JP2005532405A - 融合タンパク質とサポニンアジュバントとを含む免疫原性組成物 - Google Patents

融合タンパク質とサポニンアジュバントとを含む免疫原性組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、融合タンパク質とサポニンアジュバントとを含む免疫原性組成物を提供する。この融合タンパク質は、コアポリペプチドのN末端及び/又はC末端に融合する異種疎水性ペプチドを含む。コアポリペプチドは少なくとも1個の防御エピトープを含む。この組成物中のサポニンアジュバントは遊離した形で存在する。免疫原性組成物を含み、場合によっては追加の免疫活性成分を含んでいてもよいワクチンも提供する。このようなワクチンを調製する方法、及びワクチンの製造への免疫原性組成物の使用も提供する。

Description

本発明は、融合タンパク質とサポニンアジュバントとを含む免疫原性組成物に関する。ワクチン、ワクチン調製方法、及び免疫原性組成物の使用にも関する。
現代のヒト用薬物及び動物用薬物においては、多かれ少なかれ身体を衰弱させる疾患若しくは感染を予防し、又はある程度の収益性を確保するために定期的にヒト及び動物にワクチンを接種している。2000年時点で、動物ワクチン接種用生物学的製剤単独の世界市場は25億米ドルであった(Wood−Mackenzie、2001)。あらゆるワクチン接種戦略の目標は、感染又は疾患(の症状)に対する防御免疫系の活性化状態を受療者に獲得させることである。この免疫防御作用を生じさせるために、免疫系が防御応答を準備できるように感染体(の一部)を受療者に与える。免疫記憶現象によって、このワクチン接種が標的とする本当の感染が将来発生したときに、受療者の免疫系が誘発されてより迅速かつ強力に反応する。
このため、ワクチンは、通常、感染性微生物の生体、弱毒化生体又は死体、タンパク質サブユニット又はその核酸などを使用して、標的感染体又はその一部から調製される。これらすべてが、ヒト又は動物標的において所望の防御免疫応答を誘導する抗原性構造体を含む(又はコードする)ことが理想的である。
安全のためにはサブユニットワクチンが好ましい。次いで、発現系の細胞によって、(組換え)核酸分子からの発現を介してサブユニットを産生することができる。
抗原が、感染又は疾患の徴候を抑制する免疫応答を誘発できるときにのみ、その抗原を感染防御抗原又は免疫原と称する。
したがって、サブユニットワクチンの分野では、発現タンパク質が抗原性であっても免疫原性ではないことが多い。現場条件下で有効であり経済的に見合うワクチンの製造に十分な免疫原性でないことは言うまでもない。
しかし、サブユニットの免疫原性の最適化は、十分な発現収率を得ることとは相容れないことがある。これは、タンパク質を発現する細胞装置の過負荷及び崩壊が過剰発現によってもたらされることがあり、或いはタンパク質を自然に発現する細胞内で起こるのと同じ翻訳後修飾を異種タンパク質の発現に用いられる発現系がほとんど起こさないことによると考えられる。例えば、分泌又は表面露出(surface exposure)をもたらす疎水性シグナル配列のプロセシングは、細胞小器官又は外膜との相互作用を通して発現系細胞に問題を生じることがある。したがって、細胞発現系においてC末端疎水性アンカーシグナルなしでタンパク質サブユニットを産生させること、及びN末端シグナル配列を欠失させ又は修飾することが一般に行われている。しかし、この手法の欠点は、免疫原性が一般に低いことである。
このような方法で産生されるタンパク質の低免疫原性の問題を解決するために、アジュバントのサブユニット抗原(免疫刺激性物質)が一般に添加される。このような物質は比較的安価であり、極めて効率的な場合がある。頻繁に使用されるアジュバントは、例えば、アルミニウム塩、オイルエマルジョン、脂質A及びサポニンである。しかし、これらの物質のほとんどは、適用部位の組織炎症としてある種の局所的反応を引き起こす。これは、受療者に不快感を与え、動物用の場合には、生産性(例えば、乳又は卵の生産、飼料要求率)の低下、屠殺場での肉又は屠殺体の不適をもたらす恐れがある。
有効濃度で細胞障害性のあることが判明したこれらのアジュバントの1つは、キラヤサポニンである。サポニンの使用による局所的反応のタイプ及び強度は、適用量に依存することはもちろんであるが、使用材料又は特定のバッチの純度にも左右される。B.Ronnberg等(1995、Vaccine、13巻、1375〜1382ページ)は、様々なキラヤサポニン画分の溶血性細胞障害性について述べている。様々な画分の毒性濃度は5〜100μg/mlである。膨潤から皮膚変質、さらには実験に使用したマウスの死亡にまで及ぶ局所的反応が認められた。Pillion等(1996、J.Pharm.Sci.、85巻、518〜524ページ)は類似の研究で、濃度0.006〜1.5mMのキラヤサポニン誘導体による赤血球溶血について述べている。Leung等(1997、BBA 1325巻、318〜328ページ)は、細胞溶解原因が遊離サポニンと細胞膜中のコレステロールの反応であると述べている。
そのアジュバント活性を上回るサポニンの毒性を抑える常法は、免疫刺激性複合体(ISCOM)中に導入することである(国際公開第9611711号)。免疫刺激性複合体は、サポニン、リン脂質及びコレステロールを混合して形成される。条件が適正であれば、かご状構造をした粒子が形成される。抗原性タンパク質を組み込むと、表面にこれらの抗原を提示し、それによって感染細胞上の「自然な」抗原提示を模倣する粒子構造を生成させることができる(Morein,B.&K.L.Bengtson、1999、Methods、19巻、94〜102ページ、及び欧州特許第109.942号に概説されている)。
或いは、ISCOM−マトリックス粒子を生成させることができる。これは、サブユニット抗原が組み込まれていないが後で添加されるISCOM様粒子である。
どちらの場合でもキラヤサポニンの細胞障害作用が中和される。Hsu等(1996、Vaccine、14巻、1159〜1166ページ)は、エピトープを含む融合ペプチドをISCOM中に組み込むことによってこのような手法を選択した。
残念ながら、ISCOM及びISCOM−マトリックスの生成は複雑で費用がかかり、例えば動物用薬物に一般に適用するには不経済である。遊離サポニン、すなわちISCOMに組み込まれていないサポニンの使用はそれよりも簡単で安価である。しかし、アジュバントとして通常有効な濃度では、上述したように、サポニンの有害な細胞障害性が現れる恐れがある。
本発明の一目的は、大きな局所的有害作用がない有効な免疫刺激を与え、サポニンで補強されたタンパク質抗原の免疫原性組成物を費用効果の高い生成レベルで初めて提供することである。
今回、驚くべきことに、疎水性ペプチドを免疫原性タンパク質のコアに融合させることによって、この融合タンパク質が、効率的免疫応答を依然として誘導しながら、得られる組成物が局所的有害反応を引き起こさないような低濃度の遊離サポニンと結合(combine)することができることを見出した。
これは、サポニンをISCOM又はISCOM−マトリックス粒子に組み入れて細胞障害性を抑える一般的な傾向とは対照的である。また、これは、異種発現系において発現されるサブユニットタンパク質から伸びる疎水性アミノ酸(aa)を常法に従い除去することとは反対である。発現系から得られる融合タンパク質の収率が低下したとしても、遊離サポニンとしての免疫原性の増大、及び局所的有害反応の減少によって補われる。
したがって、本発明は、十分に安全で免疫学的に有効であり、経済性に見合うサポニン補強されたサブユニットワクチンを初めて提供するものである。
したがって、第1の側面において本発明は、融合タンパク質が、コアポリペプチドのN末端及び/又はC末端に融合する異種疎水性ペプチドを含み、コアポリペプチドが少なくとも1個の防御エピトープを含み、サポニンアジュバントが遊離型であることを特徴とする、融合タンパク質とサポニンアジュバントとを含む免疫原性組成物を提供する。
免疫原性組成物とは、受療者に投与すると感染又は疾患を抑える免疫応答をその受療者に誘発させる組成物であると理解される。これは、免疫系成分が刺激されることを意味する。これらの免疫系成分は、Bリンパ球、Tリンパ球、マクロファージ、キラー細胞、抗原提示細胞(APC)などの細胞成分、又は抗体、サイトカイン(例えば、インターフェロン又はインターロイキン)などの免疫系体液成分とすることができる。
本発明では、「タンパク質」という用語はアミノ酸分子鎖を意味する。タンパク質は、一定の長さに限定されるものではなく、必要に応じて、例えば、グリコシル化、アミド化、カルボキシル化又はリン酸化によってインビボ又はインビトロで修飾することができる。とりわけ、ペプチド、オリゴペプチド及びポリペプチドがこの定義に含まれる。タンパク質又はペプチドは、天然由来でも合成由来でもよい。
