JP2005528490A - 顔料分散剤としてウレタン/尿素基を有するグラフトコポリマー - Google Patents

顔料分散剤としてウレタン/尿素基を有するグラフトコポリマー Download PDF

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Abstract

顔料定着基として尿素官能基の新規タイプを含むグラフトコポリマーに基づく顔料のためのポリマー分散剤。この尿素基は、グラフトコポリマー中に作られたヒドロキシル官能基とアンモニアまたは第一級アミンもしくは第二級アミンにより一端でキャップされているジイソシアネートとの反応を含む簡便な方法によってグラフトコポリマーに結合される。反応は簡便できれいである。ポリマーの実質的な架橋またはゲル化は、適切な原料および加工条件の慎重な選択によって容易に避けることが可能である。これらの材料は、溶媒ベース系に広範囲の顔料を分散させ安定化させる際に有効であり、自動車およびトラックのための様々な溶媒性塗料組成物中で用いられる顔料分散剤であって、顔料使用の改善された効率、より低いペイント粘度および揮発性有機溶媒の減少した排出を提供する顔料分散剤を形成する際に特に有用である。

Description

本発明は高分子顔料分散剤に関し、より詳しくは、本発明は、顔料定着基としてウレタン/尿素基を有するグラフトコポリマー顔料分散剤に関する。
有機液に顔料を分散させるために効果的である高分子顔料分散剤は技術上知られており、様々な溶媒ベースの塗料組成物中で用いられる顔料分散液を形成するために用いられる。現在、こうした顔料分散液は、例えば、自動車およびトラックのための顔料入り外部溶媒性ペイント中で広く用いられる。
高分子分散剤に関する過去の活動の多くはランダムコポリマーに関連していたが、これらの比較的非効率的な材料は、グラフトコポリマーなどの組織化顔料分散剤によって置き換えられつつある。過去に用いられたグラフトコポリマー分散剤は、例えば、1998年12月22日発行のフイブレヒツ(Huybrechts)による米国特許公報(特許文献1)に記載されている。こうしたグラフトコポリマーは、ポリマー主鎖および前記主鎖上にグラフトされたマクロモノマー側鎖を含み、顔料粒子の表面上に吸着するとともに顔料表面にコポリマー分散剤を結合させるように設計される顔料定着基として知られた極性基をマクロモノマーまたは主鎖のいずれかに結合させている。
米国特許第5,852,123号明細書 米国特許第4,680,352号明細書 米国特許第4,722,984号明細書
上のフイブレヒツ(Huybrechts)による米国特許公報(特許文献1)に記載されているような尿素基は極めて強力な顔料定着基である。こうした基は、有機溶媒に非常に不溶性であり、広範囲の顔料によって選択的に吸着され、顔料表面上で吸着のために競争しうるペイント系中に存在する極性溶媒または他の極性官能基によって顔料表面から容易に追い出されない。安定で非凝集性の分散液は従って容易に形成され、分散液は、良好な吹付レオロジーおよび優れた色均一性を有するペイントの製造を可能にする。尿素含有グラフトコポリマーが傑出した分散剤であることを過去の研究が示唆している一方で、尿素含有グラフトコポリマーには特定の著しい欠点もある。例えば、尿素定着基は、尿素官能基を含むモノマーを主鎖、マクロモノマーまたはその両方中に共重合させることにより普通はグラフトコポリマーに導入される。しかし、市販されている尿素官能性モノマーは高価で少量しかなく、通常は純粋形態で供給されておらず、それは品質問題につながる。
従って、上述した顔料分散剤の製造および性能を最適化するために使用できる尿素基のタイプの選択を広げる新規化学品および簡便な方法がやはり必要とされている。
本発明は、約3,000〜150,000の重量平均分子量を有し、ポリマー主鎖を約10〜90重量%と、対応する前記主鎖に結合されたマクロモノマー側鎖を約90〜10重量%含有するグラフトコポリマー、好ましくはアクリルグラフトコポリマーを含む、顔料分散剤としての使用に適する組成物であって、
(1)前記ポリマー主鎖が重合されたエチレン系不飽和モノマーから形成され、
(2)前記側鎖が単一の末端部で前記主鎖に結合されたマクロモノマーで、重合されたエチレン系不飽和モノマーから形成され、約1,000〜30,000の重量平均分子量を有し、
前記グラフトコポリマーが前記主鎖、前記側鎖またはその両方のいずれかにウレタン/尿素顔料定着基に結合されていることを特徴とする組成物を提供する。
ウレタン/尿素定着基は、好ましくは、主鎖、側鎖またはその両方の上で官能基と反応させることによりグラフトコポリマーに結合される。
好ましい実施形態において、グラフトコポリマーは、主鎖、側鎖またはその両方の中に重合される官能性ヒドロキシル基をグラフトコポリマーの全重量を基準にして約2〜70重量%含有する、重合されたエチレン系不飽和モノマーを含み、ここで、ヒドロキシル基は、少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と反応し、ポリイソシアネート化合物は、アンモニアまたは第一級アミンを有する化合物もしくは第二級アミンを有する化合物と更に反応して、グラフトコポリマー上にウレタン/尿素顔料定着基を形成する。ウレタン/尿素定着基という用語は、尿素官能基がウレタン連結を通してグラフトコポリマー構造に結合されることを意味する。
本発明は、本発明の顔料分散剤と、任意の数の市販顔料および適切な有機液キャリアとを組み合わせることにより形成された安定性で非凝集性の顔料分散液も提供する。これらの分散液は、溶媒性塗料、特に自動車ペイントにおいて特に有用である。ここで、分散液は、ペイントに均一色を付与し、同時に、顔料使用の改善された効率、より低いペイント粘度および揮発性有機溶媒の減少した放出を提供する。
本発明の新規顔料分散剤はウレタン/尿素官能基を有するグラフトコポリマーを含む。グラフトコポリマーは、マクロモノマーの存在下でエチレン系不飽和主鎖モノマーの共重合によって形成される。好ましくは唯一の末端エチレン系不飽和基を有するマクロモノマーはグラフトコポリマーの側鎖を形成し、最初に調製される。その後、マクロモノマーは、主鎖組成物のために選択されたエチレン系不飽和モノマーと共重合してグラフト構造を形成する。その後、ウレタン/尿素基は、主鎖、側鎖またはその両方の上の官能基と反応することによりコポリマーに結合される。
グラフトコポリマーは、ポリマー主鎖を約10〜90重量%、好ましくは約20〜80重量%と、対応する側鎖を約90〜10重量%、好ましくは約80〜20重量%含む。グラフトコポリマーは、約3,000〜150,000、好ましくは約10,000〜100,000の重量平均分子量を有する。グラフトコポリマーの側鎖は、約1,000〜30,000、好ましくは約2,000〜15,000の重量平均分子量を有するマクロモノマーから形成される。本明細書で記述されるすべての分子量は、ポリメチルメタクリレート標準を用いるGPC(ゲル透過クロマトグラフィ)によって決定される。
