、ポリジメチルシロキサン、フッ化ポリマー、およびフッ素化エチレンプロピレンなどのポリマー;ならびに溶融シリカ、ポリシリコン、またはシリコン結晶などのシリコン基質などの材料を、細胞成長用の表面として使用できる。細胞の接着もしくは機能、またはこの両方を促進するために、細胞成長用の表面の材料を化学的に処理もしくは修飾したり、静電気を帯びさせたり、または細胞外マトリックス成分やペプチドなどの生物学的薬剤で被覆したりすることができる。1つの態様では、肝細胞を、コーティングされた状態もしくはゲルの状態のコラーゲンなどの培養表面上に配置した細胞外マトリックスの内部または表面のいずれかで培養する。別の態様では、肝細胞を液体透過性膜または気体透過性膜上で培養する。肝臓に含まれる他の細胞には、内皮細胞などの誘導型肝細胞;クッパー細胞、特殊化したマクロファージ様細胞;および繊維芽細胞などもある。肝細胞と、以上または他の種類の1種類もしくは複数の細胞とともに共培養することが、肝細胞の機能を最適化するのに望ましい場合がある。
1つの態様では、インビボで誘導した肝細胞をLADとして使用するか、またはLAD中に組み込まれるバイオリアクター内に播種することができる。一部のLADの設計は、肝細胞を中空繊維の内腔か、または中空繊維の外表面上に播種する中空繊維カートリッジの設計に基づく。中空繊維は、同繊維内外の液体または気体の輸送を可能とする培養基質として機能する。他のLADの設計では平面状の培養基質を組み入れる。2層のコラーゲンゲル層間の培養肝細胞については、Dunnらによる米国特許第5,602,026号および第5,942,436号に記載されている。平面状の培養基質を用いる別の設計については、Baderらによる米国特許第5,658,797号、および国際公開公報第96/34087号に記載されている。一部の平面状基質は、2種類もしくはこれ以上の細胞種が、Bhatiaらの論文に記載されているように、基質上の別個の領域に共培養として同時に培養可能なように微細パターンがつけられている。肝臓の補助を必要とする患者を治療するための培養基質および方法ならびにバイオリアクター装置としての用途を開示している上記特許の内容は、参照として本明細書に組み入れられる。
肝細胞培養用の好ましいバイオリアクターの設計は、バイオリアクターチャンバーの2つの領域となる気体透過性で液体不透過性の膜を組み入れている。肝細胞は、培地中だけでなく膜内外における酸素添加および他の気体の移動を行いながら、液体培地中で培養した膜の表面に播種する。別の態様では、コロナ放電などで膜の荷電性を修飾したり、または細胞外マトリックス成分、ペプチド、細胞接着分子、または他の化合物で膜を処理もしくは被覆するなどして、膜と細胞との接着を高める。膜の好ましい被覆はコラーゲンである。
培養時には、細胞は好ましくは、その代謝活性および最適な肝細胞機能を維持する時間、細胞用培地と接触させる。濃度はさまざまなものの、細胞培地は、グルコース、アミノ酸、ビタミン、および無機イオン類の状態の基礎栄養素を他の基礎培地成分とともに細胞に提供する。培地は一般に、アミノ酸、成長因子、ホルモン、抗菌剤、および抗真菌剤などの1種類もしくは複数の補助成分をさらに添加した栄養ベースを含む。肝細胞の単離後に、この方法に用いる1つの好ましい培地は、ウィリアムスのE培地、新生仔ウシ血清(NBCS)、グルコース、インスリン、グルカゴン、ヒドロコルチゾン、HEPES、表皮成長因子(EGF)、およびグルタミンを含む。より好ましい態様では、本発明の抗酸化剤および二次薬剤を添加する培地は、最大1%の新生仔ウシ血清(NBCS)、4.5 g/lのグルコース、0.5 U/mlのインスリン、7 ng/mlのグルカゴン、7.5 μg/mlのヒドロコルチゾン、10 mMのHEPES、20 ng/mlのEGF、および200 mMのグルタミンを添加したウィリアムスのE培地を含む。上述の培地成分、またはその機能的同等物の他の濃度は、肝細胞培養の当業者であればその使用を決定することができる。
肝細胞を培養する別の好ましい培地では、プレオトロフィン(pleiotrophin;PTN)、ウシ胎仔血清(FBS)、およびニコチンアミド、またはこの類似体を添加した培地を使用する。より好ましくは、培地はさらにアスコルビン酸、またはこの類似体(例えばL-アスコルビン酸リン酸塩)を含む。基礎培地に上述の抗酸化剤および二次薬剤を添加することもできる。
