JP2005532078A - イヌの行動における食餌及び人間との交流の相乗効果 - Google Patents

イヌの行動における食餌及び人間との交流の相乗効果 Download PDF

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Abstract

動物保護施設で暮らすイヌの行動を穏やかにする方法であって、前記イヌが高品質の食餌を給餌され、前記イヌが任意で人間との定期的な交流を与えられる方法を開示する。

Description

本発明は、動物保護施設で暮らすイヌの行動を穏やかにする方法であって、前記イヌが高品質の食餌を給餌され、前記イヌが任意で人間との定期的な交流を与えられる方法に関する。
合衆国では、毎年、数百万頭のイヌが、公営及び民営の動物保護施設に監禁されている(モールトン(Moulton)ら、アメリカ獣医学会誌(J.Am.Vet.Med.Assoc.)、第198巻、1172〜1176頁(1991))。イヌは、負傷、病気、又は栄養失調による体調不良状態で施設に到着することが多い。
動物保護施設(救護施設を含める)は、迷子の動物、放たれた(released)動物、放置された動物、及び負傷した動物を飼育し、当該動物がその後引き取られるための機会を与えることによって、価値あるサービスを提供する。しかし、近代的で経営状態の良好な保護施設でさえ、動物に、監禁、新奇性(novelty)、愛着物からの引き離し、並びに一般に予測不可能且つ制御不可能な環境を含め、追加的な一連のストレス因子又は課題を与えている。保護施設の環境がストレスの多いものであるという考えは、神経内分泌的な証拠によって裏付けられており、すなわち、公営の保護施設に収容されたイヌがストレス応答性の視床下部−下垂体−副腎軸の長期的な活性化を示すことが見出された(ヘネシー(Hennessy)ら、生理的行動(Physiol.Behav.)、第62巻、485〜490頁(1997))。
保護施設でのイヌの経験は、動物福祉の点からの関心事であるだけでなく、イヌの行動に対するその潜在的効果、したがって引き取り成功の可能性についての関心事でもある。ケージ内の監禁は、長年、イヌ及び他の動物種における行動的ステレオタイプの発展に関連付けられてきた(フォックス(Fox)、実験動物の世話(Lab.Anim.Care)、第15巻、363〜370頁(1965);ルーシャー(Luescher)ら、最新・コンパニオンアニマルの行動、獣医臨床北アメリカ実践小動物(Ad.Companion Animal Behavior.Vet.Clin.North Am.Small Anim.Pract.)、第21巻、401〜413頁(1991);マーテンス(Mertens)及びアンシェルム(Unshelm)、文化人類学(Anthroz.)第9巻、40〜50頁(1996);トンプソン(Thompson)ら、科学(Science)、第123巻、939頁(1956))。したがって、保護施設を経験することは、イヌの当面の福祉を低下させる場合があり、また、引き取り成功の確率に影響を及ぼすこともある。
動物保護施設で安楽死させられるイヌの膨大な数(モールトン(Moulton)ら、アメリカ獣医学会誌(J.Am.Vet.Med.Assoc.)、第198巻、1172〜1176頁(1991))、並びに、保護施設からのイヌが引き取り家庭に適応できない場合がよくあること(パトロネック(Patronek)ら、アメリカ獣医協会誌(J.Am.Vet.Med.Assn.)、第209巻、572〜581頁(1996);ペットフード規制(Pet food regulations);AAFCO機関紙(AAFCO official publication)、米国飼料検査官協会(Association of American Feed Control Officials)(1999);サルマン(Salman)ら、応用動物福祉科学雑誌(J.Appl.Anim.Wel.Sci.)、第1巻、207〜226頁(1998))から、保護施設のイヌの福祉及び行動訓練が重要な考慮事項となっている。
保護施設に収容されたイヌの危急の栄養不足を補うことは、それらのイヌの福祉を扱う際の重要な考慮事項である。最低限の基準を満たす食餌中の栄養素の操作がさらなる利益を提供するかどうかは、明らかでない。イヌの感情的な反応性及び行動は、その食物の具体的な内容に影響を受けると考えられているが、この影響の性質に関する意見の一致はほとんどないように思われる。食餌タンパク質のレベルを増加させると、興奮しやすいイヌを沈静させ、また、ストレスの多い状況下での行動を改善できることが示唆された(バラリーニ(Ballarini)、実践小動物雑誌(J.Small Anim.Prac.)、第31巻、523〜532頁(1990);キャンベル(Campbell)、イヌにおける行動上の問題(Behavior Problems in Dogs)(第2版)、アメリカ獣医出版社(American Veterinary Publications,Inc.)(1992))。対照的に、近年の研究では、高タンパク質食餌と一部のイヌにおける攻撃性との間の関連性が示唆された(ドッドマン(Dodman)ら、アメリカ獣医学会誌(J.Am.Vet.Med.Assoc.)、第208巻、376〜379頁(1996);デナポリ(DeNapoli)ら、アメリカ獣医学会誌(J.Am.Vet.Med.Assoc.)、第217巻、504〜508頁(2000))。
動物保護施設によくあるストレス因子は、げっ歯類、及びイヌを含めた他の動物において、生理的ストレスシステム、特に視床下部−下垂体−副腎(HPA)軸を活性化させることが知られている(ベールダ(Beerda)ら、応用動物行動科学(App.Anim.Behav.Sci.)、第58巻、365〜381頁(1997);クーバー(Coover)ら、生理的行動(Physiol.Behav.)、第6巻、261〜263頁(1971);デボーア(De Boer)、生理的行動(Physiol.Behav.)第45巻、789〜795頁(1989);フリードマン(Friedman)ら、神経内分泌学(Neuroendocrinol.)、第2巻、209〜212頁(1967);ハンソン(Hanson)ら、行動生物学(Behav.Biol.)、第16巻、333〜340頁(1976);ヘネシー(Hennessy)、神経科学・生物行動学概説(Neurosci.Biobehav.Rev.)、第21巻、11〜29頁(1997);ミューア(Muir)及びフィスター(Pfister)、生理的行動(Physiol.Behav.)、第37巻、285〜288頁(1986);チューバー(Tuber)ら、比較心理学雑誌(J.Comp.Psychol.)、第110巻、103〜108頁(1996))。イヌが、公営の動物保護施設における監禁の初めの3日間で、それよりも長い期間にわたって保護施設にいるイヌ、又は飼主の家庭で試料採取されたペットのイヌよりも、高い血漿コルチゾール濃度を示すことが示された(ヘネシー(Hennessy)ら、生理的行動(Physiol.Behav.)、第62巻、485〜490頁(1997))。
保護施設で暮らす動物のストレスを低下させる方法が必要とされている。さらに、引き取り成功率を増加させ、保護施設で暮らす動物の幸福を増大させる方法が必要とされている。また、イヌにおいてストレスホルモンの濃度を低減させる方法、及びイヌの不安行動を緩和する方法も必要とされている。
本発明は、動物保護施設で暮らすイヌの行動を穏やかにする方法であって、前記イヌが高品質の食餌を給餌され、前記イヌが任意で人間との定期的な交流を与えられる方法を提供する。
本発明はさらに、イヌの不安を低減させる方法であって、前記イヌが高品質の食餌を給餌され、前記イヌが任意で人間との定期的な交流を与えられる方法を提供する。
本発明はまた、動物保護施設で暮らすイヌの福祉を向上させる方法であって、前記イヌが高品質の食餌を給餌され、前記イヌが任意で人間との定期的な交流を与えられる方法を提供する。
また、本発明によって動物保護施設からのイヌの引き取り成功率を増加させる方法であって、前記イヌが高品質の食餌を給餌され、前記イヌが任意で人間との定期的な交流を与えられる方法が提供される。
さらに、本発明はイヌにおいてACTH濃度を低減させる方法であって、前記イヌが高品質の食餌を給餌され、前記イヌが任意で人間との定期的な交流を与えられる方法を提供する。また、動物保護施設へのイヌの適応を改善する方法であって、前記イヌに高品質の食餌を与えて、前記イヌのACTH濃度が、高品質の食餌を給餌されていないイヌのACTH濃度よりも低くなるようにする方法も本発明によって提供される。
本発明はまた、イヌにおいてHPAレベルを低減させる方法であって、前記イヌが高品質の食餌を給餌され、前記イヌが任意で人間との定期的な交流を与えられる方法を提供する。
