JP2005530765A - 乾燥粉末吸入器のためのカプセル及びそれを製造及び使用する方法 - Google Patents

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Abstract

乾燥粉末製剤のエアロゾル吸入による肺デリバリーは、経皮、筋内及び皮下注射に対する魅力的な代替として多くの注目を浴びており、何故ならこの方法は注射シリンジ及び針の必要性を除外するからだ。本発明は、乾燥粉末を充填した、乾燥粉末吸入器と共に使用するために特定の利用価値を有するセルロースベースのカプセルを提供する。かかるカプセルは常用のDPIとすぐに組み合わせることのみならず、常用の粉末充填技術とも組み合わせることができ、従って、時間と労働コストをセーブできる。本発明は更に、かかる粉末充填カプセルを、最初から、調製するための適切且つ至適な条件を決定するための新規手順を供する。特に、乾燥粉末製剤を長期保存のためにパッケージングする場合、粉末の含水率が臨界水分点を超えないことを確かにすることが重要である。この点では、粉末が物理及び化学的な安定性を失う。本発明は、平衡含水率を予測するための手段を記載し、それは、適切なカプセル調製及び充填プロトコールを確立するために使用されて良い。

Description

技術分野
本発明は、一般にドラッグデリバリーの分野に関連し、そして詳細には医薬製剤を肺に対してデリバリーすることに関連する。一層詳細には、本発明は、乾燥粉末製剤の単位用量パッケージングの改良に関連し、かかる単位用量パッケージは、乾燥粉末吸入器と共に使用するための特定の実用性を有するカプセルの形態にある。
発明の背景
エアロゾル吸入による肺デリバリーは、経皮、筋内及び皮下注射に対する魅力的な代替として多くの注目を浴びており、何故ならこの方法は注射シリンジ及び針の必要性を除外するからだ。肺デリバリーは、経皮、イオン導入法により、そして鼻腔内にデリバリーされた薬物に共通する副作用である皮膚及び体粘膜に対する刺激をも制限し、鼻腔及び皮膚浸透性増強剤(往々にして皮膚刺激/皮膚炎を生じる鼻腔内及び経皮系の典型成分)に対する要請を排除し、経済的に魅力があり、患者が自己投与しやすく、そして往々にして、他の代わりの投与方法を超えて患者に好まれる。
本発明に関して特に注目は、肺デリバリー装置であり、それは、分散体内の活性薬物が肺の遠位(肺胞)領域に到達できるように患者による医薬製剤の吸入に頼る。医薬製剤を分散させるために様々なエアロゾル化システムが提案されてきた。エアロゾル化システムの例としては、DPI(dry powder inhalers)、MDI(metered dose inhalers、典型的に推進剤中に格納されている薬物を含む)、ネブライザー(圧縮ガス、通常は空気を使用するエアロゾル液)などである。
一層詳細に本発明は「乾燥粉末吸入器」又は「DPI」に関連する。DPIは、2つの形態:加圧されたガス又は振動又は回転要素などの活性力を利用し、装置内に入っている薬物製剤を分散及びエアロゾル化するもの(即ち、活性乾燥粉末吸入器)、及び患者の吸気行動に専ら頼り当該装置内に入っている薬物製剤を分散及びエアロゾル化するもの(即ち、受動乾燥粉末吸入器)、で売られている。
活性粉末分散装置の例は、米国特許第5,785,049号及び5,740,794号(それらの開示内容は本明細書中に組み込まれている)に記載されている。当業界で公知の活性DPIの更なる例は、例えば、米国特許第5,875,776号、及び6,116,238号、及び6,237,591号(それらは本明細書中参照によって組み込まれている)、並びに同時係属出願の米国特許出願1998年1月8日に提出された09/004,558;1999年6月4日に提出された09/312,434;1999年5月28日に提出された60/136,518;及び1999年6月30日に提出された60/141,793(それらは全て本明細書中に全体を参照によって組み込まれている)に開示されている。
受動乾燥粉末吸入器に関して、吸入されるガスが医薬製剤を分散させる。このようにして、患者自身の吸入が、製剤をエアロゾル化するために必要となるエネルギーを提供する。このことは、エアロゾルの生成及び吸入が適切に同期化されることを確実にする。しかし、患者の吸入行動を利用することは、いくつかの観点における挑戦でありうる。例えば、いくつかの医薬製剤、例えば、インスリンを含むものに関して、吸入流速を所定の限界に制限することが望まれうる。例えば、1999年3月11日に提出されたPCT/US99/04654は、ガス流速<17L/minでのインスリンの肺デリバリーを提供する。他の例として、同時係属出願米国特許出願第09/414,384号は初期時間に渡り高い流れ抵抗が供されており、そしてある時間に渡りより低い流れ抵抗が供されている肺デリバリー技術を記載している。上記参考文献の全ての開示内容は、本明細書中参照によって組み込まれている。患者の吸入行動の多様性に伴う問題は、乾燥粉末吸入装置の設計改良を通じて対応されてきた。例えば、WO01/00263及びWO00/21549(本明細書中参照によって組み込まれている)は、流れ調節及び流れ抵抗調節などを伴う乾燥粉末吸入器を開示する。他の適切な受動DPIは、米国特許第4,995,385号及び第5,727,546号(本明細書中参照によって組み込まれている)に開示されておる。
乾燥粉末吸入器を適切に機能させるために、分散されるべき呼吸用乾燥粉末の化学的及び物理的特性は、慎重に設計及び維持されなければならない。例えば、呼吸用乾燥粉末内の活性因子はそれが容易に個々の粒子中心へと分散するように処方されなければならない。粒子は好適に、質量中位直径(MMD)を0.5〜20μm、好適には0.5〜5μmで有し、そして質量中位空気動力学直径(MMAD)のエアロゾル粒子サイズ分布が約10μm未満、一層好適には5.0μm未満である。粉末の質量中位空気動力学直径は、特徴的に、約0.5〜10μm MMAD、好適には約0.5〜5.0μm MMAD、一層好適には約1.0〜4.0μm MMADである。
同様に、粒子は非常に低いかさ密度を有する必要があり、そして単位用量容器中に充填できうる最小粉末質量は減らされ、それにより担体粒子の必要性が排除される。即ち、本発明の比較的低密度の粉末は、比較的低い用量の医薬化合物の再現的投与を供する。更に、担体粒子の排除により、巨大担体粒子、典型的にはラクトースがそのサイズが理由で、喉及び上方の気道に衝撃を与える、喉沈着及び全ての「口ふさぎ」効果が潜在的に最小化されるだろう。
従って、結晶化又は粒子凝集などの物理的不安定化は、実質上実現可能性を損ないうる。粉末のかかる破損を防ぐために、DPI製剤は典型的に単位用量ユニットの、例えばブリスターパック、ホイル及び上記特許に開示されているもの中にパッケージングされる。パッケージングの主な機能は、標準条件下で保存する間、ある可能な程度まで粉末の初期のパラメーターを維持することによって、呼吸用乾燥粉末の棚寿命を延ばすことである。
残念なことに、現在利用されているホイル及び他のブリスターパック用量形態は往々にして、乾燥粉末分注器と調和することがない。実際に、市場で最も入手可能な乾燥粉末分注器は、破裂させることが可能なカプセルなどと使用するために設計されている。従って、かかるブリスターパックと常用の乾燥粉末分注器との使用を機能させるためには、複雑且つコストのかかる変更が必要となる。故に、カプセルは、それらの、入手可能な吸入装置との適合性及びより多体積の粉末をデリバリーする能力が理由で、望ましいと考えられている。
発明の概要
本発明者は、カプセル中で使用するための粉末を処方することによって、粉末の含水率が調節されて良いことを開示している。その調節はカプセルを水分バッファーとして使用することによる。乾燥粉末を、ブリスター又はホイルパックとではなく、カプセルと使用するために処方することによって、当業者は粉末充填及び分散の常用の技術を利用することができ、従って、時間、労働力及びコストが削減される。更に、本明細書中に記載されているカプセル処方法により、パッケージングされた製品の棚寿命全体を通じてカプセルの信頼性と製剤の安定性の両方が確保される。本明細書中に示されるように、本処方戦略は、保存安定性における改良、即ち、水分の粉末への移動(最終的に粉末の不安定性及び実現不可能性をもたらす過程)を減少させる方法がもたらされる。更に詳細には、本発明者は、カプセルを、所定の相対湿度で、充填前にプレ平衡化することにより粉末の含水率の変化を最小にし、そして当該粉末がその最大及び最小の臨界水分点の間で長期に渡り確実に維持されることを発見した。
本発明は、分散可能乾燥粉末組成物を含むカプセル及びそれらを使用する方法に関する。本発明は、少なくともある部分において、カプセル物質の、伝統的なホイル及びブリスターパッケージングと比較した場合の、既存の技術及び保存安定性の維持の観点における利点、の発見に基づく。これらの利点のうちの1つとは、カプセルの、更なる乾燥剤などを必要とすることなく長期に渡り適切な含水率の範囲(即ち、最大臨界水分点未満及び最低臨界水分点超)内で粉末を維持する能力である。カプセルを、水分「シンク(sink)」として作用させることによって含水率を調節するために使用することにより、乾燥粉末の分散性及び流動性における有意な改善が図られ、それは、次には、製剤内に含まれている活性因子の高効率デリバリー、例えば、深い肺生体利用効率及び肺-肺(lung-pulmonary)生体利用効率の増加の可能性につながる。
