JP2005533708A - 補強構造体の非真直アンカーリングを備えたタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、タイヤの両側でビード(1)内にアンカーリングされる少なくとも1つのカーカス型補強構造体(10)を有し、各ビードは、隣接する補強構造体部分と協働する複数の周方向ワイヤワインディングを備えたアンカーリングゾーンを有し、ワイヤワインディングは、第一ワインディングと、該第一ワインディングとのカーカス型補強構造体の実質的隣接部分との間の距離「d」および前記最終ワインディングと、該最終ワインディングとのカーカス型補強構造体の実質的隣接部分との間の距離「d」が、各ワインディングの軸線方向位置の増大を構成する少なくとも1つのワイヤアラインメントを形成するように配置されているタイヤに関する。
Description
しかしながら、今日では、ビードワイヤの回りのカーカスプライの慣用アップターンをもたないものが存在し、または慣用態様のビードワイヤすらもたないものも存在する。例えば、特許文献1には、好ましくは高弾性係数を有し全体がアンカーリングまたは接合ゴム配合物内に埋入される周方向補強構造フィラメントに隣接して、カーカス型補強構造体をビード内に配置する方法が開示されている。この特許文献1には、幾つかの構成が提案されている。一般に、周方向コードとカーカス型補強構造体との間の間隔すなわち距離は、アンカーリングゾーンの全体に沿って実質的に一定である。かくして、補強構造体により誘起される力の周方向コードによる吸収の大部分は、最初に、半径方向内方に位置する周方向コードにより行われる。この場合、アンカーリングゾーンの他の周方向コードにより力が回復されることはない。
また、移動が制限される半径方向内方部分と、例えばコーナリング時に誘起される圧力または力の作用による側壁の外方への変位により移動すなわち変位がより大きくなる半径方向外方部分との両部分において、周方向コードとカーカス型補強構造体との間に1つの同じ距離が観察される。
カーカス型補強構造体に対する各ワインディングの軸線方向位置の漸次変化は、
・前記漸次変化の第一ワインディングが補強構造体に近接して配置され、
・前記漸次変化の最終ワインディングが補強構造体から最も離れるように構成するのが有利である。
前記漸次変化は、補強構造体に最も近接しているワインディングが漸次変化の半径方向最内方に位置するように構成するのが好ましい。かくして、距離「d」は、前記ビードのシートに対して半径方向に最も近接して配置された第一ワインディングと、前記シートから半径方向に最も離れて配置された最終ワインディングとの間で増大する。
本発明の有利な一実施形態によれば、補強構造体に最も近接したワインディングは、漸次変化の半径方向最外方にある。かくして、前記漸次変化は、前記距離「d」が、ビードのシートに対して半径方向に最も近接して位置する第一ワインディングと、前記シートから半径方向に最も離れて位置する最終ワインディングとの間で減少するように構成される。
この実施形態は、実質的に均一な力分散レベルを得ることを可能にする。
コードアラインメントとカーカス型補強構造体の実質的隣接部分との間の角度αは、10〜30°の間にあるのが有利である。
本発明の有利な一実施形態によれば、前記カーカス型補強構造体に対する各ワインディングの軸線方向位置の漸次変化は、
・前記漸次変化の第一ワインディングおよび最終ワインディングが補強構造体の近傍に配置され、
・前記第一ワインディングと最終ワインディングとの間に位置する漸次変化のワインディングは、前記第一ワインディングおよび最終ワインディングよりも補強構造体に近接して配置される。
前記漸次変化は円弧を形成するように構成できる。このような実施形態は、図1および図2の実施形態に固有の長所を結合することができる。
コードのアラインメントは、高弾性係数の少なくとも1つのゴム配合物と接触するように配置するのが有利である。
有利な一例では、アラインメントは第一配合物により第一側が包囲され、第二配合物により他の側が包囲される。
添付図面において、同じ構成要素は同じ参照番号で示されている。