また、本発明は、イヌにおいてコルチゾール濃度を低減させる方法、前記イヌが高品質の食餌を給餌され、前記イヌが任意で人間との定期的な交流を与えられる方法を提供する。さらに、本発明は、イヌにおいてコルチゾール濃度を低減させる方法であって、前記イヌに人間との定期的な交流を与えて、前記イヌのコルチゾール濃度が、人間との定期的な交流を与えられていないイヌのコルチゾール濃度よりも低くなるようにする方法も提供する。
本発明はまた、動物保護施設で暮らすイヌの行動を穏やかにする方法であって、前記イヌが高品質の食餌を給餌され、前記食餌が多量のDHA及びEPAを含有しており、前記イヌが人間との定期的な交流を与えられる方法を提供する。
本発明の方法は、イヌに高品質の食餌を給餌することを通じて可能になる。投与頻度は、限られていない。しかし、食餌は通常、少ない回数で、若しくは必要に応じて投与され、又は好ましくは、1日に1回、2回、若しくは3回という、より日課的な方式で投与される。例えば、コンパニオンアニマルの場合、食餌は、無制限に与えることができ、又は利益増大のために当業者に、既知の給餌ガイドラインを使用した計量分として与えることができる。
本明細書で使用する時、特定の食餌に関する用語「給餌」(又は類似の用語)とは、イヌに食餌を提供すること、及び/又は、本明細書に記載の目的で、食餌配合の給餌を指導、指示、又は勧告することを意味する。食餌の給餌が指導、指示、又は勧告される場合、このような指導は、その食餌を給餌すると、本明細書に記載の1以上の利益を提供でき、及び/又は提供することになることをユーザー(例えば、動物保護施設の管理者を含める)に指示する、及び/又は知らせるものであってよい。
指導される給餌は、例えば、口頭指導(例えば、医師、獣医、保健専門家、専門販売員、若しくは組織からの口頭指示、及び/若しくはラジオやテレビ媒体(すなわち、広告)を通じた指導)、又は書面での指導(例えば、医師、獣医、若しくは他の保健専門家からの書面による指導(例えば、手書きメモ)、専門販売員若しくは組織からの書面による指導(例えば、広告用チラシ、パンフレット、若しくは他の教育用品による指導))、文字媒体(例えば、インターネット、電子メール、若しくは他のコンピュータ関連媒体)、並びに/又は、食餌に関連したパッケージ(例えば、食餌が入れられるパッケージ上のラベル)を含んでよい。本明細書で使用する時、「書面の」には、語、絵、記号、及び/又は他の視覚的記述を介したものが含まれる。このような指導は、本明細書で使用される実際の語を使用する必要はなく、むしろ、同一又は類似の意味を伝える語、絵、記号などの使用が本発明の範囲内で企図される。
本明細書で使用する時、用語「動物保護施設」「保護施設」などには、動物(例えば、迷子の動物、飼主のいない動物、若しくは捨てられた動物)のための一時的な住居若しくは避難所を提供する、又はさらに「動物を殺さない(no-kill)」保護施設として知られる施設に対しては永久的な住居を提供する、人間社会、犬小屋、ペット店、及び他の機関(民営、公的資金によるもの、その他を問わない)が含まれる。住居の提供に加えて、これらの保護施設は、また、保護施設内の動物に食べ物並びに基本的医療ケア及び高度医療ケアを提供する場合がある。動物保護施設は、保護施設内の動物に、服従訓練、身づくろい、運動、及び特別食を提供する場合がある。動物保護施設は、通常は家畜を飼育するが、同様に他の動物も飼育する場合がある。
本明細書で使用する時、参照されるイヌの「行動修正」「行動を穏やかにする」などの用語には、これだけに限るものではないが、イヌの幸福感の変化、イヌの不安、安心感、満足感、社会性レベルの変化、パンティング(panting)、舐める動作(licking)(非特異的及び特異的の両方)、歩き回り(pacing)、懇願(solicitation)、脱走試行(escape attempts)の量の変化、並びに、イヌの平静感の変化を含めて、イヌの行動を変えることが含まれる。
本明細書で使用する時、用語「HPA」は、視床下部−下垂体−副腎反応(hypothalamic-pituitary-adrenal responses)を指す。
用語「ACTH」は、副腎皮質刺激ホルモン(adrenocorticotropic hormone)を指す。
用語「DHA」は、ドコヘキサン酸(docohexanoic acid)を指す。
本発明の目的では、「高品質の食餌」は、平均的な飼い犬の日々の食餌及び栄養の必要量を支える、ある支給量若しくはある定量の食物を提供し、且つ、標準的なエコノミー食餌よりも高いレベルの代謝エネルギー、動物由来成分、タンパク質、脂肪、DHA、EPA、カロリー、及びより良好な栄養素消化性を提供する食餌である。高品質の食餌は、任意で、ドライタイプ(例えば、キブル(kibble)若しくは他の形態)、モイストタイプ(セミモイストを含める)、又はこれら両形態の複合形態になるように配合してもよい。
高品質のドライタイプの食餌は、任意で、当該食餌の約5重量%〜約50重量%の粗タンパク質、約0.5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約1重量%〜約10重量%の粗繊維、及び約1重量%〜約30重量%の水分を含有してよい。本発明の他の実施形態では、高品質のドライタイプの食餌は、当該食餌の約15重量%〜約35重量%の粗タンパク質、約10重量%〜約25重量%の粗脂肪、約1重量%〜約5重量%の粗繊維、及び約5重量%〜約20重量%の水分を含有してよい。本発明の他の実施形態では、高品質の食餌は、当該食餌の約22重量%の最低タンパク質量、約13重量%の最低脂肪量、約8重量%の最低水分量、約3重量%の最大繊維量、約40重量%の最大炭水化物量、約20重量%の最低動物由来成分量、又は約70重量%の最大穀物由来成分量を含有する、ドライタイプの食餌である。ドライタイプの食餌は、また、約3.5Kcal/gの最低代謝エネルギーレベルを有してよい。
高品質のモイストタイプの食餌は、任意で、当該食餌の約0.5重量%〜約40重量%の粗タンパク質、約0.5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約0.5重量%〜約15重量%の粗繊維、約50重量%〜約90重量%の水分、約0.1重量%〜約20重量%の灰分、及び約0.001重量%〜約5.0重量%のタウリンを含有してよい。他の実施形態では、高品質のモイストタイプの食餌は、当該食餌の約7重量%〜約35重量%の粗タンパク質、約5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約1重量%〜約5重量%の粗繊維、及び約70重量%〜約85重量%の水分を含有してよい。本発明の他の実施形態では、高品質の食餌は、当該食餌の約9重量%の最低タンパク質量、約6重量%の最低脂肪量、約60重量%の最低水分量、約3重量%の最大繊維量、約40重量%の最大炭水化物量、約20重量%の最低動物由来成分量、又は約70重量%の最大穀物由来成分量を含有する、モイストタイプの食餌である。モイストタイプの食餌は、また、約3.5Kcal/gの最低代謝エネルギーレベルを有してよい。
本発明の一実施形態では、高品質の食餌は、ドライタイプ、モイストタイプ、若しくはその他の形態を問わず、当該食餌の約20重量%〜約50重量%、あるいは35重量%〜約50重量%の動物由来成分を含む食餌である。動物由来成分の非限定例には、鶏、牛肉、豚肉、子羊、七面鳥(又は他の動物)のタンパク質若しくは脂肪、卵、魚粉などが挙げられる。
本発明の一実施形態では、高品質の食餌は、これだけに限るものではないが、鶏肉、トウモロコシ粉、鶏脂、グレインソルガム、発酵用米、魚粉、ビートパルプ、フレーバ消化産物(flavor digest)、乾燥卵、リン酸二カルシウム、塩化カリウム、発酵用酵母、亜麻粉、塩化ナトリウム、メンハーデン油、及びこれらの混合物から成る群から選択される構成成分を含有し得る食餌である。他の実施形態では、食餌は、これらの構成成分の2つ以上、3つ以上、4つ以上、又は5つ以上を含有する。
本発明の一実施形態では、高品質の食餌は、DHAレベルが当該食餌の少なくとも約0.05重量%、あるいは少なくとも約0.1重量%、あるいは少なくとも約0.15重量%であるような食餌である。本発明の他の実施形態では、高品質の食餌は、DHAレベルが当該食餌の約0.05重量%〜約0.25重量%であるような食餌である。本発明の他の実施形態では、高品質の食餌は、DHAレベルが当該食餌の約0.07重量%〜約0.18重量%であるような食餌である。
本発明の一実施形態では、高品質の食餌は、EPAレベルが当該食餌の少なくとも約0.05重量%、あるいは少なくとも約0.1重量%、あるいは少なくとも約0.15重量%であるような食餌である。本発明の他の実施形態では、高品質の食餌は、EPAレベルが当該食餌の約0.05重量%〜約0.25重量%であるような食餌である。本発明の他の実施形態では、高品質の食餌は、EPAレベルが当該食餌の約0.07重量%〜約0.15重量%であるような食餌である。
