JP2005530032A - 機械的特性が極めて高いAl−Zn−Mg−Cu合金製熱間加工製品、および航空機の構造要素 - Google Patents

機械的特性が極めて高いAl−Zn−Mg−Cu合金製熱間加工製品、および航空機の構造要素 Download PDF

Info

Publication number
JP2005530032A
JP2005530032A JP2003582321A JP2003582321A JP2005530032A JP 2005530032 A JP2005530032 A JP 2005530032A JP 2003582321 A JP2003582321 A JP 2003582321A JP 2003582321 A JP2003582321 A JP 2003582321A JP 2005530032 A JP2005530032 A JP 2005530032A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
product according
stiffener
product
stiffeners
mpa
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2003582321A
Other languages
English (en)
Inventor
エベール,フランク
シグリ,クリストフ
ウァルネー,ティモティ
デル ヴェーン,ショエルト ヴァン
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Constellium Issoire SAS
Original Assignee
Pechiney Rhenalu SAS
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=28052134&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP2005530032(A) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by Pechiney Rhenalu SAS filed Critical Pechiney Rhenalu SAS
Publication of JP2005530032A publication Critical patent/JP2005530032A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22FCHANGING THE PHYSICAL STRUCTURE OF NON-FERROUS METALS AND NON-FERROUS ALLOYS
    • C22F1/00Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working
    • C22F1/04Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon
    • C22F1/053Changing the physical structure of non-ferrous metals or alloys by heat treatment or by hot or cold working of aluminium or alloys based thereon of alloys with zinc as the next major constituent
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C22METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
    • C22CALLOYS
    • C22C21/00Alloys based on aluminium
    • C22C21/10Alloys based on aluminium with zinc as the next major constituent

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Thermal Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Extrusion Of Metal (AREA)
  • Metal Rolling (AREA)
  • Physical Vapour Deposition (AREA)
  • Conductive Materials (AREA)
  • Crushing And Pulverization Processes (AREA)
  • Preparation Of Clay, And Manufacture Of Mixtures Containing Clay Or Cement (AREA)

Abstract

本発明は、Al−Zn−Mg−Cu合金製の圧延、引抜きまたは鍛造製品から成るものであり、該製品は、(質量パーセントで):a)Zn 8.3−14.0、Cu 0.3−2.0、Mg 0.5−4.5、好適には0.5−3.6、Zr 0.03−0.15、Fe+Si<0.25、b)Sc、Hf、La、Ti、Ce、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y、Ybから成る群から選択された少なくとも一つの元素であって、選択された場合、前記元素のそれぞれの含有率は0.02と0.7%の間に含まれ、c)残りのアルミニウムと不可避の不純物を含有する、d)Mg/Cu>2.4とe)(7.9−0.4Zn)>(Cu+Mg)>(6.4−0.4Zn)、好適には、Mg>1.95+0.5(Cu−2.3)+0.16(Zn−6)+1.9(Si−0.04)の条件を満足することを特徴とするものである。本発明による製品は、とりわけ民間航空機の胴体補鋼材の製造に使用される。

