JP2005527475A - 糖尿病、高脂血症、高コレステロール血症、およびアテローム性動脈硬化症の治療のためのアリール誘導体 - Google Patents

糖尿病、高脂血症、高コレステロール血症、およびアテローム性動脈硬化症の治療のためのアリール誘導体 Download PDF

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    • C07D417/00Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00
    • C07D417/14Heterocyclic compounds containing two or more hetero rings, at least one ring having nitrogen and sulfur atoms as the only ring hetero atoms, not provided for by group C07D415/00 containing three or more hetero rings

Abstract

本発明は、II型糖尿病の治療において有用な薬学的化合物を提供する。これらの化合物は、代謝的薬物解毒系によって容易に代謝されるため、有利である。特に、化合物の構造内にエステルを含むよう設計されたチアゾリジンジオン類縁体が提供される。本発明はまた、糖尿病などの障害の治療法であって、血清または細胞内の加水分解酵素およびエステラーゼによって代謝されるよう設計された化合物を含む、治療上有効な組成物を投与する段階を含む方法にも関する。エステル含有チアゾリジンジオン類縁体の薬学的組成物も教示される。

Description

発明の背景
糖尿病は、患者とその家族、ならびに社会に著しい人的および経済的損害を与える、世界的に最も多い慢性障害の一つである。病因および病原が異なる別種の糖尿病が存在する。例えば、真性糖尿病は、高血糖および糖尿によって特徴付けられ、インスリンの不十分な産生および利用が原因の、炭水化物代謝の障害である。
非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM)は、II型糖尿病と呼ばれることも多く、十分なレベルのインスリンを産生するが、末梢組織におけるインスリン仲介性のグルコースの利用および代謝に欠陥を有する成人に主に発生する糖尿病の形である。顕性NIDDMは、次の3つの主な代謝異常によって特徴付けられる:インスリン仲介性グルコース処理に対する抵抗性、栄養によって刺激されるインスリン分泌の障害、および肝臓によるグルコースの過剰産生。糖尿病患者の中には、インスリンおよび/もしくはインスリン受容体をコードする一つもしくは複数の遺伝子、ならびに/または一つもしくは複数のインスリン仲介性シグナリング因子における突然変異によって遺伝的素因が生じ、それによりインスリンおよび/またはインスリン仲介性の効果が無効となり、したがってグルコースの利用または代謝が障害されるものもあることが明らかにされている。
II型糖尿病の患者では、おそらくインスリン抵抗性を補償するために、インスリン分泌が増強されることが多い。しかし、結局、B細胞は十分なインスリン分泌を維持してインスリン抵抗性を補償することはできない。B細胞がインスリン分泌を維持できない原因メカニズムは特定されていないが、末梢のインスリン抵抗性によりB細胞に課せられた慢性需要および/または高血糖の影響に関連すると考えられる。B細胞がインスリン分泌を維持できない現象は、「前糖尿病」の個人における独立の生来の欠陥として生じることもある。
NIDDMは一定の高リスク群から発生することが多い。そのような集団の一つは多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)を有する個人である。PCOSは生殖可能年齢の女性に最も多く見られる内分泌障害である。この症候群は、排卵減少および無排卵を引き起こす高アンドロゲン症およびゴナドトロピン分泌障害によって特徴付けられる。最近の罹患率推定値は、18歳〜44歳の間の女性の5〜10%(1990年の人口調査によれば、約500万人の女性)が高アンドロゲン症、慢性無排卵、および多嚢胞性卵巣をすべて揃えた症候群を有すると示唆している。最初の記載から50年以上経っているにもかかわらず、この症候群の病因は不明のままである。生化学的特性、卵巣の形態、および臨床上の特徴は非特異的で、したがって診断はアンドロゲン分泌腫瘍、クッシング症候群、および晩発性先天性副腎過形成などの障害除外のままである。PCOSは根深いインスリン抵抗性に関連しており、実質的な高インスリン血症を生じることになる。インスリン抵抗性の結果、PCOS女性はNIDDM発症の高リスクを有する。
NIDDMは妊娠性真性糖尿病(GDM)を有する個人の高リスク群からも発生する。妊娠は通常、インスリン仲介性グルコース処理に対する進行性の抵抗性に関連している。事実、インスリン感受性は妊娠後期にはほぼすべての生理学的状態よりも低い。インスリン抵抗性は大部分が、胎盤性ラクトゲン、プロゲステロン、およびコルチゾルなどの循環ホルモンの効果によって仲介されると考えられ、これらはすべて妊娠中に上昇する。インスリン抵抗性にもかかわらず、膵臓B細胞のグルコースに対する反応性は妊娠後期までに通常3倍近く増大し、これは循環グルコースレベルに対するインスリン抵抗性の影響を最小にするために役立つ応答である。したがって、妊娠はB細胞がインスリン抵抗性を補償する能力の主要な「ストレス試験」となる。
NIDDM発生の高リスクを有すると考えられる他の集団には、X症候群を有する人;随伴高インスリン血症を有する人;高インスリン血症および外因性インスリンへの不応性によって特徴付けられるインスリン抵抗性を有する人;ならびに過剰な循環グルココルチコイド、成長ホルモン、カテコールアミン、グルカゴン、副甲状腺ホルモン、および他のインスリン抵抗性状態に関連する異常インスリンおよび/またはグルコース障害の徴候を有する人が含まれる。
NIDDMの治療失敗は、心血管疾患による死亡、ならびに網膜症、腎症、および末梢神経障害を含む他の糖尿病合併症を引き起こしうる。NIDDMの発症を予防するか、または遅らせ、それによって症状の緩和をもたらし、生活の質を改善し、短期および長期合併症を予防し、死亡率を低下させ、かつNIDDM高リスク群の随伴障害を治療するために、PCOSおよびGDMを有する人などの高リスク群を治療する方法が実質的に必要とされている。
長年の間、NIDDMの治療は食餌と運動の組み合わせにより血糖を低下させることを目的としたプログラムを含んでいた。または、NIDDMの治療はスルホニル尿素単独またはインスリン注射との組み合わせなどの経口血糖降下剤を含むこともできる。最近、カーボーイズなどのα-グルコシダーゼ阻害剤が、食後の血糖上昇軽減に有効であることが明らかにされている(Lefevreら、Drugs 1992;44:29〜38)。欧州およびカナダで、主に肥満糖尿病患者で用いられるもう一つの治療薬はビグアニド剤のメトホルミンである。
前述の様々な障害の治療に有用な化合物、および化合物の製造法は公知であり、そのいくつかは1993年6月29日発行の米国特許第5,223,522号;1992年7月12日発行の第5,132,317号;1992年6月9日発行の第5,120,754号;1991年10月29日発行の第5,061,717号;1990年1月30日発行の第4,897,405号;1989年10月10日発行の第4,873,255号;1987年8月18日発行の第4,687,777号;1986年2月25日発行の第4,572,912号;1981年9月1日発行の第4,287,200号;1991年3月26日発行の第5,002,953号;米国特許第4,340,605号;第4,438,141号;第4,444,779号;第4,461,902号;第4,703,052号;第4,725,610号;第4,897,393号;第4,918,091号;第4,948,900号;第5,194,443号;第5,232,925号;および第5,260,445号;国際公開公報第91/07107号;国際公開公報第92/02520号;国際公開公報第94/01433号;国際公開公報第89/08651号;および日本公開公報第69383/92号に開示されている。これらの発行された特許および出願に開示されている化合物は、糖尿病、高血糖症、高コレステロール血症、および高脂血症を治療するための治療薬として有用である。これらの発行特許の教示はその全体が参照として本明細書に組み込まれる。
薬物毒性はヒトおよび動物の治療において重要な問題である。薬物の投与が原因の毒性副作用には、軽度の発熱から死亡までの範囲の様々な状態が含まれる。薬物療法は、治療プロトコルの利益が治療に伴う可能性のあるリスクを上まわる時にのみ正当であるとされる。医師によって考量される因子には、用いる薬物の定性的および定量的影響、ならびに薬物が個人に提供されない場合の転帰が含まれる。考慮される他の因子には、患者の身体状態、疾患の病期およびその進行歴、ならびに薬物に伴う任意の既知の有害作用が含まれる。
薬物排泄は典型的には薬物に対する代謝活動と、その後の薬物の体からの排出の結果である。代謝活動は血管供給内および/または細胞区画もしくは臓器内で起こりうる。肝臓は薬物代謝の主要部位である。代謝過程は合成および非合成反応に分類することができる。非合成反応において、薬物は酸化、還元、加水分解、または前述の過程の任意の組み合わせによって化学的に変えられる。これらの過程は総称して第I相反応と呼ばれる。
合成反応または結合としても知られる第II相反応において、親薬物、またはその中間代謝物は、内因性基質と合わされて、付加または抱合生成物を生じる。合成反応で生成される代謝物は典型的に、より極性が高く、生物学的に不活性である。その結果、これらの代謝物は腎臓(尿中)または肝臓(胆汁中)を介してより簡単に排出される。合成反応には、グルクロン酸抱合、アミノ酸抱合、アセチル化、硫酸抱合、およびメチル化が含まれる。
II型糖尿病を治療するために用いられる薬物の一つはトログリタゾンである。トログリタゾンの主な副作用は悪心、末梢浮腫、および肝機能異常である。他の報告されている有害事象には、呼吸困難、頭痛、渇き、胃腸窮迫、不眠、眩暈、協調運動障害、錯乱、疲労、掻痒、発疹、血球数の変化、血清脂質の変化、急性腎機能不全、および口腔乾燥が含まれる。報告されている他の症状で、トログリタゾンとの関係が不明のものには、心悸亢進、熱感および冷感、体の部分の腫脹、皮膚発疹、卒中、ならびに高血糖症が含まれる。したがって、有害作用がより少ないか、または全くない(すなわち、毒性が低い)型のグリタゾンが望まれる。
本発明の化合物と関連化合物との間の主な相違は、フェニル環の4位に直接結合した、OOC-またはCOO-いずれかのカルボキシル基の存在である。文献では、類似の治療特性を有するチアゾリジンジオンは、フェニル環の4位にカルボキシル基ではなくエーテル官能基を有する。
カルボキシル基の存在はこれらの新しい化合物の生物学的挙動にとって非常に重要である。本発明の化合物は主に加水分解酵素系によって代謝されるが、エーテル官能基を有する化合物は酸化酵素によってのみ代謝される。加水分解酵素系は遍在しており、非酸化的で、容易に飽和されず、かつ非誘導性で、したがって信頼性がある。これとは対照的に、酸化系はP-450アイソザイムによって仲介される。これらの系は、主に肝臓に局在し、飽和性かつ誘導性(治療化合物の濃度が低い場合でも)で、したがって非常に信頼性が低い。
本発明の化合物は、その代謝および排泄を飽和性の肝臓系に頼ることはないが、先行技術の化合物は、特に解毒を類似の酵素に頼る他の薬物存在下では、肝機能に重い生物負荷をかける。したがって、本発明の化合物は、特に肝毒性および致命的となりうる薬物-薬物相互作用を考慮すると、先行技術の化合物に比べてはるかに望ましい毒性の特性を有している。
血漿および組織エステラーゼによる代謝を受けると、本発明の化合物は加水分解されて、1)アルコールまたはフェノール、および2)カルボン酸の2種の分子となる。したがって、表Iで定義されている化合物1、化合物2、化合物3、または化合物4を主な代謝物として生成するいかなる化合物も、本発明の定義の下に入る。この概念は図1に、エステラーゼにによる非酸化的代謝を受けて化合物1および3を生成する化合物の具体例として、それぞれ化合物9(表I)および化合物145(表X)を用いて例示している。
発明の概要
本発明は、糖尿病、高脂血症、高コレステロール血症、およびアテローム性動脈硬化症の安全かつ有効な治療のための材料および方法を提供する。好ましい態様において、本発明は、糖尿病治療のための治療化合物を提供する。本発明の化合物は、NIDDMの発症を予防するか、または遅らせ、それによって症状の緩和をもたらし、生活の質を改善し、短期および長期合併症を予防し、死亡率を低下させ、かつ随伴障害を治療するために、PCOSおよびGDMを有する人などの高リスク群を治療するために用いることができる。
有利なことに、本発明は生理的代謝による薬物解毒系によって容易に代謝される化合物を提供する。具体的には、好ましい態様において、本発明の治療化合物はエステル基を含み、この基によってこれらの化合物は治療的利益を提供する能力が低下することはないが、これらの化合物は加水分解酵素、特に血清および/または細胞質ゾルエステラーゼによる分解に対して、より感受性となる。本発明は、II型糖尿病、高脂血症、高コレステロール血症、およびアテローム性動脈硬化症の治療を必要とする個人にこれらの化合物を投与する段階を含む、治療法をさらに提供する。
さらなる態様において、本発明は、本発明の治療化合物がエステラーゼの作用を受けたときに生成される分解産物に関する。これらの分解産物は、本明細書に記載のとおり、患者からの治療化合物のクリアランスをモニターするために用いることができる。
さらに他の態様において、本発明は本発明の治療化合物の合成法を提供する。
表の簡単な説明
表I〜XXIIは、本発明による様々な化合物を示している。「db」なる用語はPとQとの間の二重結合を示している。
表XXIIIは、NIDDMマウスにおける血清グルコースおよびインスリンレベルに対する例示的化合物の効果を示している。
発明の詳細な開示
本発明は非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM)、高脂血症、高コレステロール血症、およびアテローム性動脈硬化症の治療のための材料および方法を提供する。有利なことに、本発明の治療化合物(式II〜IXにおいて同定される)は保存中には安定であるが、糖尿病治療に利用できる他の薬物に比べて、生理的環境における半減期が短い。したがって、本発明の化合物は、特に肝機能が上昇しているか、または肝機能が障害されている患者において、副作用および毒性発生率を低く抑えて用いることができる。
本発明の好ましい態様において、糖尿病、高脂血症、高コレステロール血症、およびアテローム性動脈硬化症の治療において有用であり、エステラーゼの作用を受け、それによって化合物を分解し、治療を受ける個人からの効率のよい除去を促進するエステル基を含む、治療化合物が提供される。好ましい態様において、治療化合物は第I相薬物解毒系によって代謝され、式II〜IXの化合物によって例示される。
本発明の様々な態様において、本発明の治療化合物は選択的に式IAおよびIBの化合物を除外することもある。しかし、本発明の化合物(式IIからIXで同定)は、II型真性糖尿病、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、および高脂血症の治療のための治療特性を有する、新しいクラスの化学化合物である。
Figure 2005527475
式IAの化合物について:
AおよびBは同じでも、異なっていてもよく、かつCH2、CO、N、NO、NH、SO0〜2、またはOであり;
D1〜D6は同じでも、異なっていてもよく、かつCH、N、S、もしくはOであり;
EはD1〜D6に位置する一つもしくは複数の原子に結合される置換基であってもよく;
PおよびQは二重結合であってもよく;または
P、Q、およびEは同じでも、異なっていてもよく、かつH、C110アルキル、置換アルキル基、置換もしくは無置換カルボン酸、置換もしくは無置換カルボン酸エステル、ハロゲン、カルボキシル、ヒドロキシル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、アリール、CN、OH、COOH、NO2、NH2、SO2〜4、C1〜20ヘテロアルキル、C2〜20アルケニル、アルキニル、アルキニル-アリール、アルキニル-ヘテロアリール、アリール、C1〜20アルキル-アリール、C2〜20アルケニル-アリール、ヘテロアリール、C1〜20アルキル-ヘテロアリール、C2〜20アルケニル-ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜20アルキル-ヘテロイクロアルキル、およびC1〜20アルキル-シクロアルキルからなる群より選択される部分であり、これらはいずれも、C1〜6アルキル、ハロゲン、OH、NH2、CN、NO2、COOH、またはSO2〜4からなる群より選択される部分で選択的に置換されていてもよい。例示的複素環基には、モルホリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアジアゾリジンまたはチアジアゾリンが含まれるが、これらに限定されることはない。
置換カルボン酸、置換カルボン酸エステル、および置換アルキル基は、任意の可能な位置で、C110アルキル、ハロゲン、CN、OH、COOH、NO2、NH2、SO2〜4、C1〜20ヘテロアルキル、C2〜20アルケニル、アルキニル、アルキニル-アリール、アルキニル-ヘテロアリール、アリール、C1〜20アルキル-アリール、C2〜20アルケニル-アリール、ヘテロアリール、C1〜20アルキル-ヘテロアリール、C2〜20アルケニル-ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜20アルキル-ヘテロイクロアルキル、およびC1〜20アルキル-シクロアルキルからなる群より選択される部分で置換されていてもよく、これらの部分はいずれも、C1〜6アルキル、ハロゲン、OH、NH2、CN、NO2、COOH、またはSO2〜4からなる群より選択される部分で選択的に置換されていてもよい。例示的複素環基には、モルホリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアジアゾリジン、およびチアジアゾリンが含まれるが、これらに限定されることはない。
Xは-OH、-COOH、または式Iの化合物のフェニル環に直接したカルボキシル部分OOC-もしくはCOO-を有する置換カルボキシル基である。カルボン酸基は、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシ、ヘテロアルキルオキシカルボニル、ヘテロアルキルカルボニルオキシ、ヘテロアリールオキシカルボニル、およびヘテロアリールカルボニルオキシからなる群より選択される部分で置換されていてもよく、これらの部分はそれぞれ、C110アルキル、CN、COOH、NO2、NH2、SO2〜4、C1〜20ヘテロアルキル、C2〜20アルケニル、アルキニル、アルキニル-アリール、アルキニル-ヘテロアリール、アリール、C1〜20アルキル-アリール、C2〜20アルケニル-アリール、ヘテロアリール、C1〜20アルキル-ヘテロアリール、C2〜20アルケニル-ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜20アルキル-ヘテロイクロアルキル、およびC1〜20アルキル-シクロアルキルで選択的に置換されており、これらはいずれも、C1〜6アルキル、ハロゲン、OH、NH2、CN、NO2、COOH、またはSO2〜4からなる群より選択される部分で選択的に置換されていてもよい。他の態様において、置換カルボキシル基はC110アルキル、CN、COOH、NO2、NH2、SO2〜4、C1〜20ヘテロアルキル、C2〜20アルケニル、アルキニル、アルキニル-アリール、アルキニル-ヘテロアリール、アリール、C1〜20アルキル-アリール、C2〜20アルケニル-アリール、ヘテロアリール、C1〜20アルキル-ヘテロアリール、C2〜20アルケニル-ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜20アルキル-ヘテロイクロアルキル、およびC1〜20アルキル-シクロアルキルからなる群より選択される部分で置換されていてもよく、これらはいずれも、C1〜6アルキル、ハロゲン、OH、NH2、CN、NO2、COOH、またはSO2〜4からなる群より選択される部分で選択的に置換されていてもよい。例示的複素環基には、モルホリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアジアゾリジン、およびチアジアゾリンが含まれるが、これらに限定されることはない。
具体的態様において、Xはヒドロキシル、ヒドロキシカルボニル、1-メチル-1-シクロヘキシルカルボニルオキシ、1-メチル-1-シクロヘキシルメトキシカルボニル、5-エチル-2-ピリジルアセトキシ、5-エチル-2-ピリジルメトキシカルボニル、(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボキシ、(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボキシ、(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-イルメトキシカルボニル、(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-イルメトキシカルボニル、(R)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシ、(S)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシ、(R)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-メトキシカルボニル、(S)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-メトキシカルボニル、2-ヒドロキシベンゾイルオキシ、または2,4-ジヒドロキシベンゾイルオキシでありうる。
