JP2005527646A - ゲルの調製方法 - Google Patents

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Abstract

ラテックス状の、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリラクチド(PLA)、ポリラクチドグリコライド(PLGA)及び、ポリグリコシド(PGA)、又はそれらの誘導体のような生体高分子に、一般的に両親媒性の化学物質である結合剤を添加することによるゲル及びクリームの形成が記載されている。両親媒性化学物質の疎水性ドメインは少なくとも一つの生体高分子と相互作用して、水溶性複合体を形成し、両親媒性化学物質の親水性ドメインは、該水溶性複合体を水溶液における懸濁状態に維持する。それは、適当に加熱された後にゲル又はクリームとなる。その結果、使用した結合剤の性質及び生体高分子と結合剤との割合に基づき得られた異なる組成及び組織を有する多用途のゲル又はクリームが作られる。

Description

本出願は、生体高分子(バイオポリマー)の使用、並びに、化粧品、美容食品、医薬品及び食品へ利用することができるゲル又はクリームの製造方法を記載するものである。ゲル又はクリームを得るために、生体高分子は両親媒性化学物質(amphiphilic chmical entity)と組み合わされる。
ポリヒドロキシアルカノエート(PHAs)は細菌及び藻類のような多種類の微生物によって生産される天然ポリエステルである。それらは、従来の装置によって処理可能な再生原料から得られる生分解性の熱可塑性プラスチックであり、そのために、プラスチック産業にとって非常に魅力あるものである。生分解性ポリマーの用途は非常に多岐に亘るために、その潜在的な世界的市場規模は膨大である。たとえば、生分解性ポリマーは、フィルム、シート、ファイバー、発泡体(フォーム)、成型物品およびその他の多くの製品に使用することができる。
微生物によって生産されるPHAsは不利な生育条件、すなわち、栄養制限の結果、エネルギー保存として蓄積された分子内顆粒である。細菌内の生体高分子蓄積は、窒素に欠乏が生じたときに増大する。この欠乏は一般的に比C/N(ここで、Cは培地中の実際の炭素源、Nは培地中の実際の窒素源である)の増大で表される。従って、栄養補給手段が、生体高分子の生産性に対する直接の影響を有する決定的な段階となる。食物源もまた生産される生体高分子の性質を決める重要な因子である。事実、発酵中に微生物に与える食物源を変化させることによって、異なるホモポリマーまたはコポリマーが得られる。もっとも良く知られたPHAファミリーの代表例は、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)(PHB)及びそのコポリマーであるポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート)(PHBV)である。
PHAsはその他の多くの興味深い性質によって特徴付けられる。それらの中でも、それらは生体適合性(biocompatible)及び生体吸収性(bioresorbable)であり、それらによってPHAsは食品、化粧品及び生物医薬へ利用することが可能な候補となっている。最近の数多くの刊行物及び特許が最も適切な説明を提供している。米国特許第5,229,158 号明細書(ヤルパニ(Yalpani))には、ポリ(ヒドロキシアルカノエート)を脂肪の代わりに食品に使用することが報告されている。米国特許第6,146,665 号明細書(マーシェソール(Marchessault)他)には、親水性または親油生薬剤を捕獲またはマイクロカプセル化する為にPHAを使用することが報告されている。この場合には、ヒドロキシアルカノエート補酵素Aモノマーのインビトロでの重合化によってPHAは合成されている。細菌由来のPHAに関するその他の調節された利用が公開されている。
薬剤運搬システムにおけるPHAの利用可能性については当業者に公知である。PHAはまた、その生体適合性及び生体吸収性の故に、整形外科手術におけるインプラント(埋没物)として使用されている。この特定の使用のために、しばしばPHAsはヒドロキシアペタイトで補強される(バイマテリアル、1991,
12:841-847; バイマテリアル、1992, 13:491-496;ポリマーテスティング, 2000, 19:485-492)。心臓弁、血管移植片及び組織工学のようなその他多くのインプラント利用が開発されている。ヒドロキシアルカノエート誘導体含有の化粧品が国際特許公開WO95/05153(ブラウザー(Browser)他)に報告されている。この特許出願において、2−ヒドロキシアルカノエート誘導体のオリゴマー(1〜5モノマードメイン)が組成物に含まれている。
