JP2005524424A - 医療デバイスをコーティングするための組成物および方法 - Google Patents
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Abstract
医療デバイスをコーティングするための組成物および方法が提供される。本発明の1つの実施形態は、ヒアルロン酸およびヘパリンを含むコーティング組成物を使用する。本発明の別の実施形態は、ポリリジンおよびヘパリンを含むコーティング組成物を使用する。本発明のさらに別の実施形態は、ヒルジン、ペプチドおよびヘパリンを含むコーティング組成物を使用する。本発明はまた、生体液または組織と接触されるように構築される物品の上にコーティングを作製するための方法であって、該方法は:ヒアルロン酸溶液を、該物品の表面に塗布する工程;および該物品の該表面上にヘパリン溶液を塗布する工程を包含する、方法を提供する。
Description
本発明は、概して、表面コーティングに関する。より詳細には、本発明は、医療デバイスをコーティングするための組成物および方法に関する。
(発明の背景)
現代の医療手順は、患者に対して外来性物体の挿入を日常的に包含する。例えば、種々の血管内ステントおよび補綴物が、罹患した動脈に挿入するため、それにより、動脈閉塞を抑制するために開発されてきている。さらに、多くの型の医療デバイスは、開心手術または透析の間の代替血管として機能する。
現代の医療手順は、患者に対して外来性物体の挿入を日常的に包含する。例えば、種々の血管内ステントおよび補綴物が、罹患した動脈に挿入するため、それにより、動脈閉塞を抑制するために開発されてきている。さらに、多くの型の医療デバイスは、開心手術または透析の間の代替血管として機能する。
しかし、これらのデバイスの使用は、迅速なトロンボゲン形成作用および全身性炎症反応を含む、有害な身体反応を刺激し得る。この炎症反応は、術後の臨床上の種々の合併症(例えば、肺毛細血管反応の増大、関連する凝固障害、アナフィラキシー反応、および種々の程度の臓器不全)を伴う。これらの合併症は、慣用される手術(特に心臓手術)の死亡率に寄与する。
多数のコーティングが特定の医療デバイスとその医療デバイスが存在する環境との間の適合性を促進することが意図される医療デバイスのために開発されてきた。これらの生体適合性コーティングは、概して、そのデバイスに連続して塗布される、いくつかの異なる層から構成される。このコーティングプロセスは、毒性であるかまたはそうでなければ特殊な保存または取り扱い手順を必要とする高い材料の使用を包含し得る。コーティングプロセスのコストおよび複雑性は、その医療デバイスの最終的な製造コストを増大させ、そしてヘルスケアのコストを増大させる。
従って、単純かつ安全な様式で、医療デバイスに塗布され得る、安価な生体適合性のコーティングに対する必要性が存在する。
(発明の要旨)
公知の従来の生体適合性コーティングに伴う欠点を克服するために、本発明が提供される。本発明は、ヘパリンと他の活性生物学的物質とを組み合わせ、それにより、他のコーティングに比較して、血液適合性を増大させる。多数の生物活性コーティングは、抗トロンボゲン形成性および血小板凝集阻害活性ならびにヘパリンに関連する他の活性を含む。本発明は、特定の必要性について、表面コーティングの性能をカスタマイズするための、コーティング組成物の変更を可能にする。
公知の従来の生体適合性コーティングに伴う欠点を克服するために、本発明が提供される。本発明は、ヘパリンと他の活性生物学的物質とを組み合わせ、それにより、他のコーティングに比較して、血液適合性を増大させる。多数の生物活性コーティングは、抗トロンボゲン形成性および血小板凝集阻害活性ならびにヘパリンに関連する他の活性を含む。本発明は、特定の必要性について、表面コーティングの性能をカスタマイズするための、コーティング組成物の変更を可能にする。
本発明は、医療デバイス表面または基材に塗布されるベース層を含む。このベース層は、ヒアルロン酸、ポリリジンおよびペプチド、あるいはこれらの化合物の組み合わせを含み得る。ついで、生体適合性化合物が、このベース層に付着される。生体適合性化合物は、ポリサッカリド、脂質、タンパク質、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ヒルジン、アプロチニンまたはそれらの化合物の組み合わせを含み得る。ベース層は、まず基材に塗布されるか、またはベース層化合物および生体適合性化合物が一緒に混合され得、ついでそれがその基材に単一のコーティングとして塗布され得る。