融合タンパク質とは、天然には存在しない2本以上のアミノ酸鎖の集合体である。これらの鎖は長さが同じでもよいが、通常は長さが異なり、異種疎水性ペプチドはコアポリペプチドより短くするのが好ましい。これらの鎖の結合は、いくつかの手段、例えば
−アミノ酸配列の直接的な又は中間体構造を経由した脱水、エステル化などによるカップリング、共役又は架橋によって化学的に、
−巨大分子構造中又は構造上での捕獲によるカップリングによって物理的に、
−2本の鎖の各々をコードすることができる各核酸断片を含む各組換え核酸分子の結合によって単一の連続した発現産物が最終的に産生される分子生物学的融合によって、実施することができる。
サポニンは、植物から抽出して得られる界面活性グリコシドである。よく知られているサポニンは、南アメリカシャボンノキ(South American soap tree)キラヤ サポナリア(Quillaja saponaria)[モリナ(Molina)]の樹皮から抽出されるキラヤサポニンである(Dalsgaard,K.、1974、Arch.Gesamte Virusforsch.44巻、243〜254ページ)。抽出方法に応じて様々なサポニン製品が得られる。スウェーデンIscotec AB社のSpikoside(商標)、デンマークSuperfos AS社のQuil A(商標)、デンマークNor−Vet社のQ−vac(商標)、米国Antigenics社のQS−21(商標)、チリDesert King社のVax−Sap(商標)などいくつかのキラヤサポニン製品が市販されている。粗製品もあれば精製品もある。
本発明では、サポニンは、コレステロール及びリン脂質と意図的に混合してISCOM又はISCOM−マトリックス粒子を生成させるのでなければ、遊離した形をしている。
アジュバントは、一般に、受療者の免疫応答を非特異的に増強する物質である。
疎水性ペプチドに結合するコアポリペプチドは、そのタンパク質の天然体には存在するN末端又はC末端疎水性領域を含まないポリペプチドに関係する。すなわち、本発明のコアタンパク質は、病原体又は生物から得られるタンパク質成分である。その天然体中に疎水性末端を含まないタンパク質は、その天然組成物をさらに修飾しなくても「コア」として働くことができる。
これらの疎水性領域は、化学的処置又は酵素による処置によってタンパク質から切り離すことができる。このようなタンパク質をコードする核酸配列は、これらの疎水性領域がもはや発現されないように遺伝子工学技術によって修飾されるのが好ましい。
原則的には、医学上重要なあらゆるタンパク質が、本発明のコアポリペプチドとして働くことができる。コアポリペプチドは、ヒト又は動物に疾患を起こすことが知られている又は予測される感染体又は生物学的要素の成分であることが好ましい。例えば、癌、HIV若しくはAIDS、(自己)免疫疾患、神経系疾患、神経変性病、呼吸器疾患又は皮膚病を引き起こす感染体若しくは感染要素。
より好ましくは、コアポリペプチドは、例えば、感染体から単離された後に、発現系において発現された後に、生きた組換えキャリア微生物(LRCM)中の挿入断片として使用することによって、又はDNAワクチンとして使用した後に、ワクチン接種試験において免疫原性の効力を示すタンパク質成分である。
本発明のコアポリペプチドとして働き得るこのようなタンパク質の例は、エンベロープ、マトリックス、細胞小器官又は核から得られるタンパク質、或いは寄生虫、細菌又はウイルス由来の非構造又は糖タンパク質、及びそれらの宿主中でそれらが誘導又は相互作用するタンパク質である。
さらに好ましくは、コアポリペプチドは、
・寄生虫タンパク質:例えば、アイメリア属寄生虫の(可溶性又は内部の)酵素、又はバベシア属由来の外抗原、メロゾイト表面抗原などの可溶性感染防御抗原、
・ウイルスタンパク質:例えば、レトロウイルス由来のタンパク質;エンベロープタンパク質gp20、gp40、gp120、rev、tat又はnefタンパク質、レトロウイルス群特異抗原;ニューカッスル病ウイルス融合又は赤血球凝集素−ノイラミニダーゼタンパク質;インフルエンザウイルス赤血球凝集素又はノイラミニダーゼタンパク質;ビルナウイルスVP2;コロナウイルスのスパイク又はマトリックスタンパク質;ペスチウイルスのエンベロープタンパク質Ems、E1又はE2;ブタの生殖及び呼吸器疾患ウイルスのウイルスタンパク質、
・細菌タンパク質:毒素、付着因子、繊維タンパク質、フィムブリエ(fimbriae)タンパク質、ピラム(pilum)タンパク質、外膜タンパク質など。
・誘導タンパク質:インターロイキン;インターフェロン;p53カスケード、HER−2/Neu、癌胎児抗原などの癌抗原;フィブロネクチン又はガングリオシドなどの腫瘍性血管新生因子;受容体分子など、の成分である。
異種という用語は、本発明では、結合するコアポリペプチドに関して、疎水性ペプチドの起源を指す。したがって、あるペプチドが、特定の種の生物又は病原体においてコアポリペプチドが由来するのと同じタンパク質の一部でない場合には、そのペプチドは異種起源である。例えば、バベシア ボビス(Babesia bovis)由来のBd37タンパク質のC末端疎水性ペプチドは、バベシア ダイバージェンス(B.divergens)由来のBd37タンパク質相同体のコアポリペプチドに融合するものであれば、異種ペプチドとして適格である。
一般に、疎水性ペプチドは、非極性環境を好むアミノ酸鎖であると理解される。このようなペプチドは、当分野では親油性又は水不溶性としても知られる。ペプチドの疎水性を評価することができるコンピュータアルゴリズムがいくつか開発されている。本発明では、Kyte&Doolittleのヒドロパシーアルゴリズム(J.Kyte及びR.F.Doolittle、1982、J.Mol.Biol.、157巻、105〜132ページ)を使用する。この広範に用いられているプログラムは、あるアミノ酸ウィンドウにわたって自由移動エネルギー(free transfer energy)の移動平均を計算して、データ点の表、又はグラフとして表すことができる疎水性プロファイルを作成する。表では正の移動平均数は疎水性アミノ酸を示し、疎水性プロファイルのグラフ表示では中央値よりも低い部分は疎水性である。
このアルゴリズムは、タンパク質分析又はタンパク質構造予測用ソフトウエアパッケージのほとんどで利用可能であり、インターネットを通してほとんどのバイオインフォマティクス研究機関のウェブページから入手できる。
本発明では、Kyte−Doolittle疎水性分析から得られるデータ点の60%以上が疎水性の値を示す場合にはペプチドを疎水性と考える。疎水性は、5個のアミノ酸のウィンドウを用いて計算されなければならない。疎水性百分率は、このような分析から得られるデータ表から計算される。すなわち、疎水性データ点の数(正の移動平均数)をペプチドのaaの総数で割る。好ましくは、Kyte−Doolittle疎水性分析から得られるデータ点の70%、より好ましくは80%、85%、90%、95%、98%又は100%が疎水性であり、数値が大きい方が好ましい。
Kyte−Doolittle疎水性プロファイルを説明すると、表1は、本発明の融合タンパク質を産生するために使用することができる様々な出所からの疎水性ペプチドであり、それらに付随する疎水性プロファイルを図1に示す。この図には疎水性百分率も記載してある。
本発明の疎水性ペプチドは、3〜200アミノ酸の配列、より好ましくは4〜150、さらにより好ましくは4〜100、さらにより好ましくは5〜75、最も好ましくは6〜50アミノ酸の配列を含む。
本発明の融合タンパク質を産生するために使用することができる疎水性ペプチドは、それらが由来するドナータンパク質の様々な領域から取得することができる。例えば、
・N末端:
シグナル配列などのN末端疎水性ペプチドは、メリチン(ミツバチ毒液)、ヒト組織プラスミノゲンアクチベーター(TPA)、酵母接合フェロモンアルファ因子、バキュロウイルスエンベロープ糖タンパク質gp67、仮性狂犬病ウイルスgXなどの多様なタンパク質から誘導することができる。これらのシグナル配列は、Izard&Kendall(1994、Mol.Microbiol.、13巻、765〜773ページ)、Claros等(1997、Curr.Opin.Struct.Biol.、7巻、394〜398ページ)、及びLammertyn&Anne(1998、FEMS Microbiol.Lett.、1巻、1〜10ページ)によって概説されている。
・内部:
内部疎水性ペプチド配列は、例えば、膜貫通領域(TMR)である。これらは、タンパク質のN末端又はC末端の近くに位置することができるが、例えば、膜貫通セグメントを含むタンパク質の場合にはさらに内部に位置することができる。例えば、麻疹ウイルス赤血球凝集素−ノイラミニダーゼから得られる膜アンカー、「7回膜貫通ドメイン」受容体のような膜貫通シグナル伝達受容体、膜チャネル、細胞の細孔及びポンプなどである。このようなシグナルは、Goder&Spiess(2001、FEBS Lett.、31巻、87〜93ページ)、von Heijne&Manoil(1990、Protein Eng.、4巻、109〜112ページ)、及びAlberts等、Molecular Biology of the Cell(2002、Garland Science publ.、ISBN:0815340729)のような一般テキストに概説されている。
・C末端:
C末端疎水性ペプチドは、例えば、ヒトCD14(単球分化抗原(NCBIタンパク質データベース受託番号P08571)、ニワトリTGF−β神経栄養因子受容体1(NCBI受託番号O13156)、及びサッカロミセス セレビシエ(Sacharomyces cerevisiae)細胞壁タンパク質1(表1及び図1参照)のC末端由来の、例えば、グリコシルホスファチジルイノシトール(GPI)アンカーシグナルである。このようなGPIアンカーの諸特性は、P.Englund(1993、Ann.Rev.BioChem.、62巻、121〜138ページ)及びChatterjee&Mayor(2001、Cell.Mol.Life Sci.、58巻、1969〜1987ページ)によって概説されている。
NB:NCBIタンパク質及び核酸配列データベースは、インターネット上のhttp://www.ncbi.nim.nih.govでアクセスすることができ、なかでも核酸配列又はタンパク質配列を得るためのそれらの使用は当分野でよく知られている。
Figure 2005532405
図1に示す疎水性プロファイルの計算に使用されるコンピュータパッケージ(Clone Manager、SeiEd software、Durham、USA)は、0を超える値を疎水性アミノ酸配列に帰属させ、親水性配列には負の値を与える。移動平均は、5個のaaのウィンドウにわたって計算される。
このようなプロファイルを計算する様々なコンピュータパッケージを使用するときには、わずかな違いがあり得ることは言うまでもない。しかし、疎水性アミノ酸領域と親水性アミノ酸領域の差は依然として明確である。
文献では、融合タンパク質は、一般に、下流のプロセシング中に容易に精製されると述べられている。しかし、この目的に使用される融合ペプチドは、本発明の疎水性ペプチドとしては不適である。
エピトープとは、T細胞受容体が応答する抗原性分子、又はB細胞が抗体を産生する抗原性分子の一部と理解される。したがって、本発明の防御エピトープは、特異的T細胞を誘導し、或いはB細胞を活性化して、これらの細胞又は抗体が感染又は疾患過程を阻む免疫反応を生じるように特異的抗体を産生する。したがって、このような防御エピトープによって、防御免疫応答を生じさせることができる。
防御エピトープは、本発明の融合タンパク質のコアポリペプチド部分に含まれる。
コアポリペプチドに結合した異種疎水性ペプチドもエピトープを含むことができる。融合タンパク質中に2個以上のエピトープが存在すると、本発明の融合タンパク質の免疫有効性をさらに高くすることができる。
今日、タンパク質エピトープを容易に特定する様々な技術が利用可能である。B細胞エピトープを検出するのに特に適切な1つの経験的方法はいわゆるPEPSCAN法である。これは、Geysen等、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、81巻、3998〜4002ページ(1984)、J.Imm.Meth.102巻、259〜274ページ(1987)、国際公開第84/03564号、国際公開第86/06487号、及び米国特許第4,833,092号に記載されている。PEPSCAN法は、実施が容易な迅速で定評のあるエピトープ検出方法である。この方法は、対象タンパク質に連続的に重複する一連のペプチド断片の合成、及びその後のタンパク質特異的抗体を用いたこれらのポリペプチドの試験を含む。
また、タンパク質のアミノ酸(又は核酸)配列(又は、それをコードする遺伝子)が与えられると、現在知られているエピトープとそれらの配列及び/又は構造上の一致に基づいて、特定のタンパク質領域を免疫学的に重要なエピトープとして指定することができるコンピュータアルゴリズムを利用することができる。これらの領域は、Hopp及びWoods(Hopp T.P及びWoods,K.R.、1981、Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.、78巻、3824〜3828ページ)による親水性判定基準と、Chou及びFasman(Adv.in Enzymology、47巻、45〜148ページ(1987)、及び米国特許第4,554,101号)による2次構造との組み合わせに基づいて求められる。このようなアルゴリズムの組み合わせを使用するプログラムの例はPepPlot(Gribskov等、1986、Nucl.Acids Res.14巻、327〜334ページ)である。
T細胞エピトープは、通常、(一般に、B細胞エピトープが位置する)極性親水性外面から離れて折りたたまれたタンパク質の疎水性領域中に隠れているので、コアポリペプチドに融合する異種ペプチドの疎水性は、T細胞エピトープを組み込むのに特に適している。
Berzofsky等(1987、Immunol.Rev.、98巻、9〜52ページ)によって概説されたように、T細胞エピトープは、短い線状アミノ酸配列からなり、APCによるそれらのプロセシングの後にのみMHC−Iとして免疫系に提示することができる。
多数ある例のうちの1つは、ヒトヘルペスウイルス4に由来するEBNA−3C核抗原(NCBI受託番号S27922)であり、表1及び図1にも記載されている。
T細胞エピトープは、Berzofskyの両親媒性基準を用いて、B細胞エピトープのようにコンピュータによって配列から予測することができる(1987、Science、235巻、1059〜1062ページ)。これは、Lu等(1992、Vaccine 10巻、3〜7ページ)に概説されている。これらの方法を使用する有効性は、H.Margalit等(1987、J.of Immunol.、138巻、2213〜2229ページ)に説明されており、このような方法を用いたT細胞エピトープの予測の成功率は75%と述べられている。
異種疎水性ペプチド及び/又はコアポリペプチドは、他の免疫活性化サインも含むことができる。このようなサインは、ケモカイン、免疫毒素などからの免疫賦活性シグナルを含むことができる。
本発明の融合タンパク質を産生する好ましい方法は、遺伝子工学技術及び組換え発現系を使用するものである。これらは、(組換え)核酸配列、LRCM及び宿主細胞の使用を含むことができる。
本発明の融合タンパク質をコードするのに使用することができる核酸配列は、当業者に周知の標準分子生物学技術によって取得し、操作して、発現させることができ、Sambrook&Russell:Molecular Cloning:a laboratory manual(2000、Cold Spring Harbor Laboratory Press;ISBN:0879695773)などの標準テキストに極めて詳細に説明されている。
本発明の融合タンパク質をコードする核酸を構築するために、DNAプラスミドを使用することが好ましい。このようなプラスミドは、例えば、DNA挿入断片量の増加、プローブとしての使用、及びさらなる操作のためのツールとしての使用に有用である。このようなクローニング用プラスミドの例は、pBR、pUC及びpGEMシリーズのプラスミドであり、これらすべてが複数の業者から入手可能である。
ポリペプチドコア及び疎水性ペプチドをコードするDNAは、例えば、別個のプラスミドにクローン化し、改変して所望のコンホメーションにし、次に1個の組換えプラスミドに合体させることができる。ペプチド及びコアの読み枠は、単一の連続融合タンパク質を発現することができるように並べられる。
本発明の疎水性ペプチド及び/又はコアポリペプチドをコードすることができる核酸配列は、例えば、制限酵素消化技術、部位特異的突然変異技術、又はポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)によって修飾することができる。PCRを実施する標準技術及び手順は、例えば、C.Dieffenbach&G.Dveksler;PCR primers:a laboratory manual(1995、CSHL Press、ISBN 879694473)に広範に記載されている。