これら生体高分子の溶解性は大変低い。それらは全体的に水、並びに、クロロホルム及びジクロロメタン及び1,2−ジクロロエタンのような幾つかのハロゲン化溶剤を除くほとんどの一般的な有機溶剤には不溶解性であり、貧溶媒である。伝統的に、生体高分子を含むハロゲン化溶液にPHA非溶剤を加えることによって、PHBは抽出されている(米国特許第4,562,245号明細書)が、それは大規模製造に関してはコスト面で効率的ではない。従って、微生物から生体高分子を抽出及び精製する際の主な関心事は製造コストである。その結果、この問題を解決すべく多くの努力がなされ、多くの特許が発行された。例えば、PHA-貧溶媒を高温度で使用する方法(国際特許公開WO98/46783)、非ハロゲン化溶媒を使用する方法(国際特許公開WO98/46782)及び限界非溶媒(marginal
non-solvent)を使用する方法(国際特許公開WO97/07229)。有機溶媒を高温度で使用する態様では、一度溶液を室温で冷却させるとPHAゲルの発見があった。物理的ゲル形成の他の例は、ファブリ(Fabri)他のN,N−ジメチルホルムアミド及びN−メチルー2−ピロリドン中のPHBの希釈溶液を研究した文献に見出される(サーモケミカ・アクタ、1998,
321:3-16)。一方、ツルチェット(Turchetto)及びセサーロ(Cesaro)はジメチルホルムアミドを使用した(サーモケミカ・アクタ、1995,
269/270:307-317)。有機溶媒中におけるPHAsのようなポリマーの溶解性が低いことはデューン(Dunn)及びイングリッシュ(English)によって薬剤放出用に利用された(国際特許公開WO01/35929)。これらの著者は、シリンジ及び針によってヒトに投与される、ポリマー及び生体活性剤を含む移動性(floating)成分を使用した。いったん体内に導入されると、溶媒は分散して水に非溶解であるポリマーが固体マトリックスを形成し、そこに生体活性剤が捕捉され更に放出される。
精製及び抽出プロセスにおける一態様は、界面活性剤を添加することによって水中におけるPHAの分散剤を使用すること(国際特許公開WO97/21762)であるが、それによるゲル又はクリームの形成には至らなかった。
米国特許第5,229,158号明細書には、我々による言及に類似した、ラテックス中での01.〜10ミクロン粒子サイズのPHAの使用が記載されている。しかしながら、その主な凝集剤はまったく異なり、例えば、ペクチン、レシチン及びキサンタンガムである。最終生産物の物理的特性又はその経時的安定性に関しては何等言及されていない。PHAが脂肪様の組織(texture)を有している為に、脂肪物質の代わりにそれが使用された。
更に、上記の明細書及び出願においては、有機溶媒を使用した際のPHA濃度範囲は限定されている。事実、有機溶媒中で5%(重量/容量)より大きいPHA溶液を得ることは不可能である。
水中におけるPHA分散の安定性は国際特許公開WO97/21762において報告されている。この出願は、抽出/精製プロセスにおいて生体高分子を精製する目的で、水中におけるPHAの溶解性を向上させ、分散プロセスを簡略化する両親媒性化学物質を使用することについて記載している。使用される分散剤の例は、ジオクチルスルフォサクシネート、ドデシルスルフォネートのナトリウム塩、ドデシルベンゼンスルフォネートのナトリウム塩、ラウリルサルコシネートのナトリウム塩、又はドデシルジフェニルオキシドジスルフォネートのナトリウム塩である。
これまでに、脂肪族ポリステル、ポリオルソエステル、ポリアンハイドライド、ポリアルファアミノ酸、ポリホスファーゲン、及びポリアルキルシアノアクリレート等の様々な生分解性コポリマーが記載されている。脂肪族ポリステルの中で、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコライド(PGA),及びポリラクチドグリコライド(PLGA)はFDAによってヒトに無害なコポリマーとして認可されている。これらのコポリマーは薬剤を運ぶ薬剤運搬デバイスまたはバイオメディカルデバイスとして使用された。
生体高分子に関連する技術分野の水準を示す好適な代表例である、これまでに挙げてきた特許及び刊行物に基づいても、主に化粧品及び医薬用途に適当である生体高分子、特に、PHAsを使用してゲル及び/又はクリームを得る方法がないために、ゲル及びクリームの製造プロセスを改良するためには未だかなりの量の作業(仕事)が必要である。このようなプロセスは生体適合性及び生体吸収性の種類(species)を使用するのがよい。
生体高分子で構成される、新規な生体適合性ゲル及びクリームの新規な製造方法の提供が非常に強く望まれている。
本発明の目的の一つは、結合剤に結合した生体高分子を含む水性ゲル組成物の製造方法、又は水性ゲル組成物の物理的特性を変える方法であって、
a)ポリヒドロキシアルカノエート(polyhydroxyalkanoate:PHA)、ポリカプロラクトン(polycaprolactone:PCL)、アジピン酸、アミノカプロン酸、ポリ(ブチレンサクシネート)、ポリラクチド(polylactide:PLA)、ポリグリコシド(polyglycoside:PGA)、及び、ポリラクチドグリコライド(polylactideglycolide:PLGA)、又はそれらの誘導体から成る群から選択される少なくとも一種の生体高分子を、水性媒体中の懸濁状の粒子形態で提供してラテックスを形成し、