本発明の1つの実施形態は、ヒアルロン酸およびヘパリンを含むコーティング組成物を使用する。本発明の別の実施形態は、ポリリジンおよびヘパリンを含むコーティング組成物を使用する。本発明のさらに別の実施形態は、ヒルジン、ペプチドおよびヘパリンを含むコーティング組成物を使用する。
本発明はまた、コーティング組成物を作製するため、および医療デバイスに塗布するためのいくつかの方法を包含する。
本発明は、毒性の化学物質または溶媒を使用しないコーティングおよびコーティング方法を提供する。1つの実施形態において、このコーティングは、室温での1つのコーティング工程において、医療デバイスに塗布され得る。本発明のこれらおよび他の特徴および利点は、本発明の以下の詳細な説明を参酌することによって理解される。
(発明の詳細な説明)
以下の段落では、本発明は、例示の方法で詳細に説明される。本明細書を通して、示される好まれる実施形態および実施例は、本発明を制限するものではなく、例示として考えられるべきである。本明細書中で使用される場合、「本発明」とは、本明細書中に記載される本発明の実施形態またはその等価物のいずれをもいう。
以下の段落では、本発明は、例示の方法で詳細に説明される。本明細書を通して、示される好まれる実施形態および実施例は、本発明を制限するものではなく、例示として考えられるべきである。本明細書中で使用される場合、「本発明」とは、本明細書中に記載される本発明の実施形態またはその等価物のいずれをもいう。
手術手順または他の臨床的手順(例えば、透析)は、体外血液循環を含み、血液が体の外部へ循環する。この血液は、臨床的手順の間に使用される医療デバイスに見出される外来性表面と接触する。例えば、学術上数千もある医療デバイスのいくつかとしては、ステント、チューブセット、心停止デバイス、酸素発生装置、動脈フィルター、および血液保存機が挙げられるが、少ししか名を挙げていない。しかし、血液が非生理学的な組織に暴露された場合、全身性「炎症反応」が生じ得る。炎症反応は、種々の手術後の臨床的合併症(例えば、肺毛細血管反応の増大、関連する凝固障害、アナフィラキシー反応、および種々の程度の臓器の損傷)に関連し、日常的な手術(特に、心臓手術)の死亡率に寄与し得る。
体外循環デバイスまたは埋め込み可能なデバイスの外来性表面に生体適合性素材を適用することは、炎症反応を誘導する血液活性化の通常のパターンを改変し、従って、臨床的合併症を軽減する。2つの公知の生体適合性化合物が、ヘパリンとヒルジンである。今日、ヘパリンを外来性表面または基礎に結合させるために、異なる技術を使用するいくつかのヘパリンコーティング方法が存在する。
本発明のヘパリンコーティング方法は、毒性の化学薬品、高温、多工程の手順または架橋化合物の使用を必要とする。対称的に、本発明は、以下の特徴を有するコーティング方法を提供する:毒性のある化学物質または溶媒を使用しない;1つのコーティング工程で行われ得る;室温で行われる;および架橋化合物を使用しない。より詳細には、本発明では水溶性の物質が使用され、あらゆるタイプの殺菌方法が、本発明物で覆われる医療デバイスに対して使用され得る。本発明のコーティングはまた、ヒルジンおよびヘパリンの医療デバイスの表面への結合が本質的に不可逆的であるので、長期間の使用にも適している。
本発明の1つの実施形態は、あらゆるタイプの医療デバイスに対して理想的な生体適合性コーティングを提供するために、ヘパリンをヒルジンと組み合わせて使用する。本明細書中で使用される場合、「医療デバイス」は、生理学的な液体または組織に接触するあらゆるタイプのデバイスを含む。
本発明の別の実施形態は、医療デバイスの表面または基礎に結合するベース層を含む。このベース層は、ヒアルロン酸、ポリリジンおよびペプチド、またはこれらの化合物の混合物を含み得る。次いで、生体適合性化合物がベース層に結合する。この生体適合性化合物は、ポリサッカリド、脂質、タンパク質、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ヒルジン、アプロチニンまたはこれらの化合物の混合物を含み得る。ベース層は、最初に基板に塗布され得るか、またはベース層の化合物および生体適合性化合物は、一緒に混合され、次いで基板に単層コーティングとして塗布され得る。