上で示したように、本発明において有用なマクロモノマーは、主鎖モノマーと重合してグラフトコポリマーを形成する単一末端エチレン系不飽和基を含む。マクロモノマーは、好ましくは、重合されたアクリルモノマーおよびメタクリルモノマーから形成される。最も好ましくは、マクロモノマーは、主としてメタクリル酸、そのエステルまたはこれらのモノマーの混合物の重合されたモノマーを含む。好ましいモノマーには、アルキルメタクリレート、脂環状メタクリレートおよびアリールメタクリレートが挙げられる。使用できる典型的なアルキルメタクリレートは、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、ペンチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ノニルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルメタクリレートおよびエトキシトリエチレングリコールメタクリレートなどのようにアルキル基中に1〜18個の炭素原子を有する。トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、t−ブチルシクロヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレートおよびイソボルニルメタクリレートなどの脂環状メタクリレートも用いることが可能である。ベンジルメタクリレートおよびフェニルメタクリレートなどのアリールメタクリレートも用いることが可能である。
マクロモノマーを形成するために、アクリル酸、アルキルアクリレート、脂環状アクリレートおよびアリールアクリレートなどの他のエチレン系不飽和モノマーも用いることが可能である。好ましいアルキルアクリレートは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、ノニルアクリレート、ラウリルアクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチルアクリレートおよび2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレートなどのようにアルキル基中に1〜18個の炭素原子を有する。シクロヘキシルアクリレート、トリメチルシクロヘキシルアクリレートおよびt−ブチルシクロヘキシルアクリレートなどの脂環状アクリレートを用いることが可能である。ベンジルアクリレートおよび2−フェノキシエチルアクリレートなどのアリールアクリレートも用いることが可能である。アクリルモノマーの他に、マクロモノマーを形成するために使用できる他の重合可能なモノマーには、スチレン、t−ブチルスチレンおよびビニルトルエンなどのビニル芳香族化合物が挙げられる。メタクリロニトリルモノマーおよびアクリロニトリルモノマーも用いることが可能である。
得られたマクロモノマーが、主鎖モノマーと重合してグラフトコポリマーを形成する末端エチレン系不飽和基を有するということを確実にするために、マクロモノマーは、マクロモノマー組成物のために選択されたエチレン系不飽和モノマーをCo+2基、Co+3基またはその両方の混合基を含む触媒コバルト連鎖移動剤の存在下で重合するフリーラジカル重合法によって最も簡便に調製される。マクロモノマーの重合は、従来の重合開始剤を用いて有機溶媒または溶媒ブレンド中で行われる。典型的には、マクロモノマーを調製するためのプロセスの第1の工程において、モノマーは不活性有機溶媒およびコバルト連鎖移動剤とブレンドされ、反応混合物の還流温度に加熱される。後続工程において、追加のモノマーおよびコバルト連鎖移動剤ならびに従来のアゾ型または過酸化物型重合開始剤が添加され、所望の分子量のマクロモノマーが形成されるまで還流状態で重合は続けられる。
好ましいコバルト連鎖移動剤は、ジャノウィズ(Janowicz)らによる米国特許公報(特許文献2)およびジャノウィズ(Janowicz)らによる米国特許公報(特許文献3)に記載されている。これらの特許は本明細書に全体的に引用して援用する。最も好ましいコバルト連鎖移動剤は、ペンタシアノコバルテート(II)、ジアクアビス(ボロンジフルオロジメチルグリオキシマト)コバルテート(II)およびジアクアビス(ボロンジフルオロフェニルグリオキシマト)コバルテート(II)である。典型的には、これらの連鎖移動剤は、重合される特定のモノマーおよび所望の分子量に応じてモノマーの全重量を基準にして約2〜5000ppmの濃度で用いられる。こうした濃度で用いることにより、所望の分子量を有するマクロモノマーを簡便に調製することが可能である。
マクロモノマーが上述したように形成された後、溶媒は任意に除去され、主鎖モノマーは、追加の溶媒および重合開始剤に加えてマクロモノマーに添加されて、従来のフリーラジカル重合によってグラフトコポリマー構造を調製する。主鎖モノマーは、上述したような従来のアゾ型または過酸化物型開始剤のいずれかおよび有機溶媒を用いてマクロモノマーの単一末端不飽和基を介してマクロモノマーと共重合する。重合は、一般に、所望の分子量を有するグラフトコポリマーが形成されるまで反応混合物の還流温度で続けられる。主鎖は、マクロモノマーに似て、重合されたエチレン系不飽和モノマーから形成され、マクロモノマー中で用いるために上述したモノマーのどれも主鎖中で用いてもよい。好ましくは、主鎖は重合されたアクリルモノマーおよびメタクリルモノマー、特に上述したような重合されたアクリル酸、アルキルアクリレート、脂環状アクリレートおよびアリールアクリレートモノマーから主として形成される。好ましい他のモノマーには、上述したようなメタクリル酸、アルキルメタクリレート、脂環状メタクリレートまたはアリールメタクリレートモノマーが挙げられる。上述したようなビニル芳香族化合物およびアクリロニトリルモノマーも用いることが可能である。
マクロモノマーとグラフトポリマーの両方を形成するために使用してもよい典型的な重合開始剤は、溶媒およびモノマー混合物の溶液中で溶解性を有するとともに重合の温度で適切な半減期を有する限り、市販されているペルオキシ開始剤またはアゾ開始剤のいずれかである。本明細書で用いられる「適切な半減期」は約10分〜4時間である。2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(メチルブチロニトリル)および1,1’−アゾビス(シアノシクロヘキサン)などのアゾ型開始剤は最も好ましい。ペルオキシ系開始剤の例は、過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルパーオクテートであり、マクロモノマーのための反応条件下で連鎖移動剤と不都合に反応しない限り、それらを用いてもよい。
