JP2005530513A - 植物成長調節物質の高効率スクリーニング方法 - Google Patents

植物成長調節物質の高効率スクリーニング方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、植物成長調節物質の高効率スクリーニング方法に関するものである。より詳細には、
1)マイクロウェルプレートに緑色培養(photomixotrophic)細胞及び植物成長調節物質候補群を添加して培養する工程;
2)前記培養後、2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドを処理する工程;
3)前記2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドを処理した後、マイクロウェル内の溶液を除去した後、エタノールを添加して反応させる工程;
4)前記工程3の反応溶液を新しいマイクロウェルプレートに移す工程;及び
5)前記工程4のマイクロウェルプレートを高効率スクリーニング判読機を利用して吸光度値を測定する工程を含む方法に関するものである。
本発明の方法は、多数の試料を簡便かつ迅速にスクリーニングでき、また、植物成長調節物質の生体内活性を測定できるため、植物成長抑制物質及び活性物質のスクリーニング方法として効果的に使用できる。

Description

発明の分野
本発明は、植物成長調節物質の高効率スクリーニング方法に関するものである。より詳細には、緑色培養(photomixotrophic)細胞に植物成長調節物質候補群を添加して培養した後、細胞の成長を同時に大規模に測定することを含む、植物成長調節物質の高効率スクリーニング方法に関するものである。
背景
除草剤を含む植物成長調節剤(plant growth regulator, PGR)の開発のための薬剤の1次効能評価は、温室で若い植物体を対象にして、薬剤が植物体の成長に及ぼす影響を調査するのが一般的である。前記の方法は、植物体に対する直接的な成長阻害等を評価できる長所があるけれど、効能評価の初期工程で多量の薬剤が必要なだけではなく、効能評価をするには多くの時間と費用が求められる短所がある。
一方、医薬品の開発は、人体細胞株を対象に試験管内(in vitro)で薬剤の活性(細胞毒性)を調査した後、活性がある化合物を対象に実験動物を行なって化合物の毒性及び効能を調査して、毒性がなく活性が優秀な候補物質を対象にして最終的に臨床実験を実施するのが一般的である(Skehan等, J Natl Cancer Inst、1990年、第82巻、1107頁)。したがって、除草剤を含む植物成長調節物質の効能評価も医薬品開発と同様に一次活性評価を試験管内で実施する。植物から分離した無細胞系(cell-free system)を使用して除草剤の試験管内一次検定を行なおうとしたが、これは、植物体を利用した生体内結果と相関性がないかまたは相関性が非常に低く、実用的な方法として利用できないのが実情である。例えば、光合成電子伝達系(photosynthetic electron transport, PET)を抑制する化合物の場合、チラコイド膜(thylakoid membrane)を使用したヒル(Hill)反応では、高い活性を帯びた化合物であっても、雑草に対する除草活性がほとんど無い場合が多い(Asami等, Agric Biol Chem、1987年、第51巻、205-210頁 ; Sato等, Z Naturforsch、1991年、第26c巻、563-568頁)。
植物細胞培養技術は、組換えDNAを利用した形質転換植物体の開発、体細胞培養等を使用した有用植物の大量繁殖、細胞培養を通じた有用物質の大量生産等、植物生命工学分野の核心基盤技術である。植物培養細胞は、比較的均一な細胞集団で、投与した物質の吸収が容易で培養環境を自由に正確に制御できる点と少ない試料と費用で薬剤の効能を測定できる等、多くの長所がある。しかし、大部分の植物培養細胞は、葉緑体の分化及び発達がほとんどなく外部から供給される炭素源に依存して成長する特徴がある。現在、使用されている除草剤の過半数以上が光合成電子伝達系を含む葉緑体に作用していて、植物培養細胞系を利用して除草剤の活性を検索するためには、葉緑体が分化した緑色培養(photomixotrophic)細胞を使用する必要がある(Dalton, Biochem Soc Trans、1980年、第8巻、475-477頁; Nishida等, Plant Cell Physiol、1980年、第21巻、47-55頁; Sato等, Plant Cell Rep、1987年、第6巻、401-404頁)。緑色培養(photomixotrophic)細胞を使用して細胞の重さ測定、酸素電極(oxygen electrode)を利用した酸素発生、イオン伝導度計を利用した培地のイオン伝導度(ion conductivity)等を測定して除草活性を調査できることが報告されたことがある(Sato等, Z Naturforsch、1991年、第26c巻、563-568頁; Kwon等, Kor J Plant Tissue Cult、1999年、第26巻、183-187頁)。しかし、前記細胞の重さ測定、酸素発生及びイオン伝導度の測定は、すべて手作業で行なわれるため実験の自動化が難しく、測定方法の限界等によって実験規模の縮小が難しい等の理由で実用的に利用されていないのが実情である。
