JP2005532792A - 治療薬剤の抗炎症作用および抗酸化作用をモニターするための全身マーカー - Google Patents
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Abstract
Description
本出願に記載される研究は、少なくとも一部は、米国国立衛生研究所からの研究助成金番号HL70621, HL62526, HL61878による援助を受けた。米国政府は、本発明において特定の権利を有する。
また、本明細書で引用されるすべての参考文献は、参考によって本明細書中において具体的に援用される。
本発明の一つの態様に従ってモニターされ得る治療薬剤は、ミエロペルオキシダーゼおよび酸化窒素誘導性オキシダントの形成に使用される多数の異なる酸化経路の抑制を介して、in vivoで抗炎症作用および/または抗酸化作用を呈する任意の薬力学的薬剤を含み得る。これらの抗炎症作用および/または抗酸化作用は全身性であり得、そして、ミエロペルオキシダーゼおよび/またはミエロペルオキシダーゼ生成酸化産物の全身レベルをモニターすることによってモニターされ得る。
本診断方法における生体サンプルとしては、例えば、全血、血漿、血清、尿または生体組織もしくは細胞が挙げられる。この全血は、個体または被験体から、標準的な臨床手順によって獲得され得る。血漿は、全血サンプルから、抗凝固処理した血液を遠心することによって獲得され得る。このような過程は、白血球成分からなる血餅コートおよび血漿からなる上清を提供する。
MPO(ドナー:過酸化水素、オキシド還元酵素、EC1.11.1.7)は、四量体で、グリコシル化を大量に含む、約150kDaの塩基性(PI. 10)ヘム蛋白である。これは、2個の同一のジスルフィド結合プロトマーから成り、これらの各々は、プロトプルフィン含有の59-64kDaの重サブユニットおよび14kDaの軽サブユニットを有する(Nauseef, W.M., et al., Blood 67:1504-1507, 1986)。
ミエロペルオキダーゼ活性は、当該分野で知られる任意の種々の種標準法を用いて定量され得る。このような一つの方法は比色定量法であり、この方法では、ペルオキシダーゼに対して基質となる発色団が、特徴的な波長を有する産物を生成し、この波長を、UV-可視光または蛍光検出を含む任意の種々の種分光光度法を用いて追跡する。比色定量法に関するさらに精しい詳細は、Kettle, A.J. and Winterboum, C.C. (1994) Methods in Enzymology, 233:502-512およびKlebanoff, S.J., Waltersdorph, A.N. and Rosen, H. (1984) Methods in Enzymology, 105:399-403に見出され得、これらの両文献は、本明細書中において参考として援用される。ガーバー、クラウディア・エフ等(Gerber, Claudia, E. et al.)によって、1996年、Eur. J. Clin. Chem. Clin. Biochem. 34:901-908に発表された、「ミエロペルオキシダーゼ欠損症患者における顆粒球の食細胞活性と酸化バースト(Phagocytic Activity and Oxidative Burst of Granulocytes in Persons with Myeroperoxidase Deficiency”)」という題名の論文は、多形核白血球(すなわち、好中球)について、その単離法および、クロモゲン4-クロロ-1-ナフトールの酸化に基づく比色定量によるミエロペルオキシダーゼ活性の測定について記載する。
所定のの生体サンプルにおけるミエロペルオキシダーゼの量は、免疫法(例えばELISA)によって容易に定量される。ELISAによるMPO定量用の市販のキットは入手可能である。生体サンプルにおけるMPO量はまた、その生体サンプルのインサイチュのペルオキシダーゼ染色によって間接的に定量され得る。白血球ペルオキシダーゼ染色を分析する方法は、インサイチュのペルオキシダーゼ染色によって機能する血液分析器によるものと同様に、全血に対して実施され得る。他の研究者による以前の研究から、染色の全体の強度はペルオキシダーゼ量に比例することが証明されている(例えば、クラウディア・イー・ガーバー、セリム・クチ、マシアス・ジーフェル、ディトリック・ニートハマーおよびジェモット・ブルックフェルト(Claudia E. Gerber, Selim Kuci, Matthias Zipfel, Ditrich Niethammer and Gemot Bruchfelt,)、「ミエロペルオキシダーゼ欠損症患者における顆粒球の食細胞活性と酸化バースト(Phagocytic Activity and Oxidative Burst of Granulocytes in Persons with Myeroperoxidase Deficiency”)」Eur. J. Clin. Chem. Clin. Biochem (1996) 34:901-908)。
生体サンプル(例えば、体液)におけるMPO活性またはMPO量レベルは、その生体液におけるMPO活性またはMPO量を測定し、その値を正規化することによって定量され得、それによって血液1mlあたりの、血清1mlあたりの、血漿1mlあたりの、白血球1個(例えば、好中球または単球)あたりの、重量あたりの(例えば、全血中蛋白1mgあたりの)、白血球蛋白重量あたりの(好中球蛋白または単球蛋白重量あたりの)、MPO活性またはMPO量が得られる。あるいは、体液中のMPO活性またはMPO量のレベルは、試験被験体の血液または血液誘導体におけるMPO活性に基づく代表値であり得る。例えば、MPO活性のレベルは、高いレベルのMPO活性またはMPO量を含む、被験体の好中球または単球のパーセントであってもよいし、または、実際の数であってもよい。他の代表値の例としては、サイトグラムに基づくフローサイトメトリーから得られ得るパラメータの任意の単位(例えば、X軸およびY軸における好中球クラスターの位置、X軸およびY軸に対する好中球クラスターの主軸の角度)が挙げられるが、これらに限定されない。
==HETEおよびHODEならびに酸化コレステロールエステル生成におけるMPOの役割==
最近、LDLの酸化および脂質過酸化の起動におけるMPOの役割について、数人の研究者が疑問視している。ノグチと同僚達は、野生型マウスおよびMPOノックアウトマウスから単離した白血球の、エキソビボのモデル系におけるLDLの酸化促進能力を調べ、モニターした脂質過酸化のパラメータにおいてわずかな差しかないことを観察した(Noguchi N. et al. J. Biochem. (Tokyo) (2000)127:971-976)。また最近、MPO触媒によるLDLの酸化は、特に蛋白の酸化産物を問題にする場合は、NO2 −の存在によって促進されず、むしろ抑制されることが示唆されている(Carr A.C., et al., J. Biol. Chem. (2001)276:1822-1828)。さらに、MPO-生成チロシン酸化産物およびLDL酸化においては、酸化促進機能ではなくむしろプロ酸化機能が提唱された(Santanam N., et al., J. Clin. Invest. (1995)95:2594-2600; Exner M., et al., FEBS Lett. (2001)490:28-31)。さらに、ある研究者達は、MPOによって生成されるHOClは、リポ蛋白の脂質の酸化および過酸化水素の形成を促進し得ることを示唆しているが(Panasenko, O.M., Biofactors (1997)6:181-190)、別の研究はこの見解を支持していない(Schmitt D., et al., Biochem. (1999)38:16904-16915; Hanzen S.L., et al., Circ. Res. (1999)85:950-958)。最後に、最近の研究は、MPOおよび高反応性オキシダント分子種の生成に関して、マウス白血球とヒト白血球との間の種間差に注目している(Xie Q.W., et al., Biological oxidants: generation and injurious consequences. San Diego, Calif., USA, Academic Press, 1992; Rausch P.G., et al., Blood (1975)46:913-919; Nauseef, W.M., J. Clin. Invest. (2001)107:401-403; Brennan, M.L., et al., J. Clin. Invest. (2001)107:419-430)。