マクロモノマーとグラフトコポリマーの両方を形成するために用いてもよい典型的な溶媒は、メタノール、エタノール、n−プロパノールおよびイソプロパノールなどのアルコール、アセトン、ブタノン、ペンタノン、ヘキサノンおよびメチルエチルケトンなどのケトン、酢酸エチル、酢酸ブチルおよび酢酸アミルなどの酢酸、プロピオン酸および酪酸のアルキルエステル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル;、セロソルブおよびカルビトールなどのエチレングリコールおよびポリエチレングリコールモノアルキルおよびジアルキルエーテルなどのエーテル、ならびにエチレングリコールおよびプロピレングリコールなどのグリコールおよびその混合物である。アルコールなどの活性水素を有する溶媒がマクロモノマーまたはグラフトコポリマーの合成において用いられる場合、上に顔料定着基を形成するために用いられる後続化学品を妨げることを避けるために溶媒を系から除去する必要がある。これは、ストリッピングを通して容易に実行することが可能である。
本発明のグラフトコポリマーは、主鎖またはマクロモノマー側鎖のいずれかまたは両方に結合された極性ウレタン/尿素顔料定着基も含む。好ましくは、顔料定着基はグラフトコポリマーの主鎖上に集中する。本発明において用いられる顔料定着基はウレタン連結を介してグラフトコポリマーに結合された尿素基であり、それは本明細書でウレタン/尿素基とも呼ばれる。この結合化学はきれいであり、用いるのが極めて容易であり、それが本発明の主要な利点である。
ウレタン/尿素顔料定着基は、好ましくは、グラフトコポリマーの合成中にグラフトコポリマー構造の主鎖または側鎖またはその両方の中に官能性ヒドロキシル基を作り、その後、グラフトコポリマー構造中に作られたヒドロキシル官能基を少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物と反応させ、イソシアネート化合物をアンモニアまたは第一級アミンもしくは第二級アミンを含む化合物と更に反応させて、ウレタン連結を通してグラフトコポリマーに結合されたグラフトコポリマー構造上に少なくとも1個の尿素基を形成することにより付加される。
ヒドロキシル官能基は、マクロモノマー、主鎖またはその両方の重合中に適するエチレン系不飽和ヒドロキシル官能性モノマーを付加することによりグラフトコポリマー構造中に作ることが可能である。第一級ヒドロキシル基もしくは第二級ヒドロキシル基またはこれらのモノマーの混合物を含むヒドロキシル官能性モノマーが一般に用いられる。第一級ヒドロキシル基は、より速い反応のためにイソシアネート基に向けた比較的より高い反応性を有する。第二級ヒドロキシル基はイソシアネート基との反応がより遅いが、より多い制御を提供する。従って、ヒドロキシル基のタイプおよびヒドロキシル基の相対量は、反応性と制御の所望の程度に応じて場合により異なる。こうしたヒドロキシル基を含む好ましいモノマーは、アルキル基中に1〜10個、好ましくは1〜4個の炭素原子を有するヒドロキシアルキルアクリレートおよびメタクリレートである。第一級ヒドロキシル基を含むモノマーの例には、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、3−ヒドロキシプロピルアクリレート、3−ヒドロキシプロピルメタクリレート,4−ヒドロキシブチルアクリレートおよび4−ヒドロキシブチルメタクリレートなどが挙げられる。第二級ヒドロキシル基を含むモノマーの例には、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレートおよび2−ヒドロキシブチルメタクリレートなどが挙げられる。
ヒドロキシル官能性モノマーの必要とされる量も特定の最終使用用途のために必要な顔料定着の所望の程度に応じて場合により異なる。一般に、グラフトコポリマー中に顔料定着基を形成するために用いられるヒドロキシル官能性モノマーの濃度は、グラフトコポリマーに適切な顔料定着基を付与するために、グラフトコポリマーの全重量を基準にして少なくとも約1重量%であるのがよい。より低い濃度で、特により極性の溶媒中で凝集を避けるために顔料との十分な相互作用がない場合がある。顔料定着基を形成するために用いられるこれらのモノマーの好ましい濃度は、グラフトコポリマーの全重量を基準にして約2〜約70重量%、より好ましくは約5〜20重量%である。
主鎖、側鎖またはその両方の中に一旦作られた上述した官能性ヒドロキシル基は、それから、分子当たり少なくとも2個のイソシアネート基を平均基準で有するポリイソシアネート化合物と後で反応して、グラフトコポリマー上にウレタン連結を形成する。この反応中に多少の架橋が起きて、ほんの僅かのより高い分子量のポリマーを生成させうるが、反応条件は、好ましくは架橋反応が最少化され、少なくとも1個の未反応イソシアネート基がグラフトコポリマー中に残るように選択される。反応条件は、ヒドロキシル基の一部が塗料中の架橋反応に関して未反応または自由なまま残るように以下で更に記載されるように選択してもよい。前述した反応において用いられるポリイソシアネートは好ましくは有機ポリイソシアネートである。これらは、適するあらゆる脂肪族ポリイソシアネート、脂環状ポリイソシアネートまたは芳香族ポリイソシアネートであることが可能である。トリイソシアネートなどのより高級のポリイソシアネートも用いることが可能であるけれども、ジイソシアネートが一般に好ましい。イソシアネート基間で反応性が異なるイソシアネート化合物は最も好ましい。
適する脂肪族ジイソシアネートの例は、1,4−テトラメチレンジイソシアネートおよび1,6−ヘキサメチレンジイソシアネートなどの直鎖脂肪族ジイソシアネートである。脂環状ジイソシアネートも用いることが可能である。例には、イソホロンジイソシアネートおよび4,4’−メチレン−ビス−(シクロヘキシルイソシアネート)などが挙げられる。適する芳香族ジイソシアネートの例は、p−フェニレンジイソシアネート、メチレンジフェニルジイソシアネート、高分子メチレンジフェニルジイソシアネートおよび2,4−または2,6−トルエンジイソシアネートなどである。トリイソシアネートなどの幾つかのより高級なポリイソシアネートの例は、メチレントリフェニルトリイソシアネート、1,3,5−ベンゼントリイソシアネートおよび2,4,6−トルエントリイソシアネートなどである。イソシアネートプレポリマーなどの他のより高級なポリイソシアネートも用いることが可能である。これらは、有機ポリイソシアネートとポリオールから形成される。プレポリマーを形成するために、前述したポリイソシアネートのどれもポリオールと合わせて用いることが可能である。ポリオールたとえばトリメチロールプロパンあるいはトリメチロールエタンのようなトリメチロールアルカンを用いることが可能である。ポリカプロラクトンジオールおよびトリオールなどの高分子ポリオールも用いることが可能である。2,4−トルエンジイソシアネートなどの芳香族ジイソシアネートは一般に最も好ましい。
ヒドロキシル基とイソシアネート基との間の反応を最適化するために、触媒も好ましくはこの反応中に用いられる。典型的に有用な触媒は、ブチル錫ジラウレートなどのアルキル錫ラウレート、ジブチル錫ジアセテートおよびトリエチレンジアミンなどの第三アミンなどである。