それで、本発明者らは、葉緑体が分化された緑色培養(photomixotrophic)細胞を使用してマイクロウェルプレートに化合物(合成化合物、天然化合物)または天然抽出物(植物抽出物、微生物培養液等)等と共に一定期間培養した後、細胞の生存能力(viability)を確認するのに使用する試薬等を添加して、培養細胞の成長に及ぼす影響を高効率スクリーニング判読機等で自動的に測定することによって、非常に少ない量の試料で多数の化合物または抽出物を同時に迅速に植物体の活性を効率的に反映する、植物成長調節物質の新しいスクリーニング方法を開発することにより本発明を完成した。
好ましい態様の詳細な説明
本発明は、緑色培養(photomixotrophic)細胞を利用した植物成長調節物質の高効率スクリーニング方法を提供する。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、緑色培養(photomixotrophic)細胞に植物成長調節物質候補群を添加して培養した後、細胞の成長を同時に大規模に測定することを含む、植物成長調節物質の高効率スクリーニング方法を提供する。すなわち本発明は、植物成長調節物質候補群を添加した光混合栄養(photomixotrophic)細胞を培養する工程、および細胞の成長を同時に大規模に測定する工程を含む、植物成長調節物質の高効率スクリーニング方法を提供する。
試験管内での植物体に対する活性を反映しながら少ない量の試料を使って多数の試料を同時に効率的に評価するためには、
1)植物体に対する活性を反映できる適切な培養細胞の構築、
2)少ない量の試料でも多数の試料を同時にスクリーニングするための培養システムの構築、
3)活性を定量的に分析するための簡単な処理方法の構築及び
4)活性測定の自動評価システムの構築が求められる。
本発明では、植物成長調節物質が植物体に及ぼす活性を反映できる適切な培養細胞に緑色培養(photomixotrophic)細胞を使用した。緑色培養(photomixotrophic)細胞は、スギモリゲイトウ(Amaranthus cruentus)、オランダキジカクシ(Asparagus officinalis)、チェノポジウム・ルブルム(Chenopodium rubrum)、エニシダ(Cytisus scoparius)、ケチョウセンアサガオ(Datura innoxia)、ジギタリス(Digitalis purpurea)、ダイズ(Glycine max)、ワタ(Gossypium hirsutum)、ヒヨス(Hyoscyamus niger)、タバコ(Nicotiana tabacum)、ゼニゴケ(Marchantia polymorpha)、ホウレンソウ(Spinachia oleracea)及びジャガイモ(Solanum tuberosum)からなる群から選択されたものを使用でき(植物組織培養、1986年、第3巻、147-155頁)、ゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞またはタバコ緑色培養(photomixotrophic)細胞を使用することが、好ましい。
本発明の緑色培養(photomixotrophic)細胞は、高等植物のような葉緑体構造をもちながら成長速度が非常に速く、細胞がとても均一であるためマイクロウェル規模の小規模の培養にも一定な濃度で細胞を接種して培養できる。植物培養細胞は、比較的均一な細胞集団で、投与した物質の吸収が容易で培養環境を自由に正確に制御できる点と少ない量の試料と費用で薬剤の効能を測定できる等の長所がある。しかし、大部分の植物培養細胞は、葉緑体の分化がほとんど発達していないため外部から供給される炭素源に依存して育つ従属栄養をする特徴がある。本発明では、葉緑体がよく分化されていて、細胞が非常に均一でよく育つ特徴があるゼニゴケ(Marchantia polymorpha L.)緑色培養(photomixotrophic)細胞(Ohta等, Planta、1977年、第136巻、229-232頁)とタバコ(Nicotiana tabacum cv. BY4)緑色培養(photomixotrophic)細胞(Cha等, Korean J Bot、1993年、第36巻、113-120頁)を使用した。
本明細書に記載した緑色培養(photomixotrophic)細胞は、光混用栄養培養細胞(photomixotrophic cultured cell, PM細胞)を指し示し、光混用栄養培養細胞は、葉緑体が分化されているが、外部から炭素源を供給すると良く育つ植物培養細胞である。植物培養細胞としては、前記光混用栄養培養細胞の他にも葉緑体が分化していない従属栄養培養細胞または葉緑体が分化していて外部から炭素源を供給しなくても良く育つ光独立栄養培養細胞があるが、前記従属栄養培養細胞は、葉緑体が分化されておらず、光独立栄養培養細胞は、成長がとても遅いため本発明の大規模スクリーニングには適合しない。
また、本発明では、少ない量の試料を使って多数の試料を同時にスクリーニングするための培養システムを構築するために、マイクロウェルプレートに緑色培養(photomixotrophic)細胞及び植物成長調節物質候補群を添加して培養した。マイクロウェルプレートは、一般的に細胞の培養に使用されるすべてのマイクロウェルプレートを使用でき、24マイクロウェルプレート、96マイクロウェルプレート、386マイクロウェルプレート、960 マイクロウェルプレート及び9600マイクロウェルプレートからなる群から選択して使用することが好ましい。