Description

本発明は、Zn含有率が8.3%を超える、機械的特性の極めて高いAl−Zn−Mg−Cu型合金製熱間加工製品、ならびにかかる製品を組み込んだ航空機の構造要素に関するものである。
Al−Zn−Mg−Cu型合金(7xxx合金族に属する)は航空機建造に、またとくに民間航空機の翼の建造に広く用いられている。翼の上面には例えば、7150、7055、7449合金製の厚板製の外被、また場合によっては7150、7055、7349または7449合金製の形材製の補剛材が用いられる。7150、7050と7349合金は、胴体補剛材の製造にも用いられる。
これらの合金のいくつかは数十年前から知られており、例えば、7075および7175(亜鉛含有率が重量で5.1と6.1%の間)、7050(亜鉛含有率が5.7と6.7%の間)、7150(亜鉛含有率が5.9と6.9%の間)および7049(亜鉛含有率が7.2と8.2%の間)合金などが知られている。それらは高い弾性限界、ならびに、優れた靱性、および優れた耐応力腐食性と耐剥離腐食性を示す。もっと最近では、特定の用途分野について、亜鉛含有率がもっと高い合金を使用すれば、弾性限界をさらに増加させることができるので利益があるかもしれないことが明らかになった。7349および7449合金は、7.5と8.7%の間の亜鉛を含有している。亜鉛含有率がもっと高い熱間加工合金は、文献には記載されているが、航空機建造に使用されているとは思われない。
Materials&Design誌、Vol 18,p.211−215(1998)に掲載された、Y.L Wuらの論文“Microstructure and properties of a new super−high−strength Al−Zn−Mg−Cu alloy C912”は、翼と胴体の構造要素の製造を想定した、Zn 8.7%、Mg 2.6%、Cu 2.5%、SiとFe(それぞれ)<0.05%合金を紹介している。
米国特許第5560789号明細書(Pechiney Recherche)は、組成がZn10.7%、Mg2.84%、Cu0.92%で、引抜きによって加工される合金を開示している。亜鉛、マグネシウムおよび銅の充填率が高いこの合金の添加元素は溶解が困難であり、これは、製品の溶解温度が、最も低い融点を有する相の融解温度によって制限されるためである:この製品の機械的強度は高いが、粗折出物の存在故、破断伸びが非常に低い;前記製品の成形性は低いものである。
米国特許第5221377号明細書(Aluminium Company of America)は、亜鉛含有率が最大11.4%の、銅がかなり充填されたAl−Zn−Mg−Cu型合金をいくつか開示している。それらは鋳造が困難、また添加元素の溶解が困難であり、そのため不所望の粗折出物の存在が助長される。
他方で、例えば圧搾ガスボンベなどの、高圧に耐えるための中空体の製造のために、亜鉛含有率の高いAl−Zn−Mg−Cu合金の使用が提案された。欧州特許出願公開第020282号明細書(Societe Metallurgique de Gerzat)は、亜鉛含有率が7.6%と9.5%の間に含まれる合金を開示している。欧州特許出願公開第081441号明細書(Societe Metallurgique de Gerzat)は、かかるボンベを得るための方法を開示している。欧州特許出願公開第257167号明細書(Societe Metallurgique de Gerzat)は、既知のAl−Zn−Mg−Cu型合金のどれも、この特定の用途分野によって課される苛酷な技術的要求条件を確実かつ再現可能な形で満たすことができないことを確認している;同出願は、もっと低い、すなわち6.25%と8.0%の間に含まれる、亜鉛含有率を指向することを提案している。
これらの特許の教示は、とくに圧搾ガスボンベの破裂圧力の最大化に関して、これらのボンベの諸問題に固有であり、他の熱間加工製品に当てはめられない。
一般的に、Al−Zn−Mg−Cu型合金において、これらの元素の溶解を可能にすることを条件として、優れた静的機械的特性(弾性限界、破断限界)を得るためには、亜鉛だけでなく、MgとCuの高い含有率が必要である。しかし、同じく周知の如く(例えば、米国特許第5221377号明細書参照)、7xxx族の合金内の亜鉛含有率を約7から8%を超えて増加させたとき、耐剥離腐食性および耐応力腐食性の不足に関連する問題に遭遇する。もっと一般的に、もっとも充填率の高いAl−Zn−Mg−Cu合金は腐食の問題が生じるおそれがあることがわかっている。これらの問題は、特定の熱処理または熱的な機械的処理を用いて、例えば、T7型の処理の際に、とくに焼き戻し処理をピークを越えて進めることによって一般的に解決される。しかし、これらの処理は、そのとき、静的機械的特性の低下を招く可能性がある。言い換えれば、対象とする耐食性最低レベルについて、Al−Zn−Mg−Cu型合金の至適化は、静的機械的特性(弾性限界Rp0.2、破断限界Rm、破断伸びA)と耐損傷性(靱性、亀裂伝播速度など)の間の調和を模索しなければならない。対象とする耐食性最低レベルによって、静的機械的特性に有利に働く靱性−Rp0.2の調和を一般的に提供する、焼き戻しピークに近い組織(組織T6)を使用するか、または、靱性に有利に働く調和を求めてピークを越えて(組織T7)焼き戻しが進められる。
どのような手法を採用しても、かかる製品の製錬と使用には二つの問題が発生する:一方では、亜鉛とマグネシウムが大量に充填されたこれらの合金は、とりわけ引抜き、圧延または鍛造による鋳造と加工が困難である。例えば、引抜きプレスが出すことができる最大外力が制限要因となるおそれがある。とくに7xxx族の合金の中で、7349および7449合金は、極めて大きな引抜き力を必要とする。他方で、前記引抜きおよび圧延された製品の成形に対する適性が、重要な要因になる分野もある。それは、とりわけ胴体補剛材の場合である。
結果として、7349および7449合金のそれより一層高い機械的耐性の合金の研究は、鋳造と加工が困難、そして成形が困難な合金に行き着くおそれがある。
米国特許第5560789号明細書 米国特許第5221377号明細書
本発明が解決しようとする課題は、極めて高い破断限界、極めて高い弾性限界、十分な耐食性、成形に対する優れた適性を特徴とし、航空機産業の高い要求条件と両立する信頼性条件で工業的に製造することのできる、8.3%を超える高い亜鉛含有率のAl−Zn−Mg−Cu型合金製の新規な熱間加工製品、そして、とりわけ引抜き製品を提案することにある。
出願人は、添加元素Zn、CuおよびMg、ならびに特定の不純物(とくにFeとSi)の濃度を微細に調節し、場合によっては他の元素を添加することによって課題を解決することができることを発見した。
本発明の第一の対象は、Al−Zn−Mg−Cu合金製の圧延、引抜きまたは鍛造製品によって構成され、該製品は(質量パーセントで):
a)Zn 8.3−14.0、Cu 0.3−2.0、Mg 0.5−4.5また好適には0.5−3.6、Zr 0.03−0.15、Fe+Si<0.25
b)Sc、Hf、La、Ti、Ce、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y、Ybから成る群から選択された少なくとも一つの元素であって、選択された場合、前記元素のそれぞれの含有率は0.02と0.7%の間に含まれる、
c)残りのアルミニウムと不可避の不純物、
を含有し、
d)Mg/Cu>2.4と
e)(7.9−0.4Zn)>(Cu+Mg)>(6.4−0.4Zn)
の条件を満足することを特徴としている。
本発明の第二の対象は、Al−Zn−Mg−Cu合金製の圧延、引抜きまたは鍛造製品によって構成され、該製品は(質量パーセントで):
a)Zn 9.5−14.0、Cu 0.3−2.0、Mg 0.5−4.5また好適には0.5−3.6、Fe+Si<0.25
b)Zr、Sc、Hf、La、Ti、Ce、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y、Yb、Cr、Mnから成る群から選択された少なくとも一つの元素であって、選択された場合、前記元素のそれぞれの含有率は0.02と0.7%の間に含まれる、
c)残りのアルミニウムと不可避の不純物、
を含有し、
d)Mg/Cu<2.4と
e)(7.9−0.4Zn)>(Cu+Mg)>(6.4−0.4Zn)
の条件を満足することを特徴としている。
本発明の第三の対象は、前記製品の少なくとも一つを組み込んだ航空機のための構造要素、そしてとりわけ、胴体補剛材のような民間航空機の胴体建造に用いられる構造要素である。
図1は、形材T1の断面を示している。
図2は、形材T2の断面を示している。
図3は、形材T3断面を示している。
図4は、形材T4の断面を示している。
図5は、形材T5の断面を示している。
図1、2、3、4と5において、示された寸法は近似値であり、ミリメートルで表されている。
図1、2、3と4において、文字aは形材の「底部」を、文字bは「末端」を示す。
図6は、ディンプリングによって成形した胴体補剛材の区域を概略的に示している。記号は次の通りである:
a ディンプリング深さ
b ディンプリング幅
c 上底部:大きな平坦変形の出現
d 下底部:大きな平坦変形の出現
図7は、3箇所折り曲げ試験のために標本を採取した形材T1上の場所を概略的に示している。
図8は、折り曲げ角度の定義を概略的に示している。
図9は、三箇所折り曲げ試験に重要な幾何パラメータを概略的に示している。
図10は、中央の補剛材が破損している二つの補剛材のある長さの亀裂を概略的に示している。
図11は、座屈試験を概略的に示している。図(b)は、90°のA−A回転に対応する。
図12は、同じ幾何の本発明(灰色の棒)および先行技術(白い棒)によるZ形の補剛材の、さまざまなタイプについての座屈応力を比較している。
特記事項なき限り、合金の化学組成に関するすべての記事は質量パーセントで表現する。結果として、数式において、「0.4 Zn」は、質量パーセントで表した、0.4倍の亜鉛含有率を意味する;これは、しかるべき所を変えれば他の化学元素にも適用される。合金の命名はアルミニウム協会の規則に従う。冶金組織は欧州規格EN515に定義されている。特記事項なき限り、静的機械的特性、すなわち、破断限界Rm、弾性限界Rp0.2および破断伸びAは、規格EN10002−1に従った引張試験によって決定される。「引抜き製品」という用語には、「延伸」とよばれる製品、すなわち引抜きの後、延伸によって製作した製品も含まれる。
本出願人は、いくつかの予備研究の過程で、かなり向上した機械的強度と成形性の調和を示す新規材料が、十分な、典型的には約8.3%を超える、また好適には9.0%を超える亜鉛含有率をどんな場合でも示さなければならないであろうとの結論に達した。しかしながら、この条件は十分ではない。