MPO(ドナー:過酸化水素、オキシド還元酵素、EC1.11.1.7)を単離し、下記のようにその特徴を明らかにした。(Heinecke J.W., et al., J. Biol. Chem. (1993)268:4069-4077; Wu, W., et al., Biochemistry (1999)38:3538-3548)。単離されたMPOの純度は、R/Z≧0.85 (A430/A280)、クーマシーブルー染色によるSDS PAGE分析、および、好酸球ペルオキシダーゼ汚染のないことを確かめるために実施したインゲル・テトラメチルベンジジンペルオキシダーゼ染色により確定した。(Wu W., et al., Biochemistry (1999)38:3538-3548)。精製MPOを-20℃で50%グリセロール内に保存した。酵素濃度は分光光度計により定量した(ε430=170,000M-1cm-1)。(Odajima T., et al., Biochem. Biophys. Acta (1970):71-77)。LDLは、新鮮な血漿から、連続超遠心により、1.019<D<1.063 g/ml分画として単離し、アルゴン雰囲気下、密封容器において透析を実施した。(Hatch, F.T., Adv. Lipid Res. (1968)6:1-68)。最終調製物を、50 mMリン酸ナトリウム(pH 7.0)、100 μM DTPAに溶解し、N2下で使用時まで保存した。LDL濃度は、LDL蛋白のmg当りで表される。
ヒト好中球は、正常被験体およびMPO欠損被験体から得た全血から前述のように単離した。(Hazen, S.L., et al., J. Biol. Chem. (1996)271:1861-1867)。好中球調製物は、HBSS(Mg2+-、Ca2+-、フェノール無添加および重炭酸塩無添加、pH 7.0)に懸濁し、直ちに実験に供した。
単離したヒト好中球(106/ml)は、100 μM DTPA添加HPSSに懸濁させて、空気中で、50%(v/v)正常ヒト血漿または単離したヒトLDL(0.2 mg/ml)と共に、37℃でインキュベートした。好中球は、200 nMフォルボール・ミリステート・アセテート(PMA)を加えて活性化し、5分ごとに穏やかに攪拌して懸濁状態に維持した。2時間後、氷/水浴に漬けて反応を停止させ、4℃で遠心し、直ちに、50 μMのブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)および300 nMカタラーゼを上清に加えた。次いで、この上清における脂質過酸化産物を、下記のように速やかにアッセイした。
脂質は、全ての工程においてアルゴンまたは窒素中で抽出し、質量分析用に調製した。まず、反応混合物中のヒドロ過酸化物を、SnCl2(最終濃度1 mM)を加えることによって対応する水酸化物に還元する。既知量の重水化内部標準、12(S)-ヒドロキシ-5,8,10,14-エイコサテトラエン-5,6,8,9,11,14,15-d8酸(12-HETE-d8、Cayman Chemical Company, Ann Arbor、ミシガン州)をサンプルに加え、次いで、血漿脂質を、1 M酢酸/2-イソプロパノール/ヘキサン(2/20/30, v/v/v)からなる混合物を、5 mlの有機溶媒混合液:1 ml血漿の割合で添加することによって抽出した。混合物をボルテックスした後、脂質をヘキサン層に抽出した。等容量のヘキサンを添加することによって血漿を再抽出し、その後ボルテックスし遠心した。コレステリルエステルヒドロ過酸化物(CE-H(P)ODE)を、ヘキサン混合抽出物をN2下で乾燥させ、サンプルを200 μlの2-イソプロパノール/アセトニトリル/水(44/54/2, v/v/v)にて再構築し、分析時までアルゴン下-80℃で保存することによって、安定なSnCl2-還元水酸化物形として分析した。遊離脂肪酸およびその酸化産物のアッセイのために、全脂質(リン脂質、コレステロールエステル、トリグリセリド)をN2下に乾燥し、1.5 mlの2-イソプロパノールに再懸濁し、次いで、脂肪酸を、アルゴン下60℃で30分、1.5 ml 1M NaOHによる塩基加水分解を実施することによって放出させた。この水酸化サンプルを、2M HClによってpH 3.0まで酸性とし、脂肪酸を、5 mlヘキサンによって2度抽出した。このヘキサン混合層を、N2下で乾燥させ、100 μlメタノールに再懸濁し、アルゴン下に-80℃で、下記のように(LC/ESI/MS/MS)による分析時まで保存した。
血漿中の低分子量化合物が、MPOの基質となることによって過酸化水素による脂質過酸化にどのような役割を果たしているかを調べるために、正常で健康なドナーから得た全血漿を、遠心による10 kDa分子量カットオフフィルター(Centriprep YM-10, Millipore-Corporation Bedford, マサチューセッツ州、米国)を通過させてろ過した。血漿のろ過物を、直接、または、HPLCによる分画後使用した。逆相HPLC分画を、Beckman C-18カラム(4.6×250 mm, 5 μm ODS, Beckman Instruments, Inc., Fullerton、カリフォルニア州)を用いて実施した。血漿ろ過物(0.5 ml)中の低分子量化合物の分離は、以下の勾配下で流速1.0 ml/分にて実施した:100%展開層A(0.1%酢酸含有水)で10分間、次いで、100%展開層B(0.1%酢酸含有メタノール)まで直線勾配で10分間、次いで、100%展開層Bで5分間。溶出液を1 ml分画液として採取し、N2下で乾燥させ、次いで、バッファー(0.1 ml)に再懸濁し分析に備えた。有力な陰イオン交換HPLC(SAX-HPLC)による血漿ろ過物(0.5 ml)の分画を、SPHERIS HPLC(4.6×250 mm, 5 μm SAX, Phase Separations Inc., Norwalk、コネティカット州)にて実施した。血漿ろ過物における低分子量の分離は、45 mM酢酸アンモニウムバッファー(pH 4.0)を展開層として用い、イソクラティック条件下流速0.9 ml/分で実施した。溶出液を1.0 ml分画液として採取し、N2下で乾燥させ、次いで、バッファー(0.1 ml)に再懸濁し分析に備えた。
アラキドン酸(9-ヒドロキシ-5,7,11,14-エイコサテトラエン酸および9-ヒドロペルオキシ-5,7,11,14-エイコサテトラエン酸(9-H(P)ETE)、および、リノール酸(9-ヒドロキシ-10,12-オクタデカ二酸、および、9-ヒドロペルオキシ-10,12-オクタデカ二酸(9-H(P)ODE)のフリーラジカル依存性酸化産物を定量するのに、LC/ESI/MS/MSを用いた。分析の直前に、1容量のH2Oを、5容量のメタノール懸濁サンプルに加え、次いでそれを0.22 μmフィルター(Millipore Corporation, Bedford、マサチュセッツ州)に通過させた。サンプル(20 μl)をProdigy C-18カラム(1×250 mm, 5 μm ODS, 100A, Phoenomenex, Pancho Palos Verdes、カリフォルニア州)に流速50 μl/分で注入した。この分離は、95%メタノール水溶液を展開相として用いてアイソクラティック条件下に実施した。各分析において、HPLCカラム溶出液全体を、Quattro II3連4重極質量分析器(Micromass, Inc.)に導入した。分析は、陰イオンモードのエレクトロスプレーイオン化法を用いて、モニターする異性体に対して特異的な、親イオンおよび特徴的娘イオンの多数反応モニター(MRM)によって実施した。モニターされる転移は、9-HODEに対しては質量対電荷比(m/z)295 171であり、9-HETEではm/z319 151であり、12-HETE-d8ではm/z327 184であった。N2をエレクトロスプレーインターフェイスの噴霧ガスとして用いた。抽出効率(全ての分析において>80%であった)を計算するために内部標準12-HETESを用いた。真性標準によって構築された外部検量曲線を用いて9-HETEおよび9-HODEを定量した。
メタノールで(塩基加水分解なし)再構築したサンプル(100 μl)を、ベックマンのC-18カラム(4.6×250 mm, 5 μm ODS, Beckman Instruments, Inc., Fullerton、カリフォルニア州)に注入した。脂質を、2-イソプロパノール/アセトニトリル/水(44/54/2, v/v/v)からなるイソクラティックシステムを用いて流速1.5 ml/分で分離した。CE-H(P)ODEを、これらの安定な水酸化物として、CE-9-HODE(Cayman Chemical Company, Ann Arobor、ミシガン州)を外部検量曲線生成のために用いて、234 nmでUV検出で定量した。