定着基の形成を完成させるために、グラフトコポリマー上に残る未反応イソシアネート末端基は、その後、アンモニアまたは第一級アミン含有化合物もしくは第二級アミン含有化合物と反応して、すなわち、キャップされて、側鎖ウレタン/尿素定着基をグラフトコポリマーに与える。反応条件は、好ましくは、残りの未反応イソシアネート基の100%が反応するか、または100%近くが合理的に達成でき、分散剤分子中に未反応イソシアネート基が本質的に残らないように選択される。
尿素定着基を形成するために有用である第一級アミンの例は、芳香族アミン、脂肪族アミンおよび複素環を含む第一級アミンである。第一級アミンは置換されてなくてもよいか、または例えば、ヒドロキシ、エステル、アクリルオキシ、アミド、ニトリル、ハロゲン、ハロアルキルおよびアルコキシなどの置換基を含んでもよい。使用できる芳香族アミンには、N−ベンジルアミン、フェネチルアミン、4−フェニルブチルアミンおよび2,2−ジフェニルエチルアミンなどが挙げられる。プロピルアミン、ブチルアミン、アミノエタノール、2−アミノ−1−ブタノールおよびN,N−ジメチルアミノプロピルアミンなどの脂肪族アミンも用いることが可能である。複素環を含む第一級アミンは、複素環と顔料表面との間の追加の相互作用が分散液安定性を更に強化しうるので有利に用いることも可能である。複素環は、環の一部として1つまたは複数の窒素原子および任意に酸素原子および/または硫黄原子を含む単核性または二核性の5〜7員環であることが可能である。有用な例には、4−(アミノエチル)モルホリン、2−(2−アミノエチル)−1−メチルピロリジン、1−(2−アミノエチル)ピロリジン、2−(2−アミノエチル)ピリジン、1−(2−アミノエチル)ピペラジン、1−(2−アミノエチル)ピペリジン、1−(3−アミノプロピル)イミダゾール、4−(3−アミノプロピル)モルホリン、1−(3−アミノプロピル)−2−ピペコリンおよび1−(3−アミノプロピル)−2−ピロリジノンなどが挙げられる。ヘテロ環式イミダゾール基を含む第一級アミンが特に好ましい。
尿素定着基を形成するために有用である第二級アミンの例は、芳香族アミン、脂肪族アミンおよび複素環を含む第二級アミンである。第二級アミンは置換されてなくてもよいか、または例えば、ヒドロキシ、エステル、アクリルオキシ、アミド、ニトリル、ハロゲン、ハロアルキルおよびアルコキシなどの置換基を含んでもよい。好ましい第二級芳香族アミンには、N−ベンジルメチルアミン、N−ベンジルエタノールアミンおよびN,N−ジベンジルアミンなどが挙げられる。N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジブチルアミンおよびN,N−ジエタノールアミンなどの脂肪族アミンも用いることが可能である。複素環を含む第二級アミンも有利に用いることが可能である。複素環は、環の一部として1つまたは複数の窒素原子および任意に酸素原子および/または硫黄原子を含む単核性または二核性の5〜7員環であることが可能である。有用な例には、2−(2−メチルアミノエチル)ピリジン、1−フェニルピペラジン、1−ベンジルピペラジンおよび3−(3−ピリジルメチルアミン)プロピオニトリルなどが挙げられる。
ウレタン/尿素定着基を形成するために好ましいプロセスにおいて、上述したグラフトコポリマーが形成された後、水を含む活性水素を有するすべての溶媒は、グラフトコポリマー上のヒドロキシル基とポリイソシアネートとの間の反応を妨げないように除去する必要がある。これはストリッピングによって容易に実行することが可能であり、トルエン/水混合物などの溶媒と水の共沸混合物は、この目的のために有利に用いることが可能である。その後、ポリイソシアネートおよび追加の不活性溶媒はポリマー溶液に添加され、所望のイソシアネート基のすべてが反応するまで反応は続けられ、その後、アンモニアガスがポリマー溶液に通されるか、あるいは第一級アミンもしくは第二級アミンを有する化合物がポリマー溶液に添加され、残りの未反応イソシアネート基のすべてが反応するまで反応は続けられ、側鎖尿素定着基が形成される。こうした尿素定着基をグラフトコポリマーに導入するもう一つのアプローチは、最初にポリイソシアネート化合物を第一級アミンもしくは第二級アミンと反応させ、その後、反応生成物を主鎖、側鎖またはその両方の上のヒドロキシル官能基と反応させることである。
上述したウレタン/尿素顔料定着基に加えて、グラフトコポリマーは選択された定着セグメント中に1つまたは複数の追加の定着基も含んでよい。上述したウレタン/尿素定着基と合わせてうまく働く特に有用な定着基は非環状または環状アミド基である。これらの定着基は、非環状または環状アミド官能基を含むエチレン系不飽和モノマーをその重合中に所望のセグメントの中に共重合させることにより得ることが可能であり、好ましくは得られる。アクリルモノマー、メタクリルモノマーおよび他のビニルアミドモノマーは一般に好ましい。
非環状アミド基を導入するために使用できるモノマーの有用な例には、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、N−オクチルメタクリルアミド、N−ドデシルメタクリルアミド、N−(イソブトキシメチル)メタクリルアミド、N−フェニルメタクリルアミド、N−ベンジルメタクリルアミドおよびN,N−ジメチルメタクリルアミドなどのメタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−t−ブチルアクリルアミド、N−(イソブトキシメチル)アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミドおよびN,N−ジブチルアクリルアミドなどのアクリルアミドが挙げられる。環状アミド基を導入するために使用できる他のモノマーには、環状アミド基を有するメタクリルモノマー、アクリルモノマーおよび他のビニルモノマー、特にN−ビニル−2−ピロリジノンなどが挙げられる。N−ビニルカプロラクタムも用いることが可能である。一般に、グラフトコポリマーは、コポリマーの全重量を基準にして20重量%までのこうしたアミド官能性モノマーを含んでもよい。
上述した定着基に加えて、グラフトコポリマーは、ペイント組成物中に存在する膜形成性成分であって、次には分散剤が最終網目の永久部分になることを可能にする膜形成性成分と反応する未反応ヒドロキシル基を含むエチレン系不飽和モノマーをグラフトコポリマーの全重量を基準にして約30重量%まで含んでよく、好ましくは含む。この構造は膜粘着力を強化し、ペイント全般の全体的な機械的特性を改善し、分散剤が未反応成分として残った場合に起きうるような、老化による膜の劣化または離層を防ぐ。未反応ヒドロキシル基は、例えば、主鎖またはマクロモノマー腕またはその両方に配置してもよく、ヒドロキシル基の一部のみをウレタン/尿素定着基に転化することにより得てもよい。
