JP2005529311A - コンピュータシステムを使用して生物学的サンプルを解析するための方法および/またはシステム - Google Patents

コンピュータシステムを使用して生物学的サンプルを解析するための方法および/またはシステム Download PDF

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Abstract

生物源からのサンプルに関する判断を行なうための方法および/またはシステム。コンピュータで実施される方法および/またはシステムを使用して、解析の一部を自動化することができる。

Description

関連出願に対する相互参照
この出願は、2002年1月15日に提出され、参照としてここに組み込まれる米国仮特許出願60/349,318による優先権を主張する。
著作権表示
C.F.R.1.71(e)に従い、出願人は、これらに限定されないが、ソースコードリスト、スクリーンショット、ユーザインタフェースまたはユーザインストラクション等といった、著作権の対象であり且つ著作権を主張している素材、あるいは、著作権保護を任意の管轄区域で利用でき或いは利用できる場合があるこれらの任意の他の態様を、この開示内容の一部が含んでいる点について言及する。著作権の所有者は、特許文献または特許の開示内容の何人による複製に異議を唱えない。これは、それが特許商標局のファイルまたは記録に現われているからである。全ての他の権利は留保され、出願またはその任意の一部の全ての他の複製、配布、内容に基づく派生物の作成、公然の表示、公然の実行は、適用可能な著作権法によって禁止される。
本発明は、組織および/または細胞サンプルを解析する分野に関する。特に、本発明は、生物源からのサンプルに関して特定の判断を行なうための、コンピュータで実施され或いはコンピュータによって支援される方法に関する。
遺伝子コピー数および遺伝子発現
正常な人間の細胞は、22個の常染色体対と2個の性染色体とを含む46個の染色体を有している。一般に、正常な細胞は、全ての遺伝子について2つのコピーを有している(男性の伴性遺伝子を除く)。例えばダウン症候群等の構造上の遺伝病および癌等の後天的な遺伝病の両方においては、この正常なパターンに影響が出る可能性がある。幾つかの遺伝子の遺伝子コピー数は、3つ以上(遺伝子コピー数の「増加」または増幅)、あるいは、2つよりも少ない場合がある。また、染色体数にも影響が出る可能性があり、特に、癌細胞は、全ての染色体または染色体の腕の増加または損失のパターンを示す。また、染色体のコピー数は、その「倍数性」とも呼ばれる。
癌においては、幾つかの遺伝子のコピー数がその対応する染色体のコピー数よりも多くなる(しばしば、非常に多くなる)といったことが頻繁に起こる。このような現象は、時として、遺伝子増幅または増幅と称される。遺伝子増幅の様々なパターンは、特定の癌および幾つかの他の状態の特徴であり、診断、予後診断、および/または治療方法に情報を与えることができる。
遺伝子は、メッセンジャーRNA、したがって遺伝子によってコーディングされる蛋白質の生成に言及する遺伝子「表現発現」により、細胞の生物学に影響を与える。遺伝子コピー数は、細胞が形成される時に定められる静的な特性であり、遺伝子発現は、細胞のゲノムおよび温度や治療薬等の外部環境的な作用の両方によって影響され得る細胞の動的な特性である。
遺伝子的な病気においては、遺伝子発現および/または蛋白質発現も頻繁に影響を受ける。遺伝子が増大し或いは増幅する場合には、多くの場合(常にではないが)、それに応じて、その遺伝子の発現が増大する。このことを過剰発現と称する。したがって、増幅および過剰発現は、多くの場合、常にではないが、相関関係がある。
したがって、細胞および/または組織における遺伝子コピー数を測定および/または決定および/または推定することが非常に望ましい。現在、遺伝子コピー数は、定量PCR、インサイツ測定、特定の遺伝子列の数を数え或いは推定するための他の技術を含む様々な技術を使用して測定することができる。
インサイツハイブリッド形成およびFISH
蛍光インサイツハイブリッド形成(FISH)の技術は、様々な臨床場面および研究場面において使用される。一般に、この技術は、特定のDNA(またはRNA)列の染色体の位置を見つけるために使用される。相補的なプローブは、蛍光色素によってラベル付けされ、その後、対象の種から染色体または細胞試料に対して加えられる。アニーリングが生じる十分な時間が経過した後、蛍光顕微鏡を使用して染色体が観察される。プローブは、対象の配列を有する染色体に対してハイブリッドを形成する。配列が細胞遺伝的に特徴付けられる場合には、マーカーを適当な染色体に対して割り当てることができる。
FISH解析は、人間の病気を研究するのに有用である。例えば、病気を患っている患者が特定の染色体座に欠失を有していることがFISH解析によって判断される場合、病気の原因である遺伝子は、あるべきところにないセグメント上に存在している可能性が高い。腫瘍組織のFISH解析は、幾つかの場合、幾つかの癌の特徴または対象の他の状態である染色体の付加、欠失、および/または置換を明らかにする。
最近、FISH解析を使用する研究および/または診断テストを促進させおよび/または自動化するため、多くの様々な方法および技術が提案されてきた。多くの文献は、FISHを使用する技術および方法の範囲について説明している。これらの文献の中には、USP4,833,332号、5,780,857号、5,830,645号、5,936,731号、6,146,593号、6,210,878号、6,225,636号、6,242,184号といった発行された米国特許がある。
この出願によって提出された任意の文書を含む、任意の研究、公表、販売、または、任意の場所での活動の説明は、そのような研究が従来技術を構成するという発明者の自白としてとられるべきではない。任意の活動、研究、あるいは、公表の説明は、そのような活動、研究、公表が任意の特定の管轄区域で知られたという自白ではない。
本発明は、組織および/または細胞サンプル等の生物学的サンプルを解析するための技術、方法、および/または、システムに関する。特定の実施形態において、本発明は、複数の細胞を含むサンプルを解析することが望ましい研究用途および/または臨床用途に関するものである。また、本発明は、サンプルの画像を解析することにより、重なり合う複数の細胞を含む固形組織の組織サンプルを解析することが望ましい用途に関するものである。この画像は、2次元画像および/またはサンプルの投影、あるいは、他の実施形態においては3次元画像であっても良い。本発明の実施形態によれば、画像は、情報処理システムによってデジタルで取得されおよび/または情報処理システムに対して送信される。特定の実施形態は、うまく分離された細胞を画像内で区別することが難しい場合であっても、特に情報処理システムによって、複数の細胞を含む組織サンプル画像の解析を行なうことができる技術、方法、および/または、システムに関するものである。
特定の実施形態において、本発明は、遺伝子コピー数の推定および/または組織サンプル中での遺伝子増幅の検知のための方法および/またはシステムに関する。特定の実施形態においては、遺伝子コピー数の推定を使用して、様々な病気または他の状態の診断を行ない或いは支援することができる。
特定の実施形態において、例えば一般にプローブに対して相補的なシーケンス(列)が検知される領域で目に見える着色された「スポット」を生成するインサイツハイブリッド形成(ISH(in−situ hybridization))技術(FISH)等の1または複数の画像化技術を使用して、遺伝子コピー数が測定されおよび/または推定される。他の画像化技術は、サンプルを画像化するために、様々な非蛍光光学系(例えば、明るい領域で見られるヘマトキシリン−エオシン(H&E))またはX線或いは電子写真信号を使用する。したがって、本発明は、生物学的対象の画像を取得および/または解析するために使用される様々なコンピュータシステムおよび/または方法において特に興味深い。
適用例:HER−2/neu増幅の検知
本発明は、広義には、サンプルの生物学的な特徴の測定および/または評価に関する方法を含んでいるが、本発明は、一例として、HER−2/neu遺伝子過剰発現を対象にする処置に対して特定の胸部の癌が応答する可能性が高いか否かを判断する問題を考慮することによって、更に理解することができる。現在、胸部の癌がHER−2/neuを対象とする処置、例えばHerceptin(商標)に対して応答するかどうかを判断する1つの方法は、侵襲的な癌細胞として特定される細胞中のHER−2/neuコピー数を測定および/または推定することであると考えられている。
この分野では、一般に、胸部の癌病変を、2つの主なタイプ、すなわち、非浸潤性乳管癌(DCIS)と侵襲的な癌とに分けられると考えられている。専らDCISである腫瘍は、一般に、外科手術により高い成功率で治療され、また、これらの細胞のHer2状態は、一般に、興味深くはない。腫瘍がDCIS領域および侵襲的な領域の両方を含んでいる場合、DCISのHer2増幅状態は、侵襲的な病変の状態に常に対応しているとは限らない。したがって、情報が与えられるように、侵襲的な癌細胞においては、Her2増幅が一般に最も興味深い。
細胞中または細胞のサンプル中でHER−2/neu遺伝子コピー数を測定するための1つの方法は、多くの検知されたHER−2/neu遺伝子と、多くの検知されたHER−2/neu染色体17のコピーとを比較することである。通常の増幅されていない各癌細胞においては、2つのHER−2/neu遺伝子および2つの染色体17のコピーが検知されなければならない。CEP17は、染色体17動原体をラベル付けするFISHプローブであり、染色体17の数を数えるために使用される。LSI−Her2(または、略して、Her2)は、イリノイ州ダウナーズグローブ(Downers Grove,IL)にあるバイシス社(Vysis,Inc.)から市販され且つHER−2/neu遺伝子をラベル付けするFISHプローブである。したがって、細胞中またはサンプル中で検知されるCEP17計数に対するHer2計数の比率は、HER−2/neu遺伝子が増幅されているか否かを表わすことができる。更に一般的には、この比率は、指定された細胞、領域、タイルまたはサンプルにわたる対照値または対照計数(c)に対する試験値または試験計数(t)として理解することができる。以下では、時として、対象であるとして特定された腫瘍細胞等の細胞または他のサンプル領域内の比率(t/c)を示すために、この比率を腫瘍比率(R)と称する。
一般に、組織サンプルの画像を解析する際に、そのような比率を測定するには、多くの異なる作業が必要になり、また、それぞれの作業が厄介な問題を与える可能性がある。例えば、これらの作業としては、(1)侵襲的な癌細胞を示す異常性を含む画像領域を判断するといった作業であって、多くの場合、平行な組織部分のH&E染色を使用して組織構造を検査することによって行なわれる作業、(2)個々の細胞を区別する作業、(3)区別した組織のうちのいずれが侵襲的な癌であるかをサイズおよび/または形態から判断する作業、(4)侵襲的な各癌細胞において、および/または、これらの癌細胞の全てにおいて、Her2/CEP17等の対象のt/c比率を測定する作業を挙げることができる。
HER−2/neu増幅を決定するというこの特定の問題が本発明の一例として使用されているが、本発明は、細胞解析および/または組織解析を要する他の状況にも適用できる。癌における幾つかの研究および臨床調査は、組織生検から得た薄い切断部分中に存在する腫瘍細胞内でFISHスポットの数を数えることを含んでおり、将来においては、3次元画像化においても同様に広く使用できる。他の研究では、腫瘍材料内の細胞の免疫化学的な染色の強度が利用される。例えば血液学における更に他の解析では、細胞単層中の細胞1つ当りのFISHスポットの数が使用される。これら及び他の類似の状況は、多くの場合、前述したステップと同様のステップを必要とし、本発明の実施形態の用途である。特に、本発明は、様々な異なる病気を特徴付ける或いは診断する際に使用することができる。
FISH等の様々な画像化技術を用いて、対象の細胞を自動的に識別し或いはオペレータが直接に識別して、比率推定および/または計数を、うまく分離された細胞だけにを基づいて行うことを提案する。ここでは、この方法を細胞方法と称する。特定の実施形態において、本発明は、細胞方法を使用してサンプル解析を向上させることができる解析技術を含んでいる。