他の態様において、Xは下記でありうる:
Figure 2005527475
式中、Heteroはヘテロ原子を含みうる芳香族、環式、または脂環式部分である。一定の具体的態様において、Heteroは一般には脂質低下剤のスタチン系の構造の一部である、ヘテロ原子を含む芳香族、環式、または脂環式部分である。好ましい例には、アトルバスタチンの成分である2-(4-フルオロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-[(フェニルアミノ)カルボニル]-1-(1H-ピロル)イル、およびロバスタチンの成分である1,2,3,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1-(2-メチルブタノイル)オキシ-3,7-ジメチル-8-ナフタレニルが含まれるが、これらに限定されることはない。
または、Xは下記でありうる:
Figure 2005527475
式中、Fibはヘテロ原子を含みうる芳香族、環式、または脂環式部分である。一定の具体的態様において、Fib部分は脂質低下剤のフィブラート系の一部である。好ましい例には、フェノフィブリン酸の成分である4-(4-クロロベンゾイル)フェノキシ、クロフィブリン酸の成分である4-クロロフェノキシ、およびゲムフィブロジルの成分である3-(2,5-キシリルオキシ)-1-プロピルが含まれるが、これらに限定されることはない。
または、Xは下記でありうる:
Figure 2005527475
式中、Rは水素またはメチルであり、NSAIDはヘテロ原子を含んでいてもよく、かつ一般には非ステロイド系抗炎症剤系の一部である、芳香族、アルキル、またはシクロアルキル部分を意味する。好ましい例には、4-(2-メチル-1-プロピル)フェニル、2-(2,6-ジクロロ-1-フェニル)アミノフェニル、6'-メトキシ-2'-ナフチル、および6'-メトキシ-2'-ナフチルメチルが含まれるが、これらに限定されることはない。
もう一つの態様において、Xは下記でありうる:
Figure 2005527475
式中、αおよびβは水素であるか、またはαおよびβは結合を形成し、かつγ、δ、およびεは独立に水素、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、またはメチルである。
または、Xは下記でありうる:
Figure 2005527475
Xは下記の一般式でもありうる:
Figure 2005527475
そのような態様において、nは0または1であり、R2およびR3は独立に水素またはメチルであり;ZはN、O、またはSであり;かつR1はアリールまたはヘテロアリール、アルキルまたはヘテロアルキルである。好ましい非限定例には、R1がフェニル、4-フルオロフェニル、4-メトキシフェニル、3-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-3-イソキサゾリル、2-ピリジル、4-ピリジル、2-ピラジニル、2-ヒドロキシベンゾイル、または2,4-ジヒドロキシベンゾイルである化合物が含まれる。
他の態様はXが下記である化合物を提供する:
Figure 2005527475
式中、nは0または1であり、R2およびR3は独立に水素またはメチルであり;ZはN、O、またはSであり;かつR1はアリールまたはヘテロアリール、アルキルまたはヘテロアルキルである。好ましい非限定例には、R1がフェニル、4-フルオロフェニル、4-メトキシフェニル、3-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-3-イソキサゾリル、2-ピリジル、4-ピリジル、2-ピラジニル、2-ヒドロキシベンゾイル、または2,4-ジヒドロキシベンゾイルである化合物が含まれる。
他の態様において、Xは下記の式を有する1-置換(R)-ピロリジン-2-メトキシカルボニル、(S)-ピロリジン-2-メトキシカルボニル、(R)-ピロリジン-2-カルボキシ、または(S)-ピロリジン-2-カルボキシである:
Figure 2005527475
式中、Yはアリールまたはヘテロアリール、アルキルまたはヘテロアルキルである。好ましい非限定例には、Yが(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボキシ、(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボキシ、(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-イルメトキシカルボニル、(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-イルメトキシカルボニル、(R)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシ、(S)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシ、(R)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-メトキシカルボニル、(S)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-メトキシカルボニル、5-クロロ-2-ピリジル、5-メチル-2-ピリジル、3-クロロ-2-ピリジル、4-メチル-2-ピリジル、2-ピリジル、2-ベンズオキサゾリル、2-ベンゾチアゾリル、5-アミノ-2-ピリジル、5-ニトロ-2-ピリジル、2-ピラジニル、4-フェニル-2-オキサゾリニル、5-メチル-2-チアゾリニル、4,5-ジメチル-2-オキサゾリニル、4,5-ジメチル-2-チアゾリニル、5-フェニル-2-チアゾリニル、2-チアゾリニル、4-メチル-5-フェニル-2-チアゾリニル、5-メチル-4-フェニル-2-チアゾリニル、2-ピペリジニル、4-フェニル-2-ピペリジニル、6-メチル-2-ピリジニル、6-メトキシ-2-ピリジニル、2-ヒドロキシベンゾイル、または2,4-ジヒドロキシベンゾイルである化合物が含まれる。
または、Xは下記の式を有するN-置換2-メチルアミノエトキシカルボニルまたはN-置換2-メチルアミノアセトキシである:
Figure 2005527475
式中、Yはアリールまたはヘテロアリール、アルキルまたはヘテロアルキルである。好ましい非限定例には、Yが(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボキシ、(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボキシ、(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-イルメトキシカルボニル、(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-イルメトキシカルボニル、(R)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシ、(S)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-カルボキシ、(R)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-メトキシカルボニル、(S)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロベンゾフラン-3-メトキシカルボニル、5-クロロ-2-ピリジル、5-メチル-2-ピリジル、3-クロロ-2-ピリジル、4-メチル-2-ピリジル、2-ピリジル、2-ベンズオキサゾリル、2-ベンゾチアゾリル、5-アミノ-2-ピリジル、5-ニトロ-2-ピリジル、2-ピラジニル、4-フェニル-2-オキサゾリニル、5-メチル-2-チアゾリニル、4,5-ジメチル-2-オキサゾリニル、4,5-ジメチル-2-チアゾリニル、5-フェニル-2-チアゾリニル、2-チアゾリニル、4-メチル-5-フェニル-2-チアゾリニル、5-メチル-4-フェニル-2-チアゾリニル、2-ピペリジニル、4-フェニル-2-ピペリジニル、6-メチル-2-ピリジニル、6-メトキシ-2-ピリジニル、2-ヒドロキシベンゾイル、または2,4-ジヒドロキシベンゾイルである化合物が含まれる。
Xはまた下記の式を有する1-置換(R)-ピロリジン-2-メトキシカルボニル、(S)-ピロリジン-2-メトキシカルボニル、(R)-ピロリジン-2-カルボキシ、または(S)-ピロリジン-2-カルボキシでもありうる:
Figure 2005527475
式中、Yは下記である:
Figure 2005527475
nは0または1であり;R2およびR3は独立に水素またはメチルであり;ZはN、O、またはSであり;かつR1はアリールまたはヘテロアリール、アルキルまたはヘテロアルキルである。好ましい非限定例には、R1がフェニル、4-フルオロフェニル、4-メトキシフェニル、3-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-3-イソキサゾリル、2-ピリジル、4-ピリジル、もしくは2-ピラジニルである化合物が含まれる;または
Yは下記である:
Figure 2005527475
nは0または1であり;mは0または1であり;R2およびR3は独立に水素またはメチルであり;ZはN、O、またはSであり;かつR1はアリールまたはヘテロアリール、アルキルまたはヘテロアルキルである。好ましい非限定例には、R1がフェニル、4-フルオロフェニル、4-メトキシフェニル、3-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-3-イソキサゾリル、2-ピリジル、4-ピリジル、もしくは2-ピラジニルである化合物が含まれる;または
Yは下記である:
Figure 2005527475
式中、Heteroは通常はヘテロ原子を含む芳香族、環式、または脂環式部分である。一定の具体的態様において、これらの部分は脂質低下剤のスタチン系の構造の一部である。好ましい例には、アトルバスタチンの成分である2-(4-フルオロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-[(フェニルアミノ)カルボニル]-1-(1H-ピロル)イル、およびロバスタチンの成分である1,2,3,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1-(2-メチルブタノイル)オキシ-3,7-ジメチル-8-ナフタレニルが含まれるが、これらに限定されることはない;または
Yは下記である:
Figure 2005527475
式中、Fibはヘテロ原子を含む芳香族、環式、または脂環式部分である。一定の具体的態様において、これらの部分は脂質低下剤のフィブラート系の一部である。好ましい例には、フェノフィブリン酸の成分である4-(4-クロロベンゾイル)フェノキシ、クロフィブリン酸の成分である4-クロロフェノキシ、およびゲムフィブロジルの成分である3-(2,5-キシリルオキシ)-1-プロピルが含まれるが、これらに限定されることはない;または
Yは下記である:
Figure 2005527475
式中、Rは水素またはメチルであり、NSAIDはヘテロ原子を含んでいてもよく、かつ一般には非ステロイド系抗炎症剤系の一部である、芳香族、アルキル、またはシクロアルキル部分を意味する。好ましい例には、4-(2-メチル-1-プロピル)フェニル、2-(2,6-ジクロロ-1-フェニル)アミノフェニル、6'-メトキシ-2'-ナフチル、および6'-メトキシ-2'-ナフチルメチルが含まれるが、これらに限定されることはない、または
Yは下記でありうる:
Figure 2005527475
式中、αおよびβは水素であるか、またはαおよびβは結合を形成し、かつγ、δ、およびεは独立に水素、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、もしくはメチルである;または
Yは下記でありうる。
Figure 2005527475
または、Xは下記の式を有するN-置換2-メチルアミノエトキシカルボニルまたはN-置換2-メチルアミノアセトキシでありうる:
Figure 2005527475
式中、Yは下記である:
Figure 2005527475
nは0または1であり;R2およびR3は独立に水素またはメチルであり;ZはN、O、またはSであり;かつR1はアリール、ヘテロアリール、アルキルまたはヘテロアルキルである。好ましい非限定例には、R1がフェニル、4-フルオロフェニル、4-メトキシフェニル、3-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-3-イソキサゾリル、2-ピリジル、4-ピリジル、もしくは2-ピラジニル、2-ヒドロキシベンゾイル、もしくは2,4-ジヒドロキシベンゾイルである化合物が含まれる;または
Yは下記である:
Figure 2005527475
nは0または1であり;mは0または1であり;R2およびR3は独立に水素またはメチルであり;ZはN、O、またはSであり;かつR1はアリールまたはヘテロアリール、アルキルまたはヘテロアルキルである。好ましい非限定例には、R1がフェニル、4-フルオロフェニル、4-メトキシフェニル、3-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-3-イソキサゾリル、2-ピリジル、4-ピリジル、2-ピラジニル、2-ヒドロキシベンゾイル、もしくは2,4-ジヒドロキシベンゾイルである化合物が含まれる;または
Yは下記である:
Figure 2005527475
式中、Heteroはヘテロ原子を含む芳香族、環式、または脂環式部分である。一定の具体的態様において、これらの部分は脂質低下剤のスタチン系の構造の一部である。好ましい例には、アトルバスタチンの成分である2-(4-フルオロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-[(フェニルアミノ)カルボニル]-1-(1H-ピロル)イル、およびロバスタチンの成分である1,2,3,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1-(2-メチルブタノイル)オキシ-3,7-ジメチル-8-ナフタレニルが含まれるが、これらに限定されることはない;または
Yは下記である:
Figure 2005527475
式中、Fibはヘテロ原子を含む芳香族、環式、または脂環式部分である。いくつかの態様において、これらの部分は脂質低下剤のフィブラート系の一部である。好ましい例には、フェノフィブリン酸の成分である4-(4-クロロベンゾイル)フェノキシ、クロフィブリン酸の成分である4-クロロフェノキシ、およびゲムフィブロジルの成分である3-(2,5-キシリルオキシ)-1-プロピルが含まれるが、これらに限定されることはない;または
Yは下記である:
Figure 2005527475
式中、Rは水素またはメチルであり、NSAIDはヘテロ原子を含んでいてもよく、かつ一般には非ステロイド系抗炎症剤系の一部である、芳香族、アルキル、またはシクロアルキル部分である。好ましい例には、4-(2-メチル-1-プロピル)フェニル、2-(2,6-ジクロロ-1-フェニル)アミノフェニル、6'-メトキシ-2'-ナフチル、および6'-メトキシ-2'-ナフチルメチルが含まれるが、これらに限定されることはない;または
Yは下記でありうる:
Figure 2005527475
式中、αおよびβは水素であるか、またはαおよびβは結合を形成し、かつγ、δ、およびεは独立に水素、ヒドロキシ、フルオロ、クロロ、もしくはメチルである;または
Yは下記でありうる:
Figure 2005527475
他の態様はXが下記である化合物を提供する:
Figure 2005527475
R4は水素またはメチルであり、かつR5はアリールまたはヘテロアリール、アルキルまたはヘテロアルキルである。好ましい非限定例には、R5がフェニル、4-フルオロフェニル、4-メトキシフェニル、3-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-3-イソキサゾリル、2-ピリジル、4-ピリジル、2-ピラジニル、(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2-クロマニル、(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2-クロマニル、(R)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロ-3-ベンゾフラニル、または(S)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロ-3-ベンゾフラニルである化合物が含まれる。
Xは下記でもありうる:
Figure 2005527475
式中、R4は水素またはメチルであり、かつR5はアリールまたはヘテロアリール、アルキルまたはヘテロアルキルである。好ましい非限定例には、R5がフェニル、4-フルオロフェニル、4-メトキシフェニル、3-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-2-チオフェニル、5-メチル-3-イソキサゾリル、2-ピリジル、4-ピリジル、2-ピラジニル、(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2-クロマニル、(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチル-2-クロマニル、(R)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロ-3-ベンゾフラニル、または(S)-5-ヒドロキシ-2,2,4,6,7-ペンタメチル-2,3-ジヒドロ-3-ベンゾフラニルである化合物が含まれる。
一つの態様において、AはNHであり;Bは硫黄(S)であり;PおよびQは二重結合であるか、または水素(H)であり;Eは水素(H)であって、D1からD6のそれぞれに結合しており;D1からD6は炭素(C)であり;かつXは上記の構造のいずれであってもよい。
特定の選択的態様において、式IBの化合物も本発明の範囲から除外される。
Figure 2005527475
式IBの化合物について:
A、B、およびFは同じでも、異なっていてもよく、かつCH2、CO、N、NO、NH、SO0〜2、Oであり;
D1〜D6は同じでも、異なっていてもよく、かつCH、N、S、もしくはOであり;
EはD1〜D6に位置する一つもしくは複数の原子に結合した置換基であってもよく;
PおよびQは二重結合であってもよく;または
P、Q、およびEは同じでも、異なっていてもよく、かつH、C110アルキル、置換アルキル基、置換もしくは無置換カルボン酸、置換もしくは無置換カルボン酸エステル、ハロゲン、カルボキシル、ヒドロキシル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル、アリール、CN、OH、COOH、NO2、NH2、SO2〜4、C1〜20ヘテロアルキル、C2〜20アルケニル、アルキニル、アルキニル-アリール、アルキニル-ヘテロアリール、アリール、C1〜20アルキル-アリール、C2〜20アルケニル-アリール、ヘテロアリール、C1〜20アルキル-ヘテロアリール、C2〜20アルケニル-ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜20アルキル-ヘテロシクロアルキル、およびC1〜20アルキル-シクロアルキルからなる群より選択される部分であり、これらはいずれも、C1〜6アルキル、ハロゲン、OH、NH2、CN、NO2、COOH、もしくはSO2〜4からなる群より選択される部分で選択的に置換されていてもよい。例示的複素環基には、モルホリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアジアゾリジンまたはチアジアゾリンが含まれるが、これらに限定されることはない。
置換カルボン酸、置換カルボン酸エステル、および置換アルキル基は、任意の可能な位置で、C1〜10アルキル、ハロゲン、CN、OH、COOH、NO2、NH2、SO2〜4、C1〜20ヘテロアルキル、C2〜20アルケニル、アルキニル、アルキニル-アリール、アルキニル-ヘテロアリール、アリール、C1〜20アルキル-アリール、C2〜20アルケニル-アリール、ヘテロアリール、C1〜20アルキル-ヘテロアリール、C2〜20アルケニル-ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜20アルキル-ヘテロシクロアルキル、およびC1〜20アルキル-シクロアルキルからなる群より選択される部分で置換されていてもよく、これらの部分はいずれも、C1〜6アルキル、ハロゲン、OH、NH2、CN、NO2、COOH、またはSO2〜4からなる群より選択される部分で選択的に置換されていてもよい。例示的複素環基には、モルホリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアジアゾリジン、およびチアジアゾリンが含まれるが、これらに限定されることはない。