本発明の範囲内にある高品質の食餌の非限定例には、これだけに限るものではないが、ユーカヌバ(EUKANUBA)(登録商標)プレミアム・パフォーマンス配合(Premium Performance Formula)、ユーカヌバ(登録商標)大型犬種・子犬用配合(Large Breed Puppy Formula)、ユーカヌバ(登録商標)成犬用メンテナンス(Adult Maintenance)、ユーカヌバ(登録商標)子羊及び米・成犬用配合(Lamb and Rice Adult Dog Formula)、ユーカヌバ(登録商標)大型犬種・成犬用配合(Large Breed Formula for Adult Dogs)、ユーカヌバ(登録商標)子犬用配合(Puppy Formula)、ユーカヌバ(登録商標)低脂肪配合(Reduced Fat Formula)、ユーカヌバ(登録商標)老犬用メンテナンス(Senior Maintenance)、ユーカヌバ(登録商標)大型犬種・老犬用メンテナンス配合(Senior Large Breed Maintenance Formula)、ユーカヌバ(登録商標)大型犬種・老犬用(Senior Large Breed Dog)、ユーカヌバ(登録商標)老犬用メンテナンス配合ドッグフード(Senior Maintenance Formula Dog Food)、ユーカヌバ(登録商標)成犬用メンテナンス・成犬の小さな一口サイズ(Adult Maintenance and Adult Small Bite)、ユーカヌバ(登録商標)成犬用・子羊及び米配合ドッグフード(Adult Lamb and Rice Formula Dog Food)、ユーカヌバ(登録商標)子犬用・子羊及び米配合(Puppy Lamb and Rice Formula)、ユーカヌバ(登録商標)大型犬種・成犬用低脂肪(Large Breed Adult Reduced Fat)、ユーカヌバ(登録商標)中型犬種・子犬用配合(Puppy Medium Breed Formula)、ユーカヌバ(登録商標)成犬用低脂肪配合ドッグフード(Adult Reduced Fat Formula Dog Food)、ユーカヌバ(登録商標)小型犬種・成犬用(Small Breed Adult)、ユーカヌバ(登録商標)小型犬種・子犬用配合ドッグフード(Puppy Small Breed Formula Dog Food)、並びに栄養豊富な他の市販の食餌が挙げられる。
この研究では、我々は、公営の動物保護施設において8週間にわたってイヌを調査した。我々は、イヌに対する食餌及び人間との交流の効果を調査した。我々はまた、イヌの視床下部−下垂体−副腎(HPA)活性に対する、2つの介入、すなわち行動的介入及び栄養的介入の、独立した効果並びに複合効果も調査した。
行動的介入は、週に5日実施される、人間との20分間の交流セッションであった。この介入は、この種の操作が保護施設環境においてイヌを沈静化できることを示唆する以前の実験(チューバー(Tuber)ら、心理科学(Psychol.Sci.)、第10巻、379〜386頁(1999))、並びに、静脈穿刺直後に落ち着かせるように触って接触すると、この軽度のストレス因子に対する血漿コルチゾールの上昇が低減されるという過去の発見(ヘネシー(Hennessy)ら、応用動物行動科学(App.Anim.Behav.Sci.)、第61巻、63〜77頁(1998))に基づいて選択された。
本研究において行動及びHPAに対する食餌の品質の効果を評定するために、公営の動物保護施設において、複数のイヌに、成分、栄養素含有量、及び消化性の異なる2種の実験食餌のうちの一方を給餌した。両方の食餌が最低栄養基準を満たすが、一方は、本明細書で定義されるような高品質の食餌であり(この例では、この食餌は、より高いレベルの可消化性タンパク質、脂肪、DHA、EPA、ビートパルプ、及びカロリー、並びにより高いパーセンテージの動物由来成分を提供するように配合された)、他方の食餌は、高品質の食餌ではなかった。行動に対する食餌又は人間との接触の考えられる主効果に加えて、考えられる統計的相乗効果が調査された。食餌に、イヌに対する沈静効果があった場合、その食餌が、人間との接触に対するイヌの反応の仕方に影響を及ぼすことによって作用した可能性があることが推論された。
すべてのイヌは、新奇の状況若しくは驚かされるような状況に対する反応を評定する行動バッテリー、並びに、見慣れない人間に対するイヌの反応に焦点を当てた第2の試験において試験された。両方の試験は、介入の開始前(試験前)、並びに介入期間の終わり(試験後)に施された。これによって、介入に起因した実際的な変化を評価することができた。行動的介入を受けたイヌについては、介入の間に施された訓練の有効性、並びに訓練の有効性に対する食餌の効果が調べられた。
副腎ホルモンであるコルチゾール、及びその下垂体刺激ホルモンであるACTHの、血漿濃度が調査された。保護施設の環境においてHPA活性に対する介入の効果を評定するために、コルチゾール及びACTHの血中濃度が、第0週(保護施設に収容された後、ただし介入開始の前)、並びに2週後、4週後、及び8週後に評価された。追加的な課題に対するコルチゾール及びACTHの反応は、第0週及び第8週に調べられた。
(方法)
被験体の選択及び割り当て。被験体は、オハイオ州デートンのモンゴメリー郡動物保護施設(Montgomery County Animal Shelter)に収容された、20頭のオスイヌ及び20頭のメスイヌとした。研究に適性があるように、イヌは、保護施設の獣医によって健康状態が良好であるかどうか判定されなければならなかった。さらに、イヌは、研究が終わった後で引き取られるのに適した候補であるかどうか判定されなければならなかった。この後者の判定は、主として、保護施設のスタッフ及び実験者によるイヌの行動の観察に基づくものであった。攻撃性又は極端な臆病を示したイヌは、研究に加えられなかった。可能性のある被験体のプールには、迷子のイヌ、様々な理由で以前の飼主に連れてこられたイヌ、放置若しくは他の違反行為の理由で保護施設のスタッフに捕らえられたイヌが含まれた。性腺摘出されたもの及び無傷のもの両方のオス及びメス(授乳期でないもの)が含まれた。したがって、サンプルは、保護施設で一般に保護されているイヌの母集団に近似させた。被験体の年齢幅を制限するために、歯の検査によって判定された年齢が6ヶ月未満のイヌは研究に含まれなかった。保護施設に連れてこられた多くのイヌがどこから来たかを文書化するのが困難であるので、出生(provenance)に基づいた被験体の区別は試行されなかった。
保護施設に収容されると、適性のあるイヌは、2つのレベルの人間との交流(低レベル及び高レベル)、並びに2種の食餌(食餌A及び食餌B)の因子間組み合わせによって定義される、4つの実験群の1つに割り当てられた。割り当ては、次の制限付きの準ランダムな方式で実施された。各実験群は、5頭のオス及び5頭のメスから成るものでなければならず、4群に割り当てられたイヌの平均体重は、ほぼ均等でなければならなかった。さらに、実験群に割り当てられたイヌの表現型をある程度推定し、そのバランスを取るために、訓練を受けた観察者が、アメリカ畜犬協会(American Kennel Association)の7つの犬種群のどれに各イヌが最も良く当てはまるかを判定した。イヌの多くが、2つ以上の犬種群の特徴を有していたので、この判定は、強制選択手順を表した。他に制限を可能にする範囲で、同一の犬種群に判定されたイヌを、実験群にわたって分散させた。表1は、各実験群における、被験体の判定された犬種群を示す。
Figure 2005532078
研究過程の間、イヌは、様々なサイズの金属製のケージ列(0.6〜0.9×0.7×0.6〜0.7m)並びにそれよりも大きな2つの檻(1.5×0.8×1.9m)が置かれた専用の部屋で養われた。イヌは、身体のサイズに応じてケージ若しくは檻の中で飼われた。部屋は、日中の間、人工照明と自然光との組み合わせによって照明された。
(介入)
実験的介入は、イヌの保護施設6日目に開始された。初めの5日間は、第0週と指定され、したがって、第6日は、8週間の介入期間のうち第1週の始まりとなる。
この実施例で使用された、人間との定期的な交流(本明細書では「リビングルーム」と呼ぶ)を含めた行動的介入は、保護施設内の飼育領域から約19.5mの位置にある小部屋(約7.1m2)で実施された。この部屋は、イヌが保護施設に収容される前に順応していたと予想され、イヌが後で引き取られた時に経験する可能性のある部屋を模すことを目的とした。部屋には、机及び椅子が置かれた。光は、卓上ランプ並びに頭上の固定蛍光灯によって提供された。部屋にはカーペットが敷かれ、また小さな敷物も置かれた。この部屋は、一般待合室に隣接されているために動物飼育領域の騒音が軽減されていた。週に5日、指定されたイヌが、午後の約20分間、訓練を受けたハンドラーによって個々にリビングルームに連れてこられた。各イヌは、そのリビングルーム・セッションのうち少なくとも約70%を同一のハンドラーと関わった。2つの食餌条件のそれぞれで、6頭のイヌは、主に男性のハンドラーと関わり、4頭のイヌは、主として女性と関わった。