しかしながら、対象の領域内において孤立した細胞は稀であり、また、重なり合う細胞核の細分化、および、正常な細胞からの腫瘍細胞の識別の両方が困難である可能性が高いことから、本発明は、特定の実施形態において、ここでは一般にタイルに基づく方法と称する他の方法を更に利用する。本発明の幾つかの実施形態に係るタイルに基づく解析は、ある規則正しい配列でのタイルの配置を含むことができる。これは、ここでは、グリッドタイリングと称される。他の実施形態に係るタイルに基づく解析は、標的にする規則のセットまたはアルゴリズムにしたがうタイルの配置を含んでいる。これは、ここでは、標的タイリングと称される。
したがって、特定の実施形態において、本発明は、情報システムを使用して生物学的サンプルを解析して、サンプル画像上にわたってタイルのアウトラインを配置するおよび/またはサンプルから決定されたデータの解析を行なう方法を提供する。幾つかの実施形態において、本発明は、1または複数のアウトライン内の特徴をスコアリング、即ち記録することによって画像を解析するとともに、記録された特徴から出力を作成する。組織サンプルは、成分に分けられた細胞から作成された密度の高い細胞単層、塗抹標本等の様々なサンプルであっても良い。画像は、拡大焦点または可視光或いは他の検知可能な信号の簡単な2次元画像等の様々な技術を使用して、サンプルから得ることができる。本発明の特定の実施形態においては、例えばサンプルにわたって検知可能な信号の所望の信号強度を検索するといった様々な方法にしたがってタイルを配置することができる。
タイルを配置するために特定の実施形態にしたがって使用される検知信号としては、例えば、核DNA染色液のタイル内での全蛍光強度のような信号を挙げることができる。また、この検索は、例えば、最も高い信号値またはカットオフを上回る値を生じるタイルアウトライン領域を探すことができる。2つの信号の比率を使用することもできる。
タイルの解析としては、配置されたタイルのアウトライン内での1または複数の信号値の発生を数え、場合によっては信号の比率を使用するような事を挙げることができる。
本発明の特定の実施形態に係るシステムの出力としては、遺伝子コピー数の推定、遺伝子増幅の検知などといった診断対象の値を挙げることができる。
本発明のシステムおよび/または方法においては、様々なタイルアウトライン形状を使用することができる。この場合、一般的なタイル形状は略円形または略多角形であり、また、タイルは、一般に、サンプル中の最も大きい予期される細胞の最も大きい断面積と略等しい或いは上記断面積よりも僅かに大きい面積を有するように選択される。
特定の実施形態においては、例えば、各サブ領域内で、検知可能な信号から比率のヒストグラムを計算するとともに、正規修正されたヒストグラムからサンプル中の例えば腫瘍細胞における比率値を推定するといった、タイル(または、細胞あるいは他のサンプルサブセット)を解析するための様々な方法を使用することができる。特定の実施形態においては、推定および正規化において、他の統計的な方法および改良点を使用することができる。
また、本発明は、取得した画像データを解析してデータの観察可能な特徴を推定することができるコンピュータシステムおよび/またはプログラムとして具現化することができる。このシステムは、サンプルデータを取得しおよび/または作成しおよび/または表示するため、随意的に他の構成要素と一体化することができる。
本発明の様々な実施形態は、Java(登録商標)、C++、Cobol、C、Pascal、Fortran、PL1、LISP、アセンブリ等の適当なプログラミング言語およびHTML、XML、dHTML、TIFF、JPEG、タブ区切りテキスト、バイナリ等の任意の適当なデータまたはフォーマッティング仕様を使用する汎用または特定の目的の情報処理システム上で実施できる診断解析のための方法および/またはシステムを提供する。明瞭を期するために、実際の実施における全ての構成をこの明細書で説明しない。任意のそのような実際の実施の開発においては(任意のソフトウェア開発プロジェクトにおける場合と同様)、多数の実施固有の決定を行なって、開発者固有の目的と、実施間で異なるシステム関連の制約および/またはビジネス関連の制約との整合性等といった副次的な目的とを達成しなければならないことは言うまでもない。また、そのような開発努力は、面倒で且つ時間がかかる場合もあるが、それにもかかわらず、この開示内容から利益を得る当業者にとってソフトウェアエンジニアリングのありきたりの仕事であることは言うまでもない。
本発明および様々な特定の態様並びに実施形態は、以下の図面および詳細な説明を参照することにより更に良く理解することができる。明確にするため、この説明では、特定の実施例に関する装置、方法、概念に言及する。しかしながら、本発明及びその態様は、様々なタイプの装置およびシステムに適用することができる。
また、技術的に良く知られているように、ここで説明するような論理的なシステムおよび方法は、様々な異なる構成要素および異なる機能をモジュールの形態で含めることができる。本発明の様々な実施形態は、要素および機能の様々な混合体を含めることができるとともに、様々な機能を様々な要素の一部として纏めることができる。明確にするため、多くの異なる画期的な構成要素、および、画期的な構成要素と周知の構成要素との画期的な組み合わせを含むシステムに関して本発明を説明する。この明細書の任意の例示的な実施形態に記載された画期的な構成要素の全てを含む組み合わせに本発明が限定されないことは言うまでもない。
「本発明」とは、ここで使用される場合、本発明の1または複数の特定の実施形態を示すものであることは言うまでもない。当業者であれば、ここで教示された内容から、本発明に基づいて多くの変形を成すことができる。
特許または出願ファイルは、カラーで作成された少なくとも1つの図面を含んでいる。カラー図面を伴うこの特許または特許出願公報のコピーは、要求時に必要な費用を支払うことにより、当局から与えられる。
1.組織サンプルの作成および解析用の画像の取得
特定の実施形態においては、本発明を使用して、組織および/または細胞のサンプルの解析を自動化および/または支援することができる。FISHは、本発明にしたがって使用できる1つのサンプルラベリング技術であるが、ここでの教示から、類似の方法および/またはシステム例えば放射性プローブおよび/または電気活性プローブを使用するもの、あるいは、プローブを使用することなく識別可能なサンプル特性を使用するもの等を利用できることが理解されよう。
更に特定の実施例においては、DAPI(4、6ジアミジノ−2−フェニルインドール)を使用して、核DNAを示す信号を形成することができる。DAPIは、紫外光(UV)に晒された際に、蛍光(一般に青色)を発する。対象の幾つかの解析では、DAPI信号だけを使用することができる。他の解析においては、1または複数の別個のFISHプローブが使用される。この場合、対比染色としてDAPIが使用される。FISHプローブは、スペクトルオレンジやスペクトルグリーン等の色素を用いてラベル付けすることができ、これにより、FISHプローブを、その異なる色によって、DAPIの背景から区別することができる。
図1は、本発明に係る技術またはシステムを適用できる様々なプローブを用いてラベル付けされたサンプルの1つの画像例を示している。この図の白黒の複写において、淡青色の蛍光として見える画像領域は、薄い灰色領域として示されており、緑色の蛍光および赤色の蛍光として見える画像領域は、薄い灰色領域内の更に暗灰色の点として示されている。なお、図1に示される画像は、3次元細胞の2次元投影である。このような画像は、一般に、サンプル作成プロセス中に切断された幾つかの細胞の投影を含んでいるとともに、重なり合う細胞の幾つかの画像を含んでいる。この投影において、青色の蛍光は、DAPIラベルが付けられた核DNAを示している。この場合、核DNAの外形は、おおまかに、細胞核の投影を示している。したがって、円形または楕円形のスポットは、通常、1つの細胞の核の投影であり、更に複雑な形状の大きなスポットは、通常、幾つかの重なり合う細胞の核の投影である。本発明は、これらの領域の強度および/または形状および/またはサイズおよび/または他の特徴を使用して対象の分析または区別を行なう状況に適合することができる。
取得されたサンプルの画像領域、例えば図1に示される画像領域は、視野すなわちFOV(field of view)とも呼ばれる。この用語は、一般に、取得装置(例えばCCDカメラ)によって1つの像として取得されるサンプルの画像またはサンプルの一部を示している。他の状況において、FOVは、同時に観察装置または顕微鏡の接眼レンズを通じて見えるものにも当てはまるが、これは、より明確には、「視界(visual field)」と称される。
対象の他の用語は、特定の実施形態の場合、選択領域である。一般に技術的に理解されているように、選択領域とは、侵襲的な腫瘍材料を含むように決定されたサンプルの領域のことである。通常、この決定は、熟練した技術者または病理学者によって行なわれるが、自動スクリーニングメカニズムを含む他のメカニズムも可能であり、技術的に良く知られている。実際には、1つのFOVが選択領域であっても良い。
特定の実施形態において、本発明は、技術的に一般に知られた拡大焦点画像取得(extended focus image capture)を用いて使用することができる。そのような手続きにおいて、異なる焦点(Z)位置における画像が、取得装置(例えばCCDカメラ)によって取得されて記憶される。様々な特定の実施形態においては、一般に、これらの焦点面の数および距離を設定可能であり、また、焦点面の数および距離は、試料の厚さおよび顕微鏡の対物レンズの焦点深度に適合される。その後、アルゴリズムを使用して、異なる画像同士を組み合わせて1つの画像にする。例えば、画像の全てのスタックが取得されると、局所焦点基準を使用して、各XY位置毎に、個別に、焦点面(Z位置)を選択する。そして、この焦点面から、ピクセルの強度が引き出される。適切な焦点基準としては、絶対強度、局部的なコントラスト、局部の絶対階調度の和等を挙げることができるが、これらに限らない。更なる実施形態においては、ピクセル値が引き出された焦点面のZ位置が、別個の画像内に記憶され、これにより、3次元距離の計算が可能になる。
2.FOVの特定領域または解析用取得画像の決定
図1に示される画像等の画像を用いた1つの作業は、画像内の信号の解析方法を決定することである。一般に、推定される細胞に関する信号を解析することが望ましい。例えば、研究者は、様々な細胞のDAPI信号の強度範囲を知りたがっているかもしれない。これを行なうために、一般に、画像と細胞の領域間で幾つかの関連付けが成されなければならない。
分離細胞法
細胞に基づく方法において、画像解析は、一般に、個々の細胞に対応する画像領域を決定しようとする試みを含んでいる。一般に、うまく分離された細胞の画像だけが使用される。しかしながら、対象のサンプル領域においては、孤立した細胞は稀であり、そのような方法は、特に自動化される場合、不正確な結果を生じ、および/または、重要な細胞領域を見逃してしまう場合がある。
本発明に係るグリッドタイル配置
本発明は、特定の実施形態において、グリッドタイリング法を使用して、図1のような画像を処理する。そのような方法においては、規則的なグリッド、あるいは、やや規則的なグリッドが、対象の画像の一部にわたって敷設される。簡単な方法において、グリッドは、単に、サンプル画像上にわたって重ね合わされる。この場合、例えば、グリッドの開始は、画像の開始から始まる。その後、タイルは、更に後述するように解析される。そのようなグリッドタイリング法においては、特定の密度のDAPI信号に達した場合にだけグリッドを開始したり、グリッドタイルのサイズを調整あるいは最適化したり、グリッドタイルの重なり量を調整あるいは最適化したり、グリッドタイルの形状を調整したりするなどの、様々な異なる最適化を使用することができる。
この方法に関連する実施形態は、この出願の優先日前の1年に満たない間だけ利用できたと考えられるMetafer(商標)と呼ばれるソフトウェアパッケージ内に組み込まれている。この実施形態の更なる詳細は、前述した特許出願および添付書類に記載されている。本発明の特定の実施形態に係るグリッドタイリングソフトウェアシステムにおける幾つかの選択肢を論じているユーザインタフェースの一部の例が図5に示されている。
本発明に係る標的タイリング
本発明の更なる実施形態では、標的タイリング法を使用して、図1のような画像を解析する。この手法においては、コンピュータで実行される方法が、画像を解析するとともに、1または複数の論理規則にしたがって画像上に配置するための複数のタイルを決定する。後述するように、タイルは、様々な形状(例えば、多角形や楕円形)を成していても良く、また、サイズが異なっていても良い。しかしながら、特定の実施形態では、同じサイズの正方形のタイルが使用される。以下から分かるように、この実施形態は、説明するのが簡単であり、また、幾つかの計算を簡単にすることができる。様々な実施形態において、タイルは、重なり合っていなくても良く、あるいは、様々な割合で重なり合っていても良い。図2は、本発明にしたがって標的タイルが配置されたサンプルの画像例を示している。この例においては、サイズが同じ正方形のタイルが使用され、タイルは重なり合っていない。