本発明は更に、最初から、適切且つ至適なカプセル調製及び充填条件を決定するための新規手順に関する。詳細に、本発明の方法は、カプセルが調製されて充填される至適RH条件の予測を可能にし、それによって粉末の最終含水率が確保され、粉末が、そのカプセルとの水分移動平衡に至った後、それは粉末の臨界水分点(即ち、その点より下では粉末の物理的及び化学的安定性が損なわれ、そしてその点より上では粉末の分散性が損なわれる)の範囲内である。
従って、本発明の目的は、単位用量パッケージであって:
(a)最大臨界水分点を有する乾燥粉末製剤;及び
(b)前記乾燥粉末製剤を受け入れ且つ当該粉末の平衡含水率が最大臨界水分点を超えないように予め選定された初期含水率を有するカプセル;
含んで成り、
前記製剤は、室温において前記カプセル内で保存安定性がある、
単位用量パッケージを提供することである。
従って、本発明の他の目的は、単位用量パッケージであって:
(a)最大臨界水分点を有する乾燥粉末製剤;及び
(b)前記乾燥粉末製剤を受け入れ且つ当該粉末の平衡含水率が最小臨界水分点を下回らないように予め選定された初期含水率を有するカプセル含んで成り、
前記製剤は、室温にて前記カプセル内で保存安定性がある、
単位用量パッケージを提供することである。
本発明の更なる目的は、乾燥粉末製剤を伴うカプセルを調製する方法であって:
(1)当該カプセルを最大相対湿度(RH)より下にプレ平衡化せしめ、ここで当該最大相対湿度は当該粉末製剤及びカプセルの質量及び水分吸収等温線から予め決定され;
そして、
(2)当該カプセルに、当該粉末の平衡含水率がその最大臨界水分点を超えないように予め選択された相対湿度にて、当該乾燥粉末製剤を充填し、それによって室温における粉末充填カプセルの保存安定性が確保される、
段階を含んで成る方法を供することである。
1つの実施態様において、所定の最大相対湿度は、25℃で50%より低い。他の実施態様において、所定の最大相対湿度は、25℃で30%又は20%RHより低い。
1つの実施態様において、粉末の最大臨界含水率は4重量%水未満である。他の別な実施態様において、粉末の最大臨界含水率は3重量%水未満である。
本発明の更なる目的は、乾燥粉末製剤を伴うカプセルを調製する方法であって:
(1)当該カプセルを最小相対湿度(RH)より上にプレ平衡化せしめ、ここで当該最小相対湿度は当該粉末製剤及びカプセルの質量及び水分吸収等温線から予め決定されており;
そして、
(2)当該カプセルに、当該粉末の平衡含水率がその最小臨界水分点を下回らないように予め選択された相対湿度にて、当該乾燥粉末製剤を充填し、それによって室温における粉末充填カプセルの保存安定性が確保される、
段階を含んで成る方法を供することである。
1つの実施態様において、所定の最小相対湿度は、25℃で5%より高い。他の実施態様において、所定の最小相対湿度は、25℃で10%RHより高い。
非晶質、呼吸用、分散可能な乾燥粉末組成物を含むカプセル及びエアロゾル化を介し局所及び全身療法のために気道に対して肺投与するための方法を供することが本発明の更なる目的である。乾燥粉末吸入器集成体であって:上記単位用量パッケージ、カプセルに含まれている前記乾燥粉末製剤を放出させるために内容物にアクセス可能にするための作動可能(actuable)穿通要素、当該カプセル内に含まれている乾燥粉末製剤を、当該穿通要素が作動することによって受け入れるための吸入チャンバー、及び当該吸入チャンバーと流体連絡するマウスピース(それを介して当該放出された乾燥粉末製剤が患者の肺に入る)、を含んで成る乾燥粉末吸入器集成体であって、ここで当該製剤は当該穿通要素が作動するまではマウスピースを通じて分散させられない、集成体を提供することが本発明の更なる目的である。
好適な実施態様において、前記穿通要素は手動式である。例えば、前記穿通要素は、回転ねじり運動によって、水平スライド運動によってかあるいは噛みあうネジ穴を相互連絡することによって作動されて良い。かかる穿通要素は上記引用した吸入器特許において公知になっている。
本発明のこれら及び他の目的及び特徴は、以下の詳細な説明が、付随する図及び例と共に読まれた場合に一層十分に明らかになるだろう。
定義
用語「呼吸用乾燥粉末」とは、比較的自由に流れ且つ(i)吸入装置中で容易に分散されそして(iii)一部の粒子が肺に到達し肺胞へ浸透可能なように対象者によって吸入されることができる微細に分散された粒子を含む組成物を意味する。当該乾燥粉末は、結晶、非晶質又は両方の混合物(部分的に結晶質)である。かかる粉末は、「呼吸可能」又は「吸入可能」であり、一層詳細には、「肺デリバリー」に適している。乾燥粉末は典型的に水を20重量%未満、好適に水を15重量%未満、そして一層好適には水を約8重量%未満含む。好適な実施態様は、呼吸用乾燥粉末製剤に関するが、それは本発明が、経口投与など他の投与経路を目的とした製剤のために行われうると解される。
本明細書中で使用される場合「受動乾燥粉末吸入器」とは、患者の呼吸行動に頼り当該装置内に入っている薬物製剤を分散及びエアロゾル化する吸入装置を意味し、そして薬物製剤を分散及びエアロゾル化するためにエネルギーを提供するための手段、例えば、圧縮ガス及び振動又は回転要素を含んで成る吸入用装置を含まない。
反対に、「活性乾燥粉末吸入器」とは、圧縮ガスなどの活性力を利用し、装置内に入っている薬物製剤を分散及びエアロゾル化する吸入装置を意味する。
本明細書中で使用される場合「放出用量」又は「ED」とは、薬物製剤が適切な吸入装置から、発射又は分散事象の後にデリバリーされることの目安を示すことに言及する。更に詳細には、乾燥粉末製剤に関して、当該EDとは、単位用量パッケージから排出される当該粉末の%及び吸入装置のマウスピースに存在する当該粉末の%の程度を意味する。前記EDとは、吸入装置によってデリバリーされる用量:公称用量の比(即ち、発射前に適切な吸入装置中に配置された単位用量あたりの粉末の質量)として規定されている。EDは実験的に測定されるパラメーターであり、そして典型的に、患者の投与を模倣してセットアップしたin vitro装置を使用することで決定される。ED値を決定するために、典型的に単位用量形態における乾燥粉末の公称用量が適切な乾燥粉末吸入器(例えば、米国特許第4,995,385号に開示されている)中に配置され、次いでそれを作動させ、当該粉末を分散させる。次いで、生じるエアロゾルは、真空によって当該装置から引き出され、そこでそれは装置のマウスピースに対して接着せしめられている風体フィルター上に捕捉される。フィルターに到着する粉末の量が放出用量となる。例えば、吸入装置に中に配置された乾燥粉末含有投与形態5mgに関して、もし当該粉末の分散が上記風体フィルター上での粉末4mgの回収をもたらせば、当該乾燥粉末組成物についての放出用量は:4mg(デリバリーされた用量)/5mg(公称用量)×100%=80%である。不均質な粉末について、ED値は、吸入装置からの乾燥粉末ではなく薬物の発射した後のデリバリーの目安を供し、そしてそれは合計粉末重量ではなく薬物の量に基づいている。MDIとネブライザー用量形態の類似性は、EDが、単位用量形態から非出され且つ吸入装置のマウスピースに存在する薬物の%に対応することである。
本明細書中で使用される場合、用語「エアロゾル化」とは、微細乾燥粉末又は液体粒子のガス状懸濁を意味する。エアロゾル化された医薬は乾燥粉末吸入器、計量式吸入器、又はネブライザーによって生成されうる。
「分散可能」粉末は、約30%以上、好適には約40%以上、一層好適には約50%、そして更に一層好適には55%以上のED値を有するものである。
「活性因子」とは、本明細書中で使用される場合、ある剤、薬物、化合物、物質の組成物又はそれらの混合物を意味し、それらはいくつかの診断、予防、又は薬理、往々にして有利な効果を供するものである。これらとしては、食品、補助食品、栄養、薬物、ワクチン、ビタミン、及び他の有利な剤が挙げられる。本明細書中で使用されている場合、前記用語は、患者において局所又は全身的な効果を生み出す全ての生理的又は薬理的に活性を有する物質を意味する。医薬的な活性を有する剤としては、β2−アゴニスト、ステロイドの例えばグルココルチコステロイド(好適には抗炎症物質)、抗コリン作動性物質、ロイコトリエンアンタゴニスト、ロイコトリエン合成阻害物質、疼痛緩和薬の一般に例えば、鎮痛剤及び抗炎症物質(例えばステロイド系及び非ステロイド系抗炎症物質の両方)、心血管作動薬の例えば、強心配糖体、呼吸薬、抗喘息剤、気管支拡張薬、抗ガン剤、アルカロイド(例えば、麦角アルカロイド)又はトリプタンの例えば片頭痛の治療において使用できうるスマトリプタン又はリザトリプタン、糖尿病とそれに関連する疾患を治療するのに有用な薬物(例えば、スルフォニルウレア)、睡眠を誘導する薬物の例えば鎮痛剤及び睡眠剤、精神賦活剤、食欲抑制剤、抗関接炎剤、抗マラリア剤、抗てんかん剤、抗血栓症剤、抗高血圧剤、抗不整脈剤、抗オキシカント、抗うつ剤、抗精神異常剤、抗不安剤、抗けいれん剤、抗吐剤、抗感染症剤、抗ヒスタミン剤、抗真菌及び抗ウィルス剤、パーキンソン病などの神経疾患を治療するための薬物(ドーパミンアンタゴニスト)、アルコール中毒及び他の中毒症を治療するための薬物、勃起不全の治療において使用するための血管拡張剤などの薬物、筋弛緩剤、筋収縮剤、オピオイド、刺激物質、精神安定剤、抗生物質の、例えばマクロライド、アミノグリコシド、フルオロキノロン及びβラクタム、ワクチン、サイトカイン、増殖因子、ホルモン剤の例えば避妊薬、交感神経興奮剤、利尿剤、脂質調節剤、抗アンドロゲン剤、抗寄生生物剤、抗凝固剤、新生物、抗新生物剤、低血糖症、栄養剤及び補助物質、成長補助物質、抗腸炎剤、ワクチン、抗体、診療用の剤、及び造影剤並びに上記の混合物(例えば、ステロイドとβ−アゴニストを両方含む喘息治療)が挙げられる。