現在は、ナノ技術(nano-technology)時代で、化合物の1次スクリーニングにも少ない量の試料を使用しても評価が可能でなければならない。即ち、除草剤を含む植物成長調節物質の効能評価も医薬品開発と同様、試験管内で活性評価を一次的に実施した後、活性がある化合物を対象に植物体を使用した生体内実験をすることが合理的である。本発明では、植物培養細胞をマイクロウェルプレートを使用して、ウェル当り10〜1000μlの培地を添加した培養規模で培養細胞を効率的に培養することが可能で、その際微量の薬剤だけであっても数回の反復実験を可能にした。1次スクリーニングで1ppm水準の活性があれば、2次スクリーニングに進入する必要があるという観点から考慮すると、本発明のマイクロウェルプレートを利用した培養規模は、とても理想的なものであると判断される。
上記で植物成長調節物質候補群とした可能なすべての物質を使用してスクリーニングでき、合成化合物、天然物を含む純粋化合物、植物抽出物及び微生物培養液を含む抽出物または分画からなる群から選択されるものを使用できる。植物培養細胞に植物成長調節物質候補群を処理することは、各々異なる物質を同時に処理することもでき、一つの物質を各々異なる濃度で処理することもでき、各々異なる物質を様々な濃度で同時に処理することもできる。これは、一つのマイクロウェルプレート内でただ一回のスクリーニングをするものであるため、様々な物質及び様々な濃度で植物成長調節物質候補群を処理して植物成長調節に及ぼす影響を測定することにより、個別的にスクリーニングしたり各々の実験で起り得る誤差をなくすことができ、正確なスクリーニングが可能である。
また、本発明では、活性を定量的に分析するための簡単な処理方法を構築するために、緑色培養(photomixotrophic)細胞に2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライド(2,3,5-triphenyltetrazolium chlorolide; 以下「TTC」と略称する)を添加した後、吸光度値を測定して細胞の成長を測定した。
マイクロウェルのように小規模の培養(ウェル当り150μlの培養規模)では、初期細胞接種量が生重量でμg以下であるため、薬剤処理後一定期間培養後、培養細胞の重さを測定したり、培地のイオン濃度を測定したりすることは易しくない。したがって、本発明では、薬剤による細胞成長に及ぼす影響を評価するために、細胞の生存能力を評価するのに使用されている化合物で、化合物の反応が発色反応として現われて細胞の被害程度を簡単に定量化できる物質であるTTC化合物を使用した。TTC化合物は、生きているミトコンドリア内膜(mitochondrial inner membrane)の酵素と反応すると還元反応が起きて赤色(deep red)のホルマザン(formazan)に転換する(Lakon, Ber Dtsch Bot Ges、1942年、第60巻、299頁)。したがって、薬剤処理に被害を受けない細胞は、TTC反応で赤色を示すが、薬剤に被害を受けた細胞は、無色を示すようになる。このように転換されたホルマザンは、吸収波長が490nm前後であるため490nmで吸光度値を測定することにより簡単に薬剤の効能を評価できる。薬剤処理群の吸光度を測定した時、薬剤を処理していない無処理細胞より低い吸光度値を示す場合は、植物体の成長を阻害する化合物で、無処理細胞より高い吸光度値を示す場合は、植物細胞の成長を促進する化合物であるといえる。したがって、本発明のスクリーニング方法は、植物成長抑制活性を持った物質だけではなく、植物成長促進活性を持った物質をスクリーニングする目的にも有用に使用できる。
また、本発明では、多くの種類の化合物の活性を短時間に定量的に評価するための自動化システムを構築するために、TTC反応で現われる発色反応産物の吸収波長を短時間に同時に測定できる高効率スクリーニング(high throughput screening, HTS)判読機を使用する。従来は、細胞の生存能力を確認するために細胞に溶媒を添加して細胞を粉砕して遠心分離後吸光度を測定した。しかし、上記のような方法は、多量の試料を定量的に測定するのには、難しさがある。したがって、本発明では、薬剤を添加した後、培養を終了した後、一旦マルチピペットで培地を除去して一定量のエタノール等を添加して一定期間反応させると、TTC反応で生成されたホルマザンが細胞の外に遊離されることを利用することにより、細胞を粉砕する面倒なしに効率的に薬剤の効能を評価する(図2参照)。
本発明の詳細な植物成長調節物質のスクリーニング方法は、
1)マイクロウェルプレートに緑色培養(photomixotrophic)細胞及び植物成長調節物質候補群を添加して培養する工程;
2)前記培養後に、2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドを処理する工程;
3)前記、2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドを処理した後、マイクロウェル内の溶液を除去した後、エタノールを添加して反応させる工程;
4)前記工程3の反応溶液を新しいマイクロウェルプレートに移す工程;及び
5)前記工程4のマイクロウェルプレートを高効率スクリーニング判読機を利用して吸光度値を測定する工程を含む。すなわち本方法は以下の工程を含む:
1)植物成長調節物質候補群を添加した光混合栄養(photomixotrophic)細胞をマイクロウェルプレート中で培養する工程;
2)2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドで処理する工程;
3)マイクロウェルから溶液を除去した後、エタノールを添加して反応させる工程;
4)前記工程3の反応液を新しいマイクロウェルプレートに移す工程;及び