このように、特定の実施形態において、タイルの位置は、各FOVまたは選択領域において繰り返しシステムを処理する情報によって選択される。特定の実施形態において、連続する各タイルは、最大のDAPI強度を含むように、タイルが配置されていないFOVの残りの領域内に配置される。タイルの配置は、1または複数の終了条件にしたがって停止される。例えば、(i)タイルが配置されていない残りの領域内の最大DAPI強度が下側の閾値を下回る時、および/または(ii)タイルを重なり合わせないで配置できる領域が存在しない時、および/または(iii)最後に配置されたタイルの全体のDAPI強度が閾値を下回る時に、タイルの配置が停止される。以上の例は、標的タイルに対してDAPI強度のような信号を使用するが、他の信号(例えば放射性ラベル)または他の画像特性(例えば画像または染色の密度など)を使用しても良い。
3.サンプル解析方法の比較
細胞手法:全ての細胞が正確に識別される場合、この方法は、腫瘍細胞だけをサンプリングする。しかしながら、この手法は、一般に、通常の細胞を腫瘍細胞から視覚的に識別できるという前提に頼っている。しかしながら、そのような識別は、一般に、熟練した技術者または病理学者を必要とし、間違いを生じたり、様々な解釈を受けたりする。自動システムにおいては、対象の細胞が正確に識別される可能性は殆ど無い。自動識別の精度が悪化すると、この方法は、「領域総計」法へと退化する。
領域総計方法:この方法において、比率は、対象の領域を識別しようとしないで、値を測定すること、すなわち、1つの大きな領域にわたってスポットを数えて(例えば、Her2およびCEP17)合計することに基づいている。これは、対象の信号(例えば、HER−2増幅信号)を事実上弱めてしまう。なぜなら、多くのサンプルにおいては、領域のかなりの部分が正常だからである。例えば、ある病理学者の報告書によれば、時として、幾つかの胸部の腫瘍は、腫瘍領域において90%の正常な細胞を含んでいる可能性がある。対象となるサンプルの割合(proportion)は、腫瘍割合(P)とも呼ばれており、先の例では10%である。より一般的には、腫瘍割合は、30%から100%の範囲となる可能性がある。
タイル手法:本発明のこの方法は、タイル1枚当り(あるいは、同様のサブ領域)の比率(ratio)をプロットすることにより、全体の割合の希釈率(dilution)を低減する。しかしながら、タイル1枚当りの比率は、様々な要因、例えば(a)その方法が、同じタイル内の腫瘍細胞および正常細胞をサンプリングする(時として、タイルの無作為な希釈とも呼ばれる)場合があること、(b)タイリングに起因する細胞の切り捨て等に起因して、ノイズの多いものとなる可能性がある。しかしながら、本発明においては、十分なタイルを使用することにより、おおよその全比率を診断に用いることができる。
4.標的タイリングのための規則例
特定の実施形態において、標的タイルは、当該技術において理解されるように、情報処理装置に設定された1または複数の規則にしたがって配置される。タイルの配置のために設定された規則の一例は以下の通りである。
I.所望のタイル形状および/またはサイズを決めること。幾つかの実施形態において、これは、事前の実験によって決定されても良い。他の実施形態において、これは、画像の解析によって自動的に決定されても良い。他の実施形態において、これは、人間のオペレータの支援又は指示によって決定されても良い。
II.画像を走査して、最大総DAPI信号を与える領域あるいはそのタイル領域内で検知可能な対象の他の特徴を与える領域にわたって最初のタイルを配置すること。
III.画像の残りの領域を走査し(特定の実施形態においては、重なりを許容する)、随意的に停止条件を試験しながら、そのタイル領域内で対象の最大総信号を与える領域にわたって次のタイルを配置すること。
IV.停止条件に達するまでIIIを繰り返すこと。
このような規則の設定を使用して、一般に、タイルが連続的に位置決めされることにより、FOV内の細胞領域が最適にサンプリングされるが、無細胞領域はサンプリングされない。一般的な規則の設定内で、多くの変形および選択肢が考えられる。以下にその幾つかの例を説明する。
タイルサイズ
特定の実施形態において、タイルのサイズは、腫瘍細胞核の予期される断面を完全に含むように十分大きいサイズが選択される。これは、サイズ=1のタイルと呼ぶことができる。また、これよりも幾分大きい1枚のタイルを使用することにより、タイル内で核全体を取得する機会を増やしても良い。例えば、対象の細胞核の予期される断面を完全に含むために必要なサイズの110%のタイルは、サイズ=1.1のタイルと呼ぶことができる。サイズ=2およびサイズ=4のタイルを用いて幾つかの実験研究を行なった。
タイルの重なり合い
特定の実施形態においては、タイルが絶対に重なり合わないように配置される。他の実施形態においては、幾分、あるいは特定の条件下で、タイルを重なり合わせることができる。例えば、更なる実施形態においては、DAPI陽画像内でのみ対照信号に対する試験の比率を決定するために使用される例えばタイルの1/2から1/4が重なり合う画像を使用して、DAPIポジフィルタを形成することができる。この実施形態において、重なり合いは、腫瘍細胞が裂ける虞を低減するために使用される。しかしながら、重ね合わせない場合の利点は、タイルの独立性である。タイルを重ね合わせると、同じイベントを2回(またはそれ以上)数える可能性がある。
円形、楕円形、または、他の形状のタイル
タイルは、正方形または長方形である必要はない。円形、楕円形、六角形、あるいは、他の形状のタイルを使用して、他の細胞からのより少ない寄与(殆ど混和していない)およびタイルの更に高い密度を得ることができる。そのようなタイルは、平均的な細胞核よりも僅かに大きいサイズまたは形状に設定することができ、したがって、手で数えられる面積にかなり近づけることができる。それにより、隣り合う細胞核の一部の信号を計算に入れる機会を減らすことができる。
他の選択肢
幾つかの実施形態においては、単にタイル領域内の信号(例えばDAPI)を最大にするためだけにタイルが配置されるが、他の実施形態では、更に複雑な配置アルゴリズム、例えば、信号密度の中心近傍にタイルを中心付けようとするアルゴリズム、または、2つ以上の信号を比較し或いは組み合わせるアルゴリズムを含めることができる。
5.別個のプローブを使用した解析
1つのプローブを使用して、対象の幾つかの細胞特性を測定し、その信号を標的タイルの配置で使用しても良いが、1または複数の別個のプローブを付加することにより、様々な他の解析が支援されても良い。幾つかの場合には、たった1つのプローブを使用して、本発明の特定の実施形態にしたがって配置されたタイルおよび/またはDAPIのような信号と更に関連付けられる信号を識別しても良い。したがって、基本的には、1つの色チャネルのために標的タイル手法を使用することができる。
しかしながら、他の状況においては、2つ以上のプローブが使用され、細胞の特徴を示すために信号同士を相互に関連付けることができる。例えば、Her2測定のための幾つかの既存のキットは、2つの色チャネル(DAPI+FISH信号を伴う1チャネル)を使用する。この状況においては、本発明に係る標的タイリングを使用して、Her2信号の解析領域を決定することができる。
更なる実施例として、図1に示されるサンプル画像では、サンプル作成において、DAPIの他に2つのプローブが含まれる(その結果、色チャネルは3つになる)。そのうちの1つは、緑色の蛍光色素を用いてラベル付けされ、他の1つはオレンジ色の蛍光色素を用いてラベル付けされる。様々な例において、緑信号は、対象の対照信号を示すことができ、また、オレンジ信号は、対象の試験信号を示すことができる。様々な癌および対象の他の状態は、示差スポット計数またはそのような信号の値に関連付けられても良い。
更に特定の実施例として、Her2解析を考慮する。現在、FISHを使用すると、侵襲的な癌の領域内の腫瘍細胞にわたって平均化されたCEP17スポット計数に対するHer2スポット計数の比率を決定することにより、Her−2/neu増幅の検知を正確に行なうことができると一般に考えられている。ある方法は、うまく分離された細胞のみに基づいて比率推定を行っており、腫瘍細胞および正常な細胞の自動識別を用いている。本発明は、特定の実施形態において、Her2増幅を検知する更に優れた手段を提供する。更なる実施形態において、本発明は、腫瘍生検においてHer2増幅の度合いを自動的に測定するためのHer2スキャナシステムで具現化される。
6.スポット計算
本発明においては、孤立した細胞のスポット計算に関して知られた方法と同様の方法により、1つのタイル内でスポットを数えることができる(例えばFISH)。例えば、一般に、DAPIマスク内のスポットだけが数えられる。標的タイルの場合、配置された各タイルは、増幅された腫瘍核、増幅されていない核、あるいは、2つのタイプの混合を含むいずれかのタイプの1または複数の核の一部を含んでいると考えられる。
XおよびYにおいてタイルの境界を切り捨てることにより、スポット計数が無作為に減ることは言うまでもない。これは、基本的に、Zにおける物理的(例えばスライシング)な切り捨てによる細胞毎のスポット計数の減少に類似している。特定の実施形態においては、特に増幅されていない細胞に対する増幅された腫瘍細胞の割合が十分に大きい場合、十分大きいタイルサンプルからのスポット計数分布から、信号増幅を検知および/または測定することができる(一般に、Her−2増幅された侵襲的な癌では、ほぼ全てのサンプルにおいて信号増幅が10%以上になると考えられる)。
本発明の特定の実施形態においては、人間のオペレータが介入することなく、情報処理システムによって計算を完全に自動で行なうことができる。人間のオペレータに対する表示および人間の評価により、計算を行ない、あるいは、計算を補完することができることは言うまでもない。様々な表示において、タイルは、ギャラリーで与えられるとともに、信号比率により、あるいは、スポット計数によりソートすることができる。この場合、信号比率およびスポット計数の両者は、情報処理コンポーネントによって決定される。スポット計数は、孤立した細胞のギャラリー内での補正と同様の方法で、タイルのギャラリー内で補正することができる(しかしながら、特定の実施形態においては、タイルの数によって、これが非現実的になる)。特定の実施形態においては、例えばタイルが非細胞破片を含んでいる場合、ユーザがタイルを拒絶できる。特定の実施形態においては、前述したように、人間のオペレータは、侵襲的な腫瘍細胞を含むタイル付けされる領域を指定する。
ギャラリーのレビュー
細胞に基づくコンピュータ解析においては、全ての細胞、あるいは、幾つかの基準によって選択される細胞だけを、ほぼ等しいサイズの画像を2次元に配列した状態で、スクリーン上に表示するのが一般的である。この表示は、一般に、「ギャラリー」として知られている。本発明の特定の実施形態において、タイルは、同じ方法で表示され、これにより、システムオペレータは、比率推定の基本となる実際のタイル毎のFISHスポット計数をレビューすることができる。図3は、そのようなギャラリー表示の一例を示している。この場合も、表示は、黒白画像に修正されている。
7.オペレータが関与するシナリオの一例
前述したように、本発明は、多くのステップを自動的に行ない且つユーザに表示を行なうとともにユーザと相互に作用し走査を完了するシステムで具現化される。Her2増幅検知の特定の例を使用して、この作用について説明する。
1.ユーザは、サンプル組織の表示から、前述したように領域をマーキングまたは選択することにより、侵襲的な癌の選択領域を指し示す(特定の実施形態においては、各領域が少なくともN個の腫瘍細胞を有するという要件を用いる)。
2.本発明の情報処理コンポーネントは、ここで説明したように各領域を解析して、目に見える殆どの核材料を覆うようにタイルを配置し、1または複数のマークされたスポットの周囲の所定の領域を覆う。
3.本発明に係る表示ギャラリーは、必要に応じてオペレータがレビューできるように、例えば比率またはHer2スポット計数等によってソートされる1または複数のタイルを示す。
