JP2005525321A - 雄性の性機能障害の治療 - Google Patents

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Abstract

選択的オキシトシンアンタゴニストを、薬学的に許容することのできる担体、希釈剤または医薬品添加物と任意に混合してもよい、雄性射精障害の治療および/または予防における用途のための選択的オキシトシンアンタゴニストを含む組成物。

Description

本発明は、雄性の性機能障害、特に早発射精のような射精障害の治療および/または予防に有用である化合物および医薬に関する。
本発明は、また、雄性の性機能障害、特に早発射精のような射精障害の予防および/または治療方法に関する。
本発明は、また、雄性の性機能障害、特に早発射精のような射精障害の治療に有用な化合物を選別する測定法に関する。
雄性の性機能障害
性機能障害(SD)は、雄性および雌性の両方に影響しかねない重要な臨床問題である。SDの原因は、器質的ならびに心理的の両方であり得る。SDの器質的面は、典型的には、高血圧または糖尿病と関係するもののような血管の疾患が根本にあることにより、処方箋による投薬により、および/またはうつ病のような精神的疾患により引き起こされる。生理学的要素としては、恐怖、遂行不安および対人関係の葛藤が挙げられる。SDは、性的遂行を害し、自尊心を傷つけ、そして個人的苦悩が生じることにより対人関係を崩壊させる。クリニックにおいては、SD障害は、雌性の性機能障害(FSD)障害および雄性の性機能障害(MSD)障害に分けられてきた(メルマン(Melman)等1999
J. Urology 161 5-11)。FSDは、女性が性的表現に満足を見いだすことが困難又はできないことと最もよく定義される。雄性の性機能障害(MSD)は、通常、雄性の勃起機能障害(MED)としても知られる勃起機能障害および/または早発射精のような射精障害、無オルガスム症(オルガスムを得ることができない)または性的欲望低下障害(性交に対する興味の欠如)のいずれかと関係する。
早発射精(PE)
PEは、男性では比較的ありふれた性機能障害である。それは、いくつかの異なるやり方で定義されてきたが、最も広く受け入れられているのは、精神障害の診断および統計マニュアルIV (Diagnostic
and Statistical Manual of Mental Disorders IV)であり、
“PEは、終生持続する又は再発性の、貫通前、時または直後で且つ患者がそれを望む前の最小の性的刺激での射精である。臨床家は、年齢、性交相手または刺激の新規性、および性的活動の頻度のような興奮段階の持続に影響する要素を考慮に入れなければならない。心の動揺は、対人関係の困難という著しい苦悩の原因となる。”と述べている。
疾患10の定義の国際分類 (The
International Classification of Diseases 10 definition)は、
“以下:(1)性交の開始前または非常にすぐ後(時間制限が要求される場合、性交の開始の前または15秒以内)に射精の発生;(2)性交を可能にするのに十分な勃起がない状態で射精が起きるのいずれかとしてはっきり示される性交を楽しむために十分射精を遅らすことができないこと。問題は、性的活動の長期禁断の結果ではない”と述べている。
用いられてきた他の定義としては、以下の基準に関する分類が挙げられる:
●相手のオルガスムに関連した
●貫通と射精の間の持続時間
●押し込む回数および自由意志による制御の能力
心理的要素がPEに関与しているかもしれず、関係の問題、不安、うつ病、前の性的失敗が全て役割を演じている。
PEの推定有病率は、男性人口の約22−38%である。男性の勃起機能障害(MED)と異なり、PEは、年齢とはっきりした相関がない。30%の平均有病率をとると、米国中に推定二千四百万人の苦しむ人々がいることになる(男性の年齢18−65は、1995年で八千万人であった)。重篤度による有病率に関するデータはほとんどない。PEの運用上の定義は、5−10%の男性にあてはまるかもしれないが、しかしながら0.2%未満が治療を要すると推定される。経口的に効果的な治療の有効性は、この状況をおそらく変えそうである。
泌尿器科専門医は、現在、PEを治療する医師の大半(59%)を形成する。一般医は、症状を治療する医師の33%を形成する。性セラピスト、行動セラピストおよびカウンセラーも、PE患者を治療する。専門家は、症状が相手との関係に対して与える衝撃故に申告者の50%がそうすると見積もる。ストレス、関係の困難および/または生活の質に対する影響が、苦しむ人々がPE治療を求める重要な引き金である。
射精は、交感および副交感神経系に依存する。交感神経系を経る精管および精巣上体への遠心インパルスは、平滑筋収縮をもたらし、精子を背部尿道へと移動させる。精嚢、前立腺および尿道球腺の同様の収縮は、精液の容量および液の内容物を増加させる。精液の射出は、副交感神経系を経て通る、球海綿体筋、坐骨海綿体筋および骨盤底筋のリズミカルな収縮を引き起こす脊髄内のオヌフ核から起こる遠心性インパルスにより仲介される。射精の皮質制御は、ヒトにおいては未だ論争中である。ラットにおいて、視床下部の内側視索前野および室傍核が、射精に関与すると考えられる。
目下、PEを治療するための入手可能な承認された薬はない。最も普通のオフ−ラベル(off-label)処方医薬は、抗うつ薬(例えば、クロミプラミン)および選択的セトロニン再取り込み阻害剤(例えば、パロキセチンおよびセルトラリン)である。これらの薬物は、抗うつ薬とみなされていることから、しばしば患者によりあまり受け入れられない。それらは‘オフ−ラベル’で用いられ、必要に応じて(即ち、‘臨機応変に’)用いる場合効果的であるが、長いファーマコキネティックスTmax(薬物の経口投与後、血漿中の最大薬物濃度に至る時間)のため、作用が徐々に開始するようである。常習的に用いる場合、このクラスの薬物に共通の副作用が見られるかもしれない。行動療法は、別の制御手段であったが、非常に有効というわけではなく、高い離脱および再発率を有する。新規な更に有効な療法が必要とされる。
従って、雄性の性機能障害、特に早発射精のような射精障害を治療する新規な方法を見出すことが望ましい。
本発明の発展性のある発見は、選択的オキシトシンアンタゴニストを投与することにより射精までの潜時の増加を獲得することができるということである。従って、選択的オキシトシンアンタゴニストの使用により、射精障害、特に早発射精の治療を達成することができることが示された。これは、射精潜時を増加させることにより、好ましくは射精潜時を正常な水準近くまで回復させることにより達成することができる。
特に、選択的オキシトシンアンタゴニストの使用は、勃起形成メカニズム、特に陰茎の勃起を維持しながら、射精障害、特に早発射精の治療に帰する。
選択的オキシトシンアンタゴニストを用いる射精障害、特に早発射精の治療は、患者の性的衝動を維持しながら、その治療を可能にする。本明細書で用いる用語“性的衝動”は、リビドーまたは性的欲望を意味する。
従って、本発明による化合物は、好ましくは、公知の非選択的オキシトシンアンタゴニストと比較して、勃起形成メカニズム、特に陰茎の勃起、および/または性的衝動を維持するという予想外の有利性を含む。
性的行動におけるオキシトシンの役割
射精は、二つの別々の構成要素−射出および射精を含む。射出は、遠位精巣上体、精管、精嚢および前立腺から尿道前立腺部への精液および精子の寄託である。この寄託に続いて起こるのは、尿管口からの精液内容物の力強い射出である。射精は、純粋に脳の事象であるオルガスムとは異なる。しばしば、二つの過程は、一致する。
末梢血清中のオキシトシンのパルスは、哺乳類において射精を伴う。ヒトにおいて、バソプレッシンではなくオキシトシン血漿濃度は、射精時又はその辺りで著しく上昇する。オキシトシンは、それ自体、射精を誘導せず、この過程は、脊髄の腰椎部分から源を発するα1−アドレナリン受容体/交感神経を通じた神経制御下に100%ある。オキシトシンの全身性パルスは、末梢射精応答に直接の役割を有するかもしれない。それは、雄性の性器路中の管および腺小葉の収縮を変え、従って、例えば異なる精液成分の液容量に影響するのに役立つことができる。主に脳内に放出されたオキシトシンは、性的行動、覚醒(オルガスム)の主観的認識および続いて起こる射精までの潜時に影響することができる。雄性において射精が起きることは、外部生殖器の触覚刺激に決定的に依存する。
男性および女性の両方において、循環オキシトシンの水準が、性的刺激および覚醒中に増加し、オルガスム中にピークに達することは、十分文献で立証される。マーフィー(Murphy)等(Acta.
Anat. Basel 128: 76-79 [1987])は、性的覚醒および射精中の男性の血漿オキシトシンおよびアルギニンバソプレッシン(AVP)濃度を測定し、オキシトシンではなく血漿AVPが、性的覚醒中に著しく増加することを発見した。しかしながら、射精時に平均血漿オキシトシンは、約5倍上昇し、30分以内に基礎的濃度に戻ったが、しかるにAVPは、射精の時点で既に基礎的水準に戻り、以後安定したままであった。
ギムプル(Gimpl)およびファーレンホルツ(Fahrenholz)(Physiological
Reviews 81巻:2号2001年4月629−683ページ)に詳細に述べられているように、オキシトシンは、ラット、ラビットおよびサルにおいて陰茎勃起を誘導する最も効力ある物質の一つであることが発見されている。加えて、オキシトシンの中枢投与は、射精を達成する潜時を減少させ、射精後の間隔を短くすると主張される。同様に、メストン(Meston)等(Arch.
Gen Psychiatry,57巻、2000年11月)は、雄性の動物において、脳の特定の領域(即ち、視床下部の脳室周囲核)内に注射した場合、オキシトシンが、陰茎勃起を容易にし、中枢または末梢のいずれかで注射した場合、射精潜時および射精後間隔を短くすると述べている。
オキシトシン受容体アゴニスト即ちバソトシンの投与が非接触陰茎勃起を著しく減少させることは、当業界内で十分文献により立証されてきた(例えば、メリス(Melis)等(Neuroscience
Letters 265 (1999) 171-174参照)。加えて、オキシトシンアンタゴニスト バソトシンの脳室内(ICV)注射は、受け入れる雌の存在下、経験を積んだ雄性ラットの性的遂行を害し、射精がなくなる(おそらく、減少した挿入頻度により引き起こされた)ことが、アルギオラス(Argiolas)等(ヨーロッピアン ジャーナル オブ ファーマコロジー(European
Journal of Pharmacology) 149 (1988) 389-392)に示された。オキシトシンアンタゴニストが陰茎勃起を妨げることが分かっていることから、挿入頻度の減少は、陰茎勃起を達成するための動物の減少した能力を反映すると考えられた。
ギムプルおよびファーレンホルツ(上記)ならびにメストン等(上記)において、オキシトシンが、射精を達成する潜時を減少させることが示唆されたが、別の研究は、オキシトシンが射精潜時に対し何ら影響しないことを示している。例えば、ストーンハム(Stoneham)等(J. Endocrinology 107: 97-106, 1985)では、ラットにおけるオキシトシンの静脈輸液投薬は、射精前に為される挿入の回数を従属的に減少させるが、射精潜時に対しては何ら影響しなかったことが示される。また、第3脳室内へのオキシトシンの注入は、最初の背のりおよび挿入までの潜時を増加させ、射精後不応期を長引かせるが、射精潜時には何ら影響しなかった(上記ストーンハム等)。
更に、研究は、射精時のオキシトシンの増加をなくすことが、覚醒またはオルガスムを達成するのにかかる時間に何ら違いがないことを示した。マーフィー等(J. of Clinical Endocrinology and Metabolism, 71巻、4号(1990)1056−1058ページ)において、たとえ射精時に典型的に観察される血清オキシトシンパルスを除外するとしても、オピオイドアンタゴニスト ナロキソンは、ヒト志願者における射精に何ら影響しないことが示された。アッカーマン(Ackerman)等(Physiol
Behav 63: 49-53 [1997])において、大型細胞ニューロンはそのままにするが小細胞PVNニューロンを破壊するN−メチル−D−アスパラギン酸傷害は、下位腰椎脊髄(L5−L6)のオキシトシン−免疫反応性線維を減少させた。この減少は、射精時点での精液射出の著しい減少と関係しているが、背のり、挿入および射精潜時は、影響されなかった。
一つの態様において、本発明は、雄性射精障害、特に早発射精の治療および/または予防の用途用選択的オキシトシンアンタゴニスト化合物を含む組成物または医薬組成物に関する。医薬組成物において、選択的オキシトシンアンタゴニストは、薬学的に許容することのできる担体、希釈剤または医薬品添加物と任意に混合しても良い。ここで、組成物は(本明細書で述べた他の組成物と同様に)、雄性射精障害、特に早発射精の治療の引き続いての使用のため包装することができる。
別の態様において、本発明は、勃起形成メカニズム、特に陰茎の勃起、および/または性的衝動を維持しつつ、雄性射精障害、特に早発射精の治療および/または予防に用いるための選択的オキシトシンアンタゴニスト化合物を含む組成物または医薬組成物に関し、ここで、この組成物は、薬学的に許容することのできる担体、希釈剤または医薬品添加物と任意に混合しても良い。
別の態様において、本発明は、雄性射精障害、特に早発射精の治療に用いるための医薬(例えば、医薬組成物)の製造における選択的オキシトシンアンタゴニストの使用法に関する。
別の態様において、本発明は、勃起形成メカニズム、特に陰茎の勃起、および/または性的衝動を維持しつつ、雄性射精障害、特に早発射精の治療に用いるための医薬(例えば、医薬組成物)の製造における選択的オキシトシンアンタゴニストの使用法に関する。
別の態様において、本発明は、雄性射精障害、特に早発射精の治療に用いるための医薬(例えば、医薬組成物)の調製における選択的オキシトシンアンタゴニストの使用法に関する。
別の態様において、本発明は、勃起形成メカニズム、特に陰茎の勃起、および/または性的衝動を維持しつつ、雄性射精障害、特に早発射精の治療に用いるための医薬(例えば、医薬組成物)の調製における選択的オキシトシンアンタゴニストの使用法に関する。
一つの態様において、本発明は、ヒトまたは動物における雄性射精障害、特に早発射精を治療または予防する方法であって、この選択的オキシトシンアンタゴニストを薬学的に許容することのできる担体、希釈剤または医薬品添加物と任意に混合してもよい、効果的な量の選択的オキシトシンアンタゴニストを個体に投与することを含む方法に関する。
一つの態様において、本発明は、ヒトまたは動物における、勃起形成メカニズム、特に陰茎の勃起、および/または性的衝動を維持しつつ、雄性射精障害、特に早発射精を治療または予防する方法であって、この選択的オキシトシンアンタゴニストを薬学的に許容することのできる担体、希釈剤または医薬品添加物と任意に混合してもよい、効果的な量の選択的オキシトシンアンタゴニストを個体に投与することを含む方法に関する。
更に、少なくとも一つのコンパートメントが1種以上の選択的オキシトシンアンタゴニストを含む、1つ以上のコンパートメントを含む医薬パックが提供される。
本発明は、更に本発明による医薬組成物の調製法を提供し、この方法は、1種以上の選択的オキシトシンアンタゴニストと薬学的に許容することのできる希釈剤、医薬品添加物または担体を混合することを含む。
更なる態様において、本発明は、雄性の射精障害、特に早発射精を治療または予防するのに用いることができる物質(以後、選択的オキシトシンアンタゴニストと称する)を同定するための測定法であって、試験物質が内因性射精過程を直接遅らせることができるかどうかを測定することを含む測定法に関し、ここで、この遅延は、本明細書で定義される通りの試験物質の存在下における射精潜時(即ち最初の挿入から射精までにかかる時間)の増加および/または回復と定義され;試験物質によるこのような増強作用は、試験物質が雄性射精障害、特に早発射精の治療または予防に有用であり得ることを示しており、ここで、この試験物質は選択的オキシトシンアンタゴニストである。好ましくは、物質は、陰茎勃起に対し全く又は実質的に全く影響しない。換言すれば、好ましくは、物質は、陰茎勃起に不利に影響しないが、しかしながら、物質は、内因性陰茎勃起を増強することができる。
更なる態様において、本発明は、
(a)本発明による測定法を実施する;
(b)射精潜時を増加および/または回復させることのできる1種以上の物質を同定する;そして
(c)一定量のそれらの1種以上の同定された物質を調製する(ここで、この物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである)
段階を含む方法に関する。この態様に関して、段階(b)で同定された物質は、例えば活性を最大限にするように改変することができ、次いで、段階(a)を繰り返すことができる。これらの段階は、所望の活性またはファーマコキネティックスプロフィールが達成されるまで繰り返すことができる。
従って、更なる態様において、本発明は、
(a1)本発明による測定法を実施する;(b1)射精潜時を直接増加および/または回復させることのできる1種以上の物質を同定する;(b2)1種以上のこれらの同定された物質を改変する;(a2)段階(a1)を任意に繰り返しても良い;そして(c)一定量のそれらの1種以上の同定された物質(即ち、改変されたもの)を調製する(ここで、この物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである)段階を含む方法に関する。
更なる態様において、本発明は、
(i)本発明による測定法を実施する;
(ii)射精潜時を増加および/または回復させることのできる1種以上の物質を同定する;
(iii)同定された物質を、麻酔した齧歯類動物のような試験動物における陰茎勃起に対するそれらの影響について試験する;
(iv)陰茎勃起に対し全く又は実質的に全く影響しない物質を選択する;そして
(v)一定量のそれらの1種以上の選択された物質を調製する(ここで、この物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである)
段階を含む方法に関する。この態様に関して、段階(ii)で同定された物質は、例えば活性を最大限にするように改変することができ、次いで、段階(i)を繰り返すことができる。これらの段階は、所望の活性またはファーマコキネティックスプロフィールが達成されるまで繰り返すことができる。
更なる態様において、本発明は、診断法であって、性的刺激の開始後に連続的時間間隔で、即ち15秒、30秒、1分、2分、3分、4分および5分に性的刺激中に雄から得た一つ以上の試料を分離し、試料が、雄性射精障害、好ましくは早発射精を引き起こすような時間にそのような量で存在する物質を含有するかどうかを測定することを含む方法に関し;ここで、この因子は、物質の使用により有益な作用を達成するように、特に因子が出現するのに要する時間を調節することができる及び/または濃度のピークを遅らすことができ;ここで、この物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである。好ましくは、因子は、オキシトシンである。性的刺激は、例えば、陰茎振動刺激装置(フェルティケア(FertiCare),ホルスホルム(Horsholm),デンマーク)により生じさせることができる。
更なる態様において、本発明は、雄性試料が、性的刺激の開始後に連続的時間間隔で、即ち15秒、30秒、1分、2分、3分、4分および5分にこの雄の性的刺激中に採取される一つ以上の分離された試料中の因子を検出する手段を含む診断組成物またはキットに関し;ここで、手段は、試料が、雄性射精障害、好ましくは早発射精を引き起こすような時間にそのような量で因子を含有するかどうかを測定するのに用いることができ;ここで、この因子は、物質の使用により有益な作用を達成するように、特に因子が出現するのに要する時間を調節することができる及び/または濃度のピークを遅らすことができ;ここで、この物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである。好ましくは、因子は、オキシトシンである。性的刺激は、例えば、陰茎振動刺激装置(フェルティケア,ホルスホルム,デンマーク)により生じさせることができる。
更なる態様において、本発明は、雄性射精障害、特に早発射精を治療および/または予防することのできる物質を同定するのに用いられる動物モデルに関し、このモデルは、受け入れる雌の導入後のこの動物の射精潜時(即ち、最初の挿入から射精までに要する時間)を測定する手段を含む雄性動物を含み、ここで、この物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである。
動物モデルは、更に、陰茎勃起の変化を測定する手段を含む更なる動物モデルを含むか又は連結して用いることができる。例えば、適切な更なるモデルは、その骨盤神経の刺激後のこの動物の海綿体内圧および/または海綿体の血流の変化を測定する手段を含む麻酔した雄性動物を含むものであってもよく;ここで、この物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである。
更なる態様において、本発明は、射精障害、特に早発射精を治療または予防するために内因性射精過程を直接増強することのできる物質を同定するための測定法に関し、測定法は、本発明の動物モデルに物質を投与し;そして受け入れる雌の導入後のこの動物の射精潜時(即ち、最初の挿入から射精までに要する時間)を測定することを含み;ここで、この物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである。
更なる態様において、本発明は、射精障害、特に早発射精を治療または予防するために、陰茎勃起および/または性的衝動に影響することなく内因性射精過程を直接増強することのできる物質を同定するための測定法に関し、測定法は、本発明の動物モデルに物質を投与し;そして内因性射精過程における変化を測定することを含み;ここで、この変化は、受け入れる雌の導入後のこの動物の射精潜時(即ち、最初の挿入から射精までに要する時間)と定義され;動物モデルにおける陰茎勃起および/または性的衝動を測定してその点において全く又は実質的に全く変化がないことを保障する;ここで、この物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである。
論及を容易にするために、本発明のこれらの及び更なる態様を、今、適切なセクションの見出しの下に考察する。しかしながら、各セクションの下の教示は、必ずしも各特定のセクションに限定される訳ではない。
用語゛選択的オキシトシンアンタゴニスト゛および゛選択的オキシトシン受容体アンタゴニスト゛は、同じ意味であり、バソプレッシン受容体特にV1a受容体と比較してオキシトシン受容体のほうに選択的であるオキシトン受容体アンタゴニストを意味する。
本明細書で用いる用語゛射精潜時゛は、最初の挿入から射精までに要する時間を意味する。本明細書で用いる用語゛射精潜時の回復゛は、最初の挿入から射精までに要する時間が変わる、好ましくは増加することを意味する。好ましくは、挿入から射精までに要する時間は、正常な水準近くまで変わる(好ましくは増加する)。代表的には、早発射精に苦しむ人は、性交の開始の(即ち最初の挿入から)30秒以内及びしばしば性交の開始の(即ち最初の挿入から)15秒以内に射精する。本発明の好ましい態様において、射精潜時は、少なくとも30秒超、好ましくは少なくとも60秒超、更に好ましくは少なくとも2分超、更に好ましくは少なくとも5分超、更に好ましくは少なくとも10分超に増加する。適切には、射精潜時は、挿入から射精までに要する時間が十分遅れて相手を満足させるように回復することができる。
本明細書で用いる用語゛性的衝動゛は、リビドーまたは性的欲望を意味する。本明細書で用いる用語゛挿入゛は、陰茎による膣貫通を意味する。
好ましい態様
一つの態様において、好ましくは、本発明による用途用の物質は、経口投与用である。