b)ステップa)の該ラテックスを少なくとも一種の結合剤と、該結合剤に結合した生体高分子粒子の可溶性複合体溶液を形成するに充分な時間及び条件で接触させ、そして
c)27℃及び80℃の間でステップb)の該可溶性複合体溶液を加熱する、
ステップを含み、ステップa)の生体高分子又はステップb)の結合剤の少なくとも一種が決められた濃度であり、加熱ステップc)が該ゲル組成物の所望の物理的特性を得るために充分な長さである、前記方法を提供することである。
該結合剤が両親媒性分子、又は、例えば、少なくとも一つのポリエチレングリコール(PEG)のような親水性ドメイン、及び、例えば、少なくとも一つの脂肪酸又はその誘導体のような疎水性ドメインを有する分子であり得る。
本発明のゲル組成物は粘性液体又は固体ゲルであり得る。
本発明の別の目的は、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリカプロラクトン(PCL)、アジピン酸、アミノカプロン酸、ポリ(ブチレンサクシネート)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコシド(PGA)、及び、ポリラクチドグリコライド(PLGA)、又はそれらの誘導体若しくは混合物から成る群から選択される少なくとも一種の生体高分子、並びに、少なくとも一種の結合剤を含む水性ゲル組成物を提供することである。
該結合剤が両親媒性分子、又は、例えば、少なくとも一つのポリエチレングリコール(PEG)のような親水性ドメイン、及び、例えば、少なくとも一つの脂肪酸又はその誘導体のような疎水性ドメインを有する分子であり得る。
本発明の目的のために、以下の様に用語を定義する。
本明細書における「両親媒性」という用語は、親水性ドメイン及び少なくとも一つの疎水性末端ドメインを有する化合物を意味する。
本明細書における「生体高分子」という用語は、天然又は再生可能な資源から得られ、その合成モードが植物又は微生物のような自然に起こる高分子を意味する。
本明細書における「高分子」という用語は、たとえ、その成分の一つ(モノマー、プレカーサーなど)が天然及び再生資源から得られても、化学反応により合成されるか又は石油資源から得られる巨大分子を意味する。PLA,PGA,PLGA及びPCLは当業者に高分子であると認識されるものである。
本明細書における「結合剤」という用語は、親水性粒子であるPHA顆粒と会合することができ、同時に水相中で可溶性で留まれる、両親媒性の化合物を意味する。例えば、結合剤は、親水性ドメインによって分離された2つの疎水性ドメインから構成することが出来る。
本明細書における「クリーム」という用語は、粘度の増加した溶液を意味し、それは必ずしも高分子鎖の絡みによる三次元ネットワークの形成を含むものではない。
本明細書における「ゲル」という用語は、溶媒中で膨潤する三次元ネットワーク組織を意味する。水が溶媒のときは、ゲルは「ハイドロゲル」と定義される場合もある。更に、三次元ネットワークは、物理的ゲルについては高分子鎖の絡みによるものであるが、一方、化学的ゲルについては化学結合によるものである。
本明細書における「顆粒」及び「粒子」という用語は、粒径分布が0.1〜10μm、好ましくは0.2〜5μmである、球状形態の生体高分子セグメントを意味する。
本明細書における「ラテックス」という用語は、PHA顆粒及び/又は粒子の懸濁液を意味する。ここで定義されたラテックスは希釈剤又は溶媒として水性媒体を含むことが出来る。PHA顆粒はそのままの元の状態、又は水中に再懸濁された状態にすることが出来る。元のPHAは、細菌の培養によって生産され、沈殿せずに、従って、その結晶度は該細菌内部におけるものに近いか又は若干高い程度、即ち、非常に弱い、PHA顆粒として定義される。ラテックスは色及び質感(組織:texture)においてミルクの態様を示し、一方、その粘度は水に近い。
本明細書における「硬度(hardness)」という用語は、物体の変形を得るために必要とされる力を意味する。硬度の測定単位はニュートンで表現される時間である。ニュートンは1キログラムの質量に1m/sの加速度を生じさせる力に等しい力単位である。
本明細書における「凝集力 (cohesiveness)」という用語は、クリーム又はゲル物体を構成する内部結合の強度を意味する。それは、物体又は物質の内部においてそれらを一体化させるために働く粒子間の分子力と定義することも出来る。
本明細書における「粘度 (viscosity)」という用語は、単位力あたりの流速(ミリパスカル−秒(mPa−s)又はセンチポイズ(cPs))と定義される。粘度は流体の流れを起こそうとする力に抵抗する流体の性質である。パスカルは1N/mに等しい圧力又は応力の単位である。
