JP2005533055A - 新規マキシkチャンネルブロッカー、その使用方法および製造方法 - Google Patents

新規マキシkチャンネルブロッカー、その使用方法および製造方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、患者の眼における緑内障および眼圧の上昇に関連した他の状態の治療における、強力なカリウムチャンネルブロッカーまたはその製剤の使用に関する。本発明はまた、哺乳類種、特にヒトの眼に神経保護作用を付与するための、そのような化合物の使用に関する。

Description

緑内障は、正常な眼機能を維持できないほどに眼圧が高くなる、眼の変性疾患である。最終的には視神経乳頭に損傷が生じ、視機能の不可逆的喪失を引き起こす。緑内障は、治療されなければ、最終的には失明を招くことがある。現在では、眼圧上昇または高眼圧は緑内障の発症の初期段階を表すものであると大多数の眼科医により考えられている。
緑内障を治療するために以前使われていた薬物の多くは不満足なものであることが判明している。古くからの緑内障治療法はピロカルピンを使用するものであり、望ましくない局所作用を伴い、このため、この薬物は、貴重ではあるものの最重要薬物としては不満足なものとなった。その後、臨床医は、多数のβアドレナリン性アンタゴニストが眼圧降下に有効であることに注目した。これらの物質の多くはこの目的に有効であるが、患者によっては、この治療法が有効でないか又は十分には有効でない。これらの物質の多くは他の特徴、例えば膜安定化活性をも有し、これは、高い用量でより明らかとなり、それらを眼への慢性的な使用には許容し得ないものにし、また、心臓血管作用も引き起こしうる。
ピロカルピンおよびβアドレナリン性アンタゴニストは眼圧を低下させるが、これらの薬物はいずれも、炭酸脱水酵素を阻害することによってその作用を発現するものではなく、したがって、炭酸脱水酵素の経路による房水生成への関与を軽減することを利用するものではない。
炭酸脱水酵素阻害剤と称される物質は、炭酸脱水酵素を阻害することにより房水の生成を減少させる。そのような炭酸脱水酵素阻害剤は、全身および局所経路により眼圧異常を治療するために現在使用されているが、これらの物質を使用する現在の療法、特に、全身経路を用いるものには、依然として、望ましくない作用が付きまとう。炭酸脱水酵素阻害剤は基本的な生理的過程の改変における重要な作用を有するため、全身投与経路の回避は、代謝性アシドーシス、嘔吐、麻痺、刺痛、全身倦怠感などのような炭酸脱水酵素の阻害により引き起こされる副作用を、完全に消失させるわけではないものの、軽減するように働く。局所的に有効な炭酸脱水酵素阻害剤は米国特許第4,386,098号、第4,416,890号、第4,426,388号、第4,668,697号、第4,863,922号、第4,797,413号、第5,378,703号、第5,240,923号および第5,153,192号に開示されている。
プロスタグランジンおよびプロスタグランジン誘導体も眼圧を低下させることが公知である。Bitoの米国特許第4,883,819号は、眼圧降下におけるPGA、PGBおよびPGCの使用および合成を記載している。Gohらの米国特許第4,824,857号は、眼圧降下におけるPGD2およびその誘導体(例えば、C−10が窒素で置換された誘導体)の使用および合成を記載している。Uenoらの米国特許第5,001,153号は、眼圧降下のための13,14−ジヒドロ−15−ケトプロスタグランジンおよびプロスタグランジン誘導体の使用および合成を記載している。米国特許第4,599,353号は、眼圧降下におけるプロスタグランジンおよびプロスタグランジンインヒビターを含むエイコサノイドおよびエイコサノイド誘導体の使用を記載している。
プロスタグランジンおよびプロスタグランジン誘導体は、ぶどう膜強膜流出を増加させることにより眼圧を低下させる。これはF型およびA型のPgに当てはまり、したがって、おそらく、B、C、D、EおよびJ型のプロスタグランジンならびにそれらの誘導体にも当てはまるであろう。眼圧を低下させるためのプロスタグランジン誘導体の使用に伴う問題は、これらの化合物がしばしば、眼圧の初期増加を誘発し、眼色素沈着の色を変化させる可能性があり、眼の周囲のいくつかの組織の増殖を引き起こすことである。
現在、緑内障および眼圧上昇を治療するためのいくつかの療法があるが、これらの物質の効力および副作用プロフィールは理想的なものではないと理解されうる。最近、カリウムチャンネルブロッカーが眼における眼圧を減少させることが見出され、したがってこれは、高眼圧およびそれに関連した変性眼状態の治療に対する更にもう1つのアプローチを提供する。カリウムチャンネルの遮断は流体分泌を減少させ、ある状況下では、平滑筋収縮を増強することが可能であり、また、それはIOPを低下させ、眼内の神経保護作用を有すると予想されるであろう(米国特許第5,573,758号および第5,925,342号;Mooreら,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci 38,1997;WO 89/10757,W094/28900およびWO 96/33719を参照されたい)。
発明の概要
本発明は、式I:
Figure 2005533055
[式中、
およびR1aは、独立して、
(a)H、
(b)C1−6アルキル、
Figure 2005533055
または
Figure 2005533055
である;
は、bの位置に二重結合が存在しない場合には、
(a)CO1−6アルキル、
(b)H、
(c)OHまたは
(d)C1−6アルキルである;
は、
(a)H、
(b)(C=O)OC1−6アルキルまたは
(c)所望によりOH、N(RもしくはCOで置換されていてもよいC1−6アルキルである;
は、
(a)H(ただし、この場合、RはH以外である)、
(b)所望によりOH、N(RもしくはCOで置換されていてもよいC1−6アルキル;
Figure 2005533055
または
Figure 2005533055
である;
は、
(a)H、
(c)OHまたは
(d)OC1−6アルキルである;
は、
(a)Hまたは
(b)C1−6アルキルである;
はH、または所望によりOH、N(RもしくはCOで置換されていてもよいC1−6アルキルである;
はH、C1−6アルキル、CH−フェニル、CH−ヒドロキシフェニル、CH−インドイル、CH−イミダゾール、CHOR、CH(OR)CH、(CHC(O)NR、(CHCONR、(CHSRまたは(CH(N+Rである;
nは0〜4である;
- - - は、所望により及び独立してaまたはbに存在しうる二重結合である]
の新規インドールジテルペン天然物および合成化合物またはその医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物、ならびに患者の眼における緑内障および眼圧の上昇に関連した他の状態の治療における、強力なカリウムチャンネルブロッカーとしてのそれらの使用に関する。本発明は更に、本発明の新規インドールジテルペンを含有する組成物に関する。本発明はまた、本発明の化合物のいくつかを製造するために使用する微生物に関する。本発明はまた、哺乳類種、特にヒトの眼に神経保護作用を付与するための、そのような化合物の使用を含む。より詳しくは、本発明は、式IまたはII:
Figure 2005533055
[式中、
およびR1aは、独立して、
(a)H、
(b)C1−6アルキル、
Figure 2005533055
または
Figure 2005533055
である;
は、bの位置に二重結合が存在しない場合には、
(a)CO1−6アルキル、
(b)H、
(c)OHまたは
(d)C1−6アルキルである;
は、
(a)H、
(b)(C=O)OC1−6アルキルまたは
(c)所望によりOH、N(RもしくはCOで置換されていてもよいC1−6アルキルである;
は、
(a)H、
(b)所望によりOH、N(RもしくはCOで置換されていてもよいC1−6アルキル;
Figure 2005533055
または
Figure 2005533055
である;
は、
(a)H、
(c)OHまたは
(d)OC1−6アルキルである;
は、
(a)Hまたは
(b)C1−6アルキルである;
はH、または所望によりOH、N(RもしくはCOで置換されていてもよいC1−6アルキルである;
はH、C1−6アルキル、CH−フェニル、CH−ヒドロキシフェニル、CH−インドイル、CHOR、CH(OR)CH、(CHC(O)NR、(CHCONR、(CHSR、(CH(N+Rである;
nは0〜4である;
- - - は、所望により及び独立してaまたはbに存在しうる二重結合である]
のインドールジテルペン化合物またはその医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物を使用する緑内障および高眼圧(眼圧の上昇)の治療に関する。
本発明のこの及び他の態様は、本明細書全体を精査すれば理解されるであろう。
発明の詳細な説明
いずれかの可変基(例えば、アリール、複素環、R1a、Rなど)がいずれかの構成物中に2以上存在する場合には、各存在に関するその定義は各々の他の存在から独立したものである。また、置換基/可変基の組合せは、そのような組合せが安定な化合物を与える場合にのみ許容される。
また、本明細書に開示する化合物は互変異性体として存在する可能性があり、一方の互変異性構造のみが示されている場合であっても両方の互変異性体が本発明の範囲内に含まれると意図される。例えば、以下の化合物Aに対する任意の特許請求は互変異性構造Bを含み、その逆も成り立ち、それらの混合物も含むと理解される。
Figure 2005533055