別の態様において、本発明による用途用の物質は、局所投与または鼻腔内投与用である。
好ましくは、本発明による物質は、早発射精の治療および/または予防における用途用である。
好ましくは、選択的オキシトシンアンタゴニストは、バソプレッシン受容体、特にV1a受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である。
好ましくは、選択的オキシトシンアンタゴニストは、バソプレッシン受容体、特にV1a受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも30倍選択的である。
好ましくは、選択的オキシトシンアンタゴニストは、バソプレッシン受容体、特にV1a受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも50倍選択的である。
好ましくは、選択的オキシトシンアンタゴニストは、バソプレッシン受容体、特にV1a受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも100倍選択的である。
好ましくは、選択的オキシトシンアンタゴニストは、バソプレッシン受容体、特にV1a受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも200倍選択的である。
好ましくは、選択的オキシトシンアンタゴニストは、バソプレッシン受容体、特にV1a受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも250倍選択的である。
本発明は、また、性的覚醒/刺激の前および/または最中の本発明の物質の投与も包含する。
従って、本発明のいくつかの態様では、性的覚醒/刺激段階があることが非常に望ましい。
ここで、゛性的覚醒/刺激゛は、一つ以上の視覚的覚醒/刺激、物理的覚醒/刺激、聴覚的覚醒/刺激または思考的覚醒/刺激であってもよい。
従って、好ましくは、本発明の物質は、特にそれらの物質が経口供給用である場合、性的覚醒/刺激の前または最中に供給される。
好ましい態様
本発明は、以下の(番号をつけた)好ましい態様を提供する:
1.選択的オキシトシンアンタゴニストが、薬学的に許容することのできる担体、希釈剤または医薬品添加物と任意に混合されてもよい、雄性の射精障害の治療または予防における用途用の選択的オキシトシンアンタゴニストを含む組成物。
2.雄性の射精障害が早発射精である、態様1に記載の組成物。
3.選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、態様1または態様2に記載の組成物。
4.バソプレッシン受容体が、V1a受容体である、態様3に記載の組成物。
5.雄性射精障害の治療に用いる医薬の製造における選択的オキシトシンアンタゴニストの使用。
6.雄性射精障害が早発射精である、態様5に記載の使用。
7.選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較した場合オキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、態様5または態様6に記載の使用。
8.バソプレッシン受容体が、V1a受容体である、態様7に記載の使用。
9.この選択的オキシトシンアンタゴニストが、性的覚醒の前および/または最中に投与される、態様5−8のいずれか一つに記載の使用。
10.この選択的オキシトシンアンタゴニストが、口腔により投与される、態様5−9のいずれか一つに記載の使用。
11.ヒトまたは動物における雄性射精障害を治療または予防する方法であって、この選択的オキシトシンアンタゴニストが薬学的に許容することのできる担体、希釈剤または医薬品添加物と任意に混合されてもよい、効果的な量の選択的オキシトシンアンタゴニストを個体に投与することを含む方法。
12.雄性射精障害が早発射精である、態様11に記載の方法。
13.この選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、態様11または態様12に記載の方法。
14.バソプレッシン受容体が、V1a受容体である、態様13に記載の方法。
15.この選択的オキシトシンアンタゴニストが、性的覚醒の前および/または最中に投与される、態様11−14のいずれか一つに記載の方法。
16.医薬が、口腔により投与される、態様11−15のいずれか一つに記載の方法。
17.少なくとも一つのコンパートメントが1種以上の選択的オキシトシンアンタゴニストを含む、1つ以上のコンパートメントを含む医薬パック。
18.この選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、態様17に記載の医薬パック。
19.このバソプレッシン受容体が、V1a受容体である、態様18に記載の医薬パック。
20.医薬組成物の調製法であって、1種以上の選択的オキシトシンアンタゴニストと薬学的に許容することのできる希釈剤、医薬品添加物または担体を混合することを含む前記方法。
21.選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、態様20に記載の方法。
22.バソプレッシン受容体が、V1a受容体である、態様21に記載の方法。
23.雄性の射精障害を治療および/または予防するのに用いることができる物質を同定するための測定法であって、試験物質が内因性射精過程を直接増強することができるかどうかを測定することを含む測定法;ここで、この増強は、本明細書で定義される通りの試験物質の存在下における射精潜時の増加および/または回復と定義され;試験物質によるこのような増強作用は、試験物質が雄性射精障害の治療または予防に有用であり得ることを示しており、ここで、この試験物質は選択的オキシトシンアンタゴニストである。
24.この雄性射精障害が早発射精である、態様23に記載の測定法。
25.選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、態様23または態様24に記載の測定法。
26.バソプレッシン受容体が、V1a受容体である、態様25に記載の測定法。
27.態様23から26のいずれか一つに記載の測定法により同定される物質。
28.雄性射精障害を治療または予防する用途のための態様27に記載の物質。
29.この雄性射精障害が早発射精である、態様28に記載の物質。
30.医薬が態様27に記載の物質を含む、雄性射精障害を治療するための経口投与用医薬。
31.この雄性射精障害が早発射精である、態様30に記載の医薬。
32.この医薬が、性的覚醒の前および/または最中に投与される、態様30または態様31に記載の医薬。
33.医薬が口腔により投与される、態様30−32のいずれか一つに記載の医薬。
34.(a)態様23−26のいずれか一つの測定法を実施する;(b)射精潜時を増加および/または回復させることのできる1種以上の物質を同定する;そして(c)一定量のそれらの1種以上の同定された物質を調製する段階を含む方法;ここで、この物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである。
35.選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、態様34に記載の方法。
36.バソプレッシン受容体が、V1a受容体である、態様35に記載の方法。
37.雄性射精障害を治療または予防することのできる物質を同定するための動物モデルであって、受け入れる雌の導入後のこの動物の射精潜時を測定する手段を含む雄性動物を含む前記モデル;ここで、この物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである。
38.この雄性射精障害が早発射精である、態様37に記載の動物モデル。
39.選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、態様37または態様38に記載の動物モデル。
40.バソプレッシン受容体が、V1a受容体である、態様39に記載の動物モデル。
41.射精障害を治療または予防するために内因性射精過程を直接増強することのできる物質を同定するための測定法であって、態様37から40のいずれか一つの動物モデルに物質を投与し;そして受け入れる雌の導入後のこの動物の射精潜時を測定することを含む測定法;ここで、この物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである。
42.雄性射精障害の治療および/または予防用医薬の製造/調製における1種以上の選択的オキシトシンアンタゴニストおよび1種以上の以下の補助的活性物質から成る多剤併用薬の使用法:
i)PDE阻害剤、更に詳しくはPDE5阻害剤、この阻害剤は、好ましくはそれぞれの酵素に対し100nM未満のIC50を有する;
ii)セロトニン受容体アゴニストまたはモジュレーター、更に詳しくはアンピルトリンを含む、5HT2C、5HT1Bおよび/または5HT1D受容体のアゴニストまたはモジュレーター;
iii)セロトニン受容体アンタゴニストまたはモジュレーター、更に詳しくはNAD−299(ロバルゾタン(robalzotan))およびWAY−100635を含む、5HT1Aのアンタゴニストまたはモジュレーター、および/または更に詳しくはバタノピルド(batanopirde)、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピストロン(tropistron)およびMDL−73147EFを含む5HT3受容体のアンタゴニストまたはモジュレーター;
iv)抗うつ薬、特に、i)セルトラリン、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、シタロプラム、ベンラファキシン、ミルタザピン、ネファゾドンおよびトラゾドンを含む選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRi);ii)クロミプラミン、デサプラミン(desapramine)、イミプラミン、アミトリプチリン、ドキセピン、アモキサピン、マプロチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トリミプラミンおよびブプロプリオン(buproprion)を含む三環式抗うつ薬(TCA);およびiii)モノアミンオキシダーゼ;
v)α−アドレナリン受容体アンタゴニスト(α−アドレナリン遮断薬、α−遮断薬またはα−受容体遮断薬としても知られている);適切なα1−アドレナリン受容体アンタゴニストとしては、フェントールアミン、プラゾシン、フェントールアミンメシラート、トラゾドン、アルフゾシン、インドラミン、ナフトピジル、タムスロシン(tamsulosin)、フェノキシベンザミン、ラウオルフィア総アルカロイド、レコルダティ15/2739、SNAP1069、SNAP5089、RS17053、SL89.0591、ドキサゾシン(doxazosin)、テラゾシンおよびアバノキル(abanoquil)が挙げられ;適切なα2−アドレナリン受容体アンタゴニストとしては、ジベナルニン(dibenarnine)、トラゾリン、トリマゾシン、エファロキサン、ヨヒンビン、イダゾキサン、クロニジンおよびジベナルニンが挙げられ;適切な非選択的α−アドレナリン受容体アンタゴニストとしては、ダピプラゾールが挙げられ;更なるα−アドレナリン受容体アンタゴニストは、WO99/30697、US4,188,390、US4,026,894、US3,511,836、US4,315,007、US3,527,761、US3,997,666、US2,503,059、US4,703,063、US3,381,009、US4,252,721およびUS2,599,000に記載されている;
vi)迅速な効き目の選択的セロトニン再取り込み阻害剤。
43.雄性射精障害の治療または予防用医薬の製造/調製における1種以上の選択的オキシトシンアンタゴニストおよび1種以上のPDE阻害剤(PDEi’s)から成る多剤併用薬の使用。
44.この雄性射精障害が早発射精である、態様42または態様43に記載の使用。
45.このPDEiがPDE5阻害剤(PDE5i)である、態様43または態様44に記載の使用。
46.医薬が、口腔により投与される、態様42−45のいずれか一つに記載の使用。
47.薬学的に許容することのできる担体、希釈剤または医薬品添加物と任意に混合しても良い1種以上の選択的オキシトシンアンタゴニストおよび1種以上のPDEi’sから成る医薬組成物。
48.このPDEiがPDE5iである、態様47に記載の医薬組成物。
49.組成物が口腔により投与される、態様47または48のいずれか一つに記載の医薬組成物。
50.射精障害の治療および/または予防用医薬の調製における態様47−49のいずれか一つに記載の医薬組成物の使用。
驚くべき且つ予想外の発見
本発明は、
(a)選択的オキシトシンアンタゴニストの投与が、射精潜時を増加させる。好ましくは、選択的オキシトシンアンタゴニストの投与が、射精潜時を好ましくは正常な水準近くまで回復させる;
(b)選択的オキシトシンアンタゴニストの投与が、勃起形成メカニズム、特に陰茎勃起を実質的に妨げる及び/または不利に影響することなく、射精潜時を予想外にも増加させる。好ましくは、選択的オキシトシンアンタゴニストの投与が、勃起形成メカニズム、特に陰茎勃起を実質的に妨げる及び/または不利に影響することなく、射精潜時を好ましくは正常な水準近くまで回復させる;
(c)選択的オキシトシンアンタゴニストの投与が、性的衝動を実質的に妨げる及び/または不利に影響することなく、射精潜時を増加させる。好ましくは、選択的オキシトシンアンタゴニストの投与が、性的衝動を実質的に妨げる及び/または不利に影響することなく、射精潜時を好ましくは正常な水準近くまで回復させる
という驚くべき且つ予想外の発見を実証する。
有利性
本発明は、
(a)選択的オキシトシンアンタゴニストの使用によりオキシトシン受容体を選択的に阻害することが、早発射精の治療に帰する;
(b)選択的オキシトシンアンタゴニストの使用によりオキシトシン受容体を選択的に阻害することが、勃起形成メカニズム、特に陰茎勃起を実質的に妨げる及び/または不利に影響することなく、予想外にも早発射精の治療に帰する;
(c)選択的オキシトシンアンタゴニストの使用によりオキシトシン受容体を選択的に阻害することが、性的衝動を実質的に妨げる及び/または不利に影響することなく、予想外にも早発射精の治療に帰する
ことから有利である。
患者群
射精障害、特に早発射精患者は、選択的オキシトシンアンタゴニストでの治療の恩恵を受けるはずである。
初期の調査は、下記で述べる射精障害、特に早発射精患者群が、選択的オキシトシンアンタゴニスト(または、以後述べるような選択的オキシトシンアンタゴニストを含む多剤併用薬)での治療の恩恵を受けるであろうことを示唆する。これらの患者群としては、一つ以上の以下のもの:神経障害、生理的障害、心理的性的技術不足、身体的疾患、身体的損傷、薬理学的副作用、心理学的窮迫および関係の急迫に苦しむ人々が挙げられる。
オキシトシン受容体
上記で示したように、物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストとして作用することのできるいずれの適切な物質であってもよい。
オキシトシン受容体に関する背景教示は、http://www3.ncbi.nlm.nih.gov/Omim/searchomim.htm上でビクターA.マックシック(Victor A. McKusick)等により準備されてきた。オキシトシン受容体に関する以下の原文は、その源から抜粋されてきた:
゛キムラ等(1992: Nature 356: 526-529)は、発現クローニングにより単離されたヒトのオキシトシン受容体cDNAの構造および発現を報告した。コードされた受容体は、G蛋白質共役型受容体に典型的な7回膜貫通ドメインを有する388個のアミノ酸のポリペプチドであった。アフリカツメガエル(Xenopus)の卵母細胞において発現されたオキシトシン受容体は、オキシトシンに特異的に応答し、内側への膜電流を誘導した。この受容体のメッセンジャーRNAsは、胸で3.6kbならびに卵巣、子宮内膜および子宮筋層で4.4kbの2サイズがあった。子宮筋層内のmRNA水準は、出産予定日の時点で非常に高かった。イノウエ等(1994
Biol. Chem. 269: 32451-32456)は、OXTR遺伝子がヒトゲノムに1コピー存在することをサザンブロット法により示した。蛍光 in
situ ハイブリッド形成法により、彼等は、遺伝子が3p26.2上に位置することを示した。遺伝子は、約17kbに及び、3個のイントロンおよび4個のエキソンを有する。エキソン1および2は、5−プライム非コード領域に対応し、続いてエキソン3および4は、受容体のアミノ酸をコードする。12kbの位置の最も大きいイントロン3は、推定上の6回の膜貫通に及ぶドメインの直ぐ後のコード領域を分断する。プライマー伸長法分析により示された転写開始部位は、メチオニン開始コドンの上流618および621bpにある。体細胞ハイブリッドのPCR分析および蛍光
in situ ハイブリッド形成法により、サイモンス(Simmons)等(1995 Genomics 26: 623-625)は、OXTR遺伝子を3p25に指定した。゛
ギムプルおよびファーレンホルツ(Physiological Reviews 81巻:2号2001年4月)において、受容体構造の詳細な概説が提供されている。その中で、今日までに、ヒトのオキシトシン受容体をコードするcDNAの単離および同定(上記キムラ等参照)に加えて、ブタ(ゴルブレヴ(Gorbulev)等
Eur. J. Biochem. 215, 1-7 1993)、ラット(ロゼン(Rozen)等 Proc. Natl. Acad. Sci. USA
92:200-204 1995)、ヒツジ(リリー(Riley)等 J. Biol. Chem. 266: 21428-21433, 1991)、ウシ(バスゲート(Bathgate)等
DNA Cell Biol. 14: 1037-1048, 1995)、マウス(クボタ等 Mol. Cell Endocrinol 124: 25-32
1996)およびアカゲザル(サルバトーレ(Salvatore)等 J. Recept Signal Transduct Res. 18: 15-24,
1998)から得たオキシトシン受容体をコードする配列も同定された。
オキシトシン受容体配列データ
ヒトのオキシトシン受容体のヌクレオチド配列およびアミノ酸配列は、文献で入手可能である。例として、ヒトのオキシトシン受容体のアミノ酸配列のみを、配列番号:1に提供する。
選択的オキシトシンアンタゴニスト
オキシトシンアンタゴニストを同定および/または研究するのに好適な測定システムの詳細が、以後の゛オキシトシンアンタゴニスト測定゛と題したセクションに提供される。
適切なオキシトシンアンタゴニストの一例を、下記に示す:
Figure 2005525321
L−368,899の合成は、ウィリアムズ(Williams)等 (1994) J. Med. Chem. 37, 565-571 に教示されている。
L−368,899は、選択的オキシトシンアンタゴニストである。L−368,899は、バソプレッシン受容体特にV1a受容体よりもオキシトシン受容体に20倍超選択的である。好ましくは、選択性は、結合および機能的選択性の両方である。
例えばバソトシンのような特定の公知のオキシトシンアンタゴニストは、時には、゛選択的オキシトシンアンタゴニスト゛であると言われる。しかしながら、d(CHTyr(Me)−Orn−バソトシン(以後、゛バソトシン゛と称する)は、バソプレッシン受容体特にV1a受容体よりもオキシトシン受容体に対し2から3倍しか選択的でない。それ自体バソトシンは、実質的に非選択的オキシトシン/バソプレッシンアンタゴニストであり、本発明による用語゛選択的オキシトシンアンタゴニスト゛の範囲内には入らない。好ましくは、本発明による選択的オキシトシンアンタゴニストは、バソプレッシン受容体特にV1a受容体よりもオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である。
オキシトシンアンタゴニスト結合測定およびバソプレッシンV1a結合測定
A. オキシトシン受容体リガンド結合IC50測定
i)バッファー
細胞増殖培地 Hams F12栄養ミックス
10%FCS
2mMのL−グルタミン
400μg/mlのG418
15mMのHEPES
膜調製バッファー 50mMのTris−HCl,pH7.8
10mMのMgCl
プロテアーゼ阻害剤
冷凍バッファー 50mMのTris−HCl,pH7.8
10mMのMgCl
20%グリセロール
測定培地 50mMのTris−HCl,pH7.8
10mMのMgCl
0.25%BSA
Max. 2.5%DMSO/50mMのTris−HCl,
pH7.8中に調製した0.5μM(arg)−バソ
トシン、10mMのMgCl
Min. 2.5%DMSO/50mMのTris−HCl,
pH7.8、10mMのMgCl
ii)化合物希釈(測定における10μMの最終濃度)
a)100%DMSO中の4mMのHTAストック化合物
b)化合物をdHO中に200μMになるように希釈する。
c)化合物を100mMのTris−HCl,pH7.8、20mMのMgCl中に100μMになるように更に希釈する。これにより、2.5%DMSO、50mMのTris−HCl,pH7.8、10mMのMgClの最終濃度になる。
d)希釈したストックを用い、TECANゲネシス(TECAN Genesis)を含有する50mMのTris−HCl,pH7.8、10mMのMgCl、2.5%DMSO中に10ポイントにわたり1:2希釈物を調製する。
e)標準(arg)−バソトシンIC50用のスペースを残してECADAによる分析に必要とされるプレートのレイアウトに従って384ウェルのオプティプレート(Optiplate)中に10μlの化合物を分配する。これらのプレートは、4℃で貯蔵することができる。
f)測定の当日、10μlのMax.を+ウェルに、および10μlのMin.を−ウェルに加え、100nMの最高濃度(最終20nM)で(arg)−バソトシンを重複して10ポイントにわたる1:2段階希釈をする。
iii)オキシトシン受容体−CHO細胞の維持
細胞系を、225cmのフラスコ内の50ml増殖培地中で連続培養として定期的に維持する。
細胞を、単層から培地を除去し、PBSで洗浄し、細胞が解離の兆候を示すまでトリプシンと共にインキュベートすることにより継代する。強く打ってフラスコの底から細胞を落とした後、細胞を増殖培地に再懸濁し、8x10細胞/フラスコの濃度で225cmのフラスコ中に播種する。
iv)ローラーボトル内での細胞の増殖
細胞を、10x850cmのローラーボトル中に6x10細胞/ボトルの濃度で播種し、集密的近くに到達させる。
細胞を、上述したようにトリプシンを用いてボトルから取り出し、細胞を100xローラーボトルに播種する(即ち、1:10の分割比率)。
増殖培地を除去し、40mlのPBS/ボトルを加え、そしてセルメイト(CellMate)を用いてかき落とすことにより回収する前に、細胞を、再び、集密近くに到達させる。細胞懸濁液を、次いで、2000rpmで遠心分離し、PBS中で洗浄し、再度遠心分離し、そしてペレットを、分けて−80℃で冷凍する。
v)膜調製
細胞ペレットを冷凍庫から取り出し、氷上で解凍し、詰めた細胞容量ml当たり3mlの膜調製バッファーに再懸濁する。
25,000xgで30分間遠心分離する前に、懸濁液を、次いで、機械的ホモジェナイザーを用い氷上で5秒の数回のバーストによりホモジェナイズする。
初めに詰めた細胞容量の1ml当たり1mlの冷凍バッファーにペレットを再懸濁した後、懸濁液を短時間ホモジェナイズして細かい塊を除く。蛋白質濃度を、次いで、測定し、膜懸濁液を、最後に、最小5mg/mlで分けて−80℃で冷凍する。
vi)測定
膜を、測定バッファー中に1mg/mlになるよう希釈する前に、氷上で解凍する。SPAビーズを、測定バッファーに50mg/mlで再懸濁する。これらの濃縮物から、4℃で2時間トップ−ツー−テール(top-to-tail)シェーカー上でビーズmg当たり30μgの蛋白質をインキュベートすることにより、ビーズを膜と予め結合させる。ビーズ/膜を、次いで、2000rpmで10分間遠心分離し、そしてペレットを3mg/mlで再懸濁する。