例えば、日本特許出願第133985/1996号に記載されている培養法の1つの態様では、肝細胞のコロニー形成成分としてFBSおよびニコチンアミド、またはこの類似体、および肝細胞の成長促進因子としての3T3細胞のならし培地(CM)を含む培地を含む混合培地で肝細胞を培養する(PTNは、3T3細胞のCMの代わりに上述の出願の培地に添加されている)。
化合物PTNはヘパリン結合タンパク質の一種であり、成長因子および栄養因子として神経細胞に作用することが知られている。一部の研究者は、繊維芽細胞、内皮細胞、上皮細胞などの体細胞の分裂を促進する、その作用について報告しているが、PTNが体細胞に及ぼす作用はないという、上記作用を否定する報告もある(The Journal of Biological Chemistry、Vol.267、No.36、pp.25889-25897、1992)。
化合物PTNは、組換えヒトPTN(R&D Systems社)として市販されており、この市販品を本発明の方法に使用することもできる。PTNは、米国特許第6,136,600号に記載された単離および精製の手順で、日本特許出願第133985/1996号に記載された同様の手法で調製した3T3細胞のCMから、または他の動物細胞の培養上清から得ることもできる。あるいは、3T3細胞に由来するPTNを、PTNのコード配列を単離するためのプローブとしてPTNの既知のアミノ酸配列の一部を用いて、既存のcDNAライブラリーから得た後に、同コード配列を適切な宿主ベクター系で発現させることができる。
PTN、FBS、アスコルビン酸もしくはこの類似体、およびニコチンアミドもしくはこの類似体を添加する培地は具体的には、表皮成長因子およびDMSOを含むDMEM培地である。表皮成長因子(EGF)およびDMSOはコロニー形成に必須ではないが、好ましくは、コロニー形成を促進する作用を利用するために培地に添加する。低速遠心で得られた分画は、肝細胞に加えて内皮細胞、クッパー星状細胞、星状細胞、胆管上皮細胞を含み、特定の環境を有する肝細胞を提供するとみなされる。また上記のニコチンアミドもしくはこの類似体、アスコルビン酸もしくはこの類似体、およびDMSOは、このような非実質細胞の成長を阻害するので、実質肝細胞の選択的な培養および増殖が可能となる。培地に添加する成分の量は例えば、PTNについて約0.1 ng/ml〜10 μg/ml、FBSについて5〜30%、アスコルビン酸またはこの類似体について0.1〜1.0 mM、EGFについて1〜100 ng/ml、ニコチンアミドまたはこの類似体について1〜20 mM、およびDMSOについて0.1〜2%とすることができる。培養は、5% CO2雰囲気中で約37℃の温度で行う。
別の好ましい態様では、肝細胞をバイオリアクター内に組み入れる必要が出てくるまで、単離後に凍結保存しておく。細胞懸濁物、細胞単層、および作製した組織コンストラクトの凍結による保存は、凍結保存の分野で周知である。凍結保存は、長期の貯蔵、保存(banking)、および輸送に有用である。必要であれば、培養物を凍結保存状態から取り出し、解凍し、凍結保存剤を洗浄し、使用可能な状態とする。
単離または凍結保存状態からの取り出しのいずれかの後に、1つの好ましい態様では、インビボで誘導した肝細胞を好ましくはバイオリアクターに組み入れて培養する。同じ誘導薬剤またはいくつかの誘導薬剤を1回または複数回投与して誘導した、1回の単離に由来する肝細胞を使用できる。一つの別の態様では、非誘導型ドナーから単離した肝細胞を、インビボで誘導したドナーから単離した肝細胞とともにバイオリアクター内で培養する。別の態様では、同じ誘導薬剤または少なくとも2種類の異なる誘導薬剤によって誘導した2個体もしくはこれ以上のドナーからの単離に由来する肝細胞を、同じバイオリアクター内で混合する。バイオリアクターに複数の培養用のチャンバーまたは領域がある場合は、さまざまな誘導薬剤で前処理した異なるドナーに由来する肝細胞を分けておくことができるが、バイオリアクターを全体的に機能させることを目的としてともに使用することができる。異なる酵素活性プロファイルを有するインビボで誘導した培養肝細胞を、LADとして使用するバイオリアクター内で混合することは、バイオリアクター内の培養物で処置される患者に利益となる。1つの態様では、バイオリアクターは、解毒活性の最大範囲を得るために、発現が促進された酵素の完全なプロファイルを患者に提供するために、異なるインビボ誘導型の培養肝細胞の複数の単離物を含む場合がある。別の態様は、あるレベルの酵素活性を高めるか、または置換するある種の特定の酵素活性を有するインビボ誘導型の肝細胞の1種類もしくは複数の単離物を播種したバイオリアクターで患者を治療可能なものである(患者の肝臓は、低レベルのある種の解毒酵素を発現する)。