タイヤの補強アーマチャすなわち補強体は、現在、その殆どが、慣用的に「カーカスプライ」、「クラウンプライ」等と呼ばれている1つ以上のプライを積層(スタッキング)することにより構成されている。補強アーマチャを指称するこの態様は、後でタイヤブランクを製造すべく組立てすなわち積層される、多くは長手方向のコード補強スレッドが設けられた、プライの形態をなす一連の半成品を製造することからなる製造方法から生じたものである。プライは大きい寸法をもつ平らな形状に作られ、後で所与の製品の寸法に従って切断される。プライはまた、第一フェーズで実質的に平らに組立てられる。このように作られたブランクは、次に、タイヤに一般的なトロイダルプロファイルとなるように成形される。「フィニッシング」プロダクツと呼ばれる半成品は、次に、加硫の準備が整えられた製品を得るため、ブランクに適用される。
プライの製造方法および組立て方法には種々のものがあるにもかかわらず、この慣用形式の方法がタイヤ工業界で広範囲に使用されているという事実は、当業者が、この方法にモデル化された語彙を用いるようにした。従って、平らなプロファイルからトロイダルプロファイルへの変化を指称するのに広く受入れられている用語として、特に、「プライ」、「カーカス」、「ビードワイヤ」、「シェ−ピング」がある。
また、中央コア上に迅速、有効かつ簡単に敷設するのに特に適した半成品を用いてトロイダルコア上に組付ける方法も存在する。最後に、或る構造的特徴(例えばプライ、ビードワイヤ等)を作るための或る半成品からなる混合物を使用することもでき、これに対し、他は、配合物および/またはフィラメントの形態をなす補強スレッドの直接的適用から作られる。
慣用的に、カーカスプライ(単一または複数)はビードワイヤの回りでターンアップされることは知られている。この場合、ビードワイヤは、カーカスをアンカーリングする機能を遂行する。かくして、ビードワイヤは、特に、例えば膨張圧力の作用によりカーカスコードに生じる張力に耐える。本願明細書で説明する構成は、同様なアンカーリング機能を付与できる。また、慣用形式のビードワイヤを使用してリム上にビードをクランプする機能を付与する。また本願明細書で説明する構成は、同様なクランプ機能を付与できる。
コードと接合ゴムの層との「接触」とは、コードの外周面の少なくとも一部が、接合ゴムを構成するゴム配合物と密接しているという事実を意味するものと理解されたい。
「側壁」とは、タイヤのクラウンとビードとの間に位置する、曲げ強度が最も小さい部分をいう。「側壁配合物」とは、カーカスの補強構造体のコードおよびこれらの接合ゴムに対して軸線方向外方に位置するゴム配合物をいう。通常、これらの配合物は小さい弾性係数を有している。
「ビード」とは、側壁に対して半径方向内方に隣接するタイヤの部分をいう。ゴム配合物の「弾性係数」とは、大気温度で約10%の単軸伸び変形時に得られる割線伸び係数を意味するものと理解されたい。
カーカス型の補強体または補強構造体とは、そのコードが90°(但し、使用用語によっては90°に近い角度)に配置されるときには半径方向となる。
「コードの特性」とは、例えば、その寸法、その組成、その特徴および機械的特性(より詳しくは、弾性係数)、化学的特徴および特性等を意味するものと理解されたい。
距離「d」とは、前記補強構造体に実質的に垂直でかつコード21を通る線から測定した、コード21と、カーカス型補強構造体の隣接部分との間の距離をいう。
角度「α」とは、カーカス型補強構造体と、アンカーリングコードにより形成されたコードアラインメントの軸線との間の角度である。
好ましくはスタック22の形態で配置される周方向コード21は、各ビードに設けられアンカーリングコードの構造を形成する。これらのコードは金属が好ましく、黄銅被覆金属とすることもできる。コードは、例えばアラミド、ナイロン、PET、PENまたはこれらのハイブリッドのようなテクスタイルの性質をもつコードとする種々の変更を有利に行うことができる。各スタック22では、コードは、実質的に同心状で、かつ重畳されるのが有利である。
補強構造体10の半径方向内端部は、コードワインディングと協働する。かくして、前記ビード内でのこれらの内端部のアンカーリングが形成される。このアンカーリングを促進するため、周方向コードと補強構造体との間の空間には、接合またはアンカーリングゴム配合物60が充填される。また、複数のゾーンを形成する、異なる特性をもつ複数の配合物の使用も可能であり、配合物の組合せおよび得られる構成は事実上制限されない。非制限的な例として、このようなゴム配合物の弾性係数は10〜15MPa以上にすることができ、或る場合には40MPa以上にすることもできる。