ヘパリンは、その強力な抗凝血活性のために広く公知である、天然に存在する重度に硫酸化されたポリサッカリドである。ヘパリンの生物学的効果は、主にアンチトロンビンIIIとの相互作用を介する。ヘパリン分子は、重度に硫酸化された残基を含み、それによってポリサッカリドがアンチトロンビンと高い親和性で結合され、それによって凝血因子の不活性化が加速される。好ましくは、2つのタイプのヘパリンが、本発明によって使用される:それは低分子量ヘパリンおよび断片化されていないヘパリンである。他のタイプのヘパリン(例えば、へパラン硫酸)もまた、本発明を実施するために使用され得る。
ヒルジンは、血液が凝固するのを防ぐ、ヒルによって分泌される物質である。少なくとも100年の間、ヒル(Hirudo medicinalis)は、局所的な抗凝固効果が必要とされる医療業務において有効に使用されてきた。例えば、外科医は、再建的な形成手術における孤立性微小血管血栓の問題を克服するために、ヒルを使用し続けている。現在、ヒルジンは、生物工学を介して製造され得る。
ヒルジンは、あまり純粋でなく不均一であるヘパリンに比べ、純粋で均一な物質であり、最も強力で特異的なトロンビンのインヒビターであり、公知の最も強い抗凝固性特徴および抗血栓性特徴を有することが証明されている。阻害作用の機構はかなり単純であり、いかなる血漿補助因子も必要としない、トロンビンへの直接的な結合を伴う。
ヒルジンおよび他の直接的トロンビンインヒビターは、ヘパリンを超えるいくつかの利点を有している。ヒルジンは、血餅または細胞外マトリクス(これは、相対的にヘパリンに耐性である)に結合されたトロンビンを阻害し得る。ヒルジンは、補助因子としてアンチトロンビンIIIを必要とせず、活性化された血小板(血小板因子4および他のヘパリンを中和する分子を放出する)によって阻害されない。ヒルジンは、ヘパリンが誘導する血小板減少(これは、血液中の血小板の数が減少する)の原因となり得ず、潜在的な出血能力の増強および凝固能力の減衰を生じる。REFLUDANは、1つのタイプの市販の組換えヒルジンである(REFLUDANは、ドイツのHoechst Marion Roussel GmbHの登録商標である)。
ヘパリンコーティングを医療デバイスの表面に塗布するための従来の結合技術としては、以下が挙げられる:イオン結合、表面グラフティング(grafting)、共有結合、単一点結合および終点結合。
上述のヘパリンコーティング手順に伴ういくつかの欠点がある。主に、きつい(harsh)化学薬品が使用され、化学薬品/ヘパリンの混合中に毒物の合成が生じる。ヘパリンの濃度が低い場合、血液は、ヘパリンが覆う表面よりも生体適合性が低い化学化合物に暴露される。従って、デバイスの生体適合性は、実際上減少し得る。さらに、イオン結合しているヘパリンは、とても短い時間でデバイスから洗い流される。
さらに、いくつかの医療デバイスは均一に覆うことが困難であり、そして異なる化学薬品の接触時間を特定の限度内に保つことは困難である。また、ヘパリンと共に使用される化学薬品は、医療デバイスの材料に対しネガティブな影響を有し、デバイスがひび割れる傾向を増加し得る。
本発明の1つの特徴は、ヘパリンを高分子電解質(多価の電荷を帯びた基を有するイオン)として考え、またはモデル化することである。従って、実質的にはすべてのカチオン性ポリペプチドおよび多くのアニオン性ポリペプチド(特に、それらがリジンまたはセリンであるアミノ酸残基を含む場合)が、ヘパリンに結合し得る。
高分子電解質として処置した場合、ヘパリンは、その高分子電解質的な特徴および高い電荷密度に起因して、イオン性相互作用による多価結合を生じる。非常に低いpHでは、へパリンは、ペプチドと不可逆的な結合を生じる。また、低いpHでは、溶液は静菌的であり、すなわち低pH溶液は、細菌の成長または増殖を阻害する。
本発明の1つの実施形態は、天然の活性表面物質(例えば、組換えポリペプチド)を使用して、ヘパリンを医療デバイスの表面に結合させる。これらの物質は、デバイスの表面に不可逆的に吸着し、他のポリペプチドとの複合体およびヘパリンとの複合体を形成し得る。ポリペプチドの吸着は、親水的表面および疎水的表面において起こり得る。このポリペプチドおよびヘパリンの高分子電解質的特徴により、物質の可逆的なイオン的相互作用が可能となる。このようにして、多価結合が達成され得る。