本発明の特に有用なグラフトコポリマーを以下で示した実施例において例示する。
特定のいかなる理論によっても拘束されることを望まないが、これらのグラフトコポリマーは、顔料分散剤として使用される時、顔料粒子を取り巻くポリマーの層であって、顔料粒子の立体安定化をもたらすために周囲の有機溶媒媒体に可溶性であるとともに周囲の有機溶媒媒体に広がる離散部分を有する層上に定着し、層を形成させることにより働くことが考えられる。そして、顔料粒子は、分散剤ポリマーと顔料表面との間で不十分な相互作用がなければ、凝集するのに互いに十分接近することにならない。本明細書で用いられる顔料定着基は、遙かにより広い範囲の顔料と効果的に相互作用することが見出され、それは本発明のグラフトコポリマーが広い範囲の顔料によって選択的に吸着され、顔料表面上で吸着のために競争しうるペイント系中に存在する極性溶媒または他の極性官能基によって顔料表面から外されないことを可能にする。安定性で非凝集性の分散液またはミルベースは、本発明のグラフトコポリマーからこうして容易に形成することが可能である。
顔料分散液またはミルベースを形成するために、顔料は、典型的には、通常の有機溶媒またはブレンド中でグラフトコポリマーに添加され、高速混合、ボールミル粉砕、サンドグラインディング、磨砕機ガイディングまたは2ロールミリングもしくは3ロールミリングなどの従来の技術を用いて分散される。グラフトコポリマー分散剤の量は顔料粒子の表面積を覆うのに十分である必要がある。一般に、得られた顔料分散液は約2/100〜200/100の分散剤対顔料の重量比を有する。
顔料分散液を形成するために、ペイント中で用いられる従来の顔料のどれも用いることが可能である。適する顔料の例には、二酸化チタン、種々の色の酸化鉄、酸化亜鉛などの金属酸化物、カーボンブラック;、タルク、カオリン、バライト粉、カーボネートおよびシリケートなどの充填剤顔料、キナクドリン、フタロシアニン、ペリレン、アゾ顔料などの様々な有機顔料、カルバゾールバイオレット、イソインドリノン、イソインドロン、チオインジゴ(thioindigio)レッドおよびベンズイミダゾリノンなどのインダントロンカルバゾールおよびアルミニウムフレークおよび真珠光沢フレークなどの金属フレークなどが挙げられる。
酸化防止剤、流れ調整剤、UV安定剤、光クエンチャー、光吸収剤、ならびにヒュームドシリカおよびミクロゲルなどのレオロジー調整剤などの他の任意の原料を顔料分散液に添加することが望ましい場合がある。アクリル樹脂、アクリロウレタン、ポリエステルウレタン、ポリエステル、アルキドおよびポリエーテルなどの他の膜形成性ポリマーを添加することも可能である。
本発明の顔料分散液は、クリアコート/ベースコート仕上げのモノコートもしくはベースコートであってもよいプライマー、プライマー表面、トップコートなどの様々な溶媒性塗料組成物またはペイント組成物に添加することが可能である。これらの組成物は、ヒドロキシ官能性アクリル樹脂およびポリエステル樹脂などの膜形成性結合剤ポリマーおよび遮断イソシアネート、アルキル化メラミン、ポリイソシアネートおよびエポキシ樹脂などの架橋剤を含んでもよい。好ましくは、グラフトコポリマーは、塗料組成物が硬化すると他の膜形成性成分と反応するとともに最終膜網目の一部となる官能基を含む。また、グラフトコポリマーが優れた分散剤であるので、ポリマー対顔料の比または分散させるために用いられるポリマーは、従来の分散剤で用いられたより少ない。さらに、本発明のグラフトポリマーは、本明細書で得られた分散液の改善されたレオロジー(すなわち、より低い粘度)のゆえに、塗料の膜特性を改善する塗料のためのより高い分子量の結合剤ポリマーの使用を可能とする。最後に、本明細書で用いられる尿素定着基のタイプが使用するのにより容易でより簡便であるので、遙かにより強力な分散剤を形成させることが可能である。
以下の実施例は本発明を例示する。すべての部および百分率は特に指示がない限り重量基準である。すべての分子量は、ポリメチルメタクリレート標準を用いて(GPC)ゲル透過クロマトグラフィによって決定される。Mnは数平均分子量を表し、Mwは重量平均分子量を表す。すべての粘度測定は、ガードナー−ホルツスケールを用いて報告する。
マクロモノマーを調製し、グラフトコポリマー分散剤中に配合し、その後、これらの高分子分散剤を顔料分散液中に配合し、顔料分散液の性能を評価した。
(実施例1)
(BMA/MMAマクロモノマー、50/50重量%の調製)
この実施例は、本発明のグラフトコポリマーを形成するために使用できるマクロモノマーの調製を例示している。温度計、スターラー、添加漏斗、加熱マントル、還流凝縮器および反応物上で窒素シールを維持するための手段を12リットルのフラスコに装着した。フラスコを窒素正圧下で保持し、以下の原料を用いた。
Figure 2005528490
部分1の混合物をフラスコに投入し、混合物を還流温度に加熱し、約20分にわたり還流させた。その後、部分2の溶液を5分にわたりフラスコに添加し、反応混合物を10分間還流させた。その後、反応混合物を還流温度で保持しつつ部分3を5分にわたり添加した。その後、添加の過程全体を通して反応混合物を還流温度で保持しつつ部分4および部分5を240分にわたり同時に反応器にフィードした。還流をさらに2時間続け、溶液を室温に冷却し、完成させた(filled out)。得られたマクロモノマー溶液は淡黄色透明ポリマー溶液であり、約62.0%の固形物含有率を有していた。マクロモノマーは、5,288のMwおよび3,367のMnを有していた。
(実施例2)
(主鎖上にウレタン/尿素基を有するグラフトコポリマーの調製)
この実施例は、上で調製されたマクロモノマーからの、主鎖上にウレタン/尿素基を含む本発明のグラフトコポリマー、特に12.87/5.51(7.38/0.72)//37.76/37.76重量%のメチルアクリレート−co−ヒドロキシプロピルアクリレート(トルエン2,4−ジイソシアネート/アンモニア)−g−ブチルメタクリレート−co−メチルメタクリレートの調製を示している。
2リットルのフラスコに実施例1のように装着した。フラスコを窒素正圧下で保持し、以下の原料を用いた。
Figure 2005528490
部分1の混合物をフラスコに投入し、混合物を還流温度に加熱し、約10分間還流させた。反応混合物を還流温度で保持しつつ部分2および3を3時間にわたり同時に添加した。反応混合物をもう1時間還流させた。冷却後、サンプルをGPCによって分析した。グラフトコポリマーは13,300のMwおよび6,067のMnを有していた。部分4を添加し、水/酢酸エチル共沸混合物の50gを蒸留除去した。部分5を添加し、混合物を約2時間にわたり還流させた。NCO基の約50%がポリマー上のヒドロキシル基と反応することを確実にするためにNCO含有率を分析した。反応混合物を還流温度より下に冷却した。IRにより残りのNCO基が尿素基に転化されるまで反応混合物を通して部分6を泡立たせた。部分7を添加し、揮発性溶媒の440gを蒸留除去した。部分8を添加した。冷却後、ポリマー溶液を完成させて、50.3%の乳白ポリマー溶液を生じさせた。このグラフトコポリマーは、主鎖中にメチルアクリレートとヒドロキシプロピルアクリレートのコポリマー(トルエン2,4−ジイソシアネート/アンモニア付加体に結合されたもの)および腕中にブチルメタクリレートとメチルメタクリレートのランダムコポリマーを含む。グラフトコポリマーは22,770のMwおよび7,144のMnならびにSのガードナー−ホルツ粘度を有していた。