リビングルームでの初めの3分間は、イヌは、自由に動き回ることを許された。次の10分間は、イヌは、心地よくさせるようなやり方で話しかけられながら、優しくゆっくりと撫でられ、マッサージされた(ヘネシー(Hennessy)ら、応用動物行動科学(App.Anim.Behav.Sci.)、61、63〜77(1998);チューバー,D.S.(Tuber,D.S.)動物行動相談会報(Anim.Behav.Consult.Newslet.)3、2(1986))。この時点で、イヌは小さな敷物の上に静かに横たわるよう促された。最後の7分間で、イヌは、段階的に進展する欲求訓練法における褒美の餌で強化された。訓練は、単純なタスク(例えば、来い(come)、座れ(sit))から始まって、より難しい練習(例えば、人間が部屋から出て再び入室するまでの間、座ったままでいる)を通じて進展した。各訓練セッションの間、小片にスライスされた半分のホットドッグ(KAHNのビーフフランク)が、正の強化として使用された。リビングルームを経験しないイヌの食餌は、週に5日、半分のホットドッグで補われた。これらのホットドッグは、割り当てられた食餌に与えられた補足にすぎない。
研究されたすべてのイヌは、研究期間にわたって、週に5日、引き綱を付けて屋外を10分間散歩させられた。実験者及び保護施設のスタッフは、散歩、給餌、及びケージの清掃の間、イヌとの交流を最小限に抑えるように指示された。それでも、人間との交流に関する2群のイヌはすべて、これらの手順の間に人間との適度な交流を受けており、リビングルームを経験したかどうかという点だけが異なっていた。
保護施設での6日目から始まって、イヌは、2種の実験食餌(食餌A及び食餌B)の一方を与えられた。イヌが第6日よりも前に給餌された食餌は、当時の動物保護施設によって給餌される食餌に基づいて様々であったが、実験食餌のいずれでもなかった。食事に含有される主成分は、表2に示されている。表3は、各食餌の栄養素含有量及び消化性係数を表示している。各食餌の栄養素含有量は、分析化学者協会(Association of Official Analytical Chemists)によって確立された手順(公定分析方法(Official Methods of Analysis)、第14版、分析化学者協会(Association of Official Analytical Chemists)(1984))を使用して各食餌の代表的サンプルに実施された実験分析の結果を反映している。栄養素の消化性係数は、AOACの手順を使用した栄養素分析のために、これらの食餌を別のパネルのイヌに給餌し、糞便及び尿排泄物を定量的に収集することによって決定された。食餌は、市販の食餌を模倣して、産業カテゴリーの「ポピュラー」(食餌A)及び「プレミアム」(食餌B;ケース(Case)ら、イヌ科及びネコ科動物の栄養:コンパニオン動物の専門家のための情報源(Canine and Feline Nutrition:a Resource for Companion Animal Professionals)(第2版)、ミズーリ州セントルイス、モズビー(2000))に対応するように配合された。両方の食餌は、米国飼料検査官協会(American Association of Feed Control Officials)(1999)によって確立された1日の最低栄養要件を満たし、若しくは上回っており、明らかな栄養素不足を回避しながら、動物の基本的な栄養必要量を満足することができた。ただし、食餌Bは、消化性、動物由来成分のパーセンテージ、及び代謝エネルギーの点で、比較食餌(食餌A)よりも高い栄養的品質を提供した。また、食餌Bは、より高い全般的レベルのタンパク質、脂肪、DHA、EPA、及びビートパルプを提供した。
すべての実験者及び保護施設スタッフには、2種の食餌の特性は伏せられていた。各イヌに与えられた食餌の量は、1日の代謝エネルギー要件を概算する米国学術研究会議(National Research Council)の推奨に基づいて、体重及び体調を維持するように計算された。研究に参加した時に明らかに体重不足であったイヌは、概算されるその理想体重に適した配給量を給餌された。給餌の時点で、餌入れに残っている前日分の食物の量が計量され、記録された。食餌の消費及び体重増加の指標は、後述の結果の項で報告される。イヌは、健康状態の監視及び次週の配給量決定のために、毎週金曜日に体重測定された。イヌは、様々な曜日に研究に参加したので、これらの体重測定日は、研究の開始に対する特定の日には対応していなかった。研究の間の体重変化を分析する目的には、我々は、第5日(第0週の最後の日)及び第61日(第8週の最後の日)に得られた体重を使用した。
Figure 2005532078
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*消化性の決定に使用されたイヌのパネルにおける、t−検定による食餌A対食餌Bについてp<0.001
(行動試験手順)
行動バッテリー。脅迫的又は新奇の環境に対する反応を評定するために、以前の研究(ヘネシー(Hennessy)ら、応用動物行動科学(Appl.Anim.Behav.Sci.)、第73巻、217〜233頁(2001))に記載のものとほぼ同一の行動バッテリーが使用された。バッテリーは、第3日(第0週、試験前)及び第60日(第8週、試験後)に施され、保護施設に近接した位置にある木造の建物において実施された。建物の2つの内壁に高さ1.6mの2つの壁を接合して、5.5×5.7mの試験場を構築した。試験場の一隅を、試験場の床から1.8m上方に2つの0.5m2観察領域が配置された、観察ブラインドとした。試験場のコンクリート床は、自発運動を評価するための正方形を形成するように、0.9m離隔されたテープの線で区画された。
試験バッテリーは、4つの段階に分けられた(表4)。第1段階は、新奇の試験場に1頭だけで入れられた時の最初の反応を評定した。第2段階は、この環境での見慣れない人間に対するイヌの反応に関するものであった。第3段階及び第4段階は、新奇環境での驚かされるような刺激に対してイヌがどのように反応したかを扱った。4つの段階の間にすべての行動が採点され、その定義が表5に示されている。各段階の間に採点された行動は、その段階の焦点、並びに行動が単一の観察者によって精確に採点されなければならないという制限によって、決定された。
Figure 2005532078
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試験は、イヌの定期的な10分間の散歩の終わりに行われた。イヌを散歩させる人が、イヌを建物の中の試験場のゲートに連れてきた。次いで、引き綱が取り外され、イヌが試験場に入れられ、そこで2分間観察された(第1段階)。第2段階を開始するために、イヌにとって見慣れない女性が、ゲートを通って入室し、ゆっくり試験場の中央へと歩いて、その場で2分間立った。2分間が終わったら、女性がゆっくりゲートの正面の地点へと歩き、次いで、試験場の周囲全体を回って歩いてから、ゲートを通って出た(全歩行時間は1分であった)。この段階及び見知らぬ人に対する反応の試験(後述)で見知らぬ人の役割をする女性は、他の時点ではイヌと全く交流しなかった。第2段階の後、観察者は、試験場の一隅に配置された遠隔制御されるおもちゃの車を作動させ、その車をイヌの方向に動かした。イヌが退かなかった場合、車を繰り返しイヌに接近させた。イヌに車を接触させようとする試みは、実施されなかった。30秒間動かされた後、車がその出発位置に戻され、イヌが2分間観察された(第3段階)。第4段階を開始するために、試験場の長い壁の1つに沿った中ほどの床の近くに配置された小さな穴を通して、空気警笛が鳴らされた。その後2分間の行動が記録された。各試験の後に、糞便が除去され、モップ及び洗剤を使用して糞便若しくは尿の痕跡が除去された。
(見知らぬ人に対する反応の試験。)
見慣れない人間に対するイヌの反応をより詳細に評定するために、各イヌは、第4日(第0週、試験前)及び第61日(第8週、試験後)に見慣れない女性によって10分間調査された。10分間の散歩の後、試験場の一部で行われた試験が行動バッテリーに使用された。試験場の交差する2つの壁に、ある長さの鎖の外柵の2つの端部が取り付けられて、6.5m2の試験領域を形成した。女性は、この領域の一隅で腰掛けに静かに座った。イヌは、その引き綱を外されて、試験領域に入れられた。見知らぬ人は、イヌが手の届く範囲内にきた時にそのイヌをゆっくり撫でるように指示された。イヌが見知らぬ人に飛びかかった場合、女性は、「伏せ(down)」と言って、イヌを優しく床に押し戻すように指示された。
ブラインドの内側観察者は、イヌがパンティングした秒数、イヌがあくびをした回数、並びにイヌが舐める動作をした回数(イヌ自身、見知らぬ人、無生物を舐める動作、及び対象のない舐める動作について別々に採点された)を記録した。見知らぬ人は、ストップウォッチを使用して、イヌと物理的に(撫でる手以外で)接触している秒数を採点した。加えて、頭上のビデオカメラ(カメラ:パナソニックWV−BP310、パナソニックレンズWV−LA210C3使用;VCR:パナソニックAG−7350)が、試験セッションを記録した。それらのテープが採点されて、人と接触/近接した状態で経過した秒数(1つの正方形の中にいる秒数:人間との接触の懇願(solicitation)の指標)、歩行状態で経過した秒数(自発運動/探索の評定)、又は伏せた状態で経過した秒数(平静さ若しくはくつろぎの指標)が決定された。