4.随意的に、ユーザは、タイル解析からCEP17に対するHer2の比率の信頼できる評価を得るためにタイルギャラリー内に示されたタイル中に十分な腫瘍細胞が含まれていたことを(例えば、スクリーンボタンをクリックすることにより)確認することができる。記録されたタイル中に不十分な腫瘍細胞が含まれていた場合、ユーザは、解析のため、侵襲的な癌の更なる選択領域を指し示すという選択肢を有する。
5.後述するように、多数のタイルに基づくスポット計数分布を使用して、CEP17に対するHer2の比率を推定する。
以上から分かるように、この実施例は、選択領域を特定する最初のステップが、本発明に係るタイル方法によるHer2の解析の前に行なわれることを想定としている。胸部の癌の場合、これは、一般に、人間のレビューによって行なわれる。しかしながら、他の用途においては、他の解析と組み合わせて或いは他の解析の前に選択領域を特定するために、タイル方法を使用することができる。
8.データ解析例
本発明は、タイルのスポット計数分布に基づいてサンプルを解析するための様々な手法を含んでいる。以下で使用される幾つかの用語および前提は、次の通りである。
タイルによってサンプリングされる細胞混合体は、当初は割合が未知である増幅された腫瘍細胞と増幅されていない細胞との混合体から成る。
タイルによってサンプリングされる細胞混合体は、対象の幾つかの腫瘍細胞を含んでおり、Her2の場合、これらは主に侵襲的な腫瘍細胞である。すなわち、選択領域が正確に特定された。
増幅されていない細胞は、正常な細胞または増幅されていない腫瘍細胞のいずれであっても良く、これらは、1.0(例えば、同じ量の各タイプの検知値)の試験対対照比率をを有していることを前提とする。しかしながら、そのいずれも1.0の比率を有していない2つの異なる細胞集団を用いてサンプルを扱う方法は、特定の実施形態において使用することができる。
この実施例において解析された領域内の増幅された材料の割合は、全ての細胞内のCEP17対照計数の総和に対する増幅された細胞内のCEP17制御計数の総和の比率であり、したがって、この比率は、増幅された細胞と増幅されていない細胞とで平均CEP17計数が異なる場合における増幅された細胞の割合とは異なっている。これは、増幅された細胞の幾つか或いは全てが染色体倍数性を呈する場合であっても良い。したがって、サンプル中の細胞の10%が増幅された腫瘍細胞であり、全てが二重染色体17を有している場合、増幅された細胞の割合は10%であり、増幅された材料の割合は、(2×0.1)/(0.9+2×0.1)=18.18%である。一般に、増幅された細胞の割合は、細胞に基づかない解析、例えばタイル解析においては、計算することができない。
計数データからの比率の計算
幾つかの方法(例えば、PathVysion(商標)パッケージインサート(PPI)にしたがった方法)においては、腫瘍細胞のように見える個々の細胞が識別され、増幅試験スポット(例えば、Her2の場合には、赤/オレンジ)および対照スポット(例えば、CEP17の場合には、緑)が、個々に識別された各細胞において数えられる。増幅された比率(R)は、制御スポットの総和に対する試験スポットの総和の比率となるように、すなわち、
Figure 2005529311
となるように規定される。ここで、iは、数えられた細胞に索引を付けており、tは、試験スポット計数を示し、cは、対照スポット計数を示している。本発明においては、細胞が個々に識別される方式ではなく、タイル毎の方式で、これと同じ基本的な関係が使用される。したがって、他の定式化においては、R=t/c(c=0の場合、Rは1に設定される)となるように1つの細胞(またはタイル)の比率を規定する。この時、Rは、以下のように表わすことができる。
Figure 2005529311
すなわち、比率Rは、「細胞毎(1細胞当たり)の比率と細胞毎のCEP17計数とを掛け合わせたものの和を、CEP17計数の総和によって割った数」として表わすことができる。このような他の定式化における変形を以下に示す。
自動化された方法の例:正規化された基準ヒストグラムを差し引くことによる解析
ここでは、正規化された基準ヒストグラムを差し引く本発明の1つの方法について説明する。この方法は、タイル毎の計数データを収集し、その後、収集した計数データをタイル比率ヒストグラムに変換することによって始まる。タイルの比率(この場合も、R=t/c;ここで、tおよびcは、核領域だけで測定された値またはスポットであっても良い)は、有理数すなわち分数である。そのような分数は、異数性の腫瘍細胞の可能性および腫瘍細胞内の対象の遺伝子の著しい増幅に起因して、様々な値をとり得る。この分数をヒストグラムに適した形式に変換するため、幅がほぼ等しい「バケット」に対して比率が割り当てられる。1つの例は、0.0、0.5、1.0、1.5等に中心付けられた幅が0.5のバケット、すなわち、境界が0.0、0.25、0.75、1.25、1.75等に位置するバケットである。
図4Aから図4Cは、本発明に係る解析方法を示したヒストグラムのグラフ図の例である。シミュレーションおよび実験の両方の結果から、正常なサンプル(例えば、増幅されていない全ての細胞)からのタイル比率ヒストグラムが、1.0をほぼピークとして両側で急激に低下する図4Aに示されるような形状をほぼ有していることが分かっている。ピークの左右の値は、切捨ての効果に起因して1つの細胞を完全に映し出さないタイル或いは2つ以上の細胞からの部分を含むタイルによるものである。タイルの目標付けがうまくいけばいくほど、各タイルは1つの細胞を更に正確に含むようになり、増幅されていないサンプルにおいては、1.0のピークの両側で更に急激に低下するようになる。
増幅されていない細胞(例えば、t/c比率が1.0)と増幅された細胞(例えば、t/c比率が1.0よりも高い)との混合体を含むサンプルからのタイル比率ヒストグラムは、一般に、著しい段部を有する形状、または、1.0のピークの右側に第2のピークを有する形状を成す。実際のデータに基づくそのようなヒストグラムの2つの例が、図4Bおよび図4Cに黒い曲線で示されている。
腫瘍に関連するタイルを抽出する本発明に係る1つの方法は、図4Aのような形状の正規化された基準ヒストグラムを、図4Bおよび図4C等の混合した腫瘍ヒストグラム内において、比率=1.0に中心付けられた通常のピークに適合させることである。このような適合が、基準ヒストグラムと解析されるサンプルからのヒストグラムとを可能な限り一致させる処理であることは、当該技術において理解されている。本発明の特定の実施形態において、これは、基準ヒストグラムバケットの計数を比例的に調整して、正規化された基準ヒストグラムと増幅されていない領域(例えば、0から2の比率)のサンプルヒストグラムとを可能な限り一致させることによって行なわれる。例えば、対応するバケット計数間の平方の差の和を最小にすることによって、最適な比率の選択が行なわれても良い。一方のヒストグラムを他方のヒストグラムから差し引くと、一般に、全てのバケットの計数が第1および第2のヒストグラムの対応する計数同士の差になる第3のヒストグラムが形成される。本発明の特定の実施形態において、任意の1つのバケットにおけるこの差が負である場合には、それが0に設定される。本発明にしたがってヒストグラムの適合および差し引きが行なわれると、「修正された」ヒストグラムは、図4Bおよび図4Cに灰色の曲線で示されるようなものになる。
タイルヒストグラムからの腫瘍比率の推定
ここで、図4Bおよび図4Cに示されるヒストグラム図が、腫瘍細胞および腫瘍でない細胞を含む細胞の混合体にわたってタイルから取得された計数である点に注目されたい。本発明の特定の実施形態において、本発明は、正常な細胞と腫瘍細胞とを特に区別することなく、タイル比率データから直接に、総増幅比率Rを推定する。
そのような方法の一例としては、bによってインデックスが付される各ヒストグラムバケット毎に、qが、正規化された基準を差し引いた後に残る計数の比率になるようにする。一般に、このqは、百分率の値である。例えば、前述した図4Bにおいては、明瞭な省略表記を用いると、qb<1.5=0%、qb=1.5=0%、qb=2.0=3/5=60%、qb=2.5=5/5=100%、およびqb>2.5=100%である。
ここで、適合されたヒストグラムが整数の計数(y軸)値を有している必要はないが、そうでない場合には、修正されたヒストグラムが整数でないy軸値を有する点に注目されたい。このような状況は、適合によって基準ヒストグラムが実際のヒストグラムと一致するため、適合中に生じ得る。基準ヒストグラム値がSで、実際のヒストグラム値がHである場合(bはバケットのインデックス)、適合によって差の絶対値の総和
Figure 2005529311
が最小になる。ここでwは一定の加重であり、bは「正常な範囲」に索引を付けている(0<b<2)。wが整数になる理由はない。そのため、修正されたヒストグラム値H’=(H−wS)は、もはや整数の「計数」でないかもしれない(したがって、厳密に、H’それ自体は、もはやヒストグラムではないが、その表現は適切な省略表現を与える)。なお、q=H’/Hであり、負の値が0で置き換えられる。
次に、比率Rは、以下のように方程式1を修正されたヒストグラムに適用することによって評価することができる。
Figure 2005529311
ここで、cはバケットbに対して割り当てられたタイルのCEP17計数の総和であり、Rは前述したように規定されるバケットの中心比率である。
腫瘍比率の検証
本発明においては、細胞に基づく前述した定義付けから類推して、「増幅された材料の割合」を以下のように規定することができる。
Figure 2005529311
ここでの計算は、増幅された材料から得られるものとして特定された各ヒストグラムバケットの割合に基づいている。
特定の実施形態においては、Pが例えば0.1等の最小閾値を超えない場合、比率Rを報告しないことが望ましい。これは、Pが非常に小さい場合、修正されたヒストグラムが数値の誤差によって影響される可能性があることが経験により分かっているためである。このケースは、一般に、2つの特性によって認識され得る。第1に、一組のタイルの「総比率」R(全てのタイルにおけるHer2スポット計数の総和を、全てのタイルにおけるCEP17スポットカウントの総和で割ったもの)が1.0に非常に近づく。第2に、このケースにおける全てのタイルは、細胞の切り捨ての影響を除いて正常な比率を有しているため、修正されたヒストグラムは、当初のヒストグラムの非常に小さい比率となる。すなわち、Pの概算値は非常に小さくなる。したがって、特定の実施形態において、Rを評価するためのヒストグラム適合方法にあっては、(i)総比率Rが1.0と著しく異なる、(ii)Pの概算値が幾らかの最小カットオフよりも大きい、といった条件が付される。一般に、特定の実施形態において、これらの閾値は、較正実験によって定められる。
数値結果報告
様々な実施形態において、ヒストグラム解析は、1または複数の数値結果の形態を成す出力を与えることができる。そのような結果は、スプレッドシートまたは任意の他の望ましい或いは便利な形式で報告することができる。数値結果出力の例としては、(A)全てのタイルにわたる総比率(R)(試験値の合計を制御値の合計で割ったもの)を挙げることができる。この出力は、一般に、正常な細胞と腫瘍細胞とから成る細胞混合体、あるいは、増幅されていない細胞と増幅された細胞とから成る混合体の問題を無視している。また、数値結果出力の例としては、(B)増幅された腫瘍細胞の平均比率を表わすことをやはり意図した修正されたヒストグラムの平均比率(R)を挙げることもできる。このヒストグラムは構成物であるため(すなわち、バックグラウンド補正で除かれたタイルを識別する方法がない)、この比率は、合計(バケット比率×バケット頻度)/合計(バケット頻度)によって概算される。しかしながら、この方法は、全てのタイルが同じCEP17計数を有していると想定するに等しく、あまり満足できるものではない。実際に、腫瘍領域は、多くの場合、CEP17において更に高いタイル計数を示すため、この方法は、比率を少なめに推定する可能性が高い。更に、数値結果出力の例としては、(C)増幅された細胞から成るように推定されるタイルの割合(P)を挙げることもできる。
更なる改良
前述した方法は多くの状況で役に立つが、更なる研究は改良の余地を示している。例えば、扱うべき問題としては、正規化された基準ヒストグラムとして何を使用するべきか、また、それをどのように適合させるべきか、といった問題を挙げることができる。解析によれば、特定の実施形態において、正規化された基準ヒストグラムの最良の形状は、サンプル間で異なっていても良いことが分かった(例えば、前記形状は、1つのタイル内の一般的なスポット数によって決まり得る)。不正確な基準を使用すると、かなりの誤差が生じ得る。更なる問題は、対照計数(例えばCEP17)が0であるタイルから生じる。これは、これらのタイルが一般に無視されており、それによって偏りが生じる可能性があるためである。他の問題は、ヒストグラムを決定する際に使用するための最適なバケットサイズの決定である。