本発明の枠内において、本出願人は極めて高い静的機械的特性、許容できる耐食性と良好な成形性を同時に有する、熱間加工製品、とくに引抜き製品の製錬を可能にする極めて特別な組成の領域を発見した。このように、本出願人は民間航空機の胴体補剛材として極めて有利に使用することができる引抜き製品を開発することができた。この用途分野において、損害許容度は制限要素にならない、したがって、耐食性が低下することがないように注意しつつ、損害許容度を犠牲にして弾性限界と破断限界を至適化することができる。しかしながら、弾性限界と破断限界を最大限推進すると、航空機の構造を軽量化できるが、通常は成形性の低下を招く。しかるに、胴体補剛材は複雑で極めて特殊な作業にかけられる。胴体補剛材のためのより強度の高い合金を開発するには、したがって、成形性が既知の合金に対して低下しないように注意すること、あるいは、好適には、既知の合金のものより向上するようにすることが適切である。
本発明によれば、この問題は、合金元素と特定の不純物の含有率の微調整を用いて、また合金組成に他の特定の元素を濃度を制御して添加することによって、解決される。
本発明は、
Zn8.3−14.0、Cu0.3−2.0、Mg0.5−4.5
ならびに後述の他のいくつかの元素を含有し、残りがアルミニウムとその不可避の不純物であるAl−Zn−Mg−Cu合金に適用される。
本発明による合金は、少なくとも0.5%のマグネシウムを含有しなければならないが、なぜなら、マグネシウム含有率がもっと低いときには十分な静的機械的特性を得ることができないからである。本出願人が確認したところでは、8.3%未満の亜鉛含有率では、既知の合金で得られるものより優れた結果は得られない。好適には、亜鉛含有率は9.0%を超え、さらに好適には9.5%を超える。しかしながら、後述の如く、特定の元素の間の特定の関係を尊重する必要がある。別の有利な実施態様によれば、亜鉛含有率は9.0と11.0%の間に含まれる。如何なる場合にも、約14%を超える亜鉛含有率は望ましくないのだが、なぜなら、この値を超えると、マグネシウムと銅の含有率のいかなるを問わず、結果は満足できるものではないからである。
少なくとも0.3%の銅の添加は耐食性を向上させる。少なくとも0.6%の含有率が好適である。しかし、十分な溶解を保証するために、Cu含有率は約2%を超えてはならず、Mg含有率は約4.5%を超えてはならない;マグネシウムについては、3.6%の最大含有率が好適である。有利な実施態様において、マグネシウム含有率は2.5%と3.4%の間に含まれるのに対し、銅の含有率は0.6%と1.2%の間に含まれる。他の有利な実施態様において、銅の含有率は0.8%と1.5%の間に含まれ、マグネシウム含有率は2.2%と3.0%の間に含まれる。後述に説明されるように、マグネシウムと銅の含有率の間の比は特定の基準を尊重しなければならない。
本出願人は、課題を解決するためには、Al−Zn−Mg−Cu型合金において、いくつかの追加の技術的特性を考慮しなければならないことを発見した。
まず、合金は、有益な静的機械的特性を示すことができるように、人工時効または焼き戻し処理の間に析出可能な添加元素を十分に加えられなければならない。そのためには、本出願人の確認したところでは、上記の亜鉛、マグネシウムおよび銅の含有率についての最低および最高限度にくわえて、これらの添加元素の含有率が、条件Mg+Cu>6.4−0.4Znを満たさなければならない。
この効果を高めるためには、十分な含有率のいわゆる再結晶化防止元素を添加しなければならない。より詳細には、亜鉛が9.5%を超える合金については、元素Zr、Sc、Hf、La、Ti、Y、Ce、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb、Cr、Mnを含む群から選択された少なくとも一つの元素を添加しなければならず、また、存在する元素のそれぞれについて、濃度は0.02と0.7%の間に含まれていなければならない。前記群の元素全体の濃度は1.5%を超えないことが好ましい。
これらの再結晶化防止元素は、熱処理または熱的な機械的処理の際に形成された微細な析出物の形で、再結晶化を阻止する。しかしながら、本出願人は熱間加工製品の焼き入れの際に、そしてとりわけ合金に加えられた亜鉛の量が多いときに(Zn>9.5%)にあまりに多量の析出を回避する必要があることを発見した。したがって、再結晶化防止元素の含有率に関しては調和を見いだす必要がある。
本発明によれば、亜鉛含有率が8.3%と9.5%の間に含まれる合金については、0.03%と0.15%の間に含まれる含有率のジルコニウムと、さらに、元素Sc、Hf、La、Ti、Y、Ce、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Ybを含む群から選択された少なくとも一つの元素を添加しなければならず、また、存在するそれぞれの元素について、濃度は0.02と0.7%の間に含まれなければならない。有利な実施態様においては、チタンが、単体、または前記群の他の一つまたは複数の元素と組み合わせて、選択される。
本出願人は、前記再結晶化防止元素について、亜鉛含有率のいかなるを問わず、下記の最大含有率を超えないことが有利であることを確認した:Cr 0.40;Mn 0.60;Sc 0.50;Zr 0.15;Hf 0.60;Ti 0.15;Ce 0.35また好適には0.30;Nd 0.35また好適には0.30;Eu 0.35また好適には0.30;Gd 0.35;Tb 0.35;Ho 0.40;Dy 0.40;Er 0.40;Yb 0.40;Y 0.20;La 0.35また好適には0.30。有利には、これらの元素の合計は1.5%を超えない。
出願人が確認したところでは、破断限界と弾性限界を向上させるためには、比Mg/Cu>2.4、また好適には少なくとも2.8、より好適には3.5、あるいはさらに4.0を尊重することが好ましい。
もう一つの技術的特徴は、航空機産業の高い要求条件と適合する信頼性条件において、また満足のいく経済的条件において、熱間加工製品を工業的に製造することができる必要性に関係する。したがって、板またはビレットの固化の際にクラックまたは割れ目の発生を最小にするような化学組成を選択する必要があり、前記クラックまたは割れ目は、前記板またはビレットの廃棄につながる致命的欠陥となる。本出願人が数多くの試験の際に確認したところによると、このようなクラックまたは割れ目の発生は、合金7000が470℃未満で固化を終えるときにはるかに確率が高かった。工業的に許容できるレベルまで、鋳造でのクラックまたは割れ目の発生確率を大幅に減らすために、次のような化学組成を選択する方がよい:
Mg>1.95+0.5(Cu−2.3)+0.16(Zn−6)+1.9(Si−0.04)
この基準を、本発明の枠内で「鋳造性基準」と呼ぶ。本発明のこの変型に従って製錬された合金は、473℃と478℃の間に含まれる温度でその固化を終え、航空機産業の高い要求条件と両立する金属製錬方法の工業的信頼性(すなわち、鋳造板またはビレットの品質恒常性)に達することを可能にする。
本発明のもう一つの技術的特徴は、均質化処理および溶解処理後の(典型的にはS、MまたはT型の三元素または四元素の相Al−Zn−Mg−Cuである)不溶性析出物の量をできる限り最小にする必要性に関するものであるが、なぜなら、それが靱性、破断伸び、またとくに成形性を減じるからである;そのために、Mg+Cu<7.9−0.4Znとなるように、Mg、CuおよびZnの含有率を選択する。本出願人が確認したところによれば、関係式Mg+Cu<7.9−4.4Znによって表されるこの限界に極めて近く位置づけることには不都合はないが、これを超えると、本発明による製品の利点の一つであるディプリングによる深い成形への適性が急速に低下することになる。
最後に、Sn、Cd、Ag、Ge、Inから成る群から選択された一つまたは複数の元素を、元素当たり0.02と0.15%の間に含まれるように少量混入することによって、焼き戻し処理に対する合金の反応を向上させることが可能であり、製品の機械的耐性と耐食性に良い効果がある。0.05と0.10%の間に含まれる含有率が好ましい。これらの元素の中で、銀が好適な元素である。形材の場合、スカンジウムなどの一つまたは複数の再結晶化防止元素の添加がとくに有利である:かかる効果は、厚板の場合にも認められる。形材は、加えてそれらの機械的強度の増加という利益を享受し、該強度は、形材の幅または厚みが小さい程さらに増加するものである;「プレス効果」とよばれるこの効果は、当業者には周知のものである。本出願人が確認したところでは、添加された再結晶化防止元素がスカンジウムであるとき、0.02と0.50%の間に含まれる含有率が有利である。
本発明による製品はとりわけ引抜き製品である。それらは、航空機建造における構造要素の製造に有利に使用できる。本発明による製品の推奨用途分野は、民間航空機の胴体の構造要素としての適用である。これらの要素、とくに補剛材は、まず初めに機械的強度で寸法を決定される。この使用において、損害許容度は、それが妥当なレベルである限り、通常は寸法決定に含まれる特性ではない:必要な場合、またある点まで、製品の有効性を減ずる恐れなく、損害許容度を犠牲にして機械的強度を至適化することができる。耐食性は常に許容レベルでなくてはならない。前記胴体補剛材の機械的強度の増加は、建造者の選択により、重量を減じるか、または同じ重量で、より堅固な胴体構造を用いることを可能にする。これは、隣接する二つの補剛材の間の間隔を(胴体金属板の折り曲げ耐性の限界内で)増加させることによって補剛材の数を減らすことを可能にするものであり、補剛材と翼の外被の間の、固定または組立箇所の数を減らすことにつながる。これは大きな利益になる可能性がある、なぜならリベットやボルトなどの、固定または組立箇所は、かかる構造の製造コストに大きな割合を占めるためである。したがって、本発明による製品のとくに有利な用途分野は、航空機建造分野における構造要素としての、そしてより詳細には、補剛材の少なくとも一部が本発明による構造要素である、複数の補剛材と複数の金属板から組み立てられる胴体を含む航空機建造としての適用である。かかる航空機は、既存の航空機よりも、より軽量ではあるが、少なくとも同じくらい堅固な構造によって、あるいはより堅固であるが、重くない構造によって特徴づけられる。
異なる種類の構造要素(例えば、補剛材と胴体の外被)の間の固定と同様に、同じ種類の二つの構造要素の間の、とりわけ二つの補剛材の間の組立の数を最小にすることが望ましい。この目的のために、できる限り大きな、適切な寸法の金属板または引抜き製品の使用がふさわしい;引抜き製品の枠内では、この適切な寸法は本質的には長さである。しかるに、充填率の高いAl−Zn−Mg−Cu合金製の非常に長い形材の製造には、鋳造、引抜き、熱処理方法の優れた制御が不可欠であり、本発明による化学組成の適合を必要とすることがある。より詳細には、本出願人が確認したところでは、本発明による製品は、同等な亜鉛含有率の既知の製品に比べて低い引抜き圧で得ることが可能であり、これにより大きな長さの形材の製造が可能になる。