(実施例3)
(主鎖上にウレタン/尿素基を有するグラフトコポリマーの調製)
この実施例は、上で調製されたマクロモノマーからの、主鎖上にウレタン/尿素基を含む本発明のグラフトコポリマー、特に16.54/9.19(7.38/0.72)//33.08/33.08重量%のブチルアクリレート−co−ヒドロキシプロピルアクリレート(トルエン2,4−ジイソシアネート/アンモニア)−g−ブチルメタクリレート−co−メチルメタクリレートの調製を示している。
2リットルのフラスコに実施例1のように装着した。フラスコを窒素正圧下で保持し、以下の原料を用いた。
Figure 2005528490
実施例2の手順を繰り返した。プレポリマー(トルエン2,4−ジイソシアネートとの反応前)は14,124のMwおよび6,892のMnを有していた。最終冷却後、ポリマー溶液を完成させて、51.1%の乳白ポリマー溶液を生じさせた。このグラフトコポリマーは、主鎖中にブチルアクリレートとヒドロキシプロピルアクリレートのコポリマー(約60%をトルエン2,4−ジイソシアネート/アンモニア付加体に結合させたもの)および腕中にブチルメタクリレートとメチルメタクリレートのランダムコポリマーを含む。また、ヒドロキシル基の約40%は塗料における架橋反応のため自由なままであった。グラフトコポリマーは33,248のMwおよび88,701のMnならびにWのガードナー−ホルツ粘度を有していた。
(実施例4)
(主鎖上にウレタン/尿素基を有するグラフトコポリマーの調製)
この実施例は、上で調製されたマクロモノマーからの、主鎖上にウレタン/尿素基を含む本発明のグラフトコポリマー、特に12.57/8.98(7.21/3.03)//34.11/34.11重量%のメチルアクリレート−co−ヒドロキシプロピルアクリレート(トルエン2,4−ジイソシアネート/N−ブチルアミン)−g−ブチルメタクリレート−co−メチルメタクリレートの調製を示している。
2リットルのフラスコに実施例1のように装着した。フラスコを窒素正圧下で保持し、以下の原料を用いた。
Figure 2005528490
反応が発熱であったので、実施例2のように反応混合物を通して泡立てる代わりに添加漏斗を通して部分6を非常にゆっくり添加したことを除き実施例2の手順を繰り返した。プレポリマー(トルエン2,4−ジイソシアネートとの反応前)は17,529のMwおよび7,269のMnを有していた。最終冷却後、ポリマー溶液を完成させて、53.2%の乳白ポリマー溶液を生じさせた。このグラフトコポリマーは、主鎖中にメチルアクリレートとヒドロキシプロピルアクリレートのコポリマー(トルエン2,4−ジイソシアネート/N−ブチルアミン付加体に結合されたもの)および腕中にブチルメタクリレートとメチルメタクリレートのランダムコポリマーを含む。最終グラフトコポリマーは45,717のMwおよび10,273のMnを有していた。最終的に冷却すると、グラフトコポリマー溶液は極めて粘性およびワックス様になった。
(実施例5)
(主鎖上にウレタン/尿素基を有するグラフトコポリマーの調製)
この実施例は、上で調製されたマクロモノマーからの、主鎖上にウレタン/尿素基を含む本発明のグラフトコポリマー、特に14.24/5.34(10.22/0.78)//34.71/34.71重量%のメチルアクリレート−co−2−ヒドロキシエチルアクリレート(イソホロンジイソシアネート/アンモニア)−g−ブチルメタクリレート−co−メチルメタクリレートの調製を示している。
2リットルのフラスコに実施例1のように装着した。フラスコを窒素正圧下で保持し、以下の原料を用いた。
Figure 2005528490
実施例2の手順を繰り返した。プレポリマー(イソホロンジイソシアネートとの反応前)は15,935のMwおよび6,941のMnを有していた。最終冷却後、ポリマー溶液を完成させて、51.7%の乳白ポリマー溶液を生じさせた。このグラフトコポリマーは、主鎖中にメチルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー(イソホロンジイソシアネート/アンモニア付加体に結合されたもの)および腕中にブチルメタクリレートとメチルメタクリレートのランダムコポリマーを含む。グラフトコポリマーは37,182のMwおよび9,022のMnならびにWのガードナー−ホルツ粘度を有していた。
(実施例6)
(主鎖上にウレタン/尿素基を有するグラフトコポリマーの調製)
この実施例は、上で調製されたマクロモノマーからの、主鎖上にウレタン/尿素基を含む本発明のグラフトコポリマー、特に21.84/5.46(8.19/0.80)//31.85/31.85重量%のブチルアクリレート−co−2−ヒドロキシエチルアクリレート(トルエン2,4−ジイソシアネート/アンモニア)−g−ブチルメタクリレート−co−メチルメタクリレートの調製を示している。
2リットルのフラスコに実施例1のように装着した。フラスコを窒素正圧下で保持し、以下の原料を用いた。
Figure 2005528490
実施例2の手順を繰り返した。プレポリマー(トルエン2,4−ジイソシアネートとの反応前)は15,693のMwおよび7,030のMnを有していた。最終冷却後、ポリマー溶液を完成させて、51.0%の乳白ポリマー溶液を生じさせた。このグラフトコポリマーは、主鎖中にブチルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートのコポリマー(トルエン2,4−ジイソシアネート/アンモニア付加体に結合されたもの)および腕中にブチルメタクリレートとメチルメタクリレートのランダムコポリマーを含む。グラフトコポリマーは33,787のMwおよび8,557のMnならびにWのガードナー−ホルツ粘度を有していた。
(実施例7)
(主鎖上にウレタン/尿素基を有するグラフトコポリマーの調製)
この実施例は、上で調製されたマクロモノマーからの、主鎖上にウレタン/尿素基を含む本発明のグラフトコポリマー、特に12.30/8.79(7.06/5.07)//33.39/33.39重量%のメチルアクリレート−co−ヒドロキシプロピルアクリレート(トルエン2,4−ジイソシアネート/1−(3−アミノプロピル)イミダゾール)−g−ブチルメタクリレート−co−メチルメタクリレートの調製を示している。
2リットルのフラスコに実施例1のように装着した。フラスコを窒素正圧下で保持し、以下の原料を用いた。
Figure 2005528490