5)前記工程4のマイクロウェルプレートの吸光度を高効率スクリーニングリーダーを利用して測定する工程。
前記工程2)で、2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドの処理は、3〜7時間の間処理することが好ましく、4.5〜5.5時間の間処理することがさらに好ましく、 5時間処理することが最も好ましい。
また、前記工程3)で、エタノールの添加は、10〜100%エタノールを添加するこが好ましく、85〜100%エタノールを添加することがさらに好ましく、95%エタノールを添加することが最も好ましい。また、エタノール添加後の反応は、70℃で0.1〜3時間反応させることが好ましく、55〜65℃で0.5〜2時間反応させることがさらに好ましく、60℃で1時間反応させることが最も好ましい。
本発明の好ましい態様では、植物成長調節物質候補群に除草剤を使用して緑色培養(photomixotrophic)細胞または従属培養(heterotrophic)細胞に及ぼす影響を調査した結果、葉緑体分化が発達した緑色培養(photomixotrophic)細胞が葉緑体が分化していない従属培養細胞より植物体に対する除草活性をよく反映するものと現われ、緑色培養(photomixotrophic)細胞を使用した場合には、合成化合物または天然化合物を低い濃度で処理した時にも植物体に及ぼす活性を良く反映した(表2及び表3参照)。また、本発明のスクリーニングシステムは、化合物だけではなく植物抽出物または微生物培養液を対象に植物成長調節物質をスクリーニングしたり活性物質を分離する精製過程に使用することもできる(表4乃至表7参照)。
以上のように本発明では、緑色培養(photomixotrophic)細胞を利用して試験管内で植物体に対する活性を反映しながら少ない量の試料を使用して多数の試料を短時間に効率的に評価するために必要な条件を満足するシステムを確立した。本発明のスクリーニング方法を使用すると短期間に少ない費用で植物成長調節物質をスクリーニングすることができるため、除草剤または成長促進剤のような植物成長調節物質を開発するのに有用に使用できる。
実施例
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
但し、下記の実施例は、本発明を例示しただけのものであり、本発明の内容が下記の実施例に内容により限定されるものではない。
実施例1:葉緑体が分化したゼニゴケ及びタバコ緑色培養(photomixotrophic)細胞の培養
ゼニゴケ(Marchantia polymorpha L.)緑色培養(photomixotrophic)細胞は、オオタ等が開発した細胞(Ohta等, Planta, 1977年、第136巻、229-232頁)を使用した。ビタミン類と多量元素(macronutrients)は、M51培地(Furner等, Plant Sci Lett, 1978年、第11巻、169-176頁)、酸加水分解カゼイン(casamino acid)、グルタミン(glutamine)と2,4-Dを含んだ微量元素(micronutrients)は、B5培地(Gamborg等, Exp Cell Res, 1968年、第50巻、151-158頁)を利用して培地を製造した(表1)。下記の表1の組成で製造した液体培地 50mlが入っている250mlフラスコにゼニゴケ懸濁培養細胞を細胞生重量0.5gで接種した後、25℃、約15μmol m-2・s-1の光条件で100rpmで懸濁培養した(図1)。細胞は、9日間隔で継代培養した。
(表1)緑色培養(photomixotrophic)細胞培養に使用した培地組成
Figure 2005530513
タバコ(Nicotiana tabacum cv. BY4)緑色培養(photomixotrophic)細胞は、チャ等がNaCl抵抗性細胞で開発した細胞(Cha等, Korean J Bot, 1993年、第36巻、113-120頁)を使用した。前記細胞の培養に使用した培地は、2,4-D 0.7mg/lとキネチン(kinetin)0.03mg/lを添加したMS基本培地だった。液体培地50mlが入った250mlフラスコにタバコ緑色培養(photomixotrophic)細胞を細胞生重量2gで接種して、25℃、約15μmol m-2・s-1の光条件で100rpmで懸濁培養した(図1)。細胞は、14日間隔で継代培養した。
非緑色培養(non-photomixotrophic)細胞のイネ(Oryza sativa L. cv Taebaegbyeo)培養細胞は、未成熟 胚から誘導した細胞(Jeong等, Korean J Plant Tissue Culture, 1991年、第18巻、209-214頁)を1mg/l 2,4-Dを添加したN6液体培地で培養した。その他の培養条件は、前記タバコ緑色培養(photomixotrophic)細胞と同様に実施した。
実施例2:マイクロウェルで細胞培養及びTTC処理による光合成抑制除草剤の効能評価
本発明に使用するすべての化合物と抽出物は、アセトン、N,N-ジエチルホルムアミド(N,N-dimethylformamide; 以下「DMF」と略称する)等に溶解させた後、一定濃度になるように細胞培養開始と同時に各ウェルに1.5μlを無菌的に処理した。各化合物を溶解した有機溶媒の最終処理濃度は1%(1.5μl/150μl)とした。