本明細書における「粘ちょう度(consisitency)」という用語は、接触により認知できるゲル又はクリームの質として定義することが出来る。「コク(body)」という用語も粘ちょう度を表現するのに使用することが出来る。粘ちょう度に関しては、ゲル及びクリーム物質の混合物の特性、又は半固体又は半液体の接触感の特性として、広い定義を用いることもできる。このように、接触感及びコクのような感覚的概念を粘ちょう度と関連付けることが出来る。粘ちょう度はアダムス粘ちょう度計又はボストウィック粘ちょう度計のような装置で経験的に評価することが出来る。
本明細書における「弾性(elasticity)」という用語は、変形したゲル又はクリームが、力を取り除いた後に元の未変形の状態に戻るときの速度を意味する。弾性の測定単位はmm又は%で表される。弾性は、物体の長さ、容積又は形における変化を引き起こす力に直接応答して、物質にこのような変化をさせ、そして、その力が除去されたときには元の形に戻ることを可能にする物質の性質である。
本明細書における「接着力(adhesion)」という用語は、物の表面と別の物の表面とを接触させているそれらの間の引力に打ち勝つに必要な力を意味する。接着力は物体が接触している場合に、それらを物体とは異なり、ともに保持しようとする引きつける分子力である。接着力の測定単位はニュートンで表現される。
本発明によれば、ポリヒドロキシアルカノエート(polyhydroxyalkanoate:PHA)、ポリラクチド(polylactide:PLA)、ポリグリコシド(polyglycoside:PGA)、ポリラクチドグリコライド(polylactideglycolide:PLGA)及びポリカプロラクトン(polycaprolactone:PCL)のような生体高分子を、結合剤、好ましくは両親媒性化学物質で、水性媒体中で結合させることに基づく生体適合性ゲルの製造方法が提供される。
出願人は、或る型の生体高分子と、両親媒性結合剤のような特定の結合剤を組み合わせることによって、これらの生産物の混合物を調製するための製造条件に応じて、得られた懸濁物が生体高分子の水性溶解(aqueous dissolution)を可能にし、異なる程度の密度、堅固さ及び/又は粘度を有するゲル又はクリームの形成を誘起することを発見した。
本発明の一具体例において、少なくとも一種の結合剤が生体高分子ラテックス溶液に加えられる。得られる生産物はクリーム又はゲルであり、その粘度は該ラテックス又は結合剤自体の水中における粘度と比較して改良又は増大しており、且つ、その沈降時間は増大している。該生産物は時間的にも温度に対しても極めて安定であるのでPHA顆粒は殆ど無限である。
プラスチック産物が1回きり又は短期間使用されるような利用がPHAsの場合には理想的に適している。その理由は、これら産物は使用されると直ちに完全に堆肥部位に変換されるか、又は生物学的条件において代謝されるからである。
本発明の別の具体例によれば、本発明方法で得られるゲル又はクリームは、一種類の生体高分子、又は、単一ブロック若しくは複数ブロックコポリマーに組み込まれた異なる種類の生体高分子の混合物を含む。これらのコポリマーはポリプロピレンオキサイド、PHA,PLA,PLGA及びPCLの組み合わたもので有り得る。
本発明は、植物又は微生物から天然又は遺伝子工学によって生産される任意の型のPHA生体高分子、及び化学的に合成されたPHA生体高分子から成るクリーム及び/又はゲルを作るのに利用することが出来る。
本発明の一具体例によれば、使用されるPHA生体高分子は、以下の単位から構成されるポリエステルである:
Figure 2005527646
式中、nは1から9までの整数、R1は好ましくはH、アルキル又はアルケニルである。アルキル及びアルケニルの側鎖は好ましくはC1からC20の炭素長である。
PHA生体高分子は、同じ繰り返しモノマー単位を有するホモポリマー、及び/又は、少なくとも2種類の異なる繰り返しモノマー単位を有するコポリマーとすることが出来る。
コポリマーは統計的にランダムブロック、交互、又はグラフトであり得る。PHA生体高分子の分子量は、一般的に、1,000〜2,000,000g/ml、好ましくは10,000〜1,500,000g/ml、及び、より好ましくは5,000〜1,000,000g/mlの範囲である。モノマーの配向は、例えば、ヘッド(head)対ヘッド、ヘッド対テイル(tail)、又はテイル対テイルであり得る。
本発明で使用可能なPHAには、ポリ(3−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシオクタノエート)、ポリ(4−ヒドロキシブチレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシバレレート)、ポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−4−ヒドロキシブチレート)及びポリ(3−ヒドロキシブチレート−コ−3−ヒドロキシオクタノエート)がある。