航空当局が大きな被害を受けた際に限界負荷に耐えられるための構造を要求していることは知られている;選択された損害は、中央の補剛材が破損した二つの補剛材の、ある長さの亀裂である(図10参照)。本出願人が留意したように、引張で働く胴体パネルの残留耐性は、本発明による耐性の高い補剛材の利益を享受することができる。本発明による胴体パネルの構造要素としての補剛材の使用は、外被にある亀裂を閉じることで構造の残留耐性の向上を可能にするものであり、これにより、不安定な破断を予防措置として回避することが可能となる。このようにして、亀裂パネルの残留耐性は向上することになる。この効果は、補剛材が本発明による補剛材に代えられた建造物における安全幅を増加させるために、あるいは断面が縮小された補剛材ともっと薄い胴体金属板、および/またはもっと広い補剛材の間隔を用いることで、建造物の重量を下げるために使用されることができる。
他方で、航空当局は構造が過剰な変形なしに3秒間極限負荷に耐えられる様に設計されることを要求している。しかしながら、可塑性変形は許容されている。これは、安定性の臨界箇所における胴体パネルのための後座屈の設計に帰着させる。完全円柱(オイラーの定理)または極めて薄い現実の構造物の座屈は、本質的に(ヤング率にコントロールされた)弾性現象であるが、後座屈の設計は、可塑性変形を示し弾性限界の増加の利益を享受することができる。この座屈試験は図11に示した。
本出願人が留意したように、圧縮および/または剪断で働く胴体パネルの剪断および圧縮安定性は、本発明による補剛材の耐性の高さの利益を享受することができる。本発明による補剛材の、航空機の胴体パネルの構造要素としての使用は、胴体パネルの剪断および圧縮安定性を向上させるものであり、それはこれらの補剛材がより高い座屈安定性を示すためである。この効果は、補剛材が本発明による補剛材に代えられた建造物における安全幅を増加させるために、あるいは断面が縮小された補剛材ともっと薄い胴体金属板、および/またはもっと広い補剛材の間隔を用いることで、建造物の重量を下げるために使用されることができる。リベットの間隔の増大を得ることも可能であり、これにより構造組立コストが削減される。
表17は、計算に使用された補剛材のさまざまな幾何のパラメータを示している。図12は、Z1からZ8のこれらの異なる幾何(左から右に)についての上述の座屈応力を比較したものである。
前記製品の胴体補剛材としての使用の際にとりわけ発生するもう一つの問題は、それらの成形性である。
形材からの胴体補剛材の工業的製造の際に使用される一つの成形法は、ディンプリングである。これは、数ミリメートルの区域に局所的進行を導入するものである(図6参照)。これは、本発明による形材の場合、熱間(好適には130℃で)あるいは冷間で実施することができる。冷間ディンプリングの場合、組織W(不安定)で供給された形材を有利に再溶解し、ついで焼き入れが実施される。ついでディンプリングによる成形を実施する。冷間ディンプリングでは、熱間ディンプリングほど深い成形はできないが、適用可能な場合には、より実用的なことが多い。
成形の工業的方法としてのディンプリングは、開発中の材料の研究への使用には向かない。しかし、ディンプリングにおける材料の欠陥は、材料が受けることのできる最大平坦変形に直接結びつけられることがわかっている。これによって3箇所折り曲げ試験を用いることでディンプリングによる成形に対する材料の適性を算定することができる。DIN規格50111(1987年9月、とりわけ3.1節)によれば、試験片の中央で、平坦変形条件に置かれるために、標本はその厚みに対して十分な幅がなければならない。
本発明の枠内で、130℃成形性(最終状態の製品の中温成形性)を算定するために、標本の温度が確かに130℃であることを常に確認しながら、加えた力が低下し始めるまで(亀裂の始まりを意味する)平坦な試験片を130℃の炉内で変形させる。変形は熱間で行われるため、変形速度は結果に影響するパラメータである。それは、毎分50mmの横断速度に固定された。折り曲げ角度(図8の定義参照)が大きいほど、ディンプリング成形適性が高くなる。力学的理由のために、比較される標本は同じ厚みであることが重要である。厚みの異なる二つの標本を比較しなければならないときは、必要な厚みになるまで圧縮によって表面を加工する。形材の場合、平坦な試験片を準備するところの標本の採取は、形材T1について図7に示したごとく代表的な場所で行われる。
130℃での3箇所曲げ試験は、製品の組織T6xまたは組織T7xで行われる。しかしながら、焼き入れに続く引張による応力除去と三箇所曲げ試験の実行の間の時間を制御することを条件に、この試験で焼き入れ粗組織Wで成形性を特性化することが可能である。引抜き製品の場合、130℃の折り曲げ角度は、形材の長さ方向に分散されている、異なる場所で採取した標本において実施した個別の測定から計算された平均値として表される。
本発明によるとくに推奨される製品は、T6511組織において、平坦区域内で採取した試験片で測定したとき、厚さ1.6mmの標本でDIN50 111(3.1節)に従って3箇所曲げ試験によって130℃で測定された少なくとも34°の折り曲げ角度と、少なくとも720MPaの弾性限界Rp0.2、また好適には少なくとも35°の折り曲げ角度と、少なくとも750MPaの弾性限界を示す引抜き製品である。静的機械的特性(Rp0.2、RmとA)は、約60mmの厚みまでは断面の厚みにあまり依存しない。
本発明によるもう一つのとくに有利な製品は、T76511組織で、平坦区域内で採取した試験片で測定したとき、厚さ1.6mmの標本でDIN50 111(3.1節)に従って3箇所曲げ試験によって130℃で測定された少なくとも36°の折り曲げ角度と、少なくとも660MPaの、また好適には少なくとも670MPaの弾性限界Rp0.2を示す引抜き製品である。この製品は、未加工標本において実施されたEXCO試験(ASTM規格G34)の際に、耐食性が少なくともEBレベルでなければならない場合に使用することができる。
これら二つの推奨製品は、民間航空機のための胴体補剛材の製造にとくにうまく供することができる。
上記のごとく、本出願人が確認したように、意外なことに同等の亜鉛含有率のものも含め、既知の製品と比較して、本発明による製品は、熱間成形に対して優れた適性を示す。反対に、再溶解および焼き入れ後の不安定な組織Wでの冷間成形に対する適性は、やや劣ったものとなる。胴体補剛材のような航空機の構造要素の製造については、したがって、本出願人は前記成形が深い場合、熱間成形法を推奨する。
本発明による製品は、床の構造要素として、またとりわけ床、機体の形材として、ならびに、座席レールのような形材の形状でも使用できる。座席のレールは、客室の長さにほぼ平行に配置された、一般的に長尺の形材であり、その上に商用機内の座席の列が固定される。本発明によれば、耐破断性が670MPaに、さらには680MPaに達し、その弾性限界が640MPaさらには660MPaに達する座席の固定区域(すなわちI型形材の末端部分)の破断に対する強度を有するT76511組織の座席レールを得ることができる。商用航空機の座席レールは、大きな機械応力の下で腐食性の食品液体による腐食に耐えなければならない、そして本発明による座席レールは規格ASTM G47によって定められた応力の下で良好な耐食性を実際に示している。
航空機建造のための本発明による構造要素の使用は、前記航空機の構造を大幅に軽量化できる、そのことはそれらの有効積載荷重の増加、あるいはそれらの燃料消費の低減を可能にする。
本発明は、実施例の説明を読むことによって一層良く理解できるものであるが、これらは非制限的な性格のものである。
板の半連続鋳造によって複数のAl−Zn−Mg−Cu合金を製作し、それらを、そのパラメータが米国特許第5,560,789号明細書に従って決定された均質化過程、それに続き熱間圧延、溶解過程とそれに続く焼き入れ、応力除去作業、そして最後にT651組織への焼き戻しとから成る、従来の一連の加工にかけた。このようにして、T651組織で厚みが20mmの金属板が得られた。
この試験を構成する金属板の組成は表1に示した。
Figure 2005530032
静的機械的特性値は、規格EN 10002−1に記載の引張試験によって求められた。靱性KICは、規格ASTM E399に従って求められた。結果は表2に示した:
Figure 2005530032
ここでわかるように、本発明による金属板Cは、機械的強度と伸長の良好な調和を示す。発明外の金属板Dと比較して、その機械的強度ははるかに優れている。先行技術による7449合金製の金属板Aと比較して、金属板Cは、はるかに向上した機械的強度を有する。金属板Cの靱性が金属板Bのものより劣るということは、靱性の寸法を決定しないが、優れた機械的特性と良好な成形性が同時に要求される特定の使用へのその適用を、制限する。発明外の金属板Bと比較して、金属板Cの破断伸びははるかに優れている。
他方で、金属板Bが表2に示した結果に達するには、工業的生産の要求条件にはふさわしくない、該金属板をかなり長い間溶解にかけなければならない。さらに、同じロット内と同じ製品(金属板または形材)の中に同時に、機械的特性の均質性に悪影響を及ぼす粗い相があまりに多く製品に残ることが認められる;そのため製品Bは、航空機の構造要素としての使用を禁止すること可能性がある。
表3に示された組成の合金で複数の板を鋳造し、全ての合金のSi含有率は0.04%にほぼ等しい。
合金G1、G2、G3とG4およびBは、本発明外である。合金Bと、発明外の、Dの組成は実施例1に示され、(本発明による)実施例Cのものも同様である。これら全ての合金は、試験の際に十分な鋳造性を示した、すなわち工業的規模の鋳造試験の際に割れ目またはクラックは認められなかった。
合金G5、G6、G7、G8は本発明外であり、合金G9は先行技術による7060合金である;これらの合金は、鋳造試験の際に割れ目ができた。
これらの合金の鋳造の際に現れる障害は、これらの板から得られる熱間加工製品を必ずしも使用に不適にはしないが、コスト増の元になる、なぜなら実施(すなわち投入した金属量に対する販売可能な金属量、廃棄された板の量に直結するパラメータ)は、本発明の推奨分野に対応する合金についてよりも大きくなるためである。くわえて、固化の際に割れ目を形成するこれらの合金の傾向は、方法の統計的制御による品質保証プログラムの枠内における鋳造方法の信頼を非常に困難なものにする。