タンパク質精製、検出、又は発現レベルの改善のために、追加の配列を加えることができる。これによって、疎水性ペプチドとコアポリペプチドの融合体をコードする配列よりも大きい組換え核酸分子又はプラスミド中の最終挿入断片を得ることができる。このような追加の要素をインフレームに挿入すると、これらは、本発明の融合タンパク質と一体になる。
組換え核酸分子からの核酸配列の発現に必須なのは、核酸配列の転写を制御できるように核酸が転写制御配列に作動可能に結合されていることである。転写制御配列は、当分野で周知であり、とりわけプロモーター及びエンハンサーを含む。使用している発現系においてプロモーターが機能的である限り、プロモーターは、遺伝子転写を誘導することができるあらゆる真核生物、原核生物又はウイルスのプロモーターから選択されることは当業者には明白である。
細菌、酵母、真菌、昆虫及び脊椎動物細胞発現系が極めて頻繁に使用される。このような発現系は当分野では周知であり、一般に、例えば、Invitrogen(オランダ)から市販されている。
本発明の融合タンパク質の発現に使用される宿主細胞は、融合タンパク質をコードする配列を発現する細菌由来のプラスミド又はバクテリオファージと併用される細菌起源の細胞、例えば、エシェリキア コリ(Escherichia coli)、バチルス サチリス(Bacillus subtilis)、ラクトバチラス(Lactobacillus)種又はカウロバクター クレセンツ(Caulobacter crescents)とすることができる。宿主細胞は、真核生物起源、例えば、酵母特異的ベクター分子と組み合わせた酵母細胞、又はベクター若しくは組換えバキュロウイルスと組み合わせた昆虫細胞のようなより高度の真核細胞(Luckow等;Bio−technology 6:47〜55(1988));例えば、Tiプラスミドに基づくベクター若しくは植物ウイルスベクターと組み合わせた植物細胞(Barton,K.A.等;Cell 32巻、1033ページ(1983));又はやはり適切なベクター若しくは組換えウイルスと組み合わせたHeLa細胞、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)若しくはCrandell−Reesネコ腎細胞のような哺乳動物細胞とすることもできる。
本発明の発現融合タンパク質の例は、異種疎水性配列が融合し、バキュロウイルス発現ベクター系中で発現される(例えば、NCBI受託番号CAC28131から誘導可能な)トリインフルエンザウイルスH5 HAタンパク質コアである。実施例4を参照されたい。
これらの発現系に次いで、植物細胞、又は寄生虫に基づく発現系が興味のある発現系である。寄生虫発現系は、例えば、仏国特許出願公開第2 714 074号、及び米国NTIS番号US 08/043109(Hoffman,S.及びRogers,W.、1993)に記載されている。生物学的に利用されるポリペプチドの植物細胞発現系は、例えば、R.Fischer等(1999、Eur.J.of Biochem.、262巻、810〜816ページ)、及びJ.Larrick等(2001、Biomol.Engin.18巻、87〜94ページ)に考察されている。
発現はいわゆる無細胞発現系においても実施することができる。このような系は、特定の系において機能するプロモーターに作動可能に結合された適切な組換え核酸からの発現に必須のすべての因子を含む。例は、エシェリキア コリ(E.coli)溶解系(Roche、Basel、Switzerland)、又はウサギ網状赤血球溶解系(Promega corp.、Madison、USA)である。
本発明のこの側面の好ましい形態においては、本発明による免疫原性組成物は、コアポリペプチドがアピコンプレックス門生物のタンパク質成分であることを特徴とする。
アピコンプレックス門には、(獣医学)医学的に関連するメンバーを含むいくつかの分類群、例えば、ピロプラズマ目、コクシジウム亜綱及び住血胞子虫目が属する。本発明は、例えば、異種疎水性ペプチドに融合したプラスモディウム ヨエリ(Plasmodium yoelii)MSP−119コア(Ling等、1994、Parasite Immunol.、16巻、63〜67ページ)を含む融合タンパク質を産生するために極めてうまく使用される。
より好ましい形態では、本発明による免疫原性組成物は、コアポリペプチドがピロプラズマ目又はコクシジウム亜綱の生物のタンパク質成分であることを特徴とする。
ピロプラズマ目には、いくつかの関連する分類群、例えば、それぞれ関連するバベシア属及びタイレリア属を含むバベシア科及びタイレリア科が属する。
コクシジウム亜綱には、なかでも、アイメリア、クリプトスポリジウム、ネオスポラ、トキソプラズマなどの関連する属を含むアイメリア科、クリプトスポリジウム科及びウマニクホウシムシ科が属する。
この側面のさらにより好ましい形態においては、本発明の免疫原性組成物は、コアポリペプチドがアイメリア属又はバベシア属の生物のタンパク質成分であることを特徴とする。
上で概説したように、本発明の融合タンパク質を生成するために使用することができる疎水性ペプチドは、それらの疎水性ペプチドが由来するドナータンパク質の異なる領域、例えば、N末端、内部又はC末端から得ることができる。
したがって、本発明の第1の側面の別の好ましい実施形態においては、異種疎水性ペプチドはN末端の疎水性配列に由来する。
本発明の第1の側面の別の好ましい実施形態においては、異種疎水性ペプチドは内部の疎水性配列に由来する。
本発明の第1の側面のさらに別の好ましい実施形態においては、異種疎水性ペプチドはC末端の疎水性配列に由来する。
好ましい実施形態においては、C末端疎水性配列は崩壊促進因子(DAF)に由来する。
CD 55としても知られる崩壊促進因子は、そのC末端に疎水性アミノ酸領域を有する。これは、GPIアンカーとして機能する(なかでも、Nicholson−Weller&Wang、1994、J.Lab.Clin.Med.、123巻、485〜491ページによって概説されている)。疎水性プロファイルを図1に示す。表1に示すように、使用したDAF C末端のアミノ酸配列は、アミノ酸Thr−352からペプチド配列の最後のaaであるThr−381までに対応する(NCBI受託番号:B26359)。
融合タンパク質構築体にDAF C末端疎水性領域を使用することはすでに報告されている(例えば、Field等、1994、J.Biol.Chem.8巻、10830〜10837ページ)。しかし、これは、常に、表面タンパク質の投錨及び遊離の機序を研究することを目的としていた。
本発明の融合タンパク質のクローニング及び発現の例は、実施例1及び2に記載するバベシア ダイバージェンス(B.divergens)Bd37コアポリペプチドへのヒトDAF C末端の融合である。この融合タンパク質に基づく免疫原性組成物を用いたワクチン接種を実施例3に記載する。
本発明の第1の側面のさらに別の好ましい実施形態においては、サポニンアジュバントはキラヤサポニンである。
サポニンについては先に詳述した。
本発明の第1の側面の最も好ましい実施形態においては、本発明による免疫原性組成物は、融合タンパク質が、DAF由来のC末端疎水性配列のC末端融合を有するバベシア ダイバージェンス(B.divergens)Bd37コアポリペプチドを含み、サポニンアジュバントがQuil Aであることを特徴とする。
節足動物宿主を介して移る寄生虫バベシア ダイバージェンス(B.divergens)は、ウシのバベシア症を引き起こし、ヒトの既知の動物原性感染症である。これは、Kuttler,K.L.によって概説されている(「Babesiosis of domestic animals and man」、M.Ristic編、1988、CRC Press,Inc.、Boca Raton、FI、USA。
バベシア ダイバージェンス(B.divergens)の分離株Rouen 1987はヒトバベシア症患者に由来し、B.Carcy等によって述べられたBd37外抗原を研究するために使用された(1995、Infect.&Immun.、63巻、811〜817ページ)。対応するcDNAのヌクレオチド配列は、NCBIデータベースから受託番号AJ422214として利用可能である。本発明のコアポリペプチドとして利用することができるBd37のコアポリペプチドは、NCBI受託番号CAD19563として利用可能なタンパク質配列であるN末端及びC末端疎水性配列がないBd37配列を含む。例えば、Bd37−コアは、NCBI受託番号CAD19563のSer−25からSer−316までからなる(Ser−316を含む)。