また、式Iの化合物中(例えば、置換アルキル部分)に塩基性または酸性基が存在する場合には、医薬上許容される塩またはエステルも本発明の範囲内に含まれる。酸性置換基(すなわち、−COOH)が存在する場合には、投与形態として使用するアンモニウム、ナトリウムまたはカルシウム塩などが形成されうる。また、−COOH基が存在する場合には、医薬上許容されるエステル、例えば酢酸エステル、マレイン酸エステル、ピバロイルオキシメチルなど、および徐放またはプロドラッグ製剤として使用する、溶解度または加水分解特性を改変することが当技術分野で知られているエステルを使用することが可能である。
塩基性基、例えばアミノ基が存在する場合には、酸性塩、例えば塩酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、パモ酸塩などを投与形態として使用することが可能である。
本明細書中で用いる「アルキル」は、特定されている炭素原子数を有する分枝状および直鎖状の両方の飽和脂肪族炭化水素基を包含する意であり、メチル(Me)、エチル(Et)、プロピル(Pr)、ブチル(Bu)、ペンチル、ヘキシルなどを含む。「アルキル」はまた、飽和炭素環基である「シクロアルキル」、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル(Cyh)を含む。「アルコキシ」は、酸素架橋を介して結合する、示されている炭素原子数のアルキル基を表す。「アルケニル」は、鎖に沿った任意の安定な位置に存在しうる1以上の炭素−炭素二重結合を有する、直鎖上または分枝状の立体配置の炭化水素基、例えばエテニル、プロペニル、ブテニルなどを包含する意である。「アルキニル」は、鎖に沿った任意の安定な位置に存在しうる1以上の炭素−炭素三重結合を有する、直鎖上または分枝状の立体配置の炭化水素基、例えばエチニル、プロピニル、ブチニルなどを包含する意である。本明細書中で用いる「ハロ」または「ハロゲン」は、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを意味する。「Boc」なる語はt−ブチルオキシ−カルボニルを意味する。
本発明の1つの実施形態は、R、R1aおよびRが水素であり、すべての他の可変基が最初に記載されているものである場合と認識される。
本発明の更にもう1つの実施形態は、R
Figure 2005533055
であり、すべての他の可変基が最初に記載されているものである場合と認識される。
本発明の更にもう1つの実施形態は、RおよびRが水素であり、R
Figure 2005533055
であり、すべての他の可変基が最初に記載されているものである場合と認識される。
本発明の1つの実施形態は、式Iのインドールジテルペンと医薬上許容される担体とを含んでなる組成物である。
本発明のもう1つの実施形態は、式Iの化合物を局所用製剤として投与する前記方法である。
さらにもう1つの実施形態は、式IまたはII:
Figure 2005533055
[式中、可変基は前記と同意義である]の化合物ならびにその医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体および混合物の治療的有効量を、高眼圧および/または緑内障の治療を要する患者に投与することを含んでなる、高眼圧および/または緑内障の治療方法である。
さらにもう1つの実施形態は、局所用製剤が溶液または懸濁液である前記方法を意図する。
さらにもう1つの実施形態は、βアドレナリン性遮断剤、アドレナリン性アゴニスト、副交感神経作動剤、炭酸脱水酵素阻害剤およびプロスタグランジンまたはプロスタグランジン誘導体から選ばれる眼圧降下剤である第2の有効成分を同時または連続的に投与することを含む前記方法である。
もう1つの実施形態は、βアドレナリン性遮断剤がチモロール、レボブノロール(levobunolol)、カルテオロール、オプチプラノロール(optipranolol)、メタプラノロール(metapranolol)またはベタキソロールである;副交感神経作動剤がピロカルピン、カルバコールまたはヨウ化ホスホリンである;アドレナリン性アゴニストがアイオピディン、ブリモニジン(brimonidine)、エピネフリンまたはジピベフリンである;炭酸脱水酵素阻害剤がドルゾラミド(dorzolamide)、アセタゾラミド、メタゾラミドまたはブリンゾラミド(brinzolamide)である;プロスタグランジンがラタノプロストまたはレスキュラである;およびプロスタグランジン誘導体がPGF2αプロスタグランジン由来の低圧性(眼圧降下性)脂質である前記方法である。
もう1つの実施形態は、構造式IまたはII:
Figure 2005533055
[式中、可変基は前記と同意義である]の化合物またはその医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物の医薬上有効な量を、黄斑浮腫または黄斑変性の治療を要する患者に投与することを含んでなる、黄斑浮腫または黄斑変性の治療方法である。
もう1つの実施形態は、式IまたはIIの化合物を局所用製剤として投与する前記方法である。
本発明の更にもう1つの実施形態は、βアドレナリン性遮断剤、アドレナリン性アゴニスト、副交感神経作動剤、炭酸脱水酵素阻害剤およびプロスタグランジンまたはプロスタグランジン誘導体から選ばれる眼圧降下剤である第2の有効成分を同時または連続的に投与することを含む。
もう1つの実施形態は、βアドレナリン性遮断剤がチモロール、レボブノロール、カルテオロール、オプチプラノロール、メタプラノロールまたはベタキソロールである;副交感神経作動剤がピロカルピン、カルバコールまたはヨウ化ホスホリンである;アドレナリン性アゴニストがアイオピディン、ブリモニジン、エピネフリンまたはジピベフリンである;炭酸脱水酵素阻害剤がドルゾラミド、アセタゾラミド、メタゾラミドまたはブリンゾラミドである;プロスタグランジンがラタノプロストまたはレスキュラである;およびプロスタグランジン誘導体がPGF2αプロスタグランジン由来の低圧性脂質である前記方法である。
もう1つの実施形態は、式IまたはII:
Figure 2005533055
[式中、可変基は前記と同意義である]の化合物またはその医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物の治療的有効量を、網膜および視神経乳頭血流速度を増加させる又は網膜および視神経酸素圧を増加させることを要する患者に投与することを含んでなる、網膜および視神経乳頭血流速度を増加させる又は網膜および視神経酸素圧を増加させるための方法である。
もう1つの実施形態は、式IまたはIIの化合物を局所用製剤として投与する前記方法である。
さらにもう1つの実施形態は、βアドレナリン性遮断剤、アドレナリン性アゴニスト、副交感神経作動剤、炭酸脱水酵素阻害剤、2002年6月6日付け出願の米国特許出願第60/386,641号(Attorney Docket MC059PV)、2002年10月25日付け出願の第60/421,402号(Attorney Docket MC067PV)、2003年3月26日付け出願の第60/457,700号(Attorney Docket MC080PV)、2002年8月28日付け出願の第60/406,530号(Attorney Docket MC060PV)、および2002年11月27日付け出願のPCT出願PCT 02/38039および2002年11月27日付け出願のPCT 02/38040(それらの全体を参照により本明細書に組み入れることとする)、ならびにプロスタグランジンまたはプロスタグランジン誘導体から選ばれる眼圧降下剤である第2の有効成分を同時または連続的に投与することを含む。
もう1つの実施形態は、βアドレナリン性遮断剤がチモロール、レボブノロール、カルテオロール、オプチプラノロール、メタプラノロールまたはベタキソロールである;副交感神経作動剤がピロカルピン、カルバコールまたはヨウ化ホスホリンである;アドレナリン性アゴニストがアイオピディン、ブリモニジン、エピネフリンまたはジピベフリンである;炭酸脱水酵素阻害剤がドルゾラミド、アセタゾラミド、メタゾラミドまたはブリンゾラミドである;プロスタグランジンがラタノプロストまたはレスキュラである;およびプロスタグランジン誘導体がPGF2αプロスタグランジン由来の低圧性脂質である前記方法である。
本発明のもう1つの実施形態は、式IまたはII:
Figure 2005533055
[式中、可変基は前記と同意義である]の化合物またはその医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物の治療的有効量を、神経保護作用を要する患者に投与することを含んでなる、哺乳類の眼に神経保護作用を付与するための方法である。
また、本発明の範囲内には、式IまたはIIの化合物を局所用製剤として投与する前記方法も含まれる。
さらにもう1つの実施形態は、βアドレナリン性遮断剤、アドレナリン性アゴニスト、副交感神経作動剤、炭酸脱水酵素阻害剤およびプロスタグランジンまたはプロスタグランジン誘導体から選ばれる眼圧降下剤である第2の有効成分を同時または連続的に投与することを含む。
もう1つの実施形態は、βアドレナリン性遮断剤がチモロール、レボブノロール、カルテオロール、オプチプラノロール、メタプラノロールまたはベタキソロールである;副交感神経作動剤がピロカルピン、カルバコールまたはヨウ化ホスホリンである;アドレナリン性アゴニストがアイオピディン、ブリモニジン、エピネフリンまたはジピベフリンである;炭酸脱水酵素阻害剤がドルゾラミド、アセタゾラミド、メタゾラミドまたはブリンゾラミドである;プロスタグランジンがラタノプロストまたはレスキュラである;およびプロスタグランジン誘導体がPGF2αプロスタグランジン由来の低圧性脂質である前記方法である。
また、本発明の範囲内には、キサンタンガムまたはジェランガムを含有する、前記化合物IまたはIIの局所用製剤も含まれると意図される。
本発明の化合物の具体例としては、
Figure 2005533055
またはそれらの医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物が挙げられる。