前記実施例1で継代培養したゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞は、継代培養後2〜3日目に細胞生重量3gを液体培地200mlに懸濁した後、約0.2μg生体中/150μl/ウェルの細胞濃度で96マイクロウェルプレートの各ウェルに150μlずつ分注した(図2)。まず、本発明のスクリーニング方法が正しく作動するかどうかを確認するために、前記細胞培養7日目に葉緑体があってこそ反応する光合成抑制除草剤のアトラジン(atrazine)を0、0.1、0.3、1、3、10及び30μMの濃度で処理して、細胞の生存能力(viability)を調査した。また、本発明の効能評価を比較するために、ゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞をフラスコで100mlで培養したものを使用した。
アトラジンを処理して培養した後、7日目に細胞の生存能力を調査するために2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライド(2,3,5-triphenyl tetrazolium chloride; 以下「TTC」と略称する)を12mMで処理した。TTC化合物は、生きているミトコンドリア内膜(mitochondrial inner membrane)の酵素と反応(TTCの還元反応)して赤色のホルマザンに転換される(Lakon, Ber Dtsch Bot Ges, 1942年、第60巻、299頁)。したがって、薬剤処理に被害を受けない細胞は、TTC反応で赤色を示すが、薬剤に被害を受けた細胞は、無色を呈するようになる。
本発明で使用した96マイクロウェルプレートでの細胞の生存能力調査過程を具体的に説明すると次のようになる。1)TTC溶液(150μl)を細胞が培養された各ウェルに処理する。2)TTC処理後、反応5時間目に8チャンネルのマルチピペット(multi-pippet)でウェル内の溶液を除去する。3)各ウェルに残っている細胞に95%エタノール150μlを添加して60℃で1時間反応させる。4)反応後、反応溶液だけを新しい96ウェルに移す。5)前記ウェルを高効率スクリーニング(high throughput screening; HTS)判読機で迅速に490nm波長でOD値を分析する。前記方法を本発明では、高効率スクリーニング(HTS)と呼ぶ。
96ウェルプレートを利用したスクリーニング方法の効能を測定するのに先立ち、まず12ウェルプレートを利用して上記に記載された高効率スクリーニング方法と同様にTTC分析を行なった。12ウェルプレートの各ウェル当り培養液は、1.5mlにして細胞を培養した後、7日目に光合成抑制除草剤のアトラジンを濃度別に処理した後、1時間または5時間目に細胞内及び細胞外のホルマザン量を測定した。細胞内のホルマザンの量は、先に説明したのと同様にTTC処理後、各ウェルに残っている細胞に95%エタノールを添加して60℃で1時間反応させた後、反応溶液を490nm波長でOD値を測定して分析した。また、細胞外のホルマザンの量は、TTC処理後培養培地を集めて490nm波長でOD値を測定して分析した。その結果、TTC処理1時間後には、培地(細胞外)のホルマザン含量はほとんど検出されず、細胞(細胞内)のホルマザン含量はアトラジン処理濃度依存的に減少する傾向を示した。また、TTC処理5時間後には、培地のホルマザンと細胞のホルマザン含量がすべて濃度依存的に減少する傾向を示し、約50%のホルマザンが細胞外培地に遊離されて出て、細胞内と細胞外のホルマザンの量は、ほとんど等しかった(図3)。即ち、TTC溶液を1時間処理した時より5時間の間処理した時の細胞内ホルマザン含量変化が正確であることが分かり、また、フラスコ培養で測定した成長阻害曲線と類似した。
前記結果を基に、96ウェルプレートを利用して12ウェルプレートを利用したTTC分析方法と同様に実験してみた結果、TTC溶液を5時間の間処理した後には、培地にホルマザンが充分に遊離されなかったが、5時間処理後95%エタノールを添加して60℃で1時間反応させた後、反応液のOD値を測定した場合は、正常的にホルマザンの量を測定できた。
したがって、96ウェルプレートを利用したすべての実験は、TTC溶液を5時間の間処理して95%エタノールを添加して60℃で1時間反応させる方法で、生きている細胞が生成するホルマザンの量を測定することによって多量の薬剤の効能を簡便かつ迅速に評価できることが分かった。また、96マイクロウェルプレートでの実験で、アトラジンが細胞成長の50%を阻害する濃度は、約0.68μM(0.18ppm)だった。この濃度は、フラスコで細胞を大量に培養した時の細胞成長阻害活性とほとんど等しい値で、TTC反応による化合物の阻害活性は、細胞成長阻害をよく反映することが分かった。
実施例3:合成純粋化合物の効能評価
ゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞、タバコ緑色培養(photomixotrophic)細胞及びイネ従属培養細胞を使用して、下記の表2に記載したように、既存に使用されている作用機序が異なる除草剤13種を多様な濃度で処理した後、前記実施例2で行なったTTC分析方法を実施して前記細胞に及ぼす除草剤の成長阻害活性を調査した。イネは、未成熟胚から開発されたもの(Korean J Plant Tissue Culture, 1991年、第18巻、209-214頁)を使用した。
(表2)ゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞、タバコ緑色培養(photomixotrophic)細胞及びイネ従属培養細胞に対する合成除草剤の生育阻害活性(IC50:ppm)比較
Figure 2005530513