Bd37コアポリペプチドを用いたワクチン接種実験が公表されている。N.Grande等(1998、Parasitology Int.、47巻、269〜279ページ)は、遊離Quil A中の(とりわけ、コアポリペプチドに類似した可溶性Bd37を含む)バベシア ダイバージェンス(B.divergens)外抗原を用いてワクチン接種実験を実施した。しかし、本発明の融合タンパク質は使用されておらず、企図されてもいない。
本発明の別の側面は、ワクチンに使用される免疫原性組成物に関係する。
本発明の別の側面は、本発明による免疫原性組成物及び薬剤として許容される担体を含むことを特徴とするワクチンに関する。
薬剤として許容される担体は、ワクチンを接種した受療者にワクチン接種しないときに認められる作用よりも軽度の有害作用しか受療者の健康に及ぼさない化合物であると理解される。
薬剤として許容される担体は、例えば、滅菌水又は無菌の生理学的塩溶液とすることができる。より複雑な形態の担体は、例えば、緩衝剤とすることができる。
本発明によるワクチン、又は追加の免疫活性成分を含むワクチンは、いわゆる「ビヒクル」をさらに含むことができる。ビヒクルは、融合タンパク質が共有結合的に結合せずに付着する化合物である。このようなビヒクルは、とりわけ、バイオマイクロカプセル、マイクロアルギン酸(micro−alginates)、リポソーム及びマクロゾル(macrosols)であり、すべて当分野で既知である。また、ワクチンは、1個以上の適切な界面活性化合物又は乳化剤、例えば、Span(商標)又はTween(商標)を含むことができる。
ワクチンは、例えば、分解し易いタンパク質を分解から保護する安定剤を混合して、ワクチンの品質保持期間を延長し、又は凍結乾燥効率を改善することが多い。有用な安定剤は、とりわけ、SPGA(Bovarnik等、1950、J.Bacteriology、59巻、509ページ)、炭水化物、例えば、ソルビトール、マンニトール、トレハロース、デンプン、スクロース、デキストラン又はグルコース、アルブミン、カゼインなどのタンパク質、或いはその分解生成物、及びアルカリ金属リン酸塩などの緩衝剤である。また、ワクチンは、使用前に、生理学的に許容される希釈剤に懸濁させることができる。免疫反応を高める他の方法、ビヒクル化合物又は希釈剤を添加する他の方法、タンパク質を乳化又は安定化する他の方法も本発明において実施できることは言うまでもない。
本発明によるワクチンの好ましい実施形態は、少なくとも1個の追加の免疫活性成分を含むことを特徴とするワクチンに関係する。
追加の免疫活性成分は、抗原、免疫促進物質及び/又はワクチンとすることができ、これらのいずれもがアジュバントを含むことができる。
追加の免疫活性成分は、抗原の形である場合には、ヒト又は動物に重要なあらゆる抗原体からなることができる。追加の免疫活性成分は、例えば、タンパク質、炭水化物、リポ多糖、タンパク質抗原をコードする核酸、転写制御配列に作動可能に結合された核酸を含む組換え核酸分子などの生物学的分子又は合成分子を含むことができる。このような核酸を含む宿主細胞、組換え核酸分子、又はこのような核酸を含むLRCMも、核酸や追加の抗原を送達する方法とすることができる。或いは、追加の免疫活性成分は、寄生虫、細菌、ウイルスなどの細分された(fractionated)又は死んだ微生物を含むことができる。
免疫促進物質の形の追加の免疫活性成分は、例えば、ケモカイン及び/又は免疫活性化配列(例えば、CpGモチーフ)を含むことができる。
或いは、免疫原性組成物又は本発明によるワクチン自体を、ワクチンに添加することができる。
本発明によるワクチンは、防御すべき特定の疾患に応じて、当分野で既知の方法によって受療者に投与することができる。
このような方法は、例えば、皮膚中又は経皮のすべての注射経路、例えば、筋肉内、静脈内、腹腔内、皮内、粘膜下、皮下などの非経口投与を含む。また、それらは、目、鼻、口、肛門又は膣の粘膜上皮、或いは体のあらゆる部分の外皮の表皮に液滴剤、噴霧剤、ゲル剤、軟膏剤として局所投与することができる。他の可能な投与経路は、噴霧、エアゾール、又は気道吸入による散剤投与によるものである。この最後のケースでは、使用する粒径によって粒子の気道侵入深さが決まる。或いは、例えば、散剤、液剤又は錠剤として食物、餌又は飲料水と混合して、或いは液剤、ゲル剤、錠剤又はカプセル剤として口に、或いは坐剤として肛門に直接投与することによって、消化経路を経て投与することができる。
最適な投与経路が、予防又は改善すべき感染又は疾患の特殊性、及び使用する免疫原性組成物又はワクチンの特性によって決まることは言うまでもない。
本発明によるワクチンの標的となる対象はヒトでも動物でもよい。動物は、魚類、両生類、は虫類、鳥類又は哺乳類とすることができる。これらの標的は、健康でも病気でもよく、血清陽性でも血清陰性でもよい。標的対象は、ワクチン接種及び/又は防御すべき感染若しくは疾患に感受性が高いあらゆる年齢とすることができる。
本発明の融合タンパク質に基づくワクチンは、受療者当たり0.1〜100マイクログラムのタンパク質を含む量を極めて適切に投与することができるが、これよりも少ない用量でも多い用量でも原則的には使用することができる。
受療者にワクチン又は薬剤化合物を適用する部位において認められることがある有害作用は、「局所的」又は「有害」反応として当分野で一般に既知であり、様々な方法によって観察し、評価することができる。
・観察:受療者の不快感又は嗜眠、体温上昇、歩行障害、摂食減退、例えば乳、卵の生産又は飼料要求率の低下。
・巨視的:腫脹サイズ、色、出血又は浮腫の存在、組織の一貫性、膿瘍形成又は壊死。
・微視的:特定の組織又は細胞タイプへの病変部の局在化、病変部タイプ、重篤度など
サポニンアジュバントを、このような局所的反応の徴候があまり発生しない低濃度の遊離した形で使用できることが本発明の利点の1つである。
本発明では、特定の組成物及び標的種に応じて、用量当たり1μg〜5mgのサポニン濃度を使用することができる。
サポニンミセルが意図的に形成されないようなサポニン濃度を使用することが好ましい。例えば、これは、Quil Aの場合には300μg/ml(0.03%)の臨界ミセル濃度(cmc)未満の濃度を使用することを意味し(Morein,B.等、1984、Nature、308巻、457〜460ページ)、QS−21の場合には26μMのcmc未満の濃度を使用することを意味する(C.R.Kensil、「Vaccine adjuvants」、D.T.O’Hagan編15章、Humana press 2000、ISBN:0896037355)。cmcで形成されるミセルの概念は当業者には周知であり、例えば、Remington、「The science and practice of pharmacy」(21章、第20版、2000、Lippincot、USA、ISBN:683306472)に記載されている。
本発明による免疫原性組成物に基づくワクチンは、マーカーワクチンとしても極めて適切である。
例えば安定性又は経済性のために、本発明のワクチン、又は追加の免疫活性成分を含むワクチンを凍結乾燥させることができる。一般に、これによって、0℃を超える温度での保存期間を延ばすことができる。
凍結乾燥手順は当業者には既知であり、あらゆる規模の凍結乾燥装置が市販されている。
したがって、より好ましい一実施形態においては、本発明によるワクチンは、凍結乾燥された形であることを特徴とする。
本発明の別の側面は、本発明による免疫原性組成物と薬剤として許容される担体とを混合することを含むことを特徴とする本発明によるワクチン調製方法である。
免疫原性組成物と薬剤として許容される担体は、いくつかの方法、例えば、混合によって組み合わせてワクチンにすることができる。得られたワクチンは、標的に対する所望の投与方法に応じて、いくつかの剤形、例えば、液剤、ゲル剤、軟膏剤、散剤、錠剤又はカプセル剤とすることができる。
本発明の別の側面は、ワクチン製造のための本発明による免疫原性組成物の使用を含む。
以下、本発明を、以下の非限定的な実施例によってさらに詳細に説明する。
実施例
組換え構築体のクローニング
Bd37 cDNA:
寄生虫バベシア ダイバージェンス(B.divergens)、Rouen 1987系統に由来するBd37遺伝子の単離及びクローニングは、欧州特許第1050541号、実施例1に広範に記載されている。手短に述べると、バベシア ダイバージェンス(B.divergens)、Rouen 1987系統に感染したヒト赤血球のmRNAからcDNA発現ライブラリを調製した。このライブラリを、抗Bd37ポリクローナル抗血清を用いてスクリーニングした。陽性クローンから、挿入断片を回収し、サブクローニングしてプラスミドpBK−CMV−Bd37を作製した。