Xは-OH、-COOH、または式IBの化合物のフェニル環に直接結合したカルボキシル部分OOC-もしくはCOO-を有する置換カルボキシル基である。カルボン酸基は、アルキルオキシカルボニル、アルキルカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシ、ヘテロアルキルオキシカルボニル、ヘテロアルキルカルボニルオキシ、ヘテロアリールオキシカルボニル、およびヘテロアリールカルボニルオキシからなる群より選択される部分で置換されていてもよく、これらの部分はそれぞれ、C1〜10アルキル、CN、COOH、NO2、NH2、SO2〜4、C1〜20ヘテロアルキル、C2〜20アルケニル、アルキニル、アルキニル-アリール、アルキニル-ヘテロアリール、アリール、C1〜20アルキル-アリール、C2〜20アルケニル-アリール、ヘテロアリール、C1〜20アルキル-ヘテロアリール、C2〜20アルケニル-ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜20アルキル-ヘテロシクロアルキル、およびC1〜20アルキル-シクロアルキルで選択的に置換されており、これらはいずれも、C1〜6アルキル、ハロゲン、OH、NH2、CN、NO2、COOH、またはSO2〜4からなる群より選択される部分で選択的に置換されていてもよい。他の態様において、置換カルボキシル基はC1〜10アルキル、CN、COOH、NO2、NH2、SO2〜4、C1〜20ヘテロアルキル、C2〜20アルケニル、アルキニル、アルキニル-アリール、アルキニル-ヘテロアリール、アリール、C1〜20アルキル-アリール、C2〜20アルケニル-アリール、ヘテロアリール、C1〜20アルキル-ヘテロアリール、C2〜20アルケニル-ヘテロアリール、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、C1〜20アルキル-ヘテロシクロアルキル、およびC1〜20アルキル-シクロアルキルからなる群より選択される部分で置換されていてもよく、これらはいずれも、C1〜6アルキル、ハロゲン、OH、NH2、CN、NO2、COOH、またはSO2〜4からなる群より選択される部分で選択的に置換されていてもよい。例示的な複素環基には、モルホリン、トリアゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、ピロール、ジヒドロピリジン、アジリジン、チアゾリジン、チアゾリン、チアジアゾリジン、およびチアジアゾリンが含まれるが、これらに限定されることはない。
一つの例示的態様において、式IBの本発明の化合物は下記の部分を有する:AはNHであり;FはOであり;BはC=Oであり;PおよびQは二重結合またはHであり;D1〜D6はC(炭素)であり、Eは水素であり;Xは下記からなる群より選択される:COOH、OH、
Figure 2005527475
式中
Figure 2005527475
かつ
R2はCH3またはHである。
本発明は下記の一般式を含む化合物を提供する:
Figure 2005527475
式中、aは0から4であり;
PおよびQはHもしくはCH3であるか、またはPおよびQは結合を形成し、したがってAと隣接炭素原子との間に二重結合を生じ;
AはCH、N、O、またはSであるが;AがOまたはSである場合、Pは式IIには存在せず、かつQはHまたはCH3であり;
R1とR2は連結され、一緒になって4もしくは5原子の長さの鎖を形成し、この鎖はO、S、もしくはNの群から少なくとも1個であるが、選択的に2個もしくは3個のヘテロ原子を含み、かつ少なくとも1個もしくは2個のカルボニル(C=O)基を選択的に含み;
またはR1とR2は連結されておらず、R1は-(C=O)NH2、-(C=O)OH、テトラゾール、もしくは-(C=O)O-C1〜6アルキルであってもよく;かつ
R2は水素原子;C1〜3アルキル;C1〜6アルコキシ;C0〜3アルキレンフェニル(フェニル環は1つまたは複数のハロゲン原子で選択的に置換されていてもよい);テトラゾール環;(C=O)OH;(C=O)O-C1〜6アルキル;
(C=O)bNR5R6であってよく、bは0または1であり;R5はHまたはC1〜6アルキルであり;かつ
R6はHまたはB(C=O)cDR7またはB(CHOH)cDR7であり、cは0または1であり、Bは結合、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C4〜6シクロアルケニレン、1つもしくは複数のC1〜3アルキル基および/または1つもしくは複数のハロゲン原子で選択的に置換されたフェニル、あるいは少なくとも1つ、または選択的に2つのヘテロ原子(任意の位置でO、N、またはSの任意の組み合わせを含む)を含む5員または6員複素環基であり、Dは結合、C1〜3アルキレンオキシ、-O-、-NH-、または-N(C1〜3アルキル)-であり、かつR7はC1〜6アルキル、C4〜6シクロアルキルもしくはシクロアルケニル、1つもしくは複数のハロゲン原子、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C0〜3アルキレンNR8R9(R8およびR9はそれぞれ独立にH、C1〜3アルキル、SO2C1〜3アルキル、(C=O)OC1〜3アルキル、SO2NHC1〜3アルキルであり)、C0〜3アルキレンCOOH、C0〜3アルキレン(C=O)OC1〜3アルキル、OCH2(C=O)NH2で選択的に置換されたフェニル、少なくとも1つ、もしくは選択的に2つのヘテロ原子(任意の位置でO、N、またはSの任意の組み合わせを含む)を含む5員もしくは6員複素環、または少なくとも1つのヘテロ原子(任意の位置でのO、N、またはSを含む)を含む5員もしくは6員複素環と縮合したベンゼン環を含み、かつオキソ(=O)基で選択的に置換された二環式縮合環であって、複素環の環原子を介して直接またはC1〜6アルキレンER10(EはO、S、またはNR11-であり、R10およびR11は独立にHまたはC1〜3アルキルである)を通じてDに結合されていてもよい二環式縮合環であり;
R3およびR4は選択的に同じか、または異なり、かつH、CH3、CF3、OCH3、またはハロゲン原子であってもよく;
dは0または1であり;
XはC1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、シアノ、(C=O)OC1〜6アルキル、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノで選択的に置換されたC3〜8シクロアルキル;一つまたは複数のハロゲン原子、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6フルオロアルコキシ、ニトリル、または-NR12R13(R12およびR13は独立にHまたはC1〜6アルキルである)の任意の組み合わせで選択的に置換されたフェニル環;少なくとも1つ、または選択的に2つもしくはそれ以上のO、S、またはNなどのヘテロ原子を含む5員または6員複素環であって、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、シアノ、(C=O)OC1〜6アルキル、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノで選択的に置換された複素環(ただし複素環は芳香族でなくてもよい);少なくとも1つ、または選択的に2つもしくはそれ以上のO、S、またはNなどのヘテロ原子を含む5員または6員複素環と縮合したフェニル環を含む二環式縮合環であって、いずれの環も独立にC1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、シアノ、(C=O)OC1〜6アルキル、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノで選択的に置換されていてもよく、かつ複素環は芳香族でなくてもよい二環式縮合環であってもよく、ただしd=0の場合、二環式の環XはXの複素環の環原子を介して直接、もしくは配列(CH2)fGg(CH2)h(C=O)i(GはO、S、NH、またはNC1〜3アルキルであり、fは0〜6であり、g=0または1、h=0〜6、およびi=0または1である)を通じてZに結合されているか;またはd=1の場合、二環式の環XはXの複素環の環原子とYの窒素原子との間で直接、もしくは配列(CH2)fGg(CH2)h(C=O)i(f、g、h、i、およびGは前述の定義のとおりである)を通じてYに結合されており;
Yは下記の一つであり:
Figure 2005527475
式中、窒素原子は上記で定義されるようにXに結合され、かつピロリジン環の2位は直接またはメチレン基を通じてZに結合されており;
Zは酵素的に加水分解または還元することができる基であり、該酵素的還元または加水分解によって-O(C=O)-、-(C=O)O-、-(C=O)S-、-S(C=O)-、-O(C=O)O-、-S-S-、-O-P(=O)(OC1〜6アルキル)O-、-P(=O)(OC1〜6アルキル)O-、-N=N-、-(C=O)NH-、-NH(C=O)-、-NHSO2-、-SO2NH-、-SO3-、-O3S-、コレステリル-O(C=O)O-、コレステリル-O(C=O)-、アンドロスタン17β-(C=O)-(アンドロスタン基は1〜4個の二重結合を含んでいてもよく、かつ1または2個のオキソ基、1〜4個のハロゲン原子、1〜4個のヒドロキシル基、または1〜4個のメチル基で選択的に置換されていてもよい)などの部分を含む2分子画分へとZが切断されるか;
またはZは下記の基を表してもよく:
Figure 2005527475
式中、jおよびkは0から4の整数であり、かつR14およびR15は独立にHまたはC1〜3アルキルを表す。
いくつかの態様において、X-Y-Z-は一緒になってHO-、HO(C=O)-、H2N、またはHO3S-を表す。他の態様は、QおよびR2を有する炭素中心が(S)-、(R)-、または(R,S)-配置でありうる化合物を提供する。すべての可能な不斉炭素中心が(S)-、(R)-、または(R,S)-配置でありうる、さらに他の態様も提供される。不飽和部分はシスまたはトランス配置でありうる。
本発明の化合物のサブグループは、式IIIの式で表される。これらの化合物はチアゾリジンジオンサブグループを表す:
Figure 2005527475
もう一つのサブグループは式IVで表される。これらはイソキサゾリジンジオンサブグループを表す:
Figure 2005527475
もう一つの態様は式Vで示される。このサブグループの化合物はベンジルマロン酸サブグループ(PおよびQはHである)およびベンジリデンマロン酸サブグループ(PおよびQは結合を形成する)を表す:
Figure 2005527475
さらにもう一つの態様は式VIを有する化合物を提供する。これらは2-フェノキシイソ酪酸サブグループを表す:
Figure 2005527475
他の態様は式VIIの化合物を提供し、これらはN-アロイルフェニルアラニンサブグループ(ArはフェニルまたはO、S、もしくはNの群から選択される少なくとも一つの原子を含む5員もしくは6員ヘテロアリール基である)を表す:
Figure 2005527475
式VIIIはN-アリールフェニルアラニンサブグループ(ArはフェニルまたはO、S、もしくはNの群からの少なくとも一つの原子を含む5員もしくは6員ヘテロアリール基である)を表す:
Figure 2005527475
もう一つのサブグループは式IXAおよびIXBで示され、フェノキシ酢酸サブグループであり、ただしカルボン酸部分はテトラゾール環で置換されていてもよい:
Figure 2005527475
式中、X(Y)dZは下記でありうる:
Figure 2005527475
Figure 2005527475
または
Figure 2005527475
式IIIの化合物は、例えば反応媒質として無水酢酸中の酢酸ナトリウムまたは塩化メチレン中のピペリジンおよび安息香酸を用いた、アルデヒドとチアゾリジン-2,4-ジオンとの間のクネーフェナーゲル反応によって都合よく調製することができる。これは図29および図30に示している。または、これらの化合物は図31に記載の方法によって調製することもでき、この場合、パラ−アニシジンに亜硝酸ナトリウムおよび塩酸によるジアゾ化反応を行い、次に塩化ジアゾニウム塩に対してアクリル酸メチルによるラジカル反応と、次いでチオ尿素による環化反応を行い、その生成物を加水分解してチアゾリジンジオン分子とする。
式IVおよびVの化合物は、図32に従って都合よく調製することができ、例えば段階(i)でp-メトキシベンズアルデヒドがマロン酸ジメチルと、メタノール中触媒量の安息香酸ピペリジニウム存在下で反応してベンジリデン生成物を生じる。段階(ii)において、ベンジリデンをメタノール/NaOH/水中で加水分解し、次いで希HClで酸性化して二酸を得る。次に二酸は塩化チオニルと反応して酸塩化物を生じる。段階(iii)において、酸塩化物をジクロロメタンおよびトリエチルアミンに溶解する。塩酸ヒドロキシルアミンを氷冷下に加え、イソキサゾリジン化合物を得る。段階(iv)において、メトキシ基は三フッ化ホウ素で容易に切断され、フェノール生成物を生じる。最後に段階(v)において、ベンジリデンをエタノール中マグネシウム粉末により還元して、4-メトキシベンジルマロン酸ジメチルを得る。
式VIの化合物は、図33に示すとおり、フェノールのアセトン、クロロホルム、および水酸化ナトリウムとの反応から都合よく調製することができる。
式VIIおよびVIIIの化合物は、チロシン窒素上で置換されているチロシン誘導体である。これらはチロシンメチルエステルと2-ベンゾイルシクロヘキサノンとの反応に続き、触媒として10% Pd/Cを用いた還元により(図34)、またはチロシンメチルエステルと塩化2-ベンゾイルシクロヘキサンカルボニルとの反応に続き、触媒として10% Pd/Cを用いた還元により(図35)都合よく合成することができる。
X-(Y)d-Z基は他で報告されている、例えばChaoら、国際公開公報第01/00603 A1号、Henkeら、J. Med. Chem. (1998) 41:5020-5036、Collinsら、J. Med. Chem. (1998) 41:5037-5054、Cobbら、J. Med. Chem. (1998) 41:5055-5069、およびDruzgalaら、PCT/US01/13131に記載の方法に従って合成することができ、これらのはそれぞれその全体が参照として本明細書に組み込まれる。これらの方法のいくつかを図36、37、および38に例示する。
本明細書に開示された化合物の修飾は、当業者であれば容易に行うことができる。したがって、例示された化合物の類縁体、誘導体、および塩は本発明の範囲内である。本発明の化合物およびそれらの構造について知識があれば、当分野の化学者は公知の方法を用いて入手可能な基質からこれらの化合物を合成することができる。
本出願において用いられる場合、「類縁体」および「誘導体」なる用語は、もう一つの化合物と実質的に同じであるが、例えば、追加の側鎖を付加することにより修飾されていることもある化合物を意味する。「類縁体」および「誘導体」なる用語は、本出願において用いられる場合、もう一つの化合物と実質的に同じであるが、化合物内の特定の位置で原子または分子置換されている化合物を意味することもある。
例示された化合物の類縁体または誘導体は、一般に公知の標準的反応を用いて容易に調製することができる。これらの標準的反応には、水素化、メチル化、アセチル化、および酸性化反応が含まれるが、これらに限定されることはない。例えば、本発明の範囲内の新しい塩は、鉱酸、例えば、HCl、H2SO4など、または強有機酸、例えば、ギ酸、シュウ酸などを適当な量で加えて、親化合物の酸付加塩またはその誘導体を形成することにより調製することができる。同様に、合成型反応を公知の方法に従って用い、例示された化合物に様々な基を付加するか、または修飾して、本発明の範囲内の他の化合物を生成することもできる。
本発明は、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、および高脂血症などの障害の治療法であって、治療を必要とする個人にエステル化チアゾリジンジオン類縁体の治療上有効な量を投与する段階を含む方法をさらに提供する。チアゾリジンジオンを基本とする化合物には、トログリタゾン(例えば、レズリン)、ピオグリタゾン、およびロシグリタゾンが含まれる。したがって、本発明はエステル化チアゾリジンジオン類縁体およびこれらのエステル化化合物の薬学的組成物を提供する。本発明の化合物および組成物は、糖尿病、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、および高脂血症などの障害の治療に適した他の治療化合物、治療法、組成物、および薬剤と共に投与することもできる。したがって、本発明は、本発明の化合物および組成物が糖尿病、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、および高脂血症などの障害を治療するための他の治療薬と共に用いられる、併用療法を含む。
本発明の化合物は、修飾されていない親化合物と類似の治療特性を有する。したがって、開示された化合物の用量比および投与経路は、当技術分野においてすでに用いられており、当業者には公知のものと同様である(例えば、Physicians' Desk Reference、第54版、Medical Economics Company、ニュージャージー州モントベール、2000年参照)。
本発明の化合物は、薬学的に有用な組成物を調製するための公知の方法に従って製剤することができる。製剤は、当業者には公知で、容易に入手可能ないくつかの情報源に詳細に記載されている。例えば、E.W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Scienceは、本発明と共に用いることができる製剤を記載している。一般に、本発明の組成物は、組成物の有効な投与を助けるために、一つまたは複数の生物活性化合物の有効量を適当な担体と合わせるように製剤する。
本発明によれば、活性成分として一つまたは複数の本発明の化合物の有効量と、一つまたは複数の非毒性の薬学的に許容される担体または希釈剤とを含む、薬学的組成物が提供される。本発明において用いるための、そのような担体の例には、エタノール、ジメチルスルホキシド、グリセロール、シリカ、アルミナ、デンプン、ならびに等価の担体および希釈剤が含まれる。糖尿病、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、および高脂血症などの障害の治療に適した追加の治療薬も、本発明の薬学的物質に組み込むことができる。
さらに、許容される担体は固体または液体のいずれであってもよい。固体製剤には、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤および分散性顆粒剤が含まれる。固体担体は希釈剤、着香剤、可溶化剤、滑沢剤、懸濁化剤、結合剤、保存剤、錠剤崩壊剤、またはカプセル化材料としてはたらくことができる一つまたは複数の物質でありうる。
開示された薬学的組成物は、適当な量の活性成分を含む単位用量に細分することもできる。単位用量剤形は、紙製もしくはプラスチック容器またはバイアルもしくはアンプル入りのパケット錠剤、カプセル剤、および散剤などの包装された製剤であってもよい。同様に、単位用量は液体を基剤とする製剤であってもよく、または固体食品、チューインガム、またはトローチに組み込むために製剤することもできる。
有害な薬物-薬物相互作用(DDI)、肝機能検査(LFT)値の上昇、およびトルサード・ド・ポアンツ(TDP)を導くQT延長が、薬物候補がFDAの認可を受けられない三つの主な理由である。これらの原因はすべて、ある程度までは代謝によるものである。酸化的代謝および非酸化的代謝の二つの代謝経路がその構造に組み込まれている薬物が、製薬産業において非常に望ましい。酸化的代謝経路の一つが飽和または非機能的になった場合に、代替の非酸化的代謝経路により、治療を受けている被験者に代替の薬物解毒経路(逃避経路)が提供される。逃避代謝経路を提供するためには二重の代謝経路が必須であるが、DDI、TDP、およびLFT上昇に関して安全な薬物を得るためには他の特徴も必要である。
二つの代謝経路を有することに加えて、蛋白質レベルでのDDIの場合に、結合していない薬物レベルが危険レベルにまで上昇しないように、薬物は迅速な代謝クリアランス(短い代謝半減期)を有しているべきである。また、薬物の代謝半減期が長すぎる場合には、ここでもCYP450系が主な排出経路となるため、元の設計目的が無効となる。投与した際の高いピーク濃度および急速な血中レベル低下を避けるために、そのような薬物は経時的に一定で制御可能な血中レベルが得られる送達系を用いて投与することも必要である。
本発明は、糖尿病や、高脂血症およびアテローム性動脈硬化症などの様々な関連障害を治療するための、治療上有用かつ有効な化合物および組成物も提供する。本明細書に記載の概念に従って修飾することができる、糖尿病および関連障害の治療に有用な様々なクラスの化合物には、グリタゾン、チアゾリジンジオン、およびイソキサゾリジンジオンなどの化合物が含まれる。
本発明の化合物は一つまたは複数の下記の特徴または性質を有する:
1. 本発明の化合物はCYP450および非酸化的代謝酵素または酵素系の両方によって代謝される;
2. 本発明の化合物は短い(最大4時間)非酸化的代謝半減期を有する;
3. 化合物の経口生物学的利用能は標準の薬学的経口製剤を用いた経口投与に一致するが;化合物およびその組成物は、経時的に一定で制御可能な血中レベルが得られる任意の送達系を用いて投与することもできる;
4. 本発明の化合物は加水分解酵素により非酸化的に切断することができる加水分解可能な結合を含む;
5. 本発明の化合物は小規模および大規模化学合成の標準的技術を用いて調製することができる;
6. 本発明の化合物の一次代謝産物は、化合物の非酸化的代謝から生じる;
7. 一次代謝産物は、親薬物の溶解性に関わりなく、生理的pHで水溶性であり、親化合物に比べて著しく低い薬理活性を有する;
8. 一次代謝産物のIKR(HERG)チャネルでの阻害活性は、親薬物の電気生理学的性質に関わりなく、血漿中の親薬物濃度が通常の治療濃度の場合には無視できるものである(例えば、IKRチャネルでの活性が認められるには、代謝産物の濃度は親化合物の通常の治療濃度の少なくとも5倍でなければならない);
9. 本発明の化合物、ならびにその代謝産物は、他の薬物と同時投与した場合に代謝によるDDIを引き起こさない;
10. 本発明の化合物、ならびにその代謝産物は、単独投与した場合にLFT値を上昇させない。