一層詳細に、前記活性因子は多くの構造的クラスのうちの1つに分けられて良く、それは小分子(好適に不溶性小分子)、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、多糖類、ステロイド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、脂肪、電解成分などが挙げられるがそれらに限定はされない。
具体例としては、β2−アゴニストサルブタモール(例えば、サルブタモールスルフェート)及びサルメテロール(例えば、サルメテロールキシナフォエート)、ステロイドブデソニド及びフルチカゾン(例えば、フルチカゾンプロピオネト)、強心配糖体ジゴキシン、アルカロイド抗片頭痛薬、ジヒドロエルゴタミンメシレート及び他のアルカロイドエルゴタミン、パーキンソン病の治療に用いられるアルカロイドブロモクリプチン、スマトリプタン、リザトリプタン、ナラトリプタン、フロバトリプタン、アルモトリプタン、ゾルマトリプタン、モルヒネ及びモルヒネ類似物フェンタニル(例えば、フェンタニルサイトレート)、グリベンクラミド(スルフォニルフレア)、ベンゾジアゼピンの例えばバリウム、トリアゾラム、アルプラゾラム、ミドアゾラム及びクロナゼパム(典型的に睡眠薬として、例えば不眠症又はパニック発作を治療するために使用されている)、抗精神異常薬のリスペリドン、勃起不全の治療において使用するためのアポモルヒネ、抗感染症薬アンフォテリシンB、抗生物質トブラマイシン、シプロフロキサシン及びモキシクロキサシン、ニコチン、テストステロン、抗コリン作動性気管支拡張剤イプラトロピウムブロミド、気管支拡張剤フォルモテロール、モノクローナル抗体及びタンパク質LHRH、インスリン、ヒト成長ホルモン、カルシトニン、インターフェロン(例えば、β−又はγ−インターフェロン)、EPO及び因子VIII、並びに各場合、医薬的に許容できる塩又はインターフェロン、それらのエステル、類似物及び誘導体(例えばプロドラッグ形態)が挙げられる。
本発明を実施するために適切な更なる活性剤の例としては、アスパリギナーゼ、アムドキソビル(DAPD)、アンチド、ベカプレルミン、カルシトニン、シアノビリン、デニルキンジフチトクス、エリスロポエチン(EPO)、EPOアゴニスト(例えば、長さが約10〜40アミノ酸でありWO96/40749に記載されたような特定のコア配列)を含んで成るペプチド、ドルナーゼα、赤血球生成刺激タンパク質(NESP)、凝集因子の例えば、因子VIIa、因子VIII、因子IX、von Willebrand因子、セレダーゼ、セレザイム、α−グルコシダーゼ、コラーゲン、シクロスポリン、αデフェンシン、βデフェンシン、エキセジン−4、顆粒球コロニー刺激因子(GCSF)、トロンボプロテイン(TPO)、α−1プロテイナーゼ阻害物質、エルカトニン、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GMCSF)、フィブリノゲン、フィルグラスチム、成長ホルモン、成長ホルモン放出ホルモン(GHRH)、GRO−β、GRO−β抗体、骨形態形成タンパク質の例えば、骨形態形成タンパク質−2、骨形態形成タンパク質−6、OP−1;酸性線維薬細胞増殖因子、塩基性増殖因子、CD−40リガンド、ヘパリン、ヒト血清アルブミン、低分子量ヘパリン(LMWH)、インターフェロンの例えば、インターフェロンα、インターフェロンβ、インターフェロンγ、インターフェロンω、インターフェロンτ;インターロイキン及びインターロイキンレセプターの例えば、インターロイキン−1レセプター、インターロイキン−2、インターロイキン−2融合タンパク質、インターロイキン−1レセプターアンタゴニスト、インターロイキン−3、インターロイキン−4、インターロイキン−4レセプター、インターロイキン−6、インターロイキン−8、インターロイキン−12、インターロイキン−13レセプター、インターロイキン−17レセプター、ラクトフェリン及びラクトフェリン断片、黄体形成ホルモン放出ホルモン(LHRH)、インスリン、プロインスリン、インスリン類似物(例えば、米国特許第5,922,675号に開示されているモノアシル化インスリン)、アミリン、C−ペプチド、ソマトスタチン、ソマトスタチン類似物、例えば、オクトレオチド、バソプレッシン、卵胞刺激ホルモン(FSH)、インフルエンザワクチン、インスリン様成長因子(IGF)、インスリントロピン、マクロファージコロニー刺激因子(M−CSF)、プラスミノゲン賦活物質、例えばアルテプラーゼ、ウロモナーゼ、レテプラーゼ、ストレプトキナーゼ、パミテプラーゼ、ラノテプラーゼ、及びテネテプラーゼ;神経成長因子(NGF)、オステオプロテゲリン、血小板誘導成長因子、組織増殖因子、形質転換増殖因子−1、血管内皮増殖因子、白血病阻害因子、角化細胞増殖因子(KGF)、グリア増殖因子(GGF)、T細胞レセプター、CD分子/抗原、腫瘍壊死因子(TNF)、単球化学誘因タンパク質−1、内皮増殖因子、パラチロイドホルモン(PTH)、グルカゴン様ペプチド、ソマトトロピン、チモシンα1、チモシンα1 IIb/IIIa阻害物質、チモシンβ10、チモシンβ9、チモシンβ4、α−1 アンチトリプシン、ホスホジエステラーゼ(PDE)化合物、VLA−4(非常に遅い抗原−4)、VLA−4阻害物質、ビスフォスフォネート、呼吸器系シンシチウムウィルス抗体、嚢胞性線維症膜調節因子(CFTR)遺伝子、デオキシリボヌクレアーゼ(Dnase)、殺細菌/透過性タンパク質(BPI)、及び抗−CMV 抗体が挙げられるがそれらに限定されない。モノクローナル抗体の例としては、エタネルセプト(IgG1のFcタンパク質に対して結合したヒト75kD TNFレセプターの細胞外リガンド結合部からなる二量体融合タンパク質)、アブシキマブ、アフェリオモマブ、バシリキシマブ、ジカリズマブ、インフリキシマブ、イブリツモマブチウエキセタン、ミツモマブ、ムロモナブ−CD3、ヨージン131 トシツモマブ接合体、オリズマブ、リツキシマブ、及びトラスツズマブ(ヘルセプチン)、アミホスチン、アミオダロン、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナグレリド、アナストロゾール、アスパラギナーゼ、アントラサイクリン、ベキサロテン、ビカルトアミド、ブレオマイシン、ブセレリン、ブスルファン、カベルゴリン、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロランブシン、シスプラチン、クラドリビン、クロドロネート、シクロフォスファミド、シプロテロン、シタラビン、カンプトテシン、13−シスレチノイン酸、全てのトランスレチノイン酸;ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、デキサメタゾン、ジクロフェナク、ジエチルスチルベストロール、ドセタクセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エストラムスチン、エトポシド、エキセメスタチン、フェキソフェナジン、フルダラビン、フルドコルチゾン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、ゲンシタビン、エピネフリン、L−Dopa、ヒドロキシウレア、イダルビシン、イフォスファミド、イマチニブ、イリノテカン、イトラコナゾール、ゲオセレリン、レトロゾール、ルーコボリン、レバミソール、ロムスチン、メクロレタミン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキセート、メトクロパラミド、マイトマイシン、マイトタン、マイトキサントロン、ナロキソン、ニコチン、ニルタミド、オクトレオチド、オキサリプラチン、パミドロネート、ペントスタチン、ピルカミシン、ポルフィマー、プレドニゾン、プロカルバジン、プロクロレプラジン、オンダンセトロン、ラルチトレキシド、シロリムス、ストレプトゾシン、タクロリムス、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テストステロン、テトラヒドロカンナビノール、タリドミド、チオグアニン、チオテパ、トポテカン、トレオニン、バルルビシン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、ドラセトロン、グラニステロン;フェルモテロール、フルチカゾン、ループロリド、ミダゾラム、アルプラゾラム、アンフォテリシンB、ポドフィロトキシン、ヌクレオシド抗ウィルス、アロイルヒドラゾン、スマトリプタン;マクロライドの例えば、エリスロマイシン、オレアンドマイシン、トロレアンドマイシン、ロキシトロマイシン、クラリトロマイシン、ダベルシン、アジスロマイシン、フルリトロマイシン、ジリトロマイシン、ジョサマイシン、スピロマイシン、ミデカマイシン、ロイコマイシン、ミオカマイシン、ロキタマイシン、アンダジトロマイシン、及びスイノライドA;フルオロキノロンの例えば、シプロフロキサシン、オフロキサシン、レボプロキサシン、トロバフロキサシン、アラトロフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、エノキサシン、グレパフロキサシン、ガチフロキサシン、ロメフロキサシン、スパルフロキサシン、テマフロキサシン、ペフロキサシン、