His+Bd37−コア
pBK−CMV−Bd37プラスミド(欧州特許第1050541号、実施例1)をテンプレートとして使用して、プライマーpQEUp及びpQEDown(表2参照)を用いて、94℃1分間、55℃1分間及び72℃1分間の20サイクルで、各dNTP200μM、各プライマー200nM、TurboPfu(商標)ポリメラーゼ酵素(Stratagene)2.5Uを用いて、最終体積50μlで、N末端又はC末端疎水性配列Bd37挿入断片を含まないBd37遺伝子の中心部を増幅した。所望の収率に応じてテンプレートDNAを50ng〜1μgの量で使用した。
プライマーpQEUpはインフレームBamHI部位を生じ、一方、プライマーpQEDownは HindIII部位を生じる。BamHI−HindIII消化後、(NCBI受託番号CAD19563からの)Ser−25からSer−316までのBd37タンパク質コアをコードする部分を含む核酸を得た。
Sigma−Genosys(Cambridge、UK)によってプライマーを合成した。
PCR産物を、run−One(商標)電気泳動システム(Bioblock、France)中で、0.8%アガロースゲル(電気泳動グレード、Eurobio、France)上に載せ、(25xTAE原液、Euromedexから調製した)0.5xTA中100Vで泳動させるアガロースゲル電気泳動によって精製した。所望の産物に対応するバンドをゲルから切り取り、ゲル抽出Spinキット(商標)(Q−Bio−Gene)を用いてそのゲルスライスからDNAを単離した。DNA断片をBamHI及びHindIIIで消化し、ゲルを再度精製した。
得られた断片を、T4 DNAリガーゼ(MBI Fermentas、France)を用いたライゲーションによって、BamHI−HindIIIで消化されたpQE−30ベクター(Qiagen)に、2mM ATP(Sigma)を補充した1xリガーゼ緩衝剤(MBI Fermentas)中で室温で3時間連結した。ベクター:挿入断片比は通常1:3であり、使用した消化ベクターの量は0.5〜1μgであった。
消化後、ライゲーション前に、プラスミドを、子ウシ腸アルカリホスファターゼ(CIAP、Promega)の1xCIAP緩衝剤(Promega)溶液を用いて37℃で1時間ホスファターゼ処理した。
ライゲーション混合物をJM109 supercompetent(商標)エシェリキア コリ(E.coli)細胞(Promega)に形質転換した。これらの細胞をアンピシリン含有寒天板上に蒔き、Bd37タンパク質が発現されていないかどうかタンパク質ミニ発現によってコロニーを調べた。手短に述べると、終夜培養物を10倍希釈することによってLB培地中の少量(5ml)の細菌培養を開始し、振とうしながら37℃で2時間インキュベーションした後に、1mM IPTG(Euromedex)を添加して組換えタンパク質を発現させた。3時間の誘導後に、遠心分離(15分間、4000xg)して細胞を収集し、変性溶解緩衝剤(8Mウレア、1%v/v Triton X−100、50mM Tris、pH=8)1mlに溶解した。2秒間休止サイクルで2分間溶解物を氷上で超音波処理し、遠心分離した(15000xg、10分間)。不純物を除いた溶解物を、NiNTAアガロース樹脂(Qiagen)50μlの存在下で20分間氷上で時折振とうしながらインキュベートした。タンパク質の詰まった樹脂を洗浄緩衝剤1ml(8Mウレア、1%v/v TX−100、50mM Tris、pH=6.3)で3回洗浄し、タンパク質を溶出緩衝剤(8Mウレア、1%v/v TX−100、50mM Tris、pH=4.5)で溶出させた。クーマシーブリリアントブルー(CBB)で染色した12%ポリアクリルアミドゲル中でのSDS−PAGE、及び抗Hisタグモノクローナル抗体(Qiagen)を用いたウエスタンブロットによって、組換えタンパク質の有無を評価した。
Bd37発現が陽性な1個のアンピシリン耐性コロニーから、LB培地5ml中、37℃で振とうしながら終夜インキュベーションして細菌培養物を生成させ、終夜培養物2mlを用いたJetQuick(商標)ミニプレップキット(Q−Bio−Gene、France)を用いてプラスミドpQE−His−Bd37を単離した。
pQE−30ベクターを使用して、6aaヒスチジンリンカーをインフレームでBd37コアポリペプチドに融合させる。
His+GST
上記6xHis−Bd37−コア構築体と類似した手順によってpQE−His−GSTを作製した。プラスミドpGEX 4T1(商標)(Amersham biosciences)をプライマーpQEGSTUp及びpQEGSTDown(表2参照)のテンプレートとして使用した。こうして、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ遺伝子を増幅した。PCR産物をゲル精製し、BamHI及びHindIIIで消化し、消化された脱リン酸化pQE−30ベクターに連結した。こうして、6xヒスチジンポリペプチドとGSTペプチドをインフレームで融合させた。
His+Bd37−コア+DAF
3ラウンドのPCR後に6xHis−Bd37−DAFタンパク質をコードするDNA断片を構築した。第1ラウンドでは、pBK−CMV−Bd37プラスミドをプライマーT3及びBd37recursUp(表2参照)用テンプレートとして使用した。得られたPCR産物をゲル精製し、第2ラウンドのPCR用テンプレートとして使用した。プライマーBd37recursEnd 50nMと、プライマーT3及びBd37DAFcの各400nMとを用いてPCR産物100ngを増幅した。得られたPCR産物は、その未変性N末端疎水性配列、及びDAF C末端疎水性領域のC末端融合を有するBd37コアを含んでいた。このPCR産物をゲル精製し、1mM ATPを含む増幅緩衝剤中にて72℃で30分間Taqポリメラーゼ(Sigma)とともにインキュベーションして3’デオキシアデノシンオーバーハングを付け、次いで、TOPO TA(商標)クローニングキット(invitrogen)を用いてプラスミドpCR−II(Invitrogen)にクローン化した。最後に、この構築体をプライマーpQEUp及びpQEBd37DAF用テンプレートとして使用して、BamHI及びHindIII制限酵素切断部位を導入し、N末端シグナル配列を除去した。この断片を、上述したように、消化された脱リン酸化pQE−30ベクターにクローン化した。Big Dyeターミネーター法を用いたGenome Express S.A.(Meylan、France)によって実施されるDNA配列決定によって、完成した構築体を検証した。得られた挿入断片は、N末端が6xHisに融合し、C末端がDAF−C末端疎水性領域に融合したBd37−コアを含んでいた。
GST+Bd37−コア
上で概説したのと類似の手順を用いて、GSTペプチドとBd37コアポリペプチドのインフレーム融合体を発現可能なプラスミドを構築した。このために、pBK−CMV−Bd37プラスミドをプライマーpQEUp及びpQE70N用テンプレートとして使用した。これらのプライマーによって、インフレームBamHI制限酵素切断部位を有する増幅断片が得られる。PCR産物をBamHIで消化し、BamHI消化された脱リン酸化pGEXベクターに連結した。(溶解緩衝剤が1mg/mlリゾチーム及び1%v/v TX−100を含有するPBSであり、洗浄緩衝剤が溶解緩衝剤と同じであり、45mMグルタチオン(Sigma)を含有する50mM Tris、pH=8で溶出させる以外は)上述したように、ライゲーション産物をJM109細胞に形質移入し、細胞を培養し、pGEX−GST−Bd37プラスミドを単離し、タンパク質ミニ発現法によって組換えタンパク質発現を確認した。
図2に、これらのプラスミド挿入断片から発現され得る様々な組換え(rec)タンパク質を図示した。
Figure 2005532405
recタンパク質の発現
細菌タンパク質発現:
細菌形質移入(Bacterial transfection):