125I−OVTAの全ての操作は、シグマコート(SigmaCote)を用いてシラン処理されたチップを用いて行う。全てのボトルおよびチューブも、シラン処理される。125I−OVTAを、50μCiの凍結乾燥リガンド当たり1mlの測定バッファーに希釈する。5μlの試料を、次いで、液体シンチレーションカウンティング(ワラクカウンター(Wallac
Counter)によりプロトコール61)を用いて重複してカウントし、リガンドの濃度を算定する(下記の例参照)。これは、ねばねばによるリガンドの損失を克服することになる。測定した濃度を用い、125I−OVTAを、測定バッファーに0.3nMになるよう希釈する。
例:
5μlが500000dpmになり、そしてリガンドの比活性が2200Ci/ミリモルであるならば:
濃度=500000/(2.2x2200x5)nM
20μlのビーズ/膜調製物を、調製したオプティプレートにマルチ−ドロップ(Multi-drop)を用いて加える。ビーズ/膜調製物は、攪拌フラスコを用いて懸濁状態で維持される。20μlの125I−OVTAを、次いで、マルチ−ドロップを用いてオプティプレートの各ウェルに加える。室温で4時間のインキュベーション後、プレートを、30s/ウェルの間トップカウント(TopCount)NXTを用いてカウントする。
B.バソプレッシンV1A受容体結合測定
i)物質
CHO細胞内のヒトクローン プロテイン/セルサイエンシーズ
バソプレッシンV1a受容体 (Protein/cell sciences)
HEPES シグマ(Sigma)(H7523)
塩化マグネシウム(MgCl) シグマ(M2670)
ウシ血清アルブミン(BSA) シグマ(A6003)
グリセロール シグマ(G5150)
プロテアーゼ阻害剤カクテル錠剤 ロシェ(Roche)(1697498)
ピアスBCA蛋白質測定試薬 ピアス(Pierce)(23225)
8−Arg[フェニルアラニル−3,4,5
H]−バソプレッシン(H−AVP) NEN(NET800)
d(CH2)5Tyr(Me)AVP[β−メルカプト−β,β−シクロペンタ
メチレンプロピオニル,O−Me−Tyr,Arg]−バソプレッシン
(βMCPVP) シグマ(V2255)
ジメチルスルホキシド ストアーズ(Stores)(W34)
96ウェルのポリプロピレンブロックス ストアーズ(D8281)
ポリエチレンイミン(PEI) シグマ(P3143)
96ウェルのユニフィルター(Unifilter) パッカード
プレートGF/C (Packard)(6005174)
トップシール(Topseal)A パッカード(6005185)
マイクロシンチ(Microscint)−O パッカード(6013611)
SR49059(UK222,633) 対照化合物
装置:パッカード ユニフィルター ユニット
トップカウンター/NXTカウンター
ii)方法
作業溶液:
膜調製バッファー: 25mMのHEPES(pH7.4)
5mMのMgCl
プロテアーゼ阻害剤(50ml当たり1錠剤)
冷凍バッファー: 25mMのHEPES(pH7.4)
5mMのMgCl
20%グリセロール
測定バッファー: 25mMのHEPES(pH7.4)
5mMのMgCl
0.05%BSA
洗浄バッファー: 25mMのHEPES(pH7.4)
5mMのMgCl
H−AVP 測定バッファー中の5nM溶液(0.5nMの最終測定濃度)
合計 ddHO中の25%DMSO
NSB 25%DMSO/ddHO中の10μMのβMCPVP(1μMの最終測定濃度)
STD SR49059(UK222,633)を、1μMの最高濃度(100nMの最終測定濃度)で開始し、そして0.5対数段階で30pM(3pMの最終測定濃度)まで継続して25%DMSO/ddHO中に希釈する。
化合物:100%DMSO中の4mMの化合物50μl。これを、dHO中に4倍希釈して25%DMSO中の1mMの最高濃度を得る。化合物を、18%DMSO中にあることになる最初の希釈(1mMから300μM)を除いては25%DMSO中に半対数段階で更に希釈する(希釈後25%DMSO)。希釈を、手技で又はテカン(Tecan)およびプロトコールファイルKin28IC50dilution2.gemを用いて実施する。10pt IC50曲線は、化合物により必要とされる場合、より低い濃度で開始するが、全ての薬物は、100μMで初めに開始して選別する。
0.5%PEI 蒸留したHO中に50%PEIを調製し、dHO中に0.5%になるように希釈する。
iii)膜調製
冷凍細胞ペレットを冷凍庫から取り出し、氷上で穏やかに解凍する。
初めに詰めた細胞容量ml当たり3mlの膜調製バッファーを加え、1000rpmで10分間遠心分離する前に、十分分散するまで懸濁液を、ポリトロンを用い氷上で5秒の数回のバーストによりホモジェナイズする。
上澄を取り出し、氷上で貯蔵する。初めに詰めた細胞容量ml当たり更に3mlの膜調製バッファーをペレットに加え、氷上でホモジェナイズし、次いで、1000rpmで10分間遠心分離する。
上澄を取り出し、前に取り出した容量の上澄に加え、次いで、25,000xgおよび4℃で30分間遠心分離する。
25,000xgペレットを、初めに詰めた細胞容量ml当たり1mlの冷凍バッファー中でのホモジェナイズにより再懸濁し、蛋白質濃度を測定する。
iv)蛋白質濃度の測定
BSAを、以下の濃度:2000、1000、500、250、125、62.5および31.255μg/mlで蒸留HO中に調製する。
10μlの各BSA溶液を、透明な96ウェルのプレートに3回重複して加え(添付のプレートマップ参照)、10μlの蒸留HOを3つのブランクのウェルに加える。
10μlの膜調製物を、膜調製物の1/3、1/10、1/30および1/100希釈であるように、プレートに3回重複して加える。
200μlのピアス蛋白質試薬(50A:1B)を各ウェルに加え、プレートを37℃で30分インキュベートし、次いで、アントス(Anthos)分光光度計により570nmの吸収セッティングで読み取る。
BSA標準曲線から、膜調製物中の蛋白質の濃度を決定する(標準曲線の中心に位置する膜調製物の希釈を用いる)。
膜調製物を、200μlずつ−80℃で冷凍する前に、冷凍バッファー中に5mg/mlの蛋白質濃度になるよう希釈する。
v)測定プロトコール
測定試薬を調製する(H−AVP、βMCPVP(NSB化合物)および試験化合物−上記作業溶液参照)。いずれのペプチド溶液も、氷上で保持する。
プレートフォーマットは、プレートの重複実験の別々の列当たり10ポイントのIC50−4化合物である。以下の試薬を、96ウェルポリプロピレンブロックの適切なウェルに加え、攪拌する。
それぞれの全部のウェルに(T): 25μl H−AVP
(A1、B1、C1、D1、E12、 25μl 賦形剤
F12、G12&H12)
それぞれのNSBウェルに(N): 25μl H−AVP
(A12、B12、C12、D12、 25μl βMCPVP
E1、F1、G1&H1)
それぞれの測定ウェルに: 25μl H−AVP
25μl 試験化合物
Figure 2005525321


C1=濃度1、C2=濃度2、C3=濃度3、等。
列A&B=STD
列C&D=化合物1
列E&F=化合物2
列G&H=化合物3
膜蛋白質を、氷上で穏やかに解凍し、測定に最適な蛋白質濃度に希釈する(蛋白質線形性測定用付録参照)(およそ100μg/ml)
200μlの膜蛋白質を各ウェルに加えて反応を開始し、ブロックを、次いで、RTで60分間穏やかに振とうしながらインキュベートする。
反応は、0.5%PEIに予め浸しておいたユニフィルターGF/Cフィルターを通じた濾過および3x1mlの氷冷洗浄バッファーでの素早い洗浄により終了する。
フィルターを、55℃の乾燥器で2時間乾燥するか、またはベンチ上で一晩(〜16時間)放置する。
フィルターを底に封じ、30μlのマイクロシンチ−Oを各ウェルに入れる。フィルターを、次いで、トップシールAで封じ、[H]96ウェルユニフィルタープロトコール11を用いてパッカードトップカウンター(Bld503/G7A)によりカウントする。
C.データ分析
データ分析をECADAにより行う
特異的結合を次の通りに算定する:
特異的結合=平均合計cpm−平均NSBcpm
試験化合物では、受容体に結合したリガンドの量を、次の通りに表す:
%結合=(試料cpm−平均NSBcpm)/特異的結合cpmx100
リガンド結合のパーセンテージ阻害を、次の通りに算定される%阻害で報告する:
%阻害=100−%結合
オキシトシンアンタゴニスト機能測定およびバソプレッシンV1aアンタゴニスト機能測定
ヒト、ヒト以外の霊長類および齧歯類から得た子宮筋層の自発的収縮は、インビトロで選択的オキシトシン受容体アンタゴニストに感受性がある(ウィルソン(Wilson)等BJOG2001年9月;108(9):960−6参照)。
ヒトおよび動物から得た子宮筋層の自発的収縮のインビトロ薬理学。ヒトの子宮筋層の試料を、帝王切開術で得る。組織条片を、等尺性力記録のための器官浴に懸濁する。選択的オキシトシン受容体アンタゴニストおよび混合オキシトシン/バソプレッシンV1a受容体アンタゴニストに対する累積的濃度効果曲線を、得ることができる。インビトロで自発的な子宮筋層の収縮の阻害が、観察される。
多剤併用薬
更に詳細には、本発明は、本明細書で概説したような雄性射精障害、特に早発射精の治療のための本発明の化合物と1種以上の補助的活性物質(適切な例は、後の考察参照)の多剤併用薬を更に含む。
本発明は、更に、本明細書で概説したような雄性射精障害、特に早発射精の治療および/または予防用医薬の製造における、実質的に、本発明による選択的オキシトシンアンタゴニストおよび2種の補助的活性物質(適切な例は、後の考察参照)から成る多剤併用薬の使用法を含む。
本発明は、更に、本明細書で概説したような雄性射精障害、特に早発射精の治療および/または予防用医薬の製造における本発明による選択的オキシトシンアンタゴニストおよび2種の補助的活性物質(適切な例は、後の考察参照)から成る多剤併用薬の使用法を含む。
本発明は、更に、本明細書で概説したような雄性射精障害、特に早発射精の治療および/または予防用医薬の製造または調製における、実質的に、本発明による選択的オキシトシンアンタゴニストおよび1種の補助的活性物質(適切な例は、後の考察参照)から成る多剤併用薬の使用法を含む。
本発明は、更に、本明細書で概説したような雄性射精障害、特に早発射精の治療および/または予防用医薬の製造または調製における本発明による選択的オキシトシンアンタゴニストおよび1種の補助的活性物質(適切な例は、後の考察参照)から成る多剤併用薬の使用法を含む。
従って、本発明の更なる多剤併用の態様は、本発明の化合物および1種以上の補助的活性物質(適切な例は、後の考察参照)を含む多剤併用薬(同時、別々または連続投与用)を提供する。
本発明の尚も更なる多剤併用の態様は、実質的に選択的オキシトシンアンタゴニストおよび2種の補助的活性物質(適切な例は、後の考察参照)から成る医薬組成物(同時、別々または連続投与用)を提供する。
本発明の尚も更なる多剤併用の態様は、選択的オキシトシンアンタゴニストおよび2種の補助的活性物質(適切な例は、後の考察参照)から成る医薬組成物(同時、別々または連続投与用)を提供する。
本発明の尚も更なる多剤併用の態様は、実質的に選択的オキシトシンアンタゴニストおよび1種の補助的活性物質(適切な例は、後の考察参照)から成る医薬組成物(同時、別々または連続投与用)を提供する。
本発明の尚も更なる多剤併用の態様は、選択的オキシトシンアンタゴニストおよび1種の補助的活性物質(適切な例は、後の考察参照)から成る医薬組成物(同時、別々または連続投与用)を提供する。
補助的活性物質
本発明の多剤併用薬の用途に好適な補助的活性物質としては以下のものが挙げられる:
1)PDE阻害剤、更に詳しくはPDE5阻害剤(以後を参照)、この阻害剤は、好ましくはそれぞれの酵素に対し100nM未満のIC50を有する;
2)セロトニン受容体アゴニストまたはモジュレーター、更に詳しくはアンピルトリンを含む、5HT2C、5HT1Bおよび/または5HT1D受容体のアゴニストまたはモジュレーター;
3)セロトニン受容体アンタゴニストまたはモジュレーター、更に詳しくはNAD−299(ロバルゾタン)およびWAY−100635を含む、5HT1Aのアンタゴニストまたはモジュレーター、および/または更に詳しくはバタノピルド、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピストロンおよびMDL−73147EFを含む5HT3受容体のアンタゴニストまたはモジュレーター;
4)抗うつ薬、特に、i)セルトラリン、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、シタロプラム、ベンラファキシン、ミルタザピン、ネファゾドンおよびトラゾドンを含む選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRi);ii)クロミプラミン、デサプラミン、イミプラミン、アミトリプチリン、ドキセピン、アモキサピン、マプロチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トリミプラミンおよびブプロプリオンを含む三環式抗うつ薬(TCA);およびiii)モノアミンオキシダーゼ;
5)α−アドレナリン受容体アンタゴニスト(α−アドレナリン遮断薬、α−遮断薬またはα−受容体遮断薬としても知られている);適切なα1−アドレナリン受容体アンタゴニストとしては、フェントールアミン、プラゾシン、フェントールアミンメシラート、トラゾドン、アルフゾシン、インドラミン、ナフトピジル、タムスロシン、フェノキシベンザミン、ラウオルフィア総アルカロイド、レコルダティ15/2739、SNAP1069、SNAP5089、RS17053、SL89.0591、ドキサゾシン、テラゾシンおよびアバノキルが挙げられ;適切なα2−アドレナリン受容体アンタゴニストとしては、ジベナルニン、トラゾリン、トリマゾシン、エファロキサン、ヨヒンビン、イダゾキサン、クロニジンおよびジベナルニンが挙げられ;適切な非選択的α−アドレナリン受容体アンタゴニストとしては、ダピプラゾールが挙げられ;更なるα−アドレナリン受容体アンタゴニストは、そのそれぞれを参照により本明細書に含めるものとする、WO99/30697、US4,188,390、US4,026,894、US3,511,836、US4,315,007、US3,527,761、US3,997,666、US2,503,059、US4,703,063、US3,381,009、US4,252,721およびUS2,599,000に記載されている;
6)例えば3−[(ジメチルアミノ)メチル]−4−[4−(メチルスルファニル)フェノキシ]ベンゼンスルホンアミド(WO01/72687−実施例28に公開されているような)のような迅速な効き目の選択的セロトニン再取り込み阻害剤(早い効き目のSSRI)。
発明に従って用いることのできる特許および特許出願物に含まれる化合物についての本明細書での交差する言及に関して言えば、本発明者等は、特許請求の範囲(特に請求項1)および特定の例(その全てを、参照により本明細書に含めるものとする)で定義した通りの治療上活性な化合物を意味する。
活性物質の多剤併用薬を投与する場合、それらは、同時、別々または連続して投与することができる。
補助的物質−PDE5阻害剤
本発明による用途に適したcGMP PDE5阻害剤としては:
EP−A−0463756に開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン類;EP−A−0526004に開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン類;公開された国際特許出願WO93/06104に開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン類;公開された国際特許出願WO93/07149に開示された異性体のピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン類;公開された国際特許出願WO93/12095に開示されたキナゾリン−4−オン類;公開された国際特許出願WO94/05661に開示されたピリド[3,2−d]ピリミジン−4−オン類;公開された国際特許出願WO94/00453に開示されたプリン−6−オン類;公開された国際特許出願WO98/49166に開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン類;公開された国際特許出願WO99/54333に開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン類;EP−A−0995751に開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン類;公開された国際特許出願WO00/24745に開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン類;EP−A−0995750に開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−4−オン類;公開された国際出願WO95/19978に開示された化合物;公開された国際出願WO99/24433に開示された化合物および公開された国際出願WO93/07124に開示された化合物が挙げられる。
公開された国際出願WO01/27112に開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン類;公開された国際出願WO01/27113に開示されたピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン類;EP−A−1092718に開示された化合物およびEP−A−1092719に開示された化合物。
本発明による用途に好ましいV型ホスホジエステラーゼ阻害剤(=ホスホジエステラーゼ5(PDE)阻害剤;PDE5i’s)としては、以下のものが挙げられる:
1−[[3−(6,7−ジヒドロ−1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−メチルピペラジンとしても知られている5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル)(EP−A−0463756参照);
5−(2−エトキシ−5−モルホリノアセチルフェニル)−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(EP−A−0526004参照);
3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−n−プロポキシフェニル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO98/49166参照);
3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−(2−メトキシエトキシ)ピリジン−3−イル]−2−(ピリジン−2−イル)メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO99/54333参照);
3−エチル−5−{5−[4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル]−2−([(1R)−2−メトキシ−1−メチルエチル]オキシ)ピリジン−3−イル}−2−メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オンとしても知られている(+)−3−エチル−5−[5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)−2−(2−メトキシ−1(R)−メチルエトキシ)ピリジン−3−イル]−2−メチル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO99/54333参照);
1−{6−エトキシ−5−[3−エチル−6,7−ジヒドロ−2−(2−メトキシエチル)−7−オキソ−2H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル]−3−ピリジルスルホニル}−4−エチルピペラジンとしても知られている5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113,実施例8参照);
5−[2−イソ−ブトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−(1−メチルピペリジン−4−イル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113,実施例15参照);
5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−フェニル−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27113,実施例66参照);
5−(5−アセチル−2−プロポキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−イソプロピル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27112,実施例124参照);
5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(WO01/27112,実施例132参照);
(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)ピラジノ[2´,1´:6,1]ピリド[4,3−b]インドール−1,4−ジオン(IC−351)、即ち公開された国際出願WO95/19978の実施例78および95の化合物ならびに実施例1、3、7および8の化合物;
1−[[3−(3,4−ジヒドロ−5−メチル−4−オキソ−7−プロピルイミダゾ[5,1−f]−as−トリアジン−2−イル)−4−エトキシフェニル]スルホニル]−4−エチルピペラジンとしても知られている2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル(vardenafil))、即ち公開された国際出願WO99/24433の実施例20、19、337および336の化合物;ならびに
公開された国際出願WO93/07124の実施例11の化合物(EISAI);ならびに
ロテラDP(Rotella D P), J. Med. Chem., 2000, 43, 1257の化合物3および14。
本発明との連結に有用な尚も別の型のcGMP PDE5阻害剤としては:4−ブロモ−5−(ピリジルメチルアミノ)−6−[3−(4−クロロフェニル)−プロポキシ]−3(2H)ピリダジノン;1−[4−(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−6−クロロ−2−キノゾリニル]−4−ピペリジン−カルボン酸,一ナトリウム塩;(+)−シス−5,6a,7,9,9,9a−ヘキサヒドロ−2−[4−(トリフルオロメチル)−フェニルメチル−5−メチル−シクロペント−4,5]イミダゾ[2,1−b]プリンー4(3H)オン;フラズロシリン(furazlocillin);シス−2−ヘキシル−5−メチル−3,4,5,6a,7,8,9,9a−オクタヒドロシクロペント[4,5]−イミダゾ[2,1−b]プリン−4−オン;3−アセチル−1−(2−クロロベンジル)−2−プロピルインドール−6−カルボン酸エステル;3−アセチル−1−(2−クロロベンジル)−2−プロピルインドール−6−カルボン酸エステル;4−ブロモ−5−(3−ピリジルメチルアミノ)−6−(3−(4−クロロフェニル)プロポキシ)−3−(2H)ピリダジノン;1−メチル−5(5−モルホリノアセチル−2−n−プロポキシフェニル)−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ(4,3−d)ピリミジン−7−オン;1−[4−[(1,3−ベンゾジオキソール−5−イルメチル)アミノ]−6−クロロ−2−キナゾリニル]−4−ピペリジンカルボン酸,一ナトリウム塩;ファルマプロジェクツ(Pharmaprojetcts)No.4516(グラクソウェルカム(Glaxo