正常好中球は、PMAによる細胞活性化後、血漿中に、有意に高レベルの9-H(P)ODEおよび9-(H)PETEを生成した(図4(A-B))。まったく対照的に、MPO-欠損好中球は、O2産生能力は高まっているにもかかわらず、PMAによる刺激後に、有意に高いレベルの脂質過酸化産物を生成しなかった。触媒量のMPOを加えると、MPO-欠損好中球は、内在性血漿脂質の酸化を起動する能力を回復した(図4(A-B))。
==一般的な手順==
ヒトのミエロペルオキシダーゼ(ドナー:過酸化水素、オキシド還元酵素、EC1.11.1.7)およびLDLを単離し、下記のように定量した(Podrez, E.A., et al., 1999, J. Clin. Invest. 103:1547)。バッファーは全てChelex-100樹脂(Bio-Rad, Hercules、カリフォルニア州)で処理し、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)を添加して、インキュベーション中LDL酸化を触媒し得るトレースレベルの遷移金属イオンを除去した。LDLは、記載されるように(Hoppe, G., et al., 1994, J. Clin. Invest. 94:1506-12)、100と250 dpm/ng蛋白の間の特定の活性を有するように、Na[L125I]で標識した。細胞脂質の抽出および放射標識したコレステロールエステルの薄層クロマトグラフィー単離は、記載の通りに実施した(Podrez, E.A., et al., 1999, J. Clin. Invest. 103:1547)。標記のリポ蛋白とのインキュベーション後に細胞によってコレステロールエステルに取り込まれた[14C]オレイン酸塩は、記載の通りに定量した(Podrez, E.A., et al., 1999, J. Clin. Invest. 103:1547)。ウサギ胸部大動脈を、WHHLウサギから単離し、100 μMブチル化トルエン(BHT)および100 μM DTPAを添加したアルゴン吹きつけPBSでリンスし、アルゴンで被包し、液体窒素で吹きつけ凍結させ、分析まで-80℃で保存した。比較的脂質性病変の無い大動脈は、10-12週のWHHLウサギから得られたが、一方、病変で満たされる大動脈は、6ヶ月以上のWHHLウサギから回収された。
MPO生成硝酸化中間体(NO2-LDL)によって修飾されるLDLは、別様に指定しない限り、LDL(0.2 mg蛋白/ml)を、50 mMリン酸ナトリウム、pH 7.0, 100 μM DTPA、30 nM MPO, 100 μg/mlグルコース、20 ng/mlのグルコースオキシダーゼ、および、0.5 mM NaNO2にて37℃で8時間インキュベートして形成した。この条件下で、H2O2(10 μM/時)の定常流が、Fe(II)酸化・Fe(III)形成−チオシヤネート複合体を用いて定量すると、グルコース/グルコースオキシダーゼシステムによって形成された(van der Vliet, A., et al., 1997, J. Biol. Chem. 272:7617)。酸化反応は、40 μM BHTおよび300 nMカタラーゼを反応混合物に添加することによって停止させた。LDLのアセチル化は、以前に記載されている通りに実施した(Podrez, E.A., et al., 1999, J. Clin. Invest. 103:1547)。
脂質は、常に、不活性雰囲気(アルゴンまたは窒素)下に維持た。酸化PAPCまたはPLPC顆粒から、またはNO2-LDLからの脂質を、等量の飽和NaCl溶液(脂質抽出を増強するために)に添加直後に、BlighとDyerの方法(Bligh, 1959)によって連続して3回抽出した。合わせたクロロフォルム抽出物を窒素下に蒸発させ、次いで、脂質を、メタノール(約200 μg/0.1 ml)に再懸濁し、Acrodisc CR PTFEフィルターを通じてろ過し、逆相カラム(Luna C18, 250×10 mm, 5 μm, Phenomenex, Torrence、カリフォルニア州、米国)に適用した。脂質を、Waters 600E多溶媒輸送システムHPLC(Waters, Midford、マサチューセッツ、米国)によって生成される3重(アセトニトリル/メタノール/H2O)勾配を用いて流速3 mL/分で分解し、蒸発性光散乱検出器(Sedex 55, Sedere, Alfortville、フランス)を用いてモニターした。
天然のLDLおよび酸化形態のLDLにおける各種特異的酸化PC分子種のLC/ESI/MS/MS分析による定量化により、酸化フォスファチジルコリン種の含量が実質的に増加していることが明らかになった(図7A、天然のLDL、NO2-LDLのデータを示す)。酸化のどの時点で調べたかとは無関係に、HODA-PCおよびHOOA-PCが、MOPによるLDL酸化の主要な産物であった。合計mol %(残存する非酸化リン脂質に関する)およびNO2-LDLにて検出されたND-PC(図7A)は1.2 mol%に一致する。この内、NO2-LDL調製物(図7A)で定量された8種の酸化PC種の合計含量は0.73 mol%に一致する。
アンギオガードは、経皮的血管手術の間に使用のために最近発明された、血栓保護装置である。これは、血管成形のために、バルーン膨張の前に、標的病変の遠位において展開される。これは、一時的な保護として、不活性のふるい状メッシュを通じて、押し出された脂質に富むプラーク物質を捕捉する。メッシュの孔は大きく、顕微鏡によって、孔は、血球および血小板の流れを妨げないが、大きな脂質顆粒は捕捉する傾向のあることが確かめられる。手術時、アンギオガードによって捕捉された物質を分析し、プラーク物質の脂質種が決定される。図8は、アンギオガードから回収したプラーク物質においてLC/ESI/MS/MS法によって定量された、多数の異なる脂質過酸化産物のレベルを示す。比較のために、本発明者らはまた、心臓移植ドナーから臓器採取の時に回収した正常な大動脈内皮における、同じ酸化脂質のレベルも評価した。F2-イソプラステンを始め、モニターした各HETEにおいて目覚しい増加が観察された。アンギオガードに捕捉されたプラーク物質の分析はまた、多数の異なるoxPC種の検出を確定した(データ示さず)。
==A.ジチロシンおよびニトロチロシン==
生体サンプルにおけるジチロシンおよびニトロチロシンレベルは、このようなチロシン分子種に対する反応性を有するモノクロナール抗体を用いて定量し得る。例えば、抗ニトロチロシン抗体は、標準的な手段を用いて作製し標識し得、次いで、サンプル中に存在する、遊離ニトロチロシンまたはペプチド結合のニトロチロシンの有無を検出するために、これをイムノアッセイに使用し得る。適当なイムノアッセイとしては、例として挙げるだけであるが、固相および液相の両方を含むラジオイムノアッセイ、蛍光結合アッセイまたは酵素結合性イムノソルベントが挙げられる。好ましくは、このイムノアッセイはまた、サンプル中に存在するチロシン分子種の量を定量するのに使用される。
脂質酸化産物は、UV検出を備えたHPLC、または、オンライン質量分析によるHPLCにて測定され得る。GC/MSおよび免疫細胞化学的方法を含む他の分析法もまた、使用され得る。F2イソプロスタンは、当該分野で既知の種々の質量分析技術によって測定可能である。
試験被験体から得た生体サンプル中のMPO量、MPO活性または選択MPO生成酸化産物のレベルは、所定値と比較し得る。この所定値は、一般集団またはヒト被験体の選択された集団から得られた比較可能なサンプル中のMPO活性、MPO量または選択MPO生成酸化産物のレベルに基づき得る。例えば、選択された集団は、見かけ上健康な被験体から構成され得る。本明細書で使用される場合、「見かけ上健康」とは、例えば、アテローム硬化症、狭心症、急性循環器発作(例えば、心筋梗塞または発作)の既往歴ならびに像診断方法によるアテローム硬化症の証拠(冠状動脈造影法が挙げられるが、これに限定されない)のような疾患の存在を示す任意の前兆または症候を以前に有さない個体をいう。言い換えれば、医学専門家が調べたとしても、このような個体は健康で病気の症候が無いと特徴づけられる。
個体の生体サンプル中の各全身マーカー(すなわち、MPO活性、MPO量および選択MPO生成酸化産物)のレベルは、単一の所定値またはある一定範囲の値と比較し得る。治療薬剤の投与後、被験体の生体サンプル中の全身マーカーのレベルが所定値または所定値範囲よりも低くなる場合、この治療薬剤は、その試験被験体に対して抗炎症効果および/または抗酸化効果を及ぼしたことになる。被験体の全身マーカーレベルと所定値との差の程度は、治療薬剤の抗炎症作用および/または抗酸化作用の程度を明らかにするのにも有効であるから、その治療薬剤による効果的な治療方策を決定し、モニターするのにも使用され得る。