各組換えタンパク質を発現させるために、エシェリキア コリ(E.coli)の終夜前培養物(overnight preculture)をエレクトロポレーションによって形質移入した。pQEプラスミド中の構築体をエシェリキア コリ(E.coli)系統M15[pREP4](Qiagen)に形質移入し、pGEX−GST−Bd37プラスミドをエシェリキア コリ(E.coli)BL 21(Amersham biosciences)に形質移入した。GenePulser II(商標)(Bio−Rad)の原核生物モジュールを用いて、272mMグルコース、5mM MgCl及び10%(v/v)グリセリンの水溶液のエレクトロポレーション媒体の1mmキュベット(Bio−Rad)中でエレクトロポレーションを実施した。電気パルスを1.5kV、200Ω、25μFに設定した。次に、細胞をSOC培地中で37℃で1時間インキュベートし、アンピシリン含有LB寒天板に蒔いた。翌日、JetQuickミニプレップキット(Q−Bio−Gene)を用いたプラスミド−ミニプレップによって個々のコロニーが正しいプラスミドを含んでいるかを検査し、これらのいくつかについて、上述したように、所望のrecタンパク質を正確に発現しているかどうかをタンパク質ミニ発現によって試験した。
細菌発現:
pQE構築体:
異なるpQEプラスミド構築体を含むエシェリキア コリ(E.coli)M15[pRE4]細胞の各々を、100μgアンピシリン、25μg/mlカナマイシン及び0.01%v/v消泡剤209(Sigma)を含有する37℃のLB培地中で終夜培養した。翌朝、新しい培地で培養物を1:10希釈し、さらに1時間培養した。次いで、1mM IPTGを添加して挿入断片の発現を誘導した。培養をさらに4時間続けた。次に、細胞を遠心分離(4000xg、20分間)してペレット化し、1%v/v Triton X−100(商標)、1mg/mlリゾシーム(lysosyme)及び1mMフェニルメチル−スルホニルフルオライド(PMSF)(Sigma)を含有するHisタグ溶解緩衝剤に再懸濁させた。使用するまで溶解物を−80℃で保存した。
解凍後に、DNAse I酵素(Life Technologies)500Uを添加し、氷上で20分間インキュベートし、次いで、懸濁液を氷上で2秒間休止サイクルで2分間超音波処理した。超音波処理物を9000xgで20分間遠心分離した。上清を、1.2、0.45及び最後に0.22μmフィルター(Pall Gelman、France)を通して順次ろ過した。最後に、FPLC Ni2+ HiTrap(商標)カラム(Pharmacia)によってろ液を分離した。タンパク質の詰まったカラムを、20mMイミダゾール(Sigma)を補充したHisタグ溶解緩衝剤で洗浄した。最後に、200mMイミダゾールを含有するHisタグ溶解緩衝剤でrecタンパク質を溶出させた。
pGex構築体:
pGEXプラスミド構築体を含有するエシェリキア コリ(E.coli)BL21細胞の各々を、100μgアンピシリン及び0.01%v/v消泡剤209(Sigma)を含有する37℃のLB培地中で終夜培養した。培養物を新しい培地で1:10希釈し、培養を1時間続けた。0.1mM IPTGを添加してタンパク質発現を誘導し、培養をさらに3時間続けた。上述したように、細胞をペレット化し、1%v/v Triton X−100(商標)、1mg/mlリゾシーム及び1mM PMSFを含有するリン酸緩衝食塩水(PBS)に再懸濁させた。上述したように、溶解物を−80℃で保存し、解凍し、DNAse Iと混合し、超音波処理し、遠心分離した。グルタチオン−セファロースビーズ(Sigma)を用いて上清を精製した。PBS/1%TX−100(商標)でビーズを洗浄し、50mM Tris(pH 8)と45mMグルタチオン(Sigma)を含有する緩衝剤でrecタンパク質を溶出させた。
SPA−Rouen 1987
可溶性寄生虫抗原(SPA)は、バベシア ダイバージェンス(B.divergens)に感染した赤血球培養物の培養上清である。Carcy等によって述べられた(1995、Infect.Imm.63巻、811〜817ページ)。Bd37疎水性末端領域の切断のコンピュータ予測に基づいて、このSPA体は、組換え構築体に使用されるBd37−コアポリペプチドよりもN末端側がわずかに大きいBd37−コアポリペプチドを含む。これは、Asn−20からSer−316までのBd37タンパク質からなると予測される。また、赤血球と細菌宿主細胞の翻訳後プロセシングに違いがあってもよい。
手短に述べると、RPMI 1640(Invitrogen)及び5g/l Albumax(精製ウシ血清アルブミン、Invitrogen)中、37℃、5%CO雰囲気でヒト赤血球を培養した。この培養物を、フランスのヒト分離株Rouen 1987に由来するバベシア ダイバージェンス(B.divergens)寄生虫に初期寄生虫血1%、ヘマトクリット値5%で感染させた。寄生虫血が30〜40%になるまで培地を毎日交換した。その時点で、培地を使用してQuil Aを含む対照ワクチンを調製した。
図3に、いくつかのrecタンパク質を可視化したCBB染色SDS−PAGEゲルを示す。標準条件でゲル泳動させた。手短に述べると、上述したように細菌培養物から得たrecタンパク質試料を試料緩衝剤中で煮沸し、12%ポリアクリルアミドゲル上に載せ、SDS−PAGE試料緩衝剤に含まれるブロモフェノールバンドがゲル底部に達するまでTris−グリシン−SDS泳動緩衝剤中140Vで泳動させた。次に、ゲルを染色し、メタノール−酢酸−CBBで固定し、終夜脱染した。ゲルを80℃で1時間減圧乾燥させ、最後に走査してデジタル保存した。
各レーンでは等量の細菌試料を使用したので、バンド強度の相対差は、疎水性ペプチドを含む構築体の換算発現効率を反映している。例えば、レーン2と3を比較すると、6xHis+Bd37−コアは、6xHis+Bd37−コア+DAFよりも効率的に発現される。
ワクチン接種負荷実験:
実験ワクチン:
クーマシーを利用したタンパク質アッセイキット(Pierce)を用いて、精製された細菌発現recタンパク質を標準試料とともに分光測定によって定量した。次いで、RPMI体積250μl中で最終タンパク質濃度が1μgになるように無血清RPMI培地で細菌発現recタンパク質を希釈して、(12匹のスナネズミに十分な)ワクチン3mlを調製した。
SPAワクチンの場合には、バベシア ダイバージェンス(B.divergens)Rouen 1987 Albumax培地3mlを同様に使用した。
新しいサポニンQuil A、バッチL77−163(Superfos、Denmark)原液のRPMI培地溶液を10mg/mlで調製し、この溶液90μlをワクチン溶液3mlに添加し、チューブを(3〜4回、室温で)叩いて混合した。したがって、各ワクチン用量250μl中のサポニン最終量は75μgであった。
スナネズミの免疫化:
recタンパク質ワクチンの各々を、1つの檻の中で飼育した8〜9週齡の10匹のスナネズミ(Meriones unguiculatus)のグループに投与した。個体識別のために各動物に印をつけた。250μlを3週間隔で2回皮下注射した。
対照として、250μl/用量のSPA(バベシア ダイバージェンス(B.divergens)Rouen 1987の培養上清)を含めた。
1グループのスナネズミをワクチン接種せずに負荷対照とした。
2回目のワクチン接種から3週間後に、バベシア ダイバージェンス(B.divergens)ミュンヘン系統に感染した1000個のスナネズミ赤血球を腹腔内注射する攻撃感染を行った。攻撃寄生虫は、スナネズミで3回継代してその病原性を確認済みである。
負荷前後の血液試料を数回採取して、貧血及び寄生虫血症の発生をモニターした。動物のストレスを減少させるために、各試料採取日に半数のスナネズミからこれらの値を求め、その後はサブグループを交替させた。ある試料採取日の血液試料をプールした各実験グループについて、ヘマトクリットを%パック細胞容積(%PCV)として表し、寄生虫血を血液の薄層塗抹から顕微鏡で読み取った。
結果と考察:
Figure 2005532405
1匹を除いて、ワクチン接種しなかった対照動物のすべてが攻撃感染後に死亡した。これは、負荷が、ワクチン効力を決定するのに十分な過酷さであることを示している。6xHis+GST融合タンパク質及び6xHis+Bd37−コア融合タンパク質で免疫したスナネズミでも類似した結果が得られた。これらのグループでは、全身の寄生虫血症及び重度の貧血(ヘマトクリット値が30%を超えて減少)によってすべての動物が死亡した。これは、6xHis又はGSTペプチド成分では有効な防御作用を得ることができず、Bd37−コアポリペプチド自体でも得ることができないことを示している。予想通り、6xHisは本発明の異種疎水性ペプチドとして不適である。
GST+Bd37−コア融合タンパク質ワクチンを投与した動物では、負荷に対するいくらかの防御作用が認められた。おそらく、これは、融合タンパク質のサイズ(GST:28+Bd37−コア:32kDa)のためであろう。