アミフロキサシン、フレロキサシン、トスフロキサシン、プルリフロキサシン、イルロキサシン、パズフロキサシン、クリナフロキサシン、及びシタフロキサシン;アミノグリコシドの例えばゲンタマイシン、ネチルマイシン、パラメシン、トブラマイシン、アミカシン、カナマイシン、ネオマイシン、及びストレプトマイシン、バンコマイシン、テイコプラニン、ラムポラニン、ミデプラニン、コリスチン、ダプトマイシン、グラミシジン、コリスチメテート;ポリミキシンの例えば、ポリミキシンB、カプロマイシン、バシトラミン、ペネムス;ペニシリンの例えば、ペニシリナーゼ−感受性因子様ペニシリンG、ペニシリンV;ペニシリナーゼ耐性因子様メチシリン、オキサシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フロキサシリン、ナフシリン;グラム陰性微生物活性因子様アンピシリン、アモキシリン、及びヘタシリン、シリン、及びカラアンピシリン;アンチシュードモナルペニシリン様カルベニシリン、チカルシリン、アズロシリン、メゾシリン、及びピペラシリン;セファロスポリン様セフポドキシム、セフプロジル、セフトブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロチン、セファピリン、セファレキシン、セファラドリン、セフォキシチン、セファマンドール、セファゾリン、セファロリジン、セファクロル、セファドロキシル、セファログリシン、セフロキシム、セフォラニド、セフォタキシム、セファトリアジン、セファセトライル、フェピム、セフェキシム、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォテタン、セフメタゾール、セフタジジム、ロラカルベフ、及びモキサラクタム、モノバクタム様アズトレオナム;及びカルバペネムの例えば、イミペネム、メロペネム、ペンタアミジンイセチオウエート、アルブテロールスルフェート、リドカイン、メタプロテノールスルフェート、ベクロメタゾンジプレビオネート、トリアムシノロンアセトアミド、ブデソニドアセトニド、フルチカゾン、イプラトロピウムブロミド、フルニソリド、クロモリンナトリウム、及びエルコットアミンタートレート;テキサンの例えば、パクリタキセル;SN−38、及びチロフォスチンが挙げられる。
上記例となる生物学的な活性を有する因子は、適宜、それらの類似物、アゴニスト、阻害物質、異性体、及び医薬的に許容できる塩を含むことを意味する。タンパク質及びペプチドに関連して、本発明は、合成、組換え、天然、グリコシル化された、グリコシル化されていない、及び生物学的に活性を有するそれらの断片及び類似物を含む。
本発明は更に、裸の核酸分子として存在する、核酸、ウィルス粒子に関連するウィルスベクター、脂質は脂質含有物質内に組み込まれているもしくは関連する核酸、プラスミドDNAもしくはRNA又は細胞、特に肺の肺胞の細胞へトランスフェクションもしくは形質転換するのに適したタイプの他の核酸構築体を含んで成る。前記活性因子は、様々な形態、例えば、遊離塩基、可溶性及び不溶性の電荷を帯びたもしくは帯びていない分子、分子複合体の成分又は医薬的に許容できる塩であって良い。活性因子は、天然に生じる分子であって良いかあるいは、それらは組み換え技術によって生産されて良い、又はそれらは天然に生じるかあるいは組み換え技術によって生産された1又は複数のアミノ酸を付加もしくは欠失を伴う活性因子であって良い。更に前記活性因子は、生のアテニュエーションした又は殺された、ワクチンとして使用するために適切なウィルスを含んで成って良い。
「分散剤」とは、組成物の0.01〜99重量%、好適には0.01〜70重量%で存在する場合には、呼吸用粉末製剤の分散性(放出用量測定によって決定される)を、当該分散剤が無い呼吸用乾燥粉末製剤の分散性と比較した場合に10%以上高めるために有効である本明細書中で記載された(呼吸用乾燥粉末製剤の成分を)意味する。適切な分散剤は、PCT出願WO95/31479、WO96/32096、及びWO96/32149(その全体は本明細書中参照によって組み込まれている)に開示されている。そこで開示されたように、適切な分散剤としては、水溶性ポリペプチドプチ及び疎水性アミノ酸の例えば、トリプトファン、ロイシン、フェニルアラニン、及びグリシンが挙げられる。ロイシンが本発明で使用するために特に好適である。
本発明の背景において、水分収着等温線(又はMSI)は、粉末の平衡含水率(重量%水)と当該粉末が保存される相対湿度(RH)との関係を示す。ある温度で、RH又は粉末の含水率のいずれかを規定することによって、他の量をそのMSIにより容易に特定することができうる。類似して、ある温度でのカプセルに関して、RH又はカプセルの含水率のいずれかを規定することによって、他の量をそのMSIにより容易に特定することができうる。
本明細書中で使用される場合、用語「最大臨界水分点」とは、乾燥粉末がその化学的及び物理的安定性(エアロゾル特性を含む)並びに保存安定性を失い始める点である。
本明細書中で使用される場合、用語「最小臨界水分点」とは、乾燥粉末の機械的統合性を失い始めそして/又は分散性能が有害な影響を受ける点である。正確な臨界水分(最大又は最小)点は、ある乾燥粉末製剤〜次のものに渡り多彩であり、そして当業者によって、慣用の実験を使用することで容易に測定されうる。
本明細書中で使用される場合、用語「臨界RH」とは、特定の乾燥粉末の臨界水分点に対応する相対湿度のレベルを意味する。粉末について水分収着等温線を測定することによって、当業者は容易に:1)粉末をその最大臨界水分点より下に維持するのに十分な最大許容可能相対湿度(例えば、最大臨界RH)及び2)粉末をその最小臨界水分点より上に維持するのに十分な最小相対湿度(例えば、最小臨界RH)を決定できうる。
乾燥因子としても知られる「乾燥剤」は、水を吸収又は収着する物質でありそして環境の水分を除去するために使用される。乾燥剤は必ず水に対して高い親和性を有する。本明細書中で記載されている乾燥剤は、主に、乾燥粉末を十分に「乾燥させる」(即ち、臨界水分点より下にする)ために作用する。
「質量中位直径」又は「MMD」とは、粒子サイズの程度であり、その理由は、本発明の粉末が一般に多分散系(即ち、ある範囲の粒子からなる)であるからだ。MDM値は、本明細書中で報じられえているように、遠心沈降によって決定されるが、しかし多くの通常使用されている技術(例えば、電子顕微鏡、光散乱、レーザー回折)が平均粒子サイズを測定するために使用されて良い。
「質量中位空気動力学直径」又は「MMAD」は、分散した粒子の空気動力学サイズの程度である。空気動力学直径は、エアロゾル化された粉末を沈降挙動の観点から記載するために使用されており、そしてそれは、空気中、粒子として同じ沈降速度を有する単位密度球体の直径である。空気動力学直径は、粒子の形状、当該粒子の密度及び物理的サイズを含む。本明細書中で使用される場合、MMADとは、特に断りが無い限り、カスケードインパクション(cascade impaction)によって測定されたエアロゾル化した粉末の空気動力学的粒子サイズ分布の中間点又は中央値を意味する。MMADを測定するための技術は、以下の例に開示されている。
発明の詳細な説明
本発明によれば、最初に、適切且つ至適なカプセル充填条件を決定するための手順が本明細書中で開示されている。カプセルの含水率の計算を失敗すると、粉末が、通常存在するよりも有意に高い含水率に曝され、粉末の物理的及び化学的安定性を損なうことになりかねない(即ち、粉末の最大臨界水分点を超えている)。本発明に従い分散可能な粉末を充填されたカプセルは保存後に物理的及び化学的安定性を維持する。
医薬剤を保存及び分散させるためのカプセルは当業界で公知である。かかる粒子は液体,又は固体製剤を担持する。本発明の背景において使用するために、カプセルは乾燥粉末製剤と共に使用するために適した水分吸収特性を有し且つ幅広い範囲の相対湿度に持ちこたえるために十分な機械的完全性を有する物質のものでなければならない。所望のカプセル特性が更に例において論じられている。
本発明において使用するための好適なカプセルは、水溶性セルロース誘導体から形成されたものであり、例えば、Pfizer、inc.の子会社Capsugel(NJ、USA)及びShionogi Qualocaps Co.Ltd.(日本)から入手可能なものである。かかる硬カプセルを生産するための好適な方法は、2000年10月18日に刊行されたEP1,044,682 A1に記載されている。一般に、EP682号の方法は:水溶性セルロース誘導体を水中に分散させ;ゲル化剤を加えて当該セルロース溶液中に溶かしてカプセル溶液を獲得し;カプセル形成ピンを当該カプセル溶液に所定の温度で浸し、次いでピンを引き抜いて当該ピンに対して接着しているカプセル溶液のゲル化を誘導する段階を含んで成る。この方法の手順により、ゼラチンカプセルを製造するための従来技術の方法に伴う厳密な温度調節の必要がなく、均一なカプセルが生産される。ゼラチンなどの他の物質は、本発明に従い使用するために適している。
適切な水溶性セルロース誘導体の例としては、アルキル基で、特にC1〜C4低級アルキル基、及び/又はヒドロキシアルキル基、特にC1〜C4ヒドロキシ低級アルキル基で置換されたセルロースエステルが挙げられる。具体的な例としては、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、及びヒドロキシエチルメチルセルロースが挙げられる。本発明の背景において、好適なセルロース誘導体は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である。