(内分泌レベルの評定)
コルチゾール及びACTHの血中濃度が、第3日(第0週、試験前)、第19日(第2週)、第33日(第4週)、及び第60日(第8週)に評定された。第3日及び第60日の評定を組み合わせて、我々は、追加的な課題に対する各イヌの反応を調査した。これらの場合、イヌは、そのケージから出されて、保護施設での血中ホルモン濃度を推定するための血液試料が4分以内に収集された。次いで、イヌは、引き綱を付けられて、10分間散歩させられた。この散歩は、保護施設に近接した場所にある木造の建物のところで終了した。イヌは、建物の中に構築されたコンクリート床及び木造の壁を備えた5.5×5.7mの試験場へと案内された。イヌは、次いで試験バッテリーを受けた。例えば、ヘネシー(Hennessy)ら、応用動物行動科学(Appl.Anim.Behav.Sci.)、73、217〜233(2001);ヘネシー(Hennessy)ら、アメリカ獣医学会誌(J.Am.Vet.Med.Assoc.)、第221巻、第1号(2002年7月1日);及び、ヘネシー(Hennessy)ら、応用動物福祉科学雑誌(Journal of Applied Animal Welfare Science)、第5(4)巻、253〜273頁(2002)を参照のこと。簡潔にいえば、バッテリーは、4つの段階に分けられた。第1段階(2分間)では、イヌは、1頭だけでおかれ、それ以上の刺激を受けなかった。第2段階(3分間)では、イヌにとって見慣れない人が、試験場に存在したが、イヌとは交流しなかった。第2段階の後、人が退室して、次の30秒間、遠隔制御されるおもちゃの車が繰り返しイヌに接近させられた。第3段階(2分間)の間、イヌは、この段階では静止したおもちゃの車とともに試験場におかれた。第4段階の始まりは、空気警笛の音で合図され、さらに2分間イヌを試験場に1頭だけで残すことから成るものであった。試験バッテリーの終了直後に、第2の血液試料が収集された。
血液試料(約1mL)は、橈側皮静脈から注射針及び注射器を用いて得られた。1人がイヌを拘束して、2人目が試料を収集した。血液は、注射器から速やかに、それぞれ異なる抗凝固剤(コルチゾールの分析にはヘパリン、ACTHの分析にはEDTA)が入った2つの別々のチューブへと移された。血液試料は、常に、撹乱の開始から4分以内、通常は約2分以内に収集された(M=137±4秒)。試料は、氷の上に置かれ、その後、冷凍遠心分離器で血漿が分離され、分析まで凍結された。ACTHについて分析される試料は、−80℃で保管された。試料は、標準125Iラジオイムノアッセイ・キット(コルチゾール:ダイアグノスティック・プロダクツ社(Diagnostic Products Corporation)、コート−ア−カウント(Coat-a-Count);ACTH:ICNバイオメディカル(ICN Biomedical))を使用して、複製して検査された。ACTH分析に指定された16個の試料(各群の2頭のオス及び2頭のメスの試料)は、誤って失われた。アッセイ内の変動係数は、コルチゾールで7.6%、ACTHで20.9%であった。アッセイ間の変動の場合、これらの数字は、それぞれ18.0%及び9.6%であった。
(データ分析)
多数の対比較のために、ダンカンの多重範囲検定(Duncan Multiple Range test)が使用された。試料採取時間と内分泌レベルとの間の考えられる関係を評定するために、ピアソンの積率相関係数(Pearson Product Moment Correlation Coefficient)が使用された。これらの相関では、片側検定による確率の値0.05が有意と見なされた。他のすべての比較では、両側検定による確率の値0.05が採用された。さらに、単純な主効果に関する試験とともに、有意な相乗効果が分析された(ウィーナー(Winer)、実験的設計における統計原理(Statistical Principles in Experimental Design)(第2版)、マグローヒル(McGraw-Hill)、ニューヨーク州ニューヨーク(1971))。
介入期間中の指標の変化に焦点を当てるために、行動バッテリーにおける行動の分析及び見知らぬ人を用いた試験に対する反応は、得点差(試験後である第8週から、試験前である第0週を引いた値)に基づくものとした。両側検定による確率の値0.05が、全体を通じて有意と見なされた。
(結果)
(食餌の消費、体重、及び訓練)
週にわたって平均された、食べられた食餌のパーセンテージが、図1に示されている。データは、アークサイン変換されてから、分析された。研究の初めの2週間は、イヌが食餌Aよりも食餌Bを高いパーセンテージで消費する傾向にあったが、3元ANOVA(リビングルームなし/リビングルームあり×食餌×週:最後の因子は反復指標として処置された)からは、週の有意効果しか得られず(F(5,162)=4.64、p=0.001)、これは、研究が進むにつれて消費が多くなることを反映している。
イヌは、保護施設に滞在している間に概ね体重が増加したが、特に、プレミアム食餌である食餌Bを与えられた場合に体重が増加した。食餌Aを与えられた20頭のイヌのうち13頭(65%)の体重が増加し、一方、食餌Bを与えられた20頭のイヌのうち18頭(90%)の体重が増加した。体重増加に対する食餌の効果の差は、ANOVAにおいて食餌X週の有意な相乗効果によって確認された(F(1,36)=7.37、p=0.01;図2)。単純な主効果についての検定で、食餌Bを与えられたイヌでは処置期間にわたって体重の有意な増加があったが(p<0.01)、食餌Aを与えられたイヌでは有意な増加がなかったことが示された。
全体的に見て、イヌは、リビングルームにおいて新しいタスクを容易に学んだ。しかし、2種の食餌を給餌されたイヌによって達成された訓練の最終的なレベルには差がなかった(t(18)=1.06、p>0.10)。
(行動バッテリー)
行動バッテリーにおける個々の指標の分析の結果、1つの有意な効果、すなわち、第4段階における運動に対する食餌の主効果が得られた(F(1,36)=6.87、p=0.013)。図3からわかるように、第4段階での自発運動は、食餌Bを与えられたイヌでは研究を通じて減少したが、食餌Aを与えられたイヌでは減少しなかった。
また、得られた次の指標が分析された:第3段階及び第4段階での自発運動の抑制(第1段階の線の横断から第3段階の線の横断を引いた値;第1段階の線の横断から第4段階の線の横断を引いた値)、線の横断の合計並びに脱走試行の合計(それぞれ、線の横断及び脱走試行が評定された3つの段階、すなわち第1段階、第3段階、及び第4段階の間の線の横断若しくは脱走試行の合計)。これらの分析で、脱走試行について、リビングルームなし/リビングルームあり×食餌の有意な相乗効果が明らかになった(F(1,36)=5.47、p=0.025)。リビングルームを経験したイヌについての単純な主効果に関する検定は、有意であった(p<0.05)。この群では、食餌Bを給餌されたイヌは、食餌Aを給餌されたイヌに比べ、研究過程の間に脱走試行の相対的な減少を示した(図3)。リビングルームを経験しなかったイヌでは、食餌の有意な効果はなかった。
また、5つの因子(自発運動、逃亡(Flight)、社交性、臆病、及び警戒心)(ヘネシー(Hennessy)ら、応用動物行動科学(Appl.Anim.Behav.Sci.)、第73巻、217〜233頁(2001))に対するリビングルーム及び食餌の効果が評定され、個々の指標のz得点を組み合わせることによって効果が算出された。これらの因子の場合、有意な効果は、食餌Bが自発運動を低減させる傾向だけであった[第1段階の線の横断のz得点+第3段階の線の横断のz得点+第4段階の線の横断のz得点+第3段階の接近のz得点+第4段階の接近のz得点+第3段階の後退のz得点+第4段階の後退のz得点の合計、F(1,36)=3.41、p=0.073]。
(見知らぬ人に対する反応の試験)
見知らぬ人に対する反応性の試験では、いくつか有意な効果があった(図4)。リビングルームなし/リビングルームあり×食餌の有意な相乗効果は、試験前から試験後へのパンティングの秒数の変化について得られ(F(1,36)=7.49、p=0.01)、また、あくびの回数の変化について得られた(F(1,36)=5.04、p=0.031)。リビングルームを経験しなかったイヌでは、食餌Aを給餌された場合、試験前から試験後へと、パンティングに費やされた秒数の相対的な減少があり、食餌Bを給餌された場合、この時間にわたるパンティングの相対的な増加があった(p<0.05)。このパターンは、リビングルームを経験したイヌでは逆転する傾向にあった。あくびの回数についても類似のパターンが明らかになったが、単純な主効果についての検定は、有意ではなかった。