ここでわかるように、鋳造において割れ目またはクラックを形成する傾向が顕著である合金7xxxのマグネシウム含有率は、臨界マグネシウム含有率より低い;この臨界値は、鋳造性基準によって定義されたMgの限界値を計算することによって得られた。
Figure 2005530032
表4に組成を示した合金で引抜きビレットを製作した。合金は次のように均質化された:
標本Q1とQ2:465℃で4時間+476℃で20時間
標本Q3とQ4:465℃で4時間+471℃で20時間
標本P1からP3:471℃で20時間
M、TとS相は、均質化処理の際に完全に溶解した;これは微分エンタルピの分析によって確認された(米国特許第5 560 789号明細書参照)。
ビレットの直径は、ビレットP3とQ1からQ4については200mm、ビレットP1とP2については155mmであった。
Figure 2005530032
均質化し、表層を削ったこれらのビレットから、T1、T2、T3、T4とT5の五つのタイプの形材を製錬し、その断面は、図1、2、3、4と5に示した。コンテナとツールの温度は400℃を超えるものであり、引抜き速度は毎分0.50m未満であった。
引抜き最大圧力は表5にまとめられた。意外なことに、本発明による合金については、引抜き圧力は増加せず、意外なことに特定の種類の形材については、マグネシウム含有率が増加したときに低下さえする。
Figure 2005530032
形材Q1からQ4は471℃で溶解し、形材P1からP3は472℃で溶解した(形材T1、T2とT3)。形材R1とR2は、同様の条件で処理した。全ての形材は、水を用いて焼き入れし、1.5%と2%の間に含まれる永久伸びで引張した。T6511またはT76511組織で製品が得られる。
形材の平坦区域内で採取された、T6511組織の試験片の三つの異なる厚みについて、静的機械的特性を表6にまとめた。これらの組織は、下記の条件で人工的エイジングによって得られた:
合金Q1とQ2:120℃で18時間
合金P1からP3、Q3と4:120℃で36時間
Figure 2005530032
下記の条件で人工的エイジングによって得られたT76511組織での特性値を表7にまとめた:
Q1からQ4:120℃で12時間+150℃で8時間
P1:120℃で12時間+156℃で10時間
Figure 2005530032
ここでわかるように、P1合金と比較して、Q1とQ2合金の機械的強度ははるかに高いものである。
T6511組織のQ1とQ2製品(引抜きの最初の加工されていない標本)のEXCO試験(ASTM規格G34)によって特性化した耐食性はEAまたはEBレベルで、全体として標本P1からP3およびQ3とQ4のそれと少なくとも同等か、あるいはより優れていた。
R1とR2については次の機械的特性が認められる:
Figure 2005530032
1987年9月のDIN規格50111(第3.1節)による3箇所曲げ試験を用いて、実施例3のT1型形材の成形適性を研究した。標本採取箇所である平坦区域は図7に示した。3箇所曲げ試験装置の重要なパラメータは図9に示した。試験は130℃で実施した。
T6511組織およびT76511組織を試験した。折り曲げ角度α(図8に定義)の値は表9に示した。該値は、形材の長さ方向に分散されている、異なる場所で採取した標本で実施した六回程度の個別の測定から計算した平均値に関するものである。
Figure 2005530032
いずれの場合にも、本発明による形材(Q1とQ2)は先行技術による形材(Q3とP1)のそれと同等の成形性を有する。
同じ3箇所曲げ技術で、ただし常温で、実施例4のものと類似の標本(再溶解と焼き入れ後の不安定なW組織で)冷間成形適性を研究した。形材の長さに応じて(図8に定義された)折り曲げ角度αのわずかな分散が認められる。表10は、W組織で測定した値に関するものである。
Figure 2005530032
実施例1に記載のものと類似の方法によって圧延板を製錬した。化学組成は表11に示したとおりである。実施例1に記載のものと類似の方法で、25mmの厚みの板を熱間圧延によって製作した。該板を472と480℃の間に含まれる温度で2時間溶解し、焼き入れし、1.5と2%の間に含まれる永久伸びで引張した。つぎに、金属板を135℃の温度で焼き戻し処理した。
Figure 2005530032
下記の冶金特性を得た:
Figure 2005530032
金属板NとKについて、12時間の焼き戻しでT6組織になることが確認された。はるかに長い焼き戻しでは、パラメータRp0.2(L)とRm(L)は低下する。
Zn含有率が等しく、Mg/Cu比が近いとき、金属板N(スカンジウムが0.10%)は、スカンジウムのない金属板Mよりも優れた静的機械的特性を示す。
Zn含有率が等しく、スカンジウム含有率が等しいとき、Mg/Cu比が高い金属板Nは、金属板Kよりも優れたRp0.2(L)とRm(L)の値を示す。
実施例3によって製錬した複数の形材について、耐応力腐食性を特性化した。
表13は得られた結果をまとめたものである。
Figure 2005530032
本発明による製品は、十分満足できる耐応力腐食性を示すことがわかる。
実施例3のものと類似の方法によって、スカンジウムの添加有りと無しで、7349または7449合金製の引抜き製品を製作した。
表14は化学組成を示し、表15は得られた機械的特性を示している。
Figure 2005530032
Figure 2005530032
実施例3の結果と比較すると、本発明による製品は、先行技術による製品X1とX2と比較して向上した機械的特性(Rm、Rp0.2)を有することがわかる。
前述の実施例により、化学組成R1とQ1のビレットから航空機の座席レールを製造した。これらの形材はI型で、底部、中心区域(芯部)と末端(座席固定部)とから成る。
中心区域の厚みは2mm程度、形材の高さは65mm程度であった。
表16は、T76511組織での静的機械的特性をまとめたものである。
Figure 2005530032
(横断方向の)応力腐食試験は、ASTM G47による試験の際に良好な耐性を示している。
本発明による耐性の高い補剛材の損害許容度のシミュレーション数値モデルは、胴体パネルの残留耐性を求めるために評価された。航空当局は大きな損傷にもかかわらず限界負荷に耐えるように設計された構造を要求している;選択された損害は、中央の補剛材(18)が破損した二つの補剛材(14、16)の、ある長さの亀裂である(図10参照)。本出願人が留意したように、引張で働く胴体パネルの残留耐性は、本発明による耐性の高い補剛材の利益を享受することができる。本発明による胴体パネルの構造要素としての補剛材の使用は、外被(18)にある亀裂(12)を閉じることで構造の残留耐性の向上を可能にするものであり、これにより、不安定な破断を予防措置として回避することが可能となる。このようにして、亀裂パネルの残留耐性は向上することになる。この効果は、補剛材が本発明による補剛材に代えられた建造物における安全幅を増加させるために、あるいは断面が縮小された補剛材ともっと薄い胴体金属板、および/またはもっと広い補剛材の間隔を用いることで、建造物の重量を下げるために使用されることができる。
外被の破断は、亀裂点での応力強度因子に制御される。補剛材間隔が200mmであり補剛率(補剛材断面積/全断面積)が0.25の上面胴体の場合、本発明による補剛材で組み立てたパネル内の中央の補剛材が破損した二つの補剛材のある長さの亀裂についての応力強度因子は、広く用いられている2024 T3合金で作られた補剛材によるパネルと比較して5%減じることになる。もっと長い亀裂については、2024製の補剛材は弾性限界に達してさえいない新規の補剛材と比較してプラスチックの領域においてますます大きな応力を受けることになる。応力強度因子の差は15%まで上昇する可能性がある。
剪断および/または圧縮安定性を求めるために、圧縮および/または剪断で働く胴体パネルのための数値モデルを算定した。航空当局は構造が過剰な変形なしに3秒間極限負荷に耐えられる様に設計されることを要求している。しかしながら、可塑性変形は許容されている。これは、安定性の臨界箇所における胴体パネルのための後座屈の設計に帰着させる。完全円柱(オイラーの定理)または極めて薄い現実の構造物の座屈は、本質的に(ヤング率にコントロールされた)弾性現象であるが、後座屈の設計は、可塑性変形を示し弾性限界の増加の利益を享受することができる。この座屈試験は図11に示した。
胴体の外被(20)は、リベットなどの固定点(22)を用いて補剛材(14、16)に固定されている。座屈試験によってパネルが変形し、補剛材(14、16)と外被(22)の間の隙間(24)となって現れる。
本出願人が留意したように、圧縮および/または剪断で働く胴体パネルの剪断および圧縮安定性は、本発明による補剛材の耐性の高さの利益を享受することができる。本発明による補剛材の、航空機の胴体パネルの構造要素としての使用は、胴体パネルの剪断および圧縮安定性を向上させるものであり、それはこれらの補剛材がより高い座屈安定性を示すためである。この効果は、補剛材が本発明による補剛材に代えられた建造物における安全幅を増加させるために、あるいは断面が縮小された補剛材ともっと薄い胴体金属板、および/またはもっと広い補剛材の間隔を用いることで、建造物の重量を下げるために使用されることができる。リベットの間隔の増大を得ることも可能であり、これにより構造組立コストが削減される。
座屈安定性の利得の算定は、[Michael C.Y.Niu,Airframe Stress Analysis and Sizing,2nd edition,chapter 10]に記載されている一般的な方法を適用することによって得ることができる。本出願人は、この方法を用いることによって、先行技術によって航空機に広く用いられている7150 T77511製の補剛材(圧縮弾性限界の典型的値が538MPaであり、圧縮ヤング率が73GPa)と比較して、本発明による補剛材(圧縮弾性限界が700MPaで圧縮ヤング率が73GPa)の安定性の増加が、《Z》形の補剛材の典型的な使用について15%以上であることを留意した。
表17は、計算に用いられた補剛材の異なる幾何のパラメータを示している。図12は、Z1からZ8(左から右)のこれらの異なる幾何についての前述の座屈応力を比較したものである。
Figure 2005530032
形材T1の断面図 形材T2の断面図 形材T3の断面図 形材T4の断面図 形材T5の断面図 ディンプリングによって成形した胴体補剛材の区域の概略図 三箇所折り曲げ試験のために標本を採取した形材T1上の場所の概略図 折り曲げ角度の定義の概略図 三箇所折り曲げ試験に重要な幾何パラメータの概略図 中央の補剛材が破損している二つの補剛材のある長さの亀裂の概略図 座屈試験の概略図 本発明および先行技術によるZ形の補剛材の、さまざまなタイプについての座屈応力を比較した結果を示すグラフ
符号の説明
14 補剛材
16 補剛材