9.他の解析方法
連立方程式による「腫瘍割合」および「腫瘍比率」の推定
様々な更なる実施形態においては、他の技術を使用して、R、R、およびPのうちの1または複数を推定する。この場合、前述したように、R=(1−P)+PRである。したがって、総比率Rが与えられる混合された一組の細胞の腫瘍比率を見出すことは、腫瘍割合Pを推定する問題となる。類推により、混合された一組の細胞にわたって配置される一組のタイルに関しても、同じことがほぼ当てはまると考えられる。
更なる実施形態において、更なる方法は、PおよびRを推定する。最初に、完全な(切り捨てられていない)増幅された細胞と増幅されていない細胞とから成る混合集団に関して方法を説明する。しかしながら、後述するように、この方法も、タイル解析に対して直接に適用できる。増幅されていない細胞の場合、増幅されていない全ての細胞iにわたって
Figure 2005529311
となる。増幅された細胞の場合には、増幅された全ての細胞jにわたって
Figure 2005529311
となる。この場合も、増幅された細胞および増幅されていない細胞においてCEP17計数の総和に基づく「腫瘍割合」の概念を用いると、
Figure 2005529311
となる。ここで、総和は、腫瘍および正常の両方の全ての細胞kにわたってとられる。
方程式4は、2つの未知数、すなわち、一般にそれを完全に解くためにはスポット計数に関連する異なる方程式を必要とする未知数P、Rを有している。特定の実施形態において、本発明は、後述するように細胞毎の(または、タイル毎の)スポット計数の平方を考慮することによって、これを行なう。
増幅されていない細胞の場合、
Figure 2005529311
となる。この場合、総和は、増幅されていない全ての細胞iにわたっている。増幅された細胞の場合、
Figure 2005529311
となる。この場合、総和は、増幅された全ての細胞jにわたっている。全ての細胞(またはタイル)kにわたって、
Figure 2005529311
となる。
方程式4、5は、PおよびRに関する一対の連立方程式を形成する。解は以下の通りである。方程式4から、
Figure 2005529311
となる。また、方程式5から、
Figure 2005529311
となる。(R−1)=(R−1)(R+1)であることを思い出すと、以下のようになる。
Figure 2005529311
方程式4を書き直すと、
Figure 2005529311
となる。
タイルへの適用
本発明の特定の実施形態において、全ての細胞に関して前述した方法は、あたかも各タイルが、完全に増幅された細胞だけ、或いは全く増幅されていない細胞だけを含んでいるかのように、タイルに基づく解析に対して正確に適用される。(i)タイルがタイプの異なる細胞を含んでいる場合があり、(ii)タイルを貼ることにより細胞が切り捨てられる場合があるためにこの状況が適用されない程度まで、モデルは、おおよそのものである。それにもかかわらず、73個のサンプルから成るトレーニングセットを用いた経験によれば、タイルによってサンプリングされたデータ中に2つの細胞集団が存在する多くの場合において、このモデルがうまく役立つことが分かった。
したがって、前述した方法も、タイルデータに対して適用できる。しかしながら、考慮すべき問題は、Pに対する解が常に予期された範囲(0<P<1)内にあるか?という問題であり、また同様に、Rが常に正であるか?という問題である。答えは「NO」である。例えば、2つの集団の両方が1.0とは異なる比率を有している場合、全てのモデルは、一般に、不適切であり、PおよびRのいずれも理にかなっていない。このケースは、一般に、先験的に区別できない。更なる問題は、増幅された細胞を含むタイルが正常な細胞を含むタイルと同じCEP17スポット計数分布を有していることを前述した方法が暗に前提としているという点である。この前提が正しくない場合、方法は近似的なものとなり、これにより、[0、1]の範囲にないPが計算されるといった幾つかの実際のケースが明らかになる場合がある。
実験データセットを用いた経験によれば、前述した方法を使用すると、以下のようにして、分布によってPおよび/またはRがあり得ない値になるといったケースを効果的に処理できることが分かった。Pの推定が>1.0である場合には、おそらく、サンプルは、殆ど全てが腫瘍である。この場合、R=Rであると報告するのが適切である。Pの推定が<0.1である場合、P=0.1が代入され、Rの対応する値が方程式7から計算される。Rが負となるように計算される場合にも、R=Rであると報告される。
本発明の更なる実施形態においては、この種のケースを解決するために、タイル毎のスポット計数の立方の加重合計を含む更に複雑なモデルを導入して、2つの異なる比率と1つの割合における3つの連立方程式を作ることができる。
期待最大化による「腫瘍割合」および「腫瘍比率」の推定
更なる実施形態においては、期待最大化(EM)法を使用して、PおよびRを評価することができる。EMアルゴリズムは、統計的確率分布の混合から得られると仮定されたデータセットから統計的確率分布の混合を評価するために技術的に良く知られている。本発明の特定の実施形態において、データセットは、1つのタイル毎に(あるいは、1つの細胞毎に、または、使用される他のサンプリング領域毎に)、試験スポット計数(t)と制御スポット計数(c)との対(t、c)のセットを含んでいる。使用される前提は、これらが、2つの内在する2変量確率分布の混合または組み合わせによって形成されるということである。この場合、一方の2変量確率分布は、増幅されていない細胞を含むタイル(すなわち、サンプリング領域)における試験スポット計数および対照スポット計数を一緒に形成し、他方の2変量確率分布は、増幅された腫瘍細胞を含むタイル(すなわち、サンプリング領域)の試験スポット計数および制御スポット計数を一緒に形成する。
これらの実施形態において、EMアルゴリズムには、増幅されていないタイルと増幅されたタイルとにおけるスポット計数対の2変量確率分布をそれぞれ表わしている2つのパラメータセットの初期開始値(後で更に詳細に規定する)が与えられる。各タイルのスポット計数対と2つの各2変量確率分布とを比較することにより、タイルが第1の確率分布によって形成された相対尤度と、タイルが第2の確率分布によって形成された相対尤度とが計算される。
全てのタイルにおける相対尤度の対は、その後、2つの生じる2変量確率分布のパラメータの再推定において重み係数として使用されるとともに、混合体における各成分分布の相対的な割合を推定するために使用することができる。この全体のプロセスは、2変量確率分布パラメータが安定した値に収束するまで繰り返される。
したがって、本発明の特定の実施形態においては、繰り返されるEMプロセスを使用して、増幅された材料または増幅されていない材料をタイルが含む確率を、各タイル(または、他のサンプリング領域)に対して割り当てる。全てのタイルにおけるこれらの確率のセットにより、増幅された腫瘍比率および増幅された材料の割合を評価できる。EM法の更なる詳細は、概して、[J.A.Bilmes、A gentletutorialoftheEMAlgorithmanditsapplicationtoparameter estimationforGaussianmixtureandhiddenMarkov models (EMアルゴリズム、およびガウスミクスチャおよび隠しマルコフモデルにおけるパラメータ評価に対するその適用に関する優しい指導書)、ISCI−TR−97−021、Inernational Computer Science Institute、バークレー、カリフォルニア州94704、1998年四月、www.cs.ucr.edu/〜stelo/cs260/bilmes98gentle.pdf]に記載されている。
EMアルゴリズムの適用に続いて、各試験計数平均分布を、対応する対照計数平均で割ることにより、2つの各2変量確率分布によって示される比率Rを計算することができる。腫瘍比率(R)として更に高い比率が報告される。対応する分布の相対的な割合は、増幅された材料の割合(P)として報告される。
本発明の更なる実施形態において、EMアルゴリズムで使用される各2変量確率分布は、試験スポット計数における単変量ポアソン分布と、制御スポット計数における単変量ポアソン分布との積である。
本発明の更なる実施形態において、1つのタイルにおけるゼロ(0)のスポット計数は、統計的なサンプリング効果によって、あるいは、サンプルのこの部分におけるハイブリッド形成の失敗によって引き起こされる場合があり、これら2つの原因は、データと区別できない。したがって、ゼロの試験スポット計数またはゼロの対照スポット計数のいずれかを有する任意のタイルのスポット計数を使用しないことが有益である。この場合、各単変量ポアソン分布の評価を修正して、ゼロの試験スポット計数またはゼロの対照スポット計数のいずれかを有する任意のタイルを実際のタイルのセットから意図的に排除することを考えることが有益である。このようなことは、更なる実施形態においては、ゼロのスポット計数を有するタイルが排除される場合、モンテカルロ法を使用して、内在するポアソン平均と対応する実際の平均との間で補正率を形成することによって行なうことができる。
本発明の更なる実施形態において、両方の制御分布における平均スポット計数(例えば、CEP17)に関する開始値は、全てのタイルにおける平均スポット計数に設定される。試験分布における平均スポット計数(例えば、Her2)は、制御平均に対する試験平均の比率が第1の分布(増幅されていない材料を表わしている)において1.0となり、且つ第2の分布(増幅された材料を表わしている)において1+2×(R−1)となるように設定される。これは、材料の約50%が増幅されるという最初の前提を形に表わしている。
本発明の更なる実施形態においては、収束基準を使用して、EMアルゴリズムの繰り返しを終了する。この基準は、少なくとも20回の繰り返しが成され、いずれの分布の平均対照計数に対する平均試験計数の比率も、先の繰り返しから0.001ほども変化していなかったというものである。
本発明の更なる実施形態においては、スポット計数対データを、良く知られた統計的手法によって1つの2変量分布に対して適合させることができる。1つの2変量分布によって形成される場合には全てのタイルのスポット計数対のセットの結合尤度を計算することにより、また、2つの2変量分布の混合によって形成される場合には全てのタイルのスポット計数対のセットの結合尤度を計算することにより、1つの2変量分布の適合度が2つの2変量分布の混合体の適合度と比較されても良い。1つの2変量分布が高い結合尤度を有している場合には、総比率Rが報告される。混合分布が高い結合尤度を有している場合には、前述したような混合体からの高い比率が報告される。
本発明の更なる実施形態によれば、サンプルの集団においては、評価を必要とする自由なパラメータを殆ど有さない方法によってより良好な性能が得られるということが、一般的に観察される。この場合、繰り返し毎に1つの2変量分布の比率が同じく1.0になることを要求することにより、EMアルゴリズム分布適合プロセスを抑制することが有益である。
更なる例
更なる実施形態においては、2つの分布の混合が使用される。そのうちの一方は増幅されたタイルを表わしており、他方は増幅されていないタイルを表わしている。また、分布には、kによってインデックスが付される。Her2スポット計数およびCEP17スポット計数はそれぞれ、ポアソン分布によってモデル化される。最初のポアソン平均μhk(Her2計数)、μck(CEP17計数)は、データの予備的な解析によって得られる。混合体の各成分分布に対して与えられる最初の相対的加重は、a=0.5である。
その後、タイルi(i=1....N)からのスポット計数対(h、c)が混合体中の各分布と比較され、各分布によって明らかにされる対の相対的確率が計算される。
Figure 2005529311
を、タイルiおよび成分分布kにおけるタイル毎の相対尤度とする。ここで、P(n;μ)は、平均μを有するポアソン分布が与えられたnの確率を意味している(なお、Her2スポット計数およびCEP17スポット計数が独立であることを前提としていた;この単純な前提によって、共分散も評価しなければならないモデルよりも正確な結果が得られることが実験から分かった)。
その後、ステップ2で得られるタイル毎の相対尤度を適用して各分布k=1、2のパラメータを再計算することにより、以下のように修正モデルが計算される。