ペプチド分子は、ペプチド鎖を形成するアミノ酸残基からなり、そのペプチド鎖の2次構造はペプチドユニット間の水素結合により決定される。ペプチド分子の立体構造は、ポリペプチド鎖の異なる部分に属するアミノ酸残基間の結合により決定される。これらの結合は、水素結合、イオン結合または疎水性結合、およびジスルフィド架橋に起因する。ポリペプチドは、広い範囲の分子量に及び、異なる立体的形状を有する。ペプチド分子は、立体化学的処置(それらの普通の機能の1部分として)および分子内結合の破壊に起因して、立体構造を変化させ得る。
ポリペプチドの最も独特な特徴は、広く様々な生物学的材料および人工的材料に結合し得ることである。結合のほとんどは、1つのタイプまたは別のタイプの疎水性相互作用を伴う。ペプチドは、可逆的に1つの配置で吸着されるが、時間と共に配向または立体構造を第2番目の不可逆的な形態に変え得る。吸着された分子が表面との接触点を広げるのには、時間がかかり得る。これは、所定の分子の可逆性または交換性の程度が、時間と共に低下することを意味する。
本発明の1つの特徴は、ペプチドの中性溶液がHClで滴定される場合、この滴定が等電点(IEP)(この点で、カルボキシルが急に滴定可能になる)で不連続性を示すことである。低いpHでは、回転自由度の増大が見られる。これは、分子拡張および増大した分子内回転に起因する。これによって、ペプチドの表面(例えば、医療デバイスの表面)への吸収が容易になる。好ましくは、ペプチドは、アスパラギン、グリシンおよびアルギニンであるアミノ酸残基を含む。
IEPでは、ペプチドは、あまり可溶ではなくなり、IEPより下のpHでは、ペプチドは、負に帯電したヘパリン分子と不溶性の高分子電解質性の複合体を形成する。pHが、低くなるにつれて、ペプチド分子は、より正に帯電するようになる。また、低いpHでは、細菌の成長が弱められ、無菌的に作業することがより容易になり、そしてペプチド溶液のより長期の使用を可能にする。さらに、ペプチドと覆われるべき表面との間の接触時間が、増大するにつれて、ペプチドの固定の不可逆性もまた増大する。従って、疎水性表面と親水性表面との間のペプチド吸着についてわずかな相違しかなく、異なるタイプの表面間でのペプチド量の計算がより容易になる。最後に、ペプチド濃度の増大は、表面に吸着されるペプチドの増大をもたらす。
好ましくは、本発明に使用されるペプチドは、アルギニン−グリシン−アスパラギン−セリンの配列を有するテトラペプチドである。または、アルギニン−グリシン−アスパラギン−リジンの配列を有するテトラペプチドもまた、使用され得る。さらに、上記のテトラペプチドの繰り返し配列を有するオリゴペプチドもまた、使用され得る。多くの人工的ペプチドおよび天然ペプチドが、これらの配列を含む。これらのペプチドは、血小板の凝結を阻害し、血栓崩壊性の治療の効力と強力性を改善し得る。他の適切なペプチドもまた、本発明によって使用され得る。上述のペプチドの他の特徴は、表面にとても速やかに接着する能力を有することである。これらのペプチドを使用することで、ヒルジンおよび/またはヘパリンの連結のように、医療デバイス(例えば、心停止ユニット、酸素発生装置、またはステント)に不可逆的なコーティングをするための接触時間をかなり軽減し得る。
上述のペプチドはまた、天然の物質であり、ヘパリンおよびヒルジンの両方に対して親和性を有する。それらはまた、表面の親水性を増大させ、それによって医療デバイスの圧力低下を減少させることで、湿潤剤としても機能する。それらはまた、特にプラスティック材料に関して、細菌の接着を軽減する。最後に、これらのペプチドはまた、現在医療デバイスのコーティングに使用される他の化学薬品に比べ、相対的に安価である。
独特な多価結合構造によって、医療デバイスの分野で使用されるほとんどの素材を覆うことが可能となる。本プロセスは、不快な化学薬品または架橋剤を使用することなく、生物学的製品を使用する。多価構造は、スルヒドリル残基およびスルホンアミド結合のアシル化、アルキル化、シッフ塩基形成、チオ化を伴う。
(コーティング溶液 実施例1)
パートI溶液