いくつかの態様において、本発明は前述の特徴または性質のいずれか二つを有する化合物を提供する。他の態様は、前述の性質または特徴の少なくとも三つを有する化合物を提供する。もう一つの態様において、化合物およびその組成物は前述の特徴または性質の少なくとも四つの任意の組み合わせを有する。もう一つの態様は、前述の特徴または性質の五から十の任意の組み合わせを有する化合物を提供する。好ましい態様において、本発明の化合物は十の特徴または性質すべてを有する。
様々な態様において、本発明の化合物の一次代謝産物のIKR(HERG)チャネルでの阻害活性は、親薬物の電気生理学的性質に関わりなく、血漿中の薬物濃度が通常の治療濃度の場合には無視できるものである。すなわち、IKRチャネルでの活性が認められるには、代謝産物の濃度は親化合物の通常の治療濃度の少なくとも5倍高くなければならない。好ましくは、IKRチャネルでの活性が認められるには、代謝産物の濃度は親化合物の通常の治療濃度の少なくとも10倍高くなければならない。
本発明の化合物はまず、それらの構造に組み込まれた加水分解可能な結合を介して、内在性加水分解酵素により代謝される。この代謝経路から生じる一次代謝産物は水溶性で、他の医薬品(薬物)と共に投与した場合にDDIを示さないか、またはその発生率が低い。本発明の化合物に組み込むことができる加水分解可能な結合の非限定例には、アミド、エステル、炭酸エステル、リン酸エステル、硫酸エステル、尿素、ウレタン、グリコシド、または加水分解酵素により切断することができる他の結合が含まれる。
本明細書に開示された化合物の他の修飾は、当業者であれば容易に行うことができる。したがって、例示された化合物の類縁体、誘導体、および塩は本発明の範囲内である。本発明の化合物について知識があれば、当分野の化学者は公知の方法を用いて入手可能な基質からこれらの化合物を合成することができる。本出願において用いられる場合、「類縁体」および「誘導体」なる用語は、もう一つの化合物と実質的に同じであるが、例えば、追加の側鎖を付加することにより修飾されていることもある化合物を意味する。「類縁体」および「誘導体」なる用語は、本出願において用いられる場合、もう一つの化合物と実質的に同じであるが、化合物内の特定の位置で原子または分子置換されている化合物を意味することもある。
本発明は、長期間にわたり薬物をゆっくり放出する薬物送達系により投与される新規薬物をさらに提供する。これらの送達系は、標的組織または細胞において一定の薬物レベルを維持する。そのような薬物送達系は、例えば、Remington:The Science and Practice of Pharmacy、第19版、Mack Publishing Co.、ペンシルバニア州イーストン、1995年、p.1660〜1675に記載されており、この開示はその全体が参照として本明細書に組み込まれる。薬物送達系は経口剤形、非経口剤形、経皮系、および標的指向送達系の形を取りうる。
経口持続放出剤形は一般に、薬物の放出速度が水不溶性高分子を通しての拡散によって決定される系に基づいている。拡散デバイスには基本的に二つのタイプ、すなわち薬物中心が高分子膜で囲まれているリザーバーデバイスと、溶解または分散した薬物が不活性の高分子マトリクス内に均質に分布しているマトリクスデバイスがある。しかし、実際には多くの拡散デバイスが放出速度を制御するためにある程度は溶解にも依拠する。
溶解系は、溶解速度が遅い薬物は本質的に持続性の血中レベルを示すという事実に基づいている。したがって、水溶性が高い薬物の溶解速度を低下させることにより、持続放出製剤を調製することが可能である。これは、適当な塩または他の誘導体を調製すること、薬物を溶解が遅い材料でコーティングすること、または薬物を溶解が遅い担体と共に錠剤中に取り込むことにより実施することができる。
実際には、ほとんどの溶解系は、カプセル化溶解系およびマトリクス溶解系の二つの範疇に入る。カプセル化溶解系は、薬物粒子または顆粒を様々な厚さの低速溶解高分子でコーティングすることにより、または相分離、界面重合、熱融合、もしくは溶媒蒸発法を用いて達成可能なマイクロカプセル化により調製することができる。コーティング材料は、コーティングする薬物および所望の放出特性に応じて、広範な天然および合成高分子から選択することができる。マトリクス溶解デバイスは、薬物を低速溶解高分子担体と共に錠剤の形に圧縮することにより調製する。
浸透圧制御薬物送達系では、薬物を一定放出させるための推進力として浸透圧を用いる。加えて、イオン交換樹脂を用いて、樹脂を薬物溶液と長時間接触させることにより樹脂に結合した薬物の放出速度を制御することもできる。この複合体からの薬物放出は、胃腸管内のイオン環境および樹脂の性質に依存する。
非経口持続放出剤形には最も一般的には、筋肉内注射、皮下組織および様々な体腔の埋込物、ならびに経皮デバイスが含まれる。筋肉内注射は薬物と、媒質の粘性を高めて分子の拡散低下および注入物の局在化をもたらす増粘剤との水溶液の形を取りうる。このようにして、吸収領域が減少し、薬物放出の速度が制御される。または、薬物をカフェインもしくはプロカインなどの小分子、あるいは高分子、例えば抗体および蛋白質などの生体高分子またはメチルセルロースもしくはポリビニルピロリドンなどの合成高分子のいずれかと複合体形成することもできる。後者の場合、これらの製剤は水性懸濁液の形を取ることが多い。かなり親油性の薬物は油溶液または油懸濁液として製剤することができ、この場合、薬物の放出速度は薬物の周囲の水性媒質中への分配によって決定される。懸濁された薬物粒子は水性媒質中に分配する前にまず油相に溶解しなければならないため、油懸濁液から得られる作用の持続期間は一般に、油溶液から得られるものよりも長い。薬物を含む小水滴が外部の油相中に均質に分散している、水-油(W/O)乳剤も持続放出のために用いることができる。O/W(逆)および多相乳剤からも同様の結果が得られる。
生体適合性高分子の埋込可能デバイスにより、薬物活性の持続期間の高度な制御および精密な投与の両方を可能にする。これらのデバイスにおいて、薬物放出は拡散または活性化のいずれかによって制御することができる。拡散型埋込物において、薬物は律速高分子膜によって囲まれている区画内にカプセル化される。薬物リザーバーは薬物粒子または液体もしくは固体型分散媒質中の固体薬物分散系(または溶液)のいずれかを含むことができる。高分子膜は均質または不均質の非多孔性高分子材料または微多孔性もしくは半透性の膜から製造することができる。高分子膜内の薬物リザーバーのカプセル化は、成形、カプセル化、マイクロカプセル化、または他の技術によって達成することができる。または、薬物リザーバーは親油性または親水性高分子マトリクス全体への薬物粒子の均質な分散によって形成される。薬物粒子の高分子マトリクス中の分散は、薬物を粘稠液体高分子または半固体高分子と室温で混合し、続いて高分子を架橋することにより、または薬物粒子を高温で融解した高分子と混合することにより達成することができる。これは、薬物粒子および/または高分子を有機溶媒に溶解し、続いて高温または減圧下、鋳型内で溶媒を混合および蒸発させることによって製造することもできる。
マイクロリザーバー溶解制御薬物送達において、薬物粒子の水混和性高分子水溶液中の懸濁液である薬物リザーバーは、高分子マトリクス中、多数の分離した、非浸出性の顕微鏡的薬物リザーバーの均質な分散系を形成する。微小分散系は、高エネルギー分散技術を用いることによって生成することができる。この種の薬物送達デバイスからの薬物の放出は、界面分配またはマトリクス拡散制御法のいずれかによる。
活性化型の埋込物において、薬物は半透性リザーバーから浸透圧勾配下で制御された速度で溶液として放出される。埋込型薬物送達系は蒸気圧、磁力、超音波、または加水分解によって活性化することもできる。
薬物の制御全身送達のための経皮系は、いくつかの技術に基づいている。膜緩和系(membrane-moderated systems)において、薬物リザーバーは薬物不浸透性の裏層およびそれを通って薬物が放出される速度制御微多孔性または非多孔性高分子膜から成形された浅い区画内に完全にカプセル化される。膜の外表面に、薬物適合性、低アレルギー性の粘着高分子の薄層を適用して、経皮系と皮膚とを密接に接触させることもできる。この種の送達系からの薬物放出速度は、高分子の組成、律速膜の透過係数または厚さ、および粘着性を変えることによって適合させることができる。
粘着拡散制御系において、薬物リザーバーは、薬物を粘着高分子中に直接分散させ、次いで薬用粘着物質を薬物不浸透性裏層膜の平面シート上に、溶媒注入成形により拡げ、薄い薬物リザーバー層を形成して調製する。薬物リザーバー層の上面に、一定の厚さの非薬用速度制御粘着高分子の層を適用し、粘着拡散制御薬物送達系を調製する。
マトリクス分散系において、薬物リザーバーは、薬物を親水性または親油性高分子マトリクス中に均質に分散させることにより調製する。次いで、薬用高分子を既定の表面積および制御された厚さを持つディスクに成形する。次いで、このディスクを薬物不浸透性裏層から製造した区画内の閉鎖基板に接着する。粘着高分子を円周に沿って拡げ、薬用ディスクの周囲に粘着性の縁の細片を形成する。マイクロリザーバー系において、薬物リザーバーはまず薬物粒子を水溶性高分子の水溶液に懸濁し、次いで機械的高剪断力で親油性高分子中に均質に分散させて薬物リザーバーの多数の非浸出性、顕微鏡的球体を形成する。この熱力学的に不安定な系を、高分子をインサイチューで架橋することにより安定化し、一定の表面積と、固定された厚さを持つ薬用高分子ディスクを得る。
標的指向送達系には、ナノ粒子、マイクロカプセル、ナノカプセル、高分子複合体、高分子ビーズ、ミクロスフェア、およびリポソームなどのコロイド系が含まれるが、これらに限定されることはない。標的指向送達系には、再度シールした(resealed)赤血球および他の免疫学に基づく系も含まれうる。後者には、薬物/抗体複合体、抗体を標的とする酵素活性化プロドラッグ系、および抗体に共有結合された薬物が含まれうる。
本発明はこれらの化合物の製造法も提供する。
本発明のもう一つの局面は、これらの条件を試験することができるプロトコルを提供することである。これらのプロトコルは:1)新規化合物がCYP450および加水分解酵素の両方によって代謝されること;2)親薬物の非酸化的半減期が内部標準と比較した場合に特定の値よりも高くないこと(好ましい態様において、約4時間未満);3)親薬物の一次代謝産物が非酸化的代謝の結果であること;4)親薬物の一次代謝産物が(親薬物の溶解性に関わりなく)水溶性であること;5)親薬物の一次代謝産物のIKR(HERG)チャネルに対する阻害特性が(親薬物の電気生理学的性質に関わりなく)、親薬物の治療濃度と同様の濃度では無視できるものであること;6)新規化合物が(その性質に関わりなく)他の薬物と同時投与した場合に代謝によるDDIを引き起こさないこと;ならびに7)新規化合物が一次ヒト肝細胞における肝毒性を引き起こさないことを確かめるために設計されたインビトロおよびインビボ試験を含む。
本発明のさらなる局面は、目的の治療化合物の合成法を提供する。例示的合成スキームを図22〜28に示す。段階1において、アスパラギン酸β-ベンジルをトリエチルアミンに懸濁し、0℃で撹拌しながら無水酢酸をゆっくり加える。次いで、触媒量のDMAPを氷冷下で加える。混合物を室温で終夜撹拌し、次いで氷水を加える。KOH溶液でpHを9.0とし、生成物を酢酸エチルで抽出し、乾燥し、濃縮する。
段階2において、アセトアミド基およびベンジルエステルを6N HClで2時間還流して切断する。得られたアミノ酸を単離し、乾燥し、次いでメタノール中の塩化チオニル溶液に溶解する。4時間還流後、生成したメチルエステル3を得る。
段階3において、アミン化合物3をジクロロメタンに懸濁し、塩化ベンゾイルおよびトリエチルアミンを氷冷下に加える。室温で5時間撹拌後、生成物を炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、乾燥し、蒸発させて、ベンズアミド4を得る。
段階4において、化合物4を無水酢酸エチルに溶解し、触媒量の硫酸を用いて90℃で3時間処理することにより、オキサゾール5を生成する。生成物を常法により単離する。
段階5において、5をメタノール/水中、1当量の水酸化リチウムで処理することにより、カルボン酸6を得る。
段階6および7は下記のとおり組み合わせて1ポット反応とすることができる:アセチルアセトン7(1.5mol)を氷酢酸(450ml)に溶解し、溶液を5℃に冷却する。亜硝酸ナトリウム(1.5mol/水150ml)を、温度が5℃から7℃の間にとどまるよう、ゆっくり加える。室温で4時間撹拌を続け、次いで亜鉛粉末(3mol)を氷冷下に分割して加える。反応が終わるまで室温で撹拌を続け、次いで生成物9をろ取する。完全に乾燥する。
段階8および9は前述のとおりに進める。アミン9はジクロロメタン中、トリエチルアミン存在下で塩化ベンゾイルと反応して、ベンズアミド10を生成する。次いで、触媒量の硫酸を用い、無水酢酸エチル中で還流して環化させることにより、オキサゾール11を得る。
段階10において、テトラヒドロフラン中、-40℃でケトン11を1当量のヨウ化メチルマグネシウムで処理して、三級アルコール12を得る。
段階11において、ケトン11をメタノール中、水素化ホウ素ナトリウムで還元して二級アルコール13を得る。
段階12において、p-メトキシベンズアルデヒド14はメタノール中、触媒量の安息香酸ピペリジニウムによりマロン酸ジメチルと反応して、ベンジリデン生成物15を生じる。
段階13において、ベンジリデン15をメタノール/NaOH/水中で加水分解し、次いで希HClで酸性化して、二酸を得る。二酸は次に塩化チオニルと反応して酸塩化物16を生成する。
段階14において、酸塩化物16をジクロロメタンおよびトリエチルアミンに溶解する。塩酸ヒドロキシルアミンを氷冷下に加え、イソキサゾリジン17を得る。
段階15において、化合物17のメトキシ基は三臭化ホウ素により容易に切断されて、フェノール化合物18を生じる。
段階16において、ベンジリデン化合物15をエタノール中、マグネシウム粉末で還元し、4-メトキシベンジルマロン酸ジメチル19を得る。
段階17、18、および19において、化合物19を段階13、14、および15と同様の一連の反応、すなわちNaOH/メタノール/水による加水分解と、続く塩化チオニルとの反応にかけて、酸塩化物20を得る。化合物20は次にジクロロメタンおよびトリエチルアミン中、塩酸ヒドロキシルアミンと反応して21を生じる。最後に、エーテル官能基を三臭化ホウ素で切断して、フェノール化合物22を得る。
段階21において、p-カルボキシベンズアルデヒド24はTHF中、安息香酸ピペリジニウム存在下、2,4-イソキサロリジンジオン25(塩化マロニルおよびヒドロキシルアミンから生成、段階20)と反応して、ベンジリデン26を生成する。
段階22において、化合物26をエタノール中、マグネシウム粉末で還元して3-(4-カルボキシベンジル)-イソキサゾリジン-2,4-ジオン27を得る。
段階23において、カルボン酸26はジクロロメタン中、1当量のジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)および4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)存在下、二級アルコール13と反応して、エステル28を生成する。
段階24でも化合物27と13との間で同じ反応が起こり、エステル29を生じる。
化合物28および29は、哺乳類のNIDDMおよび関連疾患に対して治療特性を有する好ましいイソキサゾリジンジオン類縁体群の化合物である。
段階25において、フェノール化合物18はジクロロメタン中、1当量のジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)および4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)存在下、カルボン酸6と反応して、エステル30を生成する。
段階26でも化合物22と6との間で同じ反応が起こり、エステル31を生じる。
化合物30および31は、哺乳類のNIDDMおよび関連疾患に対して治療特性を有する好ましいイソキサゾリジンジオン類縁体群の化合物である。
段階27から29において、アセト酢酸エチル32に段階6から9のアセチルアセトン7(図3)と同じ化学処理を行う。したがって、化合物32を氷酢酸中で亜硝酸ナトリウムと反応させ、得られたオキシム中間体は単離しないが、酢酸中で亜鉛粉末により還元して、アミン33を得る。次いで、アミンをジクロロメタン中、トリエチルアミン存在下で塩化ベンゾイルとカップリングさせる。次いで、得られたベンズアミド34を、還流酢酸エチル中で触媒量の硫酸により環化させて、置換オキサゾール35を得る。
段階30において、化合物35のカルボン酸エチル官能基をTHF中、水素化アルミニウムリチウムで還元して、一級アルコール36(化合物12および13の類縁体)を得る。
段階31において、化合物35のカルボン酸エチル官能基を6N HCl中で加水分解して、カルボン酸37(化合物6の類縁体)を得る。
化合物1から4(表1)は、例えば反応媒質として無水酢酸中の酢酸ナトリウムまたは塩化メチレン中のピペリジンおよび安息香酸を用いた、アルデヒドとチアゾリジン-2,4-ジオンとの間のクネーフェナーゲル反応によって都合よく調製することができる。これは図2および図3に示している。または、化合物1は図4に記載の方法によって調製することもできる。この反応スキームにおいて、パラ−アニシジンに亜硝酸ナトリウムおよび塩酸によるジアゾ化反応を行う。次に塩化ジアゾニウム塩に対してアクリル酸メチルによるラジカル反応と、次いでチオ尿素による環化反応を行い、その生成物を加水分解してチアゾリジンジオン分子とする。
表1に記載の化合物(化合物5から32)はすべて、1もしくは2と適当に置換されたカルボン酸との間、または3もしくは4と適当に置換されたアルコールとの間のエステル化反応を介して調製することができる。エステル化反応は、反応媒質中に例えば少量の濃硫酸などの触媒が存在することで促進することができる。好ましくは、特にカルボニルのα位が不斉中心である場合には、カルボン酸の活性化機能性誘導体が生成される。エステル化反応において用いられる多くのカルボン酸機能性誘導体が科学文献に記載されている。最もよく用いられる活性化機能性誘導体は酸塩化物、無水物および混合無水物、ならびに活性エステルである。本発明の一つの局面において、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)を活性化剤として用いた(図5)。
化合物33から104は、官能性を付与した5-メチルオキサゾールおよび官能性を付与した5-メチルチアゾール誘導体である。これらはすべて2位(表IIからVのR1)および4位に結合した様々な官能基を有し、これは分子のチアゾリジン部分への酵素的に不安定な結合である。酵素的に不安定な結合はエステル(COO-)または逆エステル(OOC-)のいずれかで、オキサゾールまたはチアゾール環からアルファ位で0、1、または2個のメチル基(表IIから表VのR2およびR3)で置換されていてもよい。
化合物33から104の合成を、図7〜10に概括的に記載する。図6は、R2およびR3がメチルまたは水素であるアスパラギン酸誘導体から出発する4-オキサゾール酢酸および4-オキサゾールエタノール部分の合成を記載している。典型的な例において、アセチル化剤として無水酢酸と、続いて脱炭酸生成物を得るために水酸化カリウムを用いて、アスパラギン酸γ-ベンジルをアセチル化し、次いで脱炭酸して、3-アセトアミド-4-オキソ吉草酸ベンジルを得る。これを次に、標準的な加水分解およびエステル化法を用い、例えば希塩酸中で還流した後、塩化チオニルおよびメタノール中で反応させて、3-アミノ-4-オキソ吉草酸メチルに変換する。次いで、適当な塩化アシルまたは塩化アロイルを用いて3-アミノ基をアシル化することにより、R1基を導入する。様々なR1基が記載されている表IIから表Vに示すとおり、この段階で導入されるR1基の性質にはほとんど制限はない。次いで、オキサゾール環への環化を、溶媒としての酢酸エチル中、触媒としての硫酸を用いて行う。この段階で、メタノール中、水酸化リチウムを用いたエステル加水分解により、所望の4-オキサゾール酢酸誘導体を得る一方で、エステルの水素化アルミニウムリチウムによる還元または酸のジボランを用いた還元により、4-オキサゾールエタノール誘導体を得る。
図7は、4-オキサゾールカルボン酸および4-オキサゾールメタノール基の合成を記載している。合成はアセト酢酸エチルから出発し、オキシム形成と、それに続く亜鉛粉末による還元を介して2-アミノ基を導入する。次いで、合成を前述のとおりに進め、アミノ基のアシル化によりR1基を導入した後、酢酸エチル中の硫酸による環化と、最後にエステル切断または還元を行ってアルコールとする。
図8は、立体障害を4-メタノール部分のメチル基の形でどのように導入しうるかを示している。ペンタン-2,4-ジオンから出発し、図7と同じ合成順序に従って4-アセチルオキサゾール化合物を得、これを水素化ホウ素ナトリウムで還元して、4-(1-エチル)オキサゾールとすることができる。または、化合物をヨウ化メチルマグネシウムにより変換して、三級アルコール類縁体とすることもできる。もう一つの態様において、図9に示すとおり、チオアミドの4-ブロモ-3-オキソペンタン酸メチルとの縮合により4-チアゾール酢酸メチルを得る。水酸化リチウムによるエステル切断または水素化アルミニウムリチウムによる還元から、それぞれ対応する酸またはアルコールを得る。