上記で、ACCaseは、1-アミノシクロプロパン-1-カルボキシル酸シンターゼ(1-aminocyclopropane-1-carboxylic acid synthase)である。
その結果、アセトラクテートシンターゼ(acetolactate synthase; ALS)阻害活性を持った除草剤のLGC-42153、イマザピル、プラゾルスルフロン-エチル(prazolsulfuron-ethyl)とピリベンゾキシム(pyribenzoxim)、ナフラアニリドは、緑色培養(photomixotrophic)細胞に対して少ない量で高い除草活性を示した。光合成電子伝達系(photosynthetic II, PSII)を阻害する除草剤のアトラジン、リヌロン(linurone)とプロパニル(propanil)、クロロフィル(chlorophyll)生合成中間体のプロトポルフィリンIX(protoporphyrin IX; protox)の生合成を抑制する除草剤のクロロメトキシニル(chloromethoxynil)とオキサジアゾール(oxadiazone)、カロテノイド(carotenoid)生合成阻害除草剤のジフルフェニカン(diflufenican)等のように作用点が葉緑体の除草剤は、緑色培養(photomixotrophic)細胞に対して強い成長阻害活性を示し、植物体に対する生育阻害活性を良く反映した。しかし、葉緑体に阻害作用をする除草剤中のアトラジン、クロロメトキシニル(chloromethoxynil)、ジフルフェニカン(diflufenican)は、非緑色培養(non-photomixotrophic)細胞(従属栄養培養細胞)に対して低い生育阻害活性を示し、10ppmでも阻害活性を示さなかった(表2)。即ち、市販除草剤が培養細胞に及ぼす影響は多様だったが、葉緑体分化が発達した緑色培養(photomixotrophic)細胞は、葉緑体が分化していない従属培養細胞より植物体に対する除草活性を良く反映した。したがって、緑色培養(photomixotrophic)細胞を利用して、96ウェルで化合物を添加して培養した後、TTC反応で生成されるホルマザンをHTS判読機で間接的に測定する方法は、除草活性を反映する非常に有用な検定法であることが確認された。
実施例4:天然化合物の効能評価
多様な植物体から分離して報告された天然化合物(表3)を使用して、ゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞に対する生育阻害活性を調査するために、前記実施例2で行なった効能評価法にしたがって調査した後、水生植物のアオウキクサ(Lemna paucicostata)(韓国化学研究院)に対する生育阻害活性と比較した。ゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞の場合は、化合物の最終処理濃度を1ppmにし、アオウキクサの場合は化合物の最終処理濃度を31ppmにした。
アオウキクサを利用した化合物の生育阻害活性測定は下記のように実施した。24ウェルプレートでフトナー栄養培地(Hutner's nutrient medium)で育つアオウキクサに表3に記載した16種の天然化合物を濃度別に稀釈して置床した後、5日後に生育阻害可否を調査した。活性阻害評価は、肉眼判別で0から5までの6等級に区分した。0は10%以下の阻害活性、1は11〜30%の阻害活性、2は31〜50%の阻害活性、3は51〜70%の阻害活性、4は71〜90%の阻害活性、5は91〜100%の阻害活性を示すものと定義した。また、ゼニゴケに対する化合物の生育阻害活性は、前記実施例2と同様に行なった後、阻害活性(%阻害活性)の計算は、1-(化合物処理のOD/対照区のOD)×100とした。ここで、+ 値は細胞成長阻害活性を示すもので、-値は細胞成長を促進することを意味する。
その結果、使用した16個の化合物は、ゼニゴケ培養細胞に対して多様な生育阻害活性を示し、コウマリン(coumarine)が33%の最も高い阻害活性を示した。また、大部分の化合物がゼニゴケ培養細胞に対して示す生育阻害活性は、水生植物のアオウキクサの生育阻害活性と比例した。興味深いのは、フェルリン酸(ferulic acid)、ジクマロール(dicumarol)、3-コウマラノン(3-coumaranone)は、ゼニゴケ培養細胞の細胞成長を促進して植物成長促進効果があった(表3)。したがって、ゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞は天然物化合物を低い濃度で処理しても生育阻害活性を良く反映するため、本発明で開発した植物成長調節物質のスクリーニング方法に有用に使用できる細胞であることが分かった。
(表3)植物体から分離した16個化合物のゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞とアオウキクサに対する生育阻害活性
Figure 2005530513
実施例5:植物抽出物(分画)の効能評価
自生植物利用技術開発事業団内韓国植物抽出物銀行から分譲されたガマズミ(Viburnum dilatatum)果実を含む49種の植物から抽出したメタノール抽出物(最終濃度10ppm)を使用して、実施例2で行なった効能評価法にしたがいゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞に及ぼす影響を調査した。