1リットルの滅菌水に、50ミリグラム(mg)のヒルジンを溶解する。
パートI溶液
1リットルの滅菌水に、50ミリグラム(mg)のヒルジンを溶解する。
この溶液にHClを加えて、pHを3.8に調整する(5分間待って、そしてpHがまだ3.8であるか検査する)。
このヒルジン溶液に、20mgのテトラペプチドを溶解する。
この溶液にHClを加えて、pHを3.3に調整する(5分間待って、そしてpHがまだ3.3であるか検査する)。
パートII溶液
滅菌した0.9% NaCl溶液(通常の生理食塩水)に、65,000 IU/リットルのヘパリンを溶解する。
滅菌した0.9% NaCl溶液(通常の生理食塩水)に、65,000 IU/リットルのヘパリンを溶解する。
この溶液にHClを加えて、pHを2.3に調整する(5分間待って、そしてpHがまだ2.3であるか検査する)。
閉じた容器中で、コーティング溶液のパートIとパートIIとを共に混合する。あるいは、ヒルジン−ヘパリン表面濃度を管理するために、ヘパリン濃度を変え得る。上記コーティング溶液は、0.25マイクログラム/cm2のヘパリン濃度を生じる。別のヘパリン濃度は、0.05〜0.6マイクログラム/cm2の範囲であり得る。ヒルジンの表面濃度は、0.05〜0.6マイクログラム/cm2の範囲であり得る。パートI溶液およびパートII溶液は両方とも、細菌がまったく増殖すること無く、3ヶ月間使用され得る。周期的に、両溶液の滅菌フィルターを通した濾過および濃度の検査をするべきである。これは、パートI溶液およびパートII溶液の両溶液が再使用され得、従って、コーティング物質のコストが、実質的にデバイスに使用された分のみであることを意味する。これにより、製造コストは大きく軽減される。上記のコーティング溶液の別の利点は、これが、少なくとも2年間の有効期限を有することである。
別の実施形態のコーティングは、単独のコーティングとして、テトラペプチドおよびヒルジンを使用し得る。
上記のコーティング溶液は、以下の工程を行うことによって、いかなる医療デバイスにも塗布され得る:1)容器とローラーポンプとデバイスとの間を、清潔なチュービングで接続する工程;2)ローラーポンプを開始させることで、デバイスを満たし始める工程;3)デバイス中のすべての空気がなくなったことを検査する工程;4)少なくとも2時間、コーティング溶液をデバイス中に留めておく工程;5)好ましくは、滅菌した圧縮空気を使用することで、デバイス中の溶液を空にする工程;6)製品の液体容量の少なくとも3倍の滅菌水を使用して、リンスする工程;7)ヘパリンの残存物について、リンス溶液を検査する工程;8)好ましくは、滅菌した空気で、デバイスを乾燥する工程。
上記のコーティング溶液は、いかなる医療デバイスにも塗布され得る。これには、プラスティック、ポリマー、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、シリコーンゴム、ゴム、ポリウレタン、DACRON、TEFLON(登録商標)、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ラテックスゴム、ステンレス鋼、アルミニウム合金、金属合金、ニッケル、チタン、セラミクスおよびガラス(DACRONおよびTEFLON(登録商標)は、E.I.du Pont de Nemours and Company of Wilmington、Delawareの登録商標である)から構築される医療デバイスが挙げられるが、これらに限定はされない。
(コーティング溶液 実施例2)
パートI溶液とパートII溶液とを共に混合する代わりに、この2つの溶液を、連続した工程で使用し得る。これにより、医療デバイスに対して「より厚いカーペット」のコーティングをする必要がある場合に、柔軟性が与えられる。
パートI溶液とパートII溶液とを共に混合する代わりに、この2つの溶液を、連続した工程で使用し得る。これにより、医療デバイスに対して「より厚いカーペット」のコーティングをする必要がある場合に、柔軟性が与えられる。
2〜16時間、パートI溶液でコーティングする。
排水し、水でリンスし、超過分を吹き飛ばす。
パートII溶液で満たし、2時間、コーティングする。
排水し、水でリンスし、超過分を吹き飛ばし、乾燥させる。
(コーディング溶液 実施例3)