Claims (28)

  1. Al−Zn−Mg−Cu合金製の圧延、引抜きまたは鍛造製品において、(質量パーセントで):
    a)Zn 8.3−14.0、Cu 0.3−2.0、Mg 0.5−4.5、Zr 0.03−0.15、Fe+Si<0.25
    b)Sc、Hf、La、Ti、Ce、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y、Ybから成る群から選択された少なくとも一つの元素であって、選択された場合、前記元素のそれぞれの含有率は0.02と0.7%の間に含まれる、
    c)残りのアルミニウムと不可避の不純物、
    を含有し、
    d)Mg/Cu>2.4と
    e)(7.9−0.4Zn)>(Cu+Mg)>(6.4−0.4Zn)
    の条件を満足することを特徴とする製品。
  2. Mg/Cu>2.8、また好適には>3.5であり、またさらに好適には>4.0であることを特徴とする、請求項1に記載の製品。
  3. 元素Sc、Hf、La、Ti、Ce、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y、Ybの質量濃度が合計で1.5%を超えないことを特徴とする、請求項1または2に記載の製品。
  4. Sc、Hf、La、Ti、Ce、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y、Ybから成る群からチタンだけが選択されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一つに記載の製品。
  5. Al−Zn−Mg−Cu合金製の圧延、引抜きまたは鍛造製品において、(質量パーセントで):
    a)Zn 9.5−14.0、Cu 0.3−2.0、Mg 0.5−4.5、Fe+Si<0.25
    b)Zr、Sc、Hf、La、Ti、Ce、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y、Yb、Cr、Mnから成る群から選択された少なくとも一つの元素であって、選択された場合、前記元素のそれぞれの含有率は0.02と0.7%の間に含まれる、
    c)残りのアルミニウムと不可避の不純物、
    を含有し、
    d)Mg/Cu>2.4と
    e)(7.9−0.4Zn)>(Cu+Mg)>(6.4−0.4Zn)
    の条件を満足することを特徴とする製品。
  6. 元素Zr、Sc、Hf、La、Ti、Ce、Nd、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Y、Ybの質量濃度が合計で1.5%を超えないことを特徴とする、請求項5に記載の製品。
  7. Zn>9.0%であることを特徴とする、請求項1から4のいずれか一つに記載の製品。
  8. Zn>9.5%であることを特徴とする、請求項7に記載の製品。
  9. 亜鉛含有率が9.0%と11%の間に含まれることを特徴とする、請求項7に記載の製品。
  10. Cu>0.6%であることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一つに記載の製品。
  11. Cu0.6−1.2%、またMg2.5−3.4%であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一つに記載の製品。
  12. Cu0.8−1.5%、またMg2.2−3.0%であることを特徴とする、請求項1から10のいずれか一つに記載の製品。
  13. Mg0.5%−3.6%であることを特徴とする、請求項1から12のいずれか一つに記載の製品。
  14. Mg>1.95+0.5(Cu−2.3)+0.16(Zn−6)+1.9(Si−0.04)
    であることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一つに記載の製品。
  15. 下記の最大濃度が、
    Cr 0.40、Mn 0.60、Sc 0.50、Zr 0.15、Hf 0.60、Ti 0.15、Ce、Nd、LaおよびEuはそれぞれ0.35、また好適にはそれぞれ0.30、
    Gd 0.35、Tb 0.35、Ho 0.40、Dy 0.40、Er 0.40、Yb 0.40、Y 0.20
    を超えないことを特徴とする、請求項1から14のいずれか一つに記載の製品。
  16. Ag、Sn、Cd、Ge、Inから成る群から選択された少なくとも一つの元素をさらに含有し、選択された場合、これらの元素のそれぞれの含有率は0.02%と0.15%の間に、また好適には0.05%と0.10%の間に含まれることを特徴とする、請求項1から15のいずれか一つに記載の製品。
  17. 平坦区域内で採取した試験片で測定されたT6511組織において、
    a)厚さ1.6mmの標本において、DIN規格50 111(3.1節)に従った3箇所曲げ試験によって130℃で測定され、また、形材の長さ方向に分散されている、異なる場所で採取した標本において実施される個別の測定から計算された平均値として表される、少なくとも34度の折り曲げ角度と、
    b)少なくとも720MPaの弾性限界Rp0.2
    また好適には、少なくとも35度の折り曲げ角度と少なくとも750MPaの弾性限界を示すことを特徴とする、請求項1から16のいずれか一つに記載の引抜き製品。
  18. 平坦区域内で採取した試験片で測定されたT76511組織において、
    a)厚さ1.6mmの標本において、DIN規格50 111(3.1節)に従った3箇所曲げ試験によって130℃で測定され、また、形材の長さ方向に分散されている、異なる場所で採取した標本において実施される個別の測定から計算された平均値として表される、少なくとも37度、また好適には少なくとも40度の折り曲げ角度と、
    b)少なくとも670MPaの弾性限界Rp0.2
    を示すことを特徴とする、請求項1から16のいずれか一つに記載の引抜き製品。
  19. 未加工の標本においてEXCO試験(ASTM規格G34)、T6511組織によって求められた耐食性が、少なくともEBレベルであることを特徴とする、請求項18に記載の引抜き製品。
  20. 請求項1から19のいずれか一つに記載の製品において実現された、航空機の構造要素。
  21. 前記要素が、胴体補剛材であることを特徴とする、請求項20に記載の構造要素。
  22. 前記要素が、座席レールであることを特徴とする、請求項20に記載の構造要素。
  23. 座席の固定区域におけるT76511組織において、耐破断性が少なくとも670MPa、また好適には少なくとも680MPaであることを特徴とする、請求項22に記載の座席レール。
  24. 座席の固定区域におけるT76511組織において、弾性限界が少なくとも640MPa、また好適には少なくとも660MPaであることを特徴とする、請求項22または23に記載の座席レール。
  25. 前記要素が床形材であることを特徴とする、請求項20に記載の構造要素。
  26. 前記補剛材の少なくとも一部が、請求項20に記載の構造要素であることを特徴とする、複数の補剛材と複数の金属板から組み立てられた胴体を有する航空機。
  27. 前記補剛材の間隔が200mmで補剛率(補剛材断面/全断面)が0.25のとき、
    中央の補剛材が破損している二つの補剛材のある長さの亀裂の応力強度因子が、2024 T3合金製の補剛材と比較して、少なくとも5%減じることを特徴とする、請求項21に記載の複数の補剛材と複数の金属板から組み立てられた胴体構造。
  28. 前記補剛材の座屈安定性が、7150 T77511合金製の同じ幾何のZ形補剛材を
    組み込んだ同一構造と比較して、少なくとも15%改善されたことを特徴とする、請求項21に記載の複数の補剛材と複数の金属板から組み立てられた胴体構造。