表VIから表XVIIの化合物105から224はすべて、それらの構造の一部としてアミノ酸またはアミノアルコールを有する。これらの合成を図10から図18に示す。本発明のこの局面の化合物の合成には、いかなるアミノ酸も用いることができる。特定の態様において、アミノ酸基はプロリンまたはN-メチルグリシンのいずれであってもよく、アミノアルコール基はそれらのアルコール等価物、すなわちそれぞれプロリノールまたはN-メチルグリシノールである。図10から13に示すとおり、THFおよびトリエチルアミン中、塩化アルキルまたは塩化2-ヘテロアリールのプロリン、プロリノール、N-メチルグリシン、またはN-メチルグリシノールとの反応により、それぞれ対応するN-アルキルまたはN-ヘテロアリール付加物を得る。これらの付加物が図10および12に示すようなカルボン酸である場合、これらはDCCおよびDMAP存在下で5-(4-ヒドロキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオンと反応して、化合物105〜108、111、112、125〜128、131、132、185〜188、191、192を生成する。カルボン酸付加物はDCCおよびDMAP存在下で5-(4-ヒドロキシベンジリデン)チアゾリジン-2,4-ジオンと反応すると、化合物115〜118、121、122、135〜138、141、142、195〜198、201、202を生成する。これらの付加物が図11および13に示すようなアルコールである場合、これらはDCCおよびDMAP存在下で5-(4-カルボキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオンと反応して、化合物145〜148、151、152、165〜168、171、172、205〜208、211、212を生成する。アルコール付加物はDCCおよびDMAP存在下で5-(4-カルボキシベンジリデン)チアゾリジン-2,4-ジオンと反応すると、化合物155〜158、161、162、175〜178、181、182、215〜218、221、222を生成する。
または、アミノ酸またはアミノアルコール基は図14から17に記載されているようなアミド官能基を介して他の基に連結することもできる。そのような化合物の合成は単純明快である。図14および16に示すとおり、化合物がアミノ酸を含む場合、合成順序はアミド結合形成、エステル脱保護、およびエステル形成である。
例示的な例として、(R)-Trolox(登録商標)を塩化メチレン中、DCCおよびDMAP存在下でL-プロリンメチルエステルと結合させてアミド中間体を生成する。次いで、プロリン基のメチルエステルをメタノール中、水酸化リチウムで切断し、得られたカルボン酸をDCC/DMAP/塩化メチレン中で5-(4-ヒドロキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオンと結合させて化合物109を得る。(S)-異性体である化合物110も同様の様式で調製する。同種の合成スキームにより、化合物113、114、119、120、123、124、129、130、133、134、139、140、143、144、189、190、193、194、199、200、203、および204を得る。
図15および17に示すとおり、化合物がアミノアルコールを含む場合、合成順序はアミド結合形成と、その後のエステル結合形成である。例示的な例として、(R)-Trolox(登録商標)を塩化メチレン中、DCCおよびDMAP存在下でL-プロリノールと結合させてアミド中間体を生成する。得られたアミドをDCC/DMAP/塩化メチレン中で5-(4-カルボキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオンと結合させて化合物149を得る。(S)-異性体である化合物150も同様の様式で調製する。同種の合成スキームにより、化合物153、154、159、160、163、164、169、170、173、174、179、180、183、184、209、210、213、214、219、220、223、および224を得る。
化合物225〜242(表XVIII)はオキサゾリン-4-カルボン酸型の化合物である。これらの合成(図18)はセリン(R5=H)から、またはトレオニン(R5=CH3)ベンジルエステルから出発する。エステルを、例えばEDCをカップリング剤として用いて、アルキルまたはアリールカルボン酸とカップリングさせる。次いで、セリンまたはトレオニン基を塩化チオニル処理により環化してオキサゾリンとする。DCC/DMAP/塩化メチレンを用いた5-(4-ヒドロキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオンとのカップリングにより、化合物225から242を得る。
化合物243から248(表XIX)はXが置換2-メチル-2-プロピオニル残基を含む基であるチアゾリジンジオン分子である。例には2-メチル-2-(4-クロロフェノキシ)プロピオニル部分(クロフィブリル部分)、2-メチル-2-[4-(4-クロロベンゾイル)フェノキシ]プロピオニル部分(フェノフィブリル部分)、および2,2-ジメチル-5-(2,5-キシリルオキシ)バレリル部分(ゲムフィブロジリル部分)が含まれる。
化合物249から252(表XX)はXが置換(R,R)-3,5-ジヒドロキシヘプタノイル残基を含む基であるチアゾリジンジオン分子である。例には(βR,δR)-2-(4-フルオロフェニル)-5-(1-メチルエチル)-3-フェニル-4-[(フェニル-アミノ)カルボニル]1H-ピロール-1-(β,δ,ジヒドロキシ)ヘプタノイル基(アトルバスタチン)、および1,2,3,7,8,8a-ヘキサヒドロ-1-(2-メチルブタノイル)オキシ-3,7-ジメチルナフタレニル-8-[(3R,5R)-7-ヘプタン]オイル基(ロバスタチン)が含まれる。これらの化合物の合成は、表Iの例にあるとおりに(すなわち、脂質低下剤と化合物1または化合物2との間の単純なエステル化法により)進める。
化合物253から260(表XXI)は、非ステロイド性抗炎症特性を有する分子におけるような、Xがアリール酢酸残基を含む基であるチアゾリジンジオン分子である。これらの例において、X基はイブプロフェン、イブフェナク、ナプロキセン、ジクロフェナク、またはナブメトン残基である。これらの化合物の合成は、X基と化合物1(PおよびQは水素である)または化合物2(PおよびQは結合を生成する)との間の単純なエステル形成反応である。
化合物261から268(表XXII)は、グルココルチコイド抗炎症特性を有する分子におけるような、Xがコルチエン酸残基を含む基であるチアゾリジンジオン分子である。これらの例において、X基はコルチエン酸、1,2-ジヒドロコルチエン酸、6α,9α-ジフルオロ-1,2-ジヒドロコルチエン酸、および9α-フルオロ-16α-メチル-1,2-ジヒドロコルチエン酸残基である。これらの化合物の合成は、X基と化合物1(PおよびQは水素である)または化合物2(PおよびQは結合を生成する)との間の単純なエステル形成反応である。コルチエン酸は、ヒトにおけるヒドロコルチゾンの多くの代謝産物の一つで、ヒドロコルチゾンから過ヨウ素酸ナトリウムでの酸化により合成することができる。置換コルチエン酸類縁体は、対応する置換グルココルチコイドから同じ様式で調製することができる。酸化法は[Druzgala P.:Novel Soft Anti-inflammatory Glucocorticoids for Topical Application. Ph.D.論文(1985)、フロリダ大学、フロリダ州ゲインズビル(全体が参照として本明細書に組み込まれる)]に詳細に記載されている。
代表的化合物を選択し、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM)KK-Ay雄マウスの血清グルコースおよびインスリンレベルに対する活性について評価した。各群の治療後のデータを治療前の値のパーセンテージに変換し、媒体および試験物質治療群の間の比較のために対応のないスチューデンツt検定を用いた。結果より、媒体対照群に比べて血清グルコースおよび血清インスリンレベルの両方で有意な低下が明らかとなった。血清グルコースおよび血清インスリンレベルの低下は、トログリタゾン治療群で見られた低下に匹敵するものであった。結果を表XXIならびに図19および図20に示す。
特定の態様において、本発明は国際出願番号PCT/US00/18211(2000年6月30日出願、国際公開公報第01/02377号)、PCT/US01/29853(2001年9月21日出願、国際公開公報第02/24689号)、およびPCT/US01/13131(2001年4月24日出願、国際公開公報第01/81328号);欧州特許第0528734号(Adir et Compagnie);欧州特許第0549365号(Sankyo Campany Ltd);欧州特許第0848004号(Shionogi & Co., Ltd.);国際公開公報第97/32863号(Torii Pharmaceutical Co.);日本特許第9165371号および9301963号;Kletzienら(Molecular Pharmacology, 41(2)303-398, 1992);Unangstら(J. Medicinal Chemistry, 37(2):322-328, 1994);ならびにSohdaら(Chemical and Pharmaceutical Bulletin, 30(10):3580-3600, 1982)に教示されている化合物を特に除外し、これらの各開示はすべての図および式を含むそのすべてが参照として本明細書に組み込まれる。
本発明の様々な態様において、式IAおよびIBの化合物(AはNHであり;Bは硫黄であり;FはC=Oであり;PおよびQは二重結合または水素であり;Eは水素であって、D1からD6のそれぞれに結合されているか、またはEはD2およびD6の一つもしくは両方に結合された水素原子、tert-ブチル、フェニル、イソプロピル基であり;D1からD6は炭素であり、かつXはCOOHまたはOHである)も除外される。したがって、AがNHであり;Bが硫黄であり;FがC=Oであり;PおよびQが二重結合または水素であり;Eが水素であって、D1からD6のそれぞれに結合されており;かつD1からD6が炭素である場合、XはCOOHまたはOHではありえない。または、EがD2およびD6の両方に結合された水素原子またはtert-ブチル基である場合、1)PおよびQは結合ではありえない;かつ/または2)XはOHではありえない、のいずれかである。
同様に、本発明の範囲から除外されるものは次のとおりである:5-[4-[2-(3-トリフルオロメチルフェニル)-2-(メトキシ)エチルアミノカルボニルオキシ]ベンジル]チアゾリジン-2,4-ジオンおよび4-(2,4-ジオキソチアゾリジン-5-イリデンメチル)安息香酸、5-(4-ヒドロキシベンジル)-3-トリフェニルメチル-チアゾリジン-2,4-ジオン、5-(4-アセトキシベンジリデン)チアゾリジン-2,4-ジオン、5-(4-アセトキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオン、5-(4-アセトキシベンジル)-3-トリフェニルメチル-チアオリジン-2,4-ジオン、5-(4-ヒドロキシベンジル)-3-トリフェニルメチル-チアオリジン-2,4-ジオン、5-(4-(N-3,4-ジクロロフェニルカルバモイル)ベンジリデン)チアゾリジン-2,4-ジオン、5-(4-(3,4-ジクロロフェノキシカルボイニル)ベンジリデン)チアゾリジン-2,4-ジオン、5-(4-(3,4-ジクロロフェニルアセトキシ)ベンイリデン)チアゾリジン-2,4-ジオン、ならびに5-(4-(3,4-ジクロロベンゾイルオキシ)ベンイリデン)チアゾリジン-2,4-ジオン。
本発明の特定の他の態様において、図39〜40に例示した化合物は本発明の範囲から除外される。
図39について、置換基、およびそれらの定義を下記に示す。Rは選択的に置換された芳香族炭化水素基、選択的に置換された脂環式炭化水素基、選択的に置換された複素環基、または選択的に置換された縮合複素環基である。芳香族炭化水素基とは、フェニル、ビフェニリル、ナフチルなどを意味する。ベンジルなどのアラルキルであってもよい。好ましくはフェニルである。脂環式炭化水素基とは、3個から7個の炭素原子を有する脂環式炭化水素基を意味し、例としてはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロブタジエニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、シクロヘプタジエニルなどがあり、5個から7個の炭素原子を有する脂環式炭化水素基が好ましい。その具体例には、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプテニル、およびシクロヘプタジエニルが含まれ、シクロペンチルおよびシクロヘキシルが特に好ましい。複素環基は、環を構成する原子として、炭素原子の他に窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1個から3個、好ましくは1または2個のヘテロ原子を有す5員または6員複素環、好ましくは芳香族複素環である。その具体例には、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、ジチアゾリル、ジオキソラニル、ジチオリル、ピロリジニル、ジチアジアジニル、チアジアジニル、モルホリニル、オキサジニル、チアジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピラニルおよびチオピラニルが含まれ、チエニル、フリル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジルおよびピリミジニルが好ましく、ピリジル、ピリミジニルおよびイミダゾリルが特に好ましい。縮合複素環基は、環を構成する原子として、炭素原子の他に窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される1個から3個、好ましくは1個もしくは2個のヘテロ原子を有する複数の5員もしくは6員複素環、好ましくは複数の芳香族複素環が縮合している環、またはそのような複素環、好ましくは一つの芳香族複素環と、一つの4員から6員芳香族炭化水素環、好ましくは一つのベンゼン環とが縮合している環である。その具体例には、フロイソキサゾリル、イミダゾチアゾリル、チエノイソチアゾリル、チエノチアゾリル、イミダゾピラゾリル、シクロペンタピラゾリル、ピロロピロリル、シクロペンタチエニル、チエノチエニル、オキサジアゾロピラジニル、ベンゾフラザニル、チアジアゾロピリジニル、トリアゾロチアジニル、トリアゾロピリミジニル、トリアゾロピリジニル、ベンゾトリアゾリル、オキサゾロピリミジニル、オキサゾロピリジニル、ベンゾキサゾリル、チアゾロピリダジニル、チアゾロピリミジニル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ピラゾロトリアジニル、ピラゾロチアジニル、イミダゾピラジニル、プリニル、ピラゾロピリダジニル、ピラゾロピリミジニル、イミダゾピリジニル、ピラノピラゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾキサチオリル、ベンゾジオキソリル、ジチオロピリミジニル、ベンゾジチオリル、インドリジニル、インドリル、イソインドリル、フロピリミジニル、フロピリジニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、チエノピラジニル、チエノピリミジニル、チエノジオキシニル、チエノピリジニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、シクロペンタオキサジニル、シクロペンタフラニル、ベンゾチアジアジニル、ベンゾトリアジニル、ピリドキサジニル、ベンゾキサジニル、ピリミドチアジニル、ベンゾチアジニル、ピリミドピリダジニル、ピリミドピリミジニル、ピリドピリダジニル、ピリドピリミジニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ベンゾキサチイニル、ベンゾジオキシニル、ベンゾジチイニル、ナフチリジニル、イソキノリル、キノリル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クロマニル、イソクロマニル、インドリニルなどが含まれ、ベンゾキサゾリル、ベンズイソチアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾキサチオリル、ベンゾジオキソリル、ベンゾジチオリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、ベンゾチアジアジニル、ベンゾトリアジニル、ベンゾキサジニル、ベンゾチアジニル、シンノリニル、キナゾリニル、キノキサリニル、ベンゾキサチイニル、ベンゾジオキシニル、ベンゾジチイニル、イソキノリル、キノリル、ベンゾピラニル、ベンゾチオピラニル、クロマニル、イソクロマニルおよびインドリニルが好ましく、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、イソキノリルおよびキノリルが特に好ましい。低級アルキルは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert-ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、3,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチルなどの、1個から6個の炭素原子を有する直鎖または分枝アルキルであり、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチルおよびtert-ブチルなどの1個から4個の炭素原子を有するアルキルが好ましく、メチルが特に好ましい。選択的に置換されたとは、基が同じでも異なっていてもよい1個から3個の置換基で置換されていてもよいことを意味する。その具体例には、メチル、エチル、プロピル、ブチル、tert-ブチルなどの低級アルキル;メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、tert-ブトキシなどの低級アルコキシ;ハロゲン原子;ニトロ;シアノ;ヒドロキシ;アシル(例えば、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリルなどの低級アルカノイル、ベンゾイル、ナフトイルなどのアロイルなど);ホルミルオキシ、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブチリルオキシ、イソブチリルオキシ、ベンゾイルオキシなどのアシルオキシ(アシル部分は前述の定義のとおり);ベンジルオキシ、フェネチルオキシ、フェニルプロピルオキシなどのアラルキルオキシ;メルカプト;メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、イソブチルチオ、tert-ブチルチオなどの低級アルキルチオ;アミノ;メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノなどの低級アルキルアミノ;ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノなどのジ(低級)アルキルアミノ;カルボキシ;メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニルなどの低級アルコキシカルボニル;アシルアミノ(アシル部分は前述の定義のとおり);トリフルオロメチル;ホスホリル;スルホニル;スルホニルオキシ;カルバモイル;スルファモイル;メチルホスホンアミド、エチルホスホンアミド、プロピルホスホンアミド、イソプロピルホスホンアミドなどの低級アルキルホスホンアミド;メチレンジオキシ;メトキシホスホリル、エトキシホスホリル、プロポキシホスホリル、イソプロポキシホスホリルなどの低級アルコキシホスホリル;メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、ブチルスルホニル、tert-ブチルスルホニルなどの低級アルキルスルホニル;メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、プロピルスルホニルアミノ、ブチルスルホニルアミノ、tert-ブチルスルホニルアミノなどの低級アルキルスルホニルアミノなどが含まれ、ヒドロキシ、低級アルキル、低級アルコキシ、アラルキルオキシ、メルカプト、低級アルキルチオ、ニトロ、ハロゲン原子、トリフルオロメチル、アミノ、ジ(低級)アルキルアミノ、低級アルキルアミノ、アシル、シアノ、カルバモイル、アシルオキシ、スルホニル、カルボキシおよび低級アルコキシカルボニルが好ましく、ヒドロキシ、低級アルキルおよび低級アルコキシが特に好ましい。本明細書において用いられる低級とは、炭素原子の数が好ましくは1個から6個、より好ましくは1個から4個であることを意味する。
本発明の特定の態様において、同様に除外されるものは、図40Aおよび40Bに例示されるような化合物である。そのような化合物について、Rは選択的に置換された芳香族炭化水素;選択的に置換された脂環式炭化水素;選択的に置換された複素環基;選択的に置換された縮合複素環基;または図40Bに例示された基(式中、R1は選択的に置換された芳香族炭化水素、選択的に置換された脂環式炭化水素、選択的に置換された複素環基または選択的に置換された縮合複素環基であり、R2およびR3は同じか、または異なり、それぞれが水素原子または低級アルキルであり、かつXは酸素原子、硫黄原子または二級アミノであり;R4は水素原子、低級アルキルまたはヒドロキシであり;R5はヒドロキシで選択的に置換された低級アルキルであり;かつPおよびQはそれぞれ水素原子であるか、またはPおよびQは一緒になって結合を形成する)、およびその薬学的に許容される塩である。本発明の特定の態様において、同様に除外されるものは、Rが選択的に置換されたフェニル、硫黄原子、酸素原子および窒素原子から選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を有する、選択的に置換された5員もしくは6員芳香族複素環基、またはそのような芳香族複素環とベンゼン環とが縮合している、選択的に置換された縮合芳香族複素環基、ならびにその薬学的に許容される塩であるか;Rがフェニル、硫黄原子、酸素原子および窒素原子から選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を有する、5員もしくは6員芳香族複素環基、またはそのような芳香族複素環とベンゼン環とが縮合している、縮合芳香族複素環基、ならびにその薬学的に許容される塩であるか;Rがフェニル、またはベンゼン環と硫黄原子を有する5員もしくは6員芳香族複素環基とが縮合している縮合芳香族複素環基、およびその薬学的に許容される塩であるか;Rがフェニル、ベンゾチエニルまたは1-メチルー1-(2-ピリジルチオ)メチル、およびその薬学的に許容される塩であるか;Rがフェニル、およびその薬学的に許容される塩であるか;あるいはRが図40Bに示す構造(ただしXは硫黄原子である)であり、かつ