Wellcome);ファルマプロジェクツNo.5051(ベイヤー(Bayer);ファルマプロジェクツNo.5064(協和発酵;WO96/26940参照);ファルマプロジェクツNo.5069(シャーリングプラウ(Schering
Plough);GF−196960(グラクソウェルカム);E−8010およびE−4010(Eisai);Bay−38−3045&38−9456(ベイヤー)ならびにSch−51866が挙げられる。
いずれの特定のcGMP PDE5阻害剤の適性も、文献の方法を用いるその効力および選択性の評価に続いて標準製薬慣習によるその毒性、吸収、代謝、ファーマコキネティックス等の評価により容易に決定することができる。
好ましくは、cGMP PDE5阻害剤は、100ナノモル未満、更に好ましくは50ナノモル未満、尚も更に好ましくは10ナノモル未満のIC50を有する。
cGMP PDE5阻害剤のIC50値は、以後の試験方法セクションのPDE5測定を用いて測定することができる。
好ましくは、本発明による多剤併用薬に用いるcGMP PDE5阻害剤は、PDE5酵素に選択的である。好ましくは、それらは、PDE3よりもPDE5に対して100超、更に好ましくは300超の選択性を有する。更に好ましくは、PDE3およびPDE4の両者に対するよりもPDE5に100超、更に好ましくは300超の選択性を有する。
選択性比率は、熟練者により容易に測定することができる。
上記の公開された特許出願の内容、特にその中の一般式および例示された化合物は、それへの参照によりそれらの全体を本明細書に含めるものと解することができる。
陰茎海綿体
本明細書で用いる場合、用語゛陰茎海綿体゛は、特に陰茎にある一塊の組織を指す。この点で、陰茎の体は、白膜と呼ばれる線維組織によってそれぞれが囲まれた3本の円柱状の塊の組織から成る。対になっている側背の塊は、陰茎海綿体(体=主要な本体;海綿状=穴)と呼ばれ;より小さい中腹の塊である尿道海綿体は、海綿状の尿道を有し、海綿状の尿道を射精の間開いたままにするよう機能する。3本の塊全てが、筋膜および皮膚により包まれており、血管洞により満たされる勃起組織から成る。陰茎海綿体は、平滑筋細胞を含む。
射精
射精は、二つの別々の構成要素−射出および射精を含む。射出は、遠位精巣上体、精管、精嚢および前立腺から尿道前立腺部への精液および精子の寄託である。この寄託に続いて起こるのは、尿管口からの精液内容物の力強い射出である。射精は、純粋に脳の事象であるオルガスムとは異なる。しばしば、二つの過程は、一致する。
陰茎勃起
本明細書で用いる場合、用語゛陰茎勃起゛は、視覚的、触覚的、聴覚的、嗅覚的または想像からであってもよい刺激により、陰茎に供給する動脈が広がり、大量の血液が血管洞に入る状況を指す。これらの空間の膨張は、陰茎から血液を流出させる静脈を締め付けるので血液の流出が緩慢である。副交感神経の反射によるこれらの血管の変化は、勃起に帰する。動脈が収縮し、そして静脈上の圧力が除かれる時、陰茎はそのぐにゃぐにゃした状態に戻る。
平滑筋
本明細書で用いる場合、用語゛平滑筋゛は、中空内臓の壁にあり、自律神経の運動ニューロンにより神経支配される平滑筋線維(細胞)から成る、収縮に特化した組織を指す。用語゛平滑筋゛は、横紋がない、従ってそれに滑らかな外観を与える筋肉を意味する。それは、また、不随意筋とも呼ばれる。平滑筋細胞質ゾル中のCa2+濃度の増加は、横紋筋におけるのと丁度同じように収縮を開始する。しかしながら、筋小胞体(横紋筋におけるCa2+の貯蔵庫)は、平滑筋ではわずかである。カルシウムイオンが、細胞外液および筋小胞体の両方から平滑筋細胞質ゾルに流入するが、平滑筋線維には横細管がないことから、Ca2+が線維の中心のフィラメントに達し収縮過程の引き金を引くのに、より長くかかる。これは、部分的に、緩慢な開始および長くなった平滑筋収縮の原因となる。
収縮および弛緩
いくつかのメカニズムが、平滑筋細胞の収縮および弛緩を制御する。一つには、カルモジュリンと呼ばれる調節蛋白質が、細胞質ゾルのCa2+に結合する。カルシウムイオンが平滑筋線維に徐々に入るだけでなく、それらは興奮がおさまれば筋線維から徐々に出て行き、弛緩を遅らせる。細胞質ゾル中のCa2+の長引く存在は、平滑筋の調子、継続する部分的収縮の状態に備える。平滑筋組織は、血管、肺への気道、胃、腸の胆嚢、膀胱、陰茎の陰茎海綿体および陰核のような中空内蔵の壁にある。
治療
本明細書における治療に対する全ての言及には、一つ以上の治癒的、緩和的および予防的治療が含まれることが理解されるはずである。
性的刺激
本発明は、また、性的刺激の前および/または最中の選択的オキシトシンアンタゴニスト(および適用できる場合補助的物質)の投与を経る上記で定義した通りの使用法を包含する。ここで、用語゛性的刺激゛は、用語゛性的覚醒゛と同義であってもよい。本発明のこの態様は、全身の(生理学的)選択性を提供することから有利である。
従って、本発明によれば、いくつかの場面で性的刺激段階があることが、非常に望ましい。ここで、゛性的刺激゛は、一つ以上の視覚的刺激、物理的刺激、聴覚的刺激、または思考的刺激であってもよい。
物質
本発明による雄性射精障害、特に早発射精の治療の用途用物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストとして作用することができ且つ選択的オキシトシンアンタゴニストおよび上記で詳細に説明した通りの補助的物質の多剤併用に充てるいずれの適切な物質であっても良い。本明細書で用いる場合、用語゛物質゛には、オキシトシン受容体を選択的に阻害することのできるいずれの因子も含まれる。
このような物質(即ち、上記で定義した通りの物質)は、有機化合物または他の化学物質であってもよい。この物体は、アミノ酸配列又はその化学的誘導体でさえあってもよい。物質は、センス配列またはアンチ−センス配列であってもよいヌクレオチド配列でさえあってもよい。物質は、抗体でさえあってもよい。
従って、用語゛物質゛には、天然であろうとなかろうと任意の適切な源から入手することのできる又はそれにより製造することのできる化合物が含まれるが、限定される訳ではない。
物質は、ペプチド、ならびに他の化合物、例えば小さい有機分子、例えば鉛化合物を含んでもよい化合物のライブラリーから設計または得ることができる。
例として、物質は、天然の物体、生物学的巨大分子、または細菌、真菌もしくは動物(特に哺乳類)細胞もしくは組織のような生物学的材料から製造した抽出物、有機もしくは無機分子、合成物質、半合成物質、構造もしくは機能的模倣物、ペプチド、ペプチド模倣物、誘導された物質、蛋白質全体から分解されたペプチド、または合成により合成されたペプチド(例えば、例として、ペプチド合成器を用いて、または組み換え技法により、又はその組み合わせのいずれか)、組み換え物質、抗体、天然もしくは非天然の物質、融合蛋白質もしくはその同等物および突然変異体、誘導体もしくはその組み合わせであってもよい。
本明細書で用いる場合、用語゛物質゛は、単一の因子であってもよいし、物質の組み合わせであってもよい。
物質が、有機化合物であるならば、いくつかの適用では、その有機化合物は、代表的には、2個以上の結合ヒドロカルビル基を含むことができる。いくつかの適用では、好ましくは、物質は、少なくとも2個の環式基を含み、任意に環式基の内1個が縮合環式環構造であってもよい。いくつかの適用では、少なくとも1個の環式基は、複素環式基である。いくつかの適用では、好ましくは、複素環式基は、環内に少なくとも1個のNを含む。このような化合物の一例を本明細書に提供する。
物質は、非分枝鎖または分枝鎖であってもよい、1つ以上のアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキレンおよびアルケニレン基を有してもよい。
置換
疑いを避けるために、特に断らない限り、置換という用語は、1個以上の規定された基による置換を意味する。基を多数の代替基から選ぶことができる場合、選ばれた基は、同じでも又は異なってもよい。疑いを避けるために、独立にという用語は、1個より多い置換基が多数の可能な置換基から選ばれる場合、それらの置換基は同じでも又は異なってもよいことを意味する。
薬学的に許容することのできる塩
物質は、薬学的に許容することのできる塩、例えば酸付加塩または塩基塩、またはその水和物を含むその溶媒和物の形態であってもよいし、および/又はそれとして投与することができる。適切な塩に関する概説は、バージ(Berge)等, J. Pharm. Sci., 1977, 66, 1-19参照。
代表的には、薬学的に許容することのできる塩は、適切であれば、所望の酸または塩基を用いることにより容易に調製することができる。塩は、溶液から析出し濾過により集めることができるか又は溶媒の蒸発により回収することができる。
適切な酸付加塩は、無毒の塩を形成する酸から形成され、例は、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸水素塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、グルコン酸塩、コハク酸塩、糖酸塩、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩およびパモ酸塩である。
適切な塩基塩は、無毒の塩を形成する塩基から形成され、例は、ナトリウム、カリウム、アルミニウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛およびジエタノールアミン塩である。
多形/不斉炭素
物質は、多形で存在することができる。
物質は、1個以上の不斉炭素を有することができ、従って、2つ以上の立体異性形態で存在する。物質がアルケニルまたはアルケニレン基を有する場合、シス(E)およびトランス(Z)異性も、やはり生じるかもしれない。本発明は、物質の個々の立体異性体、ならびに適切である場合、その混合物と共にその個々の互変異性形態を含む。
ジアステレオ異性体またはシスおよびトランス異性体の分離は、物質またはその適切な塩もしくは誘導体の立体異性混合物の従来技法により、例えば、分別結晶、クロマトグラフィーまたはH.P.L.C.により達成することができる。物質の個々の鏡像異性体は、また、相当する光学的に純粋な中間体から、または分割により、例えば、適切なキラル支持体を用いた相当するラセミ体のH.P.L.C.により、または適切な場合、相当するラセミ体と適切な光学的に活性な酸もしくは塩基の反応により形成されたジアステレオ異性体塩の分別結晶により調製することもできる。
同位体変形物
本発明は、また、物質または薬学的に許容することのできるその塩の全ての適切な同位体変形物も含む。本発明の物質または薬学的に許容することのできるその塩の同位体変形物は、少なくとも1個の原子が、同じ原子番号ではあるが天然に普通に見出される原子質量と異なる原子質量を有する原子により置換されているものと定義される。物質および薬学的に許容することの出来るその塩に組み込まれることのできる同位体の例としては、それぞれ、H、H、13C、14C、15N、17O、18O、31P、32P、35S、18F、および36Clのような水素、炭素、窒素、酸素、リン、硫黄、フッ素および塩素の同位体が挙げられる。物質および薬学的に許容することのできるその塩の特定の同位体変形物、例えば、Hまたは14Cのような放射性同位体を組み込んでいるものは、薬物および/または基質組織分布研究に有用である。トリチウム化、即ちH、および炭素−14、即ち、14C同位体は、調製の容易さ及び検出能ゆえに特に好ましい。更に、ジウテリウム、即ち、Hのような同位体での置換は、より大きい代謝安定性に起因する特定の治療上の有利性、例えば、増大したインビボ半減期または減少した必要量を得ることができ、従って、ある状況では好ましいかもしれない。物質および薬学的に許容することのできるその塩の同位体変形物は、通常、適切な試薬の適切な同位体変形物を用い従来の手法により調製することができる。
プロドラッグ
物質をプロドラッグから誘導することができることは、当業者等により理解されるはずである。プロドラッグの例には、特定の保護された基を有し、それ自体薬理学的活性を有することができないが、特定の場合に、投与され(例えば、経口的にまたは非経口的に)、その後体内で代謝されて薬理学的に活性である物質を形成する因子が含まれる。
プロ−部分
例えば、H.バンドガード エルシビア(H. Bundgaard, Elsevier), 1985 による゛プロドラッグの設計゛(この開示物は、参照により本明細書に含めるものとする)で説明されたような゛プロ−部分゛として知られる特定の部分を、物質の適切な官能基上に配置することができることは、更に理解されるはずである。このようなプロドラッグも、やはり本発明の範囲に含まれる。
阻害剤/アンタゴニスト
選択的オキシトシンアンタゴニストに関連して本明細書で用いる用語アンタゴニストは、用語阻害剤と同じ意味であるとみなすことができる。同様に、例えば(適用できる場合PDEiまたはPDE5i化合物のような)上記で提供した補助的物質に関連して本明細書で用いる用語阻害剤は、用語アンタゴニストと同じ意味であるとみなすことができる。
本明細書で用いる場合、用語゛アンタゴニスト゛は、別の物質または標的の作用を減少させるいずれの物質も意味する。拮抗する作用は、対抗する物体(化学的対立)または異なる標的を通じた反対の作用の結果(機能的対立または生理学的対立)または標的の活性化を観察される作用に結びつける中間体の結合部位をめぐる競争(間接的対立)の結果としての組み合わせに起因してもよい。
医薬組成物
本発明は、また、治療上効果的な量の本発明の物質および薬学的に許容することのできる担体、希釈剤または医薬品添加物(その組み合わせを含む)を含む医薬組成物を提供する。
医薬組成物は、人間および獣医学におけるヒトまたは動物の使用のためであってもよく、代表的には、任意の1種以上の薬学的に許容することのできる希釈剤、担体、または医薬品添加物を含む。治療の用途に許容することのできる担体または希釈剤は、製薬業界で周知であり、例えば、レミングトンの製薬科学(Remington's Pharmaceutical Science), マック出版社(Mack Publishing Co.)(A.R.ジェンナロ(A.
R. Gennaro) 編 1985)の中で説明されている。製薬担体、医薬品添加物または希釈剤の選択は、意図する投与経路および標準製薬慣習に関して選ぶことができる。医薬組成物は、担体、医薬品添加物または希釈剤として、またはそれに加えて任意の適切な結合剤、滑沢剤、懸濁化剤、被覆剤、可溶化剤を含むことができる。
保存剤、安定化剤、染料および着香剤でさえ、医薬組成物中に供給されても良い。保存剤の例としては、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸およびp−オキシ安息香酸のエステル類が挙げられる。酸化防止剤および懸濁化剤も、用いることができる。
異なる送達システムに依存して異なる組成物/処方物要求があってもよい。例として、本発明の医薬組成物は、ミニ−ポンプを用いて又は粘膜経路により例えば鼻腔内噴霧もしくは吸入用エアゾールまたは摂取可能な溶液として、または組成物が例えば静脈内、筋肉内もしくは皮下経路による送達用に注射可能な形態によって処方されている非経口的に送達されるよう処方することができる。あるいは、処方物は、両方の経路により送達されるべく設計されても良い。
物質が胃腸粘膜を通じて粘膜により送達されることになる場合、胃腸管を通じた通過中に依然として安定なままであることができるべきである;例えば、蛋白質による分解に耐える、酸のpHで安定、そして胆汁の洗浄作用に耐えるべきである。
適切である場合、医薬組成物は、吸入により、坐剤もしくはペッサリー剤の形態で、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏もしくは散布粉剤の形態で局所的に、皮膚パッチ剤の使用により、デンプンもしくはラクトースのような医薬品添加物を含有する錠剤の形態で経口的に、または単独でもしくは医薬品添加物と混合してのいずれかのカプセル剤もしくは膣坐剤、または着香剤もしくは着色剤を含有するエリキシル剤、液剤もしくは懸濁剤の形態で投与することができるか、又はそれらは、非経口的に、例えば、静脈内、筋肉内もしくは皮下により注射することができる。非経口的投与には、組成物は、他の物体、例えば、溶液を血液と等張にするのに十分な塩類または単糖類を含有することのできる滅菌水溶液の形態で最善に用いることができる。口腔または舌下投与には、組成物は、従来法で処方することのできる錠剤またはトローチ剤の形態で投与することができる。
いくつかの態様には、本発明の物質は、また、シクロデキストリンと組み合わせて用いることができる。シクロデキストリン類は、薬物分子と包接および非包接錯体を形成することで知られている。薬物−シクロデキストリン錯体の形成は、薬物分子の溶解度、溶解速度、生物学的利用能および/または安定性特性を改変することができる。薬物−シクロデキストリン錯体は、通常、ほとんどの剤形および投与経路にとって有用である。薬物との直接的錯形成反応の代わりとして、シクロデキストリンを、補助的添加物として、例えば、担体、希釈剤または可溶化剤として用いることができる。アルファ−、ベータ−およびガンマ−シクロデキストリンが、最も普通に用いられ、適切な例は、WO−A−91/11172、WO−A−94/02518およびWO−A−98/55148に説明されている。
好ましい態様において、本発明の物質は、全身的に(例えば、経口、口腔、舌下)、更に好ましくは経口的に送達される。
故に、好ましくは、物質は、経口送達に好適である形態にある。
投与
用語゛投与゛には、ウィルスまたは非ウィルス技法による送達が含まれる。ウィルス送達メカニズムには、アデノウィルスベクター、アデノ関連ウィルス(AAV)ベクター、ヘルペスウィルスベクター、レトロウィルスベクター、レンチウィルスベクター、およびバキュロウィルスベクターが含まれるが、これらに限定される訳ではない。非ウィルス送達メカニズムには、脂質が仲介するトランスフェクション、リポソーム、イムノリポソーム、リポフェクチン(lipofectin)、陽イオン面両親媒性物質(CFAs)及びその組み合わせが含まれる。
本発明の物質は、単独で投与することができるが、通常は、例えば、物質が、意図した投与経路および標準製薬慣習に関して選ばれる適切な製薬の医薬品添加物、希釈剤または担体と混合状態にある場合、医薬組成物として投与される。
例えば、物質は、即時−、遅延−、改変−、持続−、拍動−または制御−放出適用用に、着香剤または着色剤を含有してもよい錠剤、カプセル剤、膣坐剤、エリキシル剤、液剤または懸濁剤の形態で(例えば、経口的に又は局所的に)投与することができる。
錠剤は、微結晶セルロース、ラクトース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、二塩基性リン酸カルシウムおよびグリシンのような医薬品添加物、デンプン(好ましくは、トウモロコシ、バレイショまたはタピオカデンプン)、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスカルメロースナトリウムおよび特定の複合ケイ酸塩類のような崩壊剤、ならびにポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、白糖、ゼラチンおよびアラビアゴムのような顆粒化結合剤を含有することができる。更に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ベヘン酸グリセリルおよびタルクのような滑沢剤を含有することができる。
同様の型の固形組成物は、ゼラチンカプセル剤中の賦形剤としても用いることができる。この点で好ましい医薬品添加物としては、ラクトース、デンプン、セルロース、乳糖または高分子量ポリエチレングリコール類が挙げられる。水性懸濁剤および/またはエリキシル剤には、物質を、種々の甘味剤または着香剤、着色物質もしくは染料と、乳化剤および/または懸濁化剤と、ならびに水、エタノール、プロピレングリコールおよびグリセリン並びにその組み合わせのような希釈剤と合せることができる。
投与(送達)経路には、それらに限定される訳ではないが、経口(例えば、錠剤、カプセル剤として、または摂取可能な液剤として)、局所、粘膜(例えば、鼻腔内噴霧または吸入用エアゾール)、鼻腔内、非経口(例えば、注射可能な形態)、胃腸、髄腔内、腹腔内、筋肉内、静脈内、子宮内、眼内、皮内、頭蓋内、気管内、膣内、脳室内、脳内、皮下、眼(硝子体内または眼房内を含む)、経皮、直腸、口腔、陰茎、膣、硬膜外、舌下の一つ以上が含まれる。
全ての物質が、同じ経路により投与される必要はないことは、理解されるはずである。同様に、組成物が、1種より多い有効成分を含む場合、それらの成分は、異なる経路により投与されてもよい。
本発明の物質を非経口的に投与する場合、このような投与の例には、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜内、脳室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内または皮下の一つ以上による物質の投与;および/または輸液技法を用いることが含まれる。
非経口投与には、物質は、他の物体、例えば、溶液を血液と等張にするのに十分な塩類またはグルコースを含有することのできる滅菌水溶液の形態で最善に用いられる。水溶液は、必要であれば、適切に緩衝化すべきである(好ましくは、3から9までのpH)。滅菌条件下の適切な非経口処方物の調製は、当業者等に周知の標準製薬技法により容易に達成される。
示したように、本発明の物質は、鼻腔内により、または吸入により投与することができ、適切な噴射剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、ヒドロフルオロアルカン例えば1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFA 134ATM)もしくは1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパン(HFA 227EATM)、二酸化炭素または他の適切なガスを用い加圧された容器、ポンプ、スプレーまたは噴霧器からの乾燥散剤吸入器またはエアゾールスプレー提供物の形態で便利に送達される。加圧エアゾールの場合、用量単位は、計量された量を送達するための弁を提供することにより測定することができる。加圧された容器、ポンプ、スプレーまたは噴霧器は、更に滑沢剤、例えばトリオレイン酸ソルビタンを含有してもよい、例えば溶媒としてエタノールおよび噴射剤の混合物を用いる、活性化合物の液剤または懸濁剤を入れることができる。吸入器または吹入器の用途用カプセル剤およびカートリッジ剤(例えば、ゼラチンで製造した)は、物質とラクトースまたはデンプンのような適切な散剤基剤との粉末ミックスを含有するよう処方することができる。
あるいは、本発明の物質は、坐剤またはペッサリー剤の形態で投与することができるか、またはゲル剤、ヒドロゲル剤、ローション剤、液剤、クリーム剤、軟膏または散布剤の形態で局所的に適用することができる。本発明の物質は、また、例えば、皮膚パッチ剤の使用により皮膚により又は経皮的に投与することができる。それらは、また、肺または直腸経路により投与することもできる。それらは、また、眼の経路により投与することもできる。眼の用途には、本化合物を、塩化ベンジルアルコニウムのような保存剤と任意に組み合わせても良い、等張のpH調整した滅菌生理食塩水中の微小化した懸濁剤として、または好ましくは等張のpH調整した滅菌生理食塩水中の液剤として処方することができる。あるいは、それらは、ペトロラタムのような軟膏中に処方することができる。