Figure 2005529311
Figure 2005529311
Figure 2005529311
2つの段階、すなわち、(1)各分布に対するタイル毎の相対尤度を計算する段階、および、(2)分布毎の加重および平均値を更新する段階は、収束基準が満たされるまで繰り返される。
試験サンプルのセットにおけるEM法の作用例
実験結果によれば、本発明の特定の実施形態に係るEM法によって、より良い自動化された結果を得られることが分かった。これらの実験においては、増幅された細胞および増幅されない細胞の両方を含むような範囲が意図的に選択された。
この説明においては、以下の略語が使用される。
「RR」は、グラウンド・トゥルース比率、すなわち、2人あるいは時として3人の観察者によって記録される増幅された細胞の平均比率である。
「R」は、視野内の全てのタイル中の自動スポット計数から計算される総比率である。
「EM」は、全ての視野から全てのタイルに関してEM解析により計算される比率である。「EM−C」は、低比率集団が比率=1.0を有するべく制約されるEMを意味している。「EM−U」は、制約されていないEMを意味している。
「CV」は、変動係数(標準偏差/平均)である。我々は、これを使用して、各サンプル毎に、グラウンド・トゥルース比率とタイル解析によって計算された比率との間の差を測定する。サンプルのセットにわたる平均は、方法の精度の尺度である。
「SCV」は、「符号付きCV」である。サンプルのセットにわたる平均は、方法の偏りの尺度である。
「Biasat RR=2」は、RR=2のPathVysion増幅された決定比率での測定方法の予測の偏りである。
「FP」、「FN」は、偽陽性(RR<2、R>2)の数および偽陰性(RR>2、R<2)の数である。
検証実験において、我々は、比率推定方法を、その平均SCV、平均CV、FPおよびFNの数を2つの標準的なデータセットに関して比較することにより検討した。第1のデータセットは、ありきたりのサンプルを表わしていると考えられる300個の腫瘍サンプルを含む複合トレーニング・アルファ試験データセットであった。これらの各サンプルが全体にわたって均一のスポット計数を有しているか、あるいは、正常なスポット計数および増幅されたHer2スポット計数のそれぞれを有する2つの細胞集団を含んでいるかどうかは一般に分からなかったため、侵襲的な腫瘍材料の範囲および同様の大きさの正常な組織を含む範囲をオペレータが意図的に選択する20個のサンプルから成る更なるセットが走査された。また、それぞれが2つの細胞集団を含んでいたという明確な証拠がある16個のサンプルが、トレーニング・アルファ試験セットから選択された。したがって、これらの36個のサンプルの全ては、2つの異なる細胞集団をほぼ等しい割合で含んでいることが分かっていた。結果は以下の通りであった。
Figure 2005529311
Figure 2005529311
RR=2.0における偏りは、36個のサンプルセットにおいては計算されなかった。これは、大部分の腫瘍比率が高いサンプルをこのセットが有していたからである。SCV値およびFN値から、総比率Rが腫瘍比率を過小推定する傾向があるのが分かる(これは、正常な比率の材料がこの方法によって排除されないからである)。EMは、この過小推定を実質的に補正する。EM−Uは、選択された2つの集団サンプル中においてEM−Cよりも良好な補正を行なうと考えられるが、大きく且つ更に典型的なトレーニング+アルファ試験セットにおいては、平均して、比率を僅かに過大推定する。
10.他の検討および選択的な操作方法
十分な量の腫瘍細胞の包含
マークが付されたポイントの周囲のFOVのタイリングによって非常に僅かな腫瘍材料および/または非常に数少ない腫瘍細胞が選択される場合があるといった虞がある。1つの解決策は、双方向での見直し能力の強化に基づいており、以下のように進行する。(1)マークが付されたポイントを中心とするFOVをシステムに取得させる。(2)マークが付されたポイントを中心とする全てのFOVを一人のオペレータがスクリーン上で同時に見ることができる十分に低い解像度でFOVのモザイク画像を表示する。これにより、ユーザは、マークが付されたポイントの周囲の組織構造を見ることができる。(3)オペレータがスクリーン上の適当なボタンをクリックすることによりモザイク全体が侵襲的な腫瘍細胞から成ることを示す場合には、前述したタイル方法を続ける。(4)前記組織構造が幾つかの腫瘍領域および幾つかの非腫瘍領域を示す場合には、コンピュータシステム上の適当な入力装置(例えばマウスまたはライトペン)を使用して腫瘍の境界をオペレータに指摘させる。(5)ユーザが指摘した境界を使用して、完全タイリングから、腫瘍領域内に位置するタイルを選択する。(6)選択されたタイルを使用して、ヒストグラムおよびギャラリーを作成する。(7)マークが付されたポイントの全てにおいて繰り返す。
特定の実施形態においては、この方法が以下を達成することは言うまでもない。(1)マークが付されたポイントを視覚的に見直して、それが腫瘍領域をマークしていることを確認する(多くのサンプルにおいて、侵襲的な腫瘍の領域は、DAPI染色によって認識することができ、DAPI画像のみからこの判断を確信をもって行なうことができない場合には、十分な量の組織構造をDAPI画像中に表示して、隣接する光学顕微鏡上のH&Eスライドと比較できるようにする)。(2)正常な細胞に対して最大の濃度で、タイルの選択されたセットが腫瘍細胞を含むことを保証する。
タイルの最適なサイズ
本発明の更なる実施形態においては、更に大きいタイルを使用できるとともに、この大きいタイルは、CEP17分母が大きいため、良好に振舞う比率を有することを期待できる。しかし、腫瘍細胞と正常な細胞とを混合する虞は大きくない。
他の提示
本発明の更なる実施形態においては、データを、スライドの表面における標準のX、Yと、各タイルのHer−2/CEP17比率を示すZとの3次元プロットとして表わすことができる。
細胞に基づく選択肢
更なる実施形態においては、個々の細胞で計数を行なうことができるとともに、ヒストグラム形式で比率をプロットすることができ、また、ヒストグラムが2つのピーク(正常な細胞および増幅された細胞を示すピーク)を有している場合には、上側のピークの比率を報告する。実際に、これは、総比率から正常な細胞を自動的に除去するとともに、本発明の特定の実施形態においては、自動解析に役立つ技術として適合され、切り捨てられた細胞の誤差比率の問題を調整する。しかしながら、この方法は、(i)それが細胞に基づいており、したがって、自動化にあまり適していないという点、(ii)異なる技術によって比率をヒストグラムから抽出するという点、(iii)一般に、腫瘍が大きく増幅される場合にだけ役立つ(例えば、R=1.5である場合には役に立たないと思われ、おそらくR=2.0の場合にも役に立たない)という点で、前述した方法と異なる。
単独で使用されるこの技術は、先の作業に類似しているかもしれない。しかしながら、本発明の特定の実施形態において、この技術または類似の技術は、タイルに基づく解析を行なうことができるシステムにおいて、1つの選択肢として与えることができ、また、この技術は、比較のための幾つかの実施形態においては、タイルに基づく解析と共に行なうことができるとともに、報告することができる。したがって、更なる実施形態においては、うまく分離された核内でスポットを数えることを基本とする1または複数の方法に加え、タイルの計数を使用することができる。
更なる実施形態においては、個々の細胞内で計数を行なうことができるとともに、連立方程式により比率を推定する方法を適用することができる。この手続きは、細胞全体の識別が比較的簡単なサンプル中で、例えば液体細胞浮遊物から作成されたサンプル中で、2つの別個の細胞集団のスポット計数を特定するために使用されても良い。
更なる実施形態においては、個々の細胞内で計数を行なうことができるとともに、期待最大化により比率を推定する方法を適用することができる。この手続きは、細胞全体の識別が比較的簡単なサンプル中で、例えば液体細胞浮遊物から作成されたサンプル中で、2つの別個の細胞集団のスポット計数を特定するために使用されても良い。
大きく増幅された細胞
腫瘍領域内の数百個の細胞から成る領域の外側に2つ又は3つの大きく増幅された腫瘍細胞(例えば、>5の範囲でのHer2比率からCEP17比率)が存在する場合には、それによって十分に増幅の診断を行なうことができるといった考えにより、タイル方法での正常な細胞による希釈を抑えることができる。しかしながら、そのような稀な増幅細胞の場合、本発明の特定の実施形態にしたがって記録する機械は、幾つかの場合、有利であると分かることが期待される。大部分が増幅されていない腫瘍細胞と幾つかの増幅された腫瘍細胞とを含む異質な腫瘍細胞の集団を1つの腫瘍の塊が有している場合(おそらく珍しい)、機械記録は、稀な増幅細胞の証拠を見つける(例えば、タイル解析により)ことにより、増幅細胞の「歩留り」を高めることが幾つかの場合において期待される。なお、そのような「稀な増幅細胞」腫瘍は、おそらく、「稀な過剰発現する細胞」腫瘍でもあるため、免疫組織化学(IHC)技術によって見落とされる可能性があると考えられる。また、そのような稀な細胞が密度の高い腫瘍材料中にうずまっている場合、ビジュアルスコアラーは、そのような細胞を記録しない。これは、そのような細胞がうまく分離されないからである。また、そのような細胞は、一般に、細胞に基づくコンピュータアルゴリズムによって見つけることが非常に難しく或いは不可能である。しかしながら、細胞核を分離できない場合には、タイル方法を使用して、腫瘍の塊を解析することができる。本発明の特定の実施形態において、ギャラリー表示は、最も高い比率(および/または、例えば、最も高いHer2計数)のタイルを最初に示し、その後、非常に稀な増幅細胞が一般にユーザに対して表示される。
ヒストグラム解析を用いたユーザFOV選択
更なる実施形態において、ヒストグラム解析は、最初の腫瘍識別のプロセスを簡略化することができる。一般に、病理学者または技術者は、トリプルパスフィルタを使用して視覚的に走査し、計数のため侵襲的な領域を識別する。そのような領域が見つけられると、それを視界(visual field)内で中心付け、キーを押す。これは、計数のため、スライド上にポイントを記録する。その後、自動計数段階において、そのようなマークが付されたポイントは、所定のサイズの拡張領域の中心として使用され、そのような領域内の全ての細胞が計数される。その後、ヒストグラム解析によって、正常な細胞と増幅された細胞とが区別される。この手続きにより、先に提案した手続きの欠点と見なされる、スクリーン画像上に領域境界を描く必要性がなくなる。
タイル解析のユーザレビュー
幾つかの実施形態においては、ユーザの介入またはレビューが殆ど行なわれることなくタイル配置および解析が行なわれるが、更なる実施形態においては、ユーザシナリオ例により、熟練したユーザは、解析プロセスと相互に作用し、特定の自動化された配置および/または解析の成果を確認または修正することができる。そのようなプロセスの例は以下の通りである。
1.タイルの境界(おそらく、破線または灰色の線として、すなわち、押し付けがましくない形で)が重ね合わされた状態で各FOVがユーザに対して与えられる。ユーザは、おそらく例えば「タイルのセットが少なくとも10%の腫瘍細胞材料を含んでいる場合に限りこのFOVを承認してください」等の指示の後に、FOVおよびタイルの選択を承認すること或いは承認しないことが求められる。
2.X(例えば4個)よりも少ないFOVが前述した基準によって受け入れられる場合には、サンプルは、一般に、自動的に品質管理(QC)を損なう。これは、腫瘍が極めて小さく或いは腫瘍細胞が非常に分散している場合(幾つかの状況においては望ましくない)においては、サンプル不足を意味しているかもしれない。
3.ギャラリーは、スポット計数または比率によって分類され、承認されたFOVだけからタイルを表示する。随意的に、ユーザは、必要に応じて、細胞ギャラリーシステムの場合のように、タイルを拒絶することができ、あるいは、スポット計数を補正することができる。
4.タイル比率ヒストグラムが表示される。自動解析は、腫瘍細胞集団における総比率を示唆する。この場合、ある能力が与えられたユーザは、最後の報告された比率を(いつものように、適当なトラッキングをもって)確認または修正する。
シミュレーション研究
以下の態様を無作為分離としてモデリングすることにより、実際に出くわす可能性が高い腫瘍領域にわたってタイルに基づく比率評価の見込みのある性能を検討するため、タイル方法の幾つかの部分、および、特にタイル毎の比率のヒストグラムの解析を、シミュレーション研究によって調べた。態様とは、すなわち、(1)様々な数の細胞から異なる量の核材料をタイルがサンプリングする、(2)正常な細胞に対する腫瘍細胞の割合が腫瘍間で異なる、および(3)タイルのエッジおよび腫瘍のセグメント化による細胞の切り捨てにより、各核からFISH信号が喪失する、といった態様である。