本発明の別の実施形態は、ヒアルロナン(ヒアルロン酸)を使用する。ヒアルロン酸は、繰り返しのジサッカリド単位から構成されるポリサッカリドである。ヒアルロンは、動物の結合組織において見出される生理学的成分である。好ましくは、分子量が約700万ダルトンのヒアルロン酸が使用されるが、50万ダルトン〜3000万ダルトンの範囲の他の分子量もまた、使用され得る。
本発明の別の実施形態は、ヒアルロナン(ヒアルロン酸)を使用する。ヒアルロン酸は、繰り返しのジサッカリド単位から構成されるポリサッカリドである。ヒアルロンは、動物の結合組織において見出される生理学的成分である。好ましくは、分子量が約700万ダルトンのヒアルロン酸が使用されるが、50万ダルトン〜3000万ダルトンの範囲の他の分子量もまた、使用され得る。
1リットルの滅菌水に、500ミリグラムのヒアルロン酸を混合する。
この溶液にHClを加えて、pHを2.3に調整する(5分間待って、そしてpHがまだ2.3であるか検査する)。
医療デバイスをヒアルロン酸溶液で満たし、2時間、放置する。
デバイスからヒアルロン酸溶液を排水する。
超過した溶液を空気で吹き飛ばす。
デバイスの液体容量の4倍の蒸留水を使用して、リンスする。
上述のように、パートIIヘパリン溶液を調製する。
デバイスをパートIIヘパリン溶液で満たし、2時間、放置する。
超過した溶液を空気で吹き飛ばす。
デバイスの液体容量の4倍の蒸留水を使用して、リンスする。
あるいは、ヒアルロン酸溶液とパートIIヘパリン溶液とを一緒に混合して、1度の塗布で医療デバイスに塗布し得る。工程3および工程8はまた、高温(例えば、40℃)で行い得る。さらに、ヒアルロン酸溶液とパートII溶液との混合もまた、高温で行い得る。
(コーティング溶液 実施例4)
本発明の別の実施形態は、ポリリジンを使用する。ポリリジンは、異なる分子量で入手可能な非天然の物質である。好ましくは、本発明は、約300,000ダルトンの分子量を有するポリリジンを使用するが、他の分子量も使用され得る。
本発明の別の実施形態は、ポリリジンを使用する。ポリリジンは、異なる分子量で入手可能な非天然の物質である。好ましくは、本発明は、約300,000ダルトンの分子量を有するポリリジンを使用するが、他の分子量も使用され得る。
1リットルの滅菌水に、1グラムのポリリジンを混合する。
この溶液にHClを加えて、pHを5.5に調整する(5分間待って、そしてpHがまだ5.5であるか検査する)。
医療デバイスをポリリジン溶液で満たし、2時間、放置する。
デバイスからポリリジン溶液を排水する。
超過した溶液を空気で吹き飛ばす。
デバイスの液体容量の4倍の蒸留水を使用して、リンスする。
上述のように、パートIIヘパリン溶液を調製する。
デバイスをパートIIヘパリン溶液で満たし、2時間、放置する。
超過した溶液を空気で吹き飛ばす。
デバイスの液体容量の4倍の蒸留水を使用して、リンスする。
あるいは、ポリリジン溶液とパートIIヘパリン溶液とを一緒に混合して、1度の塗布で医療デバイスに塗布し得る。工程3および工程8はまた、高温(例えば、40℃)で行い得る。さらに、ポリリジン溶液とパートII溶液との混合もまた、高温で行い得る。
すべての上述の溶液は、2.0と4.0との間の範囲のpHを使用する。他の溶液は、1と6.5との間の範囲であり得るpHを使用し得る。さらに、ヒアルロン酸の濃度は、約10ミリグラム/リットル(水)〜約100グラム/リットル(水)で変化し得る。同様に、ポリリジンの濃度は、約10ミリグラム/リットル(水)〜約100グラム/リットル(水)で変化し得る。本発明の他の実施形態は、医療デバイスの表面に塗布される過酸化二硫酸アンモニウムの前処置溶液を使用し得る。
血小板の損失は、他のコーティングされた市販の製品と比較して、本発明に従うコーティングを用いて減少する。β−トロンボグロブリン(β−TG)の放出もまた、本発明に従うコーティングを用いて減少する。
従って、医療デバイスをコーティングするための組成物および方法が提供されていることがわかる。当業者は、本発明が好ましい実施形態以外の実施形態によって実施され得、そして本発明が、上記の特許請求の範囲のみによって限定されることを理解する。好ましい実施形態は、限定する目的ではなく、例示する目的のために本説明中に示した。本説明中で議論した特定の実施形態と同等の様々なものによって、本発明を同様に実施し得ることに注意されたい。