その結果、植物抽出物は多様な活性を示し、ユズリハ(Daphniphylium macropodum)小枝、ヤブサンザシ(Ribes fasclculatum var. chinese)果実、バレリアン(Valeriana officinalis var. latifolia)葉と茎/根、キカラスウリ(Trichosanthes kinilowii var. japonica)種子の抽出物は、ゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞に対して50%以上の生育阻害活性を示した(表4及び表5)。
(表4)49種の植物抽出物がゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞の成長に及ぼす影響
Figure 2005530513
(表5)49種の植物抽出物がゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞の成長に及ぼす影響
Figure 2005530513
上記で詳しく見たように、緑色培養(photomixotrophic)細胞は合成したり天然から分離した純粋化合物だけではなく、植物抽出物の活性も調査したりできることが確認された。したがって、本発明で開発した緑色培養(photomixotrophic)細胞を利用したHTSシステムは、天然物を対象に植物成長調節物質をスクリーニングしたり活性物質を分離したりする精製過程に利用できる検定法として有用な活用が期待される。
実施例6:微生物培養液の効能評価
土壌から分離した放線菌(Actinomycetes spp.)培養液を対象に実施例2で行なった効能評価法にしたがって、ゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞に対する生育阻害活性を測定した後、これらをアオウキクサ(Lemna paucicostata)と多様な雑草を利用したポットテスト(pot test)の結果と比較した。本発明で使用した放線菌は、大韓民国全域の土壌から分離した微生物を同定して放線菌であると一次的に同定された菌株を使用した。表6及び表7に記載したように任意に命名した。ここで滅菌培養液は、培養液自体を121℃で5時間滅菌(autoclave)したもので、最終濃度が1ppmになるように処理し、培養液のエチルアセテート(ethyl acetate, EtOAc)抽出物は、培養液1mlとエチルアセテート1mlを混合してよく撹拌した後、遠心分離して下層(水層)を除去して得られるエチルアセテート層を濃縮したものを10ppmになるよう処理した。アオウキクサに対する生育阻害活性テストは、滅菌していない微生物培養液を31ppmになるよう処理して、前記実施例4で実施したように行なった。また、温室で実施したポット実験をするための植物は、イチビ(Abutilon avicennaeVelvetleaf)、クサネム(Aeschynomene indica)、カモジグサ(Agropyron smithii)、ヒルガオ(Calystegia japonica)、メヒジバ(Digitaria sanguinalis)、イヌビエ(Echinochloa crus-galli)、コナギ(Monochoria vaginalis)、イネ(Oryzae sativa)、オオクサキビ(Panicum dichotomiflorum)、ウリカワ(Sagittaria pygmaea)、ホタルイ(Scirpus juncoides)、イヌホオズキ(Solanum nigrum)、モロコシ(Sorghum bicolor)、クローバ(Trifolium repens)、オナモミ(Xanthium strumarium)を試験用ポット(350cm2)に播種して常法にしたがい栽培して使用した。滅菌していない微生物培養液(最終処理濃度が40kg/ha濃度になるように調整した0.1%のTween20溶液)を手動噴霧器(hand sprayer)で前記に記載したすべての植物の茎葉に処理した後、温室で2週間生育させた後、処理14日後に現われる除草活性効能を形態学的、生理学的観察根拠により肉眼で調査して活性を6等級に分類するポットテストを行なった。即ち、10%以下の阻害活性は0、20〜30%の阻害活性は1、40〜50%の阻害活性は2、60〜70%の阻害活性は3、80〜90%の阻害活性は4、100%の完全阻害活性は5で示した。最少1個の草種に対する除草活性を根拠に定めた。測定した阻害活性値はすべての植物に対する阻害活性を平均で示した。
その結果、ゼニゴケ培養細胞の場合、滅菌培養液1ppmを処理した場合、2種の菌株(M531とM774)が91%の阻害活性を示し、30%以上阻害活性を示した菌株は、ぜんぶで14種だった。また、アセチルアセテート抽出物10ppmを処理した場合、9種の菌株(G715、G747、G774、G793、M690、M715、M755、M774)が90%以上の阻害活性を示し、31種の菌株が30%以上の阻害活性を示した。興味深いのは、M715、M912、G745、M755、M281等32個の菌株の滅菌培養液は、細胞の成長を促進し、前記菌株は、植物成長促進効果がある有用微生物であることが分かった。また、ゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞に対する生育阻害活性は、アオウキクサと植物体に対するポットテストの結果と高い相関性を示した。即ち、ポットテストで活性が見られた試料は、ゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞で滅菌培養液またはエチルアセテート抽出物で類似な活性を示すことが分かった。42種の菌株培養液は、ゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞、アオウキクサ、植物体いずれにも活性を示さなかった(表6及び表7)。したがって、本発明で開発した緑色培養(photomixotrophic)細胞を利用したHTSシステムは、純粋化合物、植物抽出物だけではなく微生物培養液と培養抽出物にも適用可能な非常に有用な方法であることが分かった。