タイルサイズの影響
以下、例えばHer2スコアリングに対する標的タイル手法の更なるシミュレーション研究について説明する。シミュレーション研究によれば、正常比率タイルの予測された背景の除去がうまくいくことが分かった。このシミュレーションにおいては、最初、増幅されていない腫瘍を前提として、非常に大きなタイルセットが形成された。その後、結果として得られる増幅されていない腫瘍のヒストグラムは、比率<=1.5を有する領域の実際のヒストグラムにスケーリングされた。スケーリングされた増幅されていない腫瘍のヒストグラムは、その後、実際のヒストグラムから差し引かれた(負の値がゼロに設定される)。比率<1.5における残りの正の計数もゼロに設定された。なお、同じ増幅されていない腫瘍のヒストグラムが、ここで報告された実験のために使用された。ここで報告されたデータは、その操作を使用した。大きなタイルを使用する利点は、CEP17計数(すなわち、比率基準)が非常に小さいため、殆ど拒絶されないという点である。欠点は、大きなタイルが、腫瘍細胞と正常細胞との混合体から成る可能性が高く、腫瘍細胞だけ或いは正常細胞だけから成る可能性が低いという点である。特定の実施例においては、タイルサイズが小さければ小さいほど、真の比率の推定(ヒストグラムのピークから)が良くなることが分かった。一方、全てのサイズ=1タイルの27%は、CEP17最小計数基準によって拒絶される。これに対して、サイズ=2では5%が拒絶され、サイズ=4では0%が拒絶される。
11.プログラム化した情報装置の実施形態
図6は、本発明の様々な態様を具現化できる論理デバイスの典型例を示すブロック図である。ここで与えられた教示内容から分かるように、本発明は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて実施することができる。幾つかの実施形態においては、本発明の様々な態様を、クライアント側の論理デバイスで、あるいは、サーバ側の論理デバイスで実施することができる。更に、本発明及びその構成要素は、論理命令をおよび/または適切に構成された演算装置内にロードされる時にその装置を本発明にしたがって機能させるデータを含む所定の媒体プログラム成分で具現化することができる。論理命令を含む所定の媒体は、ビューアーのコンピュータに実際にロードするため、所定の媒体上のビューアーに対して供給されても良く、あるいは、論理命令を含む所定の媒体は、プログラム成分をダウンロードするためにビューアーが通信媒体を通じてアクセスする遠く離れたサーバ上に存在していても良い。
図6は、ここで説明した画像表示および/または解析に関して論理演算を行なうことができる論理装置として理解されても良い情報家電またはデジタル装置700を示している。そのような装置は、論理命令を実行して本発明の特定の実施形態にしたがって機能する汎用コンピュータシステムまたはワークステーションとして具現化することができる。また、そのような装置は、カスタムおよび/または専門の研究室または論理処理を1つの機械に統合して様々なサンプル取り扱い操作を行なう科学的ハードウェアであっても良い。一般に、本発明の特定の実施形態に係る装置の論理処理コンポーネントは、媒体717から、および/または、所定の媒体722を有するサーバ720に随意的に接続できるネットワークポート719から、命令を読み取ることができる。その後、装置700は、それらの命令を使用して、動作を方向付けることができ、あるいは、技術的に理解され且つここで説明したような解析を行なうことができる。本発明を具現化できる1つのタイプの論理装置は、参照符号700で示されたコンピュータシステムである。このコンピュータシステムは、CPU707と、随意的な入力装置709、711と、記憶媒体(例えばディスクドライブ)715と、随意的なモニタ705とを有している。所定の媒体717またはポート719越しの所定の媒体722は、そのようなシステムをプログラムするために使用されても良く、また、ディスク状の光媒体または磁気媒体、磁気テープ、半導体ダイナミックメモリまたはスタティックメモリ等を表わしていても良い。また、本発明は、その全体または一部が、この所定の媒体上に記録されるソフトウェアとして具現化されても良い。また、通信ポート719は、そのようなシステムをプログラムするために使用される命令を最初に受けるために使用されても良く、また、任意のタイプの通信接続を表わしていても良い。
図6は、幾つかの実施形態においては診断システムの一部となり得る別個の構成要素を示している。これらの構成要素としては、顕微鏡750、自動スライドステージ755、UV光源760、フィルタ765、CCDカメラ又はここで説明した解析のためにデジタル画像を取得するための取得装置780を挙げることができる。当業者であれば分かるように、これらの別個の構成要素は、論理解析および/または制御を含む1つのシステムの構成要素であっても良い。また、これらの装置は、基本的に、技術的に理解されるようなネットワーク、バス、無線通信等を介して700等の情報家電とデジタル通信する独立型の装置であっても良い。そのようなシステムの構成要素は、任意の便利な物理的構成および/または外観を有していても良く、また、全てが1つの一体型システムに組み合わされても良いことは言うまでもない。したがって、図6に示される個々の構成要素は、1つのシステム例を表わしているにすぎない。
図5は、本発明に係るグリッドタイリングオプションのためのユーザインタフェースの例を示している。
また、本発明は、その全体または一部が、特定用途向け集積回路(ASIC)またはプログラム可能論理回路(PLD)の回路内で具現化されても良い。そのような場合、本発明は、ここで説明したように動作するASICまたはPLDを形成するために使用できるコンピュータが理解可能な記述子言語で具現化されても良い。
12.他の実施形態
ここでは、特定の実施形態に関して本発明を説明してきた。当業者にとっては他の実施形態も明らかである。特に、ビューアデジタル情報家電は、一般に、パーソナルコンピュータとして示された。しかしながら、デジタル演算装置は、本発明の論理方法を実行するのに適した任意の情報家電となるように意図されており、また、デジタル動作可能な実験システムまたは装置、デジタル動作可能なテレビ、携帯電話、携帯端末等といった装置を含むことができる。当業者であれば、本発明の思想内で変更を行なうことができる。また、様々な異なる動作を使用して、本発明の特定の実施形態に係るシステムと相互に作用することができる。例えば、ボイスコマンドがオペレータによって話されても良く、オペレータによってキーが押されても良く、クライアント側の科学装置のボタンがオペレータによって押されても良く、あるいは、位置決め装置を使用した選択がユーザによって行なわれても良い。
ここで説明した例および実施形態は、例示的な目的のものであり、その観点からの様々な修正や変更が、ここでの教示内容によって当業者に対し示唆され且つこの出願の思想および範囲並びに請求の範囲内に含まれることは言うまでもない。
情報開示書の一部として提出された任意の文献を含む、ここで引用し或いはこの出願と共に提出した全ての公報、特許、特許出願は、その全体を参照することによって本願に組み込まれる。
本発明に係る技術またはシステムを適用できる異なるプローブでラベル付けされたサンプルの画像例を示す図である。 本発明にしたがって標的タイルが配置されたサンプルの画像例を示す図である。 本発明と共に使用可能なギャラリーレビューの例を示す図である。 図4Aは、本発明に係る解析方法を示すヒストグラムのグラフの例を示す図である。 図4Bは、本発明に係る解析方法を示すヒストグラムのグラフの例を示す図である。 図4Cは、本発明に係る解析方法を示すヒストグラムのグラフの例を示す図である。 本発明に係るグリッドタイリング選択のためのユーザインタフェースの例を示す図である。 本発明の様々な態様を具現化できる典型的な論理デバイス例を示すブロック図である。

Claims (61)

  1. コンピュータシステムを使用して決定できる特性に関して生物学的サンプルを解析する方法であって、
    前記サンプルの画像をコンピュータシステム中に取り込ことと、
    前記コンピュータシステムを使用して、配置プロセスにしたがって前記画像上にわたってタイルのアウトラインを配置すること、
    前記コンピュータシステムを使用して、1または複数の前記タイルアウトライン内の前記画像の検知可能な特徴を記録することによって前記画像を解析することと、
    前記コンピュータシステムを使用して、記録された前記画像の検知可能な特徴からの出力を作成することと、
    を含んでいる、方法。
  2. 前記サンプルは、
    組織生検からの薄い切断部分、
    分割された細胞から作成された密度の高い細胞単層、
    塗抹標本
    のうちの1つ以上を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記画像は、拡大焦点プロセスを使用して生成される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記画像が2次元画像である、請求項1に記載の方法。
  5. 前記配置プロセスは、
    アウトライン同士が隣接するようにタイルアウトラインを配置すること、
    前記画像上にわたって規則的なグリッドでタイルアウトラインを配置すること、
    アウトラインが必ずしも隣接しないようにタイルアウトラインを配置すること、
    タイルアウトラインが必ずしも前記画像を覆わないようにタイルアウトラインを配置すること、
    のうちの1つ以上を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  6. 前記配置プロセスは、
    検知可能な信号の所望の信号強度を与える前記画像の領域を見つけるために前記画像を検索することと、
    前記領域上にわたってタイルアウトラインを配置することにより、タイル付け領域と残存領域とを規定するとともに、前記残存領域上において、停止条件に達するまで前記検索および前記配置を繰り返し続けることと、
    を有する前記画像の繰り返し検索を含んでいる、請求項1に記載の方法。
  7. 前記検知可能な信号は、細胞核染色液の全蛍光強度である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記検索は、前記検知可能な信号の最も高い値を生じるタイルアウトライン領域を検索することを含んでいる、請求項6に記載の方法。
  9. 前記停止条件は、配置されたタイルが、他の値と所定の関係を成す信号値を有していることを判断することを含んでいる、請求項6に記載の方法。
  10. 前記他の値は、既に配置された1または複数のタイルにおいて見出される1または複数の値から得られる、請求項9に記載の方法。
  11. 前記出力は、遺伝子コピー数の推定を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
  12. 前記出力は、遺伝子増幅の検知を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
  13. 前記信号値は、蛍光インサイツハイブリッド形成プローブおよび/またはDAPIを使用して測定される、請求項8に記載の方法。
  14. 前記タイルアウトラインは、
    略矩形状、
    略多角形状
    略円形
    のうちの1つ以上である、請求項1に記載の方法。
  15. 前記タイルアウトラインは、前記サンプル中の最も大きい予期される細胞の最も大きい断面積と略等しい或いは前記断面積よりも僅かに大きい面積を有するように選択される、請求項1に記載の方法。
  16. 前記最も大きい予期される細胞は、腫瘍細胞である、請求項15に記載の方法。
  17. 前記解析は、
    配置されたタイルアウトライン内で2つ以上の信号値を検知することと、
    前記2つ以上の信号値の比率を使用して値を計算することと、
    を更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
  18. 生物学的サンプル画像を解析する方法であって、
    前記画像上にわたって複数のサブ領域を決定するステップと、
    各サブ領域内で、検知可能な信号から比率を計算することと、
    前記比率のオリジナルヒストグラムを計算することと、