==冠状動脈疾患を有する患者および冠状動脈疾患を有さない患者の血液サンプルにおけるMPO活性およびMPO量のレベル==
=方法=
=研究集団=
ロジスティック回帰パワー計算に基づいて(等しいサイズの群を仮定する)、高MPO(上位4分の1)に対して少なくとも2.0の統計的に有意なオッズ比を検出するために、80%パワー(α=0.05)を与えるのに326名の患者を必要とした。クリーブランド臨床ファウンデーション(Cleaveland Clinic Foundation)の心臓病学教室の二つの開業ユニットにおいて、被験体(n=333)を同定した。まず、心臓病予防クリニックから、85名の持続患者を登録した。同時に、カテーテル挿入検査室から、125名の持続患者を登録した。このシリーズの患者におけるCADの有病に基づいて、さらに116名の対照患者の必要性を決定した。過去6ヶ月間にわたってカテーテル導入の有意なCADを有さない患者全てを、カテーテル導入データベースから同定し、次いで、140名をランダムに選択し(地域コード/電話番号に基づく)、MPO測定に参加するよう呼びかけた。記録された心筋梗塞、以前に行われた冠状動脈血管再構築手術(CABGまたは経皮的冠状動脈治療術)、または心臓カテーテル導入時に同定された1つ以上の冠状動脈における≧50%の狭窄の存在の既往歴によって、CADを定義した。CAD群に対する排除基準は、登録前3ヶ月以内の急性冠状動脈の事象、末期腎疾患および骨髄移植であった。対照群は、診断用の冠状動脈造影術を受けたが、有意なCADの証拠を示さなかった被験体からなった。対照被験体の排除基準は、1つ以上の≧50%の狭窄を有する冠状血管、血管性心臓病、左心室機能障害、末期腎疾患、骨髄移植、または既往歴および診察により感染または活動性炎症性疾患の証拠を有することである。全ての患者は45歳以上で、線維症を有さなかった。既往歴は、糖尿病、過去および現在の喫煙歴、高血圧、および任意の第1等親族にCADに罹っているものがいるかどうか(50歳までの男性および60歳までの女性)について評価した。実験プロトールおよび同意書形式は、クリーブランド臨床ファンデーション検閲委員会によって承認され、かつ、書面による同意書を全ての被験体から得た。匿名性を確保するために、サンプルをコード化し、全ての分析を盲検方式で実施した。
一晩絶食させた後、EDTA含有チューブに血液を引き込み、WBC、低密度リポ蛋白コレステロール(LDLc)、高密度リポ蛋白コレステロール(HDLc)、総コレステロール(TC)、および絶食下トリグリセリド(TG)を定量するのに血液を用いた。浮遊密度遠心により、好中球を単離した(Hazen, S.L., et al., J. Biol. Chem. 271:1861-1867)。細胞調製物は、目視では少なくとも98%均一であった。白血球調製物は、細胞溶解のために0.2%セチルトリメチルアンモニウムブロミドに加え、室温で10分インキュベートし、液体窒素で急激に凍結し、分析まで-80℃で保存した。
表示特性は、連続測定値については平均±標準偏差、または、中央値(1/4値間差)で、カテゴリー測定値については数とパーセントで表す。CADと対照被験体との間の差を、ウィルコクソンの順位和テスト(Wilcoxon rank sum test)、または、カイ二乗テスト(chi-square test)によって評価した。白血球-MPO活性も血液-MPO活性もガウス分布に従わないので、分析のためにMPOレベルを4分位に分割した。MPO活性の増加につれてCAD率も増加するという未調整の傾向を、コクラン・アーミテージの傾向テスト(Cochran-Armitage tend test)によって評価した。修正されたフラミンガムの粗大危険度スコアを、カテーテル挿入時に記録された血圧というよりむしろ、記録された高血圧の既往歴を用いて確定した(Taylor, A.J., et al., Circulation 101:1243-1248)。
=患者集団特徴=
本研究に参加した被験体の臨床的な特徴および生化学的な特徴を表1に示す。CAD患者は比較的高年齢で、男性である確率が高く、糖尿病、高血圧および喫煙の既往を有する確率が高い。CAD被験体はまた、絶食後トリグリセリドレベルが高く、脂質低減薬(主にスタチン類)、アスピリンおよびその他の心血管薬の使用度が高かった。他の研究と一致して、フラミンガムの総合危険度スコア、好中球絶対数およびWBCは、CAD被験体において有意に増加していた(各々p<0.001、表1)。
高レベルのMPOを有する個体はCAD発症率も高いという仮説を試験するために、本発明者らは好中球を単離し、そのMPO含量を測定した。好中球蛋白1 mgあたりのMPO活性(白血球-MPO)は、対照患者の中央値13.4 U/mg対CAD患者の18.1 U/mg(傾向に対しても、差に対してもp<0.001、図1)で、CAD状態によって有意に違っていた。全調査集団に対する4分位による白血球-MPOの層化から、CAD状態と正の相関(傾向に対してp<0.001)、すなわち、最高4分位に属する個体は最高危険度(OR(CI), 8.8(4.4-17.5)、表2)を有することが明らかになった。白血球MPO含量をその触媒活性によって定量化すること(すなわち、機能的アッセイ)に加えて、本発明者らは、ELISAを用いて、ランダムな被験体のサブセット(n=111)について、好中球あたりのMPO量を独立して定量した。このアッセイ法で観察された結果は、活性測定値と有意に相関した(r=0.95)(データ示さず)。白血球-MPOの第2、第3の4分位におけるCAD率はほぼ等しく見える(表2)ので、これらは、以後の全ての分析においてまとめて用いられ、単一変動および多数変動モデルでは中央範囲レベルという。他の研究で見られているように、フラミンガムの総合危険度スコアとWBCは、CAD率と正の相関を有した(表2)。
次いで、従来のCAD危険因子と白血球-MPOとの間の相関の可能性を評価した。白血球-MPOレベルは、年齢、性、糖尿病、高血圧、喫煙(過去または現在)、WBC、トリグリセリド、LDLc、および、フラミンガム総合危険度とは独立していた。白血球-MPOと総コレステロール(r=-0.15, p=0.005)およびHDLc(r=-0.14、p=-0.01)との間には弱い負の相関が見られた。白血球-MPOと好中球絶対カウント(r=0.20、p<0.001)およびCADの家族歴(家族歴を有する白血球-MPO中央値=15.9 対 家族歴を有さない白血球-MPO中央値14.1、p=0.05)との間には正の相関が見られた。同様の相関が血液-MPOにも認められた。
白血球-MPOおよび血液-MPOが独立にCAD状態と相関するのかどうかを評価するために、白血球-MPOおよび血液-MPO4分位におけるオッズ比を、従来の個々のCAD危険因子について調整した。白血球-MPOおよび血液-MPOの両方において、最低(第1)4分位に対する、中央(第2プラス第3)4分位と最高(第4)4分位のオッズ比は、従来の個々のCAD危険因子、WBC、および、フラミンガム総合危険度スコアについて調整した後では(データ示さず)、CAD状態と一貫して高い相関を有した。すなわち、オッズ比は、HDLcに対する調整後の8.4(CI=4.2-16.9, p<0.001)から、喫煙、糖尿病、高血圧、喫煙に対する調整後の13.5(CI=6.3-29.1, p<0.001)の範囲に渡っており、また、それより程度は低いが、年齢、HDLc、フラミンガム総合危険度、および、WBCも、単一因子調整後には、CAD状態を予測する有意な相関を有する因子となった。同様の結果が、血液-MPOの場合にも、従来の個々のCAD危険度因子に対し単一因子調整後に観察された(データ示さず)。
==CADを有する被験体およびCADを有さない被験体由来の血液サンプルのフローサイトメトリー分析==
これらの白血球が、正常レベル以上のMPOまたは正常レベル以下のMPOを有する患者由来の血液サンプルを、フローサイトメトリーにて分析した。各患者由来の全血を、血液分析器に注入した。この分析器は、インサイチュで細胞化学的染色(バイエル社から入手のAdvia 120)によって白血球を同定する。装置において、全血をまず溶血し、インタクトなWBCを加熱し、フォルムアルデヒドで固定した。次いで、ペルオキシダーゼ基質(過酸化水素および発色団)を、この白血球とインキュベートし、得られた染色細胞をフローサイトメトリーで調べた(サンプルの注入からサイトグラムが得られるまでに20秒の総合時間を要する)。この結果を図11(A-B)に示す。異なる色で示される細胞のクラスターは、1)紫−好中球、2)緑−単球、3)濃青−リンパ球、4)黄−好酸球、5) 青緑色−大きな未染色細胞、6)白−RBC残渣/ノイズ。これらのデータに基づき、全白血球数(WBC)および分化(好中球、単球、好酸球およびリンパ球の%分布)を報告する。