本発明はまた、式Iaの化合物の場合には微生物株アスペルギルス・アリアセウス(Aspergillus alliaceus(ATCC No.16891またはPTA−4210)、アスペルギルス・ノミウス(Aspergillus nomius)(ATCC No.15546またはPTA−4211)またはアスペルギルス・ノミウス(Aspergillus nomius)(ATCC No.PTA−4212)を、式Ibの化合物の場合にはアスペルギルス・ノミウス(Aspergillus nomius)(ATCC No.15546またはPTA−4211)またはアスペルギルス・ノミウス(Aspergillus nomius)(ATCC No.PTA−4212)を使用する、式IaまたはIb:
Figure 2005533055
またはそれらの医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物の製造方法に関する。本発明の範囲内には、微生物株アスペルギルス・アリアセウス(Aspergillus alliaceus)ATCC No.16891(PTA−4210)も含まれる。
本明細書においては、特に示さない限り、後記で定義する用語を用いて本発明を説明する。
式Iの化合物中に塩基性または酸性基が存在する場合には、医薬上許容される塩またはエステルも本発明の範囲内に含まれる。
本発明はまた、βアドレナリン性遮断剤、例えばチモロール、オプチプラノロール、レボブノロール、メタプラノロール、カルテオロール、ベタキソロールなど、副交感神経作動剤、例えばピロカルピン、カルバコール、ヨウ化ホスホリンなど、アドレナリン性アゴニスト、例えばアイオピディン、ブリモニジン、エピネフリン、ジピベフリンなど、炭酸脱水酵素阻害剤、例えばドルゾラミド、アセタゾラミド、メタゾラミドまたはブリンゾラミド、プロスタグランジン、例えばラタノプロスト、レスキュラ、S1033またはプロスタグランジン誘導体、例えばPGF2αプロスタグランジン由来の低圧性脂質から選ばれる眼圧降下剤と共に式IまたはIIの化合物の1つを、高眼圧または緑内障の治療を要する患者に投与することによる、高眼圧または緑内障の治療方法に関する。低圧性脂質(基本プロスタグランジン構造のα鎖連結上のカルボン酸基が、電気化学的に中性の基で置換されている)の一例としては、該カルボン酸基がC1−6アルコキシ基、例えばOCHまたはヒドロキシ基で置換されたもの(それぞれ、PGF2a 1−OCHまたはPGF2a 1−OH)が挙げられる。
好ましいカリウムチャンネルブロッカーは、カルシウム活性化カリウムチャンネルブロッカーである。より好ましいカリウムチャンネルブロッカーは、高コンダクタンスカルシウム活性化カリウム(マキシK)チャンネルブロッカーである。マキシKチャンネルは、ニューロン、平滑筋および上皮組織に広く存在し膜電位および細胞内Ca2+によりゲーティングされるイオンチャンネルのファミリーである。
眼圧(IOP)は房水の動力学により制御される。房水は無色素毛様体上皮の段階で産生され、主として経線維柱帯房水流出により除去される。房水流入はイオン輸送過程により制御される。無色素毛様体上皮細胞内のマキシKチャンネルは2つのメカニズムにより間接的に塩素イオンの分泌を制御すると考えられている。すなわち、このチャンネルは、該細胞からの塩素イオン流出の原動力を付与する過分極膜電位(内側負)を維持し、それは塩素イオンの移動のための対イオン(K)を付与する。水はKClと共に受動的に移動して房水の産生をもたらす。この組織内のマキシKチャンネルは流入を減少させるであろう。マキシKチャンエルは或る平滑筋組織の収縮性をも制御することが示されており、場合によっては、チャンネルブロッカーは静止筋肉を収縮させたり、自発的活性組織の筋原性活性を増強しうる。ピロカルピンによって生じるのと同様に、毛様体筋の収縮は線維柱帯を開き、房水流出を促進するであろう。したがって、マキシKチャンネルはいくつかの様態で房水の動力学に著しい影響を及ぼしうるであろう。すなわち、このチャンネルの遮断は、流入または流出過程に影響を及ぼすことにより、あるいは流入/流出過程の両方への影響の組合せにより、IOPを減少させるであろう。
本発明は、マキシKチャンネルが、遮断されると、純溶質(net solute)およびHOの流出を抑制することにより房水産生を抑制して、IOPを低下させるという知見に基づくものである。この知見は、マキシKチャンネルブロッカーが黄斑浮腫および黄斑変性のような他の眼科学的機能不全の治療に有用であることを示唆している。IOPの低下は網膜および視神経への血流の増加を促すことが公知である。したがって、本発明は、黄斑浮腫、黄斑変性またはそれらの組合せの治療方法に関する。
また、黄斑浮腫は、眼の眼底後極部における極めて重要な中心視域内の網膜内の腫脹である。網膜内の流体の蓄積は神経要素をお互いから及びそれらの局所血液供給から解離させて、この領域における視機能の停止を引き起こす。
緑内障は視神経の進行性萎縮により特徴づけられ、しばしば、眼圧(IOP)の上昇を伴う。しかし、神経保護作用を付与する薬物を使用することにより、必ずしもIOPに影響を及ぼすことなく緑内障を治療することが可能である。Arch.Ophthalmol.Vol.112,1994年1月,p.37−44;Investigative Ophthamol.& Visual Science,32,5,1991年4月,p.1593−99を参照されたい。IOPを低下させるマキシKチャンネルブロッカーは神経保護作用の付与に有用であると考えられる。それは、IOPを低下させることにより、網膜および視神経乳頭の血流速度を増加させるのに並びに網膜および視神経の酸素を増加させるのに有用であり、それらが組合されると、視神経の健康に有益であると考えられる。したがって、本発明は更に、網膜および視神経乳頭の血流速度の増加、網膜および視神経の酸素圧の増加ならびに神経保護作用の付与またはそれらの組合せのための方法に関する。
使用するマキシKチャンネルブロッカーは、好ましくは、眼への局所投与に適した眼用医薬組成物、例えば溶液、軟膏剤、クリーム剤の形態で又は固体挿入物として投与する。この化合物の製剤は0.01〜5%、特に0.5〜2%の医薬を含有しうる。用量が眼圧の低下、緑内障の治療、血流速度もしくは酸素圧の増加または神経保護作用の付与に有効である限り、より高い用量、例えば約10%、またはより低い用量を使用することも可能である。化合物0.001〜5.0mg、好ましくは0.005〜2.0mg、特に0.005〜1.0mgの1回量をヒトの眼に投与することが可能である。
該化合物を含有する医薬製剤は無毒性の医薬用有機担体または無毒性の医薬用無機担体と簡便に混合されうる。医薬上許容される担体の典型例としては、例えば水、水と水混和性溶媒(例えば、低級アルカノールまたはアルアルカノール)との混合物、植物油、ポリアルキレングリコール、石油に基づくゼリー、エチルセルロース、エチルオレアート、カルボキシメチル−セルロース、ポリビニルピロリドン、イソプロピルミリスタートおよび他の通常使用され許容される担体が挙げられる。該医薬製剤は、無毒性の補助物質、例えば乳化剤、保存剤、湿潤剤、増量剤など、例えばポリエチレングリコール200、300、400および600、カーボワックス1,000、1,500、4,000、6,000および10,000、抗細菌成分、例えば四級アンモニウム化合物、冷殺菌作用を有することが知られており使用上無害であるフェニル水銀塩、チメロサール、メチルおよびプロピルパラベン、ベンジルアルコール、フェニルエタノール、緩衝化成分、例えばホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、グルコナートバッファーおよび他の通常の成分、例えばソルビタンモノラウラート、トリエタノールアミン、オレアート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミチラート、ジオクチルナトリウムスルホスクシナート、モノチオグリセロール、チオソルビトール、エチレンジアミン四酢酸などをも含有しうる。また、本目的の担体媒体として、適当な眼用ビヒクルを使用することが可能であり、それらには、通常のリン酸バッファービヒクル系、等張性ホウ酸ビヒクル、等張性塩化ナトリウムビヒクル、等張性ホウ酸ナトリウムビヒクルなどが含まれる。また、該医薬製剤は微粒子製剤の形態でありうる。また、該医薬製剤は固体挿入物の形態でありうる。例えば、医薬用担体として固体水溶性高分子を使用することが可能である。該挿入物を形成させるために使用する高分子は、任意の水溶性無毒性高分子、例えばセルロース誘導体、例えばメチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、(ヒドロキシ低級アルキルセルロース)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース;アクリラート、例えばポリアクリル酸塩、エチルアクリラート、ポリアクチルアミド;天然物、例えばゼラチン、アルギナート、ペクチン、トラガカント、カラヤ、コンドルス、寒天、アカシア;デンプン誘導体、例えば酢酸デンプン、ヒドロキシメチルデンプンエーテル、ヒドロキシプロピルデンプンおよび他の合成誘導体、例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキシド、中和カルボポールおよびキサンタンガム、ジェランガムおよび該高分子の混合物でありうる。
本発明の製剤の適当な投与対象には、霊長類、ヒトおよび他の動物、特にヒトおよび家畜、例えばネコおよびイヌが含まれる。