R1が選択的に置換されたフェニル、または硫黄原子、酸素原子および窒素原子から選択される1個もしくは2個のヘテロ原子を有する、選択的に置換された5員もしくは6員芳香族複素環基、ならびにその薬学的に許容される塩であるか;あるいは
R1が硫黄原子、酸素原子および窒素原子から選択される1または2個のヘテロ原子を有する5または6員芳香族複素環基、ならびにその薬学的に許容される塩であるか;
R1が窒素原子を有する5または6員芳香族複素環基、およびその薬学的に許容される塩であるか;あるいは
R1がピリジル、およびその薬学的に許容される塩である化合物である。
ある特定の具体的態様において、図40に示され、4-[4-[2-(2-フェニル-5-メチル-4-オキサゾリル)エトキシ]ベンジル]-3,5-イソキサゾリジンジオン;4-[4-[2-(2-フェニル-5-メチル-4-オキサゾリル)エトキシ]ベンジリデン]-3,5-イソキサゾリジンジオン;4-[4-[2-(2-ベンゾチエニル-5-メチル-4-オキサゾリル)エトキシ]ベンジル]-3,5-イソキサゾリジンジオン;4-[4-[2-[5-メチル-[2-(2-ピリジルチオ)エチル]-4-オキサゾリル]エトキシ]ベンジル]-3,5-イソキサゾリジンジオン;およびその薬学的に許容される塩の群より選択されるイソキサゾリジンジオン誘導体が本発明の範囲から除外される。
実施例
実施例1
THF(30ml)中の(S)-2-ピロリジンメタノール(3.96g)に、同じくTHF(80ml)中の2-クロロベンズオキサゾール(5.90g)を加え、次いで、トリエチルアミン(3.96g)を滴加する。50℃で4時間撹拌する。室温まで冷却し、固体をろ別する。溶媒を蒸発させ、粗生成物を5mlの塩化メチレンに溶解する。溶融フィルター漏斗中のシリカプラグ(50g)を通過させ、生成物が回収されるまで、吸引しながらメタノール/塩化メチレン(10:90)で溶出する。(S)-1-(2-ベンズオキサゾリル)-2-ヒドロキシメチルピロリジンの収量は8.2gである。
実施例2
THF(30ml)中の(S)-2-ピロリジンメタノール(3.96g)に、同じくTHF(80ml)中の2-クロロベンゾチアゾール(6.50g)を加え、次いで、トリエチルアミン(3.96g)を滴加する。50℃で4時間撹拌する。室温まで冷却し、固体をろ別する。溶媒を蒸発させ、粗生成物を5mlの塩化メチレンに溶解する。溶融フィルター漏斗中のシリカプラグ(50g)を通過させ、生成物が回収されるまで、吸引しながらメタノール/塩化メチレン(10:90)で溶出する。(S)-1-(2-ベンゾチアゾリル)-2-ヒドロキシメチルピロリジンの収量は8.8gである。
実施例3
THF(50ml)中の(R)-2-ピロリジンメタノール(10.1g)に、同じくTHF(100ml)中の4,5-ジメチルチアゾール(14.8g)を加え、次いで、トリエチルアミン(10.1g)を滴加する。50℃で4時間撹拌する。室温まで冷却し、固体をろ別する。溶媒を蒸発させ、粗生成物を10mlの塩化メチレンに溶解する。溶融フィルター漏斗中のシリカプラグ(100g)を通過させ、生成物が回収されるまで、吸引しながらメタノール/塩化メチレン(10:90)で溶出する。(R)-1-(4,5-ジメチル-2-チアゾリル)-2-ヒドロキシメチルピロリジンの収量は19.5gである。
実施例4
2-クロロピリジン(12g)および2-(メチルアミノ)エタノール(100ml)を窒素雰囲気下、120℃で18時間撹拌する。室温まで冷却し、次いで、氷水(250ml)に注ぐ。酢酸エチル(2×200ml)で抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥する。ろ過する。蒸発乾固させる。粗生成物を減圧蒸留して10.3gのN-メチル-N-(2-ピリジニル)-2-アミノエタノール(沸点110℃/1.0mmHg)を得る。
実施例5
2-クロロベンズオキサゾール(15.3g)のTHF(100ml)溶液を、同じくTHF(100ml)中、2-(メチルアミノ)エタノール(8.0g)およびトリエチルアミン(10.1g)の氷冷溶液に滴加する。混合物を室温で4時間撹拌し、固体をろ別する。溶媒を蒸発させ、残渣を塩化メチレンに溶解し、シリカプラグ(100g)を通過させて、生成物が回収されるまで、メタノール/塩化メチレン(10:90)で溶出する。N-メチル-N-(2-ベンズオキサゾリル)-2-アミノエタノールの収量は15.7gである。
実施例6
塩化チオニル(2.5ml)を、無水塩化メチレン(50ml)中の(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-イルカルビノール(5.1g)の氷冷溶液に滴加した。溶液を0℃で1時間撹拌し、次いで室温でさらに2時間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×25ml)、次いで食塩水(25ml)、次いで水(25ml)で洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、蒸発乾固させる。粗生成物、(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-イルメチルクロリド(5.2g)をそのまま次の段階で用いる。
実施例7
塩化チオニル(2.5ml)を、無水塩化メチレン(50ml)中の(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-イルカルビノール(5.1g)の氷冷溶液に滴加した。溶液を0℃で1時間撹拌し、次いで室温でさらに2時間撹拌した。飽和重炭酸ナトリウム溶液(2×25ml)、次いで食塩水(25ml)、次いで水(25ml)で洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、蒸発乾固させる。粗生成物、(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-イルメチルクロリド(5.0g)をそのまま次の段階で用いる。
実施例8
(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-イルメチルクロリド(8.43g)、トリエチルアミン(2.6g)、および2-(メチルアミノ)エタノール(40ml)の混合物を窒素雰囲気下、120℃で16時間撹拌する。室温まで冷却し、氷水(100ml)に注ぐ。酢酸エチル(3×100ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を食塩水(100ml)で洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥する。ろ過する。蒸発乾固させる。生成物、(R)-2-[N-(6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-イルメチル)-N-メチルアミノ]エタノールの重量は9.0gである。
実施例9
(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-イルメチルクロリド(8.43g)、トリエチルアミン(2.6g)、および2-(メチルアミノ)エタノール(40ml)の混合物を窒素雰囲気下、120℃で16時間撹拌する。室温まで冷却し、氷水(100ml)に注ぐ。酢酸エチル(3×100ml)で抽出し、合わせた有機抽出物を食塩水(100ml)で洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥する。ろ過する。蒸発乾固させる。生成物、(S)-2-[N-(6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-イルメチル)-N-メチルアミノ]エタノールの重量は8.9gである。
実施例10
無水THF(50ml)中、2-クロロベンズオキサゾール(3.7g)、(L)-プロリンメチルエステル塩酸塩(4.0g)、およびトリエチルアミン(4.9g)の混合物を室温で18時間撹拌する。固体をろ別し、THF(10ml)で洗浄する。溶液を蒸発乾固させ、粗生成物を塩化メチレン(5ml)に溶解し、シリカプラグ(50g)を通過させて、酢酸エチル/塩化メチレン(10:90)で溶出する。生成物、(L)-N-(2-ベンズオキサゾリル)-プロリンメチルエステル(5.0g)は結晶性固体である。
実施例11
無水THF(50ml)中、2-クロロベンズオキサゾール(3.7g)、(D)-プロリンメチルエステル塩酸塩(4.0g)、およびトリエチルアミン(4.9g)の混合物を室温で18時間撹拌する。固体をろ別し、THF(10ml)で洗浄する。溶液を蒸発乾固させ、粗生成物を塩化メチレン(5ml)に溶解し、シリカプラグ(50g)を通過させて、酢酸エチル/塩化メチレン(10:90)で溶出する。生成物、(D)-N-(2-ベンズオキサゾリル)-プロリンメチルエステル(5.5g)は結晶性固体である。
実施例12
(L)-N-(2-ベンズオキサゾリル)-プロリンメチルエステル(5.0g)をメタノール(50ml)、水(5ml)、および水酸化リチウム(0.5g)からなる混合物に懸濁させる。室温で18時間撹拌する。クエン酸でpH4.5まで酸性化する。酢酸エチル(4×50ml)で抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、蒸発乾固させる。生成物、(L)-N-(2-ベンズオキサゾリル)-プロリン(4.3g)は灰白色固体である。
実施例13
無水THF(100ml)中、(L)-プロリン(4.6g)、2-クロロベンズオキサゾール(6.6g)、およびトリエチルアミン(4.45g)の混合物を還流温度で18時間撹拌する。室温まで冷却し、固体をろ別し、THF(10ml)で洗浄する。溶媒を蒸発させる。酢酸エチル(50ml)と、次いで1N水酸化ナトリウム(50ml)を加える。5分間撹拌する。水相を回収する。酢酸エチル(50ml)で再度洗浄する。クエン酸でpH4.5まで酸性化する。沈殿をろ過により単離する。水性ろ液を酢酸エチル(4×30ml)で抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥する。ろ過する。蒸発乾固させる。固体を35℃で18時間真空乾燥する。生成物の第一回収量は4.77gである。第二回収量は3.26gである。生成物、(L)-N-(2-ベンズオキサゾリル)-プロリンの全量は8.03gである。
実施例14
無水THF(100ml)中、(D)-プロリン(4.6g)、2-クロロベンズオキサゾール(6.6g)、およびトリエチルアミン(4.45g)の混合物を還流温度で18時間撹拌する。室温まで冷却し、固体をろ別し、THF(10ml)で洗浄する。溶媒を蒸発させる。酢酸エチル(50ml)と、次いで1N水酸化ナトリウム(50ml)を加える。5分間撹拌する。水相を回収する。酢酸エチル(50ml)で再度洗浄する。クエン酸でpH4.5まで酸性化する。沈殿をろ過により単離する。水性ろ液を酢酸エチル(4×30ml)で抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥する。ろ過する。蒸発乾固させる。固体を35℃で18時間真空乾燥する。生成物の第一回収量は4.93gである。第二回収量は2.90gである。生成物、(L)-N-(2-ベンズオキサゾリル)-プロリンの全量は7.83gである。
実施例15
トルエン(1,000ml)中、4-ヒドロキシベンズアルデヒド(122.12g)、2,4-チアゾリジンジオン(117.13g)、ピペリジン(5.11g)、および安息香酸(6.11g)の混合物を80℃で16時間撹拌する。室温まで冷却し、黄色固体をろ別する。固体を塩化メチレン(3×100ml)と、次いでメタノール/塩化メチレン(30:70)(2×100ml)で洗浄する。35℃で一定重量になるまで真空乾燥する。生成物、5-(4-ヒドロキシベンジリデン)-2,4-チアゾリジンジオンの収量は217.8gである。
実施例16
アセトン(400ml)中のp-アニシジン(25g)に、0から5℃の間で、亜硝酸ナトリウム(15.41g)の水(50ml)溶液および12N塩酸(50ml)を2つの異なる漏斗から15分間で滴加する。0℃でさらに5分間撹拌する。アクリル酸メチル(104.9g)を加え、次いで溶液を35℃まで加温する。2Lの三角フラスコに移し、激しく撹拌する。撹拌しながら、酸化銅(I)(0.7g)を数回に分けて加える。溶液から窒素ガスが発生している間は撹拌を続け、その後さらに4時間撹拌する。有機溶媒を蒸発させ、水性残渣を水(200ml)で希釈する。塩化メチレン(200ml)で抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、蒸発乾固させる。生成物、2-クロロ-3-(4-メトキシフェニル)プロパン酸メチルは暗色オイルで、重量は42.96gである。
実施例17
2-メトキシエタノール(100ml)中、2-クロロ-3-(4-メトキシフェニル)プロパン酸メチル(31.44g)、チオ尿素(16.89g)、および無水酢酸ナトリウム(11.24g)を100℃で4時間撹拌する。室温まで冷却し、フラスコを4℃で16時間放置する。淡黄色固体をろ別し、ヘキサン(50ml)で洗浄する。酢酸エチル/水(100ml:10ml)中で30分間撹拌する。ろ過する。熱エタノール(600ml)から結晶化させる。4℃で16時間放置後、結晶をろ別し、2-メトキシエタノール(100ml)および2N塩酸(20ml)の混合物中、還流させながら8時間撹拌する。溶媒を蒸発させる。酢酸エチル(200ml)および水(200ml)を加える。有機相を回収し、水(200ml)で再度洗浄する。硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、蒸発乾固させる。生成物、5-(4-メトキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオン(16.7g)はオイルで、放置すると固化する。
実施例18
-40℃に冷却した5-(4-メトキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオン(14.3g)の無水塩化メチレン(100ml)溶液に、3臭化ホウ素の1.0M塩化メチレン溶液(63ml)を加える。溶液を23℃まで戻した後、さらに16時間撹拌する。氷水(700ml)に注ぎ、15分間撹拌する。沈殿をろ過により単離する。生成物を水(50ml)と、次いで塩化メチレン(50ml)で洗浄する。5-(4-ヒドロキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオンの収量は12.8gである。
実施例19
トルエン(1,000ml)中、4-ホルミル安息香酸メチル(164.16g)、2,4-チアゾリジンジオン(117.13g)、ピペリジン(5.11g)、および安息香酸(6.11g)の混合物を80℃で16時間撹拌する。室温まで冷却し、黄色固体をろ別する。固体を塩化メチレン(3×100ml)と、次いでメタノール/塩化メチレン(30:70)(2×100ml)で洗浄する。35℃で一定重量になるまで真空乾燥する。生成物、5-(4-カルボメトキシベンジリデン)-2,4-チアゾリジンジオンの収量は258.0gである。
実施例20
無水メタノール(300ml)中、5-(4-カルボメトキシベンジリデン)-2,4-チアゾリジンジオン(26.3g)および削り状マグネシウム(24g)の懸濁液を45℃で8時間撹拌する。6N HClでpH5.0まで酸性化し、次いで塩化メチレン(2×250ml)で抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、蒸発乾固させる。生成物をシリカゲル(1,300g)でメタノール/塩化メチレン(02:98)により溶出するクロマトグラフィにかける。5-(4-カルボメトキシベンジル)-2,4-チアゾリジンジオンの収量は15.2gである。
実施例21
6N HCl(200ml)中、5-(4-カルボメトキシベンジリデン)-2,4-チアゾリジンジオン(50g)の懸濁液を還流させながら4時間撹拌する。混合物を4℃まで冷却し、生成物をろ別する。次いで、生成物を水(2×100ml)で洗浄し、40℃で真空乾燥する。5-(4-カルボキシベンジリデン)-2,4-チアゾリジンジオンの収量は45gである。
実施例22
6N HCl(200ml)中、5-(4-カルボメトキシベンジル)-2,4-チアゾリジンジオン(50g)の懸濁液を還流させながら4時間撹拌する。混合物を4℃まで冷却し、生成物をろ別する。次いで、生成物を水(2×100ml)で洗浄し、40℃で真空乾燥する。5-(4-カルボキシベンジル)-2,4-チアゾリジンジオンの収量は44gである。
実施例23
(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸(9.2g)および5-(4-ヒドロキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオン(8.3g)を塩化メチレン(100ml)およびTHF(50ml)に溶解する。これに、ジシクロヘキシルカルボジイミド(7.6g)およびDMAP(0.5g)を加え、室温で4時間撹拌する。固体をろ去し、少量のTHF(20ml)で洗浄する。溶媒を除去し、固体残渣を塩化メチレン(100ml)と共に撹拌し、4℃で16時間放置する。生成物をろ過により単離し、23℃で真空乾燥する。5-{4-[(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボキシ]ベンジル}チアゾリジン-2,4-ジオンの収量は12.4gである。
実施例24
(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸(9.2g)および5-(4-ヒドロキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオン(8.3g)を塩化メチレン(100ml)およびTHF(50ml)に溶解する。これに、ジシクロヘキシルカルボジイミド(7.6g)およびDMAP(0.5g)を加え、室温で4時間撹拌する。固体をろ去し、少量のTHF(20ml)で洗浄する。溶媒を除去し、固体残渣を塩化メチレン(100ml)と共に撹拌し、4℃で16時間放置する。生成物をろ過により単離し、23℃で真空乾燥する。5-{4-[(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボキシ]ベンジル}チアゾリジン-2,4-ジオンの収量は13.3gである。
実施例25
(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルビノール(1.9g)および5-(4-カルボキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオン(1.8g)を塩化メチレン(20ml)およびTHF(10ml)に溶解する。これに、ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.6g)およびDMAP(0.1g)を加え、室温で4時間撹拌する。固体をろ去し、少量のTHF(5ml)で洗浄する。溶媒を除去し、固体残渣を塩化メチレン(20ml)と共に撹拌し、4℃で16時間放置する。生成物をろ過により単離し、23℃で真空乾燥する。5-{4-[(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-メトキシ]ベンジル}チアゾリジン-2,4-ジオンの収量は2.54gである。
実施例26
(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルビノール(1.9g)および5-(4-カルボキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオン(1.8g)を塩化メチレン(20ml)およびTHF(10ml)に溶解する。これに、ジシクロヘキシルカルボジイミド(1.6g)およびDMAP(0.1g)を加え、室温で4時間撹拌する。固体をろ去し、少量のTHF(5ml)で洗浄する。溶媒を除去し、固体残渣を塩化メチレン(20ml)と共に撹拌し、4℃で16時間放置する。生成物をろ過により単離し、23℃で真空乾燥する。5-{4-[(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-メトキシ]ベンジル}チアゾリジン-2,4-ジオンの収量は2.17gである。
実施例27
(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸(4.6g)および5-(4-ヒドロキシベンジリデン)チアゾリジン-2,4-ジオン(4.2g)を塩化メチレン(50ml)およびTHF(25ml)に溶解する。これに、ジシクロヘキシルカルボジイミド(3.8g)およびDMAP(0.25g)を加え、室温で4時間撹拌する。固体をろ去し、少量のTHF(10ml)で洗浄する。溶媒を除去し、固体残渣を塩化メチレン(50ml)と共に撹拌し、4℃で16時間放置する。生成物をろ過により単離し、23℃で真空乾燥する。5-{4-[(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボキシ]ベンジリデン}チアゾリジン-2,4-ジオンの収量は5.9gである。