バイオリアクターを用いて細胞を培養して細胞産物を得るか、または通常は肝臓で代謝される毒素などの物質に機能的に作用させることができる。バイオリアクターは、肝臓の補助が必要な患者を治療するための肝臓補助装置として、または同装置の重要な部分として機能しうる。酵素活性が高められた肝細胞は、肝臓補助装置として使用されるさまざまなタイプのバイオリアクター内で使用することができる。この目的に適したバイオリアクターは、懸濁手段、中空繊維、ラジアルフロー面、および細胞培養用の平面基質を含む。
インビボで誘導した肝細胞は、肝臓補助装置として使用されるか、または同装置に組み入れられるバイオリアクター内で培養時に、肝臓の補助が必要な患者の治療に有用である。通常、肝細胞潅流用培地、および患者の血漿または血液は、別個のフローループで装置内を循環させる。このフローループは、気体、毒素、およびアルブミンの交換用に膜を介して相互に接触するが、肝細胞と患者との間における免疫学的な障壁ともなる。
応用
肝細胞の改善は、肝臓研究者、毒物学者、および薬学研究者に有用であると考えられる。標準的な方法による培養肝細胞の半減期は短いので、多くの現象を適切に調べることは可能となっていない。
したがって本発明は、長期機能が改善された肝細胞を用いて、薬剤開発時に、長期毒性に関して化合物のスクリーニングを行う方法を提供する。P450酵素の誘導は、候補化合物が創薬過程で前進するか否かの主な因子である。P450の誘導が、より正確に予測されることは、創薬段階における前進と考えられる。肝臓毒物学の領域では、暴露と毒性発現との間に大きなラグがある場合がある。初代肝細胞を培養する標準的な方法では、数日間機能する細胞が得られるだけである。しかし、多くの薬剤は、その毒性作用をすぐには示さない。例えば、カビが産生する毒性代謝物アフラトキシンは、ヒトに作用を及ぼすまでに数日を要する。したがって本発明の肝細胞は、代謝された生体異物の、長期にわたるこのような長い範囲の作用を調べるために有用である。
現在、年間140,000種類を超える候補薬剤がインビトロ試験の対象となっているが、上市に至るものは極めて少ない。リード化合物が失敗に終わる理由は主に、予測不能な毒性と効力の不在である。インビボ条件と同様に挙動する細胞培養モデルがあれば、パイプライン薬剤の候補の試験を大きく促進し、また合理化すると考えられる。本発明の肝細胞は、肝毒性に関する試験が不可欠な薬剤開発時における候補化合物の毒性の決定に有用である。これは、単離された肝細胞を対象に達成できるが、毒性が3日を上回る長期暴露後に生じる場合、従来の肝細胞培養法では毒性を検出できないであろう。本発明の肝細胞を用いれば、候補薬剤の長期作用をモニタリングすることができる。
本発明はまた、長期機能が改善された肝細胞を用いて、肝臓の治療を標的とする候補薬剤のスクリーニングを行う方法も提供する。肝臓の治療を標的とする薬剤は、本発明の肝細胞の長期培養を適切に試験することが可能であり、肝細胞の改善された機能は、力価、効力、および毒性の試験の改善に寄与する。
本発明はまた、長期機能が改善された肝細胞を人工肝臓装置に使用する方法も提供する。効率的な人工肝臓装置の必要性は、主に世界規模の肝炎ウイルス感染の増加のために、今後十年間に大きく高まると予想される。
本発明はまた、治療と研究における応用の両方に使用されるTNF-αや肝細胞増殖因子(HGF)などの、肝細胞で内因的に発現されるタンパク質を含むタンパク質の産生に、長期機能が改善された肝細胞を用いる方法も提供する。
実施例1:単離してまもない肝細胞における反応性酸素種および反応性窒素種の調節、ならびに肝細胞の表現型および機能に対するこの作用
肝細胞の機能および表現型に、さまざまな化合物が及ぼす作用を調べるために、肝細胞を当技術分野で周知の手法で単離し、コラーゲンサンドイッチ構造で培養した。肝細胞は、2 nMの3-メチルコランスレン(3-MC)を添加して誘導した。CYP1A1をERODアッセイ法で、Pearceら、1996に記載されている手順で測定した。アルブミンの分泌を、Dunnら、1991に記載されたELISAで測定した。ウェスタンブロット解析を、CYP1A1に対する抗体を用いて当技術分野で周知の手法で行った。
CYP1A1の誘導機構を図1に示す。図2は、さまざまな処理の酸化還元制御の機構を示す表である。
図3は、非処理対照群と比較時の、さまざまな化合物で処理して16日間培養した肝細胞における尿素合成の誘導倍率を示すグラフである。