上記に列記したPHAのコポリマーは、40〜100%、好ましくは60〜95%の範囲の3−ヒドロキシブチレートモノマーを含む。
本発明によれば、ラテックス溶液中のPHA濃度は、0.01〜50%、好ましくは1〜45%、及びより好ましくは5〜40%である。濃度は重量/容量で表される。ラテックスは天然の生体高分子又は乾燥粉末を溶解して得られる。後者の場合、生体高分子の結晶度が高いと最終的に得られるクリーム及び/又はゲルの質感に影響を及ぼすことがある。この問題は、国際特許公開WO99/64498に記載されているように、非晶質ポリマー懸濁液を調製することによって解決することができる。
本発明の第一の態様によれば、結合剤をラテックス溶液に添加することにより、クリーム及び/又はゲルに転換され、その結果、粘度又は堅固さ及び溶解安定性(solution stability)が増大する。これら現象は、親水性及び疎水性という異なる性質を有する、少なくとも2から数十、典型的には3つという複数のドメインを含む結合剤の両親媒性に関連する。
結合剤の構造の一例は、2つの疎水性末端ドメイン及び1つのコア親水性ドメインを有する、トリブロック化合物である。例えば、親水性コアが水相に残し、疎水性末端ドメインは疎水性PHA顆粒とより容易に凝集(会合)することによって顆粒間の架橋を形成し、水分子との相互作用を可能とすると考えられる。そして、可逆的であり、且つ、化学的ゲルより機械的特性が低い物理的ゲルが得られる。同様の現象が2つのドメインを有する両親媒性化合物で想定される。疎水性ドメインは水中懸濁物の生体高分子の鎖と会合し、一方で、親水性鎖は水相中でお互いに相互作用する。その結果、得られるクリーム又はゲルは応力及び張力に治する物理的抵抗性がより弱い。
疎水性ドメインは、例えば、C〜C40の脂肪族鎖C2n+2(直鎖又は分枝状)、1つ又は2つ以上の不飽和を有するC〜C40の不飽和アルキル鎖(直鎖又は分枝状)、一つ以上の芳香族部分を有する鎖である。両末端に疎水性ドメインを有するトリブロック試料の場合には、その一方のみがPHA鎖と会合できるように長くし、他方はより短かくすることが出来る。
疎水性ドメインは、一つ又はそれ以上のヘテロ原子(例えば、窒素、酸素、塩素、フッ素)を、単独で又は組み合わせて含むことが出来る。例えば、ポリ(プロピレングリコール)は主ポリマー鎖内の酸素ヘテロ原子とアルキル分枝であるメチルを有する疎水性化合物である。
疎水性ドメインは、例えば、C10〜C30、好ましくはC14〜C24、のアルキル鎖を有する飽和脂肪酸であり、例えば、ラウリル酸、シリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸である。疎水性ドメインは一つ又はそれ以上の不飽和を有し、C10〜C30、好ましくはC14〜C24のアルキル鎖を有する不飽和脂肪酸でも良く、例えば、オレイン酸、リノール酸、α―リノレン酸、γ―リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、およびネルボン酸である。結合剤は一つ又は二つの脂肪酸又はそれらの誘導体をその両端に有することが出来る。
結合剤の分子組織は、1つ又は2つ(類似するか、又は、一つ以上の化学的組成から成る群)の上記の疎水性ドメインを有する、夫々、2つ又は3つのブロック試料であり得る。
親水性ドメインは、例えば、ポリアルキレンオキサイド、特に、ポリエチレンオキサイド、グリコシド、ポリグリセロール、又はアミンオキサイドのような、非イオン性化学物質でも良い。親水性ドメインは、例えば、カルボキシレート、サルフェート、スルフォネート、ホスフェート、ホスファノエート又はアンモニウムのような、イオン性化学物質を有していてもよい。結合剤の親水性群は上記リストからの一つ以上の化学組成物を含むことが出来る。最適な親水性ドメインは以下の式のポリエチレングリコール及びその誘導体である。
HO−(CH−CH−O)−H
式中、nは1から2500、好ましくは、7と500の間で変動する整数である。親水性ドメインはPHAと混和性である親水性ポリマー、例えば、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルアセテート)、ポリ(エピクロロヒドリン)、ポリブチルアクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)、ポリ(エチルメタクリレート)及び多糖類(ポリサッカライド)である。
ゲルをを得るのに必要な結合剤の量及び性質は、ラテックス溶液中のPHA濃度と密接に関連する。該PHA濃度が非常に希釈されたものであるときは、結合剤は、例えば、オリゴマーの等価物であるような大きな分子を含むべきであり、その濃度は重要である。更に、疎水性及び親水性ドメインの分布は、結合剤及びPHA顆粒との間の良い相互作用をもたらすものでなくてはならない。換言すると、ラテックス中の濃度が低いときは、疎水性ドメインはPHA顆粒との相互作用を誘起するに十分な長さであるべきである。反対に、より高い濃度のラテックスに対しては、疎水性ドメインの長さを非常に長くする必要はないが、水性媒体との凝集を維持するために親水性コアドメインは長くする必要がある。簡潔に述べれば、希釈ラテックス溶液からゲルを形成するには、疎水性ドメイン対親水性ドメインの比が大きく長い結合剤をを使用する必要があり、濃厚なラテックス溶液に対しては、疎水性ドメイン対親水性ドメインの比がより小さくより短い結合剤を使用する必要がある。