該医薬製剤は無毒性補助物質、例えば使用上無害である抗菌成分、例えばチメロサール塩化ベンザルコニウム、メチルおよびプロピルパラベン、ベンジルドデシニウムブロミド、ベンジルアルコールまたはフェニルエタノール;緩衝化成分、例えば塩化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムまたはグルコナートバッファー;および他の通常の成分、例えばソルビタンモノラウラート、トリエタノールアミン、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミチラート、エチレンジアミン四酢酸などを含有しうる。
該眼用溶液または懸濁剤は、眼内の許容IOPレベルを維持するのに必要な回数、投与することができる。哺乳類の眼への投与は1日約1回または2回であると予想される。
局所眼投与の場合には、本発明の新規製剤は、単位投与形が有効成分の治療的有効量を含むよう又は併用療法の場合にはそれらの幾つかの複数回分を含むよう製剤化された溶液、ゲル剤、軟膏剤、懸濁剤または固体挿入物の形態をとりうる。
式IaのマキシKチャンネルブロッカーは、アスペルギルス・アリアセウス(Aspergillus alliaceus)(MF4946)を使用する微生物法により製造される。この株ATCC 16891(PTA−4210)は、12301 Parklawn Drive in Rockville,Marylandに位置するAmerican Type Culture Collectionから入手可能である。
式IaおよびIbのマキシKチャンネルブロッカーは、American Type Culture CollectionにATCC 15546(PTA−4211)として寄託されている株アスペルギルス・ノミウス(Aspergillus nomius)(MF6296)を使用する微生物法により製造されうる。式IaおよびIbの化合物は、American Type Culture CollectionにATCC 15546(PTA−4212)として寄託されている株アスペルギルス・ノミウス(Aspergillus nomius)(MF6875)を使用する微生物法によっても製造されうる。
本発明において使用する化合物IaおよびIbは、
(a)所望の化合物に応じてアスペルギルス・アリアセウス(Aspergillus alliaceus)MF4946=ATCC 16891(PTA−4210)、アスペルギルス・ノミウス(Aspergillus nomius)MF6296=ATCC 15546(PTA−4211)またはアスペルギルス・ノミウス(Aspergillus nomius)MF6875=ATCC 15546(PTA−4212)の菌糸および分生子を種培地(表1)に接種し、
(b)該接種真菌発酵物を、室温(20〜30℃)で、一定の蛍光を伴う湿潤条件下、好ましくは振とうしながら又は攪拌しないで、最も好ましくは、回転振とう機上、アスペルギルス・アリアセウス(A.alliaceus)による液体培地内での発酵の場合には行程5cmで220rpmで、アスペルギルス・アリアセウス(A.alliaceus)による固形培地の場合にはより遅い回転rpmで、またはいずれかのアスペルギルス・ノミウス(A.nomius)株による固形基質上での発酵の場合には静置的にインキュベートし、
(c)工程(b)で得られた培養物を使用して液体生産培地または固形基質培地に接種し、工程(b)に記載の条件下で更にインキュベートして化合物IaまたはIbを得ることを含む、カリウムチャンネルアンタゴニストを製造するための発酵法により製造することが可能である。
該発酵ブロス内の化合物の最大蓄積は第7〜30日に生じる。本発明は更に、適当な一定の制御された条件下で該発酵ブロス内で産生された化合物を該ブロスから精製し単離する工程(d)を含む。適当な単離方法には、例えば、溶媒、好ましくは、アスペルギルス・アリアセウス(A.alliaceus)発酵の場合にはメチルエチルケトンおよびアスペルギルス・ノミウス(A.nomius)発酵の場合にはヘキサンでの培地の抽出が含まれる。株ATCC−16891(PTA−4210)、ATCC 15546(PTA−4211)およびATCC 15546(PTA−4212)を以下に説明する。
以下に挙げるすべての株は100mmペトリ皿上に三点接種し、湿度制御を伴わない暗室内で25℃で14日間増殖させた。CYAはツァペック酵母自己分解物寒天であり、BMEAはブレイクスリー(Blakeslee)麦芽エキス寒天である。これらの培地の製造方法はRaper,K.およびFennell,D.1965.The genus Aspergillus.Williams & Wilkins,Co.686pp.に記載されている。括弧内の色標準はKornerup,A.およびWanscher,J.1978.Methuen handbook of colour.London:Eyre Methuen.252pp.による。
アスペルギルス・アリアセウス(Aspergillus alliaceus)(ATCC 16891=PTA−4210=MF4946=E−003478)
肉眼的特徴
CYA上では、直径65〜70mmに達する。培養マットは綿状ないし羊毛状であり、密集した白色菌糸体の小さな房状分枝を伴い、白色。分生子形成は疎らであり、培養物の外縁に限局し、淡黄色。中等度の黒色菌核。裏面は無色で有溝。滲出物は透明で、少数の大きな液滴。可溶性色素は存在しない。
BMEA上では、直径65〜70mmに達する。培養マットは綿状で疎らであり、気中菌糸体は縁近傍では無色ないしコロニー中心では白色。分生子形成はコロニー縁に限局し、淡黄色。少数の大きな黒色菌核。裏面、滲出物および可溶性色素は存在しない。
顕微鏡的特徴
分生子頭は小さく淡黄色、放射状であり、成長と共に(第14〜21日に)大きな分岐断片に分裂する。分生子柄は長さ約1.0mm、より一般的には500〜750μであり、壁は、細かい棘を有し、厚さ1μ以下である。小胞は球状で25〜40μである。小柄は二列であり、第1列は長さ6〜9μ、第2列は5〜8μであり、どちらの列も幅2〜3μである。分生子は球状で滑らかであり直径2〜3μである。菌核は大きく、卵形ないし楕円形であり、1〜3mmであり、最初は白色であるが、やがて黒色となり、成長につれて白色の先端を形成する。
アスペルギルス・ノミウス(Aspergillus nomius)(=ATCC 15546=PTA−4211=NRRL 13137=MF6296)および(=ATCC15546−PTA−1412=MF6875)
肉眼的特徴
CYA上では、直径65〜77mmに達する。培養マットは白色で綿状ないし羊毛状であり、それを覆って、豊富な分生子柄が存在し、培養皿のほとんどを満たしており、色は、プレートの縁における褐色がかった緑色(4C8、4C7)から、コロニーの中心に向かって濃いオリーブ色(4E8、4E7)となる。裏面は淡いオレンジ褐色(5B6、5B4)であり、有溝。少数の黒色菌核が存在する。可溶性色素および滲出物は存在しない。
BMEA上では、直径65〜70mmに達する。培養マットは疎らで綿状であり、白色の気中菌糸体。分生子形成は疎らであり、淡緑色(30B8、30C8)。裏面は無色。可溶性色素および滲出物は存在しない。
顕微鏡的特徴
分生子頭は放射状であり、輪郭が不明瞭な典型的には直径500〜600μの柱状物に分裂する。分生子柄は粗く、それは厚い壁で囲まれており、無色透明であり、通常は長さ1〜2mmであり、通常は幅10μ以下である。小胞は、若い時に伸長し、成長と共に亜球状ないし球状になり、ほとんどの場合に直径30〜50μである。小柄は通常は二列であり、フィアライドは長さ6〜10μ、幅4〜5μである。分生子は粗い棘を有し、球状ないし亜球状であり、直径3〜5μである。菌核は球状ないし亜球状であり、濃褐色ないし黒色であり、直径400〜700μである。
該培養の菌糸体成長物から、適当な溶媒、例えばアルコール性または酸素化溶媒、例えばエステルまたはケトンで該活性化合物を抽出する。抽出のための好ましい溶媒は、液体発酵にはメチルエチルケトン、固形基質発酵にはヘキサンである。所望の化合物を含有する溶液を濃縮し、ついでクロマトグラフィー分離に付して、培地から化合物Iを単離する。
栄養培地内の好ましい炭素源には、グリセロール、グルコース、スクロース、マンニトール、ラクトース、ソルビトール、デンプン、デキストリン、他の糖および糖アルコール、デンプンおよび他の炭水化物または炭水化物誘導体などが含まれる。含められうる他の炭素源としては、複合栄養素、例えばコーンミール、エンバク粉、アワ、コメ、ひき割りトウモロコシなどが挙げられる。培地内で使用する炭素源の厳密な量は、1つには、培地内の他の成分に左右されるが、通常、培地に対して0.5〜40重量%の炭水化物量で十分である。これらの炭素源は個別に使用することが可能であり、あるいは幾つかのそのような炭素源を同一培地内で組合わせることが可能である。
好ましい窒素源としては、酵母エキス、黄色コーンミール、肉エキス、ペプトン、グルテンミール、綿実ミール、大豆粕および他の植物ミール(部分的または完全に脱脂されたもの)、カゼイン加水分解物、大豆加水分解物および酵母加水分解物、コーンスティープリカー、乾燥酵母、小麦胚芽、フェザーミール、ピーナッツ粉、蒸留可溶物など、ならびに無機および有機窒素化合物、例えばアンモニウム塩(例えば、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウムなど)、尿素、アミノ酸、例えばメチオニン、フェニルアラニン、セリン、アラニン、プロリン、グリシン、アルギニンまたはトレオニンなどが挙げられる。種々の窒素源を単独で又は組合わせて、培地に対して0.2〜10重量%の量で使用することが可能である。