カプセル物質としては更に、ポリマー化添加剤などが挙げられる。カプセル物質には、上記の必要な物理及び化学的な特性を有する限り、特定の制限はない。本発明を実施するために適切なカプセルは様々なサイズ、例えば、No.00、No.1、No.2及びNo.3のカプセルが挙げられる。HPMCカプセルは、様々な色、不透明性、及び等級で入手可能であり、それは全て、本発明による使用のために熟考されている。
本発明で使用するための粉末製剤は、例えば、WO96/32149、WO98/16205、WO99/16419、WO01/85136、及びWO01/85137(それらの全ては本明細書中参照によって組み込まれている)に開示されている技術で公知である。かかる製剤は、当業界で公知の活性因子、分散剤、及び賦形剤を含んで成りうる。例えば、WO99/16419及びWO01/85136に開示されているものなどリン脂質を含んで成る組成物が特に好適である。好適な実施態様によれば、乾燥粉末製剤は、医薬的に許容できる活性因子、例えば、トリプタンの例えば、スマトリプタン、フロバトリプタン、リザトリプタン、及びゾルマトリプタン、フルチカゾン、モメタゾン、ベンゾジアゼピンの例えば、アルプラゾラム及びミダゾラム、ニコチン、抗生物質の例えば、アミノグリコシド、キノロン、マクロライド、及びβラクタムの例えば、トブラマイシン、及びシプロフロキサシン、抗感染症剤の例えば、アンフォテリシンB、ドーパミンアゴニストの例えば、L−ドーパ、タンパク質及びペプチドの例えば、LHRH、インスリン、及びテリパラチドを含む。
製剤の要素がセットされれば(即ち、粉末製剤及びカプセル物質が選択される)、最初の段階は、カプセル及び粉末の含水率をRHの関数として決定することである。これらは、ある温度で、それらの相対水分収着等温線(又はMSI)によって与えられる。上記のように、ある温度で、MSIは粉末の平衡含水率と当該粉末が保存される相対湿度(又はRH)との関係を図示する。従って、RH又は粉末の含水率のいずれかを特定することで、他の量を容易にMSIから特定できうる。
代表的な水分収着等温線がそれぞれの要素について、典型的に動力学的蒸発収着(DVS)を使用することで実験的に決定されている。MSIを測定することに加え、DVSは粉末及びカプセルの初期RHを見積もるために使用されて良い。このようにすることで、粉末の初期質量(DVSにおいて0%でRHで「乾燥させる」前)が記される。粉末はこの乾燥段階の間に質量を失うだろう。乾燥段階が完了した後、RHは段階的な態様で増加する。試料がその本来の質量に戻るRHが試料の初期RHである。典型的に、この値は、実験的に測定されたパラメーターから補完される。この見積もりは、他の揮発性化合物、例えば、吹き出し剤(blowing agent)が存在することにより、熱量重量分析(又はTGA)データから含水率を測定することが難しい場合に有効である。次いで、初期含水率を初期RH及び粉末の水分収着等温線から見積もることができる。
上で論じたように、粉末の相対湿度は、その含水率によって記される(又はその反対)。類似して、カプセルのRHはその含水率によって記される。それらのMSIから、当業者は、カプセル及び粉末の初期含水率を見積もることだけでなく、ある質量のカプセル及びある質量の粉末に関する平衡RHを予測でき、それは、順に、一緒に配置された場合両方の物質の平衡含水率を予測するために使用されて良い。上に記したように、いかなる時も、粉末はその最大臨界水分点、即ち、乾燥粉末がその物理及び化学的安定性並びに保存安定性を失い始める点、よりも下に維持されることが好適である。ある場合、例えば、製剤が摩擦電気化する傾向がある場合(例えば、硫酸基を含んで成る製剤の場合)、適切な分散性能を確保するために粉末をその最大臨界水分点よりも上に維持することも必須である。
従って、カプセル及び粉末の相対MSIから、予測された平衡RH並びにカプセル及び粉末の含水率が計算でき、好適には、下に記載の収着−脱離水分移動モデル(SDMT)を使用することによって計算されて良い。SDMTは、それ自体モデルでなく;水の総量のマスバランスに基づく一連の方程式である。それが「モデル」と呼ばれる理由は、カプセルと粉末の水分収着等温線を示す方程式を使用するからだ。
カプセル/粉末状態の概略を図1に示している。最初に、2つの要素が個別に維持されており;このような分離は、不透過性隔壁によって独立させられた2つのチャンバーによって示されている。1つのチャンバーはカプセルを含みそして他のチャンバーはある質量の粉末を含む。各粉末及びカプセルの初期含水率は、それらの各々の環境によって確立され;このパラメーターは実験的に、上記のように、DVSによって決定されうる。充填時、カプセル及び粉末は共通の環境に一緒に置かれ;これは隔壁を取り外すことによって示される。熱力学的平衡は、RH、水活性、又は水の化学的ポテンシャルが全ての相(即ち、粉末、カプセル、及びそれらの相対ヘッドスペース)において等しいことを必要とする。要は、系における最初の水の総質量は:
「カプセル中の水の初期質量+カプセルヘッドスペース中の水の初期質量+粉末中の水の初期質量+粉末ヘッドスペース中の水の初期質量=水の総質量」
によって与えられる。
同様に、平衡時(即ち、仕切りが取り去られて十分な時間が経過した後)、系における水の総質量は:
「カプセル中の水の平衡質量+粉末中の水の平衡質量+総ヘッドスペース中の水の平衡質量=水の総質量」
によって与えられる。
不透過性容器を考えると、水の総質量は、一定でなければならならず;水は単に化学平衡を確保するために再分配される。従って、方程式は:
「カプセル中の初期質量+カプセルヘッドスペース中の水の初期質量+粉末中の水の総質量=カプセル中の水の平衡質量+粉末中の水の平衡質量+総ヘッドスペース中の水の平衡質量」
になる。
あるRH及び温度でのヘッドスペース中の水の質量は、理想気体の法則に基づく下の方程式:
Figure 2005530765
(式中、Psatは水のある温度での蒸気圧、T、Rは普遍的なガス定数であり、MWH2Oは水の分子量であり、そしてVはヘッドスペースの体積である)
に従い容易に計算できる。平衡RHにするために、粉末及びカプセルのRH値は両方とも変わらなければならない。ある物質は水を脱離し、そして他の物質は水分を吸わなければならないので、この過程及びこの過程に対応する数学的モデルは吸収−脱離水分移動(SDMT)として知られている。
同様に、粉末とカプセルの含水率が、それらの相対的MSIによって示されるように、RHの関数として知られている。従って、任意のあるRHで、カプセル中の総含水率は、下の方程式:
Figure 2005530765
(式中、Mカプセルは、ある相対湿度でのカプセルの乾燥ベースの平衡含水率である)
を使用することで数学的に導かれて良い。
粉末中の総含水率は:
Figure 2005530765
(式中、M粉末は、ある相対湿度での乾燥ベースの粉末の平衡含水率である)
によって与えられる。
MSIは、いくつかが理論的な基礎を有するいくつかの基本的な関数形式、例えば、BET方程式、GAB方程式、及びLangmuir方程式を使用することで数学的に表すことができうる(L.N.Bellら、「Moisture Sorption」、Amer Assoc.of Cereal Chemisits、2000、pp.70〜97を参照のこと)。原則的に、SDMTはこれらの方程式の任意の組み合わせと使用できうるが、いくつかの等温線方程式は、相当の代数的な複雑さを数学に導入する。
これらの方程式は、平衡相対湿度のRH平衡を解くために組み合わされて良い。この計算されたRH平衡は、順番に、カプセルの初期含水率について、粉末の平衡含水率を決定するために使用される。従って、選定の粉末の臨界水分点に基づき、実験的に測定したカプセル及び粉末の質量及びMSIを使用することで、当業者は、特定の粉末/カプセル組み合わせのために適した至適な初期及び平衡相対湿度を予め決定するためにSDMTモデルを使用することができる。
SDMT計算は、カプセルの初期プレ平衡RHが変化するシナリオのために行われて良い。それをすることにおいて、カプセルの初期RHの関数として粉末の平衡含水率を描く曲線を規定できる。
粉末の平衡含水率が粉末の最大臨界含水率である場合のカプセルのRHは、粉末の含水率がその臨界値未満(即ち、最大臨界水分点より下)を確実に維持するためにカプセルがプレ平衡化されるべき最大RHである。これは、本明細書中、所定の最大初期カプセルRHに言及される。最大値を下回るカプセルプレ平衡RHを選択することが好適である。セルロースカプセルは、次第にそれらの残留水分を失いそして急速に水分を摂取するので、48時間以上のプレ平衡時間が推奨されている。そしてまた、カプセルの機械的性能は、低RHで揺るがされうる。
カプセルを過剰に乾燥させると、静電気が理由での充填の問題につながりうる。静電気は、粉末の分散性に負の影響をも与えうる。従って、「最大初期カプセルRH」に加えて、最小初期カプセルRHも予め決定されて良い。最大及び最小の初期RH値から、最初にカプセルをプレ平衡化するための相対湿度条件の至適範囲が決定されて良い。
粉末に関して、含水率を最小にするために、できる限り低いRHで開始することが好適である。しかし、最小初期粉末RHに関して、類似する現象も粉末並びにカプセルに対して当てはまる。粉末を過剰に乾燥させることは、分散性及びエアロゾル性能の損失をもたらす。従って、適切な最大初期粉末RHが粉末並びにカプセルについて決定されて良い。このパラメーターを本明細書中、所定の最小初期粉末RHに言及する。