本発明の一具体例では、疎水性ドメイン対親水性ドメインの比がより小さくより短い結合剤を薄いラテックス溶液とともに使用してクリームを得る。同じ結果は、濃厚なラテックス溶液と疎水性ドメイン対親水性ドメイン比が大きく長い短い結合剤を使用しても得ることが出来る。
本発明によれば、(ラテックスに添加された)結合剤の最終調製物中の濃度は0.01%〜75%、好ましくは1%〜30%、及び更に2%〜20%の間である。濃度は重量/容量で示される。結合剤は単独、又は、同濃度若しくは異なる濃度の少なくとも2から数十種程度の混合物であり得る。添加された結合剤の性質は多様なものとすることが出来る。例えば、短い長さの結合剤及び別の長い結合剤。疎水性ドメイン対親水性ドメインの比はトリブロック結合剤の場合に、類似していても又は異なっていても良い。一つ又は数種類のジブロック結合剤を一つ又は数種類のトリブロック結合剤と共にに加えることも出来る。
本発明による別の具体例としては、上記のクリーム又はゲルを、ヒト及び動物用の食品、化粧品、美容食品、及び医薬品において化学物質及び/又は細胞を運搬するために使用することである。事実、ゲル及びクリームの調製に使用される全ての成分、生体高分子及び結合剤は生体適合性及び生体吸収性である。
本発明の一具体例では、本発明方法の一つのステップは、ゲル又はクリームのレオロジープロファイルの少なくとも一つのパラメーターを、ゲル又はクリームを使用するに際して所望の、硬度、弾性、凝集力、ゴム特性、粘ちょう度、粘度、及び降伏応力を有するように変化させることから成る。
本発明の別の具体例では、例えば、食事(食品)、化粧、美容、又は医薬用途にゲル又はクリーム組織(texture)を適用するために用いられる、定量的及び記述的なアプローチを用いる方法が提供される。ゲル及びクリームの組織的特性の記述が提供され、それは、食事、化粧、美容、又は医薬用途の欠くことの出来ない部分となる傾向である。食事、化粧、美容、又は医薬用途におけるヘルスケアとの関連で定量化したゲル又はクリーム組織を発表した報告はない。レオロジーは、より具体的及び最適化された用途(利用)において、有望な手段を提供するものである。
レオロジーはゲル及びクリーム組成物の変形及び流れの研究である。それは、これらの組成物及びその組織特性を議論するための語彙及び具体的な用語を提供する。ゲル及びクリームは組成が非常に変化に富んでおり、多様な組織特性を示す。液体は糖液のように粘性であるか、又は、水のように流動的で希薄であり得る。個体も組織が多様である。固体は接着性であり得る。レオロジーは更に、これら組織特性の定量化を可能とする粘度計及びテクストロメーター(texturomters)のような装置が提供する。
液体のレオロジー
粘度は流体の内部摩擦、又は流れに対するその抵抗である。それは、流体の流れを定量する基本的なテストによって評価可能な組織特性である。装置はキャピラリーフローのような構成となる。コーチェ(Couette)又はサール(Searle)フロー、平行板又は円錐及び板粘度計を用いて粘度を測定することが出来る。アイザック・ニュートンは、理想液体の法則を理想液体の流れ挙動:η=σ/γ(式1)(ここで、ηは粘度(Pa・s)σはせん断応力(Pa)、及びγはせん断速度(s−1)である)で記述出来ることを最初に発表した。
それ以来、流体は主にニュートン流体又は非ニュートン流体に分類される。パスカルで表されるせん断応力(σ)とs−1で表されるせん断速度(γ)との直線的関係は理想液体の挙動を示す。ニュートン液体は粘度ηを示す一定の傾斜を有する。ニュートン液体は温度及びゲル又はクリーム組成のみに影響される流れ特性を示す。ニュートンゲル又はクリーム組成物はせん断速度及びせん断履歴により影響されない。
非ニュートン液体は温度、ゲル又はクリーム組成及びせん断速度に左右される。見掛けの粘度(ηa)はその際に粘度を表すのに使用され、その化合物をテストするせん断速度に特異的である。非ニュートン液体ゲル又はクリーム組成物は更に、時間非依存的又は時間依存的に分けることが出来る。後者は、時間非依存的流体とは対照的に、せん断が適用されている時間の長さに影響を受ける見掛け粘度を示す。時間非依存的流体は、偽塑性(pseudoplastic)(即ち、様々なせん断速度において時間と伴に、せん断−希薄、減少する粘度)又は、稀ではあるが、膨張性(dilatant)(即ち、時間と伴にせん断−濃厚、増大する粘度)であり得る。せん断―希薄は、せん断に続く、被検物を構成する分子の再配列、伸長、変形又は解離によって説明することができよう。従って、粘度における重要な減少はせん断後に生産物において観察される。