Claims (37)
- ヒアルロン酸、ポリリジンおよびペプチドからなる群より選択されるベース層;および
ポリサッカリド、脂質、タンパク質、ヘパリン、ヘパラン硫酸、ヒルジンおよびアプロチニンからなる群より選択される生体適合性層
を含む、コーティング組成物。 - 前記ヒアルロン酸は、約5万ダルトンから約3000万ダルトンの間の範囲であり得る分子量を有する、請求項1に記載のコーティング組成物。
- 前記ペプチドは、テトラペプチド、オリゴペプチド、アルギニン−グリシン−アスパラギン−セリンの配列を有するペプチドおよびアルギニン−グリシン−アスパラギン−リジンの配列を有するペプチドからなる群より選択される、請求項1に記載のコーティング組成物。
- 前記ヘパリンは、低分子量ヘパリン、分画していないヘパリンおよび5000ダルトンと30,000ダルトンとの間の範囲であり得る分子量を有するヘパリンからなる群より選択される、請求項1に記載のコーティング組成物。
- 前記コーティング組成物は、プラスチック、ポリマー、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、シリコーンゴム、ゴム、ポリウレタン、DACRON、TEFLON、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ラテックスゴム、ステンレス鋼、アルミニウム合金、金属合金、ニッケル、チタン、セラミックスおよびガラスからなる群より選択される少なくとも1つの材料から構築される医療デバイスに塗布される、請求項1に記載のコーティング組成物。
- ヒアルロン酸およびヘパリンを含む、コーティング組成物。
- 前記ヒアルロン酸は、約5万ダルトンから約3000万ダルトンの間の範囲である分子量を有する、請求項6に記載のコーティング組成物。
- 前記ヒアルロン酸は、約700万ダルトンの分子量を有する、請求項6に記載のコーティング組成物。
- 前記ヘパリンは、低分子量ヘパリン、分画していないヘパリンおよび5000ダルトンと30,000ダルトンとの間の範囲であり得る分子量を有するヘパリンからなる群より選択される、請求項6に記載のコーティング組成物。
- 前記コーティング組成物は、プラスチック、ポリマー、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、シリコーンゴム、ゴム、ポリウレタン、DACRON、TEFLON、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ラテックスゴム、ステンレス鋼、アルミニウム合金、金属合金、ニッケル、チタン、セラミックスおよびガラスからなる群より選択される少なくとも1つの材料から構築される医療デバイスに塗布される、請求項6に記載のコーティング組成物。
- ヒアルロン酸;ヘパリン;およびヒルジンを含む、コーティング組成物。
- 前記ヒアルロン酸は、約5万ダルトンから約3000万ダルトンの間の範囲である分子量を有する、請求項11に記載のコーティング組成物。
- 前記ヒアルロン酸は、約700万ダルトンの分子量を有する、請求項11に記載のコーティング組成物。
- 前記ヘパリンは、低分子量ヘパリン、分画していないヘパリンおよび5000ダルトンと30,000ダルトンとの間の範囲であり得る分子量を有するヘパリンからなる群より選択される、請求項11に記載のコーティング組成物。
- 前記ヒルジンは、約6,900ダルトンの分子量を有する、請求項11に記載のコーティング組成物。
- 前記コーティング組成物は、プラスチック、ポリマー、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、シリコーンゴム、ゴム、ポリウレタン、DACRON、TEFLON、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ラテックスゴム、ステンレス鋼、アルミニウム合金、金属合金、ニッケル、チタン、セラミックスおよびガラスからなる群より選択される少なくとも1つの材料から構築される医療デバイスに塗布される、請求項11に記載のコーティング組成物。
- ポリリジンおよびヘパリンを含む、コーティング組成物。