図4は、非処理対照群と比較時の、さまざまな化合物で処理して8日間培養した肝細胞におけるアルブミン分泌の誘導倍率を示すグラフである。
図5は、非処理対照群と比較時の、さまざまな化合物で処理して16日間培養した肝細胞における誘導型CYP1A1活性の誘導倍率を示すグラフである。
図6は、非処理対照群と比較時の、さまざまな化合物で処理して14日間培養した肝細胞における基礎CYP1A1活性を示すグラフである。
図7は、8日間、12日間、および16日間培養した3-MC処理肝細胞を対象としたCYP1A1のウェスタンブロットを示す。
以上の実験は、抗酸化物が、初代肝細胞におけるCYP1A1誘導可能性の強化に有効であることを示している。NFκBの核移行は、肝細胞の機能に非常に重要である。一酸化窒素の利益(一酸化窒素を阻害するか、または一酸化窒素を供与することで測定される)は、測定可能ではあったが極めて小さかった。抗酸化剤のクラスの中で、ヒドロキシルラジカルの除去、または細胞内グルタチオン濃度の上昇は、P450の機能を維持する際に最も高かった。グルコサミンによるP450機能の保護の機構は調査中であり、グルコサミンが、活性化されたマクロファージでNO合成を阻害するという観察から、抗オキシダントとして機能する可能性がある。
実施例2:ラットの初代肝細胞
本発明の方法で調製したラットの初代肝細胞の機能を解析した。処理および非処理の初代肝細胞におけるEROD活性の平均上昇倍率は図8に示すように決定された。この数は平均値であり、1.2より大きい場合を有意と判定した。ERODは重要な薬剤代謝酵素であり、かつ初代肝細胞における一般的な薬剤代謝活性のマーカーである、p450 CYP1A1としても知られるエトキシレゾルフィンOデエチラーゼ活性である。
実施例3:マウスの初代肝細胞
マウスの初代肝細胞の機能も本発明の方法で調べた。OTZおよびコハク酸トコフェロールを用いて、本発明の方法で発明者らは、哺乳類の肝細胞を、単離後50日間を超えて維持することができたほか、EROD活性についてもこの同期間維持することができた(図9参照)。EROD活性は非処理群にはほとんど認められないが、処理群では3.5倍であった。実験は4回実施し、平均を示す。
参考文献
Figure 2005534303
本明細書に記載されたすべての参考文献は、参照として本明細書に組み入れられる。
CYP1A1の誘導機構を示す。 さまざまな処理に関する、酸化還元制御の機構を示す表である。 非処理対照群と比較時の、さまざまな化合物で処理した肝細胞における尿素合成の誘導倍率を示すグラフである。 非処理対照群と比較時の、さまざまな化合物で処理した肝細胞におけるアルブミン分泌の誘導倍率を示すグラフである。 非処理対照群と比較時の、さまざまな化合物で処理した肝細胞における誘導型CYP1A1活性の誘導倍率を示すグラフである。 非処理対照群と比較時の、さまざまな化合物で処理した肝細胞における基礎CYP1A1活性を示すグラフである。 3-MC処理肝細胞を対象としたCYP1A1のウェスタンブロットを示す。 ラットの初代肝細胞をさまざまな薬剤で処理した際の結果を示す。

Claims (8)

  1. 初代肝細胞を、抗酸化剤および二次薬剤の存在下でプレーティングする段階を含む、初代肝細胞を培養する方法であって、該二次薬剤は、(1)反応性酸素種および反応性窒素種を生成する酵素の機能性阻害剤、(2)反応性分子種を直接阻害する薬剤、または(3)細胞内グルタチオンを増加させる薬剤であり、該初代肝細胞は、その機能が少なくとも5日間維持される、方法。
  2. 抗酸化剤が、コハク酸トコフェロール、またはヒドロキシルラジカルのスカベンジャーである、請求項1記載の方法。
  3. ヒドロキシルラジカルのスカベンジャーがマンニトールである、請求項2記載の方法。
  4. 二次薬剤が、グルタチオン前駆体、または一酸化窒素の阻害剤である、請求項1記載の方法。
  5. グルタチオン前駆体が2-オキソ-チアゾリジンである、請求項4記載の方法。
  6. 一酸化窒素阻害剤がNG-メチルアルギニンである、請求項4記載の方法。
  7. 抗酸化剤および二次薬剤が2-オキソ-チアゾリジンおよびコハク酸トコフェロールである、請求項1記載の方法。
  8. 抗酸化剤および二次薬剤がNG-メチルアルギニンおよびマンニトールである、請求項1記載の方法。
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