MSIデータから、粉末及びカプセルの質量、及びSDMTモデル予測、最大許容RHレベル(即ち、最大臨界RH)が決定される。上記のように、充填前、カプセルはこの臨界RHより低いRHレベルにてプレ平衡化される。類似して、充填環境もこの臨界RH未満に維持される。好適な実施態様において、カプセルは、それがプレ平衡化されたのと同じRHで充填される。
乾燥粉末は、充填前に、保存され充填場所で空けられる容器(例えば、ガラスバイアル)、典型的には、所定のRHで維持されたPlexiglass箱の中に好適に置かれている。次いで、カプセルは、充填場所において、規定の質量の粉末(典型的に1〜50mg)を充填される。所望の充填重量は典型的に使用目的によって決定される。しかし、充填重量は粉末の平衡含水率に影響を及ぼしうり;かかる影響は(もしあれば)、特定の粉末/カプセル組み合わせに関する充填重量を決定する場合、考慮されうる。カプセルは好適に、個別に充填される。即ち、カプセルを充填する間における過剰乾燥を予防するために、1度に1つのカプセルを充填場所に至らしめる。本発明の適切な充填重量は、1mg〜100mg、好適には5mg〜75mg、そして最も好適には10mg〜50mgである。
好適な実施態様によれば、粉末製剤(乾燥ベース):カプセル質量(乾燥)の質量比は8.0未満である。一層好適に、粉末の質量:カプセルの質量比は2.5未満であり、そして最も好適にこの比は0.8未満である。粉末のかさ密度は1.0g/cm3未満、好適に0.3g未満/cm3未満、そして最も好適には0.1g/cm3未満である。
長期に渡り粉末の安定性を確保するために、二次パッケージングは必須である。二次パッケージング、例えば、乾燥剤の有無の密封ボトル及びホイルパッチは、粉末とカプセルの間で移動する初期水分に対して与える影響は取るに足りないだろう。しかし、かかるパッケージングは、水分が粉末及びカプセルの中に取り込まれる長期速度に影響を与えうる。
従って、好適な実施態様において、充填されたカプセルは、水分を取り込むことなどによるコンタミネーションを避けるため、及び棚寿命を延ばすために密閉された環境中で維持される。乾燥剤はこの密閉された環境に含まれる。適切な乾燥剤は当業者に公知であり、例えば、シリカゲルが挙げられ、そして例えば、シリカゲル、分子篩、及び酸化カルシウムが示される。
乾燥粉末吸入器(DPI)は、活性成分又は医薬の正確に測定された用量を肺中へとデリバリーする手持ち置である。乾燥粉末吸入器を使用することの利点は、それが典型的に呼吸により作動し;従って、使用者は、医薬を吸入すると同時に吸入器を作動させる(医薬を噴霧する)調整をする必要がないことだ。代わりに、使用者は典型的に医薬の流れを作動させるために迅速に呼吸をする。このようにして、医薬の呼吸により作動される放出は、通常、呼吸動作と調和する。
乾燥粉末吸入器中、医薬又は活性成分は、小カプセル、ディスク内部で、又は吸入器内部に取り付けられた仕切りで、乾燥粉末形態になる。背景の節で論じられたように、多くの種類の乾燥粉末吸入器が当業界で開示されている。これら、現在商業上入手可能なものは、各々が異なる操作方法を有する。例えば、その都度使用されるときに、装填されなければならないものがある。かかる単一投与DPIの例としては、Intal(Australia)のSpinhaler(登録商標)装置が挙げられ、それはSpincap(登録商標)と調和し、そしてプロペラを進ませるために本体要素の間の噛み合いネジ穴を使用し、プロペラは順にカプセルを貫通し、医薬を吸入チャンバー中及び全体に流れださせる。PH&T(Italy)から入手可能なTurbospin(登録商標)は、カプセル含有物にアクセスするためにテレスコーピング貫通要素を使用し、そしてRotocaps(登録商標)と調和するRotahaler(登録商標)(Glaxo SmithKline)は、回転ねじり運動を使用し、カプセルの2つの半分へと分離を誘導し、それによって粉末医薬をそこへ放出させる。他のものは、規定数の用量(4又は8)を伴うディスクを有し、一方で他のDPIは、装置中に200回用量が保存されている。かかる複数投与DPIとしては、Astra-ZenacaのTurbuhaler(登録商標)、Glaxo-WellcomeのDiskhaler(登録商標)、及びInnovata BiomedのClickhaler(登録商標)が挙げられる。かかる装置は米国特許第4,995,385号、3,991,761号、6,230,777号、6,032,666号、5,873,360号及び4,524,769号に開示されており、それらは全て本明細書中参照によって組み込まれている。
特異的な設計及び操作機構における違いに関わらず、全てのDPIは以下の一般的な要素が共通する。それは:(1)粉末を装置内へ放出させるために複数の粉末容器(例えば、カプセル又はブリスターパック)の封止を穿通(例えば、貫通、穿刺、裂く又は他の破壊)する作動可能装置、並びに(2)吸息圧など患者の駆動力、又は、装置内に入っている薬物製剤を分散及びエアロゾル化するために十分な圧縮ガスもしくは振動もしくは回転要素などによって生じる駆動力、を適用することにより粉末流が入りそして通り抜ける吸入チャンバーである。本発明の、乾燥粉末が充填されたカプセルは、カプセル貫通機構に関わらず、多数のDPIと調和することを目的とされている。カプセルのサイズ及び形状は、慣用的に、特定の装置設計に適するように適合されて良い。
本発明の呼吸用粉末製剤は、肺に投与された場合、肺の気道に浸透し、循環系に入りそして製剤内に含まれる活性成分の効果的な全身デリバリーを達成する。肺に投与される製剤は典型的に、経口的に投与されるよりもかなり少ない用量であり、それは主に、経口投与形態の消化及び分解に関連する損失による。本発明の呼吸用乾燥粉末製剤は、局所呼吸症状、例えば、気管支炎、嚢胞性線維症、喘息、COPDなどを治療するためにも適している。
先の記載は、以下の例を参考にすることで一層十分理解されるだろう。しかしながら、かかる例は、本発明を実施する好適な代表的な例に過ぎず、そして本発明の範囲を減定するものとして解されるべきではない。
実施例
方法:
含水率分析:粉末の含水率を熱重量分析によって測定するかあるいは記載のように、粉末の水分収着等温線から実験的に決定する。
熱重量分析(TGA)。残留溶媒含量をTA Instrumentsによって製造されたTGA-2950装置を使用することで測定する。試料を30℃で平衡化し、そして試料に依存し、最大温度へと一定速度で加熱する。次いで、温度をこの温度で30分以上に渡り維持する。%重量減を、最初と最後の質量で計算した。
収着−脱離水分移動モデル(SDMT)。乾燥粉末と充填カプセルの平衡含水率を上記の数学的な方程式から予測した。
動力学的蒸気収着(DVS)。各粉末の25℃での水分収着等温線を、Surface Mesurement System、UKによって製造された動力学的蒸気収着(DVS)装置を使用することで測定した。この装置は、±0.1μgの解像度でのマイクロバランス及びおよそ±1μgの絶えずつづくドリフトを記録することによって基質上での水蒸気の吸収と損失を重力測定法で測定する。実験ランの第一段階において、試料を25℃及び0%RHで600分以上に渡り乾燥させ、当該試料のH2Oを≒0重量%にした。次いで、この装置に、RHを段階的に5%ずつ0〜80%のRHで増加させ、そしてRHを段階的に15%ずつ80%〜0%のRHで下げるプログラムを組んだ。次のRH段階に進む前に各RH段階を維持するためにdm/dt=0.005%/分の基準をこの系のために選択した。5〜20mgの試料質量をこの研究で使用した。
DVSを、粉末の初期相対湿度(RH)を見積もるためにも使用する。それは、粉末の初期含水率を特定するためにも更に使用する。
実施例1−カプセルのローバスト性
カプセルの機械的完全性を調べる実験を、供給者Shionogi(日本)及びCapsugel(NJ、USA)のサイズ#2及び#3のHPMCカプセルをそれぞれ使用して行った。カプセルを様々なRH環境、0〜43%RH範囲において様々な時間に渡り行った。加えて、あるカプセルを二次パッケージング中に置いてそして他のものを吹き出し剤のPFOE(ペルフルオロオクチルエタン)で飽和させた環境に置いた。次いで、破壊的及び奇形の穿刺穴が生じることの評価を、PH&Tから入手可能なTurboSpin(登録商標)乾燥粉末吸入装置、及びAventis Pharma(Bridgewater、NJ)から入手可能なEclipse(登録商標)乾燥粉末吸入装置における強力作動(forcuful actuation)によって行った。
結果から、試験した条件下では空HPMCカプセルが破壊することはないことが証明された。更に、異常な穿刺が起こらなかった。
RHを変化させることの、機械的完全性に対する影響
RHを様々な保存時間(1週又は1月)に渡り変化させ(0〜43%、25℃)た後、HPMCカプセルを脆弱性について評価した。脆弱性又は機械的完全性の減少はカプセルの破壊又は穿刺することによる奇形穴の形成(例えば、カプセルを単位用量パッケージとして利用する常用の乾燥粉末吸入装置を作動させることにより生じる)につながる。
この結果とは、カプセル片を吸入するためのエアロゾル性能及び潜在性が損なわれる可能性である。従って、脆弱性は非常に非常に不都合であり、そしてカプセルの完全性を蝕む条件は避けられるべきである。
RH条件を変化させることを、真空デシケーター中に以下の飽和塩溶液を置くことによって生じさせた。