皮膚への局所的適用には、本発明の物質は、例えば、以下:鉱油、液体ペトロラタム、白ペト、プロピレングリコール、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン化合物、乳化ワックスおよび水の1つ以上との混合物中に懸濁または溶解した活性化合物を含有する適切な軟膏として処方することができる。あるいは、それは、例えば、以下:鉱油、モノステアリン酸ソルビタン、ポリエチレングリコール、流動パラフィン、ポリソルベート60、セチルエステルろう、セテアリールアルコール、2−オクチルドデカノール、ベンジルアルコールおよび水の1つ以上との混合物中に懸濁または溶解した適切なローション剤またはクリーム剤として処方することができる。
本発明の組成物は、直接注射により投与することができる。
いくつかの適用には、好ましくは、物質は、経口的に投与される。
いくつかの適用には、好ましくは、物質は、局所的に投与される。
用量水準
代表的には、医師が、個々の対象者に最も適切である実際の用量を決定する。特定の個体にとっての特定の用量水準および頻度は、変えることができ、用いる特定の化合物の活性、その化合物の代謝安定性および作用の長さ、年齢、体重、全般的健康、性別、食餌、投与の様式および時間、排泄の速度、薬物の組み合わせ、特定の症状の重篤度、ならびに個体が受ける治療を含む種々の要素に依存する。本発明の物質および/または医薬組成物は、1日当たり1回または2回のような1日当たり1から10回までの投与計画に従って投与することができる。
ヒトへの経口および非経口投与には、物質の毎日の用量水準は、1回または分割した量であってもよい。
要求次第で、物質は、0.01から30mg/kg体重、例えば、0.1から10mg/kg体重、更に好ましくは0.1から1mg/kg体重の用量で投与することができる。当然のことであるが、本明細書で述べる用量は、平均の場合の典型例である。当然のことながら、より高い又はより低い容量範囲が値する個々の場合があり得る。
代表的には、毎日の経口用量は、例えば20−1000mg、好ましくは例えば50−300mgであってもよい。
処方物
本発明の物質は、例えば、一つ以上の適切な担体、希釈剤または医薬品添加物と混合することにより、当業界で知られている技法を用いることにより、医薬組成物に処方することができる。
以下は、処方物の非制限的例を提供する。
処方物1:錠剤は、以下の成分を用いて調製する:
重量/mg
物質 250
セルロース,微結晶 400
二酸化ケイ素,発煙 10
ステアリン酸 5
合計 665
成分を混合し、圧縮してそれぞれ665mg重量の錠剤を形成する。
処方物2:静脈内処方物は、次の通りに調整することができる:
物質 100mg
等張生理食塩水 1,000ml
個体
本明細書で用いる場合、用語゛個体゛は、脊椎動物、特に哺乳類の種の構成員を指す。この用語には、家庭用動物、スポーツ動物、霊長類およびヒトが含まれるが、それらに限定される訳ではない。
生物学的利用能
好ましくは、本発明の化合物(および多剤併用薬)は、経口的に生物学的利用が可能である。経口生物学的利用能は、全身的循環に達する経口的に投与された薬物の割合を指す。薬物の経口生物学的利用能を決定する要素は、溶解性、膜透過性および代謝安定性である。代表的には、まず初めにインビトロ、次いでインビボ技法の選別カスケードを用いて経口生物学的利用能を決定する。
溶解性、胃腸管(GIT)の水性内容物による薬物の可溶化は、GITをまねる適切なpHで行われるインビトロ溶解度実験から予想することができる。好ましくは、本発明の化合物は、50mg/mlの最小溶解度を有する。溶解度は、Adv. Drug Deliv. Rev. 23, 3-25, 1997 に説明されているような当業界で知られる標準手法により測定することができる。
膜透過性は、GITの細胞を通り抜ける化合物の通過を指す。親油性が、これを予想するのに重要な性質であり、有機溶媒およびバッファーを用いるインビトロLog D7.4測定により規定される。好ましくは、本発明の化合物は、−2から+4、更に好ましくは−1から+2のLog D7.4を有する。Log Dは、J. Pharm. Pharmacol. 1990, 42: 144 に説明されているような当業界で公知の標準手法により測定することができる。
p−糖蛋白質のような流出運搬体の存在下、有利な膜透過性の予想にCaCOのような細胞単層測定、いわゆるcaco−2フラックスを実質的に加える。好ましくは、本発明の化合物は、2x10−6cms−1より大きい、更に好ましくは5x10−6cms−1より大きいcaco−2フラックスを有する。cacoフラックス値は、J. Pharm. Sci., 1990, 79, 595-600 に説明されているような当業界で公知の標準手法により測定することができる。
代謝安定性は、吸収過程中に化合物を代謝するGITまたは肝臓の能力:初回通過効果を扱う。ミクロソーム、肝細胞等のような測定システムは、代謝されやすさの予測である。好ましくは、本例の化合物は、0.5未満の肝抽出物と釣り合う測定システムにおける代謝安定性を示す。測定システムおよびデータ取り扱いの例は、Curr. Opin. Drug Disc. Devel., 201, 4, 36-44, Drug Met. Disp., 2000,
28, 1518-1523 に説明されている。
上記の過程の相互作用故に、薬物がヒトにおいて経口的に生物学的利用可能であるという更なる支持は、動物におけるインビボ実験により得ることができる。これらの研究における絶対生物学的利用能は、化合物を別々に又は混合して経口経路により投与することにより測定する。絶対測定(吸収される%)には、静脈経路も、やはり用いる。動物における経口生物学的利用能の評価の例は、Drug Met. Disp., 2001, 29, 82-87; J. Med. Chem, 1997, 40, 827-829,
Drug Met. Disp., 1999, 27, 221-226 に見ることができる。
化学的合成法
代表的には、本発明に従う用途に好適な選択的オキシトシンアンタゴニスト(および/または適用できる場合PDEi/PDE5i)は、化学的合成技法により調製される。
物質又はその標的または変形体、相同体、誘導体、断片もしくは模倣体は、全体として又は部分的に物質を合成する化学的方法を用いて製造することができる。例えば、ペプチドは、固相技法により合成し、樹脂から切り離し、そして調製用高速液体クロマトグラフィーにより精製することができる(例えば、クレイトン(Creighton) (1983) Proteins Structures and Molecular Principles, WH
Freeman and Co, ニューヨークNY)。合成ペプチドの組成物は、アミノ酸分析または配列決定法(例えば、エドマン(Edman) 分解手法;上記のクレイトン)により確認することができる。
物質又はその変形体、相同体、誘導体、断片もしくは模倣体の直接合成は、種々の固相技法を用いて実施することができ(ロバージJY(Roberge JY)等 (1995) Science 269: 202-204)、自動化された合成は、例えば、製造元により提供される指示書に従い、ABI 43 1 Aペプチド合成機(パーキンエルマー(Perkin
Elmer))を用いて達成することができる。更に、物質又はその任意の一部を含むアミノ酸配列は、直接合成中に変える及び/または他のサブユニットから得た配列若しくはその任意の一部と化学的方法を用いて組み合わせて変形体物質または例えば変形体オキシトシン受容体のような標的を得ることができる。
本発明の別の態様において、物質、標的又はその変形体、相同体、誘導体、断片もしくは模倣体のコード配列は、全体として又は部分的に、当業界で周知の化学的方法を用いて合成することができる(カルサーズMH(Caruthers MH)等 (1980) Nuc Acids Res Symp Ser 215-23; ホーンT(Horn T)等
(1980) Nuc Acids Res Symp Ser 225-232参照)。
模倣体
本明細書で用いる場合、用語゛模倣体゛は、いずれかの化学物質に関し、それには、論及物質即ち例えば選択的オキシトシンアンタゴニスト、標的即ち例えばオキシトシン受容体と同じ質的活性または作用を有する、ペプチド、ポリペプチド、抗体または他の有機化学物質が含まれるが、これらに限定される訳ではない。即ち、模倣体は、公知の物質と機能的に同等であってもよい。
化学的誘導体
本明細書で用いる用語゛誘導体゛または゛誘導された゛には、物質の化学的改変が含まれる。このような化学的改変の具体例は、ハロ基、アルキル基、アシル基またはアミノ基による水素の置換であろう。
化学的改変
本発明の一態様において、物質は、化学的に改変された物質であってもよい。
物質の化学的改変は、物質および標的間の水素結合相互作用、電荷相互作用、疎水性相互作用、ファンデルワールス相互作用または双極子相互作用を強化するか又は減少させるかのいずれかであってもよい。
一態様において、同定された物質は、他の化合物の開発用モデル(例えば、鋳型)として働くことができる。
標的
本発明の一態様において、オキシトシン受容体は、オキシトシン受容体を阻害することのできる物質を同定する選別における標的として用いることができる。この点で、標的は、組み換えおよび/または合成法により調製される配列番号:1として示されるアミノ酸配列又はその変形体、相同体、誘導体もしくは断片又はこれらを含む発現因子を含むことができる。
本発明の更なる態様において、オキシトシン受容体およびバソプレッシン受容体特にV1a受容体の両者は、オキシトシン受容体を選択的に阻害することのできる物質を同定する選別における標的として用いることができる。この点で、オキシトシン受容体標的は、組み換えおよび/または合成法により調製される配列番号:1として示されるアミノ酸配列又はその変形体、相同体、誘導体もしくは断片又はこれらを含む発現因子を含むことができ、そしてバソプレッシン受容体標的は、組み換えおよび/または合成法により調製される配列番号:2として示されるアミノ酸配列又はその変形体、相同体、誘導体もしくは断片又はこれらを含む発現因子を含むことができる。
あるいは、オキシトシン受容体および/またはバソプレッシン受容体(好ましくは、V1a受容体)は、オキシトシン受容体の選択的阻害を通じて射精潜時の増加を仲介することのできる物質を同定するための標的として用いることができる。この点で、標的は、適切な組織抽出物であってもよい。
標的は、このような組織および/または組み換え標的の組み合わせでさえあってもよい。
組み換え法
本発明の物質および/または標的は、組み換えDNA技法により調製することができる。
一態様において、好ましくは、物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである。オキシトシンアンタゴニストは、組み換えDNA技法により調製することができる。
アミノ酸配列
本明細書で用いる場合、用語゛アミノ酸配列゛は、用語゛ポリペプチド゛および/または用語゛蛋白質゛と同じ意味である。ある場合には、用語゛アミノ酸配列゛は、用語゛ペプチド゛と同じ意味である。ある場合には、用語゛アミノ酸配列゛は、用語゛蛋白質゛と同じ意味である。
アミノ酸配列は、適切な源から単離調製することができるか、または合成的に作製することができるか、または組み換えDNA技法の使用により調製することができる。
一態様において、本発明は、1種以上の物質および/またはその誘導体の同定のための測定における標的(即ち、オキシトシン受容体またはバソプレッシン受容体、好ましくはV1a受容体)として働くことのできるアミノ酸配列を提供する。
第二の態様において、本発明は、物質がオキシトシン受容体を選択的に阻害することのできるアミノ酸配列を提供する。
好ましくは、標的は、オキシトシン受容体である。
好ましくはオキシトシン受容体および/またはバソプレッシン受容体好ましくはV1a受容体は、単離された受容体である及び/または精製されている及び/または本来のものではない。
本発明のオキシトシン受容体および/またはバソプレッシン受容体好ましくはV1a受容体は、実質的に単離された形態にあってもよい。オキシトシン受容体またはバソプレッシン受容体は、受容体および/または物質の意図する目的を妨げない担体または希釈剤と混合することができ、そして尚も実質的に単離されたとみなされると考えられる。本発明のオキシトシン受容体またはバソプレッシン受容体は、また、実質的に純粋な形態で存在してもよく、この場合、それは、通常、製剤中の90%より多い、例えば95%、98%または99%のオキシトシン受容体またはバソプレッシン受容体が、それぞれ、配列番号:1で示されるアミノ酸配列を有するペプチド又はその変形体、相同体、誘導体もしくは断片または配列番号:2で示されるアミノ酸配列を有するペプチド又はその変形体、相同体、誘導体もしくは断片である、製剤中のオキシトシン受容体またはバソプレッシン受容体を含む。
ヌクレオチド配列
本明細書で用いる場合、用語゛ヌクレオチド配列゛は、用語゛ポリヌクレオチド゛と同じ意味である。
ヌクレオチド配列は、ゲノムまたは合成または組み換え体由来のDNAまたはRNAであってもよい。ヌクレオチド配列は、センスもしくはアンチセンス鎖を表そうと又はその組み合わせを表そうと、二本鎖または一本鎖であってもよい。
ある適用には、好ましくは、ヌクレオチド配列は、DNAである。
ある適用には、好ましくは、ヌクレオチド配列は、組み換えDNA技法の使用により調製される(例えば、組み換えDNA)。
ある適用には、好ましくは、ヌクレオチド配列は、cDNAである。
ある適用には、好ましくは、ヌクレオチド配列は、この態様のために天然に存在する形態と同じであってもよい。
一態様において、本発明は、1種以上の物質および/またはその誘導体の同定のための測定に標的として働くことのできる物体をコードするヌクレオチド配列を提供する。
本発明の一態様において、ヌクレオチド配列は、オキシトシン受容体をコードする。
本発明の更なる態様において、ヌクレオチド配列は、バソプレッシン受容体、好ましくはV1a受容体をコードする。
本発明の一態様において、ヌクレオチド配列は、オキシトシン受容体を選択的に阻害することのできる物質をコードする。
多数の異なるヌクレオチド配列が、遺伝暗号の縮重の結果として同じ標的(即ち、オキシトシン受容体、例えば配列番号:1に示したアミノ酸配列を含むオキシトシン受容体、またはバソプレッシン受容体、例えば配列番号:2に示したアミノ酸配列を含むバソプレッシン受容体)をコードすることができることは、熟練者により理解されるはずである。加えて、熟練者が、通常の技法を用い、標的が発現されることになる特定の宿主生物のコドン慣例を反映するヌクレオチド配列によりコードされる活性に実質的に影響しないヌクレオチド置換を行うことができることと考えられるはずである。従って、ヌクレオチド配列に関連した用語゛変形体゛、゛相同体゛または゛誘導体゛には、その結果生じるヌクレオチド配列が本発明による機能的標的(即ち、例えばオキシトシン受容体)(またはその物質がヌクレオチド配列もしくはアミノ酸配列を含む場合、本発明による物質さえも)をコードするならば、配列からの又は配列への1個(または以上)の核酸の任意の置換、変形、改変、交換、欠失または付加が含まれる。
変形体/相同体/誘導体
本明細書で述べた特定のアミノ酸配列に加え、本発明は、やはり、その変形体、相同体および誘導体の使用も包含する。ここで、用語゛相同゛は、゛同一゛と同一視してもよい。
この文脈において、相同配列は、配列番号:1または配列番号:2に示されるアミノ酸配列と少なくとも75、85または90%同一、好ましくは少なくとも95または98%同一であってもよいアミノ酸配列を含むと解される。特に、相同は、代表的には、活性に必須であることが知られている配列の領域に関して考えるべきである。相同は、また、類似(即ち、類似の化学的性質/機能を有するアミノ酸残基)の見地からも考えられるが、本発明の文脈においては、配列の同一の見地から相同を表すことが好ましい。
相同比較は、眼により、又はより普通には容易に入手可能な配列比較プログラムによって行うことができる。これらの商業的に入手可能なコンピュータープログラムは、二つ以上の配列間の%相同を算定することができる。
%相同は、隣接する配列にわたって算定することができる、即ち、一方の配列を他方の配列と一直線に並べ、一方の配列の各アミノ酸を、他方の配列の対応するアミノ酸と一度に一残基ずつ直接比較する。これは、゛アンギャップド゛アラインメントと呼ばれる。代表的には、このようなアンギャップドアラインメントは、比較的残基の数が少ないものに関してのみ行われる。
これは、非常に単純かつ一致する方法であるけれども、例えば、他の点では同一対の配列において、1個の挿入または欠失は、次のアミノ酸残基がアラインメントの外に出される原因になり、従って全体的アラインメントが行われる場合に可能性として%相同の大きな減少に帰するということを考慮に入れることがない。よって、大部分の配列比較法は、全体の相同得点を不当に不利にすることなく可能性のある挿入および欠失を考慮に入れるという最適のアラインメントを得るよう設計されている。これは、局部的相同を最大にしようと配列アラインメントに゛ギャップ゛を挿入することにより達成される。
しかしながら、より複雑なこれらの方法は、同じ数の同一のアミノ酸では、二つの比較される配列間の、より高い相関性を反映して、できるだけ少ないギャップを有する配列アラインメントが、多くのギャップを有するものより高い得点を獲得するように、アラインメントに存在する各ギャップに゛ギャップペナルティ゛を割り当てる。ギャップの存在には比較的高いコスト、そしてギャップ内のそれぞれの次の残基にはより小さいペナルティを科す゛アフィンギャップコスト(affine gap costs)゛が、代表的には用いられる。これが、最も普通に用いられるギャップ評価システムである。高いギャップペナルティは、当然のことながら、より少ないギャップを有する最適化アラインメントを生む。大部分のアラインメントプログラムは、ギャップペナルティが改変されるのを可能にする。しかしながら、配列比較用にこのようなソフトウェアを用いる場合、デフォルト値を用いることが好ましい。例えば、GCGウィスコンシンベストフィット(Wisconsin
Bestfit)パッケージ(下記参照)を用いる場合、アミノ酸配列のデフォルトギャップペナルティは、ギャップについては−12および各伸長については−4である。
最大%相同の算定は、従って、まず初めにギャップペナルティを考慮に入れた最適なアラインメントの製作を必要とする。このようなアラインメントを実行するのに適したコンピュータープログラムは、GCGウィスコンシンベストフィットパッケージである(ウィスコンシン大学、米国;デベリュークス(Devereux)等, 1984, Nucleic Acid Research 12:387)。配列比較を行うことのできる他のソフトウェアの例としては、BLASTパッケージ(オースベル(Ausubel)等,
1999 ibid 第18章参照)、FASTA(アッシュル(Atschul)等, 1990, J. Mol. Biol. 403-410)およびGENEWORKSの一そろいの比較道具が挙げられるが、これらに制限される訳ではない。BLASTおよびFASTAの両方ともが、オフラインおよびオンライン検索で入手可能である(オースベル等,
1999 ibid , ページ7-58ないし7-60参照)。しかしながら、GCGベストフィットプログラムを用いることが好ましい。BLAST2シーケンシーズ(Sequences)と呼ばれる新規な道具も、蛋白質およびヌクレオチド配列を比較するのに入手可能である(FEMS
Microbiol Lett 1999 174 (2): 247-50; FEMS Microbiol Lett 1999 177 (1): 187-8 およびtatiana@ncbi.nlm.nih.gov
参照)。
最終的%相同は、同一の見地から測定することができるけれども、アラインメント過程それ自体は、代表的には、全部さもなければゼロの対比較に基づくわけではない。その代わり、化学的類似性または進化の距離に基づく各々の対ごとの比較に得点を割り当てる比例した類似得点行列を、通常用いる。普通に用いられるこのような行列の一例は、BLASTの一そろいのプログラム用デフォルト行列であるBLOSUM62行列である。GCGウィスコンシンプログラムは、通常、供給されている場合、公的デフォルト値または慣例記号比較表(更なる詳細にはユーザーマニュアル参照)のいずれかを用いる。GCGパッケージには公的デフォルト値、または他のソフトウェアの場合、BLOSUM62のようなデフォルト行列を用いることが好ましい。
一度ソフトウェアが最適なアラインメントを製作したならば、%相同、好ましくは%配列同一を算定することが可能である。ソフトウェアは、代表的には、配列比較の一部としてこれを行い、数字で示された結果を出す。
配列は、また、サイレント変化を生じさせ、且つ機能的に同等の物体に帰するアミノ酸残基の欠失、挿入または置換があってもよい。故意のアミノ酸置換は、物体の二次的結合活性が保持される限り、残基の極性、電荷、可溶性、疎水性、親水性、および/または両親媒性の類似性に基づいて行うことができる。例えば、陰性に荷電したアミノ酸としては、アスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられ;陽性に荷電したアミノ酸としては、リシンおよびアルギニンが挙げられ;そして同様の親水性値を有する非荷電の極性ヘッド(head)基を有するアミノ酸としては、ロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、フェニルアラニンおよびチロシンが挙げられる。
保存的置換は、例えば下記の表に従って行うことができる。二番目の縦列内の同じブロック内、好ましくは三番目の縦列の同じ線内のアミノ酸は、相互に置換することができる:
Figure 2005525321


また、相同置換(本明細書で、置換および交換を両方とも用いて、現存するアミノ酸残基の代替残基での交換を意味する)、即ち塩基性には塩基性、酸性には酸性、極性には極性等のような似たもの同士の置換も包含する本発明もあってもよい。また、非相同置換、即ち、一方のクラスの残基から他方へ又は代わりにオルニチン(以後、Zと称する)、ジアミノ酪酸オルニチン(以後、Bと称する)、ノルロイシンオルニチン(以後、Oと称する)、ピリルアラニン、チエニルアラニン、ナフチルアラニンおよびフェニルグリシンのような非天然のアミノ酸の含有を含むことが起こってもよい。
交換は、また、アルファおよびアルファ−二置換アミノ酸、N−アルキルアミノ酸、乳酸、天然のアミノ酸のハロゲン化物誘導体例えばトリフルオロチロシン、p−Cl−フェニルアラニン、p−Br−フェニルアラニン、p−I−フェニルアラニン、L−アリル−グリシン、ベータ−アラニン、L−α−アミノ酪酸、L−γ−アミノ酪酸、L−α−アミノイソ酪酸、L−εアミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、L−メチオニンスルホン#*、L−ノルロイシン、L−ノルバリン、p−ニトロ−L−フェニルアラニン、L−ヒドロキシプロリン、L−チオプロリン、フェニルアラニン(Phe)のメチル誘導体たとえば4−メチル−Phe、ペンタメチル−Phe、L−Phe(4−アミノ)、L−Tyr(メチル)、L−Phe(4−イソプロピル)、L−Tic(1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−3−カルボキシル酸)、L−ジアミノプロピオン酸およびL−Phe(4−ベンジル)を含む非天然のアミノ酸により行うこともできる。注は、上記の考察(相同または非相同置換に関連した)の目的で用いて誘導体の疎水性を示すが、一方、は、誘導体の親水性を示すために用い、#*は両親媒特性を示す。