炭素源および窒素源は有利に併用されるが、それらの純粋な形態で使用される必要はない。なぜなら、微量の増殖因子および相当な量の無機栄養素を含有する、より低純度の物質も、使用に適しているからである。所望により、無機塩、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、ホスファート、スルファート、クロリド、カルボナート、および炭酸ナトリウムまたはカルシウム、リン酸ナトリウムまたはカリウム、塩化ナトリウムまたはカリウム、ヨウ化ナトリウムまたはカリウム、マグネシウム塩、銅塩、コバルト塩などとして培地内に加えられうる同様のイオンを培地に加えることが可能である。また、微量金属、例えばコバルト、マンガン、鉄、モリブデン、亜鉛、カドミウム、銅などが加えられる。種々の無機塩源は単独で又は組合わせて、培地に対して0.1〜1.0重量%の量で、微量元素は培地に対して0.001〜0.1重量%で使用されうる。
必要に応じて、特に培地が著しく発泡する場合には、消泡剤、例えばポリプロピレングリコール2000(PPG−2000)、液体パラフィン、脂肪油、植物油、鉱油またはシリコーンを加えることが可能である。
化合物IaまたはIbの大量生産には、発酵槽内の液内好気的発酵条件が好ましい。少量生産には、フラスコまたはボトル内の振とう又は表面培養を用いる。さらに、大きなタンク内で培養を行う場合には、化合物IaまたはIbの生産過程における増殖の遅れを避けるために、生産タンク内の接種に該生物の栄養形を使用することが好ましい。したがって、まず、予め調製された凍結菌糸体からの又は「斜面」内で産生された該生物の胞子または菌糸体を比較的少量の培地に接種し、該接種培地(「種培地」とも称される)を培養し、ついで該培養栄養形接種物を大きなタンクに無菌的に移すことにより、該生物の栄養形接種物を製造することが望ましい。該接種物を産生させるための種培地は表1に記載されており、一般には、接種前に培地を滅菌するために高圧滅菌される。一般には、高圧滅菌工程の前に、酸または塩基、好ましくは、塩酸または水酸化ナトリウムの希薄溶液の適当な添加により、該種培地を5〜8、好ましくは約6.8のpHに調節する。この種培地内の培養物の培養は22℃〜37℃、好ましくは25℃に維持する。種培地(好ましくは、表1に記載のもの)内の培養物ATCC No.16891またはATCC No.15546のインキュベーションは、通常、振とうしながら、好ましくは行程5cmで220rpmで作動する回転振とう機上、約2〜6日間、好ましくは3〜4日間行う。インキュベーション時間の長さは発酵条件および規模に応じて様々となりうる。適当な場合には、新鮮な種培地を培地の一部に接種し、ついで同様の条件下であるが時間を短縮してインキュベートすることにより、菌糸体をより大量生産するために、種培地(表1)内で第2段階の種発酵を行うことができる。ついで、得られた培養物を使用して生産培地、好ましくは液体生産培地(表2)に接種することが可能である。該種培養物が接種された発酵液体生産培地を、攪拌しながら3〜28日間、通常は7〜11日間インキュベートする。該培養混合物の攪拌および通気は種々の方法で達成されうる。攪拌は、プロペラまたは同様の機械的攪拌装置により、あるいは発酵混合物を発酵槽内で回転または振とうすることにより、あるいは種々のポンピング装置により、あるいは培地に無菌空気を通すことより行うことができる。通気は、無菌空気を発酵混合物に通すことにより行うことができる。
発酵を行うための好ましい種および生産培地には、以下の培地が含まれる。
Figure 2005533055
該種培地は蒸留水で調製し、綿栓付きの250mlの無じゃま板エーレンマイヤーフラスコ当たり50mlで分注した。121℃で20分間滅菌した。
表2
生産培地の組成
A.固形基質生産培地
1.固体部分:
675ccの大粒子状バーミキュル石を2リットルのローラーボトルに加えた。これをラテックス栓で塞ぎ、60分間高圧滅菌し、30分間乾燥させた。
2.液体部分:
Figure 2005533055
該生産培地は蒸留水で調製し、500ml ボトル当たり220mlで分注し、121℃で15分間滅菌した。NZ Amine Type Aがタンパク質加水分解物(カゼインの酵素消化物)である場合には、製造業者はQuest International(Norwich,NY)である。
B.液体生産培地
Figure 2005533055
該液体生産培地は蒸留水で調製し、綿栓付きの250mlの無じゃま板エーレンマイヤーフラスコ当たり50mlで分注した。121℃で15分間滅菌した。
発酵槽プロセス
種培地(表1に記載のものと同じ):
成分 (g/L)
コーンスティープリカー 2.5
トマトペースト 40
エンバク粉 10
グルコース 10
微量元素#2 10(ml)
生産培地:
成分 (g/L)
グリセロール 100.0
グルコース 70.0
L−トリプトファン 0.7
NHCl 3.0
MSG 10.0
アミカーゼ 8.0
MES 20.0
HPO 1.0
MgSO・7HO 0.5
85% 乳酸 5.0(ml)
微量元素1B 20.0(ml)
pH6.0に調節し、ついで以下を加える:
CaCO 1.0
P2000 1ml/L
微量元素1B:
成分 (g/L)
0.6N HCl中で調製:
ZnSO・7HO 0.5
CuSO・5HO 0.05
FeSO・7HO 0.5
MnSO・HO 0.1
CoCl・6HO 0.04
方法:
大規模法においては2工程の種プロセスを用いる。第1工程では、250mL フラスコ内の種培地を22〜25℃、220rpmで48時間培養する。第2工程では、2L フラスコ内の種培地に0.5〜1mLの第1工程の種を接種し、それを同じ条件で48〜72時間培養する。発酵槽を、生産培地の稼動容積が20〜50Lとなるように設定し、123℃で25分間滅菌する。ついで該発酵槽に第2工程の種(2.5〜3% 接種物)を接種し、以下の条件に設定した。
温度 22〜26℃
圧力 5.0psig
気流 5.0〜15.0 lpm
攪拌 300〜700rpm
pH 無制御
該攪拌はRushtonインペラにより行い、それを用いて溶存酸素レベルを30%またはそれ以上に制御する。接種後第7日から、およびその後は生産力価レベルが低下するまで2〜3日ごとに、無菌サンプルを採取し、HPLCによりアッセイする。最適な発酵サイクルは14〜17日である。
以下の実施例は本発明を例示するために記載されており、本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
発酵による化合物Iaの製造
種:培養ATCC 16891を凍結調製物として4℃で維持した。1本の凍結チューブの内容物を50mlの種培地に懸濁させた(種培地の組成については表1を参照されたい)。十分な量のバイオマスが得られるまで、該培養を旋回振とう機(220rpm)上、25℃、相対湿度85%で3〜4時間成長させた。
生産:
固形基質発酵培地の組成を表2に示す。各培養種の1ml アリコートを250ml エーレンマイヤーフラスコ内の生産培地の50mlの液体部分中に配置した。代謝産物の産生のために該フラスコを14〜21日間インキュベートした。該バイオマスを分散させるために、これを激しく回転させた。該内容物を、675立方センチの蒸気滅菌大粒子バーミキュル石を含有する2リットルのローラー培養容器内に注ぐことにより分注した。該ローラーボトルの内容物を振とう/混合して、それが均一に接種され行き渡るようにした。ついで該ローラーボトルを、Wheatonローラー装置上、約4rpmで回転させて22℃で19日間、水平にインキュベートして、該発酵培地内で二次代謝産物を産生させた。
該液体発酵培地の組成を前記表2に示す。該培養種の1ml アリコートを250ml エーレンマイヤーフラスコ内の50mlの液体産生培地中に配置した。代謝産物の産生のために該フラスコを22℃、220rpmで14〜21日間インキュベートした。
化合物IaまたはIbの精製および同定
本化合物は、クロマトグラフィー法の組合わせにより、発酵の粗抽出物から精製することができる。
実施例1に記載のとおりに製造した発酵ブロス(体積2.0リットル)を、激しく振とうしながら、メチルエチルケトンで抽出した。濾過し、減圧下で溶媒を蒸発させた後、水性懸濁液をメチルエチルケトンで再抽出した。乾燥後、残渣を60mlの塩化メチレンに再溶解した。
塩化メチレン中の酢酸エチルの勾配で溶出する80ccのシリカゲル上のカラムクロマトグラフィーにより、第1分画を行った。該50:50(v/v)溶出液は、関心のある化合物を含有しており、それを主な不純物および他のインドールジテルペンから取り出した。
豊富な留分を完全に蒸発させた。精製の第2工程をメタノール中のセファデックスLH−20上のゲル濾過により行って、溶出の0.75〜0.9カラム容積において該化合物を得た。
得られた調製物は、Zorbax RxC8カラム[2.5×25cmカラム;8ml/分でアセトニトリル−水50:50(v/v)で、ついで100% アセトニトリルへの100分間の勾配での溶出]上で行うHPLCに適していた。これは、溶媒の蒸発および凍結乾燥の後、純粋な化合物Iaを与えた。
クロマトグラフィー特性:40℃に維持し0.1% トリフルオロ酢酸中の30%〜100% アセトニトリルの勾配で1ml/分で30分間にわたり溶出させた0.46×25cm Zorbax RxC8カラム上、k’=7.0。
同様にして、実施例2に記載の発酵物から化合物Iaを精製した。
6.5リットルに達するヘキサン抽出物を完全に蒸発させた。前記の塩化メチレンへの溶解およびカラムクロマトグラフィー工程の実施は、大量の他のインドールジテルペンおよび他の不純物の化合物Iの部分精製をもたらした。更なる精製を、再び前記のとおりのゲル濾過およびZorbax RxC8上での最終HPLC工程により行って、化合物IaおよびIbの両方を得た。
該精製化合物をNMRおよび質量分析により同定した。
Figure 2005533055
H NMRスペクトルは、Varian Unity 500 NMR分光計上、CDCl中、25℃、500MHzで記録した。ケミカルシフトは、内部標準として溶媒ピークを用いるゼロppmのTMSに対するppm単位で示されている。特徴的なピークのみが示されている。
略語:s=一重線、d=二重線、q=四重線、br=幅広、m=多重線、t=三重線。