==CADを有するヒト被験体およびCADを有さないヒト被験体由来の血液中のジチロシンレベル==
蛋白結合ジチロシンのレベルを、CADを有する112名の個体および128名の見かけ上健康な対照被験体由来の血液サンプルで測定した。オンライン蛍光検出付きHPLCにてこのレベルを測定し、合成ジチロシンにて作製した外部検量曲線を用いて定量した。結果は、先駆アミノ酸、チロシン含量に対して正規化した。チロシンも、オンラインダイオードアレー検出付きHPLCによって同時に定量した。この結果から、CADを有する被験体は、その血清中に、健康で、年齢と性別で整合された被験体由来の血清で観察されたものよりも高レベルの(CAD被験体 対 健康被験体の比較において50%増加、p<0.001)ジチロシンを有することが明らかにされた。
==CADを有するヒト被験体およびCADを有さないヒト被験体由来の血液中のニトロチロシンレベル==
蛋白結合3-ニトロチロシンのレベルを、実施例3と同じ被験体由来の血液サンプルで測定した。実施例3では、CADを有する112名の個体および128名の見かけ上健康な対照被験体を調べた。ニトロチロシンレベルは、オンラインエレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析器(LC/ESI/MS/MS)を付けたHPLCにより、安定な同位元素希釈法を用いて測定した。結果は、先駆アミノ酸、チロシン含量に対して正規化した。チロシンも、安定な同位元素希釈LC/ESI/MS/MSによって同時に定量した。この結果から、CADを有する被験体は、その血清中に、健康で、年齢と性別で整合された被験体よりも高レベルの(CAD被験体 対 健康被験体の比較において2.8倍増加、p<0.001)ニトロチロシンを有することが明らかにされた。
==CADを有するヒト被験体およびCADを有さないヒト被験体におけるHETE、HODEおよびF2イソプロスタンの血中レベル==
HETE、HODEおよびF2イソプロスタンのレベルを、実施例3と同じ被験体由来の血液サンプルで測定した。実施例3では、CADを有する112名の個体および128名の見かけ上健康な対照被験体を調べた。脂質は、オンラインエレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析器(LC/ESI/MS/MS)を付けたHPLCによって測定した。結果は、先駆脂質(HETEおよびF2イソプロスタンの場合はアラキドン酸で、HODEの場合はリノール酸)に対して正規化した。先駆脂質も、LC/ESI/MS/MSによって同時に定量した。この結果から、CADを有する被験体は、その血漿中に、健康で、年齢と性別で整合された被験体よりも高レベルの酸化産物を有することが明らかにされた。F2イソプロスタンは、CADを有さない被験体に対して、CADを有する被験体の血清では80%高く(P<0.001)、HETEおよびHODEのレベルは、CADを有さない被験体に対して、CADを有する被験体では60%高かった(P<0.001)。
==CADを有するヒト被験体およびCADを有さないヒト被験体におけるMPO-生成脂質酸化産物の血中レベル==
MPOによって生成されることが示されているリン脂質酸化産物(2-リソPCにおけるグルタールおよびノナン二酸のモノエステル(G-PCおよびND-PC)、2-リソPCにおける9-ヒドロキシ-10-ドデセン二酸および5-ヒドロキシ-8-オキソ-6-オクテン二酸のエステル(HDdiA-PCおよびHOdiA-PC)、2-リソPCにおける9-ヒドロキシ-12-オキソ-10-ドデセン酸および5-ヒドロキシ-8-オキソ-6-オクテン酸のエステル(HODA-PCおよびHOOA-PC)、2-リソPCにおける9-ケト-12-オキソ-10-ドデセン酸および5-ケト-8-オキソ-6-オクテン酸のエステル(KODA-PCおよびKOOA-PC)、2-リソPCにおける9-ケト-10-ドデセン二酸および5-ケト-6-オクテン二酸エステル(KDdiA-PCおよびKOdiA-PC)、2-リソPCにおける5-オキソバレリン酸および9-オキソノナン酸エステル(OV-PCおよびON-PC)のレベルを、CADを有する25名の被験体および12名の見かけ上健康な対照被験体由来の血液サンプルで測定した。さらに、5-コレステン-5α,6α-エポキシ-3β-オル(コレステロールα-エポキシド)、5-コレステン-5β,6β-エポキシ-3β-オル(コレステロールβ-エポキシド)、5-コレステン-3,7β-ジオール(7-OH-コレステロール)、5-コレステン-3β,25-ジオール(25-OHコレステロール)、5-コレステン-3β-オル-7β-ヒドロペルオキシド(7-OOHコレステロール)およびコレステン-3β,5α,6β-トリオール(トリオール)、のレベルを、CADを有する25名の被験体および見かけ上健康な12名の対照被験体由来の血液サンプルにおいて測定した。脂質は、確立した方法を用い、オンラインエレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析器(LC/ESI/MS/MS)を付けたHPLCによって測定した。結果は、先駆脂質(PAPCでは、1-ヘキサデカノイル-2-エイコサテトラ-5’,8’,11’,14’-エノイル-sn-グリセロ-3-フォスフォコリン、PLPCでは、1-ヘキサデカノイル-2-オクタドデカジ-9’,12’-エノイル-sn-グリセロ-3-フォスフォコリン、またはコレステロール)に対して正規化した。先駆脂質も、LC/ESI/MS/MSによって同時に定量した。この結果から、CADを有する被験体は、その血漿中に、健康で、年齢と性別で整合された被験体よりも、各リン脂質酸化産物について高レベル(脂質によって、50%から4倍)を有することが明らかにされた。
==スタチン治療によって修飾されたニトロチロシンレベル==
=症例−対照研究=
この集団は、ボストン医学センター、心臓病学部にて評価された患者の一連のサンプルであった。症例患者は、心筋梗塞、冠状動脈バイパス移植手術、経皮冠状動脈介入手術、または冠状動脈造影法によって示された1つ以上な主要な冠状動脈において50%以上の狭窄症の既往歴として定義される、冠状動脈疾患(CAD)既往歴を有する人々であった。対照患者は、広告によって募集し、CADまたは狭心症もしくはうっ血性心不全を示す症候の臨床的な既往歴をゆうさなかった。
この集団は、クリーブランド臨床ファンデーションの心臓病予防外来において、2001年6月から2002年1月までに募集した患者の一連のサンプルである。患者は、本研究への参加資格を持ち、また、参加に同意した。21歳以上であり、CADの臨床証拠は無く、治療のため生活スタイルへの介入を少なくとも6-8週受けるにもかかわらず、低密度リポ蛋白コレステロール(LDL-C)レベル≧130 mg/dLを維持する患者が、本研究に参加資格ありとされた。簡潔に、初回のスクリーニングで、詳細な既往歴を入手し、徹底的な健康診断を実施し、絶食下リポ蛋白プロフィールを得た。本研究に参加資格ありと予想される患者は、栄養および運動介入に関するカウンセリングを受けた。6-8週後、LDL-Cが依然として≧130 mdLの場合、患者は本研究に登録の資格ありとされた。絶食後の朝の血漿サンプルを、治療開始前(基準値)と、アトルバスタチン治療(1日あたり10ミリグラム経口投与)の12週後にも収集した。活動性肝臓疾患または血清クレアチンレベルがデシリットルあたり1.8 mg以上と定義される腎機能不全を有する患者を除外した。本研究に含められた患者は、1日あたり経口で10ミリグラム用量のアトルバスタチンによる治療を受けた。全ての患者は、書面によるインフォームドコンセントを提出し、また、クリーブランド臨床ファンデーションの施設検閲委員会は本研究プロトコールを承認した。
一晩絶食患者から、血清単離チューブ(対照-症例研究)またはEDTAチューブ(インターベンション研究)に血液サンプルを収集した。サンプルを3500 rpmで10分遠心し、血清/血漿を回収し、かつ、アリコートを分析まで-80℃で保存した。臨床データに対して目隠しされた職員が全ての検査測定を実施した。リポ蛋白/脂質プロフィールおよび高感度C-反応性蛋白(CRP)測定を、CDC標準化アッセイを用いて実施した。