変形体アミノ酸配列は、グリシンまたはβ−アラニン残基のようなアミノ酸スペーサーに加え、メチル、エチルまたはプロピル基のようなアルキル基を含む配列の任意の2個のアミノ酸残基間に挿入することのできる適切なスペーサー基を含むことができる。ペプトイド形態内に1個以上のアミノ酸残基の存在を含む変形の更なる形態は、当業者等により十分理解されるはずである。疑いを避けるために、゛ペプトイド形態゛は、α−炭素置換基が、残基のα−炭素よりもむしろ窒素原子上にある変形体アミノ酸残基を意味するために用いている。ペプトイド形態のペプチドを調製する方法は、当業界で公知である、例えばサイモンRJ(Simon RJ)等, PNAS (1992) 89(20), 9367-9371およびホルウェルDC(Horwell DC),
Trends Biotechnol. (1995) 13(4), 132-134。
ハイブリッド形成
本明細書で用いる用語゛ハイブリッド形成゛には、゛一本鎖の核酸が塩基対合を通じて相補的鎖と結合する方法゛ならびにポリメラーゼ連鎖反応(PCR)技術で行われるような増幅法が含まれる。
本発明のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列又はそれらの相補体に選択的にハイブリダイズすることのできるヌクレオチド配列は、少なくとも20の領域、好ましくは少なくとも25または30、例えば、少なくとも40、60または100以上の隣接するヌクレオチドに関して本明細書で示したアミノ酸配列をコードする対応する相補的ヌクレオチド配列に、通常、少なくとも75%、好ましくは少なくとも85または90%、更に好ましくは少なくとも95%または98%相同である。
用語゛選択的にハイブリダイズすることのできる゛は、ヌクレオチド配列が、プローブとして用いられる場合、標的ヌクレオチド配列を見つけてバックグラウンドをかなり超える水準でプローブにハイブリダイズする条件下で用いられることを意味する。バックグラウンドハイブリッド形成は、例えば、選別されるcDNAまたはゲノミックDNAライブラリー中に存在する他のヌクレオチド配列故に起こり得る。この場合には、バックグラウンドは、標的DNAで観察される特異的相互作用の10倍未満、好ましくは100倍未満の強度であるプローブおよびライブラリーの非特異的DNA構成員間の相互作用により生じるシグナルの水準を意味する。相互作用の強度は、例えば、プローブを例えば32Pで放射性標識することにより測定することができる。
ハイブリッド形成条件は、バーガー(Berger)およびキンメル(Kimmel)(1987、分子クローニング技術、酵素学における方法の手引き(Guide to
Molecular Cloning Techniques, Methods in Enzymology)、152巻、アカデミック出版(Academic
Press)、サンジエゴCA)で教示されるような核酸結合複合体の融解温度(Tm)に基づいており、下記で説明されるような定義された゛ストリンジェンシー゛を賦与する。
最大ストリンジェンシーは、代表的には、約Tm−5℃(プローブのTmより5℃低い);厳密なストリンジェンシーはTmマイナス約5℃から10℃で;中間のストリンジェンシーはTmマイナス約10℃から20℃で;そしてゆるやかなストリンジェンシーはTmマイナス約20℃から25℃で起こる。当業者により理解されるように、最大ストリンジェンシーハイブリッド形成は、同一のヌクレオチド配列を同定または検出するのに用いることができるのに対し、中間(又はゆるやか)ストリンジェンシーハイブリッド形成は、同様の又は関連のポリヌクレオチド配列を同定または検出するのに用いることができる。
好ましい態様において、本発明は、ストリンジェントな条件下で(例えば、65℃および0.1xSSC{1xSSC=0.15MのNaCl、0.015Mのクエン酸Na pH7.0)本発明のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列にハイブリダイズすることのできるヌクレオチド配列を包含する。本発明のヌクレオチド配列が二本鎖である場合、二重の両方の鎖は、個々に又は組み合わせてのいずれかで本発明により包含される。ヌクレオチド配列が一本鎖である場合、そのヌクレオチド配列の相補的配列も、やはり本発明の範囲内に含まれると考えられる。
本発明のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列に100%相同ではないが本発明の範囲内に入るヌクレオチド配列は、多数の方法で得ることができる。本明細書で説明した配列の他の変形体は、例えば、ある範囲の源から作製したDNAライブラリーを探ることにより得ることができる。加えて、他のウィルス/細菌または細胞の相同体、特に哺乳類細胞(例えば、ラット、マウス、ウシおよび霊長類細胞)に見られる細胞相同体を得ることができ、このような相同体及びその断片は、通常、本明細書の配列表で示した配列に選択的にハイブリダイズすることができる。このような配列は、他の動物種由来のゲノミックDNAライブラリー又はそれから作製したcDNAライブラリー、このようなライブラリーを、中位から厳密なストリンジェンシー条件下で、本明細書で示したヌクレオチド配列の全部または一部を含むプローブで探ることにより得ることができる。同様の考えを、本発明のアミノ酸および/またはヌクレオチド配列の種相同体および対立遺伝子変形体を得ることに応用する。
変形体および株/種の相同体は、また、本発明の配列内の保存アミノ酸配列をコードする変形体および相同体内の配列を標的にするよう設計されたプライマーを用いる縮重PCRを用いて得ることができる。保存配列は、例えば、いくつかの変形体/相同体から得たアミノ酸配列を一直線に並べることにより予想することができる。配列アラインメントは、当業界で公知のコンピューターソフトウェアを用いて実施することができる。例えば、GCGウィスコンシンパイルアップ(PileUp)プログラムが、広く用いられている。縮重PCRに用いるプライマーは、1個以上の縮重位置を有し、既知の複数の配列に対し単配列プライマーを用いる配列のクローンニングに用いられるものよりゆるやかなストリンジェンシー条件で用いる。
あるいは、このようなヌクレオチド配列は、例えば配列番号:1に示したアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列のような確認された配列の部位特異的突然変異誘発により得ることができる。これは、例えばサイレントコドン変化が、ヌクレオチド配列が発現される特定の宿主細胞のコドンの選り好みを最適化することが配列に要求される場合、有用である。制限酵素認識部位を導入する、またはヌクレオチド配列によりコードされる蛋白質の活性を変えるために、他の配列変化を所望することができる。
本発明のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を用いて、プライマー、例えばPCRプライマー、別の増幅反応用プライマー、例えば放射性もしくは非放射性標識を用いる従来法により顕示する標識で標識したプローブを製作することができるか、またはヌクレオチド配列を、ベクター内にクローンすることができる。このようなプライマー、プローブおよび他の断片は、鎖長が少なくとも15、好ましくは少なくとも20、例えば少なくとも25、30または40個のヌクレオチドであり、そして本明細書で用いられる場合、やはり、用語本発明のヌクレオチド配列によって包含される。
本発明によるDNAポリヌクレオチドおよびプローブのようなヌクレオチド配列は、組み換え、合成または当業者等に入手可能ないずれの方法によっても作製することができる。それらは、また、標準技法によりクローンすることもできる。
通常、プライマーは、所望の核酸配列の1度に1個のヌクレオチドの段階的製造を含む合成法により製作する。自動化技法を用いてこれを成し遂げる技法は、当業界で容易に入手可能である。
より長いヌクレオチド配列は、通常、組み換え法を用いて、例えばPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)クローン化技法を用いて製作する。これは、クローンすることが望まれる標的配列の領域に隣接する一対のプライマー(例えば、約15から30個のヌクレオチドの)を作製し、動物またはヒトの細胞から得たmRNAまたはcDNAとプライマーを接触させ、所望の領域の増幅をもたらす条件下でポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を実施し、増幅した断片を単離し(例えば、アガロースゲル上の反応混合物を精製することにより)、そして増幅したDNAを回収することを含む。プライマーは、増幅したDNAを適切なクローニングベクター内にクローンすることができるように適切な制限酵素認識部位を有するよう設計することができる。
遺伝暗号の固有の縮重により、実質的に同じ又は機能的に同等のアミノ酸配列をコードする種々のDNA配列を用いて、標的配列をクローンおよび発現することができる。当業者等に理解されるように、特定の発現系にとっては天然に存在しないコドンを有する標的配列を製作することが有利であるかもしれない。特定の原核または真核細胞宿主により好まれるコドン(マーレイE(Murray E)等 Nuc Acid Res 17-477-508)を選んで、例えば、標的発現率を増加させる、または天然に存在する配列から得られる転写体よりも長い半減期のような望ましい性質を有する組み換えRNA転写体を得ることができる。
ベクター
本発明の一態様において、物質(即ち、選択的オキシトシンアンタゴニスト)は、直接個体に投与することができる。
本発明の別の態様において、本発明の物質をコードするヌクレオチド配列を含むベクターは、個体に投与される。
好ましくは、組み換え物質は、遺伝ベクターを用いて調製および/または標的部位に送達される。
当業界で周知のことであるが、ベクターは、一方の環境から他方へ因子の移動を可能にする又は容易にする道具である。本発明によれば、例として、組み換えDNA技術に用いられるいくつかのベクターは、本発明のヌクレオチド配列を含むベクターを複製する及び/または本発明のヌクレオチド配列によりコードされる本発明の蛋白質を発現する目的のため、DNAのセグメントのような因子(例えば、異種cDNAセグメントのような異種DNAセグメント)が宿主および/または標的細胞内に導入されるのを可能にする。組み換えDNA技術に用いられるベクターの例としては、プラスミド、染色体、人工的染色体またはウィルスが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
用語゛ベクター゛には、発現ベクターおよび/または形質転換ベクターが含まれる。
用語゛発現ベクター゛は、インビボまたはインビトロ/エクスビボ発現することのできる構築物を意味する。
用語゛形質転換ベクター゛は、一方の種から他方へ導入されることのできる構築物を意味する。
裸のDNA
射精障害、特に早発射精の治療に用いる本発明の物質をコードするヌクレオチド配列を含むベクターは、好ましくは宿主細胞ゲノムに相同のフランキング配列を更に含む゛裸の核酸構築物゛として直接投与することができる。
本明細書で用いる場合、用語゛裸のDNA゛は、その産生を制御する短いプロモーター領域と共に本発明の物質をコードするヌクレオチド配列を含むプラスミドを指す。それは、プラスミドがいずれの送達ビークルによっても運ばれないことから、゛裸の゛DNAと呼ばれる。このようなDNAプラスミドが真核細胞のような宿主細胞に入る場合、それがコードする蛋白質(例えば、本発明の物質)は、細胞内で転写され、翻訳される。
非ウィルス送達
あるいは、本発明のアミノ酸もしくは本発明の物質(即ち選択的オキシトシンアンタゴニスト)または本発明の標的(即ち、オキシトシン受容体)をコードするヌクレオチド配列を含むベクターは、トランスフェクション、形質転換、エレクトロポレーションおよびバイオリスティック(biolistic)形質転換のような当業界で公知の種々の非ウィルス技術を用いて適切な宿主細胞に導入することができる。
本明細書で用いる場合、用語゛トランスフェクション゛は、遺伝子を標的哺乳類細胞に送達するために非ウィルスベクターを用いる方法を指す。
代表的トランスフェクション法には、エレクトロポレーション、DNAバイオリスティックス、脂質が仲介するトランスフェクション、圧縮されたDNAが仲介するトランスフェクション、リポソーム、イムノリポソーム、リポフェクチン、陽イオン性物質が仲介する陽イオン面両親媒性物質(CFAs)(Nature Biotechnology 1996 14; 556)、多価陽イオン例えばスペルミン、陽イオン脂質またはポリリシン、1,2−ビス(オレオイルオキシ)−3−(トチメチルアンモニオ)プロパン(DOTAP)−コレステロール錯体(ウルフ(Wolff)およびツルベツコイ(Trubetskoy)
1998 Nature Biotechnology 16:421)及びその組み合わせが含まれる。
哺乳類細胞による裸の核酸構築物の取り込みは、いくつかの公知のトランスフェクション技法、例えばトランスフェクション物質の使用を含むものにより強化される。これらの物質の例としては、陽イオン性物質(例えば、リン酸カルシウムおよびDEAE−デキストラン)およびリポフェクタント(lipofectant)(例えば、リポフェクタム(lipofectam)TMおよびトランスフェクタム(transfectam)TM)が挙げられる。代表的には、核酸構築物をトランスフェクション物質と混合して組成物を製造する。
ウィルスベクター
あるいは、本発明の物質もしくは標的または本発明のアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を含むベクターは、例えばレトロウィルス、ヘルペス単純ウィルスおよびアデノウィルスのような組み換えウィルスベクターを用いる感染のような当業界で公知である種々のウィルス技法を用い、適切な宿主細胞に導入することができる。
好ましくは、ベクターは、組み換えウィルスベクターである。適切な組み換えウィルスベクターとしては、アデノウィルスベクター、アデノ関連ウィルス(AAV)ベクター、ヘルペス−ウィルスベクター、レトロウィルスベクター、レンチウィルスベクター、バキュロウィルスベクター、ポックスウィルスベクターまたはパルボウィルスベクター(ケストラー(Kestler)等 1999 Human Gene Ther 10 (10): 1619-32 参照)が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。ウィルスベクターの場合、本発明の物質をコードするヌクレオチド配列の送達は、標的細胞のウィルス感染により仲介される。
標的ベクター
用語゛標的ベクター゛は、細胞に感染/トランスフェクション/形質導入する又は宿主および/または標的細胞内で発現される能力が、宿主生物内の特定の細胞型、通常、共通または同様の表現型を有する細胞に制限されるベクターを指す。
複製ベクター
本発明の物質(即ち、選択的オキシトシンアンタゴニストまたは適用可能な場合PDEiもしくはPDE5i)または標的(例えば、オキシトシン受容体)をコードするヌクレオチド配列は、組み換え複製可能ベクター内に組み込むことができる。ベクターを用いて適合宿主細胞内のヌクレオチド配列を複製することができる。従って、本発明の一態様において、本発明は、本発明のヌクレオチド配列を複製可能ベクターに導入し、ベクターを適合宿主細胞に導入し、そしてベクターの複製をもたらす条件下で宿主細胞を生育することによる本発明の標的を製造する方法を提供する。ベクターは、宿主細胞から回収することができる。
発現ベクター
ベクター内に挿入される本発明の物質または本発明のアミノ酸をコードするヌクレオチド配列または本発明の標的は、宿主細胞による本発明のオキシトシン受容体のコード配列のようなコード配列の発現を提供することのできる制御配列に操作可能に結合される、即ち、ベクターは、発現ベクターである。宿主組み換え細胞により産生される本発明の物質または標的は、用いる配列および/またはベクターに依存して分泌することができるか、または細胞内に含有することができる。当業者等により理解されるように、本発明の物質または標的をコードする配列を有する発現ベクターは、特定の原核または真核細胞膜を通じて、配列がコードする本発明の物質または標的の分泌を指示するシグナル配列と共に設計することができる。
インビトロでの発現
本発明のベクターは、本発明の物質または標的の発現に備えるために、下記で説明するような適切な宿主細胞および/または標的細胞を形質転換またはトランスフェクションすることができる。この方法は、本発明の物質または標的をコードするコード配列のベクターによる発現に備える条件下、発現ベクターで形質転換した宿主細胞および/または標的細胞を培養し、そして発現した本発明の物質または標的を任意に回収することを含んでもよい。ベクターは、例えば、複製起点、任意にこのポリヌクレオチドの発現のためのプロモーターおよび任意にプロモーターのレギュレーターを提供するプラスミドまたはウィルスベクターであってもよい。ベクターは、一つ以上の選択可能マーカー遺伝子、例えば細菌のプラスミドの場合アンピシリン耐性遺伝子、または哺乳類ベクターにはネオマイシン耐性遺伝子を有することができる。本発明の物質または本発明の標的の発現は、それらが継続的に産生されるように構成的であってもよいし、または発現を開始する刺激を必要とする誘導可能であってもよい。誘導可能発現の場合、本発明の物質または標的の産生は、例えば、培養培地への誘導物質例えばデキサメタゾンまたはIPTGの添加により要求された場合に開始することができる。
融合蛋白質
オキシトシン受容体もしくはバソプレッシン受容体または本発明の物質(即ち、選択的オキシトシンアンタゴニスト)は、本発明の物質または受容体標的の抽出および精製および/または個体への送達を助ける、および/または物質の選別の開発を容易にする融合蛋白質として発現してもよい。融合蛋白質の相手の例としては、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)、6xHis、GAL4(DNA結合および/または転写活性化ドメイン)およびβ−ガラクトシダーゼが挙げられる。また、融合蛋白質配列の除去を可能にするよう融合蛋白質の相手と目的の蛋白質配列の間に蛋白質分解部位を含めることが好都合かもしれない。好ましくは、融合蛋白質は、標的の活性を妨げない。
融合蛋白質は、本発明の物体に融合した抗原または抗原決定基を含んでもよい。この態様において、融合蛋白質は、免疫系の普遍化刺激を提供するという意味でアジュバントとして作用することのできる物体を含む天然には存在しない融合蛋白質であってもよい。抗原または抗原決定基は、物体のアミノまたはカルボキシ末端のいずれかに結合してもよい。
本発明の別の態様において、アミノ酸配列は、融合蛋白質をコードする異種配列にライゲートすることができる。例えば、物体の活性に影響することのできる物質のペプチドライブラリーの選別には、商業的に入手可能な抗体により認識される異種エピトープを発現するキメラ物体をコードすることが有用であってもよい。
宿主細胞
種々の宿主細胞を、本発明の選択的オキシトシンアンタゴニストまたは本発明のオキシトシンもしくはバソプレッシン受容体標的のような物質をコードするヌクレオチド配列の発現に用いることができる。これらの細胞は、原核および真核宿主細胞の両方であってもよい。適切な宿主細胞としては、細菌例えば大腸菌、酵母、糸状菌、昆虫細胞、哺乳類細胞、代表的には、不死化した例えばマウス、CHO、ヒトおよびサル細胞系並びにその誘導体が挙げられる。
本発明の範囲内の適切な発現宿主の例は、アスペルギルス種(例えば、EP−A−0184438およびEP−A−0284603に説明されているもの)およびトリコデルマ種のような真菌;バシラス種(例えばEP−A−0134048およびEP−A−0253455に説明されているもの)、ストレプトマイセス種およびシュードモナス種のような細菌;ならびにクライベロマイセス(kluyveromyces)種(例えば、EP−A−0096430およびEP−A−0301670に説明されているもの)およびサッカロミセス種のような酵母である。例として、代表的発現宿主は、アスペルギルス・ニガー、アスペルギルス・ニガー変種ツビゲニス(Aspergillus
niger var. tubigenis)、アスペルギルス・ニガー変種アワモリ、アスペルギルス・アキュレアチス(Aspergillus
aculeatis)、アスペルギルス・ニデュランス、アスペルギルス・オリゼ、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)、バシラス・サチリス、バシラス・リシェニフォルミス、バシラス・アミロリクェファシエンス(Bacillus
amyloliquefaciens)、クライベロマイセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)およびサッカロミセス・エレビシエ(Saccharomyces
cerevisiae)から選ぶことができる。
酵母、真菌および植物宿主細胞のような適切な宿主細胞の使用は、本発明の組み換え発現産生物に対し最適の生物学的活性を賦与する必要があるかもしれないことから、翻訳後修飾(例えば、ミリストイル化、グリコシル化、頭端切断、ラピデーション(lapidation)およびチロシン、セリンまたはトレオニンリン酸化)に備えることができる。
好ましい宿主細胞は、発現産生物をプロセシングして適切な成熟ポリペプチドを生じさせることができる。プロセシングの例としては、グリコシル化、ユビキチン化、ジスルフィド結合形成および一般的翻訳後修飾が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
抗体
本発明の一態様において、物質は、抗体であってもよい。加えて、または代わりに、標的は、抗体であってもよい。
抗体は、本発明の物体での免疫感作、またはファージディスプレイライブラリーを用いることによるような標準技法により得ることができる。
本発明の目的では、それと反対に指定しない限り、用語゛抗体゛には、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、一本鎖、Fab断片、Fab発現ライブラリーにより得られた断片、ならびにその模倣物が含まれるが、これらに限定される訳ではない。このような断片には、標的物体へのそれらの結合活性を保持する全抗体の断片、Fv、F(ab´)およびF(ab´)断片、ならびに抗体の抗原結合部位を含む一本鎖抗体(scFv)、融合蛋白質および他の合成蛋白質が含まれる。更に、抗体及びその断片は、ヒト化抗体であってもよい。中和抗体即ち、物体ポリペプチドの生物学的活性を阻害するものは、診断法および治療法にとって特に好ましい。
ポリクローナル抗体を所望である場合、選ばれた哺乳類(例えば、マウス、ラビット、ヤギ、ウマ等)を、本発明の同定された物質および/または物体から得ることができるエピトープを有する免疫原ポリペプチドで免疫感作する。宿主の種に依存して、種々のアジュバントを用いて免疫学的応答を高めることができる。このようなアジュバントとしては、フロイントアジュバント、ミネラルゲル例えば水酸化アルミニウム、および表面活性物質例えばリゾレシチン、プルロニック(pluronic)ポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油エマルション、キーホール・リンペット・ヘモシアニンならびにジニトロフェノールが挙げられるが、これらに限定される訳ではない。BCG(Bacilli
Calmette-Guerin)およびコリネバクテリウム・バルブム(Corynebacterium parvum)は、精製された物体ポリペプチドを、全身的防御を刺激する目的のために免疫学的に妥協した個々に投与するならば用いることのできる潜在的に有用なヒトのアジュバントである。
免疫感作した動物から得た血清を集め、公知の手法に従って処理する。本発明の同定された物質および/または物体から得ることができるエピトープに対するポリクローナル抗体を含有する血清が、他の抗原に対する抗体を含有する場合、ポリクローナル抗体は、イムノアフィニティークロマトグラフィーにより精製することができる。ポリクローナル抗血清を製造および処理するための技法は、当業界で公知である。このような抗体を製造するために、本発明は、また、動物またはヒトにおける免疫原としての用途用に別のポリペプチドに対してハプテン化した本発明のポリペプチド又はその断片を提供する。