13C NMRスペクトルは、Varian Unity 500 NMR分光計上、CDCl中、25℃、125MHzで記録した。
実施例3A〜F
実施例3A
実施例E−050261−007M+E−050261−008P(株ATCC PTA−4212による1bの製造)
種:培養ATCC PTA−4212を凍結調製物として4℃で維持した。1本の凍結チューブの内容物を50mlの種培地NASに懸濁させた(種培地の組成については表1を参照されたい)。十分な量のバイオマスが得られるまで、該培養を旋回振とう機(220rpm)上、25℃、相対湿度85%で3日間成長させた。NASの新たなフラスコに該3日培養物のアリコート(2ml)を接種することにより、第2の生産種を調製した。該第2生産種を、旋回振とう機(220rpm)上、25℃で1日間インキュベートした。
生産:固形基質発酵培地F1+およびRM+の組成を表Xに示す。各培養種のアリコート(2.0ml)を、培地F+またはRM+を含有する250ml エーレンマイヤーフラスコ内に配置した。接種されたフラスコを25℃で22日間インキュベートした。回収時に、完了した発酵物をフラスコ当たり75mlのヘキサンで抽出した。
実施例3B
実施例E−050263−001S(株ATCC PTA−4211によるIbの製造)
種:培養ATCC PTA−4211を凍結調製物として4℃で維持した。1本の凍結チューブの内容物を50mlの種培地NASに懸濁させた(種培地の組成については表Xを参照されたい)。十分な量のバイオマスが得られるまで、該培養を旋回振とう機(220rpm)上、25℃、相対湿度85%で3日間成長させた。NASの新たなフラスコに該3日培養物のアリコート(2ml)を接種することにより、第2の生産種を調製した。該第2生産種を、旋回振とう機(220rpm)上、25℃で1日間インキュベートした。
生産:固形基質発酵培地3Q18の組成を表Xに示す。各培養種のアリコート(2.0ml)を、培地3Q18を含有する250ml エーレンマイヤーフラスコ内に配置した。接種されたフラスコを25℃で22日間インキュベートした。回収時に、完了した発酵物をフラスコ当たり125mlのヘキサンで抽出した。
実施例3C
実施例E−050263−001S(株ATCC PTA−4211によるIbの製造)
種:培養ATCC PTA−4211を凍結バイアル調製物として−80℃で維持した。1本のバイアルの内容物を50mlの種培地NASMODに懸濁させた(種培地の組成については表Xを参照されたい)。十分な量のバイオマスが得られるまで、該培養を旋回振とう機(220rpm)上、25℃、相対湿度85%で5日間成長させた。NASMODの新たなフラスコに該5日培養物のアリコート(2ml)を接種することにより、第2の生産種を調製した。該第2生産種を、旋回振とう機(220rpm)上、25℃で2日間インキュベートした。
生産:固形基質発酵培地3Q18の組成を表Xに示す。各培養種のアリコート(2.0ml)を、培地3Q18を含有する250ml エーレンマイヤーフラスコ内に配置した。接種されたフラスコを25℃で14日間インキュベートした。回収時に、完了した発酵物をフラスコ当たり125mlのヘキサンで抽出した。
実施例3D
実施例E−050263−001S(株ATCC PTA−4211によるIbの製造)
種:培養ATCC PTA−4211を凍結バイアル調製物として4℃で維持した。1本の凍結チューブの内容物を50mlの種培地NASに懸濁させた(種培地の組成については表Xを参照されたい)。十分な量のバイオマスが得られるまで、該培養を旋回振とう機(220rpm)上、25℃、相対湿度85%で3日間成長させた。NASの新たなフラスコに該3日培養物のアリコート(2ml)を接種することにより、第2の生産種を調製した。該第2生産種を、旋回振とう機(220rpm)上、25℃で1日間インキュベートした。
生産:固形基質発酵培地F1+の組成を表Xに示す。各培養種のアリコート(2.0ml)を、培地F1+を含有する250ml エーレンマイヤーフラスコ内に配置した。接種されたフラスコを25℃で22日間インキュベートした。回収時に、完了した発酵物をフラスコ当たり75mlのヘキサンで抽出した。
実施例3E
実施例(化合物Ia)E−050263−014C−(株ATCC PTA−4211によるIbの製造)
種:培養ATCC PTA−4211を凍結バイアル調製物として−80℃で維持した。1本のバイアルの内容物を培地3Q18の1本のフラスコ内に懸濁させた(種培地の組成については表Xを参照されたい)。十分な量のバイオマスが得られるまで、該フラスコを旋回振とう機(220rpm)上、25℃、相対湿度85%で3日間成長させた。該フラスコに40mlの新鮮なNAS培地を加え、攪拌して胞子を該液体全体に分散させることにより、胞子を回収した。
生産:固形基質発酵培地3Q18の組成を表Xに示す。回収胞子のアリコート(1.0ml)を、培地3Q18を含有する250ml エーレンマイヤーフラスコ内に配置した。接種されたフラスコを30℃で9日間インキュベートした。回収時に、完了した発酵物をフラスコ当たり125mlのヘキサンで抽出した。
実施例3F
種:培養ATCC PTA−4211を凍結バイアル調製物として−80℃で維持した。1本のバイアルの内容物を50mlの種培地KFAに懸濁させた(種培地の組成については表Xを参照されたい)。十分な量のバイオマスが得られるまで、該培養を、攪拌することなく、25℃、相対湿度85%で19日間成長させた。この培養物を100mlの無菌蒸留水で希釈し、激しく攪拌した後、生産フラスコへの接種に使用した。
生産:固形基質発酵培地RiceManの組成を表Xに示す。各培養希釈KFA種のアリコート(2.0ml)を、培地RiceManを含有する250ml エーレンマイヤーフラスコ内に配置した。接種されたフラスコを30℃で23日間インキュベートした。回収時に、完了した発酵物をフラスコ当たり125mlのヘキサンで抽出した。
培地組成
KF/NAS−乾燥コーンスティープ 2.5グラム、トマトペースト 40.0グラム、エンバク粉 10.0グラム、グルコース 10.0グラム、微量元素混合物#2 10.0ml、脱イオン水 1000ml。6N NaOHでpHを6.8に調節。
微量元素混合物#2は1000mlの0.6N HCl中に以下のものを含有する:FeSO・7HO 1.0グラム、MnSO・HO 1.0グラム、CuCl・2HO 0.025グラム、CaCl 0.1グラム、HBO 0.056グラム、(NHMo24・4HO 0.019グラム、ZnSO・7HO 0.2グラム。
KFA−KF培地+寒天 4.0グラム/リットル。
NASMOD−グルコース 10.0グラム、エンバク粉 10.0グラム、乾燥トマトペースト 18.0グラム、コーンスティープ粉末 2.5グラム、微量元素混合物#2 10.0ml 脱イオン水 1000ml(NaOHでpH6.8)。微量元素混合物#2は1000mlの0.6N HCl中に以下のものを含有する:FeSO・7HO 1.0グラム、MnSO・HO 1.0グラム、CuCl・2HO 0.025グラム、CaCl 0.1グラム、HBO 0.056グラム、(NHMo24・4HO 0.019グラム、ZnSO・7HO 0.2グラム。
F1+−ひき割りトウモロコシ 10.0グラム/250ml エーレンマイヤーフラスコ、基礎液体C 10.0ml/250ml エーレンマイヤーフラスコ、脱イオン水 10.0ml/250ml エーレンマイヤーフラスコ。基礎液体Cは以下のものを含有する:酵母エキス 0.2グラム、KHPO 0.1グラム、MgSO・7HO 0.1グラム、酒石酸Na 0.1グラム、FeSO・7HO 0.01グラム、ZnSO・7HO 0.01グラム、脱イオン水 1000ml。
RM+− 玄米 10.0グラム/250ml エーレンマイヤーフラスコ、基礎液体B 20ml/250ml エーレンマイヤーフラスコ。基礎液体Bは以下のものを含有する:酵母エキス 1.0グラム、酒石酸Na 0.5グラム、KHPO 0.5グラム、MgSO・7HO 0.5グラム、微量元素混合物1B 10ml。微量元素混合物1Bは1000mlの0.6N HCl中に以下のものを含有する:ZnSO・7HO 0.5グラム、CuSO・5HO 0.05グラム、FeSO・7HO 0.5グラム、MnSO・HO 0.1グラム、CoCl・6HO 0.04グラム。
3Q18−玄米 24.5グラム/250ml エーレンマイヤーフラスコ、基礎液体A 50ml/250ml エーレンマイヤーフラスコ。基礎液体Aは以下のものを含有する:マンニトール 125グラム、グルコース 12.5グラム、L−トリプトファン 10.0グラム、酵母エキス 5.0グラム、KHPO 5.0グラム、脱イオン水 1000ml。
RiceMan−玄米 22.0グラム、基礎液体18L 35ml/250ml エーレンマイヤーフラスコ。基礎液体18Lは以下のものを含有する:マンニトール 125グラム、グルコース 12.5グラム、L−トリプトファン 4.0グラム、酵母エキス 5.0グラム、KHPO 5.0グラム、脱イオン水 1000ml。
高コンダクタンスカルシウム活性化カリウムチャンネルに対する化合物の効果の電気生理学的アッセイ
方法:
高コンダクタンスカルシウム活性化カリウム(マキシK)チャンネルを流れる電流のパッチクランプ記録を、マキシKチャンネルのαサブユニットを構成的に発現するCHO細胞またはαおよびβ1サブユニットの両方を構成的に発現するHEK293細胞から切り出された膜パッチから、通常の技術(Hamillら,1981,Pfluges Archiv.391,85−100)により室温で行った。ガラス毛細管(Garner #7052)を2段階で引いて、約1〜2ミクロンの先端径を有するミクロピペットを得た。ピペットには、典型的には、150 KCl、10 ヘペス(4−(2−ヒドロキシエチル)−L−ピペラジンメタンスルホン酸)、1 Mg、0.01 Caを含有する溶液を充填し、それを3.7mM KOHでpH 7.20に調節した。該細胞膜と該ピペットとの間に高い抵抗(>10オーム)のシールを形成させた後、該ピペットを該細胞から引いて、インサイドアウト(inside−out)膜パッチを形成させる。該パッチを、150 KCl、10 ヘペス、5 EGTA(エチレングリコールビス(β−アミノエチルエーテル)−N、N、N’、N’−四酢酸)、1〜5μMの遊離Ca濃度を与えるのに十分なCaを含有するバス溶液中に切り入れ、pHをKOHで7.2に調節した。例えば、4.193mM Caを加えて22℃で1μMの遊離濃度を得た。EPC9増幅器(HEKA Elektronic,Lambrect,Germany)を使用して電圧を制御し、該膜パッチを流れる電流を測定した。ヘッドステージ(headstage)への入力をAg/AgCl線でピペット溶液に接続し、増幅器のアースを、0.2M KClに溶解された寒天で満たされた管で覆われたAg/AgCl線でバス溶液に接続した。マキシK電流であることは、膜電位および細胞内カルシウム濃度に対するチャンネル開口確率の感受性により確認した。
データ収集は、PULSEソフトウェア(HEKA Elektronic)により制御し、PULSEFIT(HEKA Elektronic)およびIgor(Wavemetrics,Oswego,OR)ソフトウェアを使用する後の解析のためにMacIntoshコンピューター(Apple Computers)のハードドライブ上で保存した。
結果:
マキシKチャンネルに対する本発明の化合物の効果を、切り出したインサイドアウト膜パッチにおいて調べた。膜電位を−80mVに維持し、正の膜電位(典型的には+50mV)への短い電圧段階を15秒ごとに1回適用してマキシKチャンネルを一時的に開口させた。特定された化合物を該膜パッチの内側に適用することにより生じたピーク電流の減少から、各実験において遮断されたチャンネルの割合を計算した。各実験における陽性対照として、カルシウムを加えることなく標準バス溶液に1mM EGTAを加えることにより得た低濃度のカルシウム(<10nM)に該パッチを一時的にさらした後、マキシK電流がパルス電位において排除された。1nM濃度の化合物IaはマキシKチャンネル電流における88%の減少を引き起こした。該バスから化合物を除去した後、ピーク電流増幅の回復は15分以内にほとんど又は全く観察されなかった。
化合物の活性は以下のアッセイにより定量することが可能である。
マキシKチャンネルのインヒビターの同定は、HEK−293細胞における該チャンネルのαおよびβサブユニットのトランスフェクションの後、ならびにHEK−293細胞の内因性カリウムコンダクタンスを選択的に排除するカリウムチャンネルブロッカーと共にインキュベートした後、発現マキシKチャンネルが細胞静止電位をもたらす能力に基づく。マキシKチャンネルインヒビターの非存在下では、該トランスフェクト化HEK−293細胞は、マキシKチャンネルの活性による、Ek(−80mV)に近い、内側が負の過分極膜電位を示す。マキシKチャンネルブロッカーの存在下のインキュベーションによるマキシKチャンネルの遮断は細胞脱分極を引き起こす。膜電位の変化は、ドナーであるクマリン(CCDMPE)とアクセプターであるオキサノール(DiSBAC(3))2つの成分を使用する電圧感受性蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)色素ペアを使用して測定することができる。
オキサノールは親油性アニオンであり、膜電位に従い膜を横切って分布する。正常な条件下、細胞の内側が外側に対して負である場合には、膜の外側小葉状部分(outer leaflet)にオキサノールが蓄積し、クマリンの励起がFRETを生じさせる。膜脱分極を引き起こす条件は細胞の内側へのオキサノールを再分布を引き起こし、その結果、FRETの減少を引き起こす。したがって、変化率(ドナー/アクセプター)は膜の脱分極後に増加し、これが、試験化合物がマキシKチャンネルを活性に遮断するかどうかを決める。
HEK−293細胞は受託番号ATCC CRL−1573としてAmerican Type Culture Collection, 12301 Parklawn Drive, Rockville, Maryland, 20852から入手した。該細胞系の公的な入手に関するいずれの制限も、特許発行後に、取り消し無く(irrevocably)除去される。
HEK−293細胞におけるマキシKチャンネルのαおよびβ1サブユニットのトランスフェクションは以下のとおりに行った。HEK−293細胞を100mm組織培養処理ディッシュ内で3×10細胞/ディッシュの密度でプレーティングし、合計5個のディッシュを調製した。10% ウシ胎児血清、1×L−グルタミンおよび1×ペニシリン/ストレプトマイシンで補足されたダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)よりなる培地内で37℃、10% COで細胞を増殖させた。マキシK hα(pCIneo)およびマキシK hβ1(pIRESpuro)DNAでのトランスフェクションのために、10mlの無血清/無フェノールレッドDMEMに150μlのFuGENE6(商標)を滴下し、室温で5分間インキュベートした。ついで該FuGENE6(商標)溶液を、25μgの各プラスミドDNAを含有するDNA溶液に滴下し、室温で30分間インキュベートした。該インキュベーション時間の後、2mlの該FuGENE6(商標)/DNA溶液を細胞の各プレートに滴下し、該細胞を前記と同じ条件下で2日間増殖させた。第2日の終わりに、600μg/ml G418および0.75μg/ml ピューロマイシンの両方で補足されたDMEMよりなる選択培地下に細胞を配置した。別々のコロニーが形成されるまで、細胞を増殖させた。5個のコロニーを集め、6ウェル組織培養処理ディッシュに移した。合計75個のコロニーを集めた。コンフルエントな単層が得られるまで、細胞を増殖させた。ついで、該チャンネルへの125I−イベリオトキシン(iberiotoxin)−D19Y/Y36Fの結合をモニターするアッセイを用いて、マキシKチャンネルαおよびβ1サブユニットの存在に関して細胞を試験した。ついで、VIPR装置と共に蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)Aurora Biosciences技術を使用して、トランスフェクト化HEK−293細胞の膜電位をマキシKチャンネルが制御する能力をモニターする機能アッセイにおいて、125I−イベリオトキシン−D19Y/Y36F結合活性を発現する細胞を評価した。最大S/N比を与えるコロニーを限界希釈に付した。このためには、細胞を約5細胞/mlで再懸濁させ、200μlを96ウェル組織培養処理プレート内の個々のウェルにプレーティングして約1細胞/ウェルを加えた。合計2個の96ウェルプレートを調製した。コンフルエントな単層が形成したら、該細胞を6ウェル組織培養処理プレートに移した。合計62ウェルを移した。コンフルエントな単層が得られたら、該FRET機能アッセイを用いて細胞を試験した。最良のS/N比を与えるトランスフェクト化細胞を同定し、後続の機能アッセイにおいて使用した。
機能アッセイ:
ついで該トランスフェクト化細胞(2E+06細胞/ml)を96ウェルのポリ−D−リシンプレート上に約100,000細胞/ウェルの密度でプレーティングし、約16〜約24時間インキュベートする。該培地を該細胞から吸引し、該細胞を100μlのダルベッコリン酸緩衝食塩水(D−PBS)で1回洗浄する。ウェルごとに、D−PBS中の100μlの約9μM クマリン(CCDMPE)−0.02% プルロニック−127を加え、該ウェルを暗室で約30分間インキュベートする。該細胞を100μlのダルベッコリン酸緩衝食塩水で2回洗浄し、140(mM) NaCl、0.1 KCl、2 CaCl、1 MgCl、20 ヘペスーNaOH(pH7.4)、10 グルコース中の100μlの約4.5μMのオキサノール(DiSBAC(3))を加える。HEK−293細胞の内因性カリウムコンダクタンスの3μM インヒビターを加える。マキシKチャンネルブロッカー(約0.01μM〜約10μM)を加え、該細胞を暗室中、室温で約30分間インキュベートする。
該プレートを電圧/イオンプローブリーダー(VIPR)装置内にローディングし、CCDMPEおよびDiSBAC(3)の両方の蛍光発光を10秒間記録する。この時点で、100μlの高カリウム溶液[140(mM) KCl、2 CaCl、1 MgCl、20 ヘペスーNaOH(pH7.4)、10 グルコース]を加え、両方の色素の蛍光発光を更に10秒間記録する。高カリウム溶液の添加前のCCDMPE/DiSBAC(3)の比は1である。マキシKチャンネルインヒビターの非存在下では、高カリウム溶液の添加後の比率は1.65〜2.0の様々な値となる。マキシKチャンネルが既知標準または試験化合物により完全に抑制された場合には、この比率は1のままである。したがって、該蛍光比における濃度依存的変化をモニターすることにより、マキシKチャンネルインヒビターの活性を力価測定することが可能である。化合物IaおよびIbによるマキシKチャンネルの遮断活性は100nMまたはそれ未満である。
ウサギにおける眼圧(IOP)測定
いずれかの性別の正常圧Dutch Beltedウサギ(2.3kg)を、これらの実験中、12時間の明/暗周期で維持した。眼圧(IOP)は、較正空気眼圧計(Alcon Applanation Pneumatonograph)を使用して測定し、結果は、ミリメートル水銀(mmHg)単位で表した。動物の不快感を最小限にするために、眼圧測定の前に1滴の0.05% プロパラカインを角膜に投与した。2つのベースライン(対照)値を−0.5および0時間の時点で得、ついで化合物I、IaまたはIIを25μlの容量で局所投与(片眼の結膜嚢に投与)し、反対側の眼(他眼)には等容量のビヒクルを投与した。薬物の投与およびIOPの測定に関わった者には溶液の内容を知らせない盲検法を用いた。ついでIOPの測定を薬物の局所投与の0.5、1、2、3、4、5および6時間後に行った。各日の測定の終了時に、較正器/検孔器(verifier)を使用して眼圧計の安定性を測定した。