実施例28
(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボン酸(4.6g)および5-(4-ヒドロキシベンジリデン)チアゾリジン-2,4-ジオン(4.2g)を塩化メチレン(50ml)およびTHF(25ml)に溶解する。これに、ジシクロヘキシルカルボジイミド(3.8g)およびDMAP(0.25g)を加え、室温で4時間撹拌する。固体をろ去し、少量のTHF(10ml)で洗浄する。溶媒を除去し、固体残渣を塩化メチレン(50ml)と共に撹拌し、4℃で16時間放置する。生成物をろ過により単離し、23℃で真空乾燥する。5-{4-[(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルボキシ]ベンジリデン}チアゾリジン-2,4-ジオンの収量は6.2gである。
実施例29
(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルビノール(3.8g)および5-(4-カルボキシベンジリデン)チアゾリジン-2,4-ジオン(3.6g)を塩化メチレン(40ml)およびTHF(20ml)に溶解する。これに、ジシクロヘキシルカルボジイミド(3.2g)およびDMAP(0.2g)を加え、室温で4時間撹拌する。固体をろ去し、少量のTHF(10ml)で洗浄する。溶媒を除去し、固体残渣を塩化メチレン(40ml)と共に撹拌し、4℃で16時間放置する。生成物をろ過により単離し、23℃で真空乾燥する。5-{4-[(R)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-メトキシ]ベンジリデン}チアゾリジン-2,4-ジオンの収量は5.4gである。
実施例30
(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-カルビノール(3.8g)および5-(4-カルボキシベンジリデン)チアゾリジン-2,4-ジオン(3.6g)を塩化メチレン(40ml)およびTHF(20ml)に溶解する。これに、ジシクロヘキシルカルボジイミド(3.2g)およびDMAP(0.2g)を加え、室温で4時間撹拌する。固体をろ去し、少量のTHF(10ml)で洗浄する。溶媒を除去し、固体残渣を塩化メチレン(40ml)と共に撹拌し、4℃で16時間放置する。生成物をろ過により単離し、23℃で真空乾燥する。5-{4-[(S)-6-ヒドロキシ-2,5,7,8-テトラメチルクロマン-2-メトキシ]ベンジリデン}チアゾリジン-2,4-ジオンの収量は5.2gである。
実施例31
(L)-N-(2-ベンズオキサゾリル)プロリン(3.26g)および5-(4-ヒドロキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオン(3.11g)を塩化メチレン(100ml)に懸濁させる。DCC(2.89g)およびDMAP(0.12g)を加え、室温で4時間撹拌する。ろ過し、114gのシリカでメタノール/塩化メチレン(02:98)により溶出して精製する。5-{4-[(S)-1-(2-ベンズオキサゾリル)ピロリジン-2-カルボキシ]ベンジル}チアゾリジン-2,4-ジオンの収量は4.55gである。
実施例32
(L)-1-(2-ベンズオキサゾリル)ピロリジン-2-カルビノール(3.26g)および5-(4-カルボキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオン(3.25g)を塩化メチレン(100ml)に懸濁させる。DCC(2.88g)およびDMAP(0.12g)を加え、室温で4時間撹拌する。ろ過し、132gのシリカでメタノール/塩化メチレン(02:98)により溶出して精製する。5-{4-[(S)-1-(2-ベンズオキサゾリル)ピロリジニル-2-メトキシカルボニル]ベンジル}チアゾリジン-2,4-ジオンの収量は4.68gである。
実施例33
(D)-1-(2-ベンズオキサゾリル)ピロリジン-2-カルビノール(3.26g)および5-(4-ヒドロキシベンジリデン)チアゾリジン-2,4-ジオン(3.35g)を塩化メチレン(100ml)に懸濁させる。DCC(2.91g)およびDMAP(0.12g)を加え、室温で4時間撹拌する。ろ過し、108gのシリカでメタノール/塩化メチレン(02:98)により溶出して精製する。5-{4-[(R)-1-(2-ベンズオキサゾリル)ピロリジニル-2-メトキシカルボキシ]ベンジリデン}チアゾリジン-2,4-ジオンの収量は4.32gである。
実施例34
(D)-1-(2-ベンズオキサゾリル)ピロリジン-2-カルビノール(3.26g)および5-(4-カルボキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオン(3.25g)を塩化メチレン(100ml)に懸濁させる。DCC(2.93g)およびDMAP(0.12g)を加え、室温で4時間撹拌する。ろ過し、162gのシリカでメタノール/塩化メチレン(02:98)により溶出して精製する。5-{4-[(S)-1-(2-ベンズオキサゾリル)ピロリジニル-2-メトキシカルボニル]ベンジル}チアゾリジン-2,4-ジオンの収量は4.77gである。
実施例35
ジクロロメタン(100ml)中、2-アミノアセト酢酸エチル塩酸塩(5.4g)および塩化4-メトキシベンゾイル(5.2g)の撹拌冷溶液に、トリエチルアミン(8.3ml)を滴加する。3時間撹拌後、溶液を水(100ml)で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、蒸発乾固させる。粗生成物、2-(4-メトキシ)フェニルアミノアセト酢酸エチルの重量は6.7gである。
実施例36
2-(4-メトキシ)フェニルアミノアセト酢酸エチル(5.9g)およびオキシ塩化リン(50ml)を100℃で30分間撹拌する。オキシ塩化リンを蒸発により除去し、残渣を重炭酸ナトリウム水溶液で希釈し、塩化メチレンで抽出する。硫酸ナトリウムで乾燥後、溶液を蒸発させ、生成物をヘキサンから結晶化させ、5-メチル-2-(4-メトキシ)フェニル-4-オキサゾールカルボン酸エチル(4.5g)を得る。
実施例37
L-セリンメチルエステル塩酸塩(15.5g)、水(100ml)、重炭酸ナトリウム(21.8g)、および酢酸エチル(100ml)の氷冷混合物に、撹拌しながら塩化ベンゾイル(17g)の酢酸エチル(40ml)溶液を滴加する。2時間撹拌後、有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、N-ベンゾイル-L-セリンメチルエステルの結晶(22.0g)を得る。
実施例38
N-ベンゾイル-L-セリンメチルエステル(21.0g)、塩化チオニル(21.0g)、および塩化メチレン(150ml)の撹拌混合物を還流させながら1時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を冷水で希釈する。重炭酸ナトリウムで中和し、酢酸エチルで抽出する。メタノール:塩化メチレン(01:99)で溶出するシリカゲル(250g)精製により、(S)-2-フェニル-2-オキサゾリン-4-カルボン酸メチル(15.2g)を得る。
実施例39
L-トレオニンメチルエステル塩酸塩(16.5g)、水(100ml)、重炭酸ナトリウム(21.8g)、および酢酸エチル(100ml)の氷冷混合物に、撹拌しながら塩化ベンゾイル(17g)の酢酸エチル(40ml)溶液を滴加する。2時間撹拌後、有機相を分離し、硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させて、N-ベンゾイル-L-トレオニンメチルエステルの結晶(21.5g)を得る。
実施例40
N-ベンゾイル-L-トレオニンメチルエステル(21.0g)、塩化チオニル(21.0g)、および塩化メチレン(150ml)の撹拌混合物を還流させながら1時間撹拌する。溶媒を蒸発させ、残渣を冷水で希釈する。重炭酸ナトリウムで中和し、酢酸エチルで抽出する。メタノール:塩化メチレン(01:99)で溶出するシリカゲル(250g)精製により、(R,S)-2-フェニル-2-オキサゾリン-5-メチル-4-カルボン酸メチル(14.8g)を得る。
実施例41−NIDDM KK-Ay雄マウスにおける活性
体重50+/-5g(9〜10週齡)の非インスリン依存性真性糖尿病の雄マウスを用いた。これらのマウスは高インスリン血症、高血糖、および膵島萎縮を示した。試験化合物105、115、および155、ならびに陽性対照化合物トログリタゾンを1%カルボキシメチルセルロース調製物中に懸濁させ、10mg/kgの用量で1日2回、連続5日間経口投与した。採血を、最初の投与前と、最後の投与の90分後に行った。血清グルコースおよびインスリンレベルを測定した。治療前の値に比べての血清グルコースおよびインスリンレベルの低下パーセントを、表XXならびに図20および21に示している。
実施例42−CYPアッセイ
5つの主要な薬物代謝酵素、CYP1A4、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、およびCYP3A4、ならびに他のCYP450サブファミリーの活性について調べるための一連のアッセイが設計され、現在ではすぐに使用できるキットとして市販されているか、または受託業務として利用可能である。これらのアッセイの商業的供給源には、例えばGentestおよびMDS Panlabsが含まれる。これらのアッセイは試験化合物の代謝に対する酵素の活性について、ならびに基質による酵素の動力学的改変(阻害または活性化)について試験することができる。これらのインビトロプロトコルは、薬物代謝の局面を特徴づけるための単純、迅速、低費用の方法を用い、典型的には1mg未満の試験物質を必要とする。
実施例43−高処理量チトクロムP450阻害スクリーン
薬物-薬物相互作用の大多数は代謝に基づいており、これらのうちほとんどがCYP450に関与している。例えば、新しい化学物質が強力なCYP450阻害剤である場合、これは同時投与した医薬品の代謝を阻害し、有害な臨床事象を引き起こす可能性がある。ヒトCYP1A2、CYP2C8、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、CYP3A4および他のイソ型の阻害を、酵素供給源としてミクロソーム調製物と、文献に記載の蛍光検出法(Crepsi, C.L.ら(1997)Microtiter plate assay for inhibition of human, drug-metabolizing cytochromes P450. Ana. Biochem. 248:188-190;Crepsi, C.L.ら(1999)Novel High throughput fluorescent cytochrome P450 assays. Toxicol. Sci. 48, 抄録 No.323;Favreau, L.V.ら(1999)Improved Reliability of the Rapid Microtiter Plate Assay Using Recombinant Enzyme in Predicting CYP2D6 Inhibition in Human Liver Microsomes. Drug Metab. Dispos. 27:436-439)を用いて評価する。試験は96穴マイクロタイタープレート中で行い、下記の蛍光CYP450基質を用いることができる:レゾルフィンベンジルエーテル(BzRes)、3-シアノ-7-エトキシクマリン(CEC)、エトキシレゾルフィン(ER)、7-メトキシ-4-トリフルオロメチルクマリン(MFC)、3-[2-(N,N-ジエチル-N-メチルアミノ)エチル]-7-メトキシ-4-メチルクマリン(AMMC)、7-ベンジルオキシキノリン(BQ)、ジベンジフルオレセイン(DBF)または7-ベンジルオキシ-4-トリフルオロメチルクマリン(BFC)。CYP3A4に関連するIC50値の基質依存性、活性化および複合体阻害の動力学を評価するために、複数のCYP3A4基質が利用可能である(Korzekwa, K.R.ら(1998). Evaluation of atypical cytochrome P450 kinetics with two-substrate models: evidence that multiple substrates can simultaneously bind to the cytochrome P450 active sites. Biochemistry., 37, 4137-4147;Crepsi, C.L. (1999) Higher-throughput screening with human cytochrome P450. Curr. Op. Drug Discov. Dev.2: 15-19)。データはIC50値で、または試験化合物の濃度を一種類または二種類しか用いなかった場合には阻害パーセントで報告する。
実施例44−代謝安定性
代謝安定性は経口生物学的利用能および半減期の両方に影響をおよぼす;代謝安定性が高い化合物ほどそれらの薬物動態パラメーターの制御がしにくい。この特徴、または性質の組み合わせは、DDIおよび肝毒性の可能性につながる。この試験は化合物のCYP450存在下、加水分解酵素存在下、ならびにCYP450および加水分解酵素両方の存在下での代謝安定性を評価する。
CYP450存在下での安定性:インビボクリアランスが低い、および中程度のCYP450基質で、インビトロ代謝安定性とインビボクリアランスとの間には良好な相関が認められる(Houston, J.B. (1994) Utility of in vitro drug metabolism data in predicting in vivo metabolic clearance)。この試験は貯留(pooled)肝ミクロソーム、S9(ヒトおよび/または前臨床種)またはミクロソーム調製物と、適当な陽性および陰性対照を用いる。第I相および第II相酵素代謝両方の評価が可能で、標準的な一連の濃度の基質およびインキュベーションを用いることができる。代謝は親化合物の消失により測定する。吸光度、蛍光、放射または質量分析検出によるHPLC分析を用いることができる。
加水分解酵素存在下での安定性:肝細胞質ゾル、血漿、または市販の酵素混合物の加水分解酵素(ヒトおよび/または前臨床種)を用いて、本発明の新規化合物の代謝安定性を評価する。インビトロでの所見をインビボ代謝半減期と相関づけるために、適当な陽性および陰性対照、ならびに標準的な一連の濃度の基質を加える。代謝は親化合物の消失により測定する。吸光度、蛍光、放射または質量分析検出によるHPLC分析も用いることができる。
CYP450および加水分解酵素両方の存在下での安定性:この試験は貯留肝ミクロソーム、S9(ヒトおよび/または前臨床種)またはミクロソーム調製物と、適当な陽性および陰性対照を、市販物、血漿、または細胞質ゾルからの加水分解酵素との組み合わせで用いて、代謝安定性を評価する。この試験は一次肝細胞(ヒトおよび/または前臨床種)または灌流肝(前臨床種)でも実施することができる。陽性および陰性対照、ならびに標準的な一連の基質を用いることで、インビトロでの所見とインビボ代謝半減期との間の相関づけが可能になる。
実施例45−CYP1A1誘導スクリーニング
CYP1A1の誘導は、様々な第I相および第II相酵素の誘導に関連するプロセスである、アリール炭化水素(Ah)受容体のリガンド活性化の指標である(Swanson, H.I. (1993) The AH-receptor: genetics, structure and function. Pharmacogenetics 3:213-230)。多くの製薬会社がAh-受容体リガンドの疑いがある化合物の開発を避けるようにしている。この試験は、Ah受容体リガンドへの曝露により上昇する生来のCYP1A1活性を含むヒトリンパ芽球腫細胞株を用いる。アッセイは96穴マイクロタイタープレート内で、試験物質と終夜インキュベートした後、基質として7-エトキシ-4-トリフルオロメチルクマリンを加えることにより行う。ジベンズ(a,h)アントラセンを陽性対照誘導物質として用いる。CYP1A1を構成性に発現する別の細胞株を用いた、毒性またはCYP1A1阻害についての同時対照試験を行うことができる。
実施例46−チトクロムP450反応表現型解析(Reaction Phenotyping)
薬物の代謝を担うCYP450酵素の数および同一性は、代謝における集団変異性に影響をおよぼす。反応表現型解析は肝ミクロソームと選択的阻害剤またはcDNA発現酵素のパネルのいずれかを用いて基質の代謝に関与する酵素の数および同一性について予備的指標を提供する。各cDNA発現酵素の量を、貯留ヒト肝ミクロソームにおける同酵素の活性と比例するように選択する。蛋白質濃度を、対照ミクロソーム(CYP450酵素なし)の添加によって標準化する。標準的な一連の濃度の基質およびインキュベーションを用い、親化合物の消失により薬物の代謝を測定する。または、吸光度、蛍光、放射または質量分析検出によるHPLC分析を用いることもできる。
実施例47−Caco-2、LLC-PK1またはMDCK細胞単層における薬物浸透性測定
細胞単層を通っての薬物浸透性は、腸浸透性および経口生物学的利用能と良好な相関を示す。いくつかの哺乳動物細胞株がこの測定に適当である(Stewart, B.H.ら(1995)Comparison of intestinal permeabilities determined in multiple in vitro and in situ models: relationship to absorption in humans. Pharm. res. 12:693-699;Irvine, J.D.ら(1999). MDCK (Madin-Darby Canine Kidney) cells: A tool for membrane permeability screening. J. Pharm. Sci. 88:28-33)。頂端から側底への拡散を、標準的な一連の時点および薬物濃度を用いて測定する。これらの系は、高処理量様式に適合させることができる。液体クロマトグラフィ/質量分析(LC/MS)も、代謝産物の分析に利用することができる。膜の完全性についての対照および比較化合物を含み、データは固定条件下での見かけの浸透性(Papp)または流束パーセントで報告する。
実施例48−ヒトP-糖蛋白質(PGP)スクリーン
ATPアーゼアッセイを用いて、化合物が異物輸送体MDR1(PGP)と相互作用するかどうかを調べる。PGPによる薬物流出にはATPの加水分解が必要で、ATPアーゼアッセイはヒトPGP膜における薬物刺激されたATP加水分解から遊離されたリン酸塩を測定する。このアッセイは単一濃度定量を用いた高処理量様式で、公知のPGP基質のATPアーゼ活性と比較して化合物をスクリーニングする。薬物刺激されたATPアーゼ活性の濃度依存性および見かけの動力学的パラメーター、またはPGPとの阻害相互作用を調べることによる詳細なアプローチも用いることができる。
実施例49−分極細胞単層におけるPGP媒介薬物輸送
P-糖蛋白質(PGP)はABC輸送体スーパーファミリーのメンバーであり、ヒトの腸、肝および他の組織で発現される。細胞膜に局在化しているため、PGPは構造的に関連性がない多くの異物を細胞外に輸送することができる、ATP依存性流出ポンプとしてはたらく。PGPの腸における発現は、この輸送体の基質である薬物分子の経口生物学的利用能に影響をおよぼす。PGP基質である化合物は、分極細胞単層を通過してのそれらの輸送を直接測定することにより同定することができる。二方向薬物輸送(頂端から側底への浸透性、および側底から頂端へのPGP促進流出)を、LLC-PK1細胞(ヒトPGP cDNAを発現)および対応する対照細胞において測定することができる。Caco-2細胞も用いることができる。PGP媒介輸送の飽和について濃度依存性を解析し、見かけの動力学的パラメーターを計算する。このモデルを用いて、高処理量様式でも試験化合物をスクリーニングすることができる。LC/MS分析が利用可能である。膜の完全性についての対照および比較化合物をアッセイ系に含む。
実施例50−蛋白質結合
LC/MS分析を用いて、試験化合物の固定化ヒト血清アルブミンに対する親和性を評価することができる(Tiller, P.R.ら(1995)Immobilized human serum albumin: Liquid chromatography/mass spectrometry as a method of determining drug-protein binding. Rapid comm. mass spectrom. 9:261-263)。適当な低、中および高結合陽性対照比較物を試験に含む。
実施例51−代謝産物生成
ミリグラム量の代謝産物を、ミクロソーム調製物または細胞株を用いて生成することができる。これらの代謝産物を分析標準、構造特徴分析における補助、または毒性および有効性試験の物質として用いることができる。
実施例52−Hergチャネルに対する効果
このアッセイは親薬物および一つまたは複数の代謝産物のHergチャネルに対する効果を、安定ヒト胎児腎細胞(HEK)で発現されたクローン化Hergチャネル、またはHerg/MiRP-1によりコードされるカリウムチャネルを一時的に発現しているチャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)のいずれかを用いて試験する。ホールセル実験を、パッチ-クランプ法により電位固定様式で実施する。
HEK細胞を用いた試験において、細胞を保持電位-80mVから10mVの増分で-80mVから+60mVの間の電位まで4秒間脱分極させ、チャネルを完全に解放して不活化する。次いで、電位を-50mVまで6秒間下げ、テール電流を記録する。電流を試験化合物存在下でも記録し、試験化合物のHergチャネルを阻害する能力の用量-反応曲線を評価する。