反応が発熱であったので、実施例2のように反応混合物を通して泡立てる代わりに添加漏斗を通して部分6を非常にゆっくり添加したことを除き実施例2の手順を繰り返した。部分7を添加した後、揮発性溶媒の260gのみを蒸留除去した。プレポリマー(トルエン2,4−ジイソシアネートとの反応前)は21,503のMwおよび8,142のMnを有していた。最終冷却後、ポリマー溶液を完成させて、51.2%の乳白ポリマー溶液を生じさせた。このグラフトコポリマーは、主鎖中にメチルアクリレートとヒドロキシプロピルアクリレートのコポリマー(約60%をトルエン2,4−ジイソシアネート/1−(3−アミノプロピル)イミダゾール付加体に結合されたもの)および腕中にブチルメタクリレートとメチルメタクリレートのランダムコポリマーを含む。重合されたヒドロキシプロピルアクリレートの約40%は塗料における架橋反応のため自由なままであった。グラフトコポリマーは85,601のMwおよび7,364のMnならびにXのガードナー−ホルツ粘度を有していた。
(実施例8)
(主鎖上にウレタン/尿素基と環状アミド基の両方を有するグラフトコポリマーの調製)
この実施例は、上で調製されたマクロモノマーからの、主鎖上にウレタン/尿素基および環状アミド基を含む本発明のグラフトコポリマー、特に5.51/9.19(9.19(7.38/0.72)//34.00/34.00重量%の1−ビニル−2−ピロリジノン−co−メチルアクリレート−co−ヒドロキシプロピルアクリレート(トルエン2,4−ジイソシアネート/アンモニア)−g−ブチルメタクリレート−co−メチルメタクリレートの調製を示している。
2リットルのフラスコに実施例1のように装着した。フラスコを窒素正圧下で保持し、以下の原料を用いた。
Figure 2005528490
部分7を添加した後、揮発性溶媒の260gのみを蒸留除去したことを除き実施例2の手順を繰り返した。プレポリマー(トルエン2,4−ジイソシアネートとの反応前)は24,403のMwおよび8,192のMnを有していた。最終冷却後、ポリマー溶液を完成させて、51.7%の乳白ポリマー溶液を生じさせた。このグラフトコポリマーは、主鎖中に1−ビニル−2−ピロリジノン、メチルアクリレートおよびヒドロキシプロピルアクリレートのコポリマー(約60%をトルエン2,4−ジイソシアネート/アンモニア付加体に結合させたもの)および腕中にブチルメタクリレートとメチルメタクリレートのランダムコポリマーを含む。重合されたヒドロキシプロピルアクリレートの約40%は塗料における架橋反応のため自由なままであった。グラフトコポリマーは109,549のMwおよび12,270のMnならびにWのガードナー−ホルツ粘度を有していた。
(比較例1)
これは、特に以下の原料を用いるマクロモノマーからの、比較の目的で特定の顔料定着基を含まないグラフトコポリマー、17/8//37.5/37.5重量%のメチルアクリレート−co−2−ヒドロキシエチルアクリレート−g−ブチルメタクリレート−co−メチルメタクリレートの調製を示している。
Figure 2005528490
実施例2のプレポリマー(トルエン2,4−ジイソシアネートとの反応前)の手順を繰り返して、49.1%の透明ポリマー溶液を生じさせた。このグラフトコポリマーは、主鎖中にメチルアクリレートと2−ヒドロキシエチルアクリレートのコポリマーおよび腕中にブチルメタクリレートとメチルメタクリレートのランダムコポリマーを含む。グラフトコポリマーは52,927のMwおよび12,000のMnならびにPのガードナー−ホルツ粘度を有していた。
(実施例9)
(分散剤特性の評価)
顔料、溶媒および分散剤の混合物をサンドグラインディングし、「オリンパス(Olympus)」顕微鏡40×下で分散液品質を観察することにより分散剤の有効性を決定した。よく分散した系は均一な外観を有し、顔料粒子は激しいブラウン運動を示した。それに反して、凝集した系は比較的透明な溶媒の領域で散在した凝集顔料チャンクの島を有していた。
以下の手順によって分散液サンプルを調製した。15グラムの砂、20グラムのブチルアクリレート、2グラムの顔料および1グラムのグラフトコポリマー分散剤溶液を2オンスのガラス瓶に添加した。瓶を密封し、「レッド・デビル(Red Devil)」プラントシェーカーで15分間攪拌した。
Figure 2005528490
1.「イラジン(Irazin)」DDP Red BO(デラウェア州ニュポートのチバ・ガイギー・コープ・ピグメント・ディビジョン(Ciba−Geigy Corp.,Pigment Div.)
2.「ラベン(Raven)」5000カーボンブラック(ジョージア州アトランタのコロンビアン・ケミカルズ(Columbian Chemicals Co.)
3.二酸化チタンR706(本願特許出願人)
4.「サンファスト(Sunfast)」グリーン7(オハイオ州シンシナチのSun Chemical Co.)
5.「エンドロフタル(Endurophthal)」ブルーBT−617D(ロードアイランド州コベントリーのクラリアント)
6.「イルガジン(Irgazin)」ブルーATC(デラウェア州ニュポートのチバ・ガイギー・コープ・ピグメント・ディビジョン(Ciba−Geigy Corp.,Pigment Div.)
7.「マゼンタ(Magenta)」RT−355D(デラウェア州ニュポートのチバ・ガイギー・コープ・ピグメント・ディビジョン(Ciba−Geigy Corp.,Pigment Div.)
8.「ペリレン(Perylene)」マロンR−6436(ペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer Corp.)
9.「シコトランス(Sicotrans)」レッド(ニュージャージー州マウントオリーブのバスフ・カララント・ディビジョン(BASF Corp.,Colorant Division)
10.「ホスタパン(Hostaperm)」イエローH−3G(ロードアイランド州コベントリーのクラリアント(Clariant Corp.)
11.「イルガカラー(Irgacolor)」イエロー(デラウェア州ニュポートのチバ・ガイギー・コープ・ピグメント・ディビジョン(Ciba−Geigy Corp.,Pigment Div.)
12.「イルガジン(Irgazin)」ブルーX−3367(デラウェア州ニュポートのチバ・ガイギー・コープ・ピグメント・ディビジョン(Ciba−Geigy Corp.,Pigment Div.)
13.「バイオレット」RT−101D(デラウェア州ニュポートのチバ・ガイギー・コープ・ピグメント・ディビジョン(Ciba−Geigy Corp.,Pigment Div.)
14.「バイフェロックス(Bayferrox)」3920(ペンシルバニア州ピッツバーグのバイエル(Bayer Corp.)
15.「モナストラル(Monastral」マゼンタRT−143D(デラウェア州ニューポートのチバ・ガイギー・コープ・ピグメント・ディビジョン(Ciba−Geigy Corp.,Pigment Div.)