(表6)土壌放線菌培養液のゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞、アオウキクサ、ポットテストに対する活性
Figure 2005530513
(表7)土壌放線菌培養液のゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞、アオウキクサ、ポットテストに対する活性
Figure 2005530513
前記表6及び表7で、
ゼニゴケの%活性=[1-(化合物処理のOD/対照区のOD)]×100で、
+値は細胞成長阻害活性を、-値は細胞成長促進活性を示す。
産業上の利用可能性
前記で詳しく見たように、葉緑体が分化された植物培養細胞をマイクロウェルプレートで合成化合物、天然化合物または天然抽出物等と共に一定期間培養した後、試薬等を添加して培養細胞の成長を高効率スクリーニング判読機等で測定する本発明のスクリーニング方法は、非常に少ない量の試料でも多数の試料を簡便かつ迅速に薬剤の効能を評価できる方法である。したがって、本発明の高効率スクリーニング方法を利用すると植物成長調節物質を短い時間に少ない費用でスクリーニングして、開発するのに有用に利用できる。
前述の記載において開示された概念および特定の態様が、本発明の同じ目的を果たすためのその他の態様の修正または設計の根拠として容易に利用されうることが、当業者により認識されよう。また同様に、このような同等の態様は、添付の特許請求の範囲に記載された本発明の精神および範囲から逸脱しないことは、当業者により認識されよう。
本発明の好ましい態様の適用は、添付の図面を参照することで最も良く理解される。
本発明に使用したゼニゴケ、タバコ、イネのカルス培養物(上パネル)及び三角フラスコでの懸濁培養物(下パネル)を示した写真である。 96マイクロウェル(96micro-well)プレートでゼニゴケ培養細胞を継代培養した後、培養細胞に薬剤を処理する前(上パネル)、薬剤処理後7日目(中間パネル)、薬剤処理後7日目細胞にTTCを処理した後、5時間目(下パネル)を示した植物成長調節物質(薬剤)をスクリーニングする写真である。 12ウェル(12well)プレートで光合成抑制除草剤のアトラジン(atrazine)を濃度別(最終濃度0、0.1、0.3、1、3、10、30μM)でゼニゴケ培養細胞に処理した後、7日目にTTCを処理して反応させた後、1時間及び5時間目に細胞及び培地に形成されたホルマザン(formazan)の量を測定したグラフである。

Claims (7)

  1. 緑色培養(photomixotrophic)細胞に植物成長調節物質候補群を添加して培養した後、細胞の成長を同時に大規模に測定することを含む植物成長調節物質の高効率スクリーニング方法。
  2. 前記緑色培養(photomixotrophic)細胞が、ゼニゴケ緑色培養(photomixotrophic)細胞またはタバコ緑色培養(photomixotrophic)細胞であることを特徴する、請求項1に記載の方法。
  3. 前記植物成長調節物質候補群が、合成化合物、天然物を含む純粋化合物、植物抽出物及び微生物培養液を含む抽出物または分画からなる群から選択されることを特徴する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記培養が、マイクロウェルプレートで培養することを特徴する、請求項1に記載の方法。
  5. 細胞の成長を測定する際に、培養した細胞に2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライド(2,3,5-triphenyltetrazolium chlorolide)を添加した後、吸光度値を測定することを特徴する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記方法が、
    1)マイクロウェルプレートに緑色培養(photomixotrophic)細胞及び植物成長調節物質候補群を添加して培養する工程;
    2)前記培養後、2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドを処理する工程;
    3)前記2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドを処理した後、マイクロウェル内の溶液を除去した後、エタノールを添加して反応させる工程;
    4)前記工程3の反応溶液を新しいマイクロウェルプレートに移す工程;及び
    5)前記工程4のマイクロウェルプレートを高効率スクリーニング判読機を利用して吸光度値を測定する工程を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記工程3が、2,3,5-トリフェニルテトラゾリウムクロライドを4.5乃至5.5時間の間処理した後、マイクロウェル内の溶液を除去した後、95%エタノールを添加して60℃で1時間の間反応させることを特徴する、請求項6に記載の方法。
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