時間依存的流れ特性は更に、チキソトロピック(thixotropic)及びレオペクチック(rheopectic)液体に分けられる。前者は一定のせん断速度が或る時間適用されると粘度の減少を示す。
後者はせん断速度が一定に維持されるときに、時間と伴に粘度の増大を示す。
本発明の或る具体例は、ゲル及び/又はクリームの粘度、粘ちょう度、堅固さ、硬度、降伏応力、弾性、凝集力、及び接着力のような物理的特性の少なくとも一つを変える方法である。例えば、限定されるものではないが、粘ちょう度は30秒当り約1〜50cmの間の値であり、粘度は約50〜10,000mPa、降伏応力は約1〜500、弾性は約1〜90%、硬度は約0.1〜100ニュートン、凝集力は約0.01〜25、及び、接着力は約0.01〜100ニュートンである。
本発明の実施に際して、一つ又はそれ以上の物理的特性は生体高分子及び結合剤の組み合わせを違えることにより、調節又は変化させることが出来る。
以下の実施例を参照することにより本発明をより容易に理解することが出来るが、それらは本発明の範囲を限定するものではなく、本発明を説明するためである。
PEG900によるPHAクリームの製造
培養、抽出及び精製した後に得られたラテックス中のPHA濃度は20%w/vであった。本実施例で使用した結合剤は分子量930g/molのポリ(エチレングリコール)ジステアレート(PEG−ジステアレート)であり、それはポリ(エチレングリコール)部分が9つのエチレングリコール繰り返しモノマー単位に相当する。
0.8グラムのPEG−ジステアレートを20mLのラテックス溶液に添加し、穏やかに攪拌しながら40℃で1時間加熱し、密閉して水分蒸発を防いだ。得られた溶液は均一であり、最初のラテックス溶液よりも粘性が高かった。更に、PEG−ジステアレートを水に溶解して同様な溶液(4%w/v)を得た。その粘度は上記ゲルよりも低かった。
クリームの粘度は安定しており、時間及び温度が変化しても低下しなかった。4週間後でも、密閉して室温で保存されたゲルは依然安定であった。4℃の冷蔵庫で密閉して保管した試料についても同様の結果が得られた。
PEG6000によるPHAクリームの製造
本実施例では、分子量396g/molの代わりに分子量約6,000g/molのPEG部分を有するPEG−ジステアレートを用いて同様な生産物を製造した。それはポリ(エチレングリコール)部分が130〜140のエチレングリコール繰り返しモノマー単位に相当する。本実施例の結合剤の疎水性末端部分は変えず、中央親水性部分のみを変えた。
0.8グラムのPEG−ジステアレートを20mLのラテックス溶液に添加し、穏やかに攪拌しながら40℃で1時間加熱し、密閉して水分蒸発を防いだ。得られた溶液は均一であり、最初のラテックス溶液又は同じPEG−ジステアレートの水溶液よりも粘性が高かった。しかしながら、この溶液はより短いPEGドメインで得られた前の溶液よりも粘度が低い。前の実施例と同様に、粘度の安定性は時間及び温度に影響されなかった。
モノ脂肪酸−コ−PEGによるPHAラテックス
本実施例においては、単一脂肪酸を有するPEGを用いてクリームを製造した。結合剤の疎水性末端部分はオレイン酸、即ち、ステアリン酸と同じ長さの不飽和脂肪酸である。親水性部分は最初の実施例に比べて僅かに短く、PEGの全分子量は860g/molであり、これは、約5つのエチレングリコール繰り返しモノマー単位に相当する。
3.57mLのPEG−モノオレエートを20mLのラテックス溶液に添加し、穏やかに攪拌しながら40℃で1時間加熱し、密閉して水分蒸発を防いだ。ラテックス中のPHA濃度は30%であった。得られた溶液はクリーム状構造、即ち、均一で最初の溶液よりも粘度が高かった。このクリーム前のものと同様に時間に対しては比較的に安定であったが、温度に対しては同様な安定性を示さなかった。更に、前の2つの実施例に比べて粘度が低かった。
PHAラテックス及びPPO−PEO−PPO
本実施例では、ポリ(プロピレングリコール)及びPEGに基づき異なるトリブロック試料を用いてゲルを作成した。このような試料は一般にポロキサマー(poloxamer)と呼ばれている。
4mLのポロキサマーP181をラテックス溶液に添加し20mLの溶液を得た。ラテックス中のPHA濃度は40%であった。数分後に、均一で安定的なゲル様組成物が得られた。この混合物を40℃に加熱すると、より堅固で粘ちょうなゲル様組成物が得られた。更に、ゲルから水分を除去すると、明確に分離した相が得られた。
レオロジー測定
レオメーターAR2000(アドバンスレオメーター)を用いて5つの溶液を試験した。溶液Aは、20%w/v濃度のコポリマー(PHB−HV 95−5)のラテックスである。溶液B1及びB2は、夫々、分子量930及び6000のポリ(エチレングリコール)ジステアレート(濃度4w/v)から作成した。溶液G1及びG2は、実施例1及び2に記載されたラテックス溶液と溶液B1及びB2との混合物である。