これらの相乗効果は、また、各食餌条件内でリビングルームがどのように行動に影響を及ぼしたか調査することによって評定された。食餌Aを給餌されたイヌでは、パンティングに費やされた秒数に対するリビングルームの有意な効果はなかった。食餌Bを給餌されたイヌでは、リビングルームを経験しなかった場合の試験前から試験後へのパンティングの相対的な増加と、リビングルームを経験した場合の試験前から試験後へのパンティングの相対的な減少との間の差が、有意であった(p<0.05)。あくびについては、やはり有意な単純主効果はなかった。
また、見知らぬ人を舐める動作についても類似のパターンが示されたが、この指標にはノンパラメトリック検定が必要であった。これらは、リビングルームを経験しなかったイヌでは、イヌが食餌Aを給餌された場合、試験前から試験後へと見知らぬ人を舐める動作の相対的な減少があり、食餌Bを給餌された場合、この期間を通じて見知らぬ人を舐める動作の相対的な増加があったことを示した(p=0.005)。さらに、イヌがリビングルームの操作を受けた場合、食餌Bを給餌されたイヌにおいて、試験前から試験後へと見知らぬ人を舐める動作の相対的な増加がなくなった(p=0.015)。
対象のない舐める動作の場合、ANOVAで、リビングルームなし/リビングルームありの主効果が明らかになり(F(1,36)=5.21、p=0.029)、これは、リビングルームを経験しなかったイヌでは、試験前から試験後へと、対象のない舐める動作の相対的な増加があったが、リビングルームを経験したイヌではそのような増加がなかったことを反映している。見知らぬ人と接触した秒数については、食餌の主効果は、有意な値に接近した(F(1,36)=3.83、p=0.058)。食餌Aを給餌されたイヌは、試験前から試験後へと接触した秒数の相対的な増加を示したが(M=49.4、se=42.4s)、食餌Bを給餌されたイヌは、同一期間にわたるこの指標の相対的な減少を示した(M=−73.1、se=46.0s)。
(試験前の得点の分析)
行動バッテリー及び見知らぬ人に対する反応性の試験について算出された得点差の分析で得られた有意な効果が、第0週、すなわち試験前の得点の差を反映していないことを保証するために、得点差が有意であることが見出された測定すべてについて、試験前の得点に、一連のANOVA及びマン・ホイットニーU検定が実施された。有意な効果は、リビングルームを経験しなかったイヌについて、試験前の脱走の総数が食餌Aを与えられた場合よりも食餌Bを与えられた場合に少ないという傾向だけであった(p=0.052)。
(内分泌レベル)
第0週、第2週、第4週、及び第8週に測定された血中ホルモン濃度(図5)が、3元ANOVA(リビングルームなし/リビングルームあり×食餌×週)で評定された。コルチゾールの場合、週の効果だけが有意であった(F(3,108)=19.76、p<0.001)。対比較によって、第2週、第4週、及び第8週におけるコルチゾール濃度が、第0週よりも低いことが示された(ps<0.01)。ACTHについてのANOVAで、食餌×週の有意な相乗効果が得られた(F(3,60)=3.87、p<0.05)(グリーンハウス・ゲイザーの修正を使用)。対比較検定によって、食餌Bを給餌されたイヌが、第0週から第8週へと血中ACTH濃度の減少を示すことが示された(p<0.05)。対比較によって、食餌Aを給餌されたイヌは、4つの時点それぞれで同程度のACTH濃度を有することが示された。
内分泌レベルに対する課題の効果を評定するために、我々は、見慣れない人を用いた試験場での試験バッテリーの終わりに取得された値を、バッテリーにおける評定の直前に得られた血中値と比較した。異なる2つの手法が使用された。第1に、絶対的なコルチゾール及びACTH濃度が、4元ANOVAS(リビングルームなし/リビングルームあり×食餌×週×課題、すなわちバッテリーの前及び後)で調査された(最後の2つの因子は反復指標として処置された)。コルチゾールの場合、週及び課題の主効果が有意であった(週:F(1,36)=54.45、p<0.001;課題:F(1,36)=40.32、p<0.001)。これらの効果は、全体的な濃度が第0週から第8週へと減少し、課題が血漿コルチゾール濃度を上昇させたことを示している。図6は、食餌が、第0週から第8週への課題に対する反応の変化に影響を及ぼす場合があることを示唆しているが、食事の因子に関わる有意な効果は、わずかでしかなかった[食餌×週:F(1,36)=3.42、p=0.073;食餌×課題:F(1,36)=3.62、p=0.065]。ACTHの場合、有意な結果は、課題についての主効果だけであり(F(1,20)=13.79、p=0.001)、このことは、行動バッテリーを受けると、介入期間の前及び終わりの両方でACTH濃度が確実に上昇したことを示している。
課題に対するコルチゾール及びACTHの反応を直接評定し、同時に課題前の活性の差を説明するために、我々は、また、3元ANOVA(リビングルームなし/リビングルームあり×食餌×週)によって、課題後の濃度を課題前の濃度のパーセンテージとして調査した。コルチゾールの場合、ANOVAによって、食餌の有意な主効果(F(1,36)=6.91、p<0.05(食餌A>食餌B))、及び週の有意な主効果(F(1,36)=4.89、p<0.05)が明らかになった。週についての主効果は、リビングルームなし/リビングルームあり×週の有意な相乗効果によって制限された(F(1,36)=5.85、p<0.05)。図7に示したように、イヌが介入期間の間にリビングルームを経験しなかった場合、課題に対する反応は、第8週には第0週のほぼ2倍の大きさになった(p<0.05)。しかし、イヌがリビングルームを経験した場合、第1週から第8週へとコルチゾール反応の大きさに変化はなかった。ACTHについては、有意な主効果若しくは相乗効果はなかった。
最後に、ホルモン濃度が血液試料を収集するのに要する時間の影響を受けるかどうか評定するために、我々は、すべての被験体にわたって、試料採取時間と、コルチゾール及びACTH両方の濃度との間の相関係数を算出した(コルチゾールでは40;ACTHでは24)。この分析では、我々は、演繹的に第0週における課題後の内分泌レベルを調査することを選択した。これらの値は、相関分析によく適しており、これは、得点間にかなりのばらつきがあり、且つ、コルチゾール濃度又はACTH濃度のいずれに対しても、リビングルーム又は食餌操作のいずれにも有意な効果がなかったからである。試料採取時間と内分泌レベルとの間の有意な関係は、観察されなかった(p>0.10)。
(議論)
(人間との交流及び食餌)
この研究は、公営の動物保護施設に監禁されたイヌの行動に対する、人間との交流プログラム及び食餌の両方の効果を見出した。行動バッテリーの最後の段階における線の横断は、イヌが高品質の食餌の一例である食餌Bを給餌された場合に、試験前に対して試験後に相対的に減少した。この効果は、食餌Bを給餌されたイヌによる、第4段階での空気警笛に応答した運動のより大きな減少を反映しておらず、第1段階に対する第4段階での線の横断の減少の直接的な評定は、有意でなかった。むしろ、食餌Bを給餌されたイヌは、試験前から試験後へと、試験場における運動の全般的な減少を示し、この差が第4段階で有意に達したように思われる。第1段階、第3段階、及び第4段階にわたって合計される線の横断並びに自発運動の因子に対するわずかに有意な食餌の効果が、この結論を裏付けている。
食餌Bは、また、行動バッテリーの間になされた脱走試行の回数を減少させたが、これは、さらに定期的にリビングルームも経験したイヌだけに見られた。見知らぬ人に対する反応の試験では、我々は、リビングルーム操作の主効果を見出した。この人間との静かな接触を定期的に受けたイヌは、これら補足的な人間との交流期間を与えられなかったイヌよりも、推定される不安行動である、対象のない舐める動作が起こる事例が、試験前に比べて試験後で少なくなった。それと同時に、この結果は、食餌Bのような高品質の食餌、並びに人間との交流の定期的な、ただし限られた補足期間が、動物保護施設で飼育されるイヌを沈静化させる影響を有する可能性があることを示唆している。
我々は、また、パンティングに費やす秒数の指標(しばしば、不安若しくは恐れの表れ、フォイト(Voith)及びボルヒェルト(Borchelt)、1996)、あくびの回数の指標(葛藤を暗示する置き換え行動、フォイト(Voith)、マックグレーブ(McGrave)、及びマーダー(Marder)、1987)、並びに、見知らぬ人に対する反応試験においてイヌが見知らぬ人を舐める動作をした事例の数の指標(脅迫的な状況での人間との接触の懇願(solicitation)の指標)に対する、より複雑な相乗効果を見出した。いずれの場合にも、新奇環境における反応性は、イヌが食餌Aを給餌された場合、リビングルームを経験しなかったイヌにおいて、また、食餌Bを給餌された場合、リビングルームを経験したイヌにおいて、試験前に比べて試験後に減少する傾向にあった。この差は、リビングルームを経験しなかったイヌの場合に特に顕著であった。