JP2003582321A 2002-04-05 2003-04-04 機械的特性が極めて高いAl−Zn−Mg−Cu合金製熱間加工製品、および航空機の構造要素 Pending JP2005530032A (ja)

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
FR0204250A FR2838135B1 (fr) 2002-04-05 2002-04-05 PRODUITS CORROYES EN ALLIAGES A1-Zn-Mg-Cu A TRES HAUTES CARACTERISTIQUES MECANIQUES, ET ELEMENTS DE STRUCTURE D'AERONEF
PCT/FR2003/001063 WO2003085146A1 (fr) 2002-04-05 2003-04-04 Produits corroyes en alliages al-zn-mg-cu a tres hautes caracteristiques mecaniques, et elements de structure d'aeronef

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005530032A true JP2005530032A (ja) 2005-10-06

Family

ID=28052134

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003582321A Pending JP2005530032A (ja) 2002-04-05 2003-04-04 機械的特性が極めて高いAl−Zn−Mg−Cu合金製熱間加工製品、および航空機の構造要素

Country Status (9)

Country Link
US (2) US20050072497A1 (ja)
EP (1) EP1492896B1 (ja)
JP (1) JP2005530032A (ja)
AT (1) ATE415498T1 (ja)
AU (1) AU2003260003A1 (ja)
DE (2) DE60324903D1 (ja)
ES (1) ES2316779T3 (ja)
FR (1) FR2838135B1 (ja)
WO (1) WO2003085146A1 (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012171453A (ja) * 2011-02-21 2012-09-10 Mitsubishi Aircraft Corp 翼パネル、航空機の主翼
WO2015132932A1 (ja) * 2014-03-06 2015-09-11 株式会社Uacj 構造用アルミニウム合金及びその製造方法
WO2016132994A1 (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 日本軽金属株式会社 アルミニウム合金加工材及びその製造方法
JP2016153517A (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 日本軽金属株式会社 アルミニウム合金加工材及びその製造方法
US9493863B2 (en) 2013-05-07 2016-11-15 Hyundai Motor Company Wear-resistant alloy having complex microstructure
US9493862B2 (en) 2013-05-07 2016-11-15 Hyundai Motor Company Wear-resistant alloy having complex microstructure
CN106367644A (zh) * 2016-09-23 2017-02-01 北京工业大学 一种超高强、高硬度TiB2颗粒增强Al‑Zn‑Mg‑Cu复合材料及其制备方法
US9732403B2 (en) 2013-05-07 2017-08-15 Hyundai Motor Company Wear-resistant alloy having complex microstructure
JP2022532347A (ja) * 2019-06-03 2022-07-14 ノベリス・インコーポレイテッド 超高強度アルミニウム合金製品及びその作製方法

Families Citing this family (54)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100491579C (zh) * 2003-03-17 2009-05-27 克里斯铝轧制品有限公司 制造整体单块铝结构的方法和由这种结构机加工的铝制件
US20050034794A1 (en) * 2003-04-10 2005-02-17 Rinze Benedictus High strength Al-Zn alloy and method for producing such an alloy product
GB2415202B (en) * 2003-04-10 2007-08-29 Corus Aluminium Walzprod Gmbh An Al-Zn-Mg-Cu alloy
US20060032560A1 (en) * 2003-10-29 2006-02-16 Corus Aluminium Walzprodukte Gmbh Method for producing a high damage tolerant aluminium alloy
US7883591B2 (en) * 2004-10-05 2011-02-08 Aleris Aluminum Koblenz Gmbh High-strength, high toughness Al-Zn alloy product and method for producing such product
ES2292075T5 (es) * 2005-01-19 2010-12-17 Otto Fuchs Kg Aleacion de aluminio no sensible al enfriamiento brusco, asi como procedimiento para fabricar un producto semiacabado a partir de esta aleacion.
AU2006210790B2 (en) * 2005-02-01 2011-03-31 Timothy Langan Aluminum-zinc-magnesium-scandium alloys and methods of fabricating same
US8157932B2 (en) * 2005-05-25 2012-04-17 Alcoa Inc. Al-Zn-Mg-Cu-Sc high strength alloy for aerospace and automotive castings
US20060289093A1 (en) * 2005-05-25 2006-12-28 Howmet Corporation Al-Zn-Mg-Ag high-strength alloy for aerospace and automotive castings
US20070204937A1 (en) * 2005-07-21 2007-09-06 Aleris Koblenz Aluminum Gmbh Wrought aluminium aa7000-series alloy product and method of producing said product
US20070151636A1 (en) * 2005-07-21 2007-07-05 Corus Aluminium Walzprodukte Gmbh Wrought aluminium AA7000-series alloy product and method of producing said product
US8083871B2 (en) 2005-10-28 2011-12-27 Automotive Casting Technology, Inc. High crashworthiness Al-Si-Mg alloy and methods for producing automotive casting
MX2008016076A (es) * 2006-06-30 2009-01-15 Alcan Rolled Products Ravenswood Llc Aleacion de aluminio al-zn-mg termo-tratable de alta resistencia.
FR2907796B1 (fr) * 2006-07-07 2011-06-10 Aleris Aluminum Koblenz Gmbh Produits en alliage d'aluminium de la serie aa7000 et leur procede de fabrication
EP2038446B1 (en) * 2006-07-07 2017-07-05 Aleris Rolled Products Germany GmbH Method of manufacturing AA7000-series aluminium alloys
FR2910874B1 (fr) * 2007-01-02 2009-02-13 Airbus France Sas Lisses assemblees au niveau d'une jonction circonferentielle d'un fuselage d'avion.
CN101835915B (zh) 2007-03-30 2012-05-23 总理事,国防研发机构 合金组合物及其制备
US8673209B2 (en) * 2007-05-14 2014-03-18 Alcoa Inc. Aluminum alloy products having improved property combinations and method for artificially aging same
US8840737B2 (en) * 2007-05-14 2014-09-23 Alcoa Inc. Aluminum alloy products having improved property combinations and method for artificially aging same
US20090263273A1 (en) 2008-04-18 2009-10-22 United Technologies Corporation High strength L12 aluminum alloys
US8017072B2 (en) 2008-04-18 2011-09-13 United Technologies Corporation Dispersion strengthened L12 aluminum alloys
US7875131B2 (en) 2008-04-18 2011-01-25 United Technologies Corporation L12 strengthened amorphous aluminum alloys
US7871477B2 (en) 2008-04-18 2011-01-18 United Technologies Corporation High strength L12 aluminum alloys
US7875133B2 (en) 2008-04-18 2011-01-25 United Technologies Corporation Heat treatable L12 aluminum alloys
US8002912B2 (en) 2008-04-18 2011-08-23 United Technologies Corporation High strength L12 aluminum alloys
US8409373B2 (en) 2008-04-18 2013-04-02 United Technologies Corporation L12 aluminum alloys with bimodal and trimodal distribution
US7811395B2 (en) 2008-04-18 2010-10-12 United Technologies Corporation High strength L12 aluminum alloys
US7879162B2 (en) * 2008-04-18 2011-02-01 United Technologies Corporation High strength aluminum alloys with L12 precipitates
US8778098B2 (en) 2008-12-09 2014-07-15 United Technologies Corporation Method for producing high strength aluminum alloy powder containing L12 intermetallic dispersoids
US8778099B2 (en) 2008-12-09 2014-07-15 United Technologies Corporation Conversion process for heat treatable L12 aluminum alloys
US8206517B1 (en) 2009-01-20 2012-06-26 Alcoa Inc. Aluminum alloys having improved ballistics and armor protection performance
US9611522B2 (en) 2009-05-06 2017-04-04 United Technologies Corporation Spray deposition of L12 aluminum alloys
US9127334B2 (en) 2009-05-07 2015-09-08 United Technologies Corporation Direct forging and rolling of L12 aluminum alloys for armor applications
US8728389B2 (en) 2009-09-01 2014-05-20 United Technologies Corporation Fabrication of L12 aluminum alloy tanks and other vessels by roll forming, spin forming, and friction stir welding
US8409496B2 (en) 2009-09-14 2013-04-02 United Technologies Corporation Superplastic forming high strength L12 aluminum alloys
US9194027B2 (en) 2009-10-14 2015-11-24 United Technologies Corporation Method of forming high strength aluminum alloy parts containing L12 intermetallic dispersoids by ring rolling
US8409497B2 (en) 2009-10-16 2013-04-02 United Technologies Corporation Hot and cold rolling high strength L12 aluminum alloys
CN102108463B (zh) * 2010-01-29 2012-09-05 北京有色金属研究总院 一种适合于结构件制造的铝合金制品及制备方法
US9163304B2 (en) 2010-04-20 2015-10-20 Alcoa Inc. High strength forged aluminum alloy products
US9551050B2 (en) * 2012-02-29 2017-01-24 The Boeing Company Aluminum alloy with additions of scandium, zirconium and erbium
CN105377469B (zh) * 2013-07-12 2018-08-10 麦格纳国际公司 用于形成具有特制的机械性能的铝合金部件的方法
DE102013012259B3 (de) * 2013-07-24 2014-10-09 Airbus Defence and Space GmbH Aluminium-Werkstoff mit verbesserter Ausscheidungshärtung, Verfahren zu dessen Herstellung und Verwendung des Aluminium-Werkstoffes
CN103572106B (zh) * 2013-11-22 2016-08-17 湖南稀土金属材料研究院 铝合金材料
CN104109784B (zh) * 2014-04-30 2016-09-14 广西南南铝加工有限公司 一种超高强度Al-Zn-Mg-Cu系铝合金大规格扁铸锭及其制造方法
CN106399776B (zh) * 2016-11-11 2018-05-01 佛山科学技术学院 一种800MPa级超高强铝合金及其制备方法
BR112021004434B1 (pt) * 2018-11-12 2024-01-02 Novelis Koblenz Gmbh Produto de liga de alumínio da série 7xxx
CN109977457B (zh) * 2019-02-02 2020-11-24 浙江大学 一种考虑温卷影响的加钒钢制筒节极限载荷预测方法
US11958140B2 (en) 2019-05-10 2024-04-16 General Cable Technologies Corporation Aluminum welding alloys with improved performance
CN110331319B (zh) * 2019-05-27 2020-06-30 中国航发北京航空材料研究院 一种含钪和铒的高强、高塑性耐蚀铝合金及其制备方法
CN112226636A (zh) * 2020-09-08 2021-01-15 烟台南山学院 一种高强耐蚀Al-Zn-Mg-Cu-Zr-Ce合金板材的制备方法
CN112981196B (zh) * 2021-02-10 2022-04-22 北京科技大学 一种超高强度、高韧性Al-Zn-Mg-Cu铝合金及其制备方法
CN115216674B (zh) * 2022-07-11 2023-02-24 上海交通大学 一种汽车用7000系铝合金薄板及其制备方法
CN115287511A (zh) * 2022-09-06 2022-11-04 安徽辉隆集团辉铝新材料科技有限公司 一种7020超硬铝合金型材及制备方法
CN115537615A (zh) * 2022-10-26 2022-12-30 山东南山铝业股份有限公司 一种用于汽车门窗饰条高光亮铝合金及制备方法