Figure 2005530765
HPMCカプセルをそこに置き、チャンバーを平衡に至らしめて最終RH%を測定した。
Shionogi#2カプセルの完全性を、強力作動を使用するTurboSpin DPI装置で試験し;カプセル#3をEclipse DPI装置で試験し、強力作動をも使用した。この方法は、カプセルに対して高程度の応力を生じさせるために、アクチュエーターの正確な下降を必要とする。そしてまた、多くのカプセルを、異なる応力をカプセルに対して導入するために装置の製造者によって提案された方向とは逆向きに配置した。次いで、カプセルを破損について視覚的に調べた。
1週間後、デシケーター中で保存したShionogi#2カプセルを引き出し、そしてTurboSpin装置で強力に作動せしめた。保存条件とは別に、破壊したカプセルはなかった。1月後、0%RH環境中で保存したカプセルのみを試験して、破損はなかった。Shionogi#2カプセルを(a)通常の温度(25℃)下でのPFOEの存在下又は(b)0%RH環境を確保する強力な乾燥剤五酸化リンの存在下、極端な温度(40℃)の下、のいずれかにおいて長期保存(1週)にも委ねた。試験により破壊したカプセルはなかった。
Cupsgel#3カプセルを、同じプロトコールに従い、Eclipse PDIと類似した試験をした。
再度、カプセルの不都合な分裂、破壊、又は脆弱性がなく;全カプセルは期待したとおりに作動した。
結論として、Shionogi#2カプセルはどんな試験条件でも破壊することなかった。含水率が0.9重量%水未満でも、これらのカプセルは脆弱性のサインを何ら示さなかった。これらのカプセルは、6月以上に渡り1%RH未満のRH周囲環境及び上昇した温度における信頼性を示した。同様に、Cupsugel#3HPMCはカプセルは試験したどんな条件下でも破裂又は破壊することがなかった。
二次パッケージングの効果
20個のShionogiサイズ#2HPMCカプセルを充填したいくつかの90cm3高密度ポリエチレン(HDPE)ボトルを乾燥剤有無のホイルで包み、そして40℃/75%RH又は25℃/60%RHのいずれかに調節しておいた安定性オーブン中に置いた。このカプセルを、上記強力作動プロトコールに従い、6月に渡り一定期間試験をした。これらのカプセルは、40℃/75%RH及び25℃/60%RHで6月に渡り、二次パッケージングにおいて保存した場合、それらの機械的完全性を維持することを示した。
実施例2:
カプセルと粉末の間の水分移動
先に記したように、本発明は、最初に、乾燥粉末充填カプセルを調製するための適切且つ至適な条件を決定するための新規手順を供する。物質の相対湿度をその含水率で記している(及びその逆)。相対水分収着(又は脱離)等温線を、動力学的蒸気収着を使用することで実験的に測定することによって、当業者はカプセルと粉末両方の初期含水率を見積もることができるだけでなく、当該カプセルと粉末の平衡RHを数学的に予測することもでき、それは順番に、粉末の平衡含水率を測定するために使用できうる。計算された平衡RH(及び対応する平衡水分点)は、粉末をその臨界水分点内で維持するために適した許容可能カプセルプレ平衡RHを手始めに決定するために使用される。
従って、カプセルと粉末の間を移動する水分の程度を特定する第一段階には、MSIのプロッティングを伴う。次に、カプセル及び粉末の各々のMSI及び重量から、当該カプセル及び粉末の予測される平衡RH及び含水率を計算でき、好適には、上記の収着−脱離水分移動モデル(SMTD)を使用することで計算できうる。
次いで、SDMTに従い計算したRH平衡を粉末の平衡含水率を予測するために使用する。当業者は、選定の粉末の臨界水分点に基づいて、実験的に導いたMSIを使用し、特定の粉末/カプセル組み合わせのために適した至適な初期及び平衡相対湿度を予め決定することができる。
以下の例は、至適カプセル調製及び特定の乾燥粉末製剤に関する充填条件の決定を詳細に記載している。
最大臨界水分点の決定
WO99/16419に記載された方法により製造したシプロフロキサシン含有粉末の試料3つに関する水分収着等温線を、本明細書中先に記載した方法に従い、動力学的蒸気収着(DVS)によって決定した。結果を図3に示している。各等温線は、粉末の含水率と粉末が保存されるRHとの間の関係を示している。従って、粉末のRH又は含水率のいずれかを特定することによって、MSIにより他の量は容易に決定できうる。留意すべきことは、これらの製剤を完全に乾燥させることは難しいので、試験した最低のRHは5%であった。これらの製剤に関するMSIを決定するために、含水率が0%RHで0重量%H2Oであるように等温線を調整することが欠かせなかった。
MSIを測定することに加えて、DVSを粉末の初期RHを見積もるために使用した。このようにするために、粉末の初期質量を(DVS中5%RHで「乾燥させる」前に)記録しておいた。粉末は乾燥段階の間に質量が減る。乾燥が終了した後、RHを段階的な態様で増加させた。試料がその本来の質量に戻るRHをデータから補完し、そして試料の「初期RH」とみなした。
表2は、3つの試料に関して見積もった初期RH値を示す。この見積もりは、吹き出し剤などの他の揮発性化合物が存在することより、TGAデータから含水率を見積もることが難しい場合に特に有用である。次いで、初期含水率を、粉末の初期RH及びそのMSIからみ積もることができうる(図3)。
Figure 2005530765
図4、5及び6は、同3つのDVS実験に関する水分収着の時間的経過を示す。図3に示す平衡データとは対照的に、これらの結果は、各RH段階の間の水分吸収の動力学を示す。より低いRH値では、重量は着実に水平に達する。しかし、30%〜40%のRHでは、質量収着の速度は負になる。質量減少はシプロフロキサシンの結晶化によって誘導されることが疑われる。非晶質物質に比較して、結晶物質は一般にあるRHで水に対してより低いキャパシティーを有する。従って、結晶化は水の遊離をもたらす。結晶化は製剤における不都合な変化なので、臨界RH値は、3つの製剤それぞれに対して割り与えられて良い。この場合、臨界RHとは、結晶化がDVSにおいて始まる段階の直前の段階に関するRHである。次いで、図3のMSIを使用することで、これらの臨界RH値を臨界水分基準(即ち、製剤の最大臨界水分点を特定する)へと読みかえることができうる。
図7は、SDMTモデルの予測を示す。35%RHを超える予測を作製するために、粉末の等温線を外挿した。このモデルを、様々な相対湿度でプレ平衡化させたShionogi#2HPMCカプセルに各粉末を15mgずつ詰めた後に、3つのシプロフロキサシン粉末の平衡含水率を予測するために使用した。このプロットから、3つの粉末は見掛け上全てHPMCカプセルでの水分平衡について類似する挙動を示す。3つの粉末を全て同じ条件下で充填するために、最も感受性の粉末による充填決定(filing decision)に基礎を置くことが欠かせない。
図8は、試料Aに関して、粉末含水率をその最大臨界水分点(3重量%H2O)未満に確かに維持するために、カプセルをプレ平衡化しそして約30%RH(最大臨界RH)未満で充填しなければならないことを示す。不安定すぎて操作できないことを避けるために、カプセルを20%RH以下でプレ平衡化することが推奨されている。そしてまた、カプセルの脆弱性は問題ではないことを本明細書の研究で示すが、カプセルを過剰に乾燥させることは静電気が理由による充填問題につながりうる。更に、粉末を過剰に乾燥させることは、分散性及びエアロゾル性能の損失につながる。従って、最小閾値RHが、例1に開示した機械的完全性試験又は当業界で公知のエアロゾル試験により容易に決定されて良い。
図9は、0.5、1.0及び2.0重量%H2Oの水分条件で乾燥させたシプロフロキサシン試料Aの粉末を充填したカプセルのSDMT予測を示す。期待されたように、粉末を、あるRHでプレ平衡化したカプセルに充填した後、最小初期含水率を有する粉末は、最低の平衡含水率を有した。しかし、粉末の平衡含水率は、粉末の初期含水率の弱い関数にすぎない。即ち、図9の曲線における合計垂直オフセットは、0.4重量%H2Oより低い。
図10は試料Aのシプロフロキサシン粉末の、Shionogi#2HPMCカプセルに充填量1mg〜1000mgで詰めた後の平衡含水率の予測である。全ての予測は15%RHで交差することに留意されたい。何故なら、この点において、カプセルと粉末の初期RHは等しく且つ水分の移動は起こらないからだ。これらの結果が示すことは、どのような充填重量が、粉末の平衡含水率に影響を及ぼすかということだ。極端に大きな充填重量について、粉末の含水率は影響されず、それは図10のほぼ水平の曲線から明らかである。実際の目的のために、水分は粉末に対して、そして粉末からも、移動することはない。
充填重量(1〜50mg)に関して更に、粉末の平衡含水率はカプセルによって規定される。例えば、下の表3は1mgの粉末をカプセルに、10%RH又は40%RHで充填することに関する予測を示す。かかる低充填量で、粉末の含水率は粉末のMSIによって与えられる理論最大に近づく。換言すれば、粉末はあたかもカプセルのRHにおける環境にあったかのうように振舞う。これは図10に線図で示されており、それは試料Aの平衡水分収着データを有する。これは、もしモデル予測を行うために十分な時間とデータがなかったら、最悪の場合、含水率を単に粉末のMSIを使用することで近似できうることを示す。
Figure 2005530765