全ての試験は37℃,及び、粘ちょう度が他の試料よりもかなり高い試料B1(10Pa)以外は一定のせん断応力(1Pa)で実施した。図1に示されるように、ゲル(G1及びG2)の粘度は、各構成成分(夫々、A+B1及びA+B2)の粘度よりもかなり高かった。試料G1及びG2における粘度の増加は、構成成分の間の相互作用の明白な証拠である。これが本発明の中核であり、既に詳細に記載されている。
本発明はその具体的な実施例に関連して説明されたが、本発明は、一般的に、本発明の原理に従うところの、本発明が関連する技術分野において公知又は慣用の方法内で得られ、及び、これまでに記載され特許請求の範囲にある本発明の重要な特徴に適用されるような、本開示からの逸脱を含む、本発明の任意の変形、使用、又は適用も含むものである。
図1は、ゲル及びクリーム溶液に対して、応力及び温度を固定したときの、粘度(Pa.s)の時間(s)に対する変化を示すものである。

Claims (14)

  1. 結合剤に結合した生体高分子を含む水性ゲル組成物の製造方法であって、
    a)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコシド(PGA)、ポリラクチドグリコライド(PLGA)、及びポリカプロラクトン(PCL)、又はそれらの誘導体から成る群から選択される少なくとも一種の生体高分子を、水性媒体中の懸濁状の粒子形態で提供してラテックスを形成し、
    b)ステップa)の該ラテックスを少なくとも一種の結合剤と、該結合剤に結合した生体高分子粒子の可溶性複合体溶液を形成するに充分な時間及び条件で接触させ、そして
    c)27℃及び70℃の間でステップb)の該可溶性複合体溶液を加熱する、
    ステップを含み、
    ステップa)の生体高分子又はステップb)の結合剤の少なくとも一種が決められた濃度であり、加熱ステップc)が該ゲル組成物の所望の物理的特性を得るために充分な長さである、前記方法。
  2. 該結合剤が両親媒性分子、又は、少なくとも一つの親水性ドメイン及び少なくとも一つの疎水性ドメインを有する分子である、請求項1記載の方法。
  3. 該結合剤の親水性ドメインがポリエチレングリコールであり、疎水性ドメインが脂肪酸又はその誘導体である、請求項1記載の方法。
  4. 該ゲル組成物が粘性液体又は固体ゲルである、請求項1記載の方法。
  5. ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコシド(PGA)、ポリラクチドグリコライド(PLGA)、及びポリカプロラクトン(PCL)、又はそれらの誘導体若しくは混合物から成る群から選択される少なくとも一種の生体高分子、並びに、少なくとも一種の結合剤を含む水性ゲル組成物。
  6. 該結合剤が両親媒性分子、又は、少なくとも一つの親水性ドメイン及び少なくとも一つの疎水性ドメインを有する分子である、請求項5記載の水性ゲル組成物。
  7. 該結合剤の親水性ドメインがポリエチレングリコール又はその誘導体であり、疎水性ドメインが脂肪酸又はその誘導体である、請求項6記載の水性ゲル組成物。
  8. 粘性液体又は固体ゲルである、請求項5記載の水性ゲル組成物。
  9. 物理的特性が、粘ちょう度、粘度、堅固さ、硬度、降伏応力、弾性、凝集力、及び接着力から成る群から選択される少なくとも一つの特性である、請求項1記載の方法。
  10. 結合剤に結合した生体高分子を含む水性ゲル組成物の物理的特性を変える方法であって、
    a)ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリラクチド(PLA)、ポリグリコシド(PGA)、ポリラクチドグリコライド(PLGA)、及びポリカプロラクトン(PCL)、又はそれらの誘導体から成る群から選択される少なくとも一種の生体高分子を、水性媒体中の懸濁状の粒子形態で提供してラテックスを形成し、
    b)ステップa)の該ラテックスを少なくとも一種の結合剤と、該結合剤に結合した生体高分子粒子の可溶性複合体溶液を形成するに充分な時間及び条件で接触させ、そして
    c)27℃及び70℃の間でステップb)の該可溶性複合体溶液を加熱する、
    ステップを含み、ステップa)の生体高分子又はステップb)の結合剤の少なくとも一種が決められた濃度であり、加熱ステップc)が該ゲル組成物の所望の物理的特性を得るために充分な長さである、前記方法。
  11. 物理的特性が、粘ちょう度、粘度、堅固さ、硬度、降伏応力、弾性、凝集力、及び接着力から成る群から選択される少なくとも一つの特性である、請求項10記載の方法。
  12. 該結合剤が両親媒性分子、又は、少なくとも一つの親水性ドメイン及び少なくとも一つの疎水性ドメインを有する分子である、請求項10記載の方法。
  13. 該結合剤の親水性ドメインがポリエチレングリコールであり、疎水性ドメインが脂肪酸又はその誘導体である、請求項10記載の方法。
  14. 該ゲル組成物が粘性液体又は固体ゲルである、請求項10記載の方法。
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