スタック22は、カーカス型補強構造体の漸次変化アンカーリングを形成すべく配置される。かくして、スタック22は、カーカス型補強構造体の隣接部分に対して或る角度を形成すなわち傾斜している。例えば図1では、角度αは、各スタック22について半径方向外方に向かって開いている。ビード1の半径方向外方部分2では、スタックは、コード21と補強構造体10の隣接部分との間の距離「d」が、半径方向外方に向かうにつれて増大するように、(シート4から離れる方向に向かうにつれて)半径方向および軸線方向外方に配向される。構造体10に関して他方の側3に位置するスタック22は対称的に傾斜しており、コード21と補強構造体10の隣接部分との間の距離「d」は、半径方向外方に向かうにつれて増大している。この後者の場合には、スタックは、(シート4から離れる方向に向かうにつれて)半径方向外方に配向され、軸線方向の傾斜は実質的にゼロであるか、軸線方向内方に僅かに傾斜している。
図3には、スタック22が2つの半月を形成し、両半月の丸い部分が、カーカス型補強構造体を介して互いに対面するように対向して、実質的に対称的な配置を形成している。このような配置は、タイヤの底ゾーンの優れた均一性を得ることに寄与する。
これらの全ての実施形態において、補強構造体の各側のスタックの数を変更できることはもちろんである。この場合、補強構造体10に関して同一側に配置される隣接スタックは実質的に平行に配向されることが好ましい。
2 軸線方向外方部分
3 軸線方向内方部分
4 ビードシート
6 側壁
10 補強構造体
21 周方向コード
22 スタック
60 ゴム配合物
Claims (8)
- タイヤの両側でビード内にアンカーリングされる少なくとも1つのカーカス型補強構造体を有し、ビードの基部はリムシート上に装着されることを意図しており、各ビードは側壁により半径方向外方に延長され、側壁は半径方向外方に延びてトレッドに結合され、カーカス型補強構造体はビードから側壁に向かって周方向に延びており、クラウン補強体を更に有し、各ビードは更に、補強構造体を保持できるアンカーリングゾーンを備え、該アンカーリングゾーンはアンカーリングゴム配合物を介して補強構造体の隣接部分と協働する複数の周方向コードワインディングを備え、アンカーリングゾーンのコードワインディングは、第一ワインディングと最終ワインディングとの間に延びる少なくとも1つのコードアラインメントを形成するように配置され、第一ワインディングと、該第一ワインディングとのカーカス型補強構造体の実質的隣接部分との間の距離「d」および前記最終ワインディングと、該最終ワインディングとのカーカス型補強構造体の実質的隣接部分との間の距離「d」は、カーカス型補強構造体に対する各ワインディングの軸線方向位置から漸次変化しており、前記複数の周方向コードワインディングはカーカス型補強構造体の隣接部分と直接的に協働することを特徴とするタイヤ。
- 前記カーカス型補強構造体に対する各ワインディングの軸線方向位置の漸次変化は、
・前記漸次変化の第一ワインディングが補強構造体に近接して配置され、
・前記漸次変化の最終ワインディングが補強構造体から最も離れるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のタイヤ。 - 前記漸次変化は、補強構造体に最も近接しているワインディングが漸次変化の半径方向最内方に位置するように構成されていることを特徴とする請求項1または2記載のタイヤ。
- 前記補強構造体に最も近接したワインディングが漸次変化の半径方向最外方に位置していることを特徴とする請求項1または2記載のタイヤ。
- 前記漸次変化は実質的に規則的であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のタイヤ。
- コードアラインメントとカーカス型補強構造体の実質的隣接部分との間の角度αは、10〜30°の間にあることを特徴とする請求項5記載のタイヤ。
- 前記カーカス型補強構造体に対する各ワインディングの軸線方向位置の漸次変化は、
・前記漸次変化の第一ワインディングおよび最終ワインディングが補強構造体の近傍に配置され、
・前記第一ワインディングと最終ワインディングとの間に位置する漸次変化のワインディングが補強構造体に近接して配置されるように構成されていることを特徴とする請求項1記載のタイヤ。 - 前記漸次変化は円弧を形成していることを特徴とする請求項1または7記載のタイヤ。
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