蛋白結合ニトロチロシンレベルは、安定な同位元素希釈液体クロマトグラフィー−エレクトスプレーイオン化タンデム質量分析による方法によって定量した。この方法は、イオントラップ質量分析器を用いる(LCQ Deca, ThermoFinigann, San Jose、カリフォルニア州)。合成3-ニトロ-[13C6]チロシン(2 pmol)および[13C9 15N1]チロシン(2 nmol)を、内部標準として、また、同時に、分析中、ニトロチロシン、チロシンおよびニトロチロシンの人工的な形成をモニターするために添加された。サンプル中のニトロチロシン含量は、ニトロチロシンと先駆アミノ酸であるチロシンとの間のモル比として表す。
=症例−対照研究=
ニトロチロシンおよびC-反応性蛋白は正常に分布しなかった(シャピロ−ウィルクテスト(Shapiro-Wilk test))。従って、4分位法を分析に用い、測定要約を中央値と4分位間範囲として提示した。症例と対照との比較は、カテゴリー測定値の場合はカイ二乗テスト(chi-square test)で、連続測定値の場合はウィルコクソン(Wilcoxon)の順位和テストで実施した。傾向は、コクラン・アーミテージ(Cochran-Armitage)テストで評価した。
基礎状態の測定値および12週における測定値の違いを分析するに、ウィルコクソン(Wilcoxon)の順位和テストを用いた。ニトロチロシンレベル、リポ蛋白プロフィール測定およびCRPレベルにおける基礎値およびアトルバスタチン誘導による変化の相関を評価するために、スペアマン(Spearman)順位相関を用いた。フィッシャーのr対z変換を用いたところ、約95%信頼間隔が認められた。ニトロチロシンレベルの変化に関連する因子を決定するために、多数回帰分析を実施した。
==症例−対照研究)==
=患者集団の特徴=
研究参加者の臨床的および検査結果特徴を表3に示す。CADを有する患者は、比較的高年齢で、男性であることが多く、高血圧、糖尿病またはCADの家族歴を有する確率が高かった。CADを有する患者はまた、絶食下においてトリグリセリドが高く、HDLレベルが低く、CRPが高く、かつ、脂質低減薬や、他の心血管薬を使用する可能性が高い。
ニトロチロシンレベルは、対照と比較して、CADを有する患者において有意に高かった(中央値が、各々、9.1 μmol/molチロシン 対 5.7 μmol/molチロシン、P<0.001)(図12)。さらに、CAD率は、ニトロチロシンの4分位と共に増加した(26% 対 58%、最低4分位 対 最高4分位、傾向についてはP<0.001)。ニトロチロシンの最高4分位の患者は、最低4分位の患者に比べてCAD危険度が増加していた(オッズ比、4.1、95%信頼間隔、1.9-8.5、傾向についてはP<0.001)。CAD率はまた、CRP分布を横切るにつれて増加した(25% 対 50%、最低 対 最高、傾向についてはP<0.001)。CRP最高4分位の患者は、最低4分位の患者と比べてCADの危険度が増加していた(オッズ比、3.0、95%信頼間隔、1.4-6.3、傾向についてはP<0.001)。ニトロチロシン4分位 対 他の既知の心血管障害危険度の予測因子の4分位による、患者間のCAD率を見てみると、CADを有する患者の比率は、ニトロチロシンの上位4分位を有し、高密度リポ蛋白コレステロール(HDL-C)の下位4分位を有する患者において、ニトロチロシンの下位4分位とHDL-Cレベルの上位4分位を有する患者と比べると最高であることが明らかになった(81% 対 14%、P<0.001)。このCADを有する患者の割合はまた、ニトロチロシンとCRPにおいて上位4分位を有する患者の方が、ニトロチロシンとCRPの両方において下位4分位にいる患者と比べて、また、両方の炎症マーカーにおいて下位4分位を有する患者と比べて、より高かった(67% 対 19%、P=0.002)。
ニトロチロシンレベルは、年齢(r=0.14、p=0.03)、絶食下トリグリセリド(r=0.14、p=0.03)およびCRP(r=0.15、p=0.02)と相関した。しかし、これらの相関値は、大きさが小さく、ニトロチロシンの観察された変動の5%未満であった。ニトロチロシンと、LDL-C、HDL-Cまたは総コレステロールとの間には有意な相関は無かった。面白いことに、糖尿病ではニトロチロシンレベルが、非糖尿病よりも高かった(中央値は各々、9.26 μmol/molチロシン 対 6.0 μmol/molチロシン、P<0.001)。CADを除いて、表3に示した因子はどれもニトロチロシンとは有意な相関を示さなかった。
単一変数および多変数分析の結果を図12に示す。ニトロチロシンレベルは、従来の個別のCAD危険因子(年齢、性、糖尿病既往歴、現在の喫煙、高血圧既往歴、HDL-C、LDL-C、トリグリセリド)およびCRPに対して単一因子調整をした後でも、CAD状態の有意な予測因子であった。すなわち、第4の4分位のオッズ比は、糖尿病について調整後の3.4(95%信頼間隔、1.7-7.3、P<0.002)から、HDL-Cについて調整後の4.2(95%信頼間隔、2.0-8.8、P<0.001)の範囲を有する。各単一のCAD危険因子について同時に調整を実施した多変数分析では、ニトロチロシンは、CAD危険度を独立に予測した(第4の4分位のオッズ比は3.16、95%信頼間隔1.35から7.37、P=0.001)。さらに、ニトロチロシンは、CRPを多変数モデルに加えると、CAD危険度に関する、有力な独立した予測因子となった(第4の4分位のオッズ比は3.0、95%信頼間隔=1.3から7.1、P=0.001)。
ニトロチロシンが、心血管疾患のリスクに関する既設のマーカーの予測値をさらに増すことを確かめるために、本発明者らは、ニトロチロシンの有無で、多変数ロジスティック回帰モデルに対して確率比テストを実施した。年齢、性、LDL-Cレベル、HDL-C、トリグリセリドならびに糖尿病、高血圧および現在の喫煙状態の既往を含む多変数予測モデルに対してニトロチロシンを導入すると、CADに対する危険予測を有意に高めた(カイ二乗=10.42、P<0.001)。さらに、CADに対する危険予測の有意な増加が、ニトロチロシンレベルを、上記CAD危険因子プラスCRPを含めた多変数予測モデルに加えた場合も認められた(カイ二乗=10.06、P<0.0002)
==ニトロチロシンレベル 対 他のCAD危険因子および炎症マーカーにおけるスタチン誘導性変化==
蛋白結合チロシン 対 他のCAD危険因子および炎症マーカーに対するスタチン治療の影響を直接評価するために、予測的インターベンション研究を実施した。健康で、CADまたは糖尿病の臨床症候が無く、一次的予防治療(基準値においてLDL-C>130)に対して参加資格を有する患者を登録の資格ありとした。被験体(N=35、49%男性)は、平均年齢54±10歳であった。表5は、基準値および12週のアトルバスタチン治療(10 mg, PO, QHS)後における、総コレステロール、LDL-C、HDL-C、トリグリセリド、アポリポ蛋白B-100、CRPおよび蛋白結合ニトロチロシンのレベルを示す。アトルバスタチンによる治療により、総コレステロール、LDL-Cおよびアポリポ蛋白B-100の平均レベルに有意な減少がもたらされた(各々25%、39%および29%)。注目すべきことは、血漿ニトロチロシンレベルのスタチン誘導性減少(25%、P=0.017)は、総コレステロールおよびLDL粒子数(すなわち、アポリポ蛋白B100、表5)の減少と大きさが類似していた。CRPレベルにもスタチン誘導性の減少に、有意ではないが同様の傾向が観察された(11%減少、P=0.096)。
==スタチンの抗酸化作用)==
==方法==
=研究プロトコール=
本発明者らは、プロスペクティブなオープンラベルの研究を実施した。研究対象集団は、クリーブランド臨床ファンデーションの心臓病予防外来において募集した患者の一連のサンプルである。患者は、21歳以上であり、冠状動脈疾患の臨床証拠は無く、治療のため生活スタイルへの介入を少なくとも6-8週受けるにもかかわらず、低密度リポ蛋白コレステロール(LDL-C)レベルは130 mg/dL以上を維持する患者が、本研究に参加資格ありとされた。簡潔に、初回のスクリーニングで、詳細な既往歴を入手し、徹底的な健康診断を実施し、絶食下リポ蛋白プロフィールを得た。本研究に参加資格ありと予想される患者は、栄養および運動介入に関するカウンセリングを受けた。6〜8週後、LDL-Cが依然として130 mdLを上回る場合、患者は本研究に登録の資格ありとされた。本研究に含まれた患者は、1日あたり10ミリグラム経口投与のアトルバスタチン治療を受けた。絶食後の朝の血漿サンプルを、治療開始前(基準値)と、12週の治療後に収集した。活動性肝臓疾患、あるいは、血清クレアチンレベルがデシリットルあたり1.8 mg以上と定義される腎機能不全を有する患者を除外した。アトルバスタチン治療の遵守の程度と副作用を評価するために、患者を、2、4、6、8、および12週に臨床診察によって追跡した。患者は全て書面によるインフォームドコンセントを提出し、また、クリーブランド臨床ファンデーションの施設検閲委員会は本研究プロトコールを承認した。