- 前記ポリリジンは、約20,000と約2,000,000ダルトンとの間の範囲である分子量を有する、請求項17に記載のコーティング組成物。
- 前記ヘパリンは、低分子量ヘパリン、分画していないヘパリンおよび5000ダルトンと30,000ダルトンとの間の範囲であり得る分子量を有するヘパリンからなる群より選択される、請求項17に記載のコーティング組成物。
- 前記コーティング組成物は、プラスチック、ポリマー、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、シリコーンゴム、ゴム、ポリウレタン、DACRON、TEFLON、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ラテックスゴム、ステンレス鋼、アルミニウム合金、金属合金、ニッケル、チタン、セラミックスおよびガラスからなる群より選択される少なくとも1つの材料から構築される医療デバイスに塗布される、請求項17に記載のコーティング組成物。
- ヒルジン;ペプチド;およびヘパリンを含む、コーティング組成物。
- 前記ヒルジンは、約6,900ダルトンの分子量を有する、請求項21に記載のコーティング組成物。
- 前記ヘパリンは、低分子量ヘパリン、分画していないヘパリンおよび5000ダルトンと30,000ダルトンとの間の範囲であり得る分子量を有するヘパリンからなる群より選択される、請求項21に記載のコーティング組成物。
- 前記ペプチドは、テトラペプチドである、請求項21に記載のコーティング組成物。
- 前記ペプチドは、アルギニン−グリシン−アスパラギン−セリンの配列を有するテトラペプチドである、請求項21に記載のコーティング組成物。
- 前記ペプチドは、アルギニン−グリシン−アスパラギン−リジンの配列を有するテトラペプチドである、請求項21に記載のコーティング組成物。
- 前記ペプチドは、オリゴペプチドである、請求項21に記載のコーティング組成物。
- 前記コーティング組成物は、プラスチック、ポリマー、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、シリコーン、シリコーンゴム、ゴム、ポリウレタン、DACRON、TEFLON、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ナイロン、ラテックスゴム、ステンレス鋼、アルミニウム合金、金属合金、ニッケル、チタン、セラミックスおよびガラスからなる群より選択される少なくとも1つの材料から構築される医療デバイスに塗布される、請求項21に記載のコーティング組成物。
- 生体液または組織と接触されるように構築される物品の上にコーティングを作製するための方法であって、該方法は:
ヒアルロン酸溶液を、該物品の表面に塗布する工程;および
該物品の該表面上にヘパリン溶液を塗布する工程、
を包含する、方法。 - 前記ヒアルロン酸溶液は、約pH1と約pH6.5との間の範囲であり得るpHを有する、請求項29に記載の方法。
- 前記ヘパリン溶液は、約2のpHを有する、請求項29に記載の方法。
- 生体液または組織に接触されるように構築される物品の上にコーティングを作製する方法であって、該方法は、
ヒアルロン酸およびヘパリンの両方を含む溶液を、該物品の表面に塗布する工程、
を包含する、方法。 - 生体液または組織に接触されるように構築される物品の上にコーティングを作製する方法であって、該方法は、
ポリリジンを含む溶液を、該物品の表面に塗布する工程;および
ヘパリン溶液を該物品の該表面に塗布する工程、
を包含する、方法。 - 生体液または組織に接触されるように構築される物品の上にコーティングを作製する方法であって、該方法は、
コーティング溶液を、該物品の表面に塗布する工程であって、該コーティング溶液は、ヒルジン、ペプチドおよびヘパリンの混合物を含む、工程
を包含する、方法。 - 前記ペプチドは、テトラペプチドである、請求項34に記載の方法。
- 前記ペプチドは、アルギニン−グリシン−アスパラギン−セリンの配列を有するテトラペプチドである、請求項34に記載の方法。
- 前記ペプチドは、アルギニン−グリシン−アスパラギン−リジンの配列を有するテトラペプチドである、請求項34に記載の方法。
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