これらの試験結果に基づいて、グラフト構造およびヒドロキシル基などの極性基は比較例1のようにポリマーに多少の分散力を提供した。しかし、顔料定着基が安定化基からセグメント化されているグラフト構造であって、本発明の顔料定着基としてウレタンおよび尿素官能基を有するグラフト構造を有する分散剤は、より広い範囲の顔料タイプのために遙かにより効果的である。
本発明の組成物の成分の種々の修正、変更、追加または取替は、本発明の精神および範囲から逸脱せずに当業者に対して明らかであろう。本発明は、本発明に本明細書に記載された例証的実施形態によって限定されず、そうでなく以下の特許請求の範囲によって定義される。

Claims (23)

  1. ポリマー主鎖および前記主鎖に結合されたマクロモノマー側鎖を有するグラフトコポリマーを含む、顔料分散剤としての使用に適する組成物であって、
    (1)前記ポリマー主鎖が重合されたエチレン系不飽和モノマーから本質的になり、
    (2)前記側鎖が単一の末端部で前記主鎖に結合されたマクロモノマーで、重合されたエチレン系不飽和モノマーから本質的になり、
    前記グラフトコポリマーが前記主鎖、前記側鎖またはその両方のいずれかに顔料定着基としてウレタン/尿素基に結合されていることを特徴とする組成物。
  2. 前記グラフトコポリマーが主として重合されたアクリルモノマーおよび/またはメタクリルモノマーから形成されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. エチレン系不飽和ヒドロキシル官能性モノマーを前記主鎖、前記側鎖またはその両方のいずれかの中に共重合させ、その後、前記コポリマー中に作られたヒドロキシル基を少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と反応させ、更に前記ポリイソシアネート化合物とアンモニアまたは第一級アミン含有化合物もしくは第二級アミン含有化合物とを反応させることにより前記顔料定着基が形成されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  4. 第一級もしくは第二級ヒドロキシルアルキルアクリレートまたはメタクリレートモノマーまたはそれらの混合物を前記主鎖、前記側鎖またはその両方のいずれかの中に共重合させ、その後、前記コポリマー中に作られたヒドロキシル基をジイソシアネートと反応させ、更に前記ジイソシアネートをアンモニアまたは第一級アミンもしくは第二級アミンと反応させることにより前記顔料定着基が形成されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  5. 前記顔料定着基を形成するに用いられる第一級アミンおよび第二級アミンがアミン含有の脂肪族基、アミン含有の芳香族基およびアミン含有の複素環からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  6. 前記グラフトコポリマーがポリマー主鎖を約10〜90重量%と、対応するマクロモノマー側鎖を約90〜10重量%含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  7. 前記グラフトコポリマーが約3,000〜150,000の重量平均分子量を有することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  8. 前記定着基は前記主鎖上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  9. 前記定着基は前記側鎖上に配置されることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  10. 前記ウレタン/尿素定着基を形成するために用いられる前記ヒドロキシル官能性モノマーが前記グラフトポリマーの少なくとも約1重量%含まれることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
  11. 前記グラフトコポリマーが前記ウレタン/尿素定着基を含む同じセグメント上に追加定着基として非環状または環状アミド基を更に含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  12. 前記追加定着基はビニルピロリジノンであることを特徴とする請求項11に記載の組成物。
  13. 前記グラフトコポリマーが主鎖またはマクロモノマーのいずれかまたは両方の上に未反応ヒドロキシル基を更に含むことを特徴とする請求項3に記載の組成物。
  14. 約3,000〜150,000の重量平均分子量を有し、ポリマー主鎖を約10〜90重量%と、対応する前記ポリマー主鎖に結合されたマクロモノマー側鎖を約90〜10重量%含有するグラフトコポリマーを含む、顔料分散剤としての使用に適する組成物であって、
    (1)前記ポリマー主鎖が重合されたエチレン系不飽和モノマーから形成され、
    (2)前記側鎖が単一の末端部で前記主鎖に結合されたマクロモノマーで、重合されたエチレン系不飽和モノマーから形成され、約1,000〜30,000の重量平均分子量を有し、
    前記グラフトコポリマーが、前記主鎖、前記側鎖またはその両方の中に重合される官能性ヒドロキシル基を前記グラフトコポリマーの全重量を基準にして約2〜70重量%含有する、重合されたエチレン系不飽和モノマーを含み、前記コポリマーの前記ヒドロキシル基が少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物と反応し、前記イソシアネート化合物が更にアンモニアまたは第一級アミンもしくは第二級アミンを有する化合物と反応して、ウレタン結合を通して結合された前記グラフトコポリマー上に少なくとも1個の尿素基を形成させることを特徴とする組成物。
  15. 前記グラフトコポリマーが主として重合されたメタクリルモノマーおよび/またはアクリルモノマーから形成されることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
  16. 前記グラフトコポリマーが前記主鎖またはマクロモノマーのいずれかまたは両方の上に未反応ヒドロキシル基を前記グラフトコポリマーの全重量を基準にして約30重量%まで更に含むことを特徴とする請求項15に記載の組成物。
  17. 前記グラフトコポリマーが前記ウレタン/尿素定着基を有する同じセグメント上に非環状または環状アミド基を前記グラフトコポリマーの全重量を基準にして20重量%まで更に含むことを特徴とする請求項16に記載の組成物。
  18. 前記定着基が前記主鎖上に配置されることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
  19. 前記定着基が前記マクロモノマー側鎖上に配置されることを特徴とする請求項14に記載の組成物。
  20. 請求項1から14のいずれか一項に記載の組成物によって分散された有機溶媒中の顔料を含むことを特徴とする顔料分散液。
  21. 請求項20に記載の顔料分散液を含有することを特徴とする溶媒ベースの塗料組成物。
  22. 顔料分散剤を製造する方法であって、
    (a)コバルト連鎖移動剤の存在下でマクロモノマーを重合させ、前記マクロモノマーが1個の末端エチレン系不飽和基を含むようにする工程と、
    (b)エチレン系不飽和モノマーを含むポリマー主鎖上に前記マクロモノマーをグラフトさせる工程と、
    (c)前記マクロモノマー、前記主鎖またはその両方の中に作られたヒドロキシル官能性基を触媒の存在下で、少なくとも2個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と反応させ、ウレタン結合が前記グラフトコポリマーと前記ポリイソシアネートの間で形成されるようにし、前記ポリイソシアネート上の少なくとも1個のイソシアネート基が反応しないままであるようにし、その後、実質的にすべての残留未反応イソシアネート基をアンモニアまたは第一級アミン含有化合物もしくは第二級アミン含有化合物と反応させ、尿素官能基がその上に側基として形成されるようにすることによりウレタン/尿素基を前記グラフトコポリマーに付加する工程と
    を含むことを特徴とする方法。
  23. 前記重合反応が有機溶媒中で行われることを特徴とする請求項22に記載の方法。
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