図11は、粉末(シプロフロキサシン試料A)とカプセルの、充填後の様々な時点で測定した含水率を示し;表4は多くの結果を示す。表2(上)は、DVSで見積もった試料の初期含水率が2重量%であることを示す。この仮定及びTGAによって測定した平均初期残留溶媒含量の7.3重量%に基づき、この試料のPFOE含量が約5.3重量%であると見積もった。従って、PFOE含量が一定であると仮定すれば、残留含水率を、乾燥による合計損失から5.3重量%を引くことによって見積もることができうる。
Figure 2005530765
これらの結果は、期待した通り、粉末が水分を得てカプセルは水分を失うことを示す。更に、STMDモデル予測は、測定値と全く十分に一致する。カプセル及び粉末は類似含水率に近づくことを示すことを図11が示すことに留意されたい。これは同時に発生すること(coincidence)であり、その理由は、平衡時、カプセルと粉末は同じRHでなければならず、しかし必ずしも含水率が同じ必用はないからだ。
水分の移動速度は、典型的な保存時間スケールと比べると急速である。充填の1時間後、粉末の含水率は2.0重量%水〜3.8重量%水に増加する。時間が経つと、粉末は最大の含水率、3.9重量%水に至り、そして次第に減少し始める。このような含水率の減少は、時間が経つにつれシプロフロキサシンが結晶化することによるようだ。
粉末含水率の全体的な増加は、以下のデータの一部を使用するSDMTモデルの予測と比較できうる。
Figure 2005530765
これらのデータに基づいて、予測された最終RHは32.6%RHである。このRHで、カプセルの含水率は4.2重量%水であろうし、そして粉末含水率は3.6重量%であろう。これらの予測は、測定値、3.6重量%水及び3.9重量%水にそれぞれ近い。図11は、カプセル含水率が期待されたより幾分低いことを示している。このことは、グローブボックス中での試料調製によるものだろう。試料をTGA測定のためにカプセルから取り出す場合、カプセルを<2%RHに1〜3分に渡り曝した。同様に、粉末もこの短い時間の間に乾燥させた。従って、カプセルと粉末両方の測定された含水率は真の値よりも低いようだ。粉末の最終含水率はDVS実験においてシプロフロキサシン結晶化をもたらす値より大きいことに留意することが重要だ。
要するに、上記のデータは:
−カプセルの初期含水率(又はプレ平衡RH)は、粉末の平衡含水率に最も大きな影響を与え;従って、粉末の平衡含水率を変化せしめる最も有効な手段は、カプセルのプレ平衡RHを調整することであり;
−典型的な充填質量に関して、粉末の初期含水率はその平衡含水率に対して僅かにのみ影響を及ぼし;
−典型的な充填質量に関して、当該充填重量は、粉末の平衡含水率に対して僅かにのみ影響を及ぼすこと、
を証明する。
実施例3
粉末の最小臨界含水率をエアロゾル試験により測定した。カプセルを様々なRHレベルにおいてプレ平衡化し、そして粉末製剤を充填した。次いで、カプセルをTurbospin(登録商標)装置に置いて放出される用量について試験した。放出された用量を粉末含水率の関数としてプロットした。実質的に下がる放出された用量に対応する粉末含水率(最小臨界含水率)をこのプロットから決定した。最小臨界粉末含水率に対する粉末平衡RHが、最小平衡RHである。
本発明は、証明及び理解の目的のために詳細に記載されている。しかし、所定の変化及び改良は本発明の範囲内で行われて良いことが理解されるだろう。
カプセル及び粉末の、初期条件下及び平衡の達成による略図である。 A及びBは、それぞれ、集成した空HPMCカプセルの乾燥速度及び水和速度である。 シプロフロキサシン/プルモスフェア(登録商標)粉末の3つの試料の水分収着等温線である。 シプロフロキサシン試料Aの収着のDVS時間的経過である。 シプロフロキサシン試料Bの収着のDVS時間的経過である。 シプロフロキサシン試料Cの収着のDVS時間的経過である。 各シプロフロキサシン粉末(試料A、B及びC)の、様々なRH値でプレ平衡化させておいたHPMCカプセル中に充填した後の平衡含量のSDMTモデル予測である。これらの粉末の平均初期RHは約15%である。これは約1.5〜2.0重量%水に対応する。 各シプロフロキサシン試料Aの、様々なRH値でプレ平衡化させておいたHPMCカプセル中に充填した後の平衡含水率のSDMTモデル予測である。 シプロフロキサシン試料Aの初期含水率が、その充填後平衡含水率に及ぼす影響である。 粉末の、様々なRH値でプレ平衡化させておいたHPMCカプセル中に充填した後の予測される平衡含水率である。典型的な粉末質量(1〜20mg)について、充填質量は粉末の平衡含水率に対してほんの僅かにのみ影響を与える。 充填した後の粉末及びカプセルの含水率の測定した変化及び予測される変化を比較する。

Claims (29)

  1. 単位用量パッケージであって:
    (a)最大臨界水分点を有する乾燥粉末製剤、及び
    (b)カプセルであって、前記乾燥粉末製剤をその中に受け入れ且つ当該粉末の含水率は、当該粉末が当該カプセルと平衡にある場合、当該粉末の含水率がその最大臨界水分点を超えないような初期含水率を有するカプセル、
    を含んで成り、ここで当該製剤は室温において前記カプセル内で保存安定的である、
    単位用量パッケージ。
  2. 前記カプセル材料がセルロース誘導体を含んで成る、請求項1に記載の単位用量パッケージ。
  3. 前記セルロース誘導体がヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)である、請求項2に記載の単位用量パッケージ。
  4. 前記乾燥粉末製剤がリン脂質を含んで成る、請求項1に記載の単位用量パッケージ。
  5. 前記乾燥粉末製剤が1.0g/cm3未満のかさ密度を含んで成る、請求項4に記載の単位用量パッケージ。
  6. 前記乾燥粉末製剤が0.3g/cm3未満のかさ密度を含んで成る、請求項4に記載の単位用量パッケージ。
  7. 前記乾燥粉末製剤が0.1g/cm3未満のかさ密度を含んで成る、請求項4に記載の単位用量パッケージ。
  8. 前記乾燥粉末製剤が医薬活性剤を含む請求項4に記載の単位用量パッケージ。
  9. 前記医薬活性剤がスマトリプタン、フロバトリプタン、リザトリプタン、ゾルマトリプタン、アルプラゾラム、ミダゾラム、シプロフロキサシン、アンフォテリシンB、トブラマイシン、LHRH、ロイプロリド、インスリン、ニコチン及びテリパラチドからなる群から選択される、請求項5に記載の単位用量パッケージ。
  10. 前記乾燥粉末製剤が更に最小臨界水分点を含んで成る、請求項8に記載の単位用量パッケージ。
  11. カプセルの質量(乾燥ベース):乾燥粉末製剤の質量の比が8.0未満である、請求項8に記載の単位用量パッケージ。
  12. カプセルの質量(乾燥ベース):乾燥粉末製剤の質量の比が2.5未満である、請求項8に記載の単位用量パッケージ。
  13. カプセルの質量(乾燥ベース):乾燥粉末製剤の質量の比が0.8未満である、請求項8に記載の単位用量パッケージ。
  14. 前記パッケージが密閉された環境内で保存されている、請求項8に記載の単位用量パッケージ。
  15. 乾燥剤が密閉された環境内で保存されている、請求項14に記載の単位用量パッケージ。
  16. 前記最大臨界水分点が約4重量%未満である、請求項8に記載の単位用量パッケージ。
  17. 前記最大臨界水分点が約3重量%未満である、請求項8に記載の単位用量パッケージ。
  18. 前記カプセルが前記製剤を1mg〜100mg含む、請求項8に記載の単位用量パッケージ。
  19. 前記カプセルが前記製剤を5mg〜75mg含む、請求項8に記載の単位用量パッケージ。
  20. 前記粉末が吸入用乾燥製剤である、請求項1に記載の単位用量パッケージ。
  21. 乾燥粉末製剤を含むように適合せしめられたカプセルを調製する方法であって:
    当該カプセルを最大相対湿度より下でプレ平衡化し;そして
    予め選択した相対湿度であって、当該粉末が当該カプセルと平衡にある場合、当該粉末の含水率がその臨界水分点を超ないような相対湿度で、当該カプセルに乾燥粉末製剤を充填し、それによってカプセル中の粉末の保存安定性を確保する、
    段階を含んで成る方法。
  22. 前記カプセルを相対湿度30%未満でプレ平衡化する、請求項21に記載の方法。
  23. 前記カプセルをRH20%未満でプレ平衡化している、請求項21に記載の方法。
  24. 前記最大相対湿度を、前記カプセル及び前記粉末製剤の質量及び水分収着等温線から予め特定する、請求項21に記載の方法。
  25. 乾燥粉末吸入集成体であって:
    請求項1に記載の単位用量パッケージ;
    単位用量パッケージのカプセルの内容物に対してアクセスしカプセル中に受け入れられている乾燥粉末製剤を放出するように適合せしめられた作動可能穿刺要素、及び
    当該カプセルの内容物と流体連絡するマウスピースであって、それを通じて、放出された乾燥粉末製剤を患者の肺に吸い込ませるマウスピース、
    を含んで成る乾燥粉末吸入集成体。
  26. 前記穿刺要素が手動式である、請求項25に記載の乾燥粉末集成体。
  27. 前記穿刺要素を回転ねじり運動によって作動させる、請求項25に記載の乾燥粉末集成体。
  28. 前記穿刺要素を水平スライド運動によって作動させる、請求項25に記載の乾燥粉末集成体。
  29. 前記穿刺要素を噛み合うネジ穴の連結よって作動させる、請求項25に記載の乾燥粉末集成体。
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