過去の実験研究では、ミラー(Miller)(ミラー(Miller)、偶発的及び非偶発的世話の効果:幼若イヌ科動物の懇願に対する人間の社会的対応の差(Effects of contingent and noncontingent caretaking:differential human social responding to solicitations of young canids.)、コロンバス、オハイオ州立大学、未公開修士論文(1991);チューバー(Tuber)ら、心理科学(Psychol.Sci.)、第10巻、379〜386頁(1999)参照)は、リビングルームの手順を使用して、引き取られた子犬において望ましいと判定される社会的行動を決定した。人間との接触は、懇願行動(例えば、人を舐め、嗅ぎ、又は前肢で触る行動)の発生を条件としてなされた。それらの条件では、リビングルームが、その後の不慣れな環境における人間との静かな接触を増加させた。
この研究のリビングルームの手順では、人間との接触が与えられた幼犬/成犬は、懇願行動を条件としてなされたのではない。したがって、いずれの行動試験でも、リビングルームが、接触、見知らぬ人を舐める動作、若しくは他の懇願行動を増加させなかったことは、驚くことではない。さらに、この研究の条件下では、試験場における懇願行動は、単純に人間に対して惹き付けられたのではなく、新奇環境における不安感を反映しているように思われる。
以前の研究で、食餌タンパク質のレベルの増大が、一部のイヌにおいて攻撃性を促進する場合があることが示唆された(ドッドマン(Dodman)ら、アメリカ獣医学会誌(J.Am.Vet.Med.Assoc.)、第208巻、376〜379頁(1996);デナポリ(DeNapoli)ら、アメリカ獣医学会誌(J.Am.Vet.Med.Assoc.)、第217巻、504〜508頁(2000))。本研究では、保護施設に収容された時に攻撃性の徴候を見せたイヌは、引き取られるのに適していないと見なされ、したがって可能性のある被験体のプールには含まれなかった。我々の被験体の中では、行動試験又はリビングルームのいずれでも、明らかな攻撃性は1度も観察されなかった。非攻撃性に選択された我々のイヌのサンプルの中では、食餌によって誘発された攻撃性は、示唆されなかった。
過去にリビングルームを経験したイヌによる対象のない舐める動作の減少、並びに、予めリビングルームを経験し、且つ食餌Bを与えられたイヌによる脱走試行の減少は、リビングルームが、また、保護施設におけるイヌのその後の行動に、訓練によって作られた特定の行動の変化に勝る好ましい影響を及ぼす可能性もあることを証明している。さらに、行動訓練が、確認された行動上の問題を正し、さらに、イヌの引き取り先家庭への移動を容易にするはずの基本能力(例えば、座れ(sit)から待て(stay)まで)を促進するための手段を提供する。時間の投資(20分/日、5日/週)及び空間の投資(小さな部屋を1つ)が比較的適度なものであるので、一部の保護施設、特にボランティアプログラムが機能している施設では、この手順が実行可能なはずである。
(内分泌レベルに対する食餌及び人間との交流)
この研究は、また、保護施設のイヌにおけるHPA活性の指標に対する、食餌の緩和効果及び人間との交流プログラムの緩和効果の両方を見出した。食餌Bを給餌されたイヌは、8週間で血中ACTH濃度の減少を示したが、食餌Aを給餌されたイヌは、血中ACTH濃度の減少を示さなかった。この発見は、保護施設の環境への適応に対する栄養の影響を示唆している。この効果は、ACTHだけに見られた。コルチゾール濃度は、2週目の時点で両方の食餌群において大きく減少し、食餌の効果の差を示さなかった。
人間との交流のプログラムについて、非常に異なる効果が見出された。リビングルームの手順を受けなかったイヌでは、試験バッテリーを受けた後のコルチゾール濃度の上昇パーセンテージが、第0週から第8週へとほぼ2倍になった。この増加は、イヌがリビングルームにおいて適度な量の人間との交流を定期的に経験した場合、完全になくなった。保護施設での継続的な飼育は、試験バッテリーに対する内分泌反応の感作をもたらしたが、リビングルームの手順を受けると、この感作の発生が抑制されたように思われる。リビングルームの手順の効果は、ACTHについては見られなかった。血液が課題後の単一の時点で試料採取されたので、ACTHについて類似の効果が存在しないのは、ACTH及びコルチゾール反応の時間経過が異なることによる可能性がある。
急性のストレス因子に曝されると、視床下部から放出される分泌促進物質、特に副腎皮質刺激ホルモン放出因子が、下垂体を刺激してACTHを放出させ、次にはそれが副腎皮質にコルチゾールのような糖質コルチコイドを分泌させる。したがって、HPA軸の様々なホルモンの反応には、通常、高い相関があるが、それぞれがそれ自体の特定の時間経過に従う。慢性のストレス因子に曝されている間、この相関は、例えば、その刺激ホルモンについての腺の感応性の緩やかな低下によって減少する場合がある(HPA調節障害が起こることがある)。過去の研究で、我々は、保護施設に収容された時のイヌによる長期的なコルチゾール反応を観察した:その濃度は、初めの3日間で上昇し、その後、緩やかな減少を示すように見えた(ヘネシー(Hennessy)ら、生理的行動(Physiol.Behav.)、第62巻、485〜490頁(1997))。これに一致して、本研究は、第3日のコルチゾール濃度が、第19日における次の測定で減少したことを見出した。ただし、我々が以前に測定しなかったACTH濃度は、この同一期間にわたって有意な変化を示さなかった。
保護施設から引き取られたイヌの行動の考えられる予測因子を調査する最近の研究で、我々は、驚くべきことに、保護施設2日目の比較的低いコルチゾール濃度が、引き取り後6ヶ月でより多くの飼主によって報告される行動上の問題と関係があることを見出した(ヘネシー(Hennessy)ら、2001)。これらのイヌにおける低いコルチゾール濃度が、保護施設での監禁に応答したストレスの減少ではなく、保護施設に収容される前にストレス因子に曝された結果としてのHPA軸の調節異常を反映している可能性があると仮定された。例えば、放置若しくは捨てられたことによる慢性的なストレスを経験したイヌは、ACTHの慢性的上昇に応答した副腎の感応性の低下を示す場合がある。その場合、これらのイヌにおいて、保護施設への収容が、収容前にストレス因子に継続的に曝されていないイヌよりも、両方の群のイヌが同等量のACTHを分泌した場合でさえ、血漿コルチゾール濃度の上昇を低減させる可能性がある。本研究における、血漿コルチゾール濃度は2週目の時点で明らかな降下を示したが、血漿ACTH濃度は降下しなかったという発見には、関連性があり、それは、この発見が、実際にイヌが継続的な心理的ストレス及びACTHの分泌に応答した副腎の感応性の低下を示し得ることを示唆しているからである。
すべての血液試料は、静脈穿刺手順を採用して、4分以内に、通常はそれよりはるかに迅速に収集された。これが、血液試料の採取手順自体が収集された試料におけるコルチゾール濃度に影響を及ぼさないことを保証するのに十分に迅速であることを、ラット及びマウスでの発見が示している(クーバー(Coover)ら、生理的行動(Physiol.Behav.)、第6巻、261〜263頁(1971);ダビッドソン(Davidson)ら、内分泌学(Endocrinol.)、第82巻、655〜663頁(1968);ライリー(Riley)ら、精神神経免疫学(Psychoneuroimmunology)、アカデミックプレス(Academic Press)、31〜102頁(1981))。血漿ACTH濃度は、刺激に対して、コルチゾール濃度よりも急速に上昇するので、得られたACTHの濃度は、恐らく試料採取手順による影響をある程度受けた。しかし、ACTH濃度と試料採取時間との間に有意な相関がないことが、生起したそのような試料採取の効果が強力なものではなかったことを示している。さらに、ACTH濃度において観察された食餌の効果並びに課題後の濃度増加の両方から示されるように、ACTH指標が、やはり実験操作を反映していたことが明らかである。
過去に、落ち着かせるように撫でることを伴った人間との交流が、ストレス因子に曝された直後に撫でられた時には、保護施設のイヌにおいて、軽度のストレス因子である静脈穿刺に対するコルチゾール反応を緩和できることが実証された。本発見は、これらの結果を2つの方法で拡張する。第1に、それらは、急性の心理的ストレス因子から離れた時点での人間との交流プログラムが、コルチゾール反応を低減できることを示している。第2に、本発見は、栄養的介入が、保護施設での飼育に対するACTH反応を独立に低減できることを示唆している。
パーセンテージ及び比率はすべて、特に指示のない限り、重量で計算される。パーセンテージ及び比率はすべて、特に指示のない限り、食餌の総量に基づいて計算される。
本明細書では、本発明で使用される様々な成分を含めた構成成分について商品名を参照する。我々は、ある特定の商品名の物質によって制限されるものではない。商品名によって参照されたものと同等の物質(例えば、異なる供給元から異なる名称若しくは参照番号で得られるもの)を、本明細書の記載において置き換えてよく、また利用してよい。