本発明の同定された物質および/または物体から得ることができるエピトープに対して向けられたモノクローナル抗体も、やはり当業者により容易に製造することができる。ハイブリドーマによりモノクローナル抗体を製造する一般的方法学は、周知である。不死の抗体産生細胞系は、細胞融合、および癌遺伝子DNAを用いるBリンパ球の直接的形質転換、またはエプスタイン・バーウィルスを用いるトランスフェクションのような他の技法により創出することができる。眼窩エピトープに対して製造されたモノクローナル抗体のパネルを、種々の性質、即ちイソタイプおよびエピトープ親和性に関して選別することができる。
物体および/または同定された物質に対するモノクローナル抗体は、連続細胞系培養による抗体分子の産生に備えるいずれかの技法を用いて調製することができる。これらとしては、コエラー(Koehler)およびミルステイン(Milstein) (1975 Nature 256:495-497)により初めに説明されたハイブリドーマ技法、ヒトのB細胞ハイブリドーマ技法(コスボル(Kosbor)等(1983)
Immunol Today 4:72;コテ(Cote)等 (1983) Proc Natl Acad Sci 80:2026-2030)およびEBV−ハイブリドーマ技法(コール(Cole)等(1985)
Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, アランRリス社(Alan R Liss Inc.), pp 77-96)が挙げられるが、限定される訳ではない。加えて、゛キメラ抗体゛の製造の為に開発された技法、適切な抗原特異性および生物学的活性を有する分子を得るためのヒトの抗体遺伝子へのマウスの抗体遺伝子のスプライシングを用いることができる(モリソン(Morrison)等
(1984) Proc Natl Acad Sci 81: 6851-6855;ノイベルゲル(Neuberger)等 Nature 312: 604-608;タケダ等
(1985) Nature 314: 452-454)。あるいは、一本鎖抗体の作製のために説明された技法(米国特許第4,946,779号)を適応して物体特異的一本鎖抗体を作製することができる。
同定された物質および/または物体から得ることのできるエピトープに対して向けられるモノクローナルおよびポリクローナルの両方の抗体は、診断において特に有用であり、中和であるものは、受動免疫療法に有用である。モノクローナル抗体は、特に、抗イディオタイプ抗体を育てるのに用いることができる。抗イディオタイプ抗体は、防御が所望される物体および/または物質の゛内部イメージ゛を持つ免疫グロブリンである。抗イディオタイプ抗体を育てる技法は、当業界で公知である。これらの抗イディオタイプ抗体は、やはり、治療に有用であってもよい。
抗体は、また、リンパ球集団のインビボ産生を誘導することにより、または組み換え免疫グロブリンライブラリーもしくはオルランディ(Orlandi)等 (1989, Proc Natl Acad Sci 86: 3833-3837)、ならびにウィンターG(Winter
G)およびミルステインC (1991; Nature 349: 293-299)に開示されているような非常に特異的な結合試薬のパネルを選別することにより作製することができる。
物体に対する特異的結合部位を有する抗体断片も、得ることができる。例えば、このような断片としては、抗体分子のペプシン消化により得ることのできるF(ab´)断片およびF(ab´)断片のジスルフィド架橋を還元することにより得ることのできるFab断片が挙げられるが、限定される訳ではない。あるいは、Fab発現ライブラリーを構築して、所望の特異性を有するモノクローナルFab断片の迅速且つ容易な同定を可能にする(フセWD(Huse WD)等 (1989) Science 256: 1275-1281)。
受容体
種々のレポーターを、本発明の測定法(同様に選別)に用いることができ、好ましいレポーターは、便利に検出できるシグナル(例えば、分光法)を提供する。例として、レポーター遺伝子は、光吸収特性を変える反応を触媒する酵素をコードすることができる。
レポーター分子の例としては、β−ガラクトシダーゼ、インベルターゼ、グリーン蛍光蛋白質、ルシフェラーゼ、クロラムフェニコール、アセチルトランスフェラーゼ、β−グルクロニダーゼ、エキソ−グルカナーゼおよびグルコアミラーゼが挙げられるが、限定される訳ではない。あるいは、放射性標識または蛍光タグ標識したヌクレオチドを、次いでオリゴヌクレオチドプローブに結合した場合に同定される新生転写体に組み込むことができる。
一つの好ましい態様において、レポーター分子の生成は、β−ガラクトシダーゼのようなレポーター遺伝子生成物の酵素活性により測定される。
蛋白質に特異的なポリクローナルまたはモノクローナル抗体のいずれかを用いることによるような、標的の発現を検出および測定する種々のプロトコールが、当業界で公知である。例としては、固相酵素免疫測定法(ELISA)、放射性免疫測定法(RIA)および蛍光標示式細胞分取器(FACS)が挙げられる。ポリペプチド上の2つの非妨害エプトープに反応性のモノクローナル抗体を用いる2つの部位のモノクローナルに基づく免疫測定法が好ましいが、競合結合測定法を用いてもよい。これら及び他の測定法は、数ある中でもハンプトンR(Hampton R)等(1990, Serological Methods, A Laboratory Manual, APS出版(APS
Press), セントポールMN)およびマドックスDE(Maddox DE)等(1983, J Exp Med 15 8:121 1)に説明されている。
種々の標識および連結技法が、当業者等により知られており、種々の核酸およびアミノ酸測定に用いることができる。標的ポリヌクレオチド配列検出用の標識ハイブリッド形成またはPCRプローブを作製する方法としては、オリゴ標識(oligolabelling)、ニックトランスレーション、末端標識(end-labelling)または標識したヌクレオチドを用いたPCR増幅が挙げられる。あるいは、コード配列、又はそのいずれかの一部を、mRNAプローブの作製用ベクターにクローンすることができる。このようなベクターは、当業界で公知であり、商業的に入手可能であり、そして適切なRNAポリメラーゼ例えばT7、T3またはSP6および標識したヌクレオチドの添加によりインビトロでRNAプローブを合成するのに用いることができる。
ファルマシア・バイオテク(Pharmacia Biotech)(ピスカタウェイ(Piscataway),NJ)、プロメガ(Promega)(マジソン(Madison),WI)およびUSバイオケミカル社(US
Biochemical Corp)(クリーブランド(Cleveland),OH)のような多数の会社が、これらの手法のための商業的キットおよびプロトコールを供給する。適切なレポーター分子または標識としては、放射性核種、酵素、蛍光、化学発光、または発色物質ならびに基質、補因子、阻害剤、磁気粒子等が挙げられる。このような標識の使用法を教示する特許としては、US−A−3817837;US−A−3850752;US−A−3939350;US−A−3996345;US−A−4277437;US−A−4275149およびUS−A−4366241が挙げられる。また、組み換え免疫グロブリンも、US−A−4816567に示される通りに作製することができる。
特定の分子の発現を定量する更なる方法には、放射性標識(メルビーPC(Melby PC)等 1993 J Immunol Methods 159:235-44)またはビオチン化(デュプラC(Duplaa
C)等 1993 Anal Biochem 229-36)ヌクレオチド、対照の核酸の補助増幅、および実験結果が補間される標準曲線が含まれる。多数の試料の定量化は、問題のオリゴマーが種々の希釈で提供され分光光度または熱量応答が迅速な定量化をもたらすELISAフォーマットで測定を行うことにより迅速化することができる。
マーカー遺伝子発現の存在/非存在は、問題の遺伝子がやはり存在することを示唆するが、その存在および発現は、確認すべきである。例えば、ヌクレオチド配列がマーカー遺伝子配列の中に挿入されるならば、それを含有する組み換え細胞は、マーカー遺伝子機能の非存在により同定することができる。あるいは、マーカー遺伝子は、単一のプロモーターの制御下、標的コード配列と一列に並べることができる。誘導または選択に応答するマーカー遺伝子の発現は、通常、同様に標的の発現を示す。
あるいは、標的のコード配列を有し標的コード領域を発現する宿主細胞は、当業者等に公知の種々の手法により同定することができる。これらの手法としては、核酸または蛋白質の検出および/または定量化のための膜に基づく、溶液に基づく、またはチップに基づくテクノロジーを含むDNA−DNAまたはDNA−RNAハイブリッド形成および蛋白質生物学的定量法または免疫測定技法が挙げられるが、限定される訳ではない。
選別
いずれかの1つ以上の適切な標的、例えばオキシトシン受容体および/またはバソプレッシン受容体好ましくはV1a受容体は、種々の薬物選別技法において物質、例えば選択的オキシトシン受容体アンタゴニストを同定するために用いることができる。このような試験に用いられる標的は、溶液状態で自由である、固形支持体に固定されている、細胞表面上にのせられている、または細胞内に位置してもよい。標的は、動物モデル内にあってさえよく、ここで、この標的は、外来標的または導入された標的であってもよい。動物モデルは、ヒト以外の動物モデルである。標的活性の喪失または標的と試験される物質間の結合複合体の形成を測定することができる。
薬物選別技法は、1984年9月13日に公開されたゲイセン(Geysen),ヨーロッパ特許出願84/03564に説明された方法に基づいてもよい。要約すると、多数の異なる小さいペプチド試験化合物を、プラスチックピンまたは別の表面のような固形基質上に合成する。ペプチド試験化合物を、適切な標的またはその断片と反応させ、洗浄する。結合した因子を、次いで、例えば当業界で周知の方法を適切に適応することにより検出する。精製した標的を、やはり、薬物選別技法に用いるためのプレート上に直接被覆することができる。あるいは、非中和抗体を用いてペプチドを捕獲し、それを固形支持体上に固定することができる。
本発明は、また、標的に特異的に結合することのできる中和抗体が、標的への結合をめぐり試験化合物と競合する競合薬物選別測定法の使用法も考えている。
別の選別技法は、物体に対する適切な結合親和性を有する物質の高処理能力選別(HTS)に備えており、WO84/03564に詳細に説明された方法に基づいている。
本発明の測定法は、試験化合物の小および大の両方の規模の選別ならびに定量測定法に好適であることが予想される。
好ましい態様において、本発明の選別は、少なくとも以下の工程(この同じ連続した順序である必要はない)を含む:(a)候補物質が適切な活性(オキシトシン受容体の変化のような)を有するかどうかを測定するインビトロ選別を実施する;(b)例えば本明細書で示した測定プロトコールを用いることにより、(例えば、この物質がやはりバソプレッシン受容体特にV1a受容体阻害剤であるかどうかを見るために)この候補物質の選択性を測定する1つ以上の選択性選別を実施する;および(c)この候補物質を用いるインビボ選別を実施する(例えば、バソプレッシン受容体、特にV1a受容体に対する物質の作用を測定することによる物質の選択性の測定を含む、機能的動物モデルを用い)。代表的には、この候補物質が選別(a)および選別(b)を通過したならば、次に選別(c)を行う。
診断法/組成物/キット
本発明は、また、早発射精に対するこれまでの素因の検出のための診断法、組成物またはキットを提供する。この点で、方法、組成物またはキットは、試験試料、好ましくは性的に覚醒した雄性から採取した血液試料中の因子、好ましくはオキシトシンを検出する手段を含む。
早発射精の診断基準を提供するために、因子の正常または標準値を、確立すべきである。これは、性的覚醒後の種々の時間に採取された、動物またはヒトのいずれかの正常な対象者から採取された体液と因子に対する抗体を、当業界で周知である複合体形成に適した条件下で合せることにより成し遂げることができる。標準複合体形成の量は、既知量の抗体を既知の濃度の精製標的と合せる一連の希釈の陽性対照とそれを比較することにより定量化することができる。次いで、正常な試料から得られた標準値を、早発射精により潜在的に冒される対象者から得た試料から得られた値と比較することができる。標準および対象者値間の偏差は、疾患状態の存在を立証する。
因子それ自体、又はその一部は、診断および/または治療化合物のための基礎を提供することができる。診断目的には、標的ポリヌクレオチド配列は、早発射精を結びつけることのできる症状、障害または疾患における遺伝子発現を検出し定量化するために用いることができる。
標的をコードするポリヌクレオチド配列を、標的の発現に起因する早発射精の診断に用いることができる。例えば、因子をコードするポリヌクレオチド配列を、因子の発現を検出するために、生検もしくは検死から得た組織または生物学的液体のハイブリッド形成またはPCR測定法に用いることができる。このような定性または定量法の形態は、サザンもしくはノーザン分析、ドットブロットもしくは他の膜に基づくテクノロジー;PCRテクノロジー;ディップスティック(dip stick)、ピンもしくはチップテクノロジー;およびELISAもしくは他の複数の試料形式テクノロジーを含んでもよい。これら全ての技法が、当業界で周知であり、事実、多数の商業的に入手可能な診断キットの基礎である。
このような測定法は、特定の療法治療計画の効力を評価するように注文に合せて作り変えることができ、動物研究、治験、または個体の治療の監視に用いることができる。疾患が立証されたならば、存在する治療物質を投与し、治療プロフィールまたは値を得ることができる。最後に、測定は、値が正常または標準パターンの方へ進む又は戻るかどうかを評価するために定期的に繰り返すことができる。連続的治療プロフィールを用いて、数日または数ヶ月の一定期間にわたる治療の効力を示すことができる。
測定法
本発明による測定法は、含まれるがそれらに限定される訳ではない一つ以上の以下の技法:競合および非競合測定法、放射性免疫測定法、生物発光および化学発光測定法、蛍光定量法、サンドイッチ測定法、免疫放射性定量法、ドットブロット、ELISAを含む酵素結合測定法、マイクロタイタープレート、尿または血液の迅速な監視のための抗体被覆条片またはディップスティック、免疫組織化学および免疫細胞学を用いることができる。
プローブ
本発明の別の態様は、オキシトシン受容体または対立遺伝子のような密接に関連した分子をコードする領域のような標的コード領域をコードするゲノム配列を含むポリヌクレオチド配列を検出することのできる核酸ハイブリッド形成またはPCRプローブ(特に、選択的に選択することのできるもの)の備えである。プローブの特異性、即ち、それが高度に保存された、保存された又は保存されていない領域またはドメインに由来するかどうか、およびハイブリッド形成または増幅のストリンジェンシー(厳密、中間又はゆるやか)は、プローブが天然に存在する標的コード配列または関連配列のみを同定するかどうかを決定する。関連した核酸配列の検出用プローブは、標的ファミリー構成員の保存された又は高度に保存されたヌクレオチド領域から選ばれ、このようなプローブは、縮重プローブのプールに用いることができる。同一の核酸配列の検出には、または最大特異性を所望である場合、核酸プローブは、標的ポリヌクレオチドの保存されていないヌクレオチド領域または独特の領域から選ばれる。本明細書で用いる場合、用語゛保存されていないヌクレオチド領域゛は、本明細書で開示された標的コード配列に独特であり、関連ファミリー構成員に存在しないヌクレオチド領域を指す。
US−A−4683195、US−A−4800195およびUS−A−4965188に説明されているようなPCRは、標的配列に基づくオリゴヌクレオチドの更なる用途を提供する。このようなオリゴマーは、通常、化学的に合成されるが、それらは、酵素により生成するか、または組み換え源から作製することができる。オリゴマーは、通常、特定の遺伝子または状態の同定に最適化した条件下で用いられる2本のヌクレオチド配列、センス配向を有するもの(5´−>3´)とアンチセンスを有するもの(3´<−5´)を含む。同じ二つのオリゴマー、ネスティッドセッツ(nested sets)のオリゴマー、またはオリゴマーの縮合プールでさえも、密接に関連したDNAまたはRNA配列の検出および/または定量化のためのより緩やかなストリンジェントな条件下で用いることができる。
また、物質または標的用核酸配列を用いて、内因性ゲノム配列のマッピング用の、前に説明した通りのハイブリッド形成プローブを作製することもできる。配列は、周知の技法を用い、特定の染色体または染色体の特定の領域に対してマッピングすることができる。これらには、染色体のスプレッドに対するin situ ハイブリッド形成(ベルマ(Verma)等 (1988) ヒトの染色体:基本的技法の手引き(Human
Chromosomes: A Manual of Basic Techniques), パーガモン出版(Pergamon Press), ニューヨーク市)、フロー−ソーティッド(flow-sorted)
染色体調製物、またはYACs、細菌の人工染色体(BACs)、細菌のPI構築物もしくは単一の染色体cDNAライブラリーのような人工染色体構築物が含まれる。
染色体調製物のin situ ハイブリッド形成および確立された染色体マーカーを用いる連鎖解析のような物理的マッピング技法は、遺伝子地図の拡大に非常に貴重である。遺伝子地図の例は、Science
(1995; 270:410f および1994; 265:1981f) に見つけることができる。しばしば、たとえ特定のヒト染色体の番号または腕が未知であっても、別の哺乳類の種の染色体上の遺伝子の配置が、関連したマーカーを現すかもしれない。新しい配列を、物理的マッピングにより染色体の腕、又はその一部に割り当てることができる。これは、ポジショナルクローニングまたは他の遺伝子発見技法を用い疾患遺伝子を調査する探求者に価値ある情報を提供する。一旦疾患または症候群が、特定のゲノム領域に対する遺伝的連鎖によりそのまま局在化してきたならば、その領域に対する配列マッピングは、更なる探求のための関連した又は調節遺伝子を示すことができる。本発明のヌクレオチド配列は、また、正常者、キャリアまたは罹患した個々間の転座、逆位等による染色体の位置の差異を検出するのに用いることができる。
生物
本発明に関した用語゛生物゛には、標的および/またはそれから得られる生成物を含むことができるいずれの生物も含まれる。生物の例には、哺乳類、真菌、酵母または植物を含めてもよい。
本発明に関した用語゛トランスジェニック生物゛には、標的および/またはそれから得られる生成物を含むことができるいずれの生物も含まれる。
宿主細胞/宿主生物の形質転換
前に示したように、宿主生物は、原核または真核生物であってもよい。適切な原核宿主の例としては、大腸菌およびバシラス・サチリスが挙げられる。原核宿主の形質転換に関する教示は、当業界で十分文書により証明されている、例えばサンブルック(Sambrook)等(分子クローニング:実験の手引き(Molecular Cloning: A Laboratory Manual),
第2版、1989、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー出版(Cold Spring Harbor Laboratory Press))およびオスベル(Ausubel)等,
分子生物学における今日のプロトコール(Current Protocols in Molecular Biology)(1995),ジョン・ウィリー&サンズ社(John
Wiley & Sons, Inc.)参照。
原核宿主を用いるとしたら、ヌクレオチド配列は、形質転換前に例えばイントロンの除去により適切に改変する必要があるかもしれない。
別の態様において、トランスジェニック生物は、酵母であってもよい。この点で、酵母は、やはり異種遺伝子発現用ビークルとして広く用いられてきた。種サッカロミセス・セレビシエは、異種遺伝子発現用のその用途を含む長い歴史の産業用途を有する。サッカロミセス・セレビシエにおける異種遺伝子の発現は、グッディ(Goodey)等 (1987, 酵母生物工学(Yeast Biotechnology), DRベリー(D R Berry)等編, pp
401-429, アレン・アンド・ウンウィン(Allen and Unwin), ロンドン)により、およびキング(King)等(1989, 酵母の分子および細胞生物学(Molecular
and Cell Biology of Yeasts), EFウォルトン(E F Walton)およびGTヤロントン(G T Yarronton)編, pp
107-133, ブラッキー(Blackie), グラスゴー)により概説されてきた。
いくつかの理由で、サッカロミセス・セレビシエは、異種遺伝子発現に十分適している。第一に、それは、ヒトに対し非病原性であり、特定のエンドトキシンを産生することができない。第二に、種々の目的での何世紀もの商業的利用の結果、安全な使用の長い歴史を有する。これは、広い公的許容性をもたらす。第三に、この生物に向けられた広範囲の商業的用途および調査は、サッカロミセス・セレビシエの遺伝学および生理学ならびに大規模な醗酵特性に関する豊富な知識に帰した。
サッカロミセス・セレビシエにおける異種遺伝子発現および遺伝子産生物の分泌の原則の概説は、E・ヒンチクリフ・E・ケニー(E Hinchcliffe E Kenny) (1993, ゛異種遺伝子の発現用ビークルとしての酵母(Yeast as a
vehicle for the expression of heterologous genes)゛, Yeasts, 第5巻アントニー・H・ローズ(Anthony
H Rose)およびJスチュアート・ハリソン(J Stuart Harrison)編,第二版,アカデミック出版社)により示される。
それらの維持に宿主ゲノムを用いる組み換えを必要とする組込み型ベクターおよび自動的に複製するプラスミドベクターを含むいくつかの型の酵母ベクターが、入手可能である。
トランスジェニックサッカロミセスを調製するために、酵母における発現用に設計された構築物に本発明のヌクレオチド配列を挿入することにより、発現構築物を調製する。異種発現に用いられるいくつかの型の構築物が、開発されてきた。構築物は、本発明のヌクレオチド配列に融合した酵母におけるプロモーター活性を有し、通常、GAL1プロモーターのような酵母由来のプロモーターが用いられる。通常、SUC2シグナルペプチドをコードする配列のような酵母由来のシグナル配列が用いられる。酵母におけるターミネーター活性が、発現系を終結する。
酵母の形質転換のために、いくつかの形質転換プロトコールが、開発されてきた。例えば、本発明によるトランスジェニックサッカロミセスは、ヒネン(Hinnen)等 (1978, 米国科学アカデミーの会報(Proceedings of the National Academy of
Science of the USA 75, 1929); ベッグズ,JD(Beggs, J D) (1978, Nature,ロンドン, 275,
104); およびイト,H等(1983, J Bacteriology 153, 163-168) の教示に従うことにより調製することができる。
形質転換された酵母細胞は、種々の選択的マーカーを用いて選ばれる。形質転換に用いられるマーカーの中に、LEU2、HIS4およびTRP1のような多数の栄養要求マーカー、ならびにアミノグリコシド抗生物質マーカー、例えばG418のような主な抗生物質耐性マーカーがある。
別の宿主生物は、植物である。遺伝的に改変された植物の構築における基本的原理は、挿入された遺伝的物質の安定な維持を得るように植物ゲノム内に遺伝的情報を挿入することである。遺伝的情報を挿入するいくつかの技法があり、二つの主要な原理は、遺伝的情報の直接的導入およびベクターシステムの使用による遺伝的情報の導入である。一般的技法の概説は、ポトリクス(Potrykus) (Annu Rev Plant Physiol Plant Mol Biol [1991] 42:205-225)およびクリストウ(Christou)