CHO細胞を含む試験において、細胞を-60mVの保持電位で固定し、ホールセル構造を確立する。次いで、細胞を+40mVまで1秒間脱分極させ、その後20mVの増分で-120mVから+20mVの間の電位まで300ミリ秒の間過分極/脱分極させ、テール電流を分析する。試験化合物の効果を調べるために、細胞を+40mVまで300ミリ秒の間脱分極させ、次いで0.5mV/ミリ秒の速度で-60mVまで再分極させた後、-120mVまでの200ミリ秒の試験電位をかける。6回の対照刺激の後、細胞外溶液を試験化合物を含む溶液に変え、さらに44回の刺激を行う。外向き電流および内向きテール電流のピークを分析する。
HERGチャネルに対する活性を、灌流心臓調製物、通常はモルモットまたは他の小動物の心臓調製物を用いて評価することもできる。このアッセイでは、既知濃度の薬物を含む溶液で心臓を調整し、灌流する。次いで、薬物のQT間隔に対する効果の濃度-反応曲線を記録し、灌流液に薬物が含まれないブランク調製物と比較する。
実施例53−肝細胞培養物における毒性
この試験は、一次ヒトおよびブタ肝細胞培養物で実施する。毒性を[14C]ロイシンでのパルス標識による全蛋白質合成の測定(Kostrubsky, V.E.ら(1997)Effect of taxol on cytochrome P450 3A and acetaminophen toxicity in cultured rat hepatocytes: Comparison to dexamethasone. Toxicol. Appl. Pharmacol. 142:79-86)、および製造業者(Sigma Chemical Co.、ミズーリ州セントルイス)が記載したプロトコルを用いての臭化3-(4,5-ジメチルチアゾル-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムの還元により評価する。肝細胞は、全臓器移植に用いられない肝臓または雄Hanfordミニチュアピッグから単離することができる。
本明細書に記載の反応スキームおよび態様は例示のためのものにすぎず、当業者にはそれを考慮して様々な改変または変更が示唆されると考えられ、また様々な改変または変更は本出願の精神および範囲ならびに添付の特許請求の範囲内に含まれることが理解されるべきである。
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(表I)
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(表II)
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(表III)
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(表IV)
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(表V)
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(表VI)
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(表VII)
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(表VIII)
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(表IX)
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(表X)
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(表XI)
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(表XII)
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(表XIII)
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(表XIV)
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(表XV)
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(表XVI)
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(表XVII)
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(表XVIII)
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(表XIX)
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(表XX)
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(表XXI)
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(表XXII)
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(表XXIII)NIDDMマウスにおける活性
Figure 2005527475
(図1)本発明の化合物に対するエステラーゼの作用によって生じる例示的代謝分解産物を示す図である。
(図2〜3)化合物1から4(表I)の例示的合成スキームを示す図である。これらの化合物は、例えば反応媒質として無水酢酸中の酢酸ナトリウムまたは塩化メチレン中のピペリジンおよび安息香酸を用いた、アルデヒドとチアゾリジン−2,4−ジオンとの間のクネーフェナーゲル反応によって都合よく調製することができる。
(図4)化合物1(表I)の産生のための別の反応スキームを示す図である。この反応スキームにおいて、パラ−アニシジンに亜硝酸ナトリウムおよび塩酸によるジアゾ化反応を行う。次に、塩化ジアゾニウム塩に対してアクリル酸メチルによるラジカル反応と、次いでチオ尿素による環化反応を行い、その生成物を加水分解してチアゾリジンジオン分子とする。
(図5)表Iに記載の化合物(化合物5から32)の例示的合成スキームを示す図である。これらの化合物は、1もしくは2と適当に置換されたカルボン酸との間、または3もしくは4と適当に置換されたアルコールとの間のエステル化反応を介して調製することができる。
(図6)R2およびR3がメチルまたは水素であるアスパラギン酸誘導体から出発する、4-オキサゾール酢酸および4-オキサゾールエタノール部分の合成を示す図である。
(図7)4-オキサゾールカルボン酸および4-オキサゾールメタノール基の合成を示す図である。合成は、アセト酢酸エチルから出発し、2-アミノ基をオキシム形成と、それに続く亜鉛粉末による還元を介して導入する。次いで、合成を前述のとおりに進め、R1基をアミノ基をアシル化することによって導入し、続いて酢酸エチル中、硫酸による環化と、最後にエステル切断またはアルコールへの酸化を行う。
(図8)4-メタノール部分上のメチル基の形の下にいかにして立体障害を導入しうるかを示す図である。ペンタン-2,4-ジオンから出発し、図7と同じ合成順序に従うことによって、4-アセチルオキサゾール化合物を得、これを水素化ホウ素ナトリウムにより還元して4-(1-エチル)オキサゾールとするか、またはヨウ化メチルマグネシウムなどのグリニャール試薬により4-(2-ヒドロキシ-2-プロピル)オキサゾールに変換することができる。
(図9)チオアミドと4-ブロモ-3-オキソペンタン酸メチルとの縮合により4-チアゾール酢酸メチルを得る、別の合成スキームを示す図である。水酸化リチウムによるエステル切断または水素化リチウムアルミニウムによる還元を行い、それぞれ対応する酸またはアルコールを得る。
(図10〜17)表VIからXVIIの化合物105から224の合成を示す図である。これらの化合物はその構造の一部としてアミノ酸またはアミノアルコールを含む。
(図18)化合物225から242(表XVIII)の例示的合成経路を示す図である。これらの化合物はオキサゾリン-4-カルボン酸型の化合物である。これらの合成(図18)はセリン(R5=H)またはトレオニン(R5=CH3)ベンジルエステルから出発する。エステルを、結合剤として例えばEDCを用い、アルキルまたはアリールカルボン酸と結合させる。次いで、セリンまたはトレオニン基を塩化チオニル処理により環化させてオキサゾリンとする。DCC/DMAP/塩化メチレンを用いる5-(4-ヒドロキシベンジル)チアゾリジン-2,4-ジオンとの結合により、化合物225から242を得る。
(図19〜20)代表的化合物の、非インスリン依存性真性糖尿病(NIDDM)KK-Ay雄マウスの血清グルコースおよびインスリンレベルに対する活性を示す図である。各群の治療後データを治療前の値のパーセンテージに変換し、媒体治療群と試験物質治療群との間の比較については、対応のないスチューデンツt検定を用いた。結果より、媒体対照群に比べて、血清グルコースおよび血清インスリン両方の著しい低下が判明した。血清グルコースおよび血清インスリンレベルの低下は、トログリタゾン治療動物で見られた低下に匹敵していた。結果は表XXIにも示している。
(図21)式IBの例示的化合物を示す図である。
(図22〜28)式IBの化合物を生成するための例示的合成スキームを示す図である。
(図29〜38)式II〜IXの化合物の合成系路を示す図である。
(図39〜40)本発明の範囲から除外される化合物を示す図である。

Claims (14)

  1. 式VI、IXA、またはIXBを含む化合物:
    Figure 2005527475
    式中、R3およびR4は選択的に同じか、または異なり、かつH、CH3、CF3、OCH3、またはハロゲン原子であってもよく;
    dは0または1であり;
    XはC1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、シアノ、(C=O)OC1〜6アルキル、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノで選択的に置換されたC3〜8シクロアルキル;一つまたは複数のハロゲン原子、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6フルオロアルコキシ、ニトリル、または-NR12R13(R12およびR13は独立にHまたはC1〜6アルキルである)の任意の組み合わせで選択的に置換されたフェニル環;少なくとも1つ、または選択的に2つもしくはそれ以上のO、S、もしくはNなどのヘテロ原子を含む5員または6員複素環であって、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、シアノ、(C=O)OC1〜6アルキル、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノで選択的に置換された複素環(ただし複素環は芳香族でなくてもよい);少なくとも1つ、または選択的に2つもしくはそれ以上のO、N、もしくはSなどのヘテロ原子を含む5員または6員複素環と縮合したフェニル環を含む二環式縮合環であって、いずれの環も独立にC1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、シアノ、(C=O)OC1〜6アルキル、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノで選択的に置換されていてもよく、かつ複素環は芳香族でなくてもよい二環式縮合環であってもよく、ただしd=0の場合、二環式の環XはXの複素環の環原子を介して直接、もしくは配列(CH2)fGg(CH2)h(C=O)i(GはO、S、NH、もしくはNC1〜3アルキルであり、fは0〜6であり、g=0または1、h=0〜6、およびi=0または1である)を通じてZに結合されているか;またはd=1の場合、二環式の環XはXの複素環の環原子とYの窒素原子との間で直接、もしくは配列(CH2)fGg(CH2)h(C=O)i(f、g、h、i、およびGは前述の定義のとおりである)を通じてYに結合されており;
    Yは下記の一つであり:
    Figure 2005527475
    式中、窒素原子は上記で定義されるようにXに結合され、かつピロリジン環の2位は直接またはメチレン基を通じてZに結合されており;
    Zは酵素的に加水分解または還元することができる基であり、該酵素的還元または加水分解によって部分-O(C=O)-、-(C=O)O-、-(C=O)S-、-S(C=O)-、-O(C=O)O-、-S-S-、-O-P(=O)(OC1〜6アルキル)O-、-P(=O)(OC1〜6アルキル)O-、-N=N-、-(C=O)NH-、-NH(C=O)-、-NHSO2-、-SO2NH-、-SO3-、-O3S-、コレステリル-O(C=O)O-、コレステリル-O(C=O)-、アンドロスタン17β-(C=O)-(アンドロスタン基は1〜4個の二重結合を含んでいてもよく、かつ1または2個のオキソ基、1〜4個のハロゲン原子、1〜4個のヒドロキシル基、または1〜4個のメチル基で選択的に置換されていてもよい)を含む2分子画分へとZが切断されるか;
    またはZは下記の基を表してもよく:
    Figure 2005527475
    式中、jおよびkは0から4の整数であり、かつR14およびR15は独立にHまたはC1〜3アルキルを表す。
  2. 式IIを含む化合物:
    Figure 2005527475
    式中、aは0から4であり;
    PおよびQはHもしくはCH3であるか、またはPおよびQは結合を形成して、Aと隣接炭素原子との間に二重結合を生じ;
    AはCH、N、O、またはSであるが;AがOまたはSである場合、Pは式IIには存在せず、かつQはHまたはCH3であり;
    R1とR2は連結され、一緒になって4もしくは5原子の長さの鎖を形成し、該鎖はO、S、もしくはNの群から少なくとも1個から3個のヘテロ原子を含み、かつ少なくとも1個もしくは2個のカルボニル(C=O)基を選択的に含むか;
    またはR1とR2は連結されておらず、R1は-(C=O)NH2、-(C=O)OH、テトラゾール、もしくは-(C=O)O-C1〜6アルキルであってもよく;かつ
    R2は水素原子;C1〜3アルキル;C1〜6アルコキシ;C0〜3アルキレンフェニル(フェニル環は1つまたは複数のハロゲン原子で選択的に置換されていてもよい);テトラゾール環;(C=O)OH;(C=O)O-C1〜6アルキル;(C=O)bNR5R6であってよく、bは0または1であり;R5はHまたはC1〜6アルキルであり、かつR6はHまたはB(C=O)cDR7またはB(CHOH)cDR7であり、cは0または1であり、Bは結合、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C4〜6シクロアルケニレン、1つもしくは複数のC1〜3アルキル基および/または1つもしくは複数のハロゲン原子で選択的に置換されたフェニル、あるいは少なくとも1つ、または選択的に2つのヘテロ原子(任意の位置でのO、N、またはSの任意の組み合わせを含む)を含む5員または6員複素環基であり、Dは結合、C1〜3アルキレンオキシ、-O-、-NH-、または-N(C1〜3アルキル)-であり、R7はC1〜6アルキル、C4〜6シクロアルキルもしくはシクロアルケニル、1つもしくは複数のハロゲン原子、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、C0〜3アルキレンNR8R9(R8およびR9はそれぞれ独立にH、C1〜3アルキル、SO2C1〜3アルキル、(C=O)OC1〜3アルキル、SO2NHC1〜3アルキルである)、C0〜3アルキレンCOOH、C0〜3アルキレン(C=O)OC1〜3アルキル、OCH2(C=O)NH2で選択的に置換されたフェニル、少なくとも1つもしくは選択的に2つのヘテロ原子を含み、かつ任意の位置でO、N、もしくはSの任意の組み合わせを含む5員もしくは6員複素環、または少なくとも1つのヘテロ原子を含み、かつ任意の位置でO、N、またはSを含む5員もしくは6員複素環と縮合したベンゼン環を含み、オキソ(=O)基で選択的に置換された二環式縮合環であって、複素環の環原子を介して直接またはC1〜6アルキレンER10(EはO、S、またはNR11-であり、R10およびR11は独立にHまたはC1〜3アルキルである)を通じてDに結合されていてもよい二環式縮合環であり;
    R3およびR4は選択的に同じか、または異なり、かつH、CH3、CF3、OCH3、またはハロゲン原子であってもよく;
    dは0または1であり;
    XはC1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、シアノ、(C=O)OC1〜6アルキル、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノで選択的に置換されたC3〜8シクロアルキル;一つまたは複数のハロゲン原子、C1〜6アルキル、C1〜6アルコキシ、C1〜6フルオロアルコキシ、ニトリル、または-NR12R13(R12およびR13は独立にHまたはC1〜6アルキルである)の任意の組み合わせで選択的に置換されたフェニル環;少なくとも1つ、または選択的に2つもしくはそれ以上のO、S、もしくはNなどのヘテロ原子を含む5員または6員複素環であって、C1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、シアノ、(C=O)OC1〜6アルキル、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノで選択的に置換された複素環(ただし複素環は芳香族でなくてもよい);少なくとも1つ、または選択的に2つもしくはそれ以上のO、N、またはSなどのヘテロ原子を含む5員または6員複素環と縮合したフェニル環を含む二環式縮合環であって、いずれの環も独立にC1〜3アルキル、C1〜3アルコキシ、トリフルオロメチル、ヒドロキシ、シアノ、(C=O)OC1〜6アルキル、アミノ、アルキルアミノ、またはジアルキルアミノで選択的に置換されていてもよく、かつ複素環は芳香族でなくてもよい二環式縮合環であってもよく、ただしd=0の場合、二環式の環XはXの複素環の環原子を介して直接、もしくは配列(CH2)fGg(CH2)h(C=O)i(GはO、S、NH、またはNC1〜3アルキルであり、fは0〜6であり、g=0または1、h=0〜6、およびi=0または1である)を通じてZに結合されているか;またはd=1の場合、二環式の環XはXの複素環の環原子とYの窒素原子との間で直接、もしくは配列(CH2)fGg(CH2)h(C=O)i(f、g、h、i、およびGは前述の定義のとおりである)を通じてYに結合されており;
    Yは下記の一つであり:
    Figure 2005527475
    式中、窒素原子は上記で定義されるようにXに結合され、かつピロリジン環の2位は直接またはメチレン基を通じてZに結合されており;
    Zは酵素的に加水分解または還元することができる基であり、該酵素的還元または加水分解によって部分-O(C=O)-、-(C=O)O-、-(C=O)S-、-S(C=O)-、-O(C=O)O-、-S-S-、-O-P(=O)(OC1〜6アルキル)O-、-P(=O)(OC1〜6アルキル)O-、-N=N-、-(C=O)NH-、-NH(C=O)-、-NHSO2-、-SO2NH-、-SO3-、-O3S-、コレステリル-O(C=O)O-、コレステリル-O(C=O)-、アンドロスタン17β-(C=O)-(アンドロスタン基は1〜4個の二重結合を含んでいてもよく、かつ1または2個のオキソ基、1〜4個のハロゲン原子、1〜4個のヒドロキシル基、または1〜4個のメチル基で選択的に置換されていてもよい)含む2分子画分へとZが切断されるか;
    またはZは下記の基を表してもよく:
    Figure 2005527475
    式中、jおよびkは0から4の整数であり、かつR14およびR15は独立にHまたはC1〜3アルキルを表す。
  3. X-Y-Z-が一緒になってHO-、HO(C=O)-、H2N、またはHO3S-を表す、請求項1または2記載の化合物。
  4. QおよびR2を有する炭素中心が(S)-、(R)-、もしくは(R,S)-配置であるか;またはすべての可能な不斉炭素中心が(S)-、(R)-、もしくは(R,S)-配置であり、かつ不飽和部分がシスまたはトランス配置でありうる、請求項1または2記載の化合物。
  5. 式IIIを含む、請求項2記載の化合物:
    Figure 2005527475
  6. 式IVを含む、請求項2記載の化合物:
    Figure 2005527475
  7. 式Vを含む、請求項2記載の化合物:
    Figure 2005527475
  8. 式VIIを含む、請求項2記載の化合物:
    Figure 2005527475
    式中、ArはフェニルまたはO、S、もしくはNの群から選択される少なくとも一つの原子を含む、5員もしくは6員ヘテロアリール基である。
  9. 式VIIIを含む、請求項2記載の化合物:
    Figure 2005527475
    式中、ArはフェニルまたはO、S、もしくはNの群からの少なくとも一つの原子を含む5員もしくは6員ヘテロアリール基である。
  10. 式IXAを含む、請求項1記載の化合物。
  11. 式IXBを含む、請求項1記載の化合物。
  12. X(Y)dZが下記でありうる、請求項1〜11のいずれか一項記載の化合物:
    Figure 2005527475
    Figure 2005527475
    Figure 2005527475
  13. 請求項1〜12のいずれか一項記載の化合物および担体を含む組成物。
  14. 糖尿病、高脂血症、高コレステロール血症、またはアテローム性動脈硬化症の治療法であって、請求項1〜12記載の化合物または請求項13記載の組成物の治療的有効量を投与する段階を含む方法。
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