しかし、この防御作用レベルは、His+Bd37−コア+DAF融合タンパク質ワクチンから得られるものよりもはるかに低かった。Quil A中の疎水性C末端を含むこの融合タンパク質によって、1匹を除くすべてのワクチン接種動物が生存し、感染(寄生虫血症及び貧血)の徴候すら見られなかった。この生存率の差は、対照と比較して統計的に有意であった(p<0.01、X検定)。
欧州特許第1050541号に記載されたように、Quil A中の未変性Bd37 SPA Rouen 1987は、異種攻撃感染からスナネズミを防御する。しかし、本実験では、異種攻撃が過酷であるために10匹のうちわずか6匹のスナネズミしか生存せず、7匹は貧血となった。
使用した攻撃系統(ミュンヘン)が、Bd37−コアポリペプチド及びSPAタンパク質(Rouen 1987)を得るために使用されたものとは異なるので、異種攻撃と称される。当分野で周知のとおり、このような異種攻撃に対する防御作用は、相同の攻撃に対するものよりもはるかに得にくい。
重大な負の局所的反応は、これらのワクチン接種に使用されたQuil A量(75μg/用量)では認められなかった。
結論:
これらのワクチン接種負荷実験によれば、Bd37−コアに融合した異種疎水性配列が存在することによって、Quil A中のこの融合タンパク質は、10匹の非ワクチン接種動物のうち9匹を死亡させる過酷な異種攻撃感染に対して10匹の動物のうち9匹を救うことができる。Quit A中の対照融合タンパク質や非融合Bd37−コアポリペプチドのワクチンでは防御作用はほどんど認められなかった。Quil A中の「未変性Bd37−コア」ポリペプチド(SPA)によるワクチン接種では中程度の防御作用が誘導された。
異種疎水性C末端融合を有するAIV H5タンパク質の構築、発現、及びワクチン接種における使用
疎水性C末端融合を有するAIV HA5遺伝子の構築:
トリインフルエンザウイルス(AIV)系統A/ヒヨコ/イタリア/8/98(H5N2)に由来するHA5遺伝子をcDNAとして利用可能であった。バキュロウイルス発現系Bac−2−Bac(商標)(invitrogen)のpFastbac1ベクターにこれをクローン化した。次に、この構築体をClaI及びRsrII制限酵素で消化して、C末端の42個のアミノ酸を含む断片をHA5遺伝子から除去し、それによって、対応するH5タンパク質の膜貫通領域の完全なコード領域を欠失させた。
2個のリンカー、すなわち、アミノ酸配列:FAAVPSSLSAIVFGIIVSMFを含む疎水性領域であるBd37遺伝子のC末端の20個のアミノ酸をコードするBd37HG3’−forw及びBd37HG3’−rev(表2参照)を設計した。2個のリンカーは、2個のリンカーをアニールすると形成される制限酵素切断部位、すなわち、5’ClaI部位及び3’RsrII部位も含む。
2個のリンカーをアニールし、ClaI−RsrIIで消化したpFastBacHA5プラスミドに連結して、プラスミドpFastBacHA5−Bd37を構築した。このHA5−Bd37構築体は、Bd37タンパク質に由来する疎水性C末端のC末端融合を含むAIV H5タンパク質をコードした。このHA5−Bd37構築体のC末端アミノ酸配列は、(AIV−H5アミノ酸516から開始される)EISGVKLEFAAVPSSLSAIVFGIIVSMFである。
バキュロウイルス中での発現:
製造者(Invitrogen)の指示に従って、プラスミドpFastBacHA5から組換えバキュロウイルスを生成させた。発現に使用した細胞はSf9及びSf158細胞であった。これらを100及び250ml Belicoマイクロキャリアスピナーフラスコ中で培養した。使用した培地は、無血清培地CCM3(商標)(Hyclone)及びSF900−II(商標)(invitrogen)であった。細胞をm.o.i.0.1〜0.5で感染させ、3〜4日間培養した。感染昆虫細胞を収集し、免疫蛍光及びウエスタンブロット法によってH5タンパク質の有無を試験した。
HA5−Bd37タンパク質含有昆虫細胞を精製し、H5タンパク質を標準H5−抗原Elisaで定量する。ワクチン1ml当たりHA5−Bd37 2μg及びQuil A 30μgが含まれるように、タンパク質含有昆虫細胞をQuil Aサポニンアジュバントとともにヒヨコのワクチン接種用に処方する。
バキュロウイルス発現HA5−Bd37によるヒヨコのワクチン接種:
ヒヨコにQuil A中のHA5−Bd37タンパク質含有昆虫細胞を接種し、セロコンバージョンを測定する。このために、隔離飼育器に入れた15匹の3週齢SPF白色レグホーンヒヨコの足に(HA5−Bd37 5g/用量を含む)HA5−Bd37/QuilAワクチン0.25mlを筋肉内注射する。ワクチン接種から3、4及び5週後に血液試料を抜き取る。凝固血液から血清を収集し、56℃で不活化し、標準H5−抗体Elisaを用いてH5抗体を検査する。
Kyte及びDoolittleヒドロパシーアルゴリズムによる疎水性プロファイル。横軸はアミノ酸数である。縦軸は親水性/疎水性の相対値であり、中央値(横軸)よりも下の正の値は疎水性アミノ酸と相関がある。ウィンドウサイズは5aaであった。 グラフの右側に、疎水性データ点数、及びペプチド中のaaの総数に対するそれらの割合を示す。(表1にも記載した)表示したペプチドは、・メリチン、N末端・DAF、C末端・CWP 1:サッカロミセス(Sacharomyces)細胞壁タンパク質1、C末端・MV HN:麻疹ウイルス赤血球凝集素−ノイラミニダーゼ、内部領域・HHV−4 EBNA−3C:ヒトヘルペスウイルス4 EBNA−3C核抗原、内部領域である。 実験に使用する組換えタンパク質の図。 スナネズミワクチン接種に使用するrecBd37タンパク質のSDS−PAGEの図。recBd37タンパク質を細菌中で発現させ、Ni−カラムクロマトグラフィーを用いて精製し、SDS−PAGEゲル上に載せた。電気泳動後、ゲルを染色し、乾燥し、走査した。レーンは以下のとおりである。 M:分子量マーカー 1:6xHis+GST 2:6xHis+Bd37−コア 3:6xHis+Bd37−コア+DAF
【配列表】
Figure 2005532405
Figure 2005532405
Figure 2005532405

Claims (14)

  1. 融合タンパク質が、コアポリペプチドのN末端及び/又はC末端に融合する異種疎水性ペプチドを含み、前記コアポリペプチドが少なくとも1個の防御エピトープを含み、サポニンアジュバントが遊離型であることを特徴とする、融合タンパク質とサポニンアジュバントとを含む免疫原性組成物。
  2. 前記コアポリペプチドがアピコンプレックス門生物のタンパク質成分であることを特徴とする請求項1に記載の免疫原性組成物。
  3. 前記コアポリペプチドがピロプラズマ目又はコクシジウム亜綱の生物のタンパク質成分であることを特徴とする請求項2に記載の免疫原性組成物。
  4. 前記コアポリペプチドがアイメリア属又はバベシア属の生物のタンパク質成分であることを特徴とする請求項3に記載の免疫原性組成物。
  5. 前記異種疎水性ペプチドがN末端の疎水性配列に由来することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
  6. 前記異種疎水性ペプチドが内部の疎水性配列に由来することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
  7. 前記異種疎水性ペプチドがC末端疎水性配列に由来することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
  8. 前記C末端疎水性配列が崩壊促進因子(DAF)に由来することを特徴とする請求項7に記載の免疫原性組成物。
  9. 前記サポニンアジュバントがキラヤサポニンであることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の免疫原性組成物。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の免疫原性組成物と薬剤として許容される担体とを含むことを特徴とするワクチン。
  11. 少なくとも1個の追加の免疫活性成分を含むことを特徴とする請求項10に記載のワクチン。
  12. 凍結乾燥型であることを特徴とする請求項10又は11のいずれか一項に記載のワクチン。
  13. 請求項1から9のいずれか一項に記載の免疫原性組成物と薬剤として許容される担体とを混合することを含むことを特徴とする請求項10に記載のワクチンの調製方法。
  14. 請求項1から9のいずれか一項に記載の免疫原性組成物のワクチン製造への使用。
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