発明の説明では、様々な実施形態及び/又は個々の特徴が開示される。当業者には明らかなように、このような実施形態及び特徴のすべての組み合わせが可能であり、そのようなすべての組み合わせが本発明の好ましい実施例をもたらすことができる。
本明細書の食餌は、本明細書に記載のいずれの要素を含んでもよく、いずれの要素から本質的に成ってもよく、又はいずれの要素から成ってもよい。
本発明の様々な実施形態及び個々の特徴を説明し記載したが、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、他の様々な変更及び修正を実施することができる。やはり明らかなように、上記開示で教示された実施形態及び特徴のすべての組み合わせが可能であり、そのようなすべての組み合わせが本発明の好ましい実施例をもたらすことができる。
すべての刊行物、特許、及び特許文書は、個々に参考として組み込まれたものとして、本明細書に参考として組み込まれる。本発明を、様々な具体的且つ好ましい実施形態及び技術に即して記載してきた。しかし、本発明の精神及び範囲内のままで、多くの変形形態及び修正形態を実施できることを理解すべきである。
8週間の介入期間の間にイヌによって消費された対照食餌(食餌A)及びプレミアム食餌(食餌B)の平均の1日のパーセンテージ。 2種の実験食餌を給餌されたイヌの、介入期間の開始前の日(第5日)及び介入期間の最後の日(第61日)の平均体重。縦の線は、平均の標準誤差を示す。介入期間の間に、プレミアム食餌(食餌B)を給餌されたイヌは体重が増加したが、対照食餌(食餌A)を給餌されたイヌは体重が増加しなかった(p<0.01)。 行動バッテリーにおける有意な効果についての平均得点差(試験後−試験前)。縦の線は、平均の標準誤差を表す:(A)第4段階の間の線の横断、*食餌Aとの比較p<0.05;(B)脱走試行の総数、*食餌A・リビングルームとの比較p<0.05。 行動バッテリーにおける有意な効果についての平均得点差(試験後−試験前)。縦の線は、平均の標準誤差を表す:(A)第4段階の間の線の横断、*食餌Aとの比較p<0.05;(B)脱走試行の総数、*食餌A・リビングルームとの比較p<0.05。 見知らぬ人に対する反応の試験における有意な効果についての平均得点差(試験後−試験前)。縦の線は、平均の標準誤差を表す:(A)パンティングの秒数、*食餌B・リビングルームなしとの比較p<0.05;(B)あくびの回数;(C)人を舐める動作の回数、*食餌B・リビングルームなしとの比較p<0.05、**食餌B・リビングルームなしとの比較p<0.01;(D)対象のない舐める動作の回数、*リビングルームありとの比較p<0.05。 見知らぬ人に対する反応の試験における有意な効果についての平均得点差(試験後−試験前)。縦の線は、平均の標準誤差を表す:(A)パンティングの秒数、*食餌B・リビングルームなしとの比較p<0.05;(B)あくびの回数;(C)人を舐める動作の回数、*食餌B・リビングルームなしとの比較p<0.05、**食餌B・リビングルームなしとの比較p<0.01;(D)対象のない舐める動作の回数、*リビングルームありとの比較p<0.05。 見知らぬ人に対する反応の試験における有意な効果についての平均得点差(試験後−試験前)。縦の線は、平均の標準誤差を表す:(A)パンティングの秒数、*食餌B・リビングルームなしとの比較p<0.05;(B)あくびの回数;(C)人を舐める動作の回数、*食餌B・リビングルームなしとの比較p<0.05、**食餌B・リビングルームなしとの比較p<0.01;(D)対象のない舐める動作の回数、*リビングルームありとの比較p<0.05。 見知らぬ人に対する反応の試験における有意な効果についての平均得点差(試験後−試験前)。縦の線は、平均の標準誤差を表す:(A)パンティングの秒数、*食餌B・リビングルームなしとの比較p<0.05;(B)あくびの回数;(C)人を舐める動作の回数、*食餌B・リビングルームなしとの比較p<0.05、**食餌B・リビングルームなしとの比較p<0.01;(D)対象のない舐める動作の回数、*リビングルームありとの比較p<0.05。 保護施設における第0週、第2週、第4週、及び第8週の間の、対照食餌(食餌A)を給餌されたイヌ及びプレミアム食餌(食餌B)を給餌されたイヌの、平均血漿コルチゾール濃度(上)及びACTH濃度(下)。縦の線は、平均の標準誤差を表す。 保護施設における第0週、第2週、第4週、及び第8週の間の、対照食餌(食餌A)を給餌されたイヌ及びプレミアム食餌(食餌B)を給餌されたイヌの、平均血漿コルチゾール濃度(上)及びACTH濃度(下)。縦の線は、平均の標準誤差を表す。 保護施設における第0週及び第8週の課題前並びに課題後の、対照食餌(食餌A)を給餌されたイヌ及びプレミアム食餌(食餌B)を給餌されたイヌの、平均血漿コルチゾール濃度(上)及びACTH濃度(下)。縦の線は、平均の標準誤差を表す。 保護施設における第0週及び第8週の課題前並びに課題後の、対照食餌(食餌A)を給餌されたイヌ及びプレミアム食餌(食餌B)を給餌されたイヌの、平均血漿コルチゾール濃度(上)及びACTH濃度(下)。縦の線は、平均の標準誤差を表す。 保護施設における第0週及び第8週の、リビングルームを経験したイヌ及び経験しなかったイヌについての、課題前の濃度のパーセンテージとして表された平均の課題後コルチゾール濃度(上)及びACTH濃度(下)。縦の線は、平均の標準誤差を表す。 保護施設における第0週及び第8週の、リビングルームを経験したイヌ及び経験しなかったイヌについての、課題前の濃度のパーセンテージとして表された平均の課題後コルチゾール濃度(上)及びACTH濃度(下)。縦の線は、平均の標準誤差を表す。

Claims (10)

  1. 動物保護施設へのイヌの適応を改善する方法、動物保護施設で暮らすイヌの行動を穏やかにする方法、動物保護施設からのイヌの引き取り成功率を増加させる方法、イヌの不安を低減させる方法、イヌの福祉を向上させる方法、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される方法であって、前記方法がイヌに高品質の食餌を給餌することと、任意でイヌに人間との定期的な交流を与えることとを含む方法。
  2. イヌにおいてACTH濃度を低減させる方法、イヌにおいてコルチゾール濃度を低減させる方法、イヌにおいてHPAレベルを低減させる方法、及びこれらの組み合わせから成る群から選択される方法であって、前記方法がイヌに高品質の食餌を給餌することと、任意でイヌに人間との定期的な交流を与えることとを含む方法。
  3. 前記高品質の食餌は、当該食餌の約5重量%〜約50重量%の粗タンパク質、約0.5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約1重量%〜約10重量%の粗繊維、及び約1重量%〜約30重量%の水分を含む、ドライタイプの食餌である、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記高品質の食餌は、当該食餌の約0.5重量%〜約40重量%の粗タンパク質、約0.5重量%〜約25重量%の粗脂肪、約0.5重量%〜約15重量%の粗繊維、約60重量%〜約90重量%の水分、約0.1重量%〜約20重量%の灰分、及び約0.001重量%〜約5.0重量%のタウリンを含む、モイストタイプの食餌である、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記高品質の食餌は、当該食餌の少なくとも約0.05重量%のDHA及び少なくとも約0.05重量%のEPAを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記高品質の食餌は、当該食餌の少なくとも約0.1重量%のDHA及び少なくとも約0.1重量%のEPAを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記高品質の食餌は、約3.5Kcal/gの最低代謝エネルギーレベルを有する、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記高品質の食餌は、当該食餌の約20重量%〜約50重量%の動物由来成分を含む、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記高品質の食餌は、当該食餌の約35重量%〜約50重量%の動物由来成分を含む、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記高品質の食餌は、当該食餌の少なくとも約0.15重量%のDHA及び少なくとも約0.15重量%のEPAを含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の方法。
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