結果
正常なDutch Beltedウサギへの化合物IaまたはIb(0.5、0.1および0.01%)の片眼局所投与はそれぞれ3.7、3.3および3mmHgのIOPの減少を誘発した。該眼圧低下応答はすべての用量において有意であり、0.5および0.1%の用量では少なくとも6時間継続した。また、試験したすべての用量において、有意な対側性効果も観察された。

Claims (21)

  1. 構造式I:
    Figure 2005533055
    [式中、
    およびR1aは、独立して、
    (a)H、
    (b)C1−6アルキル、
    Figure 2005533055
    または
    Figure 2005533055
    である;
    は、bの位置に二重結合が存在しない場合には、
    (a)CO1−6アルキル、
    (b)H、
    (c)OHまたは
    (d)C1−6アルキルである;
    は、
    (a)H、
    (b)(C=O)OC1−6アルキルまたは
    (c)所望によりOH、N(RもしくはCOで置換されていてもよいC1−6アルキルである;
    は、
    (a)H(ただし、この場合、RはH以外である)、
    (b)所望によりOH、N(RもしくはCOで置換されていてもよいC1−6アルキル;
    Figure 2005533055
    または
    Figure 2005533055
    である;
    は、
    (a)H、
    (c)OHまたは
    (d)OC1−6アルキルである;
    は、
    (a)Hまたは
    (b)C1−6アルキルである;
    はH、または所望によりOH、N(RもしくはCOで置換されていてもよいC1−6アルキルである;
    はH、C1−6アルキル、CH−フェニル、CH−ヒドロキシフェニル、CH−インドリル、CH−イミダゾリル、CHOR、CH(OR)CH、(CHC(O)NR、(CHCONR、(CHSR、(CH(N+Rである;
    nは0〜4である;
    - - - は、所望により及び独立してaまたはbに存在しうる二重結合である]
    の化合物またはその医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物。
  2. 、R1aおよびRが水素である、請求項1記載の化合物。

  3. Figure 2005533055
    である、請求項1記載の化合物。
  4. およびRが水素であり、R
    Figure 2005533055
    である、請求項1記載の化合物。
  5. Figure 2005533055
    である化合物またはその医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物。
  6. 式IまたはII:
    Figure 2005533055
    [式中、
    およびR1aは、独立して、
    (a)H、
    (b)C1−6アルキル、
    Figure 2005533055
    または
    Figure 2005533055
    である;
    は、bの位置に二重結合が存在しない場合には、
    (a)CO1−6アルキル、
    (b)H、
    (c)OHまたは
    (d)C1−6アルキルである;
    は、
    (a)H、
    (b)(C=O)OC1−6アルキルまたは
    (c)所望によりOH、N(RもしくはCOで置換されていてもよいC1−6アルキルである;
    は、
    (a)H、
    (b)所望によりOH、N(RもしくはCOで置換されていてもよいC1−6アルキル;
    Figure 2005533055
    または
    Figure 2005533055
    である;
    は、
    (a)H、
    (c)OHまたは
    (d)OC1−6アルキルである;
    は、
    (a)Hまたは
    (b)C1−6アルキルである;
    はH、または所望によりOH、N(RもしくはCOで置換されていてもよいC1−6アルキルである;
    はH、C1−6アルキル、CH−フェニル、CH−ヒドロキシフェニル、CH−インドリル、CH−イミダゾリル、CHOR、CH(OR)CH、(CHC(O)NR、(CHCONR、(CHSR、(CH(N+Rである;
    nは0〜4である;
    - - - は、所望により及び独立してaまたはbに存在しうる二重結合である]
    の化合物またはその医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物の治療的有効量を、高眼圧または緑内障の治療を要する患者に投与することを含んでなる、高眼圧または緑内障の治療方法。
  7. 式Iの化合物を溶液または懸濁液の形態の局所用製剤として投与する、請求項6記載の方法。
  8. βアドレナリン性遮断剤、アドレナリン性アゴニスト、副交感神経作動剤、炭酸脱水酵素阻害剤、EP4アゴニストおよびプロスタグランジンまたはプロスタグランジン誘導体から選ばれる眼圧降下剤である第2の有効成分を同時または連続的に投与することを含む、請求項7記載の方法。
  9. βアドレナリン性遮断剤がチモロール、レボブノロール、カルテオロール、オプチプラノロール、メタプラノロールまたはベタキソロールである;副交感神経作動剤がピロカルピン、カルバコールまたはヨウ化ホスホリンである;アドレナリン性アゴニストがアイオピディン、ブリモニジン、エピネフリンまたはジピベフリンである;炭酸脱水酵素阻害剤がドルゾラミド、アセタゾラミド、メタゾラミドまたはブリンゾラミドである;プロスタグランジンがラタノプロストまたはレスキュラである;およびプロスタグランジン誘導体がPGF2αプロスタグランジン由来の低圧性脂質である、請求項8記載の方法。
  10. 局所用製剤がキサンタンガムまたはジェランガムを含有する、請求項7記載の方法。
  11. 式Iの化合物が
    Figure 2005533055
    またはそれらの医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物である、請求項6記載の方法。
  12. 請求項6記載の化合物の医薬上有効な量を、黄斑浮腫、黄斑変性を治療すること又は神経保護作用を付与することを要する患者に投与することを含んでなる、黄斑浮腫、黄斑変性を治療するための又は神経保護作用を付与するための方法。
  13. 式Iの化合物を溶液または懸濁液の形態の局所用製剤として投与する、請求項12記載の方法。
  14. βアドレナリン性遮断剤、アドレナリン性アゴニスト、副交感神経作動剤、炭酸脱水酵素阻害剤、EP4アゴニストおよびプロスタグランジンまたはプロスタグランジン誘導体から選ばれる眼圧降下剤である第2の有効成分を同時または連続的に投与することを含む、請求項13記載の方法。
  15. βアドレナリン性遮断剤がチモロール、レボブノロール、カルテオロール、オプチプラノロール、メタプラノロールまたはベタキソロールである;副交感神経作動剤がピロカルピン、カルバコールまたはヨウ化ホスホリンである;アドレナリン性アゴニストがアイオピディン、ブリモニジン、エピネフリンまたはジピベフリンである;炭酸脱水酵素阻害剤がドルゾラミド、アセタゾラミド、メタゾラミドまたはブリンゾラミドである;プロスタグランジンがラタノプロストまたはレスキュラである;およびプロスタグランジン誘導体がPGF2αプロスタグランジン由来の低圧性脂質である、請求項14記載の方法。
  16. 局所用製剤がキサンタンガムまたはジェランガムを含有する、請求項12記載の方法。
  17. 式Iの化合物が
    Figure 2005533055
    またはそれらの医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物である、請求項13記載の方法。
  18. 請求項1記載の式Iの化合物と医薬上許容される担体とを含んでなる組成物。
  19. 微生物株アスペルギルス・アリアセウス(Aspergillus alliaceus(ATCC No.16891またはPTA−4210)、アスペルギルス・ノミウス(Aspergillus nomius)(ATCC No.15546またはPTA−4211)またはアスペルギルス・ノミウス(Aspergillus nomius)(ATCC No.PTA−4212)を使用する、式Ia:
    Figure 2005533055
    の化合物またはその医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物の製造方法。
  20. 微生物株アスペルギルス・ノミウス(Aspergillus nomius)ATCC No.15546(PTA−4211)を使用する、式IaまたはIb:
    Figure 2005533055
    の化合物またはそれらの医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物の製造方法。
  21. 微生物株アスペルギルス・ノミウス(Aspergillus nomius)ATCC No.PTA−4212を使用する、式Ib:
    Figure 2005533055
    の化合物またはその医薬上許容される塩、エナンチオマー、ジアステレオマー、互変異性体もしくは混合物の製造方法。
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