Family Cites Families (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4863528A (en) * 1973-10-26 1989-09-05 Aluminum Company Of America Aluminum alloy product having improved combinations of strength and corrosion resistance properties and method for producing the same
US4063936A (en) * 1974-01-14 1977-12-20 Alloy Trading Co., Ltd. Aluminum alloy having high mechanical strength and elongation and resistant to stress corrosion crack
FR2457908A1 (fr) 1979-06-01 1980-12-26 Gerzat Metallurg Procede de fabrication de corps creux en alliage d'aluminium et produits ainsi obtenus
FR2517702B1 (ja) * 1981-12-03 1985-11-15 Gerzat Metallurg
JPH0635624B2 (ja) * 1985-05-10 1994-05-11 昭和アルミニウム株式会社 高強度アルミニウム合金押出材の製造法
FR2601967B1 (fr) 1986-07-24 1992-04-03 Cerzat Ste Metallurg Alliage a base d'al pour corps creux sous pression.
US5221377A (en) * 1987-09-21 1993-06-22 Aluminum Company Of America Aluminum alloy product having improved combinations of properties
FR2640644B1 (fr) * 1988-12-19 1991-02-01 Pechiney Recherche Procede d'obtention par " pulverisation-depot " d'alliages d'al de la serie 7000 et de materiaux composites a renforts discontinus ayant pour matrice ces alliages a haute resistance mecanique et bonne ductilite
FR2716896B1 (fr) * 1994-03-02 1996-04-26 Pechiney Recherche Alliage 7000 à haute résistance mécanique et procédé d'obtention.
US6562154B1 (en) * 2000-06-12 2003-05-13 Aloca Inc. Aluminum sheet products having improved fatigue crack growth resistance and methods of making same
FR2838136B1 (fr) * 2002-04-05 2005-01-28 Pechiney Rhenalu PRODUITS EN ALLIAGE A1-Zn-Mg-Cu A COMPROMIS CARACTERISTIQUES STATISTIQUES/TOLERANCE AUX DOMMAGES AMELIORE
US7060139B2 (en) * 2002-11-08 2006-06-13 Ues, Inc. High strength aluminum alloy composition

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9333550B2 (en) 2011-02-21 2016-05-10 Mitsubishi Aircraft Corporation Wing panel and aircraft main wing
JP2012171453A (ja) * 2011-02-21 2012-09-10 Mitsubishi Aircraft Corp 翼パネル、航空機の主翼
US9732403B2 (en) 2013-05-07 2017-08-15 Hyundai Motor Company Wear-resistant alloy having complex microstructure
US9493863B2 (en) 2013-05-07 2016-11-15 Hyundai Motor Company Wear-resistant alloy having complex microstructure
US9493862B2 (en) 2013-05-07 2016-11-15 Hyundai Motor Company Wear-resistant alloy having complex microstructure
WO2015132932A1 (ja) * 2014-03-06 2015-09-11 株式会社Uacj 構造用アルミニウム合金及びその製造方法
JPWO2015133011A1 (ja) * 2014-03-06 2017-04-06 株式会社Uacj 構造用アルミニウム合金板及びその製造方法
WO2015133011A1 (ja) * 2014-03-06 2015-09-11 株式会社Uacj 構造用アルミニウム合金板及びその製造方法
US10221472B2 (en) 2014-03-06 2019-03-05 Uacj Corporation Structural aluminum alloy plate and method of producing the same
JP2016153517A (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 日本軽金属株式会社 アルミニウム合金加工材及びその製造方法
WO2016132995A1 (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 日本軽金属株式会社 アルミニウム合金加工材及びその製造方法
JP2016153516A (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 日本軽金属株式会社 アルミニウム合金加工材及びその製造方法
WO2016132994A1 (ja) * 2015-02-20 2016-08-25 日本軽金属株式会社 アルミニウム合金加工材及びその製造方法
CN106367644A (zh) * 2016-09-23 2017-02-01 北京工业大学 一种超高强、高硬度TiB2颗粒增强Al‑Zn‑Mg‑Cu复合材料及其制备方法
JP2022532347A (ja) * 2019-06-03 2022-07-14 ノベリス・インコーポレイテッド 超高強度アルミニウム合金製品及びその作製方法
US11746400B2 (en) 2019-06-03 2023-09-05 Novelis Inc. Ultra-high strength aluminum alloy products and methods of making the same

Also Published As

Publication number Publication date
DE03740569T1 (de) 2005-06-23
FR2838135B1 (fr) 2005-01-28
US20060182650A1 (en) 2006-08-17
DE60324903D1 (de) 2009-01-08
ES2316779T3 (es) 2009-04-16
ATE415498T1 (de) 2008-12-15
AU2003260003A1 (en) 2003-10-20
WO2003085146A1 (fr) 2003-10-16
EP1492896A1 (fr) 2005-01-05
FR2838135A1 (fr) 2003-10-10
US20050072497A1 (en) 2005-04-07
EP1492896B1 (fr) 2008-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005530032A (ja) 機械的特性が極めて高いAl−Zn−Mg−Cu合金製熱間加工製品、および航空機の構造要素
JP4535731B2 (ja) 静的機械的特性/耐損傷性の調和が向上したal−zn−mg−cu合金製品
RU2353693C2 (ru) СПЛАВ Al-Zn-Mg-Cu
EP1861516B2 (en) Al-zn-cu-mg aluminum base alloys and methods of manufacture and use
US20190136356A1 (en) Aluminium-copper-lithium products
US7704333B2 (en) Al-Cu-Mg-Ag-Mn alloy for structural applications requiring high strength and high ductility
US20120291925A1 (en) Aluminum magnesium lithium alloy with improved fracture toughness
EP1158068B1 (en) Thick products made of heat-treatable aluminum alloy with improved toughness and process for manufacturing these products
US11472532B2 (en) Extrados structural element made from an aluminium copper lithium alloy
US20030207141A1 (en) Aircraft structure element made of an Al-Cu-Mg- alloy
US20080210350A1 (en) Aircraft structural member made of an al-cu-mg alloy
US20040101434A1 (en) High-strength alloy based on aluminium and a product made of said alloy
US20210310108A1 (en) Aluminum-copper-lithium alloy having improved compressive strength and improved toughness
CN110546288A (zh) 低密度铝-铜-锂合金产品
CN112105752B (zh) 具有改进的抗压强度和改进的韧性的铝-铜-锂合金的制造方法
CA3199970A1 (en) Method of manufacturing 2xxx-series aluminum alloy products
CN110536972B (zh) 铝-铜-锂合金产品
RU2826059C1 (ru) Способ изготовления изделий из алюминиевого сплава серии 2xxx

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20050609