絶食患者から、EDTAチューブに血液サンプルを収集した。サンプルを、3500 rpmにて4℃で10分遠心し、人工的酸化を極小にする条件下で保存した(すなわち、不活性雰囲気下で、抗酸化剤添加混合物として)。簡潔に、血漿を取り出し、アルゴンで被包し、ブチル化ヒドロキシトルエン(最終的に100 μM)とジエチレントリアミンペンタ酢酸(最終的に100 μM)を含むチューブに割り当て、分析まで-80℃で保存した。脂質レベルおよび高感度CRPの測定には、標準法を用いた。
蛋白結合ニトロチロシンは、前述の通り、安定な同位元素希釈液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析による方法によって定量した。この方法は、イオントラップ質量分析器を用いる(LCQ Deca, ThermoFinigann, San Jose、カリフォルニア州)。蛋白結合クロロチロシン、ジチロシンおよびo-チロシンの分析は、フィニガン(Finnigan)のVoyagerGC/MSを陰イオン化学的イオン化モードで用いて、ヘプタフルオリルブチリル誘導体について、アミノ酸を各々のn-プロピルに誘導化した後、ガスクロマトグラフィー/質量分析によって実施した。簡潔に、血漿内の蛋白は、有機/水溶媒からなる単一相混合物を用いて脱脂質し脱塩した。合成の[13C6]-標識標準(ニトロチロシン、クロロチロシン、o-チロシンの場合)、または、[13C12]-標識標準(ジチロシンの場合)を血漿蛋白ペレットに添加して、天然の豊富な分析対象の定量用内部標準として用いた。同zxs時に、普遍的に標識された先駆アミノ酸[13C9, 15N1]チロシン(ニトロチロシン、クロロチロシンおよびジチロシン用として)、または、[13C9, 15N1]フェニルアラニン(o-チロシン)を血漿蛋白ペレットに添加して、前述のように、同時に各オキシダント産物の人工的形成の有無をモニターした。メタンスルフォン酸中で、蛋白を、不活性アルゴン雰囲気下で加水分解し、次いで、質量分析前に、サンプルをミニ固相C18抽出カラム(Supelclean LC-18 SPE管、3 ml, Supelco Inc., Bellefonte, ペンシルバニア州)に通過させた。
データは平均±SDとして表し、有意差レベルをp<0.05に設定した。基準値および12週におけるNO2Tyr、diTyrおよびCRP間の差を分析するにはウィルコクソン(Wilcoxon)の順位和テストを用いた。脂質パラメータ、ClTyrおよびo-Tyrレベルについての、基準値と12週値間との差は、対合スチューデントのT-テストを用いて実施した。基準値のNO2Tyr, diTyR, ClTyr, o-Tyr, CRPおよび脂質パラメータ間の関連を評価するにはスペアマン(Spearman)の順位相関を用いた。NO2Tyr, diTyR,およびClTyrの変化に関連する因子を決定するために、多数回帰分析を実施した。全ての統計学的分析は、SPSSバージョン11.0(シカゴ、イリノイ州)を用いて実施した。
患者らの基礎的特徴を表6に示す。35名の患者全員に対して12週時の追跡データを得た。一般に、高コレステロール血症を除いて、患者らは、任意の公知の冠状動脈疾患および糖尿病を持たない健康な集団であった。総コレステロール(TC)、LDLコレステロール(LDL-C)、HDLコレステロール(HDL-C)、トリグリセリド、CRP、ClTyr、diTyr、NO2Tyrおよびo-Tyrの基準値および12週測定値の絶対値とパーセント値変化を表7に示す。予期した通り、アトルバスタチンによる治療により、TC、LDL-CおよびapoB-100レベルには有意な減少が見られた(各々、25%、39%および29%)。アトルバスタチンは、ミエロペルオキシダーゼおよび酸化窒素由来オキシダントによって生成される酸化産物レベルに対しほぼ等しい有意の低下をもたらした(ClTyr, diTyr,およびNO2Tyrの低下は、各々、30%、32%および25%である、表7)。対照的に、o-TyrおよびCRPの低下はごくわずか(各々、9%および11%)で、統計的有意に達することができなかった(表7)
==MPO生成酸化産物は、スタチン治療によって目覚しく低減される==
本発明者らは、スタチン治療(アトルバスタチン、10 mg, PO QHS)の、in vivoの蛋白および脂質酸化のMPO-生成マーカーに及ぼす作用を調べるのに、オンラインエレクトロスプレーイオン化タンデム質量分析付きのHPLCを用いた。LDLコレステロール≧130 mg/dLの被験体(n=35)を登録し、基準値および12週の治療後にモニターした。図14(A-B)は、ジチロシン(30%)、ニトロチロシン(24%)に有意な減少が観察されたが、hs-CRPはわずか11%しか減少しなかった。代替的な研究において、脂質酸化産物のレベルを、最近スタチン治療を受けた患者の基準値において、スタチン治療を停止させた4週間の休薬期間の後で、次いで、スタチン治療再開後(12週のアトルバスタチン、10 mg PO QHS)に、モニターした。図15から、12週のスタチン治療後に認められるCRPのわずかな減少(11%)は、公表されている研究とは一致したが、有意レベルには達していないことが示された。
==シンバスタチン(ゾコール)の全身性抗酸化作用をモニターするのための特異的脂質酸化産物の使用==
MPOによって形成され得る多数の特異的な酸化産物の血漿レベルを、現在スタチン治療を受けている被験体(n=15)について、基準値、4週間の休薬期間後および12週のシンバスタチン治療後に、モニターした(基準値では、アトルバスタチン、n=9;シンバスタチン、n=5;プラバスタチン、n=1)。図16はアトルバスタチン投与後の脂質酸化産物の血漿レベルを示す。モニターしたHETE類およびHODE類のいずれも、スタチン治療を取り去った後では血漿の中で上昇するが、被験体をシンバスタチン治療に戻す場合、再び低下することに注意されたい。
==MPOおよびMPOによって形成される多数の異なる酸化産物でモニターした場合、COXII阻害剤治療は、全身性抗酸化/抗炎症作用を促進する==
COX IIは、エイコサノイド生成を介して炎症を促進する主要経路と見なされる。従って、COX II阻害剤の使用は炎症を抑制し、MPOおよびMPOが生成する産物のレベルの低下をもたらすことになる。このことをテストするために、本発明者らは、リウマチ性関節炎を有する被験体(n=10)について現在調査中である。基準値で、また、レフォコクシブ(すなわち、VIOXX、25 mg, PO QD)による16週の治療後に、血漿を抽出した。MPO、蛋白結合ニトロチロシン、クロロチロシン、ジチロシンならびに9-H(P)ETEおよびF2イソプロスタンの血漿レベルをモニターした。各被験体において臨床的改善が見られると共に、各マーカーに著明な減少が認められた(表10)。これらの結果は、MPOおよびその酸化産物が、このクラス(またはその他の全てのクラス)の薬剤の抗炎症作用および抗酸化作用をモニターするための、客観的で定量可能な示数となり得ることを示唆する。
==MPOおよびMPOによって形成される多数の異なる酸化産物でモニターした場合、ACEI治療は、全身性抗酸化/抗炎症作用を促進する==
アンギオテンシン変換酵素(ACE)は、血管細胞によるスーパーオキシド生成に密接に関わる。さらに、多数の研究において、ACE阻害剤(ACEI)は、血圧を下げるばかりでなく、動脈壁内のスーパーオキシド産生を低下させ、従って、オキシダントストレスを下げることが議論されている。この作用をモニターするために用いられた方法は、組織検査、代表的には、動物モデル系または細胞培養実験に限定される。このクラスの薬剤の、非血圧関連効果をモニターするための一つの方法として、オキシダントストレスまたは炎症の全身マーカーを調べたものは誰もいない。
==MPOおよびMPOによって形成される多数の異なる酸化産物でモニターした場〜〜、ARB治療は、全身性抗酸化/抗炎症作用を促進する==
アンギオテンシンレセプター遮断剤は、高血圧治療に使用される新しい治療薬である。これらは、ACEIと同じ生化学的軸に作用する。従って、これらも、血圧低下と関連するものを越えた臨床効果を−抗炎症作用および抗酸化作用と関連すると考えられる効果を促進する。しかし、これまで、これらの効果を客観的にモニターする手段が無かった。本発明者らは、MPOおよびその酸化産物のレベルをモニターすることは、ARBの抗炎症作用および抗酸化作用を定量化するための一つの方法となるかも知れないという仮説をたてた。被験体(n=16)は、基準値で、次いで、ロサルタン(コザール、25 mg, PO QD)治療後16週に、血漿を抽出された。MPO、蛋白結合ニトロチロシン、クロロチロシン、ジチロシンならびに9-H(P)ETEおよびF2イソプロスタンの血漿レベルをモニターした。被験体において、各マーカーについて著明な低下が認められた(表12)。これらの試験は、MPOおよびその酸化産物が、治療処置のもたらす全身性抗酸化作用および抗炎症作用をモニターするに当たって有用であり得ることを強調する。