    前記比率の正規修正されたヒストグラムを計算することと、
    前記正規修正されたヒストグラムから、前記サンプル中の1または複数の細胞における比率値を推定することと、
    を含んでいる、方法。
  19. 前記比率は、
    第2の計数によって割られる第1の計数、
    第2の信号値によって割られる第1の信号値
    対照値によって割られる試験値、
    のうちの1つ以上を含んでいる、請求項18に記載の方法。
  20. 前記解析は、前記サンプルの1または複数の数値結果を判断することを更に含んでいる、請求項18に記載の方法。
  21. 前記解析は、
    各サブ領域内で、前記検知可能な信号からサブ領域比率を計算することと、
    前記サブ領域比率のサンプルヒストグラムを計算することと、
    前記サブ領域比率についての正規化された基準ヒストグラムを決定することと、
    前記サンプルヒストグラムから前記正規化された基準ヒストグラムを差し引いて、前記サブ領域比率の修正されたヒストグラムを形成することと、
    前記修正されたヒストグラムから前記サンプルの比率値を推定することと、
    を更に含んでいる、請求項18に記載の方法。
  22. 前記計算は、幅が略等しいバケットに対してサブ領域データを割り当てることにより、サブ領域毎のデータをサンプルヒストグラムに変換することを含んでいる、請求項21に記載の方法。
  23. 前記推定は、顕著な段部または前記サンプルヒストグラムの通常のピークからオフセットした第2のピークを検知することを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記決定は、
    混合腫瘍サンプルヒストグラムの通常のピークに対して正規化された基準ヒストグラムを適合させることを含み、
    前記適合は、
    基準ヒストグラムバケットの計数を比例して調整し、それにより、正規化された基準ヒストグラムと増幅されていない領域における前記サンプルヒストグラムとをできる限り一致させることを含んでいる、請求項21に記載の方法。
  25. 前記修正されたヒストグラムは、全てのバケットの計数が前記サンプルヒストグラムおよび前記基準ヒストグラムの対応する計数間の差である第3のヒストグラムを含み、任意のバケットにおける前記差が負である場合には、そのバケットの値がゼロに設定される、請求項22に記載の方法。
  26. 各ヒストグラムバケットi毎に、pが、前記正規化された基準を差し引いた後に残る計数の割合となるようにすることと、
    Figure 2005529311
    によって比率Rを推定することと、
    を含む方法であって、
    iがサブ領域にインデックスを付与し、
    tが試験値を示し、
    cが制御値を示し、
    が1つの細胞(またはタイル)の値の比率t/cを示し、c=0の場合にRが1に設定される方法によって、前記修正されたヒストグラムから直接に増幅された比率Rを推定するステップを更に含み、また、
    増幅された腫瘍の割合を計算することによって推定された腫瘍比率を確認するステップと、
    前記増幅された腫瘍の割合が最小閾値を超えない場合には、確認された比率Rを報告しないステップと、
    を更に備え、
    前記増幅された腫瘍の割合Pは、
    Figure 2005529311
    として推定される、請求項21に記載の方法。
  27. 正規化された基準ヒストグラムの最良の形状がサンプル間で異なっている、請求項21に記載の方法。
  28. 前記複数のサブ領域は、分離された細胞を含む複数の領域を備えている、請求項18に記載の方法。
  29. 前記複数のサブ領域は、規則的なグリッドで配置された複数のアウトラインを含んでいる、請求項18に記載の方法。
  30. 前記複数のサブ領域は、配置方法によって配置された複数の標的アウトラインを含んでいる、請求項18に記載の方法。
  31. 前記解析は、連立方程式によって腫瘍割合および腫瘍比率を推定することを更に含んでいる、請求項1に記載の方法。
  32. 前記連立方程式は、
    増幅されていないタイルiにわたって
    Figure 2005529311
    、増幅されたタイルjにわたって
    Figure 2005529311
    、全てのタイルkにわたって
    Figure 2005529311
    、を含んでおり、
    タイル毎のスポット計数の平方を考慮することにより2つの未知数P、Rが関連付けられる、請求項31に記載の方法。
  33. タイル毎のスポット計数の前記平方は、
    増幅されていないタイルiにわたって
    Figure 2005529311
    、増幅されたタイルjにわたって
    Figure 2005529311
    、全てのタイルkにわたって
    Figure 2005529311
    である、請求項32に記載の方法。
  34. P、Rは、以下の方程式、
    Figure 2005529311
    Figure 2005529311
    Figure 2005529311
    Figure 2005529311
    によって決定される、請求項33に記載の方法。
  35. Pの推定が>1.0である場合、R=Rが出力される、請求項34に記載の方法。
  36. Pの推定が<0.1である場合に、P=0.1を使用してRを計算し、
    Rが負となるように計算される場合に、R=Rが出力される、請求項34に記載の方法。
  37. 前記複数のサブ領域は、分離された細胞を含む複数の領域を備えている、請求項44に記載の方法。
  38. 前記複数のサブ領域は、規則的なグリッドで配置された複数のアウトラインを含んでいる、請求項44に記載の方法。
  39. 前記複数のサブ領域は、配置方法によって配置された複数の標的アウトラインを含んでいる、請求項44に記載の方法。
  40. 前記解析は、期待最大化方法を使用して、前記記録された検知可能な特徴からの出力を推定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  41. 前記解析は、期待最大化方法を使用して、前記サンプルの腫瘍割合および腫瘍比率を推定することを更に含む、請求項1に記載の方法。
  42. 生物学的サンプル画像を解析する方法であって、
    前記画像上にわたって複数のサブ領域を決定することと、
    各サブ領域内で、1または複数の検知可能な特徴からなるデータセットを決定することと、
    期待最大化方法を使用して、前記記録された検知可能な特徴からの出力を推定することと、
    を含んでいる、方法。
  43. 前記解析は、検知可能な試験値および検知可能な対照値を示すタイル毎に記録された検知可能な特徴データ対(t、c)のセットを期待最大化方法で使用することを更に含んでいる、請求項40に記載の方法。
  44. 前記解析は、
    増幅されていないサブ領域におけるデータセットの2変量確率分布および増幅されたサブ領域におけるデータセットの2変量確率分布を示す、もっともらしい初期開始値を前記期待最大化方法に対して与えること、前記開始値は、と、
    増幅されていないサブ領域のデータセットを、前記各2変量確率分布と比較して、前記サブ領域データセットが第1の確率分布によって形成された相対尤度と、前記サブ領域データセットが第2の確率分布によって形成された相対尤度とを決定することと、
    2つの生じる2変量率分布のパラメータの再推定において、重み係数として、複数のサブ領域における前記相対尤度の対を使用することと、
    複数のサブ領域における前記相対尤度の対を使用して、各成分分布の相対的な割合を推定することと、
    2変量確率分布パラメータが安定した値に収束するまでプロセスを繰り返すことと、
    期待最大化方法の収束後、各試験計数平均分布を対応する対照計数平均で割ることにより、2つの2変量確率分布の各々によって示される比率を計算することと、
    腫瘍比率として、高い比率を報告することと、
    腫瘍割合として、対応する分布の相対的な割合を報告することと、
    を更に含んでいる、請求項42に記載の方法。
  45. 期待最大化方法で使用される各2変量確率分布は、試験値における単変量ポアソン分布と、対照値における単変量ポアソン分布との積である、請求項44に記載の方法。
  46. ゼロの試験値またはゼロの対照値のいずれかを有する任意のサブ領域のスポット計数は使用されない、請求項44に記載の方法。
  47. ゼロの試験計数値またはゼロの対照計数値のいずれかを有する任意のサブ領域を実際のデータセットから意図的に排除することを考慮するように、各単変量ポアソン分布の推定が修正され、
    ゼロの値を有するサブ領域が排除される際に、内在するポアソン平均と対応する実際の平均との間で補正率を形成するため、モンテカルロ法を使用して、各単変量ポアソン分布が修正される、請求項46に記載の方法。
  48. 前記解析は、周知の統計的手法を用いて、データを1つの2変量分布に適合させることを更に含んでいる、請求項44に記載の方法。
  49. 1つの2変量分布によって形成される場合には全てのサブ領域のデータセットの結合尤度を、また、2つの2変量分布の混合によって形成される場合には全てのサブ領域のデータセットの結合尤度を計算することにより、1つの2変量分布の適合度を、2つの2変量分布の混合体の適合度と比較するステップと、
    1つの2変量分布が高い結合尤度を有している場合には、高い比率の代わりに、総比率Rを報告することと、
    を更に含んでいる、請求項44に記載の方法。
  50. 全ての繰り返しの後、1つの2変量分布の比率が同じく1.0になることを要求することにより適合プロセスを抑制することを更に含んでいる、請求項44に記載の方法。
  51. 前記複数のサブ領域は、分離された細胞を含む複数の領域を備えている、請求項44に記載の方法。
  52. 前記複数のサブ領域は、規則的なグリッドで配置された複数のアウトラインを含んでいる、請求項44に記載の方法。
  53. 前記複数のサブ領域は、配置方法によって配置された複数の標的アウトラインを含んでいる、請求項44に記載の方法。
  54. 生物学的サンプルを解析するためのシステムであって、
    デジタルデータを扱うための情報プロセッサと、
    取得された画像データを含むデジタルデータを記憶するためのデータ記憶装置と、
    前記取得された画像データを解析して前記データの観察可能な特徴を推定する論理モジュールと、
    ユーザが解析を要求でき、および/または、ユーザが解析パラメータを設定することができ、および/または、ユーザが解析された画像データをレビューすることができるユーザインタフェースのセットと、
    を備えている、システム。
  55. 前記ユーザインタフェースのセットは、ギャラリーレビューインタフェースを更に備えている、請求項54に記載のシステム。
  56. 前記ユーザインタフェースのセットは、1または複数の解析オプションインタフェースを更に備えている、請求項54に記載のシステム。
  57. 前記1または複数の処理オプション指示は、
    グリッドサブ領域配置を行なうための指示と、
    標的サブ領域配置を行なうための指示と、
    を含んでいる、請求項56に記載のシステム。
  58. 前記情報プロセッサに対して操作的に接続される画像取得カメラと、
    光源と、
    1または複数の光フィルタと、
    顕微鏡と、
    スライドハンドリングユニットと、
    を更に備えている、請求項54に記載のシステム。
  59. 前記データ記憶装置内に記憶される1または複数のサブ領域配置規則セットを更に備えている、請求項54に記載のシステム。
  60. 前記データ記憶装置内に記憶される1または複数の解析論理ルーチンを更に備えている、請求項54に記載のシステム。
  61. 生物学的サンプルを解析するためのシステムであって、
    1または複数の生物学的サンプルからデジタル画像データを取得するための手段と、
    デジタル画像データを記憶するための手段と、
    ユーザと相互に作用し、ユーザ指示および画像データのユーザレビューを受け取る手段と、
    前記取得されたデジタル画像データを論理的に解析して、1または複数の観察可能なパラメータを推定するための手段と、
    推定された観察可能なパラメータを出力するための手段と、
    を備えている、システム。
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