(Agro-Food-Industry Hi-Tech March/April 1994 17-27)による論文に見出すことができる。植物形質転換に関する更なる教示は、EP−A−0449375に見出すことができる。
従って、本発明は、また、標的になるはずである又は標的を発現するはずであるヌクレオチド配列を用いて宿主細胞を形質転換する方法を提供する。ヌクレオチド配列で形質転換された宿主細胞は、発現および細胞培養物からのコードされた蛋白質の回収に適した条件下で培養することができる。組み換え細胞により産生された蛋白質は、用いられる配列および/またはベクターに依存して、分泌することができるか、または細胞内に有することができる。当業者等により理解されるように、コード配列を含有する発現ベクターは、特定の原核または真核細胞膜を通じて、コード配列の分泌を指示するシグナル配列を有するように設計することができる。他の組み換え構築物は、可溶性蛋白質の精製を容易にするポリペプチドドメインをコードするヌクレオチド配列にコード配列を結合することができる(クロールDJ(Kroll D J)等 (1993) DNA Cell Biol 12:441-53)。
PDE阻害剤−試験法
本明細書で論及されるPDE作用効力値は、以下の測定法により測定される:
ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害活性
本発明による用途に好ましいPDE化合物は、効力ある選択的cGMP PDE5阻害剤である。サイクリックグアノシン3´,5´−一リン酸(cGMP)およびサイクリックアデノシン3´,5´−一リン酸(cAMP)ホスホジエステラーゼに対するインビトロPDE阻害活性は、それらのIC50値(酵素活性の50%阻害に必要とされる化合物の濃度)の測定により決定することができる
W.J.トンプソン(W. J. Thompson)およびM.M.アップルマン(M. M. Appleman)(Biochem., 1971, 10,
311) の方法により実質的に必要とされるPDE酵素は、ヒトの陰茎海綿体、ヒトおよびラビットの血小板、ヒトの心室、ヒトの骨格筋およびウシの網膜を含む種々の源から単離することができる。特に、cGMP−特異的PDE(PDE5)および、cGMPを阻害するcAMP PDE(PDE3)は、ヒトの陰茎海綿体組織から、そしてcAMP−特異的PDE(PDE4)はヒトの骨格筋から得ることができる。ホスホジエステラーゼ7−11は、SF9細胞中にトランスフェクションされた全鎖長のヒト組み換えクローンから得ることができる。
測定は、W.J.トンプソン等(Biochem., 1979, 18, 5228)の゛バッチ゛法の変法を用いるか、または製品コードTRKQ7090/7100のアマーシャム(Amersham)plcにより説明されているプロトコールの変形を用いるAMP/GMPの直接的検出のためのシンチレーション近位測定法を用いるかのいずれかを実施することができる。要するに、PDE阻害剤の作用は、IC50がKiにほぼ等しくなるように、濃度を変えた阻害剤および低基質(濃度〜1/3Kmで、[H]−標識に対する非標識3:1の比率のcGMPまたはcAMP)の存在下、固定された量の酵素を測定することにより調査する。最終的測定容量は、測定バッファー[20mMのTris−HCl pH7.4、5mMのMgCl、1mg/mlのウシ血清アルブミン]で100μlにする。反応は、酵素で開始し、30℃で30−60分間インキュベートして<30%の基質代謝回転にし、そして50μlのケイ酸イットリウムSPAビーズ(3mMのそれぞれPDEs9および11用の非標識サイクリックヌクレオチドを含有)を用いて終結する。プレートを再密封し、20分間振とうした後、ビーズを暗所で30分間沈降させ、次いでトップカウント プレートリーダー(パッカード、メリデン(Meriden)、CT)上でカウントする。放射能単位を、阻害されていない対照(100%)の%活性に変換し、阻害剤濃度に対してプロットし、そして阻害剤IC50値を、’曲線の当てはめ(Fit
Curve)’マイクロソフト・エクセル・エクステンション(Microsoft Excel extension)を用いて得る。
機能的活性
これは、S.A.バラード(S. A. Ballard)等 (Brit. J. Pharmacol., 1996, 118 (suppl.), 要約153P)により説明される通りに、予め収縮したラビット陰茎海綿体組織条片のニトロプルシドナトリウム誘導弛緩を増強する本発明の化合物の能力を測定することによりインビトロで評価することができる。
1.0 方法
1.1. 動物試験方法
1.1.1. 麻酔したラットにおける陰茎勃起および射精試験方法
陰茎勃起および射精を研究するために、用いた方法は、ヨネザワ等(2000) Life Sciences 67, 3031-3039 に教示された方法論に基づく。論及を容易にするために、この方法論を下記に説明する。
体重350−450gの雄性ウィスター−ST株ラットを用いる。実験に先立ち、動物を、制御された12時間明暗サイクル(07:00に点灯)、一定温度(23±1℃)および湿度(55±5%)下で群に分けて(ケージ当たり2匹のラット)飼育する。彼等は、標準食物ペレットおよび水に自由に近づける。
ラットをペントバルビタールナトリウム(50mg/kg、腹腔内)で麻酔し、仰向けの姿勢にする。陰茎をその鞘から押し出し、陰茎の根元の位置にある木製のアプリケーターによりやさしく支える。鞘の収縮ならびに、陰茎勃起、陰茎体の紅潮および膨張、亀頭勃起、亀頭およびカップ(cup)の充血および僅かな張り出し(flaring)、亀頭の強度の張り出しを伴う亀頭勃起を含む陰茎の応答が記録される直前に、試験化合物を腹腔内投与する。試験化合物投与から初めの陰茎応答および射精までの潜時を、やはり測定する。
PCA誘導射精に対する試験化合物の効果を、やはり、30分にわたり蓄積された精液の重量を量ることにより評価する。意識のあるラットを用いる適切な方法は、レニイ(Renyi) (1985) Neuropharmacology, 24巻、8号、697−704ページに説明されている。
海綿体内圧を、やはり、ペントバルビタールナトリウム(50mg/kg、腹腔内)で麻酔されたラットで測定する。更に、少しの更なる量(5mg)を、必要に応じて実験時間を通じて注射してもよい。陰茎を、それの鞘から押し出し、海綿体内圧(ICP)を、一つの陰茎海綿体にステンレス鋼の針(23ゲージ)を挿入することにより測定する。針を、ヘパリン処理した生理食塩水(10U/ml)を充填したフッ素樹脂(テフロン(登録商標))チューブに取り付け、圧力変換器(NEC−San−Ei7500)に接続する。
1.1.2 雄性性的行動モデル:
全ての性的行動試験では、雄性ラットを観察舞台(直径50−60cm)に載せ、5時に開始して暗サイクルにもっていき、赤い照明下で観察する。雄を舞台に載せて3から4分後、受け入れる雌(卵巣摘出した、行動研究の48時間前に安息香酸エストラジオール/プロゲステロン注射)を舞台に導入し、以下のパラメーターを書き留める:
i)射精潜時(EJL;受け入れる雌を舞台に導入してから射精までにかかる時間);
ii)性交効率(CE;射精潜時/射精までの挿入回数、即ち、挿入間の秒数);
iii)挿入頻度(IF;射精までの挿入回数);
iv)背のり頻度(MF;射精までの背のり回数);
v)射精後の間隔(PEI;射精から性交行動の開始までにかかる時間)。
2.0 選択的オキシトシン受容体アンタゴニスト
以下の実施例に用いる化合物は、次の通りである:
選択的オキシトシン受容体アンタゴニストL−368,899。この化合物に関する更なる詳細は、上記に提供されている。L−368,899は、V1a受容体と比較してオキシトシン受容体に対し20倍超選択的である[6.3nMのOT:148nMのV1a]。
実施例1.選択的オキシトシン受容体アンタゴニスト(L−368,899)の存在下の遅延射精
オキシトシン受容体アンタゴニストL−368,899は、麻酔したラット(0.1−10mgkg−1、皮下(sc))におけるp−クロロアンフェタミン(PCA)が誘導する射精をオキシトシン選択的用量で有意に遅らせた。射精は、遊離血漿濃度5.4±1.5nM(0.9xKi OT、図1参照)で140%(最大効果近く)遅れた−この用量で、オキシトシン受容体の拮抗作用によりいくらかの活性が生じると考えられる。
勃起形成メカニズムは、オキシトシン受容体遮断によって大きく影響されなかった−陰茎カップおよび張り出しの回数は、対照およびオキシトシンアンタゴニスト研究において同様であった(下記表1参照)。1mgkg−1sc用量のL−368,899(射精を有意に遅らせる用量)後、賦形剤対照群における94%に比較してPCAが誘導する勃起の95%が、陰茎カップに帰し、そして賦形剤対照群における63%に比較してPCAが誘導する勃起の61%が、陰茎の張り出しに帰した。
Figure 2005525321


L−368,899は、CNS侵入がほとんどなく、それだけで、この研究は、オキシトシンが、PCAが誘導する射精において末梢部位の作用を有することを示す。PCAは、陰茎勃起をもたらす非アドレナリン作動性非コリン作動性神経および射精を制御する交感神経経路を活性化する5HT遊離薬である。これらのプロセクシュアル(prosexual)効果は、5HT1Bおよび5HT2C受容体に対し作用する脊髄の5HTの放出を経て仲介されると考えられる。PCAは、また、おそらく下垂体後葉または脊髄中心から、オキシトシンの分泌も誘導する。男性におけるようなオキシトシンのこの増加は、これらの研究におけるオキシトシン受容体の拮抗作用が、射精を達成するのにかかる時間に対して著しい効果があることから、射精過程に関与する。
ヒトの射精生理学を反映する射精の齧歯類モデルを用い、本発明者等は、末梢オキシトシン受容体が、射精のメカニズムに関与することを示した。これらの作用は、直接であるか、または内部生殖器の交感神経支配の調節を経るかもしれない。本発明者等は、中枢のオキシトシン受容体の役割を割り引いて考えることはできない。更には、研究は、オキシトシンアンタゴニストが、射精を遅らすことにより早発射精の治療に有用であることを示す。
実施例2.麻酔したラットにおける精嚢圧に対する選択的オキシトシンアンタゴニスト(L−368,899)の影響
L−368,899は、麻酔したラット(1−3mgkg−1、静脈)の精嚢圧における内蔵神経が刺激する増加を著しく減少させた。精嚢収縮は、射出に必須であり、前立腺尿道へ供給される精液が、射精の引き金を引くと考えられる。オキシトシンは、哺乳類の精嚢に対し直接的収縮作用を有し、更に、射精中に交感神経支配に影響を及ぼすニューロモジュレーター役割を有するかもしれない。この研究において、精嚢収縮は、1mgkg−1のボーラス注射後41%減少した(下記図2参照)。予備研究は、1.0mgkg−1静脈注射後に得られるL−368,899の遊離血漿濃度が、文献のPKおよび蛋白質血漿結合に基づき、およそ60nMであることを示唆する。
データは、オキシトシンが内蔵神経刺激中に放出されること、このペプチドが嚢内圧の発生および射精前の射出の過程において生理学的役割を演じることを示唆する。この研究は、末梢射精応答に影響する全身性オキシトシンの役割を支持する−これらの作用は、直接であるか、または精嚢の交感神経支配の調節を経るかもしれない。オキシトシンは、雄性の性器路中の管および腺小葉の収縮を変え、従って、異なる精液成分の液容量に影響する。精液容量の増加は、挿入から射精までの時間を短くすると考えられ、従って、オキシトシンアンタゴニストは、精液射出を遅らせることによる早発射精の治療に有用であることができる。
実施例3.ラットにおける性交行動に対する選択的オキシトシンアンタゴニスト(L−368,899)の影響
L−368,899は、10mgkg−1scまでの用量で性的に経験を積んだラットの性交行動に何ら影響しない。齧歯類の性交行動は、膣挿入を伴う及び伴わない一連の背のり(背のりの50−80%は、挿入[膣貫通]に帰する)により特徴付けられ、射精は、6から12回の挿入後に起きる。各挿入は、およそ数秒続く−挿入の長さ、即ち膣内潜時を定量化することは可能ではない。L−368,899の効果は、多数の性交パラメーター(上記参照)に関して評価された。本発明者等は、膣貫通を要約する尺度として性交効率に焦点を絞った。
試験したいずれの用量(0.05−10mgkg−1sc、下記表2参照)でも性交効率に対するL−368,899の影響は何らなかった。予備的ファーマコキネティックス研究は、1mgkg−1scおよび10mgkg−1sc注射の30分後、4.5nMおよび40nMの遊離血漿濃度が、それぞれ予想されるであろうことを示唆する。
Figure 2005525321


L−368,899は、また、脳室内(icv)により投与された。L−368,899は、50ng/ラットicv投与された場合、性的に経験を積んだラットにおける性交効率に対し何ら有意の影響がない。
Figure 2005525321

実施例4.性交行動に対する非選択的オキシトシンアンタゴニスト(バソプレッシン)の影響
性交行動に対するd(CHTyr(Me)−Orn−バソプレッシン、即ちペプチド性非選択的オキシトシンアンタゴニストの影響を調査する前の研究は、25ng/ラットicvまでの用量で、何ら射精潜時の影響はないことを示した。5ng/ラットicv注射後、性交効率において(有意の)減少があった−賦形剤対照動物における25秒/挿入に比較して46秒/挿入。この影響は、オキシトシンおよび/またはバソプレッシン受容体により仲介されるかもしれない。50ng/ラットicv投与後、性交行動はなくなり(メリス(Melis)等 Neuroscience Letters 265 (1999) 171-174)は、100ng/ラットicvが非接触勃起の回数を減少させ、100ng/ラットicvが薬剤誘導勃起を完全になくすことを示した。この後者のデータは、選択的オキシトシン受容体アンタゴニスト(L−368,899)を用いた研究と対照的に、中枢のオキシトシンおよびバソプレッシンの両方の受容体の拮抗作用が、勃起のメカニズムおよび覚醒能力を含む性的行動に不利であるかもしれないことを示すことができる。
略語
PE = 早発射精
OT = オキシトシン
cAMP = サイクリックアデノシン−3´,5´−一リン酸
cGMP = サイクリックグアノシン−3´,5´−一リン酸
PDE = ホスホジエステラーゼ
PDEcGMP= cGMPを加水分解するPDE
PDEi = PDEの阻害剤(I:PDEとしても知られている)
PDE5 = ホスホジエステラーゼ5型
PDE5i= PDE5の阻害剤
kDa = キロダルトン
bp = 塩基対
kb = キロ塩基対
配列表(説明の一部を形成する)
Figure 2005525321
次に、以下の図および配列表に例としてのみ言及して、本発明を更に説明する。
図1は、麻酔したラットにおけるp−クロロアンフェタミン(PCA)が誘導する射精に対するオキシトシン受容体アンタゴニストL−368,899の効果を描くグラフを示し;そして 図2は、麻酔したラットにおける精嚢圧に対する選択的オキシトシンアンタゴニスト(L−368,899)の効果を描くグラフを示す。
配列表
配列番号:1は、ヒトのオキシトシン受容体のアミノ酸配列を示し;そして
配列番号2は、ヒトのバソプレッシンV1A受容体のアミノ酸配列を示す。

Claims (30)

  1. 選択的オキシトシンアンタゴニストが、薬学的に許容することのできる担体、希釈剤または医薬品添加物と任意に混合されてもよい、雄性の射精障害の治療または予防における用途のための選択的オキシトシンアンタゴニストを含む組成物。
  2. 雄性の射精障害が早発射精である、請求項1に記載の組成物。
  3. 選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、請求項1または請求項2に記載の組成物。
  4. 雄性射精障害の治療の用途のための医薬の製造における選択的オキシトシンアンタゴニストの使用。
  5. 雄性射精障害が早発射精である、請求項4に記載の使用。
  6. 選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、請求項4または請求項5に記載の使用。
  7. ヒトまたは動物における雄性射精障害を治療または予防する方法であって、当該選択的オキシトシンアンタゴニストが薬学的に許容することのできる担体、希釈剤または医薬品添加物と任意に混合されてもよい、効果的な量の選択的オキシトシンアンタゴニストを個体に投与することを含む方法。
  8. 雄性射精障害が早発射精である、請求項7に記載の方法。
  9. 当該選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、請求項7または請求項8に記載の方法。
  10. 少なくとも一つのコンパートメントが1種以上の選択的オキシトシンアンタゴニストを含む、1つ以上のコンパートメントを含む医薬パック。
  11. 当該選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、請求項10に記載の医薬パック。
  12. 医薬組成物の調製法であって、1種以上の選択的オキシトシンアンタゴニストと薬学的に許容することのできる希釈剤、医薬品添加物または担体を混合することを含む当該方法。
  13. 選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、請求項12に記載の方法。
  14. 雄性の射精障害を治療および/または予防するのに用いることができる物質を同定するための測定法であって、試験物質が内因性射精過程を直接増強することができるかどうかを測定することを含む測定法(ここで、当該増強は、本明細書で定義される通りの試験物質の存在下における射精潜時の増加および/または回復と定義され;試験物質によるこのような増強作用は、試験物質が雄性射精障害の治療または予防に有用であり得ることを示しており、ここで当該試験物質は選択的オキシトシンアンタゴニストである)。
  15. 当該雄性射精障害が早発射精である、請求項14に記載の測定法。
  16. 選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、請求項14または請求項15に記載の測定法。
  17. 請求項14から16のいずれか1項に記載の測定法により同定される物質。
  18. 医薬が請求項17に記載の物質を含む、雄性射精障害を治療するための経口投与用医薬。
  19. 当該雄性射精障害が早発射精である、請求項18に記載の医薬。
  20. (a)請求項14から16のいずれか1項の測定法を実施する;(b)射精潜時を増加および/または回復させることのできる1種以上の物質を同定する;そして(c)一定量のそれらの1種以上の同定された物質を調製する(ここで、当該物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである)段階を含む方法。
  21. 選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、請求項20に記載の方法。
  22. 雄性射精障害を治療または予防することのできる物質を同定するための動物モデルであって、受け入れる雌の導入後の当該動物の射精潜時を測定する手段を含む雄性動物を含む当該モデル(ここで、当該物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである)。
  23. 当該雄性射精障害が早発射精である、請求項22に記載の動物モデル。
  24. 選択的オキシトシンアンタゴニストが、バソプレッシン受容体と比較してオキシトシン受容体に少なくとも20倍選択的である、請求項22または請求項23に記載の動物モデル。
  25. 射精障害を治療または予防するために内因性射精過程を直接増強することのできる物質を同定するための測定法であって、請求項22から24のいずれか1項の動物モデルに物質を投与し;そして受け入れる雌の導入後の当該動物の射精潜時を測定することを含む測定法(ここで、当該物質は、選択的オキシトシンアンタゴニストである)。
  26. 雄性射精障害の治療および/または予防用医薬の製造/調製における1種以上の選択的オキシトシンアンタゴニストおよび1種以上の以下の補助的活性物質から成る多剤併用薬の使用:
    i)PDE阻害剤、更に詳しくはPDE5阻害剤、当該阻害剤は、好ましくはそれぞれの酵素に対し100nM未満のIC50を有する;
    ii)セロトニン受容体アゴニストまたはモジュレーター、更に詳しくはアンピルトリンを含む、5HT2C、5HT1Bおよび/または5HT1D受容体のアゴニストまたはモジュレーター;
    iii)セロトニン受容体アンタゴニストまたはモジュレーター、更に詳しくはNAD−299(ロバルゾタン(robalzotan))およびWAY−100635を含む、5HT1Aのアンタゴニストまたはモジュレーター、および/または更に詳しくはバタノピルド(batanopirde)、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピストロン(tropistron)およびMDL−73147EFを含む5HT3受容体のアンタゴニストまたはモジュレーター;
    iv)抗うつ薬、特に、i)セルトラリン、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、シタロプラム、ベンラファキシン、ミルタザピン、ネファゾドンおよびトラゾドンを含む選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRi);ii)クロミプラミン、デサプラミン(desapramine)、イミプラミン、アミトリプチリン、ドキセピン、アモキサピン、マプロチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トリミプラミンおよびブプロプリオン(buproprion)を含む三環式抗うつ薬(TCA);およびiii)モノアミンオキシダーゼ;
    v)α−アドレナリン受容体アンタゴニスト(α−アドレナリン遮断薬、α−遮断薬またはα−受容体遮断薬としても知られている);適切なα1−アドレナリン受容体アンタゴニストとしては、フェントールアミン、プラゾシン、フェントールアミンメシラート、トラゾドン、アルフゾシン、インドラミン、ナフトピジル、タムスロシン(tamsulosin)、フェノキシベンザミン、ラウオルフィア総アルカロイド、レコルダティ15/2739、SNAP1069、SNAP5089、RS17053、SL89.0591、ドキサゾシン(doxazosin)、テラゾシンおよびアバノキル(abanoquil)が挙げられ;適切なα2−アドレナリン受容体アンタゴニストとしては、ジベナルニン(dibenarnine)、トラゾリン、トリマゾシン、エファロキサン、ヨヒンビン、イダゾキサン、クロニジンおよびジベナルニンが挙げられ;適切な非選択的α−アドレナリン受容体アンタゴニストとしては、ダピプラゾールが挙げられ;更なるα−アドレナリン受容体アンタゴニストは、WO99/30697、US4,188,390、US4,026,894、US3,511,836、US4,315,007、US3,527,761、US3,997,666、US2,503,059、US4,703,063、US3,381,009、US4,252,721およびUS2,599,000に記載されている;
    vi)迅速な効き目の選択的セロトニン再取り込み阻害剤。
  27. 当該雄性射精障害が早発射精である、請求項26に記載の使用。
  28. 薬学的に許容することのできる担体、希釈剤または医薬品添加物と任意に混合しても良い1種以上の選択的オキシトシンアンタゴニストおよび1種以上のPDEi’sから成る医薬組成物。
  29. 当該PDEiがPDE5iである、請求項28に記載の医薬組成物。
  30. 射精障害の治療および/または予防用医薬の調製における請求項28または請求項29に記載の医薬組成物の使用。
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