==チン治療はMPOの血漿レベルを減少させる)
被験体(n=27)は、基準値で、次いで、アトルバスタチン(リピトール、10 mg, PO QD)治療後16週に、血漿を抽出された。MPOの血漿レベルをモニターした。治療後、被験体に、MPOレベルの有意な減少が認められた(表13)。これらの試験は、MPOが、スタチンのような治療薬の全身性抗酸化作用および抗炎症作用をモニターするに当たって有用であり得ることを強調する。
Claims (24)
- 治療薬剤の抗炎症作用および/または抗酸化作用をモニターする診断方法であって、
基準値の被験体から、または治療薬剤の投与後の被験体から採取した生体サンプル中の炎症または酸化状態を示す、少なくとも1つの全身マーカーのレベルを定量する工程と、
治療薬剤の抗炎症作用および/または抗酸化作用をモニターするために、全身マーカーのレベルを所定値と比較する工程と、
を含み、
該マーカーは、MPO活性、MPO量、選択MPO生成酸化産物およびそれらの組み合わせを少なくとも1つ含む方法。 - 前記所定値が、治療薬剤の投与前に、前記被験体から採取された生体サンプルにおける全身マーカーのレベルから定量される、請求項1に記載の方法。
- 前記所定値が、標準化された一つの値または標準化された値の範囲である、請求項1に記載の方法。
- 前記生体サンプルが、血液、血液誘導体または尿の少なくとも一つを含有する、請求項1に記載の方法。
- 前記治療薬剤が、障害を治療するために投与され、ここで炎症性の損傷および/または酸化的な損傷が該障害の病因に関連する、請求項1に記載の方法。
- 前記障害が、炎症性疾患または自己免疫疾患の少なくとも一つを含む、請求項5に記載の方法。
- 前記治療薬剤が、ミエロペルオキシダーゼおよび酸化窒素誘導性オキシダントの形成に使用される酸化経路の抑制を介して、in vivoにおいて、抗炎症作用および/または抗酸化作用を示す薬力学的作用薬を含有する、請求項1に記載の方法。
- 前記MPO酸化産物が、クロロチロシン、ジチロシン、ニトロチロシン、メチオニンスルフォキシド、ホモシトルリンおよびMPO生成脂質過酸化反応産物からなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
- 前記MPO生成脂質過酸化反応産物が、ヒドロキシエイコサテトラエン酸(HETE);ヒドロキシオクタデカジエン酸(HODE);F2イソプロスタン;2-リソPCにおけるグルタールおよびノナン二酸のモノエステル(G-PCおよびND-P C各々);2-リソPCにおける9-ヒドロキシ-10-ドデセン二酸および5-ヒドロキシ-8-オキソ-6-オクテン二酸のエステル(HDdiA-PCおよびHOdiA-PC各々);2-リソPCにおける9-ヒドロキシ-12-オキソ-10-ドデセン酸および5-ヒドロキシ-8-オキソ-6-オクテン二酸のエステル(HODA-PCおよびHOOA-PC各々);2-リソPCにおける9-ケト-12-オキソ-10-ドデセン酸および5-ケト-8-オキソ-6-オクテン酸のエステル(KODA-PCおよびKOOA-PC各々);2-リソPCにおける9-ケト-10-ドデセン二酸および5-ケト-6-オクテン二酸のエステル(KDdiA-PCおよびKOdiA-PC各々);2-リソPCにおける5-オキソバレリン酸および9-オキソノナン酸エステル(OV-PCおよびON-PC各々);5-コレステン-5α,6α-エポキシ-3β-オル(コレステロールα-エポキシド);5-コレステン-5β,6β-エポキシ-3β-オル(コレステロールβ-エポキシド);5-コレステン-3β,7β-ジオール(7-OH-コレステロール);5-コレステン-3β,25-ジオール(25-OHコレステロール);5-コレステン-3β-オル-7β-ヒドロペルオキシド(7-OOHコレステロール);ならびに、コレステン-3β,5α,6β-トリオール(トリオール)、からなる群から選択される、請求項8に記載の方法。
- 前記治療薬剤が、HMG CoA還元酵素阻害剤、COX-2阻害剤、アンギオテンシン系阻害剤、アンギオテンシンIIレセプター遮断剤、サイトカイン阻害剤、腫瘍壊死因子-u(TNF-α)阻害剤、抗高リポ蛋白血症剤(antihyperlioproteinemics)、コレステロール生合成阻害剤、インスリン増感剤、抗高血圧剤、抗血栓症剤、抗血小板剤、繊維素溶解剤、直接的トロンビン阻害剤、ACAT阻害剤、CETP阻害剤、V-CAM阻害剤、免疫調節剤、チアゾリジンジオンおよび糖蛋白レセプター阻害剤の少なくとも一つを含有する、請求項1に記載の方法。
- 前記治療薬剤が、HMG CoA還元酵素阻害剤を含有する、請求項9に記載の方法。
- 前記HMG CoA還元酵素阻害剤が、心血管疾患を治療するために投与される、請求項11に記載の方法。
- 治療薬剤の抗炎症作用および/または抗酸化作用をモニターする診断方法であって、
基準値の被験体から、または治療薬剤の投与後の被験体から採取した生体サンプル中の炎症または酸化状態を示す、少なくとも1つの全身マーカーのレベルを定量する工程と、
全身マーカーのレベルを、所定値と比較して、治療薬剤の抗炎症作用および/または抗酸化作用をモニターする工程と、
を包含し、
該マーカーは、MPO活性、MPO量、選択MPO生成酸化産物およびそれらの組み合わせの少なくとも1つを含み、
該治療薬剤は、炎症性の損傷および/または酸化的な損傷が疾患の病因に関連する障害を治療するために投与される、診断方法。 - 前記所定値が、治療薬剤の投与前または投与中に、被験体から採取された生体サンプルにおける全身マーカーのレベルを含有する、請求項13に記載の方法。
- 前記治療薬剤が、ミエロペルオキシダーゼおよび酸化窒素誘導性オキシダントの形成に使用される酸化経路の抑制を介して、in vivoにおいて、抗炎症作用および/または抗酸化作用を示す薬力学的作用薬を含有する、請求項13に記載の方法。
- 前記治療薬剤が、HMG CoA還元酵素阻害剤、COX-2阻害剤、アンギオテンシン系阻害剤、アンギオテンシンIIレセプター遮断剤、サイトカイン阻害剤、腫瘍壊死因子-u(TNF-α)阻害剤、抗高リポ蛋白血症剤、コレステロール生合成阻害剤、インスリン増感剤、抗高血圧剤、抗血栓症剤、抗血小板剤、繊維素溶解剤、直接的トロンビン阻害剤、ACAT阻害剤、CETP阻害剤、V-CAM阻害剤、免疫調節剤、チアゾリジンジオンおよび糖蛋白レセプター阻害剤の少なくとも一つを含有する、請求項15に記載の方法。
- 前記治療薬剤がHMG CoA還元酵素阻害剤を含有し、ここで、該HMG CoA還元酵素阻害剤は、心血管疾患を治療するために投与される、請求項13に記載の方法。
- 医学的に所望の結果をもたらすのに効果的な治療薬剤の用量を定量するために、該治療薬剤の投与中または投与後に、全身マーカーのレベルをモニターする工程をさらに包含する、請求項13に記載の方法。
- HMG CoA還元酵素阻害剤の抗炎症作用および/または抗酸化作用をモニターする診断方法であって、
基準値の被験体から、または、HMG CoA還元酵素阻害剤の投与後の被験体から採取した生体サンプル中の炎症または酸化状態を示す、少なくとも1つの全身マーカーのレベルを定量する工程と、
全身マーカーのレベルを、所定値と比較して、HMG CoA還元酵素阻害剤の抗炎症作用および/または抗酸化作用をモニターする工程と、
を含み、
該マーカーは、MPO活性、MPO量、選択MPO生成酸化産物およびそれらの組み合わせを少なくとも1つ含む、診断方法。 - 前記所定値が、治療薬剤の投与前に、被験体から採取された生体サンプルにおけるマーカーのレベルから定量される、請求項19に記載の方法。
- 前記生体サンプルが、血液、血液誘導体または尿の少なくとも一つを含有する、請求項19に記載の方法。
- 前記HMG CoA還元酵素阻害剤が、炎症性の損傷および/または酸化的な損傷が疾患の病因に関連する障害を治療するために前記被験体に投与される、請求項19に記載の方法。
- 前記障害が心血管疾患を含む、請求項22に記載の方法。
- 医学的に所望の結果をもたらすのに効果的なHMC CoA還元酵素阻害剤の用量を定量するために、該HMG CoA還元酵素阻害剤の投与中または投与後に、全身マーカーのレベルをモニターする工程をさらに包含する、請求項19に記載の方法。
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